JP2005032526A - リレー装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】機械式接点で発生するアークを防止するアーク防止回路をケース内部に放熱性良く設け、回路の単純化、部品点数の減少を図り、電気回路の小型化を図る。
【解決手段】コイル2、鉄芯3、ヨーク5、板バネ部材6、接極子7、コイルバネ8、共通端子9の上端部、リード線10、接触片11、可動接点12、固定端子13の上端部、固定接点14、リード線15、半導体チップ16、コイル端子17の上端部は、リレーケース4内に格納されている。半導体チップ16は、固定端子13の固定接点14を設けた側とは反対側の面に設けられ、固定端子13と電気的に接続されると共に、固定接点14とリード線15を通じて電気的に接続されて、可動接点12が固定接点14からの離接により生じるアーク防止回路を有する。
【選択図】 図1
【解決手段】コイル2、鉄芯3、ヨーク5、板バネ部材6、接極子7、コイルバネ8、共通端子9の上端部、リード線10、接触片11、可動接点12、固定端子13の上端部、固定接点14、リード線15、半導体チップ16、コイル端子17の上端部は、リレーケース4内に格納されている。半導体チップ16は、固定端子13の固定接点14を設けた側とは反対側の面に設けられ、固定端子13と電気的に接続されると共に、固定接点14とリード線15を通じて電気的に接続されて、可動接点12が固定接点14からの離接により生じるアーク防止回路を有する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、42Vバッテリにより電動モータやランプを電気負荷として用いる車両の電気回路に使用するリレー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両においては各種電装品の増加と、これら電装品の効率的な利用のため、複数の電圧系統(例えば、42Vの電圧系統と14Vの電圧系統)を備えたものが実用化されている。このように、車両の電装電圧が高電圧化すると、特にリレー等の機械式スイッチ接点が離接する際、接点間にアークが発生し、接点の耐久性を低下させる虞がある。
【0003】
一般的なリレー装置としては、例えば、特開2001−76603号公報に示されるように、コイルが巻回されて磁極部が設けられた鉄芯と、鉄芯の磁極部に吸引離反されて駆動される接極子と、接極子が駆動されることにより離接する接点部と、これらを格納するケースを備えたリレー装置が既に知られている。こうしたリレー装置を、上述のような車両の高電圧系に用いる場合、アークの発生を考慮して、周知の如く半導体素子を利用したアーク防止回路を、それぞれ設ける必要がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−76603号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アーク防止回路をリレー装置のケース外部にその都度設ける回路構成では、回路の複雑化、部品点数の増加を招き、電気回路が大型化するという問題がある。また、アーク防止回路を単純にリレー回路の内部に設ける構成では、アーク防止回路が発生する熱がケース内部に籠もり、アーク防止回路の作動不良を生じてしまう虞がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、機械式接点で発生するアークを防止するアーク防止回路を、ケース内部に放熱性良く設け、回路の単純化、部品点数の減少を図り、電気回路の小型化を図ることができるリレー装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の本発明によるリレー装置は、コイルが巻回されて磁極部が端部に形成された鉄芯と、該鉄芯の磁極部に吸引離反され駆動される接極子と、該接極子に設けた可動接点と、上記接極子が上記鉄芯の磁極部に吸引駆動された際に上記可動接点が接触して電気的に接続する固定端子に設けた固定接点と、少なくとも上記コイルと上記鉄芯と上記接極子と上記可動接点と上記固定接点とを格納するケースとを備えたリレー装置において、上記ケース内で、上記固定端子の上記固定接点を設けた側とは反対側の面に、上記可動接点が上記固定接点からの離接により生じるアーク防止回路を有する半導体チップを設けたことを特徴としている。
【0008】
また、請求項2記載の本発明によるリレー装置は、請求項1記載のリレー装置において、上記半導体チップは、上記固定接点から直列に半導体スイッチ接点を介装するものであり、上記可動接点と上記固定接点のON−OFF状態に応じて上記半導体スイッチ接点のON−OFFを実行させる半導体スイッチ接点制御手段を有していることを特徴としている。
【0009】
更に、請求項3記載の本発明によるリレー装置は、請求項2記載のリレー装置において、上記半導体スイッチ接点は、ベース電圧に応じてエミッタとコレクタ間をON−OFFするPNPトランジスタで形成し、上記半導体スイッチ接点制御手段は、上記可動接点と上記固定接点のOFF時に上記ベース電圧をハイレベルにしてエミッタとコレクタ間をOFF状態とする一方、上記可動接点と上記固定接点のON時に上記ベース電圧をローレベルにしてエミッタとコレクタ間をON状態とする定電圧ダイオード回路で構成したことを特徴としている。
【0010】
また、請求項4記載の本発明によるリレー装置は、請求項3記載のリレー装置において、上記定電圧ダイオードは、上記可動接点と上記固定接点との間のアーク電圧の発生で、上記定電圧ダイオードに流れる電流を遮断して上記ベース電圧をハイレベルとする特性を有することを特徴としている。
【0011】
すなわち、請求項1記載のリレー装置は、ケース内で、固定端子の固定接点を設けた側とは反対側の面に、可動接点が固定接点からの離接により生じるアーク防止回路を有する半導体チップを設けたため、回路の単純化、部品点数の減少を図り、電気回路の小型化を図りながら機械式接点で発生するアークを防止することが可能となる。また、半導体チップで発生する熱は固定端子から外部に放熱されるので、ケース内に熱が籠もることがない。
【0012】
そして、具体的には、請求項2記載のように、可動接点が固定接点からOFFすると、半導体スイッチ接点制御手段が、固定接点から直列に介装された半導体スイッチ接点をOFFさせる。逆に、可動接点が固定接点にONすると、半導体スイッチ接点制御手段が、半導体スイッチ接点をONさせる。
【0013】
ここで、半導体スイッチ接点は、具体的には、請求項3記載のように、ベース電圧に応じてエミッタとコレクタ間をON−OFFするPNPトランジスタで形成し、半導体スイッチ接点制御手段は、可動接点と固定接点のOFF時にベース電圧をハイレベルにしてエミッタとコレクタ間をOFF状態とする一方、可動接点と固定接点のON時にベース電圧をローレベルにしてエミッタとコレクタ間をON状態とする定電圧ダイオード回路で構成される。
【0014】
この際、定電圧ダイオードは、請求項4記載のように、可動接点と固定接点との間のアーク電圧の発生で、定電圧ダイオードに流れる電流を遮断してベース電圧をハイレベルとする特性を有する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1及び図2は本発明の実施の一形態を示し、図1はリレー装置の要部説明図、図2はリレー装置を用いた電気回路の一例を示す回路図である。
【0016】
図1において、符号1は、リレー装置を示し、このリレー装置1は、コイル2が巻回されて磁極部3aが端部に形成された鉄芯3と、下部5aがケース基台4aに支えられ、鉄心3を、ケース基台4aからの立設部5b内に支える断面コ字状のヨーク5とを有している。
【0017】
また、リレー装置1は、ヨーク5の上部5c先端から板バネ部材6により支持されて、鉄芯3の磁極部3aに吸引離反され駆動される接極子7と、接極子7端部とヨーク5の立設部5b上端との間に設け、接極子7を、常時鉄芯3の磁極部3aから離反する方向に付勢するコイルバネ8と、接極子7と共に板バネ部材6により支持されて、端部がリレー装置1の機械式接点の共通端子9とリード線10により接続された接触片11を有している。
【0018】
更に、リレー装置1は、接触片11の先端側に可動接点12が設けられ、この可動接点12と対向した位置に、接極子7が鉄芯3の磁極部3aに吸引駆動された際に可動接点12が接触して電気的に接続する固定接点14が、固定端子13と電気的絶縁を保って設けられている。
【0019】
そして、固定端子13の固定接点14を設けた側とは反対側の面には、固定端子13と電気的に接続されると共に、固定接点14とリード線15を通じて電気的に接続されて、可動接点12が固定接点14からの離接により生じるアーク防止回路を有する半導体チップ16が設けられている。
【0020】
また、リレー装置1は、コイル2と電気的に接続されたコイル端子17が設けられている。
【0021】
そして、上述のコイル2、鉄芯3、ヨーク5、板バネ部材6、接極子7、コイルバネ8、共通端子9の上端部、リード線10、接触片11、可動接点12、固定端子13の上端部、固定接点14、リード線15、半導体チップ16、コイル端子17の上端部は、ケース基台4aとケース本体4bから主要に構成されるリレーケース4内に格納されている。
【0022】
次に、上述の半導体チップ16の具体的な内部構成とリレー装置1を用いた電気回路の一例を、図2により説明する。図2において、符号Vbatは、例えば車両に搭載される、電源としての42Vバッテリを示し、この42VバッテリVbatからの電流は、電動モータやランプ等の負荷Roに供給される。
【0023】
この42Vバッテリbatから負荷Roまでの回路上には、リレー装置1の共通端子9(42Vバッテリbat側)と固定端子13(負荷Ro側)が介装され、リレー装置1のコイル端子17は、例えば、ドライバ等によりON−OFFされるシーソスイッチを有する図示しない電気回路と接続されている。
【0024】
リレー装置1の固定端子13に設けられた半導体チップ16は、PNPトランジスタTr、定電圧ダイオードDz、抵抗R1、R2を有して主要に構成される。
【0025】
そして、回路上では、リレー装置1の固定接点14と固定端子13との間には、半導体スイッチ接点としてのPNPトランジスタTrのエミッタとコレクタが、固定接点14から直列に介装されている。
【0026】
また、リレー装置1の固定接点14とPNPトランジスタTrのエミッタとの間からは抵抗R1を介して、半導体スイッチ接点制御手段としての、定電圧ダイオードDz、抵抗R2からなる定電圧ダイオード回路20が接続されており、抵抗R1と定電圧ダイオード回路20との間には、PNPトランジスタTrのベースが接続されている。
【0027】
定電圧ダイオード回路20は、抵抗R1側から抵抗R2と定電圧ダイオードDzとを直列に接続して構成され、定電圧ダイオードDzの向きは、抵抗R2側がカソードとなっている。また、定電圧ダイオードDzの特性は、ブレーク電圧>(電源電圧−可動接点12と固定接点14との間におけるアーク電圧)となるように設定されている。
【0028】
次に、上記回路の動作について説明する。
まず、ドライバがシーソスイッチ(図示せず)をOFF状態からON状態として、コイル2を通電すると、リレー装置1の接極子7が鉄芯3の磁極部3aに吸引駆動され、可動接点12が固定接点14と接触して、このリレー装置1の機械式接点がONされる。
【0029】
これにより、42Vバッテリbatから固定接点14へと電流が流れ、リード線15を介して半導体チップ16へと電流が流れる。こうして、定電圧ダイオード回路20側に流れた電流は、定電圧ダイオードDzにより定電圧が保たれる。そして、抵抗R1と抵抗R2の分圧に応じた電圧がPNPトランジスタTrのベース電圧となってローレベルとなり、PNPトランジスタTrのエミッタとコレクタ間がONされて、負荷Roに電気が供給される。
【0030】
逆に、ドライバがシーソスイッチ(図示せず)をON状態からOFF状態として、コイル2の通電を遮断すると、リレー装置1の接極子7に対する鉄芯3の磁極部3aの吸引力が無くなり、コイルバネ8の付勢力で可動接点12が固定接点14から離接して、このリレー装置1の機械式接点がOFFされる。
【0031】
ここで、可動接点12が固定接点14の離接の際にアークが発生すると、これら接点の両側にアーク電圧が発生する。この際、定電圧ダイオードDzの特性が、ブレーク電圧>(電源電圧−可動接点12と固定接点14との間におけるアーク電圧)であるので、PNPトランジスタTrのベース電圧はハイレベルとなって、PNPトランジスタTrのエミッタとコレクタ間がOFFされて、アークは消弧する。
【0032】
このように、本発明の実施の形態によれば、高速でアークを消弧するため、リレー装置1の機械式スイッチ接点の消耗は少なく、耐久性を向上させることができる。また、リレー装置1の機械式スイッチ接点がOFFの際には、電流のリークが無く高い信頼性を確保することが可能になっている。更に、特別に、複雑な制御装置を設けることなく実現できるので、コスト的にも有利となっている。また、リレー装置1のリレーケース4内にアーク防止回路を備えた半導体チップ16を共に格納する構成であるため、回路の単純化、部品点数の減少を図り、電気回路の小型化を図ることができる。更に、半導体チップ16をリレーケース4内に格納するにあたり、固定端子13の固定接点14を設けた側とは反対側の面に設けるようにしているので、半導体チップ16で発生する熱を固定端子13を通じてリレーケース4外に放熱することができるので、リレーケース4内に熱が籠もることが無く誤動作の原因となることがない。
【0033】
尚、本発明の実施の形態では、半導体チップ16は、半導体スイッチ接点としてのPNPトランジスタTrを用いているがNPNトランジスタや他の半導体スイッチ接点を用いても良い。例えば、NPNトランジスタを用いた場合、ベース電圧の制御は、上述のPNPトランジスタTrの例とは異なる。すなわち、リレー装置1の機械式スイッチ接点のOFF時にベース電圧をローレベルにしてエミッタとコレクタ間をOFF状態とする一方、機械式スイッチ接点のON時にベース電圧をハイレベルにしてエミッタとコレクタ間をON状態とする。
【0034】
更に、本発明の実施の形態では、半導体スイッチ接点制御手段としての定電圧ダイオード回路20を用いているが、同様の作用をするのであれば、トランジスタを用いた回路や、他のダイオード等を用いた回路を用いて構成するようにしても良い。
【0035】
また、本発明の実施の形態では、具体的に、車両の電源回路に適用することを例に説明しているが、車両以外の他の電源回路であっても適用できることは云うまでもない。
【0036】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、機械式接点で発生するアークを防止するアーク防止回路を、ケース内部に放熱性良く設け、回路の単純化、部品点数の減少を図り、電気回路の小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リレー装置の要部説明図
【図2】リレー装置を用いた電気回路の一例を示す回路図
【符号の説明】
1 リレー装置
2 コイル
3 鉄芯
3a 磁極部
4 リレーケース
5 ヨーク
6 板バネ部材
7 接極子
8 コイルバネ
9 共通端子
11 接触片
12 可動接点
13 固定端子
14 固定接点
16 半導体チップ
20 定電圧ダイオード回路(半導体スイッチ接点制御手段)
Tr PNPトランジスタ(半導体スイッチ接点)
Dz 定電圧ダイオード
【発明の属する技術分野】
本発明は、特に、42Vバッテリにより電動モータやランプを電気負荷として用いる車両の電気回路に使用するリレー装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、車両においては各種電装品の増加と、これら電装品の効率的な利用のため、複数の電圧系統(例えば、42Vの電圧系統と14Vの電圧系統)を備えたものが実用化されている。このように、車両の電装電圧が高電圧化すると、特にリレー等の機械式スイッチ接点が離接する際、接点間にアークが発生し、接点の耐久性を低下させる虞がある。
【0003】
一般的なリレー装置としては、例えば、特開2001−76603号公報に示されるように、コイルが巻回されて磁極部が設けられた鉄芯と、鉄芯の磁極部に吸引離反されて駆動される接極子と、接極子が駆動されることにより離接する接点部と、これらを格納するケースを備えたリレー装置が既に知られている。こうしたリレー装置を、上述のような車両の高電圧系に用いる場合、アークの発生を考慮して、周知の如く半導体素子を利用したアーク防止回路を、それぞれ設ける必要がある。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−76603号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アーク防止回路をリレー装置のケース外部にその都度設ける回路構成では、回路の複雑化、部品点数の増加を招き、電気回路が大型化するという問題がある。また、アーク防止回路を単純にリレー回路の内部に設ける構成では、アーク防止回路が発生する熱がケース内部に籠もり、アーク防止回路の作動不良を生じてしまう虞がある。
【0006】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、機械式接点で発生するアークを防止するアーク防止回路を、ケース内部に放熱性良く設け、回路の単純化、部品点数の減少を図り、電気回路の小型化を図ることができるリレー装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため請求項1記載の本発明によるリレー装置は、コイルが巻回されて磁極部が端部に形成された鉄芯と、該鉄芯の磁極部に吸引離反され駆動される接極子と、該接極子に設けた可動接点と、上記接極子が上記鉄芯の磁極部に吸引駆動された際に上記可動接点が接触して電気的に接続する固定端子に設けた固定接点と、少なくとも上記コイルと上記鉄芯と上記接極子と上記可動接点と上記固定接点とを格納するケースとを備えたリレー装置において、上記ケース内で、上記固定端子の上記固定接点を設けた側とは反対側の面に、上記可動接点が上記固定接点からの離接により生じるアーク防止回路を有する半導体チップを設けたことを特徴としている。
【0008】
また、請求項2記載の本発明によるリレー装置は、請求項1記載のリレー装置において、上記半導体チップは、上記固定接点から直列に半導体スイッチ接点を介装するものであり、上記可動接点と上記固定接点のON−OFF状態に応じて上記半導体スイッチ接点のON−OFFを実行させる半導体スイッチ接点制御手段を有していることを特徴としている。
【0009】
更に、請求項3記載の本発明によるリレー装置は、請求項2記載のリレー装置において、上記半導体スイッチ接点は、ベース電圧に応じてエミッタとコレクタ間をON−OFFするPNPトランジスタで形成し、上記半導体スイッチ接点制御手段は、上記可動接点と上記固定接点のOFF時に上記ベース電圧をハイレベルにしてエミッタとコレクタ間をOFF状態とする一方、上記可動接点と上記固定接点のON時に上記ベース電圧をローレベルにしてエミッタとコレクタ間をON状態とする定電圧ダイオード回路で構成したことを特徴としている。
【0010】
また、請求項4記載の本発明によるリレー装置は、請求項3記載のリレー装置において、上記定電圧ダイオードは、上記可動接点と上記固定接点との間のアーク電圧の発生で、上記定電圧ダイオードに流れる電流を遮断して上記ベース電圧をハイレベルとする特性を有することを特徴としている。
【0011】
すなわち、請求項1記載のリレー装置は、ケース内で、固定端子の固定接点を設けた側とは反対側の面に、可動接点が固定接点からの離接により生じるアーク防止回路を有する半導体チップを設けたため、回路の単純化、部品点数の減少を図り、電気回路の小型化を図りながら機械式接点で発生するアークを防止することが可能となる。また、半導体チップで発生する熱は固定端子から外部に放熱されるので、ケース内に熱が籠もることがない。
【0012】
そして、具体的には、請求項2記載のように、可動接点が固定接点からOFFすると、半導体スイッチ接点制御手段が、固定接点から直列に介装された半導体スイッチ接点をOFFさせる。逆に、可動接点が固定接点にONすると、半導体スイッチ接点制御手段が、半導体スイッチ接点をONさせる。
【0013】
ここで、半導体スイッチ接点は、具体的には、請求項3記載のように、ベース電圧に応じてエミッタとコレクタ間をON−OFFするPNPトランジスタで形成し、半導体スイッチ接点制御手段は、可動接点と固定接点のOFF時にベース電圧をハイレベルにしてエミッタとコレクタ間をOFF状態とする一方、可動接点と固定接点のON時にベース電圧をローレベルにしてエミッタとコレクタ間をON状態とする定電圧ダイオード回路で構成される。
【0014】
この際、定電圧ダイオードは、請求項4記載のように、可動接点と固定接点との間のアーク電圧の発生で、定電圧ダイオードに流れる電流を遮断してベース電圧をハイレベルとする特性を有する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1及び図2は本発明の実施の一形態を示し、図1はリレー装置の要部説明図、図2はリレー装置を用いた電気回路の一例を示す回路図である。
【0016】
図1において、符号1は、リレー装置を示し、このリレー装置1は、コイル2が巻回されて磁極部3aが端部に形成された鉄芯3と、下部5aがケース基台4aに支えられ、鉄心3を、ケース基台4aからの立設部5b内に支える断面コ字状のヨーク5とを有している。
【0017】
また、リレー装置1は、ヨーク5の上部5c先端から板バネ部材6により支持されて、鉄芯3の磁極部3aに吸引離反され駆動される接極子7と、接極子7端部とヨーク5の立設部5b上端との間に設け、接極子7を、常時鉄芯3の磁極部3aから離反する方向に付勢するコイルバネ8と、接極子7と共に板バネ部材6により支持されて、端部がリレー装置1の機械式接点の共通端子9とリード線10により接続された接触片11を有している。
【0018】
更に、リレー装置1は、接触片11の先端側に可動接点12が設けられ、この可動接点12と対向した位置に、接極子7が鉄芯3の磁極部3aに吸引駆動された際に可動接点12が接触して電気的に接続する固定接点14が、固定端子13と電気的絶縁を保って設けられている。
【0019】
そして、固定端子13の固定接点14を設けた側とは反対側の面には、固定端子13と電気的に接続されると共に、固定接点14とリード線15を通じて電気的に接続されて、可動接点12が固定接点14からの離接により生じるアーク防止回路を有する半導体チップ16が設けられている。
【0020】
また、リレー装置1は、コイル2と電気的に接続されたコイル端子17が設けられている。
【0021】
そして、上述のコイル2、鉄芯3、ヨーク5、板バネ部材6、接極子7、コイルバネ8、共通端子9の上端部、リード線10、接触片11、可動接点12、固定端子13の上端部、固定接点14、リード線15、半導体チップ16、コイル端子17の上端部は、ケース基台4aとケース本体4bから主要に構成されるリレーケース4内に格納されている。
【0022】
次に、上述の半導体チップ16の具体的な内部構成とリレー装置1を用いた電気回路の一例を、図2により説明する。図2において、符号Vbatは、例えば車両に搭載される、電源としての42Vバッテリを示し、この42VバッテリVbatからの電流は、電動モータやランプ等の負荷Roに供給される。
【0023】
この42Vバッテリbatから負荷Roまでの回路上には、リレー装置1の共通端子9(42Vバッテリbat側)と固定端子13(負荷Ro側)が介装され、リレー装置1のコイル端子17は、例えば、ドライバ等によりON−OFFされるシーソスイッチを有する図示しない電気回路と接続されている。
【0024】
リレー装置1の固定端子13に設けられた半導体チップ16は、PNPトランジスタTr、定電圧ダイオードDz、抵抗R1、R2を有して主要に構成される。
【0025】
そして、回路上では、リレー装置1の固定接点14と固定端子13との間には、半導体スイッチ接点としてのPNPトランジスタTrのエミッタとコレクタが、固定接点14から直列に介装されている。
【0026】
また、リレー装置1の固定接点14とPNPトランジスタTrのエミッタとの間からは抵抗R1を介して、半導体スイッチ接点制御手段としての、定電圧ダイオードDz、抵抗R2からなる定電圧ダイオード回路20が接続されており、抵抗R1と定電圧ダイオード回路20との間には、PNPトランジスタTrのベースが接続されている。
【0027】
定電圧ダイオード回路20は、抵抗R1側から抵抗R2と定電圧ダイオードDzとを直列に接続して構成され、定電圧ダイオードDzの向きは、抵抗R2側がカソードとなっている。また、定電圧ダイオードDzの特性は、ブレーク電圧>(電源電圧−可動接点12と固定接点14との間におけるアーク電圧)となるように設定されている。
【0028】
次に、上記回路の動作について説明する。
まず、ドライバがシーソスイッチ(図示せず)をOFF状態からON状態として、コイル2を通電すると、リレー装置1の接極子7が鉄芯3の磁極部3aに吸引駆動され、可動接点12が固定接点14と接触して、このリレー装置1の機械式接点がONされる。
【0029】
これにより、42Vバッテリbatから固定接点14へと電流が流れ、リード線15を介して半導体チップ16へと電流が流れる。こうして、定電圧ダイオード回路20側に流れた電流は、定電圧ダイオードDzにより定電圧が保たれる。そして、抵抗R1と抵抗R2の分圧に応じた電圧がPNPトランジスタTrのベース電圧となってローレベルとなり、PNPトランジスタTrのエミッタとコレクタ間がONされて、負荷Roに電気が供給される。
【0030】
逆に、ドライバがシーソスイッチ(図示せず)をON状態からOFF状態として、コイル2の通電を遮断すると、リレー装置1の接極子7に対する鉄芯3の磁極部3aの吸引力が無くなり、コイルバネ8の付勢力で可動接点12が固定接点14から離接して、このリレー装置1の機械式接点がOFFされる。
【0031】
ここで、可動接点12が固定接点14の離接の際にアークが発生すると、これら接点の両側にアーク電圧が発生する。この際、定電圧ダイオードDzの特性が、ブレーク電圧>(電源電圧−可動接点12と固定接点14との間におけるアーク電圧)であるので、PNPトランジスタTrのベース電圧はハイレベルとなって、PNPトランジスタTrのエミッタとコレクタ間がOFFされて、アークは消弧する。
【0032】
このように、本発明の実施の形態によれば、高速でアークを消弧するため、リレー装置1の機械式スイッチ接点の消耗は少なく、耐久性を向上させることができる。また、リレー装置1の機械式スイッチ接点がOFFの際には、電流のリークが無く高い信頼性を確保することが可能になっている。更に、特別に、複雑な制御装置を設けることなく実現できるので、コスト的にも有利となっている。また、リレー装置1のリレーケース4内にアーク防止回路を備えた半導体チップ16を共に格納する構成であるため、回路の単純化、部品点数の減少を図り、電気回路の小型化を図ることができる。更に、半導体チップ16をリレーケース4内に格納するにあたり、固定端子13の固定接点14を設けた側とは反対側の面に設けるようにしているので、半導体チップ16で発生する熱を固定端子13を通じてリレーケース4外に放熱することができるので、リレーケース4内に熱が籠もることが無く誤動作の原因となることがない。
【0033】
尚、本発明の実施の形態では、半導体チップ16は、半導体スイッチ接点としてのPNPトランジスタTrを用いているがNPNトランジスタや他の半導体スイッチ接点を用いても良い。例えば、NPNトランジスタを用いた場合、ベース電圧の制御は、上述のPNPトランジスタTrの例とは異なる。すなわち、リレー装置1の機械式スイッチ接点のOFF時にベース電圧をローレベルにしてエミッタとコレクタ間をOFF状態とする一方、機械式スイッチ接点のON時にベース電圧をハイレベルにしてエミッタとコレクタ間をON状態とする。
【0034】
更に、本発明の実施の形態では、半導体スイッチ接点制御手段としての定電圧ダイオード回路20を用いているが、同様の作用をするのであれば、トランジスタを用いた回路や、他のダイオード等を用いた回路を用いて構成するようにしても良い。
【0035】
また、本発明の実施の形態では、具体的に、車両の電源回路に適用することを例に説明しているが、車両以外の他の電源回路であっても適用できることは云うまでもない。
【0036】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、機械式接点で発生するアークを防止するアーク防止回路を、ケース内部に放熱性良く設け、回路の単純化、部品点数の減少を図り、電気回路の小型化を図ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】リレー装置の要部説明図
【図2】リレー装置を用いた電気回路の一例を示す回路図
【符号の説明】
1 リレー装置
2 コイル
3 鉄芯
3a 磁極部
4 リレーケース
5 ヨーク
6 板バネ部材
7 接極子
8 コイルバネ
9 共通端子
11 接触片
12 可動接点
13 固定端子
14 固定接点
16 半導体チップ
20 定電圧ダイオード回路(半導体スイッチ接点制御手段)
Tr PNPトランジスタ(半導体スイッチ接点)
Dz 定電圧ダイオード
Claims (4)
- コイルが巻回されて磁極部が端部に形成された鉄芯と、該鉄芯の磁極部に吸引離反され駆動される接極子と、該接極子に設けた可動接点と、上記接極子が上記鉄芯の磁極部に吸引駆動された際に上記可動接点が接触して電気的に接続する固定端子に設けた固定接点と、少なくとも上記コイルと上記鉄芯と上記接極子と上記可動接点と上記固定接点とを格納するケースとを備えたリレー装置において、
上記ケース内で、上記固定端子の上記固定接点を設けた側とは反対側の面に、上記可動接点が上記固定接点からの離接により生じるアーク防止回路を有する半導体チップを設けたことを特徴とするリレー装置。 - 上記半導体チップは、上記固定接点から直列に半導体スイッチ接点を介装するものであり、上記可動接点と上記固定接点のON−OFF状態に応じて上記半導体スイッチ接点のON−OFFを実行させる半導体スイッチ接点制御手段を有していることを特徴とする請求項1記載のリレー装置。
- 上記半導体スイッチ接点は、ベース電圧に応じてエミッタとコレクタ間をON−OFFするPNPトランジスタで形成し、
上記半導体スイッチ接点制御手段は、上記可動接点と上記固定接点のOFF時に上記ベース電圧をハイレベルにしてエミッタとコレクタ間をOFF状態とする一方、上記可動接点と上記固定接点のON時に上記ベース電圧をローレベルにしてエミッタとコレクタ間をON状態とする定電圧ダイオード回路で構成したことを特徴とする請求項2記載のリレー装置。 - 上記定電圧ダイオードは、上記可動接点と上記固定接点との間のアーク電圧の発生で、上記定電圧ダイオードに流れる電流を遮断して上記ベース電圧をハイレベルとする特性を有することを特徴とする請求項3記載のリレー装置。
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---|---|---|---|
JP2003195232A JP2005032526A (ja) | 2003-07-10 | 2003-07-10 | リレー装置 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR200454957Y1 (ko) * | 2009-10-26 | 2011-08-05 | 대성전기공업 주식회사 | 아크 발생이 방지된 릴레이 |
KR101103891B1 (ko) | 2005-12-14 | 2012-01-12 | 현대자동차주식회사 | 릴레이구조 |
WO2018209808A1 (zh) * | 2017-05-15 | 2018-11-22 | 江苏鑫龙化纤机械有限公司 | 一种化纤专用单向继电器 |
-
2003
- 2003-07-10 JP JP2003195232A patent/JP2005032526A/ja active Pending
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