JP5464793B2 - モータ駆動装置 - Google Patents

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本発明は、モータに対し、第1のコイルおよび第2のコイルに通電する電流を順次切り替えることによってロータを回転させるモータ駆動装置に関する。
従来、ステッピングモータは小型、高トルク、高寿命であるといった特長を有する。このステッピングモータを開ループ制御で駆動することにより、容易にデジタル的な位置決め動作が実現される。このため、ステッピングモータは、カメラや光ディスク装置等の情報家電、プリンタやプロジェクタ等のOA機器などに広く用いられている。
しかし、モータへの負荷が大きいときや高速回転を行おうとしたときに、モータが脱調してしまうという問題があった。この問題を解決するために、ステッピングモータにエンコーダを取り付け、ロータの位置に合わせて通電を切り替える、いわゆるブラシレスDCモータの動作をステッピングモータに行わせることで脱調を防ぐ方法が従来から行われていた。
特許文献1、2、3には、上記方法で高速回転を可能にしたブラシレスモータが開示されている。これらのモータは、非接触式の位置センサにより得られる信号を、速度に応じて進相させた位置信号により、コイルを励磁することで、電流の立ち上がり遅れをカバーしている。この技術について、図9〜図11を用いて説明する。
始めに、ブラシレスモータの原理を示す。図9は従来の2相のコイルA、Bおよびロータ101を示す図である。図10は各相に一定電流を流した場合のトルク分布を示すグラフである。横軸は電気角θを示し、縦軸はトルクを示す。2つのコイルA、Bには、それぞれ正逆方向の電流を流すことができるので、トルク分布も4種類得られる。ロータ101の回転位置に合わせて通電を切り替えることにより、ブラシレスモータには、トルク曲線Tが得られる。
図11は励磁電圧および励磁電流の時間的変化を示すグラフである。励磁電流hは、コイルのインダクタンスの影響を受けるので、励磁電流hは励磁電圧iに対し、遅れをもって立ち上がる。このため、ロータの回転が高速化するにつれ、コイルへの励磁を切り替える角度を進め、図10に示すタイミングよりも早くコイルへの通電を行うようにする。これにより、励磁電流の立ち上がりの遅れをカバーし、高速回転時でもトルクを安定させることができる。図12はトルクと進角の関係を示すグラフである。このグラフでは、進角なしa、進角中b、進角大cにおける、回転数に応じたトルクが示されている。ロータの回転数によって、最大のトルクを得ることができる進角が変わっている。即ち、図中、回転数dまでは進角大cで最大のトルクが得られているが、回転数d以降では進角中bで最大のトルクが得られる。このように、回転速度に応じて最適な進角を選択することで、高速回転時においても効率の高いモータを提供することができる。
前述した特許文献1、2では、タイマによってロータが1ステップ移動する時間を計測し、その時間に基づいて演算することで進角の調整を行っている。また、前述した特許文献3では、同様の技術思想を実現するために、高分解能のエンコーダを用い、ある速度を超えたときに分周時のカウント数を変えることで、進み角を与える方法が開示されている。
特公平06−067259号公報 特開2002−359997号公報 特開平10−150798号公報
しかしながら、上記従来のモータ駆動装置では、以下に掲げる問題があった。即ち、特許文献1、2に記載の手段では、進角を得るために、常に速度を監視する必要があり、回路負荷が増えてしまうという問題があった。特に、1ステップごとにタイマ値を取り込み、進角を演算するという手順が必要となるので、高速になればなるほど演算回数の頻度が上がり、回路負荷が増えてしまう。また、1ステップ前の時間間隔を用いて進角の演算を行うので、1ステップ進む間に発生する急激な速度変化によっては進角が変わってしまうという問題もあった。
また、特許文献3に開示されている方法では、進角を得るために、時間を測定するのではなく、エンコーダによって直接角度を測定することが行われる。このため、制御側の負担が極めて小さくなっている。また、速度に依存せずに進角を決めることができる。しかし、高分解能のエンコーダが必要になるので、モータの小型化や低コスト化が難しくなるといった問題があった。
そこで、本発明は、大きな負荷をかけることなく簡単な回路で進角信号を作り出すことができ、小型化・低コスト化を実現し、モータの高速回転が可能であるモータ駆動装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明のモータ駆動装置は、マグネットを有するロータと、第1のコイル、第2のコイル、前記マグネットの位置を検出する第1の位置検出手段および第2の位置検出手段を備え、前記ロータを回転自在に支持するステータとによって構成されるモータに対し、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルに通電する電流を順次切り替えることによって前記ロータを回転させるモータ駆動装置であって、前記第1の位置検出手段から得られる信号に第1の係数a1を乗算した信号と、前記第2の位置検出手段から得られる信号に第2の係数a2を乗算した信号とを加算して第1の進角信号を生成し、前記第1の位置検出手段から得られる信号に第3の係数b1を乗算した信号と、前記第2の位置検出手段から得られる信号に第4の係数b2を乗算した信号とを加算して第2の進角信号を生成する進角合成手段と、前記第1の進角信号によって前記第1のコイルへの通電を切り替え、前記第2の進角信号によって前記第2のコイルへの通電を切り替える制御手段とを備え、前記進角合成手段は、前記ロータの回転速度に応じて第1の可変抵抗の抵抗値を変えることにより前記第1の係数a1および前記第4の係数b2を決定し、前記ロータの回転速度に応じて第2の可変抵抗の抵抗値を変えることにより前記第2の係数a2および前記第3の係数b1を決定することによって、前記ロータの回転速度に応じた進角αを前記第1の進角信号および前記第2の進角信号に与えることを特徴とする。
本発明のモータ駆動装置は、マグネットを有するロータと、第1のコイル、第2のコイル、および前記マグネットの位置を検出する位置検出手段を備え、前記ロータを回転自在に支持するステータとによって構成されるモータに対し、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルに通電する電流を順次切り替えることによって前記ロータを回転させるモータ駆動装置であって、前記位置検出手段から得られる信号の電圧と第1の閾値とを比較し、前記電圧と前記第1の閾値より高い第2の閾値とを比較する比較手段と、前記電圧が前記第1の閾値を超えたとき、および前記電圧が前記第2の閾値より下がったとき、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルへの通電を切り替える制御手段と、前記第1の閾値および前記第2の閾値を前記ロータの回転速度に応じて変化させることにより、前記ロータの回転速度に応じた進角αを前記第1の進角信号および前記第2の進角信号に与える進角合成手段とを備えることを特徴とする。
本発明の請求項1に係るモータ駆動装置によれば、大きな負荷をかけることなく簡単な回路で進角信号を作り出すことができ、小型化・低コスト化を実現し、モータの高速回転が可能であり、回転速度に応じて最適な進角を与えることができるため、モータの効率を高めることができる。従って、従来のように、小型化の実現を妨げる高価なエンコーダを用いなくて済む。請求項2に係るモータ駆動装置によれば、比較的簡単な回路で実現できる
本発明の請求項4に係るモータ駆動装置によれば、大きな負荷をかけることなく簡単な回路で進角信号を作り出すことができ、小型化・低コスト化を実現し、モータの高速回転が可能であり、回転速度に応じて最適な進角を与えることができるため、モータの効率を高めることができる。また、位置検出手段を1つで済ますことができる。さらに、通電の切り替えは、モータの回転方向に依存することなくロータの角度によって決まるので、モータの回転方向によらず、同一の回路で実現できる。請求項5に係るモータ駆動装置によれば、α度の進角を与えた信号を作り出すことができる。請求項に記載のモータ駆動装置によれば、マグネットおよびホール素子を用いて検出することができ、ロータの位置を知るための新たな部材を準備することがなく、モータの小型化に繋がる。
本発明のモータ駆動装置の実施の形態について図面を参照しながら説明する。本実施形態のモータ駆動装置はステッピングモータ制御装置に適用される。
[第1の実施形態]
図1は第1の実施形態におけるステッピングモータの構成を示す斜視図である。なお、説明を分かり易くするために、一部の部品が破断で示されている。ステッピングモータ1は、マグネット2を有するロータ3、第1のコイル4a、第2のコイル4b、第1のヨーク5a、第2のヨーク5b、第1のセンサ6aおよび第2のセンサ6bから構成される。このうち、第1のコイル4a、第2のコイル4b、第1のヨーク5aおよび第2のヨーク5b、第1のセンサ6aおよび第2のセンサ6bは、ステータを構成する。
マグネット2は、外周が多極に着磁された円筒形状の永久磁石である。マグネット2は、角度位置に応じて、径方向の磁力の強さが正弦波状に変化する着磁パターンを有する。ロータ3は、マグネット2が一体に固定され、ステータに対して回転自在に支持される。
第1のヨーク5aは、第1のコイル4aに励磁される磁極歯を複数有する。励磁される極を切り替えることで、ロータ3に与えるトルクを変化させることができる。第1のセンサ6aおよび第2のセンサ6bは、ホール素子からなり、マグネット2の磁束(磁気)を検出し、互いに電気角で90度ずつ位相のずれた信号を出力する。ここで、マグネット2の極数をnとすると、電気角360°は実際のロータ角度の720/n°に相当する。また、第1のセンサ6aおよび第2のセンサ6bは、それぞれ請求項1に記載の第1の位置検出手段および第2の位置検出手段に相当する。
図2はステッピングモータを駆動するモータ駆動回路の構成を示す図である。モータ駆動回路10は、電流ドライバ11、コントローラ12および進角合成部13から構成される。電流ドライバ11は、入力された信号に対応し、第1のコイル4aおよび第2のコイル4bに所定の方向の電流を流す電流駆動回路である。
コントローラ12は、外部から入力された回転方向信号および駆動パルス信号に応じて、電流ドライバ11に流す電流を決定する。第1のコイル4aに流す電流は第1の進角信号のタイミングで切り替えられ、第2のコイル4bに流す電流は第2の進角信号のタイミングで切り替えられる。また、コントローラ12は、第1のセンサ信号および第2のセンサ信号をカウントし、所定のパルスに達すると、通電を切る。
なお、本発明はモータ駆動時の進角の合成方法に関するものであり、コントローラの具体的な動作方法は限定されない。コントローラの動作方法としては、モータの利用方法や制御方法に応じて公知の技術が利用可能である。例えば、所定の速度や位置に達した後にコイルへ流す電流を変更する、マイクロステップ駆動などの開ループ制御に切り替える方法が挙げられる。
進角合成部13は、第1のセンサ6aおよび第2のセンサ6bから得られるセンサ信号と指示された回転方向信号から、第1および第2の進角信号を合成する回路である。合成された進角信号は、コントローラ12を経由して電流ドライバ11に入力され、コイルの通電を切り替えるタイミングを指示する信号として利用される。
ここで、進角合成部13における進角の合成方法について詳しく説明する。図3は第1のセンサ6a、第2のセンサ6bからそれぞれ出力される第1、第2のセンサ信号および進角信号の波形を示すグラフである。図中、縦軸は信号の大きさを表し、横軸は電気角θを表す。前述したように、マグネット2の径方向の磁力の強さは電気角に対しておおよそ正弦波状になるように、着磁されているので、第1のセンサ6aから概略正弦波状の信号が得られる。また、第2のセンサ6bは、第1のセンサ6aに対し、電気角で90°の位相差をもって配置されているので、第2のセンサ6bから余弦波状の信号が得られる。この2つの信号から、任意の進角の信号を作り出すことができる。
まず、第1のセンサ6aに対し、α°進めた進角信号を作りたい場合、数式(1)で得られる信号を第1の進角信号とする。図3では、30度の進角を与える場合が示されている。
第1のセンサ信号[sinθ]×cosα + 第2のセンサ信号[cosθ]×sinα …… (1)
また、数式(2)で得られる信号を第2の進角信号とする。
第2のセンサ信号[cosθ]×cosα − 第1のセンサ信号[sinθ]×sinα …… (2)
これにより、第1の進角信号はsin(θ+α)となり、第2の進角信号はcos(θ+α)となり、それぞれ第1のセンサ信号、第2のセンサ信号に対してα°の進角を与えることが可能になる。そして、第1および第2の進角信号をそれぞれ2値化することで、コイルの通電を切り替えるための所望のタイミングを作り出すことができる。
また、モータを逆回転させる場合、図10のタイミングよりも早く通電を切り替えるためには、負の進角が必要になる。この場合、数式(3)で得られる信号を第1の進角信号とする。
第1のセンサ信号[sinθ]×cosα ‐ 第2のセンサ信号[cosθ]×sinα …… (3)
また、数式(4)で得られる信号を第2の進角信号とする。
第2のセンサ信号[cosθ]×cosα + 第1のセンサ信号[sinθ]×sinα …… (4)
これにより、第1の進角信号はsin(θ‐α)となり、第2の進角信号はcos(θ‐α)となり、それぞれ第1のセンサ信号、第2のセンサ信号に対して‐α°の進角を与えることが可能になる。
図4は進角合成部13の構成を示す回路図である。進角合成部13は、反転増幅器21、22、23、24、加算回路25、26および2値化回路27、28を有する。まず、第1のセンサ6aより得られた信号を増幅度A倍に増幅する。また、増幅した信号を反転したものを準備する。これらの信号を加算することにより、数式(5)、(6)に示す信号が得られる。
第1の進角信号 = A・R/R1・sinθ + A・R/R2・cosθ … (5)
第2の進角信号 = A・R/R1・cosθ − A・R/R2・sinθ … (6)
従って、可変抵抗R1,R2に、R/R1=cosα、R/R2=sinα となるような値を選ぶことで、任意の進角α進めた信号を作り出す(生成する)ことができる。ここで、A・R/R1(=A・cosα)は、第1のセンサ6aより得られた信号に乗算される、請求項1に記載の第1の係数a1、および第2のセンサ6bより得られた信号に乗算される、第4の係数b2に相当する。A・R/R2(=A・sinα)は、第2のセンサ6bより得られた信号に乗算される、第2の係数a2に相当する。− A・R/R2(=−A・sinα)は、第1のセンサ6aより得られた信号に乗算される、第3の係数b1に相当する。
また、ロータの回転速度に応じて可変抵抗の値を変え、進角αを変えていくことで、それぞれの速度での進角を最適化し、モータの効率を高めることができる。このとき速度は、センサ信号の微分をとる等、公知の方法で求めることにより得られる。
図5はモータの回転方向を逆にした場合の進角合成部13の構成を示す回路図である。進角合成部13は、反転増幅器31、32、33、34、加算回路35、36および2値化回路37、38を有する。モータの回転方向を逆にした場合、第1の進角信号および第2の進角信号は、数式(7)、(8)で得られる。
第1の進角信号 = A・R/R1・sinθ − A・R/R2・cosθ … (7)
第2の進角信号 = A・R/R1・cosθ + A・R/R2・sinθ … (8)
従って、可変抵抗R1,R2をR/R1=cosα、R/R2=sinα となるような値を選ぶことで、任意の進角α遅らせた信号を作り出すことができる。なお、モータの特性や使用条件によっては、正方向の回転と逆方向の回転に違う進角が求められることもある。そのような場合、可変抵抗R1,R2の値を調整することにより、回転方向に応じて、別の進角を与えることができる。また、図4、図5に示す進角合成部13の回路は、モータの回転方向に応じて、選択的に切り替えられてもよいし、モータの回転方向が決まっている場合、一方だけ搭載されてもよい。
第1の実施形態のモータ駆動装置の効果について説明する。本実施形態の進角の調整方法では、ロータの角度を直接センサで測定することができる。従って、特許文献1、2に示されるように、1ステップごとに測定した速度を演算し、時間遅れを作ることで進角を作り出す方法に比べ、回路にかかる負荷がはるかに小さい。
また、従来のように1ステップ前の時間間隔から進角を計算する方法では、1ステップ進む間に発生するような急激な速度変化が起こった場合、進角を正確に出すことが不可能になり、最悪の場合、モータの回転が止まってしまうおそれがあった。これに対し、本実施形態では、センサによって直接進角を得ているので、急激な速度変化に対しても異常動作は生じず、安定した動作が行える。
また、本実施形態では、高分解能のエンコーダを不要としている。従って、モータのコストアップを避けることができる。さらに本実施形態では、ロータのマグネットを位置検出にも用いることができる。これにより、ロータの位置を知るための新たな部材を準備することがなく、モータの小型化に繋がる。
また、特許文献3に示されるように、インクリメント型の高分解能のエンコーダを用いた場合、電源を切ると位置情報を失ってしまう。このため、電源投入時や異常動作時に、エンコーダの位置を決定するためにストッパに突き当てるなど、初期位置を求める動作が必要である。これに対し、本実施形態では、2つのセンサのアナログ的な信号から直接ロータの位置を求めているので、初期位置を求める動作が必要ない。
また、一般にホール素子には温度依存性があるが、本実施形態では温度変化によるセンサの特性変化を補償することができる。このことを以下に説明する。
ホール素子を使用する環境の温度が変化することにより、ホール素子の感度がX倍になったとする。このとき、2つの位置センサとして、同じホール素子が用いられているので、感度の変化率もほぼ等しい。従って、2つのセンサ信号から作り出す進角信号は、数式(9)、(10)となる。
第1の進角信号 = X・Asinθ・cosα + X・Acosθ・sinα = X・A・sin(θ+α) …… (9)
第2の進角信号 = X・Acosθ・cosα ‐ X・Asinθ・sinα = X・A・cos(θ+α) …… (10)
即ち、感度が変わっても進角信号の強さがX倍されるのみで、角度方向には変化がない。この信号は2値化して用いられるので、温度変化によって信号の強さがX倍されても、モータの動作には影響がない。換言すると、温度変化によるホール素子の特性変化が、コイルの通電切り替え位置に影響を与えない。
[第2の実施形態]
図6は第2の実施形態における進角合成部の構成を示す図である。第2の実施形態の進角合成部33を、前記第1の実施形態の進角合成部13に置き換えることで、図1のステッピングモータ1を駆動するステッピングモータ制御装置は構成される。但し、第2の実施形態では、進角合成部33は、1つのセンサ(第1のセンサ6aまたは第2のセンサ6b)からの1つセンサ信号だけを入力し、コントローラ12に1つの進角信号を出力する。
進角合成部33は、比較器51、61、抵抗およびコンデンサからなる積分回路52、62、インバータ54、64、NOR回路55、AND回路65、OR回路57およびカウンタ58を有する。この進角合成部33では、センサから得られた信号を2値化する際、2つの閾値が用いられる。比較器51はセンサ信号と第1の閾値V1を比較する。一方、比較器61はセンサ信号と第2の閾値V2を比較する。
図7は2つの閾値が設けられた場合のセンサ信号および進角信号の波形を示すグラフである。図中、縦軸は信号の大きさを表し、横軸は電気角θを表す。センサ信号aの立ち上がりは第1の閾値V1を用いて検出され、センサ信号aの立ち下がりは第2の閾値V2を用いて検出される。即ち、センサ信号aの値が第1の閾値V1よりも大きくなった瞬間に2値化の値はLからHに切り替えられ、センサ信号aの値が第2の閾値V2よりも小さくなった瞬間に2値化の値はHからLに切り替えられる。また、センサ信号aの値が第1の閾値V1よりも小さくなった瞬間、あるいは第2の閾値V2よりも大きくなった瞬間には、2値化の値は変化しない。
ここで、第1の閾値V1を−sinα、第2の閾値V2を+sinαと設定することにより、センサ信号aに対して、α°の進角を与えた信号を作り出すことができる。一般的には、センサから得られる信号をf(θ)とすると、第1の閾値をf(−α)、第2の閾値をf(α)とすることにより、α°の進角を与えた信号を作り出すことができる。
図6の進角合成部33では、センサ信号aの立ち上がりと立下りを検出し、その信号をカウンタ58で数えていくことにより、進角信号を作り出すことができる。また、前記第1の実施形態と同様、回転速度に応じてαの値を変化させていくことにより、それぞれの回転速度での進角を最適化し、モータの効率を高めることができる。
第2の実施形態のステッピングモータ制御装置は、以下の効果を有する。前記第1の実施形態では、進角αを得るために、電気角で90°位相のずれた2つの位置センサが必要だった。これに対し、第2の実施形態では、位置センサが1つだけしかない場合でも進角αを与えた信号を作ることができる。従って、モータの回転方向が決まっているファンモータなど、位置センサを1つしか持たないタイプのものにも適用できる。勿論、2つ以上の位置センサを持ったものでも、それぞれに進角αを与えた信号を作ることが可能である。
また、第2の実施形態では、モータの回転方向によらずに同じ回路が使えるという効果がある。また、前述したように、トルクを向上させるための進角を、従来の図10に示すタイミングよりも早く通電を行うように、与える必要がある。即ち、モータの回転方向が正のときは進角を負の方向に、モータの回転方向が負のときは進角を正の方向に与える必要がある。
前記第1の実施形態の方法では、進角信号の切り替わりは、モータの回転方向には依存せず、ロータの角度のみによって決定される。このため、正方向の回転のときには図4の回路を用い、逆方向の回転のときには図5の回路を用いるように、モータの回転方向に応じて、回路を切り替える必要があった。
これに対し、第2の実施形態の方法では、センサ信号の立ち上がり、立ち下がりといったセンサ信号を時間微分したものが関わるので、モータの回転方向によって進角信号の切り替わる角度が変わる。図8はモータの回転方向が正方向および負方向である場合のセンサ信号および進角信号の波形を示すグラフである。
モータを正方向に回転させると、センサ信号は点P4で第1の閾値V1よりも大きくなり、点P2で第2の閾値V2よりも小さくなる。一方、モータを逆方向に回転させると、センサ信号は点P3で第1の閾値V1よりも大きくなり、点P1で第2の閾値V2よりも小さくなる。このように、モータの回転方向が正負どちらでも、回路を切り替えることなく、トルクを向上させるための進角を与えることができる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られるものではなく、特許請求の範囲で示した機能、または本実施形態の構成が持つ機能が達成できる構成であればどのようなものであっても適用可能である。
第1の実施形態におけるステッピングモータの構成を示す斜視図である。 ステッピングモータを駆動するモータ駆動回路の構成を示す図である。 第1のセンサ6a、第2のセンサ6bからそれぞれ出力される第1、第2のセンサ信号および進角信号の波形を示すグラフである。 進角合成部13の構成を示す回路図である。 モータの回転方向を逆にした場合の進角合成部13の構成を示す回路図である。 第2の実施形態における進角合成部の構成を示す図である。 2つの閾値が設けられた場合のセンサ信号および進角信号の波形を示すグラフである。 モータの回転方向が正方向および負方向である場合のセンサ信号および進角信号の波形を示すグラフである。 従来の2相のコイルA、Bおよびロータ101を示す図である。 各相に一定電流を流した場合のトルク分布を示すグラフである。 励磁電圧および励磁電流の時間的変化を示すグラフである。 トルクと進角の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 ステッピングモータ
3 ロータ
4a 第1のコイル
4b 第2のコイル
6a 第1のセンサ
6b 第2のセンサ
10 モータ駆動回路
12 コントローラ
13、33 進角合成部

Claims (6)

  1. マグネットを有するロータと、第1のコイル、第2のコイル、前記マグネットの位置を検出する第1の位置検出手段および第2の位置検出手段を備え、前記ロータを回転自在に支持するステータとによって構成されるモータに対し、
    前記第1のコイルおよび前記第2のコイルに通電する電流を順次切り替えることによって前記ロータを回転させるモータ駆動装置であって、
    前記第1の位置検出手段から得られる信号に第1の係数a1を乗算した信号と、前記第2の位置検出手段から得られる信号に第2の係数a2を乗算した信号とを加算して第1の進角信号を生成し、前記第1の位置検出手段から得られる信号に第3の係数b1を乗算した信号と、前記第2の位置検出手段から得られる信号に第4の係数b2を乗算した信号とを加算して第2の進角信号を生成する進角合成手段と、
    前記第1の進角信号によって前記第1のコイルへの通電を切り替え、前記第2の進角信号によって前記第2のコイルへの通電を切り替える制御手段とを備え、
    前記進角合成手段は、前記ロータの回転速度に応じて第1の可変抵抗の抵抗値を変えることにより前記第1の係数a1および前記第4の係数b2を決定し、前記ロータの回転速度に応じて第2の可変抵抗の抵抗値を変えることにより前記第2の係数a2および前記第3の係数b1を決定することによって、前記ロータの回転速度に応じた進角αを前記第1の進角信号および前記第2の進角信号に与えることを特徴とするモータ駆動装置。
  2. 前記第1の位置検出手段から得られる信号は正弦波の信号であり、前記第2の位置検出手段から得られる信号は余弦波の信号であり、
    前記第1の係数a1、前記第2の係数a2、前記第3の係数b1および前記第4の係数b2は、それぞれ、増幅度Aおよび前記進角αを用いて、a1=Acosα、a2=Asinα、b1=−Asinα、b2=Acosαで表され、
    前記cosαおよび前記sinαは、固定抵抗値R、前記第1の可変抵抗の抵抗値R1および前記第2の可変抵抗の抵抗値R2を用いて、cosα=R/R1、sinα=R/R2で表されることを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。
  3. 前記第1の位置検出手段から得られる信号は正弦波の信号であり、前記第2の位置検出手段から得られる信号は余弦波の信号であり、
    前記第1の係数a1、前記第2の係数a2、前記第3の係数b1および前記第4の係数b2は、それぞれ、増幅度Aおよび前記進角αを用いて、a1=Acosα、a2=−Asinα、b1=Asinα、b2=Acosαで表され、
    前記cosαおよび前記sinαは、固定抵抗値R、前記第1の可変抵抗の抵抗値R1および前記第2の可変抵抗の抵抗値R2を用いて、cosα=R/R1、sinα=R/R2で表されることを特徴とする請求項1記載のモータ駆動装置。
  4. マグネットを有するロータと、第1のコイル、第2のコイル、および前記マグネットの位置を検出する位置検出手段を備え、前記ロータを回転自在に支持するステータとによって構成されるモータに対し、
    前記第1のコイルおよび前記第2のコイルに通電する電流を順次切り替えることによって前記ロータを回転させるモータ駆動装置であって、
    前記位置検出手段から得られる信号の電圧と第1の閾値とを比較し、前記電圧と前記第1の閾値より高い第2の閾値とを比較する比較手段と、
    前記電圧が前記第1の閾値を超えたとき、および前記電圧が前記第2の閾値より下がったとき、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルへの通電を切り替える制御手段と、
    前記第1の閾値および前記第2の閾値を前記ロータの回転速度に応じて変化させることにより、前記ロータの回転速度に応じた進角αを前記第1の進角信号および前記第2の進角信号に与える進角合成手段とを備えることを特徴とするモータ駆動装置。
  5. 前記ロータの電気角θおよび前記進角αを用い、前記位置検出手段から得られる信号をf(θ)とすると、前記第1の閾値はf(−α)であり、前記第2の閾値はf(α)であることを特徴とする請求項4記載のモータ駆動装置。
  6. 前記位置検出手段は、前記マグネットの磁気を検出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載のモータ駆動装置。
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