JP2000227125A - トリポード型等速自在継手 - Google Patents

トリポード型等速自在継手

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JP2000227125A
JP2000227125A JP11027703A JP2770399A JP2000227125A JP 2000227125 A JP2000227125 A JP 2000227125A JP 11027703 A JP11027703 A JP 11027703A JP 2770399 A JP2770399 A JP 2770399A JP 2000227125 A JP2000227125 A JP 2000227125A
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JP
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tripod
roller
constant velocity
universal joint
velocity universal
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Withdrawn
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JP11027703A
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English (en)
Inventor
Akio Sakaguchi
明夫 坂口
Hisaaki Kura
久昭 藏
Kenji Terada
健二 寺田
Hiroshi Tone
宏 登根
Akira Nakagawa
亮 中川
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NTN Corp
Original Assignee
NTN Corp
NTN Toyo Bearing Co Ltd
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    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/80Technologies aiming to reduce greenhouse gasses emissions common to all road transportation technologies
    • Y02T10/86Optimisation of rolling resistance, e.g. weight reduction 

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トリポード型等速自在継手のスライド抵抗、
誘起スラストを極力減少させる。 【解決手段】 外方継手部材1のトラック溝2内に収容
され、外方継手部材1の軸方向に移動可能な外ローラ4
4に対して首振り自在とした内ローラ43を、転動体と
しての複数のボール42を介して回転自在に脚軸5に支
持させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はトリポード型等速
自在継手に関する。一般に、等速自在継手は駆動側と従
動側の2軸を連結して2軸間に角度があっても等速で回
転力を伝達することのできるユニバーサルジョイントの
一種であって、摺動式のものは、継手のプランジングに
よって2軸間の相対的軸方向変位を可能にしたものであ
り、トリポード型は、半径方向に突出した3本の脚軸を
備えたトリポード部材を一方の軸に結合し、軸方向に延
びる3つのトラック溝を備えた中空円筒状の外方継手部
材を他方の軸に結合し、外方継手部材のトラック溝内に
トリポード部材の脚軸を係合させてトルクの伝達を行う
ようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】トリポード型等速自在継手の一例を図5
を参照して説明すると、外方継手部材(1)の内周面の
軸方向に3本の円筒形トラック溝(2)を形成し、外方
継手部材(1)内に挿入したトリポード部材(4)の半
径方向に突設した3本の脚軸(5)の円筒状の外周面に
複数の針状ころ(6)を介して回転可能に外嵌した円環
状のローラ(7)をトラック溝(2)に挿入して構成さ
れる。各トラック溝(2)の円周方向で対向する一対の
ローラ案内面(3)は軸方向に平行な凹曲面であり、3
本の脚軸(5)の各ローラ(7)の外周面はローラ案内
面(3)に適合する凸曲面である。各ローラ(7)は、
対応するトラック溝(2)のローラ案内面(3)に係合
して脚軸(5)を中心に回転しながらトラック溝(2)
に沿って移動可能である。
【0003】図5(B)に示すように、外方継手部材
(1)とトリポード部材(4)が作動角(θ)をとった
状態で回転力を伝達するとき、ローラ(7)とローラ案
内面(3)は図5(C)に示すように互いに斜交する関
係となる。この場合、ローラ(7)は図5(B)に矢印
tで示す方向に転がり移動しようとするのに対して、ト
ラック溝(2)は外方継手部材の軸線と平行な円筒形で
あるため、ローラ(7)はトラック溝(2)に拘束され
ながら移動することになる。その結果、ローラ案内面
(3)とローラ(7)との相互間に滑りが発生してスラ
イド抵抗が発生し、更に、この滑りが軸方向に誘起スラ
ストを発生させる。このようなスライド抵抗と誘起スラ
ストは、車体の振動や騒音の発生原因となり、自動車の
NVH性能に影響を与え、車両の足回りの設計自由度を
低くするため、できるだけ低減させることが望まれる。
【0004】かかる誘起スラストとスライド抵抗を低減
させたトリポード型等速自在継手として、いわゆる二階
立てローラ構造のものが知られている(特公平3−15
29号公報)。すなわち、図6に示すように、トリポー
ド部材(4)の脚軸(5)の円筒状外周面に複数の総こ
ろ状態の針状ころ(6)を介して円環状の内ローラ(1
2)を回転可能に外嵌し、内ローラ(12)の球面状外
周面に外ローラ(13)の円筒状内周面を回転可能に外
嵌して構成される。内ローラ(12)の外周面は脚軸
(5)の軸線上に曲率中心を持つ真球面で、この真球面
を外ローラ(13)の円筒状内周面が摺動することで外
ローラ(13)が脚軸(5)に対して首振り揺動可能に
して内ローラ(12)に外嵌される。外ローラ(13)
は外方継手部材(1)のトラック溝(2)内に収容さ
れ、トラック溝(2)のローラ案内面(3)上を転動し
ながら外方継手部材の軸方向に移動可能である。この場
合も外方継手部材(1)とトリポード部材(4)が作動
角をとった状態で回転力を伝達するとき、脚軸(5)と
共に内ローラ(12)が外ローラ(13)に対して作動
角で相対回転することで、外ローラ(13)は外方継手
部材(1)の軸線と平行な姿勢を保つように外方継手部
材(1)のローラ案内面(3)によって案内され、その
ままローラ案内面(3)上を正しく転動して、作動角運
転時における滑り抵抗が低減し、誘起スラストとスライ
ド抵抗の発生が抑制される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】自動車のエンジンから
車輪に回転力を等速で伝達するためにトリポード型等速
自在継手を使用することが知られている。トリポード型
等速自在継手は、トリポード部材の脚軸に球面ローラを
取り付けてあり、脚軸外周面と球面ローラ内周面間に転
動体として針状ころが保持器なしの総ころタイプで用い
られる。そして、角度をとった状態でトルクを伝達する
とき、内部部品間の相互摩擦によって、回転中には誘起
スラストが、また、停止状態でも強制的に軸方向に伸縮
させるとスライド抵抗がそれぞれ発生する。これら誘起
スラストやスライド抵抗が関与する自動車の代表的なN
VH現象として、前者との関連では走行中の車体の横振
れ、後者との関連ではAT車における停止時Dレンジの
アイドリング振動がある。
【0006】自動車のNVH問題は、継手の誘起スラス
トやスライド抵抗の大きさを小さくすることが解決のポ
イントである。一般に、継手の誘起スラストやスライド
抵抗は作動角の大きさに依存する傾向がある。このた
め、自動車のドライブシャフトに適用する場合、作動角
を大きくできないという設計上の制約につながる。した
がって、自動車の足回り設計の自由度を高めるには、誘
起スラストやスライド抵抗の低位安定化が課題であっ
た。
【0007】しかし、従来のトリポード型等速自在継手
では転動体が総ころタイプの針状ころであるため、回転
中のころのスキュー等により、転動体面にエッジロード
など偏荷重が作用しやすい。さらには内部のすきまや精
度の関係によって接触状態が安定せず、球面ローラが傾
いたりしてもエッジロードが作用する。また、構造上球
面ローラの端部と脚軸やワッシャとの間で相対すべりも
発生する。このようなスキュー、エッジロード、相対す
べりといった現象が、継手内部の摩擦力の大きさを支配
していると考えられる。
【0008】それゆえ、本発明の目的は、これら摩擦力
をできるだけなくして誘起スラストやスライド抵抗の一
層の低減および安定化を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、内周面の円周
方向三等分位置に軸方向に延びるトラック溝を備え、連
結すべき2軸のうちの一方の軸と結合する外方継手部材
と、他方の軸と結合するトリポード部材とからなり、前
記トリポード部材が、円周方向等間隔位置に半径方向に
突出した3本の円柱状脚軸と、各脚軸に回転自在に支持
された内ローラと、内周面にて内ローラの球面状外周面
に外嵌した外ローラとを備え、前記外ローラを外方継手
部材のトラック溝に軸方向移動可能に収容させたトリポ
ード型等速自在継手において、前記脚軸と前記内ローラ
との間にボールを転動自在に、かつ、総玉状態に組み込
んだものである。
【0010】転動体に針状ころを使用した従来のトリポ
ード型等速自在継手では避けられなかった転動体のスキ
ューやエッジロードおよび脚軸肩部やワッシャ面とのす
べり部分を解消でき、内部部品間の摩擦力の低減が図
れ、結果的に誘起スラストやスライド抵抗の大きさを低
減できる。そして、誘起スラストやスライド抵抗の大き
さが関与する自動車のNVH性能が改善できる。また、
従来のトリポード型等速自在継手に比べて大きな角度で
の適用が可能となり車両足回り設計自由度が高まる。さ
らに、内ローラを総玉状態のボールによって回転自在に
支持することで、針状ころの場合に問題となっていたス
キューやエッジロードが解消する。また、総玉としたこ
とによって可能な限り大きな負荷容量を確保することが
できる。なお、できるだけ多くの玉を入れた、保持器の
ない玉軸受を総玉軸受と呼んでいる。
【0011】請求項2の発明は、請求項1のトリポード
型等速自在継手において、前記ボールとその軌道面との
接触をアンギュラコンタクトにしたことを特徴とする。
ボールを単列に配置した場合、請求項3の発明のよう
に、内輪分割式単列3点接触玉軸受構造とすることによ
り、ボールと軌道面とがアンギュラコンタクトをなす。
また、ボールを複列に配置する場合、請求項4の発明の
ように、内輪分割式複列4点接触玉軸受構造とすること
もできる。複列のボール列で内ローラを支持することに
より、モーメント荷重に対する負荷容量が増大する。ま
た、複列アンギュラ玉軸受(呼び接触角が0°でなく、
自動調芯できないラジアル玉軸受)構造であるため軸受
剛性が高まり、耐久性も向上する。ここで、接触角すな
わち、転動体荷重の方向と軸受の中心軸に垂直な平面と
のなす角の好適な範囲は15〜35°である(請求項
5)。
【0012】複列のボールを転動させるための複列の内
側軌道面を形成するため、脚軸の円筒状外周面に一対の
軌道輪を嵌合させる。あるいは、請求項6の発明のよう
に、脚軸の肩部側外周面を複列の内側軌道面のうちの一
方の内側軌道面とし、他方の内側軌道面を、脚軸に嵌合
させた軌道輪に形成してもよい。
【0013】内輪分割式であるため、内輪間のすきまを
調整することによってボールにプリロード(予圧)を付
与することができる。予圧付与のための具体的手段は種
々考えられるが、たとえば、請求項7の発明は、脚軸の
端部に形成した雄ねじにナットを締め付けることによっ
てナットで軌道輪を押圧するようにしたことを特徴とす
るものである。請求項8の発明は、脚軸の端面に設けた
タップ穴にフランジ付きボルトをねじ込むことにより、
ボルトのフランジで軌道輪を押圧するようにしたことを
特徴とするものである。請求項9の発明は、脚軸の端部
に装着したリテーニングプレートで軌道輪を弾性的に押
圧するようにしたことを特徴とするものである。
【0014】内ローラの外周面が球面状で、これに外嵌
した外ローラの内周面が円筒状(請求項10)または脚
軸の先端側に向かって漸次縮径したテーパ状(請求項1
1)であるため、両ローラは、首振り自在で、かつ、軸
方向に相対移動可能な関係にある。したがって、継手が
作動角をとった状態でトルクを伝達するとき、内ローラ
は、介在するボールの作用でトラニオンの回りを円滑に
回転しつつ、外ローラに対しては首振り運動をする。そ
して、外ローラは、外方継手部材のローラ案内面に案内
されて外方継手部材の軸方向にスムーズに移動する。そ
の際、外ローラが傾くことなくトラック面上を正しく転
動するようにするために、外ローラの外周面の母線形状
とローラ案内面の断面形状とを相補的なものとすること
により、外ローラとローラ案内面とのすべり接触が回避
されて摩擦が少なくなるので有利である。
【0015】具体的には、請求項12の発明は、外ロー
ラの外周面の母線を中凹形状としたことを特徴とするも
のである。請求項13の発明は、外ローラの外周面を算
盤玉形状としたことを特徴とするものである。請求項1
4の発明は、外ローラの外周面をトリポード部材の軸心
側ほど小径となった円錐形状としたものである。いずれ
の場合も、ローラ案内面の断面形状は外ローラの外周面
の母線と相補的な形状である。また、これらの場合には
外ローラの姿勢が安定するため、外方継手部材のトラッ
ク溝に外ローラの姿勢を規制するための鍔を廃止しても
よい。
【0016】外ローラを算盤玉形状(請求項13)また
は円錐形状(請求項14)とする場合、請求項15の発
明のように、外ローラと接触する外方継手部材のローラ
案内面の母線を、曲率半径30mm以上の凸面形状とす
れば、両者の良好な接触状態を確保することができるの
で有利である。
【0017】本発明によるトリポード型等速自在継手の
基本的動作は図6に関連して既述した従来のものと同様
である。すなわち、作動角をとった状態でトルク伝達を
行う場合、内ローラが外ローラに対して首振り揺動をす
ることで、外ローラに外方継手部材の軸線と平行な姿勢
を保たせるため、外ローラはそのままの姿勢でローラ案
内面上を正しく転動する。したがって、作動角運転時に
おける滑り抵抗が低減し、スライド抵抗と誘起スラスト
の発生が抑制される。かかる運転動作時にはボールも転
動するが、ボールにはニードルころのようにスキューや
エッジロードの心配がないため、内ローラは常に少ない
抵抗で円滑に回転できる。そのため、外ローラがトラッ
ク溝内を外方継手部材の軸方向に移動するときのスライ
ド抵抗が一層低減し、誘起スラストが低減するのであ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。
【0019】図1に示すように、トリポード型等速自在
継手は、連結すべき2軸のうちの一方の軸と結合される
外方継手部材(1)と、他方の軸と結合されるトリポー
ド部材(4)とを備える。外方継手部材(1)は軸方向
(紙面に垂直な方向)に延びる3本のトラック溝(2)
を内周面の円周方向等間隔位置に有する。トリポード部
材(4)は半径方向に突出した3本の脚軸(5)を円周
方向等間隔位置に有する。各脚軸(5)は外ローラ(4
4)を担持しており、この外ローラ(44)が外方継手
部材(1)のトラック溝(2)内に収容される。
【0020】外ローラ(44)はその内周面にて内ロー
ラ(43)の球面状外周面に外嵌している。したがっ
て、内ローラ(43)と外ローラ(44)とは、首振り
揺動および軸方向の相対移動が可能な相互関係にある。
内ローラ(43)は複列のボール(42)を介して脚軸
(5)上に回転自在に支持されている。外ローラ(4
4)の内周面は円筒状、または、脚軸の先端側に向かっ
て漸次縮径したテーパ状とする。テーパ角は、たとえば
0.1°〜3°程度とする。外ローラ(44)の内周面
をテーパ状とした場合、外ローラ(44)の内周面と内
ローラ(43)の外周面との接触部分に、外ローラ(4
4)を脚軸先端側に向けて押圧する負荷分力が発生す
る。この負荷分力によって、外方継手部材(1)の非負
荷側のローラ案内面(3)において、内径側の接触部分
に発生する接触応力が軽減されるため、軸方向のスライ
ド抵抗の減少、誘起スラストの低減に貢献することがで
きる。
【0021】ボール(42)は複列に整列し、各列のボ
ールは内側軌道面と外側軌道面との間に転動自在に組み
込まれている。ボール(42)を2列に配置すること
で、モーメント荷重を受けてもボール(42)が円滑に
回転でき、より動作の安定したトリポード型等速自在継
手が実現する。
【0022】内側軌道面は脚軸(5)の円筒状外周面に
嵌合した一対の軌道輪(41)にそれぞれ形成されてい
る。外側軌道面は内ローラ(43)の内周面に形成され
ている。これにより、内輪分割形複列玉軸受が構成され
る。
【0023】ボール(42)に接触角(α)を付けてア
ンギュラコンタクト玉軸受を構成させることにより、剛
性を高め、大きな負荷容量を確保するとともに、モーメ
ント荷重にも充分耐えられる。接触角(α)の範囲は1
5〜35°の範囲に設定する。
【0024】各列のボール(42)は、隣接するものを
接触させた総玉軸受状態で配置される。ボール(42)
を総玉状態に配置することで負荷容量が増大し、自動車
のドライブシャフト等用の等速自在継手として適用する
場合などに有利である。なお、軌道輪(41)と内ロー
ラ(43)との間、および、外方継手部材(1)の内部
には、図示しない潤滑材(グリース)が充填される。
【0025】一対の軌道輪(41)のうち、脚軸(5)
の基部側に位置する軌道輪は脚軸(5)の肩部に当接し
て位置決めされるため、脚軸(5)の先端側に位置する
軌道輪を軸方向に押圧することによって、ボール(4
2)にプリロード(予圧)を付与することができる。か
かる予圧付与手段の具体例として、図1の実施の形態で
は、脚軸(5)の先端面にタップ穴を設け、鍔ないしは
フランジ(49)を備えたボルト(48)をこのタップ
穴にねじ込むことによって、フランジ(49)で軌道輪
(41)を軸方向に押圧するようにしている。図2
(A)に示す実施の形態は、脚軸(5)の端部に環状溝
(46)を設け、この環状溝(46)にリテーニングプ
レート(45)を装着することによって軌道輪(41)
を押圧するようにしたものである。図示するような形状
であることからリテーニングプレート(45)はばね性
を有しており、その内径側は逆勾配を付けて脚軸(5)
の環状溝(46)に掛止させてあるため、このリテーニ
ングプレート(45)によって、軌道輪(41)が軸方
向に押圧されてボール(42)にプリロード(予圧)が
付与される。図2(B)に示す実施の形態は、脚軸
(5)の先端部に雄ねじ部を設け、この雄ねじ部にナッ
ト(47)を締め付けることによって軌道輪(41)を
押圧するようにしたものである。
【0026】また、図1の実施の形態では軌道面を備え
た一対の軌道輪(41)を脚軸(5)に嵌合させること
によって複列の内側軌道面が形成されているが、図3
(B)(C)に示す実施の形態では、複列の内側軌道面
のうち、一方の軌道面を脚軸(5)の外周面に直接形成
し、他方の軌道面を脚軸(5)に嵌合した軌道輪(4
1)に形成してある。
【0027】外ローラ(44)の外周面は外方継手部材
(1)のトラック溝(2)のローラ案内面(3)と係合
する。外ローラ(44)の外周面の母線とローラ案内面
(3)の断面形状は相補的な関係にあり、図1ではほぼ
等しい曲率半径の凸円弧と凹円弧の組合せの場合を示し
てある。より具体的に述べるならば、たとえば、外ロー
ラ(44)の外周面の母線を、脚軸(5)の軸線から半
径方向外側に離れた位置に曲率中心を有する円弧とす
る。図3は別の実施の形態を示し、図3(A)は、外ロ
ーラ(44)の外周面の母線を中央部が凹んだ中凹形と
し、これに対するローラ案内面(3)の断面形状を中央
部が膨らんだ中凸形とした場合を示している。図3
(B)は、外ローラ(44)の外周面形状を二つの円錐
台の大径側同士を突き合わせたような形状、いわば算盤
玉状とした場合を示している。図3(C)は、外ローラ
(44)の外周面をトリポード部材(4)の軸心側ほど
小径となった円錐面とした場合を示す。図3(A)およ
び図3(B)に示す実施の形態の場合、外ローラ(4
4)と接するローラ案内面(3)は実質上は平坦面であ
るが、横断面形状を例えば30mm以上の大きな曲率の
円弧面とすることにより外ローラ(44)に向けて膨ら
んだ曲面とすれば、外ローラ(44)との安定した当た
りを確保することができる。
【0028】また、外ローラ(44)の外周面とローラ
案内面(3)とを上述のように相補的形状となすことに
より、外ローラ(44)の姿勢が安定するので、従来外
ローラの姿勢規制の目的で外側継手部材に設けていた鍔
を廃止することができる。
【0029】図4(A)は、ボール(42)を単列に配
置した実施の形態を示し、トリポード部材(4)の脚軸
(5)の円筒状外周面に嵌合した軌道輪(41)と円環
状の内ローラ(43)との間に複数のボール(42)を
1列に総玉状態で配置して、内輪分割式単列3点接触玉
軸受構造を構成している。そして、図2の場合と同様
に、脚軸(5)の端部に形成した雄ねじ部にナット(4
7)を締め付けることによって軌道輪(41)を固定し
ている。図4(B)からわかるように、内ローラ(4
3)の外周面は球面状であって、外ローラ(44)の円
筒状内周面に対して首振り自在で、かつ、相対的軸方向
移動が可能である。また、ボール(42)と軌道面とは
アンギュラコンタクトをなす。外ローラ(44)を案内
するローラ案内面(3)の上下には外ローラ(44)を
抱くようにして鍔が形成されているが、この鍔は省略す
ることも可能である。鍔を省略した場合の形状を図4
(B)に二点鎖線で例示する。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、トリポード部材の脚軸
にボールを介して内ローラを回転自在に支持させたた
め、ボールが、スキューを生ずることなく、常に低摩擦
で円滑に転動し、外方継手部材のトラック溝内で外ロー
ラがトラック溝のローラ案内面に沿って転動する際に、
外ローラの転動が低摩擦、低抵抗で円滑に行われる。し
たがって、ローラがトラック溝内を外方継手部材の軸方
向に移動する時のスライド抵抗、ひいては外方継手部材
とトリポード部材の作動角運転時の誘起スラストが一層
低減し、振動や騒音の少ない高性能なトリポード型等速
自在継手が提供できる。本発明のトリポード型等速自在
継手を特に自動車のドライブシャフトに適用することに
より、スライド抵抗や誘起スラストの大きさが関与する
自動車のNVH性能が改善でき、車両足回り設計の自由
度も高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示すトリポード型等速自
在継手の横断面図である。
【図2】別の実施の形態を示すトリポード型等速自在継
手の要部横断面図である。
【図3】別の実施の形態を示すトリポード型等速自在継
手の要部横断面図である。
【図4】(A)は別の実施の形態を示すトリポード型等
速自在継手の横断面図、(B)はその部分拡大図であ
る。
【図5】(A)は従来のトリポード型等速自在継手の横
断面図、(B)は縦断面図、(C)は脚軸上のローラと
ローラ案内面との関係を示す模式的斜視図である。
【図6】別の従来のトリポード型等速自在継手の横断面
図である。
【符号の説明】
1 外輪 2 トラック溝 3 ローラ案内面 4 トリポード部材 5 脚軸 41 軌道輪 42 ボール 43 内ローラ 44 外ローラ 45 リテーナープレート 46 溝 47 ナット 48 雄ねじ部 49 フランジ部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 寺田 健二 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエ ヌ株式会社内 (72)発明者 登根 宏 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエ ヌ株式会社内 (72)発明者 中川 亮 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエ ヌ株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内周面の円周方向三等分位置に軸方向に
    延びるトラック溝を備え、連結すべき2軸のうちの一方
    の軸と結合する外方継手部材と、他方の軸と結合するト
    リポード部材とからなり、前記トリポード部材が、円周
    方向等間隔位置に半径方向に突出した3本の円柱状脚軸
    と、各脚軸に回転自在に支持された内ローラと、内周面
    にて内ローラの球面状外周面に外嵌した外ローラとを備
    え、前記外ローラを外方継手部材のトラック溝に軸方向
    移動可能に収容させたトリポード型等速自在継手におい
    て、前記脚軸と前記内ローラとの間にボールを転動自在
    に、かつ、総玉状態に組み込んだことを特徴とするトリ
    ポード型等速自在継手。
  2. 【請求項2】 前記ボールとその軌道面との接触をアン
    ギュラコンタクトにしたことを特徴とする請求項1のト
    リポード型等速自在継手。
  3. 【請求項3】 内輪分割式単列3点接触玉軸受構造とし
    たことを特徴とする請求項1または2のトリポード型等
    速自在継手。
  4. 【請求項4】 内輪分割式複列4点接触玉軸受構造とし
    たことを特徴とする請求項1のトリポード型等速自在継
    手。
  5. 【請求項5】 接触角を15〜35°としたことを特徴
    とする請求項4のトリポード型等速自在継手。
  6. 【請求項6】 脚軸の肩部側外周面を複列の内側軌道面
    のうちの一方の内側軌道面とし、他方の内側軌道面を、
    脚軸と嵌合する軌道輪に形成したことを特徴とする請求
    項4のトリポード型等速自在継手。
  7. 【請求項7】 脚軸にタップ穴を設け、当該タップ穴に
    フランジ付きボルトをねじ込むことにより、ボルトのフ
    ランジで軌道輪を押圧してボールに予圧を付与したこと
    を特徴とする請求項3または4のトリポード型等速自在
    継手。
  8. 【請求項8】 脚軸に雄ねじ部を形成し、当該雄ねじ部
    にナットを締め付けることで軌道輪を押圧してボールに
    予圧を付与したことを特徴とする請求項3または4のト
    リポード型等速自在継手。
  9. 【請求項9】 脚軸の先端部に装着したリテーニングプ
    レートで軌道輪を弾性的に押圧してボールに予圧を付与
    したことを特徴とする請求項3または4のトリポード型
    等速自在継手。
  10. 【請求項10】 外ローラの内周面を円筒状にしたこと
    を特徴とする請求項1のトリポード型等速自在継手。
  11. 【請求項11】 外ローラの内周面を脚軸の先端側に向
    かって漸次縮径させたことを特徴とする請求項1のトリ
    ポード型等速自在継手。
  12. 【請求項12】 外ローラの外周面の母線を中凹形状と
    したことを特徴とする請求項1のトリポード型等速自在
    継手。
  13. 【請求項13】 外ローラの外周面を算盤玉形状とした
    ことを特徴とする請求項1のトリポード型等速自在継
    手。
  14. 【請求項14】 外ローラの外周面をトリポード部材の
    軸心側ほど小径となった円錐形状としたことを特徴とす
    る請求項1のトリポード型等速自在継手。
  15. 【請求項15】 外ローラと接触する外輪トラック溝の
    ローラ案内面の母線を、曲率半径30mm以上の凸面形
    状としたことを特徴とする請求項13または14のトリ
    ポード型等速自在継手。
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