JP2003116297A - モータ制御装置およびdcモータの駆動方法 - Google Patents

モータ制御装置およびdcモータの駆動方法

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JP2003116297A
JP2003116297A JP2002198277A JP2002198277A JP2003116297A JP 2003116297 A JP2003116297 A JP 2003116297A JP 2002198277 A JP2002198277 A JP 2002198277A JP 2002198277 A JP2002198277 A JP 2002198277A JP 2003116297 A JP2003116297 A JP 2003116297A
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Toru Kawabata
透 川端
Yoshihiro Mushishika
由浩 虫鹿
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】DCモータによって対象物を駆動し、その位置
を制御するモータ制御装置において、負荷の影響やDC
モータのコギングトルクの影響を低減して、高い精度で
対象物の位置制御を行う。 【解決手段】 DCモータ5と、DCモータ5に結合さ
れ、DCモータの回転力を伝達して所定の質量を有する
物体を負荷に抗して移動させる駆動機構12と、駆動機
構12に結合したDCモータ5が回転する程度に大きい
第1の電圧、および、第1の電圧と同じ極性を備え、D
Cモータ5のコギングトルクによる逆回転を防止し、D
Cモータ5が回転しない程度に小さい第2の電圧を発生
する電圧発生手段13と、第1の電圧をDCモータ5に
印加した後、第2の電圧をDCモータ5に印加するよう
電圧発生手段14を制御する制御手段19とを備えたモ
ータ制御装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はモータ制御装置に関
し、特に小型のDCモータを使用し、精密な位置制御を
行うモータ制御装置およびDCモータの制御方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ブラシおよび整流子を含むDCモータ
は、単純な構造を備えているため、安価に製造すること
ができる。また、DCモータは、小型、高効率、大出力
であり、特別な駆動装置が不要であるという特徴を備え
ている。このため、数多くの機器にDCモータが利用さ
れている。
【0003】しかし、DCモータの回転子の停止位置を
高精度に制御したい場合、あるいは、極めて低い回転数
で安定してモータを回転させたい場合、DCモータで
は、これらの要求を十分に満たすことが困難なことがあ
る。
【0004】その理由のひとつは、DCモータにコギン
グトルクが発生することが挙げられる。以下、DCモー
タのコギングトルクを説明する。
【0005】図8(a)に示すように、DCモータは、
磁極91、92、93を有する回転子94および界磁9
5を含む。磁極91、92、93は珪素鋼板などの磁性
体からなる鉄芯および鉄芯に巻回された巻線を有し、界
磁95は、フェライトマグネットなどの永久磁石からな
る。図8(a)に示すように、典型的には、DCモータ
は3つの磁極91、92、93および2つの界磁95を
備える。
【0006】このようなDCモータにおいて、磁極9
1、92、93が磁性体を含むため、磁極91、92、
93が界磁95に吸引されることにより、DCモータが
通電されていない状態でも回転子94を回転させようと
するトルクが発生する。このトルクは、磁極91、9
2、93が界磁95による磁界中で安定な状態となるよ
う、回転子94を回転させる。回転子94を回転させよ
うとするトルクは、磁極91、92、93と界磁95と
の吸引力によって発生するので、磁極91、92、93
が安定な状態となる回転子94の回転角度は、界磁95
と磁極91、92、93と相互の配置に依存する。
【0007】一般的には、磁極91、92、93の1つ
が界磁95の1つともっとも近接した状態が安定してい
る。例えば、図8(a)は、磁極91が界磁95のN極
に近接しており、安定な状態の1つを示している。この
状態では、回転子94を回転させようとするトルクはゼ
ロとなる。
【0008】図8(a)に示す位置から回転子94を時
計周り回転させた場合、図8(b)に示すように、図8
(a)に示す位置から60°回転子94を回転させるこ
とによって、磁極92が界磁95のS極にもっとも近接
する。この状態は別な安定状態を示している。回転子9
4に磁極が3つあり、界磁が2つあるため、回転子94
が1回転する間に安定な状態は6回存在し、回転子94
が60°回転するごとに、安定な状態をとる。
【0009】図9は、回転子94と界磁95との磁力に
より発生するトルクの大きさおよびその方向を破線で示
している。図8(a)に示す状態を図9において初期状
態としている。DCモータに通電を行わない状態で、図
9の点Aの状態から回転子94を時計まわりに外部から
力を加えて回転させると、界磁95のN極と磁極91と
の間の吸引力によって、回転とは逆向きのトルクが発生
し、回転角の増大に伴って、この逆向きのトルクも増大
する。回転子94がおおよそ15°回転すると、逆向き
のトルクの大きさは最大となる(図9の点B)。さらに
回転子94の回転が進むと、磁極92と界磁95のS極
との吸引力が発生する。このため、回転子94に働く逆
向きのトルクは次第に小さくなる。そして、回転子94
がおおよそ30°回転すると、回転子94に働く逆向き
のトルクはゼロとなる(図9の点C)。
【0010】さらに回転子94の回転が進むと、磁極9
2と界磁95のS極との間に働く吸引力が優勢になるた
め、回転子94には時計回りに回転子94を回転させる
トルクが発生する。回転子94がおおよそ45°回転す
ると、回転子94を時計回りに回転させるトルクが最大
となる(図9の点D)。そして、回転子94がおおよそ
60°回転すると、回転子94を時計回りに回転させる
トルクはゼロとなる(図9の点E)。
【0011】実際には、回転子94の回転軸に摩擦トル
クが存在するため、一点鎖線で示される摩擦トルク以上
のトルクが回転子94に発生しない限り、回転子94は
実際には回転しない。このため、回転子94に働く実効
トルクは図9中、実線で示される曲線となる。このよう
なトルクの変動が回転子94の回転角度に対して60°
ごとに生じる。図9において実線で示すように、実効ト
ルクは、回転子94の回転角に応じて、正、負およびゼ
ロの値をとる。この実効トルクがコギングトルクであ
る。
【0012】DCモータへの通電をやめ、DCモータを
停止させる場合、回転子94が停止する角度によって、
コギングトルクの大きさおよび向きが異なる。このた
め、図9において、コギングトルクがゼロとなるような
角度において回転子94を停止させる場合(30°近
傍、60°近傍など)には、コギングトルクの影響を受
けることなく回転子94を停止させることができる。
【0013】しかし、コギングトルクが正の値となるよ
うな角度において回転子94を停止させようとする場合
には、回転子94にコギングトルクが働き、所望の回転
角度を超えて、回転子94が安定する位置(60°近
傍、120°近傍など)まで回転してしまう。また、コ
ギングトルクが負の値となるような角度において回転子
94を停止させようとする場合には、回転子94を逆方
向に回転させようとするコギングトルクが働き、回転子
94が停止する直前に逆回転して、回転子94が安定す
る位置(0°近傍、60°近傍など)まで回転してしま
う。このため、DCモータでは、回転子94が停止する
位置を正確に制御することが困難である。
【0014】また、DCモータでは、通電によって発生
する軸周りのトルクは均一ではない。特に、小型のDC
モータでは磁極の数が小さいため、回転子94が1回転
する間に生じるトルクむらは大きくなる。DCモータを
駆動する電源の変動や、モータに接続された負荷の変動
も影響するため、DCモータの出力変動は大きくなって
しまう。
【0015】さらに、DCモータにおける軸受け摩擦等
の負荷変動も大きい。特に、静止摩擦と動摩擦との差に
よる負荷の変動が問題となる。具体的には、DCモータ
の通電より、軸受けの静止摩擦は回転子94に発生する
トルクに比例して大きくなる。しかし、いったん回転子
94が始動すると、静止摩擦から動摩擦に切り替わるた
め、回転子94の回転を妨げる摩擦力は急減する。この
ような摩擦力の変化は、一種の負性抵抗とみなされるの
で、DCモータを比例制御する場合には、系を不安定に
する。このため、特に低速で安定した回転を行うことが
困難である。
【0016】回転子の慣性モーメントが大きいことも問
題である。小型DCモータでは、界磁に永久磁石を使用
することによって界磁のスペースを小さくし、あまった
スペースを利用して、直径の大きい回転子を使用するこ
とができる。これにより、高効率で大出力を得ることの
できるモータを実現することができる。しかし、回転子
の直径が大きくなることによって、回転子の慣性モーメ
ントも増大するという問題が生じる。DCモータが駆動
する負荷にも依存するが、回転子の慣性モーメントの等
価質量は、DCモータが駆動する負荷の質量の数倍にも
達する場合が多い。
【0017】回転子の慣性モーメントが増大することに
よって、DCモータの始動および停止に時間がかかって
しまう。このため、DCモータにより駆動される負荷の
移動速度も始動時には小さくなる。また、DCモータの
通電を停止しても、負荷を直ちに停止させることは困難
となる。
【0018】このような問題を解決するために、DCモ
ータにより駆動される負荷の移動速度を検出し、負荷の
位置決めに利用することも考えられる。しかし、そのよ
うな速度を検出する制御機構を追加することは、DCモ
ータ制御装置のコストを上昇させる。したがって、低コ
ストで製造されるべき装置には、そのような速度検出機
構を付加することはできない。
【0019】DCモータを用いた制御装置として、例え
ば、光ディスク装置を挙げることができる。特開200
0−20974号公報は、光ディスク装置においてDC
モータをパルス駆動する技術を開示している。光ディス
ク装置では、制御対象である光ヘッドを目的位置に高速
で移動させ、また高精度に位置決めすることが求められ
る。以下、この従来技術による光ディスク装置を説明す
る。
【0020】図10(a)は、従来のモータ制御装置を
用いた光ディスク装置101の主要部を示すブロック図
であり、図10(b)はその平面図を示している。光デ
ィスク装置101は、光ディスク(CD−ROM)10
2を再生するCD−ROMドライブ装置であり、光ディ
スク102には、螺旋状のトラックが形成されている。
光ディスク装置101は、装填された光ディスク102
に対し、光ディスク102の径方向(図10(b)中の
矢印A方向)に移動し得る光学ヘッド(光ピックアッ
プ)103と、光学へッド103を径方向に移動させる
光学ヘッド移動機構と、制御手段109と、トラッキン
グエラー信号生成回路121と、トラッキングサーボ回
路122と、スレッドサーボ回路123と、比較器12
4とを有している。以下、光ディスク102の径方向を
単に「径方向」と言う。
【0021】光学へッド103は、対物レンズ(集光レ
ンズ)132と、トラッキングアクチュエータ141と
を備えている。対物レンズ132は、径方向および光デ
ィスク102の回転軸と平行な方向のそれぞれに移動し
得る。光ディスク102の回転軸と平行な方向を単に
「回転軸方向」と言う。トラッキングアクチュエータ1
41は、対物レンズ132を径方向(光ディスク102
の内周側または外周側)に移動させる。トラッキングア
クチュエータ141にドライバ142を介して所定の電
圧が印加されると、その電圧の極性および大きさに応
じ、トラッキングアクチュエータ141が対物レンズ1
32を径方向に移動させる。
【0022】光学ヘッド移動機構は、主に、スレッドモ
ータ(フィードモータ)107と、スレッドモータ10
7を駆動するドライバ171と、スレッドモータ107
の回転軸108に固定されたリードスクリュー(ウォー
ムギヤ)181と、ウォームホイール241と、ピニオ
ンギヤ242と、ラックギヤ115と、光学ヘッド10
3を案内する一対のガイドシャフト116とを含んでい
る。光学へッド103は、一対のガイドシャフト116
に対し、移動可能に支持されている。後述する駆動制御
によりスレッドモータ107が駆動すると光学ヘッド1
03は、ガイドシャフト116に沿って所定方向に移動
する。
【0023】制御手段109は、通常、マイクロコンピ
ュータ(CPU)で構成され、光学へッド103、スレ
ッドモータ107、トラッキングサーボ回路122、ス
レッドサーボ回路123等、光ディスク装置101全体
の制御を行う。この制御手段109は、パルス発生回路
(パルス電圧生成手段)191を内蔵している。制御手
段109と、比較器124とによって、対物レンズ13
2のずれ量を検出するずれ量検出手段が構成される。
【0024】光ディスク装置101において、光学ヘッ
ド103からの電圧信号は、トラッキングエラー信号生
成回路121に入力され、電圧信号であるトラッキング
エラー信号(TE)を生成する。トラッキングエラー信
号は、トラッキングサーボ回路122に入力され、電圧
信号であるトラッキングサーボ信号(TS)が生成され
る。このトラッキングサーボ信号のレベル、即ち、電圧
値は、基準位置からの径方向における対物レンズ132
のずれの大きさおよびその方向に対応している。
【0025】トラッキングサーボ信号(TS)は、ドラ
イバ142を介してトラッキングアクチュエータ141
に入力されると共に、スレッドサーボ回路123にも入
力される。トラッキングアクチュエータ141は、トラ
ッキングサーボ信号に基づいて駆動され、このトラッキ
ングアクチュエータ141の駆動により、対物レンズ1
32は、トラックの中心に向かって移動する。即ち、ト
ラッキングサーボがかかる。
【0026】このトラッキングアクチュエータ141の
駆動のみでは、対物レンズ132をトラックに追従させ
ることに限界がある。このため、スレッドモータ107
を駆動して光学ヘッド本体を対物レンズ132が移動し
た方向と同方向に移動し、対物レンズ132を基準位置
に戻すように制御する(スレッド制御を行う)。
【0027】スレッドサーボ回路123では、スレッド
サーボ信号(SS)が生成される。このスレッドサーボ
信号のレベル、即ち、電圧値は、基準位置からの径方向
における対物レンズ132のずれの大きさおよびその方
向に対応している。スレッドサーボ信号(SS)は、比
較器(コンパレータ)124に入力され、比較器124
で2値化される。この2値化信号(電圧)は、比較器1
24から出力され、制御手段109に入力される。
【0028】図11(a)から(c)は、従来のモータ
制御装置を用いた光ディスク装置101のスレッドサー
ボ信号(電圧)、比較器124からの信号(電圧)およ
びパルス発生回路191からの信号(電圧)のタイミン
グチャートである。また、図12は、スレッド制御の際
の制御手段109の制御動作を示すフローチャートであ
る。
【0029】図11(a)および(b)に示すように、
比較器124からの信号のレベルは、スレッドサーボ信
号のレベル(電圧値)がスレショルドレベル(基準電圧
値)以上の場合には、ハイレベル(H)になり、スレッ
ドサーボ信号のレベル(電圧値)がスレショルドレベル
(基準電圧値)末満の場合には、ローレベル(L)にな
る。
【0030】光ディスク装置101では、比較器124
からの信号のレベルがローレベル(L)からハイレベル
(H)になったとき、対物レンズ132の基準位置に対
するずれ量がある限界値に達したものとされ、制御手段
109はパルス発生回路191により所定パターンのパ
ルス信号(パルス電圧)を生成し、出力する。
【0031】図11(c)に示すように、このパルス発
生回路191で生成されるパルス電圧のパターンは、そ
のパルス電圧に基づいてスレッドモータ107が駆動さ
れた際、対物レンズ132が基準位置に戻るように、予
め設定されている。パルス発生回路191からのパルス
電圧は、ドライバ171を介してスレッドモータ107
に印加される。スレッドモータ107は、パルス電圧に
基づいて駆動し、このスレッドモータ107の駆動によ
り、光学へッド本体103が対物レンズ132の移動方
向と同方向に移動して、対物レンズ132が基準位置に
戻る。
【0032】図11(c)に示すように、パルス電圧
は、極性の異なる第1のパルス電圧(正のパルス電圧)
151と第2のパルス電圧(負のパルス電圧)152と
で構成されている。第1のパルス電圧151の絶対値
は、スレッドモータ107が光ディスク装置101に組
み込まれた状態において、そのスレッドモータ107が
作動する電圧(起動電圧)の絶対値より十分に大きい。
この場合、第1のパルス電圧151の絶対値は、スレッ
ドモータ107が作動する電圧の絶対値の120〜17
0%程度に設定する。また、第2のパルス電圧152の
絶対値は、第1のパルス電圧151の絶対値未満であ
る。この場合、第2のパルス電圧152の絶対値は、第
1のパルス電圧151の絶対値の50〜90%程度に設
定する。上述のパルス電圧がドライバ171を介してス
レッドモータ107に印加されると、第1のパルス電圧
151によりスレッドモータ107が作動し、その回転
が加速され、第2のパルス電圧152によりスレッドモ
ータ107が制動され(ブレーキがかかり)、対物レン
ズ132が基準位置に位置するようにスレッドモータ1
07が停止する。
【0033】次に、スレッド制御の際の制御手段109
の制御動作を説明する。図12に示すように、比較器1
24からの信号(電圧)のレベルがローレベル(L)か
らハイレベル(H)に変化したか否かを判断する(ステ
ップ201)。ステップ201における判断が「NO」
の場合、パルス信号(パルス電圧)を出力せず(ステッ
プ202)、ステップ201に戻り、再度、ステップ2
01以降を実行する。
【0034】ステップ201における判断が「YES」
の場合、前述したように、パルス発生回路191により
パルス信号(パルス電圧)を生成し、出力する(ステッ
プ203)。ステップ203の後、ステップ201に戻
り、再度、ステップ201以降を実行する。このような
手順によって、光学ヘッド移動機構の負荷に変動等が生
じても、スレッドモータ107を安定して正確に回転駆
動させることができる。
【0035】
【発明が解決しようとする課題】上述の光ディスク装置
では、DCモータの回転子の慣性モーメントが大きいに
もかかわらず、回転子をすばやく停止させることができ
る。このため、制御の精度をある程度向上させることは
可能である。しかし、上述の光ディスク装置には以下に
述べるような問題がある。
【0036】まず、DCモータの回転を制御できる回転
角度を小さくすることが困難であるために、位置決め精
度を高くできないという問題がある。高分解能を得るた
めに送り量(回転角)を微小化しようとする場合、DC
モータを駆動するパルス電圧を下げる、あるいは、パル
ス幅を短くすることが考えられる。しかし、パルス電圧
を下げると、負荷変動およびトルク変動の影響を受け易
くなり、これらの影響のために送り量を微小化すること
が困難となる。
【0037】また、パルス幅を短くすると、ある回転角
以下においては、モータは振動するのみで全く回転しな
い状態に陥ってしまう。この現象はコギングトルクの影
響によって引き起こされる。具体的には、パルス電圧を
印加することにより、モータがわずかに回転していて
も、駆動電圧が0になった瞬間に、回転子を逆回転させ
ようとするコギングトルクが回転子に働き、元の位置に
戻ってしまう。このため、何度パルスを繰り返し印加し
たとしても、回転子は回転しない。
【0038】モータから制御対象までの駆動機構にガタ
や、変形によるばね性がある場合、この現象はより顕著
に表れ、制御対象を全く移動させることなくモータのみ
が振動することになってしまう。したがって、パルス電
圧を低下させたり、パルス幅を短くすることによって、
送り量を微小化するには、こうした現象が生じない範囲
でしか実現し得ず、位置決め精度を向上させるには限界
があった。
【0039】さらに、駆動パルスの直後にブレーキパル
スを印加することにより、制御の安定性を著しく損ねる
場合がある。機構の負荷は正転方向と逆転方向が同じで
あるとは限らない。むしろ、このような送り量が微小で
ある場合には、機構の負荷が正転方向と逆転方向とで異
なることが多い。これは特にモータから制御対象への駆
動機構の剛性が低い場に顕著である。
【0040】例えば、ある方向に送り続けると圧縮した
ばねで制御対象を押すような状態となるモータ制御装置
がある。この場合、モータにとって、移動させようとす
る方向への負荷は大きく、逆方向への負荷は非常に小さ
くなる。このような状態で駆動パルスに対して一定の割
合のブレーキパルスを印加すると、モータが逆回転し、
極端な場合、制御対象も逆方向に移動してしまい、制御
の安定性を著しく損ねる。したがって、ブレーキパルス
はこのような現象の起こらないような電圧値およびパル
ス幅にする必要があり、大きなロータの慣性モーメント
に対して、電圧値およびパルス幅が制限されたブレーキ
パルスではブレーキとして十分には機能しないことも考
えられる。
【0041】上述の従来技術では、送り量を小さくする
ために、DCモータに印加するパルス電圧の電圧値をD
Cモータが起動しうる最低電圧の1.7倍程度に設定し
ている。また、1回のパルス電圧による移動量が所定の
値に達していない場合、同じパルス電圧を繰り返して印
加することが示されている。
【0042】しかし、このような小さな値のパルス電圧
を用いる場合には、一度パルス電圧を印加して、所定の
移動量を達成し得ないときには、同じパルス電圧を繰り
返し印加してもやはり動かない可能性が高い。なぜな
ら、例えば、圧縮したばねで制御対象を押すような場
合、所定量には達しない量で制御対象が移動することに
よって、バネがさらに圧縮され、一度パルス電圧を印加
した後のほうが制御対象に大きな負荷がかかるからであ
る。
【0043】本発明は上記課題を解決し、DCモータを
使用し、精密な位置制御を行うことができ、制御動作が
安定なモータ制御装置およびDCモータの駆動方法を提
供することを目的とする。また、本発明はそのようなモ
ータ制御装置を備えたディスクドライブ装置を提供する
ことを目的としている。
【0044】
【課題を解決するための手段】本発明のモータ制御装置
は、DCモータと、前記DCモータに結合され、前記D
Cモータの回転力を伝達して所定の質量を有する物体を
負荷に抗して移動させる駆動機構と、前記駆動機構に結
合したDCモータが回転する程度に大きい第1の電圧、
および、前記第1の電圧と同じ極性を備え、前記DCモ
ータのコギングトルクによる逆回転を防止し、前記DC
モータが回転しない程度に小さい第2の電圧を発生する
電圧発生手段と、前記第1の電圧を前記DCモータに印
加した後、前記第2の電圧を前記DCモータに印加する
よう前記電圧発生手段を制御する制御手段とを備えてい
る。
【0045】ある好ましい実施形態において、前記制御
手段は、前記第1の電圧を振幅とするパルス電圧を前記
DCモータに印加し、前記パルス電圧のパルス幅Tが、
前記DCモータの電気的時定数をtとして、t≦T≦5
tの関係を満たすよう、前記電圧発生手段を制御する。
【0046】ある好ましい実施形態において、前記第1
の電圧は、前記DCモータが前記負荷に抗して物体を移
動させるのに必要な最小電圧の3倍以上である。
【0047】ある好ましい実施形態において、前記制御
手段は、前記物体の移動量を検知し、前記移動量が所定
の値に達しない場合には、前記第1の電圧および前記第
2の電圧を前記DCモータに繰り返し印加するよう前記
電圧発生手段を制御する。
【0048】ある好ましい実施形態において、前記制御
手段は、前記物体の移動量を検知し、前記移動量が所定
の値に達しない場合には、前記第1の電圧の印加時間T
を増大させる。
【0049】ある好ましい実施形態において、前記電圧
発生手段は、正および負の値をそれぞれ持つ前記第1の
電圧および前記第2の電圧を発生し、前記制御手段は、
前記物体を移動させるべき方向に応じて、前記正または
負の値を持つ第1の電圧および前記第2の電圧を前記D
Cモータに印加するよう前記電圧発生手段を制御する。
【0050】ある好ましい実施形態において、前記制御
手段は、前記第1の電圧および前記第2の電圧を交互に
前記DCモータに印加するよう前記電圧発生手段を制御
する。
【0051】ある好ましい実施形態において、前記電圧
発生手段は、パルス幅変調制御回路を含み、前記第1の
電圧および前記第2の電圧を前記パルス幅変調制御回路
から出力されるパルス電圧の実効値として発生させる。
【0052】ある好ましい実施形態において、所定の時
間以上前記物体を駆動させない場合、前記第2の電圧の
電圧値を低下させる。
【0053】ある好ましい実施形態において、前記電圧
発生手段はスイッチング手段を含み、前記スイッチング
手段をオン状態にすることによって前記第1の電圧を発
生する。
【0054】また、本発明のディスクドライブ装置は、
ディスクを回転させるための駆動手段と、前記ディスク
に情報を記録すること、および/または前記ディスクに
記録された情報を再生することを行うためのヘッドと、
前記ヘッドを前記ディスクの径方向に移動させるための
ヘッド移動機構と、前記ヘッド移動機構を駆動するため
に前記ヘッド移動機構に結合されたDCモータと、前記
ヘッド移動機構に結合したDCモータが回転する程度に
大きい第1の電圧、および、前記第1の電圧と同じ極性
を備え、前記DCモータのコギングトルクによる逆回転
を防止し、前記DCモータが回転しない程度に小さい第
2の電圧を発生する電圧発生手段と、前記第1の電圧を
前記DCモータに印加した後、前記第2の電圧を前記D
Cモータに印加するよう前記電圧発生手段を制御する制
御手段とを備えている。
【0055】ある好ましい実施形態において、前記制御
手段は、前記第1の電圧を振幅とするパルス電圧を前記
DCモータに印加し、前記パルス電圧のパルス幅Tが、
前記DCモータの電気的時定数をtとして、t≦T≦5
tの関係を満たすよう、前記電圧発生手段を制御する。
【0056】ある好ましい実施形態において、前記第1
の電圧は、前記DCモータが前記負荷に抗してヘッドを
移動させるのに必要な最小電圧の3倍以上である。
【0057】ある好ましい実施形態において、前記制御
手段は、前記第1の電圧および前記第2の電圧を交互に
前記DCモータに印加するよう前記電圧発生手段を制御
する。
【0058】ある好ましい実施形態において、前記電圧
発生手段は、パルス幅変調制御回路を含み、前記第1の
電圧および前記第2の電圧を前記パルス幅変調制御回路
から出力されるパルス電圧の実効値として発生させる。
【0059】また、本発明のDCモータの駆動方法は、
所定の質量を有する物体を負荷に抗して移動させる駆動
機構に回転力を伝達するためDCモータの駆動方法であ
って、前記駆動機構に結合したDCモータが回転する程
度に大きい第1の電圧、および、前記第1の電圧と同じ
極性を備え、前記DCモータのコギングトルクによる逆
回転を防止し、前記DCモータが回転しない程度に小さ
い第2の電圧を発生させ、前記第1の電圧を前記DCモ
ータに印加した後、前記第2の電圧を前記DCモータに
印加する。
【0060】ある好ましい実施形態において、前記第1
の電圧を振幅とするパルス電圧を前記DCモータに印加
し、前記パルス電圧のパルス幅Tは、前記DCモータの
電気的時定数をtとして、t≦T≦5tの関係を満たし
ている。
【0061】ある好ましい実施形態において、前記第1
の電圧は、前記DCモータが前記負荷に抗して物体を移
動させるのに必要な最小電圧の3倍以上である。
【0062】ある好ましい実施形態において、前記第1
の電圧および前記第2の電圧を交互に前記DCモータに
印加する。
【0063】
【発明の実施の形態】(第1の実施形態)以下、本発明
によるモータ制御装置の第1の実施形態を説明する。図
1は、モータ制御装置を含む光ディスクドライブ装置1
の主要部を概略的に示している。光ディスクドライブ装
置1は、例えば、DVD−RAMなどの光ディスク2に
対して情報を記録し、光ディスク2に記録された情報を
再生する。光ディスク2には、らせん状のトラックが形
成されている。
【0064】光ディスク装置1は、光ディスク2を装着
して回転させる回転駆動機構を備えている。この回転駆
動機構は、スピンドルモータ9と、スピンドルモータ9
の回転軸24に固定され、光ディスク2が装着されるタ
ーンテーブル25と、スピンドルモータ9を駆動する図
示しないドライバとを含む。
【0065】また、光ディスク装置1は、ターンテーブ
ル25に装着された光ディスク2に対し、光ディスク2
の径方向に移動し得る光学ヘッド(光ピックアップ)2
3と、光学へッド23を径方向に移動させる駆動機構で
ある光学ヘッド移動機構12と、光学ヘッド移動機構1
2を駆動するDCモータ5とを備えている。光学ヘッド
23および光学ヘッド移動機構12を制御するため、光
ディスク装置1は、制御部19と、トラッキングサーボ
回路17と、ドライバ21と、スレッドサーボ回路22
と、電圧発生部13とをさらに備えている。これら構成
要素は図示しないケーシングに収納されている。以下、
光ディスク2の径方向を単に「径方向」と言う。トラッ
キングサーボ回路17、ドライバ21、およびスレッド
サーボ回路22はコンパクトディスク(CD)を再生す
るドライブ装置等の公知の回路により構成されている。
【0066】光学へッド23は、光源であるレーザダイ
オード26と、受光部である分割フォトダイオード27
と、対物レンズ(集光レンズ)28と、アクチュエータ
29とを含む。
【0067】対物レンズ28は、光学ヘッド23に設け
られた図示しない付勢手段となるサスペンションバネに
よって支持され、光学へッド23の本体に対し、径方向
および光ディスク2の回転軸方向(対物レンズ28の光
軸方向)のそれぞれに移動し得る。対物レンズ28がそ
の中立位置からずれると、対物レンズ28は、サスペン
ションバネによる弾性力によって中立位置に向かって付
勢される。以下、光ディスク2の回転軸方向を単に「回
転軸方向」と言う。
【0068】アクチュエータ29は、光学へッド23本
体に対し、対物レンズ28を回転軸方向に移動させる図
示しないフォーカスアクチュエータと、対物レンズ28
を光学へッド23本体上に設定された基準位置を中心に
径方向に移動させるトラッキングアクチュエータ30と
を含む。光ディスク装置1では、基準位置と中立位置と
が一致するように、トラッキングアクチュエータ30お
よびサスペンションバネの位置等の諸条件が調整されて
いる。
【0069】トラッキングアクチュエータ30に電圧が
印加されていない場合、対物レンズ28は、サスペンシ
ョンバネの弾性力によって基準位置に位置している。そ
して、トラッキングアクチュエータ30にドライバ21
を介して所定の電圧が印加されると、その電圧の極性お
よび大きさに応じ、トラッキングアクチュエータ30が
駆動して対物レンズ28が径方向に移動する。具体的に
は、電圧の極性によって、対物レンズ28の移動方向が
決定され、電圧の大きさによって、基準位置から移動量
が決定される。
【0070】光学ヘッド移動機構12は、ナットピース
3、リードスクリュー4、ガイドシャフト6、軸受7、
ピニオン10、平歯車11および支持部(スライダ)3
1を含む。リードスクリュー4は平歯車11と一体に連
結され、軸受7により回転自在に軸支されている。リー
ドスクリュー4のねじピッチは4mmである。軸受7は
シャーシ8に固定されている。平歯車11はDCモータ
5の出力軸に直結されたピニオン10とかみ合い、これ
によりDCモータ5の回転数は減速されてリードスクリ
ュー4に伝達される。
【0071】ナットピース3は、光学ヘッド23に取り
付けられており、リードスクリュー4のネジ溝と嵌合し
ている。ナットピース3の一端は図示しないバネによっ
て付勢されている。リードスクリュー4の回転によって
ナットピース3が移動するとき、光学ヘッド23も滑ら
かに移動しうるよう、ガイドシャフト6に支持された支
持部31が光学ヘッド23に取り付けられている。
【0072】上述の構造を備えた光学ヘッド移動機構1
2は、DCモータ5の回転運動を直線運動に変換し、上
述の機械的機構および光ヘッド23の質量による負荷に
抗して光ヘッド23を光ディスク2の半径方向に移動さ
せる。ピニオン10と平歯車11による減速比は2であ
る。このため、DCモータ5の1回転あたり光ヘッド2
3は2mm移動することになる。DCモータ5の最高回
転数は9000r.p.mであるので、光ヘッド23を
最高300mm/sの速度で移動させることができ、高
速なシーク動作が可能である。DVD−RAMに必要な
±20μmの位置決め精度を得ようとするとDCモータ
5の回転子は±3.6°以内の精度で停止する必要があ
る。
【0073】DCモータ5は界磁に永久磁石を使用した
小型の3極モータである。界磁が永久磁石であり、界磁
に必要なスペースが小さいので、回転子の直径は比較的
大きい。また小型であり、低電圧で動作し、効率も比較
的よい。しかし、回転子の慣性モーメントは大きい。
【0074】DCモータ5は、内蔵するブラシおよび整
流子によって他に特別な駆動装置を使用しなくともDC
電源のみで回転する。DCモータ5の1回転(360
°)あたりの平均出力トルクは、駆動電流にほぼ比例し
ている。しかし、機械的な接点を用いて励磁の切替えを
し、また、極数も少ないため、1回転中の出力トルクむ
らは大きい。したがって、3.6°というような小さな
回転角を取り出した場合、回転子の角度位置によるトル
クの変動は大きい。DCモータ5自身のトルクむら、摩
擦負荷の変動、光学ヘッド移動機構12の負荷の変動を
考慮しても、1.5V程度の電圧が印加されればDCモ
ータ5は十分起動する。
【0075】電圧発生部13は、増幅器18と、逆流防
止器33と、第1の電圧発生器14と、第2の電圧発生
器15と、増幅器18とを含み、タイミング信号および
極性信号を後述する制御部19から受け取る。第1の電
圧発生器14は電圧切替器16を有し、図示しない5V
の電源に接続されている。この光ディスク装置1全体は
5V電源により駆動されるので、光ディスク装置1にお
いて、5Vの電圧が事実上利用できる最も高い電圧であ
る。
【0076】電圧切替器16は半導体素子等によって構
成され、制御部19からのタイミング信号によりON−
OFFする。電圧切替器16がON状態になると、この
電源とDCモータ5が低いインピーダンスで直結される
ことにより、DCモータ5には電源電圧の5Vに近い電
圧が印加される。この電圧は光学ヘッド23を移送する
方向が逆の場合は極性を反転させることができるよう、
電圧切替器16は実際には複数の半導体素子で構成さ
れ、制御部19からの極性信号により極性を反転できる
よう構成されている。電圧切替器16は半導体素子等で
構成されているので、ON状態において、わずかながら
ON抵抗が存在する。このため、第1の電圧発生器14
から出力される電圧は、電源電圧と全く同じ値とはなら
ないが、以後、第1の電圧発生器14から出力される電
圧は5Vであるとして説明する。
【0077】第1の電圧発生器14から実際に出力され
る電圧は、少なくともDCモータ5が起動可能な電圧
(1.5V)の3倍以上であることが好ましい。この電
圧を第1の電圧と呼ぶ。第1の電圧は、光ヘッド23を
移動させるのに十分な回転をDCモータ5に行わせるこ
とができる。
【0078】第2の電圧発生器15は第1の電圧よりも
小さい第2の電圧を発生する。第2の電圧はDCモータ
5が自身のコギングトルクにより逆転することがなく、
かつ光学ヘッド移動機構12の負荷に抗して回転しない
電圧に設定される。ここで、逆転とは第1の電圧を印加
することにより、DCモータ5が回転する方向とは逆の
方向をいう。本実施の形態の場合、例えば、0.2Vに
設定する。第2の電圧発生器15から出力される第2の
電圧の極性を反転させることができるよう、第2の電圧
発生器15は制御部19より極性信号を受け取る。
【0079】第2の電圧発生器15から出力される電圧
は増幅器18に入力される。増幅器18は電流増幅器で
あり、入力と同じ出力電圧を、DCモータ5を駆動する
のに十分な低インピーダンスで出力する。増幅器18の
出力は逆流防止器33を通しDCモータ5に出力され
る。
【0080】逆流防止器33はダイオード等により構成
され、電圧切替器16がON状態の場合に第1の電圧発
生器14の出力が増幅器18に逆流するのを防止する。
逆流防止器33によって、電圧切替器16がOFF状態
のときは、DCモータ5には第2の電圧発生器15から
出力される第2の電圧(0.2V)が印加され、電圧切
替器16がON状態のときは、DCモータ5に第1の電
圧発生器14から出力される第1の電圧(5V)が印加
される。
【0081】制御部19は、マイクロコンピュータ(C
PU)およびメモリ等によって構成され、光学へッド2
3、DCモータ5、スビンドルモータ9、トラッキング
サーボ回路17、スレッドサーボ回路22等、光ディス
ク装置1の制御を行う。制御部19は基準クロック信号
を生成するクロック回路を備えていてもよいし、外部か
ら基準クロック信号が与えられてもよい。また、制御部
19は、タイミング発生部20を備えている。タイミン
グ発生部20はタイマ等により構成され、電圧切替器1
6にタイミング信号を出力することにより電圧切替器1
6を短時間ON状態とし、DCモータ5に電源電圧の5
Vを短時間パルス状に印加する。
【0082】次に、光ディスク装置1の動作を説明す
る。光ディスク装置1は、光学ヘッド23を目的トラッ
ク(目的アドレス)に移動し、この目的トラックにおい
て、フォーカス制御、トラッキング制御、スレッド制御
および回転数制御(回転速度制御)等を行いながら、光
ディスク2から情報の再生を行い、また、光ディスク2
へ情報を記録する。光ディスク装置1のフォーカス制御
および回転数制御は、従来の光ディスク装置におけるフ
ォーカス制御および回転数制御と同様にして行われる。
したがって、これらの制御の説明は省略する。
【0083】以下に、まず、光ディスク装置1のトラッ
キング制御を説明する。トラッキング制御では、まず、
光学ヘッド23のレーザダイオード26からレーザ光を
出射し、光ディスク2によって反射したレーザ光を分割
フォトダイオード27で受光する。分割フォトダイオー
ド27は受光したレーザ光を電流電圧変換し、受信した
電圧信号をトラッキングサーボ回路17に出力する。ト
ラッキングサーボ回路17は、分割フォトダイオード2
7から入力した信号に基づいて、電圧信号であるトラッ
キングエラー信号(TE)を生成する。トラッキングエ
ラー信号は、対物レンズ28がトラックの中心から径方
向にどの程度ずれているかを示す信号である。
【0084】また、トラッキングサーボ回路17は、ト
ラッキングエラー信号に対して位相の反転や増幅等の所
定の信号処理を行って、電圧信号であるトラッキングサ
ーボ信号(TS)を生成する。トラッキングサーボ信号
は、対物レンズ28がトラックの中心へ移動し、トラッ
キングエラー信号のレベルが0レベルとなるように、ト
ラッキングアクチュエータ29を駆動させるための信号
である。したがって、トラッキングサーボ信号は、トラ
ッキングアクチュエータの駆動電圧でもある。トラッキ
ングサーボ信号の電圧値は、トラックの中心に対する対
物レンズ28の位置のシフト量に対応し、トラッキング
サーボ信号の符号は、シフトの方向に対応している。ト
ラッキングサーボ信号は、ドライバ21を介してトラッ
キングアクチュエータ29に入力されると共に、スレッ
ドサーボ回路22にも入力される。
【0085】トラッキングアクチュエータ29は、トラ
ッキングサーボ信号に基づいて駆動される。トラッキン
グアクチュエータ29の駆動により、対物レンズ28
は、トラックの中心に向かって移動する。この動作をト
ラッキングサーボという。
【0086】トラッキングアクチュエータ29の駆動に
よって、対物レンズ28を移動させ続けると、対物レン
ズ28は、光学ヘッド23において移動し得る限界に達
し、それ以上、トラックに追随して移動することができ
なくなる。また、トラッキングアクチュエータ29に移
動量を超えて対物レンズ28を移動させることはできな
い。このため、DCモータ5を駆動させて光学ヘッド2
3を対物レンズ28が移動した方向と同方向に移動さ
せ、対物レンズ28を基準位置に戻すように制御する。
これをスレッド制御という。
【0087】一般的に再生のみを行うCD−ROMドラ
イブ装置の場合、このトラッキングアクチュエータ29
が対物レンズ28をトラックに追従させることのできる
範囲はおおよそ±200μm程度の範囲である。目標ト
ラックがこの範囲より外にある場合、スレッド制御を行
い、光学ヘッド23を移動させ、目標トラックがこの範
囲に入るよう制御する。この際、光学ヘッド23の目標
トラックに対する位置決めの精度は±200μm以下で
なければならない。CD−ROMよりも高密度でしかも
記録も行うDVD−RAMの場合、この範囲はさらに狭
く、±20μm以下である。したがって、光学ヘッド2
3の目標トラックに対する位置決めの精度も±20μm
以下でなければならない。
【0088】本発明では、スレッド制御を行うために、
DCモータ5を特徴的な方法によって駆動する。以下、
スレッド制御を説明する。
【0089】スレッドサーボ回路22は、トラッキング
サーボ回路17から入力されたトラッキングサーボ信号
に対し、高周波成分の除去や増幅等の所定の信号処理を
行い、スレッドサーボ信号(SS)を生成する。スレッ
ドサーボ信号の電圧値は、トラックの中心に対する対物
レンズ28の位置のシフト量に対応し、スレッドサーボ
信号の符号は、シフトの方向に対応している。
【0090】スレッドサーボ信号は、トラッキングアク
チュエータの駆動電圧に対応する電圧であり、スレッド
サーボ信号の電圧の絶対値がある基準を超える場合、ス
レッド制御を行って、光学ヘッド23を移動させる。
【0091】このため、スレッドサーボ信号は、制御部
19に入力され、スレッドサーボ信号の電圧の絶対値が
モニターされる。スレッドサーボ信号の電圧の絶対値が
基準値を超える場合、タイミング発生部20から電圧切
替器16へタイミング信号が短時間出力される。これに
より、第1の電圧発生器14から第1の電圧である5V
の電圧がタイミング信号の出力される期間、DCモータ
5に印加される。一方、スレッドサーボ信号の電圧の絶
対値が基準値以内である場合、タイミング信号は出力さ
れず、第1の電圧発生器14もDCモータ5へ出力電圧
を出力しない。このため、第2の電圧発生器15から第
2の電圧である0.2Vの電圧がDCモータ5へ印加さ
れる。
【0092】この結果、スレッドサーボ信号の絶対値が
ある基準値以内である場合には、DCモータ5には0.
2Vの第2の電圧が印加され、スレッドサーボ信号の絶
対値がある基準を超えると、300μsの期間、5Vの
第1の電圧が印加される。タイミング信号の出力が終了
するとDCモータ5は再び0.2Vの第2の電圧が印加
された状態となる。
【0093】1回のタイミング信号が出力される時間T
は、DCモータ5の電気的時定数tに対して、t≦T≦
5tの関係を満たすことが好ましい。タイミング信号の
期間Tが電気的時定数より小さい場合には、第1の電圧
がDCモータ5に印加される期間が短すぎ、DCモータ
5を駆動させることができない。また、タイミング信号
の期間Tが電気的時定数の5倍より大きい場合には、D
Cモータ5の送り量が大きくなりすぎ、光ヘッド23を
精密に制御することができない。本実施形態では、DC
モータ5の電気的時定数は100μsであるので、タイ
ミング信号の期間TがDCモータ5の電気的時定数tの
3倍となるよう、タイミング信号の期間Tを300μs
に設定している。
【0094】スレッドサーボ信号によるスレッド制御に
ついてさらに詳しく説明する。図2は、光ディスクドラ
イブ装置1の制御部19の動作を示すフローチャートで
ある。
【0095】まずステップ41でスレッドサーボ信号の
絶対値が基準値を越えたかどうか判定する。上述したよ
うにスレッドサーボ信号の電圧値は、基準位置から対物
レンズ28がどちらの方向にどの程度ずれているかを表
している。また、基準値は、トラッキングアクチュエー
タ29が対物レンズ28をトラックに追従させることの
できる範囲内に設けられている。ステップ41において
スレッドサーボ信号の絶対値が基準値を越えなかったと
判定した場合、ステップ41の判断を繰り返す。
【0096】ステップ41においてスレッドサーボ信号
の絶対値が基準値を越えたと判定した場合、ステップ4
2でスレッドサーボ信号の極性を判定する。スレッドサ
ーボ信号の極性が正であると判定した場合、ステップ4
3において極性信号を第1の電圧発生器14に与え、第
1の電圧発生器14の出力を正に設定する。そして、タ
イミング発生部20からタイミング信号を出力すること
により、電圧発生部13に、パルス状の正の第1の電圧
を出力させる。この出力がDCモータ5に印加される。
さらに、ステップ44において、極性信号を第2の電圧
発生器15に与え、第2の電圧発生器15の出力を正と
する。この結果、ステップ43による第1の電圧発生器
14の出力が終わると、第2の電圧発生器15から第1
の電圧と同じ極性を有する第2の電圧が出力される。そ
して、ステップ47において一定時間待った後、ステッ
プ41の判断を繰り返す。
【0097】スレッドサーボ信号の極性が負であると判
定された場合、ステップ45において、極性信号により
第1の電圧発生器14の出力を負に設定する。そして、
タイミング発生部20からタイミング信号を出力するこ
とにより、電圧発生部13に、パルス状の負の第1の電
圧を出力させる。この出力がDCモータ5に印加され
る。さらに、ステップ46において、極性信号を第2の
電圧発生器15に与え、第2の電圧発生器15の出力を
負とする。この結果、ステップ45による第1の電圧発
生器14の出力が終わると、第2の電圧発生器15から
第1の電圧と同じ極性を有する第2の電圧が出力され
る。そして、ステップ47において一定時間待った後、
ステップ41の判断を繰り返す。
【0098】図3は、スレッドサーボ信号とDCモータ
5に印加される電圧との関係を示すグラフである。図2
および図3を参照しながら、スレッドサーボ信号に対し
て電圧発生部13が出力する電圧を説明する。
【0099】制御部19による制御が開始され、期間T
1において、スレッドサーボ信号は基準値以下の正の値
をとっている。スレッドサーボ信号が正の場合は対物レ
ンズ28が光ディスク2の外周側にシフトしている。こ
の間、制御部19は、ステップ41を繰り返している。
図1を参照して説明したように、本実施形態の電圧発生
部13では、第1の電圧発生器14が第1の電圧を出力
しないときには常に第2の電圧発生器15から第2の電
圧が出力される構成をとっているため、電圧発生部13
は第2の電圧である+0.2Vを出力している。しか
し、期間T1では、第1の電圧発生器14から電圧が出
力されていなければよく、電圧発生部13が、−0.2
Vを出力してもよいし、出力電圧がゼロであってもよ
い。いずれの電圧を出力する場合であっても、出力電圧
の絶対値が、DCモータ5を起動させるのに必要な1.
5V以下であるため、DCモータ5は停止したままであ
る。
【0100】期間T2では、スレッドサーボ信号は基準
値を超えた正の値をとっている。したがって、図2のス
テップ41、42、43の処理を制御部19が行って、
第1の電圧発生器14が正の第1の電圧である+5Vの
電圧を生成する。そして、電圧発生部13が第1の電圧
を300μ秒間、パルス電圧P1としてDCモータ5に
印加する。パルス電圧P1は、DCモータ5を起動させ
るのに必要な1.5Vより十分に大きいため、DCモー
タ5が回転する。その後、制御部19はステップ44、
47を実行し、第1の電圧発生器14の出力が終わると
第2の電圧発生器15から正の第2の電圧である+0.
2Vの電圧を出力する。これにより、電圧発生部13か
らパルス電圧P1から出力された後、続いて、正の第2
の電圧がDCモータ5に印加される。
【0101】DCモータ5は、パルス電圧P1によって
所定の角度だけ回転した後、回転を停止する。この時、
DCモータ5のコギングトルクの影響によって、DCモ
ータ5の回転子は逆回転をする可能性がある。しかし、
DCモータ5には引き続いてパルス電圧P1と同じ極性
の第2の電圧が印加される。このため、回転子の逆回転
が防止され、少なくともパルス電圧P1によって駆動さ
れた角度だけ、DCモータ5は回転し、停止する。
【0102】DCモータ5は、正の電圧を印加されるこ
とにより、光学ヘッド23が光ディスク2の外周側に向
かって移動するよう回転する。このため光ヘッド23が
光ディスク2の外周側に向かって移動することにより、
対物レンズの位置は調整され、スレッドサーボ信号は基
準値以下となる。そして、期間T3の間、再びステップ
41を繰り返す。この時、電圧発生部13は、正の第2
の電圧である+0.2Vの電圧を出力している。
【0103】期間T4では、スレッドサーボ信号は、再
び、基準値を超えた正の値をとっている。このため、期
間T2と同様の手順によって、電圧発生部13から正の
第1の電圧がパルス電圧P2としてDCモータ5に印加
される。そして、パルス電圧P2の印加後、引き続いて
正の第2の電圧が印加される。これにより、DCモータ
5は所定の角度だけ回転し、逆回転することなく停止す
る。また、光ヘッド23が移動する。しかし、期間T4
では、対物レンズの位置はなお、基準位置からずれてい
るため、スレッドサーボ信号は基準値より大きい。この
ため、ステップ41、42、43、44を繰り返し、正
の第1の電圧がパルス電圧P3としてDCモータ5に印
加され、続いて正の第2の電圧である+0.2Vの電圧
が印加される。これにより、光ヘッド23が再び移動
し、スレッドサーボ信号は基準値以下となる。
【0104】期間T5では、スレッドサーボ信号は基準
値以下であるが、その符号はプラスからマイナスへ変化
する。しかし、スレッドサーボ信号の絶対値が基準値以
内であるので、制御部19はステップ41を繰り返す。
この期間、電圧発生部13は正の第2の電圧を出力して
いる。
【0105】期間T6では、スレッドサーボ信号(S
S)は基準値を超えた負の値をとっている。スレッドサ
ーボ信号が負の場合は対物レンズは光ディスク2の内周
側にシフトしている。したがって、図2のステップ4
1、42、45の処理を制御部19が行って、第1の電
圧発生器14が負の第1の電圧である−5Vの電圧を生
成する。そして、電圧発生部13が負の第1の電圧を3
00μ秒間、パルス電圧P4としてDCモータ5に印加
する。パルス電圧P4の絶対値は、DCモータ5を起動
させるのに必要な1.5Vより十分に大きいため、DC
モータ5が回転する。この回転方向は期間T2における
DCモータ5の回転の方向と逆である。その後、制御部
19はステップ46、47を実行し、第1の電圧の出力
が終わると第2の電圧発生器15から負の第2の電圧で
ある−0.2Vの電圧を発生させる。これにより、電圧
発生部13からパルス電圧P4から出力された後、続い
て、負の第2の電圧がDCモータ5に印加される。
【0106】DCモータ5にはパルス電圧P4に続いて
パルス電圧P4と同じ極性の第2の電圧が印加されるた
め、コギングトルクの影響により逆回転することなく、
パルス電圧P4によって駆動された角度だけ、DCモー
タ5は回転し、停止する。DCモータ5の回転により、
光ヘッド23が光ディスク2の内周側へ移動する。この
ため、対物レンズの位置が調整され、スレッドサーボ信
号は基準値以下となる。そして、期間T7の間、再びス
テップ41を繰り返す。この期間、電圧発生部13は負
の第2の電圧である−0.2Vの電圧を出力している。
【0107】本実施形態では、パルス電圧P1からP4
により光学ヘッド23はそれぞれ約10μm移動する。
このため、1パルスにつき10μmずつ対物レンズ28
の基準位置に対するシフト量を減少させ、結果的に対物
レンズ28のシフト量を基準位置から±20μmの範囲
におさめることができる。即ち、トラッキングアクチュ
エータ29が対物レンズ28をトラックに追従させるこ
とのできる範囲である±20μm以内に目標トラックの
相対位置を位置させることができる。
【0108】なお、図3に示すように、第1の電圧がパ
ルス電圧P1、P2・・として印加された後、次に第1
の電圧がパルス電圧P2、P3、・・として印加される
までの間、直前の第1の電圧と同じ極性の第2の電圧が
継続して印加されていることが好ましい。この間、DC
モータ5には、DCモータ5を逆回転させようとするコ
ギングトルクが発生している可能性があり、第2の電圧
がDCモータ5に印加されることのより、逆回転が防止
されているからである。このため、例えば、パルス電圧
P1とP2との間のいずれかの時点において第2の電圧
の印加を停止すると、その時点で、DCモータ5が逆回
転する可能性がある。
【0109】しかし、DCモータ5が逆回転しない限
り、第1の電圧が印加された後、次の第1の電圧が印加
されるまでの間、第2の電圧は必ずしも継続して印加さ
れている必要はない。たとえば、DCモータ5が逆転し
ない程度に短い期間第2の電圧の印加が中断されてもよ
いし、DCモータ5が回転も逆回転もしないようなだい
3の電圧をこの期間に印加することによって、第2の電
圧の印加が中断されてもよい。
【0110】図3において、従来のディスクドライブ装
置(図10)のDCモータに印加されるパルス電圧(図
11(c))を破線で示す。図3に示すように、従来の
装置に用いられるDCモータを駆動するための第1のパ
ルス電圧151および第2のパルス電圧152のパルス
幅は、数ms程度であり、本願発明で用いるパルス電圧
の幅に比べて、はるかに大きい。これは、従来技術が本
願発明のように微小な回転角度でDCモータを制御する
ことを意図していないためである。また、第2のパルス
電圧152も、本発明で用いる第2の電圧とその目的が
全く異なっており、第1のパルス電圧151によって駆
動されたDCモータの回転子がその慣性モーメントによ
って回転し過ぎるのを防止するブレーキの働きをしてい
る。
【0111】この従来技術において、DCモータの回転
角度を小さくするために第1のパルス電圧151および
第2のパルス電圧152のパルス幅を小さくしたとして
も、コギングトルクによる逆転現象のため、DCモータ
は回転せず、光学ヘッド23が振動するだけである。し
たがって、従来技術では、微小な回転角度でDCモータ
を制御することはできない。
【0112】これに対して、本発明では、コギングトル
クによる逆転を防止するため、DCモータを駆動するた
めにパルス状の第1の電圧を印加したあと、第1の電圧
と同じ極性を有する第2の電圧を印加する。第2の電圧
はDCモータ5を回転させるほど大きな値ではなく、コ
ギングトルクによる逆転を防止する。このように、第2
の電圧発生器15による第2の電圧によりコギングトル
クによる逆転が防止されるため、第1の電圧を印加する
時間が短い場合でも逆転することなく安定してDCモー
タ5を回転させることができる。この結果、第1の電圧
を印加する時間を十分に短くし、微小な回転角度でDC
モータ5を制御することができる。
【0113】また、第1の電圧を印加する時間を十分小
さくすることによって、DCモータの回転子の加速が小
さくなるので、回転子の慣性モーメントが大きくても回
転子の慣性力を小さくすることができる。このため、回
転子を微小角度で回転させたあと、摩擦力のみによって
回転子を確実に停止させることができ、安定してDCモ
ータを制御することができる。従来技術のように逆転パ
ルスを用いないため、DCモータが駆動する駆動機構に
おいて、正転方向に対して逆転方向の負荷が小さい場合
でも、逆転パルスの使用による動作の不安定を発生させ
ることがない。したがって、高い位置決め精度でDCモ
ータを制御することができる。
【0114】また、本実施形態では、5Vの電源電圧を
直接スイッチングすることにより第1の電圧を生成して
いる。このため、第1の電圧の大きさを、DCモータ5
が起動可能な電圧(1.5V)の3倍以上に設定するこ
とができる。
【0115】第1の電圧としてこのような高い電圧を印
加する効果を図4を用いて説明する。図4は摩擦負荷が
変動した場合の第1の電圧と光ヘッドの移動量との関係
を示すグラフである。グラフにおいて、起動電圧とは、
本実施形態の光ディスクドライブ装置における摩擦負荷
の状態において、DCモータ5が負荷に抗して光ヘッド
を駆動するのに必要な最小電圧である。横軸は、第1の
電圧を変化させたときのこの起動電圧に対する第1の電
圧の比率を表している。各第1の電圧に対して、適正な
移動量が得られるパルス幅を定め、このパルス幅で摩擦
負荷が変動した場合の移動量を縦軸で示している。
【0116】図4では、摩擦負荷が、一般的な状態の値
に比べ2倍となった場合および1/2となった場合を示
している。経時変化、駆動機構の磨耗、温度特性等様々
な要因によって摩擦負荷がこの程度の範囲内で変化する
ことは、一般的である。
【0117】図4より明らかなように、起動電圧に対す
る第1の電圧の比率が2以下である場合には、2本の曲
線は大きく離れている。つまり、摩擦負荷が小さい場合
は移動量が極端に大きくなり、摩擦負荷が大きい場合は
移動量が著しく小さくなる。
【0118】これに対して、起動電圧に対する第1の電
圧の比率が2以上となると、2本の曲線は接近し、起動
電圧に対する第1の電圧の比率が3以上になると、2つ
の曲線はおおよそ一致する。図4より、起動電圧に対す
る第1の電圧の比率が2以下の場合には、摩擦負荷の変
動によって、光ヘッドの移動量も大きく変化してしまう
ことがわかる。これに対して、起動電圧に対する第1の
電圧の比率が3以上である場合には、摩擦負荷の変動に
かかわらず、光ヘッドの移動量はおおよそ一定している
と言える。
【0119】本実施の形態では第1の電圧の値を起動電
圧の3倍以上としているため、摩擦負荷の変動にかかわ
らず、確実に光ヘッドを移動させることができる。この
ため、1回の駆動パルス電圧による駆動で光ヘッドの移
動量が所定の移動量に達せず、仮にコギングトルクの影
響によって移動した位置における負荷が移動前に比べて
増大する場合であっても、同じ大きさの駆動パルス電圧
をもう一度印加することによって安定して光ヘッドを移
動させることができる。これにより、制御不能に陥るこ
となく、安定して光ヘッドを制御することができる。
【0120】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、第2の電圧発生器15が生成する第2の電圧によ
り、コギングトルクによる逆転を防止することができる
ので、DCモータを駆動する第1の電圧の印加時間を短
くしても、DCモータを安定して駆動させることができ
る。このため第1の電圧を印加する時間を短くして、D
Cモータの送り量を十分微小にすることができる。摩擦
力のみによりDCモータを微小な送り量で停止させるこ
とができるので、動作が確実で制御の安定性を損ねるこ
とがない。この結果十分高い位置決め精度を得ることが
できる。
【0121】また、移動量が所定量に達しない場合も、
第2の電圧を印加することによってDCモータが逆転す
ることがなく、第1の電圧として起動電圧に対し3倍以
上高い電圧をDCモータ5に印加して駆動しているの
で、負荷変動に対して、安定してDCモータを駆動でき
る。このため1回の駆動での移動量が所定の移動量に達
せず、さらにこれにより負荷が増大する方向に変化して
も、再び同じパルスを印加することにより、DCモータ
を安定に駆動させて、所定の移動量を得ることができ、
制御不能に陥ることがない。
【0122】(第2の実施形態)以下、本発明によるモ
ータ制御装置の第2の実施形態を説明する。図5は、モ
ータ制御装置を含む光ディスクドライブ装置1aの主要
部を概略的に示している。図5において、光ディスクド
ライブ装置1と同じ構成要素には同じ参照符号を付して
いる。
【0123】光ディスクドライブ装置1aは、タイミン
グ可変部32を含む制御部19aを備えている点で第1
の実施形態の光ディスクドライブ装置1と異なる。した
がって、制御部19aを以下において詳細に説明する。
【0124】制御部19aはタイミング発生部20およ
びタイミング可変部32を含む。タイミング可変部32
は、スレッドサーボ信号の絶対値におおよそ比例した値
にタイミング発生部20での発生タイミング、即ち第1
の電圧の出力時間を変更する。タイミング可変部32は
ソフトウエアによって構成される。第1の電圧が出力さ
れるのは、スレッドサーボ信号がある基準値を越えた場
合であるので、第1の電圧が出力される時間の最小値
は、この基準値に対応する所定の値である。本実施形態
では第1の実施形態と同じ300μsとしている。しか
し、DCモータ5の時定数tに対して、第1の電圧が出
力される時間の最小値Tがt≦T≦5tを満たす限り、
最小値Tを他の値に設定してもよい。後述する手順によ
りこの第1の電圧を印加しても、なおスレッドサーボ信
号が基準値を越える場合、タイミング発生部20から出
力される第1の電圧の出力時間が、スレッドサーボ信号
の絶対値におおよそ比例するよう、タイミング可変部3
2はタイミング発生部20での発生タイミングを変更す
る。
【0125】以下、光ディスクドライブ装置1aにおけ
る、スレッド制御を説明する。図6は、スレッド制御に
おける制御部19aの制御動作を示すフローチャートで
ある。まずステップ61において、スレッドサーボ信号
の絶対値が基準値を越えたかどうか判定する。第1の実
施形態において説明したように、この電圧値は、対物レ
ンズ28の基準位置に対するシフト量に対応している。
また、基準値は、トラッキングアクチュエータ29が対
物レンズ28をトラックに追従させることのできる範囲
内に設けられている。
【0126】ステップ61において、スレッドサーボ信
号の絶対値が基準値を越えなかったと判定した場合、ス
テップ61の判断を繰り返す。一方、ステップ61にお
いて、スレッドサーボ信号の絶対値が基準値を越えたと
判定した場合、ステップ62においてスレッドサーボ信
号の極性を判定する。
【0127】スレッドサーボ信号の極性が正であると判
定された場合、ステップ63において、極性信号を第1
の電圧発生器14に与え、第1の電圧発生器14の出力
を正に設定する。そして、タイミング発生部20からタ
イミング信号を出力することにより、電圧発生部13に
正の第1の電圧を出力させる。この出力がDCモータ5
に印加される。また、ステップ64において、極性信号
を第2の電圧発生器15に与え、第2の電圧発生器15
の出力を正に設定する。これにより、第1の電圧が出力
された後、同じ極性の第2の電圧が出力される。そし
て、ステップ67において一定時間待った後、ステップ
68においてスレッドサーボ信号の絶対値がなお基準値
を越えているかどうか判定する。
【0128】ステップ62において、スレッドサーボ信
号の極性が負であると判定された場合、ステップ65に
おいて、極性信号を第1の電圧発生器14に与え、第1
の電圧発生器14の出力を負に設定する。そして、タイ
ミング発生部20からタイミング信号を出力することに
より、電圧発生部13に負の第1の電圧を出力させる。
この出力がDCモータ5に印加される。また、ステップ
66において、極性信号を第2の電圧発生器15に与
え、第2の電圧発生器15の出力を負とする。これによ
り、第1の電圧が出力された後、同じ極性の第2の電圧
が出力される。ステップ67で一定時間待った後、ステ
ップ68においてスレッドサーボ信号の絶対値がなお基
準値を越えているかどうか判定する。
【0129】ステップ68において、スレッドサーボ信
号の絶対値がなお基準値を越えていると判断した場合、
ステップ69において、タイミング可変部32は、タイ
ミング発生部20が発生するタイミング信号のタイミン
グをスレッドサーボ信号の絶対値に応じて変更する。そ
してステップ62へ戻る。
【0130】ステップ62以降、上述の手順を繰り返
す。この時、DCモータ5には、スレッドサーボ信号の
絶対値に比例した時間、第1の電圧が印加される。ステ
ップ68において、スレッドサーボ信号の絶対値が基準
値以下であると判定する場合、ステップ70において、
タイミング発生部により発生するタイミング信号の発生
タイミングをリセットしてステップ61へ戻る。タイミ
ング信号の発生タイミングをリセットする場合には、そ
の後最初に実行されるステップ63またはステップ65
において、DCモータ5には、第1の電圧が初期値であ
る300μsの期間、印加される。
【0131】図7は、スレッドサーボ信号とDCモータ
5に印加される電圧との関係を示すグラフである。図7
に示すように、期間T1において、スレッドサーボ信号
は基準値を超える正の値をとっている。このため、第1
の実施形態において説明したように、正の第1の電圧を
振幅とし、300μsをパルス幅とする駆動パルス電圧
P5を印加して、光ヘッドを移動させる。これにより、
対物レンズの位置が、基準位置から所定の範囲内に収ま
ることとなり、スレッドサーボ信号は基準値以下とな
る。
【0132】期間T2では、スレッドサーボ信号は基準
値を大きく超える正の値をとっている。このため、正の
第1の電圧が300μs間出力される駆動パルス電圧P
6を一度印加して、光ヘッドを移動させるだけでは、ス
レッドサーボ信号は基準値以下とはならない。そこで、
ステップ69において、タイミング発生部20が発生す
るタイミング信号のタイミングをスレッドサーボ信号の
絶対値に比例するよう変更する。そして、ステップ62
において、スレッドサーボ信号の符号を判定した上で、
ステップ63において駆動パルス電圧P7を印加する。
駆動パルス電圧P7は、正の第1の電圧を振幅とする
が、その出力時間は、スレッドサーボ信号の絶対値に比
例しているため、駆動パルス電圧P6に比べてパルス幅
が大きくなっている。その結果、光ヘッドは駆動パルス
電圧P6による移動量よりも大きな移動量で移動し、よ
り早く対物レンズを基準位置から所定の距離以内に移動
させることができる。
【0133】このように本実施の形態によれば、第1の
電圧をDCモータに一度印加して、光ヘッドを移動させ
ても光ヘッドの移動量が所定量に達しない場合、再度印
加する第1の電圧の印加時間を長くして、光ヘッドの移
動量を大きくすることができる。このため、光ヘッドを
より早く制御すべき位置に移動させることができる。
【0134】なお、上記第1および第2の実施形態にお
いて、電圧発生部は、それぞれ所定の期間、連続して出
力される直流電圧を第1の電圧および第2の電圧として
出力していた。しかし、電圧発生部は、パルス幅変調
(PWM)制御回路を備え、パルス電圧のデュティー比
を制御することによって、第1の電圧および第2の電圧
を実効電圧として出力してもよい。
【0135】また、負の第1の電圧および負の第2の電
圧は、それぞれ正の第1の電圧および正の第2の電圧と
極性が逆であり、その絶対値が等しく設定されていた。
しかし、負の第1の電圧および負の第2の電圧と正の第
1の電圧および正の第2の電圧とは、必ずしも絶対値が
等しくなくてもよい。例えば、正の第1の電圧の絶対値
を負の第1の電圧の絶対値よりも大きくし、光ヘッドな
ど駆動すべき物体をある方向とその逆の方向とに異なる
移動量で移動させて、物体の移動を制御するようにして
もよい。
【0136】また、第2の電圧は第1の電圧が出力され
る期間を除いて連続的に電圧発生部から出力されてい
た。しかし、光ディスクドライブ装置が所定の時間以上
動作しない場合には、第2の電圧を低下させるか、また
は、ゼロにしてもよい。
【0137】また、光ディスクドライブ装置において、
電圧発生部13が出力する第2の電圧は、あらかじめ設
定されていたが、光ディスドライブ装置に電源を投入す
る際、学習動作を行い、学習動作に基づいて第2の電圧
を決定してもよい。例えば、光ディスクドライブ装置に
電源を投入した後、制御部によって、DCモータに第1
の電圧を印加し、光ヘッド23を移動させ、その後0V
あるいは、所定の電圧の第2の電圧を印加し、光ヘッド
23が移動するかどうかを検出する。第2の電圧を徐々
に大きくしながら、光ヘッド23が第1の電圧による移
動方向と逆方向へ移動しなくなるときの第2の電圧の値
を求め、そのときの値を第2の電圧として設定してもよ
い。
【0138】また、上記第2の実施形態では、タイミン
グ信号のタイミングはスレッドサーボ信号の絶対値に応
じて変更するようにしたが、単純にパルスごとに一定時
間増大するようにしてもよい。
【0139】また、上記第1および第2の実施形態では
光ディスクドライブ装置の実施形態を説明したが、本発
明は、DCモータを使用し、光以外の方法により記録/
再生が行われるディスクドライブ装置や、精密な位置制
御が要求されるプリンタ、コピー機、ファクシミリ、ロ
ボットなどの種々のモータ制御装置に適用することがで
きる。
【0140】
【発明の効果】本発明のモータ制御装置によれば、負荷
に抗してDCモータに物体を駆動させるのに十分な第1
の電圧を印加することにより物体を移動させ、DCモー
タがそのコギングトルクで逆回転することがなくかつ負
荷に抗して正回転することのない第2の電圧を印加して
コギングトルクによる逆転を防止することができる。し
たがって、物体を駆動するために印加する第1の電圧の
印加時間を十分短くすることができ、高い位置決め精度
を備え、安定して動作するモータ制御装置を実現するこ
とができる。
【0141】また、本発明のモータ制御装置によれば、
第1の電圧は、DCモータが負荷に抗して起動するのに
必要な最小電圧の3倍以上に設定される。このため、一
度第1の電圧を印加することによって制御対象が所定の
移動量を移動せず、摩擦負荷が増大した場合にも、2回
目以降第1の電圧を印加することによって十分摩擦負荷
に抗して制御対象を移動させる。このため、制御不能に
陥ることがなく、制御動作が安定なモータ制御装置を得
ることができる。
【0142】また、本発明のモータ制御装置によれば、
2回目以降第1の電圧を印加する場合には、第1の電圧
を印加する時間を長くして、制御対象の移動量を大きく
することができる。このため、2回目以降、第1の電圧
を印加することによって、より早く所定の移動量を得る
ことができるモータ制御装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光ディスクドライブ装置の第1の実施
形態を示す図である。
【図2】図1の光ディスクドライブ装置において行われ
るスレッド制御の手順を示すフローチャートである。
【図3】図1の光ディスクドライブ装置における、スレ
ッドサーボ信号と電圧発生器が出力する電圧との関係を
示すタイミングチャートである。
【図4】摩擦負荷が変動した場合の第1の駆動電圧と移
動量の関係を示す図である。
【図5】本発明の光ディスクドライブ装置の第2の実施
形態を示す図である。
【図6】図5の光ディスクドライブ装置において行われ
るスレッド制御の手順を示すフローチャートである。
【図7】図5の光ディスクドライブ装置における、スレ
ッドサーボ信号と電圧発生器が出力する電圧との関係を
示すタイミングチャートである。
【図8】(a)および(b)はDCモータの構造を示す
概略図である。
【図9】DCモータに発生するコギングトルクと回転子
の位置との関係を示すグラフである。
【図10】(a)は、従来の光ディスクドライブ装置の
主要部の構成を示す模式図であり、(b)はその平面図
である。
【図11】(a)、(b)、(c)は、それぞれ図10
(a)に示す光ディスクドライブ装置の所定の点におけ
る信号の波形を示している。
【図12】図10(a)の光ディスクドライブ装置にお
いて行われるスレッド制御の手順を示すフローチャート
である。
【符号の説明】
1 光ディスク装置 2 光ディスク 3 ナットピース 4 リードスクリュー 5 DCモータ 6 ガイドシャフト 7 軸受 8 シャーシ 9 スピンドルモータ 10 ピニオン 11 平歯車 12 光学ヘッド移動機構 13 電圧発生部 14 第1の電圧発生器 15 第2の電圧発生器 16 スイッチング手段 17 トラッキングサーボ回路 18 増幅器 19 制御部 20 タイミング発生部 21 ドライバ 22 スレッドサーボ回路 23 光学ヘッド(光ピックアップ) 24 回転軸 25 ターンテーブル 26 レーザダイオード(光源) 27 分割フォトダイオード(受光部) 28 対物レンズ(集光レンズ) 29 アクチュエータ 30 トラッキングアクチュエータ 31 支持部 32 タイミング可変部 33 逆流防止器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02P 7/29 H02P 7/29 E Fターム(参考) 5D117 AA02 EE17 EE22 FF27 JJ10 5D118 AA13 BA01 CA14 5H303 AA22 BB07 CC02 DD01 FF04 GG13 HH01 KK16 KK33 MM03 5H571 AA12 BB06 BB09 EE01 EE02 EE07 FF01 FF06 GG01 HA07 HB01 HD03 JJ03 JJ17 KK06 LL33

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DCモータと、 前記DCモータに結合され、前記DCモータの回転力を
    伝達して所定の質量を有する物体を負荷に抗して移動さ
    せる駆動機構と、 前記駆動機構に結合したDCモータが回転する程度に大
    きい第1の電圧、および、前記第1の電圧と同じ極性を
    備え、前記DCモータのコギングトルクによる逆回転を
    防止し、前記DCモータが回転しない程度に小さい第2
    の電圧を発生する電圧発生手段と、 前記第1の電圧を前記DCモータに印加した後、前記第
    2の電圧を前記DCモータに印加するよう前記電圧発生
    手段を制御する制御手段と、を備えたモータ制御装置。
  2. 【請求項2】 前記制御手段は、前記第1の電圧を振幅
    とするパルス電圧を前記DCモータに印加し、前記パル
    ス電圧のパルス幅Tが、前記DCモータの電気的時定数
    をtとして、t≦T≦5tの関係を満たすよう、前記電
    圧発生手段を制御する請求項1に記載のモータ制御装
    置。
  3. 【請求項3】 前記第1の電圧は、前記DCモータが前
    記負荷に抗して物体を移動させるのに必要な最小電圧の
    3倍以上である請求項1に記載のモータ制御装置。
  4. 【請求項4】 前記制御手段は、前記物体の移動量を検
    知し、前記移動量が所定の値に達しない場合には、前記
    第1の電圧および前記第2の電圧を前記DCモータに繰
    り返し印加するよう前記電圧発生手段を制御する請求項
    2に記載のモータ制御装置。
  5. 【請求項5】 前記制御手段は、前記物体の移動量を検
    知し、前記移動量が所定の値に達しない場合には、前記
    第1の電圧の印加時間Tを増大させる請求項4に記載の
    モータ制御装置。
  6. 【請求項6】 前記電圧発生手段は、正および負の値を
    それぞれ持つ前記第1の電圧および前記第2の電圧を発
    生し、前記制御手段は、前記物体を移動させるべき方向
    に応じて、前記正または負の値を持つ第1の電圧および
    前記第2の電圧を前記DCモータに印加するよう前記電
    圧発生手段を制御する請求項1に記載のモータ制御装
    置。
  7. 【請求項7】 前記制御手段は、前記第1の電圧および
    前記第2の電圧を交互に前記DCモータに印加するよう
    前記電圧発生手段を制御する請求項1に記載のモータ制
    御装置。
  8. 【請求項8】 前記電圧発生手段は、パルス幅変調制御
    回路を含み、前記第1の電圧および前記第2の電圧を前
    記パルス幅変調制御回路から出力されるパルス電圧の実
    効値として発生させる請求項1に記載のモータ制御装
    置。
  9. 【請求項9】 所定の時間以上前記物体を駆動させない
    場合、前記第2の電圧の電圧値を低下させる請求項1に
    記載のモータ制御装置。
  10. 【請求項10】 前記電圧発生手段はスイッチング手段
    を含み、前記スイッチング手段をオン状態にすることに
    よって前記第1の電圧を発生する請求項1に記載のモー
    タ制御装置。
  11. 【請求項11】 ディスクを回転させるための駆動手段
    と、 前記ディスクに情報を記録すること、および/または前
    記ディスクに記録された情報を再生することを行うため
    のヘッドと、 前記ヘッドを前記ディスクの径方向に移動させるための
    ヘッド移動機構と、 前記ヘッド移動機構を駆動するために前記ヘッド移動機
    構に結合されたDCモータと、 前記ヘッド移動機構に結合したDCモータが回転する程
    度に大きい第1の電圧、および、前記第1の電圧と同じ
    極性を備え、前記DCモータのコギングトルクによる逆
    回転を防止し、前記DCモータが回転しない程度に小さ
    い第2の電圧を発生する電圧発生手段と、 前記第1の電圧を前記DCモータに印加した後、前記第
    2の電圧を前記DCモータに印加するよう前記電圧発生
    手段を制御する制御手段と、を備えたディスクドライブ
    装置。
  12. 【請求項12】 前記制御手段は、前記第1の電圧を振
    幅とするパルス電圧を前記DCモータに印加し、前記パ
    ルス電圧のパルス幅Tが、前記DCモータの電気的時定
    数をtとして、t≦T≦5tの関係を満たすよう、前記
    電圧発生手段を制御する請求項11に記載のディスクド
    ライブ装置。
  13. 【請求項13】 前記第1の電圧は、前記DCモータが
    前記負荷に抗してヘッドを移動させるのに必要な最小電
    圧の3倍以上である請求項11に記載のモディスクドラ
    イブ装置。
  14. 【請求項14】 前記制御手段は、前記第1の電圧およ
    び前記第2の電圧を交互に前記DCモータに印加するよ
    う前記電圧発生手段を制御する請求項11に記載のディ
    スクドライブ装置。
  15. 【請求項15】 前記電圧発生手段は、パルス幅変調制
    御回路を含み、前記第1の電圧および前記第2の電圧を
    前記パルス幅変調制御回路から出力されるパルス電圧の
    実効値として発生させる請求項11に記載のディスクド
    ライブ装置。
  16. 【請求項16】 所定の質量を有する物体を負荷に抗し
    て移動させる駆動機構に回転力を伝達するためDCモー
    タの駆動方法であって、 前記駆動機構に結合したDCモータが回転する程度に大
    きい第1の電圧、および、前記第1の電圧と同じ極性を
    備え、前記DCモータのコギングトルクによる逆回転を
    防止し、前記DCモータが回転しない程度に小さい第2
    の電圧を発生させ、前記第1の電圧を前記DCモータに
    印加した後、前記第2の電圧を前記DCモータに印加す
    る、DCモータの駆動方法。
  17. 【請求項17】 前記第1の電圧を振幅とするパルス電
    圧を前記DCモータに印加し、前記パルス電圧のパルス
    幅Tは、前記DCモータの電気的時定数をtとして、t
    ≦T≦5tの関係を満たしている請求項16に記載のD
    Cモータの駆動方法。
  18. 【請求項18】 前記第1の電圧は、前記DCモータが
    前記負荷に抗して物体を移動させるのに必要な最小電圧
    の3倍以上である請求項16に記載のDCモータの駆動
    方法。
  19. 【請求項19】 前記第1の電圧および前記第2の電圧
    を交互に前記DCモータに印加する請求項16に記載の
    DCモータの駆動方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7460444B2 (en) 2004-04-28 2008-12-02 Nec Electronics Corporation Optical disk drive and method for controlling sled motor within optical disk drive
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JP2013178501A (ja) * 2012-02-02 2013-09-09 Panasonic Corp モータ制御装置および撮像装置

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