JP2009529596A - ポリイミド硬化触媒 - Google Patents

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Abstract

ポリイミドオリゴマーおよびポリマーを、アリール、アルキル、あるいはアリールアルキルホスフィットなどの、リンベースの触媒の補助によって硬化した。得られた材料は、縮合ポリイミドの所望の高温特性を有していたが、硬化中の水のガス発生が最小であった。ガラス転移の増加、架橋密度、低温硬化被膜構成の改善を含む、新規の特性が得られた。それらの特性は、溶液ベースの塗料、被膜、粉末塗料、予備含浸(プリプレグ)塗料、ラミネート、加圧成形、熱硬化性樹脂の押出し成形への応用において重要である。

Description

本発明は、ポリイミド樹脂組成物に関し、且つ、より詳細には、溶剤ベースの塗料、被膜、粉末塗料、予備含浸塗料(一般に「プリプレグ」塗料として呼称される)、加圧成形、および熱硬化性樹脂の押出し成形に使用されるポリイミド材料組成物に関する。前記組成物は、ポリイミドオリゴマー/ポリマーおよびリンベースの触媒を含む。
ポリイミド樹脂は555℃(1030°F)までの温度に短期間さらしても物理的性質を維持することができる高温耐性樹脂であり、およそ333℃(630°F)までの温度範囲で、長期間使用することができる。ポリイミド樹脂は、縮合ポリイミド樹脂、付加ポリイミド樹脂、熱可塑性ポリイミド(たとえばポリアミドイミドおよびポリエーテルイミド樹脂)およびポリエステルイミド樹脂を含む。これらのすべてのポリマーは、熱および酸化に対する高い安定性と同様に、優れた電気的および物理的特性を有する。この特性の組み合わせのため、それらのポリイミドは航空宇宙、電子工学および様々な他の産業での用途に用いられている。それらの用途において、縮合ポリイミド(ポリアミドイミドおよびポリエステルイミド)の分子量が低く保たれているため、それらは溶液の状態で基板上に適用することができ、熱可塑性の工程が可能になる。
次の加熱(ラミネートあるいは圧力下で成形された物品の場合)は、さらに重合反応を進め、分子量を増加し、製品の最終的な特性を生じさせる。しかしながら、この二番目の反応段階における副産物の水の発生は、ラミネート、成形品および被膜を含む用途に望ましくない多孔性を引き起こす。この欠点は、付加反応によって架橋する溶液にポリイミドを添加することで部分的に無くすことができる。完全にイミド化されたポリイミドは、ボイドの少ないラミネートを作製することができる。なぜならば、閉環は、硬化中に副産物の水が放出されるのを防止するからである。しかしながら、それらの付加ポリイミドは、被膜形成にとって問題があり、合成が困難で、結果として熱特性が低くなり、使用が高価になる。
縮合ポリイミドと付加ポリイミドの両方の制限のため、縮合ポリイミドの所望の高温特性を実現しうる新規のポリイミド材料が望まれており、一方で、最終硬化における水のガス発生の最小化が望まれている。ポリアミドイミド樹脂合成のリンベースの触媒は、1980年代以降の文献で報告され、公知である。それらの用途においては、トリフェニルホスフィット(TPP)が化学量論組成の量でトリメリト酸無水物およびジアミンに添加され、溶液中に過剰なピリジンを添加することによって結果的に反応がさらに促進された。TPPは、カルボン酸基を活性化し、ジアミンによってアミドの形成が達成される。しかしながら、この方法は商業的に広く用いられていない。なぜならば、触媒のコストが高く、ポリマー骨格を合成するためにそれらが大量に要るためである。
TPPはポリエステルおよびポリアミド樹脂の押出し成形において、後に添加されている。彼らの文献、芳香性ホスフィット存在中におけるヒドロキシルおよびカルボン酸PET鎖状末端基の高温反応、Aharoni,S.M.et al, Journal of Polymer Science: Part A, Polymer Chemistry Vol.24, pp. 1281−1296 (1986)、において、著者らは異なる量のTPPをポリエチレンテレフタレート(PET)に添加し、触媒を用いない場合の分子量減成と比較して、分子量が増加していることを見いだした。同様の発見が、ナイロン6,6などのポリアミド樹脂で報告されている。
米国特許第4,749,768号は、リン触媒による加工が可能な熱可塑性芳香性ポリアミドの製造方法について記載している。本特許においては、ジアミンはトリフェニルホスフィットあるいはH3POn酸のいずれかによる触媒によって、ジカルボン酸と縮合する。
日本国特許第2005213387号は、熱硬化性樹脂が0.01−10phrのホスフィットエステル存在下で、揮発性有機化合物の放出が少ない方法について記載している。前記の熱硬化性樹脂系は、スチレンモノマーを有する不飽和ポリエステルである。
発明の概要
本発明によれば、ポリイミド樹脂の硬化を促進するためのリンベースの触媒の利用について記載される。前記触媒の利用は、ガラス転移温度を劇的に上昇させる。本発明の二番目の側面は、前記触媒は水の生成量を最小化し、それによって硬化された基板内でのボイドの生成を最小化することが可能になることである。本発明の三番目の側面は、前記触媒は硬化を加速し、それによってポリアミドイミド樹脂などのポリイミドに必要とされる長い硬化工程を最小化することができることである。そのうえ、前記触媒によって、触媒がないときに必要とされるよりも、硬化工程を行う温度を実質的に低下させることができる。前記の結果が、硬化中の水のガス発生量が最小で、縮合ポリイミドの所望の高温特性を有する新規のポリイミド材料である。
他の目的と特徴を、以下で部分的に明らかにし、部分的に指摘する。
発明の詳細な説明
以下の詳細な記述は、例として、且つ、限定としてではなく、本発明を説明するものである。この説明は、明らかに当業者に本発明を生産し使用することを可能にし、且つ発明の複数の実施態様、適合、変更、選択肢および使用について説明し、現在、本発明を実施する上で最高の方式であると考えている内容を含む。本発明の範囲から逸脱することなく、上記の構成に複数の変更を加えることができ、上の記載あるいは添付図中に示されている中に含まれるすべての事項は説明的なものと解釈され、限定するという意味ではないと意図されている。
本発明において有用なポリイミド樹脂は、一般に、溶剤ベースの塗料、被膜、プレプレグ塗料、ラミネート、加圧成形、及び熱硬化性樹脂の押出し成形に用いられる。それらの樹脂は、縮合ポリイミド、付加ポリイミドおよび熱可塑性ポリイミドを含む。有用なポリイミド樹脂は、ジアミンと二無水物の間の縮合重合によって得られる。ジアミンの限定されない例は、
Figure 2009529596
[式中、
R"は有機基であり、nは少なくとも2であり、且つXは水素、アミノ基あるいは少なくとも1つのアミノ基を有する基を含む有機基である]
を含む。
この目的に有用なジアミンは、化学式
Figure 2009529596
[式中、
R’’’は少なくとも2つの炭素原子(ハロゲン化および非ハロゲン化の両方)、例えば限定されないが、例えば40個までの炭素原子の炭化水素基と、少なくとも2つのアリール残基からなり、それらが1〜10個の炭素原子のアルキレン基、−S−、
Figure 2009529596
等からなるクラスから選択される構成要素の媒介物を介して互いに結合された基とからなるクラスから選択される構成要素であり、かつnは、ここでもまた、少なくとも2である]
によって表現される。
特定の有用なアミンの中で、単独あるいは混合物において、以下のとおりである:
p−キシレンジアミン
ビス(4−アミノ−シクロヘキシル)メタン
ヘキサメチレンジアミン
ヘプタメチレンジアミン
オクタメチレンジアミン
ノナメチレンジアミン
デカメチレンジアミン
3−メチル−ヘプタメチレンジアミン
4,4’−ジメチルヘプタメチレンジアミン
2,11−ジアミノドデカン
1,2−ビス−(3−アミノ−プロポキシ)エタン
2,2−ジメチルプロピレンジアミン
3−メトキシ−ヘキサメチレンジアミン
2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン
2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン
5−メチルノナメチレンジアミン
1,4−ジアミノ−シクロ−ヘキサン
1,12−ジアミノ−オクタデカン
2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール
H2N(CH2)3O(CH2)2O(CH2)3NH2
H2N(CH2)3S(CH2)3NH2
H2N(CH2)3N(CH3)(CH2)3NH2
メタ−フェニレンジアミン
パラ−フェニレンジアミン
4,4’−ジアミノ−ジフェニルプロパン
4,4’−ジアミノ−ジフェニルメタンベンジジン
4,4’−ジアミノ−ジフェニルスルフィド
4,4’−ジアミノ−ジフェニルスルホン
3,3’−ジアミノ−ジフェニルスルホン
4,4’−ジアミノ−ジフェニルエーテル
2,6−ジアミノピリジン
ビス(4−アミノ−フェニル)ジエチルシラン
ビス(4−アミノ−フェニル)ジフェニルシラン
ビス(4−アミノ−フェニル)ホスフィンオキシド
4,4’−ジアミノベンゾフェノン
ビス(4−アミノ−フェニル)−N−メチルアミン
ビス(4−アミノブチル)テトラメチルジシロキサン
1,5−ジアミノナフタレン
3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノ−ビフェニル
3,3’−ジメトキシベンジジン
2,4−ビス(ベータ−アミノ−t−ブチル)トルエントルエンジアミン
ビ(パラ−ベータ−アミノ−t−ブチル−フェニル)エーテル
パラ−ビス(2−メチル−4−アミノ−ペンチル)ベンゼン
パラ−ビス(1,1−ジメチル−5−アミノ−ペンチル)ベンゼン
m−キシリレンジアミン
ポリ(メチレン)ポリアニリン
前記の二無水物は、次の構造
Figure 2009529596
[式中、
Yは有機基であり、且つZ’およびZ"は水素あるいは有機基である。Y’はO、NR、SO2、S、C=O、アルキル、アルキルフルオロあるいは芳香族基であり得る]
で表すことができる。
二無水物の限定されない例は、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、ピロメリット酸二無水物および3,3’、4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(s−、a−およびi−版)を含む。
ポリイミドポリマーの部分集合は、ポリアミドイミド樹脂であり、主に3つの方法のうちの1つで製造される。1つの方法は、カルボン酸無水物と共にポリイソシアネートを使用する。任意のポリイソシアネート、即ち、2つかそれ以上のイソシアネート基を有する任意のイソシアネートを、ブロックトであれ非ブロックトであれ、ポリアミドイミドの製造に用いることができる。たとえば、ブロッキング成分としてフェノールあるいはアルコールを用いたブロックトイソシアネートも用いることができる。一般に、それらはより分子量の大きい最終材料をもたらし、たとえばワニスにおいて、これは利点である。逆に言えば、非ブロックトイソシアネートは、より柔軟性のある最終材料をもたらす。どちらが用いられたかに関わらず、可能な限り多くのブロッキング材料を蒸発分離させねばならず、純粋に反応の観点からすると、どの材料が使われるかに関して利点はない。典型的なブロックトポリイソシアネートはMondur S(商標)であり、それは2,4−および2,6−トリレンジイソシアネートの混合物をトリメチロールプロパンと反応させて、3モルのイソシアネート、1モルのトリメチロールプロパン、および3モルのフェノールの割合で、フェノールによってエステル化することによってブロックさせたものである。他のブロックトポリイソシアネートはMondur SH(登録商標)であり、それは混合型の2,4−および2,6−トリレンジイソシアネートのイソシアネート基を、クレゾールによるエステル化によってブロックさせたものである。有用なポリイソシアネートは、単独もしくは混合物で、以下のものを含む。
テトラメチレンジイソシアネート
ヘキサメチレンジイソシアネート
1,4−フェニレンジイソシアネート
1,3−フェニレンジイソシアネート
1,4−シクロヘキシレンジイソシアネート
2,4−トリレンジイソシアネート
2,5−トリレンジイソシアネート
2,6−トリレンジイソシアネート
3,5−トリレンジイソシアネート
4−クロロ−1,3−フェニレンジイソシアネート
1−メトキシ−2,4−フェニレンジイソシアネート
1−メチル−3,5−ジエチル−2,6−フェニレンジイソシアネート
1,3,5−トリエチル−2,4−フェニレンジイソシアネート
1−メチル−3,5−ジエチル−2,4−フェニレンジイソシアネート
1−メチル−3,5−ジエチル−6−クロロ−2,4−フェニレンジイソシアネート
6−メチル−2,4−ジエチル−5−ニトロ−1,3−フェニレンジイソシアネート
p−キシリレンジイソシアネート
m−キシリレンジイソシアネート
4,6−ジメチル−1,3−キシリレンジイソシアネート
1,3−ジメチル−4,6−ビス−(b−イソシアナトエチル)−ベンゼン
3−(a−イソシアナトエチル)−フェニルイソシアネート
1−メチル−2,4−シクロヘキシレンジイソシアネート
4,4’−ビフェニレンジイソシアネート
3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート
3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネート
3,3’−ジエトキシ−4,4−ビフェニレンジイソシアネート
1,1−ビス−(4−イソシアナトフェニル)シクロヘキサン
4,4’−ジイソシアナト−ジフェニルエーテル
4,4’−ジイソシアナト−ジシクロヘキシルメタン
4,4’−ジイソシアナト−ジフェニルメタン
4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジメチルジフェニルメタン
4,4’−ジイソシアナト−3,3’−ジクロロジフェニルメタン
4,4’−ジイソシアナト−ジフェニルジメチルメタン
1,5−ナフチレンジイソシアネート
1,4−ナフチレンジイソシアネート
4,4’,4"−トリイソシアネート−トリフェニルメタン
2,4,4’−トリイソシアネート−ジフェニルエーテル
2,4,6−トリイソシアネート−1−メチル−3,5−ジエチルベンゼン
o−トリジン−4,4’−ジイソシアネート
m−トリジン−4,4’−ジイソシアネート
ベンゾフェノン−4,4’−ジイソシアネート
ビウレット−トリイソシアネート
ポリメチレン−ポリフェニレン−イソシアネート
カルボン酸の無水物は主にトリメリト酸の無水物を含む。他の可能性のある材料は、トリメリト酸および脱水材料を含む。
2番目のポリアミドイミド樹脂の製造方法は、ジアミンとカルボン酸無水物の塩酸化物を必要とする。これは、Solvay Advanced Polymers, L.L.CからTORLON(登録商標)という名称で販売されているポリアミドイミドポリマーの合成のための好ましい経路である。カルボン酸無水物の塩酸化物は、好ましくはトリメリト酸無水物の塩酸化物である。前記のジアミンは、ODA(オキシジアニリン)およびMDA(メチレンジフェニルジアミン)を含んでいる。
3番目のあまり一般的ではないポリアミドイミド樹脂の製造方法は、有機ジアミンと2等量のカルボン酸無水物との縮合を必要とする。一般に、わずかにモル濃度過剰なカルボン酸無水物および有機ポリアミンが不活性雰囲気中、溶媒と共に、約200℃(392°F)から約245℃(473°F)で加熱される。これはいかなる水の生成も退け、プレポリマーを含有するアミドイミドを形成する。ポリイソシアネートがそこに添加され、混合物が反応し、比較的高い分子量を有するブロックアミド−イミドプレポリマーを形成する。そしてこれが(加熱によって)硬化され、柔軟性のある被膜あるいは塗膜を形成する。
例えば米国特許第3,817,926号に教示されているように、75モルパーセントまでのカルボン酸無水物が、置換もしくは非置換の脂肪族無水物または二酸、例えばシュウ酸、マレイン酸、コハク酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、およびドデカン二酸、ならびに、不飽和材料、例えば数ある中でもマレイン酸、およびフマル酸によって置き換えることができる。前述の酸は、式:
Figure 2009529596
[式中、
R’は二価の飽和あるいは不飽和の脂肪族基、あるいは炭素と炭素の二重結合を含み、且つ約1から40個の炭素原子を有するものである]
で表される。前記の無水物は、式
Figure 2009529596
で表される。
ホスフィット触媒は、樹脂の0.01重量%〜10重量%の範囲で樹脂に添加してよい。前記触媒は、アリール、アリールアルキルあるいはアルキルリンベースの触媒であってよい。ジアリール−あるいはトリアリールホスフィットなどの、アルキルホスフィットはよく作用する。アルキルジアリールホスフィットおよびジアルキルアリールホスフィットもまた、よく作用するはずである。トリフェニルホスフィット(TTP)は、フェノール−あるいはフェノリック様の物質を活性化リン化合物に添加することによって、その場で製造できる。前記の活性化リン化合物は、たとえば三塩化リンあるいは三臭化リンなどの種を含む。
充填材と添加剤もまた、ポリマー基材の中に組み入れることができる。限定されない充填材の例は、二酸化チタン、アルミナ、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、およびガラス繊維を含む。他の添加剤は、増粘剤、可塑剤、流動剤、粘着防止剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤および紫外光安定剤を含む。
塗料用途において、前記のポリイミド溶液を、リン触媒と混合する。前記溶液は、基板、ウェブあるいは複合材料のいずれの上にも直接塗布することができる。次に溶剤を、熱あるいは真空を使って蒸発させ、残った樹脂を、オーブン加熱、誘導加熱、あるいは赤外線源を含む熱を使って硬化させる。
Ultratherm(登録商標)A 828(The P.D.George Co.から入手可能)などの、ポリイミド塗布溶液は、化学的に耐性のある膜が得られるほど充分に硬化するためには、150℃(約300°F)より高い温度が必要である。リン触媒を用いることで、同様のポリイミド材料を125℃(257°F)未満で硬化できる。触媒濃度もまた、硬化が達成される速度に影響を与える。
Tritherm(登録商標) A981(The P.D.George Co.から入手可能)などのポリアミドイミド塗布溶液は化学的に耐性のある膜が得られるほど充分に硬化するためには、240℃(約465°F)より高い温度が必要である。リン触媒を用いることで、同様のポリアミドイミド材料を200℃(392°F)で硬化できる。ここでもまた、触媒濃度もまた、硬化が達成される速度に影響を与える。
リンベースの触媒によって、ガラス転移温度も劇的に影響を与えられる。Tritherm(登録商標) A981(The P.D.George Co.から入手可能)などのポリアミドイミド樹脂は、典型的にはおよそ270〜300℃(約520〜570°F)のガラス転移温度を有する。再加熱の繰り返しによっても、依然として同様のガラス転移温度を示す。リンベースの触媒は、熱可塑特性を劇的に変化させる。400℃(約750°F)までの再加熱の繰り返しでガラス転移が概ね270℃(約520°F)から350℃(約660°F)より高い温度まで上昇する。この劇的な増加は、ソルベーベースのTorlon(登録商標) Al−10を使った場合にも観察された。
Torlon(登録商標) 4203、Solvay Advanced Polymers LLCから入手可能な、3%のチタンと0.5%のフルオロポリマーを含有する非強化ポリアミドイミドなどの押し出し可能な材料の中で、TPP(トリフェニルホスフィット)を、粉末樹脂を製造するために溶剤のストリッピングの前に添加することができる。溶剤除去の後に、樹脂粉末とTPPを配合することも可能であるはずである。また、押し出されたTorlon(登録商標) 4203(全てイミド化された)はTPPで後処理することができ、熱処理でさらに硬化できることが判明した。どちらの方法でも、熱による後処理によってガラス転移および物理的特性が改善した最終硬化部材を得ることができるはずである。
実施例
実施例1:
ガラスパネルに、#80マイヤーバーを用いて、Tritherm(登録商標) A981−Hを塗布した。前記パネルを、サーモトロン強制空気オーブン(Thermotron forced air oven)内で150℃(約302°F)、175℃(347°F)および200℃(392°F)の温度で、15分および30分間、硬化した。硬化被膜は、平均膜厚15ミクロンを有していた。得られた被膜の小片を、ジメチルホルムアミド(DMF)中に入れ、溶解性を測定した。この結果は以下の表Iに含まれる。
実施例2:
100gのTritherm(登録商標) A981−Hに、2gのトリフェニルホスフィット(TPP)を添加する。攪拌棒を使って、前記の試料が均一になるまで混合物を攪拌する。ガラスパネルに、#80マイヤーバーを用いて、前記の試料を塗布した。前記パネルを、サーモトロン強制空気オーブン内で150℃、175℃および200℃の温度で、15分および30分間、硬化した。硬化被膜は、平均膜厚15ミクロンを有していた。得られた被膜の小片を、ジメチルホルムアミド(DMF)中に入れ、溶解性を測定した。この結果もまた、表Iに含まれる。
Figure 2009529596
表1からわかるように、Tritherm A981−Hから製造したポリアミドイミド被膜は、硬化時間および硬化温度にかかわらず、DMFに可溶であった。しかしながら、Tritherm A981−Hを2%のTPPと混合して製造されたポリアミドイミド被膜では、得られた膜は200℃で硬化した場合にDMFには可溶ではなく、175℃で硬化した場合にはほんの一部だけがDMFに可溶であった。150℃で硬化した場合、被膜はDMFに可溶であった。これらの結果は、少量(即ち2%)のTPP添加により、200℃で硬化した場合には化学的耐性のある被膜が製造され、175℃で硬化した場合には部分的に化学的耐性のある被膜が製造されることを示している。しかしながら、TPPを添加しなければ、Trithermは、化学的耐性のある被膜を製造するために、より高い温度および/または長い時間の硬化が必要である。
実施例3
ガラスパネルに、#80マイヤーバーを用いて、Tritherm(登録商標) A981−Hを塗布した。前記パネルを、サーモトロン強制空気オーブン内で200℃(392°F)および260℃(500°F)の温度で30分間、硬化した。硬化被膜は、平均膜厚15ミクロンを有していた。前記被膜のガラス転移温度を示差走査熱分析(DSC)によって測定した。それぞれの試料を、400℃(752°F)に加熱し、室温(25℃あるいは77°F)に冷却し、400℃に再加熱し、再度室温に冷却し、その後、再度400℃に再加熱した。それぞれの熱サイクルの後で、ガラス転移温度を測定した。この結果は表IIに含まれる。
実施例4
100gのTritherm(登録商標) A981−Hに、2gのTPPを添加する。攪拌棒を使って、前記の試料が均一になるまで混合物を攪拌する。ガラスパネルに、#80マイヤーバーを用いて、前記の試料を塗布した。前記パネルを、サーモトロン強制空気オーブン内で200℃および260℃の温度で30分間、硬化した。硬化被膜は、平均膜厚15ミクロンを有していた。前記被膜のガラス転移温度をDSCによって測定した。それぞれの試料を400℃に加熱し、室温(25℃)に冷却し、400℃に再加熱し、再度室温に冷却し、その後、再度400℃に再加熱した。それぞれの熱サイクルの後で、ガラス転移温度を測定した。この結果も表IIに含まれる。
実施例5
100gのTritherm(登録商標) A981−Hに、1gのTPPを添加する。攪拌棒を使って、前記の試料が均一になるまで混合物を攪拌する。ガラスパネルに、#80マイヤーバーを用いて、前記の試料を塗布した。前記パネルを、サーモトロン強制空気オーブン内で260℃の温度で30分間、硬化した。硬化被膜は、平均膜厚15ミクロンを有していた。前記被膜のガラス転移温度をDSCによって測定した。それぞれの試料を400℃に加熱し、室温(25℃)に冷却し、400℃に再加熱し、再度室温に冷却し、その後、再度400℃に再加熱した。それぞれの熱サイクルの後で、ガラス転移温度を測定した。この結果は表IIに含まれる。
実施例6
100gのTritherm(登録商標) A981−Hに、0.5gのTPPを添加する。攪拌棒を使って、前記の試料が均一になるまで混合物を攪拌する。ガラスパネルに、#80マイヤーバーを用いて、前記の試料を塗布した。前記パネルを、サーモトロン強制空気オーブン内で260℃の温度で30分間、硬化した。硬化被膜は、平均膜厚15ミクロンを有していた。前記被膜のガラス転移温度をDSCによって測定した。それぞれの試料を400℃に加熱し、室温(25℃)に冷却し、400℃に再加熱し、再度室温に冷却し、その後、再度400℃に再加熱した。それぞれの熱サイクルの後で、ガラス転移温度を測定した。この結果は表IIに含まれる。
実施例7
100gのTritherm(登録商標) A981−Hに、0.2gのTPPを添加する。攪拌棒を使って、前記の試料が均一になるまで混合物を攪拌する。ガラスパネルに、#80マイヤーバーを用いて、前記の試料を塗布した。前記パネルを、サーモトロン強制空気オーブン内で260℃の温度で30分間、硬化した。硬化被膜は、平均膜厚15ミクロンを有していた。前記被膜のガラス転移温度をDSCによって測定した。それぞれの試料を400℃に加熱し、室温(25℃)に冷却し、400℃に再加熱し、再度室温に冷却し、その後、再度400℃に再加熱した。それぞれの熱サイクルの後で、ガラス転移温度を測定した。この結果は表IIに含まれる。
実施例8
100gのTritherm(登録商標) A981−Hに、2gのジフェニルホスフィット(DPP)を添加する。攪拌棒を使って、前記の試料が均一になるまで混合物を攪拌する。ガラスパネルに、#80マイヤーバーを用いて、前記の試料を塗布した。前記パネルを、サーモトロン強制空気オーブン内で200℃および260℃の温度で30分間、硬化した。硬化被膜は、平均膜厚15ミクロンを有していた。前記被膜のガラス転移温度をDSCによって測定した。それぞれの試料を400℃に加熱し、室温(25℃)に冷却し、400℃に再加熱し、再度室温に冷却し、その後、再度400℃に再加熱した。それぞれの熱サイクルの後で、ガラス転移温度を測定した。この結果は表IIに含まれる。
実施例9
100gのTritherm(登録商標) A981−Hに、1gのDPPを添加する。攪拌棒を使って、前記の試料が均一になるまで混合物を攪拌する。ガラスパネルに、#80マイヤーバーを用いて、前記の試料を塗布した。前記パネルを、サーモトロン強制空気オーブン内で260℃の温度で30分間、硬化した。硬化被膜は、平均膜厚15ミクロンを有していた。前記被膜のガラス転移温度をDSCによって測定した。それぞれの試料を400℃に加熱し、室温(25℃)に冷却し、400℃に再加熱し、室温に冷却し、その後、再度400℃に再加熱した。それぞれの熱サイクルの後で、ガラス転移温度を測定した。この結果は表IIに含まれる。
実施例10
100gのTritherm(登録商標) A981−Hに、0.5gのDPPを添加する。攪拌棒を使って、前記の試料が均一になるまで混合物を攪拌する。ガラスパネルに、#80マイヤーバーを用いて、前記の試料を塗布した。前記パネルを、サーモトロン強制空気オーブン内で260℃の温度で30分間、硬化した。硬化被膜は、平均膜厚15ミクロンを有していた。前記被膜のガラス転移温度をDSCによって測定した。それぞれの試料を400℃に加熱し、室温(25℃)に冷却し、400℃に再加熱し、再度、室温に冷却し、その後、再度400℃に再加熱した。それぞれの熱サイクルの後で、ガラス転移温度を測定した。この結果は表IIに含まれる。
実施例11
ガラスパネルに、#80マイヤーバーを用いて、Torlon(登録商標) Al−10(Solvay)を塗布した。前記パネルを、サーモトロン強制空気オーブン内で260℃の温度で30分間、硬化した。硬化被膜は、平均膜厚15ミクロンを有していた。前記被膜のガラス転移温度を示差走査熱分析(DSC)によって測定した。それぞれの試料を、400℃に加熱し、室温(25℃)に冷却し、400℃に再加熱し、再度室温に冷却し、その後、再度400℃に再加熱した。それぞれの熱サイクルの後で、ガラス転移温度を測定した。この結果は表IIに含まれる。
実施例12
100gのTorlon(登録商標) Al−10に、2gのTPPを添加する。攪拌棒を使って、前記の試料が均一になるまで混合物を攪拌する。ガラスパネルに、#80マイヤーバーを用いて、前記の試料を塗布した。前記パネルを、サーモトロン強制空気オーブン内で260℃の温度で30分間、硬化した。硬化被膜は、平均膜厚15ミクロンを有していた。前記被膜のガラス転移温度をDSCによって測定した。それぞれの試料を400℃に加熱し、室温(25℃)に冷却し、400℃に再加熱し、再度、室温に冷却し、その後、再度400℃に再加熱した。それぞれの熱サイクルの後で、ガラス転移温度を測定した。この結果は表IIに含まれる。
実施例13
Torlon(登録商標) 4203(Solvay)棒の削り屑のガラス転移温度を示差走査熱分析(DSC)によって測定した。それぞれの試料を400℃に加熱し、室温(25℃)に冷却し、400℃に再加熱し、再度、室温に冷却し、その後、再度400℃に再加熱した。それぞれの熱サイクルの後で、ガラス転移温度を測定した。この結果は表IIに含まれる。
実施例14
100gのTorlon(登録商標) 4203棒の削り屑に、5gのTPPを添加する。前記試料はセラミックのミリング用ビーズで混合された。前記粉末のガラス転移温度をDSCによって測定した。それぞれの試料を400℃に加熱し、室温(25℃)に冷却し、400℃に再加熱し、再度、室温に冷却し、その後、再度400℃に再加熱した。それぞれの熱サイクルの後で、ガラス転移温度を測定した。この結果は表IIに含まれる。
Figure 2009529596
上の表に示されている結果は、少なくとも0.5質量%、および0.5〜2質量%(DPPの場合)および0.5〜5質量%(TPPの場合)の範囲の、DPPおよびTPPの添加によって、硬化したポリアミドイミド被膜のガラス転移温度が劇的に上がることを示す。
実施例15
ガラスパネルに、#80マイヤーバーを用いて、Ultratherm(登録商標) A828(The P.D.Geoge Co)を塗布した。前記パネルを、サーモトロン強制空気オーブン内で100℃(212°F)および125℃(257°F)で15および30分、および150℃(302°F)の温度で15分間、硬化した。硬化被膜は、平均膜厚15ミクロンを有していた。得られた被膜の小片を、ジメチルホルムアミド(DMF)中に入れ、溶解性を測定した。この結果は、表IIIに含まれる。
実施例16
100gのUltratherm(登録商標) A828に、2gのトリフェニルホスフィット(TPP)を添加する。攪拌棒を使って、前記の試料が均一になるまで混合物を攪拌する。ガラスパネルに、#80マイヤーバーを用いて、前記の試料を塗布した。前記パネルを、サーモトロン強制空気オーブン内で100℃および125℃の温度で15および30分間、および150℃で15分間、硬化した。硬化被膜は、平均膜厚15ミクロンを有していた。得られた被膜の小片を、ジメチルホルムアミド(DMF)中に入れ、溶解性を測定した。この結果は、表IIIに含まれる。
Figure 2009529596
実施例15および16のデータからわかるように、TTPをポリイミドに添加すると、TPPなしで可能であった温度よりも低い温度で被膜を硬化しても、化学耐性のある被膜が製造できる。150℃で硬化したとき、TTPを含有しない硬化ポリイミド被膜は、部分的に可溶なままであった。しかしながら、TPPを含有するポリイミドは、100℃で15分硬化したとき、部分的に可溶で、125℃で15分硬化したとき可溶(そして、それゆえに化学的に耐性がない)ではなかった。これは、実施例1と2の結果を強化する、即ち、リンベース触媒のポリイミドへの添加によって、化学的に耐性のある被膜あるいは塗膜を製造でき、それらを触媒を使用しないときに所望されるよりも、より低い温度、且つより短時間で硬化させることができる。
上に記載されているように、リン触媒を被膜の製造に利用することで、前記膜中のボイドの形成を減らすはずである。イミドは一般に、アミド酸から形成される。アミド酸は、式
Figure 2009529596
であり、加熱したときにイミドあるいはポリイミドを形成する。公知のように、アミド酸は加熱されたとき、アミド基からの水素およびカルボン酸基からのヒドロキシルがアミド酸分子から分離し、アミド酸がイミド環状構造を形成することが可能になる。それゆえに、イミドの生成工程では水が生じる。従って、得られるポリイミド樹脂は、ポリマー基材の内部に水を含有している。前記の水は、ポリイミドの硬化中に膜中にボイドを形成する傾向がある。
しかしながら、TPPまたはDPPなどのリン触媒をポリイミドに添加した場合、ヒドロキシル基が触媒と結合してフェノールを放出し、それによって水分子の生成が避けられる。フェノールは水のように揮発性ではなく、ポリイミド基材の潜在的な溶剤である。ゆえに、硬化の間に、フェノールは硬化している基材の中をゆっくりと移動して膜から放出され、それによって膜内部のボイドの生成が避けられる。
上記の観点で、TPPおよびDPPなどのリン触媒を後から添加することで、ポリイミド被膜の硬化時間および温度を低下させ、硬化した被膜のガラス転移温度を上昇させ、硬化した被膜中でのボイド生成が減少するはずであることがわかる。
マイヤーバーは塗布装置である。本装置で、Qパネルなどの基板に既知の厚さで塗布を行うことができる。前記の#80は、バーのサイズを指す。異なるサイズを用いれば、異なる厚さの塗膜を適用できる。

Claims (20)

  1. ガラス転移温度が上昇した硬化ポリイミド被膜の製造方法において、
    リン触媒とポリイミドを混合し、その際触媒は、ポリイミド溶液の約0.1質量%から約10質量%の間の量で添加され、
    ポリイミド/触媒の混合物で基板を被覆し、
    被覆された基板を加熱することでポリイミドを硬化し、ポリイミド被膜を形成することを含む方法。
  2. リン触媒をポリイミド溶液の約0.2質量%から約5質量%の量でポリイミドに添加する、請求項1に記載の方法。
  3. リン触媒をポリイミド溶液の約0.5質量%から約5質量%の量でポリイミドに添加する、請求項1に記載の方法。
  4. リン触媒が、アリール、アルールアルキル、アルキルリンベースの触媒、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の方法。
  5. アリールホスフィット触媒が、ジアリールおよびトリアリールホスフィットおよびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項4に記載の方法。
  6. アリールホスフィット触媒が、アルキルジアリールホスフィットおよびジアルキルアリールホスフィットおよびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項4に記載の方法。
  7. 触媒が、ジフェニルホスフィットおよびトリフェニルホスフィットから成る群から選択される、請求項5に記載の方法。
  8. ポリイミド/触媒混合物に、充填材を添加する段階を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 充填材が、二酸化チタン、アルミナ、シリカ、グラファイト、カーボンブラック、ガラス繊維、およびそれらの組み合わせを含んで成る群から選択される、請求項8に記載の方法。
  10. ポリイミド/触媒混合物に、添加剤を添加する段階を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 添加剤が、増粘剤、可塑剤、流動剤、粘着防止剤、帯電防止剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤、紫外光安定剤およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、請求項10に記載の方法。
  12. 被覆された基板を約30分まで加熱する、請求項1に記載の方法。
  13. ポリイミド被膜のガラス転移温度を上昇させる方法において、
    リン触媒とポリイミドを混合し、その際、触媒はポリイミド溶液の約0.1質量%から約10質量%の間の量で添加され、
    ポリイミド/触媒の混合物で基板を被覆し、
    被覆された基板を加熱することでポリイミドを硬化し、ポリイミド被膜を形成することを含む方法。
  14. 触媒が、ジアリールおよびトリアリールホスフィットの群から選択される、請求項13に記載の方法。
  15. 硬化の段階が、100℃より高い温度で行われる、請求項14に記載の方法。
  16. 硬化の段階が、約100℃から約200℃の間の温度で実施される、請求項14に記載の方法。
  17. 硬化の段階が、被覆された基板を約30分まで加熱することを含む、請求項14に記載の方法。
  18. 硬化の段階が、被覆された基板を約15分まで加熱することを含む、請求項14に記載の方法。
  19. ポリイミド被膜硬化の温度と時間を減少させる方法において、
    リン触媒とポリイミドを混合し、その際触媒はポリイミド溶液の約0.1質量%から約10質量%の間の量で添加され、
    ポリイミド/触媒の混合物で基板を被覆し、
    被覆された基板を100℃より高い温度で約30分まで加熱することでポリイミドを硬化することを含む方法。
  20. 硬化ポリイミド被膜内の、ボイド形成を低下させる方法において、
    リン触媒とポリイミドを混合し、その際触媒はポリイミド溶液の約0.1質量%から約10質量%の間の量で添加され、
    ポリイミド/触媒の混合物で基板を被覆し、
    被覆された基板を100℃より高い温度で約30分まで加熱することでポリイミドを硬化することを含む方法。
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