JP2005514438A - 薬剤の可溶化、安定化、及び運搬のためのオリゴマー及びポリマーの使用 - Google Patents
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Abstract
本発明は、不溶性の薬剤を溶解させ、不安定な薬剤を保護し、そして薬剤をその作用部位までの運搬を促進することができるオリゴマー及びポリマーの使用に関する。本発明は、当該オリゴマー及びポリマーの製法、及びそれらを含む組成物にも関する。
Description
発明の技術分野
本発明は、不可溶な薬剤を可溶化し、不安定な薬剤を保護し、薬剤のその作用部位への運搬を促進することを可能にするオリゴマー及びポリマーの使用に関する。本発明は、そういったオリゴマー及びポリマーの調製過程、及びそれらを含む組成物にも関する。
関連出願へのクロスリファレンス
本出願は、2001年12月21日に出願された米国仮特許出願第60/343,383号に基づく利益を主張し、当該出願は本明細書中に援用される。
本発明は、不可溶な薬剤を可溶化し、不安定な薬剤を保護し、薬剤のその作用部位への運搬を促進することを可能にするオリゴマー及びポリマーの使用に関する。本発明は、そういったオリゴマー及びポリマーの調製過程、及びそれらを含む組成物にも関する。
関連出願へのクロスリファレンス
本出願は、2001年12月21日に出願された米国仮特許出願第60/343,383号に基づく利益を主張し、当該出願は本明細書中に援用される。
発明の背景
医薬の又は獣医学の薬剤は、それらがヒト又は動物の体における薬剤の作用部位に到達することができる場合においてのみ効果的である。薬剤分子がその作用部位へ到達することができない状況が多くあり、多くの有望な薬剤の候補を使用から妨げている。これらの状況は、(1)薬剤が関わる生理学的液体、例えば血清又は消化液にほとんど溶けない場合、(2)薬剤が酵素の作用、極端なpH、又は別の生理条件のせいで不安定である場合、(3)薬剤が様々な関門、例えば上皮性、粘膜性、膜性の関門を通過できない場合、(4)薬剤が不所望の免疫反応を刺激する場合、及び/又は(5)薬剤が腎臓を通し血流から排泄される場合を含む。
医薬の又は獣医学の薬剤は、それらがヒト又は動物の体における薬剤の作用部位に到達することができる場合においてのみ効果的である。薬剤分子がその作用部位へ到達することができない状況が多くあり、多くの有望な薬剤の候補を使用から妨げている。これらの状況は、(1)薬剤が関わる生理学的液体、例えば血清又は消化液にほとんど溶けない場合、(2)薬剤が酵素の作用、極端なpH、又は別の生理条件のせいで不安定である場合、(3)薬剤が様々な関門、例えば上皮性、粘膜性、膜性の関門を通過できない場合、(4)薬剤が不所望の免疫反応を刺激する場合、及び/又は(5)薬剤が腎臓を通し血流から排泄される場合を含む。
一般的な解決法がない、いくつかの特定の薬剤運搬(ドラッグ・デリバリー)の問題は、(1)疎水性薬剤の経口生物学的利用能を欠く事、(2)脳又は神経系の疾患又は病気を治療することを意図された注射可能薬剤が、可溶性が低いこと又は血液脳関門を通過できないことから、薬剤の作用部位に到達することができないこと、(3)通常、親水性薬剤が粘膜の及び上皮性の関門、例えば腸管粘膜を通過できないこと、(4)親水性薬剤が、細胞膜を通過できないことから、細胞の内部の標的へ到達することができないことを含む。付け加えると、親水性薬剤、例えばタンパク質、ペプチド、核酸、及び別の巨大分子の運搬は、腸管液又は血清における分解並びに腎排泄及び免疫原性によって妨害される。
多くの試みは、ある特定の場合においては、これらの問題のいくつかを解決してきたが、薬剤運搬の問題に対する一般的な解決法はいまだない。これらの問題を解く現存の試みの例は、(1)水性媒質中の界面活性剤から形成されたミセル内に、疎水性薬剤を可溶化すること(Wiedmann and Kamel, J. Pharm. Sci. 2002, 91, 1743; MacGregor, et al., Adv. Drug Deliv. Rev. 1997, 25, 33),、(2)薬剤をナノメートルからマイクロメートルのサイズの範囲のポリマー製のマトリックスであって、生物分解性であり、かつ生物接着性官能基又はリガンドを含むマトリックス中に薬剤を封入すること(WO 02/15877、WO 02/49676)、(3)親水性薬剤を、生物接着性官能基又はリガンドをディスプレイしうるリポソームに封入すること(Anderson, et al., Pharm. Res. 2001, 18, 316; WO 99/33940)、(4)活性のある輸送システムの基質である分子に薬剤を結合させること(Kramer, et al., J. Biol. Chem. 1994, 269, 10621; WO 01/09163; US 2002/0098999)、及び(5)分解、免疫認識、又は腎排泄から守るために、タンパク薬剤を親水性ポリマーで化学的に誘導体化すること(Belcheva, et al., Bioconjugate Chem. 1999, 10, 932; Zalipsky, Bioconjugate Chem. 1995, 6, 150; US4,002,531; US 4,179,337)を含む。しかしながら、これらの試みのどれも、薬剤運搬問題の全ての場合に対する一般的な解決法を提供しない。
ミセル、リポソーム、及びポリマーのナノ粒子システムにおける1つの欠陥は、複合体のサイズ(粒子サイズ)を厳密に調節できないことであった。ナノメートルのサイズの範囲(5〜100nM)における特定のサイズの粒子は、上皮、粘膜、及び膜関門を横切ることができるという実質的な証拠がある(Florence, et al., J. Control. Rel. 2000, 65, 253; Desai, et al., Pharm. Res. 1996, 13, 1838; WO 99/65467)。完全な、又はほぼ単分散の分子集団を作ることができる技術であって、自由に粒子サイズを制御できる能力を有する技術は、運搬された薬剤の取り込みを高め、薬物動態を厳密に制御する能力を持つだろう。ほとんど又は全ての薬剤がリポソーム外の溶液に含まれるよりは水性区分の中に含まれるように、小さいサイズのリポソームを作る技術は、それらの小胞に詰め込む方法と同様に欠けている。
現在の薬剤運搬戦略における2つ目の欠陥は、1つのシステムに対する運搬に必要とされる機能の全てを取り込むシステムを存在させることができないことである。例えば、ミセルは、疎水性薬剤を可溶化するために使われてきているが、薬剤を腸管粘膜に対し標的する方法、及び関門透過性を高める方法をもたない。ナノ粒子システムは、胃の低pH及びタンパク質分解酵素からタンパク質を守ることができるが、血清又はリンパ液内でタンパク質を守るようには設計されていない。これらのシステムは、生理結合性の基またはリガンドを含むが、接着及び結合相互作用或いは膜透過又は細胞内輸送の時期を制御するために、これらの成分の提示を制御する方法がない。
3つ目の欠陥は、親水性ポリマーによるタンパク質の安定化に特に適用するものであり、現存の方法が、結合に干渉しない定められた位置にポリマー、例えばポリ(エチレングリコール)(PEG)又は多糖を共有結合することを必要とするということである。現在の技術は、これらのサイトに多糖を転写後付加できる発現系の開発、活性を減じうるPEGによるランダムな化学的誘導体化、又は望ましい残基に合成ポリマーが拭かされることを可能にする面倒なタンパク質の化学合成を必要とする(WO 02/19963, WO 02/20033)。親水性ポリマーをタンパク質の生理活性と干渉する位置に付加することを避けるために、結合パートナーとの相互作用を含む、タンパク質の3次元構造の詳細な知識が必要とされる。
発明の要約
本発明は、0より大きいlog P値を有し、親水性要素に結合する疎水性要素を含む界面活性剤を提供し、ここで、疎水性要素は約10〜2000ダルトンの間の分子量を有し、当該界面活性剤は、疎水性薬を封入するミセルを形成することができる。ミセルは、疎水性薬剤を含むコアを有し、ここでコアは実質的に疎水性要素を含有しない。
本発明はさらに、本発明の複数の界面活性剤を含む疎水性薬剤を封入するミセルを提供し、ここでミセルは疎水性薬剤を含むコアを有し、そしてそのコアは実質的に疎水性要素を含有しない。
本発明は、疎水性要素の一番目の末端に共有結合する一番目の親水性要素、並びに疎水性要素の2番目の末端に共有結合する2番目の親水性要素を含む界面活性剤をさらに提供し、ここにおいて、1番目及び2番目の親水性要素は、サイズ及び/又は形状で異なっており、そして界面活性剤は親水性薬剤を含むコアを有するミセルを形成することができる。
本発明は、0より大きいlog P値を有し、親水性要素に結合する疎水性要素を含む界面活性剤を提供し、ここで、疎水性要素は約10〜2000ダルトンの間の分子量を有し、当該界面活性剤は、疎水性薬を封入するミセルを形成することができる。ミセルは、疎水性薬剤を含むコアを有し、ここでコアは実質的に疎水性要素を含有しない。
本発明はさらに、本発明の複数の界面活性剤を含む疎水性薬剤を封入するミセルを提供し、ここでミセルは疎水性薬剤を含むコアを有し、そしてそのコアは実質的に疎水性要素を含有しない。
本発明は、疎水性要素の一番目の末端に共有結合する一番目の親水性要素、並びに疎水性要素の2番目の末端に共有結合する2番目の親水性要素を含む界面活性剤をさらに提供し、ここにおいて、1番目及び2番目の親水性要素は、サイズ及び/又は形状で異なっており、そして界面活性剤は親水性薬剤を含むコアを有するミセルを形成することができる。
本発明は、本発明の複数の界面活性剤を含む親水性薬剤を封入するミセルを提供する。
本発明は、親水性要素に共有結合する少なくとも1の認識要素を含むタンパク質薬剤を保護するための、オリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物を提供し、ここで認識要素又は複数の認識要素は、非共有結合でタンパク質薬剤と相互作用して複合体を形成し、当該複合体中ではタンパク質薬剤は分解、免疫系システムによる認識、及び/又は腎排泄から守られる。
本発明は、少なくとも1のオリゴマー又はポリマーを含む複合体及びタンパク質薬剤をさらに提供し、ここにおいて当該オリゴマー又はポリマーは、親水性要素に共有結合する少なくとも1の認識要素を含み、当該認識要素又は複数の認識要素は、タンパク質薬剤と非共有結合性で相互作用して複合体を形成し、当該複合体でタンパク質薬剤は、免疫システム及び/又は腎排泄からの認識、分解から保護される。
本発明は、親水性要素に共有結合する少なくとも1の認識要素を含むタンパク質薬剤を保護するための、オリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物を提供し、ここで認識要素又は複数の認識要素は、非共有結合でタンパク質薬剤と相互作用して複合体を形成し、当該複合体中ではタンパク質薬剤は分解、免疫系システムによる認識、及び/又は腎排泄から守られる。
本発明は、少なくとも1のオリゴマー又はポリマーを含む複合体及びタンパク質薬剤をさらに提供し、ここにおいて当該オリゴマー又はポリマーは、親水性要素に共有結合する少なくとも1の認識要素を含み、当該認識要素又は複数の認識要素は、タンパク質薬剤と非共有結合性で相互作用して複合体を形成し、当該複合体でタンパク質薬剤は、免疫システム及び/又は腎排泄からの認識、分解から保護される。
略語と定義
ADA:アデノシン脱アミノ酵素。BBB:血液脳関門。BE:結合要素。TE:輸送要素。CNS:中枢神経系。DBU:1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7エン。DIEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン。DMF:N,N-ジメチルホルムアミド。EPO:エリスロポエチン。Fmoc:N-(9-フルオロエニルメトキシカルボニル)。HBTU:O-ベンゾチアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロホスフェート。HCV:C型肝炎ウイルス。HPLC:高速液体クロマトグラフィー。NLS:核移行配列。PBS:リン酸緩衝溶液。PEG:ポリ(エチレングリコール)。PLE:極荷電要素。PVP:ポリ(ビニルピロリドン)。RNA:リボ核酸。TFA:トリフルオロ酢酸。
ADA:アデノシン脱アミノ酵素。BBB:血液脳関門。BE:結合要素。TE:輸送要素。CNS:中枢神経系。DBU:1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク-7エン。DIEA:N,N-ジイソプロピルエチルアミン。DMF:N,N-ジメチルホルムアミド。EPO:エリスロポエチン。Fmoc:N-(9-フルオロエニルメトキシカルボニル)。HBTU:O-ベンゾチアゾール-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム・ヘキサフルオロホスフェート。HCV:C型肝炎ウイルス。HPLC:高速液体クロマトグラフィー。NLS:核移行配列。PBS:リン酸緩衝溶液。PEG:ポリ(エチレングリコール)。PLE:極荷電要素。PVP:ポリ(ビニルピロリドン)。RNA:リボ核酸。TFA:トリフルオロ酢酸。
「薬剤」という用語は、生物的に活性のある分子を意味する。
「疎水性」という用語は、疎水性薬剤を封入する疎水性-コアミセルを形成する界面活性剤の疎水性要素のことを指すとき、好ましくは0より大きいlog P値を有することを意味する。log P値は、オクタノールが豊富な層と水が豊富な層の間でお互いと接触させて、分子の分画を計測する。(CRC Handbook of Chemistry and Physics, 79th edition, Lide, ed., pp. 16-42 - 16-46, CRC Press,1998及びそこでの参考文献を参照のこと。この全ては本明細書中に援用される。) log P値は、名目上25℃の温度で計測される。より好ましくは、疎水性は、約0.5を超えるlog P値を有すること、さらにより好ましくはlog P値は約1を超え、さらに好ましくはlog P値は約1.5を超え、最も好ましくはlog P値は約2を超えることを意味する。この点では、ポリ(ε-カプロラクトン)、例えばUS 6,322,805で開示される物は、疎水性-コアミセルを形成する界面活性剤に関連するが、疎水性要素の範囲の中ではない。ポリ(ε-カプロラクトン)のlog P値を見積もるために上記参照において見つけられたようなlog Pの表を用いるとき、約1.8の値が得られ、ブチル・アセテートのlog P値は1.82であり、それは相対脂肪族含量及びエステル官能基の存在という点ではポリ(ε-カプロラクトン)の単位の繰り返しと類似であるみなすことができる。酢酸ブチルとポリ(ε-カプロラクトン)との間の認知される類似性に基づいた見積もりであるとき、ポリ(ε-カプロラクトン)の実際のlog P値は、1.8からいくらか変わりうるということを考慮される。類似の分析を用いると、US 6,322,805で疎水性要素としての使用を主張されるポリ(乳酸)は、酢酸メチルのlog P値(log P=0.18)を標準として用いて、おおよそ0.2のlog P値を有する。
「疎水性」という用語は、疎水性薬剤を封入する疎水性-コアミセルを形成する界面活性剤の疎水性要素のことを指すとき、好ましくは0より大きいlog P値を有することを意味する。log P値は、オクタノールが豊富な層と水が豊富な層の間でお互いと接触させて、分子の分画を計測する。(CRC Handbook of Chemistry and Physics, 79th edition, Lide, ed., pp. 16-42 - 16-46, CRC Press,1998及びそこでの参考文献を参照のこと。この全ては本明細書中に援用される。) log P値は、名目上25℃の温度で計測される。より好ましくは、疎水性は、約0.5を超えるlog P値を有すること、さらにより好ましくはlog P値は約1を超え、さらに好ましくはlog P値は約1.5を超え、最も好ましくはlog P値は約2を超えることを意味する。この点では、ポリ(ε-カプロラクトン)、例えばUS 6,322,805で開示される物は、疎水性-コアミセルを形成する界面活性剤に関連するが、疎水性要素の範囲の中ではない。ポリ(ε-カプロラクトン)のlog P値を見積もるために上記参照において見つけられたようなlog Pの表を用いるとき、約1.8の値が得られ、ブチル・アセテートのlog P値は1.82であり、それは相対脂肪族含量及びエステル官能基の存在という点ではポリ(ε-カプロラクトン)の単位の繰り返しと類似であるみなすことができる。酢酸ブチルとポリ(ε-カプロラクトン)との間の認知される類似性に基づいた見積もりであるとき、ポリ(ε-カプロラクトン)の実際のlog P値は、1.8からいくらか変わりうるということを考慮される。類似の分析を用いると、US 6,322,805で疎水性要素としての使用を主張されるポリ(乳酸)は、酢酸メチルのlog P値(log P=0.18)を標準として用いて、おおよそ0.2のlog P値を有する。
「実質的に疎水性要素を含有しない」という用語は、疎水性薬剤を封入するミセルのコアのことをさすとき、好ましくは重量で約50%未満の疎水性要素を、より好ましくは約30%未満の疎水性要素を、さらにより好ましくは約10%未満の疎水性要素を、さらにより好ましくは約5%未満の疎水性要素を、さらにより好ましくは約3%未満の疎水性要素を、及び最も好ましくは約1%未満の疎水性要素を意味し、ここでこういった比較は、疎水性コアの全量に対し行われ、当該疎水性コアは疎水性薬剤、疎水性要素、及び他の疎水性分子又は存在する成分、例えば非制限的に酵素阻害剤及び透過性エンハンサーを含む。
「大きい体積」という用語は、疎水性薬剤を封入するミセルの薬剤含量を指すとき、ミセルのサイズに依存する相対的用語であり、並びにそういったミセルの親水性層の厚さ及びコアにおける疎水性要素の相対的欠乏についての仮定である。5nMほどの薄さの親水性層は、安定なミセルを形成するために十分であると仮定され、界面活性剤の形状は、近接する界面活性剤分子の親水性要素がお互い強く相互作用することを可能にするよう十分に最適化されると仮定される。この仮定に基づき、ミセルの外部の水力学的直径によって定義される全体積のパーセントとして薬剤の体積を計算するとき、直径15nMのミセルは少なくとも約3%の薬剤を含み、直径20nMのミセルは少なくとも約10%薬剤を含み、直径30nMのミセルは少なくとも約25%の薬剤を含み、直径40nMミセルは少なくとも約35%の薬剤を含み、直径60nMのミセルは少なくとも約50%の薬剤を含み、直径80nMのミセルは少なくとも約60%の薬剤を含み、及び直径100nMのミセルは少なくとも約65%の薬剤を含むだろう。多くの理由からこれらの数値は重量を元にして計算された数値と直接比較できない。最初に、上で述べたとおりに、ミセルに充填される薬剤は、そのサイズに依存する。2番目に、そういった割合はミセルの全重量又は体積に基づいておらず、むしろ界面活性剤のみの重量又は体積に基づいている。最後に、疎水性コアの密度は、どれだけきっちりとコアが詰められたかに依存して大きく変わりうるし、及び親水性層の密度は、界面活性剤に隣接する親水性要素の間で相互作用がどれだけ最適化されているか(そのことは、外部の溶剤がこの層に近接することに影響する)に依存して変わりうる。コア及び親水性層の密度は、お互い有意に異なりうる。それゆえ、体積に基づいたパーセンテージを重量又は質量に基づいたパーセンテージへと単純に変換することはできない。
「アナログ」という用語は、親化合物の構造に密接に関連する構造を有する分子のことを意味し、ホモログ、幾何及び立体異性体、前駆体、誘導体、などを含む。
「狭い分布」という用語は、鎖長についていうとき、鎖長の値についての標準偏差が約±20%であるような分布を意味する。
「結合要素」という用語は、受容体或いは粘膜、上皮又は膜関門又は層と相互作用することができる分子又は成分のことを指す。結合要素は、単純な官能基、例えば、粘膜層と相互作用すると知られている「生理結合官能基」として既知の陽イオン性の基又は、チオールでありうる。結合要素は、タンパク質受容体に結合することができるリガンドでありうる。多くのこの例は、当業者に知られている。当業者に知られている全てのそういった結合要素は、本発明の目的のために同等に有用であると考えられる。さらに、新しい結合要素は、未来において考案され、発明され、発見され、及びこれらの新しい結合要素は本発明の目的のために同等に有用であるだろう、ということ考慮される。
「狭い分布」という用語は、鎖長についていうとき、鎖長の値についての標準偏差が約±20%であるような分布を意味する。
「結合要素」という用語は、受容体或いは粘膜、上皮又は膜関門又は層と相互作用することができる分子又は成分のことを指す。結合要素は、単純な官能基、例えば、粘膜層と相互作用すると知られている「生理結合官能基」として既知の陽イオン性の基又は、チオールでありうる。結合要素は、タンパク質受容体に結合することができるリガンドでありうる。多くのこの例は、当業者に知られている。当業者に知られている全てのそういった結合要素は、本発明の目的のために同等に有用であると考えられる。さらに、新しい結合要素は、未来において考案され、発明され、発見され、及びこれらの新しい結合要素は本発明の目的のために同等に有用であるだろう、ということ考慮される。
「輸送要素」という用語は、付属的な積荷を膜関門又は膜関門内の門脈を通して運ぶことができる成分又は分子のことを指す。膜関門は、いずれかの膜関門、例えば、細胞膜又は細胞内の膜でありうる。これらの多くの例は、当該技術分野に既知であり、膜横断分子、例えばペプチド又は陽イオン性(特にグアニジニウム)基を有する不自然な段階的オリゴマーを含み、及び核膜、特に核膜孔をとおして細胞核に入ることができるペプチド性核移行配列も含む。当該技術分野に知られている全てのそういった輸送要素は、本発明の目的に同程度に有用であると考えられる。さらに、新しい輸送要素は、未来において考案され、発明され、又は発見され、そしてこれらの新しい輸送要素は本発明の目的のために同等に有用であるだろう、ということ考慮される。
本発明中で使われるサイズ及び形状の概念は、幾何学又は水力学的用語のいずれかについて考えられうる。この脈絡における幾何学的な用語は、その共有結合性構造及び3次元構造のために、化学的成分によって作られるサイズ及び形状のことを指し、ここで構造はエネルギー的に好ましい高次構造であるが、静的であると仮定される。この脈絡における水力学的な用語は、同じ時間において別の分子又は化学成分が同じ場所を占有することを防がれるように、与えられた時間尺度において溶液における化学部分の動きの結果であるサイズ及び形態のことを指す。水力学的なという用語は、化学成分の動きのせいで排除される体積が生成するという概念を含む。サイズの概念はまた、分子又は化学成分の分子重量の点で考えられうる。
「円錐体様」という用語は、ミセルを作るために使われる界面活性剤分子または界面活性剤分子の一部によって作られる形状のことを指し、ここで界面活性剤が、ミセルのコアに近い末端からミセルのコアから遠い末端へと縦軸方向に横断されたとき、界面活性剤の放射状の広がりは増加し、分子量の点から又は幾何学的又は水力学的な点で定義される。
「透過性を高める分子」は、薬物を運搬するために薬物が関門を通過する能力を増加させることができるいずれかの分子のことを意味する。そういった関門の例は、膜、粘膜、又は上皮の関門を含む。透過性を高める分子は、いずれかのメカニズムによってこれらの結果を達成しうる。このメカニズムの例は、2重膜の空隙率を増加させ、幕を通過するためのエネルギー関門を低減し、そしてその関門を形成する細胞間の狭い連絡を開けることである。多くのそういった透過性を高める分子が当該技術分野に既知であり、いくつかの例は、EDTA、ラウリル硫酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、サポニン、胆汁酸塩、糖エステル例えばn-ラウリル-β-D-マルトフィラノサイド及びパルミチン酸スクロース、ポリカチオンの材料、並びにマンニトールを含む。当該技術分野に知られた全てのそういった透過性を高める分子は、本発明の目的に同等に有用であると考えられる。さらに、新しい透過性を高める分子は未来において、考案され、発明され、又は発見されるだろうし、そしてこれらの新しい透過性を高める分子は、本発明の目的に同等に有用であろうということが考慮される。
「不所望の」という用語は、酵素活性を指すとき、薬剤がその意図された生理活性をもたないか又は失うような酵素活性、例えばP-糖タンパク質、チトクロームP450 3A、核酸分解酵素、タンパク質分解酵素、エステル分解酵素、及び別の酵素であって、薬剤の化学的又は3次元構造の変化をもたらすも酵素、又は薬剤がその活性部位に到達することを妨げる酵素のことを意味する。
「自己集合」という用語は、それによって分子が、外部からの付加的な介入をすることなく、特定の方法でお互い並び、複合体を形成することができる過程のことを指す。もし特別な場合において、付加的な外部からの介入が必要とされるなら、水性媒質において分散を手助けするために、機械的な攪拌をとおしたエネルギーの注入すること、及び溶剤中に分子を強く溶解することが通常必要とされる。
「自己集合」という用語は、それによって分子が、外部からの付加的な介入をすることなく、特定の方法でお互い並び、複合体を形成することができる過程のことを指す。もし特別な場合において、付加的な外部からの介入が必要とされるなら、水性媒質において分散を手助けするために、機械的な攪拌をとおしたエネルギーの注入すること、及び溶剤中に分子を強く溶解することが通常必要とされる。
「不自然な段階的オリゴマー」という用語は、単長のオリゴマー及び化学的な組成物が作られうるように、同時に1つのモノマー又はサブモノマーを添加することによって合成されうるオリゴマーのことを指す。これらのオリゴマーは天然には起こらない構造を有し、それゆえ、不自然という用語が使われる。そういった不自然な段階的オリゴマーの多くの例は、当該技術分野に知られており、ペプトイド、オリゴカルバメート、及びオリゴウレアといった例を含む。多くの別のものは、当該技術分野に知られており、本発明の目的のために特別に言われたことと同様に有用であると考慮される。新しいタイプの不自然な段階的オリゴマーは、未来において考案され、発明されるだろうし、及びこれらの新しい不自然な段階的オリゴマーは、本発明の目的のために同様に有用であろうことが考慮される。
「痕跡のないリンカー」という用語は、リンカーの全ての残遺物がどちらか又は両者の化学成分から取り除かれ、そしてこれらの成分が遊離の、修飾されていない形態で放出されるように、2つの化学成分を結びつける共有結合であって、いくつかの状況下、特に生理条件下で分解されうる共有結合のことを指す。そういった痕跡のないリンカーの例の多くは、当該技術分野に既知である。当該技術分野に既知である全てのそういった痕跡のないリンカーは、本発明の目的に同等に有用であると考えられうる。さらに、新しい痕跡のないリンカーは未来において考案され、発明され、又は発見されるだろうし、及びこれらの新しい痕跡のないリンカーは本発明の目的に同等に有用であるだろうということが考慮される。
「プロドラッグ」という用語は、そこにおいて保護的な化学基またはリンカーが化学成分に共有結合し、そして当該化学成分はいくつかの生理条件下で分解され、フリーの、修飾されていない形態の成分を放出する化学的成分の形態のことを指す。そういったプロドラッグの多くの例は、当該技術分野において知られておりである。当該技術分野において知られている全てのそういったプロドラッグは、本発明の目的に同等に有用であると考えられる。さらに、新しいプロドラッグは未来において考案され、発明され、又は発見されるだろうし、そしてこれらの新しいプロドラッグは、本発明の目的に同等に有用であろうと考慮される。
「反応性化学基」という用語は、タンパク質中の官能基と反応することができる官能基又は化学的成分を指す。そういった反応性化学基の多くの例は、タンパク質に分子を結合する目的で当該技術分野において既知であり(Lemieux and Bertozzi, Trands Biotechnol. 1998, 16, 506; Hermanson, Bioconjugate Techniques, Academic Press, 1996; Means and Feeney, Chemical Modification of Proteins, Holden-Day, 1971; Pierce Chemical Company datalog, 2001-2002, pp. 294-362; 及びその中の参考文献、これらの全ては本明細書中に援用される)、そして活性エステル、活性化されたジスルフィド、マレイミド、光反応性の基を含む。これらの反応性化学基は、タンパク質に見られる官能基、例えばアミノ基、水酸基、チオール基、及びその他の基と反応しうる。「反応性リンカー」という用語は、反応性のある化学基を含む共有結合性のリンカーを指す。
本発明は、一般的な薬剤運搬問題を解決するために使われうる基礎技術を提供する。例えば、「機能性」界面活性剤は、疎水性(非極性)の及び親水性(極性)の薬剤の運搬を改良するために使われうる。「機能性」という用語は、界面活性剤に新規の性質を与える特徴のことを指し、当該特徴は現在の薬剤運搬方法の欠点を矯正することを可能にする。
発明の詳細な説明
ある態様では、本発明は機能性界面活性剤を提供し、そこでは機能性特徴は、界面活性剤から形成されるミセルの粒子サイズを高い程度で制御することである。当該制御は、段階的な固体の及び液体の相合成方法、或いは単一の化学的な実体又は厳密に制御された鎖長の分布を含む界面活性剤の合成のための化学的な結合技術を用いることを通し、界面活性剤の大きさ及び形状を正確に規格化することを基とする。
ある態様では、本発明は機能性界面活性剤を提供し、そこでは機能性特徴は、界面活性剤から形成されるミセルの粒子サイズを高い程度で制御することである。当該制御は、段階的な固体の及び液体の相合成方法、或いは単一の化学的な実体又は厳密に制御された鎖長の分布を含む界面活性剤の合成のための化学的な結合技術を用いることを通し、界面活性剤の大きさ及び形状を正確に規格化することを基とする。
コンビナトリアル及び平行の合成手法は、ハイスループットスクリーニングと組み合わせて、望ましい性質を有する界面活性剤を同定するために使われうる。そういった手法は、当業者にとって知られている。例えば、Fmoc Solid Phase Peptide Synghesis, Chan and White, ed.s, Oxford University Press, 2000; and Bodanszky and Bodanszky, The Practice of Peptide Synthesis, Springer-Verlag, 1984; において、ペプチドの合成方法が記述される。段階的な合成の試み及び酵素的方法による多糖の合成方法が、最近開発された(Seeberger and Haase, Chem. Rev. 2000, 100, 4349; Fukase, in Glycoscience Fraser-Reid, et al., ed.s, 2001, 2, 1621-1660; Flitsch, Curr. Opin. Chem. Biol. 2000, 4, 619; Zhang, et al., J. Am. Chem. Soc. 1999, 121, 734)。段階的な固相の天然オリゴマー、例えばペプトイド、オリゴカルバメート、及びオリゴウレアの合成方法は既知である。Barron and Zuckermann, Curr. Opin. Chem. Biol. 1999, 3, 681; Soth and Nowick, Curr. Opin. Chem. Biol. 1997, 1, 120; Guichard, in Solid-Phase Synthesis, Kates and Albericio, ed.s, Marcel Dekker, 2000, 649-703, 参照のこと。これらすべては本明細書中に援用される。コンビナトリアルな方法は、当該技術分野でよく知られており、(Bunin, The Combinatorial Index, Academic Press, 1998),化学的結合の方法と同様である(Lemieux and Bertozzi, Trends Biotechnol. 1998, 16,506; Hermanson, Bioconjugate Techniques, Academic Press, 1996)。
別の態様では、本発明は、機能性界面活性剤を提供し、ここで機能性特徴は、特定の条件下において、例えばpH変化、酵素活性の存在下、又は還元条件の存在下で、崩壊する界面活性剤の親水性部分内に結合を含むことである。本態様では、トリガーとなるメカニズムは、結合要素、輸送要素、及び/又は界面活性剤親水性部分内に隠されるリンカーをアンマスクするために使われ、透過性を増加させるために標的及び結合すること、或いは粘膜の、上皮の又は膜の関門を通して又は関門の中への輸送を可能とする(Hussain, Adv. Drug Deliv. Rev. 2000, 43, 95; Kast and Bernkop-Schnurch, Biomaterials 2001, 22, 2345, この両方を本明細書中に援用する)。代わりに、又は付け加えて、界面活性剤の親水性部分の分解は、ミセルのコーティングを不安定化するようにデザインされており、薬剤の積荷の解放又は露出をもたらし、吸収に利用できるようになる。界面活性剤の分解は、透過性を高める性質であって、薬剤の積荷が粘膜、上皮、又は膜の関門を通過させる能力を高める性質を持つ薬剤を作るために設計されうる。
本発明の機能性界面活性剤は、「自己乳化性」であり、当該自己乳化性は、水性緩衝液中で薬剤と界面活性剤を混合し、そしてゆっくりとした機械的な攪拌をして自己集合過程によりミセルを形成する過程を含む(Craig, et al., Drugs Pharm. Sci. 2000, 105, 323)。代わりに、不溶性の疎水性薬剤は、機能性界面活性剤添加した水相中に分散させる前に、揮発性の溶剤システム又はFDAに承認される油に最初に溶解されうる。機能性界面活性剤及びその生理的分解産物は、無毒性、非免疫原性、及び易排泄性である化学的な本質を含むだろう。
ある特別な態様では、本発明は、親水性薬剤を封入する及び運搬する機能性界面活性剤を提供し、当該界面活性剤は、「極荷電要素(PLE)」を含み、PLEは、ミセル外の水性溶液中には残渣物が全くないか又はほとんどない状態で、親水性薬剤の全て又はほとんど全てをミセルのコア中に取り込むことを可能にする。
ある特別な態様では、本発明は、親水性薬剤を封入する及び運搬する機能性界面活性剤を提供し、当該界面活性剤は、「極荷電要素(PLE)」を含み、PLEは、ミセル外の水性溶液中には残渣物が全くないか又はほとんどない状態で、親水性薬剤の全て又はほとんど全てをミセルのコア中に取り込むことを可能にする。
機能性界面活性剤の更なる特徴が以下で詳細に記述される。
別の態様では、本発明は、オリゴマー、ポリマー、及びそれらの混合物を用いて、タンパク質の化学的な修飾を必要とすることなく、かつタンパク質の生理活性を妨害することなく、タンパク質薬剤を分解、腎排泄、及び免疫認識から守る方法を提供する。本態様は、タンパク質に対し非共有結合で結合するが、タンパク質の活性部位に結合しないリガンドの発見に関する。方法は、それらのリガンドの発見と、オリゴマー、ポリマー、及びそれらの混合物への結合を通してタンパク質を保護する際のリガンドの使用を与えられる。タンパク質の共有結合性修飾を欠如することは、保護されたタンパク質を作るために使われる合成及び剤形過程を簡単にする。タンパク質並びにオリゴマー、ポリマー及びそれらの混合物は、剤形過程に先んじて厳密に精製され、複合体が形成されると次の精製は必要とされない。
別の態様では、本発明は、オリゴマー、ポリマー、及びそれらの混合物を用いて、タンパク質の化学的な修飾を必要とすることなく、かつタンパク質の生理活性を妨害することなく、タンパク質薬剤を分解、腎排泄、及び免疫認識から守る方法を提供する。本態様は、タンパク質に対し非共有結合で結合するが、タンパク質の活性部位に結合しないリガンドの発見に関する。方法は、それらのリガンドの発見と、オリゴマー、ポリマー、及びそれらの混合物への結合を通してタンパク質を保護する際のリガンドの使用を与えられる。タンパク質の共有結合性修飾を欠如することは、保護されたタンパク質を作るために使われる合成及び剤形過程を簡単にする。タンパク質並びにオリゴマー、ポリマー及びそれらの混合物は、剤形過程に先んじて厳密に精製され、複合体が形成されると次の精製は必要とされない。
疎水性薬剤を封入し、運搬するための機能性界面活性剤
疎水性薬剤を封入する及び運搬するための機能性界面活性剤の基本的な構造を、図1に模式的に示す。疎水性要素は、親水性要素に共有結合する。共有結合は、生理条件下において非切断性又は切断性である。疎水性薬剤ナノ粒子が主に純粋な薬剤であり、実質的に疎水性要素を含有しないように、ミセルのコアにおいて疎水性薬剤粒子を実質的に互いに透過することなく、疎水性要素は、疎水性薬剤と相互作用する。このことは、これらの界面活性剤で形成されるミセルの新しい特徴であり、以前の技術で両親和性のジブロック、トリブロックの共重合体から形成されるものと異なっており、以前の技術においては疎水性のコアは横断され、及び/又は疎水性のポリマーの鎖により深く浸透され、それによりコアに充填されうる薬剤の量はかなり減少される(Yamamoto, et al., J. Control. Rel. 2001, 77, 27; Lavasanifar, et al., Adv. Drug Deliv. Rev. 2002, 54, 169; Kwon, et al., J. Control. Rel. 1994, 29, 17; US 6,322,805)。機能性界面活性剤及びその生理的分解産物は、無毒性、非免疫原性、及び易排泄性である。
疎水性薬剤を封入する及び運搬するための機能性界面活性剤の基本的な構造を、図1に模式的に示す。疎水性要素は、親水性要素に共有結合する。共有結合は、生理条件下において非切断性又は切断性である。疎水性薬剤ナノ粒子が主に純粋な薬剤であり、実質的に疎水性要素を含有しないように、ミセルのコアにおいて疎水性薬剤粒子を実質的に互いに透過することなく、疎水性要素は、疎水性薬剤と相互作用する。このことは、これらの界面活性剤で形成されるミセルの新しい特徴であり、以前の技術で両親和性のジブロック、トリブロックの共重合体から形成されるものと異なっており、以前の技術においては疎水性のコアは横断され、及び/又は疎水性のポリマーの鎖により深く浸透され、それによりコアに充填されうる薬剤の量はかなり減少される(Yamamoto, et al., J. Control. Rel. 2001, 77, 27; Lavasanifar, et al., Adv. Drug Deliv. Rev. 2002, 54, 169; Kwon, et al., J. Control. Rel. 1994, 29, 17; US 6,322,805)。機能性界面活性剤及びその生理的分解産物は、無毒性、非免疫原性、及び易排泄性である。
疎水性薬剤コアの実質的に純粋な薬剤の望ましい効果、及びそれによる高充填能力は、長ポリマー鎖よりは小さい疎水性要素を用いることによって、本発明において達成される。本発明では、疎水性要素は、低分子、オリゴマー又はポリマーである。好ましくは、オリゴマー、又はポリマーは、一本鎖長又は狭い分布の鎖長を有する。適切なオリゴマー又はポリマーは、疎水性側鎖を有するペプチド、及び疎水性側鎖、例えばペプトイド、オリゴカルバメート、オリゴウレア、及びそれらの混合物を有する不自然な段階的オリゴマーを含む。オリゴマー又はポリマーがペプチドである場合、好ましくはペプチドは、約20未満のアミノ酸、より好ましくは、2〜20のアミノ酸の間、より好ましくは約2〜15のアミノ酸の間、より好ましくは約2〜10のアミノ酸の間、及び最も好ましくは約2〜5のアミノ酸の間を含む短いペプチドである。適切な低分子は、疎水性薬剤そのものか又はそのアナログ、コレステロール、コレステロール誘導体、胆汁酸、胆汁酸誘導体、ステロイド性サポゲニン、トリテルペノイドサポゲニン、ステロイド性サポゲニン誘導体、トリテルペノイドサポゲニン誘導体、ステロイド誘導体、芳香族アミノ酸を含むアミノ酸、及びそれらの混合物を含む。
親水性要素は、ミセルを形成する際、親水性要素自身が水性溶液に対して配向するように意図されており、さらに付け加えると、異なるが近接する界面活性剤分子の親水性要素との間で側面の様式(例えば水素結合又は荷電/荷電の相互作用で)で相互作用しうる。この側面の相互作用は、ミセル構造を安定化するために十分強い。この付加的な安定化は、上記に示す様に、疎水性薬剤コアに対する適度の親和性のみを有する相対的に小さい疎水性要素の使用を可能にする。
親水性要素は、オリゴマー又はポリマーである。好ましくは、オリゴマー又はポリマーは、一本鎖長又は狭い分布の差長を有する。また、好ましくは、オリゴマー又はポリマーは直鎖状の、分枝状の、又は環状の構造を有し、及び/又は漸進的にサイズを増やして円錐体様の形状を作る側鎖を含む。適切なオリゴマー又はポリマーは、オリゴ糖、多糖、ペプチド、不自然な段階的オリゴマー、及びそれらの混合物を含む。より特異的に、適切なオリゴマー又はポリマーは、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリル酸)、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ペプトイド、オリゴカルバメート、オリゴウレア、及びそれらの混合物を含みうる。ペプチド及び不自然な段階的オリゴマーは、親水性側鎖、例えばPEGオリゴマー、PVPオリゴマー、単糖、オリゴ糖、及び環状デキストリン、又は極性官能基、例えば-OR(ここでRは水素、或いはアルキル又は芳香基である)、-CONRR’(ここでR及びR’は独立して水素、或いはアルキル又は芳香基である)、−NRR'(ここでR及びR’は独立して水素、或いはアルキル又は芳香基である)、-NR(CNR'(NR''R'''))(ここでR、R'、R''、及びR'''は独立して水素、或いはアルキル又は芳香基である)、−COOR(ここでRは水素、或いはアルキル又は芳香基である)、-SO3R(ここでRは水素、或いはアルキル又は芳香基である)、-P(O)(OR)(OR’) (ここでR及びR’は独立して水素、或いはアルキル又は芳香基である)、-NRR'R''(+)(ここでR、R'、R''は全てあるキル又は芳香基である)、及びそれらの混合物、を含むそれらの側鎖を有しうる。
親水性要素は、例えばpH、酵素活性の存在、酸化又は還元状態、求核試薬の存在などを含む特定の生理条件下において分解される不安定な結合を含む。適切なリンカーは、官能基、例えばアミド、カルバメート、チオカルバメート、酸素酸エステル、チオエステル、グリコール酸エステル、乳酸エステル、オルトエステル、アセタール、ケタール、ホスホジエステル、ジスルフィド、及びそれらの混合物を含む。図1に描くリンカーは、いずれかの共有結合であり、生理条件下で安定又は分解性でありうる。特定の態様では、リンカーは、以下に示すように透過性を高める分子を作ることができる。別の特定の態様では、リンカーは、以下にさらに記述されるように、結合要素及び輸送要素からなる群から選ばれる要素をアンマスクできる。
親水性要素自身は、さらに結合要素及び/又は輸送要素を含みうる。適切な結合要素は、リガンド、生物接着性官能基、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる要素を含む。適切な輸送要素は、核移行配列、膜横断分子、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる要素を含む。
親水性要素自身は、さらに結合要素及び/又は輸送要素を含みうる。適切な結合要素は、リガンド、生物接着性官能基、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる要素を含む。適切な輸送要素は、核移行配列、膜横断分子、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる要素を含む。
界面活性剤の疎水性要素は、好ましくは疎水性薬剤成分と相互作用する。このようにして形成されたミセルは、約1〜100nM、好ましくは約5〜80nMの範囲の水力学的直径を有する。親水性要素は、外部の水性環境と相互作用するように配向されるが、ミセル構造が安定化するように、隣接する界面活性剤の親水性要素と側面の様式で実質的に相互作用しうる。
機能性界面活性剤は、図1に模式的に示されるように、自己集合過程を通してコアに疎水性薬剤を含むミセルを形成するために使われるだろう。ミセルは、疎水性薬剤を封入する複数の界面活性剤を含み、ここで当該ミセルは、疎水性薬剤を含むコアを有し、当該コアは実質的に疎水性要素を含有しない。好ましい態様では、ミセルは、大きい体積の疎水性薬剤を含む。上記の通り、ミセルは自己集合過程により形成され、当該過程は、水性緩衝液中で機能性界面活性剤を疎水性薬剤と混合するステップ、及びゆっくり攪拌して、疎水性薬剤がミセルのコアに隔絶されるミセルを形成するステップを含む。システムはこのように自己乳化型である。代わりに、ミセルは、揮発性の溶剤又はFDAに承認された油に疎水性薬剤を溶解して薬剤の溶解を促進すること、及び溶解した薬剤を、界面活性剤を含む水溶液へと添加することを含む方法によって形成される。
機能性界面活性剤は、図1に模式的に示されるように、自己集合過程を通してコアに疎水性薬剤を含むミセルを形成するために使われるだろう。ミセルは、疎水性薬剤を封入する複数の界面活性剤を含み、ここで当該ミセルは、疎水性薬剤を含むコアを有し、当該コアは実質的に疎水性要素を含有しない。好ましい態様では、ミセルは、大きい体積の疎水性薬剤を含む。上記の通り、ミセルは自己集合過程により形成され、当該過程は、水性緩衝液中で機能性界面活性剤を疎水性薬剤と混合するステップ、及びゆっくり攪拌して、疎水性薬剤がミセルのコアに隔絶されるミセルを形成するステップを含む。システムはこのように自己乳化型である。代わりに、ミセルは、揮発性の溶剤又はFDAに承認された油に疎水性薬剤を溶解して薬剤の溶解を促進すること、及び溶解した薬剤を、界面活性剤を含む水溶液へと添加することを含む方法によって形成される。
これらの界面活性剤における特定の機能性特徴及び対応するミセルの機能を図2及び図3で描写する。図2は、結合要素をアンマスクすることを示し、当該結合要素は、例えばリガンド、生物接着性官能基、及びそれらの混合物を含む。結合要素は、最初、親水性要素の化学構造へ、単量体、結合基、又は化学的に保護される官能基として組み込まれることによって、マスクされる。結合要素に付け加えて、輸送要素、例えば核移行配列、膜横断分子、及びそれらの混合物は、単量体、結合基、または化学的に保護される官能基として、親水性要素の化学構造の中に組み込まれる。トリガーとなる条件(例えば、pHの変化、酵素活性の存在、又は周囲の還元度の変化)に反応して、親水性要素内の化学的結合又は基(又は、親水性要素と疎水性要素の間の結合)の切断は、結合要素又は輸送要素をアンマスクし、受容体又は粘膜、上皮、又は膜関門と相互作用することを可能にする。そういった相互作用は、ミセル又はその中に含まれる疎水性薬剤が、例えば関門表面にとどまる時間を増やすことにより、受容体に仲介される経細胞輸送又はエンドサイトーシス過程を引き起こすことにより、又は細胞膜又は核膜を透過することにより、関門を通過する能力を高める。トリガーとなる出来事がアンマスクするために必要とされないように、結合要素又は輸送要素は、代わりに最初からマスクされないこともありうる。
図3は機能性ミセルの脱被膜過程、及び続いて起こる薬剤による粘膜、上皮、又は膜関門の透過を描写する。疎水性薬剤粒子を含む機能性ミセルは、断面図に描写される。トリガーとなる条件(例えばpHの変化、酵素活性の存在、又は周囲の還元度の変化)に反応して、組込まれた不安定な結合が切断されることによって、親水性要素が部分的に又は完全に、制御された様式で分解する。近接する界面活性剤活性剤分子の親水性要素の間で、安定化相互作用が側面で起こるのだが、親水性要素の大きさが減少する。ミセル被膜の安定性が減少すると、界面活性剤分子は、疎水性薬剤粒子及びお互いと部分的に又は完全に分離し、薬剤粒子が粘膜、上皮、又は膜関門を浸透することを可能にする。このようにして、リンカーはミセルを不安定化することができ、それによって複数の界面活性剤はコアから脱し、そして疎水性薬剤は外部の環境に晒される。
親水性要素が部分的に又は完全にこの過程で分解されるところにおいては、機能性ミセルの界面活性剤分子は、薬剤の関門中又は関門を通した透過性を高めるという性質を持ちうる。ある特定の態様では、親水性要素は、透過性を高める分子を作ることができるリンカーをさらに含みうる。別の特定の態様では、界面活性剤自身が、透過性を高める分子である。透過性を高める分子の例は、EDTA、ラウリル硫酸ナトリウム、カプロン酸ナトリウム、サポニン、胆汁酸塩、及び糖エステル、例えばn-ラウリル-β-D-マルトピラノサイド及びパルミチン酸スクロースである(Uchiyama, et al., J. Pharm. Pharmacol.1999, 51, 1241; Fricker, et al., Brit. J. Pharmacol. 1996, 117, 217; Nakada, et al., J. Pharmacobio -Dyn. 1988, 11, 395; US 5,650,398,これら全ては本明細書中に援用する。)。複数の正に帯電した官能基を有する親水性ポリマー性材料は、上皮の及び粘膜の関門の透過性を傍細胞経路によって増加させるということが知られている。(Dodane, et al., Int. J. Phrm. 1999, 182, 21; Kotze, et al., Pharm. Res. 1997, 14, 1197, 両方とも本明細書中に援用する)。マンニトールは、血液脳関門の透過性を増加させるということが知られている(Koenig, et al., J. Neurochem. 1989, 52, 1135; Koenig, et al., Brain Res. 1989, 483, 110, 両方とも本明細書中に援用する)。正に帯電した官能基、特にグアニジン基、から成るオリゴマートランスポーターは、細胞膜を横断し、結合された積荷を細胞質内に、核内に、又は上皮性層を通して運搬することが知られている。(Futaki, et al., J. Biol. Chem. 2001, 276, 5836; US 5,807,746; US 5,804,604; Mitchell, et al., J. Peptide Res. 2000, 56,318; Wender et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 2000,97, 13003; Wender, et al., J. Am. Chem. Soc. 2002, 124, 13382; WO 01/62297; WO 02/069930,これら全ては本明細書中に援用する。
図3に示される脱被膜及び透過の過程は、結合要素又は輸送要素(及び続いて起こるその標的との相互作用)のアンマスクと同時に起こりうる。ミセルは、さらに不所望の酵素活性、例えばP-糖タンパク質、チトクロームP450 3A,及びタンパク質分解酵素、エステル分解酵素、又は核酸分解酵素の阻害剤を含みうる。付け加えて、ミセルは、界面活性剤とは異なる透過性を高める分子をさらに含みうる。
親水性薬剤の封入及び運搬のための機能性界面活性剤
親水性薬剤を運ぶための機能性界面活性剤の基礎的な構造を、図4に模式的に描写する。2番目の親水性要素は、疎水性要素と共有結合しており、当該疎水性要素は、「極荷電要素」(PLE)と名づけられる最初の親水性要素に共有結合しており、そこでは最初の及び2番目の親水性要素は、大きさ及び/又は形状で異なっており、及び界面活性剤は、親水性薬剤を含むコアを有するミセルを形成できる。共有結合は、生理条件下で非切断性又は切断性である。機能性界面活性剤及びその生理的分解産物は、無毒性、非免疫原性、及び易排泄性である。
親水性薬剤を運ぶための機能性界面活性剤の基礎的な構造を、図4に模式的に描写する。2番目の親水性要素は、疎水性要素と共有結合しており、当該疎水性要素は、「極荷電要素」(PLE)と名づけられる最初の親水性要素に共有結合しており、そこでは最初の及び2番目の親水性要素は、大きさ及び/又は形状で異なっており、及び界面活性剤は、親水性薬剤を含むコアを有するミセルを形成できる。共有結合は、生理条件下で非切断性又は切断性である。機能性界面活性剤及びその生理的分解産物は、無毒性、非免疫原性、及び易排泄性である。
PLEの望ましい効果は、親水性薬剤がコアに隔絶されるように、親水性薬剤と相互作用することができるということである。通常、PLEは、親水性薬剤と優先的に相互作用できる化学構造又は官能基、例えば正又は負の帯電、水素結合性官能基、非共有結合で薬剤に結合するリガンド、痕跡のないリンカー、又はプロドラッグを含む。好ましい態様では、PLEは官能基又は親水性薬剤へ非共有結合で結合することができるリガンドを含む。別の態様では、PLEは、生理条件下で切断されうる痕跡のないリンカー又はプロドラッグをさらに含み、ここで、痕跡のないリンカー又はプロドラッグは、PLEと親水性薬剤とを共有結合できる。適切な痕跡のないリンカー及びプロドラッグの例は以下を参照のこと。Gharat, et al., Int. J. Pharm. 2001, 219, 1; Zalipsky, et al., Bioconjugate Chem. 1999, 10,703; Matsumoto, et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 2001, 11, 605; Zhu, et al., J. Am. Chem. Soc. 2000, 122, 2645; Norveck, et al., J. Med. Chem. 1989, 32, 625, ; Senter, et al., J. Org. Chem. 1990, 55, 2975; WO 01/47562, これ全ては本明細書中に援用する。
ミセル構造における疎水性要素は、近接する界面活性剤分子の疎水性要素と非共有結合的に相互作用することによって構造を安定化する役割を担う。これらの相互作用は、ミセルのコアを効果的に密閉することに役に立ち、外部の媒質の状態から薬剤を保護している。本態様では、疎水性要素は、低分子、オリゴマー、又はポリマーである。好ましくは、オリゴマー又はポリマーは、一本鎖長又は狭い分布の鎖長を有する。適切なオリゴマー又はポリマーは、疎水性側鎖を有するペプチド及び疎水性側鎖を有する不自然な段階的オリゴマー、例えばペプトイド、オリゴカルバメート、オリゴウレア、及びそれらの混合物を含む。適切な低分子は、コレステロール、コレステロール誘導体、胆汁酸、胆汁酸誘導体、ステロイド性サポゲニン、トリテルペノイドサポゲニン、ステロイド性サポゲニン誘導体、トリテルペノイド・サポゲニン誘導体、ステロイド誘導体、アミノ酸、及びそれらの混合物を含む。
極性-コアミセルを形成するために使われる、界面活性剤における2番目の親水性要素は、疎水性薬剤の封入及び運搬のための機能性ミセルを形成するために使われる界面活性剤の上記親水性要素と同じ組成物、機能、及び機能性特徴をもちうる。2番目の親水性要素は、オリゴマー又はポリマーである。好ましくは、オリゴマー又はポリマーは、1本鎖長又は狭い分布の鎖長を有する。好ましくは、オリゴマー又はポリマーは直鎖状の、分枝状の、環状の構造を持ち、及び/又は徐々にサイズを増して円錐体様形状を作る側鎖を含む。適切なオリゴマー又はポリマーは、オリゴ糖、多糖、ペプチド、不自然な段階的オリゴマー、及びそれらの混合物を含む。より特異的には、適切なオリゴマー又はポリマーは、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリル酸)、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ペプトイド、オリゴカルバメート、オリゴウレア、及びそれらの混合物を含みうる。ペプチド及び不自然な段階的なオリゴマ-は、親水性側鎖、例えばPEGオリゴマー、PVPオリゴマー、単糖、オリゴ糖、及び環状デキストリンを有し、又はそれらの組成物は極性官能基、例えば-OR(ここでRは水素、或いはアルキル又は芳香基である)、-CONRR’(ここでR及びR’は独立して水素、或いはアルキル又は芳香基である)、−NRR'(ここでR及びR’は独立して水素、或いはアルキル又は芳香基である)、-NR(CNR'(NR''R'''))(ここでR、R'、R''、及びR'''は独立して水素、或いはアルキル又は芳香基である)、−COOR(ここでRは水素、或いはアルキル又は芳香基である)、-SO3R(ここでRは水素、或いはアルキル又は芳香基である)、-P(O)(OR)(OR’) (ここでR及びR’は独立して水素、或いはアルキル又は芳香基である)、-NRR'R''(+)(ここでR、R'、R''は全てあるキル又は芳香基である)、及びそれらの混合物を含む。
2番目の親水性要素は、結合要素及び/又は輸送要素をさらに含みうる。適切な結合要素は、リガンド、生物接着性官能基、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる要素を含む。適切な輸送要素は、核移行配列、膜横断分子及びそれらの混合物から成る群から選ばれる要素を含む。
2番目の親水性要素は、例えばpH、酵素活性の存在、酸化還元状態、求核試薬の存在などを含む特定の生理条件下切断されうる不安定な結合をさらに含みうる。適切なリンカーは、例えばアミド、カルバメート、チオカルバメート、酸素酸エステル、チオエステル、グリコール酸エステル、乳酸エステル、オルトエステル、アセタール、ケタール、ホスホジエステル、ジスルフィド、及びそれらの混合物を含む官能基を含む。ある態様では、リンカーは、上記の様に結合要素及び輸送要素から成る群から選ばれる要素をアンマスクできる。リンカーは、いずれかの共有結合であり、かつ生理条件下で安定でありうるし、また切断されうる。別のある態様では、リンカーは、ミセルを不安定化させることができ、それにより複数の界面活性剤は、コアから発散され、親水性薬剤は外部環境へと晒される。別の態様では、上記のように、リンカーは透過性を高める分子を生成することを可能にする。界面活性剤そのものは、透過性を高める分子でありうる。
2番目の親水性要素は、例えばpH、酵素活性の存在、酸化還元状態、求核試薬の存在などを含む特定の生理条件下切断されうる不安定な結合をさらに含みうる。適切なリンカーは、例えばアミド、カルバメート、チオカルバメート、酸素酸エステル、チオエステル、グリコール酸エステル、乳酸エステル、オルトエステル、アセタール、ケタール、ホスホジエステル、ジスルフィド、及びそれらの混合物を含む官能基を含む。ある態様では、リンカーは、上記の様に結合要素及び輸送要素から成る群から選ばれる要素をアンマスクできる。リンカーは、いずれかの共有結合であり、かつ生理条件下で安定でありうるし、また切断されうる。別のある態様では、リンカーは、ミセルを不安定化させることができ、それにより複数の界面活性剤は、コアから発散され、親水性薬剤は外部環境へと晒される。別の態様では、上記のように、リンカーは透過性を高める分子を生成することを可能にする。界面活性剤そのものは、透過性を高める分子でありうる。
このタイプの界面活性剤は、図4に示すような、自己集合過程を通して、「極性-コアミセル」として名づけられる物を形成する。極性-コアミセルは、親水性薬剤を封入するための複数の界面活性剤を含む。そのように形成されるミセルは、約1〜100nM、より好ましくは、約5〜80nMの範囲における水力学的直径を有する。ミセルは、自己集合過程によって形成され、当該自己集合過程は、機能性界面活性剤を親水性薬剤と水性緩衝液中で混合し、そしてゆっくり攪拌して、親水性薬剤がそのコアに封入される極性-コアミセルを形成する(断面図に示される)ステップを含む。システムは、それゆえに自己乳化型である。ある特定の態様では、コアは、疎水性の層によって取り囲まれており、疎水性の層は次に親水性の層によって取り囲まれる。
PLEが常に内部の表面に存在するところにおいて、ミセルの一貫した形成を保証するために、機能性界面活性剤の構造は、デザインによって非対称性である。生成する円錐体様形状の機能性界面活性剤が、自己集合し望ましい構造になることを保証するように、2番目の親水性ブロックは、PLEより大きい。親水性薬剤が、外部の水性媒質をほとんど又は全く持たないで、コアにおいて隔絶されるように、ミセルにおけるPLEの機能は、優先的に親水性薬剤と相互作用することである。
本態様において、2番目の親水性要素及びPLEの形状及び大きさが異なることは、界面活性剤分子が、逆平行に配向されるよりはむしろ平行に配向されることをもたらすのに十分であると予期される。しかしながら、もし界面活性剤の鎖がお互い関連して平行な向きの配向をもたらすために追加の特徴が必要であるなら、中心から離れた帯電していない極性の基は、場合により疎水性要素の中に挿入されうる。そういった極性基が疎水性要素の中に存在することは、次に極性基が近接する界面活性剤の疎水性領域と相互作用し、そのことはエネルギー的に望ましくないので、界面活性剤分子がお互いに反並行に整列することを防ぐだろう。もし、界面活性剤分子が、平行な配向で整列されるなら、帯電していない極性の基は、お互い相互作用しうるし、それはエネルギー的にも望ましい。この状況は、アスバラギン酸残基の存在のために、天然のタンパク質GCN4の構造において起こり、平行コイルドコイル構造をもたらす(Gonzalez, et al., Nature Struct. Biol. 1996, 3, 1011)。正に及び負に帯電された基は、望ましいミセル構造を奨励し、又は望ましくないものを抑制することによって、自己集合過程を手助けするために、親水性、疎水性、又は極荷電要素の中に挿入されうる。この概念は、それぞれは反対の荷電を有する2つの異なる界面活性剤の等モルの混合物からミセルを形成する事を含みうる。
極性-コアミセルの形成のための機能性界面活性剤の構造は、概念的には2つの界面活性剤分子のリポソームを融合することであり、ここで膜2重層の外側における界面活性剤分子の疎水性成分は、2重層の内側で界面活性剤分子の疎水性成分と共有結合で結合して機能性界面活性剤の単一の分子を形成する。これらの機能性界面活性剤における単一の疎水性要素は、リポソームの膜2重層の疎水性内部に対応し、一方共有結合で結合するPLEは、リポソームの界面活性剤分子の内側における親水性成分に対応し、そして2番目の親水性要素は、リポソームの外側の界面活性剤分子における親水性成分に対応する疎水性要素のもう一方の末端に共有結合する。この様式でリポソームの2重層の2つの界面活性剤分子の疎水性成分を融合することは、慣用のリポソームで可能なことより、粒子の大きさ並びにもたらされる極性-コアミセルの安定性を強く制御する可能性を創造する。そういったミセルは、慣用のミセルより、内包する薬剤を漏出することがずっと少ないだろう。
極性-コアミセルは、親水性の内部のおかげだけではなく、ミセル中で近接する界面活性剤分子の疎水性要素の間で側面の相互作用によって作られる疎水性密封性によって与えられる保護のおかげで、ある範囲の親水性分子を封入すること及び運搬することに有用である。この密封性は、封入された薬剤が外部環境における分解性の条件又は酵素活性に晒されることを防ぐ。この特徴は、不安定な分子、例えばペプチド、タンパク質、オリゴ糖、多糖、及び核酸にとって特に有用である。
特に、核酸の運搬に関しては、極性-コアミセルは、核酸をポリカチオンであって、核酸を密接に隔絶して、作用部位において容易な放出を妨げているポリカチオンの材料に縮合させることに基づいた現存の運搬戦略(Zabner, Adv. Drug Deliv. Rev. 1997, 27,17; US 5,942,634; Byk, et al., J. Med. Chem. 1998, 41, 225)よりずっと優れている。本発明の極性-コアミセルは、対照的に、そういった縮合に頼っておらず、かつ作用部位においてより容易にかつ効果的に核酸を放出することができる。
これらの界面活性剤から形成される極性-コアミセルは、望ましくない酵素活性、例えばP-糖タンパク、シトクロームP450 3A、及びタンパク質分解酵素、エステル分解酵素、又は核酸分解酵素の阻害剤を含みうる。さらに、ミセルは、界面活性剤とは異なる透過性を高める分子を含みうる。
これらの界面活性剤から形成される極性-コアミセルは、望ましくない酵素活性、例えばP-糖タンパク、シトクロームP450 3A、及びタンパク質分解酵素、エステル分解酵素、又は核酸分解酵素の阻害剤を含みうる。さらに、ミセルは、界面活性剤とは異なる透過性を高める分子を含みうる。
タンパク質薬剤保護のためのオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物
図5に示すものは、タンパク質薬剤保護のための親水性共重合体の基本的な構造である。上の図は1つの型を描写し、ここで、活性部位以外の部位においてタンパク質に非共有結合で結合することができる認識要素(RE1)は、親水性要素に共有結合で結合する。下段の図は2番目の型を描写し、ここで、認識要素(RE1)は、親水性要素に共有結合で結合しており、当該親水性要素は2番目の認識要素(RE2)と別の末端において共有結合で結合する。当該2番目の認識要素は、同じタンパク質のRE1の結合サイトとは別の部位であって、タンパク質の活性部位ではない部位において非共有結で結合することができる。
図5に示すものは、タンパク質薬剤保護のための親水性共重合体の基本的な構造である。上の図は1つの型を描写し、ここで、活性部位以外の部位においてタンパク質に非共有結合で結合することができる認識要素(RE1)は、親水性要素に共有結合で結合する。下段の図は2番目の型を描写し、ここで、認識要素(RE1)は、親水性要素に共有結合で結合しており、当該親水性要素は2番目の認識要素(RE2)と別の末端において共有結合で結合する。当該2番目の認識要素は、同じタンパク質のRE1の結合サイトとは別の部位であって、タンパク質の活性部位ではない部位において非共有結で結合することができる。
ある態様では本発明は、親水性要素に共有結合する少なくとも1の認識要素を含むタンパク質薬剤の保護のためのオリゴマー、ポリマー及び/又はそれらの混合物を提供し、ここで、認識要素又は複数の認識要素は、非共有結合でタンパク質薬剤と相互作用して複合体を形成し、その複合体においてタンパク質薬剤は分解、免疫システムからの認識、及び/又は腎排泄から保護される。共有結合は、生理条件下で非切断性又は切断性である。オリゴマー又はポリマー、及び/又はそれらの混合物並びにその生理的分解産物は、無毒性、非免疫原性、及び易排泄性である。特定の態様では、タンパク質薬剤が活性部位を有するとき、活性部位はオリゴマー又はポリマーにより妨害されず、それによりタンパク質薬剤の生理活性を複合体中で維持する。
別の態様では、オリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物は、複数の認識要素を有し、ここで各認識要素は、相互に区別されるタンパク質薬剤の部位に結合し、それは複数の鎖の末端を提供する分枝状の構造物を使って作られうる。代わりに、複数の認識要素は、直鎖又は分枝の親水性要素をとおして、分離した位置に分配されうる。特定の態様では、図4に描写する親水性薬剤の運搬のための機能性界面活性剤のPLEが、上記の認識要素(例えばRE1又はRE2)に相当するとき、その界面活性剤は、タンパク質薬剤の保護及び運搬のための極性-コアミセルの形成のために使われうる。
認識要素又は複数の認識要素は、(以下で記述されるファージライブラリー選別由来の)ペプチド及び環状ペプチド、不自然な段階的オリゴマー、環状不自然な段階的オリゴマー、天然低分子、及び合成低分子を含む。代わりに、認識要素又は複数の認識要素は、コンビナトリアル化学方法によって発見されるペプチド性又は非ペプチド性リガンドでありうる。コンビナトリアル化学方法では、潜在的なリガンドのライブラリーがアッセイスクリーニング(Burbaum and Sigal, Curr. Opin. Chem. Biol. 1997, 1, 72)又は選別のためのビーズレジンの表面でディスプレイされ、そしてさらにこの過程を手助けする列の様態でディスプレイされうる。そういった分子の例は、不自然な段階的オリゴマー例えばペプトイド、オリゴカルマメート、及びオリゴウレア、或いは合成低分子例えばヘテロサイクリック化合物のライブラリーを含む。認識要素又は複数の認識要素は、それらの結合部位の親和性を高めるために多価のリガンドをさらに含みうる。
親水性要素は、オリゴマー又はポリマーを含む。好ましくは、オリゴマー又はポリマーは、一本鎖長又は狭い分布の鎖長を有する。さらに好ましくは、親水性要素は、分枝状、直鎖状、又は環状構造を有する。適切なオリゴマー又はポリマーは、オリゴ糖、多糖、ペプチド、不自然な段階的オリゴマー、及びそれらの混合物を含む。より特異的には、適切なオリゴマー又はポリマーは、ポリ(エチレングリコール)(PEG)、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(ビニルピロリドン)(PVP)、ポリ(ヒドロキシエチルメタクリル酸)、ポリ(ε-カプロラクトン)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ペプトイド、オリゴカルバメート、オリゴウレア、及びそれらの混合物を含みうる。ペプチド及び不自然な段階的オリゴマーは、親水性側鎖、例えばPEGオリゴマー、PVPオリゴマー、単糖、オリゴ糖、及びシクロデキストリン、或いは極性官能基、例えば-OR(ここでRは水素、或いはアルキル又は芳香基である)、-CONRR’(ここでR及びR’は独立して水素、或いはアルキル又は芳香基である)、−NRR'(ここでR及びR’は独立して水素、或いはアルキル又は芳香基である)、-NR(CNR'(NR''R'''))(ここでR、R'、R''、及びR'''は独立して水素、或いはアルキル又は芳香基である)、−COOR(ここでRは水素、或いはアルキル又は芳香基である)、-SO3R(ここでRは水素、或いはアルキル又は芳香基である)、-P(O)(OR)(OR’) (ここでR及びR’は独立して水素、或いはアルキル又は芳香基である)、-NRR'R''(+)(ここでR、R'、R''は全てあるキル又は芳香基である)、及びそれらの混合物を有しうる。
親水性要素は、さらに結合要素及び/又は輸送要素を含みうる。適切な結合要素は、リガンド、生理結合性官能基、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる要素を含む。適切な輸送要素は、核移行配列、膜横断分子、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる要素を含む。親水性要素は、正に又は不に帯電した基であって、マスクされた又はアンマスクされた形態の構造に共有結合するか又は含まれる基を含みうる。
親水性要素は、例えば、pH、酵素活性の存在、酸化還元状態、求核試薬の存在などを含む特定の生理条件下において切断されうる不安定な結合をさらに含みうる。適切なリンカーは、官能基、例えばアミド、カルバメート、チオカルバメート、酸素酸エステル、チオエステル、グリコール酸エステル、乳酸エステル、オルトエステル、アセタール、ケタール、ホスホジエステル、ジスルフィド、及びそれらの混合物を含む。特別な態様では、リンカーは、結合要素及び輸送要素から成る群から選ばれる要素をアンマスクできる。認識要素又は複数の認識要素と親水性要素との間のリンカーは、いずれかの共有結合であり、そして生理条件下で安定又は切断性でありうる。
親水性要素は、例えば、pH、酵素活性の存在、酸化還元状態、求核試薬の存在などを含む特定の生理条件下において切断されうる不安定な結合をさらに含みうる。適切なリンカーは、官能基、例えばアミド、カルバメート、チオカルバメート、酸素酸エステル、チオエステル、グリコール酸エステル、乳酸エステル、オルトエステル、アセタール、ケタール、ホスホジエステル、ジスルフィド、及びそれらの混合物を含む。特別な態様では、リンカーは、結合要素及び輸送要素から成る群から選ばれる要素をアンマスクできる。認識要素又は複数の認識要素と親水性要素との間のリンカーは、いずれかの共有結合であり、そして生理条件下で安定又は切断性でありうる。
別の態様では、本発明は、少なくとも1の反応性化学基又は反応性リンカーに共有結合で結合する認識要素又は複数の認識要素を有するオリゴマー、ポリマー及び/又はそれらの混合物を提供し、ここで反応性化学基または反応性リンカーは、タンパク質薬剤上の少なくとも1の官能基と反応することができ、及び反応性化学基又は反応性リンカーは、認識要素とタンパク質薬剤との間の少なくとも1の共有結合を形成できる。そういった反応性化学基の例は、当該技術分野に既知であり、そしてタンパク質の共有結合修飾のために使われる。適切な反応性化学基は、活性のあるエステル、活性化されたジスルフィド、マレイミド誘導体、光反応性基、およびその他を含む。これらの反応性化学基は、タンパク質の官能基、例えばアミノ、ヒドロキシル、チオール、及び別の基と共有結合を形成する。
タンパク質に対する共有結合の形成の結果、オリゴマー、ポリマー、又はそれらの混合物は、純粋な非共有結合性相互作用によるよりはさらに密接にタンパク質へと結合し、複合体の耐久性をさらに高める。このようにして形成される共有結合又は元の認識要素とタンパク質との間に挿入される別の化学成分の部位は、生理条件下で切断されうるということは可能である。
タンパク質に対する共有結合の形成の結果、オリゴマー、ポリマー、又はそれらの混合物は、純粋な非共有結合性相互作用によるよりはさらに密接にタンパク質へと結合し、複合体の耐久性をさらに高める。このようにして形成される共有結合又は元の認識要素とタンパク質との間に挿入される別の化学成分の部位は、生理条件下で切断されうるということは可能である。
特定の態様では、オリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物は、生理条件下で切断されうる少なくとも1のリンカーを含む。適切なリンカーは、官能基、例えばアミド、カルバメート、チオカルバメート、酸素酸エステル、チオエステル、グリコール酸エステル、乳酸エステル、オルトエステル、アセタール、ケタール、ホスホジエステル、ジスルフィド、及びそれらの混合物を含む。
本発明の複合体は、少なくとも1のオリゴマー又はポリマー並びにタンパク質薬剤を含み、ここでオリゴマー又はポリマーは、親水性要素へ共有結合する少なくとも1の認識要素を含み、そして認識要素又は複数の認識要素は、非共有結合でタンパク質薬剤と相互作用して複合体を形成し、当該複合体においてタンパク質は分解、免疫システムからの認識、及び/又は腎排泄から保護される。特定の態様では、タンパク質薬剤が活性部位を有するとき、活性部位はオリゴマー又はポリマーによって妨害されることがなく、それによって複合体におけるタンパク質薬剤の生理活性を維持する。別の態様では、複合体は複数の認識要素を有し、ここで各認識要素はタンパク質薬剤の相互に区別される部位に結合し、複数の鎖末端を提供する分枝状の構造を用いることによって作出されうる。代わりに、複数の認識要素は、分離された位置において直鎖又は分枝状の親水性要素を通して分配されうる。
本発明の複合体は、少なくとも1のオリゴマー又はポリマー並びにタンパク質薬剤を含み、ここでオリゴマー又はポリマーは、親水性要素へ共有結合する少なくとも1の認識要素を含み、そして認識要素又は複数の認識要素は、非共有結合でタンパク質薬剤と相互作用して複合体を形成し、当該複合体においてタンパク質は分解、免疫システムからの認識、及び/又は腎排泄から保護される。特定の態様では、タンパク質薬剤が活性部位を有するとき、活性部位はオリゴマー又はポリマーによって妨害されることがなく、それによって複合体におけるタンパク質薬剤の生理活性を維持する。別の態様では、複合体は複数の認識要素を有し、ここで各認識要素はタンパク質薬剤の相互に区別される部位に結合し、複数の鎖末端を提供する分枝状の構造を用いることによって作出されうる。代わりに、複数の認識要素は、分離された位置において直鎖又は分枝状の親水性要素を通して分配されうる。
図6〜9は、本発明に適した認識要素であって、図5で描写される構造の親水性共重合体に組み込まれうる認識要素を発見する方法を示し、その共重合体は次に薬剤として有用な保護されたタンパク質を作るためにタンパク質に剤形されうる。本明細書中に記述される方法は、ファージディスプレイ技術(Nilsson, et al., Adv. Drug Deliv. Rev. 2000, 43, 165; US 5,622,699)の使用に頼るが、リガンド産出の技術分野における当業者は、ペプチド又は非ペプチドリガンドを見つける別の方法、例えばコンビナトリアル化学法を考案できるであろう。このコンビナトリアル化学法では、潜在的なリガンドライブラリーは、スクリーニング又は選別のためレジンビーズでの表面上でディスプレイされ、そしてさらに上記の様にこの過程を手助けするため列の様態でディスプレイされうる。ファージディスプレイ技術を用いてペプチドリガンドを見つける別のスキームは、当業者によって考案されうる。
リガンドの発見のためのファージディスプレイ技術は、すでに作られた様々なライブラリーの利点を提供し、かつレジンに基づく戦略を用いることで結合を選別することを容易にする。積極的及び消極的な(つまりサブトラクション)選別が可能である。溶出の厳密性を徐々に増加させることによって、結合部位に対する望ましい親和性で結合するリガンドのファミリーを作る技術を可能にする。このことは、低親和性のリガンドが先に溶出し、続いて中程度の親和性のリガンドが溶出し、最後に最も親和性が高いリガンドが溶出するように、変性剤の濃度を増やし、イオン強度を増加又は減少させ、緩衝液のpHを変化させ、有機共溶媒の割合を変化させることなどによって、徐々に、段階的な様態で達成されうる。
タンパク質のリガンドがファージディスプレイ技術で発見されるところにおける最も簡単な方法が、図6に示される。この方法の成功は、実際にライブラリーから選択されるリガンドのうちのどれが相互に区別されるタンパク質部位に結合するかを、配列の単純な検査及び比較によって識別する能力に依存する。図6に示される通り、単一の活性部位を有するタンパク質は、レジンビーズに共有結合で又は非共有結合で結合する活性部位のリガンドと複合体を作る。結合していないタンパク質は洗い流され、その後、ファージディスプレイされたリガンドがタンパク質の部位に結合することを可能にする条件下で、レジンに結合した複合体がファージライブラリーL1に晒される。結合していないファージは洗い流され、結合したファージが、適切な条件(例えば、イオン強度、pH、温度、溶剤組成、変性剤、界面活性剤、などの変化)下で放出及び溶出されてファージライブラリーL2を生成する。結合された活性化部位のリガンドを有さないタンパク質は、共有結合又は非共有結合でレジンビーズに結合され、ファージディスプレイされたリガンドがタンパク質へと結合することを可能にする条件下でライブラリーL2に晒される。結合していないファージは洗い流され、結合したファージは、適切な条件下で次に放出及び溶出されてファージライブラリーL3を生成する。ライブラリーL3からのリガンドの配列は、どの配列が配列の類似性または相違性に基づく区別された部位へと相互に結合するかを決定するために検査され及び比較された。相互に区別される部位に結合するリガンドA,B,Cは、この手法に基づいて選ばれる。
タンパク質上の相互に区別される部位へ結合するリガンドの配列を検査することによって、容易に識別することが可能でないなら、別の方法がそういったリガンドを経時的に見つけるために使われうる。二つのケースは、本明細書中で詳細に記述される。最初のケースは、相互に区別される作用部位でない結合部位へ結合するリガンドであって、1つの活性部位をもつタンパク質に対するリガンドを発見することを含む。
タンパク質上の相互に区別される部位へ結合するリガンドの配列を検査することによって、容易に識別することが可能でないなら、別の方法がそういったリガンドを経時的に見つけるために使われうる。二つのケースは、本明細書中で詳細に記述される。最初のケースは、相互に区別される作用部位でない結合部位へ結合するリガンドであって、1つの活性部位をもつタンパク質に対するリガンドを発見することを含む。
図7Aに示されるとおりにそういったタンパク質は、共有結合又は非共有結合でレジンビーズに結合されている活性部位リガンドと複合体をつくる。結合していないタンパク質は洗い流され、その後レジンが結合する複合体は、ファージディスプレイされたリガンドがタンパク質上の部位へと結合することを可能にする条件下で、ファージライブラリーL4に晒される。結合していないファージは洗い流され、結合されたファージは、適切な条件(例えば、イオン強度、pH、温度、溶剤組成、変性剤、界面活性剤などの変化)下で放出及び溶出され、ファージライブラリーL5を作成する。結合した活性部位リガンドを有しないタンパク質は、次に共有結合又は非共有結合でレジンビーズに結合され、ファージディスプレイされたリガンドがタンパク質へと結合することを可能にする条件下でファージライブラリーL5に晒される。結合していないファージは洗い流され、そして結合したファージは、適切な条件下で放出及び溶出されてファージライブラリーL6を生成する。「リガンドA」として名づけられる単一の配列は、ライブラリーL6で回収されたリガンドの配列から選ばれる。
活性部位又はリガンドAの結合部位へと結合しないリガンドB、及び活性部位又はリガンドA及びBの結合部位に結合しないリガンドCの発見、図7Bに描写する。タンパク質とそのレジンに結合した活性部位リガンドとの間で上記の通りに複合体が形成される。次に、リガンドAは、その結合部位へと結合を可能にする条件下で複合体へと過度の量で加えられ、結合していないリガンドAは、洗い流されて図7Bの上段左に示す複合体を形成する。代わりに、リガンドAは、巨大な成分へと結合し、その結合部位の付加的な立体障害を提供する。この複合体は、ファージディスプレイされたリガンドがタンパク質に結合することを可能にする条件下で、次にファージライブラリーL6に晒される。結合していないファージは洗い流され、結合したファージは、適切な条件下で放出及び溶出されて、ファージライブラリーL7を生成する。「リガンドB」と名づけられる単一の配列がライブラリーL7から選ばれる。
タンパク質とレジンが結合した活性部位リガンドとの間の複合体が上記のとおりに形成される。リガンドA及びBは、それらが各々の結合部位へと結合することを可能にする条件下で、過度な量で加えられ、そして次に結合しないリガンドA及びBは洗いながされ、図7Bの左下に描写される複合体を形成する。代わりに、リガンドA及びBは、巨大な成分へと各々結合し、付加的なそれらの結合部位の立体障害を提供する。この複合体は、ファージライブラリーL7に、ファージディスプレイされるリガンドがタンパク質へと結合することを可能にする条件下で、晒される。結合していないファージは洗い流され、そして結合していないファージは、適切な条件下で放出及び溶出され、ファージライブラリーL8を生成し、そこから単一の配列が選ばれ「リガンドC」と名づけられる。
所望により、相互に区別される結合部位を有する更なるリガンドD、E、F、などは、上記の方法を反復することによって発見されうる。上に代わる方法は、タンパク質が共有結合又は非共有結合で活性部位リガンドに結合するよりはむしろレジン支持に直接結合するところにおいて、使われうるということを注意しろ。この場合、遊離の活性部位リガンドは、レジン結合されたタンパク質へと加えられ、ファージ選択のために使われる複合体を形成する。
所望により、相互に区別される結合部位を有する更なるリガンドD、E、F、などは、上記の方法を反復することによって発見されうる。上に代わる方法は、タンパク質が共有結合又は非共有結合で活性部位リガンドに結合するよりはむしろレジン支持に直接結合するところにおいて、使われうるということを注意しろ。この場合、遊離の活性部位リガンドは、レジン結合されたタンパク質へと加えられ、ファージ選択のために使われる複合体を形成する。
相互に区別される結合部位を有するリガンドであって、活性部位へ結合しないリガンドの経時的な発見のための2つめのケースは、2つの活性部位を有するタンパク質を含む。活性部位1と名づけられる1の活性部位は、リガンド1によって結合され、活性部位2と名づけられる2つめの活性部位リガンド2によって結合される。リガンド1及びリガンド2は、同じでありうるし、異なりうる。そしてリガンド1及び2のそれらの活性部位に対する親和性は、同じでありうるし、又は異なりうる。図8Aに示すように、リガンド1は共有結合又は非共有結合でレジンビーズへと共有結合し、タンパク質はリガンドが活性部位1に結合することを可能にする条件下で過度に加えられる。結合していないタンパク質は、洗い流され、そして次にリガンド2が活性部位2に結合し、一方リガンド1が活性部位1へと結合したままであることを可能にする条件下で、リガンド2が過度の量で加えられうる。結合していないリガンド2は、洗い流され、図8Aの右上部に示す複合体を形成する。この複合体は、ファージディスプレイされたリガンドがタンパク質へ結合することを可能にする条件下で、ファージライブラリーL9に晒される。結合していないファージは洗い流され、そして残っている結合したファージが適切な条件下で放出及び溶出され、ファージライブラリーL10を生成する。
図8Bに示すように、結合した活性部位リガンドを有さないタンパク質は、共有結合又は非共有結合でレジンビーズへと結合される。タンパク質が結合するレジンは、ファージディスプレイされたリガンドがタンパク質へと結合することを可能にする条件下でファージライブラリーL10に晒される。結合しないファージは、洗い流され、そして残っている結合されたファージは、適切な条件下で放出及び溶出され、ファージライブラリーL11を作成する。「リガンドX」と名づけられる単一の配列はライブラリー11から選ばれる。
図8Bに示すように、結合した活性部位リガンドを有さないタンパク質は、共有結合又は非共有結合でレジンビーズへと結合される。タンパク質が結合するレジンは、ファージディスプレイされたリガンドがタンパク質へと結合することを可能にする条件下でファージライブラリーL10に晒される。結合しないファージは、洗い流され、そして残っている結合されたファージは、適切な条件下で放出及び溶出され、ファージライブラリーL11を作成する。「リガンドX」と名づけられる単一の配列はライブラリー11から選ばれる。
単一の活性部位を有するタンパク質の場合上で記述される類似の様でこの手順を繰り返すことによって、更なるリガンドY,Z、などはタンパク質の活性部位にたいして結合しないように及びリガンドX、Y、Zなどが相互に区別される結合部位を有するように発見されうる。上記の代わりの方法は、タンパク質が直接共有結合で又は非共有結合で活性部位リガンドよりはむしろレジン支持体に結合するところにおいて使われうる。この場合、遊離の活性下部位リガンドは、レジン結合タンパク質へと加えられ、ファージ選別のため使われる複合体を形成する。
リガンドA、B、Cなど及びX、Y、Zなどは、上記の手順を用いて作られ、本発明の親水性共重合体の認識要素として使われうる。リガンド作成の技術における当業者は、A,B,Cなど及びX,Y,Zなどを同定するための別の手段であって、ファージディスプレイ技術を含まない方法を含む手段を考案しうる。全てのそういった同定されたリガンドは、図5の親水性共重合体の認識要素として組み込むことに同程度に有効であるだろう。上に記述されるように、それぞれは、個々のリガンドとして、又は繰り返しの様式においてそれらのそれぞれの結合部位に対する親和性を高めるための多価のリガンドとして親水性要素へと共有結合で結合しうる。
図9A及び9Bは、これらの共重合体を使って保護されるタンパク質の作る方法を示す。単一の活性部位を有するタンパク質が図9Aに示され、相互に区別される結合部位を有する2つのリガンドA及びBであって、活性部位に結合しないA及びBは、異なる親水性要素へと共有結合で結合する。タンパク質及び親水性共重合体は、剤形前に厳しく精製されうる。両方の親水性共重合体は、リガンドがタンパク質上の結合部位に対し結合することを可能にする条件下で、水性溶液中でタンパク質と混ぜられ、親水性共重合体がタンパク質に対し非共有結合で結合する複合体を形成する。
リガンドA及びBを使うタンパク質を保護する別の方法を図9Bに示す。リガンドA及びBは、同じ親水性要素の反対の末端へと共有結合で結合される。タンパク質及び親水性共重合体の両者は、剤形前に厳密に精製されうる。親水性共重合体は、リガンドがタンパク質の結合部位に対し結合することを可能にする条件下で、タンパク質と水溶液中で混ぜられ、複合体を形成し、当該複合体においては、親水性重合体は末端においてタンパク質と非共有結合で結合し、親水性要素が間においてループ構造を形成する。
リガンドA及びBを使うタンパク質を保護する別の方法を図9Bに示す。リガンドA及びBは、同じ親水性要素の反対の末端へと共有結合で結合される。タンパク質及び親水性共重合体の両者は、剤形前に厳密に精製されうる。親水性共重合体は、リガンドがタンパク質の結合部位に対し結合することを可能にする条件下で、タンパク質と水溶液中で混ぜられ、複合体を形成し、当該複合体においては、親水性重合体は末端においてタンパク質と非共有結合で結合し、親水性要素が間においてループ構造を形成する。
図9A及び図9Bで描写するような複合体は、分解、腎排泄、及び免疫認識から守られ、そして、タンパク質の活性部位が妨害されていないので、その生理活性が保存される。タンパク質/親水性共重合体複合体の更なる精製は必要がない。以前記述されたように、親水性要素中に切断できるリンカー、及び/又はマスクされた又はマスクされていない結合要素、又は輸送要素を含むことは、活性部位において治療タンパク質の作用強度を高めうる。
本発明は、ある特定の態様に関して記述されているが、当該技術分野の当業者によって、本発明の精神と範囲から逸脱することなく様々な修飾が行われうることは理解されるべきである。本発明は、さらに以下の例によって例示される。
本発明は、ある特定の態様に関して記述されているが、当該技術分野の当業者によって、本発明の精神と範囲から逸脱することなく様々な修飾が行われうることは理解されるべきである。本発明は、さらに以下の例によって例示される。
実施例1
疎水性薬剤の封入のための機能性界面活性剤としてカルバメートリンカーを用いた、ペプチド-オリゴ糖接合体の合成
4のフェニルアラニン残基から成るペプチドテトラマーを、基本的なFmoc化学を用いてリンク・アミド・レジン上で合成する。最後のFmoc基を除いた後、95:5 TFA/水を用いてレジンから切断することにより、C末端カルボキシアミド及び遊離αアミノ基を有するペプチドを遊離する。オリゴ糖は、光切断可能なリンカーを利用したメリフィールドリジン上でアクセプターが結合する糖修飾戦略を用いて合成される。最初の糖ドナーは、水酸基を有するリンカーにそのアノマー炭素で結合する。アセチル基を、最初の水酸アクセプター基を一時的に保護するために使用し、各カップリングステップの後にDBUで分解し;全ての別の水酸基をそのベンジルエーテルとして保護する。最後の糖ドナーをカップリングした後に、最後のアセチル基をDBUで除き、そしてその結果生じる遊離の最初の水酸基を、アルカリ性臭化シアンで活性化する。過度のペプチドテトラマーを加え、活性化されるレジンが結合するオリゴ糖と邪魔された有機塩基の存在下で反応することを可能にして、ペプチドとオリゴ糖との間のカルバメート結合を形成させる。反応していないペプチドを洗い流し、ベンジルで保護されるペプチド-オリゴ糖結合体を、光を照射することにより、レジンから切断する。ベンジルが保護する基を、酵素的加水分解により取り除き、十分に脱保護された接合体を、HPLCによって単一にまで精製する。
疎水性薬剤の封入のための機能性界面活性剤としてカルバメートリンカーを用いた、ペプチド-オリゴ糖接合体の合成
4のフェニルアラニン残基から成るペプチドテトラマーを、基本的なFmoc化学を用いてリンク・アミド・レジン上で合成する。最後のFmoc基を除いた後、95:5 TFA/水を用いてレジンから切断することにより、C末端カルボキシアミド及び遊離αアミノ基を有するペプチドを遊離する。オリゴ糖は、光切断可能なリンカーを利用したメリフィールドリジン上でアクセプターが結合する糖修飾戦略を用いて合成される。最初の糖ドナーは、水酸基を有するリンカーにそのアノマー炭素で結合する。アセチル基を、最初の水酸アクセプター基を一時的に保護するために使用し、各カップリングステップの後にDBUで分解し;全ての別の水酸基をそのベンジルエーテルとして保護する。最後の糖ドナーをカップリングした後に、最後のアセチル基をDBUで除き、そしてその結果生じる遊離の最初の水酸基を、アルカリ性臭化シアンで活性化する。過度のペプチドテトラマーを加え、活性化されるレジンが結合するオリゴ糖と邪魔された有機塩基の存在下で反応することを可能にして、ペプチドとオリゴ糖との間のカルバメート結合を形成させる。反応していないペプチドを洗い流し、ベンジルで保護されるペプチド-オリゴ糖結合体を、光を照射することにより、レジンから切断する。ベンジルが保護する基を、酵素的加水分解により取り除き、十分に脱保護された接合体を、HPLCによって単一にまで精製する。
実施例2
疎水性薬剤を封入するための機能性界面活性剤としてアミドリンカーを用いた、ペプチド-オリゴ糖の接合体の合成
その側鎖のインドールの窒素をtert-ブチルカルバメートとして保護するところの、5のトリプトファン残基から成るペプチド5量体を、リンク・アミド・レジン上で基本的なFmoc化学を用いて合成する。最後のカップリング反応の後、末端のFmoc基を取り除き、レジンに結合する遊離アミノ基を有する保護されたペプチドを残す。オリゴ糖を、アクセプターが結合する糖鎖付加戦略に用いてWangレジン上で合成する。最初の糖ドナーを、水酸基を有するリンカーにそのアノマー炭素でカップリングする。最初の水酸アクセプター基を一時的に保護するためアセチル基を使い、各カップリングステップ後にDBUで切断できる。全ての別の水酸基を、ベンジルエーテルとして保護する。最後の糖ドナーを、カルボン酸基がそのtert-ブチルエステルとなるよう保護し、水酸基はそのベンジルエーテルとして保護されるところにおいてグルクロン酸の誘導体である。最後の糖ドナーをカップリングした後に、レジンに結合する中間体を、95:5 TFA/水で処理して、1の末端に遊離のカルボン酸基を、別の末端に遊離のアノマー水酸基を有する、ベンジルで保護されるオリゴ糖を放出する。保護されるオリゴ糖のカルボン酸基を、HBTU及びDIEAで処理することにより活性化され、そして次にレジンが結合し側鎖を保護するトリプトファンペンタマーに添加し、そしてそれと反応し、アミド結合を形成することを可能にした。過度に活性化されたオリゴ糖を、洗い流し、そして保護されたペプチド-オリゴ糖接合体を、切断し、95:5 TFA/水で処理することにより部分的に脱保護する。残っているベンジル基を、酵素的な加水分解により取り除き、そして完全に脱保護されたペプチド-オリゴ糖接合体を、HPLCにより単一にまで精製する。
疎水性薬剤を封入するための機能性界面活性剤としてアミドリンカーを用いた、ペプチド-オリゴ糖の接合体の合成
その側鎖のインドールの窒素をtert-ブチルカルバメートとして保護するところの、5のトリプトファン残基から成るペプチド5量体を、リンク・アミド・レジン上で基本的なFmoc化学を用いて合成する。最後のカップリング反応の後、末端のFmoc基を取り除き、レジンに結合する遊離アミノ基を有する保護されたペプチドを残す。オリゴ糖を、アクセプターが結合する糖鎖付加戦略に用いてWangレジン上で合成する。最初の糖ドナーを、水酸基を有するリンカーにそのアノマー炭素でカップリングする。最初の水酸アクセプター基を一時的に保護するためアセチル基を使い、各カップリングステップ後にDBUで切断できる。全ての別の水酸基を、ベンジルエーテルとして保護する。最後の糖ドナーを、カルボン酸基がそのtert-ブチルエステルとなるよう保護し、水酸基はそのベンジルエーテルとして保護されるところにおいてグルクロン酸の誘導体である。最後の糖ドナーをカップリングした後に、レジンに結合する中間体を、95:5 TFA/水で処理して、1の末端に遊離のカルボン酸基を、別の末端に遊離のアノマー水酸基を有する、ベンジルで保護されるオリゴ糖を放出する。保護されるオリゴ糖のカルボン酸基を、HBTU及びDIEAで処理することにより活性化され、そして次にレジンが結合し側鎖を保護するトリプトファンペンタマーに添加し、そしてそれと反応し、アミド結合を形成することを可能にした。過度に活性化されたオリゴ糖を、洗い流し、そして保護されたペプチド-オリゴ糖接合体を、切断し、95:5 TFA/水で処理することにより部分的に脱保護する。残っているベンジル基を、酵素的な加水分解により取り除き、そして完全に脱保護されたペプチド-オリゴ糖接合体を、HPLCにより単一にまで精製する。
実施例3
疎水性薬剤を封入するための機能性界面活性剤としての分枝状ペプトイドの合成
Fmocに基づいたモノマー戦略を用いて、2-フェニル側鎖を有するペプトイド4量体を、HBTU/DIEA活性化を用いてリンク・アミド・レジン上で合成する。最後のFmocを取り除いた後、イソプロピリジンにより保護する水酸基を有するマンノシルC-グリコシド側鎖を含む、3のペプトイド残基を添加する。次に、1の遊離カルボキシル基及びFmocが保護する2の開始アミノ基を含む対称的なリンカーを、HBTU/DIEAで活性化し、そしてレジンが結合するペプトイドにカップリングする。Fmoc基を取り除いた後、イソプロピリジンが保護する水酸基を有する側鎖マンノシルC-グリコシドを含む5のペプトイド残基を、各アミノ基へと添加し、続いて枝分かれした構造を生成するようになる。最後のFmoc基を取り除き、そしてN-末端の2級アミンは、DMF中の酢酸無水物/ピリジンでアセチル化する。レジンを95:5TFA/水で処理し、ペプトイドを切断し、そして保護基を取り除く。脱保護されたペプトイドを、HPLCにより単一まで精製する。
疎水性薬剤を封入するための機能性界面活性剤としての分枝状ペプトイドの合成
Fmocに基づいたモノマー戦略を用いて、2-フェニル側鎖を有するペプトイド4量体を、HBTU/DIEA活性化を用いてリンク・アミド・レジン上で合成する。最後のFmocを取り除いた後、イソプロピリジンにより保護する水酸基を有するマンノシルC-グリコシド側鎖を含む、3のペプトイド残基を添加する。次に、1の遊離カルボキシル基及びFmocが保護する2の開始アミノ基を含む対称的なリンカーを、HBTU/DIEAで活性化し、そしてレジンが結合するペプトイドにカップリングする。Fmoc基を取り除いた後、イソプロピリジンが保護する水酸基を有する側鎖マンノシルC-グリコシドを含む5のペプトイド残基を、各アミノ基へと添加し、続いて枝分かれした構造を生成するようになる。最後のFmoc基を取り除き、そしてN-末端の2級アミンは、DMF中の酢酸無水物/ピリジンでアセチル化する。レジンを95:5TFA/水で処理し、ペプトイドを切断し、そして保護基を取り除く。脱保護されたペプトイドを、HPLCにより単一まで精製する。
実施例4
疎水性薬剤を封入するための機能性界面活性剤として徐々にサイズを大きくする側鎖を有するペプトイドの合成
Fmocが元になるモノマー戦略を用いて、インドールを含む側鎖を有するペプトイドであって、その側鎖においてインドールの窒素がt-ブチルカルバメートとして保護されるペプトイドの5量体を、HBTU/DIEA活性化を用いてリンク・アミド・レジン上で合成する。最後のFmocを取り除いた後、イソプロピリジン-保護される水酸基を有する単糖の側鎖を含む3のペプトイド残基を添加する。続いて、イソプロピリジンが保護する水酸基を有する2糖の側鎖を含む3のペプトイド残基を添加する。最後にイソプロピリジンが保護する水酸基を有する3糖の側鎖を含む3のペプトイド残基が添加される。最後のFmoc基は取り除かれ、そしてN-末端の2級アミンを、DMF中の酢酸無水物/ピリジンでアセチル化する。レジンを、95:5 TFA/水で処理し、ペプトイドを切断し、かつ保護基を取り除く。脱保護されたペプトイドを、HPLCにより単一になるまで精製する。
疎水性薬剤を封入するための機能性界面活性剤として徐々にサイズを大きくする側鎖を有するペプトイドの合成
Fmocが元になるモノマー戦略を用いて、インドールを含む側鎖を有するペプトイドであって、その側鎖においてインドールの窒素がt-ブチルカルバメートとして保護されるペプトイドの5量体を、HBTU/DIEA活性化を用いてリンク・アミド・レジン上で合成する。最後のFmocを取り除いた後、イソプロピリジン-保護される水酸基を有する単糖の側鎖を含む3のペプトイド残基を添加する。続いて、イソプロピリジンが保護する水酸基を有する2糖の側鎖を含む3のペプトイド残基を添加する。最後にイソプロピリジンが保護する水酸基を有する3糖の側鎖を含む3のペプトイド残基が添加される。最後のFmoc基は取り除かれ、そしてN-末端の2級アミンを、DMF中の酢酸無水物/ピリジンでアセチル化する。レジンを、95:5 TFA/水で処理し、ペプトイドを切断し、かつ保護基を取り除く。脱保護されたペプトイドを、HPLCにより単一になるまで精製する。
実施例5
疎水性低分子約の静脈運搬
薬剤「M」は、水性媒質にほとんど溶けない疎水性の低分子である。疎水性要素を、芳香側鎖を有するペプチドから構成し、かつ親水性要素をオリゴ糖から構成するところにおいて、機能性界面活性剤を合成する。オリゴ糖は、短い非分断性のリンカーによってペプチドに結合する。薬剤Mを、水性緩衝液中で機能性界面活性剤と混ぜ、そして混合物を、攪拌し、ほとんど単分散の集団のミセルであって、それぞれが薬剤のナノ粒子を含むミセルを形成する。デキストリンを、懸濁液に添加し、そして混合物を次に凍結乾燥して、適切な有効期間を有する粉末を生成する。投与の直前に、粉末を滅菌されたpH7.5のリン酸緩衝溶液(PBS)に再懸濁し、静脈投与する。可溶化された薬剤は血流を通し循環し、そして無傷の界面活性剤分子は、徐々にミセルから放出され、薬剤Mをさらし、薬物Mは、血液アルブミンに低親和性での結合を通して次にその作用部位へと移動する。
疎水性低分子約の静脈運搬
薬剤「M」は、水性媒質にほとんど溶けない疎水性の低分子である。疎水性要素を、芳香側鎖を有するペプチドから構成し、かつ親水性要素をオリゴ糖から構成するところにおいて、機能性界面活性剤を合成する。オリゴ糖は、短い非分断性のリンカーによってペプチドに結合する。薬剤Mを、水性緩衝液中で機能性界面活性剤と混ぜ、そして混合物を、攪拌し、ほとんど単分散の集団のミセルであって、それぞれが薬剤のナノ粒子を含むミセルを形成する。デキストリンを、懸濁液に添加し、そして混合物を次に凍結乾燥して、適切な有効期間を有する粉末を生成する。投与の直前に、粉末を滅菌されたpH7.5のリン酸緩衝溶液(PBS)に再懸濁し、静脈投与する。可溶化された薬剤は血流を通し循環し、そして無傷の界面活性剤分子は、徐々にミセルから放出され、薬剤Mをさらし、薬物Mは、血液アルブミンに低親和性での結合を通して次にその作用部位へと移動する。
実施例6
損傷した神経細胞の再生のため、中枢神経系へのシクロスポリンAの静脈内運搬
シクロスポリンAは、水性媒質にほとんど溶けない疎水性の薬剤である。疎水性薬剤を封入するように設計される機能性界面活性剤を、L-グルタミン酸がリガンドとして親水性要素の遊離末端へと共有結合するように、合成する。親水性要素の中に、不安定なチオエステル結合が、親水性要素の中腹に位置する。シクロスポリンAを、水性緩衝液中に機能性界面活性剤と供に混合し、そしてゆっくりとした攪拌を行いほぼ単分散の集団のミセルであって、平均直径で15nMの薬剤ナノ粒子を含むミセルを生成する。グルコースをミセルの水性懸濁液に添加し、それを次に凍結乾燥して適切な有効期間を有する粉末を生成する。投与の直前に、粉末を滅菌したpH7.5のPBSに溶解し、患者へ静脈投与する。可溶化した薬剤は、血流を通し循環し、そしてL-グルタミンリガンドは、血液脳関門における受容体へと結合し、薬剤を含むミセルを局在化する。漸進的なチオエステル結合の加水分解は、親水性要素の分解の原因となって、シクロスポリンAナノ粒子の脱被膜をもたらし、当該シクロスポリンAナノ粒子は同じ場所に沈着する。シクロスポリンAは次に、上皮細胞の膜を通して拡散することにより、血液脳関門を通過し、中枢神経系の間質液へと到達する。
損傷した神経細胞の再生のため、中枢神経系へのシクロスポリンAの静脈内運搬
シクロスポリンAは、水性媒質にほとんど溶けない疎水性の薬剤である。疎水性薬剤を封入するように設計される機能性界面活性剤を、L-グルタミン酸がリガンドとして親水性要素の遊離末端へと共有結合するように、合成する。親水性要素の中に、不安定なチオエステル結合が、親水性要素の中腹に位置する。シクロスポリンAを、水性緩衝液中に機能性界面活性剤と供に混合し、そしてゆっくりとした攪拌を行いほぼ単分散の集団のミセルであって、平均直径で15nMの薬剤ナノ粒子を含むミセルを生成する。グルコースをミセルの水性懸濁液に添加し、それを次に凍結乾燥して適切な有効期間を有する粉末を生成する。投与の直前に、粉末を滅菌したpH7.5のPBSに溶解し、患者へ静脈投与する。可溶化した薬剤は、血流を通し循環し、そしてL-グルタミンリガンドは、血液脳関門における受容体へと結合し、薬剤を含むミセルを局在化する。漸進的なチオエステル結合の加水分解は、親水性要素の分解の原因となって、シクロスポリンAナノ粒子の脱被膜をもたらし、当該シクロスポリンAナノ粒子は同じ場所に沈着する。シクロスポリンAは次に、上皮細胞の膜を通して拡散することにより、血液脳関門を通過し、中枢神経系の間質液へと到達する。
実施例7
損傷をうけた神経細胞の再生のための、中枢神経系へのシクロスポリンAの静脈運搬
本例は、親水性要素を、分解する際に、透過性を高める薬剤へと変換し、ここで当該変換が、シクロスポリンAの通過に対し上皮性関門の透過性を増加することを除いて、実施実施例6と同じである。
損傷をうけた神経細胞の再生のための、中枢神経系へのシクロスポリンAの静脈運搬
本例は、親水性要素を、分解する際に、透過性を高める薬剤へと変換し、ここで当該変換が、シクロスポリンAの通過に対し上皮性関門の透過性を増加することを除いて、実施実施例6と同じである。
実施例8
脳ガンの治療のための、中枢神経系へのメトトレキセートの静脈運搬
メトトレキセートは、親水性の抗ガン剤であり、それゆえ血液脳関門を通過することができない。メトトレキセートは、極性-コアミセルを形成するために、切断性の痕跡のないリンカーを通して共有結合で機能性界面活性剤のPLEに結合する。親水性要素の中腹に位置するグリコール酸エステル結合は、界面活性剤の親水性要素のうちに含まれる。親水性要素の遊離末端においては、1,4ジヒドロニコチンアミド成分を含むリガンドが存在し、共有結合を通して結合する。メトトレキセートと機能性界面活性剤の接合体を、pH3の水性緩衝液に添加し、そしてゆっくりとした攪拌を行い、平均直径が約35nMのほぼ単分散の集合の極性-コアミセルを生成する。デキストリンをこの懸濁液に添加し、懸濁液を凍結乾燥し適切な有効期間を有する粉末を生成する。投与の直前に、凍結乾燥された粉末を、滅菌したpH7.5のPBSに再懸濁し、患者に静脈投与する。ミセルに封入されるメトトレキセートは、血流を通して循環し、そして、1,4ジヒドロニコチンアミド成分は、血液脳関門における受容体に結合する。受容体に仲介される経細胞輸送が起こり、メトトレキセートを含む極性-コアミセルを脳の間質液へと輸送する。漸進的なグリコール酸エステル結合の加水分解は、ミセルの親水性要素が分解することの原因となり、ミセルの分解をもたらす。生理条件下へのコアをさらすことは、メトトレキセートをPLEに結合するリンカーの分解をもたらして遊離のメトトレキセートを脳の間質液へと放出することをもたらす。
脳ガンの治療のための、中枢神経系へのメトトレキセートの静脈運搬
メトトレキセートは、親水性の抗ガン剤であり、それゆえ血液脳関門を通過することができない。メトトレキセートは、極性-コアミセルを形成するために、切断性の痕跡のないリンカーを通して共有結合で機能性界面活性剤のPLEに結合する。親水性要素の中腹に位置するグリコール酸エステル結合は、界面活性剤の親水性要素のうちに含まれる。親水性要素の遊離末端においては、1,4ジヒドロニコチンアミド成分を含むリガンドが存在し、共有結合を通して結合する。メトトレキセートと機能性界面活性剤の接合体を、pH3の水性緩衝液に添加し、そしてゆっくりとした攪拌を行い、平均直径が約35nMのほぼ単分散の集合の極性-コアミセルを生成する。デキストリンをこの懸濁液に添加し、懸濁液を凍結乾燥し適切な有効期間を有する粉末を生成する。投与の直前に、凍結乾燥された粉末を、滅菌したpH7.5のPBSに再懸濁し、患者に静脈投与する。ミセルに封入されるメトトレキセートは、血流を通して循環し、そして、1,4ジヒドロニコチンアミド成分は、血液脳関門における受容体に結合する。受容体に仲介される経細胞輸送が起こり、メトトレキセートを含む極性-コアミセルを脳の間質液へと輸送する。漸進的なグリコール酸エステル結合の加水分解は、ミセルの親水性要素が分解することの原因となり、ミセルの分解をもたらす。生理条件下へのコアをさらすことは、メトトレキセートをPLEに結合するリンカーの分解をもたらして遊離のメトトレキセートを脳の間質液へと放出することをもたらす。
実施例9
脳ガンの治療のための、メトトレキセートの中枢神経系への静脈運搬
本例は、界面活性剤の親水性要素が、多くのマスクされたアミノ基を含むということを除いて実施例8と同じであり、ここで当該アミノ基は、化学基を伴い荷電していない状態に保護されており、当該化学基は、生理的なpHで徐々に分解してアミノ基をアンマスクし、アミノ基はプロトン化されそして正に帯電する。この界面活性剤から形成し、かつメトトレキセートを運搬するミセルは、血液脳関門のジヒドロピリジン受容体に結合する。アミノ基を、pH7.5でアンマスクし、そして共有結合で結合する正荷電のネットワークが生じることは、傍細胞経路による関門の透過性が増加する。グリコール酸エステルの漸進的な分解が原因で起こる親水性要素の随伴性の分解は、メトトレキセートの積荷を放出することをもたらし、当該メトトレキセートは次に傍細胞経路を通して血液脳関門を通過し脳の間質液に到達する。
脳ガンの治療のための、メトトレキセートの中枢神経系への静脈運搬
本例は、界面活性剤の親水性要素が、多くのマスクされたアミノ基を含むということを除いて実施例8と同じであり、ここで当該アミノ基は、化学基を伴い荷電していない状態に保護されており、当該化学基は、生理的なpHで徐々に分解してアミノ基をアンマスクし、アミノ基はプロトン化されそして正に帯電する。この界面活性剤から形成し、かつメトトレキセートを運搬するミセルは、血液脳関門のジヒドロピリジン受容体に結合する。アミノ基を、pH7.5でアンマスクし、そして共有結合で結合する正荷電のネットワークが生じることは、傍細胞経路による関門の透過性が増加する。グリコール酸エステルの漸進的な分解が原因で起こる親水性要素の随伴性の分解は、メトトレキセートの積荷を放出することをもたらし、当該メトトレキセートは次に傍細胞経路を通して血液脳関門を通過し脳の間質液に到達する。
実施例10
親水性共重合体により保護されるエリスロポエチンの静脈運搬
本発明で記述した、二つの活性部位を有するタンパク質に対するファージディスプレイ法を用いて、相互に区別される結合部位を有し、かつEPOの活性部位に結合しないEPOの2つのリガンド、RとSを発見した。EPO受容体の細胞外ドメインを、リガンド1及びリガンド2の両者に対し使う。リガンドR及びSは各々、適切な共有結合性リンカーを用いて3量体であり、3量体のリガンドは、次に各々個々に、枝分かれした単長及び構造の親水性ペプトイド共有結合で結合する。これらの接合体を、ほぼ単一にまで精製する。オリゴ糖鎖を転写後修飾しないように、EPOを真核細胞での発現により生成するか、又は化学的な合成によって生成する。そのように生産されるEPOを、ほぼ単一にまで精製する。R及びSリガンドを含む親水性重合体を、水性緩衝液中でEPOに添加し、安定した複合体を形成する。溶液を、凍結乾燥し、適切な有効期間を有する粉末を生成する。投与の直前に、滅菌したpH7.5のPBSを粉末に添加し、そして再懸濁される。生成溶液を、静脈投与する。安定化したEPO複合体は、血流中を循環し、その標的受容体に達し、そこにおいては、EPOは受容体に結合する。結果として、赤血球細胞の産生が刺激される。
親水性共重合体により保護されるエリスロポエチンの静脈運搬
本発明で記述した、二つの活性部位を有するタンパク質に対するファージディスプレイ法を用いて、相互に区別される結合部位を有し、かつEPOの活性部位に結合しないEPOの2つのリガンド、RとSを発見した。EPO受容体の細胞外ドメインを、リガンド1及びリガンド2の両者に対し使う。リガンドR及びSは各々、適切な共有結合性リンカーを用いて3量体であり、3量体のリガンドは、次に各々個々に、枝分かれした単長及び構造の親水性ペプトイド共有結合で結合する。これらの接合体を、ほぼ単一にまで精製する。オリゴ糖鎖を転写後修飾しないように、EPOを真核細胞での発現により生成するか、又は化学的な合成によって生成する。そのように生産されるEPOを、ほぼ単一にまで精製する。R及びSリガンドを含む親水性重合体を、水性緩衝液中でEPOに添加し、安定した複合体を形成する。溶液を、凍結乾燥し、適切な有効期間を有する粉末を生成する。投与の直前に、滅菌したpH7.5のPBSを粉末に添加し、そして再懸濁される。生成溶液を、静脈投与する。安定化したEPO複合体は、血流中を循環し、その標的受容体に達し、そこにおいては、EPOは受容体に結合する。結果として、赤血球細胞の産生が刺激される。
実施例11
転移されたガンの治療のための腫瘍に対するコレラ・トキシンAの静脈運搬
本発明のファージディスプレイ法を用いて、コレラ・トキシンA(触媒作用)サブユニットの相互に区別される結合部位に対し結合するが、活性部位に結合しない2つのリガンド、F及びGを発見する。コレラ・トキシン活性の阻害剤を、活性部位のリガンドとして使う。リガンドF及びGは、決められた単長及び組成の分枝状オリゴ糖に共有結合し、当該オリゴ糖は、血清中に存在するエステラーゼの基質であるエステル結合をまた含む。そのように作られらる親水性共重合体を、ほぼ単一になるまで精製し、精製したコレラ・トキシンAサブユニットを含むpH7の緩衝化された水溶液へと添加して、それにより安定化したタンパク質複合体を形成する。機能性界面活性剤のPLEがpH7でコレラトキシンAの正味の表面荷電に対し反対の荷電の化学基を含むところの機能性界面活性剤をこの溶液に添加する。機能性界面活性剤の疎水性要素は、疎水性側鎖を有するα-へリックスを作るペプチドを含む。疎水性ペプチド配列の3分の1は、3のアスパラギン残基が挿入され、当該3のアスパラギン残基は、界面活性剤の鎖が近接した界面活性剤分子の疎水性要素において、界面活性剤をアスパラギン側鎖に対する水素結合によって並行の様式で整列する効果を有する。腫瘍細胞上に過剰発現するソマトスタチン受容体のサブタイプ2に対し高い選択性を有して結合する合成リガンドを、親水性要素の末端に共有結合で結合する。親水性要素は、その側鎖中にジスルフィド結合を含む。溶液は、機械的に攪拌されて保護されたコレラトキシン複合体をそのコアに含むほぼ単分散の極性-コアミセルを形成する。ミセル懸濁液を、封入されていないコレラトキシン複合体を取り除くために透析し、デキストリンを加え、そして懸濁液を凍結乾燥して適切な有効期間を有する粉末を生成する。投与の直前に、粉末を滅菌されたpH7.5のPBSに溶解し、そして次に静脈投与する。安定化されたコレラトキシンを含む極性-コアミセルは、血流を循環し、そして合成リガンドは、転移したガン腫瘍細胞の表面上のソマトスタチサブタイプ2受容体に対し結合する。受容体に仲介されるエンドサイト-シスは、ミセルが腫瘍細胞に入ることをもたらし、そして鎖中のジスルフィドをがん細胞細胞質において減らすので、ミセルの親水性要素は分解する。ミセルの分解は、保護されたコレラトキシンAのサブユニットを放出し、それが次にがん細胞を殺す。ひとたびがん細胞が破壊されると、保護されたコレラトキシンは血流中に存在するエステラーゼに晒され、エステラーゼは、毒素を保護する親水性の共重合体の親水性要素内にあるエステル結合を分解する。結果として、腎臓によって血流から即座に排泄されるように、保護されたコレラトキシンの水力学的半径は、劇的に減少する。
転移されたガンの治療のための腫瘍に対するコレラ・トキシンAの静脈運搬
本発明のファージディスプレイ法を用いて、コレラ・トキシンA(触媒作用)サブユニットの相互に区別される結合部位に対し結合するが、活性部位に結合しない2つのリガンド、F及びGを発見する。コレラ・トキシン活性の阻害剤を、活性部位のリガンドとして使う。リガンドF及びGは、決められた単長及び組成の分枝状オリゴ糖に共有結合し、当該オリゴ糖は、血清中に存在するエステラーゼの基質であるエステル結合をまた含む。そのように作られらる親水性共重合体を、ほぼ単一になるまで精製し、精製したコレラ・トキシンAサブユニットを含むpH7の緩衝化された水溶液へと添加して、それにより安定化したタンパク質複合体を形成する。機能性界面活性剤のPLEがpH7でコレラトキシンAの正味の表面荷電に対し反対の荷電の化学基を含むところの機能性界面活性剤をこの溶液に添加する。機能性界面活性剤の疎水性要素は、疎水性側鎖を有するα-へリックスを作るペプチドを含む。疎水性ペプチド配列の3分の1は、3のアスパラギン残基が挿入され、当該3のアスパラギン残基は、界面活性剤の鎖が近接した界面活性剤分子の疎水性要素において、界面活性剤をアスパラギン側鎖に対する水素結合によって並行の様式で整列する効果を有する。腫瘍細胞上に過剰発現するソマトスタチン受容体のサブタイプ2に対し高い選択性を有して結合する合成リガンドを、親水性要素の末端に共有結合で結合する。親水性要素は、その側鎖中にジスルフィド結合を含む。溶液は、機械的に攪拌されて保護されたコレラトキシン複合体をそのコアに含むほぼ単分散の極性-コアミセルを形成する。ミセル懸濁液を、封入されていないコレラトキシン複合体を取り除くために透析し、デキストリンを加え、そして懸濁液を凍結乾燥して適切な有効期間を有する粉末を生成する。投与の直前に、粉末を滅菌されたpH7.5のPBSに溶解し、そして次に静脈投与する。安定化されたコレラトキシンを含む極性-コアミセルは、血流を循環し、そして合成リガンドは、転移したガン腫瘍細胞の表面上のソマトスタチサブタイプ2受容体に対し結合する。受容体に仲介されるエンドサイト-シスは、ミセルが腫瘍細胞に入ることをもたらし、そして鎖中のジスルフィドをがん細胞細胞質において減らすので、ミセルの親水性要素は分解する。ミセルの分解は、保護されたコレラトキシンAのサブユニットを放出し、それが次にがん細胞を殺す。ひとたびがん細胞が破壊されると、保護されたコレラトキシンは血流中に存在するエステラーゼに晒され、エステラーゼは、毒素を保護する親水性の共重合体の親水性要素内にあるエステル結合を分解する。結果として、腎臓によって血流から即座に排泄されるように、保護されたコレラトキシンの水力学的半径は、劇的に減少する。
実施例12
マクロファージの細胞質に対する遺伝子転写のリプレッサーの静脈運搬
9のpIを有するリプレッサータンパク質を、極性-コアミセルを形成するための機能性界面活性剤を含むpH7に緩衝化された水溶液に加える。機能性界面活性剤のPLEは、pH7において正味で負の電荷をPLEに与えるカルボン酸基を含む。親水性要素は、その側鎖の中にグリコール酸エステル結合を含み、そして5価のマンノースリガンドが共有結合でその遊離末端へと結合する。pH7でのPLEの反対の荷電とタンパク質との間の好ましい相互作用のため、ほぼ単分散でありかつ平均直径50nMを有するミセルのコア中に全てのリプレッサータンパク質が含まれるよう、極性-コアミセルを、ゆっくり攪拌し、自己集合過程によって形成する。グルコースをミセル懸濁液に添加し、そして凍結乾燥して適切な有効期間を有する粉末を生成する。投与の直前に、粉末を、pH7.5の滅菌されたPBS中に溶解し、静脈投与する。リプレッサータンパク質を含むミセルは、血流の中マクロファージに出会うまで移動し、ここで細胞表面のマンノース受容体が存在するために、リプレッサータンパク質はマクロファージに結合する。受容体に仲介されるエンドサイトーシスは、ミセルが細胞内に輸送されることをもたらし、そして表面の親水性要素内にあるグリコール酸エステル結合の漸進的な分解は、ミセルが分解することをもたらす。結果として、リプレッサータンパク質を細胞質に放出し、リプレッサータンパク質が、核内のその標的DNAオペレーターに接近しかつ結合することを可能にしてそれにより、標的遺伝子の転写を止める。
マクロファージの細胞質に対する遺伝子転写のリプレッサーの静脈運搬
9のpIを有するリプレッサータンパク質を、極性-コアミセルを形成するための機能性界面活性剤を含むpH7に緩衝化された水溶液に加える。機能性界面活性剤のPLEは、pH7において正味で負の電荷をPLEに与えるカルボン酸基を含む。親水性要素は、その側鎖の中にグリコール酸エステル結合を含み、そして5価のマンノースリガンドが共有結合でその遊離末端へと結合する。pH7でのPLEの反対の荷電とタンパク質との間の好ましい相互作用のため、ほぼ単分散でありかつ平均直径50nMを有するミセルのコア中に全てのリプレッサータンパク質が含まれるよう、極性-コアミセルを、ゆっくり攪拌し、自己集合過程によって形成する。グルコースをミセル懸濁液に添加し、そして凍結乾燥して適切な有効期間を有する粉末を生成する。投与の直前に、粉末を、pH7.5の滅菌されたPBS中に溶解し、静脈投与する。リプレッサータンパク質を含むミセルは、血流の中マクロファージに出会うまで移動し、ここで細胞表面のマンノース受容体が存在するために、リプレッサータンパク質はマクロファージに結合する。受容体に仲介されるエンドサイトーシスは、ミセルが細胞内に輸送されることをもたらし、そして表面の親水性要素内にあるグリコール酸エステル結合の漸進的な分解は、ミセルが分解することをもたらす。結果として、リプレッサータンパク質を細胞質に放出し、リプレッサータンパク質が、核内のその標的DNAオペレーターに接近しかつ結合することを可能にしてそれにより、標的遺伝子の転写を止める。
実施例13
疎水性低分子薬剤の経口運搬
薬剤「N」は、ほとんど水性媒質に溶解しない低分子薬剤である。疎水性要素が薬剤Nを含み、そして親水性要素がオリゴ糖を含むところにおいて機能性界面活性剤を合成する。オリゴ糖を、短い非切断性リンカーを使って薬剤Nに結合する。薬剤Nを水性緩衝液中に機能性界面活性剤と混合し、そして混合物を、攪拌して各々が薬剤のナノ粒子を含むほぼ単分散の集合のミセルを形成する。この懸濁液にデキストリンを添加し、そして混合物は次に凍結乾燥されて適切な有効期間を有する粉末を生成する。粉末を経口で投与される錠剤へと剤形する。錠剤は、胃へ入る際、崩壊し、胃液中にミセルを放出する。ミセルは小腸へと移動し、そこで経細胞輸送によって粘膜性腸細胞を通し血流へと輸送される。ミセルからの無傷な界面活性剤の漸進的な分断により、薬剤Nは晒され、かつ血清アルブミンに対する低い親和性を通して作用部位まで移動する。
疎水性低分子薬剤の経口運搬
薬剤「N」は、ほとんど水性媒質に溶解しない低分子薬剤である。疎水性要素が薬剤Nを含み、そして親水性要素がオリゴ糖を含むところにおいて機能性界面活性剤を合成する。オリゴ糖を、短い非切断性リンカーを使って薬剤Nに結合する。薬剤Nを水性緩衝液中に機能性界面活性剤と混合し、そして混合物を、攪拌して各々が薬剤のナノ粒子を含むほぼ単分散の集合のミセルを形成する。この懸濁液にデキストリンを添加し、そして混合物は次に凍結乾燥されて適切な有効期間を有する粉末を生成する。粉末を経口で投与される錠剤へと剤形する。錠剤は、胃へ入る際、崩壊し、胃液中にミセルを放出する。ミセルは小腸へと移動し、そこで経細胞輸送によって粘膜性腸細胞を通し血流へと輸送される。ミセルからの無傷な界面活性剤の漸進的な分断により、薬剤Nは晒され、かつ血清アルブミンに対する低い親和性を通して作用部位まで移動する。
実施例14
疎水性低分子薬剤の経口運搬
疎水性低分子「Q」は、水性媒質での低い溶解性のため経口による生物学的利用能を欠如する。なぜなら、Qは、粘膜性腸細胞のチトクロームP450 3A及びP-糖タンパク質の基質である。疎水性分子の投与のための機能性界面活性剤を疎水性要素の中にチオエステル結合を含むように合成する。疎水性要素は、薬剤そのものである。薬剤Q及びチトクロームP450 3A及びP-糖タンパク質を阻害する化合物は両者とも、機能性界面活性剤を含む水溶液へと添加される。混合物は、機械的に攪拌されて薬剤Q及び阻害剤をそのコアに含む機能性ミセルの単分散懸濁液を生成する。懸濁液にグルコースを添加し、そして凍結乾燥して適切な有効期間を有する粉末を生成する。粉末を錠剤に剤形する。薬剤は錠剤の形態で経口投与され、そして薬剤は胃の中で崩壊してミセルのエマルジョンを放出する。ミセルは、胃を通過し、小腸へ入り、そこでpHの7.2までの増加がチオエステルの加水分解をもたらして、チオール基をアンマスクし、そのことは、ミセルが小腸のムチン層へ結合することをもたらす。チオエステルの加水分解が原因でおこる親水性要素の崩壊は、薬剤Q及び阻害剤が放出されることをもたらす。薬剤Q及び阻害剤は、粘膜性腸細胞の頂端膜を透過し、そして阻害剤はチトクロームP450 3A及びP-糖タンパク質の活性を阻害する。薬剤Qは、それゆえ無傷の腸細胞を横切ることができ、かつ腸細胞の基底膜を透過でき、そうして血流へと入る。
疎水性低分子薬剤の経口運搬
疎水性低分子「Q」は、水性媒質での低い溶解性のため経口による生物学的利用能を欠如する。なぜなら、Qは、粘膜性腸細胞のチトクロームP450 3A及びP-糖タンパク質の基質である。疎水性分子の投与のための機能性界面活性剤を疎水性要素の中にチオエステル結合を含むように合成する。疎水性要素は、薬剤そのものである。薬剤Q及びチトクロームP450 3A及びP-糖タンパク質を阻害する化合物は両者とも、機能性界面活性剤を含む水溶液へと添加される。混合物は、機械的に攪拌されて薬剤Q及び阻害剤をそのコアに含む機能性ミセルの単分散懸濁液を生成する。懸濁液にグルコースを添加し、そして凍結乾燥して適切な有効期間を有する粉末を生成する。粉末を錠剤に剤形する。薬剤は錠剤の形態で経口投与され、そして薬剤は胃の中で崩壊してミセルのエマルジョンを放出する。ミセルは、胃を通過し、小腸へ入り、そこでpHの7.2までの増加がチオエステルの加水分解をもたらして、チオール基をアンマスクし、そのことは、ミセルが小腸のムチン層へ結合することをもたらす。チオエステルの加水分解が原因でおこる親水性要素の崩壊は、薬剤Q及び阻害剤が放出されることをもたらす。薬剤Q及び阻害剤は、粘膜性腸細胞の頂端膜を透過し、そして阻害剤はチトクロームP450 3A及びP-糖タンパク質の活性を阻害する。薬剤Qは、それゆえ無傷の腸細胞を横切ることができ、かつ腸細胞の基底膜を透過でき、そうして血流へと入る。
実施例15
経細胞輸送によるインシュリンの経口運搬
インシュリンを、痕跡のない切断性のリンカーがインシュリンのチロシンの芳香族水酸基に結合することを伴って極性-コアミセルを形成するため、機能性界面活性剤のPLEに結合する。機能性界面活性剤の疎水性要素を、疎水性ペプトイドオリゴマーから構成する。リンカーの切断が、小腸の粘膜性腸細胞の表面に見つかるレクチンの5価の単糖リガンドをアンマスクするよう、親水性要素は、腸リパーゼの基質であるエステル結合を有する。インシュリンがPLEに共有結合している機能性界面活性剤を含むpH4.5で緩衝化される水溶液を機械的に攪拌し、コアに含まれるインシュリンを有するほぼ単分散の極性-コアミセルを生成する。グルコースをこの懸濁液に添加し、そして懸濁液を次に凍結乾燥して長い有効期間を有する粉末を生成する。粉末を錠剤に剤形する。錠剤を経口投与し、かつ胃で崩壊してインシュリンを含むミセルを放出する。ミセルは、インシュリンを胃の環境における分解性酵素及びpHから保護する。ミセルは、小腸へ移動し、そこでリパーゼが親水性要素内のエステル結合を分解する。この結合の切断は、5価の単糖リガンドをアンマスクし、当該リガンドは次に粘膜性腸細胞の頂端膜表面に存在するレクチンに結合して、ミセルを細胞へと局在させる。ミセルは、受容体に仲介される経細胞輸送であって、リガンドがレクチンへと結合することによって仕向けられる輸送によって粘膜性腸細胞を通過し、そのことがミセルを血流へと輸送する。親水性要素の分解によって開始される、漸進的なミセルの分解は、インシュリンの血流への放出をもたらす。
経細胞輸送によるインシュリンの経口運搬
インシュリンを、痕跡のない切断性のリンカーがインシュリンのチロシンの芳香族水酸基に結合することを伴って極性-コアミセルを形成するため、機能性界面活性剤のPLEに結合する。機能性界面活性剤の疎水性要素を、疎水性ペプトイドオリゴマーから構成する。リンカーの切断が、小腸の粘膜性腸細胞の表面に見つかるレクチンの5価の単糖リガンドをアンマスクするよう、親水性要素は、腸リパーゼの基質であるエステル結合を有する。インシュリンがPLEに共有結合している機能性界面活性剤を含むpH4.5で緩衝化される水溶液を機械的に攪拌し、コアに含まれるインシュリンを有するほぼ単分散の極性-コアミセルを生成する。グルコースをこの懸濁液に添加し、そして懸濁液を次に凍結乾燥して長い有効期間を有する粉末を生成する。粉末を錠剤に剤形する。錠剤を経口投与し、かつ胃で崩壊してインシュリンを含むミセルを放出する。ミセルは、インシュリンを胃の環境における分解性酵素及びpHから保護する。ミセルは、小腸へ移動し、そこでリパーゼが親水性要素内のエステル結合を分解する。この結合の切断は、5価の単糖リガンドをアンマスクし、当該リガンドは次に粘膜性腸細胞の頂端膜表面に存在するレクチンに結合して、ミセルを細胞へと局在させる。ミセルは、受容体に仲介される経細胞輸送であって、リガンドがレクチンへと結合することによって仕向けられる輸送によって粘膜性腸細胞を通過し、そのことがミセルを血流へと輸送する。親水性要素の分解によって開始される、漸進的なミセルの分解は、インシュリンの血流への放出をもたらす。
実施例16
経細胞過程を通じたインシュリンの経口運搬
この例は、機能性界面活性剤の疎水性要素をステロイド性サポゲニンから構成するということを除いて、実施例15と同じである。小腸で分解され正に荷電した基をアンマスクするように、親水性要素をpH7.5に感受性の切断性リンカーを含むオリゴ糖から構成する。この位置での切断は、オリゴ糖に結合するサホゲニンを含む薬剤であって、透過を高める薬剤を生成する。タンパク質分解酵素阻害剤が、形成される極性-コアミセルへと取り込まれるように、ミセルをタンパク質分解酵素阻害剤の存在下で形成する。剤形及び投与の過程は実施例15に記述した通りである。小腸へ到達した際、小腸環境のアルカリ性のpHが、親水性要素の結合の切断をもたらして正に荷電される基をアンマスクし、そのことが小腸の腸細胞のムチン層へのミセルの接着をもたらす。切断の事件は、ミセルがインシュリンに結合する透過を高める分子各々へと崩壊することをもたらす。PLEからのインシュリンへのリンカーは、アルカリ性環境で切断され、そして透過のエンハンサーは、インシュリン及びタンパク質分解酵素阻害剤が頂端膜を通して粘膜性腸細胞へ入ることを可能にする。タンパク質分解酵素阻害剤は、腸細胞内のタンパク質分解酵素がインシュリンを分解することから保護し、そのことが次に透過エンハンサーの存在によって腸細胞の基底膜を通過し、血流へと入ることを可能にする。
経細胞過程を通じたインシュリンの経口運搬
この例は、機能性界面活性剤の疎水性要素をステロイド性サポゲニンから構成するということを除いて、実施例15と同じである。小腸で分解され正に荷電した基をアンマスクするように、親水性要素をpH7.5に感受性の切断性リンカーを含むオリゴ糖から構成する。この位置での切断は、オリゴ糖に結合するサホゲニンを含む薬剤であって、透過を高める薬剤を生成する。タンパク質分解酵素阻害剤が、形成される極性-コアミセルへと取り込まれるように、ミセルをタンパク質分解酵素阻害剤の存在下で形成する。剤形及び投与の過程は実施例15に記述した通りである。小腸へ到達した際、小腸環境のアルカリ性のpHが、親水性要素の結合の切断をもたらして正に荷電される基をアンマスクし、そのことが小腸の腸細胞のムチン層へのミセルの接着をもたらす。切断の事件は、ミセルがインシュリンに結合する透過を高める分子各々へと崩壊することをもたらす。PLEからのインシュリンへのリンカーは、アルカリ性環境で切断され、そして透過のエンハンサーは、インシュリン及びタンパク質分解酵素阻害剤が頂端膜を通して粘膜性腸細胞へ入ることを可能にする。タンパク質分解酵素阻害剤は、腸細胞内のタンパク質分解酵素がインシュリンを分解することから保護し、そのことが次に透過エンハンサーの存在によって腸細胞の基底膜を通過し、血流へと入ることを可能にする。
実施例17
傍細胞経路を通じたインシュリンの経口運搬
この例は、機能性界面活性剤の親水性要素をリパーゼによって分解し、多価の正に荷電された基を各親水性要素の末端に含む基をアンマスクする結合を含むということを除いて実施例15と同じである。極性-コアミセルは、それらがインシュリン及びタンパク質阻害剤をコアの中に含むように、形成される。実施例15に記述されるとおりにミセルを形成し、経口投与する。ひとたびミセルが小腸へと到達すると、リパーゼは親水性要素を分解して、多価の正に荷電した基をアンマスクする。正に荷電された基をアンマスクすることは、ミセルが小腸腸細胞のムチン層へと結合することをもたらし、かつ腸細胞の狭い連絡の位置において腸細胞の間に間隙を作る。親水性要素の切断は、ミセルが分解してタンパク質分解酵素阻害剤を放出することをもたらす。インシュリンとPLEとの間の結合がアルカリ性の小腸のpHに晒されることは、結合が切断し、インシュリンを放出することをもたらす。タンパク質酵素阻害剤は、いずれのタンパク質分解酵素活性を阻害し、そしてインシュリンは傍細胞経路を通して血流へ移動する。
傍細胞経路を通じたインシュリンの経口運搬
この例は、機能性界面活性剤の親水性要素をリパーゼによって分解し、多価の正に荷電された基を各親水性要素の末端に含む基をアンマスクする結合を含むということを除いて実施例15と同じである。極性-コアミセルは、それらがインシュリン及びタンパク質阻害剤をコアの中に含むように、形成される。実施例15に記述されるとおりにミセルを形成し、経口投与する。ひとたびミセルが小腸へと到達すると、リパーゼは親水性要素を分解して、多価の正に荷電した基をアンマスクする。正に荷電された基をアンマスクすることは、ミセルが小腸腸細胞のムチン層へと結合することをもたらし、かつ腸細胞の狭い連絡の位置において腸細胞の間に間隙を作る。親水性要素の切断は、ミセルが分解してタンパク質分解酵素阻害剤を放出することをもたらす。インシュリンとPLEとの間の結合がアルカリ性の小腸のpHに晒されることは、結合が切断し、インシュリンを放出することをもたらす。タンパク質酵素阻害剤は、いずれのタンパク質分解酵素活性を阻害し、そしてインシュリンは傍細胞経路を通して血流へ移動する。
実施例18
エリスロポエチンの経口運搬
実施例10のように親水性共重合体で保護されるEPOは、機能性界面活性剤を用いて極性-コアミセルに取り込まれる。機能性界面活性剤のPLEは、pH7でのEPOの正味の電荷と反対電荷を持つ基を有する。機能性界面活性剤の親水性要素は、小腸の粘膜の腸細胞表面に存在するレクチンの5価の単糖リガンドが、アンマスクされるように、小腸において存在するアルカリ性のpHで切断する結合を有する。リンカーの切断は、さらに漸進的にミセルの分解して保護されるEPOを放出することをもたらす。保護されるEPOを緩衝化された機能性界面活性剤の水溶液に対し滴下し、そしてゆっくり攪拌し、ほぼ単分散の集合の保護されたEPOをそのコアに含む極性-コアミセルを生成する。デキストリンがミセルの懸濁液に添加され、次に凍結乾燥されて長い有効期間を有する粉末を生産する。粉末を経口で投与される錠剤へと剤形する。錠剤は胃の中で崩壊して、保護されたEPOを含むミセルを放出する。EPOは、ミセルの構造によって、胃の中の分解性酵素及び低いpHから保護される。ミセルは小腸へ移動し、そこでは小腸環境のアルカリ性pHのため、親水性要素におけるリンカーの切断が起こる。切断は、5価の単糖リガンドをアンマスクすることをもたらし、次に当該リガンドは小腸腸細胞の表面に存在するレクチンに結合する。リガンドの結合は、受容体に仲介される経細胞輸送であって、ミセルを血流へと輸送する経細胞輸送をもたらす。親水性要素におけるリンカーの切断による、ミセルの漸進的な分解は、保護されたEPOを血流へと放出する。
エリスロポエチンの経口運搬
実施例10のように親水性共重合体で保護されるEPOは、機能性界面活性剤を用いて極性-コアミセルに取り込まれる。機能性界面活性剤のPLEは、pH7でのEPOの正味の電荷と反対電荷を持つ基を有する。機能性界面活性剤の親水性要素は、小腸の粘膜の腸細胞表面に存在するレクチンの5価の単糖リガンドが、アンマスクされるように、小腸において存在するアルカリ性のpHで切断する結合を有する。リンカーの切断は、さらに漸進的にミセルの分解して保護されるEPOを放出することをもたらす。保護されるEPOを緩衝化された機能性界面活性剤の水溶液に対し滴下し、そしてゆっくり攪拌し、ほぼ単分散の集合の保護されたEPOをそのコアに含む極性-コアミセルを生成する。デキストリンがミセルの懸濁液に添加され、次に凍結乾燥されて長い有効期間を有する粉末を生産する。粉末を経口で投与される錠剤へと剤形する。錠剤は胃の中で崩壊して、保護されたEPOを含むミセルを放出する。EPOは、ミセルの構造によって、胃の中の分解性酵素及び低いpHから保護される。ミセルは小腸へ移動し、そこでは小腸環境のアルカリ性pHのため、親水性要素におけるリンカーの切断が起こる。切断は、5価の単糖リガンドをアンマスクすることをもたらし、次に当該リガンドは小腸腸細胞の表面に存在するレクチンに結合する。リガンドの結合は、受容体に仲介される経細胞輸送であって、ミセルを血流へと輸送する経細胞輸送をもたらす。親水性要素におけるリンカーの切断による、ミセルの漸進的な分解は、保護されたEPOを血流へと放出する。
実施例19
免疫防御の生成のための、HCV E2タンパク質のリンパ系への経口運搬
C型肝炎ウイルスのE2タンパク質を機能性界面活性剤で形成される極性-コアミセル中に封入する。機能性界面活性剤は、pH7においてE2タンパク質の正味荷電と反対の荷電を持つ基を有するPLEを含む。親水性要素は、正に荷電される基がアンマスクされるように、小腸においてリパーゼにより分解されるリンカーを含む。E2タンパク質及び免疫賦活剤を機能性界面活性剤を含むpH7に緩衝化された水溶液に対し添加する。ゆっくりとした攪拌を伴い、E2タンパク質及び免疫賦活剤をそのコアに含むpH極性-コアミセルを生成する。ミセルは、ほぼ単分散であり、そして平均直径が約50nMである。グルコースをミセル懸濁液に添加し、そして懸濁液を凍結乾燥して、適切な有効期間を有する粉末を生成する。粉末を経口投与される錠剤に剤形する。錠剤は胃の中で崩壊してミセルであって、内部に含むE2タンパク質を胃の環境における分解性の酵素及び低pHから守るミセルを放出する。ミセルは小腸に移動し、そこでリパーゼは機能性界面活性剤の親水性要素内の結合を分解し、正に荷電される基がアンマスクされることをもたらす。アンマスクされる正に荷電した基は、ミセルが腸壁のムチン層に接着することをもたらす。粒子は、そのサイズのため、パイエル板のM細胞によって取り込まれ、経細胞輸送によってリンパ系へ輸送される。漸進的なミセルの崩壊は、親水性要素内の結合をリパーゼによって分解されることから開始され、その中に含まれるE2タンパク質のリンパ液への放出をもたらす。リンパ液においてE2タンパク質が存在することは、C型肝炎ウイルスの感染に対する保護的な免疫を仕向ける免疫応答をもたらす。
免疫防御の生成のための、HCV E2タンパク質のリンパ系への経口運搬
C型肝炎ウイルスのE2タンパク質を機能性界面活性剤で形成される極性-コアミセル中に封入する。機能性界面活性剤は、pH7においてE2タンパク質の正味荷電と反対の荷電を持つ基を有するPLEを含む。親水性要素は、正に荷電される基がアンマスクされるように、小腸においてリパーゼにより分解されるリンカーを含む。E2タンパク質及び免疫賦活剤を機能性界面活性剤を含むpH7に緩衝化された水溶液に対し添加する。ゆっくりとした攪拌を伴い、E2タンパク質及び免疫賦活剤をそのコアに含むpH極性-コアミセルを生成する。ミセルは、ほぼ単分散であり、そして平均直径が約50nMである。グルコースをミセル懸濁液に添加し、そして懸濁液を凍結乾燥して、適切な有効期間を有する粉末を生成する。粉末を経口投与される錠剤に剤形する。錠剤は胃の中で崩壊してミセルであって、内部に含むE2タンパク質を胃の環境における分解性の酵素及び低pHから守るミセルを放出する。ミセルは小腸に移動し、そこでリパーゼは機能性界面活性剤の親水性要素内の結合を分解し、正に荷電される基がアンマスクされることをもたらす。アンマスクされる正に荷電した基は、ミセルが腸壁のムチン層に接着することをもたらす。粒子は、そのサイズのため、パイエル板のM細胞によって取り込まれ、経細胞輸送によってリンパ系へ輸送される。漸進的なミセルの崩壊は、親水性要素内の結合をリパーゼによって分解されることから開始され、その中に含まれるE2タンパク質のリンパ液への放出をもたらす。リンパ液においてE2タンパク質が存在することは、C型肝炎ウイルスの感染に対する保護的な免疫を仕向ける免疫応答をもたらす。
実施例20
胃を通した血流への疎水性低分子の経口運搬
疎水性低分子の薬剤「P」は、水性媒質に対し低い溶解性から経口からの生物学的利用能を欠く。疎水性分子を投与するための機能性界面活性剤を親水性要素中に3未満のpHに対し感受性な結合を含むように合成する。疎水性要素は薬剤そのものである。薬剤Pを、機能性界面活性剤を含むpH7.5に緩衝化された水溶液へと添加する。混合物を機械的に攪拌し、ほぼ単分散の機能性ミセル懸濁液であってそのコアに薬剤Pを含むミセルの懸濁液を生成する。グルコースをその懸濁液に添加し、そして次に凍結乾燥し、適切な有効期間を有する粉末を生成し、そして粉末は錠剤へと剤形されうる。薬剤を錠剤の形態で経口投与し、そして錠剤は、胃の中で崩壊してミセルのエマルジョンを放出する。胃の環境に存在する低pHによって親水性要素の不安定な結合が切断されることから生じる、界面活性剤の親水性要素の崩壊は、ミセルが分解し、そして薬剤Pが放出されることをもたらす。薬剤Pは、胃壁の上皮層を透過し、血流へ入る。
胃を通した血流への疎水性低分子の経口運搬
疎水性低分子の薬剤「P」は、水性媒質に対し低い溶解性から経口からの生物学的利用能を欠く。疎水性分子を投与するための機能性界面活性剤を親水性要素中に3未満のpHに対し感受性な結合を含むように合成する。疎水性要素は薬剤そのものである。薬剤Pを、機能性界面活性剤を含むpH7.5に緩衝化された水溶液へと添加する。混合物を機械的に攪拌し、ほぼ単分散の機能性ミセル懸濁液であってそのコアに薬剤Pを含むミセルの懸濁液を生成する。グルコースをその懸濁液に添加し、そして次に凍結乾燥し、適切な有効期間を有する粉末を生成し、そして粉末は錠剤へと剤形されうる。薬剤を錠剤の形態で経口投与し、そして錠剤は、胃の中で崩壊してミセルのエマルジョンを放出する。胃の環境に存在する低pHによって親水性要素の不安定な結合が切断されることから生じる、界面活性剤の親水性要素の崩壊は、ミセルが分解し、そして薬剤Pが放出されることをもたらす。薬剤Pは、胃壁の上皮層を透過し、血流へ入る。
実施例21
骨髄幹細胞への人工染色体の静脈運搬
PLEがpH7.5で正に帯電した化学基を含むところにおいて、極性-コアミセルを形成するための機能性界面活性剤を合成する。親水性要素の中に、マスクされた形式のペプチド性核移行配列(NLS)があり、そして骨髄幹細胞の受容体に結合するリガンドは、親水性要素の遊離末端に結合する。ヒトアデノシン脱アミノ酵素(ADA)遺伝子の機能的なコピーを含む人工の染色体をpH7.5に緩衝化された機能性界面活性剤の水溶液に添加し、そして混合物を攪拌し、平均直径が50nMのほぼ単分散の極性-コアミセルであって、人工的な染色体をそのコアに含むミセルを生成する。グルコースをこの懸濁液に添加し、そして混合物を凍結乾燥して許容される有効期間を有する粉末を生成する。投与の直前に、粉末を滅菌されたpH7.5のPBSで再懸濁し、そして次にADA疾患を有する患者に静脈投与する。人工的染色体を含むミセルは、血流を循環し、そして骨髄へと移動し、そこではリガンドが骨髄幹細胞の表面の受容体に結合する。ミセルは、受容体に仲介されるエンドサイトーシスによって細胞内に輸送される。ミセルの被膜は、人工の染色体が、エンドソームに存在する低pH、酸化状態、及び酵素活性によるダメージから保護する。細胞質に到達した際、機能性界面活性剤の親水性要素におけるジスルフィド結合の減少は、NLSをアンマスクし、そのことは次にミセルが核膜孔をとおして核へと輸送されることをもたらす。漸進的なミセルの分解は、ジスルフィド結合の減少によって開始され、人工的な染色体が核の環境へと放出されることをもたらして、ADA遺伝子の発現を可能にする。
骨髄幹細胞への人工染色体の静脈運搬
PLEがpH7.5で正に帯電した化学基を含むところにおいて、極性-コアミセルを形成するための機能性界面活性剤を合成する。親水性要素の中に、マスクされた形式のペプチド性核移行配列(NLS)があり、そして骨髄幹細胞の受容体に結合するリガンドは、親水性要素の遊離末端に結合する。ヒトアデノシン脱アミノ酵素(ADA)遺伝子の機能的なコピーを含む人工の染色体をpH7.5に緩衝化された機能性界面活性剤の水溶液に添加し、そして混合物を攪拌し、平均直径が50nMのほぼ単分散の極性-コアミセルであって、人工的な染色体をそのコアに含むミセルを生成する。グルコースをこの懸濁液に添加し、そして混合物を凍結乾燥して許容される有効期間を有する粉末を生成する。投与の直前に、粉末を滅菌されたpH7.5のPBSで再懸濁し、そして次にADA疾患を有する患者に静脈投与する。人工的染色体を含むミセルは、血流を循環し、そして骨髄へと移動し、そこではリガンドが骨髄幹細胞の表面の受容体に結合する。ミセルは、受容体に仲介されるエンドサイトーシスによって細胞内に輸送される。ミセルの被膜は、人工の染色体が、エンドソームに存在する低pH、酸化状態、及び酵素活性によるダメージから保護する。細胞質に到達した際、機能性界面活性剤の親水性要素におけるジスルフィド結合の減少は、NLSをアンマスクし、そのことは次にミセルが核膜孔をとおして核へと輸送されることをもたらす。漸進的なミセルの分解は、ジスルフィド結合の減少によって開始され、人工的な染色体が核の環境へと放出されることをもたらして、ADA遺伝子の発現を可能にする。
実施例22
HCV感染された肝臓細胞への抗ウイルスリボザイムの経口運搬
極性-コアミセルの形成のための機能性界面活性剤をPLEがpH5において正に帯電している化学基を含むところにおいて合成する。5価のガラクトースリガンドが親水性要素の遊離末端に結合し、そしてジスルフィド結合は親水性要素の中に含まれる。HCV RNAの部位特異的切断を可能にするリボザイムを、機能性界面活性剤を含むpH5の水性緩衝液に添加し、そして混合液を攪拌し、ほぼ単分散懸濁液の極性-コアミセルであって、30nMの平均直径でそのコアにリボザイムを含むミセルを生成する。マンナンを懸濁液へと添加し、そして混合物は凍結乾燥されて許容される有効期間を有する粉末を生成する。粉末をHCVに感染した患者に対し経口で投与される錠剤へと剤形する。胃において、錠剤は崩壊し、胃液へミセルを放出する。ミセルは、封入されるリボザイムを胃の低pH及び小腸のアルカリpH、並びに消化酵素による分解から保護する。ミセルは、小腸へ移動し、そこでミセルはそのサイズが小さいことから吸収され、経細胞輸送をとおして血流へと輸送される。ミセルは、血流を循環し肝臓へ行き、そこでガラクトースリガンドが肝臓細胞のガラクトース受容体と相互作用して、受容体に仲介されるミセルのエンドサイトーシスをもたらす。ミセルの構造は、リボザイムが、エンドソームにおける(低pH、酵素活性、酸化状態)といった条件によって分解されることを保護する。細胞質に到達する際、親水性要素のジスルフィドは減少し、親水性要素の分解を導き、そしてミセルを脱被膜して、それによりリボザイムを細胞質中に放出する。リボザイムは次に細胞内に存在するHCV RNAの保存された配列を部位特異的に切断することを可能にし、ウイルスを除去する。
HCV感染された肝臓細胞への抗ウイルスリボザイムの経口運搬
極性-コアミセルの形成のための機能性界面活性剤をPLEがpH5において正に帯電している化学基を含むところにおいて合成する。5価のガラクトースリガンドが親水性要素の遊離末端に結合し、そしてジスルフィド結合は親水性要素の中に含まれる。HCV RNAの部位特異的切断を可能にするリボザイムを、機能性界面活性剤を含むpH5の水性緩衝液に添加し、そして混合液を攪拌し、ほぼ単分散懸濁液の極性-コアミセルであって、30nMの平均直径でそのコアにリボザイムを含むミセルを生成する。マンナンを懸濁液へと添加し、そして混合物は凍結乾燥されて許容される有効期間を有する粉末を生成する。粉末をHCVに感染した患者に対し経口で投与される錠剤へと剤形する。胃において、錠剤は崩壊し、胃液へミセルを放出する。ミセルは、封入されるリボザイムを胃の低pH及び小腸のアルカリpH、並びに消化酵素による分解から保護する。ミセルは、小腸へ移動し、そこでミセルはそのサイズが小さいことから吸収され、経細胞輸送をとおして血流へと輸送される。ミセルは、血流を循環し肝臓へ行き、そこでガラクトースリガンドが肝臓細胞のガラクトース受容体と相互作用して、受容体に仲介されるミセルのエンドサイトーシスをもたらす。ミセルの構造は、リボザイムが、エンドソームにおける(低pH、酵素活性、酸化状態)といった条件によって分解されることを保護する。細胞質に到達する際、親水性要素のジスルフィドは減少し、親水性要素の分解を導き、そしてミセルを脱被膜して、それによりリボザイムを細胞質中に放出する。リボザイムは次に細胞内に存在するHCV RNAの保存された配列を部位特異的に切断することを可能にし、ウイルスを除去する。
開示された図は、単に発明の例示的模式図であり、様々な形態で具現化されうる。図は、必ずしも一定の比率で拡大されたものではなく、いくつかの図は、特別な内容を詳細に示すために誇張されうる。それゆえ、本明細書中で開示される特定の構造的な及び機能的な詳細は、限定的に解釈されるべきでないが、単に特許請求の範囲の基礎として及び本発明を様々に実施する当業者に教示するための代表的な基礎として解釈すべきである。
Claims (189)
- 0より大きいlog Pの値を有し、親水性要素に共有結合する疎水性要素を含む界面活性剤であって、ここで上記疎水性要素は、約10〜2000ダルトンの間の分子量を有し、そして上記界面活性剤は、疎水性の薬剤を封入するミセルを形成することができ、上記ミセルは、上記疎水性薬剤を含むコアを有し、ここで上記コアは、上記疎水性要素を実質的に含有しない前記界面活性剤。
- 前記疎水性要素が、低分子或いはオリゴマー又はポリマーである、請求項1に記載の界面活性剤。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、一本鎖長を有する、請求項2に記載の界面活性剤。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、狭い分布の鎖長を有する、請求項2に記載の界面活性剤。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、疎水性の側鎖を有するペプチド及び疎水性の側鎖を有する不自然な段階的オリゴマーから成る群から選ばれる、請求項2に記載の界面活性剤。
- 前記不自然な段階的オリゴマーは、ペプトイド、オリゴカルバメート、オリゴウレア、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項5に記載の界面活性剤。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、約20未満のアミノ酸を含む短いペプチドである、請求項2に記載の界面活性剤である。
- 前記短いペプチドが、約2〜20の間のアミノ酸を含む、請求項7に記載の界面活性剤。
- 前記短いペプチドが、約2〜15の間のアミノ酸を含む、請求項8に記載の界面活性剤。
- 前記短いペプチドが、約2〜10の間のアミノ酸を含む、請求項9に記載の界面活性剤。
- 前記短いペプチドが、約2〜5の間のアミノ酸を含む、請求項10に記載の界面活性剤。
- 前記低分子が、前記疎水性薬剤又はそのアナログである、請求項2に記載の界面活性剤。
- 前記低分子が、コレステロール、コレステロール誘導体、胆汁酸、胆汁酸誘導体、ステロイド性サポゲニン、トリテルペノイド・サポゲニン、ステロイド性サポゲニン誘導体、トリテルペノイド・サポゲニン誘導体、ステロイド誘導体、アミノ酸、及びそれら混合物から成る群から選ばれる、請求項2に記載の界面活性剤。
- 前記アミノ酸が、芳香族アミノ酸である、請求項13に記載の界面活性剤。
- 前記親水性要素が、オリゴマー又はポリマーである、請求項1に記載の界面活性剤。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、一本鎖長を有する、請求項15に記載の界面活性剤。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、狭い分布の鎖長を有する、請求項15に記載の界面活性剤。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、直鎖状の、分枝状の、又は環状の構造を有するか、及び/又は次第にサイズを増やして円錐体様形状を作る側鎖を含む、請求項15に記載の界面活性剤。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、オリゴ糖、多糖、ペプチド、不自然な段階的オリゴマー、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項15に記載の界面活性剤。
- 前記不自然な段階的オリゴマーが、ペプトイド、オリゴカルバメート、オリゴウレア、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項19に記載の界面活性剤。
- 前記親水性要素が、少なくても1の結合要素をさらに含む、請求項1に記載の界面活性剤。
- 前記結合要素が、リガンド、生物接着性官能基及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項21に記載の界面活性剤。
- 前記親水性要素が、少なくとも1の輸送要素をさらに含む、請求項1に記載の界面活性剤。
- 前記輸送要素が、核移行配列、膜横断分子、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項23に記載の界面活性剤。
- 前記親水性要素が、生理条件下で切断されうるリンカーをさらに含む、請求項1に記載の界面活性剤。
- 前記リンカーが、アミド、カルバメート、チオカルバメート、酸素酸エステル、チオエステル、グリコール酸エステル、乳酸エステル、オルトエステル、アセタール、ケタール、ホスホジエステル、ジスルフィド、及びそれらの混合物を含む、請求項25に記載の界面活性剤。
- 前記リンカーが、透過性を高める分子を生成することができる、請求項25に記載の界面活性剤。
- 前記リンカーが、結合要素及び輸送要素から成る群から選ばれる要素をアンマスクできる、請求項25に記載の界面活性剤。
- 前記結合要素が、リガンド、生物接着性官能基、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項28に記載の界面活性剤。
- 前記輸送要素が、核移行配列、膜横断分子、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項28に記載の界面活性剤。
- 前記界面活性剤が、透過性を高める分子である、請求項1に記載の界面活性剤。
- 前記界面活性剤及びその生理的切断産物が、無毒性、非免疫原性、及び易排泄性である、請求項1に記載の界面活性剤。
- 前記共有結合が、生理条件下で非切断性又は切断性である、請求項1に記載の界面活性剤。
- 請求項1に記載の複数の界面活性剤を含む疎水性薬剤を封入するミセルであって、上記ミセルは、上記疎水性薬剤を含むコアを有し、ここで上記コアは上記疎水性要素を実質的に含有しない前記ミセル。
- 前記ミセルが、大きい体積の前記疎水性薬剤を含む、請求項34に記載のミセル。
- 前記疎水性要素が、低分子或いはオリゴマー又はポリマーである、請求項34に記載のミセル。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、一本鎖長を有する、請求項36に記載のミセル。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、狭い分布の鎖長を有する、請求項36に記載のミセル。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、疎水性側鎖を有するペプチド及び疎水性側鎖を有する不自然な段階的オリゴマーから成る群から選ばれる、請求項36に記載のミセル。
- 前記不自然な段階的オリゴマーは、ペプトイド、オリゴカルバメート、オリゴウレア、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項39に記載のミセル。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、約20未満のアミノ酸を含む短いペプチドである、請求項36に記載のミセル。
- 前記短いペプチドが、約2〜20の間のアミノ酸を含む、請求項41に記載のミセル。
- 前記短いペプチドが、約2〜15の間のアミノ酸を含む、請求項42に記載のミセル。
- 前記短いペプチドが、約2〜10の間のアミノ酸を含む、請求項43に記載のミセル。
- 前記短いペプチドが、約2〜5の間のアミノ酸を含む、請求項44に記載のミセル。
- 前記低分子が、前記疎水性薬剤又は、そのアナログである、請求項36に記載のミセル。
- 前記低分子が、コレステロール、コレステロール誘導体、胆汁酸、胆汁酸誘導体、ステロイド性サポゲニン、トリテルペノイド・サポゲニン、ステロイド性サポゲニン誘導体、トリテルペノイド・サポゲニン誘導体、ステロイド誘導体、アミノ酸、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項36に記載のミセル。
- 前記アミノ酸が、芳香族アミノ酸である、請求項47に記載のミセル。
- 前記親水性要素が、オリゴマー又はポリマーである、請求項34に記載のミセル。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、一本鎖長を有する、請求項49に記載のミセル。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、狭い分布の鎖長を有する、請求項49に記載のミセル。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、直鎖状の、分枝状の、又は環状の構造を有するか、及び/又は次第にサイズを増やし、円錐体様形状を作る側鎖を含む、請求項49に記載のミセル。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、オリゴ糖、多糖、ペプチド、不自然な段階的オリゴマー、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項49に記載のミセル。
- 前記不自然な段階的オリゴマーが、ペプトイド、オリゴカルバメート、オリゴウレア、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項53に記載のミセル。
- 前記親水性要素が、少なくとも1の結合要素をさらに含む、請求項34に記載のミセル。
- 前記結合要素が、リガンド、生物接着性官能基及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項55に記載のミセル。
- 前記親水性要素が、少なくとも1の輸送要素をさらに含む、請求項34に記載のミセル。
- 前記輸送要素が、核移行配列、膜横断分子、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項57に記載のミセル。
- 前記親水性要素が、生理条件下で切断されうるリンカーをさらに含む、請求項34に記載のミセル。
- 前記リンカーが、アミド、カルバメート、チオカルバメート、酸素酸エステル、チオエステル、グリコール酸エステル、乳酸エステル、オルトエステル、アセタール、ケタール、ホスホジエステル、ジスルフィド、及びそれらの混合物を含む、請求項59に記載のミセル。
- 前記リンカーが、前記ミセルを不安定化ができ、それによって複数の前記界面活性剤が前記コアから脱し、そして前期疎水性薬剤が外の環境に晒される、請求項59に記載のミセル。
- 前記リンカーが、透過性を高める分子を生成できる、請求項59に記載のミセル。
- 前記リンカーが、結合要素及び輸送要素から成る群から選ばれる要素をアンマスクできる、請求項59に記載のミセル。
- 前記結合要素が、リガンド、生物接着性官能基、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項63に記載のミセル。
- 前記輸送要素が、核移行配列、膜横断分子、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項63に記載のミセル。
- 前記界面活性剤が、透過性を高める分子である、請求項34に記載のミセル。
- 前記界面活性剤及びその生理的切断産物が、無毒性、非免疫原性、及び易排泄性である、請求項34に記載のミセル。
- 前記ミセルが、透過性を高める分子、不所望の酵素活性の阻害剤、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる分子をさらに含む、請求項34に記載のミセル。
- 前記ミセルが、自己集合過程によって形成される、請求項34に記載のミセル。
- 前記疎水性の薬剤を揮発性溶剤又はFDAに承認される油に溶解し、そして前記界面活性剤を含む水溶液に溶解した疎水性薬剤を加え、それによってミセルを形成することを含む方法によって形成される、請求項34に記載のミセル。
- 前記ミセルが、約1から約100nMまでの範囲内の水力学的直径を有する、請求項34に記載のミセル。
- 前記範囲が、約5〜約80nMである、請求項71に記載のミセル。
- 前記共有結合が、生理条件下で非切断性又は切断性である、請求項34に記載のミセル。
- 疎水性要素の1番目の末端に共有結合する1番目の親水性要素、及び上記疎水性要素の2番目の末端に共有結合する2番目の親水性要素を含む界面活性剤であって、上記1番目及び2番目の親水性要素は、大きさ及び/又は形状で異なっており、そして上記界面活性剤は、親水性薬剤を含むコアを有するミセルを形成できる前記界面活性剤。
- 前記疎水性要素が、低分子或いはオリゴマー又はポリマーである、請求項74に記載の界面活性剤。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、一本鎖長を有する、請求項75に記載の界面活性剤。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、狭い分布の鎖長を有する、請求項75に記載の界面活性剤。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、疎水性側鎖を有するペプチド及び疎水性側鎖を有する不自然な段階的オリゴマーから成る群から選ばれる、請求項75に記載の界面活性剤。
- 前記不自然な段階的オリゴマーが、ペプトイド、オリゴカルバメート、オリゴウレア、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項78に記載の界面活性剤。
- 前記低分子が、コレステロール、コレステロール誘導体、胆汁酸、胆汁酸誘導体、ステロイド性サポゲニン、トリテルペノイド・サポゲニン、ステロイド性サポゲニン誘導体、トリテルペノイド・サポゲニン誘導体、ステロイド誘導体、アミノ酸、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項75に記載の界面活性剤。
- 前記2番目の親水性要素が、オリゴマー又はポリマーである、請求項74に記載の界面活性剤。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、一本鎖長を有する、請求項81に記載の界面活性剤。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、狭い分布の鎖長を有する、請求項81に記載の界面活性剤。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、直鎖状の、分枝状の、又は環状の構造を有するか、及び/又は次第にサイズを増やし、円錐体様形状を生成する側鎖を含む、請求項81に記載の界面活性剤。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、オリゴ糖、多糖、ペプチド、不自然な段階的オリゴマー、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項81に記載の界面活性剤。
- 前記不自然な段階的オリゴマーが、ペプトイド、オリゴカルバメート、オリゴウレア、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項85に記載の界面活性剤。
- 前記2番目の親水性要素が、少なくとも1の結合要素をさらに含む、請求項74に記載の界面活性剤。
- 前記結合要素が、リガンド、生物接着性官能基、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項87に記載の界面活性剤。
- 前記2番目の親水性要素が、少なくとも1の輸送要素をさらに含む、請求項74に記載の界面活性剤。
- 前記輸送要素が、核移行配列、膜横断分子、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項89に記載の界面活性剤。
- 前記2番目の親水性要素が、生理条件下で切断されうるリンカーをさらに含む、請求項74に記載の界面活性剤。
- 前記リンカーが、アミド、カルバメート、チオカルバメート、酸素酸エステル、チオエステル、グリコール酸エステル、乳酸エステル、オルトエステル、アセタール、ケタール、ホスホジエステル、ジスルフィド、及びそれらの混合物を含む、請求項91に記載の界面活性剤。
- 前記リンカーが、透過性を高める分子を生成できる、請求項91に記載の界面活性剤。
- 前記リンカーが、結合要素及び輸送要素から成る群から選ばれる要素をアンマスクできる、請求項91に記載の界面活性剤。
- 前記結合要素が、リガンド、生物接着性官能基、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項94に記載の界面活性剤。
- 前記輸送要素が、核移行配列、膜横断分子、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項94に記載の界面活性剤。
- 前記界面活性剤が、透過性を高める分子である、請求項74に記載の界面活性剤。
- 前記界面活性剤及びその生理的切断産物は、無毒性、非免疫原性、及び易排泄性である、請求項74に記載の界面活性剤。
- 前記共有結合は、生理条件下で切断性又は非切断性である、請求項74に記載の界面活性剤。
- 前記親水性薬剤が前記コア内に隔絶されるように、前記1番目の親水性要素が前記親水性薬剤と相互作用できる、請求項74に記載の界面活性剤。
- 前記1番目の親水性要素が、前記親水性薬剤と非共有的に結合できる官能基又はリガンドをさらに含む、請求項74に記載の界面活性剤。
- 前記1番目の親水性要素が、痕跡のないリンカー又は生理条件下で切断されうるプロドラックをさらに含む、請求項74に記載の界面活性剤であって、そこで上記痕跡のないリンカー又は上記プロドラッグは、前記1番目の親水性要素を前記親水性薬剤へと共有結合できる前記界面活性剤。
- 親水性薬剤を封入するミセルであって、請求項74に記載の複数の界面活性剤を含むミセル。
- 前記コアが、疎水性層によって取り囲まれ、そして上記疎水性層が、親水性層によって取り囲まれる、請求項74に記載のミセル。
- 前記疎水性要素が、低分子或いはオリゴマー又はポリマーである、請求項74に記載のミセル。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、一本鎖長を有する、請求項105に記載のミセル。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、狭い分布の鎖長を有する、請求項105に記載のミセル。
- 前記のオリゴマー又はポリマーが、疎水性側鎖を有するペプチド及び疎水性側鎖を有する不自然な段階的オリゴマーからなる群から選ばれる、請求項105に記載のミセル。
- 前記不自然な段階的オリゴマーが、ペプトイド、オリゴカルバメート、オリゴウレア、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項108に記載のミセル。
- 前記低分子が、コレステロール、コレステロール誘導体、胆汁酸、胆汁酸誘導体、ステロイド性サポゲニン、トリテルペノイド・サポゲニン、ステロイド性サポゲニン誘導体、トリテルペノイド・サポゲニン誘導体、ステロイド誘導体、アミノ酸、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項105に記載のミセル。
- 前記2番目の親水性要素が、オリゴマー又はポリマーである、請求項103に記載のミセル。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、一本鎖長を有する、請求項111に記載のミセル。
- 前記オリゴマー又はポリマーが狭い分布の鎖長を有する、請求項111に記載のミセル。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、直鎖状の、分枝状の、又は環状の構造を有するか、及び/又は次第にサイズを増やし、円錐体様形状を生成する側鎖を含む、請求項111に記載のミセル。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、オリゴ糖、多糖、ペプチド、不自然な段階的オリゴマー、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項111に記載のミセル。
- 前記不自然な段階的オリゴマーが、ペプトイド、オリゴカルバメート、オリゴウレア、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項115に記載のミセル。
- 前記2番目の親水性要素が、少なくとも1の結合要素をさらに含む、請求項103に記載のミセル。
- 前記結合要素が、リガンド、生物接着性官能基及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項117に記載のミセル。
- 前記2番目の親水性要素が、少なくとも1の輸送要素をさらに含む、請求項103に記載のミセル。
- 前記輸送要素が、核移行配列、膜横断分子、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項119に記載のミセル。
- 前記2番目の親水性要素が、生理条件下で切断されうるリンカーをさらに含む、請求項103に記載のミセル。
- 前記リンカーが、アミド、カルバメート、チオカルバメート、酸素酸エステル、チオエステル、グリコール酸エステル、乳酸エステル、オルトエステル、アセタール、ケタール、ホスホジエステル、ジスルフィド、及びそれらの混合物を含む、請求項121に記載のミセル。
- 前記リンカーが、前記ミセルを不安定化でき、それによって複数の前記界面活性剤が前記コアから脱し、そして親水性薬剤が外の環境に晒される、請求項121に記載のミセル。
- 前記リンカーが、透過性を高める分子を生成することができる、請求項121に記載のミセル。
- 前記リンカーが、結合要素及び輸送要素から成る群から選ばれる要素をアンマスクできる、請求項121に記載のミセル。
- 前記輸送要素が、核移行配列、膜横断分子、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項125に記載のミセル。
- 前記結合要素が、リガンド、生物接着性官能基、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項125に記載のミセル。
- 前記界面活性剤が、透過性を高める分子である、請求項103に記載のミセル。
- 前記界面活性剤及びその生理的切断産物が、無毒性、非免疫原性、及び易排泄性である、請求項103に記載のミセル。
- 前記ミセルが、透過性を高める分子、不所望の酵素活性の阻害剤、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる分子をさらに含む、請求項103に記載のミセル。
- 前記ミセルが、自己集合過程によって形成される、請求項103に記載のミセル。
- 前記ミセルが、約1から約100nMまでの範囲内の水力学的直径を有する、請求項103に記載のミセル。
- 前記範囲が、約5〜約80nMである、請求項132に記載のミセル。
- 前記共有結合が、生理条件下で非切断性又は切断性である、請求項103に記載のミセル。
- 前記親水性薬剤が前記コア内に隔絶されるように、前記1番目の親水性要素が前記親水性薬剤と相互作用できる、請求項103に記載のミセル。
- 前記親水性要素が、前記親水性薬剤に非共有結合できる官能基又はリガンドをさらに含む、請求項103に記載のミセル。
- 前記1番目の親水性要素が、生理条件下で切断されうる痕跡のないリンカー又はプロドラックをさらに含む、請求項103に記載のミセルであって、そこで上記痕跡のないリンカー又は上記プロドラッグは、上記1番目の親水性要素を前記親水性薬剤へと共有結合できる前記ミセル。
- 親水性要素に共有結合する少なくとも1の認識要素を含むタンパク質薬剤を保護するためのオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物であって、ここで上記認識要素又は複数の認識要素は、上記タンパク質薬剤と非共有結合で相互作用して複合体を形成し、ここにおいて上記タンパク質薬剤が分解、免疫システムによる認識、及び/又は腎排泄から保護される、前記オリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記タンパク質薬剤が、前記オリゴマー又はポリマーによって妨害されない活性部位を有し、それによって前記複合体におけるタンパク質薬剤の生理活性を維持する、請求項138に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 複数の認識要素を有する、請求項138に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物であって、ここで各認識要素は、前記タンパク質薬剤上の相互に区別される部位に結合する前記オリゴマー、ポリマー及び/又はそれらの混合物。
- 前記認識要素又は複数の認識要素は、少なくとも1の反応性化学基又は反応性リンカーに共有結合しており、上記反応性化学基又は上記反応性リンカーは、前記タンパク質薬剤上の少なくとも1の官能基と反応でき、そして上記反応性化学基又は反応性リンカーは、上記認識要素又は複数の認識要素と上記タンパク質薬剤との間に少なくとも1の共有結合を形成できる、請求項138に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 生理条件下で切断されうる少なくとも1のリンカーを含む、請求項141に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記リンカーが、アミド、カルバメート、チオカルバメート、酸素酸エステル、チオエステル、グリコール酸エステル、乳酸エステル、オルトエステル、アセタール、ケタール、ホスホジエステル、ジスルフィド、及びそれらの混合物を含む、請求項142に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記認識要素が、ペプチド、環状ペプチド、不自然な段階的オリゴマー、環状の不自然な段階的オリゴマー、天然低分子、及び合成低分子から成る群から選ばれる、請求項138に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記不自然な段階的オリゴマーは、ペプトイド、オリゴカルバメート、オリゴウレア、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項144に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記認識要素が、多価のリガンドをさらに含む、請求項138に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記親水性要素がオリゴマー又はポリマーである、請求項138に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記オリゴマー又はポリマーが一本鎖長を有する、請求項147に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、狭い分布の鎖長を有する、請求項147に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、オリゴ糖、多糖、ペプチド、不自然な段階的オリゴマー、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項147に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記不自然な段階的オリゴマーが、ペプトイド、オリゴカルバメート、オリゴウレア、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項150に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記親水性要素が、直鎖状の、分枝状の、又は環状の構造を有する、請求項138に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記親水性要素が、少なくとも1の結合要素をさらに含む、請求項138に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記結合要素が、リガンド、生物接着性官能基、およびそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項153に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記親水性要素が、少なくとも1の輸送要素をさらに含む、請求項138に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記輸送要素が、核移行配列、膜横断分枝、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項155に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記親水性要素が、生理条件下で分解されうるリンカーをさらに含む、請求項138に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記リンカーが、アミド、カルバメート、チオカルバメート、酸素酸エステル、チオエステル、グリコール酸エステル及び乳酸エステル、オルトエステル、アセタール、ケタール、ホスホジエステル、ジスルフィド、及びそれらの混合物を含む、請求項157に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記リンカーが、結合要素及び輸送要素から成る群から選ばれる要素をアンマスクできる、請求項157に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記結合要素が、リガンド、生物接着性官能基、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項159に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記輸送要素が、核移行配列、膜横断分子、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項159に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記オリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物、並びにその生理的分解産物が、無毒性、非免疫原性、及び易排泄性である、請求項138に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 前記共有結合が、生理条件下で非切断性又は切断性である、請求項138に記載のオリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物。
- 少なくとも1のオリゴマー又はポリマー並びにタンパク質薬剤を含む複合体であって、ここで前記オリゴマー又はポリマーが、親水性要素へ共有結合する少なくとも1の認識要素を含み、上記認識要素又は複数の認識要素が、非共有結合で上記タンパク質薬剤と相互作用して複合体を形成し、ここにおいては上記タンパク質薬剤が、分解、免疫システムによる認識、及び/又は腎排泄から保護される前記複合体。
- 前記タンパク質薬剤が、前記オリゴマー又はポリマーによって妨害されない活性部位を有し、それにより前記複合体における前記タンパク質薬剤の生理活性を維持する、請求項164に記載の複合体。
- 複数の認識要素を有する、請求項164に記載の複合体であって、ここで各認識要素が、前記タンパク質薬剤上の相互に区別される部位に結合する前記複合体。
- 前記認識要素又は複数の認識要素が、少なくとも1の反応性化学基または反応性リンカーに共有結合し、上記反応性化学基又は上記反応性リンカーが、前記タンパク質薬剤上の少なくとも1の官能基と反応でき、そして上記反応性化学基又は反応性リンカーが、上記認識要素又は複数の認識要素と上記タンパク質薬剤との間で少なくとも1の共有結合を形成することができる、請求項164に記載の複合体。
- 生理条件下で切断されうる少なくとも1のリンカーをさらに含む、請求項167に記載の複合体。
- 前記リンカーが、アミド、カルバメート、チオカルバメート、酸素酸エステル、チオエステル、グリコール酸エステル、乳酸エステル、オルトエステル、アセタール、ケタール、ホスホジエステル、ジスルフィド、及びそれらの混合物を含む、請求項168に記載の複合体。
- 前記認識要素が、ペプチド、環状ペプチド、不自然な段階的オリゴマー、環状不自然な段階的オリゴマー、天然低分子、及び合成低分子から成る群から選ばれる、請求項164に記載の複合体。
- 前記不自然な段階的オリゴマーが、ペプトイド、オリゴカルバメート、オリゴウレア、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項170に記載の複合体。
- 前記認識要素が、多価リガンドをさらに含む、請求項164に記載の複合体。
- 前記親水性要素が、オリゴマー又はポリマーである、請求項164に記載の複合体。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、一本鎖長を有する、請求項173に記載の複合体。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、狭い分布の鎖長を有する、請求項173に記載の複合体。
- 前記オリゴマー又はポリマーが、オリゴ糖、多糖、ペプチド、不自然な段階的オリゴマー、及びそれらの混合物からなる群から選ばれる、請求項173に記載の複合体。
- 前記不自然な段階的オリゴマーが、ペプトイド、オリゴカルバメート、オリゴウレア、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項176に記載の複合体。
- 前記親水性要素が、直鎖状の、分枝状の、環状の構造を有する、請求項164に記載の複合体。
- 前記親水性要素が、少なくとも1の結合要素をさらに含む、請求項164に記載の複合体。
- 前記結合要素が、リガンド、生理結合性官能基、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項179に記載の複合体。
- 前記親水性要素が少なくとも1の輸送要素を含む、請求項164に記載の複合体。
- 前記輸送要素が、核移行配列、膜横断分子、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項181に記載の複合体。
- 前記親水性要素が、生理条件下で切断されうるリンカーをさらに含む、請求項164に記載の複合体。
- 前記リンカーが、アミド、カルバメート、チオカルバメート、酸素酸エステル、チオエステル、グリコール酸エステル及び乳酸エステル、オルトエステル、アセタール、ケタール、ホスホジエステル、ジスルフィド、及びそれらの混合物を含む、請求項183に記載の複合体。
- 前記リンカーが、結合要素及び輸送要素から成る群から選ばれる要素をアンマスクできる、請求項183に記載の複合体。
- 前記結合要素が、リガンド、生物接着性官能基、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項185に記載の複合体。
- 前記輸送要素が、核移行配列、膜横断分子、及びそれらの混合物から成る群から選ばれる、請求項185に記載の複合体。
- 前記オリゴマー、ポリマー、及び/又はそれらの混合物並びに、その生理的分解産物が、無毒性、非免疫原性、及び易排泄性である、請求項164に記載の複合体。
- 前記共有結合が、生理条件下で非切断性又は切断性である、請求項164に記載の複合体。
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