JP2009302358A - ソレノイド駆動装置及びソレノイドアクチュエータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】電流制御用直流抵抗素子18と並列にトランジスタ21を接続し、且つ、コンデンサ22に直列に接続した起動制御用直流抵抗素子23の電圧降下でトランジスタ21を駆動し、これにより、コンデンサ22に電荷が貯まるまで、起動制御用直流抵抗素子23に電圧降下が生じ、トランジスタ21が閉状態となるので、電流制御用直流抵抗素子18が短絡され、電磁コイル11に大きな電流が流れてプランジャが吸引される一方、細い巻き線を採用しても、電磁コイル11が過熱する前に、コンデンサ22に電荷が貯まり、電流制御用直流抵抗素子18の短絡状態が解除されるので、簡単な回路で電磁コイル11の過熱を防止でき、製造コストの高騰も回避できる。
【選択図】 図2
Description
例えば、パチンコ機等の遊技機では、電動チューリップ等の電動役物の開閉を行わせる操作機として利用されている。また、自動車では、燃料タンクからエンジンへ燃料を供給するポンプの操作機としてソレノイドアクチュエータが利用されている。
機械産業界において、様々な構造のソレノイドアクチュエータが利用されているが、これらのソレノイドアクチュエータは、いずれも電磁コイルの電磁力で鉄心を吸引する基本構造を有する点で共通しており、用途に応じた改良が加えられている部分が相違している。
更に詳しく説明すると、弾性復帰式のソレノイドアクチュエータには、励磁電流が流れると磁界を発生する電磁コイルと、発生した電磁力によって電磁コイルの内部に吸引されるプランジャと、吸引したプランジャを元の位置へ復帰させる弾性体であるバネとが設けられている。
そして、弾性復帰式のソレノイドアクチュエータは、その電磁コイルに励磁電流が流される、電磁コイルが電磁力を発生し、発生した電磁力がバネの弾性力に抗して電磁コイルの内部にプランジャを吸引するようになっている。
このようなソレノイドアクチュエータとしては、連続的な電流の流通により電磁コイルに熱が発生しても、電磁コイルの電気絶縁性能が劣化する温度まで達しないようにする発熱対策として、大型に設計され、これにより、熱容量及び熱発散量が確保され、長時間に渡ってプランジャの吸引状態を連続的に維持できる連続作動用のソレノイドアクチュエータと、電流の断続的な流通により、電磁コイルで発生する熱に対して前述のような発熱対策を取る必要のない間欠作動用のソレノイドアクチュエータとが利用されている。
ここで、間欠作動用のソレノイドアクチュエータの電磁コイルに励磁電流を流し続けることができれば、連続作動用のソレノイドアクチュエータを小型化することができるが、実際には、励磁電流を間欠作動用のソレノイドアクチュエータを連続作動用のソレノイドアクチュエータとして使用すると、発熱対策がなされていないので、プランジャの吸引状態を維持しているうちに、電磁コイルが過熱して壊れてしまう。
この電磁石装置について更に詳しく説明すると、ソレノイドアクチュエータには、プランジャを電磁力で吸引する、換言すると、プランジャを電磁力で内部に移動させるための電磁コイルである投入コイルと、この投入コイルとは別に、プランジャの吸引状態を維持するための電磁コイルである保持コイルとが設けられている。
このような電磁石装置によれば、駆動電圧の印加が開始されると、当初はスイッチング素子が閉状態なので、保持コイルがバイパスされ、投入コイルに大きな励磁電流が流れ、これにより、プランジャがバネ等で付勢されていても、バネ等の付勢力よりも強い電磁力でプランジャを投入コイルの内部に移動させることができる。なお、駆動電圧の印加が開始されると、ゲート回路のスイッチング素子を開状態に移行させるので、積分要素も動作を開始する。
なお、符号は、発明の実施の形態において用いた符号を示し、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
(請求項1)
(特徴点)
請求項1記載の発明は、次の点を特徴とする。
すなわち、請求項1に記載された発明は、弾性体(2)と係合するとともに、この弾性体(2)の弾性力によって所定方向に付勢されているプランジャ(12)と、駆動電圧の印加によって励磁電流が流れると磁力を発生し、この磁力で前記プランジャ(12)を前記弾性体(2)の弾性力に抗して吸引する電磁コイル(11)とを備えたソレノイドアクチュエータ(1, 1A)に駆動電圧を印加するソレノイド駆動装置(14,34,34C,54)であって、前記電磁コイル(11)に直列に接続された電流制御用直流抵抗素子(18)と、駆動電圧の印加開始時には、前記電流制御用直流抵抗素子(18)の両端を短絡するとともに、駆動電圧の印加開始から所定時間が経過すると、前記電流制御用直流抵抗素子(18)の両端の短絡状態を解除する起動制御回路(20, 40)とを備え、前記起動制御回路(20, 40)が前記電流制御用直流抵抗素子(18)の両端を短絡状態にすると、前記弾性体(2)の弾性力に抗して前記プランジャ(12)を吸引可能な磁力を発生するのに充分な起動励磁電流が前記電磁コイル(11)に流れ、前記起動制御回路(20, 40)が前記電流制御用直流抵抗素子(18)の両端の短絡状態を解除すると、前記電流制御用直流抵抗素子(18)が前記電磁コイル(11)に流れる電流を小さくし、起動励磁電流の流通によってなされた前記プランジャ(12)の吸引状態を維持でき、且つ、所定の連続励磁時間を超えて連続的に流すことができる大きさの連続励磁電流が前記電磁コイル(11)に流れるように形成されていることを特徴とするものである。
(特徴点)
請求項2記載の発明は、前述した請求項1に記載の発明において、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項2記載の発明は、前記起動制御回路(20, 40)に、前記電流制御用直流抵抗素子(18)と並列に接続され、開状態から閉状態に移行すると、当該電流制御用直流抵抗素子(18)の両端を短絡するスイッチング素子(21, 41)と、前記電磁コイル(11)に励磁電流を流すために当該電磁コイル(11)への駆動電圧の印加を開始すると、電荷の蓄積を開始し、電荷の蓄積に伴って内部を流れる電流を徐々に減少させていく静電容量素子(22, 42)と、この静電容量素子(22, 42)と直列に接続されている起動制御用直流抵抗素子(23, 43)とが設けられ、前記スイッチング素子(21, 41)は、所定の制御電圧が印加される制御端子(21B, 41B)を備え、この制御端子(21B, 41B)が前記静電容量素子(22, 42)と前記起動制御用直流抵抗素子(23, 43)との接続点に接続されるとともに、この制御端子(21B, 41B)に印加されている制御電圧が所定値よりも小さくなると閉状態から開状態へ切り換わり、前記電流制御用直流抵抗素子(18)の両端の短絡状態を解除するように形成されていることを特徴とする。
(特徴点)
請求項3記載の発明は、前述した請求項1に記載のソレノイド駆動装置が一体的に設けられたソレノイドアクチュエータであり、次の特徴点を備えているものである。
すなわち、請求項3記載の発明は、弾性体(2)と係合するとともに、この弾性体(2)の弾性力によって所定方向に付勢されているプランジャ(12)と、駆動電圧の印加によって励磁電流が流れると磁力を発生し、この磁力で前記プランジャ(12)を前記弾性体(2)の弾性力に抗して吸引する電磁コイル(11)とを備えたソレノイドアクチュエータ(1, 1A)であって、当該ソレノイドアクチュエータ(1, 1A)には、駆動電圧を印加するソレノイド駆動装置(14,34,34C,54)が一体となるように設けられ、このソレノイド駆動装置(14,34,34C,54)には、前記電磁コイル(11)に直列に接続された電流制御用直流抵抗素子(18)と、駆動電圧の印加開始時に、前記電流制御用直流抵抗素子(18)の両端を短絡するとともに、駆動電圧の印加開始から所定時間が経過すると、前記電流制御用直流抵抗素子(18)の両端の短絡状態を解除する起動制御回路(20, 40)とが設けられ、前記起動制御回路(20, 40)が前記電流制御用直流抵抗素子(18)の両端を短絡状態にすると、前記弾性体(2)の弾性力に抗して前記プランジャ(12)を吸引可能な磁力を発生するのに充分な起動励磁電流が前記電磁コイル(11)に流れ、前記起動制御回路(20, 40)が前記電流制御用直流抵抗素子(18)の両端の短絡状態を解除すると、前記電流制御用直流抵抗素子(18)が前記電磁コイル(11)に流れる電流を小さくし、起動励磁電流の流通によってなされた前記プランジャ(12)の吸引状態を維持でき、且つ、所定の連続励磁時間を超えて連続的に流すことができる大きさの連続励磁電流が前記電磁コイル(11)に流れるように形成されていることを特徴とする。
以上のように構成されている本発明は、以下に記載されるような効果を奏する。
すなわち、請求項1、3記載の発明によれば、プランジャを磁力で吸引するための電磁コイルに電流制御用直流抵抗素子を直列に接続し、さらに、駆動電圧の印加開始時に、電流制御用直流抵抗素子の両端を短絡するとともに、駆動電圧の印加開始から所定時間が経過すると、電流制御用直流抵抗素子の両端の短絡状態を解除する起動制御回路を設け、電磁コイルに対して駆動電圧を印加し始めると、電流制御用直流抵抗素子の両端が短絡され、これにより、電圧側から見た直流抵抗値が小さくなり、プランジャを吸引するのに充分な大きさの電流が電磁コイルに流れ、プランジャの吸引が確実に実行されるようになる。
(請求項2の効果)
請求項2記載の発明によれば、上記した請求項1記載の発明の効果に加え、次のような効果を奏する。
ここで、電磁コイルへの駆動電圧の印加を開始すると、電荷の蓄積を開始し、電荷の蓄積に伴って内部を流れる電流を徐々に減少させていく静電容量素子と、この静電容量素子と直列に接続されている起動制御用直流抵抗素子とを設け、静電容量素子の電荷の蓄積に伴い、起動制御用直流抵抗素子の電圧降下が低下する、換言すると、静電容量素子と起動制御用直流抵抗素子との接続点の電位が低下するようにしたので、当該接続点の電位に基づいて、駆動電圧の印加開始からの経過時間を検出すれば、当該経過時間の検出を正確に行うことができる。
従って、電磁コイルが過熱する前に、電流制御用直流抵抗素子の両端の短絡状態を確実に解除することができ、これにより、電磁コイルに流れる電流も確実に小さくできるので、電磁コイルの過熱を確実に防止でき、ひいては、電磁コイルの過熱による破損も確実に防止することができる。
[第1実施形態]
(図面の説明)
図1及び図2は、本第1実施形態を示すものであり、図1は、本第1実施形態に係るソレノイドアクチュエータを示す斜視図、図2は、本第1実施形態に係るソレノイドアクチュエータを示す電気回路図である。
(ソレノイドアクチュエータの概要)
本第1実施形態に係るソレノイドアクチュエータ1は、電磁コイル11が発生する電磁力で鉄製のプランジャ12を吸引するものである。
テンションスプリング2は、テンションスプリング2と係合するコイル状の弾性体であり、その弾性力(張力)によってプランジャ12を所定方向、具体的には、図1中右方向に付勢している。
また、電磁コイル11には、プランジャ12の吸引力を強めるために、側面形状が「コ」字形のヨーク13が取り付けられている。このヨーク13は、「コ」字形の背の部分から同じ方向へ延びる一対の腕部13A と、これらの腕部13A の端部を相互に連結している連結部13B とを備えたものとなっている。
プランジャ12は、円柱棒状の鉄製の部材であり、電磁コイル11に励磁電流を流すことで発生する磁力により、ボビン11B の挿通路の奥へ向かって吸引され、電磁コイル11の磁力が消滅すると、テンションスプリング2の張力でボビン11B の挿通路から外側方向へ引き出されるようになっている。
この際、ソレノイドアクチュエータ1は、電磁コイル11に励磁電流を流すと、プランジャ12がボビン11B の挿通路の奥へ向かって吸引され、プランジャ12の図1中左方の端部がヨーク13の連結部13B に当接した状態で停止し、この後も励磁電流の流通が持続されると、ヨーク13の連結部13B にプランジャ12の端部が当接した吸引状態を維持するように形成されている。
ソレノイド駆動装置14は、衝撃や外力が加わっても駆動回路17が壊れないように、駆動回路17を覆うケース14A を備えたものとなっている。なお、ケース14A は、内部に起動制御回路20等を収納する箱状の部材であり、金属又は合成樹脂から形成したものである。
駆動回路17は、電磁コイルに直列に接続された電流制御用直流抵抗素子18と、トランジスタ等の能動素子と直流抵抗素子等の受動素子とを組み合わせた起動制御回路20(図2参照)と備えたものとなっている。
なお、ソレノイド駆動装置14は、ソレノイドアクチュエータ1に設けられているヨーク13の一方の腕部13A の平面形状に応じたサイズの直方体状に形成され、当該腕部13A の表面に固定されている。
駆動回路17は、図2に示すように、電磁コイル11に直列に接続された電流制御用直流抵抗素子18と、電磁コイル11に並列に接続されたフリーホイールダイオード19と、駆動電圧の印加開始時に大きな電流が電磁コイル11に流れるように、回路の切り換えを行う起動制御回路20とを備えたものとなっている。
このうち、起動制御回路20は、駆動電圧の印加開始時に、電流制御用直流抵抗素子18の両端を短絡するとともに、駆動電圧の印加開始から所定時間が経過すると、電流制御用直流抵抗素子18の両端の短絡状態を解除するものとなっている。
一方、起動制御回路20が電流制御用直流抵抗素子18の両端の短絡状態を解除すると、電流制御用直流抵抗素子18と電磁コイル11とが直列に接続状態となって流れる電流を小さくするので、電磁コイル11には、起動励磁電流Aの流通によってなされたプランジャの吸引状態を維持でき、且つ、所定の連続励磁時間を超えて連続的に流すことができる大きさの連続励磁電流Bが流れるようになっている。
また、起動制御回路20には、電磁コイル11に励磁電流を流すために当該電磁コイル11への駆動電圧の印加を開始すると、電荷の蓄積を開始し、電荷の蓄積に伴って内部を流れる制御電流C(図2中実線で図示)を徐々に減少させていく静電容量素子であるコンデンサ22と、このコンデンサ22と直列に接続されている起動制御用直流抵抗素子23とが設けられている。
ここで、トランジスタ21は、ベース端子21B に印加されている制御電圧が所定値(例えば、0.7V)以上の場合には、そのコレクタ端子21C 及びエミッタ端子21E の間が閉状態となる一方、ベース端子21B に印加されている制御電圧が所定値よりも小さくなると、そのコレクタ端子21C 及びエミッタ端子21E の間が閉状態から開状態へ切り換わるものとなっている。
一方、コンデンサ22に流れる制御電流Cは、端子15A, 15Bに駆動電圧の印加が開始された時点において当該コンデンサ22に電荷が蓄積されていないことから、この時点で最大となり、徐々に低下していく。ここで、コンデンサ22及び起動制御用直流抵抗素子23は、駆動電圧の印加開始時から所定時間が経過するまで、ベース端子21B に印加されている制御電圧を所定値よりも大きい値に維持できる時定数を形成するものとなっている。
そして、駆動電圧の印加開始時刻T1 から所定時間tが経過した切換時刻T2 で、コンデンサ22への電荷の蓄積が完了すると、コンデンサ22によって電流が堰き止められることから、ほぼ0Vまで低下するようになっている。
以上において、コンデンサ22は、電荷の蓄積に伴って内部を流れる制御電流Cを徐々に減少させていく静電容量素子となっており、起動制御用直流抵抗素子23は、コンデンサ22と直列に接続されている直流抵抗素子となっている。
これにより、端子15A, 15Bに印加される駆動電圧は、印加開始時刻T1 から所定時間tが経過する切換時刻T2 までの間、電磁コイル11のみに印加され、切換時刻T2 より後は、電磁コイル11及び電流制御用直流抵抗素子18によって分圧されるようになっている。
そして、切換時刻T2 より後、駆動電圧が電磁コイル11及び電流制御用直流抵抗素子18に分圧されることから、電磁コイル11の両端には、図3に示すように、駆動電圧から電流制御用直流抵抗素子18の電圧降下を差し引いた連続作動用電圧Vc が印加されるようになっている。
ここで、トランジスタ21のコレクタ端子21C 及びエミッタ端子21E が閉状態から開状態となるまでの所定時間tは、トランジスタ21を開状態にすることで励磁電流を低下させても、電磁コイル11の吸引力Pがテンションスプリング2の張力Wよりも弱くならないように設定されている。
ここで、ストロークSは、プランジャ12の図1中左方の端部とヨーク13の連結部13B との距離であり、プランジャ12の図1中左方の端部がヨーク13の連結部13B に当接する位置がプランジャ12の原点(ストロークSが「0」となる位置)となっている。
また、電磁コイル11の吸引力Pは、電磁コイル11に流れる電流が大きいほど強く、図4には、起動励磁電流Aを電磁コイル11に流した場合のストロークSと吸引力Pとの関係(図4中破線で示されている)と、連続励磁電流Bを電磁コイル11に流した場合のストロークSと吸引力Pとの関係(図4中実線で示されている)とが示されている。
ここで、図4において、プランジャ12がストロークSの所定値S1 よりも小さい場合には、起動励磁電流Aを電磁コイル11に流した場合でも、連続励磁電流Bを電磁コイル11に流した場合でも、電磁コイル11の吸引力Pがテンションスプリング2の張力Wよりも強くなっている。
従って、駆動電圧の印加を開始するにあたり、トランジスタ21を閉状態にして、起動励磁電流Aが電磁コイル11に流れるようにすれば、プランジャ12をテンションスプリング2の張力Wに抗して原点に向かって移動させることができる。
換言すると、駆動電圧の印加を開始してからストロークSが所定値S1 よりも小さくなるのに要する時間が経過した後に、トランジスタ21を開状態にすれば、図5に示すように、ストロークSが所定値S1 よりも大きい領域、及び、小さい領域のいずれにおいても、吸引力P(図5中実線で示されている)が張力W(図5中二点鎖線で示されている)よりも常に大きくなるので、プランジャ12を吸引して原点まで移動させることができる。
前述のような本実施形態によれば、次のような効果が得られる。
すなわち、プランジャ12を磁力で吸引するための電磁コイル11に電流制御用直流抵抗素子18を直列に接続し、さらに、駆動電圧の印加開始時に、電流制御用直流抵抗素子18の両端を短絡するとともに、駆動電圧の印加開始から所定時間が経過すると、電流制御用直流抵抗素子18の両端の短絡状態を解除する起動制御回路20を設け、電磁コイル11に対して駆動電圧を印加し始めると、電流制御用直流抵抗素子18の両端が短絡され、これにより、電圧側から見た直流抵抗値が小さくなって、プランジャ12を吸引するのに充分な大きさの起動励磁電流Aが電磁コイル11に流れるようになり、プランジャ12の吸引を確実に実行させることができるようになる。
この際、駆動電圧の印加開始と同時に電荷の蓄積を開始するコンデンサ22を起動制御回路20に設け、電荷の蓄積に伴いコンデンサ22に流れる電流が小さくなるようにしたので、コンデンサ22と、このコンデンサ22に直列に接続された起動制御用直流抵抗素子23の電圧降下が低下していくようになる。
このため、ソレノイドアクチュエータ1は、一つの電磁コイル11で形成でき、二つの電磁コイルを備える必要がなくなるうえ、起動制御回路20は、コンデンサ22、起動制御用直流抵抗素子23及びトランジスタ21を含んだ素子数の少ない簡単な回路で形成でき、多くの素子を設ける必要がなくなるので、電磁コイル11の過熱防止を図っても、製造コストの高騰を回避することができる。
ここで、電磁コイル11への駆動電圧の印加を開始すると、電荷の蓄積を開始し、電荷の蓄積に伴って内部を流れる電流を徐々に減少させていくコンデンサ22と、このコンデンサ22と直列に接続されている起動制御用直流抵抗素子23とを設け、コンデンサ22の電荷の蓄積に伴い、起動制御用直流抵抗素子23の電圧降下が低下する、換言すると、コンデンサ22と起動制御用直流抵抗素子23との接続点の電位が低下するようにしたので、当該接続点の電位に基づいて、駆動電圧の印加開始からの経過時間を検出すれば、当該経過時間の検出を正確に行うことができる。
従って、電磁コイル11が過熱する前に、電流制御用直流抵抗素子18の両端の短絡状態を確実に解除することができ、これにより、電磁コイル11に流れる電流も確実に小さくできるので、電磁コイル11の過熱を確実に防止でき、ひいては、電磁コイル11の過熱による破損も確実に防止することができる。
[第2実施形態]
(図面の説明)
図6及び図7は、本第2実施形態を示すものであり、図6は、本第2実施形態に係るソレノイドアクチュエータを示す斜視図、図7は、本第2実施形態に係るソレノイドアクチュエータを示す電気回路図である。
すなわち、本第2実施形態に係るソレノイドアクチュエータ1Aは、図6に示すように、前記第1実施形態と同一構造の電磁コイル11と、この電磁コイル11に駆動電圧を印加するためソレノイド駆動装置34とを備えたものとなっている。なお、電磁コイル11は、前記第1実施形態と同一構造であるので、その詳しい説明は省略する。
ソレノイド駆動装置34は、箱状に形成されたケース34A の内部に収納されたものとなっている
ここで、ソレノイド駆動装置34は、電源線36を通じてソレノイドアクチュエータ1Aを駆動する駆動電圧Vdrが印加されるものとなっている。この電源線36には、駆動電圧Vdrを印加するための被覆導線36A と、操作電圧Vopを印加するための被覆導線36B と、駆動電圧Vdr及び操作電圧Vopを接地させる共通線である被覆導線36C とが設けられている。
ソレノイドアクチュエータ1Aに設けられているジャック34B は、ケース34A の表面に形成されたものであり、電源線36の被覆導線36A,36B,36Cの各々に対応した端子35A,35B,35C を有している。端子35A,35B,35C のうち、端子35A は、ソレノイドアクチュエータの駆動電圧Vdrを受けるものであり、端子35B は、操作電圧Vopを受けるものであり、端子35C は、駆動電圧Vdr及び操作電圧Vopの両方を同様に接地させるコモン端子である。
なお、ソレノイド駆動装置34は、前記第1実施形態のソレノイド駆動装置14と同様に、ヨーク13の一方の腕部13A の平面形状に応じたサイズの直方体状に形成され、当該腕部13A の表面に固定されている。
駆動回路37は、図7に示すように、前記第1実施形態における駆動回路17と同様の電流制御用直流抵抗素子18及びフリーホイールダイオード19、並びに、前記第1実施形態における駆動回路17とは異なる起動制御回路40を備えたものとなっている。
すなわち、起動制御回路40は、ソレノイドアクチュエータ1Aの起動/停止を操作するとともに、駆動電圧Vdrの印加開始時に大きな電流が電磁コイル11に流れるように、回路の切り換えを行うものとなっている。換言すると、起動制御回路40は、ソレノイドアクチュエータ1Aの起動/停止の操作を行う操作制御部50と、電磁コイル11に流れる電流の大きさを変えるために回路の切り換えを行う回路切換部40A とを備えたものとなっている。
操作用直流抵抗素子51は、一端が操作電圧Vopを受ける端子35B と、トランジスタ52のベース端子52B との両方に接続されている。また、操作用直流抵抗素子51の他端は、接地された端子35C に接続されている。
これにより、操作制御部50は、端子35B, 35Cに操作電圧Vopが印加されると、操作用直流抵抗素子51に所定の電流が流れ、操作用直流抵抗素子51に両端に所定の電圧降下が生じ、この電圧降下によって、トランジスタ52が閉状態に移行、すなわち、トランジスタ52のコレクタ端子52C とエミッタ端子52E とが導通状態となるように形成されている。
これにより、電磁コイル11及び電流制御用直流抵抗素子18は、コレクタ端子52C とエミッタ端子52E とが導通状態に移行すると、直列に接続された電磁コイル11及び電流制御用直流抵抗素子18の両方に駆動電圧Vdrが印加されて、連続励磁電流B(図7中一点鎖線で図示)が流通するようになっている。
回路切換部40A は、操作電圧Vopの印加が開始された時に、直列に接続されたトランジスタ52及び電流制御用直流抵抗素子18の両端を短絡するとともに、操作電圧Vopの印加開始から所定時間が経過すると、トランジスタ52及び電流制御用直流抵抗素子18の両端の短絡状態を解除するものとなっている。
これにより、電磁コイル11には、回路切換部40A が電流制御用直流抵抗素子18の両端を短絡状態にすると、弾性体の弾性力に抗してプランジャを吸引可能な磁力を発生するのに充分な起動励磁電流A(図7中破線で図示)が流れようになっている。
さらに詳しく説明すると、回路切換部40A には、電流制御用直流抵抗素子18と並列に接続され、開状態から閉状態に移行すると、当該電流制御用直流抵抗素子18の両端を短絡するスイッチング素子であるトランジスタ41が設けられている。
トランジスタ41は、所定の制御電圧が印加される制御端子としてのベース端子41B を備え、このベース端子41B がコンデンサ42と起動制御用直流抵抗素子43との接続点44に接続されている。
そして、ベース端子41B に加わる制御電圧は、図7の如く、端子35B, 35Cに印加されている操作電圧Vopをコンデンサ22と起動制御用直流抵抗素子23とで分圧した電圧であり、グランド側の端子35C との間に、起動制御用直流抵抗素子43が接続されていることから、ベース端子41B に印加されている制御電圧が起動制御用直流抵抗素子43の電圧降下に等しくなっている。
従って、ベース端子21B に印加されている制御電圧は、端子35B, 35Cに操作電圧Vopの印加が開始されると、操作電圧Vopにほぼ等しい最大電圧まで速やかに立ち上がり、コレクタ端子41C 及びエミッタ端子41E を速やかに閉状態にし、電磁コイル11に起動励磁電流Aを流通させるようになっている。
以上のような本第2実施形態によっても、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
例えば、ソレノイド駆動装置としては、ヨーク13に設けられている一対の腕部13A の一方に取り付けられたソレノイド駆動装置14, 34に限らず、図8に示すように、ヨーク13の連結部13B に応じたサイズの直方体状に形成され、当該腕部13A の連結部13B に取り付けられるように形成されたソレノイド駆動装置34C でもよい。
また、ソレノイド駆動装置としては、ソレノイドアクチュエータ1,1Aに一体に設けられたソレノイド駆動装置14, 34に限らず、図9に示すように、ソレノイドアクチュエータ1とは別個に設けられたソレノイド駆動装置54でもよい。
このようにすれば、ソレノイドアクチュエータ1とは別個にソレノイド駆動装置54を設けても、ソレノイドアクチュエータ1とソレノイド駆動装置54との配線の接続作業が容易に行える。
さらに、弾性体としては、テンションスプリングに限らず、コンプレッションスプリングでもよい。
2 弾性体としてのテンションスプリング
11 電磁コイル
12 プランジャ
14,34,34C,54 ソレノイド駆動装置
18 電流制御用直流抵抗素子
20, 40 起動制御回路
21B, 41B 制御端子としてのベース端子
21, 41 スイッチング素子としてのトランジスタ
22, 42 静電容量素子としてのコンデンサ
23, 43 起動制御用直流抵抗素子
Claims (3)
- 弾性体と係合するとともに、この弾性体の弾性力によって所定方向に付勢されているプランジャと、駆動電圧の印加によって励磁電流が流れると磁力を発生し、この磁力で前記プランジャを前記弾性体の弾性力に抗して吸引する電磁コイルとを備えたソレノイドアクチュエータに駆動電圧を印加するソレノイド駆動装置であって、
前記電磁コイルに直列に接続された電流制御用直流抵抗素子と、
駆動電圧の印加開始時には、前記電流制御用直流抵抗素子の両端を短絡するとともに、駆動電圧の印加開始から所定時間が経過すると、前記電流制御用直流抵抗素子の両端の短絡状態を解除する起動制御回路とを備え、
前記起動制御回路が前記電流制御用直流抵抗素子の両端を短絡状態にすると、前記弾性体の弾性力に抗して前記プランジャを吸引可能な磁力を発生するのに充分な起動励磁電流が前記電磁コイルに流れ、前記起動制御回路が前記電流制御用直流抵抗素子の両端の短絡状態を解除すると、前記電流制御用直流抵抗素子が前記電磁コイルに流れる電流を小さくし、起動励磁電流の流通によってなされた前記プランジャの吸引状態を維持でき、且つ、所定の連続励磁時間を超えて連続的に流すことができる大きさの連続励磁電流が前記電磁コイルに流れるように形成されていることを特徴とするソレノイド駆動装置。 - 前記起動制御回路には、
前記電流制御用直流抵抗素子と並列に接続され、開状態から閉状態に移行すると、当該電流制御用直流抵抗素子の両端を短絡するスイッチング素子と、
前記電磁コイルに励磁電流を流すために当該電磁コイルへの駆動電圧の印加を開始すると、電荷の蓄積を開始し、電荷の蓄積に伴って内部を流れる電流を徐々に減少させていく静電容量素子と、
この静電容量素子と直列に接続されている起動制御用直流抵抗素子とが設けられ、
前記スイッチング素子は、所定の制御電圧が印加される制御端子を備え、この制御端子が前記静電容量素子と前記起動制御用直流抵抗素子との接続点に接続されるとともに、この制御端子に印加されている制御電圧が所定値よりも小さくなると閉状態から開状態へ切り換わり、前記電流制御用直流抵抗素子の両端の短絡状態を解除するように形成されていることを特徴とする請求項1記載のソレノイド駆動装置。 - 弾性体と係合するとともに、この弾性体の弾性力によって所定方向に付勢されているプランジャと、駆動電圧の印加によって励磁電流が流れると磁力を発生し、この磁力で前記プランジャを前記弾性体の弾性力に抗して吸引する電磁コイルとを備えたソレノイドアクチュエータであって、
当該ソレノイドアクチュエータには、駆動電圧を印加するソレノイド駆動装置が一体となるように設けられ、
このソレノイド駆動装置には、
前記電磁コイルに直列に接続された電流制御用直流抵抗素子と、
駆動電圧の印加開始時に、前記電流制御用直流抵抗素子の両端を短絡するとともに、駆動電圧の印加開始から所定時間が経過すると、前記電流制御用直流抵抗素子の両端の短絡状態を解除する起動制御回路とが設けられ、
前記起動制御回路が前記電流制御用直流抵抗素子の両端を短絡状態にすると、前記弾性体の弾性力に抗して前記プランジャを吸引可能な磁力を発生するのに充分な起動励磁電流が前記電磁コイルに流れ、前記起動制御回路が前記電流制御用直流抵抗素子の両端の短絡状態を解除すると、前記電流制御用直流抵抗素子が前記電磁コイルに流れる電流を小さくし、起動励磁電流の流通によってなされた前記プランジャの吸引状態を維持でき、且つ、所定の連続励磁時間を超えて連続的に流すことができる大きさの連続励磁電流が前記電磁コイルに流れるように形成されていることを特徴とするソレノイドアクチュエータ。
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- 2008-06-16 JP JP2008156220A patent/JP2009302358A/ja active Pending
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