JP2001132766A - 等速自在継手 - Google Patents

等速自在継手

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JP2001132766A JP31592899A JP31592899A JP2001132766A JP 2001132766 A JP2001132766 A JP 2001132766A JP 31592899 A JP31592899 A JP 31592899A JP 31592899 A JP31592899 A JP 31592899A JP 2001132766 A JP2001132766 A JP 2001132766A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 等速自在継手の誘起スラストやスライド抵抗
をより一層低減させる。 【解決手段】 円周方向に向き合って配置されたローラ
案内面14を有する3つのトラック溝12が形成された外側
継手部材10と、半径方向に突出した3つの脚軸22を備え
たトリポード部材20と、トラック溝12に挿入されたロー
ラ34と、脚軸22に外嵌してローラ34を回転自在に支持す
るリング32とを備え、ローラ34がローラ案内面14に沿っ
て外側継手部材10の軸方向に移動可能な等速自在継手に
おいて、ローラ34の外周面を脚軸22の軸線上に曲率中心
を置いた部分球面とし、かつ、ローラ案内面14を外側継
手部材10の軸線と平行な部分円筒面とすることにより、
ローラ34がトラック溝12内で傾斜できるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は摺動式トリポード
型等速自在継手に関する。一般に、等速自在継手は駆動
側と従動側の2軸を連結して2軸間に角度があっても等
速で回転力を伝達することのできるユニバーサルジョイ
ントの一種であって、摺動式のものは、継手のプランジ
ングによって2軸間の相対的軸方向変位を可能にしたも
のであり、トリポード型は、半径方向に突出した3本の
脚軸を備えたトリポード部材を一方の軸に結合し、軸方
向に延びる3つのトラック溝を備えた中空円筒状の外側
継手部材を他方の軸に結合し、外側継手部材のトラック
溝内にトリポード部材の脚軸を収容してトルクの伝達を
行うようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】摺動式トリポード型等速自在継手の一例
を図8を参照して説明すると、外側継手部材1の内周面
の軸方向に3本の円筒形トラック溝2を形成し、外側継
手部材1内に挿入したトリポード部材4の半径方向に突
設した3本の脚軸5の円筒状の外周面に複数の針状ころ
6を介して回転可能に外嵌した円環状のローラ7をトラ
ック溝2に挿入して構成される。各トラック溝2の円周
方向で対向する一対のローラ案内面3は軸方向に平行な
凹曲面であり、3本の脚軸5の各ローラ7の外周面はロ
ーラ案内面3に適合する凸曲面である。各ローラ7は、
対応するトラック溝2のローラ案内面3に係合して脚軸
5を中心に回転しながらトラック溝2に沿って移動可能
である。
【0003】図8(B)に示すように、継手が作動角θ
をとった状態で回転力を伝達するとき、ローラ7とロー
ラ案内面3とは図8(C)に示すように互いに斜交する
関係となる。この場合、ローラ7は図8(B)に矢印t
で示す方向に転がり移動しようとするのに対して、トラ
ック溝2は外側継手部材の軸線と平行な円筒面の一部で
あるため、ローラ7はトラック溝2に拘束されながら移
動することになる。その結果、ローラ案内面3とローラ
7との相互間に滑りが発生してスライド抵抗が発生し、
さらに、この滑りが軸方向に誘起スラストを発生させ
る。このようなスライド抵抗と誘起スラストは、車体の
振動や騒音の発生原因となり、自動車のNVH性能に影
響を与え、車両の足回りの設計自由度を低くするため、
できるだけ低減させることが望まれる。
【0004】かかるスライド抵抗と誘起スラストの低減
を企図した摺動式トリポード型等速自在継手として、た
とえば図9に示す継手が知られている。すなわち、図示
するように、トリポード部材4の脚軸5の外周面を真球
面にして、この真球面に円筒状のリング8の円筒形内周
面が摺動可能に外嵌している。リング8とローラ7とは
転動体を介して相対回転自在のローラアセンブリを構成
する。針状ころ6は、リング8の円筒形外周面とローラ
7の円筒形内周面との間にいわゆる総ころ状態で配置さ
れ、円環状のワッシャ9で抜け止めがなされる。ローラ
7は外側継手部材1のトラック溝2内に収容され、トラ
ック溝2のローラ案内面3上を転動しながら外側継手部
材1の軸方向に移動可能である。
【0005】脚軸5の外周面は脚軸5の軸線上に曲率中
心を持つ真球面で、この曲率中心の回りをローラアセン
ブリ(7,8)が首振り揺動する。ローラアセンブリが
首振り揺動自在であるため、外側継手部材1とトリポー
ド部材4が作動角をとった状態で回転力伝達を行うと
き、ローラ7は外側継手部材1の軸線と平行な姿勢を保
つように外側継手部材1のローラ案内面3によって案内
され、そのままの姿勢でローラ案内面3上を正しく転動
する。したがって、作動角運転時における滑り抵抗が低
減し、スライド抵抗と誘起スラストの発生が抑制される
というものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】自動車のエンジンから
車輪に回転力を等速で伝達するために摺動式トリポード
型等速自在継手を使用することが知られている。摺動式
トリポード型等速自在継手は、トリポード部材の脚軸に
球面ローラを取り付けてあり、脚軸外周面と球面ローラ
内周面間に転動体として針状ころが保持器なしの総ころ
タイプで用いられる。そして、角度をとった状態でトル
クを伝達するとき、内部部品間の相互摩擦によって、回
転中には誘起スラストが、また、停止状態でも強制的に
軸方向に伸縮させるとスライド抵抗がそれぞれ発生す
る。これら誘起スラストやスライド抵抗が関与する自動
車の代表的なNVH現象として、前者との関連では走行
中の車体の横振れ、後者との関連ではAT車における停
止時Dレンジのアイドリング振動現象がある。
【0007】自動車のNVH問題は、継手の誘起スラス
トやスライド抵抗の大きさを小さくすることが解決のポ
イントである。一般に、継手の誘起スラストやスライド
抵抗は作動角の大きさに依存する傾向がある。このた
め、自動車のドライブシャフトに適用する場合、作動角
を大きくできないという設計上の制約につながる。した
がって、自動車の足回り設計の自由度を高めるには、誘
起スラストやスライド抵抗の低位安定化が課題であっ
た。
【0008】そこで、本発明の目的は、これら誘起スラ
ストやスライド抵抗の一層の低減および安定化を図るこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、円周
方向に向き合って配置されたローラ案内面を有する3つ
のトラック溝が形成された外側継手部材と、半径方向に
突出した3つの脚軸を備えたトリポード部材と、前記ト
ラック溝に挿入されたローラと、前記脚軸に外嵌して前
記ローラを回転自在に支持するリングとを備え、前記ロ
ーラが前記ローラ案内面に沿って外側継手部材の軸方向
に移動可能な等速自在継手において、前記ローラの外周
面を脚軸の軸線上に曲率中心を置いた部分球面とし、か
つ、前記ローラ案内面を外側継手部材の軸線と平行な部
分円筒面とすることにより、前記ローラが前記トラック
溝内で傾斜することを特徴とする等速自在継手である。
【0010】請求項2の発明は、請求項1に記載の等速
自在継手において、前記リングの内周面を円弧状凸断面
に形成すると共に、前記脚軸の外周面を、縦断面におい
てはストレート形状とし、かつ、横断面においては、継
手の軸線と直交する方向で前記リングの内周面と接触す
るとともに継手の軸線方向で前記リングの内周面との間
にすきまを形成するようにしたことを特徴とする。脚軸
の横断面形状について、継手の軸線と直交する方向で前
記リングの内周面と接触するとともに継手の軸線方向で
前記リングの内周面との間にすきまを形成するような形
状とは、言い換えれば、トリポード部材の軸方向で互い
に向き合った面部分が相互方向に、つまり、仮想円筒面
よりも小径側に退避している形状を意味する。その一つ
の具体例として楕円形が挙げられる(請求項3乃至
5)。リングの凸円弧の曲率半径は、トリポード型等速
自在継手特有の振れ回りに起因する脚軸の傾きを吸収す
るため、継手の円周方向において、2〜3°程度の脚軸
の傾きを許容できる大きさとするのが好ましい。
【0011】請求項3の発明は、請求項2に記載の等速
自在継手において、脚軸の横断面を長軸が継手の軸線に
直交する略楕円形としたことを特徴とする。略楕円形と
は、字義どおりの楕円に限らず、一般に卵形、小判形等
と称される形状を含むものとする。より具体的には、脚
軸の横断面形状やリングの内周面形状について請求項4
乃至6に記載するような構成を採用することにより、リ
ングとの接触面圧が緩和され、脚軸の強度低下も避けら
れる。しかも、作動角が所定の角度範囲まではリングを
傾かせることなく脚軸が傾くことができるため、ローラ
が傾くことなく円滑にローラ案内面を転動することがで
きる。従来ローラの傾きを規制する目的で外側継手部材
のトラック溝に設けていた鍔を設けないものであるた
め、外側継手部材の軽量化、加工の簡素化が図れるばか
りでなく、ローラと鍔との滑り接触を原因とするスライ
ド抵抗が皆無となる結果、スライド抵抗の一層の減少と
誘起スラストの低減が達成される。
【0012】請求項7の発明は、請求項3乃至6のいず
れかに記載の等速自在継手において、脚軸の外周面とリ
ングの内周面との間に形成される継手の円周方向のすき
まを、脚軸の略楕円形横断面の長軸半径をaとしたとき
0.001a以上としたことを特徴とする。これによ
り、トリポード型等速自在継手特有のトラニオン中心振
れ回りに起因する脚軸の傾きを吸収できるため、継手横
断面内でのローラアセンブリを傾かせる要因が解消す
る。
【0013】請求項8の発明は、請求項2または3に記
載の等速自在継手において、前記リングの内周面が円筒
形であることを特徴とする。横断面が略楕円形状の脚軸
の外周面に内周面が円筒形のリングが外嵌することか
ら、両者の接触が脚軸の軸線方向での線接触となり面圧
が下がる点で有利である。この場合、リングに対して脚
軸が傾き得る角度は限られるが、請求項1に記載のとお
りローラがトラック溝内で傾き得る構造であるため、よ
り大きな作動角のもとではローラが傾いた状態でトラッ
ク溝に沿って移動することになる。
【0014】請求項9の発明は、請求項1に記載の等速
自在継手において、前記脚軸の外周面が円筒形で、前記
リングの内周面の母線の中央部が凸円弧であることを特
徴とする。脚軸の円筒形の外周面に円形のリングが外嵌
することから、両者の接触が脚軸の円周方向での線接触
となるため、面圧が下がる点で有利である。この場合
も、リングに対して脚軸が傾き得る角度は限られるが、
請求項1に記載のとおりローラがトラック溝内で傾き得
る構造であるため、より大きな作動角のもとではローラ
が傾いた状態でトラック溝に沿って移動することにな
る。
【0015】請求項10の発明は、請求項1乃至9のい
ずれかに記載の等速自在継手において、リングとローラ
の間に複数の転動体を配置してリングとローラを相対回
転自在としたことを特徴とする。前記転動体としては、
たとえば針状ころを使用することができる(請求項1
1)。
【0016】
【発明の実施の形態】まず、図1および図2に示す実施
の形態を説明する。ここで、図1(A)は継手の一部を
断面にした端面を示し、図2(A)は作動角θをとった
状態の継手の縦断面を示す。図示するように、等速自在
継手は外側継手部材10とトリポード部材20とからな
り、連結すべき2軸の一方が外側継手部材10と接続さ
れ、他方がトリポード部材20と接続される。
【0017】外側継手部材10は内周面に軸方向に延び
る3本のトラック溝12を有する。各トラック溝12の
円周方向で向かい合った側壁にローラ案内面14が形成
されている。トリポード部材20は半径方向に突設した
3本の脚軸22を有する。脚軸22はトラニオンとも称
する。各脚軸22はローラ34を担保し、このローラ3
4が外側継手部材10のトラック溝12内に収容され
る。各トラック溝12の継手円周方向に対向するローラ
案内面14は、外側継手部材10の軸線に平行な円筒面
の一部を構成する。ローラ34の外周面は脚軸22の軸
線上に曲率中心を置いた部分球面である。したがって、
ローラ34はトラック溝34内で傾斜可能である。
【0018】脚軸22の外周面に環状のリング32が外
嵌している。このリング32とローラ34とは複数の針
状ころ36を介してユニット化され、相対回転可能なロ
ーラアセンブリを構成している。すなわち、リング32
の円筒形外周面を内側軌道面とし、ローラ34の円筒形
内周面を外側軌道面として、これらの内外軌道面間に針
状ころ36が転動自在に介在する。図1(B)に示され
るように、針状ころ36は、できるだけ多くのころを入
れた、保持器のない、いわゆる総ころ状態で組み込まれ
ている。符号33,35で指してあるのは、針状ころ3
6の抜け落ち止めのためにローラ34の内周面に形成し
た環状溝に装着した一対のワッシャである。これらのワ
ッシャ33,35は、円周方向の一個所で分断されてい
て(図4(B)参照)、弾性的に縮径させた状態でロー
ラ34の内周面の環状溝に装着するようになっている。
【0019】脚軸22の外周面は、縦断面(図1(A)
および図2(A))で見ると脚軸22の軸線と平行なス
トレート形状であり、横断面(図1(B))で見ると長
軸が継手の軸線に直交する略楕円形状である。脚軸22
の横断面形状は、非負荷側すなわちトリポード部材20
の軸方向で見た肉厚を負荷側に比べて減少させた形状で
ある。言い換えれば、脚軸22の横断面形状は、トリポ
ード部材20の軸方向で互いに向き合った面が相互方向
に、つまり、仮想円筒面よりも小径側に退避した形状で
ある。
【0020】リング32の内周面は円弧状凸断面を有す
る。すなわち、内周面の母線が半径rの凸円弧である
(図1(C))。このことと、脚軸22の横断面形状が
上述のように略楕円形状であり、脚軸22とリング32
との間に所定のすきまが設けてあることから、リング3
2は脚軸22の軸方向での移動が可能であるばかりでな
く、脚軸22に対して首振り揺動自在である。また、上
述のとおりリング32とローラ34は針状ころ36を介
して相対回転自在にユニット化されているため、脚軸2
2に対し、リング32とローラ34がユニットとして首
振り揺動可能な関係にある。ここで、首振りとは、脚軸
22の軸線を含む平面内で、脚軸22の軸線に対してリ
ング32およびローラ34の軸線が傾くことをいう(図
2(A)参照)。
【0021】図9に示した従来の継手の場合、脚軸5の
外周面が全周にわたってリング8の内周面と接するた
め、接触楕円が図9(C)に破線で示すように円周方向
に延びた横長形状を呈する。そのため、外側継手部材1
に対して脚軸5が傾くとき、脚軸5の動きに伴ってリン
グ8を、延いてはローラ7を傾かせるように作用する摩
擦モーメントが発生する。これに対し、図1に示した実
施の形態では、脚軸22の横断面が略楕円状で、リング
32の内周面の横断面が円筒形であることから、図1
(C)に破線で示すように、両者の接触楕円は点に近い
ものとなり、同時に面積も小さくなる。したがって、ロ
ーラアセンブリ(32,34)を傾かせようとする力が
従来のものに比べると非常に低減し、ローラ(34)の
姿勢の安定性が一層向上する。
【0022】リング32は、図3に示すように、中央の
円弧部32aとその両側の逃げ部32bとの組合せで形
成することもできる。逃げ部32bは、図2(A)のよ
うに作動角θをとったときの脚軸22との干渉を避ける
ための部分であり、円弧部32aの端からリング32の
端部に向かって徐々に拡径した直線または曲線で構成す
る。ここでは、逃げ部32bを円錐角α=50°の円錐
面の一部とした場合を例示してある。円弧部32aは、
リング32に対する脚軸22の2〜3°程度の傾きを許
容するため、たとえば30mm程度の大きな曲率半径r
とする。
【0023】トリポード型等速自在継手では、機構上、
外側継手部材10が1回転するときトリポード部材20
は外側継手部材10の中心に対して3回振れ回る。この
とき符号e(図2(A))で表わされる偏心量は作動角
θに比例して増加する。そして、3本の脚軸22は12
0°ずつ離間しているが、作動角θをとると、図2
(B)に示すように、同図の上側に表われている垂直な
脚軸22を基本として考えると、他の2本の脚軸22
は、一点鎖線で示す作動角0のときのそれらの軸線から
わずかに傾く。その傾きは作動角θがたとえば約23°
のとき2〜3°程度となる。この傾きがリング32の内
周面の円弧部32aの曲率によって無理なく許容される
ため、脚軸22とリング32との接触部における面圧が
過度に高くなるのを防止することができる。なお、図2
(B)は、図2(A)の左側面から見たトリポード部材
20の3本の脚軸22を模式的に図示したもので、実線
が脚軸を表わしている。さらに、かかるトリポード型等
速自在継手特有のトラニオン中心の振れ回りに起因する
脚軸22の傾きを吸収し得るすきまを脚軸22の長軸径
2aとリング32の内径との間に設ける。このすきまの
具体的数値を例示するならば表1のとおりである。
【0024】
【表1】
【0025】この実施の形態では、横断面が略楕円形状
の脚軸22と円形のリング32とが接触してトルクを伝
達することから、面圧の緩和を図る必要がある。この点
について図4を参照して説明するならば次のとおりであ
る。なお、図4(B)において、紙面の上下方向が負荷
側であり、左右方向が非負荷側である。
【0026】継手が作動角θをとった状態でトルクを伝
達するとき、図4(A)に示すように、脚軸22はリン
グ32に対して作動角θの範囲内で往復揺動する。この
とき、非負荷側については、脚軸22とリング32の間
に比較的大きなすきまが存在するため、脚軸22がリン
グ32と干渉することなく揺動することができる。しか
しながら、負荷側については、作動角θが大きくなって
脚軸22の傾きが大きくなるにつれて脚軸22の見かけ
の曲率が大きくなり、リング32の内径よりも大きな曲
率になると脚軸22とリング32とが2点当たりとなる
に至る。すると、それ以後は脚軸のみが自由に傾くこと
はできず、リング32を、延いてはローラアセンブリ
(32,34)を傾かせることとなる。したがって、所
定の角度範囲内では、脚軸22のみがリング32と干渉
することなく傾くことができるように、脚軸22の横断
面形状、とりわけ負荷側の形状を決定する。
【0027】具体的には、最大作動角θmaxを25°
としたとき、脚軸22の横断面の略楕円形状の長軸半径
aと短軸半径b(図5参照)ならびにリング内周面の曲
率半径r(図1(C)および図3参照)を次のように設
定すると、最大作動角までリング32が傾かないように
するとともに、脚軸22とリング32との間の面圧を最
小にすることができる。 r=1.369a b/a=0.759 リング内周面の曲率半径rの推奨範囲を0.5r〜1.
5rすなわち0.684a〜2.053aとするなら
ば、そのときの楕円度b/aは0.836〜0.647
となる。
【0028】上述の設定では、形状的には可能であるが
自動車用実使用になると脚軸22/リング32間の面圧
が高すぎることが懸念される。そのため、自動車用途に
おける常用作動角域で低振動を求められるのであれば、
ローラアセンブリ(32,34)が傾かない角度を下げ
れば面圧も下がり使用可能となる。たとえば、常用作動
角θを5°を超え15°未満の範囲とするならば、リン
グ内周面の曲率半径rおよび楕円度b/aの最適値およ
び推奨範囲は表2に示すとおりとなる。
【0029】
【表2】
【0030】上述の実施の形態は、横断面を略円弧形状
とした脚軸22と、内周面を凸円弧断面としたリング3
2との組合せを基本としたものであるが、これ以外の組
合せを採用することも可能である。たとえば、図6およ
び図7に示すように脚軸22とリング32とを線接触さ
せることによって面圧を低くすることができる。図6の
実施の形態は、横断面を楕円形状とした脚軸22に、内
周面を円筒形としたリング32を外嵌させたものであ
る。この場合、両者は軸方向で線接触する関係にある。
また、図7の実施の形態は、外周面を円筒形とした脚軸
22に、内周面を凸円弧断面としたリング32を外嵌さ
せたものである。この場合、両者は円周方向で線接触す
る関係にある。これらはいずれも、ローラ34をトラッ
ク溝12内で傾斜可能としたことによって採り得ること
となった構成である。すなわち、脚軸22がリング32
に対して傾き得る角度が限られているため、継手が作動
角をとった状態でトルクを伝達する際にローラアセンブ
リ(32,34)が傾くことになるが、かかる傾きはロ
ーラ34がトラック溝12内で傾くことによって許容さ
れる。
【0031】
【発明の効果】本発明は、円周方向に向き合って配置さ
れたローラ案内面を有する3つのトラック溝が形成され
た外側継手部材と、半径方向に突出した3つの脚軸を備
えたトリポード部材と、前記トラック溝に挿入されたロ
ーラと、前記脚軸に外嵌して前記ローラを回転自在に支
持するリングとを備え、前記ローラが前記ローラ案内面
に沿って外側継手部材の軸方向に移動可能な等速自在継
手において、前記ローラの外周面を脚軸の軸線上に曲率
中心を置いた部分球面とし、かつ、前記ローラ案内面を
外側継手部材の軸線と平行な部分円筒面とすることによ
り、前記ローラが前記トラック溝内で傾斜可能としたも
のであるため、継手が作動角をとった状態でトルクを伝
達する際の脚軸の傾きをローラの傾きによって吸収させ
ることができる。したがって、スライド抵抗の低減ひい
ては誘起スラストの低減に寄与する。本発明の等速自在
継手は、特に自動車のドライブシャフト用に適用すれば
スライド抵抗や誘起スラストの大きさが関与する自動車
のNVH性能の改善に寄与し得、車両足回り設計の自由
度も高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)は一部を断面にした等速自在継手の端面
図、(B)は脚軸に垂直な断面図、(C)はリングの断
面図である。
【図2】(A)は図1の等速自在継手の縦断面図であっ
て作動角をとった状態を示し、(B)は(A)における
トリポード部材の模式的側面図である。
【図3】リングの拡大断面図である。
【図4】(A)は脚軸とローラアセンブリの関係を示す
等速自在継手の縦断面図、(B)は脚軸とローラアセン
ブリの平面図である。
【図5】脚軸の横断面図である。
【図6】(A)は脚軸の軸方向の断面図であって脚軸と
ローラアセンブリを示し、(B)は脚軸に垂直な断面図
であって脚軸とリングを示す。
【図7】(A)は脚軸の軸方向の断面図であって脚軸と
ローラアセンブリを示し、(B)は脚軸に垂直な断面図
であって脚軸とリングを示す。
【図8】(A)は従来の等速自在継手の横断面図、
(B)は縦断面図、(C)はローラとローラ案内面との
相互関係を示す模式的斜視図である。
【図9】(A)は他の従来の等速自在継手の横断面図、
(B)は脚軸に垂直な断面図、(C)はリングの断面図
である。
【符号の説明】
10 外側継手部材 12 トラック溝 14 ローラ案内面 20 トリポード部材 22 脚軸 32 リング 32a 円弧部 32b 逃げ部 34 ローラ 36 針状ころ
フロントページの続き (72)発明者 寺田 健二 静岡県磐田市東貝塚1578番地 エヌティエ ヌ株式会社内 Fターム(参考) 3J017 AA10 CA01

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 円周方向に向き合って配置されたローラ
    案内面を有する3つのトラック溝が形成された外側継手
    部材と、半径方向に突出した3つの脚軸を備えたトリポ
    ード部材と、前記トラック溝に挿入されたローラと、前
    記脚軸に外嵌して前記ローラを回転自在に支持するリン
    グとを備え、前記ローラが前記ローラ案内面に沿って外
    側継手部材の軸方向に移動可能な等速自在継手におい
    て、前記ローラの外周面を脚軸の軸線上に曲率中心を置
    いた部分球面とし、かつ、前記ローラ案内面を外側継手
    部材の軸線と平行な部分円筒面とすることにより、前記
    ローラが前記トラック溝内で傾斜することを特徴とする
    等速自在継手。
  2. 【請求項2】 前記リングの内周面を円弧状凸断面に形
    成すると共に、前記脚軸の外周面を、縦断面においては
    ストレート形状とし、かつ、横断面においては、継手の
    軸線と直交する方向で前記リングの内周面と接触すると
    ともに継手の軸線方向で前記リングの内周面との間にす
    きまを形成するようにしたことを特徴とする請求項1に
    記載の等速自在継手。
  3. 【請求項3】 脚軸の横断面を長軸が継手の軸線に直交
    する略楕円形としたことを特徴とする請求項2に記載の
    等速自在継手。
  4. 【請求項4】 前記脚軸の横断面を長軸が継手の軸線に
    直交する楕円形とし、長軸半径をa、短軸半径をbとし
    たとき、b/aを0.50〜0.95としたことを特徴
    とする請求項3に記載の等速自在継手。
  5. 【請求項5】 前記リングの内周面の母線の中央部を凸
    円弧とし、その曲率半径を0.6a〜7.0aとしたこ
    とを特徴とする請求項4に記載の等速自在継手。
  6. 【請求項6】 前記リングの内周面の母線の中央部を凸
    円弧とし、その曲率半径rを2.8a〜2.9aとした
    ことを特徴とする請求項5に記載の等速自在継手。
  7. 【請求項7】 継手の円周方向において、脚軸の外周面
    とリングの内周面との間に形成されるすきまを、脚軸の
    略楕円形横断面の長軸半径をaとしたとき0.001a
    以上としたことを特徴とする請求項3乃至6のいずれか
    に記載の等速自在継手。
  8. 【請求項8】 前記リングの内周面が円筒形であること
    を特徴とする請求項2または3に記載の等速自在継手。
  9. 【請求項9】 前記脚軸の外周面が円筒形で、前記リン
    グの内周面の母線の中央部が凸円弧であることを特徴と
    する請求項1に記載の等速自在継手。
  10. 【請求項10】 リングとローラの間に複数の転動体を
    配置してリングとローラを相対回転自在としたことを特
    徴とする請求項1乃至9のいずれかに記載の等速自在継
    手。
  11. 【請求項11】 前記転動体が針状ころであることを特
    徴とする請求項10に記載の等速自在継手。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023068018A1 (ja) * 2021-10-22 2023-04-27 Ntn株式会社 トリポード型等速自在継手

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