JP2009290990A - 駆動装置及び電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】進角の変更を円滑に行って始動から最高速までの滑らかな駆動を実現する駆動装置及び電子機器を提供する。
【解決手段】進角変更点の近傍でロータ22の角加速度を検出し、検出結果に基づいて進角を変更する速度を調節するブラシレスDCモータの駆動方法を提供する。
【選択図】図1

Description

本発明は、駆動装置及び電子機器に関する。
電子機器の制御対象の位置決め制御において、ステッピングモータのロータの位置に合わせて通電を切り替え、ブラシレスDCモータとして動作させることは従来から知られている。ブラシレスDCモータは、ロータの位置をセンサによって検出するため、指令信号とロータの位置の同期を維持することができる。
通電の切り換えはコイルへの励磁によって行われる。この時、コイルのインダクタンスの影響により励磁電流は遅れて立ち上がるためにロータが高速化するにつれて励磁電流が一定値に達する前に相が切り替わり、トルクが低下するという問題が発生する。そこで、特許文献1〜4は、ロータの回転速度が高速化するにつれて、ロータの回転速度に応じて進角を変更し、コイルへの励磁を切り替える角度を進めて早めにコイルへの通電を行なうことを提案している。
特公平06−067259号公報 特開2002−359997号公報 特許第3715276号明細書 特開平10−150798号公報
しかしながら、特許文献1及び2は、タイマによって1ステップ移動する時間を計測して、その時間に基づいて演算して進角を得ているために、演算による回路負荷が増えるという問題がある。また、特許文献3も、ロータ指令角度とロータ回転角度との差である位置偏差を常に計算して進角を得ているために演算による回路負荷が増えるという問題がある。一方、特許文献4は、エンコーダによって直接角度を測定して進角を得ているために回路負荷は軽減されている。しかし、特許文献4は、高分解能のエンコーダが必要になるため、モータの小型化や低コスト化が難しくなるという問題がある。更には、進角の変更の直後においてはロータや制御対象のイナーシャと摩擦(負荷トルク)がロータに加わるために、ロータが急激な進角の変更に追従できないという問題もある。
そこで、本発明は、進角の変更を円滑に行って始動から最高速までの滑らかな駆動を実現する駆動装置及び電子機器を提供することを例示的な目的とする。
本発明の一側面としての駆動装置は、磁石を有するロータと、磁石に回転力を与えるコイルを有するステータと、を有するモータと、前記モータのロータの位置を検出する位置センサと、前記位置センサの出力信号に対して進角を有する進角信号を生成する進角信号生成部と、前記進角信号生成部が生成した前記進角信号に基づいて前記コイルへの通電を切り換えると共に前記ロータの回転速度に応じて前記進角を変化させる制御部と、を有し、前記制御部は、前記進角を変化させる際の前記ロータの角加速度に基づいて前記進角を変化させる速度を調節することを特徴とする。
本発明によれば、進角の変更を円滑に行って始動から最高速までの滑らかな駆動を実現する駆動装置及び電子機器を提供することができる。
以下、添付図面を参照して、本実施例の電子機器について説明する。
図1は、電子機器100のブロック図である。電子機器100は、デジタルカメラやビデオカメラなどの光学機器、光ディスク装置、プリンタなどを含む。電子機器100は、制御対象10と、制御対象10を駆動及び位置決めする駆動装置と、制御対象10の位置又は移動加速度を検出する検出部70と、を有する。例えば、電子機器100がデジタルカメラであれば、制御対象10は光学系のフォーカスレンズであり、位置決め装置は焦点調節装置として機能する。駆動装置は、制御対象10を駆動するモータ20と、位置センサ30a及び30bと、モータ駆動部と、を有する。
図2は、モータ20と位置センサ30a及び30bの斜視図であり、説明のため一部の部品を破断して示している。モータ20は、ステッピングモータであり、これにエンコーダを取り付け、ロータの位置に合わせて通電を切り替え、ブラシレスDCモータとして機能させている。ステッピングモータは、高速回転時や過負荷時に、制御パルスとモータの回転の同期が失われる(脱調)という問題が発生する。ブラシレスDCモータは、ロータの位置をセンサによって検出するため、指令信号とロータの位置の同期を維持して脱調を防止することができる。
モータ20は、磁石21を有するロータ22と、磁石21に回転力を与えるコイルを有するステータと、を有する。
磁石21は、外周が多極着磁された円筒形状の永久磁石である。角度位置に対し、径方向の磁力の強さが正弦波状に変化する着磁パターンを有する。ロータ22は、ステータに対して回転可能に支持され、磁石21と一体に固定されている。
ステータは、一対のコイル23a及びコイル23b、一対のヨーク24a及びヨーク24b、一対の位置センサ30a及び30bを有する。ヨーク24aは、コイル23aに励磁される磁極歯を複数有している。励磁される極を切り替えることで、ロータ22に与えるトルクを変化させることができる。ヨーク24bは、コイル23bに励磁される磁極歯を複数有している。励磁される極を切り替えることで、ロータ22に与えるトルクを変化させることができる。位置センサ30a及び30bは磁石21の磁束を検出し、電気角で90度ずつ位相のずれた信号を出力するホール素子である。ここで磁石21の極数をnとすると、電気角360°は実際のロータ角度の720/n°に相当する。
図3(a)は、2相のコイル23a及びコイル23bとロータ22との関係を示している。図3(b)は、各相に一定電流を流したときのトルク分布を示す。二つのコイル23a及びコイル23bには正逆方向の電流を流すことができるので、トルク分布も図3(b)に示す4種類が得られる。ロータ22の回転位置に合わせ通電を切り替えることにより、モータにはTで示すようなトルク曲線が得られる。しかし、励磁電流は、コイルのインダクタンスの影響を受けるため、図4に示すように、励磁電圧に対して遅れをもって立ち上がる。従って、ロータ22の回転が高速化するにつれて、励磁電流が一定値に達する前に相が切り替わってしまい、トルクが低下してしまう。
モータ駆動部は、電流ドライバ40、制御部50、進角合成部(進角信号生成部)60Aを有する。
電流ドライバ40は、入力された信号に対応して、一対のコイル23a及び23bに所定の方向の電流を流す駆動回路である。
制御部50は、外部から入力された回転方向信号と駆動パルス信号に応じて、電流ドライバへ流す電流を決定する。コイル23aへ流す電流は第1の進角信号のタイミングで切り替え、コイル23bへ流す電流は第2の進角信号のタイミングで切り替える。また、制御部50は、位置センサ30aからのセンサ信号及び位置センサ30bからのセンサ信号をカウントし、所定のパルスに達したら通電を切る。このように、制御部50は、進角合成部60Aが生成した進角信号に基づいてコイル23a及び23bへの通電を切り換える。また、ロータ22の回転速度に応じて進角を変化させ、トルクの低下を防止する。なお、制御部50の動作は限定されず、モータ20の利用方法や制御方法に応じて所定の速度や位置に達した後にコイル23a及び23bへ流す電流を変更するマイクロステップ駆動などの開ループ制御に切り替える等、公知の技術が利用可能である。制御部50にはメモリ52が接続されており、メモリ52は、後述するように、ロータ22に加わる負荷変動の情報を格納している。
進角合成部60Aは、位置センサ30a及び30bから得られるセンサ信号と、指示された回転方向信号から、第1及び第2の進角信号を合成する回路である。合成された進角信号は、制御部50を経由して電流ドライバへ入力され、コイル23a及び23bの通電を切り替えるタイミングを指示する信号として利用する。
以下、図5を参照して、進角合成部60Aによる進角(位相差)の合成方法について説明する。図5は、位置センサ30a及び30bから出力される信号波形である。磁石21の径方向の磁力の強さは、電気角に対しておおよそ正弦波状になるように着磁しているため、位置センサ30aからは概略正弦波状のセンサ信号P1が得られる。位置センサ30bは位置センサ30aに対して電気角で90°の位相をもって配置され、位置センサ30bからは余弦波状のセンサ信号P2が得られる。この二つのセンサ信号P1及びP2から、任意の進角の信号を生成することができる。
位置センサ30aに対して、α°進めた進角信号(図5(a)では30度)を作りたい場合には、(センサ信号P1=sinθ)×cosα+(センサ信号P2=cosθ)×sinαで得られる信号を第1の進角信号K1とする。また、(センサ信号P2=cosθ)×cosα−(センサ信号P1=sinθ)×sinαで得られる信号を第2の進角信号K2とする。これにより、第1の進角信号K1はsin(θ+α)、第2の進角信号K2はcos(θ+α)となり、センサ信号P1及びP2に対してα°の進角を与えることが可能となる。第1の進角信号K1を2値化した進角信号Q1と第2の進角信号K2を2値化した進角信号Q2を利用することによって、コイル23a及び23bの通電を切り替える所望のタイミングを作り出すことができる。図5(a)は、センサ信号P1及びP2と進角信号Q1及びQ2を示している。
モータ20を逆回転するときに負の進角(遅角)が必要になる。このとき、(センサ信号P1=sinθ)×cosα‐(センサ信号P2=cosθ)×sinαで得られる信号を第3の進角信号K3とする。また、(センサ信号P2=cosθ)×cosα+(センサ信号P1=sinθ)×sinαで得られる信号を第4の進角信号K4とする。これにより、第3の進角信号K3はsin(θ‐α)、第4の進角信号K4はcos(θ‐α)となり、センサ信号P1及びP2に対して‐α°の進角を与えることが可能になる。第3の進角信号K3を2値化した進角信号Q3と第4の進角信号K4を2値化した進角信号Q4を利用することによって、コイル23a及び23bの通電を切り替える所望のタイミングを作り出すことができる。図5(b)は、センサ信号P1及びP2と進角信号Q3及びQ4を示している。
図6は、進角信号Q1及びQ2を得るための進角合成部60Aの回路構成例である。まず、位置センサ30a及び30bより得られたセンサ信号をA倍に増幅、次いで、反転し、それらを加算すると、次式のようになる。
可変抵抗R1及びR2に、R/R1=cosα、R/R2=sinαとなるような値を選択することによって任意の進角αだけ進めた信号を作り出すことができる。また、ロータ22の回転速度に応じて可変抵抗の値を変更して進角αを変更することによって各速度での進角を最適化し、モータ20の効率を高めることができる。速度を得るには、センサ信号の微分をとるなど、公知の方法を使用することができる。最後に、第1の進角信号は二値化されて進角信号Q1となり、第2の進角信号は二値化されて進角信号Q2となる。
図7は、進角信号Q1及びQ2を得るための進角合成部60Aの回路構成例である。まず、位置センサ30a及び30bより得られたセンサ信号をA倍に増幅、次いで、反転し、それらを加算すると、次式のようになる。
可変抵抗R1及びR2に、R/R1=cosα、R/R2=sinαとなるような値を選択することによって任意の進角αだけ遅れた信号を作り出すことができる。また、ロータ22の回転速度に応じて可変抵抗R1及びR2の値を変更して進角αを変更することによって各速度での進角を最適化し、モータ20の効率を高めることができる。速度を得るには、センサ信号の微分をとるなど、公知の方法を使用することができる。最後に、第3の進角信号は二値化されて進角信号Q3となり、第4の進角信号は二値化されて進角信号Q4となる。
また、モータ20の特性や、使用条件によっては、正方向の回転と逆方向の回転に違う進角が求められることもある。そのような場合は、可変抵抗R1及びR2の値を調整することにより、回転方向に応じて別の進角を与えることができる。
以上説明したように、ロータ22の回転角度(位置)を位置センサ30a及び30bで直接測定するので特許文献1〜3よりも回路負荷は小さい。また、本実施例は、特許文献4とは異なり、高分解能のエンコーダを使用しないのでモータ20の大型化とコストアップを防止することができる。更に、本実施例は、ロータ22の磁石21を位置検出にも用いることができる。このため、ロータ22の位置を検出する新たな部材が不要であり、モータ20の小型化を図ることができる。また、本実施例では位置センサ30a及び30bからのアナログ信号(出力信号)からロータ22の位置を直接に求めているので、インクリメント型エンコーダに必要な初期位置を求める動作が不要となる。
一般に、ホール素子には温度依存性があるが、本実施例では温度変化による位置センサ30a及び30bの特性変化を補償することができる。例えば、ホール素子を使用する環境の温度が変化することにより、ホール素子の感度がX倍になったとすると、二つの位置センサ30a及び30bは同じホール素子を用いているので、感度の変化率もほぼ等しい。このため、第1及び第2の進角信号K1及びK2は次式のようになり、感度が変わっても進角信号の強さがX倍されるのみで角度方向には変化がない。そして、第1及び第2の進角信号K1及びK2は2値化された進角信号Q1及びQ2となるので、温度変化によって信号の強さがX倍されてもモータ20の動作には影響がない。換言すると、温度変化によるホール素子の特性変化が、コイル23a及び23bの通電切り替え位置に影響を与えない。
ところで、実施例1は進角αを得るために、電気角で90°位相のずれた二つの位置センサ30a及び30bが必要だったが、実施例2では、一つの位置センサから進角αを与えた信号を生成する。本実施例も、上述と同様に図2に示すモータ20を図1に示すモータ駆動部を用いて駆動する。
図8を参照するに、実施例2は、位置センサから得られたセンサ信号Pを2値化する際に、2つの閾値V1及びV2を用いる。2つの閾値V1及びV2は図1に示すメモリ52に格納されている。第1の閾値V1はセンサ信号Pの立ち上がりを検出し、第2の閾値V2はセンサ信号Pの立下りを検出する。即ち、センサ信号Pの出力値が第1の閾値V1よりも大きくなった瞬間に2値化された進角信号QをLからHに切り替え、センサ信号Pの出力値が第2の閾値V1よりも小さくなった瞬間に2値化された進角信号QをHからLに切り替える。センサ信号Pの出力値が第1の閾値V1よりも小さくなった瞬間、第2の閾値V2よりも大きくなった瞬間には、2値化された進角信号Qを変化させない。第1の閾値V1を−sinαに設定し、第2の閾値V2を+sinαと設定することにより、α°の進角を与えた進角信号Qを生成することができる。図8は、進角が0°の二値化された進角信号を点線で示している。一般には、センサ信号Pをf(θ)とすると、第1の閾値V1を−f(α)、第2の閾値V2をf(−α)とすることにより、α°の進角を与えた進角信号Qを生成することができる。
図9は、図8の進角信号を生成する進角合成部(進角信号生成部)60Bの回路構成例を示す。進角合成部60Bはセンサ信号の立ち上がりと立下りを検出し、その信号をカウンタ62で数えることによって進角信号Qを生成する。実施例1と同様に、速度に応じてαの値を変化させることにより、各速度での進角を最適化し、モータ20の効率を高めることができる。
本実施例では、位置センサが一つだけしかない場合でも二値化された進角信号Qを生成することができるため、モータの回転方向が決まっているファンモータなど、位置センサを一つしか持たないものにも適用することができる。もちろん、二つ以上の位置センサを持ったモータは、それぞれに進角αを与えた信号を作ることが可能である。
また、本実施例では、モータの回転方向によらずに同じ回路が使えるという効果がある。実施例1は、進角信号の切り替えをモータ20の回転方向には依存せずにロータ22の角度のみによって決定しているため、モータ20の回転方向に応じて、正方向回転時には図6の回路に、逆方向回転時には図7の回路に、回路を切り替える必要がある。これに対して、実施例2は、センサ信号Pを時間微分したものを使用するので、ロータ22の回転方向によって進角信号の切り替わる角度が変わる。図10に示すように、モータ20を正方向Fに回転させると、センサ信号PはD4点で第1の閾値V1よりも大きくなり、D2点で第2の閾値V2よりも小さくなる。モータ20を逆方向Bに回転させたときは、センサ信号PはP3点で第1の閾値V1よりも大きくなり、P1点で第2の閾値V2よりも小さくなる。このようにモータ20の回転方向が正負どちらでも、回路を切り替えることなしにトルクを向上させるための進角を与えることができる。
以上説明した進角制御方法を、モータ20の始動時から最高回転数の領域まで(駆動全域)を複数の領域に分割して、それらの領域内で進角値を設定する方法が回路負荷に鑑みて好ましい。その際、第1の進角変更点T1(進角0°の線と進角小の線の交差点)及び第2の進角変更点T2(進角小の線と進角大の線の交差点)で進角値を変更するのがよい。進角小の線は、例えば、進角が30°の直線であり、進角大の線は、例えば、進角が60°の直線である。
ロータ22の回転速度が高速化するにつれ、コイルへの励磁を切り替える角度を進め、図3(b)に示すタイミングよりも早くコイルへの通電を行なう。これにより、電流の立ち上がりの遅れをカバーし、高速時でも出力トルクを安定させることができる。図11は、モータ20のトルクと回転数の特性グラフを進角の大きさ別に示した図である。進角が0°の時は比較的最大トルクは大きいが、最大回転数は低い。一方、進角が大きくなると、最大トルクは小さいが、最大回転数は高くなる。即ち、回転数に応じて進角を変化させれば、滑らかに効率よく高速回転を実現させることができる。
図11において、始動〜回転数E1までは進角0°、回転数E1〜E2までが進角小、回転数E2以上が進角大となるように設定にすれば、同図のグラフ上の太い点線に示す特性が得られる。これにより、進角の演算を行うのは領域を分割した際の境界近傍のみとなり、演算回数の大幅な削減が行え、モータ20の駆動に必要な回路負荷を小さくすることができる。
本駆動方法を装置に実現することを考えた場合、駆動中の負荷変動を考慮する必要がある。例えば、図11の第1の進角変更点T1での負荷状況により、ロータ22の角加速度が異なる場合は、その角加速度を考慮せずに一律に進角を変更しても、ロータ22が進角変更後の駆動指令に追従しないことがある。負荷トルクが比較的小さくロータ22の角加速度が大きい場合には進角変更後の駆動指令に追従しやすいが、負荷トルクが比較的大きくロータ22の角加速度が小さい場合には、進角変更後の駆動指令に追従しにくくロータ22の回転速度の上昇に長い時間を要する。これは、同一仕様のモータを大量生産した時の駆動特性のばらつきにより進角変更後の駆動指令に追従しやすいものと追従しにくいものが生じる可能性があることを意味する。また、同一のモータであっても、モータ20の使用環境(温度、湿度など)や使用頻度によっても、負荷トルクが変化し、ロータ22の角加速度が変化することがある。
そこで、制御部50は、進角を変化させる際の(即ち、進角変更点もしくはその直前に)位置センサが検出した結果に基づいてロータ22の角加速度を算出し、その角加速度に基づいて進角を変化させる速度を調節すればよい。例えば、進角0°から進角小へ変更する際に、負荷トルクが比較的大きくロータ22の角加速度が小さい場合は、進角変更点からの時間経過と共に進角を緩やかに変更する。仮に進角小を30°とすると、一定の時間経過とともに0°、5°、10°、15°、20°、25°、30°のように変更させる。また、進角0°から進角小へ変更する際に、負荷トルクが比較的小さくロータの角加速度が大きい場合は、進角変更点からの時間経過と共に、進角を比較的速く変更する。仮に進角小を30°とすると、一定の時間経過とともに0°、15°、30°のように変更させる。
この場合、進角変更点近傍での進角βは次式のようになる。但し、nは整数であり、新しい進角への到達までの時間の分割数を示す。βは進角変更開始からn時間後の進角である。Vは進角変更開始からn時間後のロータ回転速度である。tは進角変更開始からの経過時間である。Kは、トルクと回転数の特性より算出される定数である。
以上の構成により、負荷トルクの変動やバラツキがあった場合に、それぞれの状況に応じて最適な進角の変更が行え、最高速まで滑らかな駆動が実現できる。なお、本実施例では、ロータ22の角加速度を算出したが、モータ20によって駆動される制御対象10の移動加速度又は位置を検出する検出部70の検出結果からロータ22の角加速度を取得してもよい。この場合は、制御対象10の移動加速度をロータ22の角加速度とみなすことになる。
駆動装置は、設計段階で予め想定できる負荷変動がある。例えば、カメラのレンズ駆動機構では、筒状部材に施されたカム溝に従ってレンズが駆動され、光軸方向にレンズが進退するが、そのカム溝の傾斜角によってモータの負荷トルクが変動する。この場合は、制御部50はメモリ52から負荷変動の情報を取得して、進角変更点での変更速度をその負荷トルクの変動に合わせて設定してやれば、進角変更点でのロータ22の角加速度の演算をしなくてもよく、回路負荷が低減することができる。
実施例1の電子機器のブロック図である。 図1に示すモータと位置センサの斜視図である。 図3(a)は図1に示すコイルとロータとの関係を示す平面図であり、図3(b)は図3(a)において各コイルに一定電流を流したときのトルク分布を示すグラフである。 図3(a)に示すコイルの励磁電流の遅れを説明するグラフである。 図1に示す位置センサから出力される信号波形である。 図5(a)に示す信号を生成する進角合成部の回路構成例である。 図5(b)に示す信号を生成する進角合成部の回路構成例である。 実施例2の位置センサから出力される信号波形である。 図8に示す進角信号を生成する進角合成部の回路構成例である。 実施例2の進角合成部の動作を説明するための波形図である。 トルクと回転数の特性グラフである。
符号の説明
20 モータ
21 磁石
22 ロータ
23a、23b コイル
30a、30b 位置センサ
40 電流ドライバ
50 制御部
60A、60B 進角合成部(進角信号生成部)
100 電子機器

Claims (6)

  1. 磁石を有するロータと、磁石に回転力を与えるコイルを有するステータと、を有するモータと、
    前記モータのロータの位置を検出する位置センサと、
    前記位置センサの出力信号に対して進角を有する進角信号を生成する進角信号生成部と、
    前記進角信号生成部が生成した前記進角信号に基づいて前記コイルへの通電を切り換えると共に前記ロータの回転速度に応じて前記進角を変化させる制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記進角を変化させる際の前記ロータの角加速度に基づいて前記進角を変化させる速度を調節することを特徴とする駆動装置。
  2. 前記制御部は、前記ロータの始動時から最高回転数の領域までを複数の領域に分割して各領域に対して前記進角を変化させることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記制御部は、前記位置センサが検出した結果に基づいて前記角加速度を算出することを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  4. 制御対象と、当該制御対象を位置決め及び駆動する駆動装置と、を有する電子機器であって、
    前記駆動装置は、
    磁石を有するロータと、磁石に回転力を与えるコイルを有するステータと、を有して前記制御対象を駆動するモータと、
    前記モータのロータの位置を検出する位置センサと、
    前記位置センサの出力信号に対して進角を有する進角信号を生成する進角信号生成部と、
    前記進角信号生成部が生成した前記進角信号に基づいて前記コイルへの通電を切り換えると共に前記ロータの回転速度に応じて前記進角を変化させる制御部と、
    を有し、
    前記制御部は、前記進角を変化させる際の前記ロータの角加速度に基づいて前記進角を変化させる速度を調節することを特徴とする電子機器。
  5. 前記電子機器は、前記制御対象の位置又は移動加速度を検出する検出部を更に有し、
    前記制御部は、前記ロータの角加速度を前記検出部の検出結果から取得することを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
  6. 前記制御部は、前記制御対象から前記モータに加わる負荷変動に合わせて前記進角を変化させる速度を調節することを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
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