JPH08176103A - アジリジンケトンの製造方法 - Google Patents

アジリジンケトンの製造方法

Info

Publication number
JPH08176103A
JPH08176103A JP32284094A JP32284094A JPH08176103A JP H08176103 A JPH08176103 A JP H08176103A JP 32284094 A JP32284094 A JP 32284094A JP 32284094 A JP32284094 A JP 32284094A JP H08176103 A JPH08176103 A JP H08176103A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solvent
ether
producing
formula
general formula
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP32284094A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinzo Seko
信三 世古
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Chemical Co Ltd filed Critical Sumitomo Chemical Co Ltd
Priority to JP32284094A priority Critical patent/JPH08176103A/ja
Publication of JPH08176103A publication Critical patent/JPH08176103A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】 一般式(3) で示されるα,βー不飽和ケトンをO−アルキルヒドロ
キシルアミンまたはその塩と反応させてβーアルコキシ
アミノケトンを得、次いで非プロトン性極性溶媒、エー
テル系溶媒または芳香族系溶媒から選ばれる一種以上の
溶媒中、塩基を作用させることを特徴とする一般式
(1) で示されるアジリジンケトンの製造方法。 【効果】 本発明の方法によれば、βーアルコキシアミ
ノケトンから容易に、好収率でアジリジンケトンを製造
することができ、また、その原料であるβーアルコキシ
アミノケトンは入手が容易なα,βー不飽和ケトンにO
−アルキルヒドロキシルアミンを付加させることによっ
て容易に、高収率で製造できるため、医農薬中間体とし
て有用なアジリジンケトンを工業的に入手容易な原料化
合物から、簡便な操作で製造する方法として非常に有用
である。また、本発明によれば、α,βー不飽和ケトン
からワンポットでアジリジンケトンを製造することもで
きるため、工業的製法としてより有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、アジリジンケトンの製
造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アジリジンケトンは医薬中間体として重
要であり、その製造方法についても種々検討されてい
る。これらの製造方法の内、工業的に最も優位と考えら
れる方法は、α,β−不飽和カルボニル化合物誘導体を
原料とする方法であり、具体的にはα,β−ジハロカル
ボニル化合物またはα−ハロ−α,β−不飽和カルボニ
ル化合物とアミンとの縮合反応による方法〔例えば、J.
Am.Chem.Soc., 71, 708(1949), Heterocycles,473(197
8)〕が知られているが、この方法は原料化合物の合成に
ハロゲン化工程が必要であり、工程数が長く、工業的に
有利とは言えない。他の方法として、アミニミドやスル
フィミドをアミノ化剤としてチャルコン類と反応させる
方法〔J.Chem.Soc.Chem.Commun.,650(1980), Tetrahedr
on, 36,73(1980)〕やヨウ素の存在下にアミンとチャル
コン類を反応させる方法〔J.Am.Chem.Soc., 74, 1886(1
952)〕なども知られているが、チャルコン類しか反応例
がなく一般性に欠けるほか、アジリジンケトンと当量以
上の分子量の大きな解離残基が副生するため、工業的な
実施は困難であった。また、アジドとアクリル酸メチル
を加熱する方法〔Chem.Lett.,901(1976)〕も知られてい
るが、アジド類はその爆発危険性のため工業的に利用す
ることは困難である。さらに、β−アルコキシアミノケ
トンを原料とする方法では、A.H.Blatt の方法〔J.Am.C
hem.Soc., 61, 3494(1939)〕によりアジリジンケトンを
合成する例が報告されている〔J.Am.Chem.Soc., 73, 10
44(19351〕が、この例ではメタノール溶媒中で反応させ
ており、61%程度の収率でしかアジリジンケトンが得
られていない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このようなことから、
本発明者は、工業的に操作も容易で、一般性の高いアジ
リジンケトンの製造方法について検討の結果、入手が容
易なα,βー不飽和ケトンにO−アルキルヒドロキシル
アミンを付加させることによって得られるβーアルコキ
シアミノケトンに特定の溶媒中、塩基を作用させること
により種々のアジリジンケトンを高収率で製造できるこ
とを見出し、さらに、α,βー不飽和ケトンからワンポ
ットでアジリジンケトンが製造できることを併せて見出
し、本発明に至った。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、一般式(2) (式中、R1 、R3 は同一または相異なって水素原子、
随時ハロゲンもしくは炭素数1〜6のアルコキシル基も
しくはアリールオキシ基で置換されていてもよい炭素数
1〜10の直鎖もしくは分枝状のアルキル基、アリール
基または置換アリール基を、R2 は随時ハロゲンもしく
は炭素数1〜6のアルコキシル基もしくはアリールオキ
シ基で置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖もし
くは分枝状のアルキル基、アリール基または置換アリー
ル基を、R4 は炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝状のア
ルキル基またはアラルキル基を、R5 は水素原子、炭素
数1〜6の直鎖もしくは分枝状のアルキル基、シクロア
ルキル基またはアラルキル基をそれぞれ示す。)で示さ
れるβーアルコキシアミノケトンに、非プロトン性極性
溶媒、エーテル系溶媒または芳香族系溶媒から選ばれる
一種以上の溶媒中、塩基を作用させることからなる一般
式(1) (式中、R1 、R2 、R3 およびR5 は前記と同じ意味
を有する。)で示されるアジリジンケトンの製造方法を
提供するものであり、また、本発明はこの反応の原料で
ある一般式(2)で示されるβーアルコキシアミノケト
ンを、一般式(3) (式中、R1 、R2 およびR3 は前記と同じ意味を有す
る。)で示されるα,βー不飽和ケトンと一般式(4) (式中、R4 およびR5 は前記と同じ意味を有する。)
で示されるO−アルキルヒドロキシルアミンまたはその
塩とを反応させて製造する方法を提供するものである。
また、本発明は、前記一般式(3)で示されるα,βー
不飽和ケトンと前記一般式(4)で示されるO−アルキ
ルヒドロキシルアミンまたはその塩とを非プロトン性極
性溶媒、エーテル系溶媒または芳香族系溶媒から選ばれ
る一種以上の溶媒中で反応させ、該反応系に塩基を作用
させることからなる前記一般式(1)で示されるアジリ
ジンケトンの製造方法を提供するものである。
【0005】ここで、前記各一般式で示される各置換基
において、アリールとは反応を阻害しない種々の置換基
を有していてもよいフェニル、ナフチル、アントリルな
どの単環もしくは多環式芳香族炭素環またはフリル、ピ
ロリル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピリジ
ル、イミダゾリル、トリアゾリル、キノリル、プリニル
などの単環もしくは多環式芳香族複素環を意味するもの
である。
【0006】本発明において、出発原料として用いられ
る一般式(3)で示されるα,βー不飽和ケトンは、例
えば対応するアルデヒドとケトンの縮合反応などにより
極めて容易に合成することができ、具体的には1ーフェ
ニルー2ーブテンー1ーオン、4,4ージメチルー1ー
フェニルー2ーペンテンー1ーオン、5ークロロー2,
4ージメチルー1ーフェニルー2ーヘキセンー1ーオ
ン、2,2,6−トリメチルー7ーメトキシー4ーオク
テンー3ーオン、4ーメチルー5ーフェノキシー1ーフ
ェニルー2ーヘキセンー1ーオン、チャルコン、1ーフ
ェニルー3ー(o−トリル)ー2ープロペンー1ーオ
ン、1ーフェニルー3ー(m−トリル)ー2ープロペン
ー1ーオン、1ーフェニルー3ー(p−トリル)ー2ー
プロペンー1ーオン、3ー(2ーメトキシフェニル)ー
1ーフェニルー2ープロペンー1ーオン、3ー(3ーメ
トキシフェニル)ー1ーフェニルー2ープロペンー1ー
オン、3ー(4ーメトキシフェニル)ー1ーフェニルー
2ープロペンー1ーオン、3ー(2ークロロフェニル)
ー1ーフェニルー2ープロペンー1ーオン、3ー(3ー
クロロフェニル)ー1ーフェニルー2ープロペンー1ー
オン、3ー(4ークロロフェニル)ー1ーフェニルー2
ープロペンー1ーオン、3ー(2ーブロモフェニル)ー
1ーフェニルー2ープロペンー1ーオン、3ー(3ーブ
ロモフェニル)ー1ーフェニルー2ープロペンー1ーオ
ン、3ー(4ーブロモフェニル)ー1ーフェニルー2ー
プロペンー1ーオン、3ー(2ーヨードフェニル)ー1
ーフェニルー2ープロペンー1ーオン、3ー(3ーヨー
ドフェニル)ー1ーフェニルー2ープロペンー1ーオ
ン、3ー(4ーヨードフェニル)ー1ーフェニルー2ー
プロペンー1ーオン、3ー(3ーtーブチルフェニル)
ー1ーフェニルー2ープロペンー1ーオン、3ー(3、
4ージエチルフェニル)ー1ーフェニルー2ープロペン
ー1ーオン、3ー(3、4ーメチレンジオキシフェニ
ル)ー1ーフェニルー2ープロペンー1ーオン、3ー
(3ーニトロフェニル)ー1ーフェニルー2ープロペン
ー1ーオン、3ー(3ーシアノフェニル)ー1ーフェニ
ルー2ープロペンー1ーオン、3ー(3ーメチルチオフ
ェニル)ー1ーフェニルー2ープロペンー1ーオン、1
ー(4ーメトキシフェニル)ー3ーフェニルー2ープロ
ペンー1ーオン、1ー(3ークロロフェニル)ー2ーエ
チルー3ーフェニルー2ープロペンー1ーオン、1ー
(3ージメチルアミノフェニル)ー2,3ージフェニル
ー2ープロペンー1ーオン、3ー(2ーナフチル)ー1
ー(p−トリル)ー2ープロペンー1ーオン、3ー(2
ーフリル)ー1ーフェニルー2ープロペンー1ーオン、
1ー(4ークロロフェニル)ー3ー(2ーピロリル)ー
2ープロペンー1ーオン、1ー(3ーブロモフェニル)
ー3ー(5ーメチルー2ーチエニル)ー2ープロペンー
1ーオン、3ー(2ーキノリル)ー1ー(p−トリル)
ー2ープロペンー1ーオン、1ーフェニルー3ー(2ー
チアゾリル)ー2ープロペンー1ーオン、1ー(2ーフ
リル)ー3ー(2ーピリジル)ー2ープロペンー1ーオ
ン、3ー(2ーオキサゾリル)ー1ー(2ーナフチル)
ー2ープロペンー1ーオン、3ー(2ーイミダゾリル)
ー1ー(2ーチエニル)ー2ープロペンー1ーオン、1
ーフェニルー3ー(1,2,4ートリアゾルー3ーイ
ル)ー2ープロペンー1ーオン、1ーフェニルー3ー
(8ープリニル)ー2ープロペンー1ーオンなどが挙げ
られるが、これらに限定はされない。
【0007】また、他の出発原料である一般式(4)で
示されるO−アルキルヒドロキシルアミンとしては、例
えばO−メチルヒドロキシルアミン、O−エチルヒドロ
キシルアミン、O−t−ブチルヒドロキシルアミン、O
−ベンジルヒドロキシルアミン、N,O−ジメチルヒド
ロキシルアミン、N−シクロヘキシル−O−メチルヒド
ロキシルアミン、N−ベンジル−O−メチルヒドロキシ
ルアミンなどが挙げられるが、中でもO−メチルヒドロ
キシルアミンが好適である。かかるO−アルキルヒドロ
キシルアミンはその塩、たとえば塩酸塩、硫酸塩などの
無機酸塩としても使用することできるが、できればその
まま使用することが望ましい。
【0008】α,βー不飽和ケトンとO−アルキルヒド
ロキシルアミンを反応させるにあたっては、溶媒中また
は無溶媒下、単に両原料化合物を混合するだけでよく、
反応温度は、通常0〜150℃の範囲であり、好ましく
は20〜80℃の範囲である。この反応におけるO−ア
ルキルヒドロキシルアミンの使用量はα,βー不飽和ケ
トンに対して通常0.5〜10モル倍、好ましくは1〜
5モル倍である。
【0009】溶媒を使用する場合、その溶媒は反応に不
活性であれば特に制限されないが、一般的にはメタノー
ル、エタノール、i−プロパノール、n−ブタノール、
t−ブタノールなどのアルコール系溶媒、N,N−ジメ
チルホルムアミド、ジメチルスルホキシドなどの非プロ
トン性極性溶媒、ジエチルエーテル、エチレングリコー
ルジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエ
ーテル、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフランなど
のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、1、2ージクロロ
エタン、クロロベンゼンなどのハロゲン系溶媒、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶媒、
ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素系溶媒が使用
され、これらはそれぞれの単独あるいは2種以上の混合
溶媒として用いられる。
【0010】かかる反応により、使用する各反応原料に
対応した一般式(2)で示されるβーアルコキシアミノ
ケトンを極めて容易に、高収率で得ることができ、この
βーアルコキシアミノケトンを特定の溶媒中、塩基で処
理することによって効率よく目的とする一般式(1)で
示されるアジリジンケトンを得ることができる。
【0011】この反応における塩基としては特に制限さ
れず、例えばアルカリ金属水酸化物、アルカリ金属水素
化物、アルカリ金属アミド、アルカリ金属アルコキシド
などが好適に使用される。このような塩基として、具体
的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナト
リウム、ナトリウムアミド、リチウムアミド、リチウム
ジイソプロピルアミド、ナトリウムメトキシド、ナトリ
ウムエトキシド、カリウム−t−ブトキシド、ナトリウ
ム−t−ブトキシドなどが例示され、その使用量は、β
ーアルコキシアミノケトンに対して通常0.1〜6モル
倍、好ましくは2〜5モル倍である。
【0012】この反応における溶媒としてはN,N−ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、1,3−
ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチル−2−ピ
ロリドン、スルホラン、ヘキサメチルホスホルアミドな
どの非プロトン性極性溶媒、テトラヒドロフラン、2ー
メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、1,
4−ジオキサン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテ
ル、ジイソプロピルエーテル、ジーtーブチルエーテ
ル、tーブチルメチルエーテル、エチレングリコールジ
メチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
ル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなどのエ
ーテル系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、シメ
ン、クメン、ジイソプロピルベンゼン、テトラリン、ク
ロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどの芳香族系溶媒が
使用され、これらはそれぞれの単独または2種以上の混
合溶媒として使用される。溶媒の使用量は、通常、原料
であるβーアルコキシアミノケトンに対して1〜200
重量倍である。
【0013】尚、一般式(2)で示されるβーアルコキ
シアミノケトンは、前記したように一般式(3)で示さ
れるα,β−不飽和ケトンと一般式(4)で示されるO
−アルキルヒドロキシルアミンを反応させることにより
得られるが、生成したβーアルコキシアミノケトンは必
ずしも該反応混合物より一旦単離する必要はなく、α,
β−不飽和ケトンからワンポットで目的とするアジリジ
ンケトンを得たい場合には、α,β−不飽和ケトンとO
−アルキルヒドロキシルアミンの反応混合物から単離す
ることなく、反応混合物中に塩基を添加することによっ
ても容易に反応は進行し、目的化合物を得ることができ
る。しかし、この場合には、α,β−不飽和ケトンとO
−アルキルヒドロキシルアミンの反応を、上記した非プ
ロトン性極性溶媒、エーテル系溶媒または芳香族系溶媒
から選ばれる少なくとも一種の溶媒中で行なう必要があ
り、この場合の塩基の使用量も生成したβーアルコキシ
アミノケトンを基準にして前記範囲で設定される。
【0014】この反応において、溶媒の選択は極めて重
要であって、本発明に特定する前記溶媒以外の溶媒を使
用する場合には目的化合物を得ることができないことが
ある。また、この反応においては、原料化合物、溶媒お
よび塩基の組み合わせも重要であって、それが適当な場
合には目的化合物を殆ど選択的に製造することができる
が、たとえば原料化合物がチャルコン誘導体、溶媒が非
プロトン性極性溶媒、塩基がカリウム−t−ブトキシド
の組み合わせのように、これらの組み合わせによっては
アジリジンケトンとともにβ−アミノエノン類が副生す
ることがある。しかし、この副生物も医農薬中間体等と
して利用可能であるため、これらの副生は何ら差し支え
ない。
【0015】反応温度は、通常−40〜100℃、好ま
しくは0〜50℃の範囲である。かかる反応によりアジ
リジンケトンを効率よく得ることができ、反応終了後の
反応混合物から通常の手段、例えば蒸留、抽出、再結晶
あるいは各種クロマトグラフィーなどの操作により容易
に目的化合物を単離、精製することができる。
【0016】
【発明の効果】本発明の方法によれば、βーアルコキシ
アミノケトンから容易に、好収率でアジリジンケトンを
製造することができ、また、その原料であるβーアルコ
キシアミノケトンは入手が容易なα,βー不飽和ケトン
にO−アルキルヒドロキシルアミンを付加させることに
よって容易に、高収率で製造できるため、医農薬中間体
として有用なアジリジンケトンを工業的に入手容易な原
料化合物から、簡便な操作で製造する方法として非常に
有用である。また、本発明によれば、α,βー不飽和ケ
トンからワンポットでアジリジンケトンを製造すること
もできるため、工業的製法としてより有用である。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明がこれによって限定されるものではな
い。
【0018】実施例1 チャルコン208mg(1ミリモル)とO−メチルヒド
ロキシルアミン94mg(2ミリモル)をテトラヒドロ
フラン5mlに溶解し、6時間加熱還流した。薄層クロ
マトグラフィーによるモニターによって原料の消失を確
認した後、反応溶液を25℃まで冷却し、水酸化カリウ
ム(99%)125mg(2.2ミリモル)を加え、同
温度で48時間攪拌した。反応後、反応液に飽和塩化ア
ンモニウム水溶液を加え、次いで塩化メチレン抽出を行
なった。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥
後、溶媒を留去し、生成物をシリカゲル薄層クロマトグ
ラフィー(展開液:酢酸エチル/ヘキサン=1/5)で
単離、精製して2−フェニル−3−ベンゾイルアジリジ
ンを収率85%で得た。
【0019】実施例2 チャルコン3.12g(15ミリモル)とO−メチルヒ
ドロキシルアミン1.55g(33ミリモル)をエタノ
ール15mlに溶解し、4時間加熱還流した。反応後、
溶媒と過剰のO−メチルヒドロキシルアミンを留去し、
3−(N−メトキシアミノ)−1,3−ジフェニル−1
−プロパノンを収率99%で得た。この3−(N−メト
キシアミノ)−1,3−ジフェニル−1−プロパノン2
55mg(1ミリモル)をN,N−ジメチルホルムアミ
ド2mlに溶解し、ナトリウムメトキシド119mg
(2.2ミリモル)を含むN,N−ジメチルホルムアミ
ド3ml溶液に25℃で滴下した。滴下終了後、25℃
で20分間撹拌した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を
加え、次いで塩化メチレン抽出を行なった。得られた有
機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、
生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開液:
酢酸エチル/ヘキサン=1/5)で単離、精製して2−
フェニル−3−ベンゾイルアジリジンを収率93%で得
た。
【0020】実施例3 塩基としてナトリウムメトキシドに代えて水素化ナトリ
ウムを使用する以外は、実施例2と同様に反応、後処理
を行ない、2−フェニル−3−ベンゾイルアジリジンを
収率94%で得た。
【0021】実施例4 塩基としてナトリウムメトキシドに代えてナトリウムア
ミドを使用する以外は、実施例2と同様に反応、後処理
を行ない、2−フェニル−3−ベンゾイルアジリジンを
収率84%で得た。
【0022】実施例5 3−(N−メトキシアミノ)−1,3−ジフェニル−1
−プロパノン255mg(1ミリモル)と水酸化カリウ
ム(99%)125mg(2.2ミリモル)をテトラヒ
ドロフラン5mlに懸濁し、25℃で48時間撹拌した
後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、次いで塩化メ
チレン抽出を行なった。得られた有機層を無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後、溶媒を留去し、生成物をシリカゲル
薄層クロマトグラフィ−(展開液:酢酸エチル/ヘキサ
ン=1/5)で単離、精製して2−フェニル−3−ベン
ゾイルアジリジンを収率92%で得た。
【0023】実施例6 3−(3−ニトロフェニル)−1−フェニル−2−プロ
ペン−1−オン759mg(3ミリモル)とO−メチル
ヒドロキシルアミン310mg(6.6ミリモル)をエ
タノール5mlに溶解し、30分間加熱還流した。反応
後、溶媒と過剰のO−メチルヒドロキシルアミンを留去
し、生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開
液:酢酸エチル/ヘキサン=1/5)で単離、精製して
3−(N−メトキシアミノ)−3−(3−ニトロフェニ
ル)−1−フェニル−1−プロパノンを収率99%で得
た。この3−(N−メトキシアミノ)−3−(3−ニト
ロフェニル)−1−フェニル−1−プロパノン300m
g(1ミリモル)をトルエン2mlに溶解し、カリウム
−t−ブトキシド246mg(2.2ミリモル)を含む
N,N−ジメチルホルムアミド3ml溶液に25℃で滴
下した。滴下終了後、25℃で20分間撹拌した後、飽
和塩化アンモニウム水溶液を加え、次いで塩化メチレン
抽出を行なった。得られた有機層を無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後、溶媒を留去し、生成物をシリカゲル薄層ク
ロマトグラフィー(展開液:酢酸エチル/ヘキサン=1
/5)で単離、精製して2−(3−ニトロフェニル)−
3−ベンゾイルアジリジンを収率83%で得た。
【0024】実施例7 4,4−ジメチル−1−フェニル−2−ペンテン−1−
オン564mg(3ミリモル)とO−メチルヒドロキシ
ルアミン310mg(6.6ミリモル)をエタノール5
mlに溶解し、4時間加熱還流した。反応後、溶媒と過
剰のO−メチルヒドロキシルアミンを留去し、生成物を
シリカゲル薄層クロマトグラフィー(展開液:酢酸エチ
ル/ヘキサン=1/5)で単離、精製して3−(N−メ
トキシアミノ)−4,4−ジメチル−1−フェニル−1
−ペンタノンを収率79%で得た。この3−(N−メト
キシアミノ)−4,4−ジメチル−1−フェニル−1−
ペンタノン235mg(1ミリモル)をN,N−ジメチ
ルホルアミド2mlに溶解し、カリウム−t−ブトキシ
ド246mg(2.2ミリモル)を含むN,N−ジメチ
ルホルムアミド3ml溶液に25℃で滴下した。滴下終
了後、25℃で20分間撹拌した後、飽和塩化アンモニ
ウム水溶液を加え、次いで塩化メチレン抽出を行なっ
た。得られた有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥後、
溶媒を留去し、生成物をシリカゲル薄層クロマトグラフ
ィー(展開液:酢酸エチル/ヘキサン=1/5)で単
離、精製して2−t−ブチル−3−ベンゾイルアジリジ
ンを収率73%で得た。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式(2) (式中、R1 、R3 は同一または相異なって水素原子、
    随時ハロゲンもしくは炭素数1〜6のアルコキシル基も
    しくはアリールオキシ基で置換されていてもよい炭素数
    1〜10の直鎖もしくは分枝状のアルキル基、アリール
    基または置換アリール基を、R2 は随時ハロゲンもしく
    は炭素数1〜6のアルコキシル基もしくはアリールオキ
    シ基で置換されていてもよい炭素数1〜10の直鎖もし
    くは分枝状のアルキル基、アリール基または置換アリー
    ル基を、R4 は炭素数1〜6の直鎖もしくは分枝状のア
    ルキル基またはアラルキル基を、R5 は水素原子、炭素
    数1〜6の直鎖もしくは分枝状のアルキル基、シクロア
    ルキル基またはアラルキル基をそれぞれ示す。)で示さ
    れるβーアルコキシアミノケトンに、非プロトン性極性
    溶媒、エーテル系溶媒または芳香族系溶媒から選ばれる
    一種以上の溶媒中、塩基を作用させることを特徴とする
    一般式(1) (式中、R1 、R2 、R3 およびR5 は前記と同じ意味
    を有する。)で示されるアジリジンケトンの製造方法。
  2. 【請求項2】一般式(3) (式中、R1 、R2 およびR3 は前記と同じ意味を有す
    る。)で示されるα,βー不飽和ケトンを、一般式
    (4) (式中、R4 およびR5 は前記と同じ意味を有する。)
    で示されるO−アルキルヒドロキシルアミンまたはその
    塩と反応させて、前記一般式(2)で示されるβーアル
    コキシアミノケトンを得、次いで非プロトン性極性溶
    媒、エーテル系溶媒または芳香族系溶媒から選ばれる一
    種以上の溶媒中、塩基を作用させることを特徴とする前
    記一般式(1)で示されるアジリジンケトンの製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記一般式(3)で示されるα,βー不飽
    和ケトンと前記一般式(4)で示されるO−アルキルヒ
    ドロキシルアミンまたはその塩とを、非プロトン性極性
    溶媒、エーテル系溶媒または芳香族系溶媒から選ばれる
    一種以上の溶媒中で反応させ、次いで塩基を作用させる
    ことを特徴とする前記一般式(1)で示されるアジリジ
    ンケトンの製造方法。
  4. 【請求項4】O−アルキルヒドロキシルアミンが、O−
    メチルヒドロキシルアミン、O−エチルヒドロキシルア
    ミン、O−t−ブチルヒドロキシルアミン、O−ベンジ
    ルヒドロキシルアミンまたはN,O−ジメチルヒドロキ
    シルアミンである請求項2に記載のアジリジンケトンの
    製造方法。
  5. 【請求項5】O−アルキルヒドロキシルアミンの塩が無
    機酸塩である請求項2に記載のアジリジンケトンの製造
    方法。
  6. 【請求項6】無機酸塩が塩酸塩である請求項4に記載の
    アジリジンケトンの製造方法。
  7. 【請求項7】O−アルキルヒドロキシルアミンまたはそ
    の塩の使用量が、α,βー不飽和ケトンに対して0.5
    〜10モル倍である請求項2および3に記載のアジリジ
    ンケトンの製造方法。
  8. 【請求項8】非プロトン性極性溶媒がN,N−ジメチル
    ホルムアミド、ジメチルスホキシド、1,3−ジメチル
    −2−イミダゾリジノン、N−メチル−2−ピロリド
    ン、スルホランまたはヘキサメチルホスホルアミドであ
    る請求項1〜3に記載のアジリジンケトンの製造方法。
  9. 【請求項9】エーテル系溶媒がテトラヒドロフラン、2
    ーメチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、
    1,4−ジオキサン、ジメチルエーテル、ジエチルエー
    テル、ジイソプロピルエーテル、ジーtーブチルエーテ
    ル、tーブチルメチルエーテル、エチレングリコールジ
    メチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテ
    ルまたはトリエチレングリコールジメチルエーテルであ
    る請求項1〜3に記載のアジリジンケトンの製造方法。
  10. 【請求項10】芳香族系溶媒がベンゼン、トルエン、キ
    シレン、シメン、クメン、ジイソプロピルベンゼン、テ
    トラリン、クロロベンゼンまたはジクロロベンゼンであ
    る請求項1〜3に記載のアジリジンケトンの製造方法。
  11. 【請求項11】塩基の使用量が、βーアルコキシアミノ
    ケトンに対して0.1〜6モル倍である請求項1〜3に
    記載のアジリジンケトンの製造方法。
JP32284094A 1994-12-26 1994-12-26 アジリジンケトンの製造方法 Pending JPH08176103A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32284094A JPH08176103A (ja) 1994-12-26 1994-12-26 アジリジンケトンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32284094A JPH08176103A (ja) 1994-12-26 1994-12-26 アジリジンケトンの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH08176103A true JPH08176103A (ja) 1996-07-09

Family

ID=18148198

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32284094A Pending JPH08176103A (ja) 1994-12-26 1994-12-26 アジリジンケトンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH08176103A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100339831B1 (ko) * 1999-08-18 2002-06-07 김태성 신규의 에틸 아지리딘 유도체 및 그 제조방법
US10836752B1 (en) 2020-04-02 2020-11-17 Qatar University Method for synthesizing 1-(naphthalen-2-ylsulfonyl)-3-(thiophen-2-yl) diaziridine

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100339831B1 (ko) * 1999-08-18 2002-06-07 김태성 신규의 에틸 아지리딘 유도체 및 그 제조방법
US10836752B1 (en) 2020-04-02 2020-11-17 Qatar University Method for synthesizing 1-(naphthalen-2-ylsulfonyl)-3-(thiophen-2-yl) diaziridine

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH02207083A (ja) 2―ニトロイミノイミダゾリジン類の製法
CN113613730A (zh) 喹啉甲酰胺衍生物和其制造中间物的制造方法
EP0653421B1 (en) Process for preparing 2-cyanoimidazole compounds
JPH08176103A (ja) アジリジンケトンの製造方法
JP3407082B2 (ja) アミノメチルピリジン誘導体の製造方法及びその中間体
TWI361807B (en) Process for preparing substituted 4-alkoxycarbonyl-3-aminothiophenes
CA2649506C (en) 2-alkenyl-3-aminothiophene derivative and process for producing thereof
JP3697045B2 (ja) β−ヒドラジノエステル類並びにピラゾリジノン類、ピラゾロン類およびβ−アミノ酸誘導体の製造方法
JPH08225502A (ja) β−アミノエノンの製造方法
JPH01316352A (ja) 3‐シアノ‐4‐アリールピロールの製造法
JP3843400B2 (ja) アルキル一置換ハイドロキノン類の製造方法
JP2001261647A (ja) ピリジン誘導体の製造方法
JPH06192240A (ja) ベンゼンボリン酸の誘導体、その製造法および合成中間体としての使用
EP0661263A2 (en) Process for the preparation of 2,4,5-tribromopyrrole-3-carbonitrile
JP2000355580A (ja) 2−ピリジルピリジン誘導体の製造方法
JP3804078B2 (ja) β−ニトロエナミンの製造方法
EP0672646B1 (en) Process for producing beta-nitro-enamines and intermediates thereof
JP3618810B2 (ja) 2−シアノイミダゾール系化合物の製造方法
JPH1059895A (ja) マンデル酸誘導体の製造方法
CA2045925A1 (en) 2-(aminoalkyl)pyrrolealdehydes, process for their preparation and their use
JP2003267940A (ja) アミンの立体選択的製造方法
JP3456269B2 (ja) β−ニトロエナミンの製造法
JP4397027B2 (ja) 1,2,3,4−テトラヒドロ−4−オキソカルバゾール類およびその中間体の製造方法
JPH06774B2 (ja) ピロ−ル誘導体の製造方法
JP2001261646A (ja) ピリジン誘導体の製造法