JP2009520857A - ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)の新規な使用 - Google Patents

ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)の新規な使用 Download PDF

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Abstract

ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)および、場合によってはさらにポリ(アリールエーテルケトン)(P1)およびポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)以外の1種または複数の成分(A)からなるポリマー組成物(C1)中に含まれるポリ(アリールエーテルケトン)(P1)を希釈するための、有効量(ε)のポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)の使用であって、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)の摩擦性および/または耐摩耗性のそれぞれがポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の摩擦性および/または耐摩耗性のそれぞれほどには良好ではないことに関連して、表面(Σ)に関連するポリマー組成物(C1)の摩擦性および/または耐摩耗性が少なくとも実質的に維持される、使用。

Description

本出願は、米国仮特許出願第60/752,922号明細書および米国仮特許出願第60/752,951号明細書(いずれも、2005年12月23日出願)の利益を主張するものであり、それらの内容のすべてを参考として引用し、本明細書に組み入れる。
本発明は、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)の新規な使用に関する。
ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)は、ポリ(アリールエーテルスルホン)の特殊な一部門を形成している。これら非晶質のテクノポリマーは、最高の靱性で知られ、ポリ(アリールエーテルケトン)などの超高性能ポリマーよりは劣るものの、かなり良好な摩擦性および耐摩耗性を有する、よりすぐりの材料である。
正確に言えば、ポリ(アリールエーテルケトン)は、技術的性質、すなわち高融点、優れた熱安定性ならびに優れた摩擦性および耐摩耗性を格段のバランスで提供する。しかしながら、それらの物質のガラス転移点がいくぶん低いために、使用温度が170℃を超えるようなある種の特殊な用途の場合にはその使用に限界があるが、その理由は主として、ガラス転移が移行する(the glass transition is traversed)につれてモジュラスの損失が起きるからである。
多くの用途において、ポリ(アリールエーテルケトン)により得られる技術的性質の格段のバランスは率直に評価されるが、前記の用途において、たとえば、純粋のポリ(アリールエーテルケトン)のTgよりも上で改良された耐荷重力を持つ物質が必要とされることはない。それでもなお重要な問題が残っていて、ポリ(アリールエーテルケトン)のコストが高いということが原因で、当業者が、前記ポリ(アリールエーテルケトン)を包含された用途(encompassed application)において技術的に望ましいものとして広く使用することができないでいるが、これは特に、多少なりとも粗いおよび/または研磨性の表面上を、成形物品または少なくともその一つもしくは複数の部品を一時的または恒久的に滑らせたりあるいはより一般的には移動させたりするときにあてはまる。
PAEK類、および特にPEEKは、実際のところ、最高の耐摩耗性を有しており、「低脱皮性(low sloughing)」である。それらの性質のために、微粒子の生成が許されない、たとえば、クリーンルーム内での抽出物(extractables)について極めて厳しい要求がある、デリケートな電子部品などの用途においては、それらの材料が理想的なものとなっている。
ポリ(アリールエーテルケトン)組成物よりも低コストであるが、前記ポリ(アリールエーテルケトン)組成物によって得られるものと少なくとも実質的に同等の摩擦性および耐摩耗性を有するポリマー組成物に対する大きな必要性が依然として存在している。
その課題は、特に米国特許第4,804,724号明細書の教示(以下において説明する)を見ると、本出願人には難しいものと思える。
米国特許第4,804,724号明細書(その内容のすべてを参考として引用し、本明細書に組み入れる)には、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)およびポリ(アリールエーテルケトン)を含むブレンド物の記載がある。米国特許第4,804,724号明細書においては、それらのブレンド物は、中間の組成(たとえば、50部のPPSUおよび50部のPEEK)では、考えられる「興味ある」性質のバランス、すなわち、実際のところ、特にモジュラス、耐衝撃性、耐溶媒性および耐環境応力破壊性に関連しては中間のレベルの性質を示す。したがって、この開示に基づくと、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)をポリ(アリールエーテルケトン)に添加することは、おそらくは摩擦性および耐摩耗性の実質的な低下を招くであろうと予想され、当業者のよく理解するところであろうが、ポリ(アリールエーテルケトン)組成物中に含まれるポリ(アリールエーテルケトン)の一部を、通常コスト的により魅力のあるポリマー、特にポリ(ビフェニルエーテルスルホン)と置き換えることは、ポリ(アリールエーテルケトン)によって得られる摩擦性および/または耐摩耗性を実質的に維持しながら、ポリ(アリールエーテルケトン)組成物のコストを低減させようという厄介な問題を解決するための適切な手段とはなり得ないであろう。
本発明の第一の態様は、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)の摩擦性および/または耐摩耗性のそれぞれがポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の摩擦性および/または耐摩耗性のそれぞれほどには良好ではないということに関連して、表面(Σ)に関するそのポリマー組成物(C1)の摩擦性および/または耐摩耗性を少なくとも実質的に維持しながらも、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)ならびに場合によってはさらにポリ(アリールエーテルケトン)(P1)およびポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)以外の1種または複数の成分(A)からなるポリマー組成物(C1)の中に含まれるポリ(アリールエーテルケトン)(P1)を希釈するために、有効量(ε)のポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)を使用することを目的としている。
本発明の別な態様は、ポリマー組成物(C1)の摩擦性および/または耐摩耗性をその必要に合わせて少なくとも実質的に維持しながらも、ポリマー組成物(C1)の中に含まれるポリ(アリールエーテルケトン)(P1)を希釈するための方法を目的としており、
前記ポリマー組成物(C1)は、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)ならびに、場合によってはさらに、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)およびポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)以外の1種または複数の成分(A)からなり、
ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)の摩擦性および/または耐摩耗性のそれぞれがポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の摩擦性および/または耐摩耗性のそれぞれほどには良好ではないことに関連して、表面(Σ)に関連するポリマー組成物(C1)の前記摩擦性および/または耐摩耗性が少なくとも実質的に維持され、
前記方法には、有効量(ε)のポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)によってポリ(アリールエーテルケトン)(P1)を希釈することが含まれる。
上述の二つの態様においては、そのポリマー組成物(C1)は、成形物品の形態であるかまたは成形物品の一部(S1)であってよい。
ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)を希釈した後に得られるポリマー組成物を(C2)で表示し、それとは対照的に、希釈前のポリマー組成物を(C1)で表示することとする。
次いで、本発明のさらに別な態様は、以下のものからなるポリマー組成物(C2)を目的としている:
ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)
有効量(ε)のポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)、および
場合によってはさらにポリ(アリールエーテルケトン)(P1)およびポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)以外の1種または複数の成分(A)、
ここで、ポリマー組成物(C2)中に含まれるポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)が、質量対質量で(weight pro weight)ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)によって完全に置き換えられていることを除けば、ポリマー組成物(C2)と同一であるポリマー組成物(C1)のそれらと比較したときに、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)の摩擦性および/または耐摩耗性のそれぞれが、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の摩擦性および/または耐摩耗性のそれぞれほどにはよくないことに関連して、表面(Σ)に関連する前記ポリマー組成物(C2)の摩擦性および/または耐摩耗性が少なくとも実質的に維持される。
100質量部(pbw)のポリ(アリールエーテルケトン)(P1)および、場合によってはさらにポリ(アリールエーテルケトン)(P1)およびポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)以外の1種または複数の成分(A)からなるポリマー組成物(C1)から通常出発して、以下のものからなるポリマー組成物(C2)を:
(100−ε)pbwの量のポリ(アリールエーテルケトン)(P1)(εについては以下において定義される)、
有効量(εpbw)のポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)、および
場合によってはさらにポリ(アリールエーテルケトン)(P1)およびポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)以外の1種または複数の成分(A)、
下記の工程、すなわち、
ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)を準備する工程;
ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)を準備する工程;
必要であれば、成分(A)を準備する工程;
有効量、すなわちεpbwのポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)を、(100−ε)pbwのポリ(アリールエーテルケトン)(P1)と、場合によっては成分(A)とを接触、好ましくは混合する工程、
を含む方法によって調製して、ポリマー組成物(C2)を得ることが可能である。
本発明のさらに別の態様は、上述のようなポリマー組成物(C2)からなる成形物品または成形物品の部品(S2)を目的としている。本発明の最後の態様は、前記部品を含む物品の組立品を目的としている。
明確性のために、「ポリマー組成物(C1)に含まれるポリ(アリールエーテルケトン)(P1)を希釈するための」という表現は、本明細書においては、その広い意味合いで、すなわち「ポリマー組成物(C1)中に含まれるポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の濃度を低下させるための」と理解するべきである。典型的には、そのような希釈は、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の一部をポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)によって置き換えることにより達成される。「濃縮された」ポリマー組成物[すなわち、ポリマー組成物(C1)]を希釈することにより往々にして得られる利点は、そのようにして得られる「希釈された」ポリマー組成物[すなわち、ポリマー組成物(C2)]が、コスト的により魅力的となることであって、それは、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)は通常、ポリ(アリールエーテルケトン)ほどには高価でないからである。
ある当業者によって、前記当業者が、本発明の使用に従ってポリマー組成物(C1)の中に含まれるポリ(アリールエーテルケトン)(P1)を希釈するためにポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)を使用する前に、ポリマー組成物(C1)が調製されていたかもしれないし、その摩擦性および/または耐摩耗性が評価されていたかもしれない。しかしながら、このシナリオはまったく不要である。それというのも、本発明の使用は、特に、ポリマー組成物(C2)が、ポリ(アリールエーテルケトン)含有でポリ(ビフェニルエーテルスルホン)非含有のポリマー組成物(C1)の効果的に測定されるかまたは合理的に推測された、それぞれの摩擦性および/または耐摩耗性に少なくとも実質的に等しい、ある表面(Σ)に関連する摩擦性および/または耐摩耗性を示すという目的で当業者によって納得されるや直ちに、良好に実施されたと理解するべきであり、その当業者が、どのような方法で、ポリマー組成物(C1)の効果的に測定されるかまたは合理的に推測されたそれぞれの摩擦性および/または耐摩耗性を知っていたとしても、このように認識されたポリマー組成物(C2)がこのことを根拠に調製されたことになる。
本発明において、ポリマー組成物(C1)の摩擦性および/または耐摩耗性が少なくとも実質的に維持されるという事実は通常、ポリマー組成物(C2)(「希釈された」ポリマー組成物)が、ポリマー組成物(C1)(「濃縮された」ポリマー組成物)のそれよりも低いが、それに近いか、ポリマー組成物(C1)のそれに等しいか、または、ポリマー組成物(C1)のそれより高いかのいずれかである、表面(Σ)に関連する摩擦性および/または耐摩耗性をそれぞれ有しているということを意味している。別の言い方をすれば、表面(Σ)に関しては、ポリマー組成物(C2)は、ポリマー組成物(C1)の摩擦性および/または耐摩耗性よりも実質的に低いそれらを有していない。
好ましくは、本発明においては、ポリマー組成物(C1)の摩擦性および/または耐摩耗性は、少なくとも実質的に維持される、すなわち、ポリマー組成物(C2)は通常、ポリマー濃度(C1)の摩擦性および/または耐摩耗性に等しいかもしくは実質的に等しいか、またはそれらがポリマー濃度(C1)のそれよりも高い、表面(Σ)に関連する摩擦性および/または耐摩耗性のそれぞれを有している。
本発明のある種の実施態様においては、表面(Σ)に関連するポリマー組成物(C1)の耐摩擦性は少なくとも実質的に維持されるが、この実施態様においては、耐摩耗性は維持されていても、されていなくてもよい。
本発明のある種の他の実施態様においては、表面(Σ)に関連するポリマー組成物(C1)の少なくとも耐摩耗性は、少なくとも実質的に維持されるが、この実施態様においては、耐摩擦性は維持されていても、されなくてもよい。
本発明のある種のさらに他の実施態様においては、表面(Σ)に関連するポリマー組成物(C1)の摩擦性と耐摩耗性の両方が、少なくとも実質的に維持される。
ポリマー組成物(C1)中に含まれるポリ(アリールエーテルケトン)(P1)を希釈するために使用したときに、表面(Σ)に関連するポリマー組成物(C1)の摩擦性および/または耐摩耗性を少なくとも実質的に維持する[すなわち、実質的に損なうことがない]ことを可能とするような、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)の量を、本発明の意味合いにおいて、有効量(ε)とみなすこととする。
すでに説明したように、有効量(ε)のポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)で、100質量部(pbw)の量でポリマー組成物(C1)の中に含まれるポリ(アリールエーテルケトン)(P1)を希釈することが可能であるが、それには、前記ポリマー組成物(C1)の中で、εpbwのポリ(アリールエーテルケトン)(P1)をεpbwのポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)に置き換え、それによって、(100−ε)pbwのポリ(アリールエーテルケトン)(P1)とεpbwのポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)とを含むポリマー組成物(C2)を得ることができる。そのような定義をすれば、εは0〜100pbwの範囲とすることができる。
理論的な観点からは、εは技術的に可能な限り低いものとすることもできるが、1pbw未満のポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)の量εは、前の段落で定義したように、望ましいといえることはほとんどなく、その理由は、この場合、そのようにして得られた希釈のメリットが通常不十分であるからである。したがって、有効量(ε)のポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)とは、好ましくは2pbwを超え、極めて好ましくは、5pbwを超える場合である。
その一方で、有効量(ε)は通常、ある上限を超えてはならないが、その上限は主として、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)の性質、ポリ(アリールエーテルケトン)の性質、(1種または複数の)任意成分(A)の性質と量、および表面(Σ)の性質に依存する。したがって、当業者がしばしば観察するところであるが、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)を、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)によって、質量対質量で、量を増やしながら置き換えていくと、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)の量が臨界限度を超えない限りにおいては、そのポリマー組成物(C1)の摩擦性および/または耐摩耗性が、少なくとも維持されるか、少なくとも実質的に維持される[「プラトー」または「擬似プラトー」挙動を示す]が、臨界限度を超えると、摩擦性および/または耐摩耗性が、場合によっては急激に、実質的に低下し、最終的には、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P1)のそれに近いレベルにまで達するので、総合的な摩擦性および/または耐摩耗性曲線[すなわち、0〜100部のポリ(アリールエーテルケトン)(P1)を、質量対質量で、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)によって置き換え]は、場合によってはS字形のように見える。
したがって:
本発明のある種の実施態様においては、有効量(ε)のポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)は、先に定義されたように、好ましくは60pbw未満であり;
本発明のある種の他の実施態様においては、εは好ましくは50pbw未満であり;
さらに別なある種の実施態様においては、εは好ましくは40pbw未満であり;さらに別なある種の実施態様においては、εは好ましくは35pbw未満であり;さらに別なある種の実施態様においては、εは好ましくは30pbw未満であり;さらに別なある種の実施態様においては、εは好ましくは25pbw未満であり;さらに別なある種の実施態様においては、εは好ましくは20pbw未満であり;さらに別なある種の実施態様においては、εは好ましくは15pbw未満である。
当業者ならば、主として、先に示したパラメーターのすべてに依存して、自分にとって最も都合の良いεの値を容易に決めることができる。
一般的には、本発明においては、ポリマー組成物(C1)および(C2)は、一時的または恒久的に、表面(Σ)の上の移動の影響を受けやすく、多くの場合、そのような一時的または恒久的な移動が実際に実現される。
表面(Σ)の一部または全部を構成しやすい材料の例を非限定的に挙げれば、金属、鋼、青銅、および熱可塑性高エンジニアリングプラスチックなどがある。
表面(Σ)に関連するポリマー組成物(C1)および(C2)の摩擦性および/または耐摩耗性は、各種適切なパラメーターにより評価することができるが、前記パラメーターそれ自体は、各種適切な方法によって得ることができる。そのような方法の一例は、「テーバー(Taber)(登録商標)摩耗試験」として周知のものである。
この方法は、当業者によって一般的に使用されているものであって、テーバー(Taber)(登録商標)摩耗試験機を使用して、各種のプラスチックスの摩耗(wear、abrasion)抵抗性を求める。摩耗抵抗性は、材料が、機械的作用たとえば、摩擦、引っかき、またはエロージョンに耐える性能として定義することができるが、摩耗は比較するのが困難であるが、曇りの変化または質量損失で評価されることが多い。「テーバー(Taber)(登録商標)摩耗試験」においては通常、試験片の曇りおよび/または初期質量を測定する。次いでその試験片を通常、摩耗試験器の上におくが、より正確に言えば、通常250、500、または1000グラムの荷重を、摩耗試験機の車輪の上に置く。次いで、それらの試験片を通常、所定の回転数の間回転させておく。各種の摩耗輪が決められている。通常、曇りおよび/または最終質量を測定する。当業者には周知のことであるが、荷重と摩耗輪は、その表面(Σ)が構成されている物質の硬度の関数として調節することができる(http://www.ptli.com/testlopedia/subs/Taber−3.aspを参照されたい)。
ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)
本発明の目的では、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)は、その繰り返し単位の50質量%を超えるものが、少なくとも1個のp−ビフェニレン基:
Figure 2009520857
少なくとも1個のエーテル基(−O−)および少なくとも1個のスルホン基(−SO2−)を含む1種または複数の式の繰り返し単位(R2)であるような重縮合ポリマーを表すことを意図している。
繰り返し単位(R2)が次の一般式の1種または複数の式であるのが好ましい:
Figure 2009520857
[式中、R1〜R4は、−O−、−SO2−、−S−、−C(=O)−であるが、ただしR1〜R4の少なくとも1個は−SO2−であり、かつR1〜R4の少なくとも1個は−O−であり;Ar1、Ar2およびAr3は、6〜24個の炭素原子を含むアリーレン基、好ましくはフェニレンまたはp−ビフェニレンであり;そしてaおよびbは0または1のいずれかである。]
より好ましくは、繰り返し単位(R2)は以下のものから選択される。
Figure 2009520857
さらにより好ましくは、繰り返し単位(R2)は次式のものである。
Figure 2009520857
本発明の目的では、ポリフェニルスルホン(PPSU)ポリマーは、その繰り返し単位の50質量%を超えるものが、式(2)の繰り返し単位(R2)である各種ポリマーを表すことを意図している。
ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)は、主として、ホモポリマー、ランダムコポリマー、交互コポリマー、またはブロックコポリマーであってよい。ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)がコポリマーである場合には、その繰り返し単位は主として、(i)式(2)〜(6)から選択される少なくとも2種の異なった式の繰り返し単位(R2)、または(ii)1種または複数の式(2)〜(6)繰り返し単位(R2)と繰り返し単位(R2)とは異なったたとえば次式のような繰り返し単位(R2*)からなっていてよい:
Figure 2009520857
ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)の繰り返し単位の好ましくは70質量%を超えるもの、より好ましくは85質量%を超えるものが、繰り返し単位(R2)である。さらにより好ましくは、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)の実質的に全部の繰り返し単位が繰り返し単位(R2)である。最も好ましくは、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)の全部の繰り返し単位が繰り返し単位(R2)である。
ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)がPPSUホモポリマーである、すなわち、ポリマー内で完全に全部ではなくても、実質的に全部で、その繰り返し単位が式(2)であるような場合には、優れた結果が得られた。ソルベイ・アドバンスト・ポリマーズ・L.L.C.(Solvay Advanced Polymers,L.L.C.)製のレイデル(RADEL)(登録商標)Rポリフェニルスルホンは、PPSUホモポリマーの一例である。
ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)は各種の方法で調製することができる。当業者に周知の方法は、米国特許第3,634,355号明細書、米国特許第4,008,203号明細書、米国特許第4,108,837号明細書および米国特許第4,175,175号明細書に記載されている(それらの内容のすべてを参考として引用し、本明細書に組み入れる)。
ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)
先にも述べたように、ポリマー組成物(C1)にはポリ(アリールエーテルケトン)(P1)が含まれている。
本発明の目的では、「ポリ(アリールエーテルケトン)」という用語は、その繰り返し単位の50質量%を超えるものが、少なくとも1個のアリーレン基、少なくとも1個のエーテル基(−O−)および少なくとも1個のケトン基[−C(=O)−]を含む1種または複数の式の繰り返し単位(R1)である、各種のポリマーを表すことを意図している。
好ましくは、繰り返し単位(R1)以下のものから選択される:
Figure 2009520857
[式中、
Arは独立して、フェニレン、ビフェニレンまたはナフチレンから選択される2価の芳香族ラジカルであり、
Xは独立して、O、C(=O)または単結合(direct bond)であり、
nは、0〜3の整数であり、
b、c、dおよびeは、0または1であり、
aは、1〜4の整数であり、そして
好ましくは、bが1の場合にはdが0である。]
より好ましくは、繰り返し単位(R1)は以下のものから選択される。
Figure 2009520857
Figure 2009520857
さらにより好ましくは、繰り返し(R1)は以下のものから選択される。
Figure 2009520857
最も好ましくは、繰り返し単位(R1)は次式のものである。
Figure 2009520857
本発明の目的では、PEEKポリマーは、その繰り返し単位の50質量%を超えるものが、式(VII)の繰り返し単位(R1)である各種ポリマーを表すことを意図している。
ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)は、主として、ホモポリマー、ランダムコポリマー、交互コポリマー、またはブロックコポリマーであってよい。ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)がコポリマーである場合には、それには主として、(i)式(VI)〜(XXI)から選択される少なくとも2種の異なった式の繰り返し単位(R1)、または(ii)式(VI)〜(XXI)の1種または2種の繰り返し単位(R1)および繰り返し単位(R1)とは異なる繰り返し単位(R1*)を含む。
ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の繰り返し単位の好ましくは70質量%を超えるもの、より好ましくは85質量%を超えるものが、繰り返し単位(R1)である。さらにより好ましくは、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の実質的に全部の繰り返し単位が繰り返し単位(R1)である。最も好ましくは、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の全部の繰り返し単位が繰り返し単位(R1)である。
ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)がPEEKホモポリマーである、すなわち、ポリマーの内で完全に全部ではなくても、実質的に全部で、その繰り返し単位が式(VII)であるような場合には、優れた結果が得られた。
ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)は、有利には、少なくとも0.55dL/g、好ましくは少なくとも0.70dL/gの還元粘度(RV)を有し、さらにポリ(アリールエーテルケトン)(P1)のRVは、有利には、多くとも1.10dL/g、好ましくは多くとも0.90dL/gである。還元粘度(RV)は、95〜98%硫酸(d=1.84g/mL)中、ポリ(アリールエーテルケトン)濃度1g/100mLで測定する。その測定は、No.50キャノン−フレスケ(Cannon−Fleske)粘度計を使用して実施する。スルホン化を避けるために、溶解後4時間未満の間に、25℃でRVを測定する。
ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)は各種の方法で調整することができる。
当業者に周知の一つの方法には、少なくとも1種のビスフェノールと少なくとも1種のジハロベンゾイド化合物または少なくとも1種のハロフェノール化合物との実質的に等モルの混合物を反応させることが含まれる(カナダ国特許第847,963号明細書に記載あり)。このようなプロセスにおいて好適なビスフェノールは、ヒドロキノン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、および4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノンであり;このようなプロセスにおいて好適なジハロベンゾイド化合物は、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン、および4−クロロ−4’−フルオロベンゾフェノンであり;このようなプロセスにおいて好適なハロフェノール化合物は、4−(4−クロロベンゾイル)フェノールおよび(4−フルオロベンゾイル)フェノールである。したがって、PEEKホモポリマーは主として、たとえば米国特許第4,176,222号明細書に記載されているような求核プロセスによって製造することができる(その内容のすべてを参考として引用し、本明細書に組み入れる)。
PEEKホモポリマーを製造するための、当業者に周知のまた別な方法には、溶媒としてアルカンスルホン酸を使用し縮合剤の存在下に、フェノキシフェノキシ安息香酸を求電子的に重合させることが含まれるが、そのようなプロセスは、米国特許第6,566,484号明細書に記載がある(その内容のすべてを参考として引用し、本明細書に組み入れる)。その他のポリ(アリールエーテルケトン)も、たとえば米国特許出願公開第2003/0130476号明細書に記載があるように、フェノキシフェノキシ安息香酸とは異なったモノマーから出発して、同じ方法で製造することができる(その内容のすべてもまた参考として引用し、本明細書に組み入れる)。
ポリマー組成物(C1)および(C2)の任意成分
ポリマー組成物(C1)および(C2)には、ポリ(アリールエーテルケトン)組成物で慣用される成分がさらに含まれていてもよいが、そのようなものとしては、たとえば平滑剤、熱安定剤、静電防止剤、有機および/または無機顔料たとえばTiO2、カーボンブラック、酸捕捉剤たとえばMgO、安定剤すなわち、金属の酸化物および硫化物たとえば酸化亜鉛および硫化亜鉛、抗酸化剤、難燃化剤、発煙抑制剤、ならびに充填剤などが挙げられるが、これらをまとめて成分(A)と呼ぶ。
成分(A)を存在させる場合、ポリマー組成物(C1)の全質量を基準にした[またはポリマー組成物(C2)の全質量を基準にした]それらの質量は、有利には50%未満、好ましくは30%未満、より好ましくは10%未満、さらにより好ましくは5%未満である。ポリマー組成物(C1)および(C2)が成分(A)をまったく含まない、すなわちそれらがポリ(アリールエーテルケトン)(P1)およびポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)からなっている場合に、優れた結果が観察された。
ポリマー組成物(C1)および(C2)は、各種慣用される混合方法によって調製することができる。好適な方法に含まれるのは、粉状または粒体状の形態の対象としているポリマー組成物の成分を、たとえば機械式ブレンダーを使用して乾燥混合する工程と、次いでその混合物を押出し加工してストランドとし、そのストランドを切断してペレットとする工程である。
本発明に従って可能となる、成形物品の部品もしくは成形物品、または成形物品の集合体の例を非限定的に挙げれば、ベアリング、減摩性ベアリングケージ、金属ポリマーベアリング、スラストワッシャー、ブラシワッシャー、ブッシング、シールリング、スライド、ケーブルキャリヤー、ボールベアリングのボール、カム従動子、およびギアなどがある。その他のものとしては、電子部品または電子素子があるが、そのようなものとしてはたとえば、半導体チップ、コネクターたとえば電気プラグインコネクターおよびモノブロック電気コネクター、コンデンサー、発光ダイオード(LED)、リレー、センサー、コイル、スイッチ、電子基材たとえば印刷回路基板(PCB)、電気接点の保持部材、集積回路試験ソケット、リレーおよびソレノイドのための耐熱性ボビン、トリミングポテンショメーターのローター、センサー用ハウジングおよびカバー、ならびにホールまたは表面実装のための基材などが挙げられる。
以下において本発明を説明するための実施例を提供するが、それらは本発明を限定するものではない。
PEEKをPPSUに各種の量でブレンドすることにより、5種のポリマー組成物、すなわちポリマー組成物E1、E2、E3、E4およびE5を調製した。一方ではPEEKのみからなるポリマー組成物、および他方ではPPSUのみからなるポリマー組成物もまた、比較例すなわちポリマー組成物CE1およびCE2として調製した。例に使用したポリマー組成物に含まれる全部の成分の種類と量とを表1にまとめた。
Figure 2009520857
ビクトレックス(VICTREX)(登録商標)150Pの粉体化PEEK樹脂は、ビクトレックス・マニュファクチャリングLtd.(VICTREX Manufacturing Ltd.)から入手可能であり、レイデル(RADEL)(登録商標)R5000NTのPPSU樹脂は、ソルベイ・アドバンスト・ポリマーズL.L.C(SOLVAY ADVANCED POLYMERS,L.L.C.)から入手可能であった。
ポリマー組成物の試験片の調製
すべてのポリマー組成物は、バーストーフ(Berstorff)25mm2軸スクリュー押出機(8バレルセグメント、7加熱ゾーン、全長対直径比33:1)を使用して、表1に記載された成分を溶融コンパウンディングすることによって調製した。その押出機では、バレル6のところに真空ベントが設けられていて、すべてのコンパウンディング作業の間、真空に維持した。重量計量式フィーダーを使用して押出機のフィードスロートの中へ成分を計量することにより押出機に組成物をフィードしたが、それらのフィード速度を適切に調節して、それぞれの場合で所望のブレンド比が得られるようにした。コンパウンディング条件の詳細を表2に示す。コンパウンディングされた樹脂を、冷却および固化のための水槽の中でストランドとし、次いで切断してペレットとした。
Figure 2009520857
耐摩耗性試験
CS−17「カリブレーズ(Calibrase)」輪(ASTM D−676使用により測定したジュロメーター硬度72±5)を取付け、荷重1000gとしたテーバー(Taber)(登録商標)摩耗試験機を使用して、テーバー(Taber)(登録商標)摩耗試験を実施した。すべてのサンプルは、標準試験室雰囲気条件(23℃、50%R.H.)で、4日間エージングさせてから、試験した。それぞれのサンプル(中央に直径1/4インチ(0.63cm)の穴を有する4平方インチ(25.81cm2)のプレート)の質量を、0.1mgの桁まで測定した。ついで、サンプルに(4−500サイクルユニット単位で)2000回転の試験にかけた。それぞれ500回転終了ごとにサンプルを計量し、さらには摩耗試験にかけていない対照試験片の計量をおこなった。対照試験片での質量の増減は、水分含量における変化を表しているものと考えられる。摩耗試験にかけていない対照試験片による水分の増減を用いて、摩耗試験をしたサンプルの質量減の補正を行い、それぞれ500回転ごとの摩耗試験した物質の正しい質量を得た。
結果
摩耗試験の結果を表3に示す。
Figure 2009520857
図1にそれらの結果をグラフで示す。摩耗試験後質量/初期質量(g/g)を、試験した各種のポリマー組成物のPPSU質量%に対してプロットした。
意外なことには、これらの実験データから、PEEKを有効量のPPSUで希釈すると、純粋のPEEKと少なくとも実質的に同一の耐摩耗性を有するPEEK−PPSUブレンド物が得られるが、それに対して、純粋のPPSUは同一の試験では劣った耐摩耗性を示すということが判った。さらに意外なことには、本出願人は、40質量%もの高いPPSU濃度を示すブレンド物が、純粋のPEEKそのものよりも、優れた摩耗抵抗性を示すことを見出した。
摩耗試験の結果を表すグラフである。摩耗試験後質量/初期質量(g/g)を、試験した各種のポリマー組成物のPPSU質量%に対してプロットした。

Claims (16)

  1. ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)および、場合によってはさらにポリ(アリールエーテルケトン)(P1)およびポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)以外の1種または複数の成分(A)からなるポリマー組成物(C1)中に含まれるポリ(アリールエーテルケトン)(P1)を希釈するための、有効量(ε)のポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)の使用であって、
    ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)の摩擦性および/または耐摩耗性のそれぞれがポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の摩擦性および/または耐摩耗性のそれぞれほどには良好ではないことに関連して、表面(Σ)に関連するポリマー組成物(C1)の摩擦性および/または耐摩耗性が少なくとも実質的に維持される、使用。
  2. 有効量(ε)のポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)が40質量部(pbw)未満であり、
    前記有効量(ε)のポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)が、ポリマー組成物(C1)中に100pbwの量で含まれるポリ(アリールエーテルケトン)(P1)を、前記ポリマー組成物(C1)の中で、εpbwのポリ(アリールエーテルケトン)(P1)をεpbwのポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)で置換することにより、希釈する、請求項1に記載の使用。
  3. 有効量(ε)のポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)が30pbw未満である、請求項2に記載の使用。
  4. ポリマー組成物(C1)の摩擦性および/または耐摩耗性が少なくとも実質的に維持される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
  5. 表面(Σ)に関連するポリマー組成物(C1)の耐摩耗性が、少なくとも実質的に維持される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の使用。
  6. ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)が、その実質的に全部の繰り返し単位が少なくとも1個のp−ビフェニレン基:
    Figure 2009520857
    少なくとも1個のエーテル基(−O−)および少なくとも1個のスルホン基(−SO2−)を含む1種または複数の式の繰り返し単位(R2)であるようなポリマーである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の使用。
  7. ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)が、その50質量%を超える繰り返し単位が式
    Figure 2009520857

    の繰り返し単位(R2)であるポリマーである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の使用。
  8. ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)が、その実質的に全部の繰り返し単位が少なくとも1個のアリーレン基、少なくとも1個のエーテル基(−O−)および少なくとも1個のケトン基[−C(=O)−]を含む1種または複数の式の繰り返し単位(R1)であるポリマーである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の使用。
  9. ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)が、その50質量%を超える繰り返し単位が式
    Figure 2009520857
    の繰り返し単位(R1)であるポリマーである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の使用。
  10. ポリマー組成物(C1)が、成形物品の形態または成形物品の部品(S1)である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の使用。
  11. ポリマー組成物(C1)の摩擦性および/または耐摩耗性をその必要に合わせて少なくとも実質的に維持しながらも、ポリマー組成物(C1)の中に含まれるポリ(アリールエーテルケトン)(P1)を希釈するための方法であって、
    前記ポリマー組成物(C1)が、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)ならびに、場合によってはさらに、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)およびポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)以外の1種または複数の成分(A)からなり、
    ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)の摩擦性および/または耐摩耗性のそれぞれがポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の摩擦性および/または耐摩耗性のそれぞれほどには良好ではないことに関連して、表面(Σ)に関連するポリマー組成物(C1)の前記摩擦性および/または耐摩耗性が少なくとも実質的に維持され、
    前記方法には、有効量(ε)のポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)によってポリ(アリールエーテルケトン)(P1)を希釈することが含まれる、方法。
  12. ポリマー組成物(C1)が、成形物品の形態または成形物品の部品(S1)である、請求項11に記載の方法。
  13. ポリマー組成物(C2)であって:
    ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)
    有効量(ε)のポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)、および
    場合によってはさらにポリ(アリールエーテルケトン)(P1)およびポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)以外の1種または複数の成分(A)からなり、
    ポリマー組成物(C2)中に含まれるポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)が、質量対質量で、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)によって完全に置き換えられていることを除けば、ポリマー組成物(C2)と同一であるポリマー組成物(C1)のそれらと比較したときに、ポリ(ビフェニルエーテルスルホン)(P2)の摩擦性および/または耐摩耗性のそれぞれが、ポリ(アリールエーテルケトン)(P1)の摩擦性および/または耐摩耗性のそれぞれほどにはよくないことに関連して、表面(Σ)に関連する前記ポリマー組成物(C2)の摩擦性および/または耐摩耗性が少なくとも実質的に維持されている、組成物。
  14. 請求項13に記載のポリマー組成物(C2)からなる成形物品(S2)。
  15. 請求項13に記載のポリマー組成物(C2)からなる成形物品の部品(S2)。
  16. 請求項15に記載の部品を含む、物品の組立品。
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