JP3664241B2 - 車両用電気負荷駆動回路装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用電気負荷駆動回路装置に関し、特に耐水濡れ性に優れた車両用電気負荷駆動回路装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、まれにではあるが、車両が水没したり、重度に水濡れしたりする場合があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような場合、車両用電気負荷を駆動する回路が浸水や水濡れにより誤って不所望な車両用電気負荷の駆動が生じたり、それによりバッテリーが短時間に消耗してしまうという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、水没や重度の水濡れ時でも車両用電気負荷の誤作動を抑止乃至防止可能な車両用電気負荷駆動回路装置を提供することをそのその目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の車両用電気負荷駆動回路装置は、直流電源の正極端子に接続される高位電源ラインと、前記直流電源の負極端子に接続される接地ラインと、前記両ラインの一方と車両用電気負荷の一端とを接続する接点を有して前記車両用電気負荷への給電電流を断続するリレーと、高位側端子が前記高位電源ラインに接続される前記リレーのコイルの低位側端子に高位側主電極が、前記接地ラインに低位側主電極が接続されて前記コイルへの通電電流を断続するスイッチング素子とを備える車両用電気負荷駆動回路装置において、
前記コイルの低位側端子と前記スイッチング素子の前記高位側主電極との間の制御電流経路と、前記接地ラインとの間に、前記高位電源ラインから給電される他の高位側端子又は前記高位電源ラインからなる漏電抑制部材が介設され、前記漏電抑制部材は、前記両ラインのうち、前記リレーのコイルへの電流漏洩源となる方の前記ラインよりも前記制御電流経路に近接して配設されていることを特徴としている。
【0006】
すなわち、本構成によれば、ハイサイド配置されたコイルの低位側端子と、その電流を開閉するローサイド配置されたスイッチング素子の高位側主電極との間の制御電流経路が、水没時に接地ラインに漏電する以前に、制御電流経路と接地ラインとの間に介設された高電位の漏電抑制部材が上記制御電流経路の漏電経路と共通する漏電経路を通じて接地ラインに漏電するために、制御電流経路の接地ラインへの漏電が抑止され、この結果として、リレーがオンして車両用電気負荷に給電される(誤動作する)のを、簡素な回路構成で防止することができる。
【0007】
請求項2記載の車両用電気負荷駆動回路装置は、直流電源の正極端子に接続される高位電源ラインと、前記直流電源の負極端子に接続される接地ラインと、前記両ラインの一方と車両用電気負荷の一端とを接続する接点を有して前記車両用電気負荷への給電電流を断続するリレーと、低位側端子が前記接地ラインに接続される前記リレーのコイルの高位側端子に低位側主電極が、前記高位電源ラインに高位側主電極が接続されて前記コイルへの通電電流を断続するスイッチング素子とを備える車両用電気負荷駆動回路装置において、
前記コイルの高位側端子と前記スイッチング素子の前記低位側主電極との間の制御電流経路と、前記高位電源ラインとの間に、前記接地ラインから給電される他の低位側端子又は前記接地ラインからなる漏電抑制部材が介設され、前記漏電抑制部材は、前記両ラインのうち、前記リレーのコイルへの電流漏洩源となる方の前記ラインよりも前記制御電流経路に近接して配設されていることを特徴としている。
【0008】
すなわち、本構成によれば、ローサイド配置されたコイルの高位側端子と、その電流を開閉するハイサイド配置されたスイッチング素子の低位側主電極との間の制御電流経路が、水没時に高位側電源ラインに漏電する以前に、制御電流経路と高位電源ラインとの間に介設された接地電位(あるいは低電位)の漏電抑制部材がこの漏電経路を通じて高位電源ラインに漏電するために、制御電流経路の高位電源ラインへの漏電が抑止され、この結果として、リレーがオンして車両用電気負荷に給電される(誤動作する)のを、簡素な回路構成で防止することができる。
【0009】
請求項3記載の車両用電気負荷駆動回路装置は、直流電源の正極端子に接続される高位電源ラインと、前記直流電源の負極端子に接続される接地ラインと、前記高位電源ラインと車両用電気負荷の高位側端子とを接続して前記車両用電気負荷への給電電流を断続するトランジスタを備える車両用電気負荷駆動回路装置において、
前記トランジスタを制御する前段駆動回路と前記トランジスタの制御電極端子との間の制御電流経路と、
前記両ラインのうちの所定の一方との間に、前記両ラインの所定の他方から給電される端子又は前記両ラインの所定の他方からなる漏電抑制部材が介設され、前記両ラインのうちの所定の一方は、前記トランジスタの前記制御電極端子との間の電流リークにより前記トランジスタをオンする電位を有し、前記漏電抑制部材は、前記両ラインのうち、前記トランジスタの制御電極端子への電流漏洩源となる方の前記ラインよりも前記制御電流経路に近接して配設されていることを特徴としている。
【0010】
すなわち、本構成によれば、トランジスタを制御する前段駆動回路とトランジスタの制御電極端子との間の制御電流経路が水没時に両ラインの一方に漏電してこのトランジスタがオンする前に、両ラインの他方から給電される端子又は両ラインの他方からなる漏電抑制部材がこの漏電経路を通じて両ラインの一方に漏電するために、制御電流経路の両ラインの一方への漏電が抑止され、この結果として、トランジスタがオンして車両用電気負荷に給電される(誤動作する)のを、簡素な回路構成で防止することができる。
【0011】
つまり、上記請求項1乃至3記載の車両用電気負荷駆動回路装置では、前記漏電抑制部材は、前記両ラインのうち、前記リレーのコイル又は前記トランジスタの制御電極端子への電流漏洩源となる方の前記ラインよりも、前記制御電流経路に近接して配設されている。
【0012】
このように漏電抑制部材を電流漏洩源となる方のラインよりも制御電流経路に近接して配設することにより、制御電流経路の漏電を良好に抑止することができる。
【0013】
請求項4記載の構成は請求項1乃至3のいずれか記載の車両用電気負荷駆動回路装置において更に、前記漏電抑制部材は、前記絶縁基板上にて、前記制御電流経路の両側に配設されていることを特徴としている。
【0014】
すなわち、本構成によれば、漏電抑制部材を絶縁基板上の制御電流経路の両側に配設するので、制御電流経路の漏電を良好に抑止することができる。
【0015】
請求項5記載の構成は請求項1乃至4のいずれか記載の車両用電気負荷駆動回路装置において更に、前記漏電抑制部材は、少なくとも端子を含むことを特徴としている。
【0016】
すなわち、本構成によれば、漏電抑制部材は、絶縁基板上の導電線(導体パターン)以外に、端子を含むので、漏電抑制部材の漏電が分極現象(電解による発生ガスが漏電抑制部材を覆って漏電を抑止したりなどして漏電抑制部材の漏電電流を抑止する現象)を抑止して、制御電流経路の漏電を良好に抑止することができる。
【0017】
請求項6記載の構成は請求項1乃至5のいずれか記載の車両用電気負荷駆動回路装置において更に、前記漏電抑制部材の表面積が所定の電極端子のそれより大きいことを特徴としている。
請求項7記載の構成は請求項1乃至6のいずれか記載の車両用電気負荷駆動回路装置において更に、前記漏電抑制部材は、前記制御側電流経路をなす導電パターンとともに絶縁基板上に延設された導電パターンにより構成されていることを特徴としている。
【0018】
【発明を実施するための態様】
以下、本発明の好適な態様を以下の実施例に基づいて説明する。
【0019】
【実施例1】
この実施例の車両用電気負荷駆動回路装置を図1を参照して以下に説明する。
【0020】
プリント基板からなる絶縁基板1には、負荷駆動リレー2、リレー駆動用トランジスタ3が実装されており、リレー駆動用のトランジスタ3は負荷駆動リレー2のコイル21の電流を制御し、負荷駆動リレー2の常開接点22は、ケーブル4を通じての車両用電気負荷5への給電を開閉制御している。
【0021】
211はコイル21の低位側端子、31はトランジスタ3の高位側主電極、6はコイル21の低位側端子211と、トランジスタ3の高位側端子31とを接続する絶縁基板1上の導体パターンであり、これらは本発明でいう制御電流経路をなしている。
【0022】
7は不図示のバッテリから給電される高位電源ライン、8は接地ラインであり、それぞれ絶縁基板1上の導体パターンにより形成されている。コイル21の高位側端子212は高位電源ライン7に、トランジスタ3の低位側主電極32は接地ライン8に接続されている。
【0023】
この実施例の特徴は、コイル21の低位側端子211、トランジスタ3の高位側主電極31及び導体パターン6、すなわち、制御電流経路の両側に位置して、絶縁基板1上に2列の導体パターン9,10が延設されている点にある。これら導体パターン9,10は、高位電源ライン7に接続されている。導体パターン9,10は回路素子の高位側端子に給電することもでき、単に配設するだけでもよい。導体パターン9,10と上記制御電流経路との間の距離は、上記制御電流経路と接地ライン8又はこの接地ライン8に接続される回路素子の低位側端子との距離よりも格段に短縮されている。
【0024】
このようにすれば、万が一、車両水没などの事故が生じた場合でも、上記制御電流経路から接地ライン8やそれに接続される接地電位の低位側端子への水を通じての漏電は、この漏電抑制部材9,10から接地ライン8への漏電により抑止されるため、コイル21にリレー2の接点22をオンさせるだけのリーク電流が流れることはなく、車両用電気負荷5が誤駆動されることがなく、それによる無駄なバッテリ消耗も阻止される。
【0025】
好適には、上記制御電流経路に近接して漏電抑制部材として、高位電源ライン7から給電される端子が配置される。この端子は回路素子の端子であってもよい。
このようにすれば、この端子が分極を抑止しつつ周囲の水の電位を上昇させるので好都合である。
【0026】
【実施例2】
他の実施例の車両用電気負荷駆動回路装置を図2を参照して以下に説明する。
【0027】
プリント基板からなる絶縁基板1には、負荷駆動リレー2、リレー駆動用トランジスタ3が実装されており、リレー駆動用のトランジスタ3は負荷駆動リレー2のコイル21の電流を制御し、負荷駆動リレー2の常開接点22は、ケーブル4を通じての車両用電気負荷5への給電を開閉制御している。
【0028】
212はコイル21の高位側端子、32はトランジスタ3の低位側主電極、6は、コイル21の高位側端子212と、トランジスタ3の低位側端子32とを接続する絶縁基板1上の導体パターンであり、これらは本発明でいう制御電流経路をなしている。
【0029】
7は不図示のバッテリから給電される高位電源ライン、8は接地ラインであり、それぞれ絶縁基板1上の導体パターンにより形成されている。コイル21の低位側端子211は接地ライン8に、トランジスタ3の高位側主電極31は高位電源ライン7に接続されている。
【0030】
この実施例の特徴は、コイル21の高位側端子212、トランジスタ3の低位側主電極32及び導体パターン6、すなわち、制御電流経路の両側に位置して、絶縁基板1上に2列の導体パターン11,12が延設されている点にある。これら導体パターン11,12は、接地ライン8に接続されている。導体パターン11,12は回路素子の低位側端子に給電することもでき、単に配設するだけでもよい。導体パターン11,120と上記制御電流経路との間の距離は、上記制御電流経路と高位電源ライン7又はこの高位電源ライン7に接続される回路素子の高位側端子との距離よりも格段に短縮されている。
【0031】
このようにすれば、万が一、車両水没などの事故が生じた場合でも、上記高位側端子又は高位電源ライン7から上記制御電流経路への水を通じての漏電は、上記高位側端子又は高位電源ライン7からこの漏電抑制部材9,10への漏電により抑止されるため、コイル21にリレー2の接点22をオンさせるだけのリーク電流が流れることはなく、車両用電気負荷5が誤駆動されることがなく、それによる無駄なバッテリ消耗も阻止される。
【0032】
好適には、上記制御電流経路に近接して漏電抑制部材として、接地ライン8に接続される端子が配置される。この端子は回路素子の端子であってもよい。
このようにすれば、この端子が分極を抑止しつつ周囲の水の電位を上昇させるので好都合である。
【0033】
【実施例3】
他の実施例を図3を参照して以下に説明する。
【0034】
プリント基板からなる絶縁基板1には、前置アンプ13と負荷駆動用のトランジスタ14とが実装されており、負荷駆動用のトランジスタ14の低位側主電極はケーブル4を通じて車両用電気負荷5の高位側端子に接続され、車両用電気負荷5の低位側端子は接地ライン8に接続されている。
【0035】
トランジスタ14の高位側主電極は高位電源ライン7に接続され、制御電極端子141は前置アンプ13の出力端子131に導体パターン6を通じて接続されている。
【0036】
前置アンプ13の出力端子131、導体パターン6及び負荷駆動用のトランジスタ14の制御電極端子141は本発明でいう制御電流経路をなしている。高位電源ライン7及び接地ライン8は絶縁基板1上の導体パターンにより形成されている。
【0037】
この実施例の特徴は、上記した制御電流経路の両側に位置して、絶縁基板1上に2列の導体パターン9,10が延設されている点にある。これら導体パターン9,10は、高位電源ライン7に接続されている。導体パターン9,10は回路素子の高位側端子に給電することもでき、単に配設するだけでもよい。導体パターン9,10と上記制御電流経路との間の距離は、上記制御電流経路と接地ライン8又はこの接地ライン8に接続される回路素子の低位側端子との距離よりも格段に短縮されている。
【0038】
このようにすれば、万が一、車両水没などの事故が生じた場合でも、上記制御電流経路から接地ライン8やそれに接続される接地電位の低位側端子への水を通じての漏電は、この漏電抑制部材9,10から接地ライン8への漏電により抑止されるため、トランジスタ14をオンさせるだけのリーク電流が流れることはなく、車両用電気負荷5が誤駆動されることがなく、それによる無駄なバッテリ消耗も阻止される。
【0039】
好適には、上記制御電流経路に近接して漏電抑制部材として、高位電源ライン7から給電される端子が配置される。この端子は回路素子の端子であってもよい。
このようにすれば、この端子が分極を抑止しつつ周囲の水の電位を上昇させるので好都合である。
【0040】
【実施例4】
他の実施例を図4を参照して以下に説明する。
【0041】
プリント基板からなる絶縁基板1には、前置アンプ13と負荷駆動用のトランジスタ14とが実装されており、負荷駆動用のトランジスタ14の低位側主電極はケーブル4を通じて車両用電気負荷5の高位側端子に接続され、車両用電気負荷5の低位側端子は接地ライン8に接続されている。
【0042】
トランジスタ14の高位側主電極は高位電源ライン7に接続され、制御電極端子141は前置アンプ13の出力端子131に導体パターン6を通じて接続されている。
【0043】
前置アンプ13の出力端子131、導体パターン6及び負荷駆動用のトランジスタ14の制御電極端子141は本発明でいう制御電流経路をなしている。高位電源ライン7及び接地ライン8は絶縁基板1上の導体パターンにより形成されている。
【0044】
この実施例の特徴は、上記した制御電流経路の両側に位置して、絶縁基板1上に2列の導体パターン11,12が延設されている点にある。これら導体パターン11,12は、接地ライン8に接続されている。導体パターン11,12は回路素子の低位側端子に給電することもでき、単に配設するだけでもよい。導体パターン11,12と上記制御電流経路との間の距離は、上記制御電流経路と高位電源ライン7又はこの高位電源ライン7に接続される回路素子の低位側端子との距離よりも格段に短縮されている。
【0045】
このようにすれば、万が一、車両水没などの事故が生じた場合でも、上記高位電源ライン7から制御電流経路への水を通じての漏電は、高位電源ライン7からこの漏電抑制部材11,12への漏電により抑止されるため、トランジスタ14をオンさせるだけのリーク電流が流れることはなく、車両用電気負荷5が誤駆動されることがなく、それによる無駄なバッテリ消耗も阻止される。
【0046】
好適には、上記制御電流経路に近接して漏電抑制部材として、接地ライン8に接続される端子が配置される。この端子は回路素子の端子であってもよい。このようにすれば、この端子が分極を抑止しつつ周囲の水の電位を上昇させるので好都合である。
【0047】
【実施例5】
他の実施例を図5を参照して以下に説明する。
【0048】
プリント基板からなる絶縁基板1には、前置アンプ13と負荷駆動用のトランジスタ14とが実装されており、負荷駆動用のトランジスタ14の高位側主電極はケーブル4を通じて車両用電気負荷5の低位側端子に接続され、車両用電気負荷5の高位側端子は高位電源ライン7に接続されている。
【0049】
トランジスタ14の低位側主電極は接地ライン8に接続され、制御電極端子141は前置アンプ13の出力端子131に導体パターン6を通じて接続されている。
【0050】
前置アンプ13の出力端子131、導体パターン6及び負荷駆動用のトランジスタ14の制御電極端子141は本発明でいう制御電流経路をなしている。高位電源ライン7及び接地ライン8は絶縁基板1上の導体パターンにより形成されている。
【0051】
この実施例の特徴は、上記した制御電流経路の両側に位置して、絶縁基板1上に2列の導体パターン11,12が延設されている点にある。これら導体パターン11,12は、接地ライン8に接続されている。導体パターン11,12は回路素子の低位側端子に給電することもでき、単に配設するだけでもよい。導体パターン11,12と上記制御電流経路との間の距離は、上記制御電流経路と高位電源ライン7又はこの高位電源ライン7に接続される回路素子の低位側端子との距離よりも格段に短縮されている。
【0052】
このようにすれば、万が一、車両水没などの事故が生じた場合でも、高位電源ライン7から上記制御電流経路への水を通じての漏電は、高位電源ライン7からこの漏電抑制部材11,12への漏電により抑止されるため、トランジスタ14をオンさせるだけのリーク電流が流れることはなく、車両用電気負荷5が誤駆動されることがなく、それによる無駄なバッテリ消耗も阻止される。
【0053】
好適には、上記制御電流経路に近接して漏電抑制部材として、接地ライン8に接続される端子が配置される。この端子は回路素子の端子であってもよい。このようにすれば、この端子が分極を抑止しつつ周囲の水の電位を上昇させるので好都合である。
【0054】
【実施例6】
この実施例の車両用電気負荷駆動回路装置を図6を参照して以下に説明する。
【0055】
プリント基板からなる絶縁基板100には、リレー101、102、リレー駆動用のトランジスタ103、104、コントローラ105、フライホイルダイオード106、107が実装されている。リレー駆動用のトランジスタ103はリレー101のコイル1011の電流を制御し、リレー101の切り替え接点1012を切り替える。リレー駆動用のトランジスタ104はリレー102のコイル1021の電流を制御し、リレー102の切り替え接点1022を切り替える。
【0056】
切り替え接点1012、1022の切り替えにより、窓昇降用モータ108の正転、逆転、停止の各動作が実行される。コントローラ105は、図示しない操作スイッチから入力した窓開閉信号に基づいてトランジスタの103、104を制御し、トランジスタ103、104がリレー101,102を制御してモータ108の制御が行われる。
【0057】
上記パワーウインドウ装置の構成及び制御自体は周知であるので、これ以上の説明は省略される。
【0058】
この実施例の特徴は、ハイサイド配置されたリレー101,102のコイル1011、1021の低位側端子1013、1023と、ローサイド配置されたトランジスタ103、104の高位側主電極(この実施例ではコレクタ電極)と、フライホイルダイオード106、107のアノード端子と、それらを接続する導体パターンとからなる制御電流経路201、202に近接して高位側端子301、302を配置し、またこの高位側端子に給電する露出導体パターン303、304を配設した点にある。これら高位側端子301、302は他の回路部品の高位側端子であり、露出導体パターン303、304は高位電源ライン7から給電されている。
【0059】
上記した構成を採用すれば、既に説明したように水没時にこれら制御電流経路201、202が接地電位に漏電してリレー101,102のコイル1011,1021に大リーク電流が流れ、リレー101、102が作動するのを、これら高位側端子301、302、露出導体パターン303,304が優先漏電することにより防止することができる。
【0060】
なお、リレー101,102をローサイド側に配置する場合には、これら高位側端子301、302を低位側端子に代替し、露出導体パターン303、304を接地ライン8に接続するのは、上記実施例と同じである。
【0061】
【実施例7】
この実施例の車両用電気負荷駆動回路装置を図7を参照して以下に説明する。
【0062】
制御箱300には、リレー400が実装されている。500はリレー駆動用のスイッチ、600はスタータモータである。
【0063】
スイッチ500のオンによりリレー400のコイル401に通電され、リレー400の常開接点402がオンしてスタータモータ600がエンジンを始動する。
【0064】
上記スタータモータ起動装置の構成及び制御自体は周知であるので、これ以上の説明は省略される。
【0065】
この実施例の特徴は、ハイサイド配置されたリレー400のコイル401の低位側端子4011、及び、この低位側端子4011と外部のスイッチ500とを接続する露出導体パターン700を挟んでその両側に露出導体パターン801、802が延設されている。 900は、スイッチ500からのびるケーブルと露出導体パターン700とを接続するためのコネクタ端子である。
【0066】
露出導体パターン801、802は、コネクタ端子900の両側に位置して、外部に高位電源電位を出力するコネクタ端子901、902に接続されている。
【0067】
このようにすれば、既に説明した実施例と同様に、水没時におけるリレー400の誤動作とそれによるスタータモータの誤起動並びにそれによるバッテリの急速消耗を防止することができる。
【0068】
なお、リレー400をローサイド側に配置する場合には、露出導体パターン801、802を接地電源ライン8に接続するのは、上記実施例と同じである。
【0069】
(変形態様)
車両用電気負荷としては、その他、ヘッドランプ、電動エアコン用モータ、デフロスタ、ヒータなどの電力消費が大きい機器に特に好適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1の車両用電気負荷駆動回路装置の回路図である。
【図2】 実施例2の車両用電気負荷駆動回路装置の回路図である。
【図3】 実施例3の車両用電気負荷駆動回路装置の回路図である。
【図4】 実施例4の車両用電気負荷駆動回路装置の回路図である。
【図5】 実施例5車両用電気負荷駆動回路装置の回路図である。
【図6】 実施例6の車両用電気負荷駆動回路装置の回路図である。
【図7】 実施例7の車両用電気負荷駆動回路装置の回路図である。
【符号の説明】
1 絶縁基板
2 負荷駆動リレー(リレー)
3 リレー駆動用トランジスタ(トランジスタ)
21 コイル
22 リレー2の常開接点
211 コイル21の低位側端子(制御電流経路)
31 トランジスタ3の高位側主電極(制御電流経路)
6 導体パターン(制御電流経路)
7 高位電源ライン
8 接地ライン
9 導体パターン(漏電抑制部材)
10 導体パターン(漏電抑制部材)
Claims (7)
- 直流電源の正極端子に接続される高位電源ラインと、
前記直流電源の負極端子に接続される接地ラインと、
前記両ラインの一方と車両用電気負荷の一端とを接続する接点を有して前記車両用電気負荷への給電電流を断続するリレーと、
高位側端子が前記高位電源ラインに接続される前記リレーのコイルの低位側端子に高位側主電極が、前記接地ラインに低位側主電極が接続されて前記コイルへの通電電流を断続するスイッチング素子と、
を備える車両用電気負荷駆動回路装置において、
前記コイルの低位側端子と前記スイッチング素子の前記高位側主電極との間の制御電流経路と、前記接地ラインとの間に、前記高位電源ラインから給電される他の高位側端子又は前記高位電源ラインからなる漏電抑制部材が介設され、
前記漏電抑制部材は、前記両ラインのうち、前記リレーのコイルへの電流漏洩源となる方の前記ラインよりも前記制御電流経路に近接して配設されていることを特徴とする車両用電気負荷駆動回路装置。 - 直流電源の正極端子に接続される高位電源ラインと、
前記直流電源の負極端子に接続される接地ラインと、
前記両ラインの一方と車両用電気負荷の一端とを接続する接点を有して前記車両用電気負荷への給電電流を断続するリレーと、
低位側端子が前記接地ラインに接続される前記リレーのコイルの高位側端子に低位側主電極が、前記高位電源ラインに高位側主電極が接続されて前記コイルへの通電電流を断続するスイッチング素子と、
を備える車両用電気負荷駆動回路装置において、
前記コイルの高位側端子と前記スイッチング素子の前記低位側主電極との間の制御電流経路と、前記高位電源ラインとの間に、前記接地ラインから給電される他の低位側端子又は前記接地ラインからなる漏電抑制部材が介設され、
前記漏電抑制部材は、前記両ラインのうち、前記リレーのコイルへの電流漏洩源となる方の前記ラインよりも前記制御電流経路に近接して配設されていることを特徴とする車両用電気負荷駆動回路装置。 - 直流電源の正極端子に接続される高位電源ラインと、
前記直流電源の負極端子に接続される接地ラインと、
前記高位電源ラインと車両用電気負荷の高位側端子とを接続して前記車両用電気負荷への給電電流を断続するトランジスタを備える車両用電気負荷駆動回路装置において、
前記トランジスタを制御する前段駆動回路と前記トランジスタの制御電極端子との間の制御電流経路と、
前記両ラインのうちの所定の一方との間に、前記両ラインの所定の他方から給電される端子又は前記両ラインの所定の他方からなる漏電抑制部材が介設され、
前記両ラインのうちの所定の一方は、前記トランジスタの前記制御電極端子との間の電流リークにより前記トランジスタをオンする電位を有し、
前記漏電抑制部材は、前記両ラインのうち、前記トランジスタの制御電極端子への電流漏洩源となる方の前記ラインよりも前記制御電流経路に近接して配設されていることを特徴とする車両用電気負荷駆動回路装置。 - 請求項1乃至3のいずれか記載の車両用電気負荷駆動回路装置において、
前記漏電抑制部材は、絶縁基板上にて前記制御電流経路の両側に配設されていることを特徴とする車両用電気負荷駆動回路装置。 - 請求項1乃至4のいずれか記載の車両用電気負荷駆動回路装置において、
前記漏電抑制部材は、少なくとも端子を含むことを特徴とする車両用電気負荷駆動回路装置。 - 請求項1乃至5のいずれか記載の車両用電気負荷駆動回路装置において、
前記漏電抑制部材の表面積が、所定の電極端子のそれより大きいことを特徴とする車両用電気負荷駆動回路装置。 - 請求項1乃至6のいずれか記載の車両用電気負荷駆動回路装置において、
前記漏電抑制部材は、前記制御側電流経路をなす導電パターンとともに絶縁基板上に延設された導電パターンにより構成されていることを特徴とする車両用電気負荷駆動回路装置。
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