JPH10213149A - トリポード型等速ジョイント - Google Patents

トリポード型等速ジョイント

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JPH10213149A
JPH10213149A JP9012712A JP1271297A JPH10213149A JP H10213149 A JPH10213149 A JP H10213149A JP 9012712 A JP9012712 A JP 9012712A JP 1271297 A JP1271297 A JP 1271297A JP H10213149 A JPH10213149 A JP H10213149A
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trunnions
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velocity joint
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Minoru Ishijima
実 石島
Yukihiro Ikeda
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    • F16ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
    • F16DCOUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
    • F16D3/00Yielding couplings, i.e. with means permitting movement between the connected parts during the drive
    • F16D3/16Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts
    • F16D3/20Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members
    • F16D3/202Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members one coupling part having radially projecting pins, e.g. tripod joints
    • F16D3/205Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members one coupling part having radially projecting pins, e.g. tripod joints the pins extending radially outwardly from the coupling part
    • F16D3/2055Universal joints in which flexibility is produced by means of pivots or sliding or rolling connecting parts one coupling part entering a sleeve of the other coupling part and connected thereto by sliding or rolling members one coupling part having radially projecting pins, e.g. tripod joints the pins extending radially outwardly from the coupling part having three pins, i.e. true tripod joints

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジョイント角を付した状態での回転力の伝達
時に、外側ローラ13b、13bの側面とガイド凹溝1
5b、15bの内側面とが強く擦れ合う事を防止する。
そして、トラニオン8、8に生じる軸力を抑えて、振動
の発生を抑えると共に、伝達効率を向上させる。又、組
み付け方向を規制する事なく、コスト低減を図ると共
に、外径寸法を抑える。 【解決手段】 各外側ローラ13b、13bの外周面
は、それぞれ円錐面とする。これら各外側ローラ13
b、13bの外周面が当接する、各ガイド凹溝15b、
15bの底面を構成する平坦部29a、29aは、上記
外周面に見合う方向に傾斜させる。この構成により、上
記各外側ローラ13b、13bに対し、上記各トラニオ
ン8、8の軸方向に作用する力を相殺する。この結果、
上記各外側ローラ13b、13bの側面とガイド凹溝1
5b、15bの内側面とが強く擦れ合う事がなくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明に係るトリポード型
等速ジョイントは、例えば自動車の駆動系に組み込み、
非直線上に存在する回転軸同士の間で、回転力の伝達を
行なう場合に利用する。
【0002】
【従来の技術】自動車の駆動系に組み込む等速ジョイン
トの一種として従来から、トリポード型等速ジョイント
が広く使用されている。例えば特開昭63−18603
6号公報、同62−233522号公報には、図4〜5
に示す様なトリポード型の等速ジョイント1が記載され
ている。この等速ジョイント1は、駆動軸等である第一
の回転軸2の端部に固定する中空筒状のハウジング3
と、車輪側の回転軸等である第二の回転軸4の端部に固
定するトリポード5とを備える。上記ハウジング3の内
周面で円周方向等間隔の3個所位置には凹部6、6を、
それぞれ上記内周面から上記ハウジング3の直径方向外
方に向け形成している。
【0003】一方、第二の回転軸4の端部に固定するト
リポード5は、上記第二の回転軸4の端部に固定する為
のボス部7と、このボス部7の外周面で円周方向等間隔
の3個所位置に形成したトラニオン8、8とから構成す
る。そして、それぞれ円柱状に形成したこれら各トラニ
オン8、8の周囲にそれぞれローラ9、9を、ニードル
軸受10を介して回転自在に、且つ軸方向に亙る若干の
変位自在に支持している。そして、これら各ローラ9、
9を上記ハウジング3内周面の凹部6、6に嵌合させる
事により、等速ジョイント1を構成している。尚、上記
各凹部6、6を構成するそれぞれ1対ずつの内側面1
1、11は、それぞれ円弧状凹面としている。従って、
上記各ローラ9、9はこれら1対の内側面11、11同
士の間に、転動及び揺動自在に支持される。
【0004】上述の様に構成される等速ジョイント1の
使用時、例えば第一の回転軸2が回転すると、この回転
力は、ハウジング3から、ローラ9、9、ニードル軸受
10、トラニオン8、8を介して、トリポード5のボス
部7に伝わる。そして、このボス部7を端部に固定した
第二の回転軸4を回転させる。又、第一の回転軸2の中
心軸と第二の回転軸4の中心軸とが不一致の場合(等速
ジョイント1にジョイント角が存在した場合)には、こ
れら両回転軸2、4の回転に伴って上記各トラニオン
8、8が、上記各凹部6、6の内側面11、11に対し
て、図4〜5に示す様にトリポード5のボス部7を中心
として揺動する方向に変位する。この際、上記各トラニ
オン8、8の周囲に支承されたローラ9、9が、上記各
凹部6、6の内側面11、11上を転動すると共に、上
記各トラニオン8、8の軸方向に変位する。これらの動
きにより、周知の様に、第一、第二の両回転軸2、4の
間で等速性を確保する。
【0005】上述の様に構成され作用する等速ジョイン
ト1の場合、ジョイント角が存在する状態で第一、第二
の回転軸2、4を回転させると、上記各ローラ9、9が
複雑な運動を行なう。即ち、この状態で上記各ローラ
9、9は、上記各内側面11、11に沿ってハウジング
3の軸方向に向きを変えながら移動し、しかもトラニオ
ン8、8の軸方向に変位する。上記各ローラ9、9にこ
の様に複雑な動きをさせると、これら各ローラ9、9の
外周面と上記各内側面11、11との間の相対変位が必
ずしも円滑に行なわれなくなって、これら両面間に比較
的大きな摩擦が発生する。この結果、図4〜5に示す様
な構造の等速ジョイント1の場合には、1回転3次の軸
力が発生する。そして、自動車に組み込まれ大きなジョ
イント角を付した状態で大きなトルクを伝達する際等、
著しい場合にはシャダー(shudder)と呼ばれる
振動が発生する事が知られている。
【0006】この様な原因で発生する振動を抑える為の
構造として、前記特開昭63−186036号公報に
は、図6〜8に示す様な等速ジョイント1aが記載され
ている。この改良型の等速ジョイント1aの場合には、
各トラニオン8、8の周囲に設けるローラ9a、9a
を、それぞれ内側ローラ12と外側ローラ13とから構
成している。このうちの内側ローラ12は、内周面を円
筒面に、外周面を球状凸面に、それぞれ形成し、軸受1
4により上記各トラニオン8、8の周囲に、回転のみ自
在に支持している。又、上記外側ローラ13は、内周面
を円筒面とし、上記内側ローラ12の周囲に、揺動及び
この内側ローラ12の軸方向に亙る変位自在に嵌合させ
ている。又、上記外側ローラ13の外周面は、ハウジン
グ3の内周面に形成した凹部6、6毎に1対ずつ設けた
ガイド面31、31に、上記ハウジング3の軸方向(図
6、8の左右方向、図7の表裏方向)に亙る変位のみ自
在に転接させている。
【0007】上述の様に構成される改良型の等速ジョイ
ント1aの場合には、ローラ9a、9aがハウジング3
の軸方向に亙って変位する事は、これら各ローラ9a、
9aを構成する外側ローラ13、13の転動により許容
する。又、ローラ9a、9aがトリポード5を中心とし
て揺動及びトラニオン8、8の軸方向に亙り変位する事
は、上記各ローラ9a、9aを構成する内側ローラ12
が上記各外側ローラ13、13に対して揺動及び摺動す
る事により許容する。これら外側、内側各ローラ13、
12の外周面が相手面に対して行なう変位は、図4〜5
に示した構造でローラ9、9が内側面11、11及びト
ラニオン8、8に対して行なう変位に比べて単純であ
り、安定した変位を行なえる。従って、等速ジョイント
1aの回転に伴って発生する軸力を低減し、大きなジョ
イント角を付した状態で大きなトルクを伝達する際に
も、不快な振動が発生する事を抑えられる。
【0008】
【先発明の説明】更に、図6〜8に示した従来構造の第
2例の構造の弱点をなくして、トリポード型等速ジョイ
ントの耐久性を確保する為の新たな構造として特願平8
−4073号、同8−138335号には、図9〜11
に示す様な構造が記載されている。この第一の先発明の
構造の場合も、軸方向一端側が開口した中空筒状のハウ
ジング3aは、その他端側(図9の背面側)中心部を、
図示しない第一の回転軸の端部に固定する。一方、トリ
ポード5は、やはり図示しない第二の回転軸の端部に固
定する。
【0009】上記ハウジング3aの内周面には3個の凹
部6a、6aを、円周方向に亙り等間隔に、このハウジ
ング3aの直径方向外方に向けて形成している。又、こ
れら各凹部6a、6aの内面で互いに対向する部分に
は、各凹部6a、6a毎に1対ずつのガイド凹溝15、
15を、それぞれ上記ハウジング3aの軸方向(図9の
表裏方向、図10〜11の左右方向)に亙り形成してい
る。即ち、上記各凹部6a、6aの内面の一部で互いに
対向する部分は、両側部分よりも凹ませて、上記各ガイ
ド凹溝15、15としている。上記各凹部6a、6a毎
に1対ずつ設けたガイド凹溝15、15の底面16、1
6同士は、互いに平行にしている。又、これら各凹部6
a、6a毎に1対ずつ設けたガイド凹溝15、15の幅
15は、互いに等しくしている。
【0010】一方、上記トリポード5は、上記第二の回
転軸の端部を固定自在な円筒状のボス部7の外周面に3
本のトラニオン8、8を、円周方向に亙り等間隔に固設
して成る。これら各トラニオン8、8は、それぞれが上
記3個の凹部6a、6a内に進入自在である。尚、上記
ボス部7の内周面にはスプライン溝17を形成して、こ
のボス部7と上記第二の回転軸との間で大きな回転力の
伝達を可能にしている。
【0011】上記各トラニオン8、8の外周面にはそれ
ぞれ内側ローラ12a、12aを、それぞれラジアルニ
ードル軸受18、18を介して、回転自在且つ上記各ト
ラニオン8、8の軸方向に亙る変位自在に支持してい
る。これら各ラジアルニードル軸受18、18は、保持
器を設けない、所謂総ころ軸受である。但し、負荷条件
によっては、保持器付ニードル軸受を使用する事もでき
る。又、上記各トラニオン8、8の先端部で上記各ラジ
アルニードル軸受18、18よりも突出した部分には、
円環状の抑えリング19、19を外嵌している。更に、
上記各トラニオン8、8の先端部でこれら各抑えリング
19、19よりも突出した部分に形成した係止溝20に
は、止め輪21を係止している。従って、上記各抑えリ
ング19、19及び上記各ラジアルニードル軸受18、
18を構成するニードル22、22が、上記各トラニオ
ン8、8から抜け出る事はない。
【0012】又、図示の例では、上記各抑えリング1
9、19の外端縁部(ボス部7の外周面から遠い側の端
部)に、直径方向外方に突出する係止鍔23、23を形
成している。これら各係止鍔23、23の外径D23は、
上記各内側ローラ12a、12aの内径R12a よりも大
きい(D23>R12a )。従って、これら各内側ローラ1
2a、12aは、上記各トラニオン8、8に対して軸方
向に変位自在ではあるが、その変位量は、上記ボス部7
の外周面と上記係止鍔23、23とにより制限される。
上記各内側ローラ12a、12aの内周面は、上記各ト
ラニオン8、8の軸方向に亙る変位を自在とすべく、円
筒面24としている。これに対して、これら各内側ロー
ラ12a、12aの外周面は、球状凸面25としてい
る。
【0013】上述の様に構成され、上記各トラニオン
8、8の周囲に回転及び軸方向に亙る変位自在に支持さ
れた、上記各内側ローラ12a、12aの周囲には、外
側ローラ13a、13aを支持している。そして、これ
ら各外側ローラ13a、13aの外周面を、前記各凹部
6a、6a毎に1対ずつ設けられたガイド凹溝15、1
5に、前記ハウジング3aの軸方向に亙る変位のみ自在
に転接させる、円筒面状の転動面としている。この為
に、上記各外側ローラ13a、13aの外径D13aは、
対をなすガイド凹溝15、15の(底面16、16同士
の)間隔D15よりも僅かに小さく(D13a <D15)して
いる。又、上記各外側ローラ13a、13aの幅W13a
は、上記各ガイド凹溝15、15の幅W15よりも僅かに
小さく(W13 a <W15)している。
【0014】又、上記各外側ローラ13a、13aの内
周面は、球状凹面26としている。そして、この球状凹
面26の中心点を各外側ローラ13a、13aの中心軸
上に置く事により、これら球状凹面26と球状凸面25
とを揺動変位自在に組み合わせ自在としている。上記外
側ローラ13a、13aは、これら球状凹面26と球状
凸面25とを嵌合させる事により、上記各内側ローラ1
2aの外側に揺動自在に外嵌している。尚、上記各外側
ローラ13a、13aの内周面の直径方向反対側2個所
位置には、これら各外側ローラ13a、13aの内側に
上記各内側ローラ12a、12aを嵌合させる為の入れ
溝27、27を形成している。これら各入れ溝27、2
7に関しては、実開平5−67821号公報等に記載さ
れている様に、従来から周知である。
【0015】上述の様に構成される第一の先発明のトリ
ポード型等速ジョイントの場合、各内側ローラ12a、
12a及び外側ローラ13a、13aがハウジング3a
の軸方向に亙って変位する事は、上記各外側ローラ13
a、13aがガイド凹溝15、15に対して転動する事
により許容する。又、トラニオン8、8がトリポード5
のボス部7を中心として揺動する事は、上記各内側ロー
ラ12a、12aが上記各外側ローラ13a、13aに
対して揺動する事により許容する。又、上記各内側ロー
ラ12a、12a及び外側ローラ13a、13aが前記
各トラニオン8、8の軸方向に変位する事は、ラジアル
ニードル軸受18、18を介して上記各トラニオン8、
8に支持された上記各内側ローラ12a、12aが、こ
れら各トラニオン8、8に対して変位する事により許容
する。更に、第一の先発明のトリポード型等速ジョイン
トの場合には、構成各部材同士の当接部が比較的広い面
積で摺接する為、これら構成各部材の摩耗及び早期剥離
を低減できる。
【0016】上述の様に構成される第一の先発明のトリ
ポード型等速ジョイントの場合、各外側ローラ13a、
13aの外側面とガイド凹溝15、15の内側面との摺
接に基づく摩擦抵抗が安定せず、必ずしも伝達効率が良
くない。この理由に就いて、図12〜14により説明す
る。
【0017】図4〜5に示す様に、第一の回転軸2の中
心軸と第二の回転軸4の中心軸とが不一致の状態でこれ
ら両回転軸2、4同士の間で回転力の伝達を行なうと、
トリポード5を構成する3本のトラニオン8は、ボス部
7を中心に往復揺動する。これに対して上記各外側ロー
ラ13aは、ガイド凹溝15(15a)に沿って、ハウ
ジング3aの軸方向(図12、14の左右方向)に往復
移動するのみである。この結果、上記各外側ローラ13
aには、上記ガイド凹溝15と直角方向の力が加わる。
尚、図12〜14に記載したガイド凹溝15aは、本発
明の実施の形態と同様の形状を有するが、図9〜11に
示した形状を有するガイド凹溝15の場合でも同様であ
る。例えば、上記トラニオン8が、図12(A)の状態
から同図(B)の状態に変位する際には、上記外側ロー
ラ13aに押圧方向(図12の上方向)の力が加わり、
この外側ローラ13aの外周寄り外側面(上記ボス部7
から遠い側の面で、図12の上面)が、上記ガイド凹溝
15a(15)の内側面に押し付けられる。これに対し
て、上記トラニオン8が、図12(B)の状態から同図
(A)の状態に変位する際には、上記外側ローラ13a
に引っ張り方向(図12の下方向)の力が加わり、この
外側ローラ13aの内周寄り外側面(上記ボス部7側の
面で、図12の下面)が、上記ガイド凹溝15a(1
5)の内側面に押し付けられる。
【0018】一方、前述した様に上記外側ローラ13a
の幅W13a は、上記ガイド凹溝15a(15)の幅W15
よりも僅かに小さく(W13a <W15)している。この理
由は、上記外側ローラ13aの外側面と上記ガイド凹溝
15a(15)の内側面とが互いに強く擦れ合う事を防
止する為である。従って、これら外側ローラ13aの外
側面と上記ガイド凹溝15a(15)の内側面との間に
は、図13に示す様な隙間28が形成される。又、上記
トラニオン8が上記ボス部7を中心に揺動する際に上記
外側ローラ13aには、球状凸面25と球状凹面26と
の摩擦に基づき、上記ガイド凹溝15a(15)に対し
傾斜させる方向の力が作用する。そして、この力と上記
隙間28の存在とに基づいて上記外側ローラ13aは、
上記ガイド凹溝15a(15)に対し、図14に誇張し
て示す様に傾斜する。
【0019】この様に上記外側ローラ13aがガイド凹
溝15a(15)に対し傾斜すると、上記トラニオン8
の揺動に基づいて上記外側ローラ13aが、上記ガイド
凹溝15a(15)の側壁部に対し乗り上げる傾向とな
り、このガイド凹溝15a(15)の内側面と外側ロー
ラ13aの外側面との間に大きな摩擦力が作用する。こ
の為、上記外側ローラ13aの転動が円滑に行なわれな
くなって、等速ジョイント1aの内部での摩擦損失が増
大し、この等速ジョイント1aの伝達効率が低下するだ
けでなく、上記トラニオン8に加わる軸力が増大する。
この様な軸力の増大に伴って、大きなジョイント角を付
した状態で大きなトルクを伝達する際等、使用条件が厳
しい場合には、前述したシャダーと呼ばれる振動の発生
を抑えきれない可能性がある。
【0020】この様な原因で発生する振動を防止する為
に本発明者等は先に、図15に示す様な、トリポード型
の等速ジョイント1aを発明した(特願平8−2902
97号)。この第二の先発明に係る等速ジョイント1a
を構成するハウジング3a´の内周面の3個所位置に、
円周方向に亙って等間隔に形成した各凹部6a、6aに
は、これら各凹部6a、6a毎に1対ずつのガイド凹溝
15a、15a′を設けている。これら各ガイド凹溝1
5a、15a′は、それぞれ幅方向中央部の平坦部2
9、29の両側に傾斜部30、30を形成する事により
断面形状を台形とし、開口部に向かう程幅寸法を大きく
している。
【0021】一方、トリポード5に設けた3本のトラニ
オン8、8を、それぞれ上記各凹部6a、6a内に進入
させている。特に、第二の先発明のトリポード型の等速
ジョイント1aの場合には、上記ハウジング3a´とト
リポード5との間で回転力の伝達を行なっている状態
で、これら各トラニオン8、8に関して上記各凹部6
a、6a及び外側ローラ13a、13aを、非対称に配
置している。即ち、図15に示した構造を有する等速ジ
ョイント1aを自動車の駆動系に組み込んだ状態で自動
車を前進させると、ハウジング3a´及びトリポード5
は、図15の反時計方向に回転し、アンカ側である回転
方向後側に存在するガイド凹溝15a、15aの平坦部
29、29と上記各外側ローラ13a、13aの外周面
とが当接する。図15に示した構造の場合には、この様
に平坦部29、29と上記各外側ローラ13a、13a
の外周面とを互いに当接させ、且つジョイント角を0度
とした状態で、上記各トラニオン8、8とアンカ側のガ
イド凹溝15a、15aの平坦部29、29とが互いに
傾斜した状態で対向する様に、構成各部の形状並びに寸
法を規制している。
【0022】即ち、上記各凹部6a、6a毎に1対ずつ
設けたガイド凹溝15a、15a´のうち、アンカ側の
ガイド凹溝15a、15aの底面である平坦部29、2
9と、上記各トラニオン8、8の中心軸X、Xとを、角
度θ(θ≠0度)だけ傾斜させて、互いに非平行として
いる。図15に示した構造の場合、上記各平坦部29、
29の延長線Yと上記各中心軸X、Xとの距離が、直径
方向外方に向かう程小さくなる様にしている。尚、上記
各中心軸X、Xは、上記ハウジング3aとトリポード5
との間にジョイント角を付した状態では、図15の表裏
方向に傾斜する。従って、上記各平坦部29、29とト
ラニオン8、8の中心軸X、Xとを互いに非平行にする
とは、上記ハウジング3a´をその端部に固定する第一
の回転軸の軸心と、上記トリポード5をその端部に固定
する第二の回転軸の軸心とを一致させた、ジョイント角
が0度の状態で言う。
【0023】上述の様に構成される第二の先発明のトリ
ポード型等速ジョイントは、上記各外側ローラ13a、
13aの外周面が押圧される平坦部29、29と上記各
トラニオン8、8の中心軸X、Xとを、ジョイント角が
0度の状態で互いに非平行としている為、回転伝達時に
上記各外側ローラ13a、13aの片側外側面が、上記
各ガイド凹溝15a、15a′の片側内側面に押し付け
られた状態のままとなる。この理由は、次の通りであ
る。
【0024】回転力の伝達時には、上記各ガイド凹溝1
5a、15a′のうち、アンカ側のガイド凹溝15a、
15aの平坦部29、29が、上記各外側ローラ13
a、13aの外周面を押圧する。そして、この反作用と
して、これら各外側ローラ13a、13aの外周面が上
記各平坦部29、29に押し付けられる。第二の先発明
のトリポード型等速ジョイントの場合、これら各平坦部
29、29と上記各トラニオン8、8の中心軸X、Xと
を互いに非平行とした事に伴ない、上記各外側ローラ1
3a、13aを軸方向に変位させる方向の分力が発生す
る。そして、この分力に基づき上記各外側ローラ13
a、13aが、内側ローラ12a、12aと共にトラニ
オン8、8の軸方向に変位して、上記各外側ローラ13
a、13aの片側外側面が、上記各ガイド凹溝15a、
15aの片側内側面である一方の傾斜部30に押し付け
られる。
【0025】より具体的には、これら各外側ローラ13
a、13aが、平坦部29、29と上記各トラニオン
8、8の中心軸X、Xとの間隔が広くなる側に変位す
る。従って、図15に示した構造の場合には、等速ジョ
イント1aの直径方向内側部分で、上記各外側ローラ1
3a、13aの外側面と上記各ガイド凹溝15a、15
aの内側面である一方の傾斜部30とが当接する。等速
ジョイント1aの直径方向外側部分では、上記各外側ロ
ーラ13a、13aの外側面と上記各ガイド凹溝15
a、15aの内側面である他方の傾斜部30との間に、
常に隙間28(図13参照)が存在する様になる。
【0026】この為、上記各外側ローラ13a、13a
が転動しようとする方向が、上記各ガイド凹溝15a、
15aの長さ方向(図1の表裏方向)に対し傾斜する事
がなくなり、これら各ガイド凹溝15a、15aに沿う
上記各外側ローラ13a、13aの転動が円滑に行なわ
れる様になる。この結果、トリポード型等速ジョイント
の内部で発生する摩擦に基づく損失の低減を図り、トリ
ポード型等速ジョイントの伝達効率の向上を図れるだけ
でなく、シャダーと呼ばれる振動の発生を有効に抑える
事ができる。
【0027】
【発明が解決しようとする課題】図15に示した第二の
先発明の構造は、等速ジョイント1a内での動力損失を
小さく抑え、シャダーと呼ばれる振動の発生を抑える面
からは効果があるが、車両への取り付け時に方向性が生
じる。即ち、各トラニオン8、8を円周方向に関し傾斜
させており、動力損失の増大と振動の発生とを抑える為
には、これら各トラニオン8、8の傾斜方向とトリポー
ド5の回転方向とを関連付ける必要がある。この為、左
右の駆動系に組み込む等速ジョイント1aの仕様を異な
らせる必要が生じる。仕様の異なる等速ジョイント1a
を2種類造り、それぞれを取り付け方向を間違えない様
に、自動車の左右の駆動系に組み付ける事は面倒で、自
動車の製造コストを高くする原因になる。
【0028】又、各外側ローラ13a、13aの外周面
を円筒面としたまま、これら各外側ローラ13a、13
aを支承するトラニオン8、8を傾斜させる為、ハウジ
ング3a´の一部で上記各外側ローラ13a、13aの
外周面が当接する部分の強度を確保すべく、当該部分の
肉厚を確保する為には、このハウジング3a´の外径が
大きくなる。等速ジョイント1aを設置する部分の空間
は限られている為、上記ハウジング3a´の外径が僅か
でも大きくなる事は好ましくない。本発明は、特願平8
−290297号に係る発明の利点をそのままにして、
組み付け方向を規制されず、しかも外径が大きくならな
い構造の実現を図るべく考えたものである。
【0029】
【課題を解決する為の手段】本発明のトリポード型等速
ジョイントは、従来の、或は前述した第一の先発明のト
リポード型等速ジョイントと同様に、第一の回転軸の端
部に固定される、軸方向一端側が開口した中空筒状のハ
ウジングと、このハウジングの内周面に円周方向に亙っ
て等間隔に形成された3個の凹部と、これら各凹部の内
面で互いに対向する部分に、それぞれ上記ハウジングの
軸方向に亙って各凹部毎に1対ずつ形成され、それぞれ
の底面を平坦面としたガイド凹溝と、上記各凹部内に進
入する3本のトラニオンを外周面に円周方向に亙って等
間隔に固設し、第二の回転軸の端部に固定されるトリポ
ードと、それぞれ上記各トラニオンの外周面に、回転自
在に支持された3個の内側ローラと、それぞれの外周面
を上記各凹部毎に1対ずつ設けられたガイド凹溝に上記
ハウジングの軸方向に亙る変位のみ自在に転接する転動
面とすると共に、上記各内側ローラに揺動自在に外嵌さ
れた3個の外側ローラとを備え、これら各外側ローラの
上記各トラニオンの軸方向に亙る変位を自在としてい
る。
【0030】特に、本発明のトリポード型等速ジョイン
トに於いては、上記各外側ローラの外周面を、軸方向一
端から他端に向かって直径が漸次変化する円錐面とする
と共に、上記各凹部毎に1対ずつ設けられたガイド凹溝
の底面を、上記各外側ローラの外周面の一部で当該ガイ
ド凹溝が対向する部分が傾斜している方向と同じ方向に
傾斜させている。
【0031】
【作用】上述の様に構成する本発明のトリポード型等速
ジョイントが、第一の回転軸の端部に固定されるハウジ
ングと第二の回転軸の端部に固定されるトリポードとの
間で回転力の伝達を行なう際の作用自体は、前述した従
来の、或は第一の先発明のトリポード型等速ジョイント
の場合と同様である。
【0032】特に、本発明のトリポード型等速ジョイン
トは、各外側ローラの外周面が円錐面である事に伴っ
て、これら各外側ローラを各トラニオンの軸方向に移動
させようとする第一の力が加わる。又、上記各外側ロー
ラの外周面が当接する各ガイド凹溝の底面が傾斜してい
る事に伴って、やはりこれら各外側ローラを上記各トラ
ニオンの軸方向に移動させようとする第二の力が、上記
第一の力と逆方向に加わる。従って、これら第一の力と
第二の力とが相殺し合って、上記各外側ローラを各トラ
ニオンの軸方向に変位させようとする力が弱くなる。こ
の為、上記各外側ローラを各ガイド凹溝の片側内側面に
押し付ける力が弱くなり、これら各ガイド凹溝に沿う上
記各外側ローラの転動が円滑に行なわれる様になる。こ
の結果、トリポード型等速ジョイントの内部で発生する
摩擦に基づく損失の低減を図り、トリポード型等速ジョ
イントの伝達効率の向上を図れるだけでなく、シャダー
と呼ばれる振動の発生を有効に抑える事ができる。
【0033】
【発明の実施の形態】図1〜2は、本発明の実施の形態
の第1例を示している。尚、本発明の特徴は、組み付け
方向を規制されず、しかも外径が大きくならない様にし
つつ、ジョイント角を付した状態での回転力伝達時に、
トリポード型等速ジョイント内部での摩擦損失を低減す
ると共に、シャダーと呼ばれる振動の発生を防止する為
の構造にある。本例の場合、その他の部分の構造及び作
用に就いては、前述の図9〜11に示した第一の先発明
の構造とほぼ同様である為、同等部分に関する図示及び
説明は、省略若しくは簡略にし、以下、本発明の特徴部
分を中心に説明する。尚、図1〜3に示した本発明に係
る構造と、図9〜11に示した第一の先発明に係る構造
とを比較した場合、ハウジング3aの形状が異なるが、
このハウジング3aの形状の相違は、本発明の要旨には
関係しない。
【0034】本例の等速ジョイント1bの場合には、各
外側ローラ13b、13bの外周面を、軸方向一端から
他端に向かって直径が漸次変化する円錐面としている。
即ち、これら各外側ローラ13b、13bの外径を、各
外側ローラ13b、13bの基端部である、トリポード
5のボス部7寄り部分で大きくし、それぞれの先端部で
ある、上記ボス部7から遠い側で小さくしている。
【0035】一方、上記ハウジング3aの内周面3個所
位置に形成した各凹部6a、6a毎に1対ずつ設けた、
各ガイド凹溝15b、15bの底面である平坦部29
a、29aを、上記各外側ローラ13b、13bの外周
面の一部で当該ガイド凹溝15b、15bが対向する部
分が傾斜している方向と同じ方向に、ほぼ(加工誤差範
囲内で)同じ角度だけ傾斜させている。即ち、本例の場
合には上記各凹部6a、6a毎に1対ずつ設けたガイド
凹溝15b、15bの底面である平坦部29a、29a
同士の間隔を、上記ハウジング3aの直径方向外側に向
う程小さくしている。又、互いに対向する平坦部29
a、29aは、上記ハウジング3aの直径方向に関して
互いに逆方向に、ほぼ(加工誤差範囲内で)同じ角度だ
け傾斜している。従って、上記ハウジング3aは、前述
の図9〜11に示した第一の先発明に係る構造と同様
に、円周方向に関して対称な形状を有する。従って、一
方の平坦部29aと外側ローラ13bの一部外周面とが
当接した状態では、他方の平坦部29aと外側ローラ1
3bの外周面反対側部分とは、ほぼ平行になる。
【0036】更に、上記トリポード5に設けた3本のト
ラニオン8、8は、何れも上記ボス部7の直径方向に亙
り、円周方向に傾斜させる事なく形成している。上記各
外側ローラ13b、13b及び上記各凹部6a、6aの
形状、並びに上記各トラニオン8、8の配置方向以外の
点は、前述の図15に示した第二の先発明に係る構造と
同様である。
【0037】上述の様に構成される本発明によるトリポ
ード型の等速ジョイント1bを、図2に示す様にジョイ
ント角θを付した状態で運転すると、上記各外側ローラ
13bの中心は、図2のA点を中心として、同図のB点
とC点との間を往復移動する。この様な往復移動の際に
本発明の等速ジョイント1bの場合には、上記各外側ロ
ーラ13bの外周面が円錐面である事に伴って、これら
各外側ローラ13bを上記各トラニオン8の軸方向に移
動させようとする第一の力が加わる。図示の様に、これ
ら各外側ローラ13bの外径を基端部で大きく、先端部
で小さくした場合、上記第一の力は、上記各外側ローラ
13bを上記各トラニオン8の先端側(図2の上側)に
移動させようとする力として、上記各外側ローラ13b
に作用する。
【0038】一方、上記各外側ローラ13bの外周面が
当接する各ガイド凹溝15bの底面である平坦部29a
が傾斜している事に伴って、やはりこれら各外側ローラ
13bを上記各トラニオン8の軸方向に移動させようと
する第二の力が加わる。図示の様に、各凹部6a、6a
毎に1対ずつ設けたガイド凹溝15b、15bの平坦部
29a、29a同士の間隔を、上記ハウジング3aの直
径方向外側に向う程小さくした場合に、上記第二の力
は、上記各外側ローラ13bを上記各トラニオン8の基
端側(図2の下側)に移動させようとする力として、上
記各外側ローラ13bに作用する。従って、互いに逆向
きの力である、この第二の力と上記第一の力とが相殺し
合って、上記各外側ローラ13bを各トラニオン8の軸
方向に変位させようとする力が弱くなる。
【0039】この為、上記各外側ローラ13bをガイド
凹溝15bの片側内側面である傾斜部30に押し付ける
力が弱くなり、これら各ガイド凹溝15bに沿う上記各
外側ローラ13bの転動が円滑に行なわれる様になる。
この結果、トリポード型等速ジョイントの内部で発生す
る摩擦に基づく損失の低減を図り、トリポード型等速ジ
ョイントの伝達効率の向上を図れるだけでなく、シャダ
ーと呼ばれる振動の発生を有効に抑える事ができる。
【0040】更に、本発明のトリポード型等速ジョイン
トの場合には、ハウジング3a及びトリポード5の形状
を、円周方向に関して対称にしている為、組み付け方向
を規制されない。従って、自動車の左右の駆動系に組み
付ける等速ジョイント1bとして同じ仕様のものを使え
る。この為、前述の図15に示した第二の先発明の構造
の様に、仕様の異なる等速ジョイントを2種類造り、そ
れぞれを方向を間違えない様に組み付ける面倒がなくな
る。しかも、ハウジング3aの一部で上記各外側ローラ
13b、13bの外周面が当接する部分の強度を確保す
べく、当該部分の肉厚を確保しても、このハウジング3
aの外径があまり大きくはならない。この為、等速ジョ
イント1bの小型軽量化により、自動車の駆動系の設計
の自由度の向上と、ばね下荷重の低減に基づく走行性能
の向上とを図れる。
【0041】次に、図3は、本発明の実施の形態の第2
例を示している。本例の場合、各外側ローラ13cの内
周面を円筒面31とし、この円筒面31と球状凸面25
である内側ローラ12aの外周面との係合により、上記
外側ローラ13cをこの内側ローラ12aの周囲に揺動
自在に、且つ上記トラニオン8の軸方向に亙る変位自在
に支持している。その他の構成及び作用は、上述した第
1例の場合と同様である。
【0042】尚、前述した第1例、及び上述した第2例
の構造で、外側ローラ13b、13cの外周面、及び各
凹部6a、6a毎に1対ずつ設けたガイド凹溝15b、
15bの平坦部29a、29aの傾斜方向を、図示の例
とは逆にしても良い。これら各部の傾斜方向を図示の場
合とは逆にしても、組み付け方向を規制されない様にし
つつ、ジョイント角を付した状態での回転力伝達時に、
トリポード型等速ジョイント内部での摩擦損失を低減す
ると共に、シャダーと呼ばれる振動の発生を防止でき
る。但し、ハウジング3aの外径を少しでも小さくする
面からは、図示の例の様に、上記各部の傾斜方向を規制
する事が好ましい。
【0043】又、図示の各例の様に、各ガイド凹溝15
b、15bを(図9〜11に示す様な断面矩形ではな
く)、平坦部29と傾斜部30、30とを備えた断面台
形に形成した場合には、トリポード型等速ジョイントの
内部で発生する摩擦に基づく動力損失の低減をより確実
に図り、トリポード型等速ジョイントの伝達効率の向上
を図れる。即ち、上記各ガイド凹溝15b、15bの断
面形状を上述の様な台形にしている為、反アンカ側のガ
イド凹溝15b、15bの内面と各外側ローラ13b、
13cの外面とが、上記各トラニオン8、8の揺動の全
範囲に亙り互いに摺接しない。言い換えれば、アンカ側
のガイド凹溝15b、15bの片側内側面と上記各外側
ローラ13b、13cの片側外側面とが摺接するのみと
なる。
【0044】即ち、上記各外側ローラ13b、13cの
外径は、前記各凹部6a、6a毎に1対ずつ形成したガ
イド凹溝15b、15bの平坦部29、29同士の間隔
よりも僅かに小さくしている。従って、動力伝達時に上
記各外側ローラ13b、13cの外側面は、アンカ側の
ガイド凹溝15b、15bの内側面に当接する反面、反
アンカ側のガイド凹溝15b、15bの内側面とは離隔
する。前述の図9〜11に示した様な、断面矩形のガイ
ド凹溝15、15の場合には、必ずしも各外側ローラ1
3a、13aの外側面がアンカ側のガイド凹溝15、1
5の内側面から離隔せず、等速ジョイント内での動力損
失が増大する場合が考えられる。これに対して、図示の
各例の場合には、反アンカ側のガイド凹溝15b、15
bの内側面と上記各外側ローラ13b、13cの外側面
とが摺接する事を確実に防止して、等速ジョイント内で
の動力損失を小さく抑えられる。
【0045】尚、各外側ローラを各トラニオンの軸方向
に移動させようとする第一、第二の力をより効果的に釣
り合わせ、これら各外側ローラを各ガイド凹溝の内側面
に押し付ける力をより小さくする為に、必要とすれば、
各外側ローラの外周面と各ガイド凹溝の底面との傾斜角
度を異ならせる事もできる。
【0046】
【発明の効果】本発明のトリポード型等速ジョイント
は、以上に述べた通り構成され作用するので、内部で発
生する摩擦に基づく動力損失の低減を図り、伝達効率の
向上を図ると共に、動力伝達時に発生する振動の低減に
も寄与できる。更に、組み付け方向を規制されず、しか
も外径が大きくならない様にできる。この為、部品製
作、部品管理、組み付け作業の簡略化によるコスト低減
と、小型化による設計の自由度の向上と、軽量化による
走行性能の向上とを図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の第1例を示す切断正面
図。
【図2】ジョイント角を付した状態で一部を省略して示
す、図1のA−A断面図。
【図3】同第2例を示す部分切断正面図。
【図4】従来のトリポード型等速ジョイントの第1例を
示す略斜視図。
【図5】図4のB−B断面図。
【図6】従来のトリポード型等速ジョイントの第2例
を、ジョイント角が0度の状態で示す部分切断側面図。
【図7】図6のC−C断面図。
【図8】ジョイント角を付した状態で示す、図6の左部
に相当する図。
【図9】第一の先発明に係るトリポード型等速ジョイン
トを示す切断正面図。
【図10】一部を省略し、ジョイント角が0度の状態で
一部を省略して示す、図9のD−D断面図。
【図11】ジョイント角が大きい状態で示す、図10と
同様の図。
【図12】ジョイント角が大きい状態での回転力伝達時
に於ける各部の挙動を説明する為の、図10〜11と同
様の図。
【図13】外側ローラの外側面とガイド凹溝の内側面と
の間に存在する隙間を誇張して示す、部分切断正面図。
【図14】外側ローラの外側面とガイド凹溝の内側面と
の間に存在する隙間に基づいて外側ローラが傾斜した状
態を誇張して示す、図11と同様の図。
【図15】第二の先発明に係るトリポード型等速ジョイ
ントを示す切断正面図。
【符号の説明】
1、1a、1b 等速ジョイント 2 第一の回転軸 3、3a、3a´ ハウジング 4 第二の回転軸 5 トリポード 6、6a 凹部 7 ボス部 8 トラニオン 9、9a ローラ 10 ニードル軸受 11 内側面 12、12a 内側ローラ 13、13a、13b、13c 外側ローラ 14 軸受 15、15a、15a´、15b ガイド凹溝 16 底面 17 スプライン溝 18 ラジアルニードル軸受 19 抑えリング 20 係止溝 21 止め輪 22 ニードル 23 係止鍔 24 円筒面 25 球状凸面 26 球状凹面 27 入れ溝 28 隙間 29、29a 平坦部 30 傾斜部 31 円筒面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第一の回転軸の端部に固定される、軸方
    向一端側が開口した中空筒状のハウジングと、このハウ
    ジングの内周面に円周方向に亙って等間隔に形成された
    3個の凹部と、これら各凹部の内面で互いに対向する部
    分に、それぞれ上記ハウジングの軸方向に亙って各凹部
    毎に1対ずつ形成され、それぞれの底面を平坦面とした
    ガイド凹溝と、上記各凹部内に進入する3本のトラニオ
    ンを外周面に円周方向に亙って等間隔に固設し、第二の
    回転軸の端部に固定されるトリポードと、それぞれ上記
    各トラニオンの外周面に、回転自在に支持された3個の
    内側ローラと、それぞれの外周面を上記各凹部毎に1対
    ずつ設けられたガイド凹溝に上記ハウジングの軸方向に
    亙る変位のみ自在に転接する転動面とすると共に、上記
    各内側ローラに揺動自在に外嵌された3個の外側ローラ
    とを備え、これら各外側ローラの上記各トラニオンの軸
    方向に亙る変位を自在としたトリポード型等速ジョイン
    トに於いて、上記各外側ローラの外周面を、軸方向一端
    から他端に向かって直径が漸次変化する円錐面とすると
    共に、上記各凹部毎に1対ずつ設けられたガイド凹溝の
    底面を、上記各外側ローラの外周面の一部で当該ガイド
    凹溝が対向する部分が傾斜している方向と同じ方向に傾
    斜させた事を特徴とするトリポード型等速ジョイント。
  2. 【請求項2】 各内側ローラは各トラニオンの周囲にニ
    ードル軸受により、これら各トラニオンの周囲での回転
    及びこのトラニオンの軸方向に亙る変位自在に支持され
    ており、各外側ローラは上記各内側ローラの周囲に、こ
    れら各内側ローラの外周面に形成した球状凸面と上記各
    外側ローラの内周面に形成した球状凹面との係合に基づ
    き揺動自在に支持されている、請求項1に記載したトリ
    ポード型等速ジョイント。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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