JP2009527511A - 3,4−ジ置換フェニル酢酸および新規な中間体の調製方法 - Google Patents

3,4−ジ置換フェニル酢酸および新規な中間体の調製方法 Download PDF

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Abstract

式(I)、
【化1】
Figure 2009527511

(式中、Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素であり、Rは、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルホニル、またはC〜Cアルキルスルホキシドである)の3,4−ジ置換フェニル酢酸の調製方法であって、式(II)、
【化2】
Figure 2009527511

(式中、Xは、上記と同義であり、R1は、C〜Cアルキルチオである)の2−ハロ−C〜Cアルキルチオベンゼンから出発する方法。
【選択図】なし

Description

発明の詳細な説明
3,4−ジ置換フェニル酢酸、例えば、3−ハロ−4−アルキルチオフェニル酢酸、3−ハロ−4−アルキルスルホニルフェニル酢酸、または3−ハロ−4−アルキルスルホキシドフェニル酢酸は、医薬品および農薬活性成分の調製に有用な中間体である。
文献には既に様々な調製方法が開示されている。
例えば、国際公開第00/58293号パンフレットには、2−クロロメチルチオベンゼンおよびクロロオキソ酢酸エステルから出発して、これらをフリーデル・クラフツアシル化によって変換する4段階法が開示されている。次いで、第2ステップにおいては、水素化ホウ素ナトリウムによる還元が実施される。これに続く第3ステップはアシル化であり、続いてヨウ化サマリウムによる還元が実施され、それによって対応する3,4−ジ置換フェニル酢酸エステルが得られる。
この方法の欠点は、第1ステップにおけるAlClおよび最終ステップにおけるヨウ化サマリウムの量が比較的多量であることと、収率が比較的低いことにある。さらなる欠点は、NaBHを用いて還元を行う過程でHが発生することにある。
同様に、国際公開第02/46173号パンフレットには、2−クロロメチルチオベンゼンとクロロオキソ酢酸エステルとを反応させる方法が開示されている。この第1ステップはやはりフリーデル・クラフツアシル化である。これに続いて加水分解およびヒドラジン水和物によるWolf−Kishner還元が実施される。
この方法においては、第1ステップにおける比較的多量のAlClに加えて最終ステップにおいて比較的多量のヒドラジン水和物が使用されることに加えて、最終ステップの開始時点では温度が−50℃と非常に低いことも同じく非常に不利である。
ヒドラジン水和物の毒性および分解の危険性も非常に不利である。
本発明の目的は、2−ハロアルキルチオベンゼンから出発して、従来の周知の方法の欠点を回避するとともに、所望のフェニル酢酸が高い収率および純度で得られる、3,4−ジ置換フェニル酢酸を調製するための方法を提供することにあった。
予期せぬことに、この目的は、新規な中間体化合物を介する方法によって達成される。
したがって本発明は、式(I)、
Figure 2009527511

(式中、Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素であり、Rは、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルホニル、またはC〜Cアルキルスルホキシドである)の3,4−ジ置換フェニル酢酸を調製するための方法であって、式(II)、
Figure 2009527511

(式中、Xは、上記と同義であり、R1は、C〜Cアルキルチオである)の2−ハロ−C〜Cアルキルチオベンゼンを、
a)触媒の存在下におけるホルムアルデヒドおよびHClを用いたBlanc反応により、式(III)、
Figure 2009527511

(式中、XおよびR1は、それぞれ上記と同義である)の対応する3−ハロ−4−C〜Cアルキルチオベンジルクロリドに変換し、これを、アルカリ金属シアン化物を用いたKolbeニトリル合成によって、式(IV)、
Figure 2009527511

(式中、XおよびR1は、それぞれ上記と同義である)の対応するフェニルアセトニトリルに変換し、続いてこれを、式(Ib)、
Figure 2009527511

(式中、XおよびR1は、それぞれ上記と同義である)のフェニル酢酸に加水分解するかまたは、
b)触媒としての塩化アルミニウム、塩化鉄(III)、塩化スズ(IV)、または塩化亜鉛の存在下における塩化アセチルまたは無水酢酸を用いたフリーデル・クラフツアシル化によって、式(V)、
Figure 2009527511

(式中、XおよびR1は、それぞれ上記と同義である)の対応するアセトフェノンに変換し、これを、硫黄および式HNR2R3(式中、R2およびR3は、それぞれ独立にC〜Cアルキル基であるかまたは一緒になって、O、N、もしくはSの群からのヘテロ原子が挿入されていてもよいC〜Cアルキレン基を形成する)のアミンを用いたWillgerodt−Kindler反応によって、式(VI)、
Figure 2009527511

(式中、X、R1、R2、およびR3は、それぞれ上記と同義である)の対応するチオアミドに変換し、続いてこれを、式(Ib)、
Figure 2009527511

(式中、XおよびR1は、それぞれ上記と同義である)のフェニル酢酸に加水分解し、
適切であれば、a)またはb)の後に、式(Ib)のフェニル酢酸のR1基を酸化することによってC〜CアルキルスルホニルまたはC〜Cアルキルスルホキシド基に変換する、方法を提供するものである。
本発明による方法においては、式(I)の3,4−ジ置換フェニル酢酸が調製される。
式(I)において、Xは、塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素の群からのハロゲン基である。Xは、好ましくは塩素または臭素であり、より好ましくは塩素である。
R基は、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルホニル、またはC〜Cアルキルスルホキシドであってもよい。
〜Cアルキルは、場合により置換されていてもよい1〜4個の炭素原子を有する直鎖または分岐のアルキル基、例えば、メチル、トリフルオロメチル、エチル、i−プロピル、n−プロピル、n−ブチル、tert−ブチル等を意味するものと理解される。
本発明による方法に使用される原料化合物は、式(II)、
Figure 2009527511

(式中、Xは、上記と同義であり、R1は、C〜Cアルキルチオである)の2−ハロ−C〜Cアルキルチオベンゼンである。
これらの化合物は市販されているかまたは先行技術(例えば、国際公開第04/52869号パンフレット、国際公開第03/95438号パンフレット、国際公開第02/46173号パンフレット、または国際公開第00/58293号パンフレット)に従い調製することができる。
変形a)においては、まず、ホルムアルデヒドおよびHClを用いたBlanc反応を触媒の存在下に実施することによって、式(III)の対応する3−ハロ−4−C〜Cアルキルチオベンジルクロリドが得られる。
好適な触媒は、ルイス酸または無機酸、例えば、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、PCl、POCl、硫酸、またはリン酸である。
ホルムアルデヒドは、水溶液としてまたはパラホルムアルデヒドとして使用してもよい。
ホルムアルデヒドの使用量は、式(II)の化合物を基準として1.5〜5当量である。
触媒の使用量は、式(II)の化合物を基準として、0.1〜1当量、好ましくは、0.2〜0.8当量である。
使用される触媒は、好ましくは、塩化亜鉛である。
塩酸は、気体または水溶液として、式(II)の化合物を基準として1.5〜10当量の量で使用してもよい。
このステップの反応温度は、30〜105℃、好ましくは40〜60℃である。
反応完結後に式(III)の3−ハロ−4−C〜Cアルキルチオベンジルクロリドを単離するためには、有機相を除去し、適切であれば水洗し、未変換の出発物質を適切であれば蒸留によって除去する。
所望の化合物を含む残留した蒸留残液は、さらに精製することなくそのまま次のステップに用いてもよい。
適切であればさらに蒸留を行うことによってベンジルクロリドの純度を高めることができる。
次のステップにおいては、ベンジルクロリドを含む第1ステップからの蒸留残液またはさらに精製されたベンジルクロリドのいずれかを原料化合物として使用する。
次いで、第2ステップにおいては、ニトリル−Cl交換が行われ、アルカリ金属シアン化物との反応によって式(IV)の対応するフェニルアセトニトリルが得られる。
好適なアルカリ金属シアン化物は、好ましくはシアン化ナトリウムまたはシアン化カリウムである。
このシアン化物は、ベンジルクロリドを基準として1〜2当量、好ましくは1.01〜1.5当量の量で使用される。
この反応は、適切であれば、相間移動触媒、例えばハロゲン化アンモニウム化合物(例えば、メチルトリブチルアンモニウムクロリドまたはブロミド、テトラブチルアンモニウムクロリドまたはブロミド等)の存在下に実施される。
有用な溶媒は、場合によりハロゲン化された芳香族炭化水素(例えば、トルエン、ベンゼン、キシレン、または場合によりハロゲン化された脂肪族炭化水素)、DMSO、DMF、アセトニトリル、またはNMPを、場合により水と組み合わせたものである。
好ましくは、場合によりハロゲン化された芳香族炭化水素を使用する。より好ましくは、これらを水と組み合わせて使用する。
このステップの反応温度は、40〜110℃、好ましくは60〜90℃である。
反応完了後にニトリルを単離するためには、有機相を除去して、溶媒を好ましくは減圧下に除去する。
所望の化合物を含む残留した蒸留残液は、さらなる精製を行うことなくそのまま次のステップに用いてもよい。
ニトリルの純度は、適切であればさらなる蒸留または結晶化を行うことによって高めることが可能である。
式IVのニトリルは新規なものであり、したがって、本発明の主題のさらなる一部を成し、医薬品および農薬活性成分を調製するためのその使用も同様である。
そして最後に、式(IV)のニトリルが式(Ib)(式中、R1は上記と同義である)のフェニル酢酸に加水分解される。
この加水分解は、慣用の方法で、塩基性条件下(例えばアルカリ金属水酸化物水溶液を用いて)または酸性条件下(HCl、HSO、酢酸等の群からの慣用的な酸を用いて)のいずれかで実施してもよい。
酸性加水分解を実施することが好ましい。この加水分解においては、第2ステップからのニトリルを含む蒸留残液またはさらに精製されたニトリルのいずれかが原料化合物として用いられ、これは、式(IV)の化合物を基準として2〜20、好ましくは5〜15当量の量で酸または酸混合物と混合される。
反応温度は50〜120℃である。
反応完結後、今度は有機相を除去すると、式(Ib)の対応するフェニル酢酸が得られる。抽出による精製を行うことによって最大で95%という高収率および最大で98%という高純度(HPLC)が達成される。
純度は、例えば、エステル(酢酸エチルや酢酸イソプロピル等)からまたはエーテル(例えば、ジイソプロピルエーテルやMTBE等)もしくはエステルおよび脂肪族炭化水素(例えばヘプタン等)の混合物から再結晶させることによって99.5%(HPLC)超まで高めることができる。
変形b)においては、まず、触媒としてのルイス酸(例えば、塩化アルミニウム、塩化鉄(III)、塩化スズ(IV)、または塩化亜鉛)または無機酸の存在下に、塩化アセチルまたは無水酢酸を用いてフリーデル・クラフツアシル化を実施することにより、式(V)の対応するアセトフェノンが得られる。
塩化アセチルまたは無水酢酸は、式(II)の化合物を基準として1〜3当量、好ましくは1.1〜2当量の量で使用される。
触媒の量も同様に、式(II)の化合物を基準として1〜3当量、好ましくは1.1〜2当量である。
使用される触媒は、好ましくは塩化アルミニウムである。好適な溶媒は、場合によりハロゲン化された脂肪族炭化水素、例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等である。
反応温度は、5〜40℃、好ましくは15〜30℃である。
水系後処理(aqueous workup)を行った後は、式(V)の対応するアセトフェノンが最大100%(GC)の純度で得られる。
次のステップにおいては、硫黄および式HNR2R3(式中、R2およびR3は、それぞれ独立にC〜Cアルキル基であるかまたは一緒になって、O、N、もしくはSの群からのヘテロ原子が挿入されていてもよいC〜Cアルキレン基を形成する)のアミンを用いたWillgerodt−Kindler反応によって、アセトフェノンが式(VI)の対応するチオアミドに変換される。
硫黄およびアミンは、アセトフェノンを基準として1.5〜3当量、好ましくは1.8〜2.5当量の量で使用される。
好適なアミンは、例えば、モルホリン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジブチルアミン、ピロリジン、ピペリジン等である。
反応温度は使用されるアミンに依存し、100〜180℃、好ましくは120〜150℃である。
反応完結後、反応混合物は冷却され、さらなる精製ステップを経ることなく次のステップに使用することが可能である。
適切であれば、式(VI)の対応するチオアミドを水系後処理し、再結晶させることによってさらに精製することができる。
式VIのチオアミドは新規なものであり、したがって、本発明の主題のさらなる一部を成し、医薬品および農薬活性成分の調製のためのその使用も同様である。
最後に、変形a)と同様に、式(VI)のチオアミドが式(Ib)(式中、R1は、上記と同義である)のフェニル酢酸に加水分解される。
この加水分解は、今度は慣用的な方法で、塩基性条件下(例えば、アルカリ金属水酸化物水溶液を用いて)または酸性条件下(酢酸、HCl、HSO等、またはこれらの組合せの群からの慣用的な酸を用いて)において実施してもよい。
好ましくは、酢酸による加水分解を実施する。反応温度は、80〜180℃、好ましくは100〜150℃である。
反応完結後、抽出による精製を行うことにより、式(Ib)の対応するフェニル酢酸が最大95%の高収率および最大98%(HPLC)の高純度で得られる。
純度は、エステル(例えば、酢酸エチルや酢酸イソプロピル等)からまたはエーテル(例えば、ジイソプロピルエーテルやMTBE等)もしくはエステルおよび脂肪族炭化水素(例えばヘプタン等)の混合物から再結晶させることによって99.5%(HPLC)超まで高めることができる。
式(I)(式中、Rは、C〜CアルキルスルホニルまたはC〜Cアルキルスルホキシドである)のフェニル酢酸に到達するためには、変形a)またはb)によって得られる式(Ib)のフェニル酢酸のアルキルチオ基を、例えば、国際公開第04/52869号パンフレット、国際公開第03/95438号パンフレット、国際公開第02/46173号パンフレット、または国際公開第00/58293号パンフレットに記載されている慣用の方法で酸化することによって、対応するアルキルスルホニル基に変換する。
[実施例1:変形a)]
[ステップ1:2−クロロチオアニソールから出発する3−クロロ−4−メチルチオベンジルクロリドの調製(Blanc反応)]
2−クロロチオアニソール(200g、1.26mol、1.00eq.)、パラホルムアルデヒド(126g、4.20mol、3.33eq.)、ZnCl(75.6g、0.55mol、0.44eq.)、および塩酸(630ml、HO中37%)の混合物を50℃で21時間撹拌した。有機相を除去し、水洗し、蒸留することによって未変換の2−クロロチオアニソール(82.4g、0.52mol、41%)を除去した。残留した蒸留残液は、大部分が3−クロロ−4−メチルチオベンジルクロリド(123.6g、純度83.2%(HPLC)、0.50mol、収率39%)から構成され、これをそのまま次のステップに使用した。3−クロロ−4−メチルチオベンジルクロリドを蒸留することによってこの物質の純度をさらに高めることが可能であることもわかった(純度:98.3a%(GC))。
[ステップ2:3−クロロ−4−メチルチオベンジルクロリドから出発する3−クロロ−4−メチルチオフェニルアセトニトリルの調製(Kolbeニトリル合成)]
3−クロロ−4−メチルチオベンジルクロリド(100g、0.483mol、1.00eq.)、NaCN(24.9g、0.507mol、1.05eq.)、メチルトリブチルアンモニウムクロリド(3.80g、0.012mol、HO中75%)、HO(83ml)、およびトルエン(150ml)の混合物を80℃で4.5時間撹拌した。有機相を除去し、溶媒を減圧下で除去した。3−クロロ−4−メチルチオフェニルアセトニトリルのゆっくりと結晶化する暗赤色の溶融物(104.9g、純度:85.84a%(GC)、0.455mol、収率:94%)を得、さらなる精製ステップを実施することなく次のステップに用いた。
少量の粗生成物をクーゲルロール蒸留することにより、分析試料としての3−クロロ−4−メチルチオフェニルアセトニトリルを暗黄色固体の形態で得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ=2.47(2,3H,SCH),3.69(s,2H,2−H),7.12(d,1H,5’−H),7.20(dd,1H,6’−H),7.27(d,1H,2’−H)。13C NMR(75MHz,CDCl):δ=15.2(SCH),22.6(C−2),117.3(C−1),125.5(arom.),126.7(arom.),127.3(arom.),128.7(arom.),132.1(arom.),138.2(arom.)。MS:m/z(%)=199,197(100)[M],162(49),150(48)。
[ステップ3:3−クロロ−4−メチルチオフェニルアセトニトリルから出発する3−クロロ−4−メチルチオフェニル酢酸の調製]
3−クロロ−4−メチルチオフェニルアセトニトリル(90.0g、0.455mol、1.00eq.)および塩酸(500ml、HO中37%)の混合物を100℃で5時間撹拌した。有機相を除去し、抽出による精製を行うことにより、3−クロロ−4−メチルチオフェニル酢酸(95.0g、純度:97.2a%)(HPLC 0.426mol、収率:94%)を淡褐色固体の形態で得た。酢酸イソプロピルから再結晶させることにより純度をさらに高め、3−クロロ−4−メチルチオフェニル酢酸をベージュ色固体の形態で得た(純度:99.5a%(HPLC))。
[実施例2:変形b)]
[ステップ1:2−クロロチオアニソールから出発する3−クロロ−4−メチルチオアセトフェノンの調製(フリーデル・クラフツアシル化)]
0℃に冷却した2−クロロチオアニソール(7.93g、50.0mmol、1.00eq.)およびAlCl(10.7g、80.0mmol、1.60eq.)のCHCl(100ml)中溶液に塩化アセチル(5.10g、65mmol、1.30eq.)を30分以内で滴下した。次いで、この混合物を23℃で21時間撹拌した。水系後処理を行うことにより、3−クロロ−4−メチルチオアセトフェノンを灰色固体の形態で得た(6.08g、純度:100.0a%(GC)、30.3mmol、収率:61%)。
[ステップ2:3−クロロ−4−メチルチオアセトフェノンから出発する3−クロロ−4−メチルチオフェニル酢酸チオモルホリドの調製(Willgerodt−Kindler反応)]
3−クロロ−4−メチルチオアセトフェノン(6.08g、30.3mmol、1.00eq.)、硫黄(1.94g、60.6mmol、2.00eq.)、およびモルホリン(5.28g、60.6mmol、2.00eq.)の混合物を135℃で6時間撹拌した。反応時間が終了した後、混合物を冷却し、さらなる精製ステップを行うことなく次のステップに使用した。
少量の反応混合物を水系後処理し、粗生成物をEtOHから再結晶させることにより、3−クロロ−4−メチルチオフェニル酢酸チオモルホリドの分析試料を黄色固体の形態で得た。H NMR(300MHz,CDCl):δ=2.40(s,3H,SCH),3.46−3.49(m,2H,3’’−H),5.59−3.64(m,2H,5’’−H),3.71−3.77(m,2H,2’’−H),4.27(s,2H,2−H),4.30−4.35(m,2H,6’’−H),7.12(d,1H,5’−H),7.24(dd,1H,6’−H),7.31(d,1H,2’−H)。13C NMR(75MHz,CDCl):δ=15.1(SCH),49.3,50.1,50.8(C−2,C−2’’,C−6’’),66.4,66.5(C−3’’,C−5’’),125.9(arom.),126.7(arom.),128.7(arom.),132.1(arom.),133.4(arom.),136.6(arom.),199.1(C−1)。MS:m/z(%)=303,301(83)[M],214(51),171(36),130(100),86(53)。
[ステップ3:3−クロロ−4−メチル−チオフェニル酢酸チオモルホリドから出発する3−クロロ−4−メチルチオフェニル酢酸の調製]
3−クロロ−4−メチルチオフェニル酢酸チオモルホリド合成からの反応混合物を酢酸(100ml)と混合し、120℃に加熱した。塩酸(50ml、HO中37%)を加えた後、混合物を120℃でさらに6時間撹拌した。抽出による精製を行うことにより、3−クロロ−4−メチルチオフェニル酢酸を淡褐色固体の形態で得た。酢酸イソプロピルから再結晶することにより純度をさらに高め、3−クロロ−4−メチルチオフェニル酢酸をベージュ色固体の形態で得た。

Claims (12)

  1. 式(I)、
    Figure 2009527511

    (式中、Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素であり、Rは、C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルキルスルホニル、またはC〜Cアルキルスルホキシドである)の3,4−ジ置換フェニル酢酸の調製方法であって、式(II)、
    Figure 2009527511

    (式中、Xは、上記と同義であり、R1は、C〜Cアルキルチオである)の2−ハロ−C〜Cアルキルチオベンゼンを、
    a)触媒の存在下におけるホルムアルデヒドおよびHClを用いたBlanc反応により、式(III)、
    Figure 2009527511

    (式中、XおよびR1は、それぞれ上記と同義である)の対応する3−ハロ−4−C〜Cアルキルチオベンジルクロリドに変換し、これを、アルカリ金属シアン化物を用いたKolbeニトリル合成によって、式(IV)、
    Figure 2009527511

    (式中、XおよびR1は、それぞれ上記と同義である)の対応するフェニルアセトニトリルに変換し、続いてこれを、式(Ib)、
    Figure 2009527511

    (式中、XおよびR1は、それぞれ上記と同義である)のフェニル酢酸に加水分解するかまたは、
    b)触媒としての触媒酸または無機酸の存在下における塩化アセチルまたは無水酢酸を用いたフリーデル・クラフツアシル化によって、式(V)、
    Figure 2009527511

    (式中、XおよびR1は、それぞれ上記と同義である)の対応するアセトフェノンに変換し、これを、硫黄および式HNR2R3(式中、R2およびR3は、それぞれ独立にC〜Cアルキル基であるかまたは一緒になって、O、N、もしくはSの群からのヘテロ原子が挿入されていてもよいC〜Cアルキレン基を形成する)のアミンを用いたWillgerodt−Kindler反応によって、式(VI)、
    Figure 2009527511

    (式中、X、R1、R2、およびR3は、それぞれ上記と同義である)の対応するチオアミドに変換し、続いてこれを、式(Ib)、
    Figure 2009527511

    (式中、XおよびR1は、それぞれ上記と同義である)のフェニル酢酸に加水分解し、
    適切であれば、a)またはb)の後に、式(Ib)のフェニル酢酸のR1基を酸化することによってC〜CアルキルスルホニルまたはC〜Cアルキルスルホキシド基に変換する、方法。
  2. 前記Blanc反応に使用される前記触媒が、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、PCl、POCl、硫酸、またはリン酸である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記Kolbeニトリル合成が、相間移動触媒の存在下に実施される、請求項1に記載の方法。
  4. 前記Kolbeニトリル合成が、溶媒としての場合によりハロゲン化された芳香族または脂肪族炭化水素と水との組合せ中で実施される、請求項1に記載の方法。
  5. 前記フリーデル・クラフツアシル化が、場合によりハロゲン化された脂肪族溶媒中で実施される、請求項1に記載の方法。
  6. 前記Willgerodt−Kindler反応における前記アミンとして、モルホリンが使用される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記加水分解が、変形a)およびb)の両方において、酸性加水分解によって実施される、請求項1に記載の方法。
  8. 変形a)またはb)によって得られる式(Ib)の前記フェニル酢酸の純度が、エステルもしくはエステル/脂肪族炭化水素混合物からまたはエーテルから再結晶させることによって99.5%超まで高められる、請求項1に記載の方法。
  9. 式(IV)、
    Figure 2009527511

    (式中、Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素であり、R1は、C〜Cアルキルチオである)のフェニルアセトニトリル。
  10. 医薬品および農薬活性成分を調製するための、請求項9に記載の化合物の使用。
  11. 式(VI)、
    Figure 2009527511

    (式中、Xは、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素であり、R1は、C〜Cアルキルチオであり、R2およびR3は、それぞれ独立にC〜Cアルキル基であるかまたは一緒になってC〜Cアルキレン基を形成する)のチオアミド。
  12. 医薬品および農薬活性成分を調製するための、請求項11に記載の化合物の使用。
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