JP2009531694A - 物質の蛍光に基づく検出 - Google Patents

物質の蛍光に基づく検出 Download PDF

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Abstract

金属又は金属酸化物コアを含み、ある物質に結合するための場合により蛍光標識した1つ若しくは複数の抗体又はヒト特異的ペプチド核酸(PNA)オリゴマーが、前記金属又は金属酸化物の表面に直接若しくは間接的に結合する粒子を用意するステップと、その表面上に前記物質を有する場合も、有していない場合もある基材と、前記粒子とを、前記抗体/PNAオリゴマーを前記物質と結合させるのに十分な時間接触させるステップと、前記基材に結合しなかった粒子を除去するステップと、前記抗体又はPNAオリゴマーが蛍光標識されていない場合、前記基材と、前記抗体及び/又は前記物質と選択的に結合する1つ若しくは複数のフルオロフォアとを接触させ、次いで前記基材を場合により洗浄し、非結合フルオロフォアを除去するステップと、前記基材上のフロロフォアを示すために、前記基材を適当な放射線で照射するステップとを含む、ある物質を蛍光検出する方法。
【選択図】 図1

Description

発明の詳細な説明
本発明は、それだけに限らないが生体物質、薬物及び/又は代謝物を含む物質の蛍光を用いた検出に関する。本発明は、例えば基材上に残された指紋、又は血液、唾液、精液等の体液自体等、ヒトにより排泄される物質中のある種の化合物の存在を検出するために使用し得る。
科学捜査官は、犯行現場で指紋及び生体物質を見出す場合が多い。現在、科学捜査官は、初めに肉眼で血液、精液及び唾液の痕跡を調べる。次いで、特殊な光源を用いて検査が行われる。精液及び唾液は、一部の状況下では蛍光を示すが、決してすべての状況下で示すわけではない。血液は、固有蛍光を有していないが、約415nmを中心とする強力な吸収帯を有している。したがって、血液は、より明るい背景に対する暗い斑点として光源の下で「視覚化」させることができる。これは多くの基材上では効果がなく、及び/又は血液の染みが極めて小さいとき、若しくは犯罪加害者が痕跡を消し去ろうとしたときも効果がない。目視及び光源検査で体液の存在を示せなかった場合、科学捜査官は、「最良推定」証拠の提出に依存し、DNA源となり得ると彼らが考える品目(例えば、下着、たばこの吸殻等)を更なる検査のために提出する。この方式は、体液の痕跡を検出できない場合が多い。目視又は光源検査で、血液、精液又は唾液と思われるものが判明したとしても、これは推定であり、様々な体液の存在を確認するためには、更なる比色試験、及び推定精液の場合は顕微鏡試験が必要となる。体液には各々、別々の試験が必要とされ、異なる手順及び試薬が各々用いられる。このため、唾液、血液、精液及び代謝物等のヒトに由来し得る1つ又は複数の物質をより容易に検出できる試験を生み出すことが所望されている。
指紋識別は、法医学的証拠の基礎をなすものの一つである。しかし、現在、指紋は、警察又は他の警備機関が、データベースに存在する指紋との明白な一致を得ることができた場合だけ有用である。
顕微鏡下で視覚化されたとき、掌及び指の皮膚は、隆起及び溝として現れる。これが、独特な指紋を作り出す摩擦皮膚隆線の模様である。各皮膚隆線は、一列に並んだ細孔を有しており、そこから汗が分泌され、皮膚の表面上に付着する。指が表面に触れると、汗が付着し、潜在指紋と称する、指の隆線模様の跡が残る。このような指紋は、視覚化を可能にするためには物理的又は化学的処理を必要とするため、「目に見えない指紋」と見なされている。
汗は、無機イオン、乳酸、尿素及びアミノ酸を含有する血漿の限外ろ過液であり、そのためこれらの種は、新たに付着した指紋内に存在する。さらに、経口摂取され、代謝された薬物は、汗中に排泄されることが知られている。これらの薬物は、パッチ状吸着綿等の採取用具の使用後、抽出し、次いでガスクロマトグラフィー質量分析法(GC−MS)等の技術を用いた分析により汗中で測定されてきた。しかし、前記方法は、労力を要し、多量の汗をある程度の期間にわたって採取する必要があり、そのため例えば薬物の影響下で運転した疑いがある人物を路側試験する等の迅速分析には適さない。指紋中の物質が少量であるため、従来技術の方法を用いて指紋中の物質を検出することはこれまでできなかった。
第1の態様では、本発明は、金属又は金属酸化物を含み、物質に結合するための1つ若しくは複数の抗体が前記金属又は金属酸化物の表面に直接若しくは間接的に結合する、物質の蛍光検出法で使用するための粒子を提供する。前記抗体又は各抗体は、好ましくは、プロテインA若しくはプロテインG、又は任意の他のプロテイン、及び/或いはチオレート結合等の化学リンカーを介して、前記金属又は金属酸化物の表面に結合し、これにより検出すべき物質との結合に利用できるように抗体が構成される。
第2の態様では、本発明は、抗体が粒子に結合できるように金属又は金属酸化物を含む粒子と抗体とを反応させるステップを含む、本発明の粒子を製造する方法を提供する。前記粒子は各々、金属又は金属酸化物の表面に結合する1つ若しくは複数のプロテインA及び/又はプロテインGを含み得る。
第3の態様では、本発明は、
金属又は金属酸化物を含み、ある物質に結合するための1つ若しくは複数の抗体が、前記金属又は金属酸化物の表面に直接若しくは間接的に結合する粒子を用意するステップと、
その表面上に前記物質を有する場合も、有していない場合もある基材と、前記粒子とを、前記抗体を前記物質と結合させるのに十分な時間接触させるステップと、
前記基材と結合しなかった粒子を除去するステップと、
前記基材と、前記抗体及び/又は物質と選択的に結合する1つ若しくは複数のフルオロフォアとを接触させるステップと
を含む、ある物質を蛍光検出する方法を提供する。
次いで、前記基材を洗浄して、前記抗体及び/又は物質と結合しないフルオロフォアを除去するのが好ましい。その後、基材上のフルオロフォアを示すために、前記基材を適当な放射線(例えば可視光線又は紫外線)源で照射する。
第4の態様では、本発明は、金属又は金属酸化物を含み、物質に結合するための1つ若しくは複数の抗体が前記金属又は金属酸化物の表面に直接若しくは間接的に結合する、ある物質を蛍光検出する方法で使用するための粒子を含有する製剤を提供する。前記製剤は、粉末状の粒子を含み得る。或いは、前記製剤は、懸濁液中に粒子を含有する液体製剤でもよい。粉末状の製剤は、液体懸濁液を凍結乾燥することによって形成され得る。
第5の態様では、本発明は、
(i)金属又は金属酸化物を含み、物質に結合するための1つ若しくは複数の抗体が、前記金属又は金属酸化物の表面に直接若しくは間接的に結合する、物質の蛍光検出法で使用するための粒子を懸濁液として含む液体を含有する液体製剤、及び
(ii)抗体及び/又は物質に選択的に結合する1つ若しくは複数のフルオロフォア
を含む、基材を蛍光検出するためのキットを提供する。
粒子は金属又は金属酸化物を含む。粒子は金を含むことが好ましい。粒子は、金粒子でもよく、或いは粒子は酸化鉄(Fe及び/又はFe)を場合により含み、その上に金属層を有するコアを含んでもよい。金属層は、金、銀、白金及び銅の内の1つ又は複数を含み得る。
粒子の直径は、好ましくは1μm未満、より好ましくは100nm未満、最も好ましくは30nm未満である。粒子は、以降、ナノ粒子と称することとする。
金属及び金属酸化物ナノ粒子は、例えば標的体液等の関心のある各物質に特異的なモノクローナル及び/又はポリクローナル抗体で合成及び被覆され得る。得られた粒子は、抗体に結合する金属及び/又は金属酸化物を有し、抗体−ナノ粒子複合体と称することとする。次いで、各抗体は、標的体液を識別できるように単一又は複数のフルオロフォアで標識され得る。抗体−ナノ粒子複合体は、血液、精液及び唾液の検出及び識別で、並びにDNA及び関心のある他の物質の検出で使用され得る。粒子は、抗体の固体支持体として作用するであろう。ナノメートルサイズの粒子により、広い表面積が得られ、したがって粒子表面上の抗体の濃度が高くなる。これにより、標的種のための結合部位が多数得られ、その結果、蛍光検出の感度が高まるであろう。
本発明者等は、自己組織化技術に基づき、ナノスケール寸法(4〜100nm)の粒子を囲む単分子膜構造を形成することができることを見出した。粒子は、水溶液中で形成され、安定な懸濁液を得ることができる。抗体が付着するためには、水溶液を用いて抗体−ナノ粒子複合体を作製し、生体分子の変性を防ぐ必要がある。
粒子は、金ナノ粒子でもよく、又はそれを含んでもよい。水性金ナノ粒子を作製するための古典的な方式としては、Turkevichによって報告されたものがある。Turkevichに記載されているように、金ナノ粒子は、HAuClのクエン酸塩還元を介して形成され得る。クエン酸塩は、金属塩を還元するばかりでなく、粒子を安定化し、凝集を防止するキャッピング剤としても作用することは重要である。さらに、チオール/ジスルフィド部を含有するリガンドを粒子の溶液に添加すると、クエン酸塩層は容易に置き換えられる。蛍光標識抗体は、ナノ粒子表面上の単分子膜の形成を促すために、化学リガンド又はタンパク質リガンドのいずれかを用いて粒子上に付着させることになろう。
以下の実施例に示されるように、本発明者等は、金ナノ粒子の表面を被覆するためにタンパク質リンカーを用いて抗体の単分子膜を形成する簡単ではあるが確固とした方法を工夫してきた。抗体−ナノ粒子複合体の構造の概要が図1に示されている。クエン酸塩方式を用いて製剤及び安定化した直径16nmの金ナノ粒子は、プロテインAの単分子膜で被覆した。プロテインAは、抗体のFc部分(Yの軸部)に特異的に結合する黄色ブドウ球菌の細胞壁成分である。Fc成分を結合することによって、抗体は、F(ab')結合領域(Yの上部)である認識成分が、体液の特異的標的抗原に結合するために直接利用できるように配置されている。金粒子の表面上にプロテインAの単分子膜を形成するために、まずタンパク質をN−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)−プロピオネート(SPDP)で修飾する。スクシンイミジルエステルは、タンパク質表面上でリンカーと第1級アミンとを結合するが、チオール部は、金表面上のクエン酸塩層に置き換わることによって粒子への結合をもたらす。プロテインAの単分子膜が形成されると、これにより、F(ab')認識成分が抗原(関心のある物質)に直接かつ再現性よく結合できるように抗体を結合する表面が得られる。プロテインAを、プロテインG又はチオレート結合等の化学リンカーで代用してもよい。
プロテインAは、抗原結合能を最適に示すために抗体を配向させる。
或いは、ナノ粒子上に単純に化学結合した抗体、即ち、ナノ粒子の金属の表面又は金属酸化物の表面に直接結合した抗体でも十分とし得る。SPDP等の化学リンカーを抗体に結合させ、前記抗体を例えば金等の金属又は金属酸化物に直接結合させ得る。このようなリンカーを用いて粒子に結合した抗体は、表面上で無作為に配向し、標的に対する結合親和性が潜在的に低下することが予想される。しかし、直接結合には、これらの抗体−ナノ粒子複合体の製造が容易であるという利点がある。
本発明において血液、精液及び唾液を検出するために使用できる抗体は、それだけに限らないが、(i)いずれも高濃度であることが判明している、唾液の抗ヒト分泌型IgA又は抗富プロリンタンパク質1若しくは2、(ii)DNA源として口腔上皮細胞の染色に使用できる、抗サイトケラチン13、(iii)赤血球の染色に使用できる赤血球膜タンパク質グリコホリン(抗CD235a)、及び抗ヒト血清アルブミン、(iv)抗CD45、又はDNA源として白血球の染色に使用できる、(i)p−ANCA(ミエロペルオキシダーゼ)及び(ii)c−ANCA(プロテイナーゼ3(PR3))から任意に選択される抗好中球細胞質抗体(ANCA)、(v)精子表面タンパク質(抗SP17又は抗SP56)、及び/又は精液の染色に使用できる、同様に前立腺特異抗原が挙げられる。これらの抗体は市販されている。
本明細書には、抗体を金属又は金属酸化物に結合させる方法が開示されている。合成の具体的な例は、コチニンに関する実施例1に示されている。類似の方法では、他の抗体は、コチニンを他の抗体で代用することによって、金属/金属酸化物コアに結合させることができる。
図7には、乾血を検出するために、赤血球膜タンパク質グリコホリンを用いて、本発明者等が作製した蛍光顕微鏡法によるデータが示されている。この図は、乾燥痕が、本発明の方法で使用することができる免疫蛍光方式の種類を用いることで視覚化できることを示している。本発明者等は、研究から、生物学的痕跡中で細胞膜が原型を保つことが示されたため、表面膜又は細胞外成分を標的とする抗体を選択すべきであることを見出した。
フルオロフォアは、法医科学で通常用いられる光源に対する励起及び発光スペクトル、カラーマッピングの要件、感度及び基材の蛍光性を考慮して選択され得る。
証拠を検査するために使用される光源としては、レーザー、高輝度Xe及びHgアークランプ、並びにLED装置が挙げられる。
血液、精液、唾液及び関連するDNAをin situで同時に検出し、空間的位置を特定するためには、多色標識技術が使用されるのが好ましい。つまり、抗体−ナノ粒子複合体を含有する検出溶液(本発明の製剤)は、標的生体マトリックス3−5に結合するとき、非重複発光帯を介して識別させることができるフルオロフォアと併用されるであろう。言い換えれば、血液を検出するためのフルオロフォアは、精液を検出するためのフルオロフォア、並びに唾液及びDNAを検出するためのフルオロフォアとは異なる発光帯を有するであろう。
発光スペクトルが約430〜650nmの範囲のフルオロフォアが好ましく、前記は市販されている。この波長「ウィンドウ」内のAlexa Fluor範囲(分子プローブ)では9つの色素があり、これらすべて、優れた光安定性を示している。これらのフルオロフォアは、すべて水溶性で、第1級アミン残基を介して抗体を標識する単純な化学作用が可能なスクシンイミジルエステル部を有している。フルオロフォアの選択及び評価では、法医学研究所で現在使用されている光源(多色マッピングを可能にする能力に関わる、励起及び発光の波長及び帯域)並びに法医科学6−8で通常遭遇する蛍光基材の励起及び発光スペクトルが考慮されるであろう。
フルオロフォアは、モノクローナル抗体のF(ab')フラグメント、好ましくはヤギ抗マウスIgGのF(ab')フラグメントに結合(又は標識)する蛍光分子であってよい。
本発明の検出プロセスを用いて試験され得る基材としては、それだけに限らないが、紙、ガラス、プラスチック、木材、金属、布が挙げられる。このような基材の例としては、それだけに限らないが、書類、壁紙、シーツ及び衣類が挙げられる。
乾燥状態のDNAではなく、溶液中のDNAを検出する方法が十分に確立されているのは、血液痕、精液痕又は唾液痕中で生じる場合が多いためである。本発明者等は、乾燥状態のDNAを検出する方法を開発した。2つの方法を使用し得る。
第1の方式では、抗体がヒストン1等のDNA結合タンパク質を標的とすることができる、本明細書に記載の方法で本発明の粒子を使用する。ヒストンH1に対する抗体は、当分野で周知である。
第2の方式では、抗体をヒト特異的ペプチド核酸(PNA)オリゴマーで代用する、本明細書に記載の方法で本発明の粒子を使用する。前記PNAオリゴマーは、Aluシーケンスとハイブリッドするためにカスタム合成(Eurogentec S.A.)されるであろう(散在反復配列の一群と呼ばれるが、その理由は、制限エンドヌクレアーゼAlulによって認識されるためであり、ゲノム全体に分散され、ゲノム全体の約5〜10%を占める)。PNA分子中の塩基は、DNA塩基とのWatson−Crick塩基対形成が可能である。その結果、蛍光in situハイブリッド形成実験で使用されており、DNAがその天然の構造でクロマチン中に充填されている場合、生細胞10中でDNAを標的とすることができる。
PNAオリゴマーが、生物学的痕跡中で見出されたDNAにシーケンス特異的に結合することも判明した。PNAオリゴマーは、適当なフルオロフォアで標識され、次いでナノ粒子に結合され得る。得られたナノ粒子−DNAオリゴマー複合体は、初めに細胞懸濁液中で、次いで乾燥体液中で、前記複合体のゲノムDNAへの結合について評価される。本発明の粒子と接触する前又は接触中に、抗体若しくはPNAオリゴマーがDNAに接近できるように、体液痕中の細胞を溶解することができる。
酸化鉄(Fe及びFe両方)のナノスケール粒子は、超常磁性である。すなわち、前記粒子は磁場に引かれるが、磁場が除去された後は残留磁気を保持していない。この特性は、本発明のナノ粒子の懸濁液が、法医学試料に施用されるとき、抗体複合体が、標的種に結合すると思われるが、結合しなかった粒子は簡単な磁石を用いて容易に除去できることを知った上で利用され得る。磁場が除去されると、結合した粒子はもはや磁性を失うであろう。
当業者には周知のように、酸化鉄ナノ粒子は、窒素雰囲気下で、アルカリ性溶液中で、Fe2++Fe3+塩の組み合わせにより容易に合成される。次いで、粒子は、様々な官能化リガンドを用いて安定化させることができる。しかし、抗体が変性すると思われるため、このような溶液のpHは、本発明の粒子にはアルカリ性が強すぎる。そのため、酸化鉄粒子を直接合成するよりも、好ましくは以前に報告された方法11,12を用いて、金のシェル又はコーティングで酸化鉄コアを有する粒子(FeAuナノ粒子と称する)を合成することができる。FeAuナノ粒子は、酸化鉄粒子の超常磁性を保持しているが、再現性のある自己組織化単分子膜を製剤するために使用できる金表面という更なる利点を有している。FeAuナノ粒子は、逆ミセル中で合成され、次いで好ましいリガンドで安定化させる。
本発明の粒子は、抗体の単分子膜で安定化させた、金シェル/酸化鉄コアナノ粒子を含み得る。本発明の製剤は、安定な懸濁液として粒子を含有することが好ましく、前記粒子が、単分散、つまりほぼ同じ大きさであり、場合により同種類であることが最も好ましい。
FeAu粒子は、デカン酸を用いて、液体中で安定化され得る。カルボン酸がチオール化リガンドで選択的に置き換えられる配置転位反応によって、(SH部が、金表面に対してより優れた親和性を有するので)選択されたこの構成要素が付着することが可能となる。従来の方式は、FeAuナノ粒子の表面上に蛍光性大員環を付着させるために、この技術を使用していた(大員環は、付着後も蛍光特性を保持している)。一方で、本発明者等が知る限りでは、生体分子は、このようなナノ粒子上に製剤されていなかった。様々な蛍光標識抗体(及びPNAオリゴマー)は、直接化学リンカー又はプロテインA(チオール化)リンカーを介して、FeAu表面に結合され得る。
本発明の製剤は、製剤をブラシがけするか、スプレーすることによって基材の表面上に施され得る。使用するブラシは、例えば磁気指紋パウダーを施すために使用する磁気ブラシであってよい。
本発明の方法は、周知の抗体が存在する任意の物質を検出するために使用され得る。抗体は、薬物、薬物代謝物、ホルモン又は爆発物に選択的に結合し得る。例えば、薬物、薬物代謝物、ホルモン及び爆発物特異的なモノクローナル抗体(例えばコカイン、ベンゾイルエクゴニン、ニコチン、コチニン、テストステロン、エストロゲン、TNT及びRDXに特異的)に結合したナノ粒子を使用することができる。このような抗体は市販されている。ナノ粒子−抗体複合体は、標的物質を含有することが周知である体液痕及び/又は指紋に施用され得る。汗は、対象から指紋を採取する等の方法により、基材上に付着され得る。汗/体液痕中の薬物又はその代謝物を試験することによって、対象が薬物を摂取したのか、又は単にそれを扱っただけなのか決定することが可能となる。対象が薬物を摂取した場合、薬物及び/又はその代謝物は対象の分泌した汗/体液痕中に存在するであろう。しかし、薬物を扱ったが、摂取していない場合、薬物は対象の皮膚上に存在し得るか、例えば対象の指紋等に移動し得る。
本発明の方法を用いて検出され得る薬物としては、適当な抗体が利用できる場合、それだけに限らないが、以下のものが挙げられる。
A.同化薬。これは、それだけに限らないが、以下のものが挙げられる。
1.タンパク同化アンドロゲン性ステロイド薬(AAS)
a.外因性AASとしては、以下のものが挙げられる:
1−アンドロステンジオール(5α−アンドロスト−1−エン3β,17β−ジオール)1−アンドロステンジオン(5α−アンドロスト−1−エン3,17−ジオン)、ボランジオール(19−ノルアンドロステンジオール)、ボラステロン、ボルデノン、ボルジオン(アンドロスタ−1,4−ジエンー3,17−ジオン)、カルステロン、クロステボール、ダナゾール(17α−エチニル−17β−ヒドロキシアンドロスト−4−エノ[2,3−d]イソキサゾール)、デヒドロクロルメチルテストステロン(4−クロロ−17β−ヒドロキシ−17α−メチルアンドロスタ−1,4−ジエン−3−オン)、デソキシメチルテストステロン(17α−メチル−5α−アンドロスト−2−エン−17β−オール)、ドロスタノロン、エチルエストレノール(19−ノル−17α−プレグン−4−エン−17−オール)、フルオキシメステロン、フォルメボロン、フラザボール(17β−ヒドロキシ−17α−メチル−5α−アンドロスタノ[2,3c]−フラザン)、ゲストリノン、4−ヒドロキシテストステロン(4,17β−ジヒドロキシアンドロスト−4−エン−3−オン)、メスタノロン、メステロロン、メテノロン、メタンジエノン(17β−ジヒドロキシ−17α−メチルアンドロスタ−1,4−ジエン−3−オン)、メタンドリオール、メタステロン(2α,17α−ジメチル−5α−アンドロスタン−3−オン−17β−オール)、メチルジエノロン(17β−ヒドロキシ−17α−メチルエストラ−4,9−ジエン−3−オン)、メチル−1−テストステロン(17β−ヒドロキシ−17α−メチル−5α−アンドロスト1−エン−3−オン)、メチルノルテストステロン(17β−ヒドロキシ−17α−メチルエストル−4−エン−3−オン)、メチルトリエノロン(17β−ヒドロキシ−17α−メチルエストラ−4,9,11−トリエン−3−オン)、メチルテストステロン、ミボレロン、ナンドロロン、19−ノルアンドロステンジオン(エストル−4−エン−3,17−ジオン)、ノルボレトン、ノルクロステボール、ノルエタンドロロン、オキサボロン、オキサンドロロン、オキシメステロン、オキシメトロン、プロスタノゾール([3,2−c]ピラゾール−5α−エチオアロコラン−17β−テトラヒドロピラノール)、キンボロン、スタノゾロール、ステンボロン、1−テストステロン(17β−ヒドロキシ−5α−アンドロスト−1−エン−3−オン)、テトラヒドロゲストリノン(18α−ホモ−プレグナ−4,9,11−トリエン−17β−オール−3−オン)、トレンボロン及び類似の化学構造又は類似の生物学的効果を有する他の物質。
b.内因性**AAS:
アンドロステンジオール(アンドロスト−5−エン−3β,17β−ジオール)、アンドロステンジオン(アンドロスト−4−エン−3,17−ジオン)、ジヒドロテストステロン(17β−ヒドロキシ−5α−アンドロスタン−3−オン)、プラステロン(デヒドロエピアンドロステロン、DHEA)、テストステロン及び以下の代謝物及び異性体:
5α−アンドロスタン−3α,17α−ジオール、5α−アンドロスタン−3α,17β−ジオール、5α−アンドロスタン−3β,17α−ジオール、5α−アンドロスタン−3β,17β−ジオール、アンドロスト−4−エン−3α,17α−ジオール、アンドロスト−4−エン−3α,17β−ジオール、アンドロスト−4−エン−3β,17α−ジオール、アンドロスト−5−エン−3α,17α−ジオール、アンドロスト−5−エン−3α,17β−ジオール、アンドロスト−5−エン−3β,17α−ジオール、4−アンドロステンジオール(アンドロスト−4−エン−3β,17β−ジオール)、5−アンドロステンジオン(アンドロスト−5−エン−3,17−ジオン)、エピ−ジヒドロテストステロン、3α−ヒドロキシ−5α−アンドロスタン−17−オン、3β−ヒドロキシ−5α−アンドロスタン−17−オン、19−ノルアンドロステロン、19−ノルエチオコラノロン。
「外因性」とは、通常は体内で自然に生成することができない物質を示す。
「内因性」とは、体内で自然に生成することができる物質を示す。
2.その他のタンパク同化薬。それだけに限らないが、以下のものが挙げられる:
クレンブテロール、チボロン、ゼラノール、ジルパテロール。
B.ホルモン。それだけに限らないが、以下のものが挙げられる:
1.エリスロポエチン(EPO);
2.成長ホルモン(hGH)、インスリン様成長因子(例えばIGF−1)、機械的成長因子(MGFs);
3.ゴナドトロピン類(LH、hCG)、男性においてのみ禁止;
4.インスリン類;
5.コルチコトロピン類。
C.β2アゴニストとしては、そのD異性体及びL異性体が挙げられる。
D.抗エストロゲン作用を有する作用剤。それだけに限らないが、以下のものが挙げられる:
1.アロマターゼ阻害薬としては、それだけに限らないが、アナストロゾール、レトロゾール、アミノグルテチミド、エキセメスタン、フォルメスタン、テストラクトンが挙げられる;
2.選択的エストロゲン受容体調節薬(SERMs)としては、それだけに限らないが、ラロキシフェン、タモキシフェン、トレミフェンが挙げられる;
3.その他の抗エストロゲン物質としては、それだけに限らないが、クロミフェン、シクロフェニル、フルベストラントが挙げられる。
E.利尿薬及び他の隠蔽薬。それだけに限らないが、以下のものが挙げられる:
利尿薬、エピテストステロン、プロベネシド、α−還元酵素阻害薬(例えば、フィナステリド、デュタステリド)、血漿増量物質(例えば、アルブミン、デキストラン、ヒドロキシエチルデンプン)及び類似の生物学的効果を有する他の物質。
利尿薬としては、以下のものが挙げられる:
アセタゾラミド、アミロリド、ブメタニド、カンレノン、クロルタリドン、エタクリン酸、フロセミド、インダパミド、メトラゾン、スピロノラクトン、チアジド類(例えば、ベンドロフルメチアジド、クロロチアジド、ヒドロクロロチアジド)、トリアムテレン、及び類似の化学構造又は類似の生物学的効果を有する他の物質。
F.酸素運搬を強化するための作用剤。
それだけに限らないが、以下のものが挙げられる:
1.自己血、同種血若しくは異種血、又は任意の起源の赤血球製剤;
2.過フルオロ化合物、エファプロキシラール(RSR13)、修飾ヘモグロビン製剤(例えば、ヘモグロビンを基にした血液代替物質、ヘモグロビンのマイクロカプセル製剤)。
G.興奮薬(関連する場合、その光学異性体(D体及びL体)両方を含む)。それだけに限らないが、以下のものが挙げられる:
アドラフィニル、アドレナリン**、アンフェプラモン、アミフェナゾール、アンフェタミン、アンフェタミニル、ベンズフェタミン、ベンジルピペラジン、ブロマンタン、カチン***、クロベンゾレックス、コカイン、クロプロパミド、クロテタミド、シクラゾドン、ジメチルアンフェタミン、エフェドリン****、エタミバン、エチルアンフェタミン、エチレフリン、ファンプロファゾン、フェンブトラゼート、フェンカンファミン、フェンカミン、フェネチリン、フェンフルラミン、フェンプロポレックス、フルフェノレックス、ヘプタミノール、イソメテプテン、レブメタンフェタミン、メクロフェノキサート、メフェノレックス、メフェンテルミン、メソカルブ、メタンフェタミン(D体)、メチレンジオキシアンフェタミン、メチレンジオキシメタンフェタミン、p−メチルアンフェタミン、メチルエフェドリン****、メチルフェニデート、モダフィニル、ニケタミド、ノルフェネフリン、ノルフェンフルラミン、オクトパミン、オルテタミン、オキシロフリン、パラヒドロキシアンフェタミン、ペモリン、ペンテトラゾール、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェンプロメタミン、フェンテルミン、4−フェニルピラセタム(カルフェドン)、プロリンタン、プロピルヘキセドリン、セレギリン、シブトラミン、ストリキニーネ、ツアミノヘプタン及び類似の化学構造又は類似の生物学的効果を有する他の物質。
H.麻薬。それだけに限らないが、以下のものが挙げられる:
ブプレノルフィン、デキストロモラミド、ジアモルヒネ(ヘロイン)、フェンタニル及びその誘導体、ヒドロモルフォン、メサドン、モルヒネ、オキシコドン、オキシモルフォン、ペンタゾシン、ペチジン。
I.カンナビノイド。それだけに限らないが、以下のものが挙げられる:
ハシシュ、マリファナ。
J.糖質コルチコステロイド。
K.アルコール(エタノール)。
L.β遮断薬。それだけに限らないが、以下のものが挙げられる:
アセブトロール、アルプレノロール、アテノロール、ベタキソロール、ビソプロロール、ブノロール、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、エスモロール、ラベタロール、レボブノロール、メチプラノロール、メトプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、ピンドロール、プロプラノロール、ソタロール、チモロール。
M.アンフェタミン。それだけに限らないが、以下のものが挙げられる:
メタンフェタミン及びMDMA(3,4−メチレンジオキシ−N−メチルアンフェタミン)、LSD(リセルグ酸ジエチルアミド)、PCP(フェンシクリジン)、ケタミン及び誘導体。
N.アルカロイド及びその誘導体。それだけに限らないが、以下のものが挙げられる:
ニコチン、コカイン、エフェドリン、メスカリン;モルヒネを含むアヘンアルカロイド(オピオイド類)、及びジアモルヒネ(ヘロイン)等の半合成オピオイド類;ジメチルトリプタミン及びアルファ−メチルトリプタミン等のトリプタミンアルカロイド。
O.ベンゾジアゼピン。それだけに限らないが、以下のものが挙げられる:
アルプラゾラム、ジアゼパム、ロラゼパム、クロナゼパム、テマゼパム、オキサゼパム、フルニトラゼパム、トリアゾラム、クロロジアゼポキシド、フルラゼパム、及びニトラゼパム、並びにイミダゾピリジン、ピラゾロピリミジン、シクロピロロンを含む非ベンゾジアゼピン。
P.GHB(γ−ヒドロキシ酪酸)及び誘導体。
本発明の方法は、抗体が利用できる上記の薬物代謝物を検出するために使用され得る。薬物又はその代謝物等の特定の標的物質に対する抗体が市販されていない場合、当業者は周知の技術を用いてこのような抗体を容易にもたらすことができる。
ホルモンに結合する抗体を用いた蛍光標識ナノ粒子−抗体複合体は、潜在指紋が存在すると思われる基材に施用され得る。ホルモンは、男性及び女性の体内で産生され、汗中に分泌される。ホルモンを検査することにより、男性及び女性の指紋を視覚化することができる。
上記のように、第2の態様では、本発明は、抗体が粒子に結合できるように金属又は金属酸化物を含む粒子と抗体とを反応させるステップを含む、本発明の粒子を製造する方法を提供する。粒子は各々、金属又は金属酸化物の表面に結合する1つ若しくは複数のプロテインA及び/又はプロテインGを含み得る。
多くの薬物/薬物代謝物に対する抗体は市販されている。
本発明で使用する抗体は、爆発性化合物に対する抗体であってよい。TNT及びRDXに対する特異性についてすでに十分に特徴づけられた抗体は、これらの爆発残渣を検出するために使用され得る。
本発明の方法をHIV等の疾患から生じる代謝物を検出するために使用することも可能である。
実施例で示すように、図1に概要が示されているように、コチニン(ニコチンの主要代謝物)に対する抗体を金ナノ粒子の表面に結合することができる。この抗体−ナノ粒子複合体は、喫煙者の潜在指紋中のコチニンを検出するために使用できる。コチニン抗体を粒子に結合させ、次いで指紋の表面上でインキュベートした。過剰なナノ粒子溶液を指紋の表面から洗い流した後、蛍光標識(Alexa Fluor546)二次F(ab')フラグメント抗体をコチニン−ナノ粒子複合体に結合させた。過剰な試薬は再度表面から洗い流した。ナノ粒子が結合した指紋は、蛍光立体顕微鏡を用いて撮像した。得られた画像は図3に示されている。蛍光画像は、非喫煙者の指紋からは取得しなかった。
この実験は、抗体−ナノ粒子検出戦略により、潜在指紋から標的種の存在に関する蛍光情報を得ることができることを示している。
二次抗体等の別のフルオロフォアを結合させるよりも、蛍光標識抗体を使用することができる。また、非結合粒子を除去するため、金ナノ粒子の代わりにFeAuナノ粒子を使用することもできる。したがって、これら2つの技術を使用することにより、法医学手順全体は、非破壊的(すなわち、洗浄せずに)にin situで実行でき、感度も向上する。
好ましい実施形態では、本発明は、金表面、及び場合により酸化鉄を含むコアを有し、1つ若しくは複数のプロテインA及び/又はプロテインGが、チオレート結合を介して金表面に結合し、抗体が非結合部分を介してプロテインA及び/又はGに結合する、4〜100nmのナノ粒子を提供する。
プロテインAは、免疫グロブリン分子に特異的に結合する黄色ブドウ球菌の細胞壁成分である。
プロテインA又はプロテインGは、以下に[プロテインA/G]と[金表面]との間に示されるチオレート結合によって金表面に結合させるのが好ましい。
[プロテインA/G]−NH−CO−(CH−S−[金表面]
(式中、nは1〜5、好ましくは2であり、NHはプロテインAの一部である)。
硫黄含有リンカーを介してプロテインA又はGに結合する金属/金属酸化物コアを有する粒子を合成するためには、金属又は金属酸化物を含み、場合によりクエン酸塩で覆われた粒子と、SPDP修飾プロテインA又はプロテインGとを接触させるのが好ましい。本発明の粒子を製造する方法は、好ましくは、硫黄含有リンカーを介してプロテインA又はGに結合する金属/金属酸化物コアを有する粒子と抗体とを接触させるステップを伴う。接触は、液体、好ましくは水中で行われるのが好ましい。
プロテインA又はプロテインGは、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)とのプロテインA又はGの反応により、チオレート結合前駆体に結合させるのが好ましい。
プロテインA又はプロテインGは、クエン酸塩で覆われた金ナノ粒子と、SPDPとのプロテインA又はGの反応生成物とを溶液中で十分な時間接触させることにより、ナノ粒子の金表面に結合され得る。プロテインA又はGは、溶液中で抗体と接触するとき、抗体の非結合部分、好ましくはF成分に結合するであろう。
上記の参考文献:
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本発明は、
体液、好ましくは血液の成分に結合するための1つ若しくは複数の蛍光標識抗体を得るステップと、
その表面上に前記成分を有する場合も、有していない場合もある基材と、前記1つ若しくは複数の抗体とを、前記抗体を前記成分と結合させるのに十分な時間接触させるステップと、
前記基材に結合しなかった抗体を除去するステップと、
前記基材上のフルオロフォアを示すために、前記基材を適当な放射線で照射するステップと、
を含む、ある物質を蛍光検出する方法をさらに提供する。
前記1つ若しくは複数の抗体は、赤血球膜タンパク質グリコホリン(CD235a)、ヒト血清アルブミン、白血球共通抗原(CD45)、抗好中球細胞質抗体(ANCA)から選択されるのが好ましい。
前記ANCAは、(i)p−ANCA(ミエロペルオキシダーゼ)及び(ii)c−ANCA(プロテイナーゼ3(PR3))から選択されるのが好ましい。
好ましくは、前記抗体は、スクシンイミジルエステル部を介して1つ又は複数のフルオロフォアに結合され得る。
本発明は、抗体が、赤血球膜タンパク質グリコホリン(CD235a)、ヒト血清アルブミン、白血球共通抗原(CD45)、抗好中球細胞質抗体(ANCA)から選択される、体液、好ましくは血液の成分に結合するための蛍光標識抗体をさらに提供する。前記抗体は、スクシンイミジルエステル部を介して1つ又は複数のフルオロフォアに結合されるのが好ましい。
蛍光標識抗体は、好ましくは溶液中で、抗体に結合するためのフルオロフォアと抗体とを接触させることにより合成できる。結合化合物は、抗体とフルオロフォア部とを結合するために存在してもよく、結合化合物は、スクシンイミジルエステルを含むことが好ましい。フルオロフォアは、当業者が利用できる任意の適当なフルオロフォアから選択され得る。
次に、前記の非限定的実施例において以下の図面を参照しながら本発明を例示する。
実施例1
本発明者等は、金ナノ粒子の表面を被覆するために、タンパク質リンカーの自己組織化単分子膜(SAM)を用いて、抗体官能化ナノ粒子を形成する簡単ではあるが確固とした方法を工夫してきた。直径16nmの金ナノ粒子は、還元剤及び安定剤の両方としてクエン酸塩を使用する、Turkevich方式(B.V. Enustun and J. Turkevich, J. Am. Chem. Soc., 1963, 85, 3317−3324)を用いて製剤した。図1を参照すると、黄色ブドウ球菌の細胞壁成分であるプロテインAは、まず、金ナノ粒子の表面上にプロテインAの自己組織化単分子膜(SAM)を形成できるように、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)で修飾した(スクシンイミジルエステルは、タンパク質表面上でSPDPと第1級アミンとを結合するが、チオール部は、金表面への結合をもたらす(S. Ferretti, S. Paynter, D.A. Russell, K.E. Sapsford and D.J. Richardson, Trends Anal. Chem., 2000, 19, 530−540参照))。プロテインAのSAMは、SPDP修飾プロテインAをナノ粒子に添加し、チオール化リガンドが金粒子表面上のクエン酸塩の層に置き換わると形成される。プロテインAは、抗体のFc部分を特異的に結合するために、リンカーとして使用した(Eds. E. Harlow and D. Lane in Antibodies: A laboratory Manual (Eds. E. Harlow and D. Lane) Cold Spring Harbour Laboratory, New York, 1988, pp 616−621参照)。Fc成分を結合することによって、プロテインAは、F(ab’)結合領域である認識成分が、直接かつ再現性のよい抗原結合に対して最適に存在するように、抗体を配向させる。抗コチニンは、金ナノ粒子上のプロテインA単分子膜上に容易に付着した。しかし、この戦略は、複数の特異抗原を検出できるように、多数の抗体でナノ粒子を官能化するために施用される可能性があることに注意されたい。
抗コチニン官能化ナノ粒子は、喫煙者の指紋中のコチニンを検出するために施用した。通常の実験では、ボランティア喫煙者が指紋(この指紋は前記に記載されている)を提供し、次いで手を洗うことが指示されよう。その後、ボランティアの手を密閉したガラスのビーカーに配置して、汗を誘発させた。次いで、10〜40分間一定間隔で指紋を採取した。コチニン−ナノ粒子複合体は、指紋上にピペットで移し、30分間インキュベートした。インキュベーション後に指紋を洗浄し、非結合ナノ粒子複合体を除去した。その後、蛍光標識二次抗体フラグメント(F(ab’)領域)をインキュベートし、過剰な試薬を水洗して除去した。次いで、指紋の蛍光画像を撮った。図2は、2つの蛍光標識二次抗体フラグメントを用いて男性喫煙者(タバコを1日当たり5〜7本吸うことが報告されている)から得た指紋画像を示している。
方法及び材料
試薬:試薬はすべて、指示がない限り、Sigma−Aldrich(Gillingham、UK)から購入した分析等級のものであり、更なる精製を何らすることなく使用した。Milli−Q水は、別段の指示がない限り、溶液の調製に終始使用した。
紫外・可視吸収測定:22℃の温度で吸収スペクトルを記録するために、日立製作所製の紫外可視分光光度計U3000を使用した。
透過型電子顕微鏡(TEM):金ナノ粒子の大きさ及び構造を特徴づけ、それに続いてプロテインAを添加するために、透過型電子顕微鏡(100kVで動作するJEOL2000EX)を使用した。炭素で被覆された200メッシュ銅グリッド上にナノ粒子試料5μlを滴下した。過剰な液は、グリッドの側部を吸水性のティッシュペーパーに接触させ、次いでグリッドを更に5分間乾燥させて除去した。
プロテインAのチオール化:金ナノ粒子表面上にプロテインAが自己組織化できるように、ヘテロ二官能性試薬、N−スクシンイミジル3−(2−ピリジルジチオ)プロピオネート(SPDP)を使用した。SPDP(10mM、エタノール中60μl(Fisher、Loughborough、UK))をプロテインA(5μM、100mMリン酸緩衝液中2.5ml(Fisher,Loughborough、UK)pH7.8)に添加し、30分間撹拌した。非結合SPDPは、SephadexP−10脱塩カラム(Amersham Biosciences、Little Chalfont、UK)を用いて除去した。まず、前記カラムをリン酸緩衝液(10mM、pH7.4)で平衡化し、次いでプロテインA−SPDP複合体(2.5ml)をカラム上に添加し、結合SPDP−プロテインAをリン酸緩衝液(10mM、pH7.4)で溶出した。
プロテインAのチオール化の確認:プロテインAへのSPDPの結合は、DL−ジチオスレイトール(DTT)を用いて確認した。DTTは、SPDPジスルフィド結合を特異的に還元し、酸化型のDTTである2−チオピリドンをもたらす。この反応は、λmaxの2−チオピリドンの343nm(ε343=8.08×10−1cm−1)でモニターし、SPDPがプロテインAに結合したか確認することができる。SPDP−プロテインA複合体(10mM、pH7.4のリン酸緩衝液で0.1ml〜1ml)の初期の紫外可視スペクトルを測定し、DTT(0.1M、水中で25μl)をプロテインA−SPDP溶液に添加し、DTTを添加してから30分後に紫外可視スペクトルを測定した。
金ナノ粒子の合成:水溶性金ナノ粒子(3nM)は、水素テトラクロロ金酸塩と、還元剤及びキャッピング剤としてクエン酸ナトリウム二水和物(Fisher Loughborough、UK)とを反応させて調製した。クエン酸ナトリウム二水和物(50mg、水中で50ml)及び水素テトラクロロ金(III)酸三水和物(12.5mg、水中で100ml、淡黄色)の両方の溶液を60℃に加熱し、次いでクエン酸塩を金溶液に迅速に添加した後、撹拌し続けながら2時間半で温度を85℃に上げた。得られた溶液は、濃い赤色で、クエン酸塩で安定化した直径16nmの金ナノ粒子に特有である。粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)で確認した。
プロテインA修飾金ナノ粒子の合成:SPDP修飾プロテインA(1.6M)を金ナノ粒子(3nM)に添加し、48時間撹拌し続け、自己組織化を補助した。プロテインA安定化金ナノ粒子は、53343xgで、4℃にて30分間遠心分離した(Beckman Coulter Avanti(商標)J−25遠心分離機)。透明な上清を丹念にピペットで除去すると、濃い赤色のやわらかいペレット(〜0.5ml)が残り、これをリン酸緩衝液(10mM、pH7.4)中で再懸濁した。遠心分離処理を3回繰り返し、非結合プロテインA−SPDPを完全に除去した。最終的な再懸濁溶液の紫外可視スペクトル(800〜300nm)を測定した。
抗コチニンのプロテインA−金複合体への付加:IgG抗コチニン(40μl、5.4mg/ml(Europe Bioproducts Ltd.、Ely、UK)をプロテインA変性金ナノ粒子(20ml)に添加し、2時間半撹拌した。遠心分離処理を繰り返し、透明な上清を除去すると、濃い赤色のやわらかいペレット(〜0.5ml)が残った。最後の再懸濁では、リン酸緩衝液5ml(10mM、pH7.4)を使用した。最後に再懸濁した溶液の紫外可視スペクトル(800〜300nm)を測定した。
明視野及び蛍光顕微鏡:潜在指紋の明視野像及び蛍光像は、Zeiss M2 Bio Quad SV11立体顕微鏡を用いて取得した。前記指紋は、ハロゲンランプ(明視野)又は100W Hgアークランプ(蛍光)のいずれかで照射し、反射光像は、AxioCam HRc CCDカメラ及びAxio Visionソフトウェア(Carl Zeiss、Welwyn Garden City、UK)で取り込んだ。Alexa Fluor488(商標登録)(Invitrogen、Paisley、UK)は、470nmのフィルター(40nm帯域)を通過した光で励起させ、発光は525nmのフィルター(50nm帯域)を介して集めた。Alexa Fluor546(登録商標)(Invitrogen、Paisley、UK)は、560nmの励起フィルター(40nm帯域)及び630nmの発光フィルター(60nm帯域)を用いて励起させた。
抗コチニン−金複合体を用いた潜在指紋上のコチニンの撮像:スライドガラスは、毛羽のないKimwipes(登録商標)及びメタノール(HPLC等級)を用いて十分に洗浄し、スライド上の汚れを取り除いた。レンズ洗浄用ティッシュペーパーをスライドガラス上に置き、次いでガラス洗浄液(6μl)(Wizz Products LtD、Leeds、UK)をスライド上のティッシュペーパー全体に塗布し、ティッシュをスライド全体で動かして、スライド上のほこり及び/又はよごれを完全に取り除いた。次いで、この最後の工程をスライドの底面で完了させた。その後、喫煙者/非喫煙者の指紋をスライドに付けた後、明視野像を撮った。指紋表面上に抗コチニン−金複合体を含ませるために、ImmEdge疎水性バリヤーペン(Vector、Peterborough、UK)を用いて指紋の周りに疎水性バリヤーを施し、指紋上に液体を含ませた。抗コチニン−金複合体(〜200μl)の新しいバッチ(生産から1日以内に使用)は指紋に丹念に施し、スライドは湿式チャンバー内で37℃にて30分間インキュベートした(プラスチック製ペトリ皿中のスライドガラスの周りに湿ったティッシュ)。次いで、指紋領域を水洗し、非結合抗コチニン−金複合体を除去した。Alexa Fluor488又は546((Invitrogen、Paisley、UK)原液の20倍希釈液中1リットル当たり20μl)のいずれかで標識した抗マウス二次抗体(F(ab')領域)を指紋領域に添加し、一次抗体用としてインキュベートした。スライドを再度水洗し、非結合二次抗体を完全に除去し、蛍光像を撮った。
抗コチニンを用いた潜在指紋上のコチニンの撮像:次いで、抗コチニンの対照試料用に潜在指紋上のコチニンを撮像する手順を繰り返した。抗コチニン(40μl)を、リン酸緩衝液(10mM、pH7.4、5ml)に添加し、原液を得た。インキュベーション前に喫煙者及び非喫煙者の潜在指紋の明視野像を撮った。抗コチニン−金複合体に関して記載されているように、インキュベーション後の潜在指紋の蛍光像を撮った。
実施例の参考文献
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実施例2
本実施例は、血液の検出におけるある種の抗体の使用を例示している。
a)抗体及びフルオロフォアの選択
以下の実施例では、モノクローナル抗体は、1°抗体に対して特異的な2°標識抗体を利用して間接的に標識されるのではなく、特異的フルオロフォアで直接標識される。この単一抗体方式により、乾燥した血液痕をより迅速に分析でき、間接方式を用いた場合に起こる可能性がある交差反応の危険性を減少させることができる。
モノクローナル抗体上の第1級アミン残基を標識できるようにするためのスクシンイミジルエステル部を伴うAlexa Fluor色素は、その明度、光安定性、装置適合性、pH非感受性及び水溶性から選択された。
市販されているモノクローナル抗体は、ヒト細胞型特異性に基づいて選択された。白血球は、核の存在、したがって赤血球には存在しないDNAの存在により、血液塗抹標本内で当然ながら重要な標的である。また、顆粒球(好中球、好塩基球及び好酸球)は、白血球細胞群の大部分を構成し、そのためこれらは血液塗抹標本内では優れた標的細胞として見なされていることに注意することも重要である。選択した抗体は以下のとおりである。
1.赤血球膜タンパク質グリコホリン(CD235a)
2.ヒト血清アルブミン
3.白血球共通抗原(CD45)
4.抗好中球細胞質抗体(ANCA)
i)顆粒球の核周辺領域に通常位置するp−ANCA(ミエロペルオキシダーゼ)
ii)顆粒球の細胞質に通常位置するc−ANCA(プロテイナーゼ3(PR3))
白血球群内のDNAを検出するために、ヒストン(DNA結合タンパク質)を標的として選択した。ヒストンH1は、保存が進んだH2A,H2B、H3及びH4よりも種の間でより変化すると考えられており、そのためヒストンH1を標的として選択した。ヒト特異的であるべきことから、H1亜型H1.3も選択された。しかし、これらのヒストンの染色では細胞特異性が示されないと思われるため、これらの抗体は異なるフルオロフォアで標識したCD45又はANCA等の白血球特異抗体と併用しなくてはならないと考えられている。
b)材料及び方法
i)抗体標識
Alexa Fluor色素(488、568)、カルボン酸、スクシンイミジルエステル1mg(Invitrogen)は、ジメチルホルムアミド(DMF)中で濃度1mg/mLになるように溶解した。モノクローナル抗体は、通常、BSA又はゼラチンなしで、少なくとも濃度1mg/mLのPBS及びアジ化ナトリウム溶液で購入した。抗体溶液70μLに最終濃度100mMになるようにNaHCO(pH8.5)を添加した。色素は、色素とタンパク質とを10:1の比で添加し、15分毎に混合しながら暗所で室温にて1時間(Alexa Fluor488)又は2時間(Alexa Fluor568)反応させた。
非結合色素は、塩及び他の分子<1000MWの保持率が95%で、高いタンパク質回収率(c.90〜95%)を通常示す、0.5mLのZeba脱塩スピンカラム(Pierce)を用いて除去した。タンパク質濃度及び色素とタンパク質との比は、Nano Dropを用いて測定し、以下のように計算した。
タンパク質濃度
Figure 2009531694

補正係数=280nmにおける色素吸光度(AF568は0.46及びAF488は0.11)
標識度
Figure 2009531694

AF488のε=71,000
AF568のε=91,300
通常、標識が十分な場合、色素分子とタンパク質分子との比はおよそ3:1となったが、標識が不十分な場合、色素の新しいバッチを添加し、さらに1時間反応させた。過剰な標識であると、フルオロフォアの消光又は非特異的染色が起こった。
アジ化ナトリウムは、保存料として作用するよう、最終濃度が2mMになるように添加した。
ii)細胞の調製
ヒト血液を粘着性のスライド(Surgipath)に塗抹し、MeOH中で室温にて10分間乾燥及び固定した。次いで、PBS(100mM、pH7.2)中で2回洗浄し、さらに乾燥した。標識すべき領域は、PAPペンで囲み、結合抗体(濃度に応じたもの)は、普通は、1:25又は1:50で、2.5%BSAを含むPBS中に、30分間施した。その後、血液塗末標本をPBSで洗浄し、抗蛍光媒体(Dako)中に置いた。
明視野像及び蛍光像は、Zeiss Axioskop2 MOT Plus立体顕微鏡で得た。血液塗末標本を明視野用のハロゲンランプ、又は蛍光用の100W Hgアークランプのいずれかで照射した。画像はAxioCam HRC CCDカメラで取り込み、Axiovision3.1ソフトウェアを用いて処理した。
c)画像
図8〜12は、特異的標識化抗体を用いて直接染色したヒト赤血球、白血球及びアルブミンを示している。
図8は、ラット抗ヒトCD235a Alexa Fluor568で標識した乾燥血液塗末標本からのヒト赤血球×400を示している。
図9は、マウス抗ヒトアルブミンAlexa Fluor488(A)×100(B)×400で標識したヒト血液塗末標本からのヒト血清アルブミンを示している。
図10は、ラット抗ヒトCD235aAlexa Fluor568で標識した黒綿×200上の乾燥ヒト赤血球の2つの例を示している。
図11は、(A)マウス抗ヒトCD45Alexa Fluor488、(B)マウス抗ヒトヒストンH1Alexa Fluor568、(C)画像A及びBのオーバーレイで標識した乾燥血液塗抹標本からのヒト好中球×1000を示している。
図12は、ウサギ抗ヒトヒストンH1.3Alexa Fluor568で標識した乾燥血液塗抹標本からのヒトリンパ球又は単球×1000を示している。
d)特異性
ラット抗ヒトCD235a、マウス抗ヒトCD45及びマウス抗ヒトアルブミンは、イヌ、ウサギ又はブタの血液と交差反応を示さないことが判明した。マウス抗ヒトヒストンH1は、これらの3つの異なる血液型と交差反応を示さなかった。しかし、細胞特異性及びヒト特異性を示すためにCD45と併用することがやはり可能であった。これは、血液痕及びDNAを直接検出する際に有用な手段となるであろう。
実施例2は、血液の検出におけるある種の抗体の有効な使用を示している。前記抗体は、実施例1に示した方法と類似の方法で、金属又は金属酸化物含有コアに結合され得る。
抗体−ナノ粒子複合体の一実施形態を示す概略図である。前記複合体は、金粒子表面上で抗コチニン抗体を再現性よく配向させるための生物学的リンカーとして作用する、プロテインAの自己組織化単分子膜を付着させることにより製剤される。 抗コチニン−ナノ粒子複合体を用いた指紋発現の進展を示す画像である。指紋は、男性喫煙者のものであり、蛍光画像はAlexa Fluor546(A〜E)又はAlexa Fluor488(F〜J)のいずれかで標識した二次抗体(ヤギ抗マウスIgGのF(ab')フラグメント)に由来するものである。画像A及びFは、前記対象から得た指紋であり、画像B〜E及びG〜Jは、対象が手を洗い、次いで所定の「発汗」時間(B及びGは10分、C及びHは20分、D及びIは30分、並びにE及びJは40分)後に指紋を採取した後に撮ったものである。画像A〜Eは親指を撮ったものであり、F、G及びIは中指の画像であり、Hは人差し指の画像であり、Jは小指の画像である。いずれの場合も、スケールバーは5mmを示している。 詳細な指紋情報を示す、様々な倍率の蛍光画像である。画像は、二次抗体(Alexa Fluor546で標識したヤギ抗マウスIgGのF(ab')フラグメント)を用いて照射した抗ニコチン−ナノ粒子複合体を使用して40分間の発汗後に男性喫煙者の親指から撮ったものである。スケールバーは、Aは5mm、Bは2mm、Cは1mmをそれぞれ示している。 汗孔を直接囲むコチニン浸出液が高濃度であることを示す、より高い倍率の蛍光指紋画像である。Aは、10分間の発汗後の男性喫煙者の中指、Bは、10分間の発汗後の女性喫煙者の薬指を示している。スケールバーは1mmを示している。 抗コチニン抗体(ナノ粒子上に構造化されていないもの)溶液で、次いで(A)Alexa Fluor488及び(B)Alexa Fluor546で標識したヤギ抗マウスIgGのF(ab')フラグメントでインキュベートした後に男性喫煙者から撮った蛍光画像である。(A)は小指及び(B)は人差し指を撮った画像である。スケールバーは5mmを示している。 (男性)非喫煙者の指紋の対照実験の結果である。(A)は、人差し指の明視野像を示している。(B〜C)は、Alexa Fluor488及びAlexa Fluor546で標識したヤギ抗マウスIgGのF(ab')フラグメントを用いた抗コチニン−ナノ粒子複合体で得た画像であり、それぞれ蛍光は示していない。(B)は中指、(C)は人差し指である。スケールバーは5mmを示している。 抗グリコホリン抗体(一次)で、次いで抗マウスFITC標識二次抗体で染色した、カバースリップ上で乾燥させた血液を示す画像である。 実施例2に記載されているように、特異的標識化抗体で直接染色したヒト赤血球、白血球及びアルブミンを示す画像である。 実施例2に記載されているように、特異的標識化抗体で直接染色したヒト赤血球、白血球及びアルブミンを示す画像である。 実施例2に記載されているように、特異的標識化抗体で直接染色したヒト赤血球、白血球及びアルブミンを示す画像である。 実施例2に記載されているように、特異的標識化抗体で直接染色したヒト赤血球、白血球及びアルブミンを示す画像である。 実施例2に記載されているように、特異的標識化抗体で直接染色したヒト赤血球、白血球及びアルブミンを示す画像である。 実施例2に記載されているように、特異的標識化抗体で直接染色したヒト赤血球、白血球及びアルブミンを示す画像である。 実施例2に記載されているように、特異的標識化抗体で直接染色したヒト赤血球、白血球及びアルブミンを示す画像である。 実施例2に記載されているように、特異的標識化抗体で直接染色したヒト赤血球、白血球及びアルブミンを示す画像である。 実施例2に記載されているように、特異的標識化抗体で直接染色したヒト赤血球、白血球及びアルブミンを示す画像である。

Claims (27)

  1. 金属又は金属酸化物コアを含み、ある物質に結合するための1つ若しくは複数の場合により蛍光標識した抗体又はヒト特異的ペプチド核酸(PNA)オリゴマーが、前記金属又は金属酸化物の表面に直接若しくは間接的に結合する粒子を用意するステップと、
    その表面上に前記物質を有する場合も、有していない場合もある基材と、前記粒子とを、前記抗体/PNAオリゴマーを前記物質と結合させるのに十分な時間接触させるステップと、
    前記基材に結合しなかった粒子を除去するステップと、
    前記抗体又はPNAオリゴマーが蛍光標識されていない場合、前記基材と、前記抗体及び/又は前記物質と選択的に結合する1つ若しくは複数のフルオロフォアとを接触させ、次いで前記基材を場合により洗浄し、非結合フルオロフォアを除去するステップと、
    前記基材上のフルオロフォアを示すために、前記基材を適当な放射線で照射するステップと
    を含む、ある物質を蛍光検出する方法。
  2. 前記コアが金、銀、白金及び銅から選択される1つ又は複数の金属を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記コアが酸化鉄を含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記粒子が酸化鉄を含むコアを有し、前記コアはその上に金属層を有し、前記金属は金、銀、白金及び銅から選択される、請求項2又は3に記載の方法。
  5. 前記酸化鉄がFe又はFeである、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 粒子のコアの少なくとも一部が100nm未満の直径を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記1つ若しくは複数の抗体又はPNAオリゴマーが、前記金属又は金属酸化物の表面に直接結合する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記1つ若しくは複数の抗体又はPNAオリゴマーが、硫黄含有リンカーを介して前記金属又は金属酸化物の表面に結合する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記1つ若しくは複数の抗体又はPNAオリゴマーが、プロテインA又はプロテインGを介して前記金属又は金属酸化物の表面に結合する、請求項1〜6及び8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記1つ若しくは複数の抗体又はPNAオリゴマーが、前記金属又は金属酸化物の表面に以下のように結合する、請求項1〜6、8及び9のいずれか一項に記載の方法。
    [抗体又はPNAオリゴマー]−[プロテインA又はG]−NH−CO−(CH−S−[金属又は金属酸化物表面]
    (式中、nは1〜5であり、NHはプロテインA又はプロテインGの一部である。)
  11. 前記1つ若しくは複数の抗体が、ヒストンH1、コカイン、ベンゾイルエクゴニン、ニコチン、コチニン、1つ若しくは複数のステロイド、TNT又はRNXに選択的に結合する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記1つ又は複数の抗体が、ヒト唾液アミラーゼ、前立腺特異抗原、赤血球膜タンパク質グリコホリン(CD235a)、ヒト血清アルブミン、白血球共通抗原(CD45)、並びに(i)p−ANCA(ミエロペルオキシダーゼ)及び(ii)c−ANCA(プロテイナーゼ3(PR3))から任意に選択される抗好中球細胞質抗体(ANCA)から選択される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記基材が、前記粒子が接触する表面上にヒトの指紋を有する、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 金属又は金属酸化物を含み、ある物質に結合するための1つ若しくは複数の場合により蛍光標識した抗体又はヒト特異的ペプチド核酸(PNA)オリゴマーが、硫黄含有リンカーを介して及び/又はプロテインA若しくはプロテインGを介して金属又は金属酸化物の表面に結合する、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法で使用するための粒子。
  15. 前記粒子が請求項1〜12のいずれか一項に記載されている通りである、請求項14に記載の粒子。
  16. 前記1つ若しくは複数の抗体又はPNAオリゴマーが、前記金属又は金属酸化物の表面に以下のように結合する、請求項15に記載の粒子。
    [抗体又はPNAオリゴマー]−[プロテインA又はG]−NH−CO−(CH−S−[金属又は金属酸化物表面]
    (式中、nは1〜5であり、NHはプロテインA又はプロテインGの一部である。)
  17. 金属又は金属酸化物を含む粒子と、ある物質に結合するための場合により蛍光標識した抗体又はヒト特異的ペプチド核酸(PNA)オリゴマーとを反応させるステップを含み、前記抗体又はPNAオリゴマーが、硫黄含有リンカーへ、及び/又はプロテインA若しくはプロテインGを介して直接若しくは間接的に場合により結合している、本発明の粒子を製造する方法。
  18. 請求項14〜16のいずれか一項に記載の粒子を懸濁液として含有する、液体製剤。
  19. 請求項14〜16のいずれか一項に記載の粒子を含有する、粉末製剤。
  20. 前記粉末製剤が、請求項18に記載の液体製剤を凍結乾燥することによって形成された、請求項19に記載の製剤。
  21. (i)請求項18又は19に記載の製剤、並びに
    (ii)前記抗体、PNAオリゴマー及び/又は前記抗体若しくはPNAオリゴマーが結合する物質に選択的に結合する、1つ若しくは複数のフルオロフォア
    を含む、基材を蛍光検出するためのキット。
  22. 体液、好ましくは血液の成分に結合するための1つ若しくは複数の蛍光標識抗体を得るステップと、
    その表面上に前記成分を有する場合も、有していない場合もある基材と、前記1つ若しくは複数の抗体とを、前記抗体を前記成分と結合させるのに十分な時間接触させるステップと、
    前記基材に結合しなかった抗体を除去するステップと、
    前記基材上のフルオロフォアを示すために、前記基材を適当な放射線で照射するステップと
    を含む、ある物質を蛍光検出する方法。
  23. 前記1つ若しくは複数の抗体が、赤血球膜タンパク質グリコホリン(CD235a)、ヒト血清アルブミン、白血球共通抗原(CD45)、抗好中球細胞質抗体(ANCA)から選択される、請求項22に記載の方法。
  24. 前記ANCAが、(i)p−ANCA(ミエロペルオキシダーゼ)及び(ii)c−ANCA(プロテイナーゼ3(PR3))から選択される、請求項23に記載の方法。
  25. 前記抗体が、スクシンイミジルエステル部を介して1つ又は複数のフルオロフォアに結合する、請求項20〜22のいずれか一項に記載の方法。
  26. 前記抗体が、赤血球膜タンパク質グリコホリン(CD235a)、ヒト血清アルブミン、白血球共通抗原(CD45)、抗好中球細胞質抗体(ANCA)から選択される、体液、好ましくは血液の成分に結合するための、蛍光標識抗体。
  27. 前記抗体が、スクシンイミジルエステル部を介して1つ又は複数のフルオロフォアに結合する、請求項26に記載の抗体。
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