JP3889192B2 - 等速自在継手 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は摺動式トリポード型等速自在継手に関する。一般に、等速自在継手は駆動側と従動側の2軸を連結して2軸間に角度があっても等速で回転力を伝達することのできるユニバーサルジョイントの一種であって、摺動式のものは、継手のプランジングによって2軸間の相対的軸方向変位を可能にしたものであり、トリポード型は、半径方向に突出した3本の脚軸を備えたトリポード部材を一方の軸に結合し、軸方向に延びる3つのトラック溝を備えた中空円筒状の外側継手部材を他方の軸に結合し、外側継手部材のトラック溝内にトリポード部材の脚軸を収容してトルクの伝達を行うようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
摺動式トリポード型等速自在継手の一例を図8を参照して説明すると、外側継手部材1の内周面の軸方向に3本の円筒形トラック溝2を形成し、外側継手部材1内に挿入したトリポード部材4の半径方向に突設した3本の脚軸5の円筒状の外周面に複数の針状ころ6を介して回転可能に外嵌した円環状のローラ7をトラック溝2に挿入して構成される。各トラック溝2の円周方向で対向する一対のローラ案内面3は軸方向に平行な凹曲面であり、3本の脚軸5の各ローラ7の外周面はローラ案内面3に適合する凸曲面である。各ローラ7は、対応するトラック溝2のローラ案内面3に係合して脚軸5を中心に回転しながらトラック溝2に沿って移動可能である。
【0003】
図8(B)に示すように、継手が作動角θをとった状態で回転力を伝達するとき、ローラ7とローラ案内面3とは図8(C)に示すように互いに斜交する関係となる。この場合、ローラ7は図8(B)に矢印tで示す方向に転がり移動しようとするのに対して、トラック溝2は外側継手部材の軸線と平行な円筒面の一部であるため、ローラ7はトラック溝2に拘束されながら移動することになる。その結果、ローラ案内面3とローラ7との相互間に滑りが発生してスライド抵抗が発生し、さらに、この滑りが軸方向に誘起スラストを発生させる。このようなスライド抵抗と誘起スラストは、車体の振動や騒音の発生原因となり、自動車のNVH性能に影響を与え、車両の足回りの設計自由度を低くするため、できるだけ低減させることが望まれる。
【0004】
かかるスライド抵抗と誘起スラストの低減を企図した摺動式トリポード型等速自在継手として、たとえば図9に示す継手が知られている。すなわち、図示するように、トリポード部材4の脚軸5の外周面を真球面にして、この真球面に円筒状のリング8の円筒形内周面が摺動可能に外嵌している。リング8とローラ7とは転動体を介して相対回転自在のローラアセンブリを構成する。針状ころ6は、リング8の円筒形外周面とローラ7の円筒形内周面との間にいわゆる総ころ状態で配置され、円環状のワッシャ9で抜け止めがなされる。ローラ7は外側継手部材1のトラック溝2内に収容され、トラック溝2のローラ案内面3上を転動しながら外側継手部材1の軸方向に移動可能である。
【0005】
脚軸5の外周面は脚軸5の軸線上に曲率中心を持つ真球面で、この曲率中心の回りをローラアセンブリ(7,8)が首振り揺動する。ローラアセンブリが首振り揺動自在であるため、外側継手部材1とトリポード部材4が作動角をとった状態で回転力伝達を行うとき、ローラ7は外側継手部材1の軸線と平行な姿勢を保つように外側継手部材1のローラ案内面3によって案内され、そのままの姿勢でローラ案内面3上を正しく転動する。したがって、作動角運転時における滑り抵抗が低減し、スライド抵抗と誘起スラストの発生が抑制されるというものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
自動車のエンジンから車輪に回転力を等速で伝達するために摺動式トリポード型等速自在継手を使用することが知られている。摺動式トリポード型等速自在継手は、トリポード部材の脚軸に球面ローラを取り付けてあり、脚軸外周面と球面ローラ内周面間に転動体として針状ころが保持器なしの総ころタイプで用いられる。そして、角度をとった状態でトルクを伝達するとき、内部部品間の相互摩擦によって、回転中には誘起スラストが、また、停止状態でも強制的に軸方向に伸縮させるとスライド抵抗がそれぞれ発生する。これら誘起スラストやスライド抵抗が関与する自動車の代表的なNVH現象として、前者との関連では走行中の車体の横振れ、後者との関連ではAT車における停止時Dレンジのアイドリング振動現象がある。
【0007】
自動車のNVH問題は、継手の誘起スラストやスライド抵抗の大きさを小さくすることが解決のポイントである。一般に、継手の誘起スラストやスライド抵抗は作動角の大きさに依存する傾向がある。このため、自動車のドライブシャフトに適用する場合、作動角を大きくできないという設計上の制約につながる。したがって、自動車の足回り設計の自由度を高めるには、誘起スラストやスライド抵抗の低位安定化が課題であった。
【0008】
そこで、本発明の目的は、これら誘起スラストやスライド抵抗の一層の低減および安定化を図ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、円周方向に向き合って配置されたローラ案内面を有する3つのトラック溝が形成された外側継手部材と、半径方向に突出した3つの脚軸を備えたトリポード部材と、前記トラック溝に挿入されたローラと、前記脚軸に外嵌して前記ローラを回転自在に支持するリングとを備え、前記ローラが前記ローラ案内面に沿って外側継手部材の軸方向い移動可能な等速自在継手において、前記リングの内周面を円弧状凸断面に形成すると共に、前記脚軸の外周面を、縦断面においてはストレート形状とし、かつ、横断面においては、継手の軸線と直交する方向で前記リングの内周面と接触するとともに継手の軸線方向で前記リングの内周面との間にすきまを形成するようにし、前記ローラの外周面を脚軸の軸線上に曲率中心をおいた部分球面とし、かつ、前記ローラ案内面を外側継手部材の軸線と平行な部分円筒面とすることにより、前記ローラが前記トラック溝内で傾斜することを特徴とする等速自在継手である。
【0010】
脚軸の横断面形状について、継手の軸線と直交する方向で前記リングの内周面と接触するとともに継手の軸線方向で前記リングの内周面との間にすきまを形成するような形状とは、言い換えれば、トリポード部材の軸方向で互いに向き合った面部分が相互方向に、つまり、仮想円筒面よりも小径側に退避している形状を意味する。その一つの具体例として楕円形が挙げられる(請求項2乃至5)。リングの凸円弧の曲率半径は、トリポード型等速自在継手特有の振れ回りに起因する脚軸の傾きを吸収するため、継手の円周方向に、2〜3°程度の脚軸の傾きを許容できる大きさとするのが好ましい。
【0011】
請求項2の発明は、請求項1に記載の等速自在継手において、脚軸の横断面を長軸が継手の軸線に直交する略楕円形としたことを特徴とする。略楕円形とは、字義どおりの楕円に限らず、一般に卵形、小判形等と称される形状を含むものとする。より具体的には、脚軸の横断面形状やリングの内周面形状について請求項3乃至5に記載するような構成を採用することにより、リングとの接触面圧が緩和され、脚軸の強度低下も避けられる。しかも、作動角が所定の角度範囲まではリングを傾かせることなく脚軸が傾くことができるため、ローラが傾くことなく円滑にローラ案内面を転動することができる。従来ローラの傾きを規制する目的で外側継手部材のトラック溝に設けていた鍔を設けないものであるため、外側継手部材の軽量化、加工の簡素化が図れるばかりでなく、ローラと鍔との滑り接触を原因とするスライド抵抗が皆無となる結果、スライド抵抗の一層の減少と誘起スラストの低減が達成される。
【0012】
請求項6の発明は、請求項2乃至5のいずれかに記載の等速自在継手において、継手の円周方向において、脚軸の外周面とリングの内周面との間に形成されるすきまを、脚軸の略楕円形横断面の長軸半径をaとしたとき0.001a以上としたことを特徴とする。これにより、トリポード型等速自在継手のトラニオン中心振れ回りに起因する脚軸の傾きを吸収できるため、継手横断面内でのローラアセンブリを傾かせる要因が解消する。
【0015】
請求項8の発明は、請求項1乃至7のいずれかに記載の等速自在継手において、リングとローラの間に複数の転動体を配置してリングとローラを相対回転自在としたことを特徴とする。前記転動体としては、たとえば針状ころを使用することができる(請求項9)。
【0016】
【発明の実施の形態】
まず、図1および図2に示す実施の形態を説明する。ここで、図1(A)は継手の一部を断面にした端面を示し、図2(A)は作動角θをとった状態の継手の縦断面を示す。図示するように、等速自在継手は外側継手部材10とトリポード部材20とからなり、連結すべき2軸の一方が外側継手部材10と接続され、他方がトリポード部材20と接続される。
【0017】
外側継手部材10は内周面に軸方向に延びる3本のトラック溝12を有する。各トラック溝12の円周方向で向かい合った側壁にローラ案内面14が形成されている。トリポード部材20は半径方向に突設した3本の脚軸22を有する。脚軸22はトラニオンとも称する。各脚軸22はローラ34を担保し、このローラ34が外側継手部材10のトラック溝12内に収容される。各トラック溝12の継手円周方向に対向するローラ案内面14は、外側継手部材10の軸線に平行な円筒面の一部を構成する。ローラ34の外周面は脚軸22の軸線上に曲率中心を置いた部分球面である。したがって、ローラ34はトラック溝34内で傾斜可能である。
【0018】
脚軸22の外周面に環状のリング32が外嵌している。このリング32とローラ34とは複数の針状ころ36を介してユニット化され、相対回転可能なローラアセンブリを構成している。すなわち、リング32の円筒形外周面を内側軌道面とし、ローラ34の円筒形内周面を外側軌道面として、これらの内外軌道面間に針状ころ36が転動自在に介在する。図1(B)に示されるように、針状ころ36は、できるだけ多くのころを入れた、保持器のない、いわゆる総ころ状態で組み込まれている。符号33,35で指してあるのは、針状ころ36の抜け落ち止めのためにローラ34の内周面に形成した環状溝に装着した一対のワッシャである。これらのワッシャ33,35は、円周方向の一個所で分断されていて(図4(B)参照)、弾性的に縮径させた状態でローラ34の内周面の環状溝に装着するようになっている。
【0019】
脚軸22の外周面は、縦断面(図1(A)および図2(A))で見ると脚軸22の軸線と平行なストレート形状であり、横断面(図1(B))で見ると長軸が継手の軸線に直交する略楕円形状である。脚軸22の横断面形状は、非負荷側すなわちトリポード部材20の軸方向で見た肉厚を負荷側に比べて減少させた形状である。言い換えれば、脚軸22の横断面形状は、トリポード部材20の軸方向で互いに向き合った面が相互方向に、つまり、仮想円筒面よりも小径側に退避した形状である。
【0020】
リング32の内周面は円弧状凸断面を有する。すなわち、内周面の母線が半径rの凸円弧である(図1(C))。このことと、脚軸22の横断面形状が上述のように略楕円形状であり、脚軸22とリング32との間に所定のすきまが設けてあることから、リング32は脚軸22の軸方向での移動が可能であるばかりでなく、脚軸22に対して首振り揺動自在である。また、上述のとおりリング32とローラ34は針状ころ36を介して相対回転自在にユニット化されているため、脚軸22に対し、リング32とローラ34がユニットとして首振り揺動可能な関係にある。ここで、首振りとは、脚軸22の軸線を含む平面内で、脚軸22の軸線に対してリング32およびローラ34の軸線が傾くことをいう(図2(A)参照)。
【0021】
図9に示した従来の継手の場合、脚軸5の外周面が全周にわたってリング8の内周面と接するため、接触楕円が図9(C)に破線で示すように円周方向に延びた横長形状を呈する。そのため、外側継手部材1に対して脚軸5が傾くとき、脚軸5の動きに伴ってリング8を、延いてはローラ7を傾かせるように作用する摩擦モーメントが発生する。これに対し、図1に示した実施の形態では、脚軸22の横断面が略楕円状で、リング32の内周面の横断面が円筒形であることから、図1(C)に破線で示すように、両者の接触楕円は点に近いものとなり、同時に面積も小さくなる。したがって、ローラアセンブリ(32,34)を傾かせようとする力が従来のものに比べると非常に低減し、ローラ(34)の姿勢の安定性が一層向上する。
【0022】
リング32は、図3に示すように、中央の円弧部32aとその両側の逃げ部32bとの組合せで形成することもできる。逃げ部32bは、図2(A)のように作動角θをとったときの脚軸22との干渉を避けるための部分であり、円弧部32aの端からリング32の端部に向かって徐々に拡径した直線または曲線で構成する。ここでは、逃げ部32bを円錐角α=50°の円錐面の一部とした場合を例示してある。円弧部32aは、リング32に対する脚軸22の2〜3°程度の傾きを許容するため、たとえば30mm程度の大きな曲率半径rとする。
【0023】
トリポード型等速自在継手では、機構上、外側継手部材10が1回転するときトリポード部材20は外側継手部材10の中心に対して3回振れ回る。このとき符号e(図2(A))で表わされる偏心量は作動角θに比例して増加する。そして、3本の脚軸22は120°ずつ離間しているが、作動角θをとると、図2(B)に示すように、同図の上側に表われている垂直な脚軸22を基本として考えると、他の2本の脚軸22は、一点鎖線で示す作動角0のときのそれらの軸線からわずかに傾く。その傾きは作動角θがたとえば約23°のとき2〜3°程度となる。この傾きがリング32の内周面の円弧部32aの曲率によって無理なく許容されるため、脚軸22とリング32との接触部における面圧が過度に高くなるのを防止することができる。なお、図2(B)は、図2(A)の左側面から見たトリポード部材20の3本の脚軸22を模式的に図示したもので、実線が脚軸を表わしている。さらに、かかるトリポード型等速自在継手特有のトラニオン中心の振れ回りに起因する脚軸22の傾きを吸収し得るすきまを脚軸22の長軸径2aとリング32の内径との間に設ける。このすきまの具体的数値を例示するならば表1のとおりである。
【0024】
【表1】
【0025】
この実施の形態では、横断面が略楕円形状の脚軸22と円形のリング32とが接触してトルクを伝達することから、面圧の緩和を図る必要がある。この点について図4を参照して説明するならば次のとおりである。なお、図4(B)において、紙面の上下方向が負荷側であり、左右方向が非負荷側である。
【0026】
継手が作動角θをとった状態でトルクを伝達するとき、図4(A)に示すように、脚軸22はリング32に対して作動角θの範囲内で往復揺動する。このとき、非負荷側については、脚軸22とリング32の間に比較的大きなすきまが存在するため、脚軸22がリング32と干渉することなく揺動することができる。しかしながら、負荷側については、作動角θが大きくなって脚軸22の傾きが大きくなるにつれて脚軸22の見かけの曲率が大きくなり、リング32の内径よりも大きな曲率になると脚軸22とリング32とが2点当たりとなるに至る。すると、それ以後は脚軸のみが自由に傾くことはできず、リング32を、延いてはローラアセンブリ(32,34)を傾かせることとなる。したがって、所定の角度範囲内では、脚軸22のみがリング32と干渉することなく傾くことができるように、脚軸22の横断面形状、とりわけ負荷側の形状を決定する。
【0027】
具体的には、最大作動角θmaxを25°としたとき、脚軸22の横断面の略楕円形状の長軸半径aと短軸半径b(図5参照)ならびにリング内周面の曲率半径r(図1(C)および図3参照)を次のように設定すると、最大作動角までリング32が傾かないようにするとともに、脚軸22とリング32との間の面圧を最小にすることができる。
r=1.369a
b/a=0.759
リング内周面の曲率半径rの推奨範囲を0.5r〜1.5rすなわち0.684a〜2.053aとするならば、そのときの楕円度b/aは0.836〜0.647となる。
【0028】
上述の設定では、形状的には可能であるが自動車用実使用になると脚軸22/リング32間の面圧が高すぎることが懸念される。そのため、自動車用途における常用作動角域で低振動を求められるのであれば、ローラアセンブリ(32,34)が傾かない角度を下げれば面圧も下がり使用可能となる。たとえば、常用作動角θを5°を超え15°未満の範囲とするならば、リング内周面の曲率半径rおよび楕円度b/aの最適値および推奨範囲は表2に示すとおりとなる。
【0029】
【表2】
【0030】
上述の実施の形態は、横断面を略円弧形状とした脚軸22と、内周面を凸円弧断面としたリング32との組合せを基本としたものであるが、これ以外の組合せを採用することも可能である。たとえば、図6および図7に示すように脚軸22とリング32とを線接触させることによって面圧を低くすることができる。図6の実施の形態は、横断面を楕円形状とした脚軸22に、内周面を円筒形としたリング32を外嵌させたものである。この場合、両者は軸方向で線接触する関係にある。また、図7の実施の形態は、外周面を円筒形とした脚軸22に、内周面を凸円弧断面としたリング32を外嵌させたものである。この場合、両者は円周方向で線接触する関係にある。これらはいずれも、ローラ34をトラック溝12内で傾斜可能としたことによって採り得ることとなった構成である。すなわち、脚軸22がリング32に対して傾き得る角度が限られているため、継手が作動角をとった状態でトルクを伝達する際にローラアセンブリ(32,34)が傾くことになるが、かかる傾きはローラ34がトラック溝12内で傾くことによって許容される。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、円周方向に向き合って配置されたローラ案内面を有する3つのトラック溝が形成された外側継手部材と、半径方向に突出した3つの脚軸を備えたトリポード部材と、前記トラック溝に挿入されたローラと、前記脚軸に外嵌して前記ローラを回転自在に支持するリングとを備え、前記ローラが前記ローラ案内面に沿って外側継手部材の軸方向に移動可能な等速自在継手において、前記ローラの外周面を脚軸の軸線上に曲率中心を置いた部分球面とし、かつ、前記ローラ案内面を外側継手部材の軸線と平行な部分円筒面とすることにより、前記ローラが前記トラック溝内で傾斜可能としたものであるため、継手が作動角をとった状態でトルクを伝達する際の脚軸の傾きをローラの傾きによって吸収させることができる。したがって、スライド抵抗の低減ひいては誘起スラストの低減に寄与する。本発明の等速自在継手は、特に自動車のドライブシャフト用に適用すればスライド抵抗や誘起スラストの大きさが関与する自動車のNVH性能の改善に寄与し得、車両足回り設計の自由度も高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は一部を断面にした等速自在継手の端面図、
(B)は脚軸に垂直な断面図、
(C)はリングの断面図である。
【図2】(A)は図1の等速自在継手の縦断面図であって作動角をとった状態を示し、
(B)は(A)におけるトリポード部材の模式的側面図である。
【図3】リングの拡大断面図である。
【図4】(A)は脚軸とローラアセンブリの関係を示す等速自在継手の縦断面図、
(B)は脚軸とローラアセンブリの平面図である。
【図5】脚軸の横断面図である。
【図6】(A)は脚軸の軸方向の断面図であって脚軸とローラアセンブリを示し、
(B)は脚軸に垂直な断面図であって脚軸とリングを示す。
【図7】(A)は脚軸の軸方向の断面図であって脚軸とローラアセンブリを示し、
(B)は脚軸に垂直な断面図であって脚軸とリングを示す。
【図8】(A)は従来の等速自在継手の横断面図、
(B)は縦断面図、
(C)はローラとローラ案内面との相互関係を示す模式的斜視図である。
【図9】(A)は他の従来の等速自在継手の横断面図、
(B)は脚軸に垂直な断面図、
(C)はリングの断面図である。
【符号の説明】
10 外側継手部材
12 トラック溝
14 ローラ案内面
20 トリポード部材
22 脚軸
32 リング
32a 円弧部
32b 逃げ部
34 ローラ
36 針状ころ
Claims (8)
- 円周方向に向き合って配置されたローラ案内面を有する3つのトラック溝が形成された外側継手部材と、半径方向に突出した3つの脚軸を備えたトリポード部材と、前記トラック溝に挿入されたローラと、前記脚軸に外嵌して前記ローラを回転自在に支持するリングとを備え、前記ローラが前記ローラ案内面に沿って外側継手部材の軸方向い移動可能な等速自在継手において、
前記リングの内周面を円弧状凸断面に形成すると共に、前記脚軸の外周面を、縦断面においてはストレート形状とし、かつ、横断面においては、継手の軸線と直交する方向で前記リングの内周面と接触するとともに継手の軸線方向で前記リングの内周面との間にすきまを形成するようにし、
前記ローラの外周面を脚軸の軸線上に曲率中心をおいた部分球面とし、かつ、前記ローラ案内面を外側継手部材の軸線と平行な部分円筒面とすることにより、前記ローラが前記トラック溝内で傾斜することを特徴とする等速自在継手。 - 脚軸の横断面を長軸が継手の軸線に直交する略楕円形としたことを特徴とする請求項1に記載の等速自在継手。
- 前記脚軸の横断面を長軸が継手の軸線に直交する楕円形とし、長軸半径をa、短軸半径をbとしたとき、b/aを0.65〜0.97としたことを特徴とする請求項2に記載の等速自在継手。
- 前記リングの内周面の母線の中央部を凸円弧とし、その曲率半径を0.7a〜15.5aとしたことを特徴とする請求項3に記載の等速自在継手。
- 前記リングの内周面の母線の中央部を凸円弧とし、その曲率半径rを2.8a〜2.9aとしたことを特徴とする請求項4に記載の等速自在継手。
- 継手の円周方向において、脚軸の外周面とリングの内周面との間に、脚軸の略楕円形横断面の長軸半径をaとしたとき少なくとも0.001aで表されるすきまを形成したことを特徴とする請求項2乃至5のいずれかに記載の等速自在継手。
- リングとローラの間に複数の転動体を配置してリングとローラを相対回転自在としたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の等速自在継手。
- 前記転動体が針状ころであることを特徴とする請求項7に記載の等速自在継手。
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