JP2010271511A5 - - Google Patents
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Description
本発明は、モータによって駆動されるズームレンズ鏡筒を有する撮像装置に関する。
ステッピングモータへの通電制御として、通常のステップ駆動での通電タイミングよりも早いタイミングで通電を行う(つまり進角を与える)ことにより、該モータの高速回転域でのトルク特性を改善し、かつより高速での回転を可能にする「進角制御」がある。
また、図9(a)には、ブラシレスモータを模式的に示しており、A,Bは2相のコイルであり、RはN極とS極とに周方向に交互に着磁されたロータである。各相のコイルに一定電流を流したときのトルク分布を図9(b)に示す。2相のコイルのそれぞれには正方向と逆方向とに電流を流すことができるので、2相のコイルへの通電方向の組み合わせは4つであり、該4つの通電方向の組み合わせのそれぞれに対応する4パターンのトルク曲線が得られる。そして、ロータの回転位置の変化に合わせて各相のコイルへの通電方向を切り替えることにより、Tで示す出力トルク曲線が得られる。
特許文献1には、2つの動作モードのうちの一方の動作モードにおいて、モータの回転数に応じて進角を変更するモータ駆動方法が開示されている。このモータ駆動方法では、モータの回転数が所定回転数に達した瞬間に、2値化回路からの出力の分周時のカウント数を調整することで進角を変更する。そして、このような進角制御によってモータの回転数を徐々に増加させ、高速回転を行わせる。また、他方の動作モードでは、モータのマイクロステップ駆動を行うことで、良好な精度での停止位置制御を行う。
また、特許文献2には、走査光学系を駆動するモータを、高速回転時はブラシレスモータとして駆動し、低速回転時はステッピングモータとして駆動するモータ駆動方法が開示されている。これにより、走査光学系の走査動作と復帰動作のそれぞれに適したモータ駆動を行っている。
特許文献1および2にて開示されたモータ駆動方法では、用途によって異なる駆動方法が使い分けられている。すなわち、高速回転時は進角制御又はブラシレス駆動を行い、低速回転時はステップ駆動(マイクロステップ駆動を含む)を行うことで、高速駆動時に比べて低速回転時に十分に減速して停止位置精度を上げている。
しかしながら、これら特許文献1および2には、進角制御において、用途に応じて進角値の上限値(変更可能量)を変更し、高速から中速域での進角制御を行う駆動方法については何ら開示されていない。
本発明は、ズームレンズ鏡筒を駆動するモータの用途に応じた適切な進角制御を行うことで、スタンバイ駆動を高速で行えるとともに、ズーム駆動の安定性および良好な操作性を有する撮像装置を提供する。
また、本発明は、ズームレンズ鏡筒のズーム駆動において負荷の変動やばらつきがあっても滑らかなズーム駆動を可能とした撮像装置を提供する。
本発明の一側面としての撮像装置は、撮像装置本体に対する格納位置から撮影可能位置へのスタンバイ駆動および撮影可能位置からのズーム駆動が行われるズームレンズ鏡筒と、スタンバイ駆動およびズーム駆動の駆動源であるモータと、該モータの回転に応じて変化する第1の信号を出力する回転センサと、第1の信号に対して位相差を有する第2の信号を生成し、該第2の信号に基づいてモータへの通電位相を切り替えるとともに、該位相差の変更が可能な駆動回路とを有する。そして、駆動回路において、スタンバイ駆動における位相差の変更可能量は、ズーム駆動における位相差の変更可能量よりも大きいことを特徴とする。
また、撮像装置本体に対する格納位置から撮影可能位置へのスタンバイ駆動および撮影可能位置からのズーム駆動が行われるズームレンズ鏡筒と、スタンバイ駆動およびズーム駆動の駆動源であるモータと、該モータの回転に応じて変化する第1の信号を出力する回転センサと、第1の信号に対して位相差を有する第2の信号を生成し、該第2の信号に基づいてモータへの通電位相を切り替えるとともに、該位相差の変更が可能な駆動回路とを有する。そして、駆動回路は、ズーム駆動時のモータの回転速度の変化量又は該モータによって駆動される被駆動部材の移動速度の変化量を速度変化量として算出し、該速度変化量が第1の所定値より大きい場合は、該速度変化量が第1の所定値よりも小さい場合に比べて位相差の変更可能量を小さくし、速度変化量が第2の所定値よりも小さい場合は、第2の所定値よりも大きい場合に比べて位相差の変更可能量を大きくすることを特徴とする。
本発明によれば、ズームレンズ鏡筒を駆動するモータの用途(スタンバイ駆動とズーム駆動)に応じて位相差の変更可能量を適切に設定するので、スタンバイ駆動の高速化と、ズーム駆動の安定性および良好なズーム操作性とを有する撮像装置を実現できる。
また、本発明によれば、モータの速度変化量に応じて位相差の変更可能量を適切に設定するようにしたので、ズーム駆動において負荷の変動があっても滑らかなズーム駆動を行うことができる。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1には、本発明の実施例である撮像装置に用いられる駆動源としてのステッピングモータ(以下、単にモータという)の構成を示す。なお、構成を分かりやすくするために、構成部品の一部を切断して示している。
モータ1は、マグネット2を有するロータ3と、第1のコイル4aと、第2のコイル4bと、第1のヨーク5aと、第2のヨーク5Bと、第1のセンサ6aと、第2のセンサ6bとによって構成される。第1のコイル4a、第2のコイル4b、第1のヨーク5aおよび第2のヨーク5Bによってステータが構成されている。また、第1のセンサ6aと第2のセンサ6bによって回転センサが構成される。
マグネット2は、その外周面がN極とS極とに交互に着磁された円筒形状の永久磁石であり、周方向の位置(電気角)に対して径方向の磁力の強さが正弦波状に変化する着磁パターンを有する。
ロータ3は、ステータに対して回転可能に支持され、マグネット2と一体に固定されている。
第1のヨーク5aは、第1のコイル4aへの通電によって励磁される複数の磁極歯を有する。励磁される極を切り替えることで、ロータ3に与えるトルクを変化させることができる。第1および第2のセンサ6a,6bはそれぞれマグネット2からの磁束を検出するホール素子であり、互いに電気角で90度位相がずれた信号を出力する。マグネット2の極数をkとすると、電気角360°は実際のロータ角度の720/k°に相当する。
モータ1の駆動には、図2で示すような駆動回路10が用いられる。駆動回路10は、センサ6a,6bからのセンサ信号(第1の信号)に対して位相差(以下、進角という)を有する進角信号(第2の信号)を生成し、該第2の信号に基づいてコイル4a,4bへの通電位相を切り替える。また、駆動回路10は、進角の変更が可能である。
駆動回路10は、具体的には、電流ドライバ11と、コントローラ12と、進角合成部13とにより構成されている。
電流ドライバ11は、入力された信号に応じて、第1のコイル4aと第2のコイル4bに電流を供給する。
コントローラ12は、それぞれ外部から入力される回転方向信号と駆動パルス信号とに応じて電流ドライバ11に入力する信号、つまりは電流ドライバ11から第1のコイル4aと第2のコイル4bに供給する電流を決定する。
また、コントローラ12には、進角合成部13からの第1の進角信号と第2の進角信号とが入力される。コントローラ12は、第1の進角信号により決定されるタイミングで第1のコイル4aに供給する電流の流れ方向を切り替え、第2の進角信号により決定されるタイミングで第2のコイル4bに供給する電流の流れ方向を切り替える。すなわち、コイル4a,4bへの通電位相を切り替える。
さらに、コントローラ12は、第1のセンサ6aと第2のセンサ6bからそれぞれ出力される第1のセンサ信号と第2のセンサ信号のパルス数をカウントし、カウント値が所定値に達すると第1のコイル4aと第2のコイル4bへの通電を停止する。
進角合成部13は、第1のセンサ信号と、第2のセンサ信号と、外部からの回転方向信号とから、第1の進角信号と第2の進角信号を合成(生成)する。
進角合成部13での各進角信号の合成方法について説明する。図3には、第1のセンサ6aと第2のセンサからそれぞれ出力される信号の波形を示している。前述したように、マグネット2は、電気角に対して径方向の磁力の強さが正弦波状に変化する着磁パターンを有するため、マグネット2(ロータ)の回転により第1のセンサ6aからは正弦波状の第1のセンサ信号が出力される。また、第2のセンサ6bは、第1のセンサ6aに対して電気角で90°の位相差を持って配置されるため、第2のセンサ6bからは余弦波状の第2のセンサ信号が得られる。これら2つのセンサ信号から、任意の進角信号を生成することができる。
まず、第1のセンサ信号に対して、α°(図では30°)だけ進めた進角信号を生成する場合には、
第1のセンサ信号[sinθ]×cosα+第2のセンサ信号[cosθ]×sinα
により得られる信号を第1の進角信号とする。
第1のセンサ信号[sinθ]×cosα+第2のセンサ信号[cosθ]×sinα
により得られる信号を第1の進角信号とする。
また、
第2のセンサ信号[cosθ]×cosα−第1のセンサ信号[sinθ]×sinα
により得られる信号を第2の進角信号とする。
第2のセンサ信号[cosθ]×cosα−第1のセンサ信号[sinθ]×sinα
により得られる信号を第2の進角信号とする。
これにより、第1の進角信号はsin(θ+α)となり、第2の進角信号はcos(θ+α)となり、それぞれ第1のセンサ信号と第2のセンサ信号に対してα°の進角が与えられる。そして、各進角信号を2値化することで、コイル4a,4bの通電方向を切り替えるタイミングを作り出すことができる。
また、モータ1を逆回転させる場合において図9(b)に示したタイミングよりも早く通電を切り替えるには、負の進角が必要になる。このときは、
第1のセンサ信号[sinθ]×cosα−第2のセンサ信号[cosθ]×sinα
により得られる信号を第1の進角信号とする。
第1のセンサ信号[sinθ]×cosα−第2のセンサ信号[cosθ]×sinα
により得られる信号を第1の進角信号とする。
また、
第2のセンサ信号[cosθ]×cosα+第1のセンサ信号[sinθ]×sinα
により得られる信号を第2の進角信号とする。
第2のセンサ信号[cosθ]×cosα+第1のセンサ信号[sinθ]×sinα
により得られる信号を第2の進角信号とする。
これにより、第1の進角信号はsin(θ‐α)となり、第2の進角信号はcos(θ‐α)となり、それぞれ第1のセンサ信号と第2のセンサ信号に対して−α°の進角が与えられる。
図4には、進角合成部13の回路構成例を示す。まず、第1および第2のセンサ6a,6bのそれぞれから得られた第1および第2のセンサ信号をA倍に増幅する。また、増幅した信号を反転した信号を準備する。それらを加算することにより、
となる。
可変抵抗R1,R2として、R/R1=cosα、R/R2=sinαとなるような値を選ぶことで、任意の進角α°だけ進めた信号を作り出すことができる。また、ロータ3の回転速度に応じて可変抵抗R1,R2の値を変えて、進角α°を変化させることで、各回転速度での進角を適切に設定し、モータ1の効率を高めることができる。このとき回転速度を得るには、センサ信号の微分値を計算する等、一般的な方法を用いればよい。
また、モータ1の回転方向を逆方向にしたときには、図5に示すような回路構成を用いることで、
となる。このため、可変抵抗R1,R2として、R/R1=cosα、R/R2=sinαとなるような値を選ぶことで、任意の進角α°だけ遅らせた信号を作り出すことができる。
モータ1の特性や使用条件によっては、正方向の回転と逆方向の回転に対して異なる進角が求められることもある。このような場合は、R1,R2の値を調整することにより、回転方向に応じて異なる進角を与えることができる。
以上説明したように、本実施例における進角制御方法では、ロータ3の回転位置を直接センサ6a,6bで検出することができる。このため、特許文献1,2にて開示されている、1ステップごとに速度を演算して時間遅れを作ることで進角を与える方法に比べて、回路にかかる負荷がはるかに小さい。
また、従来のように1ステップ前の時間間隔から進角を計算する方法では、1ステップ進む間に発生するような急激な速度変化が起こった場合には、進角を正確に与えることが不可能になり、モータの回転が停止してしまうおそれがある。しかし、本実施例では、センサ6a,6bによって直接進角を得ているので、急激な速度変化に対しても異常動作は生じず、安定した動作が行える。
また、本実施例では、高分解能のエンコーダを不要としている。このため、モータ1のコストアップを避けることができる。さらに、本実施例では、ロータ3とともに回転するマグネット2を、ロータ3の回転位置検出に用いることができる。このため、ロータ3の回転位置を検出するために必要な部品数を減少させることができ、モータ1を小型化することができる。
また、特許文献3にて開示されているようなインクリメント型の高分解能のエンコーダを用いる場合、電源を切ると位置情報が失われてしまう。このため、電源投入時や異常動作時には、エンコーダの基準位置を決定するためのストッパへの突き当てによる初期位置検出が必要になる。これに対し、本実施例では2つのセンサ6a,6bからのアナログ的なセンサ信号から直接ロータ3の位置を求めているので、初期位置を求める動作は不要である。
また、一般に、ホール素子には温度依存性があるが、本実施例では温度変化によるセンサ6a,6bの特性変化を補償することができる。このことについて以下に説明する。
ここでは、ホール素子を使用する環境の温度が変化することにより、ホール素子の感度がX倍になった場合について説明する。このとき、2つのセンサ6a,6bには同じホール素子が用いられているので、感度の変化率もほぼ等しい。このため、2つのセンサ信号から作り出される進角信号は、
第1の進角信号
=XAsinθcosα+XAcosθsinα=XAsin(θ+α)
第2の進角信号
=XAcosθcosα−XAsinθsinα=XAcos(θ+α)
となり、感度が変化しても進角信号の強さがX倍されるのみで、角度方向には変化がない。そして、これらの進角信号は2値化して用いられるので、温度変化によって信号の強さがX倍されても、モータ1の動作には影響がない。言い替えれば、温度変化によるホール素子の特性変化が、コイル4a,4bの通電方向の切り替え位置に影響しない。
第1の進角信号
=XAsinθcosα+XAcosθsinα=XAsin(θ+α)
第2の進角信号
=XAcosθcosα−XAsinθsinα=XAcos(θ+α)
となり、感度が変化しても進角信号の強さがX倍されるのみで、角度方向には変化がない。そして、これらの進角信号は2値化して用いられるので、温度変化によって信号の強さがX倍されても、モータ1の動作には影響がない。言い替えれば、温度変化によるホール素子の特性変化が、コイル4a,4bの通電方向の切り替え位置に影響しない。
ところで、上記実施例では、進角α°を得るために、電気角で90°位相がずれた2つのセンサ6a,6bを用いる場合について説明したが、以下に説明するように、回転センサが1つしかない場合でも進角α°を与えた進角信号を生成することができる。この場合でも、図1に示すようなモータ(ただし、センサは1つのみ)を、図2に示すような駆動回路を用いて駆動する。ただし、進角合成部13を、以下のように構成する。
センサから得られたセンサ信号を2値化する際に、2つの閾値を用いる。このことを図6に示す。第1の閾値V1は、センサ信号の立ち上がりを検出するための閾値であり、第2の閾値V2は、センサ信号の立ち下りを検出するための閾値である。第1の閾値V1は、第2の閾値V2よりも小さい。
そして、センサ信号の値が第1の閾値V1よりも大きくなった時点で2値化の値をLからHに切り替え、センサ信号の値が第2の閾値V1よりも小さくなった時点で2値化の値をHからLに切り替える。センサ信号の値が第1の閾値V1より小さくなった時点と、第2の閾値V2よりも大きくなった時点では、2値化の値を変化させない。
このとき、第1の閾値V1を−sinαとし、第2の閾値V2を+sinαとすることにより、α°の進角を与えた信号を作り出すことができる。一般には、センサから得られる信号をf(θ)とすると、第1の閾値V1を−f(α)とし、第2の閾値V2をf(−α)とすることにより、α°の進角を与えた信号を作り出すことができる。
図7には、図6で示した信号を得るための進角合成部13の構成例を示す。センサ信号の立ち上がりと立ち下りをそれぞれ第1の閾値V1と第2の閾値V2とを用いて検出し、立ち上がりと立ち下りの回数をカウンタにより計数することにより、進角信号を作り出すことができる。
また、前述したように、モータの回転速度に応じてαの値を変化させることにより、各回転速度での進角を適切に設定し、モータの効率を高めることができる。
このように、回転センサが1つしかない場合でも進角αを与えた信号を作ることができる。このため、図6および図7を用いて説明した実施例は、回転方向が決まっているファンモータ等、センサを1つしか持たないタイプのモータにも適用できる。もちろん、2つ以上のセンサを持ったモータでも、各センサ信号に進角αを与えた信号を作ることが可能である。
また、図6および図7を用いて説明した実施例では、モータの回転方向によらずに同じ回路を用いることができる。トルクを向上させるための進角は、図9(b)に示すタイミングよりも早くコイル通電が行われるように与える必要がある。すなわち、モータの回転方向が正方向である場合には進角を負の方向に与え、回転方向が逆方向である場合には進角を正の方向に与える必要がある。
図4および図5にて説明した実施例では、進角信号の切り替わりはモータの回転方向には依存せず、ロータの角度のみによって決定される。このため、モータの回転方向が正方向である場合には図4に示した回路を用い、モータの回転方向が逆方向である場合には図5に示す回路を用いるというように、モータの回転方向に応じて使用する回路を切り替える必要がある。
これに対し、図6および図7を用いて説明した実施例では、センサ信号の立ち上がり、立ち下りといったセンサ信号を時間微分した情報が関係するので、モータの回転方向によって進角信号の切り替わる角度が変わる。
具体的には、図8に示すように、モータを正方向に回転させると、センサ信号は点P4で第1の閾値V1よりも大きくなり、点P2で第2の閾値V2よりも小さくなる。一方、モータを逆方向に回転させると、センサ信号は点P3で第1の閾値V1よりも大きくなり、点P1で第2の閾値V2よりも小さくなる。このように、モータの回転方向が正逆のどちらであっても、回路を切り替えることなくトルクを向上させるための進角を与えることができる。
以上説明した進角制御方法を、より簡素に実現するためには、モータの始動時から最高回転数の領域までの駆動速度全域を複数の領域に分割して、各領域で個別に進角を設定するのがよい。図10には、進角が0°の場合、進角が小さい場合および進角が大きい場合のトルク(τ)−回転数(N)特性を示している。進角が0°のときは最大出力トルクは比較的大きいが、最高速度(最高回転数)は低い。一方、進角が大きくなると、最大出力トルクは小さくなるが、最高速度は高くなる。
そして、図中の第1の進角変更点(進角0°のときと進角が小さいときのトルク−回転数特性の交点)と、第2の進角変更点(進角が小さいときと大きいときのトルク−回転数特性の交点)で進角を変更するのがよい。
例えば、図11のトルク−回転数特性のグラフに示すように、始動〜回転数V1までは進角を0°とし、回転数V1〜回転数V2で進角を小さい値に設定し、回転数V2以上で進角を大きい値に設定にする。これにより、図11中の太い点線のグラフで示す特性が得られる。
これにより、進角の演算を行うのは分割された領域の境界近傍のみとなり、演算回数を大幅に削減することができ、この結果、モータ駆動のための回路負荷を小さくすることができる。
さらにこのようなモータ駆動方法を、実際の装置に適用する場合、該装置の駆動中に負荷変動が生じることがあり、進角を変更する際にはその対処方法を考慮することが必要である。例えば、図11中の第1の進角変更点に着目すれば、その進角変更点での負荷状況によってモータ(ロータ)の角加速度が異なる場合は、該角加速度を考慮せずに一律に進角を変更すると、モータが進角変更後の駆動指令に追従しないことがある。
具体的には、負荷トルクが小さくモータの角加速度が大きい場合は、モータが進角変更後の駆動指令に追従しやすい。しかし、負荷トルクが大きくモータの角加速度が小さい場合は、モータが進角変更後の駆動指令に追従しにくくなり、回転速度の上昇に長い時間を要する。
このことは、同一仕様のモータを大量生産したときに、その駆動特性のばらつきにより、進角変更後の駆動指令に追従しやすいモータと追従しにくいモータとが混在する可能性があることを意味する。また、同じモータであっても、該モータの使用環境(温度や湿度)や使用頻度によっても負荷トルクが変化し、モータの角加速度が変化することがある。
これに対処するためには、進角変更点又は進角変更点の直前に回転センサから得られた回転位置の情報からモータの角加速度(回転速度の変化量)を算出し、その角加速度に応じて進角を変更すればよい。
例えば、進角が0°の状態から小さい値に変更される際に、負荷トルクが大きくモータの角加速度が小さい場合は、進角変更点からの時間経過とともに進角を緩やかに変更する。具体的には、小さい進角の値を30°とした場合には、所定時間の経過ごとに、進角を0°⇒5°⇒10°⇒15°⇒20°⇒25°⇒30°のように変更する。
また、進角を0°から小さい値に変更する際に、負荷トルクが小さくモータの角加速度が大きい場合は、進角変更点からの時間経過とともに進角を比較的速く変更する。具体的には、小さい進角の値を30°とすると、所定時間ごとに0°⇒15°⇒30°のように進角を変更する。
これを式で表すと、進角変更点近傍での進角βは、
βn=βn−1+K・(Vn−Vn−1)/(tn−tn−1)
(ただし、nは整数であり、新しい進角への到達までの時間の分割数を示す)
βn:進角変更開始からn時間後の進角
Vn:進角変更開始からn時間後のモータ回転速度
tn:進角変更開始からの経過時間
K:トルクと回転数の特性より算出される定数
となる。
βn=βn−1+K・(Vn−Vn−1)/(tn−tn−1)
(ただし、nは整数であり、新しい進角への到達までの時間の分割数を示す)
βn:進角変更開始からn時間後の進角
Vn:進角変更開始からn時間後のモータ回転速度
tn:進角変更開始からの経過時間
K:トルクと回転数の特性より算出される定数
となる。
以上の構成により、負荷トルクの変動やばらつきがあった場合に、それぞれの状況に応じた適切に進角を変更でき、最高速まで滑らかなモータ駆動が実現できる。なお、上記説明では、モータの角加速度を算出したが、該モータによって駆動される被駆動部材の移動加速度(移動速度の変化量)を検出又は算出するようにしてもよい。
ところで、上記の説明では、負荷トルクの変動やばらつきに対処する方法を述べたが、モータを備えた装置では、設計段階で予め想定できる負荷変動がある。例えば、カメラのレンズ鏡筒では、筒部材に形成されたカム部によってレンズが光軸方向に駆動されるが、そのカム部の傾斜角によってモータの負荷トルクが変動する。この場合は、進角変更点でのモータ回転速度を負荷トルクの変動に合わせて設定することで、進角変更点でのモータの角加速度を演算する必要がなく、これによりモータ駆動のための回路負荷をより小さくすることできる。
次に、以上のようなモータ駆動方法(進角制御方法)を、撮像装置において、撮像装置本体に対する格納位置から撮影可能位置へのスタンバイ駆動および撮影可能位置からのズーム駆動が行われるズームレンズ鏡筒を駆動するモータに適用した場合について説明する。
図13には、本実施例の撮像装置を示しており、図13(a)にはズームレンズ鏡筒32が撮像装置本体31に対して格納位置にある状態を、図13(b)にはズームレンズ鏡筒32が撮像装置本体31に対して撮影可能位置にある状態を示す。34は撮像素子であり、33は液晶モニタ等の表示部である。
ズームレンズ鏡筒32は、撮像装置の電源ON状態から電源が遮断されることに応じて、モータ1からの駆動力によって、撮影可能位置から格納位置に駆動されて撮像装置本体31内に収納される。また、電源遮断状態から電源が投入されると、ズームレンズ鏡筒32は、モータ1からの駆動力によって、格納位置から撮影可能位置の初期位置(例えば、ワイド端位置)にスタンバイ駆動される。スタンバイ駆動中は、撮像装置本体31に設けられた表示部33には、撮像素子34を用いて生成された被写体画像は表示されない。
また、撮影可能位置においてユーザが不図示のズーム操作部材を操作すると、ズームレンズ鏡筒32は、モータ1からの駆動力によってズーム駆動されて伸縮し、これにより画角(焦点距離)が変更される。ズーム駆動中は、表示部33に表示される被写体の大きさの変化(画角変化)が目視できる。
スタンバイ駆動では、電源投入後にできるだけ速く格納位置から撮影可能位置にズームレンズ鏡筒32を駆動できる方が、シャッターチャンスを逃す可能性を低くすることができ、好ましい。
一方、ズーム駆動中はユーザが表示部33を見ている場合が多いため、ズーム駆動による不自然な画角変化は好ましくない。また、ズーム駆動を非常に速い速度で行うと、ユーザが停止させたいズーム位置でズーム駆動を停止させることが困難になり、操作性が低下する。逆にズーム駆動を非常に遅い速度で行うと、停止させたいズーム位置までのズーム駆動に時間が掛かり、やはり操作性が低下する。このように、ズーム駆動は、表示部33での自然な画角変化と良好な操作性とを考慮した適切な駆動速度で行われるのが望ましい。
ここで、進角に応じたモータのトルク(τ)−回転速度(N)特性について、図12を用いて説明する。図12中の21は進角が大きいときのτ−N特性を示しており、22は進角が小さいときのτ−N特性を示している。
τ−N特性21は、最大トルクは小さいが、最高回転速度が大きいという特性である。一方、τ−N特性22は、最大トルクは大きいが、最高回転速度が小さいという特性である。
図12において、τcの負荷変動が生じた場合、進角が大きいときのτ−N特性21では、Ncbの回転速度変化が生じる。一方、進角が小さいときのτ−N特性22では、Ncsの回転速度変化が生じる。そして、同じ負荷変動量τcに対する回転速度の変動量(速度変化量)は、進角が小さい場合(Ncs)の方が進角が大きい場合(Ncb)よりも圧倒的に小さい。速度変化量が小さいということは、モータにより駆動されるズームレンズ鏡筒の駆動速度が安定していることを意味する。言い替えれば、ズーム駆動時の負荷変動に対する画角変化が小さいことを意味する。
このことから、スタンバイ駆動は、前述したように高速であることが望ましいため、進角を大きくしてτ−N特性21を用いて行うのがよい。このときに、負荷変動が生じても、表示部には被写体画像が表示されていないので、影響はない。これに対し、ズーム駆動は、前述したように画角変化が自然であることが望ましいため、進角を小さくしてτ−N特性22を用いて行うのがよい。
以上説明したように本実施例によれば、ズームレンズ鏡筒に関するモータの用途(スタンバイ駆動とズーム駆動)によって進角の上限値(位相差の変更可能量)を適切に変更する。これにより、スタンバイ駆動を高速で行える一方、ズーム駆動中の不自然な画角変化を回避するとともに良好なズーム操作性を得ることができる。したがって、使い勝手の良い撮影装置を実現することができる。
なお、上述した実施例では、モータ駆動の用途によって進角を変更する場合について説明したが、撮像装置の経年変化や環境変化によって、負荷変動量が初期状態又は常温環境下に比べて変化する可能性がある。この場合は、ズーム駆動範囲のうち一部の領域での負荷変動量(速度変化量)をロータの回転検出信号やモータによって駆動される被駆動部材の位置検出信号等を用いて測定し、該負荷変動量が所定値を超えた場合は進角の上限値をさらに下げるようにするとよい。逆に、該負荷変動量が所定値を下回った場合は進角の上限値をさらに上げるようにするとよい。ここで所定値とは、例えば初期状態または常温状態などで設計上想定される速度変化範囲にある値のことである(その速度変化範囲の上限値を第1の所定値、下限値を第2の所定値とする)。これにより、例えば負荷変動量が初期状態又は常温環境下から変化した場合でも、上記効果を得ることができる。
また、負荷変動量が所定値を超えた後に、再び該所定値を下回った場合には、進角の上限値を元の値に戻すようにすれば、駆動負荷の変化に柔軟に対応することができる。
具体的には、ズーム駆動において、モータ1の角加速度(回転速度の変化量)又は該モータによって駆動される被駆動部材の移動加速度(移動速度の変化量)を速度変化量として算出する。そして、速度変化量が第1の所定値より大きい場合は、該速度変化量が第1の所定値よりも小さい場合に比べて進角の上限値を小さくすればよい。また、速度変化量が第2の所定値よりも小さい場合は、第2の所定値よりも大きい場合に比べて進角の上限値を大きくすればよい。
さらに、所定値を、設計上想定した速度変化範囲内の値とせずに一意に定め、算出された負荷変動量(速度変化量)とその所定値との比較結果に応じて新たな進角の上限値を適宜設定することで、駆動負荷の変化にさらに柔軟に対応できる。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
ズームレンズ鏡筒のスタンバイ駆動を高速で行えるとともに、ズーム駆動の安定性および良好なズーム操作性を有する撮像装置を実現できる。
1 ステッピングモータ
2 マグネット
3 ロータ
4a,4b コイル
5a,5b ヨーク
6a,6b 回転センサ
31 撮像装置本体
32 ズームレンズ鏡筒
2 マグネット
3 ロータ
4a,4b コイル
5a,5b ヨーク
6a,6b 回転センサ
31 撮像装置本体
32 ズームレンズ鏡筒
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