JP2009531375A - レチノイド化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

本出願は、二置換オレフィンを調製するための逐次的なヘックカップリング工程を含む、式IaまたはIb記載のRARモジュレーターの製造方法に関する。

Description

本発明は、新規な式Iaおよび/またはIbのレチノイド化合物の、効率的で簡便なパラジウム触媒による製造方法に関する。
レチノイドは、ビタミンAの構造的な類似体であり、天然および合成化合物の双方を含む。全トランス型レチノイン酸(「ATRA」)、9−シス−レチノイン酸、トランス−3,4−ジデヒドロレチノイン酸、4−オキソレチノイン酸、13−シス−レチノイン酸およびレチノール等のレチノイド化合物は、多数の炎症性細胞、免疫細胞および構造細胞を調節する多機能リガンドである。
レチノイドは、ステロイド/チロイド受容体スーパーファミリーに属する一連のホルモン核受容体を介して、上皮細胞増殖、肺での形態形成および分化を調節する。レチノイド受容体は、レチノイン酸受容体(RAR)およびレチノイドX受容体(RXR)に分類され、それぞれは、三種の異なるサブタイプ(α、βおよびγ)よりなる。ATRAは、レチノイン酸受容体に対する天然リガンドであり、同様の親和性で、α、βおよびγサブタイプに結合する。いくつかの合成RARα、βおよびγレチノイドアゴニストが、また、この分野で記述されている(例えば、Belloni et al., U.S. Patent No. 5,962,508; Klaus et al., U. S. Patent No. 5,986,131; J. -M. Lapierre et al., WO02/28810参照)。
レチノイドは、重大な健康問題を処置する上で顕著な潜在能力を有する。化合物Iおよび関連化合物は、上記の疾患を処置する上で有用な特異的なRARγアゴニストであることが示されている。そこで、IaまたはIbの効率的な製造方法が望ましい。
Figure 2009531375
レチノイド化合物への合成経路は、概説されている。(B. Dominguez et al. Org. Prep. Proceed. Int. 2003 35(3): 239-306; M. I. Dawson and P. D. Hobbs, "The Synthetic Chemistry of Retinoids", M. R. Spoon, A. B. Roberts and D. S. Goodman (Eds.), The Retinoids: Biology, Chemistry and Medicine, 2nd edition, Raven, N.Y. 1994, p. 5; R. S. H. Liu and A. Asato, Tetrahedron 1984 40: 1931)。レチノイド受容体モジュレーターは、構造的に多様な群の化合物を含むが;しかし、オレフィン、ポリオレフィン、ビスアリールおよびアセチレン結合は共通の構造モチーフを構成する。したがって、ホスホニウムイリドを利用する確立されたオレフィン化反応(ウィッテッヒ(Wittig)反応)、ホスホニウム塩を利用する確立されたオレフィン化反応(ホルナー−ワーズワース−エモンズ(Horner-Wadsworth-Emmons)反応)、スルホンカップリングを利用する確立されたオレフィン化反応(ジュリア(Julia)オレフィン合成)が、一般的に、レチノイド合成に使用される。近年、遷移金属触媒によるCsp2−Csp2およびCsp2−Cspクロスカップリング反応が、レチノイドモジュレーターの合成に適用されている。金属触媒によるクロスカップリングの変形として、ネギシ(Negishi)カップリング、スティル(Stille)反応、スズキ(Suzuki)反応およびヘック(Heck)反応が挙げられる。
1,2−ビス−アリール−エテン化合物は、選択的RARアゴニストとして有用な特性を有することが見出されている。この群のRARアゴニストのうち、4−[(E)−2−(5,5,8,8−テトラメチル−3−ピラゾール−1−イルメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ビニル]−安息香酸(Ib)は、特に有用なRARγ選択的アゴニストであることが見出されている。4−[(E)−2−(5,5,8,8−テトラメチル−3−ピラゾール−1−イルメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ビニル]−安息香酸(Ia)の合成は、2002年4月11日に刊行されたWO02/28810に、J. -M. Lapierre et al.により、ホスホネートカップリングを利用してE−オレフィンを導入する(スキームA)合成が、開示されている。
Figure 2009531375
パラジウム媒介カップリングの一つの変形、スズキ反応が、4−[2−(5,5,8,8−テトラメチル−5,6,7,8−テトラヒドロ−ナフタレン−2−イル)−ビニル]−安息香酸の製造におけるE−二置換オレフィンを調製するために使用されている(A. Torrado et al., Synthesis 1995 285; スキームB)。しかしながら、スズキ反応は、ボロン酸の形成とその後のパラジウム触媒によるカップリング工程を含む多工程手順を必要とする。
Figure 2009531375
ヘック反応(下記参照)は、芳香環上にビニル置換基を導入するために利用されている。M. Reetz et al. (Angew. Chem. Int. Ed. Eng. 1998 37(4): 481-483; WO98/42664)は、C4を与える、6−メトキシ−2−ブロモ−ナフタレン(C3)の効率的なオレフィン化を開示している。S. Gibson et al.(Chem. Commun. 2001 779-780)は、同じ変換を触媒するホスファパラダサイクリック錯体を報告している。La Pierre et al.(上記)は、ビニルナフタレンC2を与える、トリメトキシシリルエタンでのC1のオレフィン化を開示している。
Figure 2009531375
本明細書中で特許請求された方法は、非対称のエタン化合物への2回の逐次的なヘックアリール化を使用し、これは、中間体のスチレン誘導体を単離することなく、単一の反応容器中で実施される。ハロゲン化アリールとエテンからのスチルベンの生成が開示されている(J. E. Plevyak and R. F. Heck, J. Org Chem. 1978 43(12): 2454-2456)。2種のハロゲン化ビフェニルをエチレンとカップリングして対称型スチルベン染料を得ることは記述されている(J. Ruemper et al., Chemische Berichte/Recueil 1997 130(9): 1193-1195)。これらの文献は、ハロゲン化アリールとエチレンの対称カップリングで対称型スチルベンをもたらすことを記述している。対照的に、本発明は、異なる置換基をエチレン部分に組み込むことを可能にする方法を記述している。
そこで、本発明は、2回の逐次的なヘックオレフィンカップリングを含む、式Iaの化合物の製造方法であって、これは、中間体を単離することなく、単一の反応容器中で実施することが可能であり、また場合により、IaからIbへの加水分解を含み、以下の工程
Figure 2009531375
(i)極性有機溶媒中の3b、第一の塩基、パラジウム化合物および場合によりホスフィン配位子の溶液を、臭素置換基のエチレンでの置換を開始するのに十分で、かつ5を得るのに十分な温度および圧力でエチレンに暴露する工程;
(ii)得られた5を含有する溶液を、4−置換安息香酸誘導体4(式中、XはOHまたはC1−6アルコキシであり、Xは、パラジウム触媒による置換に感受性の脱離基である)に接触させ、場合により、臭素置換基の5での置換を開始するのに十分で、かつIaを得るのに十分な温度で、互いに独立に、追加の塩基および/またはパラジウム化合物および/またはホスフィン配位子を加える工程;
(iii)場合により、Iaを、場合により水を含有する有機溶媒中で水酸化物源と接触させ、結晶性カルボン酸Ibを単離する工程を含む、製造方法に関する。
本明細書中で使用される語句「ある("a"または"an")」もの(entity)とは、1以上のそのものを表わし;例えば、ある化合物(a compound)は、1以上の化合物または少なくとも1つの化合物を表わす。このように、用語「ある"a"(または"an")」、「1以上の」、および「少なくとも1つの」は、本明細書中で互換的に使用することができる。
「場合による」または「場合により」は、引き続いて記述される出来事または状況が生じる必要がないこと、また、その記述は、その出来事または状況が生じる場合およびそれが生じない場合を含むことを意味する。
IaまたはIbおよび関連する類縁体の製造を含む効率的な方法は、中間体を単離することなく実施することができる2回の逐次的なヘック反応で式IaまたはIbの非対称型オレフィンを製造することを含むことを特徴とする。潜在能力のあるRAR受容体モジュレーターである化合物が、反応手順の最終工程まで生成されず、これにより、作業員が強力で薬理学的に活性な化合物に暴露されることを制限するという付加的な利点を、この方法は有している。
Figure 2009531375
ヘック反応は、広義に、公式にはアルケンカップリングパートナーにおける水素原子のRでの置換をもたらす、ハロゲン化またはトリフルオロメタンスルホン酸アルケニルまたはアリール(sp)のアルケンとのカップリングとして定義される。ヘック反応は、概説されている(R. F. Heck, Organic Reactions, vol. 24 Malabar 1984; G. T. Crisp, Chem. Soc. Rev. 1998 27: 427; S. Braese and S. de Meijere, "Palladium-catalysed Coupling of Organic Halides to Alkenes-The Heck Reaction" in Metal-Catalyzed Cross Coupling Reactions, F. Diederich and P. J. Stang, Eds. Wiley-VCH, Weiheim 1997 p.99-166)。
ヘック反応は、パラジウムで触媒される。活性触媒種の原子価状態は、Pd(0)であると推察され、これは、反応場で、Pd(II)種がホスフィン配位子で還元されることにより製造することができる。ヘック反応で有用であると報告されているパラジウム化合物として、Pd(II)(OAc)、Pd(PPh、PdCl(PPh、Pd(MeCN)Cl、Pd(acac)、Pd(dba)、Pd(dba)および固体担体担持のPdが挙げられるが、これらに限定されない。本方法をPd(II)(OAc)で例示するが、当業者は、本発明の精神から逸脱することなく、他のPd触媒で置換することができることを理解するであろう。本明細書中で使用される用語「パラジウム化合物」は、ブロモ−、ヨード−またはトリフルオロスルホニルオキシ基のオレフィンでの置換を触媒する触媒的に活性な種を生成しうるパラジウム化合物を表わす。触媒的に活性なパラジウム種は、一般に、ホスフィン配位子を有している。トリフェニルホスフィンが通常用いられる。本明細書中で使用される用語「ホスフィン配位子」は、トリアリールおよびトリヘテロアリールホスフィンを表わす。その用語は、また、効果的な触媒であることが判明している二座型をも表わし、1,2−ビス−(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、1,3−ビス−(ジフェニルホスフィノ)プロパン(dppp)、1,2−ビス−(ジフェニルホスフィノ)ブタン(dppb)、および1,1’−ビス−(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(pddf)が挙げられるが、これらに限定されない。用語「ホスフィン配位子」は、また、トリ(tert−ブチル)ホスフィン等のようなトリアルキルホスフィンを包含し、これらは、パラジウム触媒によるカップリング反応で有利に使用されている。本明細書中で使用されるパラジウム化合物は、配位したホスフィン配位子を含んでいてもよく、またはPd(OAc)のようなパラジウム化合物が使用され、ホスフィン配位子が別個に添加されてもよい。いずれの経路も、本発明の想定範囲内である。
有機合成におけるヘック反応の有用性により、この反応の反応性および位置選択性を向上させる、塩基、配位子、添加剤および反応条件を特定するための広範な研究が促進されている。報告されている塩基として、TEA、エチレンジアミン、DABCOならびに他の二級および三級アミン、KCO、NaCO、KOtBu、NaOAc、KCO、CaCOが挙げられるが、これらに限定されず、反応混合物に加えられている。本明細書中で使用される語句「第一の塩基」は、パラジウム触媒によるカップリングを促進する有機または無機塩基を表わし、上記のリストを挙げることができるがこれらに限定されない。銀(I)およびタリウム(I)塩が、ヘック反応における添加剤として使用されている。相間移動条件もまた、ヘック反応に有利に採用されている(T. Jeffery Tetrahedron Lett. 1985 26: 2667-2670)。
広範な溶媒をヘック反応の実施に使用することができ、DMF、DMA、NMP、MeCN、DMSO、MeOH、EtOH、tert−ブタノール、THF、ジオキサン、ベンゼン、トルエン、メシチレン、キシレン、CHClおよびDCEが挙げられる。反応は、最も一般的には、上で例示された最初の5つのもののような極性非プロトン性溶媒中で行われる。しかしながら、広範な溶媒がヘック反応に適合性であり、決定的な特長は、しばしば溶解性および変換を達成するのに要する温度である。本明細書中で使用される語句「極性有機溶媒」は、DMF、NMP、DMSO、DMAおよびMeCNを表わす。
語句「有機溶媒」は、カルボン酸エステルの加水分解に使用される溶媒または溶媒類を表わす。当業者は、水混和性または水不混和性溶媒を含む多くの溶媒を使用できることを認識するであろう。アルカリ金属水酸化物が、通常、反応媒体中に含まれ、多くの他の塩基を、同様に使用することができる。第一の溶媒の選択は、主には、操作の簡便さの問題であり、有用な例として、低級アルコールおよび低級アルコール水溶液が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の一つの実施態様において、第一の溶媒は、エタノールと水の溶液である。
語句「第一の非極性有機溶媒」は、ベンジル置換基のフリーラジカル臭素化に好適な溶媒を表わす。許容しうる溶媒として、一般に、ハロカーボンおよび炭化水素が挙げられるが;当業者は、反応条件下に不活性であり、また、本発明の範囲内である他の特定の溶媒が好適であるかどうかを容易に確定することができよう。一般的に使用される溶媒として、シクロヘキサン、四塩化炭素およびCF−Cが挙げられる。
本明細書中で使用される語句「フリーラジカル臭素化剤」は、反応条件下で臭素フリーラジカルを生成しうる試薬を表わす。臭素フリーラジカル源として使用できる典型的な試薬として、臭素、N−ブロモコハク酸イミドおよび1,3−ジブロモ−5,5−ジメチル−イミダゾリジン−2,4−ジオンが挙げられる。本明細書中で使用される語句「フリーラジカル開始剤」は、反応条件下で臭素フリーラジカルを発生できる試薬を表わす。一般に、フリーラジカル開始剤として、AIBNおよび2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル−ペンタンニトリル)(Vazo(登録商標)52)が挙げられる。光もまた、臭素ラジカルの生成を開始させるのに使用することができ、したがって、本発明の範囲内である。
本明細書中で使用される語句「求電子的臭素化剤」は、芳香環を臭素化しうる電気的に陽性な臭素原子を発生する試薬を表わす。ルイス酸またはプロトン酸の存在下の臭素は、一般に、求電子的臭素化剤である。HBrとHの組み合わせは、Brのその場での生成をもたらす。電気的に陽性な臭素の他の源は、この分野で周知であり、本発明の範囲内である。
本明細書中で使用される語句「4−置換安息香酸誘導体」は、カップリング条件下にエチレンで置換されることができ、一般にハロゲンまたはトリフルオロスルホニルオキシを包含する、カルボン酸またはエステルに対してパラ位が脱離基で置換されているベンゼン環を表わす。エステルまたは酸は、反応条件に適合性で、カルボン酸またはエステルに容易に変換することができる任意の基で置換することができる。
本明細書中で使用される用語「アルキル」は、1〜10個の炭素原子を含有する非分岐鎖または分岐鎖の、飽和の、一価の炭化水素残基を意味する。用語「低級アルキル」は、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖または分岐鎖の炭化水素残基を意味する。本明細書中で使用される「C1−10アルキル」は、1〜10個の炭素よりなるアルキルを表わす。アルキル基の例として、低級アルキル基が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、メチル、エチル、プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル、t−ブチルまたはペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ヘキシル、ヘプチル、およびオクチルが挙げられる。
本明細書中で使用される用語「アルコキシ」は、−O−アルキル基を意味し、ここでアルキルは、上で定義されているとおりであり、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロピルオキシ、i−プロピルオキシ、n−ブチルオキシ、i−ブチルオキシ、t−ブチルオキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシであり、それらの異性体を含む。本明細書中で使用される「低級アルコキシ」は、前に定義されたような「低級アルキル」基を有するアルコキシ基を意味する。本明細書中で使用される「C1−10アルコキシ」は、アルキルがC1〜10である、−O−アルキルを表わす。用語、低級アルコールは、R−OH化合物(ここで、Rは本明細書中で定義されている低級アルキルである)を表わす。
本明細書中で使用される用語「カルボン酸」は、化合物R−C(=O)OHを表わし、Rは、本明細書中で定義されているアルキル基である。
本明細書中で使用される用語「第二の塩基」は、ベンジル位の臭化物をピラゾールで置換することにより生成するHBrを捕捉するために使用される塩基を表わす。アミン塩基を含む多くの塩基がこの目的で使用され、例えば、リン酸アルカリ金属(リン酸モノ−、ジ−およびトリ−アルカリ金属)、TEA、DABCO、DIPEAおよびピリジン、炭酸および炭酸水素アルカリもしくはアルカリ金属およびカルボン酸アルカリもしくはアルカリ金属ならびにすべての変形物が本発明の範囲内である。
本発明の一つの実施態様において、逐次的なヘック反応を用いる式IaまたはIbの化合物の製造方法であって、(i)第一のヘック反応において、極性有機溶媒中の(場合により酸付加塩としての)臭化アリール3b、第一の塩基、パラジウム化合物および場合によりホスフィン配位子の溶液を、臭素置換基のエチレンでの置換を開始するのに十分で、かつ5を得るのに十分な温度および圧力でエチレンに暴露する工程、ならびに引き続いて(ii)得られた5を含有する溶液を、4−置換安息香酸誘導体4(式中、XはOHまたはC1−6アルコキシであり、Xは、パラジウム触媒による置換に感受性の脱離基である)に接触させる工程を含む方法を提供する。本実施態様において、エステルは、場合により、Iaを、場合により水を含む有機溶媒中、水酸化物源と接触させることにより、対応するカルボン酸Ibへ加水分解して、結晶性カルボン酸Ibを得る。第二のヘック反応においては、第一のヘック反応から得られた5の溶液を直接使用することが有利であるが、当業者は、スチレン中間体が、本発明の精神から逸脱することなく単離することができるということを明確に認識するであろう。
本実施態様および他の実施態様において、追加の塩基および/またはパラジウム化合物および/またはホスフィン配位子を、第二のヘック反応の前に加えると、満足すべき反応速度を実現することができる。典型的には、加えた試薬は、最初に使用したものと同じであるが、本発明の範囲内である代替試薬を加えることができる。同様に、温度およびエチレン圧は、第二のヘック反応において、臭素置換基を5で置換することを開始し、維持するように調整して、Iaを得ることができる。全ての実施態様において、最初に生成したエステル、例えばIaは、場合により、場合により水を含む有機溶媒中でエステルを水酸化物源と接触させることにより、対応するカルボン酸に加水分解する。エステルの加水分解は、有機合成における日常的な変換であり、本発明の範囲内である多くの代替条件が存在する。
本発明の他の実施態様において、式IaまたはIbの化合物の製造方法であって、(i)第一のヘック反応において、極性有機溶媒中の臭化アリール3bの塩、三級アミン、Pd(II)(OAc)およびトリス−(o−トリル)ホスフィンの溶液を、臭素置換基のエチレンでの置換を開始するのに十分で、かつスチレン5を得るのに十分な温度および圧力でエチレンに暴露する工程、ならびに引き続いて(ii)得られた5を含有する溶液を、4−置換安息香酸誘導体4(式中、Xは低級アルコキシであり、Xは、ブロモ、ヨードまたはトリフルオロスルホニルオキシである)に接触させる工程を含む方法を提供する。追加の三級アミン、Pd(II)(OAc)およびトリス−(o−トリル)ホスフィンを、場合により第二のヘック反応の前に加え、温度およびエチレン圧を、臭素またはヨード置換基の5での置換を開始するのに十分なレベルに維持すると、スチルベンIaが得られる。この実施態様において、エステルは、場合により、Iaを場合により水を含む低級アルコールおよび/またはエーテル溶媒中、水酸化物源と接触させることにより、対応するカルボン酸Ibへ加水分解すると、結晶性カルボン酸Ibを与える。
関連する実施態様において、第二のヘック反応におけるエステル化された4−置換安息香酸誘導体は、4−ブロモ安息香酸のエステルである。
本発明の他の実施態様において、式IaまたはIbの化合物の製造方法であって、(i)NMP中の3bのトシル酸塩、Pd(II)(OAc)、トリス−(o−トリル)ホスフィンおよびTEAの溶液を、臭素置換基のエチレンでの置換を開始するのに十分で、かつ5を得るのに十分な温度および圧力でエチレンに暴露する工程、ならびに引き続いて(ii)得られた5を含有する溶液を、p−ブロモ安息香酸エチルに接触させる工程を含む方法を提供する。追加のTEA、または同等の塩基、Pd(II)(OAc)およびトリス−(o−トリル)ホスフィンを、場合により第二のヘック反応の前に加えることができ、温度を、臭素置換基の5での置換を開始するのに十分なレベルに維持すると、Iaが得られる。エステルは、場合により、IaをEtOH水溶液中、NaOHと接触させることにより、対応するカルボン酸Ibへ加水分解すると、結晶性カルボン酸Ibを与える。
本発明の他の実施態様において、2つの逐次的なヘック反応を用いる式IaまたはIbの化合物の製造方法であって、(i)非極性有機溶媒中の2bの溶液を、ベンジル位のメチル置換基の臭素化を開始するのに十分な温度でフリーラジカル臭素化剤およびフリーラジカル開始剤と接触させて、3aの溶液を得る工程、(ii)3aのその溶液を、ピラゾールおよび場合により臭化水素を捕捉しうる第二の塩基と接触させる工程、(iii)得られた溶液を、水とトルエンの間で分配し、3bを酸付加塩または遊離塩基として単離する工程、そして(iv)第一のヘック反応において、極性有機溶媒中の(場合により酸付加塩としての)3b、第一の塩基、パラジウム化合物および場合によりホスフィン配位子の溶液を、臭素置換基のエチレンでの置換を開始するのに十分で、かつ5を得るのに十分な温度および圧力でエチレンに暴露する工程、ならびに引き続いて(v)得られた5を含有する溶液を、4−置換安息香酸誘導体4(式中、Xは低級アルコキシであり、Xは、パラジウム触媒による置換に感受性の脱離基である)に接触させる工程を含む方法を提供する。追加の塩基および/またはパラジウム化合物および/またはホスフィン配位子を、第二のヘック反応の前に加えることができ、温度を、臭素置換基の5での置換を開始するのに十分なレベルに維持すると、第二のヘック反応においてIaが得られる。エステルは、場合により、Iaを場合により水を含む低級アルコールおよび/またはエーテル溶媒中、水酸化物源と接触させることにより、対応するカルボン酸Ibへ加水分解すると、結晶性カルボン酸Ibを与える。第二のヘック反応においては、第一のヘック反応から得られた5の溶液を直接使用することが有利であるが、そのスチレンは、本発明の精神から逸脱することなく単離することができる。
本発明の他の実施態様において、2つの逐次的なヘック反応を用いる式IaまたはIbの化合物の製造方法であって、(i)シクロヘキサン中の2bの溶液を、ベンジル位のメチル置換基の臭素化を開始するのに十分な温度で1,3−ジブロモ−5,5−ジメチル−イミダゾリジン−2,4−ジオンおよび2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)と接触させて、3aの溶液を得る工程、(ii)3aのその溶液を、ピラゾールおよび三塩基性リン酸カリウムと接触させる工程、(iii)得られた溶液を、水とトルエンの間で分配し、3bを酸付加塩または遊離塩基として単離する工程、(iv)第一のヘック反応において、NMP中の3b、TEA、Pd(II)(OAc)およびトリス−(o−トリル)ホスフィンの溶液を、臭素置換基のエチレンでの置換を開始するのに十分で、かつ5を得るのに十分な温度および圧力でエチレンに暴露する工程、ならびに引き続いて(v)得られた5を含有する溶液を、p−ブロモ安息香酸エチルに接触させる工程を含む方法を提供する。追加のTEA、Pd(II)(OAc)およびトリス−(o−トリル)ホスフィンを、第二のヘック反応の前に加えることができ、温度およびエチレン圧を、臭素置換基の5での置換を開始するのに十分なレベルに維持すると、第二のヘック反応において、スチルベンIaが得られる。本実施態様において、エステルは、場合により、IaをEtOH水溶液中、NaOHと接触させることにより、対応するカルボン酸Ibへ加水分解すると、結晶性カルボン酸Ibを与える。
本発明の他の実施態様において、2つの逐次的なヘック反応を用いる式IaまたはIbの化合物の製造方法であって、(i)2,5−ジメチル−2,5−ジヒドロキシ−ヘキサン(1a)とトルエンの溶液を、塩酸水溶液と接触させ、2,5−ジメチル−2,5−ジクロロ−ヘキサン(1b)を単離する工程、(ii)1bとトルエンの溶液を、ルイス酸と接触させ、2aを単離する工程、(iii)2aとカルボン酸の溶液を、求電子的臭素化剤と接触させて、2bを得、これを場合により単離する工程、(iv)非極性有機溶媒中の2bの溶液を、ベンジル位のメチル置換基の臭素化を開始するのに十分な温度でフリーラジカル臭素化剤およびフリーラジカル開始剤と接触させて、3aの溶液を得る工程、(v)3aのその溶液を、ピラゾールおよび場合によりHBrを捕捉しうる第二の塩基と接触させる工程、(vi)得られた溶液を、水とトルエンの間で分配し、3bを酸付加塩または遊離塩基として単離する工程、(vii)第一のヘック反応において、極性有機溶媒中の(場合により酸付加塩としての)3b、第一の塩基、パラジウム化合物および場合によりホスフィン配位子の溶液を、臭素置換基のエチレンでの置換に十分で、かつ5を得るのに十分な温度および圧力でエチレンに暴露する工程、ならびに引き続いて(viii)得られた5を含有する溶液を、4−置換安息香酸誘導体4(式中、Xは低級アルコキシであり、Xは、パラジウム触媒による置換に感受性の脱離基である)に接触させる工程を含む方法を提供する。
本発明の他の実施態様において、2つの逐次的なヘック反応を用いる式IaまたはIbの化合物の製造方法であって、(i)トルエン中の2,5−ジメチル−2,5−ジヒドロキシ−ヘキサン(1a)の溶液を、塩酸水溶液と接触させ、2,5−ジメチル−2,5−ジクロロ−ヘキサン(1b)を単離する工程、(ii)トルエン中の1bの溶液を、AlClと接触させ、2aを単離する工程、(iii)2aの溶液を、臭素と接触させて、2bを得、これを場合により単離する工程、(iv)シクロヘキサン中の2bの溶液を、ベンジル位のメチル置換基の臭素化を開始するのに十分な温度で1,3−ジブロモ−5,5−ジメチル−イミダゾリジン−2,4−ジオンおよび2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)と接触させて、3aの溶液を得る工程、(v)3aのその溶液を、ピラゾールおよび三塩基性リン酸カリウムと接触させる工程、(vi)得られた溶液を、水とトルエンの間で分配し、3bを酸付加塩または遊離塩基として単離する工程、(vii)第一のヘック反応において、NMP中の(場合により酸付加塩としての)3b、TEA、Pd(II)(OAc)およびトリス−(o−トリル)ホスフィンの溶液を、臭素置換基のエチレンでの置換を開始するのに十分で、かつ5を得るのに十分な温度および圧力でエチレンに暴露する工程、ならびに引き続いて(viii)得られた5を含有する溶液を、p−ブロモ安息香酸エチルに接触させる工程を含む方法を提供する。追加のTEA、Pd(II)(OAc)およびトリス−(o−トリル)ホスフィンを、場合により、第二のヘック反応の前に加えることができ、温度を、臭素置換基の5での置換を開始するのに十分なレベルに維持すると、第二のヘック反応において、Iaが得られる。本実施態様において、エステルは、場合により、IaをEtOH水溶液中、NaOHと接触させることにより、対応するカルボン酸Ibへ加水分解すると、結晶性カルボン酸Ibを与える。
一般的に使用される略号は以下を包含する:アセチル(Ac)、tert−ブトキシカルボニル(Boc)、ベンジル(Bn)、ブチル(Bu)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、ジベンジリデンアセトン(dba)、1,2−ジクロロエタン(DCE)、ジクロロメタン(DCM)、ジ−イソ−プロピルエチルアミン(DIPEA)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMA)、4−N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、(ジフェニルホスフィノ)エタン(dppe)、(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(pddf)、エチル(Et)、酢酸エチル(EtOAc)、エタノール(EtOH)、ジエチルエーテル(EtO)、酢酸(HOAc)、高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)、メタノール(MeOH)、融点(mp)、メチル(Me)、アセトニトリル(MeCN)、質量分析(ms)、メチルt−ブチルエーテル(MTBE)、N−メチルピロリドン(NMP)、重クロム酸ピリジニウム(PDC)、フェニル(Ph)、プロピル(Pr)、イソ−プロピル(i−Pr)、平方インチあたりのポンド(psi)、ピリジン(pyr)、室温(rtまたはRT)、トリエチルアミン(TEAまたはEtN)、トリフルオロ酢酸(TFA)、薄層クロマトグラフィー(TLC)、テトラヒドロフラン(THF)、p−トルエンスルホン酸一水塩(TsOHまたはpTsOH)、4−Me−CSO−またはトシル(Ts)。接頭辞、ノーマル(n)、イソ(i−)、二級(sec−)、三級(tert−)およびネオを包含する慣用の命名法は、アルキル部分と共に使用される場合、それらの慣用の意味を有する(J. Rigaudy and D. P. Klesney, Nomenclature in Organic Chemistry, IUPAC 1979 Pergamon Press, Oxford.)。
以下の例は、本明細書中に開示の方法を例証する。この例は、当業者が本発明をより明確に理解し、実施することを可能にするために提供されるものであり、本発明の範囲を限定するものとして考えるべきではなく、単にそれを例証し、代表するものとして考えるべきである。
Figure 2009531375
工程A
100galのガラスライニングした反応器に、1a(Cas Reg. No. 110-03-2、18.1kg)、トルエン(30.4kg)および37%HCl(225kg)を仕込んだ。二相混合物を、RTで一晩撹拌した。下層を抜き出したのち、トルエン溶液をAlCl(1.23kg)に1時間かけて加えた。混合物を60℃で2時間エージングした。HCl水溶液(7.07kgの水で希釈した37%HCl 2.93kg)を反応混合物に加え、下層を捨てた。有機層を追加の水(5.07L)で洗浄し、相を分離し、トルエンを真空蒸留で除去し、プロピオン酸(20.42kg)で置換した。溶液を、さらに、0.1%未満のトルエンとなるまで濃縮した。追加のプロピオン酸(6.17kg)、HO(12.3L)および48%HBr(19.9kg)を加え、続いて、内温を50〜60℃に維持しながら、30%Hを1時間かけて加えた。添加完了後、反応物を1h撹拌し、次いで、温度を80℃に上げ、さらに1時間撹拌した。反応を亜硫酸ナトリウム溶液(NaSO 2kgおよびHO 19.3kg)でクエンチし、続いて、HO(72L)を加えた。得られた混合物を20℃で一晩エージングし、次いで、濾過して、2bを28.6kg(3工程で収率82%)得た。
Figure 2009531375
工程B
100ガロンのガラスライニングした反応器に、2b(28kg)、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチル−イミダゾリジン−2,4−ジオン(22.83kg)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリル)(Vazo(登録商標)52、E. I. DuPont de Nemours)(481g)およびシクロヘキサン(151kg)を仕込んだ。混合物を、55℃に温めると、ゆっくりと発熱が生じて、温度は65℃に上昇した。65℃で1h後、反応を、亜硫酸ナトリウム水溶液(HO166L中のNaSO 19.3kg)でクエンチした。水層を抜き出し、有機層を水(100L)で洗浄した。シクロヘキサンを大気圧で留去し、NMP(75kg)で置換した。得られた溶液を、ピラゾール(6.83kg)とKPO(21kg)の乾燥混合物に移した。追加のNMP(18kg)を加え、混合物を105〜120℃の間で2.5時間加熱した。溶液を、水150L中に移し入れた。トルエン(98kg)と追加の水(26L)を加え、一晩エージングしたのち、層を分離した。水層を、トルエン(52kg)で逆抽出し、合わせたトルエン画分を、水(100L)で2回洗浄した。得られたトルエン溶液を、p−TsOH・HO(16kg)に加えた。追加のトルエン(33kg)を加え、混合物を、溶液が均一になるまで58℃で加熱した。混合物を、結晶が最初に出現する45℃付近まで冷却し、その後、10℃まで冷却した。得られたスラリーを濾過し、追加のトルエン(39kg)で洗浄した。粗生成物(37kg)をトルエン(250kg)中に懸濁し、NaOH水溶液(50%NaOH 9kgとHO 46kg)を加え、混合物を40℃に加熱した。水層を取り除き、トルエン溶液をHO(50L)で洗浄した。得られたトルエン溶液を、炭素(2kg)に加え、数時間エージングしたのち、CELITE(登録商標)パッド(5kg)を通して濾過した。ケーキを追加のトルエン(30kg)で洗浄し、合わせたトルエン濾液をMeOH中のp−TsOH・HOの溶液(p−TsOH・HO 13.57kgとMeOH 25kg)に加えた。約50kgのMeOHを留去し、残りの溶液を5℃までゆっくり冷却し、一晩エージングした。濾過し、トルエン(50kg)で洗浄し、次いで真空乾燥(窒素流で50℃の真空オーブン)すると、3bのトシル酸塩が24kg(全体で46%)得られた。
Figure 2009531375
工程C
3bのトシル酸塩(24kg)、TEA(16kg)、Pd(OAc)(24.1g)、トリ−o−トリルホスフィン(72g)およびNMP(73kg)の貯蔵溶液を調製し、3回の真空/窒素サイクルで脱気した。この貯蔵溶液は、熱および酸素から保護すれば、少なくとも1週間は安定である。6回の連続的な実施において、貯蔵溶液の6分の1を圧力(300psi破裂板)反応器に入れ、エチレンを150psi導入した。温度を120℃に上げ、一方、内圧は、追加のエチレンにより200psiに上昇させた。3時間後、温度を80℃に下げ、エチレンを放出した。得られたスラリーを保持容器に移した。6回の実施がすべて完了したのち、合わせたスラリーに、追加のPd(OAc)(24g)、トリ−o−トリルホスフィン(72g)およびTEA(5.6kg)を加えた。混合物に、p−ブロモ安息香酸エチルを加え、温度を105℃に上げた。反応物を、5時間撹拌し、冷却し、シクロヘキサン(150kg)と水(70L)の間で分配した。水層を取り除き、シクロヘキサン溶液を水(2x60L)で2回洗浄した。大部分のシクロヘキサンを大気圧での蒸留で除去したのち、水(120L)を加え、残りのシクロヘキサンを留去した。残渣に、エタノール(140kg)、HO(35L)および50%NaOH(24kg)を加え、混合物を14h加熱還流した。温度を60℃に下げ、混合物をCELITE(登録商標)パッド(3kg)を通して濾過した。ケーキを、1:1(v:v)の水−エタノール混合物(2x26kg)で2回洗浄した。大部分のエタノールを大気圧で留去した。HSO(20kg)、続いてTHF(178kg)を入れ、十分に混合したのち、層を分離させた。下の水層を抜き出し、THF溶液を濾過して清澄化した。THFを大気圧で留去し、容積が相対的に一定となる割合で、酢酸n−ブチル(140kg)で置換した。酸Ibは、溶媒置換中に結晶化した。温度を10℃に下げ、混合物を一晩エージングした。その物質を濾過し、酢酸n−ブチル(21kg)で洗浄して、Ibを15kg(78%)得た。
特定の形態でまたは開示された機能を行う手段の観点で表現された、以上の記述または以下の特許請求の範囲中で開示された特徴、あるいは、開示された結果を達成するための方法もしくはプロセスは、必要に応じて、別々に、またはこのような特徴を任意に組み合わせて、それらの様々な形態で本発明を実現するために利用しうる。
前記の発明は、明確化と理解の目的で、例証と例示により、ある程度詳細に説明した。当業者には、添付の特許請求の範囲内で、変更や修正を行いうることは明らかである。したがって、上記の説明は、例証するものであって、限定するものではないことを理解されたい。本発明の範囲は、したがって、上記の説明を参照して決定されるものではなく、特許請求の範囲が権利を享受する均等物の全範囲と共に、以下に添付の特許請求の範囲を参照して決定されるべきものである。
本出願で引用された全ての特許、特許出願および刊行物は、本明細書に、各々個々の特許、特許出願および刊行物が個々に示されている場合と同じく、すべてにおいてそれらの全体が参照して組み入れられる。

Claims (7)

  1. 式IaまたはIb:
    Figure 2009531375

    の化合物の製造方法であって、
    (i)極性有機溶媒中の3b:
    Figure 2009531375

    (式中、RはBr、トシル酸塩である)、
    第一の塩基、パラジウム化合物および場合によりホスフィン配位子の溶液を、臭素置換基のエチレンでの置換を開始するのに十分で、かつ5:
    Figure 2009531375

    (式中、Rは−CH=CHである)
    を得るのに十分な温度および圧力でエチレンに暴露する工程;
    (ii)得られた5を含有する溶液を、4−置換安息香酸誘導体4:
    Figure 2009531375

    (式中、Xは、OHまたはC1−6アルコキシであり、Xは、パラジウム触媒による置換に感受性の脱離基である)
    に接触させ、
    場合により、臭素置換基の5での置換を開始するのに十分で、かつIaを得るのに十分な温度で、互いに独立に、追加の塩基および/またはパラジウム化合物および/またはホスフィン配位子を加える工程;
    (iii)場合により、Iaを、場合により水を含有する有機溶媒中で水酸化物源と接触させ、結晶性カルボン酸Ibを単離する工程を含む方法。
  2. その第一の塩基が、三級アミンであり、そのパラジウム化合物が、Pd(II)(OAc)であり、そのホスフィン配位子が、トリス−(o−トリル)ホスフィンであり、その有機溶媒が、低級アルコールおよび/またはエーテルであり、その4−置換安息香酸誘導体が、p−ブロモ安息香酸アルキル、p−ヨード安息香酸アルキルまたはp−トリフルオロメタンスルホニルオキシ安息香酸アルキルである、請求項1記載の方法。
  3. その第一の塩基が、トリエチルアミンであり、その4−置換安息香酸誘導体が、p−ブロモ安息香酸エチルであり、その有機溶媒が、水性エタノールであり、その極性有機溶媒が、N−メチル−ピロリドンである、請求項2記載の方法。
  4. その方法が、さらに、
    (i)非極性有機溶媒中の2b:
    Figure 2009531375

    (式中、XはHである)
    の溶液を、ベンジル位のメチル置換基の臭素化を開始するのに十分な温度でフリーラジカル臭素化剤、フリーラジカル開始剤と接触させて、3a:
    Figure 2009531375

    (式中、Xは、Brである)
    の溶液を得る工程;
    (ii)3aのその溶液を、ピラゾールおよび場合により臭化水素を捕捉しうる第二の塩基と接触させる工程;
    (iii)得られた溶液を、水とトルエンの間で分配し、3b:
    Figure 2009531375

    (式中、Xは、−Cである)
    を酸付加塩または遊離塩基として単離する工程を含む、請求項1記載の方法。
  5. その第一の塩基が、トリエチルアミンであり、そのパラジウム化合物が、Pd(II)(OAc)であり、そのホスフィン配位子が、トリス−(o−トリル)ホスフィンであり、その有機溶媒が、水性エタノールであり、その4−置換安息香酸誘導体が、p−ブロモ安息香酸エチルであり、その極性有機溶媒が、N−メチル−ピロリドンであり、その非極性有機溶媒が、シクロヘキサンであり、そのフリーラジカル臭素化剤が、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチル−イミダゾリジン−2,4−ジオンであり、そのフリーラジカル開始剤が、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルペンタンニトリルであり、その第二の塩基が、三塩基性リン酸カリウムである、請求項4記載の方法。
  6. その方法が、さらに、
    (i)2,5−ジメチル−2,5−ジヒドロキシ−ヘキサン(1a):
    Figure 2009531375

    (式中、Xはヒドロキシである)
    とトルエンの溶液を、塩酸水溶液と接触させ、2,5−ジメチル−2,5−ジクロロ−ヘキサン(1b):
    Figure 2009531375

    (式中、Xは、Clである)
    を単離する工程;
    (ii)1bとトルエンの溶液を、ルイス酸と接触させ、2a:
    Figure 2009531375

    (式中、XはHである)
    を単離する工程;
    (iii)2aとカルボン酸の溶液を、求電子的臭素化剤と接触させて、2b:
    Figure 2009531375

    (式中、Xは、Brである)
    を得、これを場合により単離する工程を含む、請求項4記載の方法。
  7. その第一の塩基が、トリエチルアミンであり、そのパラジウム化合物が、Pd(II)(OAc)であり、そのホスフィン配位子が、トリス−(o−トリル)ホスフィンであり、その第一の有機溶媒が、低級アルコールとTHFであり、その4−置換安息香酸誘導体が、p−ブロモ安息香酸エチルであり、その極性有機溶媒が、N−メチル−ピロリドンであり、その第一の非極性有機溶媒が、シクロヘキサンであり、そのフリーラジカル臭素化剤が、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチル−イミダゾリジン−2,4−ジオンであり、その第二の塩基が、三塩基性リン酸カリウムであり、そのルイス酸が、AlClであり、そのカルボン酸が、プロピオン酸であり、その求電子的臭素化剤が、過酸化水素と臭化水素である、請求項6記載の方法。
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