JP3418657B2 - 回転駆動装置およびそれを用いた情報処理装置 - Google Patents

回転駆動装置およびそれを用いた情報処理装置

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転体における一
定量の微小回転を持続させることができる回転駆動装置
と、記録媒体に対して情報を読み書きする記録再生用ヘ
ッド手段の移動にその微小回転を利用する情報処理装置
とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ディスクに対して情報の記録
再生を行う光ディスク記録/再生装置は、回転する光デ
ィスクの記録面に平行に移動しながら、螺旋状または同
心円状の記録トラックを光走査する光ピックアップ(以
下、PICと略記する)を備えている。
【0003】上記の記録トラックは、高密度に密集して
おり、例えばCDと略称されて普及しているコンパクト
ディスクでは、記録トラックの形成ピッチが1.6μmと
いう微小幅で規格化されている。このような微細な記録
トラックに対して、記録情報を順次読み書きするため
に、PICは、トラッキングサーボとスライド送り制御
という大別して2通りの動作制御を受けている。通常の
記録/再生時には、この2通りの動作制御が交互に繰り
返されるようになっている。
【0004】まず、トラッキングサーボでは、PICが
備える対物レンズを駆動し、対物レンズの光軸を振るこ
とによって、PICが出射する光ビームの集光スポット
を目標とする記録トラックに追従させる。このとき、ト
ラッキングコイルへの通電による電磁力が、対物レンズ
の駆動力として用いられている。
【0005】一例として、トラッキングサーボのみをO
Nにし、スライド送り制御をOFFにした場合に、対物
レンズの変位量を示す電圧値の時間変化を図20(a)
のグラフに示す。このグラフから、光ディスクの回転に
伴う周期的な偏心に追従するように、対物レンズのみが
細かく揺動しつつ、変位量0の位置、すなわちPICの
中心位置より離れていく様子が、三角形状のDCオフセ
ット電圧として観測できる。
【0006】時間Tでは、対物レンズが、アクチュエー
タ内の磁気回路によって変位できる可動範囲の限界位置
に達したため、それ以上はトラックOFF状態になる。
この後は、フォーカッシング制御のサーボロックが外れ
ていない状態では、対物レンズに懸けられている付勢力
の働きにより、対物レンズはPICの中心位置に飛んで
戻る。また、PICの中心位置に戻った後は、対物レン
ズの焦点が合焦している為、同一の記録トラックを繰り
返し再生することになる。
【0007】一方、スライド送り制御では、対物レンズ
の可動範囲以上をカバーして集光スポットを記録トラッ
クに追従させるために、所定の可動範囲内でPIC全体
を移動させる。図21に、スライド送り制御を実行する
従来の代表的な駆動回路の構成を示す。PICがディス
ク71より読み取った再生信号は、トラッキング誤差信
号検出回路72に入力される。トラッキング誤差信号検
出回路72は、再生信号からトラッキング誤差信号を抽
出する。抽出されたトラッキング誤差信号は、位相補償
ドライブアンプ73によって位相補償を施され増幅され
た後、直流検出回路74によって、その直流成分が検出
される。検出された直流成分は、パワーアンプ75によ
って、適切な駆動電圧を有する駆動信号に変換され、ス
ライドモータ76に送られる。これにより、トラッキン
グ誤差信号の直流成分が相殺されるように、PICがス
ライド送りされる。
【0008】また、PICのスライド送り量は200μ
m程度であるため、PICの送り速度は極低速に制御さ
れなければならないが、従来の光ディスク記録/再生装
置では、スライド送りに上記のようなモータの回転駆動
力を利用したものが多い。
【0009】その具体例を図22(a)〜(c)に示
す。例えば、ターンテーブル81上に保持された光ディ
スク82(図22(b))は、直下に設けられたスピン
モータ83によって回転駆動される。光ディスク82の
記録情報を読み取るPIC84は、図22(a)に矢印
で示すL−R方向に沿って直動自在に設けられている。
【0010】記録情報の読取り時におけるPIC84の
移動方向は、装着された光ディスク82の裏面に平行で
あり、さらに光ディスク82の内周から外周へ向かう半
径方向、すなわちR方向に沿っている。
【0011】上記PIC84の平行移動の駆動源となる
のが、スピンモータ83に対して並設されたスライドモ
ータ85である。スライドモータ85が、マイクロコン
ピュータの指示を受けて回転を始めると、その回転は、
モータギヤ86から中間下側ギヤ87に減速して伝えら
れ、中間下側ギヤ87と同軸の中間上側ギヤ88を介し
て上側駆動ギヤ89にさらに減速して伝えられる。この
上側駆動ギヤ89の回転は、上側駆動ギヤ89と同軸の
下側駆動ギヤ90を介して、PIC84の本体に上記L
−R方向に沿ってギヤ列が形成されたラック91に伝え
られる。このような減速機構によって、スライドモータ
85の回転は、PIC84の直線移動に変換されてい
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記従来の
構成では、通常、スライドモータ85にDCブラシ付き
モータを使用するため、スライドモータ85の高回転を
PIC84の微小な直線移動に変換するには、上記のよ
うに複数のギヤを組み合わせた減速機構を必ず設けなけ
ればならない。このような減速機構では、ギヤ数が多い
上に、各種ギヤの成形や組立てに高精度が要求されるた
め、減速機構を設けることは装置のコストアップにつな
がるという不都合が有る。
【0013】また、対物レンズの光軸が可動範囲を越え
る前に、PIC84全体を適切な位置に移動させる必要
が有り、しかもその移動量が微小であるがために、スラ
イドモータ85のために採用するモータやその周辺の機
構は、以下に示すような様々な制約条件を抱えている。
【0014】(1)PIC84の記録/再生動作中に、対
物レンズのオフセンターを少なくする方向、つまり対物
レンズの中心と光ビームを集光する記録トラックの中心
とを結ぶ直線が、光ディスク82の裏面に垂直となる方
向に、PIC84を円滑に移動させることができるよう
に、スライドモータ85は、速やかに立ち上がる必要が
有る。このため、モータ自体の起動特性の中でも、特に
最低起動電圧が低く、かつ安定していることが必要であ
る。
【0015】(2)スライドモータ85の受ける駆動負荷
ができるだけ少なくなるように、減速機構等の周辺機構
では、移動するPIC84との間に発生する摺動抵抗や
摩擦抵抗といった負荷を低減させることが必要である。
【0016】(3)PIC84は、スライド送り中の外乱
による負荷変動等の影響も受けるので、PIC84の駆
動回路では、サーボ回路によって、集光スポットを記録
トラックに追従させ、記録/再生の安定性を確保してい
る。しかし、サーボ回路による変動抑制範囲には限りが
有るため、モータ自体および周辺機構のガタ(不要なク
リアランス)、コギング(モータの回転方向に発生する
トルクリップル)、スラスト方向がたつき等の不具合要
素を考慮して、モータを採用することが必要であり、ま
た、周辺機構の設計をすることが必要である。
【0017】したがって、これらの制約条件を全てクリ
アするモータや減速機構を安価に製造することは困難で
あり、モータ周辺機構のコストアップを避けられないた
めに、光ディスク記録/再生装置のコストが高くなる。
【0018】さらに、スライドモータ85に多用される
DCブラシ付きモータは、次のような特有の問題を有し
ている。すなわち、この種のモータは、回転のための電
気的切り替えをコミュテータ(整流子)とブラシとで構
成される機械式接点にて行っているため、摩耗による寿
命を持っている。このため、通常の使用では、寿命が問
題となることはあまり無いが、特に耐久性を要する用
途、例えばCD−ROMのデータを扱うような装置で
は、PICを頻繁に移動させるために、寿命が必要な耐
用年数を下回るという問題が発生する。
【0019】このような用途では、寿命対策として、機
械式接点を持たず、電気的に切り替え可能なDCブラシ
レスモータと通称されるタイプを使用することも有る。
DCブラシレスモータは、機械式接点における摺動騒音
が無く、電気的ノイズも小さいというDCブラシ付きモ
ータには無い利点を備えている。
【0020】しかしながら、動作性能の点では、両者は
ほぼ同等なので、DCブラシ付きモータに特有の問題点
を除けば、DCブラシ付きモータの使用に伴う上述の問
題は、基本的にはDCブラシレスモータにもあてはま
る。
【0021】また、DCブラシレスモータの駆動回路
は、複数のコイルの極性に応じて、コイルに流す回転用
電流の向きを切り換える方式を採用しており、パワート
ランジスタを極数分必要とすることや、ロータの回転検
出にホール素子を使用するために、駆動回路のコストが
高くなる。このため、スライドモータ85にDCブラシ
レスモータを採用すると、光ディスク記録/再生装置の
一層のコストアップを招来するという問題が生ずる。
【0022】本発明は、上記の問題点を解決するために
なされたもので、その目的は、特殊なモータやそれに付
随する減速機構を設けることなく、簡単な構成で極低速
の回転量を安定して得ることができる安価な回転駆動装
置を提供すると共に、それを用いることによってコスト
ダウンを図った情報処理装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明に係る回
転駆動装置は、上記の課題を解決するために、円周に沿
った形状の外周部を備え、上記円周の中心に回転軸が配
された回転体と、上記外周部に対する離接を交互に繰り
返し、離接時に上記外周部との間に当接力を発生させ、
上記回転体を一定の向きに回転させる第1の駆動体と、
上記外周部に対する離接を交互に繰り返し、第1の駆動
体が外周部から離間している間に外周部に接触し回転体
の回転を一時的に抑止する第2の駆動体と、上記第1お
よび第2の駆動体の外周部に対する離接の周期を一定に
制御することによって、上記回転体を一定速度で回転さ
せる回転制御手段(例えば、第1のコイルASSY、第
2のコイルASSY、駆動体ホルダに取り付けた磁性
体、スプリング、発振回路および遅延回路)とを備え、
上記外周部の全周が、複数の歯列を有する歯形形状に形
成され、上記第1および第2の駆動体に上記歯形形状に
係合する突部が形成され、上記回転制御手段は、上記第
1の駆動体を外周部に押圧する方向へ付勢する駆動体付
勢手段(例えば、スプリング)と、第1の駆動体と外周
部との当接位置と上記円周の中心とを結ぶ直線に対し
て、上記当接位置から外周部の外側へ対称的に開く2方
向へ向かう2力を、第1の駆動体に選択的に作用させる
駆動体作動手段(第1のコイルASSY、第2のコイル
ASSY、駆動体ホルダに取り付けた磁性体)とを備え
ていることを特徴としている。
【0024】上記の構成により、回転体の外周部と第1
の駆動体との間には、第1の駆動体の離接による当接力
が発生する。これは、回転体の外周部が、円周に沿った
形状を有しているので、円周の接線方向に分力が生ずる
ように第1の駆動体が回転体の外周部に当接するか、あ
るいは摩擦する等によって達成される。また、このよう
な当接あるいは摩擦によって一定の接線方向に分力が生
ずる当接力を発生させることは、第1の駆動体が外周部
に接触しにいくときでも、接触状態から離間していくと
きでもどちらでも可能である。
【0025】したがって、回転体の円周の中心には回転
軸が配されているので、回転体は、第1の駆動体の離接
時に一定の接線方向に分力が生ずる当接力を受けること
によって、一定の向きに回転する。
【0026】一方、回転体の回転速度を一定に保つため
には、第1の駆動体のひとまとまりの離接動作による回
転量を一定に制御することが必要である。そのような制
御動作を受け持っているのが、第2の駆動体および回転
制御手段である。すなわち、第2の駆動体は、第1の駆
動体が外周部から離間している間に回転体の外周部に接
触することによって、回転体の回転にブレーキをかけ、
一時的な回転抑止動作を行う。また、回転制御手段は、
第1および第2の駆動体の外周部に対する離接の周期を
一定に制御するので、回転駆動と回転抑止とが一定の周
期で交互に繰り返されることになる。この結果、回転体
を一定速度で回転させることができる。
【0027】さらに、回転駆動と回転抑止とが一定の周
期で交互に繰り返されるので、回転体を小刻みに回転駆
動することができる。したがって、第1の駆動体による
当接力の発生と第2の駆動体による回転抑止との間隔を
非常に短くすれば、回転体を微小回転させることができ
る。また、第1および第2の駆動体の外周部に対する離
接の周期を短くすれば、回転体を速く回転させることも
できる。
【0028】この結果、特殊なモータや、それに付随す
る特別な減速機構や速度可変機構を設けることなく、直
接的な駆動によって超低速回転から高速回転までをカバ
ーし得る回転駆動装置を提供することができる。しか
も、2つの駆動体を回転体に離接させるだけという非常
に簡単な構成で回転駆動力を得ることができるので、回
転駆動装置を安価に提供することができる。
【0029】また、特別な減速機構や速度可変機構を設
けなくて済む結果、減速機構や速度可変機構のガタやス
ラスト方向がたつき等の問題が解消されるので、内/外
部の振動や衝撃の影響を受けにくい安定した回転出力を
取り出すことができる。
【0030】さらに、上記の構成により、外周部の歯形
形状に係合する第1の駆動体の突部を、外周部の円周面
内で直径方向以外に動かして外周部から離間させれば、
係合している歯形に外周部の接線方向に働く当接力を確
実に生み出すことができる。また、離間している第1の
駆動体の突部を、上記と同じ接線方向の移動成分を持つ
ように、歯形に当接させれば、歯形に外周部の接線方向
に働く当接力を確実に生み出すことができる。さらに、
第1の駆動体が外周部から離間している間に、第2の駆
動体の突部を外周部の歯形形状に係合させれば、第2の
駆動体の接触動作によって、回転体の一時的な回転抑止
を確実に行うことができる。
【0031】また、例えば、第1の駆動体による1回の
離間動作または接触動作によって、回転体が歯形の半歯
分回転したところで第2の駆動体を歯形形状に係合させ
るようにすれば、第1の駆動体のひとまとまりの離接動
作によって、回転体は歯形形状の1歯分だけ回転するこ
とになる。したがって、歯列の数を変えることによって
も、回転体の回転量を変えることができ、歯列の数を多
くすれば、微小回転量を得ることができる。
【0032】このように、外周部を歯形形状に形成し、
第1の駆動体および第2の駆動体に歯形形状に係合する
突部を設けるだけで、第1の駆動体および第2の駆動体
の離接のタイミングを調整し、第1の駆動体の離接の移
動方向を適切に設定しさえすれば、歯形形状の1歯分に
相当する微小回転量を得ることができ、超低速回転を確
実、かつ安定に実現することができる。
【0033】さらに、上記の構成によれば、まず、第1
の駆動体を外周部に押圧するように付勢する駆動体付勢
手段の付勢力は、少なくとも上記円周の中心に向かう分
力を有している。また、駆動体作動手段が第1の駆動体
に加える2力は、上記当接位置と上記円周の中心とを結
ぶ直線、すなわち直径方向に対して、外周部の外側へ対
称的に開く向きを持っているので、円周の接線方向に沿
った互いに逆向きの第1および第2の分力と、直径方向
に沿って外周部の外側に向かう第3および第4の分力と
を有している。つまり、駆動体作動手段のそれぞれの力
は、第1の駆動体を外周部の直径方向に対して斜め外側
へ移動させる離間力として作用する。
【0034】ところで、駆動体付勢手段の付勢力は第1
の駆動体に常時加わり、駆動体作動手段の離間力は第1
の駆動体に選択的に加わるから、第1の駆動体の動作を
考えるために、付勢力と一方の離間力との2つの力が第
1の駆動体に加わる状態を考えることにする。
【0035】初めに、駆動体作動手段の離間力が働いて
いないとすると、第1の駆動体は付勢力によって外周部
に押圧されるから、上述したように、第1の駆動体の突
部は、外周部の歯形形状に係合し、回転体の回転停止状
態が保持された初期状態となる。
【0036】次に、上記第1および第3の分力を持つ一
方の離間力がONになったとすると、直径方向に働く第
3の分力を付勢力より大きくすれば、第1の駆動体は、
外周部との当接位置から外周部の直径方向に対して斜め
外側へ離間する。このとき、接線方向に働く第1の分力
によって、第1の駆動体の突部は歯形形状を蹴ることに
なるため、外周部を回転軸の周りに回転させる当接力が
歯形形状に加わる。
【0037】続いて、一方の離間力をOFFにし、他方
の離間力をONにすれば、直径方向に対して、一方の離
間力による移動方向と対称的な方向に移動する。この状
態で、他方の離間力をOFFにすれば、第1の駆動体は
付勢力によって接線方向の速度成分を持ちながら、初め
の当接位置へ戻るように移動する。したがって、第1の
駆動体の突部が歯形形状に係合するときに、一方の離間
力による外周部の回転方向と同方向に外周部を回転させ
る当接力が歯形形状に加わる。なお、2つの離間力のO
N/OFFによる第1の駆動体の移動線は、当接位置を
1頂点とする略三角形を描く。
【0038】この後、再び一方の離間力をON/OFF
し、次に他方の離間力をON/OFFすることで、第1
の駆動体に周期的な離接動作を行わせることができ、離
接動作を行う毎に、回転体を回転させることができる。
【0039】このように、外周部の円周の直径方向に対
して対称的に開く2力を選択的に第1の駆動体に加える
ことを繰り返すと共に、外周部に押圧する付勢力を第1
の駆動体に加えておくことによって、第1の駆動体と外
周部との当接位置を1頂点とする略三角形に沿った第1
の駆動体の単純な移動線によって、上記回転体を一定方
向に回転させる当接力を歯形形状に作用させることがで
きる。
【0040】このとき、上記略三角形が、当接位置を頂
角の頂点とする二等辺三角形になると、第1の駆動体の
移動のバランスが最も良い状態となり、回転体の回転を
一定に制御し易くなる。しかし、上記略三角形が不等辺
三角形であっても、回転体を回転させることができる。
また、2つの離間力を同時に第1の駆動体に加え、第1
の駆動体を外周部の直径方向に離間させた後、一方の離
間力をOFFにし、さらに他方の離間力をOFFにすれ
ば、接触動作のみによって回転体を回転させることもで
きる。さらに、離間動作のみによって回転体を回転させ
てもよい。
【0041】請求項の発明に係る回転駆動装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1の構成に加えて、
上記第1および第2の駆動体が上記回転体を挟んで互い
に対向するように、上記第1および第2の駆動体を一体
的に支持する駆動体支持手段(例えば、駆動体ホルダ)
を設けたことを特徴としている。
【0042】上記の構成によれば、まず、第1の駆動体
の回転体に対する離接と、第2の駆動体の回転体に対す
る離接とは、請求項1の構成によって交互に行われる。
このため、上記回転体を挟んで互いに対向するように両
駆動体を配置し、かつ両駆動体を駆動体支持手段によっ
て一体化すると、第1の駆動体が回転体から離間すると
きには、第2の駆動体が自ずと回転体に接近し、第1の
駆動体が回転体に接近するときには、第2の駆動体が自
ずと回転体から離間することになる。したがって、両駆
動体を駆動体支持手段によって一体化しても、離接の交
互動作をそのまま行わせることができる。
【0043】これにより、両駆動体を単一の駆動源によ
って動作させることが可能となり、回転駆動装置の構成
を一層簡素化することができる。また、駆動体支持手段
を用いることで、両駆動体の対向間隔を精度良く定め易
くなると共に、生産時に部品精度をチェックする工程を
簡略にすることができる。これらの結果、回転駆動装置
の生産性が向上し、さらなるコストダウンを図ることが
できる。
【0044】また、請求項の駆動体付勢手段が、回転
駆動装置の停止時に、例えば第1の駆動体を外周部に押
圧するとすれば、第2の駆動体は駆動体支持手段によっ
て外周部から離間した状態に保持される。この後、回転
駆動装置が起動されると、第1の駆動体が外周部から離
間し、逆に第2の駆動体が外周部に接触する動作を円滑
にスタートさせることができる。したがって、請求項2
の構成によれば、初期状態から即座に回転駆動装置を起
動させ、安定した回転力を起動直後から発生させること
ができる。
【0045】さらに、例えば光ディスク記録/再生装置
が備える光ピックアップのスライド送りの駆動力にこの
回転力を利用すれば、スライド送り動作を速やかに立ち
上げることができ、トラッキング制御およびスライド送
り制御が容易になる。
【0046】請求項の発明に係る回転駆動装置は、上
記の課題を解決するために、請求項1の構成に加えて、
上記駆動体作動手段は、第1の駆動体に連結された磁性
体と、通電によって磁性体を引きつける磁力を発生する
第1および第2のソレノイドとを備え、上記当接位置を
頂点として上記2方向のなす角を頂角とする二等辺三角
形を考えるとき、上記磁性体と各ソレノイドとの間で相
互に磁性力を及ぼし合う磁性体の作用点が、上記二等辺
三角形の頂角の頂点近傍に配されると共に、各ソレノイ
ドの作用点が、上記二等辺三角形の各底角の頂点近傍に
配されていることを特徴としている。
【0047】上記の構成によれば、例えば第1のソレノ
イドに対する通電をONにすると、磁性体を取り付けた
第1の駆動体は、二等辺三角形の頂角の頂点から一方の
底角の頂点に向かって磁気的に引きつけられる。このと
き、外周部を回転させる当接力が歯形形状に加わる。
【0048】また、第1のソレノイドに対する通電をO
FFにし、第2のソレノイドに対する通電をONにする
と、第1の駆動体の位置は、二等辺三角形の頂角の頂点
から他方の底角の頂点に向かって磁気的に引きつけられ
るように変化する。この状態で第2のソレノイドに対す
る通電をOFFにすると、初めの当接位置へ復帰すると
きに、外周部を先程と同方向に回転させる当接力が歯形
形状に加わる。
【0049】このように、駆動体作動手段として磁性体
とソレノイドとを組み合わせた安価なシステムによっ
て、第1の駆動体を外周部に対して二等辺三角形を描く
移動線に沿って離接させ、安定した回転出力を得ること
ができる。
【0050】請求項の発明に係る回転駆動装置は、上
記の課題を解決するために、請求項の構成に加えて、
上記磁性体の磁化方向および各ソレノイドの軸方向が回
転体の軸方向に垂直であり、かつ磁性体および各ソレノ
イドの3つの作用点を含む仮想平面が、上記回転体の軸
方向に垂直であることを特徴としている。
【0051】上記の構成によれば、磁性体の中心と各ソ
レノイドの軸とを結ぶ対向方向に大きな成分を持つ磁気
引力が発生する。したがって、第1の駆動体を回転体に
対して効率良く離間させることができ、ソレノイドを構
成するコイル線の巻き数や、コイル線に流す電流や、あ
るいは磁性体の残留磁束密度を低減させることができ、
回転駆動装置の製造コストおよび消費電力を下げること
ができる。
【0052】また、磁気引力は回転体の軸方向に垂直に
発生し、回転体の軸方向に平行な分力を持たないので、
各ソレノイドに対する通電をOFFにしたとき、第1の
駆動体は回転体の軸方向に垂直に初期状態へ戻ることに
なるので、第1の駆動体の初期状態への復帰が容易とな
り、第1の駆動体の略三角形の移動をより安定化させる
ことができる。
【0053】請求項の発明に係る回転駆動装置は、上
記の課題を解決するために、請求項の構成に加えて、
上記駆動体作動手段は、さらに、上記第1のソレノイド
の通電および停止、第2のソレノイドの通電および停止
をこの順に、あるいは第2のソレノイドの通電および停
止、第1のソレノイドの通電および停止をこの順に繰り
返す通電制御手段(例えば、極性判別回路、スイッチ回
路、発振回路および遅延回路)を備えていることを特徴
としている。
【0054】上記の構成によれば、第1のソレノイドの
通電および停止、第2のソレノイドの通電および停止を
この順に繰り返すことで、回転体を一方向に回転させる
ことができる点は、請求項1およびの構成による作用
で仮定的に説明したとおりである。
【0055】これに対し、第2のソレノイドの通電およ
び停止を先に行った後で、第1のソレノイドの通電およ
び停止を行うと、第1の駆動体の移動が初めの順序と逆
に行われるため、回転体を逆回転させることができる。
【0056】このように、各ソレノイドに対する通電と
停止の簡単なタイミング制御のみで、回転体の回転方
向、すなわち回転駆動力の方向を自在に変えることがで
きる。
【0057】請求項の発明に係る回転駆動装置は、上
記の課題を解決するために、請求項の構成に加えて、
上記通電制御手段は、上記第1のソレノイドに第1のパ
ルス列電圧を印加する第1パルス発生手段(例えば、発
振回路)と、上記第2のソレノイドに第2のパルス列電
圧を印加する第2パルス発生手段(例えば、発振回路お
よび遅延回路)と、第1のソレノイドの通電および停
止、第2のソレノイドの通電および停止がこの順に繰り
返されるように、あるいは第2のソレノイドの通電およ
び停止、第1のソレノイドの通電および停止がこの順に
繰り返されるように、第1のパルス列電圧および第2の
パルス列電圧のタイミングを制御するパルス制御手段
(例えば、極性判別回路、スイッチ回路、発振回路およ
び遅延回路)とを備えていることを特徴としている。
【0058】上記の構成によれば、パルス列電圧の周期
を変えることによって、第1の駆動体が回転体に及ぼす
当接力の発生周期が変わるので、パルス列電圧の周期は
回転体の回転速度と相関性が有る。また、パルス幅を変
えることによって、第1または第2のソレノイドが、第
1の駆動体を磁気引力によって保持する時間幅が変わる
ので、パルス幅は同様に回転体の回転速度と相関性が有
る。さらに、パルス列電圧の大きさは、第1の駆動体が
回転体を回転させる当接力の大きさや回転体の回転速度
と相関性が有る。したがって、最適なパルス波形を回路
的に選択することにより、所望の回転駆動力および回転
速度を容易に設定することができる。
【0059】請求項の発明に係る回転駆動装置は、上
記の課題を解決するために、請求項の構成に加えて、
上記通電制御手段は、さらに、第1および第2のパルス
列電圧のパルス周期を変化させるパルス周期可変手段
(例えば、周波数切り換え回路)を備えていることを特
徴としている。
【0060】上記の構成によれば、回転駆動装置にパル
ス周期可変手段を予め組み込んでおくことによって、パ
ルス周期可変手段を介してパルス列電圧の周期を自由に
変更し、用途に応じた多段階の回転速度が得られる回転
駆動装置を提供することができる。
【0061】請求項の発明に係る情報処理装置は、上
記の課題を解決するために、記録媒体の記録面に平行に
移動しながら、記録媒体(例えば、光ディスク)の記録
トラックに対して情報を読み書きする記録再生用ヘッド
手段(例えば、PIC)を備えた情報処理装置におい
て、上記記録再生用ヘッド手段を記録媒体の記録面に平
行に移動させる送り機構が、請求項1ないしのいずれ
か1項に記載の回転駆動装置と、その回転駆動装置が有
する上記回転体の回転を記録再生用ヘッド手段の移動に
変換する伝達手段(例えば、ピニオンおよびラック)と
を備えていることを特徴としている。
【0062】上記の構成によれば、一般に、記録媒体の
記録面に平行に移動しながら、記録媒体の記録トラック
に対して情報を読み書きする記録再生用ヘッド手段は、
記録再生時には、移動速度が極めて低速に制御された平
行移動を行う。このような平行移動の駆動力源に、請求
項1ないしのいずれか1項に記載の回転駆動装置を用
いることによって、第1の駆動体が作動した直後から、
回転体の微小回転が安定して得られるので、伝達手段を
介して速やかに記録再生用ヘッド手段を微小量ずつ平行
移動させることができる。
【0063】しかも、請求項1ないしのいずれか1項
に記載の回転駆動装置は、特殊なモータや、それに付随
する特別な減速機構を備えていないため、ガタの問題や
摺動摩擦の問題が回避されるので、起動時から安定した
平行移動が可能となる。これにより、サーボ回路への負
担も軽減される。その上、回転駆動装置を従来より安価
に作製できるので、情報処理装置のコストダウンを図る
こともできる。
【0064】請求項の発明に係る情報処理装置は、上
記の課題を解決するために、請求項に記載の構成に加
えて、記録媒体に形成された同心円状または螺旋状の記
録トラックに光ビームを集光する対物レンズが、上記記
録再生用ヘッド手段に設けられ、光ビームの集光スポッ
トを記録トラックに追従させるトラッキング制御中にお
ける対物レンズの光軸の変位量が所定量を上回ったとき
に、光軸が記録面にほぼ垂直をなす位置まで記録再生用
ヘッド手段を所定距離移動させるスライド制御手段(例
えば、トラッキング誤差信号検出回路、基準誤差信号電
圧発生回路、比較増幅器およびトリガパルス生成回路)
を備え、上記回転体の外周部を歯形形状に形成する場
合、回転体が歯形形状の1歯分回転することに伴う記録
再生用ヘッド手段の移動量を、上記所定距離以下に設定
したことを特徴としている。
【0065】上記の構成によれば、回転体が歯形形状の
1歯分回転することに伴う記録再生用ヘッド手段の移動
量に関して、光軸が記録面にほぼ垂直をなす位置を対物
レンズが越えてしまうくらいにその移動量が大きい場
合、対物レンズの光軸の振れ幅が大きくなり、トラッキ
ング制御が不安定になる。したがって、回転体の1歯分
回転に伴う記録再生用ヘッド手段の移動量を、スライド
制御手段によって移動させられる記録再生用ヘッド手段
の所定距離より小さく設定しておく方が、対物レンズの
光軸の振れ幅が小さな安定したトラッキング制御を行う
ことができる。
【0066】また、回転体の1歯分回転に伴う記録再生
用ヘッド手段の移動量を上記所定距離に等しく設定する
と、本発明に係る回転駆動装置では、微小な移動量が得
られるので、対物レンズの光軸の変位が小さい内に、光
軸の変位を補正することができる。すなわち、光軸が記
録面にほぼ垂直をなす状態に保たれたより理想的な状態
で、記録再生用ヘッド手段に再生動作を行わせることが
できる。
【0067】なお、対物レンズの光軸の変位が小さい内
に、光軸の変位を補正するようにすれば、対物レンズの
可動範囲の上下限のぎりぎりまでを使い、パワー的にも
限界に近いトラッキングサーボを行わなくて済むため、
トラッキングサーボに余裕ができる。この結果、外乱に
よる対物レンズのオフセンターを吸収しやすくなり、実
再生上の耐振動性能を向上させることができる。
【0068】
【発明の実施の形態】〔実施の形態1〕 本発明の実施の一形態について図1ないし図15に基づ
いて説明すれば、以下のとおりである。
【0069】〔1〕回転駆動装置の基本構成 本発明に係る回転駆動装置は、図1(a)(b)に示す
ように、主たる構成要素として、回転体1、駆動体ホル
ダ2、第1の駆動体3、第2の駆動体4、磁性体5、第
1のコイルASSY(Assembly;組立て品)6、第2の
コイルASSY7およびスプリング8を備えている。以
下、その細部を説明する。
【0070】上記回転体1は、請求項1に記載の回転体
に相当しており、略円板状の平歯車である駆動ギヤ1a
と、駆動ギヤ1aの裏面にて駆動ギヤ1aと同軸となる
ように配されたピニオン1bとを一体的に備えている。
上記駆動ギヤ1aの外周部は、請求項1に記載のとおり
円周に沿う形状をなし、その外周部は複数の歯列を有す
る歯形形状に形成されている。また、上記ピニオン1b
は、請求項に記載の伝達手段に相当しており、回転体
1の回転を外部に伝える回転出力ギヤの役割を担ってい
る。また、メインシャーシ9に垂直に固定された支軸1
0に駆動ギヤ1aおよびピニオン1bの中心を嵌挿する
ことにより、上記回転体1は回転自在となっている。
【0071】上記駆動体ホルダ2は、請求項に記載の
駆動体支持手段に相当しており、図1(a)(b)およ
び図2(a)(b)に示すように、駆動ギヤ1aの直径
に沿って長い薄板状に形成されている。図2(b)に示
すように、駆動体ホルダ2の中心には、支軸10の直径
より大きな直径を有する孔2aが穿設され、駆動体ホル
ダ2の底面における孔2aの周縁部は、リング状に突出
した当接部2bとなっている。当接部2bは、図1
(b)に示すように、駆動体ホルダ2が駆動ギヤ1a上
に載置されたときに、駆動ギヤ1aの上面と唯一当接す
る部分である。
【0072】この状態で、かしめられた支軸10の上端
と駆動ギヤ1aの上面との間にワッシャ11を介装する
ことによって、駆動体ホルダ2は、孔2aの内側面が支
軸10に当接する範囲で、駆動ギヤ1aの上面に対して
滑らか、かつ自由に摺動可能となっている。
【0073】また、駆動体ホルダ2の長手方向の一端側
には、請求項1に記載の第1の駆動体に相当する第1の
駆動体3が設けられ、孔2aの中心を挟んで第1の駆動
体3と対称的な位置には、請求項1に記載の第2の駆動
体に相当する第2の駆動体4が設けられている。第1の
駆動体3および第2の駆動体4は、図1(b)および図
2(b)に示すように、駆動体ホルダ2の底面側に、駆
動体ホルダ2の底面に垂直な歯筋を持って形成された歯
3a・4aをそれぞれ備えている。歯3a・4aの各歯
先は、図2(a)に示すように、孔2aの中心を通り、
駆動体ホルダ2の長手方向に平行な直線A上で、互いに
対向している。さらに、歯3a・4aは、駆動ギヤ1a
に歯合する形状に形成されている。
【0074】なお、第1の駆動体3は、後で詳述するよ
うに、駆動ギヤ1aを1歯分回転させる駆動部として働
き、第2の駆動体4は、駆動ギヤ1aが確実に1歯分回
転するように、駆動ギヤ1aが1歯分回転する毎に、駆
動ギヤ1aの回転を抑止する抑止部として働く。
【0075】さらに、第1の駆動体3は、駆動体ホルダ
2の長手方向に沿って、駆動ギヤ1aの回転中心に向か
う方向と反対方向(遠心方向B(図1(a)参照))へ
延び出した延設部3bを備えており、延設部3bの底面
側には、円板状の磁性体5がメインシャーシ9に平行な
姿勢に保持されている。この磁性体5は、請求項1に記
載の回転制御手段または駆動体作動手段の構成要素であ
ると共に、請求項の磁性体に相当している。また、磁
性体5は、磁化方向が円板面に垂直となるように、既に
単一着磁されている。したがって、磁性体5として、例
えば上面側がN極を示し、底面側がS極を示すいわゆる
永久磁石を用いることができる。
【0076】次に、図1(a)(b)に示すように、上
記磁性体5の近傍には、請求項1に記載の回転制御手段
または駆動体作動手段の構成要素である上記第1のコイ
ルASSY6および第2のコイルASSY7が配されて
いる。第1のコイルASSY6は、請求項に記載の第
1のソレノイドにも相当しており、図3に示すように、
メインシャーシ9から垂直に立設された鉄芯6aと、鉄
芯6aに挿通されたボビン6bと、ボビン6bのスリー
ブ面に巻き付けられたコイル線6cとで構成された電磁
石である。第2のコイルASSY7は、請求項に記載
の第2のソレノイドにも相当しており、第1のコイルA
SSY6と同様の構成となっている。
【0077】ここで、第1のコイルASSY6および第
2のコイルASSY7の配置について、図1(a)を参
照してさらに詳述する。まず、第1のコイルASSY6
および第2のコイルASSY7の各鉄芯6a・7aのメ
インシャーシ9における平面的な固定位置は、第1の駆
動体3の歯3aの歯先と駆動ギヤ1aの回転中心とを結
ぶ直線Aに対して、対称的になっている。さらに、各鉄
芯6a・7aの上記固定位置は、磁性体5の配設位置よ
り遠心方向Bに偏倚している。
【0078】このような配置を言い換えると、請求項1
およびに記載したように、第1の駆動体3の歯3aと
駆動ギヤ1aとの当接位置と、駆動ギヤ1aの円周の中
心とを結ぶ直線Aに対して、上記当接位置から駆動ギヤ
1aの外側へ対称的に開く2方向のなす角を頂角とする
二等辺三角形を考えるとき、各鉄芯6a・7aの固定位
置は上記二等辺三角形の各底角の頂点近傍に配され、磁
性体5の配設位置は上記二等辺三角形の頂角の頂点近傍
に配されているといえる。
【0079】なお、各鉄芯6a・7aの平面的な固定位
置や、磁性体5の平面的な配設位置を、相互に働く磁性
力の作用点(磁性力が作用する仮想的な代表点)と言い
換えてもよい。
【0080】最後に、スプリング8は、請求項1に記載
の回転制御手段の一構成要素、あるいは請求項1に記載
の駆動体付勢手段に相当しており、遠心方向Bと逆方向
に張設されるように、第2の駆動体4の端部と、第2の
駆動体4の端部近傍に駆動体ホルダ2とは独立に固設さ
れたポール12とに係止されている。スプリング8の張
力が、駆動体ホルダ2に対して常に遠心方向Bと逆方向
に働くことによって、駆動体ホルダ2は後述する基準位
置に拘束されるようになっている。また、スプリング8
は、駆動体ホルダ2からメインシャーシ9に対してほぼ
平行に張設されているので、駆動体ホルダ2が駆動ギヤ
1aの上面で、メインシャーシ9に対して平行に滑動す
るのを妨げないようになっている。
【0081】〔2〕動作原理 上記の構成において、第1のコイルASSY6および第
2のコイルASSY7は、通電によってN極およびS極
がメインシャーシ9に対して垂直に配列した電磁石とな
るため、各コイルASSY6・7の上端近傍に配され、
かつ磁化方向がメインシャーシ9に垂直な磁性体5と磁
気力を及ぼし合う。したがって、磁性体5の底面に近い
第1のコイルASSY6および第2のコイルASSY7
の各上端に、磁性体5の底面の極性と逆極性の磁極が励
起されるように、コイル線6c・7cに流す電流の向き
を設定することにより、駆動体ホルダ2は、第1のコイ
ルASSY6または第2のコイルASSY7から磁気引
力を受ける。
【0082】また、駆動体ホルダ2は、図4の〔実態概
略図〕にも示すように、スプリング8から常に磁気引力
とは異なる向きのバネ引力を受けるから、上記2種類の
磁気引力とバネ引力との釣合い関係によって、駆動体ホ
ルダ2は駆動ギヤ1aの上面と摺接しながら、支軸10
に対する位置を変える。この駆動体ホルダ2の位置変更
の様子を図5に示す。図5から、孔2aの中心が、回転
体1の中心Oに対して種々の位置を取り、移動している
ことがわかる。
【0083】その位置変更の概略の経路を、図4の〔モ
デル図〕に示す。この〔モデル図〕には、3つの定点、
すなわち磁性体5の中心に対応する「磁性体センタ
ー」、第1のコイルASSY6の中心に対応する「第1
のコイルセンター」、第2のコイルASSY7の中心に
対応する「第2のコイルセンター」が示されている。上
記「磁性体センター」は、磁性体5に磁気引力がかから
ず、バネ引力のみがかかっている初期状態での磁性体5
の中心位置、すなわち動作基点を示している。
【0084】この磁性体5の中心位置は、図示のよう
に、初期状態からSTEP1→STEP2→STEP3
の矢印に沿って移動し、再び初期状態に復帰するという
略三角形の移動線に沿った周期的な移動を繰り返すよう
になっている。磁性体5は駆動体ホルダ2に保持されて
いるから、結局、駆動体ホルダ2が、初期位置I→第1
移動位置II→第2移動位置III→初期位置Iという周期
的な移動を回転体1に対して繰り返すことになる。
【0085】これにより、本実施例に係る回転駆動装置
は、駆動体ホルダ2の初期位置から、駆動体ホルダ2が
位置変更し、再び初期位置に復帰する1サイクルの動作
で、回転体1を自らが備える駆動ギヤ1aの1歯分回転
させ、さらに1サイクルの動作を繰り返すことによっ
て、回転体1を駆動ギヤ1aの1歯分ずつ正確、かつ安
定に回転させることができる。これが、本発明の重要な
特徴の概要である。
【0086】この1サイクルの動作中に、請求項1にも
記載したように、第1の駆動体3は、駆動ギヤ1aに対
する離接を交互に繰り返し、離接時に駆動ギヤ1aとの
間に当接力を発生させ、回転体1を一定の向きに回転さ
せる働きをする。また、第2の駆動体4は、第1の駆動
体3が駆動ギヤ1aから離間している間に駆動ギヤ1a
に接触するように、駆動ギヤ1aに対する離接を交互に
繰り返し、回転体1の回転を一時的に抑止する働きをす
る。
【0087】〔3〕回転駆動動作の詳細 以下、図5の〜の動作を1段階ずつ詳細に説明す
る。ただし、図中の基準線Xは、磁性体5にバネ引力の
みがかかっている初期状態において、回転体1の中心
と、歯3a、歯4aの先端に対応する駆動ギヤ1aの各
歯底とを通る直線であり、前記の遠心方向Bと平行であ
る。一方、基準線Yは、回転体1の中心を通り、基準線
Xに直交する直線である。基準線X、Yは、回転体1の
初期位置Iからの回転量を把握しやすくするために描か
れている。
【0088】まず、図5で示す初期位置Iは、図7に
拡大して示すように、駆動体ホルダ2の移動の起点であ
る。この状態では、駆動体ホルダ2はスプリング8のバ
ネ引力に引かれ、遠心方向Bと逆方向に偏倚している。
これにより、第2の駆動体4の歯4aは駆動ギヤ1aか
ら離間しているが、第1の駆動体3の歯3aは駆動ギヤ
1aに係合するので、回転体1は、内/外部からの力が
及んでも停止状態が保持されるように、第1の駆動体3
によって初期位置Iに拘束される。
【0089】ここで、回転駆動装置の動作がスタートす
ると、図6に示すように、まず、第1のコイルASSY
6のコイル線6cに矩形波の駆動電圧V1(請求項
記載の第1のパルス列電圧)が印加される。ただし、コ
イル線6cを流れる電流の向きは、磁性体5の底面の磁
極と逆極性の磁極を、第1のコイルASSY6の上端に
励起する向きである。
【0090】これにより、図5を図8に拡大して示す
ように、磁性体5は、第1のコイルASSY6に向かう
磁気引力F1を受けるので、駆動体ホルダ2の移動が第
1のコイルASSY6のONによって開始され、初期状
態はSTEP1の状態へと移行する。このとき、駆動体
ホルダ2は、磁気引力F1の基準線Xに平行な分力F1
Xにより、遠心方向Bに若干スライドする。図8から、
図7の状態に比べて孔2aの中心が回転体1の中心Oに
近づいたことがわかる。さらに、磁気引力F1の基準線
Yに平行な分力F1Yが、駆動ギヤ1aを反時計回りに
回転させる当接力となる。図8から、固定された基準線
Xに対して、駆動ギヤ1aの反時計回りの回転が始まっ
ていることがわかる。
【0091】また、駆動体ホルダ2が第1のコイルAS
SY6の方へ引き寄せられることに伴う、第1の駆動体
3の離間動作の様子を図15に示す。この図から、歯3
aが駆動ギヤ1aの側部を蹴るように移動することがわ
かる。
【0092】このSTEP1の状態は、図6に示すよう
に、第1のコイルASSY6に駆動電圧V1が印加され
ている間、持続する。図9は、図5に示すSTEP1
の後半の状態を拡大して示しており、孔2aの中心が回
転体1の中心Oにさらに近づき、駆動ギヤ1aの反時計
回りの回転量が、図8の状態より若干増加していること
がわかる。
【0093】さらに、矩形波の駆動電圧V1がOFFに
なる直前では、図5を図10に拡大して示すように、
駆動体ホルダ2が遠心方向Bに沿って最大量の変位をす
る結果、第1の移動位置IIに達する。ここでは、第1の
駆動体3の歯3aが、駆動ギヤ1aからほぼ離間してい
るので、上記の分力F1Yは駆動ギヤ1aにもはや当接
力として働かない。すなわち、第1の移動位置IIは、第
1の駆動体3の当接力解除位置となっている。その一方
で、第2の駆動体4の歯4aは、遠心方向Bへの移動に
よって、駆動ギヤ1aの歯間に係合可能な状態となって
いる。
【0094】続いて、矩形波の駆動電圧V1は、図6に
示すように、所定時間後にOFFになり、それと同時
に、駆動電圧V1と同様の矩形波の駆動電圧V2(請求
に記載の第2のパルス列電圧)がONとなって、第
2のコイルASSY7のコイル線7cに印加される。た
だし、コイル線7cを流れる電流の向きは、磁性体5の
底面の磁極と逆極性の磁極を、第2のコイルASSY7
の上端に励起する向きである。
【0095】これにより、図5を図11に拡大して示
すように、磁性体5は、第2のコイルASSY7に向か
う磁気引力F2を受けるので、駆動体ホルダ2は、第1
のコイルASSY6から第2のコイルASSY7へ回転
するようにその位置を変え、第2の移動位置IIIに到達
してSTEP2の状態へ移行する。このときまでに、回
転体1は、駆動ギヤ1aのほぼ半歯分回転している。そ
の回転量は、回転体1の中心Oを通って互いに直交する
直線R1、R2と、基準線X、Yとの開きとして図示され
ている。
【0096】また、この状態では、第2の駆動体4の歯
4aが駆動ギヤ1aと歯合し、回転体1を必要以上に回
転させない拘束状態を作る。したがって、第2の駆動体
4は、駆動体ホルダ2の1サイクルの移動によって、回
転体1を駆動ギヤ1aの1歯分、確実に回転させる調整
的な役割を果たしている。
【0097】この後、駆動電圧V2が、図6に示すよう
に所定時間後にOFFになると、駆動体ホルダ2は磁気
引力を受けなくなり、スプリング8からバネ引力を受け
るのみとなる。これにより、図5を図12に拡大して
示すように、駆動体ホルダ2は、STEP3の状態へと
移行し、第2の移動位置IIIから初期位置Iへ復帰する
ように移動するので、第1の駆動体3の歯3aは、再び
駆動ギヤ1aに歯合し、第2の駆動体4の歯4aは、駆
動ギヤ1aから離間する。
【0098】このとき、図4の〔モデル図〕に示した初
期位置Iにおける磁性体センターから第2の移動位置II
Iにおける第2のコイルセンターへ向かう向きを持つバ
ネ引力F3が、歯3aと駆動ギヤ1aとの当接部位にか
かる。したがって、バネ引力F3の基準線Yに平行な分
力F3Yが、駆動ギヤ1aをさらに反時計回りに回転さ
せる当接力となる。
【0099】このSTEP3の状態で、駆動ギヤ1aが
第1の駆動体3から受ける当接力によって、回転体1
は、駆動ギヤ1aのさらに半歯分、反時計回りに回転す
る。こうして、第1の駆動体3の歯3aと駆動ギヤ1a
との係合状態は、図5を図13に拡大して示す状態を
経て、図5を図14に拡大して示すように、駆動ギヤ
1aの回転が第1の駆動体3によって拘束された初期状
態に戻る。これで、駆動体ホルダ2のメインシャーシ9
に平行な面内における周期的な移動による回転駆動動作
の1サイクルが終了する。
【0100】以上説明したように、駆動体ホルダ2の1
サイクルの移動の中で、第1の駆動体3が駆動ギヤ1a
に当接力を2度及ぼし、第1の駆動体3が駆動ギヤ1a
から離間している間に、第2の駆動体4が回転体1の不
必要な回転を一時的に抑止するように当接することで、
回転体1が駆動ギヤ1aの1歯分、確実に回転するよう
になっている。なお、1サイクルで1歯分の回転を得る
動作タイミングを保持する限り、その回転量は、駆動ギ
ヤ1aの歯数を増やす程、微小量になる。
【0101】また、図6に示すように、駆動電圧V2が
OFFになってから所定時間経過後、駆動電圧V1を再
びONにすることで、回転駆動動作の次の1サイクルが
始まる。仮に、駆動ギヤ1aの歯数をNとすれば、駆動
電圧V1または駆動電圧V2のNパルスによって、すな
わち駆動電圧V1および駆動電圧V2をそれぞれN回O
N/OFFすることによって、駆動ギヤ1aは1回転す
る。
【0102】なお、駆動電圧V1および駆動電圧V2の
パルス周期を変えることによって、回転体1の回転速度
を変えることができる。回転体1の回転速度を遅くした
いときには、図6に示す各STEPの状態を長く保持す
ればよい。特に、第1のコイルASSY6および第2の
コイルASSY7が共にOFFになるSTEP3の時間
を長くすれば、回転体1の回転速度を容易に遅くするこ
とができる。
【0103】逆に、回転体1の回転速度を速くしたいと
きには、各STEPの保持時間を短縮すればよい。ただ
し、この場合には、第1のコイルASSY6または第2
のコイルASSY7に励起される磁力の応答性に影響さ
れるので、回転速度には上限が有る。
【0104】このように、本発明に係る回転駆動装置で
は、特殊なモータや、それに付随する特別な減速機構を
必要とせずに、安価な構成で安定した超低速回転を得る
ことができる。
【0105】なお、磁性体5の中心の移動線が、駆動ギ
ヤ1aと第1の駆動体3の歯3aとの当接位置を頂角の
頂点とする二等辺三角形となるときに、駆動体ホルダ2
は最もバランスの良い移動を行うことができ、回転体1
の回転を安定させ易くなるが、回転体1を単に回転させ
るためには、磁性体5の中心の移動線が不等辺三角形で
あってもよい。
【0106】また、上記の実施の形態では、第1のコイ
ルASSY6と第2のコイルASSY7とを順次ON/
OFFしたが、第1のコイルASSY6と第2のコイル
ASSY7とを同時にONにし、第1の駆動体3を遠心
方向Bに離間させた後、一方をOFFにし、さらに他方
をOFFにすれば、磁性体5の中心の移動線が略直角三
角形となり、第1の駆動体3が回転体1の方へ戻るとき
の接触動作のみによって回転体1を回転させることもで
きる。さらに、第1の駆動体3の離間動作のみによって
回転体1を回転させてもよい。
【0107】〔4〕逆転動作 上記のように、第1のコイルASSY6と第2のコイル
ASSY7とをこの順にON/OFFすることによっ
て、第1の駆動体3は、駆動ギヤ1aに反時計回りの当
接力を与えることができたが、第1のコイルASSY6
と第2のコイルASSY7とのON/OFFを逆の順序
で行うと、図5のからへ逆向きに戻る逆転動作を実
行することができる。すなわち、第2のコイルASSY
7を初めにON/OFFし、次に第1のコイルASSY
6をON/OFFすると、第1の駆動体3は、駆動ギヤ
1aに逆回りの当接力を与えることができる。
【0108】このことは、図8において、第2のコイル
ASSY7を初めにONにしたとすると、磁気引力F1
が、第2のコイルASSY7に向くため、分力F1Y
逆向きに発生することから、容易に理解できる。
【0109】このように、第1のコイルASSY6およ
び第2のコイルASSY7のON/OFF順序を単に入
れ換えるだけで、回転体1を簡単に逆回転させることが
できる。
【0110】〔実施の形態2〕 本発明の実施の他の形態について図16(a)(b)に
基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明
の便宜上、前記の実施の形態の図面に示した部材と同一
の機能を有する部材には、同一の符号を付記してその説
明を省略する。
【0111】本実施の形態では、磁性体5の両磁極と、
第1のコイルASSY6および第2のコイルASSY7
の各々に励起される両磁極とが、共にメインシャーシ9
に平行に配列されている点が、実施の形態1の構成と大
きく異なっている。
【0112】まず、駆動体ホルダ2に対する第1の駆動
体3および第2の駆動体4の配置は、実施の形態1と同
じであるが、本実施の形態では、図16(b)に示すよ
うに、各駆動体3・4が、歯3a・4aと駆動ギヤ1a
との歯合部を保護するように、駆動ギヤ1aの外周縁の
裏面側に曲折された保護部3c・4bを備えている。
【0113】また、保護部3cと一体となった延設部3
bは、メインシャーシ9の上面付近まで垂下されてい
る。磁性体5は、上述のように、磁化方向がメインシャ
ーシ9に平行となるように、延設部3bの遠心方向B側
に保持されている。
【0114】メインシャーシ9上には、駆動体ホルダ2
より遠心方向Bに沿って長いベース板21が重ねて固定
されている。また、ベース板21の遠心方向B側端部
は、直立端部21aとしてメインシャーシ9から立ち上
がっており、この直立端部21aには、第1のコイルA
SSY6および第2のコイルASSY7が、同じ高さで
取り付けられている。各コイルASSY6・7は、上述
のように、各鉄芯6a・7aがメインシャーシ9に平行
で、かつ磁性体5に対向するように設けられている。し
かも、磁性体5に対向する鉄芯6a・7aの各端面の中
心は、磁性体5の中心から遠心方向Bに対して対称的に
開く2方向に、等しい距離で位置している。すなわち、
磁性体5の中心(磁性引力の作用点と言い換えてもよ
い)と、鉄芯6a・7aの各端面の中心(磁性引力の作
用点と言い換えてもよい)とは、二等辺三角形を形成し
ている。
【0115】ベース板21における直立端部21aと支
軸10との間には、突起22が形成され、延設部3bの
下端に当接することで、駆動体ホルダ2の遠心方向Bと
逆方向への移動を規制するようになっている。また、ベ
ース板21における第2の駆動体4側の端部は、スプリ
ング8の一端を固定するための固定端として立ち上がっ
ており、スプリング8の姿勢をメインシャーシ9に水平
に保っている。
【0116】上記の構成において、駆動体ホルダ2は、
スプリング8によるバネ引力によって初期位置Iに拘束
され、第1のコイルASSY6のON/OFF、第2の
コイルASSY7のON/OFFを順番に繰り返すこと
によって、二等辺三角形の移動線に沿った周期的な移動
を行い、回転体1を回転させるという動作原理において
は、前記した実施の形態と全く同じである。
【0117】ただし、本実施の形態は、実施の形態1と
比較して、以下のような利点を有している。
【0118】第1に、図1(b)と図16(b)とで、
磁性体5の中心と各鉄芯6a・7aの中心軸との位置関
係を比較するとわかるように、図16(b)では、磁性
体5の中心と各鉄芯6a・7aの中心軸とがほぼ同一面
内に位置しているため、図1(b)の構成よりも遠心方
向Bに大きな成分を持つ磁気引力が効率良く発生する。
したがって、コイル線6c・7cの巻き数や、コイル線
6c・7cに流す電流や、あるいは磁性体5の残留磁束
密度を低減させることができ、回転駆動装置の製造コス
トや消費電力を下げることができる。
【0119】第2に、各コイルASSY6・7をメイン
シャーシ9に平行に取り付けるためのベース板21を用
いるため、回転駆動装置の各部品をベース板21に組み
込んでユニット化することができる。こうすることで、
例えば、回転駆動装置を光ディスク記録再生装置等のホ
スト装置に組み込む場合に、回転駆動装置の組立て工程
と、ホスト装置の組立て工程とを独立させることがで
き、組立て作業の効率化を図ることができる。
【0120】第3に、磁性体5の磁化方向と各コイルA
SSY6・7の軸方向とが互いに平行であり、互いに磁
気引力を及ぼし合う3つの作用点を含む平面が、支軸1
0、つまり回転体1の回転軸に垂直となっているため、
磁気引力がメインシャーシ9に平行に発生し、メインシ
ャーシ9に垂直な分力が発生しない。この結果、駆動体
ホルダ2の環状の当接部2bは、回転体1に均一な力で
当接することができる。これにより、図1(b)の構成
では、磁気引力がメインシャーシ9に垂直な分力を含む
ため、当接部2bが延設部3b側で回転体1により強く
当接するのに対し、本実施の形態では、駆動体ホルダ2
のメインシャーシ9に平行な面内における移動動作をバ
ランス良く、円滑に行わせることができる。このこと
は、駆動体ホルダ2が初期位置Iに復帰しやすく、また
次のサイクルの移動動作を起動させ易いということでも
ある。
【0121】第4に、図1(b)の構成に比べて、磁力
線がメインシャーシ9に垂直となる漏れ磁束が非常に少
ないので、回転駆動装置に高さ方向の吸引力が殆ど発生
しない。したがって、漏れ磁束が駆動体ホルダ2の平行
移動を妨げるということが無く、磁気引力の作用が一層
効率的になる。
【0122】このように、磁性体5および各コイルAS
SY6・7の発生する磁力線がメインシャーシ9に平行
となる配置を採用するだけで、上記のような種々の効果
が付加されることがわかる。
【0123】〔実施の形態3〕 本発明の実施の他の形態について図17(a)(b)に
基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、説明
の便宜上、前記の実施の形態の図面に示した部材と同一
の機能を有する部材には、同一の符号を付記してその説
明を省略する。
【0124】本実施の形態では、光ディスクに対して情
報の記録/再生を行う光ディスク記録/再生装置に、光
ピックアップのスライド送りの駆動源として、上記の回
転駆動装置を組み込んだ請求項およびの構成に対応
した構成例を説明する。
【0125】上記光ディスク記録/再生装置は、ターン
テーブル31に装着された光ディスク32(図17
(b))の記録面に、光ピックアップ(以下、PICと
略称する)33によって光ビームを集光し、情報の記録
再生を行うものである。
【0126】PIC33は、メインシャーシ9に対して
平行に架設されたガイド軸34に沿って、光ディスク3
2の半径方向に移動可能に配されている。また、PIC
33の本体には、歯列がガイド軸34に平行に配列し、
歯筋がメインシャーシ9に垂直なラック35が設けられ
ている。
【0127】一方、回転駆動装置は、回転体1の支軸1
0の周囲に形成されたピニオン1bに、上記ラック35
が歯合するように、メインシャーシ9に配設されてい
る。なお、ピニオン1bおよびラック35は、請求項
に記載の送り機構および伝達手段を構成し、ガイド軸3
4もまた、請求項に記載の送り機構を構成している。
【0128】ここで、ガイド軸34の延伸方向に平行
で、光ディスク32の内周部から外周部に向かう方向を
D方向とする。すると、PIC33が、光ディスク32
の最内周部の直下に位置するとき、ラック35のD方向
端部においてピニオン1bが歯合するように、回転駆動
装置の配置が決められている。これにより、記録/再生
動作が連続して行われると、PIC33は光ディスク3
2の内周部から外周部へスライド送りされるようになっ
ている。なお、スプリング8は、図17(a)(b)か
ら省略されている。
【0129】次に、各コイルASSY6・7に前述の駆
動電圧V1および駆動電圧V2を印加するための駆動パ
ルスを生成する構成について説明する。
【0130】図18に示すように、PIC33が出力す
る再生信号から、トラッキング誤差信号検出回路36に
よって、トラッキング誤差信号が生成される。一方、ト
ラッキング誤差信号が所定値を上回り、トラッキングエ
ラーが所定量を越えたときに、PIC33が所定距離ず
つスライド送りされるように、トラッキング誤差信号は
基準電圧信号と比較される。
【0131】ただし、対物レンズの光軸が目標トラック
の中心に対して内周側に外れるか外周側に外れるかによ
って、トラッキング誤差信号は正負の極性を持つため、
トラッキング誤差信号が正の場合には、正極性基準誤差
信号電圧発生回路37aが生成する正極性の基準電圧信
号と比較され、トラッキング誤差信号が負の場合には、
負極性基準誤差信号電圧発生回路37bが生成する負極
性の基準電圧信号と比較されるように構成されている。
【0132】すなわち、比較増幅器38aには、トラッ
キング誤差信号検出回路36からスイッチ回路39を介
してトラッキング誤差信号が入力されると共に、正極性
基準誤差信号電圧発生回路37aから正極性の基準電圧
信号が入力され、トラッキング誤差信号が基準電圧信号
を超えたときに、比較増幅器38aから検出信号が出力
される。同様に、比較増幅器38bには、トラッキング
誤差信号検出回路36からスイッチ回路39を介してト
ラッキング誤差信号が入力されると共に、負極性基準誤
差信号電圧発生回路37bから負極性の基準電圧信号が
入力され、トラッキング誤差信号が基準電圧信号を超え
たときに、比較増幅器38bから検出信号が出力され
る。
【0133】なお、比較増幅器38aまたは比較増幅器
38bに対するスイッチ回路39の出力切り換えは、ト
ラッキング誤差信号の極性を判別する極性判別回路41
の判別信号に基づいて行われる。
【0134】ここで、上記の基準電圧信号の電圧値は、
駆動ギヤ1aの1歯分の回転によるPIC33の移動量
とスライド送りに必要な所定距離との相対的な大小関係
に基づいて設定するとよい。基準電圧信号の値が大き過
ぎる、すなわちトラッキングエラーの所定量が大き過ぎ
ると、駆動ギヤ1aを複数歯分回転させなければ、トラ
ッキングサーボによる対物レンズの光軸の変位量を0に
戻すために必要な所定距離だけPIC33を移動させる
ことができない。逆に、基準電圧信号の値が小さ過ぎ
る、すなわちトラッキングエラーが小さい内に駆動ギヤ
1aを回転させると、駆動ギヤ1aの1歯分の回転によ
って、対物レンズの光軸が逆に振れる結果となり、安定
した記録再生動作を行うことができない。
【0135】なお、駆動ギヤ1aの歯数を多くすること
で、駆動ギヤ1aの1歯分の回転によるPIC33の移
動量を小さくすることができるので、回転体の1歯分回
転に伴う記録再生用ヘッド手段の移動量とスライド送り
の所定距離とが等しくなるように、駆動ギヤ1aの歯数
と基準電圧信号の値とをそれぞれ適切に設定すること
で、対物レンズの光軸の変位が小さい内に、光軸の変位
を補正することができる。すなわち、図20(b)のグ
ラフに示すように、光軸が記録面にほぼ垂直をなす状態
に保たれたより理想的な状態で、PIC33に再生動作
を行わせることができる。図20(b)のグラフでは、
本発明によるスライド送り制御によって、記録トラック
の偏心にPIC全体が追従し、対物レンズの変位量が非
常に小さくなっていることがわかる。
【0136】このような理想的な再生状態では、対物レ
ンズの駆動コイルや、各コイルASSY6・7に印加す
るオフセット電圧発生用の電流がほとんど不要となるの
で、サーボの負担を軽減することができる。
【0137】次に、前記の比較増幅器38aまたは比較
増幅器38bが出力した検出信号は、トリガパルス生成
回路40に入力される。この検出信号の入力により、ト
リガパルス生成回路40は、図6に示すように、パルス
状のPIC移動制御信号を生成し、発振回路42に出力
することによって、スライド送りを起動させる。
【0138】なお、トラッキング誤差信号検出回路3
6、正極性基準誤差信号電圧発生回路37a、負極性基
準誤差信号電圧発生回路37b、比較増幅器38a、比
較増幅器38bおよびトリガパルス生成回路40は、請
求項に記載のスライド制御手段を構成している。
【0139】上記発振回路42は、請求項1の回転制御
手段、請求項の通電制御手段、または請求項の第1
パルス発生手段および第2パルス発生手段を構成してお
り、上記PIC移動制御信号をトリガパルスとして、そ
の立下がりに同期した駆動電圧V1の駆動パルス(請求
の第1のパルス列電圧)を所定の周波数で生成す
る。
【0140】この発振回路42が出力する駆動パルス
は、例えばトラッキング誤差信号が正極性の基準電圧信
号を超えたとき、周波数切換回路43、スイッチ回路4
4の第1端子44a1を介して位相補償増幅器45に入
力された後、第1のコイルASSY6に供給される。同
様に、パルス波形は同一で、立上がり時間を駆動電圧V
1のON時間だけ遅延させる遅延回路46、スイッチ回
路44の第2端子44b1および位相補償増幅器47を
経て、駆動電圧V2の駆動パルス(請求項の第2のパ
ルス列電圧)が、第2のコイルASSY7にも供給され
る。
【0141】一方、例えばトラッキング誤差信号が負極
性の基準電圧信号を超えたとき、極性判別回路41の判
別信号に基づいて、スイッチ回路44の出力は、第1端
子44a1から第3端子44a2へ切り換えられると共
に、第2端子44b1から第4端子44b2に切り換えら
れる。これにより、上記とは逆に、駆動電圧V1の駆動
パルスが第2のコイルASSY7に供給され、駆動電圧
V2の駆動パルスが第1のコイルASSY6に供給され
る。この結果、回転体1の回転方向が逆転する。
【0142】また、周波数切換回路43は、発振回路4
2が出力するパルス信号の周波数を、例えばコントロー
ラから供給される周波数切換信号に基づいて適宜分周す
る機能を有し、例えばパルスドライブカウンタ等で構成
してもよい。コントローラは、対物レンズの変位量が小
さいときには、周波数切換回路43から比較的低い周波
数の駆動パルスが出力されるように、周波数切換回路4
3に周波数切換信号を送る。一方、対物レンズが可動範
囲の限界付近まで変位したときには、周波数切換回路4
3から比較的高い周波数の駆動パルスが出力されるよう
に、周波数切換回路43に周波数切換信号を送る。これ
により、対物レンズの変位量が小さいときに比べて、回
転体1の回転速度が速くなるため、PIC33が素早く
スライド送りされ、対物レンズの変位が速やかに補正さ
れる。
【0143】さらに、コントローラは、光ディスク32
に記録された情報の検索、曲の頭出しのようなPIC3
3の高速移動を必要とする動作モードになると、上記の
トラッキング制御時よりもはるかに高い周波数の駆動パ
ルスが周波数切換回路43から出力されるように、周波
数切換回路43に周波数切換信号を送る。
【0144】このように、簡単な回路構成で、用途に応
じた多段階の回転速度で回転体1を回転させることがで
きる駆動パルスを発生させることができる。なお、遅延
回路46は、請求項1の回転制御手段、請求項の通電
制御手段、または請求項の第2パルス発生手段を構成
している。極性判別回路41およびスイッチ回路44
は、請求項の通電制御手段、または請求項の第2パ
ルス発生手段を構成している。周波数切換回路43は、
請求項のパルス周期可変手段を構成している。また、
発振回路42が出力する駆動パルスの立下がりに同期し
て、駆動電圧V2の駆動パルスを発生する発振回路を、
第2のコイルASSY7用として別途設けてもよい。
【0145】上記の構成において、トラッキング誤差信
号の極性が正の場合のスライド送り制御動作を以下に説
明する。図19に示すように、例えばステップ(以下、
Sと略記する)1で再生動作がスタートすると、トラッ
キング誤差信号検出回路36は、再生信号からトラッキ
ング誤差信号を生成する(S2)。トラッキング誤差信
号と、正極性基準誤差信号電圧発生回路37aから出力
される正極性の基準電圧信号とは、比較増幅器38aで
比較される(S3)。そして、S4で、トラッキング誤
差信号が基準電圧信号を下回っている間は、S2および
S3が繰り返され、トラッキング誤差信号が基準電圧信
号を上回ったとき、比較増幅器38aは、トリガパルス
生成回路40に検出信号を出力する。
【0146】続いて、トリガパルス生成回路40が比較
増幅器38aから検出信号を受け取ると、発振回路42
にPIC移動制御信号を出力する(S5)。発振回路4
2は、PIC移動制御信号をトリガパルスとして、所定
の周波数を持つ駆動パルスを生成し、周波数切換回路4
3で適宜分周した駆動パルスを、スイッチ回路44およ
び位相補償増幅器45を経て第1のコイルASSY6に
供給する。これにより、第1のコイルASSY6が通電
されてONになる(S6)。また、周波数切換回路43
から出力された駆動パルスは、第1のコイルASSY6
がOFFになる(S7)まで、遅延回路46によって所
定時間遅延され、位相補償増幅器47を経て、第2のコ
イルASSY7にも供給される。これにより、第2のコ
イルASSY7が通電されてONになり(S8)、駆動
パルスの立下がりによってOFFになる(S9)。
【0147】各コイルASSY6・7が順にON/OF
Fされると、駆動体ホルダ2が初期位置I→第1移動位
置II→第2移動位置III→初期位置Iという周期的な移
動を回転体1に対して行うので、回転体1は駆動体ホル
ダ2の第1の駆動体3から受ける当接力と、第2の駆動
体4による回転の一時的な抑止とによって、駆動ギヤ1
aの1歯分確実に回転する(S10・11)。この回転
体1の回転が、ピニオン1bからPIC33のラック3
5に伝達され、PIC33が駆動ギヤ1aの1歯分の回
転に対応した移動量でスライド送りされる(S12)。
【0148】この後、S2に戻り、トラッキング誤差信
号が基準電圧信号を上回る毎に、駆動ギヤ1aの1歯分
の回転に対応した所定距離毎のスライド送りが実行され
る。
【0149】なお、通常、TOC(目次)情報が記録さ
れた光ディスク32の最内周部の直下で、電源OFF時
にPIC33を拘束しておくようにすれば、PIC33
は回転駆動装置の起動直後からスライド送りが可能なた
め、TOC情報の再生動作をすぐに行うことができる。
したがって、音楽等の主情報の再生までのアクセスタイ
ムを短縮することができる。
【0150】このように、本発明に係る回転駆動装置
は、駆動パルスが各コイルASSY6・7に供給される
毎に、駆動ギヤ1aを1歯分だけ回転させることができ
るので、駆動ギヤ1aに超低速回転を行わせることがで
きる。
【0151】また、駆動パルスの周期や、パルス幅、パ
ルスの大きさ等のパルス波形を回路的に設定するだけ
で、回転体1の回転速度を自由に変更することができる
ので、特別な速度可変機構を設けることなくPIC33
の移動速度を自由に変更することができる。
【0152】さらに、駆動ギヤ1aの超低速回転は、ピ
ニオン1bを介してPIC33のラック35に直に伝え
ることができるから、特別な減速機構を必要とせず、P
IC33を超低速でスライド送りすることができる。
【0153】また、特殊なモータや減速機構を用いなく
て済むため、回転駆動装置を組み込むホスト装置のコス
トダウンを図ることができると共に、減速機構のガタが
PIC33のスライド送りに悪影響を及ぼす問題が解消
する。すなわち、減速機構のガタによる不必要な内乱を
補正する必要が無くなるので、ホスト装置のサーボ回路
の負担を軽減することができる。また、光ディスク32
の面振れによる振動や、外部から加わる衝撃が、減速機
構を通してPIC33に伝わるという問題も無くなる。
【0154】さらに、駆動体ホルダ2は、各コイルAS
SY6・7がOFFである限り、スプリング8からバネ
引力を受けて初期位置Iに拘束され、その結果、第2の
駆動体4と駆動ギヤ1aとが歯合した状態となるので、
回転体1は、いわばサイドブレーキをかけられたと同じ
状態となる。これにより、従来は、モータの出力軸にブ
レーキがかかっていないため、電源OFFのときに、P
ICを停止位置に拘束するために設けることもあった特
別な停止機構が不要となる。
【0155】さらに、従来のトラッキングサーボによる
対物レンズの光軸の変位量を0に戻すのに必要なPIC
の移動量よりも、駆動ギヤ1aの1歯分の回転によるP
IC33の移動量を小さくすることができるので、対物
レンズの中心と光ディスク32上の記録トラックとのズ
レが小さい内に、駆動パルスを各コイルASSY6・7
に供給することで、対物レンズの光軸の変位を補正する
ことができる。この結果、対物レンズの中心と記録再生
しようとする記録トラックの中心とを常に合わせるよう
に、PIC33を制御することができ、より理想的な再
生状態を得ることができる。
【0156】その上、対物レンズの光軸の変位が小さい
内に、光軸の変位を補正することにより、対物レンズの
可動範囲の上下限のぎりぎりまでを使い、パワー的にも
限界に近いトラッキングサーボを行わなくて済むため、
トラッキングサーボに余裕ができる。この結果、外乱に
よる対物レンズのオフセンターを吸収しやすくなり、実
再生上の耐振動性能を向上させることができる。
【0157】また、前述したように、駆動ギヤ1aの歯
数を多くすることによって、PIC33のより細かいス
ライド送り制御を行うことができる。
【0158】ところで、実際の光ディスクシステムで
は、通常の連続再生だけではなく、サーチ動作に伴う早
送り(FF)/早戻し(REW)等、情報の頭出しのア
クセスタイムを短縮するために、PIC33の高速送り
も多用されている。
【0159】この場合、光ディスクシステムが必要とす
るPIC33のスライド送り速度が得られるように、各
コイルASSY6・7に供給する各駆動パルスのパルス
周期や、パルス幅や、あるいは駆動パルス同士の遅延時
間を設定すればよい。したがって、パルス周期を短縮
し、パルス幅を短くすることで、回転体1の回転を速
め、PIC33を高速送りすることがある程度まで可能
である。
【0160】ある程度という意味は、前述したように、
回転体1の回転速度が、磁性体5と各コイルASSY6
・7との間に作用する磁力の応答性に影響されるからで
ある。しかし、実使用としては、磁力の応答性は全く問
題にならない範囲であることを確認している。
【0161】このように、駆動パルスのパルス周期と位
相(発生タイミング)とを変化させることで、PIC3
3のスライド送り速度をかなり広い可変範囲の中でフレ
キシブルに変化させることができる。
【0162】また、光ディスクの内周から外周に向かっ
て、第1プログラムから順番に連続再生するような特別
な場合には、マイクロコンピュータが、再生スタート指
示を受けた時点でトリガパルス生成回路40にトリガパ
ルスを発生させ、発振回路42がトリガパルスに同期し
た駆動パルスを出力するようにすれば、1つのパターン
に固定した駆動パルスのみの生成で用が足りることにな
り、回路構成が最も簡略になる。
【0163】
【発明の効果】請求項1の発明に係る回転駆動装置は、
以上のように、円周に沿った形状の外周部を備え、上記
円周の中心に回転軸が配された回転体と、上記外周部に
対する離接を交互に繰り返し、離接時に上記外周部との
間に当接力を発生させ、上記回転体を一定の向きに回転
させる第1の駆動体と、上記外周部に対する離接を交互
に繰り返し、第1の駆動体が外周部から離間している間
に外周部に接触し回転体の回転を一時的に抑止する第2
の駆動体と、上記第1および第2の駆動体の外周部に対
する離接の周期を一定に制御することによって、上記回
転体を一定速度で回転させる回転制御手段とを備え、上
記外周部の全周が、複数の歯列を有する歯形形状に形成
され、上記第1および第2の駆動体に上記歯形形状に係
合する突部が形成され、上記回転制御手段は、上記第1
の駆動体を外周部に押圧する方向へ付勢する駆動体付勢
手段と、第1の駆動体と外周部との当接位置と上記円周
の中心とを結ぶ直線に対して、上記当接位置から外周部
の外側へ対称的に開く2方向へ向かう2力を、第1の駆
動体に選択的に作用させる駆動体作動手段とを備えた構
成である。
【0164】それゆえ、回転体に対する第1の駆動体の
離接によって、外周部の円周の接線方向に分力を有する
当接力を発生させることができる。この第1の駆動体に
よる回転駆動と第2の駆動体による回転の抑止とは、回
転制御手段によって一定の周期に制御されるから、回転
体を一定速度で小刻みに回転駆動することができる。
【0165】その上、第1および第2の駆動体の離接の
周期を変えることによって、回転体の回転速度を変える
ことができるから、特別な減速機構や速度可変機構を設
けることなく、直接的な駆動によって超低速回転から高
速回転までをカバーし得る回転駆動装置を提供すること
ができる。
【0166】また、2つの駆動体を回転体に離接させる
だけという非常に簡単な構成で回転駆動力を得ることが
できるので、回転駆動装置を安価に提供することができ
るという効果を奏する。
【0167】さらに、特別な減速機構や速度可変機構を
設けなくて済む結果、減速機構や速度可変機構のガタや
スラスト方向がたつき等の問題が解消されるので、内/
外部の振動や衝撃の影響を受けにくい安定した回転出力
を取り出すことができる。
【0168】さらに、外周部の歯形形状と第1の駆動体
の突部との係合を利用して、外周部の接線方向に働く当
接力を確実に生み出すことができる。また、第2の駆動
体の突部と外周部の歯形形状との係合によって、回転体
の一時的な回転抑止をも確実に行うことができる。
【0169】また、第1の駆動体による1回の離間動作
または接触動作によって、回転体が歯形の半歯分回転し
たところで第2の駆動体を歯形形状に係合させるように
すれば、第1の駆動体のひとまとまりの離接動作によっ
て、回転体は歯形形状の1歯分だけ回転することにな
る。したがって、歯列の数を変えることによっても、回
転体の回転量を変えることができ、歯列の数を多くすれ
ば、微小回転量を得ることができる。したがって、安定
した超低速回転を容易に実現することができるという効
果を奏する。
【0170】さらに、外周部の円周の直径方向に対して
対称的に開く2力を選択的に第1の駆動体に加えること
を繰り返すと共に、外周部に押圧する付勢力を第1の駆
動体に加えておくことによって、第1の駆動体と外周部
との当接位置を1頂点とする略三角形に沿った第1の駆
動体の単純な移動線によって、上記回転体を一定の方向
に回転させる当接力を歯形形状に作用させることができ
るという効果を奏する。
【0171】請求項の発明に係る回転駆動装置は、以
上のように、請求項1の構成に加えて、上記第1および
第2の駆動体が上記回転体を挟んで互いに対向するよう
に、上記第1および第2の駆動体を一体的に支持する駆
動体支持手段を設けた構成である。
【0172】それゆえ、上記第1および第2の駆動体
は、上記回転体を挟んで互いに対向するように一体的に
支持されているので、第1の駆動体を駆動するだけで、
第1および第2の駆動体の回転体に対する離接を交互に
行わせることができる。すなわち、両駆動体を単一の駆
動源によって動作させることが可能となり、回転駆動装
置の構成を一層簡素化することができる。
【0173】また、駆動体支持手段を用いることで、両
駆動体の対向間隔を精度良く定め易くなると共に、生産
時に部品精度をチェックする工程を簡略にすることがで
きる。これらの結果、回転駆動装置の生産性が向上し、
さらなるコストダウンを図ることができる。
【0174】さらに、請求項の駆動体付勢手段が、回
転駆動装置の停止時に、例えば第1の駆動体を外周部に
押圧するとすれば、第2の駆動体は駆動体支持手段によ
って外周部から離間した状態に保持される。この後、回
転駆動装置が起動されると、第1の駆動体が外周部から
離間し、逆に第2の駆動体が外周部に接触する動作を円
滑にスタートさせることができる。したがって、請求項
2の構成によれば、初期状態から即座に回転駆動装置を
起動させ、回転力を発生させることができる。
【0175】さらに、例えば光ディスク記録/再生装置
が備える光ピックアップのスライド送りの駆動力にこの
回転力を利用すれば、スライド送り動作を速やかに立ち
上げることができ、トラッキング制御およびスライド送
り制御が容易になるという種々の効果を合わせて奏す
る。
【0176】請求項の発明に係る回転駆動装置は、以
上のように、請求項1の構成に加え、上記駆動体作動手
段は、第1の駆動体に連結された磁性体と、通電によっ
て磁性体を引きつける磁力を発生する第1および第2の
ソレノイドとを備え、上記当接位置を頂点として上記2
方向のなす角を頂角とする二等辺三角形を考えるとき、
上記磁性体と各ソレノイドとの間で相互に磁性力を及ぼ
し合う磁性体の作用点が、上記二等辺三角形の頂角の頂
点近傍に配されると共に、各ソレノイドの作用点が、上
記二等辺三角形の各底角の頂点近傍に配されていること
を特徴としている。
【0177】それゆえ、駆動体作動手段として磁性体と
ソレノイドとを組み合わせた安価なシステムによって、
第1の駆動体を外周部に対して二等辺三角形を描く移動
線に沿って離接させ、回転出力を得ることができる。
【0178】請求項の発明に係る回転駆動装置は、以
上のように、請求項の構成に加えて、上記磁性体の磁
化方向および各ソレノイドの軸方向が回転体の軸方向に
垂直であり、かつ磁性体および各ソレノイドの3つの作
用点を含む仮想平面が、上記回転体の軸方向に垂直をな
す構成である。
【0179】それゆえ、磁性体の中心と各ソレノイドの
軸とを結ぶ対向方向に大きな成分を持つ磁気引力が発生
する。したがって、第1の駆動体を回転体に対して効率
良く離間させることができ、ソレノイドを構成するコイ
ル線の巻き数や、コイル線に流す電流や、あるいは磁性
体の残留磁束密度を低減させることができ、回転駆動装
置の製造コストおよび消費電力を下げることができる。
【0180】また、磁気引力は回転体の軸方向に垂直に
発生し、回転体の軸方向に平行な分力を持たないので、
各ソレノイドに対する通電をOFFにした初期状態への
復帰を容易にすることができるという効果を併せて奏す
る。
【0181】請求項の発明に係る回転駆動装置は、上
記の課題を解決するために、請求項の構成に加えて、
上記駆動体作動手段は、さらに、上記第1のソレノイド
の通電および停止、第2のソレノイドの通電および停止
をこの順に、あるいは第2のソレノイドの通電および停
止、第1のソレノイドの通電および停止をこの順に繰り
返す通電制御手段を備えている構成である。
【0182】それゆえ、各ソレノイドに対する通電と停
止の簡単なタイミング制御のみで、回転体の回転方向、
すなわち回転駆動力の方向を自在に変えることができる
という効果を奏する。
【0183】請求項の発明に係る回転駆動装置は、以
上のように、請求項の構成に加えて、上記通電制御手
段は、上記第1のソレノイドに第1のパルス列電圧を印
加する第1パルス発生手段と、上記第2のソレノイドに
第2のパルス列電圧を印加する第2パルス発生手段と、
第1のソレノイドの通電および停止、第2のソレノイド
の通電および停止がこの順に繰り返されるように、ある
いは第2のソレノイドの通電および停止、第1のソレノ
イドの通電および停止がこの順に繰り返されるように、
第1のパルス列電圧および第2のパルス列電圧のタイミ
ングを制御するパルス制御手段とを備えている構成であ
る。
【0184】それゆえ、パルス列電圧の周期および1つ
1つのパルスの幅は、回転体の回転速度と相関性を持
ち、また、パルス列電圧の大きさは、第1の駆動体が回
転体を回転させる当接力の大きさや回転体の回転速度と
相関性を持っているので、最適なパルス波形を回路的に
選択することにより、所望の回転駆動力および回転速度
を容易に設定することができるという効果を奏する。
【0185】請求項の発明に係る回転駆動装置は、上
記の課題を解決するために、請求項の構成に加えて、
上記通電制御手段は、さらに、第1および第2のパルス
列電圧のパルス周期を変化させるパルス周期可変手段を
備えている構成である。
【0186】それゆえ、回転駆動装置にパルス周期可変
手段を予め組み込んでおくことによって、パルス周期可
変手段を介してパルス列電圧の周期を自由に変更し、用
途に応じた多段階の回転速度が得られる回転駆動装置を
提供することができるという効果を奏する。
【0187】請求項の発明に係る情報処理装置は、以
上のように、記録媒体の記録面に平行に移動しながら、
記録媒体の記録トラックに対して情報を読み書きする記
録再生用ヘッド手段を備えた情報処理装置において、上
記記録再生用ヘッド手段を記録媒体の記録面に平行に移
動させる送り機構が、請求項1ないしのいずれか1項
に記載の回転駆動装置と、その回転駆動装置が有する上
記回転体の回転を記録再生用ヘッド手段の移動に変換す
る伝達手段とを備えている構成である。
【0188】それゆえ、記録再生用ヘッド手段の平行移
動の駆動力源に、請求項1ないしのいずれか1項に記
載の回転駆動装置を用いることによって、第1の駆動体
が作動した直後から、回転体の微小回転が得られるの
で、伝達手段を介して速やかに記録再生用ヘッド手段を
微小量ずつ平行移動させることができる。
【0189】しかも、請求項1ないしのいずれか1項
に記載の回転駆動装置は、特別な減速機構を備えていな
いことにより、ガタの問題や摺動摩擦の問題が回避され
るので、起動時から安定した平行移動が可能となる。こ
の結果、サーボ回路の負担も軽減される。その上、回転
駆動装置を従来より安価に作製できるので、情報処理装
置のコストダウンを図ることもできるという効果を併せ
て奏する。
【0190】請求項の発明に係る情報処理装置は、以
上のように、請求項に記載の構成に加えて、記録媒体
に形成された同心円状または螺旋状の記録トラックに光
ビームを集光する対物レンズが、上記記録再生用ヘッド
手段に設けられ、光ビームの集光スポットを記録トラッ
クに追従させるトラッキング制御中における対物レンズ
の光軸の変位量が所定量を上回ったときに、光軸が記録
面にほぼ垂直をなす位置まで記録再生用ヘッド手段を所
定距離移動させるスライド制御手段を備え、上記回転体
の外周部を歯形形状に形成する場合、回転体が歯形形状
の1歯分回転することに伴う記録再生用ヘッド手段の移
動量を、上記所定距離以下に設定した構成である。
【0191】それゆえ、回転体の1歯分回転に伴う記録
再生用ヘッド手段の移動量を、スライド制御手段によっ
て移動させられる記録再生用ヘッド手段の所定距離より
小さく設定しておくことによって、対物レンズの光軸の
振れ幅を小さくし、安定したトラッキング制御を行うこ
とができる。
【0192】また、回転体の1歯分回転に伴う記録再生
用ヘッド手段の移動量を上記所定距離に等しく設定する
と、本発明に係る回転駆動装置では、微小な移動量が得
られるので、対物レンズの光軸の変位が小さい内に、光
軸の変位を補正することができる。すなわち、光軸が記
録面にほぼ垂直をなす状態に保たれたより理想的な状態
で、記録再生用ヘッド手段に再生動作を行わせることが
できる。
【0193】さらに、対物レンズの光軸の変位が小さい
内に、光軸の変位を補正することにより、対物レンズの
可動範囲の上下限のぎりぎりまでを使い、パワー的にも
限界に近いトラッキングサーボを行わなくて済むため、
トラッキングサーボに余裕ができる。この結果、外乱に
よる対物レンズのオフセンターを吸収しやすくなり、実
再生上の耐振動性能を向上させることができるという効
果を併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、本発明に係る回転駆動装置の一構成
例を示す平面図、(b)は、上記回転駆動装置を(a)
の直線Aで切って示す縦断面図である。
【図2】(a)は、図1の回転駆動装置を構成する駆動
体ホルダを示す平面図、(b)は、(a)のC−C線矢
視断面図である。
【図3】駆動体ホルダに固定された磁性体と、メインシ
ャーシに固定された第1のコイルASSYとの配置関係
を示す断面図である。
【図4】上記駆動体ホルダに対して加わるバネ引力およ
び磁気引力の作用を示す説明図である。
【図5】上記駆動体ホルダの移動と、駆動体ホルダによ
って駆動される回転体の回転との関係を示す説明図であ
る。
【図6】第1のコイルASSYおよび第2のコイルAS
SYに印加される駆動パルスと、回転駆動装置を起動す
るためのPIC移動制御信号とを示す波形図である。
【図7】上記回転体を停止状態に拘束するための駆動体
ホルダの初期位置を示す説明図である。
【図8】上記回転体の回転がスタートするSTEP1の
状態における駆動体ホルダと駆動ギヤとの位置関係を示
す説明図である。
【図9】上記STEP1の後半の状態における駆動体ホ
ルダと駆動ギヤとの位置関係を示す説明図である。
【図10】上記駆動体ホルダが第1のコイルASSYの
方へ最大変位したSTEP2の開始状態における駆動体
ホルダと駆動ギヤとの位置関係を示す説明図である。
【図11】上記駆動体ホルダが第2のコイルASSYの
方へ最大変位したSTEP2の後半の状態における駆動
体ホルダと駆動ギヤとの位置関係を示す説明図である。
【図12】上記駆動体ホルダが初期位置に復帰するとき
に、駆動ギヤに当接力を与えるSTEP3の開始状態に
おける駆動体ホルダと駆動ギヤとの位置関係を示す説明
図である。
【図13】上記STEP3の後半の状態における駆動体
ホルダと駆動ギヤとの位置関係を示す説明図である。
【図14】上記駆動体ホルダが初期位置に復帰し、駆動
ギヤが1歯分回転したときの駆動体ホルダと駆動ギヤと
の位置関係を示す説明図である。
【図15】上記駆動体ホルダと一体化された第1の駆動
体の歯先が、駆動ギヤとの当接位置から離間する様子を
示す説明図である。
【図16】(a)は、本発明に係る回転駆動装置の他の
構成例を示す平面図、(b)は、上記回転駆動装置をそ
の回転軸で切って示す縦断面図である。
【図17】(a)は、本発明に係る回転駆動装置を駆動
源として用いた光ディスク記録/再生装置の構成例を示
す平面図、(b)は、(a)の光ディスク記録/再生装
置の側面図である。
【図18】光ピックアップをスライド送りするための駆
動回路の構成を示すブロック図である。
【図19】所定量のトラッキング誤差が発生したとき
に、光ピックアップをスライド送りさせる制御手順を示
すフローチャートである。
【図20】(a)は、従来の光ディスク記録/再生装置
において、光ピックアップのスライド送り制御をOFF
にし、トラッキングサーボのみをONにした場合におけ
る対物レンズ変位量の時間変化を示すグラフ、(b)は
本発明に係る光ディスク記録/再生装置において、スラ
イド送り制御とトラッキングサーボとの双方をONにし
た場合における対物レンズ変位量の時間変化を示すグラ
フある。
【図21】従来のスライド送り制御を行う駆動回路の構
成を示すブロック図である。
【図22】(a)は、従来の光ディスク記録/再生装置
において、光ピックアップをスライド送りする構成を示
す平面図、(b)は同正面図、(c)は同側面図であ
る。
【符号の説明】
1 回転体 1a 駆動ギヤ(外周部および回転体) 1b ピニオン(送り機構、伝達手段) 2 駆動体ホルダ(駆動体支持手段) 3 第1の駆動体 3a 歯(突部) 4 第2の駆動体 4a 歯(突部) 5 磁性体(回転制御手段、駆動体作動手段) 6 第1のコイルASSY(回転制御手段、駆動体作
動手段、第1のソレノイド) 7 第2のコイルASSY(回転制御手段、駆動体作
動手段、第2のソレノイド) 8 スプリング(回転制御手段、駆動体付勢手段) 10 支軸(回転軸) 32 光ディスク(記録媒体) 33 光ピックアップ;PIC(記録再生用ヘッド手
段) 34 ガイド軸(送り機構) 35 ラック(送り機構、伝達手段) 36 トラッキング誤差信号検出回路(スライド制御
手段) 37a 正極性基準誤差信号電圧発生回路(スライド制
御手段) 37b 負極性基準誤差信号電圧発生回路(スライド制
御手段) 38a 比較増幅器(スライド制御手段) 38b 比較増幅器(スライド制御手段) 40 トリガパルス生成回路(スライド制御手段) 41 極性判別回路(通電制御手段、パルス制御手
段) 42 発振回路(回転制御手段、通電制御手段、第1
パルス発生手段、第2パルス発生手段、パルス制御手
段) 43 周波数切換回路(パルス周期可変手段) 44 スイッチ回路(通電制御手段、パルス制御手
段) 46 遅延回路(回転制御手段、通電制御手段、第2
パルス発生手段、パルス制御手段)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02K 33/02 G11B 7/09

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】円周に沿った形状の外周部を備え、上記円
    周の中心に回転軸が配された回転体と、 上記外周部に対する離接を交互に繰り返し、離接時に上
    記外周部との間に当接力を発生させ、上記回転体を一定
    の向きに回転させる第1の駆動体と、 上記外周部に対する離接を交互に繰り返し、第1の駆動
    体が外周部から離間している間に外周部に接触し、回転
    体の回転を一時的に抑止する第2の駆動体と、 上記第1および第2の駆動体の外周部に対する離接の周
    期を一定に制御することによって、上記回転体を一定速
    度で回転させる回転制御手段とを備え、 上記外周部の全周が、複数の歯列を有する歯形形状に形
    成され、上記第1および第2の駆動体に上記歯形形状に
    係合する突部が形成され、 上記回転制御手段は、上記第1の駆動体を外周部に押圧
    する方向へ付勢する駆動体付勢手段と、第1の駆動体と
    外周部との当接位置と上記円周の中心とを結ぶ直線に対
    して、上記当接位置から外周部の外側へ対称的に開く2
    方向へ向かう2力を、第1の駆動体に選択的に作用させ
    る駆動体作動手段とを備えていることを特徴とする回転
    駆動装置。
  2. 【請求項2】上記第1および第2の駆動体が上記回転体
    を挟んで互いに対向するように、上記第1および第2の
    駆動体を一体的に支持する駆動体支持手段を設けたこと
    を特徴とする請求項1に記載の回転駆動装置。
  3. 【請求項3】上記駆動体作動手段は、第1の駆動体に連
    結された磁性体と、通電によって磁性体を引きつける磁
    力を発生する第1および第2のソレノイドとを備え、上
    記当接位置を頂点として上記2方向のなす角を頂角とす
    る二等辺三角形を考えるとき、上記磁性体と各ソレノイ
    ドとの間で相互に磁性力を及ぼし合う磁性体の作用点
    が、上記二等辺三角形の頂角の頂点近傍に配されると共
    に、各ソレノイドの作用 点が、上記二等辺三角形の各底
    角の頂点近傍に配されていることを特徴とする請求項1
    に記載の回転駆動装置。
  4. 【請求項4】上記磁性体の磁化方向および各ソレノイド
    の軸方向が回転体の軸方向に垂直であり、かつ磁性体お
    よび各ソレノイドの3つの作用点を含む仮想平面が、上
    記回転体の軸方向に垂直であることを特徴とする請求項
    に記載の回転駆動装置。
  5. 【請求項5】上記駆動体作動手段は、さらに、上記第1
    のソレノイドの通電および停止、第2のソレノイドの通
    電および停止をこの順に、あるいは第2のソレノイドの
    通電および停止、第1のソレノイドの通電および停止を
    この順に繰り返す通電制御手段を備えていることを特徴
    とする請求項に記載の回転駆動装置。
  6. 【請求項6】上記通電制御手段は、 上記第1のソレノイドに第1のパルス列電圧を印加する
    第1パルス発生手段と、 上記第2のソレノイドに第2のパルス列電圧を印加する
    第2パルス発生手段と、 第1のソレノイドの通電および停止、第2のソレノイド
    の通電および停止がこの順に繰り返されるように、ある
    いは第2のソレノイドの通電および停止、第1のソレノ
    イドの通電および停止がこの順に繰り返されるように、
    第1のパルス列電圧および第2のパルス列電圧のタイミ
    ングを制御するパルス制御手段と を備えていることを特
    徴とする請求項に記載の回転駆動装置。
  7. 【請求項7】上記通電制御手段は、さらに、第1および
    第2のパルス列電圧のパルス周期を変化させるパルス周
    期可変手段を備えていることを特徴とする請求項6に記
    載の回転駆動装置。
  8. 【請求項8】記録媒体の記録面に平行に移動しながら、
    記録媒体の記録トラックに対して情報を読み書きする記
    録再生用ヘッド手段を備えた情報処理装置において、 上記記録再生用ヘッド手段を記録媒体の記録面に平行に
    移動させる送り機構が、請求項1ないし7のいずれか1
    項に記載の回転駆動装置と、その回転駆動装置が有する
    上記回転体の回転を記録再生用ヘッド手段の移動に変換
    する伝達手段と を備えていることを特徴とする情報処理
    装置
  9. 【請求項9】記録媒体に形成された同心円状または螺旋
    状の記録トラックに光ビームを集光する対物レンズが、
    上記記録再生用ヘッド手段に設けられ、 光ビームの集光スポットを記録トラックに追従させるト
    ラッキング制御中における対物レンズの光軸の変位量が
    所定量を上回ったときに、光軸が記録面にほぼ垂直をな
    す位置まで記録再生用ヘッド手段を所定距離移動させる
    スライド制御手段を備え、 上記回転体の外周部を歯形形状に形成する場合、回転体
    が歯形形状の1歯分回転することに伴う記録再生用ヘッ
    ド手段の移動量を、上記所定距離以下に設定した ことを
    特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
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