JP4165915B2 - ステッピングモータ制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ステッピングモータ制御装置に関し、とくにエンコーダを用いたステッピングモータ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ステッピングモータは小型、高トルク、高寿命といった特徴を有し、開ループ制御で簡易に分解能が得られるため、開ループ制御による駆動方法が一般的である。しかし、この駆動方法は高速回転時の脱調等の課題を有するため、高速回転に対応するように、ステッピングモータにエンコーダを付与し、ブラシレスDCモータのような閉ループ制御を行う制御装置が従来より提案されている。
【0003】
米国特許第4,963,808号には、制御部がステッピングモータの制御モードを切り替えて、2相ステッピングモータとして用いる2相ステッピングモードと、DCモータとして用いる閉ループモードとの2種類の動作モードで使用できる構成が記載されている。また同特許には、エンコーダの1周分の出力パルス数をステッピングモータのロータ磁極数の整数倍とし、ステッピングモータを1相励磁した状態を基準として、そこから所定数のエンコーダのパルス数を検知するごとにステッピングモータへの励磁電流を切り替えることにより、エンコーダの出力信号とステッピングモータの励磁電流との位相精度を無調整で所定誤差以下に抑える構成が合わせて記載されている。
【0004】
しかしながら、例えば光ディスク装置における光ピックアップの移送等のように、移送対象を目的位置まで高速かつ高精度で移送する場合、以下のような課題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
第1に、高速移送と高精度位置決めとは両立しないものであった。
【0006】
なぜなら、閉ループモードは高速移送に適しているが、ステッピングモータの有する分解能特性を活かした簡易な高精度位置決めを行うことができない。逆に、高精度な位置決めができる2相ステッピングモードでは、高速移送が困難である。また閉ループモードにおけるステッピングモータの高速回転性およびモータ効率を上げるには、ステッピングモータのロータ磁極数を小さくすることが望ましいが、これは一方で位置決めの分解能の低下を招くものであり、これらの特性を両立させることが必要であった。これらを実現する構成については、米国特許第4,963,808号には何らの記載もされていない。
【0007】
第2に、高速移送と高精度位置決めとの両立を実現させるためには、一連の移送動作中に閉ループ制御と開ループ制御とを切り替えることが有効であるが、一連の移送動作中にモードの切り替えを行えば、モードの切り替え前後で衝撃振動等が発生する。このような衝撃振動は、移送対象を高速かつ高精度に目的位置に移送することを妨げる。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、ステッピングモータの位置制御分解能と高速移送性、および低振動性の両立を実現するステッピングモータ制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明によるステッピングモータ制御装置は、ロータと励磁コイルとを備えたステッピングモータと、入力された指令値に応じて励磁コイルに複数段階の駆動電流を与え、それによってマイクロステップ駆動を可能とする駆動部と、駆動部に与える指令値を変化させてステッピングモータを制御する制御部と、ロータの回転位置に応じた検知信号を生成する位置検知制御部とを備えたステッピングモータ制御装置であって、制御部は、第1の動作モードと第2の動作モードとの2つの動作モードを切り替え、第1の動作モードにおいては、制御部がみずから発生するタイミングに基づいて駆動部に与える指令値を変化させ、第2の動作モードにおいては、位置検出制御部の検知信号に応じたタイミングに基づいて駆動部に与える指令値を変化させ、それによってステッピングモータを制御し、制御部はさらに、ステッピングモータをスタート位置から目的位置まで移送する1連の移送動作中に2つの動作モードを切り替え、第2の動作モードでステッピングモータに粗動動作をさせた後に第1の動作モードに切り替えてマイクロステップ駆動を行い、制御部は、ステッピングモータのスタート位置から目的位置までの移送量に応じて2つの動作モードを使い分け、移送量が所定値より小さいときは第1の動作モードのみでステッピングモータを駆動し、移送量が所定値以上のときは第2の動作モードと第1の動作モードとを切り替えてステッピングモータを駆動するステッピングモータ制御装置であり、そのことにより上記目的が達成される。
【0011】
制御部は、第2の動作モードから第1の動作モードへの切り替えを、位置検知制御部の出力信号相が変化するタイミングに基づいて行い、かつ、切り替えの瞬間におけるロータの回転位置が、ロータが電磁気的に安定して静止する位置に実質的に一致するようにしてもよい。
【0012】
ステッピングモータの第2の動作モードによる駆動において、制御部は、第1の指令値列を駆動部に与えてステッピングモータを第1の加速度で加速したあと、第2の指令値列を駆動部に与えて、第1の加速度よりも実質的に小さい第2の加速度でステッピングモータを加速し、さらにそのあと、第3の指令値列を駆動部に与えてステッピングモータを減速するようにしてもよい。
【0016】
以下に作用を説明する。
本発明のある局面において、ステッピングモータ制御装置は、制御部によって第1の動作モードと第2の動作モードとを切り替えることができ、ロータの回転位置を検知する位置検知制御部の検知信号に応じてステッピングモータを制御する第2の動作モードの後、第1の動作モードに切り替えてマイクロステップ駆動するように構成されている。
【0017】
このように、ロータは、はじめに閉ループ制御による粗動駆動を受けて目的位置の近くまで高速に移送され、つぎに、開ループ制御によるマイクロステップ駆動に切り替えられて、目的位置へと高精度で位置決めされる。こうして、ステッピングモータを高速かつ高精度で目的位置に移送することができる。
【0018】
本発明の別の局面では、ステッピングモータ制御装置は、制御部の動作モードを第2の動作モードから第1の動作モードに切り替える切り替え時において、前記ロータの回転位置がマイクロステップ駆動において電磁気的に安定する安定位置と実質的に一致するように設けたものである。
【0019】
このように、上記の切り替え時において、それまでロータに働いていた減速力がきわめて小さくなり、動作モードを切り替える際の揺り戻しを防止することができる。
【0020】
本発明のさらに別の局面において、ステッピングモータ制御装置は、ステッピングモータを加速動作から減速動作に移行させる前に、制御部が駆動部に与える指令値列を変更して、ステッピングモータに与える駆動電流を低減する。
【0021】
これにより、加速動作から減速動作に移るときの速度変化をゆるやかにし、それによって、速度変化による衝撃振動が大きく低減される。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しながら本発明によるステッピングモータ制御装置の実施の形態を説明する。
【0023】
実施の形態1〜3においては、本発明によるステッピングモータ制御装置を光ディスクドライブ装置のヘッド駆動に適用している。また、ステッピングモータが駆動する対象である移送体はヘッドである。しかし、本発明はこれらの形態に限定されるものではなく、本発明はこれ以外の多くのステッピングモータ制御装置に適応が可能である。
【0024】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について、図1〜3を参照して説明する。
【0025】
図1は本発明の実施の形態1を用いた光ディスクドライブ装置の構成例を示す概略構成図である。本実施の形態では、ステッピングモータ10として2相PM型で2相励磁時のステップ角が18゜のものを例にとって説明する。
【0026】
ステッピングモータ10は、ロータ20と、2相の励磁コイル30とを備えている。
【0027】
ロータ20は、円周方向に実質的に均等なピッチで角度72゜の間隔で配置されたNS極を各5極着磁した、永久磁石を含んでいる。2相の励磁コイル30は、A相ステータ32およびB相ステータ34を含んでいる。A相ステータ32およびB相ステータ34には、それぞれ励磁コイルに通電したときにロータ20に対向する位置に72゜周期でNS極を各5極発生するヨークによる磁極が設けられている。A相ステータ32およびB相ステータ34のヨークによる磁極は、互いに18゜ずれて配置されている。
【0028】
駆動部40は、独立した2チャンネルの電流ドライバ、すなわちA相電流ドライバ42およびB相電流ドライバ44を含んでいる。A相電流ドライバ42およびB相電流ドライバ44は、それぞれ制御部50から出力される電流指令量を表すデジタルデータを受け取り、その値に基づいて、A相ステータ32およびB相ステータ34に駆動電流を供給し、それによってステッピングモータ10を駆動する。
【0029】
電流ドライバ42および44は、具体的にはたとえばD/A変換器と増幅器とを含む。D/A変換器は、たとえば制御部50から入力されたデジタルデータをアナログ信号に変換する。増幅器は、たとえばD/A変換器で生成されたアナログ信号を増幅する。
【0030】
エンコーダ60は、2チャンネルのセンサ、すなわちA相センサ62およびB相センサ64と、エンコーダマグネット66と、2値化回路(図示せず)とを備えている。A相センサ62およびB相センサ64は、たとえばホール素子からなる。エンコーダマグネット66は、円周方向に72゜周期でNS極を10極着磁している。
【0031】
エンコーダ60は、ロータ20の回転に応じて2値化した1周5パルス(72゜周期)の信号を出力する。
【0032】
A相センサ62とB相センサ64とは、モータ回転軸を中心に互いに取付角度が18±1゜以下(電気角換算90±5゜以下)となるようにプリント基板68上に取り付けられている。プリント基板68はフランジ72に固定されている。エンコーダマグネット66はリードスクリュー74に嵌装され、ロータ20との相対的な取付角度を調整した後に接着固定されている。
【0033】
制御部50は、たとえばDSPで構成される。制御部50は、エンコーダ60の出力信号を受け取り、駆動部40に電流指令値を表すデジタルデータを出力することができる。
【0034】
制御部50は、第1の動作モードM1と、第2の動作モードM2との2つの動作モードを切り替えて制御することができる。
【0035】
制御部50は、第1の動作モードM1にあるとき、制御部50自身が内部発生するタイミング信号に基づいて、駆動部40に電流指令値を表すデジタルデータを出力し、開ループ制御によるマイクロステップ駆動を行う。
【0036】
具体的には、ステッピングモータ10のA相・B相ステータ32および34に流す電流比を変えてマイクロステップ駆動を行い、ロータ20の静止角度を高分解能に制御する。
【0037】
ロータ20の静止角度と電流比との関係は、ステッピングモータ10の磁気回路および負荷の状態に依存するため、等間隔のロータ静止角度を与える電流指令値を、関数あるいはテーブルとしてあらかじめ求めておく。たとえばステップ角18゜を32分割して0.6゜のマイクロステップ駆動を行う場合には、32段階(5ビット)のステップ角度指令を表すデータに対し、8ビットの電流指令値を表すデータを発生するようにテーブルを構成しておく。ステップ角度指令を表すデータをインクリメントまたはデクリメントすることにより、任意の回転方向にステッピングモータ10をマイクロステップ駆動させる。
【0038】
制御部50は、第2の動作モードM2において、エンコーダ60の出力信号に応じて駆動部40に電流指令値を表すデジタルデータを出力する、閉ループ制御を行う。ステッピングモータ10とエンコーダ60とはある特定の位相関係になるように取付けられている。この位相関係については、図2を用いて後述する。
【0039】
以下に、光ディスク周辺部分の構成をさらに説明する。
【0040】
リードスクリュー74は、エンコーダマグネット66とともにステッピングモータ10の出力軸と一体的に連結され、軸受76によりフランジ72に回動自在に軸支されている。フランジ72はシャーシ80に固定されている。ヘッド90は軸摺回動型のアクチュエータ(図示せず)を備え、光学的に光ディスク95に対して情報の記録および再生を行う。ヘッド90に取り付けられたナットピース92は、一端がバネ94によって付勢された状態でリードスクリュー74のネジ溝と嵌合している。これにより、ヘッド90はステッピングモータ10の回転に応じて、ガイドシャフト82に沿って直線的に往復駆動される。光ディスク95はスピンドル85により回転駆動される。ヘッド90を目的位置に移送する際には、光ディスク95に書き込まれた現在位置(スタート位置)のアドレスと目的位置のアドレスとから、移送方向と移送量とが求められる。これに応じて、制御部50がステッピングモータ10の制御動作を行う。
【0041】
図2は、本実施の形態におけるステッピングモータの詳細を示す図である。
【0042】
図2において、ステッピングモータ10のロータ20は、エンコーダ60のエンコーダマグネット66と一体的に回転する。エンコーダ60のA相センサ62およびB相センサ64のそれぞれは、エンコーダマグネット66のN極部(斜線部分)を検出するとHIGH、S極部を検出するとLOWの信号を出力する。
【0043】
ステッピングモータ10のA相ステータ32およびB相ステータ34の励磁方向は、図2のコイル部分にN、Sとして示したようなコイルの励磁方向を「正」、これと反対の励磁方向を「負」として表示する。エンコーダ60の出力がHIGHとLOWの間で切り替わる「相切替点」は、ステッピングモータ10を2相励磁したときにロータ20が電磁気的に安定して静止する安定位置と、実質的に一致するように設けてある。ロータ20の角度位置を図のようにψとおくと、ψ=45゜、135゜、225゜、315゜となる4つの点が、相切替点に当たる。またこの点は、静止状態にあるロータ20を第2の動作モードM2によって起動することができない「死点」でもある。したがって、ロータ20を起動するときには、制御部50は、はじめに第1の動作モードM1でマイクロステップ駆動を行ってロータ20を死点以外の角度位置に移送し、そのあとで第2の動作モードによる移送動作を行うようにする必要がある。
【0044】
図3は、第2の動作モードM2における、ステッピングモータ10の励磁相とエンコーダ60の出力との位相関係を示す図である。図3の角度表示は、実際の回転角でなく、位相周期を360°とする電気角で表している。
【0045】
図3(a)に、ロータ20を時計方向に回転させるときの、ステッピングモータ10の励磁相とエンコーダ60の出力との位相関係を示す。
【0046】
制御部50は、A相センサ62の出力がHIGH(ψ=45°〜225°)のときB相ステータ34を正方向に励磁し、A相センサ62の出力がLOW(ψ=225°〜45°)のときB相ステータ34を負方向に励磁するように制御する。また、B相センサ64の出力がHIGH(ψ=−45°〜135°)のときA相ステータ32を正方向に励磁し、B相センサ64の出力がLOW(ψ=135°〜−45°)のときA相ステータ32を負方向に励磁するように制御する。
【0047】
図3(b)に、ロータ20を反時計方向に回転させるときの、ステッピングモータ10の励磁相とエンコーダ60の出力との位相関係を示す。
【0048】
制御部50は、A相センサ62の出力がHIGH(ψ=45°〜225°)のときA相ステータ32を正方向に励磁し、A相センサ62の出力がLOW(ψ=225°〜45°)のときA相ステータ32を負方向に励磁するよう制御する。またB相センサ64の出力がHIGH(ψ=−45°〜135°)のときB相ステータ34を負方向に励磁し、B相センサ64の出力がLOW(ψ=135°〜315°)のときB相ステータ34を正方向に励磁するよう制御する。
【0049】
図3(c)に、A相ステータ32への励磁電流を拡大した図を付記しているが、実際にはステータ32および34への励磁電流はPWM制御により電流量を制御されている。制御部50が駆動部40に出力する電流指令値を表すデジタルデータは、モータの応答周波数に対して十分高い周波数で転送されており、PWM変調周期pは10μs程度である。そしてデューティ比d=q/pを0〜1の範囲で可変に設けることにより、電流量を制御している。デューティ比はステッピングモータ10の現在位置、現在速度、目的位置、目標速度、回転方向、制御部50の動作モード等の情報から選ばれる条件に応じて制御され、ステッピングモータ10の発生トルクを決定する。このように、制御部50が駆動部40に出力する電流指令値を表すデジタルデータを制御することにより、実質的にA相・B相ステータ32および34への励磁電流の振幅とタイミングとの双方を制御している。
【0050】
図4は、以上のような構成の光ディスクドライブ装置における、ステッピングモータの制御動作を説明する図である。
【0051】
図4の横軸は、ステッピングモータ10の回転位置を示す。図の左端がステッピングモータ10のスタート位置PSを、右端が目的位置PTを示す。また縦軸は、各回転位置におけるステッピングモータ10の回転速度、A相・B相ステータ32および34への励磁電流、エンコーダA相・B相センサ62および64の出力信号を、それぞれ表す。軸のスケールは説明上適当に伸縮している。
【0052】
ヘッド90を目的位置PTに移送するためのステッピングモータ10の起動に際し、制御部50は、光ディスク95に書き込まれた現在位置アドレスと目的位置アドレスとの比較から、ステッピングモータ10の回転方向を決定する。図4は時計方向の回転を示している。
【0053】
次に、制御部50は、スタート位置PSから目的位置PTまでの移送量に応じて、2つの動作モードを使い分ける。移送量が極めて小さい場合は、目的位置まで第1の動作モードM1によるマイクロステップ駆動のみを行う。しかし、移送量が所定量以上の場合は、動作モードを第1の動作モードM1、第2の動作モードM2、第1の動作モードM1の順に切り替えて移送する。
【0054】
ここでは、この所定量以上の移送動作について説明する。
【0055】
スタート位置PSから目的位置PTまでの移送量が所定量以上の場合、移送動作は大きく3つに分けられる。すなわち、はじめに第1の動作モードM1による初期的な移送動作を行い、つぎに第2の動作モードM2による粗動動作を行い、最後に再び第1の動作モードM1による移送動作を行う。
【0056】
制御部50は、まず第1の動作モードM1を選択し、マイクロステップ駆動で所定パルス数だけ時計方向にステッピングモータ10を回転させる。この所定のパルス数はステッピングモータ10とヘッド90とを連結する駆動伝達系の実質的なバックラッシュをとることを目的とし、この要因に基づく起動時の衝撃振動を抑えるために必要な値があらかじめ設定してある。32分割マイクロステップで例えば所定パルスを32パルスと設定した場合、図4のようにステータ32および34への励磁電流を1周期分変化させた位置P1まで移送して、駆動伝達系のバックラッシュをとる。その後、さらに、矢印Cで示した所定の励磁状態になるまでマイクロステップ駆動を続ける。これは、あらかじめ第1の動作モードM1でロータ20を所定の位相に位置させることを目的とし、第2の動作モードM2における死点を避け、第2の動作モードM2で確実な起動ができるようにするためである。矢印Cで示した励磁状態は、A相ステータ32またはB相ステータ34のいずれか片方の相のみが最大に励磁された状態であり、第2の動作モードM2における回転トルクが最大となる状態とする。
【0057】
制御部50は、位置P1通過後に最初に矢印Cの励磁状態になる位置P2で、動作モードを第1の動作モードM1から第2の動作モードM2へと切り替える。
【0058】
第2の動作モードM2において、制御部50は、エンコーダ60のA相センサ62およびB相センサ64の出力信号に応じて、駆動部40にはじめに第1の指令値列を与える。これにより駆動部40は、A相センサ62の出力HIGH/LOWに対応してB相ステータ34を正/負方向に励磁し、同様にB相センサ64の出力HIGH/LOWに対応してA相ステータ32を正/負方向に励磁する。このときの励磁電流の実質的な大きさはA0であり、ステッピングモータ10は大きな加速力で時計方向に加速される。このときの加速度を、第1の加速度ということにする。
【0059】
ステッピングモータ10を減速開始させるタイミングは、制御部50を第2の動作モードM2から第1の動作モードM1に切り替える位置P5において、ステッピングモータ10が所定の速度であるようなタイミングである。そのため、減速に要する制動距離をあらかじめ求めておき、残り移動距離が制動距離に等しくなった時点で減速を開始するように設定する。
【0060】
すなわち、制御部50はA相センサ62またはB相センサ64の出力信号をカウントしてステッピングモータ10の回転位置を算出し、位置P5との比較によって残り移送量を算出する。残り移送量に応じた目標速度VTは、破線のように設定される。一方、各時点でのステッピングモータ10の回転速度はエンコーダA相センサ62またはB相センサ64の出力信号の周期時間の逆数から算出される。
【0061】
目標速度VTとその時点における回転速度Vとの偏差ΔVが所定値V0よりも小さくなる位置(位置P3以降)において、制御部50は駆動部40に与える指令値列を第1の指令値列から第2の指令値列に変更する。第2の指令値列に対応する加速度を、ここでは第2の加速度と呼ぶことにする。これにより、駆動部40はステッピングモータ10の駆動方向が同一のままであるようにステータ32および34とセンサ62および64との切り替えタイミングの関係を保ったまま、ステータ32および34への電流量をA0からA1に下げる。A1の値は、ステッピングモータ10が加速動作から減速動作に移行する際にステッピングモータ10とヘッド90とを連結する駆動伝達系に発生するバックラッシュを最小限の衝撃で取り除くために最適な値を実験的に求めて設定している。
【0062】
偏差ΔVがゼロになる位置P4において、制御部50は、駆動部40に与える指令値列を、第2の指令値列から第3の指令値列に変更する。これに応じて、駆動部40はステッピングモータ10に反時計方向の回転力を発生させるようにステータ32および34を励磁して減速させる。このとき、制御部50はA相センサ62の出力HIGH/LOWに対応してA相ステータ32を正/負方向に励磁し、B相センサ64の出力HIGH/LOWに対応してB相ステータ34を負/正方向に励磁する。制御部50は第2の動作モードM2を終了する位置P5において、所定範囲内の位置精度と速度精度とが得られるように電流量A2の制御を行いながら減速動作を継続する。
【0063】
ステッピングモータ10が位置P5を通過した後、制御部50は、再び第1の動作モードにてマイクロステップ駆動を行う。具体的には、エンコーダのA相センサ62またはB相センサ64の出力信号の切替点(立上りエッジまたは立下りエッジ)を最初に検出した時点で、動作モードを第2の動作モードM2から第1の動作モードM1に切り替える。ここで、動作モード切り替えの前後でステータ32および34の励磁電流にある特定の関係を持たせることにより、衝撃振動の発生を防いでいる。例えば図のようにB相センサ64の立下りエッジのタイミングで第2の動作モードM2を終了した瞬間には、ロータ20の回転位置は図2におけるψ=−45゜の位置にある。ここで、第1の動作モードM1を開始するときにA相ステータ32およびB相ステータ34に正方向で同一の大きさの励磁電流を与えて、ロータ20の安定位置をψ=−45゜として現在位置と一致させる。このため、その点においては電磁力による回転トルクがゼロとなり、電磁気的に安定する安定位置となる。したがって、第2の動作モードM2から第1の動作モードM1に切り替えた瞬間、それまでロータ20に働いていた減速力が極めて小さくなる。ロータ20に与える減速力を停止前に弱めることで、従動する系全体がもつ慣性エネルギーによる揺り戻しを防止することができる。
【0064】
この効果をより確実にするために、ステッピングモータ10の回転速度は、動作モードの切り替え前後で等しくなるよう連続的に接続している。すなわち、第1の動作モードM1への切替直後のマイクロステップ駆動速度は、第2の動作モードM2での位置P5における目標速度と一致している。
【0065】
位置P5以降は、第1の動作モードM1により、マイクロステップ駆動で目標位置PTまで徐々に減速させる。
【0066】
以上のような制御動作により、目標位置PTへの移送を高分解能に制御できるだけではなく、ステッピングモータ10の停止時の衝撃振動を大幅に低減することができる。
【0067】
以上、ステッピングモータ10を時計方向へ回転させた場合について説明したが、これを反時計方向に回転させる場合も同様である。
【0068】
このように本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0069】
第1に、ステッピングモータ10の一連の移送動作中に制御部50の動作モードを切替え、閉ループモードである第2の動作モードM2で高速移送した後に第1の動作モードM1でマイクロステップ駆動させることにより、ステッピングモータ10の高分解能化を行っている。このため、高速移送と高分解能位置決めとをともに実現することができる。
【0070】
ステッピングモータ10の分解能はマイクロステップ駆動によりロータ20の磁極数とは独立に決定できるため、分解能を維持しながら、ロータ20の磁極数を第2の動作モードM2で駆動したときの高速回転性やモータ効率を上げるのに十分なだけ小さい値に設定することが可能である。
【0071】
第2に、制御部50がステッピングモータ10の目的位置までの移送量に応じて動作モードを使い分け、この移送量が所定値より小さい近距離移送時にはステッピングモータ10を第1の動作モードM1のみで駆動し、移送量が所定値以上の時はステッピングモータ10を第2の動作モードM2と第1の動作モードM1とで切替えて駆動しているため、近距離移送時の制御切替えの煩雑さを省き、ステッピングモータ10の移送量に応じた最適な制御を行うことができる。
【0072】
第3に、ステッピングモータ出力の駆動伝達系での衝撃振動の発生を抑えることができる。ステッピングモータ10の加速動作開始時においては、制御部50が第1の動作モードM1でステッピングモータ10をマイクロステップ駆動して駆動伝達系に発生するバックラッシュを減殺した後、第2の動作モードM2に切り替えてステッピングモータ10を加速するため、加速時のバックラッシュによる駆動伝達系での衝撃振動の発生を抑えることができる。
【0073】
また、ステッピングモータ10を加速動作から減速動作に移行させる前にも、制御部50が駆動部40に与える指令値列を変更してステッピングモータ10に与える駆動電流を低減するため、減速時のバックラッシュによる駆動伝達系での衝撃振動の発生を抑えることができる。
【0074】
また停止前には、制御部50の動作モードを第2の動作モードM2から第1の動作モードM1に切り替えた瞬間におけるロータ20の回転位置が、同瞬間におけるマイクロステップ駆動におけるロータ20の安定位置と実質的に一致するようにステータ32および34への励磁電流を与えたことにより、それまでロータ20に働いていた減速力を停止前に極めて小さくし、従動する系全体がもつ慣性エネルギーによる揺り戻しを防止して、ステッピングモータ10の停止に伴う駆動伝達系での衝撃振動の発生を抑えることができる。
【0075】
以上のように本実施の形態によれば、簡易な構成で、ステッピングモータの位置制御分解能、高速回転性、低振動性の両立を実現することができる。
【0076】
なお、本実施の形態では2相の励磁コイルを備えた2相PM型のステッピングモータを例に説明したが、本発明の適用事例はこれに限定されるものではない。一般にロータの磁極周期角度θ゜、励磁コイルN相(Nは2以上の整数。反転相を含まず)のステッピングモータを用いる場合、エンコーダとして各出力信号が周期角度θ゜で、角度にしてそれぞれθ/N゜ずつ位相が異なるNチャンネルの検知信号を出力するものを用いれば、同様の効果が得られる。また、ステッピングモータの種類もロータに永久磁石を用いたPM型だけではなく、軟磁性体を用いたVR型等でも適用可能である。
【0077】
また、本実施の形態では制御部が第2の動作モードM2にあるときステッピングモータを2相励磁駆動する場合について、エンコーダの出力とステータの励磁の切り替えのタイミングに所定の進み角の関係を付与する方法を説明したが、一般に制御部が第2の動作モードM2においてステッピングモータをP相(PはN以下の自然数。反転相は含まず)励磁駆動する場合には、ステッピングモータをP相励磁した時にロータが安定に静止する位置と、エンコーダの出力信号相が変化する時のロータの回転位置とを概一致するように設ければよい。
【0078】
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2について、図5〜図6を参照して説明する。
【0079】
図5は本発明の実施の形態2を用いた光ディスクドライブ装置の構成例を示す概略構成図である。
【0080】
図5において、駆動部40、電流ドライバ42および44、フランジ72、リードスクリュー74、軸受76、シャーシ80、ガイドシャフト82、スピンドル85、ヘッド90、ナットピース92、バネ94、光ディスク95は実施の形態1と同一である。制御部50aは、実施の形態1の制御部50の構成に加えて後述する構成を付加したものである。
【0081】
ステッピングモータ10aは2相PM型で、ロータ20、A相ステータ32、B相ステータ34の構成は実施の形態1と同一である。ロータの軸には角度4.5゜周期でスリットを設けた遮光板24を固定する。遮光板24のスリット角度周期4.5゜の値は、ロータ20のマグネットの磁極形成の角度周期72゜の整数分の1(ここでは1/16)となるように決められている。特にステッピングモータ10aの相数が2相であるため、2の倍数分の1(すなわち1/16=1/(2×8))の関係も満たすように選定されている。フォトセンサ26は発光側にLED、受光側にフォトトランジスタを備えた透過型で、遮光板24のスリットの有無に応じた出力信号を出力する。フォトセンサ26は遮光板24と共にハウジング28内に収容され、取扱い中の破損やホコリ等の要因による汚損を防いでいる。
【0082】
フォトセンサ26の出力は2値化回路52により2値化される。2値化回路52は、ある基準値とフォトセンサ26の出力とを単に比較してHIGH/LOWの信号を出力するのでなく、2つの基準値間をトランスファーしたときのみHIGH/LOWの出力を切り替える構成として、チャタリングによる誤動作を防いでいる。この2値化回路52の出力は、一方では制御部50aに入力され、また一方では16進のカウンタ54に入力される。カウンタ54は2値化回路52から1パルスの信号を入力する度にカウントアップし、0〜15の循環する値を4ビットの2進数として出力する。また制御部50aからカウンタ54にクリア信号が出力されると、カウンタ54の値はクリアされて0になる。カウンタ54からの出力は、4入力4出力のコードコンバータ56によりコード変換される。コードコンバータ56の真理値を「表1」に示す。コードコンバータ56の4出力をそれぞれP、Q、Pの反転(Pバー)、Qの反転(Qバー)と呼ぶことにする。なお、表1の入力値は、実際の4ビットの2進数ではなく10進数で表示している。
【0083】
【表1】
【0084】
表1から分かるように、コードコンバータ56の各出力は2値化回路52の出力を1/16に分周したものである。コードコンバータ56のP出力とQ出力とは、2値化回路52の出力周期にして4周期分だけ位相が異なっている。コードコンバータ56の残る2つの出力は、それぞれP出力、Q出力を反転したものである。
【0085】
データセレクタ58は4つの入力P、Q、Pの反転、Qの反転の中から2つを選択して2出力A、Bとして取り出す。データセレクタ58には制御部50aから3ビットの選択信号を入力し、この値に基づいた選択を行う。選択信号3ビットの内訳は、回転方向データCW(1ビット)とモータ初期状態データCM(2ビット)である。回転方向データCWは、ステッピングモータ10aを時計方向に回転させるときは「1」、反時計方向に回転させるときは「0」を与える。モータ初期状態データCMは、第2の動作モードM2の開始直前のステッピングモータ10aの励磁状態を与える。
【0086】
ここではステッピングモータ10aは1相励磁状態に保持した後、制御部50aを第2の動作モードM2にする構成を前提として説明する。
【0087】
1相励磁状態には、A相ステータ32のみを正方向に励磁した状態、B相ステータ34のみを正方向に励磁した状態、A相ステータ32のみを負方向に励磁した状態、B相ステータ34のみを負方向に励磁した状態の4状態があり、どの状態から第2の動作モードM2に切り替えて駆動を行ったかにより、それぞれこの順にCM=0〜3の値を与える。選択信号CW、CMの値とデータセレクタ58が選択する入出力信号の対応関係を「表2」に示す。なお以降、CMの値は実際の2ビットの2進数ではなく10進数で表示する。
【0088】
【表2】
【0089】
以上のように構成した光ディスクドライブ装置におけるステッピングモータの制御動作を、図6を用いて説明する。基本的には実施の形態1で説明した制御動作は同様に実施の形態2でも行われる。ここでは、実施の形態1で説明した内容と重複する部分は詳述しない。
【0090】
図6は、ステッピングモータの制御動作を説明する図である。
【0091】
横軸はステッピングモータ10aの回転位置、縦軸は各位置における制御部50aの動作モード、ステッピングモータ10aの回転速度、ステータ32および34への励磁電流、データセレクタ58の出力信号、2値化回路52の出力信号を示す。
【0092】
最初、制御部50aはステッピングモータ10aの回転方向を決定する。ここでは回転方向は時計方向とする。次に、第1の動作モードM1のマイクロステップ駆動により、矢印C1〜C4で示したいずれかの1相励磁状態に至る位置P2までステッピングモータ10aを回転させる。ここでC1はA相ステータ32のみを正方向に励磁した状態、C2はB相ステータ34のみを正方向に励磁した状態、C3はA相ステータ32のみを負方向に励磁した状態、C4はB相ステータ34のみを負方向に励磁した状態である。
【0093】
この1相励磁の状態で1〜2ms保持した後、制御部50aはカウンタ54にクリア信号を出力して出力値を0にする。また、制御部50aはデータセレクタ58に回転方向データCW、モータ初期状態データCMを出力する。ここでステッピングモータ10aの回転方向は時計方向であるため、CW=1、状態C1から起動する場合CM=0の値がセットされる。この値は後に動作モードが第2の動作モードM2から第1の動作モードM1に切り替わるまで常に保持される。
【0094】
データセレクタ58の出力信号A、Bは、上記のようにCW=1、CM=0の値がセットされた場合には、表2の対応関係から分かるように、コードコンバータ56のP、Qの出力とそれぞれ一致している。そして表1の真理値表に従い、カウンタ54がクリアされた時点でどちらも「0」(LOW)の状態にある。この位相状態を起点として、出力信号Aは2値化回路52の2周期目のパルスで「1」(HIGH)の状態に変化し、以降2値化回路52のパルス8周期毎に状態を変化させる。同様に、出力信号Bは2値化回路52の6周期目のパルスで1の状態に変化し、以降2値化回路52のパルス8周期毎に状態を変化させる。すなわち、カウンタ54、コードコンバータ56、データセレクタ58によって、2値化回路52の出力が1/16に分周されて出力信号A、Bが生成される。出力信号A、Bはカウンタ54が制御部50aによりクリアされたときの出力状態を起点とし、互いに2値化回路52の出力にして4周期に相当する角度分ずつ位相がずれた状態にあることが分かる。
【0095】
ここで制御部50aは第2の動作モードM2をとり、データセレクタ58の2つの出力信号A、Bの値に応じて駆動部40に指令値を与える。データセレクタ58の出力信号A、Bはそれぞれ実施の形態1で説明したA相センサ32、B相センサ34と同じタイミングの信号となる。従って制御部50aは、実施の形態1で説明したのと全く同様に、加速時には出力信号Aの値1/0に対応してB相ステータ34を正/負方向に励磁し、出力信号Bの値1/0に対応してA相ステータ32を正/負方向に励磁するように指令値を与える。
【0096】
位置P4以降は減速を行う。これも実施の形態1と全く同様に、制御部50aは出力信号Aの値1/0に対応してA相ステータ32を正/負方向に励磁し、出力信号Bの値1/0に対応してB相ステータ34を負/正方向に励磁する。
【0097】
制御部50aは第2の動作モードM2を終了する位置P5において、所定範囲内の位置精度と速度精度とが得られるように電流量A2の制御を行いながら減速動作を継続する。このときステッピングモータ10aの回転速度は、制御部50aに入力された2値化回路52の出力パルスの間隔時間から求めている。従って、回転角度4.5゜毎に速度検出が可能であり、サンプリングに要する時間が例えば実施の形態1の場合に比べて1/16と小さくすることができる。このため、制御帯域が広く、高精度な速度制御を行うことができる。
【0098】
ステッピングモータ10aが位置P5を通過した後、制御部50aはデータセレクタ58の出力信号AまたはBの値の最初の変化時に、動作モードを第2の動作モードM2から第1の動作モードM1に切り替える。切替後のステータ32および34への励磁電流の制御は実施の形態1と同様であり、目的位置PTまでマイクロステップ駆動を行う。
【0099】
以上、ステッピングモータ10aを時計方向へ回転させた場合について説明したが、これを反時計方向に回転させる場合も同様である。この場合、制御部50aはデータセレクタ58に、回転方向データCWの値として0を与えればよい。また第2の動作モードM2による起動時のモータ初期状態を状態C1として説明したが、状態C2〜C4から起動する場合には、制御部50aはデータセレクタ58にモータ初期状態データCMとして1〜3の値を与えればよい。
【0100】
なお、本実施の形態の遮光板24、フォトセンサ26、および2値化回路52は、本願特許請求の範囲で記したエンコーダに相当する。
【0101】
また、ステッピングモータの励磁コイル数N(Nは2以上の整数。反転相を含まず。)、エンコーダ出力信号の回転角度周期とロータ磁極の角度周期との比K(Kは2以上の整数)の関係を一般化して、分周部がエンコーダ出力信号を1/Kに分周して検知信号を生成し、特にKをNの倍数(K=M×N;Mは2以上の整数)として、それぞれ分周した検知信号の位相をエンコーダ出力信号のM/2周期に相当する角度分ずつずらしてNチャンネルを生成するとすれば、本実施の形態の構成と同等となる。
【0102】
以上説明したように本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0103】
第1に、ステッピングモータとエンコーダとの位相関係を合わせるための調整が全く不要にすることができる。ロータ20の磁極位置の角度位相、遮光板24のスリット位置の角度位相、フォトセンサ26の取付位置の角度位相がどのような相対関係で組み立てられたとしても、あらかじめロータ20の磁極形成角度周期のK倍に細かく形成したエンコーダの出力信号をステッピングモータ10aを所定の励磁状態にしたときを基準として1/Kに分周して検知信号を生成する構成としたことにより、検知信号とステッピングモータの励磁のタイミングを合わせることができる。このようにステッピングモータとエンコーダとの位相関係を合わせるための調整工程を省くことにより、全体の組立性を大幅に改善することができる。
【0104】
第2の効果としては、エンコーダのセンサの数を低減することができる。前記Kの値を励磁コイルの相数Nの倍数に設定し、分周部により互いに位相が異なるNチャンネルの出力信号を作成しているため、フォトセンサ26はただ1つだけでNチャンネルの位相の異なる出力信号を発生することができる。
【0105】
このため、複数のセンサを用いる場合に比べてセンサ本体や配線等に必要なコストを低減することができる。また、センサ間の取付精度、センサ間の温度特性や周波数特性等のばらつきといった様々な精度劣化要因を完全に排除できるため、信頼性の高い安定したステッピングモータの駆動を行うことができる。
【0106】
第3に、ステッピングモータの回転角度、回転速度の検出精度を向上させることができる。エンコーダの出力信号を、分周部とは別に直接制御部50aに入力させることにより、ロータ20の磁極形成の角度周期で定まる周期信号から検出する場合に比べて全くコストアップを伴うことなく、高精度な回転角度や回転速度の検出ができ、精度が高く制御帯域の広いモータ制御を行うことができる。特に低回転数でモータを回転させるときには、速度信号が出力されるタイミングが早くなることは効果が大きい。
【0107】
以上のように、本実施の形態によれば、調整工程が不要かつ簡易な構成で、信頼性が高く高精度なステッピングモータの制御を行うことができる。
【0108】
なお、本実施の形態では2値化回路52の出力信号の立ち上がりエッジでカウンタ54の値を変化させているが、2値化回路52の出力信号の立上りエッジ、立下りエッジの双方でカウンタ54の値を変化させる構成にすれば、位相合わせの精度を2倍に向上させることができる。
【0109】
また、本実施の形態は、分周部をカウンタ54、コードコンバータ56、およびデータセレクタ58による回路構成によって実現したが、実施の形態1における制御部50のDSP内でのプログラム処理等により、ソフトアルゴリズムとして実現してもよい。
【0110】
また、本実施の形態では分周部は2値化回路52の出力を常時1/16に分周して検知信号を生成していたが、例えば高速回転時には分周時のカウント数を変更することにより、進み角を与えることも可能である。高速回転時ほどトルク角が理想角度90゜から離れていくため、本実施の形態ではあらかじめ全回転領域で45゜の進み角を与える構成により高回転域でのトルク特性を改善しているが、回転数に応じて分周時のカウント数を調整することで、さらに好適なトルク特性を付与することができる。具体的には、所定の回転数(例えば2000rpm)に達した瞬間に、一度だけ2値化回路52の出力を1/16分周ではなく1/15分周して検知信号を発生すると、23゜の進み角が与えられる。さらに次の所定の回転数(例えば4000rpm)に再び一度だけ2値化回路52の出力を1/16分周ではなく1/15分周して検知信号を発生すると、さらに23゜の進み角が与えられるというように、制御部50のDSP内でのプログラムを設定することで実現される。減速する際には、逆に上記の所定の回転数(例えば4000rpm、2000rpm)をまたぐ際に各一度だけ2値化回路52の出力を1/16分周ではなく1/17分周して検知信号を発生することで進み角を低減する。
【0111】
進み角を与える方法としては他に検知信号を回路的に遅延させることも考えられる。しかし、遅延時間は回転数と進み角の関数であるから、仮に一定の進み角を与えるとしても常に回転数に応じて遅延時間を計算させねばならず、制御が大変である。これに対し上述した方式は、進み角を直接制御することができるため、制御側の負担が極めて小さくなるという利点がある。
【0112】
また、本実施の形態ではスタート位置PSから位置P2までをマイクロステップ駆動によりステッピングモータ10aを回転させたが、これに限定されるものではない。たとえば、位置P2において第2の動作モードM2を開始する前にステッピングモータ10aが所定の励磁状態にあればよいため、スタート位置PSから位置P2までを1相励磁等の別の駆動方法により、ステッピングモータ10aを回転させてもよいことは言うまでもない。
【0113】
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3について、図7を参照して説明する。
【0114】
図7は本発明の実施の形態3を用いた光ディスクドライブ装置の構成例を示す概略構成図である。
【0115】
図7において、ステッピングモータ10a、駆動部40、電流ドライバ42および44、2値化回路52、カウンタ54、コードコンバータ56、データセレクタ58、フランジ72、リードスクリュー74、軸受76、シャーシ80、ガイドシャフト82、スピンドル85、ヘッド90、ナットピース92、バネ94、および光ディスク95は、実施の形態2と同一である。制御部50bは実施の形態2の制御部50aの構成に加えて、後述する構成を付加したものである。
【0116】
ストッパ87はシャーシ80の一部を折り曲げて形成し、ヘッド90と当接してヘッド90の光ディスク95の内周側方向への移動範囲を規制する。ストッパー87は電源投入時等の初期状態におけるヘッド90の位置決め基準として用い、ヘッド90と当接した際に、光ディスク95の中心とヘッド90の光ビーム中心との距離xが所定の値となるよう精度良く形成されている。xの値は、光ディスク95の情報記録領域の最内周半径R2よりも小さい値に設ける。なお、光ディスク95はR1からR2までがリードイン領域で、R2からR3までが情報記録領域であり、最初にヘッド90が光ディスク95を読み取る動作を開始する際には、ヘッド90の光ビーム中心はリードイン領域内のいずれかの位置にある必要がある。
【0117】
ストッパ88はゴム等の材料からなり、ヘッド90と当接してヘッド90の光ディスク95の外周側方向への移動範囲を規制する。ストッパ88はストッパ87よりも硬度を低くしているため、位置決め精度は低いがヘッド90と当接する際の衝撃吸収性は高く設けられている。
【0118】
制御部50bは判別部51を含む。判別部51は、制御部50bから指定された期間内における2値化回路52の出力信号の変化の有無を判別し、変化がある場合には「1」、変化がない場合には「0」の値を制御部50bに返す。
【0119】
2値化回路52の出力信号は立上りエッジのみを検出する場合には角度分解能として約4.5゜、立上りエッジと立下りエッジの双方を検出する場合には約2.3゜の角度分解能があるが、ここでは立上りエッジのみを検出するとしてエンコーダとしての角度分解能は約4.5゜とする。一方、ステッピングモータ10aを開ループ制御でマイクロステップ駆動する場合には1ステップが約0.6゜に相当するから、8ステップ以上駆動すれば、脱調がなければステッピングモータ10aはエンコーダの角度分解能約4.5゜以上は回転することになる。従って、もしこの間に2値化回路52の出力信号が変化しなければ、ステッピングモータ10aが脱調していると判別できる。本構成では、制御部50bが第1の動作モードM1にあるとき、20ステップのマイクロステップ駆動(約1.2゜)を単位として、各単位の角度変化中の2値化回路52の出力信号の変化の有無を判別部51に判断させ、判別部51が返す値に応じて制御動作を決定する。
【0120】
以下に、このように構成した光ディスクドライブ装置の、電源投入時の初期動作を説明する。この初期動作の目的は、当初任意の位置にあるヘッド90をストッパ87を基準に精度良く位置決めすることにある。この際に、ヘッド90を高硬度のストッパ87に当接させる直前には、大きな衝撃荷重が発生しないようにヘッド90を低速度で当接させている。この時の速度を小さくするほど衝撃荷重は小さくなるが、例えばヘッド90が最初光ディスク95の外周近くにいる場合にはストッパ87と当接させるまでに長い時間を要することになる。これを防ぐため、まずヘッド90を一度柔らかいストッパ88に当接させて粗位置決めを行った後にストッパ87に当接させるようにする。
【0121】
初期動作において、まず制御部50bは第1の動作モードM1を選択し、マイクロステップ駆動によりヘッド90を光ディスク95の外周方向に移送する。移送速度は5〜30mm/s程度の速度とし、励磁電流量は通常の移送動作では十分脱調せずヘッド90がストッパ88により規制された場合には脱調する程度のトルクを発生するように設定する。また、移送中に判別部51は2値化回路52の出力を入力しており、20ステップのマイクロステップ駆動を行う毎に制御部50bから出力されるタイミング信号を基に、各タイミング信号を入力してから次のタイミング信号を入力するまでの間に2値化回路52の出力が変化しない場合は脱調と判断する。ヘッド90がストッパ88により位置規制されると、判別部はステッピングモータ10aの脱調を検知して、制御部50bに値0を返す。
【0122】
すると、制御部50bはステッピングモータ10aの回転方向を反転し、ヘッド90を光ディスク95の内周方向に所定量だけ第2の動作モードM2を用いて高速に移送する。この所定量はヘッド90がストッパ88に位置決めされた状態からストッパ87に位置決めされた状態になるまでの移送量よりも誤差を見込んでわずかに短く設定した距離である。その後、制御部50bはヘッド90がストッパ87に位置決めされるまで、残るわずかな距離を1mm/s程度の低速度で移送する。このときの励磁電流量も通常の移送動作では十分脱調せず、ヘッド90がストッパ87により規制された場合には脱調する程度のトルクを発生するように設定する。そして、ヘッド90がストッパ87により位置規制されると、判別部51はステッピングモータ10aの脱調を検知し、制御部50bに値0を返す。これにより制御部50bはステッピングモータ10aを停止し、ストッパ87によるヘッド90の位置決めが完了する。
【0123】
最後に制御部50bは、この位置を基準として、ヘッド90を再び所定量だけ光ディスク95の外周方向に第1の動作モードM1で移送する。この所定量はちょうどヘッド90の光ビーム中心が光ディスク95のリードイン領域内にくるように設定している。たとえばCDではディスク半径23〜25mmがリードイン領域と規定されている。ストッパ87と当接したときのヘッド90の光ビーム中心の位置を例えばx=22±0.2mmとしたとき、2mm動かせばよいことになる。
【0124】
さらに、DVDのように異なるリードイン領域を持つ(半径22.6〜24mm)ディスクを互換再生する場合には、距離xを同じとして、両規格のリードイン領域の重なる半径23〜24mmにヘッド90の光ビーム中心を移送するよう1.5mm動かすように設定すればよい。あるいは光ディスク95がカートリッジに入っている等で種別があらかじめ識別可能な場合には、ディスク種類に応じて移送量を変えて、それぞれのディスクにとって最適な初期位置にヘッド90の光ビーム中心を移送してもよい。こうしてヘッド90の光ビーム中心をリードイン領域内に移送した後、ヘッド90は光ディスク95の情報の読み出しを行う。
【0125】
以上説明したように本実施の形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0126】
第1に、駆動中のモータが実際に動いているか止まっているかを迅速に判断して制御を切り換えることができる。すなわち、制御部50bが開ループ制御によりステッピングモータ10aの回転角度を直接指定して、その間の実際の回転角度をエンコーダにより検出し、両者を比較する判別部51を設けていることにより、ステッピングモータ10aの脱調を精度良く検出することができる。比較として、例えばDCモータにエンコーダを取り付けた通常のモータ制御方法では、ヘッド90がストッパ87に当接したか否かはタイマー管理でしばらくの間モータに電流を流し続けてエンコーダの出力変化を見る必要があり応答が遅い。しかも低速でヘッド90を駆動した場合、ストッパ87に当接したか否かを確実に判断することが難しい。これに対して、本実施の形態ではヘッド90の速度を任意に設定でき、任意の速度条件下において短時間で確実にストッパ87との当接を判断できる。もちろん本発明は、ストッパーとの当接の判断だけでなく、脱調の有無を判断することが有効なあらゆる場合について適用できることは言うまでもない。
【0127】
第2に、まず低硬度のストッパ88とヘッド90を当接させて粗位置決めを行った後、高硬度で位置決め精度の高いストッパ87に低速度で当接させるため、ヘッド90の高精度な位置決めと、当接時の低衝撃化および低騒音化と、位置決めに要する時間の低減とを両立して実現することができる。
【0128】
【発明の効果】
本発明によるステッピングモータ制御装置によれば、一連の移動動作中に、高精度位置決めに適した第1の動作モードと、高速移送に適した第2の動作モードとを切り替えて制御することにより、ステッピングモータの高精度の位置決めと高速移送とをともに実現することができる。
【0129】
さらに、第2の動作モードから第1の動作モードに切り替える切り替え点を、ロータがマイクロステップ駆動において電磁気的に安定して静止する位置に実質的に一致させることにより、動作モードの切り替えにおける揺り戻しをおおきく低減することができる。
【0130】
さらに、第2の動作モードにおいて、ステッピングモータを加速動作から減速動作に移行する前に加速度を低減させることにより、加速から減速への速度変化をゆるやかにして、速度変化による衝撃振動をおおきく低減することができる。
【0131】
このように、本発明によれば、ステッピングモータの高精度の位置決めおよび高速移送と、低い振動性とをともに実現するステッピングモータ制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1のステッピングモータ制御装置の一例である、光ディスクドライブ装置の構成例を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1のステッピングモータ制御装置で用いられるステッピングモータ10およびその周辺装置を示す図である。
【図3】本発明の実施の形態1のステッピングモータ制御装置で用いられる、ステッピングモータ10の励磁相とエンコーダ60の出力との位相関係を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1のステッピングモータ制御装置のステッピングモータ10の移送制御動作を説明する図である。
【図5】本発明の実施の形態2のステッピングモータ制御装置の一例である、光ディスクドライブ装置の構成例を示す図である。
【図6】本発明の実施の形態2のステッピングモータ制御装置のステッピングモータ10aの移送制御動作を説明する図である。
【図7】本発明の実施の形態3のステッピングモータ制御装置の一例である、光ディスクドライブ装置の構成例を示す図である。
【符号の説明】
10、10a ステッピングモータ
20 ロータ
30 励磁コイル
32 A相ステータ
34 B相ステータ
40 駆動部
50 制御部
60 エンコーダ
62 A相センサ
64 B相センサ
90 ヘッド
95 光ディスク
Claims (3)
- ロータと励磁コイルとを備えたステッピングモータと、
入力された指令値に応じて該励磁コイルに複数段階の駆動電流を与え、それによってマイクロステップ駆動を可能とする駆動部と、
該駆動部に与える該指令値を変化させて該ステッピングモータを制御する制御部と、
該ロータの回転位置に応じた検知信号を生成する位置検知制御部と
を備えたステッピングモータ制御装置であって、
該制御部は、第1の動作モードと第2の動作モードとの2つの動作モードを切り替え、該第1の動作モードにおいては、該制御部がみずから発生するタイミングに基づいて該駆動部に与える該指令値を変化させ、該第2の動作モードにおいては、該位置検出制御部の検知信号に応じたタイミングに基づいて該駆動部に与える該指令値を変化させ、それによって該ステッピングモータを制御し、
該制御部はさらに、該ステッピングモータをスタート位置から目的位置まで移送する1連の移送動作中に該2つの動作モードを切り替え、該第2の動作モードで該ステッピングモータに粗動動作をさせた後に該第1の動作モードに切り替えて該マイクロステップ駆動を行い、
該制御部は、該ステッピングモータの該スタート位置から該目的位置までの移送量に応じて該2つの動作モードを使い分け、該移送量が所定値より小さいときは該第1の動作モードのみで該ステッピングモータを駆動し、該移送量が該所定値以上のときは該第2の動作モードと該第1の動作モードとを切り替えて該ステッピングモータを駆動する、ステッピングモータ制御装置。 - 前記制御部は、前記第2の動作モードから前記第1の動作モードへの切り替えを、前記位置検知制御部の出力信号相が変化するタイミングに基づいて行い、かつ、該切り替えの瞬間における前記ロータの回転位置が、該ロータがマイクロステップ駆動において電磁気的に安定して静止する位置に実質的に一致する、請求項1に記載のステッピングモータ制御装置。
- 前記ステッピングモータの前記第2の動作モードによる駆動において、前記制御部は、第1の指令値列を前記駆動部に与えて該ステッピングモータを第1の加速度で加速したあと、第2の指令値列を該駆動部に与えて、該第1の加速度よりも実質的に小さい第2の加速度で該ステッピングモータを加速し、さらにそのあと、第3の指令値列を該駆動部に与えて該ステッピングモータを減速する、請求項1に記載のステッピングモータ制御装置。
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