JP2009521515A - 腫瘍細胞における耐性を克服するためのタンパク質ベースの担体システム - Google Patents
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Abstract
本発明は、粒子マトリックスが少なくとも1種の活性薬剤が埋め込まれた少なくとも1種のタンパク質に基づくナノ粒子、タンパク質マトリックスに埋め込まれた少なくとも1種の活性薬剤を有するナノ粒子の製造方法、および、前記ナノ粒子の腫瘍の処置のための、特に化学薬剤に耐性を示す腫瘍の処置のための使用に関する。
Description
固形腫瘍の処置における耐性の進行は腫瘍学に大きな問題をもたらしている。耐性は、腫瘍細胞による化学療法剤の排出の増加に起因することが多い。この耐性進行のメカニズムはP−糖タンパク質(Pgp)の過剰発現と関連している(Krishna et al., (2000), Eur. J. Pharm. Sci. 11, 265)。PgpはATP依存性排出ポンプであり、腫瘍細胞から薬剤を能動的に排出することができる。Pgpの過剰発現は、細胞内の化学療法剤の蓄積を減少させ、その細胞内濃度を抗腫瘍効果の発揮に不十分なものとする。減少した化学療法剤の蓄積を補うため、細胞増殖抑制剤の用量調整、すなわち用量の増量が必要だが、しかしこれは増量に伴う細胞増殖抑制剤の毒性副作用により制限されてしまう。Pgpの過剰発現は、細胞が元の薬物だけでなく、加えて複数の細胞増殖抑制剤に対しても耐性を有する、いわゆる多耐性(多剤耐性、MDR)をもたらす。この現象は腫瘍化学療法の成功を大幅に制限する。
これまで、腫瘍細胞の耐性に対するさまざまな対処法が開発されており、最もよく検討されている対処法は、Pgp阻害剤として機能する活性薬剤の使用である。1981年には既にPgpに対するカルシウム拮抗薬の阻害効果が立証されている(Tsuruo et al., (1981), Cancer Res. 41, 1967)。これらの研究では、カルシウム拮抗薬をさらに添加してインキュベートしたときに、ビンクリスチン耐性P388腫瘍細胞においてビンクリスチンおよびドキソルビシンの蓄積が増加することが観察された。カルシウム拮抗薬の活性薬剤群のうち有望なものはベラパミルである。また、示すことができるとおり、シクロスポリンAなどの他の活性薬剤もPgpの強力な阻害剤である(Slater et al., (1986), J. Clin. Invest. 77, 1405)。これらの研究では、急性リンパ球性白血病細胞のビンクリスチンおよびダウノルビシンへの耐性を、シクロスポリンAの同時投与によって克服することができた。
ベラパミルおよびシクロスポリンAのいずれも、多くの潜在的な副作用を有することから、さらなるPgp阻害剤が探索された。かくして、P388/ADMおよびK562/ADM細胞の多剤耐性は、in vitro実験において、2つのPgp阻害剤であるMS−209およびSDZ PSC 833を用いることにより克服された(Naito et al., (1997), Cancer Chemother. Pharmacol. 40, Suppl. S20)。
多剤耐性を克服する別の戦略は、活性薬剤の化学修飾である。この戦略は抗腫瘍性の活性薬剤を種々の巨大分子と結合させることにより、腫瘍細胞の耐性を克服しようとするものである。ここで、巨大分子は活性薬剤の担体として機能する。これは担体システムとも呼ばれる。
既に1992年に、多くのがん細胞系におけるPgp媒介性の耐性が、ドキソルビシン負荷ポリイソヘキシルシアノアクリレート(PIHCA)ナノスフェアにより克服され得ることが証明された(Cuvier et al., (1992), Biochem. Pharmacol. 44, 509)。これらの試みは、ドキソルビシン耐性C6細胞において、ドキソルビシン負荷ポリイソヘキシルシアノアクリレートナノスフェアの半数阻害濃度(IC50)が、非結合ドキソルビシンのそれよりも著しく低かったことにより確認された(Bennis et al., (1994), Eur. J. Cancer 30A, 89)。この結果は、肝細胞癌細胞においても、同様のドキソルビシン負荷PIHCAナノ粒子を用いて確認された(Barraud et al., (2005), J. Hepatol. 42, 736)。
コロイド担体システムによる耐性克服のメカニズムは、当初憶測を生じさせた。広く行きわたった意見によれば、このような担体システムは、標的細胞によってエンドサイトーシス過程を介して取り込まれ、そうしてPgp媒介性耐性機構を回避しているとされた。ポリイソヘキシルシアノアクリレートナノ粒子に関して、この意見は間違いであることが証明された(Henry-Toulme et al., (1995), Biochem. Pharmacol. 50, 1135)。PIHCAナノ粒子とのインキュベーション後の耐性細胞系の蛍光顕微鏡研究では、粒子の蓄積が細胞内には観察されなかったのに対して、マクロファージなどの食細胞では蓄積が示された。したがって、PIHCAナノ粒子による多剤耐性の克服は、ポリマーマトリックスと活性薬剤との相乗作用の産物であるとして論じられた。この仮説は、ドキソルビシン負荷ポリイソブチルシアノアクリレート(PIBCA)ナノ粒子が、耐性P388/Adr細胞に対し高い細胞毒性効果を有することを示す試験によって裏付けられた(Colin de Verdiere et al., (1994), Cancer Chemother. Pharmacol. 33, 504)。細胞をPIBCA粒子とともにインキュベートすることにより、標的細胞において活性薬剤濃度が5倍増加した。ナノ粒子のエンドサイトーシスによる取り込みとは対照的に、ナノ粒子/細胞相互作用がこの現象のベースにある機構であるとして論じられた。
1993年、Ohkawaらは、ドキソルビシン−ウシ血清アルブミン結合体の、耐性ラットヘパトーマ細胞(AH66DR)に対する効果についての研究を発表した(Cancer Res. 53, 4238-4242)。ドキソルビシン−ウシ血清結合体は、非修飾の活性薬剤を用いた対照と比較して高い細胞毒性効果を示した。排出減少による結合体蓄積の増加がこの効果の原因であるとして論じられた。腹膜腫瘍を有するラットの処置は、ドキソルビシン−ウシ血清アルブミン結合体が、平均生存率を対照群の30日から50日まで増加させたことを示した。
Ohkawaらによって記述されたドキソルビシン−ウシ血清アルブミン結合体は、活性薬剤とウシ血清アルブミンとを適切な溶媒に溶解した後、グルタルアルデヒドを添加することによって製造されていた。グルタルアルデヒドは、活性薬剤および標的タンパク質の官能基と、このケースではアミノ基と反応し、分子を共有結合させる。ドキソルビシン−ウシ血清アルブミン結合体の輸送能(transport capacity)は、1担体単位あたり3〜4個の活性薬剤分子に達することが示されている。
このように、Ohkawaらによって記述されたドキソルビシン−ウシ血清アルブミン結合体は、ドキソルビシンがウシ血清アルブミンに共有化学結合したものである。このような活性薬剤の化学修飾は、薬剤の物理化学的な性質を変化させる。生体系内で異なった新しい効果を有する新規な活性薬剤が形成される(NCE:新規化学物質)。
ドキソルビシン−ウシ血清アルブミン結合体が抗腫瘍効果を有するためには、活性薬剤とタンパク質との共有結合の切断が標的組織内で可能でなければならない。これによってのみ、治療効果のある活性薬剤の放出が達成される。
これらの不都合にも関わらず、コロイド「薬物送達システム」または活性薬剤結合担体システム、例えばナノ粒子またはナノスフェアの使用は、腫瘍細胞克服のための有望な戦略の一つである。
したがって、本発明の目的は、活性薬剤が担体材料に共有結合した既知の結合体の不都合を有しない、腫瘍細胞の耐性を克服するための、コロイド「薬物送達システム」を提供することであった。
この目的は、少なくとも1種の活性薬剤がタンパク質のマトリックスに埋め込まれているが、前記タンパク質に共有結合してはいないナノ粒子を提供することによって解決される。
本発明の主題は、ナノ粒子であって、その粒子マトリックスが少なくとも1種のタンパク質に基づき、これに少なくとも1種の活性薬剤が埋め込まれたナノ粒子、かかるナノ粒子を製造する方法、かかるナノ粒子の、腫瘍の処置、腫瘍の処置のための医薬の製造、特に化学薬剤に耐性の腫瘍の処置のための使用である。
本発明によるナノ粒子は、粒子マトリックスがそれに基づく、少なくとも1種のタンパク質、および、前記マトリックスに埋め込まれている少なくとも1種の活性薬剤を含む。
原則として、生理学的に耐用され、薬学的に許容し得る、水性媒体に可溶な任意のタンパク質が、ナノ粒子のマトリックスを形成する1または複数のタンパク質として適している。特に好ましいタンパク質は、種々の動物種(ウシ、ブタ等)に由来し得るゼラチンまたはアルブミン、ならびに、乳タンパク質カゼインである。原理的には、他のタンパク質、例えば免疫グロブリンを、本発明によるナノ粒子を製造するための出発材料として用いることも可能である。
基本的に、細胞内作用を有する任意の所望の活性薬剤を粒子マトリックス内に埋め込むことができる。しかしながら、好ましくは、細胞増殖抑制剤および/または他の抗腫瘍性活性薬剤は、腫瘍、特に細胞増殖抑制薬または他の抗腫瘍性活性薬剤に耐性の腫瘍を処置するために、本発明によるナノ粒子を用いて投与する。特に好ましいナノ粒子は、アントラサイクリン、例えば、ドキソルビシン、ダウノルビシン、エピルビシンまたはイダルビシンなどを、タンパク質マトリックスに埋め込まれた状態で有する。
ナノ粒子のタンパク質マトリックスに埋め込んでもよい抗腫瘍剤として適しているものは、例えば:
−細胞増殖抑制剤、
−植物性細胞増殖抑制剤、例えばヤドリギ製剤、
−既知組成の細胞増殖抑制剤、
−アルカロイドおよびポドフィロトキシン、
−ビンカアルカロイドおよび類似体、例えばビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、
−ポドフィロトキシン誘導体、例えばエトポシド、テニポシド、
−アルキル化剤
−ニトロソウレア、例えばニムスチン、カルムスチン、ロムスチン、
−ナイトロジェンマスタード類似体、例えばシクロホスファミド、エストラムスチン、メルファラン、イホスファミド、トロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、
−他のアルキル化剤、例えばダカルバジン、ブスルファン、プロカルバジン、トレオスルファン、テモゾロマイド、チオテパ、
−細胞毒性抗生物質、
−アントラサイクリン関連物質、例えばミトキサントロン、
−他の細胞毒性抗生物質、例えばブレオマイシン、マイトマイシン、ダクチノマイシン、
−代謝拮抗物質、
−葉酸類似体、例えばメトトレキサート、
−プリン類似体、例えばフルダラビン、クラドリビン、メルカプトプリン、チオグアニン、
−ピリミジン類似体、例えばシタラビン、ゲムシタビン、フルオロウラシル、カペシタビン、
−他の細胞増殖抑制剤、例えばパクリタキセル、ドセタキセル、
−他の抗腫瘍剤、
−白金化合物、例えばカルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、
−他の抗腫瘍剤、例えば、アムサクリン、イリノテカン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、ポルフィマーナトリウム、アルデスロイキン、トレチノインおよぎアスパラギナーゼ。
−細胞増殖抑制剤、
−植物性細胞増殖抑制剤、例えばヤドリギ製剤、
−既知組成の細胞増殖抑制剤、
−アルカロイドおよびポドフィロトキシン、
−ビンカアルカロイドおよび類似体、例えばビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、
−ポドフィロトキシン誘導体、例えばエトポシド、テニポシド、
−アルキル化剤
−ニトロソウレア、例えばニムスチン、カルムスチン、ロムスチン、
−ナイトロジェンマスタード類似体、例えばシクロホスファミド、エストラムスチン、メルファラン、イホスファミド、トロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、
−他のアルキル化剤、例えばダカルバジン、ブスルファン、プロカルバジン、トレオスルファン、テモゾロマイド、チオテパ、
−細胞毒性抗生物質、
−アントラサイクリン関連物質、例えばミトキサントロン、
−他の細胞毒性抗生物質、例えばブレオマイシン、マイトマイシン、ダクチノマイシン、
−代謝拮抗物質、
−葉酸類似体、例えばメトトレキサート、
−プリン類似体、例えばフルダラビン、クラドリビン、メルカプトプリン、チオグアニン、
−ピリミジン類似体、例えばシタラビン、ゲムシタビン、フルオロウラシル、カペシタビン、
−他の細胞増殖抑制剤、例えばパクリタキセル、ドセタキセル、
−他の抗腫瘍剤、
−白金化合物、例えばカルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、
−他の抗腫瘍剤、例えば、アムサクリン、イリノテカン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、ポルフィマーナトリウム、アルデスロイキン、トレチノインおよぎアスパラギナーゼ。
上記リストに列挙した活性薬剤のいずれをも、タンパク質ベースの担体システムの粒子マトリックスへ埋め込むことが可能である。しかしながら、活性薬剤の物理化学的な性質(例えば可溶性、吸着等温線、血漿タンパク質結合(plasma protein bond)、pKa値)は異なることから、それぞれの活性薬剤に対して、活性薬剤含有ナノ粒子の製造方法を最適化することが必要となり得る。
このように、本発明によるナノ粒子は、粒子のタンパク質マトリックスに埋め込まれた少なくとも1種の活性薬剤を有するタンパク質ベースの担体システムを構成し、これは、好ましくは腫瘍の処置、特に耐性腫瘍の処置のためのものである。
本発明によるナノ粒子は、好ましくは100〜600nm、より好ましくは100〜400nmの大きさを有する。特に好ましい形態において、ナノ粒子は100〜200nmの大きさを有する。
本発明によるナノ粒子は、化学薬剤に対する腫瘍細胞の耐性を克服することができる。
図1は、ドキソルビシンナノ粒子(Dxr−NP)、ドキソルビシン溶液(Dxr−Soln)、ドキソルビシンリポソーム(Dxr−Lip)の、親神経芽細胞腫細胞の細胞生存率への影響を示した図である。
図2は、ドキソルビシンナノ粒子(Dxr−NP)、ドキソルビシン溶液(Dxr−Soln)、ドキソルビシンリポソーム(Dxr−Lip)の、耐性神経芽細胞腫細胞の細胞生存率への影響を示した図である。
図1は、ドキソルビシンナノ粒子(Dxr−NP)、ドキソルビシン溶液(Dxr−Soln)、ドキソルビシンリポソーム(Dxr−Lip)の、親神経芽細胞腫細胞の細胞生存率への影響を示した図である。
図2は、ドキソルビシンナノ粒子(Dxr−NP)、ドキソルビシン溶液(Dxr−Soln)、ドキソルビシンリポソーム(Dxr−Lip)の、耐性神経芽細胞腫細胞の細胞生存率への影響を示した図である。
本発明によるナノ粒子は修飾された表面を有してもよい。表面は、例えばPEG化されていてもよく、すなわちポリエチレングリコールがナノ粒子の表面に共有結合により結合していてもよい。表面をポリエチレングリコール(PEG)で修飾することによって、ナノ粒子の性質を、安定性、生体内半減期、水溶性、免疫学的特性および/または生物学的利用能が改善され得るように変えることができる。
しかしまた、ナノ粒子は、特定の組織または特定の細胞への標的蓄積を可能にするための「薬剤標的化リガンド」を表面に有してもよい。好ましい薬剤標的化リガンドは腫瘍特異的タンパク質を認識するリガンドであり、該リガンドは、例えば、腫瘍特異的タンパク質認識抗体、例えばトラスツズマブやセツキシマブなど、およびトランスフェリンおよびガラクトースを含む群から選択される。薬剤標的化リガンドはまた、2官能性PEG誘導体を介してナノ粒子の表面に結合されてもよい。
本発明によるナノ粒子の表面の修飾に関連して、その内容全体が本発明の開示に参照によって組み込まれるWO 2005/089797 A2についてここで言及する。
好ましくは、本発明によるナノ粒子は、初めに1または複数の活性薬剤と1または複数のタンパク質とを、好ましくは水または水性媒体中で共溶解することにより製造される。続いて、タンパク質に対する非溶媒、好ましくは有機溶媒、より好ましくはエタノールの制御された添加による単純な脱溶媒和によって、ゆっくりとした制御された様式で溶液中からタンパク質を沈殿させる。この過程において、コロイド担体システム(ナノ粒子)が、溶液中の活性物質分子の周囲に形成される。これにより、活性薬剤は修飾を受けることなく担体システムのマトリックス内に埋め込まれる。
活性薬剤負荷ナノ粒子を製造する場合、活性薬剤は、タンパク質に対してモル過剰で用いることが好ましい。活性薬剤とタンパク質とのモル比が5:1〜50:1であることが特に好ましい。50:1を超えるモル比でナノ粒子を負荷することも可能である。
その後の、架橋剤、好ましくはグルタルアルデヒドの添加によるタンパク質マトリックスの架橋によって、ナノ粒子のマトリックスが安定化される。
架橋剤の量を変えることで、粒子マトリックスの種々の度合の安定化を達成することが可能である。かかるナノ粒子は、50%〜200%安定化されて製造されることが好ましい。これらの割合は、用いたタンパク質に存在するアミノ基とグルタルアルデヒドのアルデヒド基とのモル比に関する。1:1のモル比は100%の安定化に相当する。
2官能性アルデヒドであるグルタルアルデヒドのほか、タンパク質と共有結合を形成し得る他の2官能性物質は、タンパク質マトリックスの安定化に適する。これらの物質は、例えばタンパク質のアミノ基やスルフヒドリル基と反応できる。好適な架橋剤の例としては、ホルムアルデヒド、2官能性スクシンイミド、イソチオシアネート、スルホニルクロリド、マレイミドおよびピリジルスルフィドがある。
しかしながら、タンパク質マトリックスの安定化は熱処理にも影響され得る。好ましくは、タンパク質マトリックスは70℃での2時間のインキュベーションまたは80℃での1時間のインキュベーションによって安定化される。
架橋はナノ粒子の沈殿後にのみ生じるため、本発明による担体システムは、活性薬剤とタンパク質との化学的な共有結合を構成しない。むしろ、活性物質は担体システムのマトリックスに埋め込まれる。結果として、活性物質の組み込みは活性薬剤の種類にほとんど依存せず、汎用的に利用し得る。
活性薬剤を放出させるために活性薬剤とタンパク質との結合が標的組織において切断され得ることを要する共有結合した活性薬剤結合体とは対照的に、本発明のコロイド担体システムにおける活性薬剤の放出は、全ての組織に存在するリソゾーム酵素によるタンパク質構造の分解を介して生じる。このために、活性薬剤とタンパク質との結合の直接切断は必要ない。
腫瘍細胞における耐性を克服するための本粒子システムは以下の利点を有する:
1.腫瘍細胞における耐性の克服。
2.リポソーム製剤と比較しての、また活性薬剤溶液と比較しての腫瘍細胞に対する細胞毒性の向上。
3.タンパク質ベースのナノ粒子が生理学的マトリックスからなること。
4.Pgp阻害剤の追加投薬が必要ないこと。
5.活性薬剤が粒子マトリックス内部に位置しており、外部からの影響に対して保護されていること。
6.粒子表面の修飾が容易に可能であること。
1.腫瘍細胞における耐性の克服。
2.リポソーム製剤と比較しての、また活性薬剤溶液と比較しての腫瘍細胞に対する細胞毒性の向上。
3.タンパク質ベースのナノ粒子が生理学的マトリックスからなること。
4.Pgp阻害剤の追加投薬が必要ないこと。
5.活性薬剤が粒子マトリックス内部に位置しており、外部からの影響に対して保護されていること。
6.粒子表面の修飾が容易に可能であること。
粒子表面に存在する官能基(アミノ基、カルボキシル基、ヒドロキシル基)の、好適な化学試薬による化学変換によって、例えば、種々の鎖長のポリエチレングリコール鎖(PEG)を、ナノ粒子へ結合することが可能になる。PEG化またはタンパク質PEG化と呼ばれるこの方法において、ナノ粒子の表面修飾は、基本的にはタンパク質の1つのアミノ基または1つのスルフヒドリル基と、PEGの1つの化学的反応基(炭酸塩、エステル、アルデヒドまたはトレシレート)との間の安定な共有結合によってもたらされる。その結果得られる構造は、直鎖状または分枝状であり得る。PEG化反応は、PEGの質量、タンパク質の種類、反応混合物中のタンパク質濃度、反応時間、温度およびpH値などの要素に影響される。それゆえ、適切なPEGをそれぞれの担体システムごとに見つけなければならない。
狭義の粒子表面のPEG化、すなわち単官能性PEG誘導体によるタンパク質粒子の変換のほか、いわゆる「薬剤標的化リガンド」を粒子に結合させるために、2官能性PEG誘導体を粒子表面に結合させることも可能である。他の表面修飾としては、例えばアセチル基や酢酸基を付加するための無水酢酸やヨード酢酸による粒子表面の官能基の変換がある。
本発明によるナノ粒子の表面はまた、担体システムを事前に適合させることなしにナノ粒子が特定の組織や細胞に蓄積することを可能にする、適切な薬剤標的化リガンドとのタンパク質化学反応によって修飾することもできる。
腫瘍特異的タンパク質はいずれも、「薬剤標的化リガンド」に対する受容体として利用することができる。特に好ましくは、腫瘍特異的タンパク質を認識する抗体、例えば抗体のトラスツズマブやセツキシマブが「薬剤標的化リガンド」として用いられる。トラスツズマブ(Herceptin(登録商標))は、多くの腫瘍細胞で過剰発現するHER2受容体を認識し、乳がんの処置について認可されている。セツキシマブ(Erbitux(登録商標))は、多様な腫瘍細胞上の上皮細胞増殖因子の受容体を認識し、結腸直腸癌の処置について認可されている。抗体以外でも、「薬剤標的化」はまた、粒子に結合したリガンド、例えば腫瘍細胞で過剰発現される、トランスフェリン受容体を認識するトランスフェリンなどを介して、または低分子受容体リガンド、例えば肝細胞上のアシアロ糖タンパク質受容体が結合するガラクトースを介して達成することができる。
態様の例
本発明によるナノ粒子を製造するために、20.0mgのヒト血清アルブミンと1.0mgの塩酸ドキソルビシンとを1.0mgの超純水に溶解し(これは、5:1のモル比(活性薬剤:タンパク質)に相当する)、撹拌しながら2時間インキュベートした。3.0mlの96%エタノールをポンプシステム(1.0ml/分)によって添加すると、血清アルブミンの沈殿がナノ粒子の形態で生じた。これらを24時間、種々の量の8%グルタルアルデヒド(表1)を添加することにより、種々の程度に架橋した。安定化されたナノ粒子を2.0mlのアリコートに分け、3サイクルの遠心分離および超音波洗浄器での再分散によって精製した。個々の洗浄段階の上清を回収し、そこに含まれる非結合ドキソルビシンの割合をRP18 HPLCによって測定した。ナノ粒子の濃度を測定するため、50.0μlの調製物を、秤量した金属ボートにのせ、80℃で2時間乾燥させた。冷却後、調製物を再度秤量し、ナノ粒子の濃度を算出した。
本発明によるナノ粒子を製造するために、20.0mgのヒト血清アルブミンと1.0mgの塩酸ドキソルビシンとを1.0mgの超純水に溶解し(これは、5:1のモル比(活性薬剤:タンパク質)に相当する)、撹拌しながら2時間インキュベートした。3.0mlの96%エタノールをポンプシステム(1.0ml/分)によって添加すると、血清アルブミンの沈殿がナノ粒子の形態で生じた。これらを24時間、種々の量の8%グルタルアルデヒド(表1)を添加することにより、種々の程度に架橋した。安定化されたナノ粒子を2.0mlのアリコートに分け、3サイクルの遠心分離および超音波洗浄器での再分散によって精製した。個々の洗浄段階の上清を回収し、そこに含まれる非結合ドキソルビシンの割合をRP18 HPLCによって測定した。ナノ粒子の濃度を測定するため、50.0μlの調製物を、秤量した金属ボートにのせ、80℃で2時間乾燥させた。冷却後、調製物を再度秤量し、ナノ粒子の濃度を算出した。
ドキソルビシン負荷の効率は、RP18−HPLCによる非結合割合の定量により決定した。完全負荷は、架橋の程度によるが、担体システム1mgあたり活性薬剤35.0〜48.0μgであった。それゆえ、担体システムの輸送能は、1担体単位(=ナノ粒子)あたり活性物質分子約106個である。
製造されたドキソルビシンナノ粒子(Dxr−NP)の細胞毒性を、ドキソルビシン溶液(Dxr−Soln)およびドキソルビシンリポソーム製剤(Caelyx(登録商標))と比較して試験するため、以下の細胞系を用いた:
・フランクフルト大学病院(Universitaetsklinikum Frankfurt)のヒト神経芽細胞腫細胞系の親細胞(UKF−NB3 Par.)
・フランクフルト大学病院のヒト神経芽細胞腫細胞系のドキソルビシン耐性細胞(UKF−NB3 Dxr−R.)
・フランクフルト大学病院(Universitaetsklinikum Frankfurt)のヒト神経芽細胞腫細胞系の親細胞(UKF−NB3 Par.)
・フランクフルト大学病院のヒト神経芽細胞腫細胞系のドキソルビシン耐性細胞(UKF−NB3 Dxr−R.)
細胞毒性を測定するため、MTT試験を用いた。この試験では、種々の濃度の物質の存在下で細胞生存率を測定した後、これを細胞対照と比較する。この結果から、IC50値(半数阻害濃度)、すなわち50%の細胞が死ぬ物質の濃度を算出することができる。この試験は、生細胞のミトコンドリアにおける3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウムブロミドの還元に基づいている。この還元により、黄色テトラゾリウム塩が還元されてホルマザンになり、これが青色結晶として沈殿する。この結晶をSDS/MDF溶液により溶解した後に、色の強さを光度的に測定することができる。ここで、高い吸光度は高い細胞生存率を意味する。
親神経芽細胞腫細胞および耐性神経芽細胞腫細胞における細胞毒性を試験するために、細胞を96穴マイクロタイタープレートのウェル内に均等に分配した。ウェルの1列には純粋培地が含まれ、ブランク値を示す。2番目の列には増殖対照(100%値)の細胞を培養した。残りのウェルにはドキソルビシン含有製剤(Dxr−NP、Dxr−Soln、Dxr−Lip)を、右から左に濃度が高くなるように(0.75、1.5、3.0、6.0、12.5、25.0、50.0、100.0ng/ml)ピペットで注入した。次いで、マイクロタイタープレートを、インキュベーター内で5日間、37℃で、5%CO2とともにインキュベートした。25μlのMTT溶液を各ウェルにピペットで注入し、インキュベーター内で4時間、再び37℃でインキュベートした。テトラゾリウムブロミドのホルマザン青色結晶への還元は、100μlのSDS/DMF溶液の添加により停止した。37℃で一晩さらにインキュベートした後には、有色結晶は完全に溶解しており、各ウェルの色の強さを620/690μmで光度的に測定した。測定された値からブランク値を減じ、対照を基準にすることで、細胞生存率を百分率で表すことができる。
種々のドキソルビシン含有製剤の細胞毒性を、耐性機構のない親神経芽細胞腫細胞系(UKF−NB3Par.)、およびドキソルビシン耐性神経芽細胞腫細胞系(UKF−NB3 Dxr−R.)において試験した。親細胞系の試験(図1)は、Dxr溶液および100%安定化したDxr−NPがいずれも、強い細胞毒性効果を親神経芽細胞腫細胞に対して有することを示した。ドキソルビシン3ng/mlという低濃度ですでに、細胞生存率は50%未満に下がった。リポソームDxr製剤(Caelyx(登録商標))は、細胞に対し顕著に低い細胞毒性作用を示した。この製剤では、より高い薬剤濃度が必要だった(25.0ng/ml)。この結果は、個々の製剤のIC50値を算出することで検証される(表2)。Dxr−NPおよびDxr−Solnは、それぞれ2.4ng/mlおよび1.6ng/mlの濃度ですでに50%の細胞に死をもたらしたが、これに対して、25.8ng/mlのIC50を有するDxrリポソームは極めて高い用量で用いなければならなかった。
耐性が克服されるかどうかを検討するため、ドキソルビシン含有製剤をドキソルビシン耐性神経芽細胞腫細胞においても試験した。これらの試験では、各種製剤間で顕著な違いが見出された(図2)。最も高い細胞毒性が観察されたのはナノ粒子化Dxr製剤であり、14.4ng/mlのIC50を有した。Dxr溶液は細胞生存率に対し顕著に弱い作用を有した。この溶液では、親UKF−NB3細胞での実験と比較して、IC50は53.46ng/mlに上昇した。リポソームDxr製剤は、UKF−NB3 Dxr−R細胞に対して作用を有しなかった。100ng/mlの濃度のドキソルビシンでさえ細胞毒性作用は示さなかった。
細胞毒性試験の結果は、ドキソルビシンが種々の製剤で腫瘍細胞の細胞増殖を強く阻害することを明らかに示している。非耐性細胞においては、Dxrナノ粒子およびDxr溶液は同程度の効果を示した。しかし、細胞増殖抑制剤を用いた治療の間に耐性が成立した場合には、ナノ粒子化Dxr製剤は活性薬剤溶液よりも優れている。他方、リポソーム化Dxr製剤は、腫瘍細胞の耐性機構を克服することはできない。
Claims (18)
- 少なくとも1種の活性薬剤が埋め込まれた少なくとも1種のタンパク質のマトリックスを含む、耐性腫瘍細胞の処置のためのナノ粒子。
- タンパク質が、アルブミン、ゼラチン、カゼインおよび免疫グロブリンを含む群から選択され、特に好ましくはヒト血清アルブミンであることを特徴とする、請求項1に記載のナノ粒子。
- 活性薬剤が抗腫瘍性活性薬剤であることを特徴とする、請求項1または2に記載のナノ粒子。
- 活性薬剤が、植物性細胞増殖抑制剤、アルカロイドの群からの既知組成の細胞増殖抑制剤、特にビンカアルカロイド、ポドフィロトキシン、ポドフィロトキシン誘導体、アルキル化剤、特にニトロソウレア、ナイトロジェンマスタード類似体、細胞毒性抗生物質、好ましくはアントラサイクリン、代謝拮抗物質、特に葉酸類似体、プリン類似体、ピリミジン類似体を含む細胞増殖抑制剤の群から選択されることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のナノ粒子。
- 活性薬剤が、ヤドリギ製剤、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシン、ビノレルビン、エトポシド、テニポシド、ニムスチン、カルマスチン、ロムスチン、シクロホスファミド、エストラムスチン、メルファラン、イホスファミド、トロホスファミド、クロラムブシル、ベンダムスチン、ダカルバジン、ブスルファン、プロカルバジン、トレオスルファン、テモゾロマイド、チオテパ、ダウノルビシン、ドキソルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、イダルビシン、ブレオマイシン、マイトマイシン、ダクチノマイシン、メトトレキサート、フルダラビン、クラドリビン、メルカプトプリン、チオグアニン、シタラビン、ゲムシタビン、フルオロウラシル、カペシタビン、パクリタキセル、ドセタキセル、カルボプラチン、シスプラチンおよびオキサリプラチンを含む群から選択されることを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のナノ粒子。
- 抗腫瘍性活性薬剤が、白金化合物、アムサクリン、イリノテカン、ヒドロキシカルバミド、ペントスタチン、ポルフィマーナトリウム、アルデスロイキン、トレチノインおよびアスパラギナーゼを含む群から選択されることを特徴とする、請求項3に記載のナノ粒子。
- 表面にポリエチレングリコール分子または薬剤標的化リガンドを含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載のナノ粒子。
- ポリエチレングリコール分子が単官能性または2官能性ポリエチレングリコール誘導体であることを特徴とする、請求項7に記載のナノ粒子。
- 薬剤標的化リガンドが、トラスツズマブ、セツキシマブ、腫瘍特異的タンパク質を認識する抗体、トランスフェリンおよびガラクトースを含む群から選択されることを特徴とする、請求項7または8に記載のナノ粒子。
- 100〜600nm、好ましくは100〜400nm、特に好ましくは100〜200nmの大きさを有することを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載のナノ粒子。
- −少なくとも1種のタンパク質と少なくとも1種の活性薬剤とを水性媒体中に溶解する工程、
−前記タンパク質を、該タンパク質の非溶媒、好ましくは有機溶媒、特に好ましくはエタノールの制御された添加により、ナノ粒子の形態で沈殿させる工程、
−沈殿したナノ粒子を、架橋剤の添加または熱処理により安定化する工程、
−洗浄/遠心分離によりナノ粒子を精製する工程
を含む、耐性腫瘍細胞の処置のためのナノ粒子の製造方法。 - 活性薬剤とタンパク質のモル比を5:1〜50:1にすることを特徴とする、請求項11に記載のナノ粒子の製造方法。
- 架橋剤が、グルタルアルデヒド、ホルムアルデヒド、2官能性スクシンイミド、イソチオシアネート、スルホニルクロリド、マレイミド、ピリジルジスルフィドを含む物質群から選択されることを特徴とする、請求項11または12に記載のナノ粒子の製造方法。
- 熱処理が80℃で1時間、または70℃で2時間行われることを特徴とする、請求項11または12に記載のナノ粒子の製造方法。
- ナノ粒子の表面がポリエチレングリコール誘導体および/または薬剤標的化リガンドの共有結合によって修飾されることを特徴とする、請求項11〜14のいずれかに記載のナノ粒子の製造方法。
- 薬剤標的化リガンドが、腫瘍特異的タンパク質を認識する抗体、トラスツズマブ、セツキシマブ、トランスフェリンおよびガラクトースを含む群から選択されることを特徴とする、請求項15に記載のナノ粒子の製造方法。
- 腫瘍を処置するための医薬、特に耐性腫瘍を処置するための医薬の製造のための、請求項1〜10のいずれかに記載のナノ粒子の使用。
- 腫瘍の処置のための、特に耐性腫瘍の処置のための、請求項1〜10のいずれかに記載のナノ粒子の使用。
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