JP2022154869A - 車輪支持装置 - Google Patents

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将充 渡部
Masamitsu Watabe
達男 若林
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Abstract

【課題】軸方向外側列の円すいころの端面と大鍔部の側面との滑り接触部で焼き付きを起こしにくく、かつ、車両の操縦安定性を確保しやすい車輪支持装置を提供する。【解決手段】取付ボルト4は、フランジ側取付孔12とナックル側取付孔25とのうちのいずれか一方に挿通され、かつ、フランジ側取付孔12とナックル側取付孔25とのうちの他方に螺合されて締め付けられている。4箇所のフランジ側取付孔12のうち、車両上下方向に並ぶ2つのフランジ側取付孔12の間隔が、車両前後方向に並ぶ2つのフランジ側取付孔12の間隔よりも広い。フランジ側取付面11およびナックル側取付面24が、取付ボルト4を締め付けることによって軸方向外側列の外輪軌道8aを、該外輪軌道8aの車両上下方向の内径が該外輪軌道8aの車両前後方向の内径よりも大きくなるように弾性変形させる形状を有する。【選択図】図1

Description

本発明は、自動車の車輪を回転自在に支持するための車輪支持装置に関する。
従来、自動車の車輪を回転自在に支持するための装置として、車輪を取り付ける回転輪であるハブ、および、静止輪である外輪を含むハブユニット軸受と、懸架装置を構成するナックルと、ナックルに対してハブユニット軸受の外輪を結合固定するための複数本の取付ボルトとを備えた、車輪支持装置が知られている。
この車輪支持装置では、より具体的には、外輪は、内周面に複列の外輪軌道を有する外輪筒部と、該外輪筒部の軸方向中間部から径方向外側に向けて突出した静止フランジとを有する。静止フランジは、軸方向内側面にフランジ側取付面、および、円周方向の4箇所にフランジ側取付孔を有する。ハブは、外周面に複列の外輪軌道と対向する複列の内輪軌道、および、外輪よりも軸方向外側に位置する軸方向外側部に径方向外側に向けて突出した回転フランジを有する。複列の外輪軌道と複列の内輪軌道との間には、それぞれの列ごとに複数個ずつの転動体が、背面組み合わせ型の接触角および予圧を付与された状態で配置されている。なお、車輪支持装置に関して、軸方向外側は、車両への組付け状態で車両の幅方向外側をいい、軸方向内側は、車両への組付け状態で車両の幅方向中央側をいう。
取付ボルトは、フランジ側取付孔とナックル側取付孔とのうちのいずれか一方に挿通され、かつ、フランジ側取付孔とナックル側取付孔とのうちの他方に螺合されて締め付けられる。これにより、ナックルに対して外輪が結合固定される。車輪は、回転フランジに対し、複数本のハブボルトを用いて結合固定される。
このような車輪支持装置に関して、特開2018-8556号公報には、転動体として玉を使用したハブユニット軸受による車輪の支持剛性の確保と、車輪の回転抵抗の低減とを両立するための構造が開示されている。具体的には、外輪に備えられた4つのフランジ側取付孔のうち、車両前後方向に並ぶ2つのフランジ側取付孔の間隔を、車両上下方向に並ぶ2つのフランジ側取付孔の間隔よりも広くし、かつ、フランジ側取付面およびナックル側取付面のうちのいずれか一方を傾斜面とすることにより、取付ボルトを締め付けることによって外輪筒部の軸方向外側部分、すなわち軸方向外側列の外輪軌道が、車両前後方向に伸び、車両上下方向に縮むように楕円状に弾性変形するようにした構造が記載されている。換言すれば、軸方向外側列の外輪軌道において、車両前後方向の内径が取付ボルトの締め付け前よりも締め付け後で大きくなり、車両上下方向の内径が取付ボルトの締め付け前よりも締め付け後で小さくなる構造が開示されている。
車輪の支持剛性は、ハブユニットが車体の重量を支持する関係上、主として車両上下方向の玉の予圧によって定まり、車輪の回転抵抗は、周方向全体の玉の予圧によって定まる。このため、上述のように取付ボルトを締め付けることによって外輪筒部の軸方向外側部分を弾性変形させることにより、車輪の支持剛性の低下を抑制しながら、車輪の回転抵抗を低減することが可能となる。
特開2018-8556号公報
上述したように取付ボルトを締め付けることによって軸方向外側列の外輪軌道が、車両前後方向に伸び、車両上下方向に縮むように楕円形に弾性変形しても、転動体が玉である場合には、該玉は、接触角を変化させながら、楕円形に弾性変形した軸方向外側列の外輪軌道に沿って公転することが可能であるため、特に問題を生じることはない。
しかしながら、転動体が円すいころである場合には、取付ボルトの締め付け前の状態で、軸方向外側列の外輪軌道の傾斜角であるカップ角α(図5参照)が、軸方向外側列の円すいころの転動面の径方向外端部の傾斜角であるコーン角β(図6参照)と同じ大きさ(α=β)であるとすると、取付ボルトの締め付け後の状態では、車両上下方向において、カップ角αがコーン角βよりも小さくなる(α<β)。
車両上下方向は、ハブユニット軸受に路面反力が負荷される方向であり、円すいころの大径側に大きな荷重が掛かるため、円すいころの小径側が外輪軌道および内輪軌道から離れるようになる。これに伴い、円すいころの大径側端面と、内輪軌道の大径側に隣接する大鍔部の側面との接触部において、大鍔部の側面に対する円すいころの大径側端面の接触位置が、該大径側端面の内径側に移動する。その結果、該接触部における滑り速度が大きくなる。すなわち、円すいころの大径側端面は、曲率半径が大きい球状凸面により構成されており、円すいころの大径側端面の径方向外端部と、円すいころの外周面である転動面の大径側端部とは、面取り部により接続されている。このような円すいころの大径側端面は、大鍔部の側面に対し、自身の外径側で接触する場合よりも、自身の内径側で接触する場合の方が、該接触部における滑り速度が大きくなる。その結果、該接触部で焼き付きを起こしやすくなる。
また、取付ボルトの締め付け後の状態では、車両前後方向において、カップ角αがコーン角βよりも大きくなる(α<β)。その結果、円すいころの小径側に荷重が掛かるようになって、車輪のトー方向の支持剛性が低下し、車両の操縦安定性を低下させる原因となる。
本発明は、軸方向外側列の円すいころの端面と大鍔部の側面との滑り接触部で焼き付きを起こしにくく、かつ、車両の操縦安定性を確保しやすい車輪支持装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様の車輪支持装置は、ハブユニット軸受と、車両の懸架装置を構成するナックルと、複数本の取付ボルトとを備える。
前記ハブユニット軸受は、外輪と、ハブと、複数個の円すいころとを含む。
前記外輪は、内周面に複列の外輪軌道を有する外輪筒部と、該外輪筒部の軸方向中間部から径方向外側に向けて突出した静止フランジとを有する。
前記複列の外輪軌道は、軸方向に関して互いに離れる方向に向かうにしたがって直径が大きくなる方向に傾斜した円すい面により構成されている。
前記静止フランジは、軸方向内側面にフランジ側取付面、および、円周方向の4箇所にフランジ側取付孔を有する。
前記ハブは、外周面に複列の内輪軌道を有する。
前記複列の内輪軌道は、軸方向に関して互いに離れる方向に向かうにしたがって直径が大きくなる方向に傾斜した円すい面により構成され、前記ハブは、前記複列の内輪軌道のそれぞれの大径側に隣接する部分に、径方向外側に向けて突出した大鍔部を有する。
前記円すいころは、前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に、それぞれの列ごとに複数個ずつ配置されている。
前記ナックルは、前記フランジ側取付面に対向するナックル側取付面、および、前記フランジ側取付孔のそれぞれと整合する箇所にナックル側取付孔を有する。
前記取付ボルトは、前記フランジ側取付孔と前記ナックル側取付孔とのうちのいずれか一方に挿通され、かつ、前記フランジ側取付孔と前記ナックル側取付孔とのうちの他方に螺合されて締め付けられている。
前記4箇所の前記フランジ側取付孔のうち車両上下方向に並ぶ2つの前記フランジ側取付孔の間隔が、前記4箇所の前記フランジ側取付孔のうち車両前後方向に並ぶ2つの前記フランジ側取付孔の間隔よりも広い。
前記フランジ側取付面および前記ナックル側取付面が、前記取付ボルトを締め付けることによって軸方向外側列の前記外輪軌道を、該外輪軌道の車両上下方向の内径が該外輪軌道の車両前後方向の内径よりも大きくなるように弾性変形させる形状を有する。
本発明の一態様では、前記取付ボルトを締め付ける前の状態で、軸方向外側列の前記外輪軌道の傾斜角であるカップ角が、軸方向外側列の前記円すいころの転動面の径方向外端部の傾斜角であるコーン角よりも大きくなっている。
本発明の一態様の車輪支持装置によれば、軸方向外側列の円すいころの端面と大鍔部の側面との滑り接触部で焼き付きを起こしにくく、かつ、車両の操縦安定性を確保しやすい。
図1は、本発明の実施の形態の第1例の車輪支持装置の断面図である。 図2は、第1例におけるハブユニット軸受を、軸方向内側から見た図である。 図3は、第1例におけるハブユニット軸受の外輪を、軸方向内側から見た図である。 図4は、第1例におけるハブユニット軸受の外輪、ナックル、および取付ボルトの分解斜視図である。 図5は、第1例におけるハブユニット軸受の外輪の軸方向外側部分の断面図である。 図6は、第1例におけるハブユニット軸受のハブの軸方向中間部、軸方向外側列の円すいころ、および保持器の断面図である。 図7は、本発明の実施の形態の第2例におけるハブユニット軸受の一部を示す断面図である。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1~図6を用いて説明する。
本例の車輪支持装置1は、ハブユニット軸受2と、車両の懸架装置を構成するナックル3と、複数本の取付ボルト4とを備える。
なお、車輪支持装置1に関する以下の説明中、軸方向および径方向は、特に断らない限り、ハブユニット軸受2の軸方向および径方向をいう。車輪支持装置1(ハブユニット軸受2)に関して、軸方向外側は、車両への組付け状態で車両の幅方向外側となる図1の左側であり、軸方向内側は、車両への組付け状態で車両の幅方向中央側となる図1の右側である。図1、図2、図3、図5、および図6における上下方向は、車両上下方向、すなわち鉛直方向である。図1、図2、図3、図5、および図6における表裏方向は、車両前後方向である。
ハブユニット軸受2は、駆動輪用であり、外輪5と、ハブ6と、複数個の円すいころ7a、7bとを備える。ただし、本発明は、従動輪用のハブユニット軸受を備えた車輪支持装置にも適用可能である。
外輪5は、内周面に複列の外輪軌道8a、8bを有する外輪筒部9と、該外輪筒部9の軸方向中間部から径方向外側に向けて突出した静止フランジ10とを有する。複列の外輪軌道8a、8bは、軸方向に関して互いに離れる方向に向かうにしたがって直径が大きくなる方向に傾斜する、クラウニングが付与された略円すい面により構成されている。複列の外輪軌道8a、8bのそれぞれは、後述する取付ボルト4の締め付け前の状態では、同じ軸方向位置において車両上下方向の内径Dzと車両前後方向の内径Dxとが実質的に等しい真円状である。静止フランジ10は、軸方向内側面にフランジ側取付面11、および、円周方向の4箇所に軸方向に貫通するフランジ側取付孔12を有する。本例では、静止フランジ10は、軸方向外側列の外輪軌道8aよりも軸方向内側に位置し、かつ、軸方向内側列の外輪軌道8bと径方向に重畳している。
本例では、静止フランジ10は、図2~図4に示すように、それぞれが外輪筒部9から径方向外側に向けて突出し、かつ、円周方向に離隔した4つの突出片、具体的には、第1突出片27、第2突出片28、第3突出片29、および第4突出片30からなる。第1突出片27、第2突出片28、第3突出片29、および第4突出片30は、フランジ側取付孔12を1つずつ備える。
第1突出片27のフランジ側取付孔12と第2突出片28のフランジ側取付孔12とは、外輪5の車両上下方向の上側において、車両前後方向に並んでいる。第3突出片29のフランジ側取付孔12と第4突出片30のフランジ側取付孔12とは、外輪5の車両上下方向の下側において、車両前後方向に並んでいる。第1突出片27のフランジ側取付孔12と第3突出片29のフランジ側取付孔12とは、外輪5の車両前後方向の一方側(図2における右側、図3および図4における左側)において車両上下方向に並んでいる。第2突出片28のフランジ側取付孔12と第4突出片30のフランジ側取付孔12とは、外輪5の車両前後方向の他方側(図2における左側、図3および図4における右側)において車両上下方向に並んでいる。
第1突出片27のフランジ側取付孔12と第3突出片29のフランジ側取付孔12との車両上下方向の間隔L13、および第2突出片28のフランジ側取付孔12と第4突出片30のフランジ側取付孔12との鉛直方向の間隔L24は、第1突出片27のフランジ側取付孔12と第2突出片28のフランジ側取付孔12との車両前後方向の間隔L12、および第3突出片29のフランジ側取付孔12と第4突出片30のフランジ側取付孔12との車両前後方向の間隔L34よりも広い。なお、2つのフランジ側取付孔の間隔とは、該2つのフランジ側取付孔の中心位置の間隔をいう。図示の例では、間隔L13と間隔L24とは等しく、間隔L34が間隔L12よりも広い(L13=L24>L34>L12)。
ハブ6は、外周面に、複列の内輪軌道13a、13bを有し、外輪5の径方向内側に外輪5と同軸に配置されている。複列の内輪軌道13a、13bは、軸方向に関して互いに離れる方向に向かうにしたがって直径が大きくなる方向に傾斜する、クラウニングが付与された略円すい面により構成されている。ハブ6は、複列の内輪軌道13a、13bのそれぞれの大径側に隣接する部分に、径方向外側に向けて突出した大鍔部14a、14bを有する。ハブ6は、外輪5の軸方向外端部よりも軸方向外側に位置する部分に、径方向外側に向けて突出した回転フランジ15、および、軸方向外端部に、円筒状のパイロット部16を有する。回転フランジ15は、径方向中間部の円周方向複数箇所に、軸方向に貫通する取付孔17を有する。取付孔17のそれぞれには、ハブボルトであるスタッド35が圧入されている。
本例では、ハブ6は、ハブ輪18と内側内輪19とを組み合わせてなる。軸方向外側の内輪軌道13aは、ハブ輪18の軸方向中間部の外周面に備えられている。回転フランジ15およびパイロット部16は、ハブ輪18の軸方向外側部に備えられている。軸方向内側の内輪軌道13aは、内側内輪19の外周面に備えられている。内側内輪19は、ハブ輪18の軸方向内側部に外嵌固定されている。本例のハブユニット軸受2は、駆動輪用であるため、ハブ輪18は、径方向中央部に、駆動軸部材を構成するスプライン軸部をスプライン係合させるためのスプライン孔20を有する。
なお、本発明は、ハブ輪の軸方向内端部に、内輪の軸方向内側面を抑え付けるかしめ部を備えたハブユニット軸受や、軸方向外側列の内輪軌道が、ハブ輪に外嵌された外側内輪の外周面に備えられたハブユニット軸受を備えた車輪支持装置にも適用可能である。
車輪を構成するホイールおよび制動用回転体は、それぞれの中心部に備えられた中心孔にパイロット部16を挿通し、かつ、それぞれの径方向中間部の円周方向複数箇所に備えられた通孔にスタッド35を挿通した状態で、スタッド35の先端部にハブナットを螺合することにより、回転フランジ15に結合される。なお、制動用回転体に備えられた通孔と、ホイールに備えられた通孔とを挿通したハブボルトを、取付孔に螺合することにより、ホイールおよび制動用回転体を回転フランジに結合固定することもできる。
円すいころ7a、7bは、外周面に転動面を有し、該転動面は、クラウニングが付与された略円すい面により構成されている。円すいころ7a、7bの大径側端面22a、22bは、曲率半径が大きい球状凸面により構成されている。円すいころ7a、7bの転動面の大径側端部と大径側端面22a、22bの径方向外端部とは、面取り部により接続されている。円すいころ7a、7bは、複列の外輪軌道8a、8bと複列の内輪軌道13a、13bとの間に、それぞれの列ごとに複数個ずつ、保持器21a、21bにより転動自在に保持され、かつ、背面組み合わせ型の接触角および予圧を付与された状態で配置されている。車両の運転時に、円すいころ7a、7bのそれぞれは、それぞれが円すい面により構成された外輪軌道8a、8bおよび内輪軌道13a、13bから加わる大きなラジアル荷重により、外輪軌道8a、8bおよび内輪軌道13a、13bの大径側に変位する傾向となる。この結果、円すいころ7a、7bのそれぞれは、外輪5とハブ6の相対回転に伴って、自身の大径側端面22a、22bと大鍔部14a、14bの側面23a、23bとを滑り接触させつつ、自転および公転する。
ナックル3は、フランジ側取付面11に対向するナックル側取付面24、および、フランジ側取付孔12のそれぞれと整合する箇所に軸方向に貫通するナックル側取付孔25を有する。ナックル3は、外輪筒部9のうち静止フランジ10よりも軸方向内側に位置する部分を径方向のがたつきなく挿入可能な挿入孔26を有する。
本例では、外輪筒部9のうち静止フランジ10よりも軸方向内側に位置する部分を、ナックル3の挿入孔26に軸方向外側から挿入した状態で、ナックル側取付孔25のそれぞれに軸方向内側から挿入した取付ボルト4を、該ナックル側取付孔25と整合するフランジ側取付孔12に螺合し、さらに締め付けている。これにより、ナックル3に対して外輪5を結合固定している。ただし、本発明を実施する場合には、フランジ側取付孔のそれぞれに軸方向外側から挿入した取付ボルトを、該フランジ取付孔と整合するナックル側取付孔に螺合して締め付けることもできる。
本例では、フランジ側取付面11およびナックル側取付面24が、取付ボルト4を締め付けることによって軸方向外側列の外輪軌道8aを、該外輪軌道8aの車両上下方向の内径Dzが該外輪軌道8aの車両前後方向の内径Dxよりも大きくなるように弾性変形させる形状を有する。
すなわち、本例では、第1突出片27~第4突出片30の軸方向内側面である、フランジ側取付面11は、取付ボルト4の締め付け前の状態で、外輪5の中心軸に対して直交する平面により構成されている。
ナックル側取付面24は、図4に示すように、挿入孔26の周囲に円環状に形成されている。ナックル側取付面24は、車両上下方向の中央部側ほど軸方向に関してフランジ側取付面に近づくように傾斜している。より具体的には、ナックル側取付面24は、車両上下方向の中央部において車両前後方向に延びる稜線31を対称軸として車両上下方向に対称となるように形成されている。ナックル側取付面24は、稜線31よりも車両上下方向の上側に位置する上側取付面32と、稜線31よりも車両上下方向の下側に位置する下側取付面33とからなる。ナックル側取付面24は、稜線31の部分において最も軸方向外側に突出し、かつ、稜線31から車両上下方向の両側に遠ざかるにしたがって軸方向内側に向かうように形成されている。このように、ナックル側取付面24は、車両上下方向の中央部において軸方向外側に突出している。
第1突出片27および第2突出片28は、取付ボルト4の締め付け力により上側取付面32に当接し、第3突出片29および第4突出片30は、取付ボルト4の締め付け力により下側取付面33に当接する。これにより、静止フランジ10よりも軸方向外側に位置する外輪筒部9の軸方向外側部分、すなわち、軸方向外側列の外輪軌道8aが、車両上下方向に引き伸ばされ、車両前後方向に縮む。つまり、軸方向外側列の外輪軌道8aが、車両上下方向の内径Dzと車両前後方向の内径Dxとが実質的に等しい真円状(Dz=Dx)から、車両上下方向の内径Dzが車両前後方向の内径Dxよりも大きい楕円状(Dz>Dx)に弾性変形する。
特に、本例では、4箇所のフランジ側取付孔12のうち車両上下方向に並ぶ2つのフランジ側取付孔12の間隔L13、L24が、4箇所のフランジ側取付孔12のうち車両前後方向に並ぶ2つのフランジ側取付孔12の間隔L12、L34よりも広い。すなわち、本例では、外輪5の中心軸からそれぞれのフランジ側取付孔12までの車両上下方向に関する距離が大きい。このため、取付ボルト4の締め付け力によって発生する、軸方向外側列の外輪軌道8aを車両上下方向に引き伸ばすためのモーメント力を大きく確保することができる。このため、取付ボルト4の締め付け力によって、軸方向外側列の外輪軌道8aを、車両上下方向の内径Dzが車両前後方向の内径Dxよりも大きい楕円状に弾性変形させることが容易となる。
なお、取付ボルト4を締め付けることにより、軸方向内側列の外輪軌道8bにも弾性変形が発生するが、その変形量は、静止フランジ10との軸方向の距離の違いにより、軸方向外側列の外輪軌道8aよりも大幅に小さい。
なお、本発明を実施する場合には、たとえば、ナックル側取付面を外輪の中心軸に対して直交する平面により構成し、かつ、フランジ側取付面を車両上下方向の中央部側ほど軸方向に関してナックル側取付面に近づくように傾斜させた構成を採用することによって、取付ボルトの締め付け力により軸方向外側列の外輪軌道を、該外輪軌道の車両上下方向の内径Dzが該外輪軌道の車両前後方向の内径Dxよりも大きくなるように弾性変形させることもできる。また、ナックルの車両上下方向の反りに対する剛性を車両前後方向の反りに対する剛性より高めることでも、同様の弾性変形をさせることができる。
本例では、取付ボルト4を締め付ける前の状態では、軸方向外側列の外輪軌道8aの傾斜角であるカップ角α(図5参照)と、軸方向外側列の円すいころ7aの転動面の径方向外端部の傾斜角であるコーン角β(図6参照)とが等しくなっている(α=β)。ここで、コーン角βは、軸方向外側列の内輪軌道13aの傾斜角β1と、軸方向外側列の円すいころ7aの転動面の頂角β2との和に等しい(β=β1+β2)。
これに対して、取付ボルト4を締め付けた後の状態では、楕円状に弾性変形した軸方向外側列の外輪軌道8aの長径方向となる車両上下方向において、カップ角αが増大することにより、カップ角αがコーン角βよりも大きくなる(α>β)。また、該外輪軌道8aの短径方向となる車両前後方向において、カップ角αが減少することにより、カップ角αがコーン角βよりも小さくなる(α<β)。
本例の車輪支持装置1によれば、軸方向外側列の円すいころ7aの大径側端面22aと大鍔部14aの側面23aとの滑り接触部で焼き付きを起こしにくく、かつ、車両の操縦安定性を確保しやすい。
すなわち、本例では、取付ボルト4を締め付けた後の状態では、車両上下方向において、軸方向外側列のカップ角αがコーン角βよりも大きくなる(α>β)。その結果、ハブユニット軸受2に路面反力が負荷される車両上下方向では、軸方向外側列の円すいころ7aの小径側に大きな荷重が掛かり、円すいころ7aの大径側が外輪軌道8aおよび内輪軌道13aから離れるようになる。これに伴い、円すいころ7aの大径側端面22aと大鍔部14aの側面23aとの接触部において、大鍔部14aの側面23aに対する円すいころ7aの大径側端面22a(球状凸面)の接触位置が、該大径側端面22aの外径側に移動する。その結果、該接触部における滑り速度が小さくなる。すなわち、円すいころ7aの大径側端面22aは、大鍔部14aの側面23aに対し、自身の内径側で接触する場合よりも、自身の外径側で接触する場合の方が、該接触部における接触状態が転がり接触に近い状態となり、該接触部における滑り速度が小さくなる。その結果、該接触部で焼き付きを起こしにくくなる。また、車両前後方向においては、軸方向外側列のカップ角αがコーン角βよりも小さくなる(α<β)が、車両上下方向に比べて円すいころ7aに掛かる荷重が大幅に小さいため、円すいころ7aの大径側端面22aと大鍔部14aの側面23aとの滑り接触部で焼き付きを起こすことはない。
取付ボルト4を締め付けた後の状態では、車両前後方向において、軸方向外側列のカップ角αがコーン角βよりも小さくなる(α<β)。その結果、軸方向外側列の円すいころ7aの大径側に荷重が掛かるようになって、車輪のトー角方向の支持剛性が向上し、車両の操縦安定性を確保しやすくなる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図7を用いて説明する。
本例の車輪支持装置1aを構成するハブユニット軸受2aでは、軸方向外側列の内輪軌道13aが、ハブ輪18aに外嵌された外側内輪34の外周面に備えられている。
本例では、取付ボルト4を締め付ける前の状態で、軸方向外側列の外輪軌道8aの傾斜角であるカップ角α(図5参照)が、軸方向外側列の円すいころ7aの転動面の径方向外端部の傾斜角であるコーン角β(図6参照)よりも大きくなっている(α>β)。これにより、取付ボルト4を締め付け力によって生じる軸方向外側列の外輪軌道8aの弾性変形量が小さい場合でも、取付ボルト4を締め付けた後の状態で、車両上下方向において、軸方向外側列のカップ角αとコーン角βとの差(α-β)を適正範囲に収めやすくしている。これにより、ハブユニット軸受2aの軸受寿命の確保と軸受剛性の確保とを両立しやすくしている。
その他の構成および作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
本発明は、上述した各実施の形態の構造を、矛盾が生じない範囲で適宜組み合わせて実施することができる。
1、1a 車輪支持装置
2、2a ハブユニット軸受
3 ナックル
4 取付ボルト
5 外輪
6 ハブ
7a、7b 円すいころ
8a、8b 外輪軌道
9 外輪筒部
10 静止フランジ
11 フランジ側取付面
12 フランジ側取付孔
13a、13b 内輪軌道
14a、14b 大鍔部
15 回転フランジ
16 パイロット部
17 取付孔
18、18a ハブ輪
19 内側内輪
20 スプライン孔
21a、21b 保持器
22a、22b 大径側端面
23a、23b 側面
24 ナックル側取付面
25 ナックル側取付孔
26 挿入孔
27 第1突出片
28 第2突出片
29 第3突出片
30 第4突出片
31 稜線
32 上側取付面
33 下側取付面
34 外側内輪
35 スタッド

Claims (2)

  1. ハブユニット軸受と、車両の懸架装置を構成するナックルと、複数本の取付ボルトとを備え、
    前記ハブユニット軸受は、外輪と、ハブと、複数個の円すいころとを含み、
    前記外輪は、内周面に複列の外輪軌道を有する外輪筒部と、該外輪筒部の軸方向中間部から径方向外側に向けて突出した静止フランジとを有し、
    前記複列の外輪軌道は、軸方向に関して互いに離れる方向に向かうにしたがって直径が大きくなる方向に傾斜した円すい面により構成されており、
    前記静止フランジは、軸方向内側面にフランジ側取付面、および、円周方向の4箇所にフランジ側取付孔を有し、
    前記ハブは、外周面に複列の内輪軌道を有し、
    前記複列の内輪軌道は、軸方向に関して互いに離れる方向に向かうにしたがって直径が大きくなる方向に傾斜した円すい面により構成され、前記ハブは、前記複列の内輪軌道のそれぞれの大径側に隣接する部分に、径方向外側に向けて突出した大鍔部を有しており、
    前記円すいころは、前記複列の外輪軌道と前記複列の内輪軌道との間に、それぞれの列ごとに複数個ずつ配置されており、
    前記ナックルは、前記フランジ側取付面に対向するナックル側取付面、および、前記フランジ側取付孔のそれぞれと整合する箇所にナックル側取付孔を有し、
    前記取付ボルトは、前記フランジ側取付孔と前記ナックル側取付孔とのうちのいずれか一方に挿通され、かつ、前記フランジ側取付孔と前記ナックル側取付孔とのうちの他方に螺合されて締め付けられており、
    前記4箇所の前記フランジ側取付孔のうち車両上下方向に並ぶ2つの前記フランジ側取付孔の間隔が、前記4箇所の前記フランジ側取付孔のうち車両前後方向に並ぶ2つの前記フランジ側取付孔の間隔よりも広く、
    前記フランジ側取付面および前記ナックル側取付面が、前記取付ボルトを締め付けることによって軸方向外側列の前記外輪軌道を、該外輪軌道の車両上下方向の内径が該外輪軌道の車両前後方向の内径よりも大きくなるように弾性変形させる形状を有する、
    車輪支持装置。
  2. 前記取付ボルトを締め付ける前の状態で、軸方向外側列の前記外輪軌道の傾斜角であるカップ角が、軸方向外側列の前記円すいころの転動面の径方向外端部の傾斜角であるコーン角よりも大きくなっている、
    請求項1に記載の車輪支持装置。
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