JP2009511913A - Ngalを使用する慢性腎疾患の診断および監視 - Google Patents

Ngalを使用する慢性腎疾患の診断および監視 Download PDF

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Abstract

個別の期間で、および一定の期間にわたって、尿、血清または血漿サンプル中の好中球ゼラチナーゼ関連リポカリン(NGAL)の量を検出することにより、慢性腎不全(CRF)をはじめとする慢性腎障害または疾患に苦しんでいるまたは発現するリスクを有する哺乳動物の進行中の腎臓の状態を評定する方法。長期間にわたるCRF患者におけるNGALレベルの漸増的増加は、悪化しつつある腎臓疾患と診断される。NGALのこの増加は、悪化しつつある慢性腎疾患またはCRFの他のインジケータ、例えば血清クレアチニン増加、尿蛋白分泌増加および糸球体濾過率(GFR)低下より前に起こり、これらと相関する。患者における治療前および治療後NGALレベルにより確認される、悪化しつつある(または、治療が開始された場合には、改善しつつある)腎状態の適正な経時的検出は、臨床医が、CRFの進行を遅速または停止させるために適正な治療計画を設計および/または維持する際に役立つ。

Description

本発明は、一般に、NGALについてのアッセイの分野に関する。詳細には、本発明は、NGALを使用して慢性腎疾患を監視および評定するアッセイ(方法を含む)、アッセイのためのキット、およびキット成分に関する。
過去二十年間にわたって、腎臓疾患の早期の同定および治療により腎臓疾患の進行を防止できることが知られている。従って、早期損傷の存在を示す、および進行性疾患のリスクが増加した状態にある患者を同定するために使用することができる、腎臓損傷のバイオマーカーは、腎臓疾患の診断および治療に好適な影響を及ぼす。血清クレアチニン、腎臓機能の現行のマーカーは、筋肉量、性別、人種および投薬による影響を受ける。加えて、進行性腎不全を診断するには、クレアチニンを繰り返し測定する必要がある。これらの制限により、有意な損傷が既に発生した後にしか腎臓疾患の診断がなされない結果となることが多い。診断時点での損傷度が高いほど、腎臓機能温存療法の有効性は制限され、疾病進行速度は速くなる。腎臓疾患に対する本発明者らの医療装備は、早期介入に依存するものであり、レニン・アンギオテンシン系の阻害ならびに積極的な血圧、糖尿病および脂質の管理を含む。
腎臓損傷の早期マーカーは、より早期の介入を促進して、末期腎臓疾患(ESRD)、腎臓が永久に働かなくなる状態への進行を阻止する。一般臨床医に有用であるためには、このバイオマーカーが、腎臓機能の現行のインジケータより前および早期に腎損傷を指摘し、非観血的に利用することができ、および複雑な補正を用いずに容易に解釈することができ、ならびに1回の測定しか必要としないことが望ましい。
腎臓疾患の早期マーカーの実際の影響は、腎臓疾患の人口統計変遷を再考することによって最も良く説明される。慢性腎疾患(CRD)の世界的流行は、来る十年間にわたって末期腎疾患の発病率を倍増させ、医療支出に直接的な影響を及ぼす。しかし、これは、氷山の一角に過ぎない。より早期の慢性腎損傷を有する患者数は、末期腎疾患に至っている患者の50倍を越えて上回ると推定されるからである。慢性腎疾患の早期同定および進行の時宜を得た検出は、特に、進行を減速させる多数の有望な一次および二次介入を利用できる故、腎臓病学会が直面している真に世界的な課題である。費用を制御するために、医師は、末期腎疾患への慢性腎疾患の進行速度を低下させる必要がある。進行速度のわずかな低下であっても、患者の腎置換療法(RRT)の必要を防ぐのであれば、大きな経済的利益をもたらすことができる。
腎臓疾患および腎臓疾患進行の現行のマーカーは、血清クレアチニンおよび尿蛋白濃度(ミクロアルブミン尿を含む)である。糸球体濾過率(GFR)の減少勾配によってESRDのタイミングが予測されることは実証されており、多数の研究において、尿蛋白のレベルは、腎臓疾患進行速度と相関することが証明されている。これらは、多数の研究の綿密な調査に耐えた、腎臓疾患およびこの進行の有用なバイオマーカーである。しかし、早期腎臓疾患を認識するこれらの能力は限られている。血清クレアチニン濃度は、被検者の年齢、性別、人種、筋肉量、体重、身体運動度および様々な投薬物に依存するため、腎臓機能の信頼できない尺度として認知されている。血清クレアチニンに基づく腎臓機能の正しい解釈は、現役の医療プロバイダーが日常的に利用していない複雑な定式を必要とする。加えて、この疾患が進行性であるかどうかを理解するには、経時的なクレアチニン測定が必要である。尿蛋白は、進行性腎疾患に対して非常に敏感であるが、この出現は、有意な腎損傷が既に発生した後に発生する。最大限有用であるためには、早期および/または進行性腎臓損傷のバイオマーカーは、腎臓損傷が発生し始めた最も早い時点で陽性にならなければならない。
従って、腎臓疾患の早期同定が早期治療に通ずること、または腎臓疾患進行速度を低下させることができる治療可能な実体をバイオマーカーが特定することを期待して、患者の進行性慢性腎疾患のリスクを予測することができる腎臓バイオマーカーが、意欲的に捜されている。有望な腎臓バイオマーカーの一部の例としては、非対称性ジメチルアルギニン(ADMA)、肝臓型脂肪酸結合蛋白質(L−FABP)、シスタチンC,C−反応性蛋白質(CRP)、および可溶性腫瘍壊死因子受容体II(sTNFrii)が挙げられる。これらのバイオマーカーが、慢性腎疾患治療にどのように影響するか、これらが、腎臓損傷の程度の検出にどれほど有効であるか、およびこれらが、臨床的普及にも適しているかどうかは、まだ明らかでない。これらのマーカーの出現があった場合、マーカー血清クレアチニンおよび蛋白尿とどのように相関するのかも、明らかでない。実際、これらのバイオマーカーのうち腎臓損傷の直接的な尺度となることが知られているものはない。
シスタチンCおよびL−FABPは、腎臓外部の細胞によって生産され、糸球体を横断する濾過に依存する。ADMAは、内因性酸化窒素シンターゼ(NOS)阻害剤である。上昇しているレベルによって腎臓疾患進行速度が予測されることが証明されている。CRPおよびsTNFriiは、炎症活性の尺度である。これらのレベルは、炎症状態での腎臓疾患進行と相関することが証明されている。CRPは、内皮障害と相関するようであり、一方、sTNFriiは、糸球体障害と関連付けられている。これらのバイオマーカーのうち、ADMA、CRPおよびsTNFriiだけが、治療の指針になり得る。しかし、症状発現前の腎臓疾患を検出するこれらの能力に関する頒布文献はない。
他の可能性のあるバイオマーカーとしては、腎臓細胞外基質プローブが挙げられる。腎生検での尿細管間質性(TI)変化度が、腎機能および予後と大いに相関することは、以前の研究によって実証されている。これらの変化は、腎障害に反応しての細胞外基質(ECM)分子の沈着に起因する。腎予後を評定するためのECMプローブおよびECM関連(ECMR)プローブの使用が、最近再考されている。ECMおよびECMRプローブは、ミクロアルブミン尿の発現および腎疾患の進行を予測することができる点で有望であるように思われるが、このような検査には腎臓生検が必要であるため、容易には利用されない。
腎臓疾患の有害な予後は、腎臓機能のレベル、および将来、機能を喪失するリスクに基づく。慢性腎臓疾患は、時が経つにつれて悪化する傾向がある。従って、有害な予後のリスクは、時が経つにつれて疾病重症度とともに増加する。高血圧、心血管疾患、糖尿病および移植の関連専門分野を含む、多くの医学分野は、重症度に基づく分類体系を臨床介入、研究、ならびに職業および学校教育の指導に採用している。このようなモデルは、この疾患へのいずれの公衆衛生アプローチにも不可欠である。
慢性腎疾患の進行を遅くさせおよび阻止する能力は、腎臓病学におけるパラダイムシフトであった。多数の研究が、厳重な血圧および血糖管理、ならびにレニン・アンギオテンシン系を遮断する薬剤の使用により、腎臓機能の低下速度を低減できることを実証した。糖尿病、高血圧および蛋白尿のより早期でより積極的な治療は、慢性腎臓疾患の発現および進行を予防する最も有効な方法であった。これらのリスク因子の認識および修飾には、測り知れない価値があったが、多数の臨床研究が、慢性腎疾患の発生および進行は、危険なまでに増加し続けており、腎臓疾患のリスクを有する集団の中でも実質的に異なり得ると述べている。従って、予防および治療のさらなる改善の推奨により、疾患進行のより高いリスクを有する患者のより早期の同定を促進しなければならない。
国立腎財団(National Kidney Foundation)(NKF)および国立糖尿病・消化器・腎疾病研究所(National Institute of Diabetes and Digestive Diseases)(NIDDK)の新しいガイドラインは、腎臓損傷の新規マーカーの同定を要求している。リスク層別の新規マーカーの同定は、生化学的アッセイと人類遺伝学、両方の結果としてなすことができる。このように、慢性腎疾患の早期検出のためのさらなる方法およびバイオマーカーは、依然として明確に必要とされている。
発明の要旨
特に、本発明は、体液サンプル中の好中球ゼラチナーゼを伴うリポカリン(Neutrophil Gelatinase−Associated Lipocalin)(NGAL)の量を検出する(例えば、レベルを決定する)ことによって、慢性腎疾患(CRD)および/または慢性腎不全(CRF)に苦しんでいるもしくは発現するリスクを有する、ならびに悪化しつつあるCRDおよびCRFに苦しんでいる哺乳動物における現在のおよび進行中の腎臓状態を評定する方法に関する。本発明は、治療前および特に治療後の体液中のNGALのレベルを決定することにより、慢性腎障害の治療の有効性を監視する方法も提供する。バイオマーカーとしてのNGALの性質および特性が、慢性腎障害および慢性腎障害状態の変化の早期検出のためのこのような方式のこの使用を可能にする。
本発明の一つの態様は、哺乳動物における慢性腎障害の早期検出方法を提供し、この方法は、i)急性腎障害を経験していない哺乳動物からの体液のサンプルを得るまたは用意する段階(前記体液は、尿、血漿および血清からなる群より選択される。);ii)前記サンプル中のNGALのレベルを(例えば、NGALに対する抗体を使用して)検出する(例えば、決定する)段階;およびiii)前記サンプル中のNGALのレベルに基づいて、前記被検者の慢性腎障害状態を評価する段階を含む。前記慢性腎障害状態の評価を利用して、この慢性腎障害が、潜在性であるのか、安定しているのか、または進行中(進行性腎疾患)であるのか決定することができる。この方法は、たった1回のサンプリングおよびアッセイだけでの進行性または悪化しつつある腎障害といった腎状態の評価も提供する。
本発明のもう一つの態様は、哺乳動物の慢性腎障害状態の任意の変化の検出方法を提供し、この方法は、i)急性腎障害を経験していない哺乳動物から体液の第一のサンプルを得る段階(前記体液は、尿、血漿および血清からなる群より選択される。);ii)前記第一のサンプル中のNGALのレベルを(例えば、NGALに対する抗体を使用して)検出する(例えば、決定する)段階;iii)前記第一のサンプルを得た後、一定期間が経過した後に前記哺乳動物から体液の少なくとも一つの後続サンプルを得る段階;iv)前記少なくとも一つの後続サンプル中のNGALのレベルを(例えば、NGALに対する抗体を使用して)検出する(例えば、決定する)段階;およびv)前記少なくとも一つの後続サンプル中のNGALのレベルと前記第一尿サンプル中のNGALのレベルとの比較に基づいて、前記哺乳動物の慢性腎障害状態を評価する段階を含む。一般に、前記後続サンプル中のより高いNGALレベルは、この被検者の減退または悪化しつつある慢性腎障害状態(例えば、および潜在的に悪化しつつある慢性腎障害)の指標であり、前記後続サンプル中の低減されたNGALレベルは、この被検者の改善しつつある慢性腎障害状態(例えば、および潜在的に改善しつつある慢性腎障害)の指標である。
本発明のもう一つの態様は、哺乳動物における慢性腎障害の治療の有効性をモニターする方法を提供し、この方法は、i)慢性腎障害を経験している哺乳動物からの体液のベースラインサンプルを用意するまたは得る段階(前記体液は、尿、血漿および血清からなる群より選択される。);ii)前記ベースラインサンプル中のNGALのレベルを(例えば、NGALに対する抗体を使用して)検出する(例えば、決定する)段階;iii)前記哺乳動物に慢性腎障害のための少なくとも一つの治療を施す段階;iv)前記哺乳動物からの体液の少なくとも一つの治療後サンプルを用意するまたは得る段階;v)前記治療後サンプル中のNGALのレベルを(例えば、NGALに対する抗体を使用して)検出する(例えば、決定する)段階;およびvi)前記治療後サンプル中のNGALのレベルと前記ベースラインサンプル中のNGALのレベルとの比較に基づいて、治療の有効性を評価する段階を含む。
本発明のさらなる態様は、哺乳動物における慢性腎障害の程度を経時的に同定する方法を提供し、この方法は、i)急性腎障害を経験していない哺乳動物から第一の時点で体液の少なくとも一つの第一のサンプルを得る段階(前記体液は、尿、血漿および血清からなる群より選択される。);ii)前記第一のサンプル中のNGALのレベルを(例えば、NGALに対する抗体を使用して)検出する(例えば、決定する)段階;iii)前記第一の時点後のある時点で前記哺乳動物から体液の少なくとも一つの後続のサンプルを得る段階;iv)前記少なくとも一つの後続サンプル中のNGALのレベルを(例えば、NGALに対する抗体を使用して)検出する(例えば、決定する)段階;およびv)前記少なくとも一つの後続サンプル中のNGALのレベルと前記第一のサンプル中のNGALのレベルとの比較に基づいて、前記哺乳動物における慢性腎障害の程度を経時的に測定する段階を含む。
概して、前記哺乳動物被検者はヒトである。一つより多くの後続サンプルを得る場合、概してこれらは一日以上から一週間以上、一ヶ月以上、一年以上にわたって、被検者から、予め決められたときに、断続的に得られ、提供される。他のサンプリング計画を利用することもできる。
概して、前記哺乳動物被検者を、前記被検者が、サンプル中のNGALのレベルに寄与し得る別の状態を経験しているかどうかを決定するために評価もし、このような状態としては、急性細菌またはウイルス感染症、急性炎症、別の器官への急性または慢性障害、および癌が挙げられるが、これらに限定されない。このような別の状態は、概して、腎臓に障害をもたらさず、または引き起こさない。しかし、このような状態は、独自に、一定のNGAL量を血流におよび場合により尿にもたらすことがあり、これが、このようなNGALと慢性腎障害の直接的な結果として発現されるNGALとの区別を難しくする。他の状態の幾つかのタイプは、慢性腎障害に起因するNGALの濃度を圧倒し得る高いNGALレベルをもたらすことがある。
(発明の詳細な説明)
定義
別様に定義されていない限り、本明細書で用いるすべての専門および学術用語は、本発明が属する当分野における当業者が一般に理解しているものと同じ意味を有する。
本明細書で用いる「慢性腎尿細管細胞障害」、「進行性腎疾患」、「慢性腎不全」(すなわちCRF)、「慢性腎疾患」(すなわちCRD)、「慢性腎臓疾患」(すなわちCKD)、「慢性腎臓障害」という語句ならびに他の同義の語句は、すべて「慢性腎障害」である。慢性腎障害は、(a)長期間もしくは漸進期間(例えば、最小限数週、数ヶ月、数年、もしくは数十年)にわたって発生し、この間、前記障害の変化率が変動し得る、(b)腎尿細管細胞機能もしくは糸球体濾過率(GFR)の持続的もしくは漸進的低下として顕在化し、この間、前記機能もしくは前記率の変化率が変動し得る、および/または(c)腎尿細管細胞障害の持続的または漸進的悪化として顕在化し、この間、前記障害の変化率が変動し得る、あらゆる腎臓の状態、機能不全または障害を含む。慢性腎障害は、(例えば、瞬間的に、または数秒、数分、数時間もしくは数日の間、発生する)突然または急に終わる事象によって引き起こされるいずれの腎臓の状態、機能不全または障害とも異なる。詳細には、慢性腎障害は、(1)急性腎不全(「ARF」)を含むが、これに限定されない、および(2)例えば、US 2004/0219603、US 2005/0272101、PCT WO 2005/121788およびPCT WO 2004/88276(これらの全体が本明細書に参照により組み込まれる。)において扱われているもの、ならびにこれらにおいて論じられているNGALに基づくアッセイ、方法およびキットによって検出されるものなどの、いずれの急性の腎臓の状態、機能不全または障害とも異なる。
本明細書で用いる慢性腎障害は、(例としてであり、限定ではないが)慢性感染症、慢性炎症、糸球体腎炎、血管疾患、間質性腎炎、薬物(例えば、抗癌剤または他の医薬)、毒物、外傷、腎石、長年にわたる高血圧、糖尿病、うっ血性心不全、鎌状赤血球性貧血および他の血液疾患からの腎症、肝炎、HIV、パルボウイルスおよびBKウイルス(ヒトポリオーマウイルス)に関連した腎症、嚢胞性腎臓疾患、先天性奇形、閉塞、悪性病変、原因不確定の腎臓疾患、ループス腎炎、膜性糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎、巣状糸球体硬化症、微小変化群、クリオグロブリン血症、抗好中球細胞質抗体(ANCA)陽性脈管炎、ANCA陰性脈管炎、アミロイド症、多発性骨髄腫、軽鎖沈着症、腎臓移植の合併症、腎臓移植の慢性拒絶反応、慢性同種移植片腎症、ならびに免疫抑制薬の慢性作用を含む、またはこれらに起因する。
本明細書で用いる「慢性腎障害状態」という語句は、哺乳動物における慢性腎障害の存在および/または程度の評定または診断を意味する。これは、例えば、慢性腎障害またはこの不在についての任意の臨床診断、K/DOQIガイドラインに基づく任意の診断、ならびに哺乳動物を「正常な腎臓機能」、「軽度の慢性腎障害」または「進行した慢性腎障害」として特性付けするための、本発明を用いるおよび生体サンプル中のNGALのレベルに基づく任意の評定を含むが、これらに限定されない。
本明細書で用いる「進行性腎疾患」、「悪化しつつある腎疾患」、「進行した慢性腎臓障害」、「進行した慢性腎臓疾患」、「進行性腎障害」、「悪化しつつある腎臓障害」ならびに他の同義の語句は、この障害が急速に腎不全へと進行または悪化し得る、ならびに概して、腎臓機能を改善または回復させるためにこの腎臓障害に対する即時入院および/または治療が必要である、腎障害状態に関する。
本明細書で用いる「早期」または「潜在性」腎または腎臓障害または損傷という表現は、血清クレアチニンが増す前にまたは尿蛋白尿症の発現前でさえ起こる腎障害または損傷を意味する。
本明細書で用いる用語「約」は、述べられている値からほぼ+/−10%以下の変動を指す。単数を表す不定冠詞は、「一つまたはそれ以上」を指す。
用語「器官」は、生体において一定の機能を行う、細胞および組織からなる分化した生体構造を意味する。
本明細書で用いる「哺乳動物」または「哺乳動物被検者」は、例えば尿サンプルを得る、温血動物を意味する。実例となる哺乳動物としては、ヒト、非ヒト霊長類、ブタ、ネコ、イヌ、齧歯動物、ウサギ、ウマ、ヒツジ、畜牛、ヤギおよび乳牛が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の方法、アッセイおよびキットは、特にヒトに適する。
本発明の方法の文脈において本明細書で用いる「改善」は、NGAL量(例えば、NGALレベル)のいずれもの測定可能な減少、または(例えば、GFR、血清クレアチニンレベル、尿蛋白分泌レベルなどに基づく)慢性腎損傷の症状もしくは他の生理的証拠の減少もしくは逆転を指す。
本発明の方法の文脈において本明細書で用いる「悪化」は、NGAL量(例えば、NGALレベル)のいずれもの測定可能な増加、または(例えば、GFR、血清クレアチニンレベル、尿蛋白分泌レベルなどに基づく)慢性腎損傷の症状もしくは他の生理的証拠の増加を指す。
1.バイオマーカーとしての腎臓NGALおよび循環性NGAL
腎臓NGALは、尿細管上皮損傷に反応してネフロンにより生産されるものであり、尿細管間質性(TI)障害のマーカーである。虚血または腎毒性からの急性腎不全(ARF)において、正常な血清クレアチニンレベルにもかかわらず、軽度の「潜在性」腎虚血後でさえ、被検者の尿中のNGALレベルが上昇することは、十分に確立されている。本明細書で説明する腎臓NGALは、様々な病因の慢性腎疾患の腎臓によって発現され、尿中の高い腎臓NGALレベルにより、進行性腎不全が大いに予測される。従って、NGALを、本明細書においてさらに説明するように長期的なやり方で慢性腎疾患を有する患者における腎臓機能低下の非観血的、早期発現バイオマーカーとして評定し、証明済みの腎臓疾患進行バイオマーカーと比較した。加えて、一連の病理試験も行って、損傷した腎臓における腎臓NGAL発現の特徴を評価した。
虚血または腎毒性障害後、非常に早期に、腎臓NGALの発現が腎尿細管によって著しく増加されることは、動物モデルとヒトモデルの両方において以前に実証されている。腎臓NGALは、急速に尿へと分泌され、そこでこれを容易に検出および測定することができ、これは、虚血性障害のいずれの他の公知尿または血清マーカーの出現より先に起こる。NGALは、プロテアーゼに対して耐性であり、これをNGALの尿細管発現の信頼に足るバイオマーカーとして尿において回収できることを示唆している。さらに、腎臓外部に由来する、例えば血液から濾過される、いずれのNGAL(本明細書では、以後、NGALの「腎外プール」または「循環性」NGALと示す。)も、健常な腎臓の尿には出現せず、むしろ、近位尿細管により定量的に吸収される。これらの特徴のため、本発明者らは、以前、腎臓NGALを急性腎不全を予測する尿バイオマーカーとして提案した(例えば、米国特許出願2004/0219603およびPCT国際出願WO 2004/88276参照)。本発明者らは、以前、腎臓NGALが、小児患者における心臓手術後のARFの発現に対して100%特異的であり、99%感受性であることを証明した。心臓修正手術を受けている成人患者の試験においても同様のデータが得られた。
動物モデルとヒトモデルの両方において、NGALが、虚血または腎毒性障害後に循環血系に発現されることも、以前に実証されている。この「循環性NGAL」は、腎尿細管細胞への障害に対する間接的反応であると考えられ、および腎尿細管細胞障害に反応して肝臓または他の器官において発現されると考えられる。腎尿細管細胞障害の動物モデルにおいて、腎静脈が全くまたは無視できるレベルしかNGALを含有しないことは証明されているので、尿と血清が異なるNGALプールを有し、これらのいずれかにより腎尿細管細胞障害、特に、虚血性および腎毒性障害、ならびに慢性腎障害を予測できると思われる。
腎臓NGALまたは循環性NGALのいずれかによって急性腎不全を予測できるが、今般、本明細書に記載するとおり、早期または潜在性腎障害、および慢性腎疾患集団における悪化しつつある腎臓機能も予測されることを発見し、実証した。世界中の慢性腎疾患発生率および罹患率ならびに末期腎疾患看護が象徴する費用の予想される倍増を仮定して、どの患者が腎疾患進行の高いリスクを有するか予測するために使用することができ、この結果、早期治療的介入を開始することができるおよび時宜を得たやり方で医療計画を分析することができるバイオマーカーとして、腎臓NGALおよび循環性NGALのいずれかまたは両方を同定することは、有利なことである。本発明は、特に、慢性腎疾患患者における腎臓および循環性NGALの生物学的および臨床的意味づけのより良い解釈をもたらす。
潜在性腎臓損傷の同定がもたらすことができる主たる利点は、早期に介入(例えば、治療および/または医療処置)を開始して、腎臓機能温存および/または修復を促進することができることである。尿または血清のいずれかにおけるNGALの存在およびレベルは、マウスおよびヒトの両方の急性腎不全モデルにおいて血清クレアチニンより前に発生し、上昇し、ならびに治療量以下のシスプラチンの後のような、尿細管損傷が血清クレアチニンの変化によってはっきりと分からないときでさえ、高くなり得ることは、以前に証明されている。
NGALは、プロテアーゼ耐性であり、従って、慢性腎尿細管細胞障害の結果として、概してこの障害の程度および重症度に正比例して、尿および血清において容易に検出される、小さな分泌ポリペプチドである。長期間にわたる慢性腎不全患者における腎臓または循環性NGALレベルの漸増的増加は、悪化しつつある腎臓疾患と診断される。NGALのこの増加は、悪化しつつある慢性腎不全の他の尿および循環性インジケータ、例えば血清クレアチニン増加、尿蛋白分泌増加および糸球体濾過率(GFR)低下より前に起こり、これらと相関する。患者における治療前および治療後NGALレベルにより確認される、悪化しつつある経時的な(または、治療が開始された場合には、改善しつつある)腎状態の適正な検出は、臨床医が、慢性腎不全の進行を遅速または停止させるために適正な治療計画を設計および/または維持する際に役立ち得る。例えば、腎臓NGALが主として研究されている、急性尿細管壊死(ATN)は、この増加が、血清クレアチニンの増加より24から48時間先行する。本発明において、腎臓NGALは、慢性腎疾患においても血清クレアチニンより前に上昇するとも測定された。さらに、腎臓NGALは、腎尿細管細胞障害に反応して発現され、尿に分泌される。同時に、循環性NGALは、腎外で血流へと発現される。概して、NGALは、個々の事象について血液中より尿中のほうが高い濃度で分泌される。
尿NGALサンプリングは、非観血的なので有利である。尿中の腎臓NGAL濃度は、血清クレアチニンと正の相関関係があり、NGALレベルと尿細管損傷率との間の関連を示している。本発明において、厳格な臨床および病理試験により、腎臓NGALの存在が、早期腎臓損傷のシグナルでもあり得、ならびに進行性疾患に起因する慢性腎損傷の進行の検出にも役立ち得ると判定された。
採血は、日常的臨床手順であり、個体の血液サンプルは、容易に保管および保存され続けるので、循環性NGALサンプリングは有利であり、一定の患者における慢性腎障害の進行を予測するために使用することができる過去のサンプルの価値のあるデータベースとなる。
NGALレベルは、血圧、血糖、腎性高血圧を管理する治療計画および蛋白質摂取量を制限する食事(すべて、慢性腎疾患の進行速度を低下させることが知られている療法)を受けている患者において測定することができる。NGALレベルは、腎尿細管区画と腎間質区画の両方の慢性疾患である活動性の糸球体腎炎または糸球体症の治療の過程で測定することができる。NGALレベルは、ループス腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎、膜性糸球体腎炎、巣状糸球体硬化症、微小変化群、クリオグロブリン血症、ならびに肝炎、HIV、パルボウイルスおよびBKウイルスに関連した腎症の治療中に概して低下する。NGALレベルは、鉛カドミウム、尿酸塩、化学療法関連腎毒性の治療中に測定され、概して低下する。さらに、NGALレベルは、多嚢胞および髄質性嚢胞腎臓疾患、ならびに糖尿病および高血圧の治療中に測定され、概して低下する。
a.正常な腎臓におけるNGAL発現
本発明者らは、正常な腎機能を有するヒト、マウスおよびラットにおいて、ならびに急性腎疾患において、NGALを広範に研究した。本発明者らは、NGALが、肝臓および脾臓によって血行へと正常に分泌され、これが、糸球体によって濾過され、次いで近位尿細管によって回収されることを発見した。ここで、NGALは、リソソーム内で(23KDaから14KDaに)分解され、NGAL腎杯内に位置するリガンドが放出される。殆どないが、何らかのNGALが、正常なヒトおよびマウスの尿中で見出される場合、近位尿細管による循環性非腎臓NGALの捕捉は、非常に効果的である[ヒトの場合、濾過される負荷量=(21ng/mL 循環性NGAL)x(GFR)、これに対して、尿NGAL=22ng/mL。マウスの場合、濾過される負荷量=(100ng/mL 循環性NGAL)x(GFR)、これに対して、尿NGAL=40ng/mL]。NGALの全身注射によるNGAL蛋白質の大量過負荷(1mg)後でさえ、蛋白質は、尿では殆ど回収されない。近位尿細管への吸収は、メガリンの作用を反映する可能性が高い。これは、尿中に注射されたNGALの著しい増加量を含有するメガリンノックアウトマウスにおいて確かめた。尿では少量の分解NGAL(14kDa)しか見出されず、腎臓内でのプロセッシングを反映している。本発明者らは、腎クリアランスの結果である可能性が高い、血漿t1/2から10分を算出した。これらのデータは、腎臓発現NGALのバイオマーカーとしての尿NGAL(尿から回収されるNGAL)の特異性を強調する。
b.急性腎不全のモデルにおけるNGAL発現
急性疾患、例えば敗血症および腎臓の虚血を含む外科的処置の際、循環性NGALレベルは、10から10倍増加する。本発明者らは以前に、急性腎不全を有するヒト腎臓の生検材料が、広範なNGAL免疫陽性小胞を示すことを発見した。おそらく細胞内小胞が存在し、これらは、リソソームのマーカーと共局在している。従って、標準的な場合、例えば、急性腎不全の場合、NGALの腎外プールが、これを捕捉する近位尿細管に蛋白質を送達するように思われる。
意外なことに、循環性NGALは、重症モデルの虚血後でさえ、腎機能を保護する。濾過されたNGALは、近位尿細管においてヘムオキシゲナーゼ1(種々のタイプのストレスをものともせずにこの尿細管の生存力を維持する重要な酵素)を誘導し、保護メカニズムを示唆する。
(NGALの近位尿細管捕捉に反映される)NGALの「腎外プール」に加えて、腎臓上皮もNGAL蛋白質を発現する。通常の健常な腎臓では、遠位尿細管においてわずかな発現がある。しかし、マウス、ラット、ブタの腎動脈もしくは尿管、または急性腎不全に罹患している患者の腎臓を、2から6時間、クロスクランピングしている間に、腎尿細管これ自体がNGALを発現する。実時間PCRにより、本発明者らは、NGAL mRNAが、10倍上昇することを発見した。マウス腎臓におけるインサイチューハイブリダイゼーションにより、本発明者らは、虚血が、ヘンレ係蹄の太い上行脚におけるNGAL RNAの大量発現を誘導することを発見した。
同様に、尿路閉塞は、集合管におけるNGAL mRNAの大量発現を誘導する。マウス、ブタおよびヒトの尿において、本発明者らは、NGAL蛋白質の10から10倍の増加を検出した。ヒトATNにおけるNGALの分別分泌の算出値は、多くの場合、1より大きく(FENGAL>1)、これにより、尿NGALは、血液からの濾過ではなく局所合成を反映していることが確認された。これは、腎置換療法を開始していた長期腎不全を有する患者においてもそうであった。これらの患者における尿NGALの量は非常に莫大であり、腎機能の変化に対するこの反応は非常に迅速であるので、本発明者らは、尿NGALを、心臓処置を受けている子供および成人における急性腎不全の高感度予測マーカーとして使用した。
データは、近位尿細管により浄化されるNGALの「腎外プール」に加えて、腎上皮が、尿に分泌される大量のNGAL(「腎内プール」)を発現することを示している。尿NGALは、急性上皮損傷の特異的で高感度のマーカーであり、実際これは可逆的マーカーである。NGALでの虚血マウス腎臓の治療は、クレアチニンの上昇を実際に打ち消すだけでなく、腎内(腎臓)NGALメッセージの発現を70%減少させもした。
c.慢性腎疾患モデルにおけるNGAL発現
慢性腎不全を有する患者からの尿が、(尿クレアチニンレベルについて補正したときでさえ)血清中に存在するよりはるかに多くのNGALを含有したことは、注目に値する。これは、NGALが、尿細管間質区画における急性変化だけでなく、慢性疾患も反映することを示唆している。加えて、NGALは、二つの異なる動物系列の慢性腎疾患の4/5腎摘出モデルにおいて最も発現される蛋白質の一つであることが判明した。これらの予備データは、病的レベルでのNGALが、CRDの効力あるマーカーであることを示している。
d.循環性NGALと区別できる腎臓NGAL
ARFおよびCRDを有する患者の尿から単離した腎臓NGALの等電点(pI)の分析を行い、好中球から単離したNGAL(すなわち、循環性NGAL)の等電点と比較した。循環性NGALは、8.5から9.2のpIを有し、一方、ARFとCRDの両方からの腎臓NGALは、6.9、8.2および8.8から9.2のより複雑なpIを有した。これは、腎臓NGALおよび循環性NGALが、異なってグリコシル化されており、従って、異なる源に由来することを示唆している。これは、障害に反応して腎尿細管により腎臓NGALが産生され、一方、同じ障害に反応して別の器官により循環性NGALが産生されるという仮説を支持する。
体液における循環NGALと腎臓NGALの区別は、いずれの腎臓障害およびこの程度の診断に有用であり得る。尿中で見出されるNGALは、主として腎臓NGALであるが、多少の比率およびレベルの循環性NGALを含む場合があり、健常な腎臓では通常は濾過され完全に再吸収されるが、障害を有する腎臓では尿中に漏れ出す場合がある。従って、概して、任意の尿NGALによって腎臓障害が予測される。
2.本発明のNGAL法およびアッセイ
本発明のNGALのアッセイは、任意の哺乳動物からの体液サンプルを用いて行うことができる。本発明のために、急性腎障害を経験している哺乳動物被検者は、潜在性腎障害または安定した慢性腎障害の結果として体液中に存在する一切のNGALの存在を圧倒し得る有意なNGAL蛋白質量またはレベルの存在を、尿中および血流中の両方に有する。従って、本発明の実施は、概して、急性腎障害を経験していない哺乳動物被検者の選択または特定を含む。概して、臨床医または医師は、当分野において周知の手段により、例えば、外科手術、虚血、脱水症、敗血症および腎毒使用などの最近の事象を除外することにより、被検者が急性腎障害を経験しているのか、経験していないのかを臨床的に判定することができる。
測定されたNGALは、損傷した腎尿細管細胞起源のものだけでなく、活性化された循環性好中球起源のものである場合もある。例えば、血清NGALレベルは、炎症性臨床設定、例えば、重症細菌またはウイルス感染症、急性重症腹膜炎および嚢胞性線維症の急性肺憎悪の際に増加されることが証明されている。特に血流における、好中球NGAL発現の可能性を想定して、一般に、被検者を臨床評価して、この被検者が、サンプル中のNGALのレベルに有意に寄与し得る別の状態を経験しているかどうかも判定する。このような状態としては、急性細菌またはウイルス感染症、炎症性上皮を含む急性炎症、別の臓器への急性または慢性障害および癌を挙げることができるが、これらに限定されない。一般に、これらの各状態は、被検者において標準的な臨床評定により同定することができ、概して、腎臓障害とは関係がない。
活性化循環性好中球に起因するまたは腎臓障害とは関係がない何らかの他の状態に起因する何らかのNGALレベルを有する被検者から採取した血清または血漿のサンプルを評価するための別アプローチもある。一つのアプローチは、このような源に起因するNGALの予測量を全NGALレベルから引くという試みである。もう一つのアプローチは、腎臓障害をもたらさず、または引き起こさないような状態のサンプルを除外することを期待して、最小レベルまたは他の所定のレベルを設定することである。
さらに、急性細菌もしくはウイルス感染症または急性身体炎症を経験している哺乳動物被検者は、潜在性の、安定した、または進行した慢性腎障害の結果として血清または血漿中に存在する一切のNGALの存在を隠蔽または圧倒し得る増加したNGAL蛋白質量またはレベルの存在を、この血流中に概して有する。従って、本発明の実施は、血液中の循環性NGALのレベルを上昇させ得る急性細菌もしくはウイルス感染症または急性炎症を経験していない哺乳動物被検者の選択または同定を概して含む。または、被検者が、ある程度の急性細菌またはウイルス感染症を経験しているという認識をもって、臨床医または医師は、腎障害状態を評定する際、アッセイした全NGALレベルに循環性NGALの寄与を盛り込むことができる。概して、臨床医または医師は、当分野において周知の手段(例えば、白血球計数、細菌培養など)により、被検者が、急性細菌もしくはウイルス感染症または炎症を経験しているかどうかを臨床的に判定することができる。
さらに、腎臓以外の別の器官への急性または慢性障害を経験している被検者は、潜在性、安定または進行した慢性腎障害の結果として血清または血漿中に存在する一切のNGALの存在を隠蔽または圧倒し得る増加したNGAL蛋白質量またはレベルを概して血流へと発現し、この存在をこの血流中に有する。従って、本発明の実施は、血液中の循環NGALのレベルを上昇させ得る腎臓以外の別の器官への急性または慢性障害を経験していない被検者の選択または同定を概して含む。または、被検者が、別の器官へのある程度の急性または慢性障害を経験しているという認識をもって、臨床医または医師は、腎障害状態の評定の際、アッセイした全NGALレベルに循環性NGALの寄与を盛り込むことができる。概して、臨床医または医師は、当分野において周知の手段により、被検者が、腎臓以外の別の器官への急性または慢性障害を経験しているかどうかを臨床的に判定することができる。
さらに、健常な腎臓は、血流から循環性NGALを有効におよび定量的に排除できることが証明されている一方で、この役割が、慢性的な障害を有する腎臓および結果として生じる任意の(漸進的または急速な)循環性血清NGAL蓄積により如何なる影響を受けるかは、不明である。
a.体液のサンプリング
本発明を実施する際、尿、血液、血清および血漿ならびに他の体液の収集、取り扱いおよび処理には、当分野において周知の方法を使用することができる。必須ではないが、一般に、二つ以上の引き続いてのまたは後続の体液サンプルを、同様の手段、例えば、時刻、採取または収集するサンプルの量、ならびにサンプルを取り扱うおよび処理するための手段によって、採取することができる。
サンプル中のNGALのレベルおよび患者の臨床状態をはじめとする状況に依存して、被検者の体液は、一日一回、または週に一回もしくは数週間ごとに、または月に一回もしくは数ヶ月ごとに、または半年ごとに、または一年ごとに、および任意の間隔でサンプリングすることができる。治療後、一定の時点で繰り返しサンプリングを行って、慢性腎障害状態の任意の変化を検出すること、および慢性腎障害の程度を経時的に同定することができる。サンプリングは、継続的である必要はなく、断続的(例えば、散発的)であり得る。断続的サンプリング間隔間の期間は、この被検者の状態によって決まり、連続的に採取されるサンプルから十年ごとに採取されるサンプルにまで及び得る。
b.腎尿細管細胞障害状態、すなわち腎障害状態
被検者の腎臓の健常な状態は、体液サンプルにおいてアッセイしたNGALのレベルを評価または比較することによって診断することができる。一つの実施形態において、被検者の腎尿細管細胞障害状態は、体液中のNGALの単なる存在に基づいて評価される、例えば、アッセイまたは他の検出手段によって判定される。もう一つの実施形態において、被検者の腎尿細管細胞障害状態は、体液中のNGALのレベルに基づいて評価され、例えば、アッセイまたは他の検出手段によって検出または判定される。
もう一つの実施形態において、被検者の腎尿細管細胞障害状態は、NGALレベルだけでなく、臨床評価によって決定されるような急性腎障害、または急性細菌もしくはウイルス感染症、急性炎症、または別の器官への急性もしくは慢性障害の不在にも基づいて評価される。このような状態は、最初のおよび任意の後続のサンプルリングの時点で臨床的に評価される。同様に、他の共存症、投薬、およびNGALサンプリング間に発生する一次または二次事象が評価され、この影響がこのサンプリングの結果に盛り込まれる。
尿サンプルおよび血清サンプルにおいて決定されるNGALのレベルは、この被検者のサンプルにおいて見出される、慢性腎疾患または障害についての他の周知および公認バイオマーカー(血清クレアチニン、シスタチンCおよびeGFRを含む)のアッセイレベルと、一般に一致することが判明した。この決定されるNGALのレベルは、被検者の以前のサンプルからのNGALレベル、連続するサンプリング間のまたはある事象とサンプリング時の間の期間、ならびに急性腎障害、急性細菌またはウイルス感染症、急性炎症および他の器官の障害についての任意の臨床評定などの他の因子と共に、患者の腎障害状態として表すことができる。
血清および尿サンプルにおける下で説明する特定のNGALレベルは、実施例1a(血清)および1b(尿)においてそれぞれ説明するNGAL ELISA法を使用して決定する。このようなELISA法を使用する血清サンプル中のNGALレベルの決定と尿サンプル中のNGALレベルの決定は、同様の結果をもたらす。ウエスタンブロットによるサンプルの分析は、本発明者らのNGAL ELISAに匹敵するNGALレベルをもたらした。異なるアッセイまたはアッセイ方法論を使用する血清および尿サンプル中のNGALレベルの決定が、このサンプル中のNGALの異なる絶対レベルをもたらす場合があることは、理解されるはずである。従って、本発明は、腎障害の評価を目的として、実施例1a(血清)および1b(尿)において説明するNGAL ELISA法を使用する本明細書に記載するNGALのレベルと等価である、異なるアッセイによって決定されたNGALのレベルを含む。
本明細書において説明するような、NGAL尿レベルを上昇させる別の疾病、疾患または状態(例えば、急性腎障害または腎臓感染症)を経験していない哺乳動物被検者からの尿サンプルにおけるNGALの基底カットオフレベル以下のレベル、典型的には0から約40ng/mL、さらに典型的には約20ng/mLは、この被検者の健常な腎臓機能を示す。さらに、中間カットオフレベル以上の、典型的には、約35ng/mLから約60ng/尿mLの間、さらに典型的には約45ng/mLで、上のカットオフレベルまで、典型的には約120ng/mLから約150ng/mLの、NGALレベルは、潜在性のまたは安定した慢性腎障害状態を示す。さらに、上のカットオフレベル以上の(例えば、次の値より高い:約120ng/mL、約135ng/mL、約140ng/mL、約155ng/mL、約160ng/mL、約170ng/mL、約180ng/mL、約190ng/mL、または約200ng/mL)NGALレベルは、進行したもしくは悪化しつつある慢性腎障害状態を示す、および/または慢性腎不全に進行するリスクがより高いことを示す傾向がある。
同様に、本明細書において説明するような、NGAL血清レベルを上昇させる別の疾病、疾患または状態(例えば、急性腎障害、急性細菌もしくはウイルス感染症、急性炎症、何らかの他の器官への急性もしくは慢性障害、または癌)を経験していない哺乳動物被検者からの血清(または血漿)サンプルにおけるNGALの基底カットオフレベル以下のレベル、典型的には0から約40ng/mL、さらに典型的には約20ng/mLは、この被検者の健常な腎臓機能を示す。さらに、中間カットオフレベル以上の、典型的には、約35ng/mLから約60ng/血清mLの間(または血漿中の等価のレベル)、さらに典型的には約45ng/mLで、上のカットオフレベルまで、典型的には約150ng/mLから約250ng/mLのNGALレベルは、潜在性または安定した慢性腎障害状態を示す。さらに、上のカットオフレベル以上の(例えば、次の値より高い:約150ng/mL、約160ng/mL、約170ng/mL、約180ng/mL、約190ng/mL、約200ng/mL、約210ng/mL、約220ng/mL、もしくは約230ng/mL、またはより高い)NGALレベルは、進行したもしくは悪化しつつある慢性腎障害状態を示す、および/または慢性腎不全に進行するリスクがより高いことを示す傾向がある。
腎状態のさらなるアッセイ方法では、健常な腎臓機能を有するまたは前に説明したようなある程度の腎障害を有する被検者からの尿、血清または血漿サンプル中のNGALのアッセイレベルをGFRと相関させて、慢性腎臓疾患の病期を評定することができる。糸球体濾過率(GFR)のレベルは、健常な状態および疾病状態の腎臓機能の最良の総合尺度として広く受け入れられている。プロバイダーおよび患者は、「腎臓はフィルターのようなものである」という概念をよく知っている。GFRは、血液を濾過する腎臓の能力、および従って、機能の最良の尺度である。従って、尿、血清および血漿中のNGALのレベルとGFRとの間の相関関係が、NGALを、被検者のGFRの結果を予測することができる、および従って、被検者の腎障害状態の予測および診断の助けとなり、介入および治療選択肢のガイドに役立つ卓越したバイオマーカーとして、証明する。
表1は、GFRとCRDの病期との間の相関関係を示すものである。血清中のNGALのレベルは、特に、進行したCRDを有する患者(すなわち、より高いCRD期、またはより低い(<30)GFR値を有するもの)において、GFRと非常によく相関することが明らかになった。
Figure 2009511913
NGALは、本明細書において提示するように、シスタチンCレベルと相関することも明らかになった。GFRの正確な測定は、腎障害状態の同定のための、およびCRDの病期決定および治療のための主たる必要条件であるので、NGALは、腎臓障害およびこの進行の評定のための優れたバイオマーカーとして浮上し、ならびに改善された、より時宜を得た治療および介入を可能にする。
早期CRDを有するヒト被験者集団が拡大し続けているので、ヒト集団のライフサイクルを通して早期CRDバイオマーカーレベルのより良好な追跡調査および記録が、依然として必要とされている。本発明は、腎臓の健康に悪影響を及ぼす事象およびライフスタイル因子を同定する、すなわち腎臓の健康を改善するために、患者および医師の役に立つことができる、血清、血漿および尿中のNGALレベルの履歴プロフィールを得るための手段を提供する。例えば、ライフスタイル因子または障害の原因となる事象に起因して、リスクが増加した状態にはあるが、いずれの慢性腎障害も有さないことがある個体を、これらの体液中のNGALレベルに基づいて、日常的な健康状態外来診察の一部として評定することができる。
被検者の腎臓が健常から潜在性CRDに悪化するにつれて、より頻繁にアッセイされたサンプルおよびこれらからのアッセイされたNGALレベルに基づく、より頻繁な評価を行わなければならない。また、これらのより頻繁な評価は、慢性腎障害の根本原因の評価を、ならびに腎臓の健康を改善するようにまたは慢性腎障害の悪化に起因する腎臓の健康の悪化を遅速させるように設計された早期治療的介入を、促進することができる。
本発明は、例えば、特に、CRDの治療のための治療プログラムの評価および評定にも有用である。担当医は、治療的処置の際または後に、およびさらに典型的には定期的に治療的処置後にサンプリングする定期的アッセイを命じて、この治療の結果として腎臓の状態の変化を評価することができる。
3.他の腎臓NGALアッセイ考慮事項
本発明は、方法、アッセイおよびキットにおける、ならびにこれらにおいて利用する成分中の、NGALバイオマーカーの検出を利用する。
一般に、本発明のNGALの検出は、NGALとNGALに対する抗体(いわゆる、捕捉抗体)との複合体の形成、およびその後、場合により、このバイオマーカーまたはこの捕捉抗体を検出するための第二の抗体とこの複合体を接触させることによるNGALの検出に依存する。この検出可能な抗体は、当分野において周知であるような検出可能なマーカーまたは検出のための手段、例えば、放射標識、酵素、生体色素、磁性ビースまたビオチンで、標識することができる。
概して、本発明によると、体液サンプル中のNGALの存在または量(レベルもしくは濃度)を検出する(例えば、決定する)段階は、NGALに対する抗体と体液サンプルを接触させて抗体−NGAL複合体を形成させること、ならびにこの抗体−NGAL複合体の存在および/または量を測定することを含む。抗体−NGAL複合体の量は、各サンプル中のNGALの量の関数である。NGALに対する抗体と体液サンプルを接触させて抗体−NGAL複合体を形成する段階は、概して、この抗体が取り付けられている媒体(例えば、固体支持体または固相)とこのサンプルを接触させる段階を含む。
概して、体液サンプル中の抗体−NGAL複合体の存在または量を測定する段階は、NGALを検出するために第二の抗体とこの複合体を接触させることを含む。さらに、この段階は、この抗体−NGAL複合体からこのサンプルの一切の未結合材料を分離する段階、NGALに対する第二の抗体とこの抗体−NGAL複合体を接触させてNGAL−第二抗体複合体を形成させる段階、このNGAL−第二抗体複合体から一切の未結合第二抗体を分離する段階、およびこのサンプル中のこのNGAL−第二抗体複合体の量を決定する段階(この場合、サンプル中のNGAL−第二抗体複合体の量は、このサンプル中の抗体−NGAL複合体の量の関数である。)を場合により含むことがある。
尚、さらに、サンプル中のNGAL−第二抗体複合体の量を決定する段階は、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)コンジュゲート型ストレプタビジンをサンプルに添加して、このNGAL−第二抗体複合体との複合体を形成する段階、発色性過酸化物基質をサンプルに添加してHRPコンジュゲート型ストレプタビジンと反応させて、着色生成物を生じさせる段階、およびその後、酵素結合免疫測定法(ELISA)リーダーにおいてこの着色生成物の色彩強度を読み取る段階(この場合、色彩強度は、このサンプル中のNGAL−第二抗体複合体の量の関数である)を含む、当分野において周知の方法を含むことがある。
実施例において説明するようなNGAL ELISAアッセイに加えて、申し分のない特異性、感度および精度をもたらす他の分析方法を使用することができ、これらとしては、ラテラルフロー装置およびディップスティックを挙げることができる。例えば、ディップスティック表面をNGALに対する捕捉抗体で被覆し、これに対する酵素標識検出抗体を使用して、この捕捉抗体と結合しているNGALを検出する。一般に、本明細書に記載のおよび当分野において公知の原理を使用する任意の結合アッセイを、本発明に従って考案し、使用して、NGALを検出およびモニターすることができる。詳細には、NGALバイオマーカーを検出するための本発明の方法およびキットは、当分野において公知の方法およびキットを、生体サンプル中の他の蛋白質およびリガンドの迅速な検出に適応させることによって、構成することができる。本発明に適応させることができる方法およびキットの例としては、1997年8月12日にMayらに発行された米国特許第5,656,503号、2002年12月31日にO’Connerらに発行された米国特許第6,500,627号、1989年9月26日にSmith−Lewisに発行された米国特許第4,870,007号、1993年12月28日にAhlemらに発行された米国特許第5,273,743号、および1986年12月30日にValkersらに発行された米国特許第4,632,901号に記載されているものが挙げられ、前述のすべての参考文献は、これら全体が、これらに関する教示について、参照により本明細書に組み込まれる。
NGALに結合するモノクローナル抗体とポリクローナル抗体の両方が、本発明のアッセイ、方法およびキットにおいて有用である。これらの抗体は、市販されており、または当分野において公知の方法によって作成することができる。NGALについてのモノクローナル抗体は、例えば、「Characterization of two ELISAs for NGAL,a newly described lipocalin in human neutrophils」,Lars Kjeldsenら., (1996) Journal of Immunological Methods,Vol.198,155−16(この全体が参照により本明細書に組み込まれる。)に記載されている。NGALについての市販のモノクローナル抗体の例としては、デンマーク、コペンハーゲンのAntibody Shopから入手できるもの、例えば、HYB−211−01、HYB−211−02およびNYB−211−05が挙げられる。概して、HYB−211−01およびHYB−211−02は、この還元形および非還元形の両方でNGALと共に使用することができる。NGALのポリクローナル抗体の例は、「An Iron Delivery Pathway Mediated by a Lipocalin」,Jun Yangら,,Molecular Cell,(2002),Vol.10,1045−1056(この全体が参照により本明細書に組み込まれる。)に記載されている。このポリクローナル抗体を作成するために、ゲル濾過された組換えNGAL蛋白質でウサギを免疫する。Jun Yangら.,Molecular Cell(2002)に出願人らが記載しているように、血清をGST−セファロース4Bビーズと共に温置して不純物を除去し、これによって血清中のポリクローナル抗体を得る。
同様に、標準物質および校正物質として使用するための様々な形態の精製NGAL(例えば、組換えヒトNGAL)は、当分野において公知であるように(例えば、Kjeldsenら.(1996)に記載されているように)調製することができ、または市販されている。
本発明の方法およびアッセイにおいて使用する媒体(例えば、固体支持体または固相)は、例えば、ポリスチレン、ポリ塩化ビニルまたはポリエチレン表面または粒子を含むが、これらに限定されない、免疫化学的分析において使用される任意の適する支持体であり得る。場合により、前記媒体(例えば、固体支持体または固相)は、電気化学的相互作用に基づく検出に備えて一つ以上の電極を含む(例えば、米国特許第6,887,714号)。
本発明の方法において使用するためのキットは、捕捉抗体がここに取り付けられている媒体(例えば、固体支持体または固相)を概して含み、これによって体液サンプル(例えば、尿、血清または血漿サンプル)をこの媒体と接触させて、このサンプル中に含有されるNGALにこの捕捉抗体を暴露する。前記キットは、この媒体を含む表面を有する器具、例えばスパチュラまたは単純な棒を含む場合がある捕捉手段を含む。前記捕捉手段は、体液サンプルを受け入れるための容器も含む場合があり、この容器は、この媒体を含む液体サンプル接触表面を有する。もう一つの代表的な実施形態において、NGALと抗体の複合体を検出するためのアッセイは、ELISAを含む場合があり、体液サンプル中のNGALの量を定量するために使用することができる。別の実施形態において、前記捕捉手段は、媒体を収容するカセットを含む器具を含む場合がある。しかし、すべての場合、キットは、この使用、ならびにこのキット成分に関する任意の追加情報(例えば、保管、安全性または他の情報)についての説示を概して含む。
または、本発明の方法、キットおよびアッセイは、米国特許第5,089,424号および同第5,006,309号に記載されているような、ならびに例えば、AbbottのARCHITECT(登録商標)、AxSYM、IMX、PRISM、Quantum II、および他のプラットホームを含むがこれらに限定されない、Abbot Laboratories(イリノイ州のアボット・パーク)により市販されているような、自動および半自動システム(固相が微粒子を含むものを含む)での使用に適応させることができる。
従って、他のものに加えて、本発明は、被検者の体液サンプル(例えば、尿または血清)の評定に基づく、哺乳動物における慢性腎障害の早期検出に使用されるキットを提供し、このキットは、次のうちの一つ以上を含む。1)体液サンプルの一定量を捕捉する手段(例えば、サンプル回収容器またはバイアル);2)NGALとの複合体を形成することができる捕捉抗体がここに取り付けられている媒体(例えば、ディップスティックまたはマイクロタイタープレート);3)NGALと捕捉抗体の複合体を検出するためのアッセイ成分(例えば、検出抗体、洗浄溶液、温置溶液、検出溶液、較正物質、対照など);3)キット説示;および4)キット成分を説明する他の印刷物。さらに、本発明によると、体液サンプル捕捉手段は、場合により、(a)この体液接触表面上に媒体を含み、および/または(b)媒体を収容するカセットを含む器具を含む。
本発明の一つの実施形態において、前記キットは、場合により、ポイントオブケア(point−of−care)キットである。本発明のこのようなポイントオブケアキットにおける捕捉手段は、ディップスティックを含む器具を場合により含み、前記ディップスティック表面は、媒体を含む。加えて、ポイントオブケアキットでのアッセイは、比色ディップスティックアッセイを場合により含む。
さらに、本発明は、被検者の体液サンプル中のNGALの存在を検出するためにNGALに特異的な第一抗体を場合により含む、哺乳動物被検者の慢性腎障害状態を判定するための競合酵素結合免疫測定法(ELISA)キットを提供する。このようなキットは好ましくは、体液サンプル(例えば、尿、血清または血漿サンプル)が約1ミリリットル以下の液量を含む場合に利用することができる。
本発明は、この使用および効力を例示する実施例により、さらに良好に理解される。例として、限定としてではなく、本発明の実施例を提供する。
実施例
アッセイおよび方法
a.MGAL ELISA−血清
特に別の指定がない限り、血清中のNGALのレベルは、次のようなELISAでアッセイする。ヒトNGALに対して産生させたマウスモノクローナル抗体(#HYB211−05、デンマーク、GentofteのAntibody Shop)を用いて、4℃で一晩、マイクロタイタープレートを被覆する。すべての後続段階は、室温で行った。1%BSAを含有するバッファでプレートをブロックし、血清または標準物質(1から1000ng/mLの範囲のNGAL濃度)100μLで被覆し、ヒトNGALに対するビオチン化モノクローナル抗体(#HYB211−01B、Antibody Shop)と共に温置し、この後、アビジンコンジュゲート型HRP(米国、カリフォルニア州、カーペンテリアのDako)と共に温置する。TMB基質(カリフォルニア州、サンホゼのBD Biosciences)を発色のために添加し、30分後、マイクロプレートリーダー(Benchmark Plus、米国、カリフォルニア州、ハーキュリーズのBioRad)を用いて450nmでこの発色を読み取る。アッセイ間およびアッセイ内の係数変動は、5から10%である。すべての測定は、三重反復で、および盲検式で行う。血清NGALは、ng/mLとして測定し、ならびに対数変換値として表示する場合もある。
b.NGAL ELISA−尿
特に別の指定がない限り、尿中のNGALのレベルは、次のようなELISAでアッセイする。ヒトNGALに対して産生させたマウスモノクローナル抗体(#HYB211−05、デンマーク、GentofteのAntibody Shop)を用いて、4℃で一晩、マイクロタイタープレートを被覆する。すべての後続段階は、室温で行った。1%BSAを含有するバッファでプレートをブロックし、尿(遠心分離したもの)または標準物質(1から1000ng/mLの範囲のNGAL濃度)100μLで被覆し、ヒトNGALに対するビオチン化モノクローナル抗体(#HYB211−01B、Antibody Shop)と共に温置し、この後、アビジンコンジュゲート型HRP(米国、カリフォルニア州、カーペンテリアのDako)と共に温置する。TMB基質(カリフォルニア州、サンホゼのBD Biosciences)を発色のために添加し、30分後、マイクロプレートリーダー(Benchmark Plus、米国、カリフォルニア州、ハーキュリーズのBioRad)を用いて450nmでこの発色を読み取る。アッセイ間およびアッセイ内の係数変動は、5から10%である。すべての測定は、三重反復で、および盲検式で行う。尿(腎臓)NGALは、ng/mLとして測定し、ならびに対数変換値として表示する場合もある。
c.結果の統計分析
2サンプルt検定またはマン・ホイットニー順位和検定を用いて、連続変数を比較する。カテゴリー変数は、カイ二乗検定またはフィッシャー正確確立検定を用いて比較する。ピアソン相関分析により、変数間の関連を評定する。相関間の比較は、相関係数からZスコアを作ることによるスタイガーのZ量統計を用いて行う。残渣分析を行って、種々の予測因子(血清クレアチニン、eGFR、NGALおよびシスタチンC)と測定GFRとの間の一致を評価する。様々なGFRカットオフでの血清NGALおよびシスタチンCについての感度および特異性をを測定するために、SAS MACROプログラムを使用して受信者動作特性(ROC)曲線を作成し、SAS 9.1統計パッケージをこの分析に使用する。曲線下面積(AUC)を算出して、バイオマーカーとしてのNGALおよびシスタチンCの質を確かめる。0.5のAUCは、偶然による期待値同然であり、これに対して1.0の値は、完璧なバイオマーカーを意味する。特に別の指定がない限り、値は、平均±SDとして提示する。P≦0.05は、統計学的に有意とみなす。
(a)CKD患者集団における尿NGAL発現
外部腎臓病学者から治療相談を委託されたコロンビア大学メディカルセンター(CUMC)の一般腎臓病クリニックからの91人の外来患者において、尿NGALレベルを評定した。これらは、一定範囲の病因に起因する腎臓疾患を有する患者であった。下の表2は、彼らのベースライン特性を示すものである。平均年齢は、49.2歳であり、この集団の約半分は女性であった。NGALと他の連続パラメータとの間の相関係数は、血清クレアチニン、尿アルブミン対クレアチニン比(UACR)および全尿蛋白と共に、対数変換NGALによって測定した。Log NGALは、ベースライン訪問時のlog血清クレアチニン(r=0.54、p<0.0001)、ベースライン訪問と追跡調査訪問の間の血清クレアチニンの変化(r=0.49、p=0.002)、GFR(r=−0.22、p=0.04)、log UACR(r=0.55、p<0.0001)、および全尿蛋白のlog(r=0.61、p=<0.0001)と相関することが判明した。尿NGALと年齢(SD 17.0)、収縮期血圧(SD 15.8)、拡張期血圧(SD 11.6)、体重(SD 24.1)、および血清アルブミン(SD 4.3)との間に相関はなかった。
Figure 2009511913
表3は、この集団におけるCRDの病因を表にしたものである。91人の患者のうち、81人だけが、診断を受けていた。CRDの病因は、38%糸球体腎炎、44%ネフローゼ症候群、および17%他のケースから成った。全患者の平均尿NGALレベルは、94.6ng/(尿 mL)であった。CRDの病因別の平均尿NGALレベルは、糸球体腎炎を有するグループについては71.2ng/mL、ネフローゼ症候群を有するグループについては101.7ng/mL、および腎臓疾患の他の病因を有するグループについては78.2ng/mLであった(図1参照)。これらのレベルは、ANOVA(F検定=0.6890)によると互いに統計学的に差はなかった。
Figure 2009511913
b.尿NGAL発現および腎臓疾患進行とのこの関係
表4は、次の追跡調査訪問までの血清クレアチニンの25%以上増加またはESRDの発現という一次エンドポイントへの進行に基づいて階層分類した患者のベースライン特性を示すものである。追跡調査情報は、最初の91人のうち82人の患者に基づいて得た。この集団の18人の患者(22.0%)は、一次エンドポイントに到達した。前記エンドポイントに到達した患者の平均尿(または「腎臓」)NGALは、294.6ng/mLであり、一方、前記エンドポイントに到達しなかった者は、46.6ng/mL(p<0.0001)のNGALレベルを有した。エンドポイントに進行した患者のグループは、有意に高い平均蛋白尿および有意に低い平均GFRも有した。
Figure 2009511913
次に、線形回帰モデルを作成して、尿NGALと腎機能と蛋白尿の間の関係を評定し、その結果に基づいて階層分類した。これらのモデルにおいて、NGAL、血清クレアチニンおよびAUCRをlog変換して、データの分布特性を正規化した。回帰係数を表5に列挙する。前記エンドポイントに進行した患者についてのみ、log NGALとlog血清クレアチニンの間に有意な線形関係があった。
Figure 2009511913
図2で分かるように、進行した患者には、NGALレベルとクレアチニンレベルの間に正方向の有意な線形の関連性がある(R=0.3382)。図3で分かるように、データポイントのばらつきにより、非進行者にはNGALレベルと血清クレアチニンの有意な関連性がないことが確認される(R=0.0364)。別の言い方をすれば、進行者の場合、NGALレベルを有することは、血清クレアチニンに予想情報を加えるため、非常によいことである。
全蛋白尿についての回帰モデルは、エンドポイントに到達した患者において、全蛋白尿とlog NGALの間に有意な逆関数関係を明示した(図4[R=0.6300]および図5[R=0.0634])。エンドポイントに進行しなかった患者においてのみ、log NGALとlog UACRの間に線形関係があった。
c.NGALにより腎臓機能の将来の低下が予想される
前記エンドポイントに到達した患者の間での尿NGALの評価により、NGALが、腎機能低下の独立予測子であり得るという仮説に至った。進行性腎不全の重要な予測子である尿NGALと尿蛋白の両方について、感度分析を行った。一次エンドポイントは、追跡調査時までの血清クレアチニンの25%増加またはESRDの発現として選択した。NGALの曲線下面積(AUC)は、0.908であり、蛋白尿についてのNGALの曲線下面積(AUC)は、0.833であった。次いで、全NGAL蛋白尿に対する最高感度および特異性を与える、NGALレベルの高端または上のカットオフ値を、定義した。追跡調査訪問時のより劣った腎機能の発現の予測としては、NGAL濃度120ng/mLで、感度は83.3%であり、特異性は、85.9%であった。全尿蛋白については、1日に1グラムのカットオフにより、85.7%の感度および81.4%の特異性が実証された。このカットオフを用いて、NGALと蛋白尿の両方についてカプラン・マイヤー曲線を作成した(図6および7)。図6に示すように、一次エンドポイントの発現についてのメディアン生存期間は、尿NGAL≧120ng/mL(p<0.0001)を有するグループでは125日であった。1日に1グラムのカットオフによって定義される蛋白尿を有するグループと有さないグループについての生存曲線には差がなかった(図7、p=0.3)。
Figure 2009511913
比例ハザード回帰モデル作成によるさらなる探求により、多変量モデル(HR8.4、p<0.01)において、120ng/mLの上のカットオフ値での尿NGALが、追跡調査時点で、悪化しつつある腎臓機能に依然として有意に関連している唯一の独立予測子であることが判明した(表6参照)。
d.NGALについてのもう一つの一次エンドポイントおよびカットオフ値
次に、同じ被検者を用いて、追跡調査時(122.1日+45.7日)までに血清クレアチニンの50%増加または末期腎疾患の発現の一次エンドポイントを選択した。血清クレアチニンについてのROC下面積は、0.783であり、蛋白尿についての曲線下面積は、0.775であった。これに基づき、妥当な感度(0.75)、特異性(0.88)、正の予測値(0.63)および負の予測値(0.93)をもたらす、150ng NGAL/(尿のmL)の任意の上のカットオフ値を設定して、慢性腎不全に進行した被検者の最大数を同定した。ng/(クレアチニンのmg)で測定したNGALの感度および特異性は、それぞれ、0.75および0.84であった。
e.NGALおよび腎臓生検に基づく線維症とのこの関係
尿NGALレベルと腎臓生検に基づく線維症の程度との間の関係を評価するために、91人の患者の集団からの16の腎臓生検材料を用いて線維症スコアの結果を調査した。これらの16は、CUMCの腎臓病理部が研究していたため、選択した。これらの生検材料は、この尿NGALレベルより前、2年以内に得たものであった。回帰分析は、腎生検後2年以内に得た尿NGALレベルが、生検に基づく線維症のパーセントと非常に相関することを示した(図8、r=0.53、p<0.001)。これは、NGALレベルが腎臓損傷の慢性を反映することを示唆していると考えられる。これが真実であるならば、これは、腎臓予後不良を予測する点でのこの有用性の病理学的確証となる。一括して、これらのデータは、慢性腎疾患の進行の予測バイオマーカーとしてのNGALの発見および特性付けにおける革新的で非常に衝撃的な発展を示している。
患者研究結果(血清)
a.CRD患者集団における循環性NGAL発現
2から4期CRD(測定GFR=15から89mL/分/1.73m)を有する45人の連続した子供および青年(年齢6から21歳)を、将来を見越して、2002年と2004年の間に補充した。CRDの病期は、K/DOQIガイドラインに従って定義した。この研究中に腎臓移植を受けた被検者はおらず、移植後でもなかった。CRDの人口統計、原因および継続期間ならびに投薬についての医療記録を見直した。
運動反射率分光光度アッセイ(米国、ニュージャージー州、ラリタンのOrtho Clinical DiagnosticsからのVitros(登録商標)950 Chemistry System)を用いて、血清クレアニチンレベルを日常ケアの一部として測定した。シュヴァルツ式を用いて推定GFR(eGFR)を算出した。イオベルソール注射74%(Optiray 350(登録商標)、米国、ミズーリ州、セントルイスのMallinckrodt Inc.,)の単回静脈内注射を用いてGFRを測定することにより、この研究の登録時の腎臓機能も判定した。時限血液サンプル中のヨウ素をX線蛍光分析(Renalyzer PRX90、スウェーデンのDatron AB Inc,)によって測定し、このヨウ素消失曲線の傾きからGFRを算出した。標準化されており広く承認されている免疫比濁法(Dade−Behring BN ProSpec System Version 1.1、ドイツ、マールブルク)により、登録時に血清シスタチンCを測定した。様々な慢性腎臓状態を有する62人の患者における高感度核トレーサー技術によるGFR測定と血清シスタチンCとの比較で、これらの技術と5から10%のアッセイ間および内係数変動との間の卓越した相関関係が実証されている(データは示さない)。すべての測定は三重反復および盲検式で行った。
サンプリング時間は、eGFRに基づいて測定した。eGFR>60mL/分/1.73mを有する被検者についての血液サンプルは、イオベルソール注射後、150、195および240分の時点で、30から60mL/分/1.73mのeGFRを有する者については、150、240および300分の時点で、ならびに<30mL/分/1.73mのeGFRを有する者については、180、270および360分の時点で採取した。
方法およびアッセイのセクションにおいて説明したNGAL ELISAを使用して、登録時に血清NGALを測定し、統計分析した。
CRDの主原因は、腎形成異常/閉塞性尿路疾患(67%)、ならびに糸球体および嚢胞疾患(33%)であった。患者のほぼ半分(46%)は、抗高血圧薬の投薬を受けていた。投薬を受けている者のすべてが、アンギオテンシン変換酵素阻害薬(ACEI)を受けていた。14人の患者がACEIまたはアンギオテンシン受容体遮断薬を抗蛋白尿薬として摂取していた。CRDの平均継続時間は、8.8±5.6年であった。CRDを1年未満しか有していない患者はなかった。13人(28%)の患者が2期CRD、19人(42%)の患者が3期CRD、および13人(28%)が4期CRDを有した。
NGAL血清中濃度も、シスタチンC血清中濃度も、年齢、体重、身長、性別、人種およびBMIとの有意な相関関係を有さなかった(すべて、P>0.1)。しかし、血清NGALレベルと血清シスタチンCレベルは、大いに相関していた(図9)。加えて、NGALも、シスタチンCも、血清クレアチニン、eGFR(図10)および測定GFR(図11)と大いに相関していた。測定GFRとeGFRも大いに相関していた(図11)。GFRとNGALの相関関係の、GFRとシスタチンCの相関関係に対する比較は、統計学的に有意でなかった(スタイガー検定、P=NS)。残渣分析を行って、種々の予測因子と測定GFRとの一致を評価した。平均パーセントと予測値との差は、血清クレアチニンについては31±4%、シスタチンCについては30±2.6%、eGFRについては18±1.9%、およびNGALについては15±1.0であった。測定GFRの予測値の30%で、次の推定値のパーセンテージも検出された。NGALについては被検者の89%、eGFRについては80%、血清クレアチニンについては66%、およびシスタチンCについては58%。
受信者動作特性(ROC)分析を図12および13に提示する。GFR=60mL/分/1.73mのカットオフポイントについて、血清NGAL、シスタチンCおよびeGFRはいずれも、すべて卓越したバイオマーカーであり、それぞれ、0.85、0.86および0.92のAUCを有した。GFR=30mL/分/1.73mのカットオフポイントについて、シスタチンC(AUC=0.89)の正診度は、eGFR(AUC=0.89)のものと同様であり、NGAL(AUC=0.73)よりわずかに良好であった。種々のGFRレベルでの最高診断効率のNGALおよびシスタチンCについてのカットオフポイントを表7に示す。
Figure 2009511913
研究したバイオマーカーと測定GFRとの間の関係をさらに調査するために、種々のCRD期で相関分析を行った。測定GFR≧30mL/分/1.73m(n=30)を有する患者については、シスタチンC(r=0.45)、NGAL(r=0.52)、血清クレアチニン(r=0.70)およびeGFR(r=0.72)を含む、検定したすべてのバイオマーカーに有意な相関関係があった(すべて、P<0.0001)。しかし、測定GFR<30mL/分/1.73m(n=15)を有する被検者について、NGALは、測定GFR(r=0.62、P<0.0001)と最もよく相関し、この次にシスタチンC(r=0.41、p<0.0001)と相関した。CRDのこの進行期では、測定GFRと血清クレアチニンとの間(r=0.12、P=0.66)にも、eGFRとの間(r=0.20、p=0.47)にも、有意な相関関係がなかった。
b.循環NGALはCRDの他の公知バイオマーカーと相関する
CRDを有する子供についてのこの研究は、(a)高い血清NGALレベルが、特徴として存在すること、(b)血清NGALが、血清シスタチンC、測定CFR、およびeGFRと密接に相関すること、(c)血清NGALとシスタチンCの両方が、CRDの定量に有用であることがわかること、および(d)NGALが、より低い測定GFRレベルで、シスタチンCおよびeGFRより性能が優れていることを明示した。
CRDの同定および病期決定のための主たる必要条件は、GFRの正確な測定である。この研究では、総合相関分析およびROC分析において、シスタチンCおよびNGALだけでなく、シュヴァルツの式を用いて算出したeGFRも機能した。しかし、ROCは、特定のカットオフ値での感度および特異性を測定するために有用な方法であるが、研究するパラメータの個々のばらつきは測定しない。これは、測定血清クレアチニンとeGFRの両方があまりよく機能しない、より低い測定GFR範囲(より高い腎臓障害レベル)のマーカーとしてのeGFRについて、特に明らかである。進行した腎不全を有する被検者ではシュヴァルツ式により腎臓機能が過大評価される場合があることは周知であるので、これらの結果が予想される。
(c)循環性NGALは、CRDの最良の総合バイオマーカーである
本発明者らの被検者において、測定GFRとの最高の総合的一致は、血清NGALについて見られた。測定GFRとの卓越した一致は、より軽いCRD度を有する患者において検定したすべてのバイオマーカーについて明らかであったが、NGALは、<30mL/分/1.73mのGFRレベル(進行したCRD度)ではシスタチンCおよびeGFRより明らかに機能が優れていた。本発明者らの結果は、血清NGALの決定により、CRDにおける、特に、進行したCRDを有する被検者における、腎臓機能不全についての追加の正確な尺度を得ることができることを示している。
好ましい実施形態に関連して本発明を説明してきたが、当業者は、上記明細書を読んだ後、本明細書に記載の主題に対して様々な変更、等価の置換および改変を行うことができる。従って、本発明は、本明細書において具体的に説明するもの以外の方法で実施することができる。従って、本明細書での保護は、添付の特許請求の範囲およびこれらの等価物によってのみ制限されると解釈する。
本明細書に引用したすべての特許および出版物は、本発明が属する当分野における当業者のレベルを示すものである。すべての特許および出版物は、個々の出版物各々が参照により組み込まれていると具体的におよび個々に示されているのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
CRD患者の病因別に平均尿NGALレベルを示す図である。 エンドポイントまで進行した患者におけるNGALの対数(log)および血清クレアチニンを示す図である。 エンドポイントまで進行しなかった患者におけるNGALのlogおよび血清クレアチニンを示す図である。 エンドポイントまで進行した患者におけるNGALのlogおよび尿蛋白質対クレアチニン比を示す図である。 エンドポイントまで進行しなかった患者におけるNGALのlogおよび尿蛋白質対クレアチニン比を示す図である。 尿NGALについてのカプラン・マイヤー曲線を示す図である。 尿蛋白についてのカプラン・マイヤー曲線を示す図である。 尿NGALと腎臓生検材料における間質性線維症パーセントとの間の関連を示す図である。 CRD患者集団における血清NGALレベルとシスタチンCレベルの相関関係を示す図である。 CRD患者集団におけるシスタチンCと血清クレアチニンの相関関係を示す図である。 CRD患者集団におけるシスタチンCとeGFRの相関関係を示す図である。 CRD患者集団における自然対数(ln)NGALと血清クレアチニンの相関関係を示す図である。 CRD患者集団におけるln NGALとeGFRの相関関係を示す図である。 CRD患者集団におけるシスタチンCと測定GFRの相関関係を示す図である。 CRD患者集団におけるln NGALと測定GFRの相関関係を示す図である。 CRD患者集団におけるeGFRと測定GFRの相関関係を示す図である。 60mL/分/1.73mのGFRカットオフポイントについての血清シスタチンCに関する受信者動作特性(ROC)分析を示す図である。 60mL/分/1.73mのGFRカットオフポイントについての血清NGALに関するROC分析を示す図である。 60mL/分/1.73mのGFRカットオフポイントについてのeGFRに関するROC分析を示す図である。 30mL/分/1.73mのGFRカットオフポイントについての血清シスタチンCに関する受信者動作特性(ROC)分析を示す図である。 30mL/分/1.73mのGFRカットオフポイントについての血清NGALに関するROC分析を示す図である。 30mL/分/1.73mのGFRカットオフポイントについてのeGFRに関するROC分析を示す図である。

Claims (28)

  1. (a)急性腎障害を経験していない哺乳動物から尿サンプルを得る段階;
    (b)NGALの抗体を使用して前記サンプル中のNGALのレベルを決定する段階;および
    (c)前記尿サンプル中のNGALのレベルに基づき、前記哺乳動物の慢性腎障害状態を評価する段階
    を含む、哺乳動物における慢性腎障害の早期検出方法。
  2. 哺乳動物がヒトである、請求項1に記載の方法。
  3. 尿サンプル中のNGALのレベルが、基底カットオフレベル未満であるとき、評価された慢性腎障害状態が、正常な腎臓機能を示す、請求項1に記載の方法。
  4. 基底カットオフレベルが、約20ng NGAL/(サンプルのmL)である、請求項3に記載の方法。
  5. 尿サンプル中のNGALのレベルが、中間カットオフレベル以上であり、および上のカットオフレベル以下であるとき、評価された慢性腎障害状態が、軽度慢性腎障害を示す、請求項1に記載の方法。
  6. 中間カットオフレベルが、約45ng NGAL/(サンプルのmL)であり、上のカットオフレベルが、約150ng NGAL/(サンプルのmL)である、請求項5に記載の方法。
  7. 尿サンプル中のNGALのレベルが、上のカットオフレベル以上であるとき、評価された慢性腎障害状態が、進行した慢性腎障害を示す、請求項1に記載の方法。
  8. 上のカットオフレベルが、約150ng NGAL/(サンプルのmL)である、請求項7に記載の方法。
  9. 前記哺乳動物の慢性腎障害状態の評価が、(a)前記哺乳動物の急性細菌もしくはウイルス感染症または急性炎症の存在の評定、および(b)前記哺乳動物における別の器官への障害の存在の評定も含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記尿サンプルを得るとき、前記哺乳動物が、急性細菌またはウイルス感染症、急性炎症、別の器官への障害、および癌からなる群より選択される別の状態を経験していない、請求項1に記載の方法。
  11. (a)急性腎障害を経験していない哺乳動物から第一尿サンプルを得る段階;
    (b)NGALに対する抗体を使用して、前記第一のサンプルのNGALのレベルを決定する段階;
    (c)前記第一尿サンプルを得た後、一定期間が経過した後に、少なくとも一つの後続尿サンプルを得る段階;
    iv)NGALに対する抗体を使用して、前記少なくとも一つの後続尿サンプル中のNGALのレベルを決定する段階;および
    v)前記少なくとも一つの後続尿サンプル中のNGALのレベルと前記第一尿サンプル中のNGALのレベルとの比較に基づいて、前記哺乳動物の慢性腎障害状態を評価する段階
    を含む、哺乳動物の慢性腎障害状態に関する任意の変化を検出するための方法。
  12. 前記後続尿サンプルにおける前記第一尿サンプルと比較して高いNGALレベルが、前記哺乳動物における慢性腎障害の悪化の指標である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記後続尿サンプルにおける前記第一尿サンプルと比較して低いNGALレベルが、前記哺乳動物における慢性腎障害の改善の指標である、請求項11に記載の方法。
  14. 前記第一尿サンプルおよび前記少なくとも一つの後続尿サンプルを得るとき、前記哺乳動物が、急性細菌またはウイルス感染症、急性炎症、別の器官への障害、および癌からなる群より選択される別の状態を経験していない、請求項11に記載の方法。
  15. 前記少なくとも一つの後続尿サンプルが、前記哺乳動物から断続的に得た多数の後続尿サンプルを含む、請求項11に記載の方法。
  16. 前記哺乳動物がヒトである、請求項11に記載の方法。
  17. (a)慢性腎障害を経験している哺乳動物からベースライン尿サンプルを得る段階;
    (b)NGALの抗体を使用して、前記ベースラインサンプル中のNGALのレベルを決定する段階;
    (c)前記哺乳動物に慢性腎障害のための少なくとも一つの治療を施す段階;
    (d)前記哺乳動物から少なくとも一つの治療後尿サンプルを得る段階;
    (e)NGALの抗体を使用して、前記治療後尿サンプル中のNGALのレベルを決定する段階;および
    (f)前記少なくとも一つの治療後尿サンプル中のNGALのレベルと前記ベースライン尿サンプル中のNGALのレベルとの比較に基づいて、治療の有効性を評価する段階
    を含む、哺乳動物における慢性腎障害の治療の有効性のモニター方法。
  18. 前記ベースライン尿サンプルおよび前記少なくとも一つの治療後尿サンプルを得るとき、前記哺乳動物が、急性腎障害を経験していない、請求項17に記載の方法。
  19. 前記少なくとも一つの治療後尿サンプルが、前記哺乳動物から断続的に得た多数の治療後尿サンプルを含む、請求項17に記載の方法。
  20. 前記哺乳動物がヒトである、請求項17に記載の方法。
  21. 前記治療後尿サンプルにおける前記ベースライン尿サンプルと比較して高いNGALレベルが、前記哺乳動物における慢性腎障害の悪化の指標である、請求項17に記載の方法。
  22. 前記治療後尿サンプルにおける前記ベースライン尿サンプルと比較して低いNGALレベルが、前記哺乳動物における慢性腎障害の改善の指標である、請求項11に記載の方法。
  23. 少なくとも一つの治療後尿サンプルが、治療時間に続いて一定期間が経過した後に得られる、請求項17に記載の方法。
  24. (g)一つ以上の追加の治療後尿サンプルを用意する段階;
    (h)NGALに対する抗体を使用して、前記一つ以上の追加の治療後尿サンプル中のNGALのレベルを決定する段階;および
    ix)前記一つ以上の追加の治療後尿サンプル中のNGALレベルと、前記ベースライン尿サンプル中または先行の治療後の尿サンプル中のNGALのレベルとの比較に基づいて、治療の有効性を評価する段階
    をさらに含む、請求項17に記載の方法。
  25. 治療を施す段階が、一つ以上の追加の治療後尿サンプル中のNGALレベルがもはや増加しないまたは減少するまで継続される、請求項24に記載の方法。
  26. 慢性腎障害が、慢性感染症、慢性炎症、糸球体腎炎、血管疾患、間質性腎炎、薬物、毒物、外傷、腎石、長年にわたる高血圧、糖尿病、うっ血性心不全、鎌状赤血球性貧血および他の血液疾患からの腎症、肝炎、HIV、パルボウイルスおよびBKウイルスに関連した腎症、嚢胞性腎臓疾患、先天性奇形、閉塞、悪性病変、原因不確定の腎臓疾患、ループス腎炎、膜性糸球体腎炎、膜性増殖性糸球体腎炎、巣状糸球体硬化症、微小変化群、クリオグロブリン血症、ANCA陽性脈管炎、ANCA陰性脈管炎、アミロイド症、多発性骨髄腫、軽鎖沈着症、腎臓移植の合併症、腎臓移植の慢性拒絶反応、慢性同種移植片腎症、ならびに免疫抑制薬の慢性作用からなる群より選択される、請求項17に記載の方法。
  27. (a)急性腎障害を経験していない哺乳動物から第一の時点で少なくとも一つの第一尿サンプルを得る段階;
    (b)NGALに対する抗体を使用して、前記第一尿サンプル中のNGALのレベルを決定する段階;
    (c)前記第一の時点後である時点で前記哺乳動物から少なくとも一つの後続尿サンプルを得る段階;
    (d)NGALに対する抗体を使用して、前記少なくとも一つの後続尿サンプル中のNGALのレベルを決定する段階;および
    (e)前記少なくとも一つの後続尿サンプル中のNGALのレベルと前記第一尿サンプル中のNGALのレベルとの比較に基づいて、前記哺乳動物における慢性腎障害の程度を経時的に決定する段階
    を含む、哺乳動物における慢性腎障害の程度を経時的に同定する方法。
  28. 前記少なくとも一つの後続尿サンプルが、前記第一尿サンプルを得てから一定期間が経過した後に得られる、請求項27に記載の方法。
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