JP2009296902A - 品質改良剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、このような従来技術の課題を解決し、古米や輸入米の米が有する異臭やヌカ臭、米の炊飯後の保存臭及び米の輸送に使用される包装材(麻袋)臭、及び食感を改善することができる品質改良剤、該品質改良剤を用いてなる米飯類及びその製造方法を提供することを課題とする。
【解決手段】 不凍タンパク質を含有する品質改良剤、該品質改良剤を用いてなる米飯類及びその製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、古米や輸入米の米が有する異臭やヌカ臭、米の炊飯後の保存臭及び米の輸送に使用される包装材(麻袋)臭、及び食感を改善することができる品質改良剤、該品質改良剤を用いてなる米飯類および製造方法に関する。
日本の主食である米は、粒形等によって短粒種、中粒種、長粒種に分類される。短粒種は日本や中国で栽培されるジャポニカ米が、中粒種としてはアメリカやオーストラリアで栽培されるジャポニカ米が、また長粒種としてはタイやカンボジアで栽培されるインディカ米等が挙げられる。短粒種の日本産の米(例えばコシヒカリ、ササニシキ、日本晴等)以外のいわゆる外米は、一般的に風味が悪く、特に長粒種の風味はヌカ臭やポップコーン様の異臭があり、白飯としての食用には好まれていない現状がある。ヌカ臭の成分としては、o−ジクロロベンゼン、2−エチルヘキサノール等が知られている。また、輸入米の輸送用に使用される麻袋のような包装材から米への特徴的な移り香として炭化水素(C16〜C25)類があり、これらも米飯に移行して異臭となる。
また、日本国内産でも収穫後1年以上経過すると、米粒の水分の吸収率が低下し、糊化温度が高くなるほか、悪臭を発生するなど食味、風味の著しい低下が起こるという問題がある。また近年の食の西洋化の影響も相まって、毎年多量の余剰米が備蓄されており、こうした古米の有効利用は急務となっている。しかし先に述べたように古米は新米に比べ、風味や食感において明らかに劣っており、低価格の割には消費が伸びていないという現実がある。
このような中粒種や短粒種の輸入米や古米の風味問題を解決する方法として、香味付与、栄養分付与、古米臭のマスキング等を目的として、米または炊飯米にナッツ類及び/または種子類の粉末を加えて米飯を調理する方法が提案されているが(特許文献1)、米以外の独特の香味が付与されるという欠点があり、この方法により得られる米飯は、白飯としては適さない。
また、シクロデキストリンに米飯の風味改善効果があることが知られているが(特許文献2、特許文献3)、シクロデキストリンは異臭成分を包接することによって効果を発揮するものであるが、口中で米飯を咀嚼する間に、体温により包接された異臭成分が漏出し、効果が持続しないという欠点がある。
また、澱粉、酵素、粉末水あめ、胚芽等の混合物を加圧成型して米粒大状のものとし、それを米とともに炊飯することが提案されている(特許文献4)。この提案において、用いられる品質改良剤は、数種の原料を混合したもので、粉末水あめは、光沢の向上を図っており、胚芽及び酵素が、食味の改良向上を図っている。この手法は、胚芽による独特の香りが付与されたり、酵素反応の調整が難しいなどの問題がある。
これら以外の米飯の風味改良剤として、人工調味料、リキュール、みりん、しょう油等を添加する方法が用いられている。これらは米飯本来の風味も消してしまうだけでなく、炊飯時の高温処理により独特の着色を伴うという欠点がある。また、木炭を同時に炊飯して、異臭成分を木炭に吸着させるという方法も知られているが、米の香り成分そのものを吸着させてしまうという欠点がある。大規模米飯工場では、調味料によって人工的に米に類似した人工的な風味を付与して、米飯の異臭をマスキングする方法が知られているが、米本来の風味を維持しつつ異臭のみをマスキングしておいしく食べられるようにすることができる風味改良剤は未だないのが実情である。
特開昭62−44140号 特開昭56−127058号 特開昭63−267246号 特開昭51−44660号
本発明は、このような従来技術の課題を解決し、古米や輸入米の米が有する異臭やヌカ臭、米の炊飯後の保存臭及び米の輸送に使用される包装材(麻袋)臭、及び食感を改善することができる品質改良剤、該品質改良剤を用いてなる米飯類および製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意検討した結果、不凍タンパク質に、古米や輸入米の米が有する異臭やヌカ臭、米の炊飯後の保存臭及び米の輸送に使用される包装材(麻袋)臭、及び食感を改善することができる米飯の品質改良効果があることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、かかる知見に基づいて完成されたものであり、以下の発明を包含する。
[1]不凍タンパク質を含有することを特徴とする米飯用品質改良剤。
[2]不凍タンパク質が植物、魚、昆虫または微生物由来であることを特徴とする[1]記載の品質改良剤。
[3]植物が、アブラナ科、セリ科、ユリ科、キク科に属する植物である[1]および[2]記載の品質改良剤。
[4][1]〜[3]のいずれかに記載の品質改良剤を含む米飯類。
[5][1]〜[3]のいずれかに記載の品質改良剤を米飯類に添加することを特徴とする品質改良剤を含む米飯類の製造方法。
本発明によれば、このような従来技術の課題を解決し、古米や輸入米の米が有する異臭やヌカ臭、米の炊飯後の保存臭及び米の輸送に使用される包装材(麻袋)臭、または食感を改善することができる品質改良剤、該品質改良剤を用いてなる米飯類および製造方法を提供することを可能とする。
以下、本発明について詳しく説明する。本発明の品質改良剤は、不凍タンパク質を含有する品質改良剤である。本発明の米飯用品質改良剤とは、古米や輸入米の米が有する異臭やヌカ臭、米の炊飯後の保存臭及び米の輸送に使用される包装材(麻袋)臭、または食感を改善しうる添加剤であって、米を炊く、蒸す、煮る等の調理前後に米または米飯類に添加されることを特徴とする。
不凍タンパク質は、冷海水中で生息している北極海や南極海に生息する魚の血液の血清中や植物等に存在しており、特に限定はないが、糖タンパク質と不凍ポリペプチドの混合物である場合が多い。現在、数種類の異なる不凍タンパク質が様々なものから確認されている。例えば、I型不凍タンパク質はアラニンに富み(αヘリックスポリペプチド)、多くのカレイやカジカに見られる。II型不凍タンパク質はハーフシスチンに富み、ケムシカジカ、キュウリウオ及びニシンに見られる。III型不凍タンパク質は球状タンパク質がゲンゲやオオカミウオを含む数種のゾアルコイド科に見られる。南極魚と南北両極タラの3科に見られる不凍糖タンパク質は、主に、トレオニル残基に結合した二糖を含むトリペプチド反復(Ala-Ala-Thr)からなっている。これら不凍タンパク質と不凍糖タンパク質は構造上異なるが、氷表面に結合することにより氷晶増殖を阻止する能力を共有している。この発明の品質改良組成物に使用する不凍タンパク質は、上述した不凍ポリペプチド、不凍糖タンパク質を含有する抽出物であっても、それぞれに単離精製されたものを用いても良い。また、不凍タンパク質は、不凍糖タンパク質であっても、それらの混合物であっても良い。好ましくは、熱に強いとされる植物由来の不凍タンパク質が好ましい。
不凍タンパク質は、例えば、生物の血清または体液から従来手段によって取り出すことができる。タンパク質の単離および精製は、遠心などの分離工程、クロマトグラフィ手段、ならびに吸収、沈殿および蒸発により行うことができる。文献等によって公知となっている他の手段によっても単離精製することができる。また不凍タンパク質は、従来の化学的合成法または組換えDNAを含む方法によっても製造することができる。これらのタンパク質をコードする遺伝子配列は解明され、報告されている。例えば、DeVries,A.L.ら,J.Biol.Chem.246:305 (1971);Lin,Y.ら,Biochem.Biophys.Res.Commun.46:87(1972);Yang,D.S.C.ら、Nature 333:232 (1988);Lin,Y., Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.78:2825(1981);Davies,P.L.ら、J.Biol.Chem.79:335 (1982);Gourlie,B.ら、J.Biol.Chem.259:14960(1984);Scott,G.K.ら、Can.J.Fish.Aquat.Sci.43:1028 (1986);Scott,G.K.ら、J.Mol.Evol.27:29 (1988)」に記載された遺伝子配列を利用することができる。また、AFP遺伝子を他の生物種に顕微注射する方法も報告されている。この方法については、例えば、Zhu,Z ら、Angew.Ichthyol.1:31 (1985);Kexue Tongbao 31:988 (1986);Chourrout,D.ら、Aquaculture 51:143(1986);Dumman,R.A.ら、Trans.AM.Fish.Soc.116:87 (1987);Fletcher,G.L.ら、Can.J.Fish Aquat.Sci.45:352(1988);Maclean,N.D.ら、Bio Teghnology 5:257:(1987)、;Stuart,G.W.ら、Development 103:403(1988);McEvoy,T.ら、Aquaculture 68:27 (1988);Ozato,Kら、Cell Differ.19:237 (1986)等を参照することができる。
本発明における品質改良剤には、植物由来の不凍タンパク質を使用することができる。植物は特に制限はないが、好ましくは食用植物を使用する。より好ましくは、低温度領域でも生育可能な植物、さらに好ましくは低温耐性能を有する植物を使用する。例えば、アブラナ科、セリ科、ユリ科、またはキク科に属する野菜が挙げられる。アブラナ科に属する植物は、ハクサイ、ダイコン、ブロッコリー、チンゲン菜、コマツナ、カブ、シロナ、野沢菜、広島菜、ミズナ、マスタード等が挙げられる。アブラナ科に属するものはダイコンやマスタードなど、セリ科に属する植物はニンジンなどが、ユリ科に属する植物はネギなどが、キク科に属する植物は春菊などが挙げられる。これらの植物の類縁品種および改良品種も適宜に使用することができる。この植物由来の不凍タンパク質は、前記植物の全体または一部分(例えば、葉、葉柄、花、果実、枝根、芽、種子等)から公知の手段によって抽出される。抽出方法は、植物の全体または一部の粉砕物を3〜120℃、より好ましくは40〜105℃で水または有機溶媒により抽出する方法が挙げられる。好ましい方法としては、植物の粉砕物を、約10倍量の水に混合し、室温〜105℃で10分〜2時間攪拌抽出する。得られた抽出物を限外濾過遠心濃縮装置(分画分子量3,000)により1,000〜10,000gで濾過することによって、目的の不凍タンパク質を得ることができる。必要により、さらに濃縮、濾過、凍結乾燥等の処理を行ってもよい。また、2種以上の異なる植物種からそれぞれ得られた不凍タンパク質を組み合わせたものであってもよい。また、本発明の品質改良剤の添加量は、特に限定はないが、0.000005%〜1.0%、好ましくは0.00005%〜0.1%含有するものが望ましい。
本発明方法の対象となる米は、特に限定されないが、本発明方法を適用すると効果面で特に顕著なものとして、たとえば、収穫後長期間をへて風味の低下した古米、貯蔵条件たとえば温度管理が適切でないために風味の低下した米、あるいは収穫時から品質の良くない低品質米たとえば寒冷地で収穫された米、輸入米などが挙げられる。さらには、主食として食される米以外に、ウルチ米、モチ米、麦、ヒエ、粟、豆等の穀物や、米や穀物の加工品についても適用可能である。加工品の具体例としては、ウルチ米またはモチ米等の炊飯米、たきこみご飯、赤飯等の米飯、寿司、おじや、お茶漬、即席米飯等の米飯の二次加工品、麦飯、小豆を原料とするつぶあん、煮豆、コーンスープ、グリーンピース等が挙げられる。
本発明の品質改良剤を用いてなる米飯類は、不凍タンパク質を米や米飯に配合することにより得られる。
配合方法としては、あらかじめ水に不凍タンパク質を溶解もしくは懸濁させて得られる水溶液もしくは懸濁液を用いて穀粒を炊く、蒸す、煮る等の調理に付してもよいし、あるいはあらかじめ調理して得られた穀粒食品に、酢、お茶、水、湯、油、しょう油等に不凍タンパク質を溶解もしくは懸濁させたものをまぶす、ふりかける等により配合し、必要に応じてさらに調理してもよい。いずれにしても、穀粒食品を食する前に配合されていれば良い。また炊飯に供する米の一部または全部にコーテイング等の方法により予じめ付着せしめておいてもよい。
組成物として添加する場合、不凍タンパク質の含有割合は、前記に示したとおりであるがさらに好ましくは乾物基準で、0.000005%〜1.0%、好ましくは0.00005%〜0.1%で含有せしめるのがよい。本組成物の形態は、水溶液、乳化液、懸濁液、粉末、顆粒、錠剤などいずれであってもよく、その製造法自体は公知の方法を採用することができる。
本発明において、精白米あるいは米飯の外観を改良する目的で、綿実油、米油、コーン油、大豆油、植物性硬化油脂などの油脂類を併用することができる。また、食塩、糖類、アミノ酸などを必要に応じて併用してもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明する。
(実施例1)不凍タンパク質の製造
2.5リットルの蒸留水に市販Brassica juncea(商品名;マスタード芽、村上農園製)700gを入れ、105℃で1時間熱水処理した。ろ紙(アドバンテック社製)を使用し濾別後、約2リットルの抽出液を限外ろ過濃縮装置(アドバンテック社製、UHP−150)で加圧濃縮し、濃縮液200mlを得た。これを10,000×g、10分間遠心分離して上清を回収した。この上清のタンパク質濃度をBCA法(BCAキット、ピアース社製)によって測定したところ、5mg/mlであった。従って、この不凍タンパク質溶液の濃度は0.5%であった。
(実施例2)
1年半経過した無洗米「あきたこまち」540gに対して、実施例1で得た不凍タンパク質40mg(対米で0.007%)を含む水道水750mlを加え、1時間放置後、IHジャー炊飯器を用いて炊飯を行った。得られた米飯(ご飯)の風味および食感について官能評価を行った。
(比較例1)
実施例2において、不凍タンパク質を除いた以外は実施例2と同様にして、炊飯を行った。得られた米飯の風味および食感について官能評価を行った。
(比較例2)
比較例1において、1年半を経過した無洗米「あきたこまち」に替えて、新米「あきたこまち」にした以外は比較例1と同様にして、炊飯を行った。得られた米飯の風味および食感について官能評価を行った。
<官能評価>
実施例2、比較例1および比較例2で得られた米飯について、風味および食感についてパネル8名により、5段階の官能評価を行った。その結果を表1に示す。てり(炊きたての透明感、艶)は比較例2を3点とし、1(無い)〜3(比較品2と同等)〜5(有る)とした平均値で示した。粘り気(もっちり感)は比較例2を3点とし、1(無い)〜3(比較品2と同等)〜5(有る)とした平均値で示した。甘味(ご飯特有の甘味)は比較例2を3点とし、1(無い)〜3(比較品2と同等)〜5(有る)とした平均値で示した。香りは比較例2を3点とし、1(悪い)〜3(比較品2と同等)〜5(良い)とした平均値で示した。
なお、比較例1における香りの評価はパネル8名中6名が1、2名が2であり、米ヌカの臭いや油臭さ、などの古米臭が感じられると評価された。
表1より明らかなように不凍タンパク質を添加した実施例2の米飯は、古米を炊飯したにも関わらず、新米と同等であると評価された。 不凍タンパク質の添加効果は明らかである。
(実施例3)
(1)トリプシン分解脱脂粉乳液の調製
脱脂粉乳5重量%を水95重量%に溶解し約50℃まで加温し、トリプシン(ノボインダストリージャパン製)0.005重量%を添加混合し1時間保持した後、70℃で10分間加熱して酵素を失活させた。その後、冷却してトリプシン分解脱脂粉乳液を得た。
(2)不凍タンパク質含有乳化組成物の調製
ナタネ油37重量%と飽和ジグリセリド3重量%を80℃に加温し、これにヘキサグリセリンペンタオレエート0.25重量%を添加し均一に混合し油相部とした。一方、60℃に加温した実施例1で得た不凍タンパク質溶液51.45重量%にトリプシン分解脱脂粉乳液8重量%及びショ糖脂肪酸パルミテート(HLB15)0.3重量%を加え溶解し水相部とした。この水相部に、上記の如く得た油相部を混合し予備乳化した後、70kg/cm2 の圧力で均質化処理を行った。その後、140℃で2秒間殺菌処理を行い、不凍タンパク質含有乳化組成物を得た。
(3)不凍タンパク質を含まない乳化組成物の調製
(2)において、実施例1で得た不凍タンパク質溶液に替えて水道水を用いた以外は(2)と同様にして、不凍タンパク質を含まない乳化組成物を得た。
(実施例4)
1年半経過した無洗米「あきたこまち」540gに対して、実施例3(2)で得た不凍タンパク質含有乳化組成物10.8g、水道水740mlを加え、1時間放置後、IHジャー炊飯器を用いて炊飯を行った。得られた米飯の風味および食感について、実施例2と同様に官能評価を行った。評価結果を表2に示した。
(比較例3)
実施例4において、実施例3(2)で得た不凍タンパク質含有乳化組成物に替えて、実施例3(3)で得た不凍タンパク質を含まない乳化組成物を用いた以外は実施例4と同様にして炊飯を行い、得られた米飯の風味および食感について、実施例2と同様に官能評価を行った。評価結果を表2に示した。
表2より明らかなように不凍タンパク質を添加された実施例4の米飯は、古米を炊飯したにも関わらず、新米(比較例2)と同等であると評価された。 不凍タンパク質の添加効果は明らかである。
(実施例5)
実施例2で得られた米飯をIHジャー炊飯器に12時間保存後、おにぎりを作製した。 なお、おにぎりは10%食塩水を手水用に用い、三角形に作製した。得られたおにぎりの官能評価を行った。
(比較例4)
実施例5において、実施例2で得られた米飯に替えて、比較例1で得られた米飯を使用した以外は、実施例5と同様にしておにぎりを得た。得られたおにぎりの官能評価を行った。
<官能評価>
官能評価は20名のパネルで、実施例5および比較例4のそれぞれで得られたおにぎりについて、2点嗜好試験法を用いた。2点嗜好試験法は、A(実施例5)、B(比較例4)の2種類の試料のうち好ましい試料はどちらかを評価させる2点嗜好試験とした。結果を下記表3に示す。
表3から明らかなように、炊飯後、IHジャー炊飯器で保存した場合でも不凍タンパク質を添加した実施例5が好まれる傾向が極めて高いことが明らかとなった。不凍タンパク質の添加効果は明らかである。
(実施例6)
室温で2年間保存したもち米「みやこがねもち」(宮城県産)1.0kgを水がきれいになるまで洗った。洗ったもち米を実施例1で得た不凍タンパク質0.01%を含む水道水3Lに5時間浸した。引き続き、実施例1で得た不凍タンパク質0.01%を含む水道水3Lに取り替えて、さらに5時間浸し、金属製のざるを使い水切りを20分間行った。次に、マイコン自動もちつき機(松下電器産業株式会社製、SD−MA18型)を用いて、もちをついた。得られたもちの官能評価を行った。
(比較例5)
実施例6において、実施例1で得た不凍タンパク質0.01%を含む水道水3Lに替えて、不凍タンパク質を含まない水道水3Lを使用した以外は実施例6と同様にして、もちをついた。得られたもちの官能評価を行った。
<官能評価>
官能評価は20名のパネルで、実施例6および比較例5のそれぞれで得られたもちについて、3点識別試験法及び3点嗜好試験法を用いた。3点識別試験法は、A(実施例6)、B(比較例5)の2種類の試料で差が識別されるかどうかを確認するために実施した。試料をAAB、BBAのように3個を1組にして提示した。パネルには、3個のうち2個が同じもので、1個が違うものであるという指示を与え、異なる1個を指摘させた。さらに、その2個のうち好ましい試料はどちらかを評価させ、3点嗜好試験とした。結果を下記表4に示す。
表4に示されるように、3点識別試験法では、20名のパネルのうち16名が差を正しく識別した。3点嗜好試験法では18名が、実施例6のもちを好ましいと評価した。3点識別試験法で正答した16名は16名全員が実施例6を好ましいと評価した。また、比較例5を「ヌカ臭い」、「油臭い」と評価したパネルが多かった。
不凍タンパク質を添加した方が好まれ、添加効果は明らかである。
(実施例7)
中国産米540gを水がきれいになるまで洗った。洗った中国産米を実施例2と同様に炊飯を行った。得られた米飯について官能評価を行った。
(比較例6)
中国産米540gを水がきれいになるまで洗った。洗った中国産米を比較例1と同様に炊飯を行った。得られた米飯について官能評価を行った。
<官能評価>
官能評価は20名のパネルで、実施例7および比較例6のそれぞれで得られた米飯について、2点嗜好試験法を用いた。2点嗜好試験法は、A(比較例6)、B(実施例7)の2種類の試料のうち好ましい試料はどちらかを評価させる2点嗜好試験とした。結果を下記表5に示す。
表5から明らかなように、中国産米においても不凍タンパク質を添加したB(実施例7)が好まれる傾向が極めて高いことが明らかとなった。不凍タンパク質の添加効果は明らかである。
(実施例8)
カリフォルニア産米540gを水がきれいになるまで洗った。洗ったカリフォルニア産米に対して、実施例1で得た不凍タンパク質50mgを含む水道水1020mlを加えた。さらに大麦(宮城県産)135gを加え、1時間放置後、IHジャー炊飯器を用いて炊飯を行った。30分蒸らした後、麦と米をサックリと混ぜた。IHジャー炊飯器に8時間保存後、得られた麦飯について官能評価を行った。
(比較例7)
実施例8において、不凍タンパク質を除いた以外は実施例8と同様にして、炊飯を行った。実施例8と同様にして、得られた麦飯について官能評価を行った。
<官能評価>
官能評価は20名のパネルで、実施例8および比較例7のそれぞれで得られた麦飯について、2点嗜好試験法を用いた。2点嗜好試験法は、A(実施例8)、B(比較例7)の2種類の試料のうち好ましい試料はどちらかを評価させる2点嗜好試験とした。結果を下記表6に示す。
表6から明らかなように、麦飯においても不凍タンパク質を添加したA(実施例8)が好まれる傾向が極めて高いことが明らかとなった。不凍タンパク質の添加効果は明らかである。

Claims (5)

  1. 不凍タンパク質を含有することを特徴とする米飯用品質改良剤。
  2. 不凍タンパク質が植物、魚、昆虫または微生物由来であることを特徴とする請求項1記載の品質改良剤。
  3. 植物が、アブラナ科、セリ科、ユリ科、キク科に属する植物である請求項1および2記載の品質改良剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の品質改良剤を含む米飯類。
  5. 請求項1〜3のいずれかに記載の品質改良剤を米飯類に添加することを特徴とする品質改良剤を含む米飯類の製造方法。
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