JP4490543B2 - α−アミノケトン類の製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、農医薬中間体として有用なα−アミノケトン類を工業的に有利に製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
α−アミノケトン類は、β−アミノアルコールや含窒素ヘテロ環合成原料として有用であるが、その構造から酸性条件以外では不安定であるため、合成法は限られたものとなる。
【0003】
かかるアミノケトン類の現実的な合成法としては、
▲1▼α−ハロケトンへのDelepineあるいはGabriel反応(Justus Liebigs Ann. Chem., 61, 599 (1956).)、
▲2▼オキシムのスルホニルエーテルをアルコール溶媒中アルコラートで処理する方法(Synthesis, 1973, 215.)、
▲3▼アミンやイミンをハロゲン化して▲2▼と同様に処理する方法(Farmaco, Ed Sci., 20, 97 (1965).)、
▲4▼α−オキシムケトンを還元する方法(J. Org. Chem., 28, 3106 (1961).)、
▲5▼α−アミノ酸やα−ハロ酸を、α−フタルイミド酸などのα−(保護アミノ)酸としてこれらから得られるα−(保護アミノ)ケトンから誘導する方法(Tetrahedron Lett.,28, 611 (1987).)、などが知られている。
【0004】
しかしながら、上記▲1▼のα−ハロケトンを原料とする方法は、ケトンをハロゲン化するか、α−ハロ酸へのFreidel−Crafts反応を行うものであるが、α−ハロケトンは人体に刺激性であること、さらにハロゲン原子をフタルイミド基やヘキサメチレンテトラミン残基に変換したのち、これらの基を加水分解してアミノ基とする際に、基質中の他の官能基が影響を受ける場合がある。
【0005】
▲2▼の方法は強塩基性の反応であるため、塩基性条件において不安定な基質中の他の官能基に影響する場合が多く一般性に乏しい。また、高価な塩基や溶媒を大量に用いる必要があるため工業的に不利である。
【0006】
▲3▼の方法についても▲2▼と同様の問題点があり、▲4▼の方法の場合は、α−オキシムケトンを得るために、取り扱いに危険が伴う亜硝酸塩やエステルを使用しなければならない。また、▲5▼の方法は保護基を用いるため工程数が多くなる。しかも、この方法はカルボン酸をケトンに変換する際にFriedel−Crafts反応が必要であるが、この反応に安定であり、かつ酸性条件で効率よく脱保護可能である実用的な保護基がないという問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、かかる実状に鑑み、工業的に有利なα−アミノケトン類の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、α-アミノケトン類の工業的な製造方法について鋭意研究した結果、オキシム化合物を原料として用い、相間移動触媒の存在下に、塩基および低級アルコールを作用させることにより、相間移動触媒反応が円滑に進行し、目的とするα−アミノケトン類を効率よく製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、一般式(II)
【化3】
(式中、R1、R2およびR2’は、同一または相異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリ−ル基、置換基を有していてもよいヘテロアリ−ル基または置換基を有していてもよいアラルキル基を表し、R3は脱離基を示す。)
で表わされる化合物を、相間移動触媒の存在下に、塩基および低級アルコールを反応させた後、酸で処理することを特徴とする一般式(I)
【0010】
【化4】
【0011】
(式中、R1、R2およびR2’は前記と同じ意味を表す。)
で表わされるα−アミノケトン化合物の製造方法を提供する。
【0012】
本発明においては、塩基として、金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる1種を用いるのが好ましい。
【0013】
本発明によれば、工業的に有利にα−アミノケトン類を製造することが可能となる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の製造方法において、原料化合物である前記一般式(II)において、R1、R2およびR2’は、同一または相異なって、水素原子、置換基を有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアリ−ル基、置換基を有していてもよいヘテロアリ−ル基または置換基を有していてもよいアラルキル基を表す。
【0015】
前記置換基を有していてもよいアルキル基のアルキル基としては、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロペンチル、シクロヘキシル、オクチル、エイコサニル等の炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。
【0016】
前記置換基を有していてもよいアリ−ル基のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基などが挙げられる。
【0017】
前記置換基を有していてもよいヘテロアリ−ル基のヘテロアリール基としては、2−ピリジル基、3−ピリジル基、4−ピリジル基、2−イミダゾリル基、4−イミダゾリル基、5−イミダゾリル基、3−ピラゾリル基、4−ピラゾリル基、5−ピラゾリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、キノリル基等が挙げられる。
【0018】
また、置換基を有していてもよいアラルキル基のアラルキル基としては、ベンジル基、フェネチル基、3−フェニルプロピル基、ジフェニルメチル基などが挙げられる。
【0019】
上記アルキル基、アリ−ル基、ヘテロアリ−ル基、アラルキル基は、1〜3個の同一または相異なる置換基を有していてもよい。
かかる置換基としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル等のC1-6アルキル基、
メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、t−ブトキシ、ペンチルオキシ等のC1-6アルコキシ基を挙げることができる。
【0020】
R3は脱離基を表す。かかる脱離基としては、例えば、炭素数1〜8のアルキルカルボニル基、アルケニルカルボニル基、炭素数7〜13のアラルキルカルボニル基、アラルケニルカルボニル基、置換されていてもよいアリールカルボニル基、炭素数1〜18のアルカンスルホニル基、炭素数7〜12のアラルキルスルホニル基および置換されていてもよいアリールスルホニル基などが挙げられる。
【0021】
前記炭素数1〜8のアルキルカルボニル基あるいはアルケニルカルボニル基としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、イソブチリル、ピバロイル、ヘキサノイル、オクタノイル、シクロヘキサンカルボニル、アクリロイル、プロピオロイル、メタクリロイル、クロトノイル基などが挙げられる。
【0022】
炭素数7〜13のアラルキルカルボニルもしくはアラルケニルカルボニル基としては、フェニルアセチル、β-フェニルプロピオニル、シンナミル、2-(1-ナフタレン)プロピオニルなどが挙げられる。
【0023】
置換基を有していてもよいアリールカルボニル基のアリールカルボニルとしてはベンゾイル、1−ナフトイル、2−ナフトイルなどが挙げられる。
炭素数1〜18のアルカンスルホニル基としては、メタンスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブタンスルホニル、シクロヘキサンスルホニル、オクタデシルスルホニルなどが挙げられる。
【0024】
炭素数7〜12のアラルキルスルホニル基としては、α−ベンジルスルホニル、2−(1−ナフチルエチル)スルホニルなどが挙げられる。
また、置換されていてもよいアリールスルホニル基としては、ベンゼンスルホニル、1-ナフタレンスルホニル、2−ナフタレンスルホニルなどが挙げられる。
【0025】
前記置換されていてもよいアリールスルホニル基、置換されていてもよいアリールカルボニル基は、それぞれ1〜3個の同一または相異なる置換基を有していてもよい。
【0026】
かかる置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、
メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル等の炭素数1〜6のアルキル基、
メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、t−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシなどの炭素数1〜6のアルコキシ基などを挙げることができる。
【0027】
一般式(II)で示される化合物は、例えばSynthesis.,1982, 946.に記載された方法に従って、対応するケトキシムを酸ハライドあるいは酸無水物等と反応させることで容易に得ることができる。
【0028】
本発明で用いる塩基としては、金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる1種を用いるのが好ましい。
【0029】
アルカリ金属アルコキシドとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属の炭素数1〜6のアルコキシドが好ましい。金属アルコキシドとして、例えば、リチウムメトキシド、リチウムエトキシド、リチルムイソプロポキシド、リチウム t−ブトキシド、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、ナトリウムイソプロポキシド、ナトリウムブトキシド、ナトリウム t−ブトキシド、カリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムイソプロポキシド、カリウム t−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドなどが挙げられる。
【0030】
アルカリ土類金属アルコキシドとしては、マグネシウム、カルシウムなどのアルカリ土類金属の炭素数1〜6のアルコキシドが好ましい。アルカリ土類金属アルコキシドとして、例えば、マグネシウムメトキシド、マグネシウムエトキシド、マグネシウムイソプロポキシド、マグネシウム t−ブトキシド、カルシウムメトキシド、カルシウムエトキシドなどが挙げられる。
【0031】
アルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどが挙げられ、アルカリ土類金属としては、例えば、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
【0032】
アルカリ金属水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられ、アルカリ土類金属水酸化物としては、水酸化マグネシウム、水酸化カルシウムなどが挙げられる。本発明においては、これら塩基の一種あるいは二種以上を組み合わせて用いることができる。
【0033】
本発明に用いることのできる相間移動触媒としては、例えば、テトラ−N−エチルアンモニウムクロリド、トリオクチルメチルアンモニウムクロリド、テトラ−N−ブチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド等の4級アンモニウム塩、
トリトンB等の4級アンモニウム水酸化物、
18−クラウン−6等のクラウンエーテル類、
テトラブチルホスホニウムクロリド、ベンジルトリフェニルホスホニウムクロリド等のホスホニウム化合物が挙げられる。
【0034】
また、本発明に使用できる低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノールなどの炭素数1〜6のアルコールが挙げられる。
【0035】
本発明に係る反応は以下のように行うことが出来る。
一般式(II)で表される化合物、低級アルコールおよび相間移動触媒の不活性溶媒溶液と、塩基とを混合して得られる反応混合液を、5℃〜沸点まで好ましくは10〜60℃で1〜48時間好ましくは4〜18時間攪拌する。
【0036】
その後、▲1▼反応混合液と酸を反応させるか、▲2▼反応混合液に水を加え、分液して得られた不活性溶媒溶液を酸と反応させるか、または、▲3▼反応混合液をろ過・分液して得られた不活性溶媒溶液を酸と反応させるかのいずれかの方法により目的化合物を得ることができる。
【0037】
上記▲1▼〜▲3▼の反応は、−20℃〜沸点までの温度範囲、好ましくは5〜40℃で1〜48時間、好ましくは4〜18時間攪拌して行われる。この場合、低級アルコール、相間移動触媒および塩基の不活性溶媒の溶液を調製し、その後、一般式(II)で表される化合物を加えて反応させることもできる。
【0038】
本発明では、反応混合液中に、前述したような低級アルコールを存在させることにより反応を進行させることができる。低級アルコールの使用量は、一般式(II)で表される化合物に対して1〜10当量、好ましくは2〜5当量である。
【0039】
本発明に使用する不活性溶媒としては、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、アイソパーE等の炭化水素系溶媒、クロロホルム、クロロベンゼン等の塩素系溶媒を挙げることができる。
【0040】
相間移動触媒としては前述したものを用いることができるが、その使用量は一般式(II)で表される化合物に対して0.001〜1当量、好ましくは0.01〜0.1当量である。
【0041】
塩基としては前述したものを用いることができるが、これらの塩基は固体または溶液で用いることができる。溶液として用いる場合は、メタノール、エタノール、水などに溶解して用いることができ、水を用いることが好ましい。
【0042】
溶液で用いる場合の塩基の濃度は30%〜その塩基の飽和濃度である。固体の場合は、固体(粉)で反応系に添加、あるいは塩基の不活性溶媒スラリーを添加する。スラリー状で用いる場合、用いる不活性溶媒としては前記の不活性溶媒を使用することができる。これらの塩基は、一般式(II)で表される化合物の2〜10当量、好ましくは3〜5当量使用する。
【0043】
本発明においては、前記一般式(II)で表される化合物を相関移動触媒の存在下に、塩基及び低級アルコールを作用させたのちに、酸処理を行う。
【0044】
用いることのできる酸としては、酢酸、塩化水素、硫酸等の一般的な酸であれば特に制限はなく、それらの水溶液が適宜使用できるが、使用し易さの面からは塩酸が好ましい。使用量は塩基の1〜2当量である。酸濃度は5%〜その酸の飽和濃度の範囲であるのが好ましい。酸処理の温度は、通常−10℃〜100℃、好ましくは0℃〜50℃である。
【0045】
反応終了後は、通常の有機合成化学的手法による分離・精製を行うことにより、目的物である一般式(I)で表される化合物を得ることができる。一般式(I)において、R1、R2およびR2 ’は、前記一般式(II)で表される化合物において列記したものと同様なものを例示することができる。
【0046】
また、一般式(I)で表される化合物は通常塩の形で単離することができる。かかる塩としては、酸処理を行う際に用いられた酸の塩が一般的であり、塩交換反応により他の塩に誘導することもできる。一般式(I)で表される化合物の塩としては、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の鉱酸の塩、酢酸、シュウ酸などの有機酸の塩などが挙げられる。
【0047】
反応生成物の構造は、NMR、IR、マススペクトルなどの各種スペクトルを測定することにより決定することができる。
【0048】
【実施例】
次に参考例と実施例を挙げ、本発明をさらに詳細に説明する。本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で、一般式(II)で表される化合物、相関移動触媒、塩基、低級アルコール、反応溶媒の種類および使用量、反応温度などを適宜選択することができる。
【0049】
実施例1
2−アミノ−1−フェニルエタン−1−オン塩酸塩の製造
【0050】
【化5】
【0051】
53%苛性カリ水溶液(8.6g:80mmol)、メタノール(4ml:0.1mmol)、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロミド(0.1g:0.3mmol)のトルエン10ml溶液に、1−トシルオキシイミノ−1−フェニルエタン(25mmol:対応するアセトフェノン3gから参考例に従って合成し、そのトルエン溶液をそのまま使用)トルエン溶液40mlを1時間かけて15℃で滴下した。30℃に昇温してさらに6時間反応させた後、ろ過・分液した。分取した有機層を濃塩酸(7ml)に5℃で30分間かけて攪拌下に滴下した。滴下終了後さらに3時間攪拌したのち、この混合溶液を乾燥させて粗結晶(3.5g:収率70%)を得た。このものをエタノール(30ml)から再結晶して、表記化合物2.1g(収率51%)を得た。
【0052】
実施例2
2−アミノ−1−フェニル−4−メチルペンタン−1−オン塩酸塩の製造
【0053】
【化6】
【0054】
50%苛性ソーダ水溶液(12g:0.15mol)、メタノール(7ml:0.17mol)、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロミド(0.62g:1.9mmol)のベンゼン15ml溶液に、15℃で1−トシルオキシイミノ−1−フェニル−4−メチルペンタン(38.37mmol:対応する1−フェニル−4−メチルペンタン−1−オン7.0gから参考例に従って合成し、得られたベンゼン溶液をそのまま使用)ベンゼン溶液60mlを1時間かけて15℃で滴下した。40℃に昇温してさらに6時間反応させた後、水40mlを加え、分液した。分取した有機層を濃塩酸(7ml)に5℃で30分間で攪拌下に滴下した。滴下終了後さらに3時間攪拌したのち、析出した結晶をろ過・乾燥して表記の化合物を得た(7.7g:収率88%)。
【0055】
実施例3
2−アミノ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン塩酸塩の製造
【0056】
【化7】
【0057】
50%苛性ソーダ水溶液(32g:0.4mol)、メタノール(16ml:0.32mol)、テトラ-n-ブチルアンモニウムブロミド(0.8g:2.5mmol)mおよびベンゼン40mlの混合溶液に、1−トシルオキシイミノ−1,2−ジフェニルエタン(0.1mol:対応する1,2−ジフェニルエタン−1−オン19.6gから参考例に従って合成し、得られたベンゼン溶液をそのまま使用)ベンゼン溶液160mlを1時間かけて15℃滴下した。20℃でさらに6時間反応させた後、水100mlを加え分液した。分取した有機層を濃塩酸(18ml)に5℃で30分間かけて攪拌下に滴下した。滴下終了後さらに3時間攪拌したのち、析出した結晶をろ過・乾燥して表記の化合物を得た(12.0g:収率51%)。
【0058】
実施例4
2−アミノ−1−(4−クロロフェニル)プロパン−1−オン塩酸塩の製造
【0059】
【化8】
【0060】
50%苛性ソーダ水溶液(30g:0.37mol)、メタノール(16ml:0.32mol)、50%ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(1.7g:3.7mmol)とトルエン(25ml)の混合溶液に、1−トシルオキシイミノ−1−(4−クロロフェニル)プロパン(0.12mol:対応する1−(4−クロロフェニル)プロパン−1−オン20gから参考例に従って合成し、得られたトルエン溶液をそのまま使用)トルエン溶液220mlを1時間かけて15℃で滴下した。20℃でさらに3時間反応させた後、水100mlを加え、分液した。分取した有機層を4%塩酸(160ml)に5℃で30分間かけて攪拌下に滴下した。反応混合物のスラリーを分析したところ、表題の化合物18g(収率82%)が得られたことがわかった。
【0061】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、α−アミノケトン類を工業的に安価で効率的に製造することができる。
Claims (2)
- 前記塩基として、金属アルコキシド、アルカリ土類金属アルコキシド、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ土類金属炭酸塩、アルカリ金属水酸化物およびアルカリ土類金属水酸化物からなる群から選ばれる1種を用いる、
請求項1記載のα-アミノケトン類の製造方法。
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