JP2004139656A - 光ディスク装置およびステッピングモータの駆動方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】光ディスク装置の性能(再生性能やトラックサーチ性能)を向上させる。装置の消費電力を低減する。
【解決手段】光ディスクを再生する場合、コントロールマイコンは、トラバース信号がステッピングモータの1ステップ分変化したか否かを検出し(S1)、変化している場合には、ステッピングモータが1ステップ分移動できうる電圧(規定値)よりも数分の1の電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバに出力する(S2)。コントロールマイコンは、トラバース信号がステッピングモータの1ステップ分だけ移動したか否かを確認し(S4)、移動していない場合には、移動するまで、前回、2−CH電圧電流変換ドライバに出力した電圧よりも少しだけ増加した電圧信号を、再度、2−CH電圧電流変換ドライバに出力する(S5)。
【選択図】 図1
【解決手段】光ディスクを再生する場合、コントロールマイコンは、トラバース信号がステッピングモータの1ステップ分変化したか否かを検出し(S1)、変化している場合には、ステッピングモータが1ステップ分移動できうる電圧(規定値)よりも数分の1の電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバに出力する(S2)。コントロールマイコンは、トラバース信号がステッピングモータの1ステップ分だけ移動したか否かを確認し(S4)、移動していない場合には、移動するまで、前回、2−CH電圧電流変換ドライバに出力した電圧よりも少しだけ増加した電圧信号を、再度、2−CH電圧電流変換ドライバに出力する(S5)。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ビームの照射により、光ディスクに対して情報を記録または再生する光ディスク装置と、その光ディスク装置に直接用いられるステッピングモータの駆動方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光ディスク装置において、光ディスクに対して情報を記録または再生するための光ピックアップを光ディスクの半径方向に移動させる手段として、ステッピングモータ(スレッドモータ)が使用されている(例えば、特許文献1参照)。図2は、本発明の光ディスク装置の概略の構成を示す説明図であるが、この図を用いて説明するならば、従来の光ディスク装置は、ステッピングモータ5が、スクリューガイド6を介して、光ピックアップ3をガイド棒7に沿って光ディスク2の半径方向に移動させるようになっている。
【0003】
上記のステッピングモータ5は、図9に示すように、回転子21(永久磁石)と、固定子22(A相電磁石)と、固定子23(B相電磁石)とで構成されている。図2に示すコントロールマイコン11からの電圧信号に基づいて、2−CH電圧電流変換ドライバ12が、ステッピングモータ5の固定子22および固定子23に、例えば図10に示す1−2相励磁波形の電流をそれぞれ供給することにより、回転子21が回転する。これにより、光ピックアップ3が光ディスク2の半径方向に移動される。
【0004】
なお、上記の1−2相励磁波形の電流でステッピングモータ5を駆動する場合が多いが、光ピックアップ3にて発生する振動および対物レンズ4の加速度を低減させるために、図11に示すマイクロステップ波形の電流でステッピングモータ5を駆動する場合もある。なお、図11のマイクロステップ波形は、図10の1−2相励磁波形の移動角を1/8に細分化したものである。
【0005】
ここで、ステッピングモータ5の従来の駆動方法の一例について、図12および図13のフローチャートに基づいて説明する。
【0006】
光ディスク2を再生する場合、図12に示すように、コントロールマイコン11は、サーボプロセッサ9を介して入力されるRFアンプ8からのトラバース信号をA/D(アナログ/デジタル変換)入力端子にて取り込み、トラバース信号が一定レベル(ステッピングモータ5の1ステップ駆動分に相当する電圧レベル)以上であるか否か、すなわち、トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ駆動分(以下、単に1ステップ分と称する)だけ変化したか否かを検出する(S101)。なお、上記のトラバース信号とは、トラッキングエラー信号に基づいて生成される信号であり、詳しくは、トラッキングエラー信号より生成されるトラッキングコイル供給信号の低域成分より生成される信号である。
【0007】
上記トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化している場合には、コントロールマイコン11は、対物レンズ4の中心が光ピックアップ3より照射される光ビーム(レーザ光)の光軸と同一線上になるように、トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化するような当初規定の電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給する(S102)。2−CH電圧電流変換ドライバ12は、上記電圧信号を電流に変換後、当該電流をステッピングモータ5に供給する(S103)。これにより、ステッピングモータ5が1ステップ分だけ駆動される(S104)。以下、S101〜S104のステップが繰り返されることで、ステッピングモータ5が駆動される。
【0008】
一方、光ディスク2のトラックサーチの場合は、上記のS102〜S104と同様の動作が行われる。すなわち、図13に示すように、コントロールマイコン11は、トラッキングエラー信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化するような当初規定の電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給する(S201)。2−CH電圧電流変換ドライバ12は、上記電圧信号を電流に変換後、当該電流をステッピングモータ5に供給する(S202)。これにより、ステッピングモータ5が1ステップ分だけ駆動される(S203)。以下、S201〜S203のステップが繰り返されることで、ステッピングモータ5が駆動される。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−251269号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図10に示す1−2相励磁波形の電流でステッピングモータ5を駆動する場合、ステッピングモータ5に供給する電流をステッピングモータ5の1ステップ分変化させると、固定子21は45°回転し、次の1ステップ分の電流変化によっても、固定子21は45°回転する。つまり、ステッピングモータ5の1ステップ分の電流変化によるステッピングモータ5の回転角は、各ステップ間で同一であり、電流を変化させる速度を変えることにより、ステッピングモータ5の回転速度を制御することができる。
【0011】
しかし、ステッピングモータ5を回転させるトルクに関しては、加える電流の大きさの関数で示されるため、電流値を大きくするとトルクが大きくなる。また、トルクは変移の関数でもあるため、電流値を大きくしてトルクが大きくなると、加速度もそれにつれて大きくなり、光ピックアップ3にて発生する振動も大きくなる。なお、この点は、マイクロステップ波形の電流でステッピングモータ5を駆動する場合も同様である。
【0012】
一方、光ディスク装置においては、スクリューガイド6と光ピックアップ3との間で負荷バラツキがあり、また、ガイド棒7と光ピックアップ3との間でも負荷バラツキがある。また、ステッピングモータ5にはトルクバラツキがあり、2−CH電圧電流変換ドライバ12には電圧電流変換の際のバラツキがある。
【0013】
したがって、上記負荷が小さく、上記トルクが大きい場合は、対物レンズ4の加速度が増加すると共に、光ピックアップ3にて発生する振動が大きくなり、再生性能およびトラックサーチ性能が悪化する。
【0014】
一方、上記負荷が大きく、上記トルクが小さい場合は、ステッピングモータ5を駆動することができず、1−2相励磁波形の電流を用いた場合は、光ピックアップ3を移動させることができない現象が発生する。一方、マイクロステップ波形の電流を用いた場合は、2ステップ分の電流を加えることになり、対物レンズ4の加速度が増加すると共に、光ピックアップ3にて発生する振動が大きくなり、再生性能およびトラックサーチ性能が悪化する。
【0015】
このため、従来では、装置の負荷バラツキも考慮してステッピングモータ5を確実に駆動するために、ステッピングモータ5を1ステップ分駆動し得る最小の駆動電流よりも大きな駆動電流で、ステッピングモータ5を駆動していた。つまり、上記最小の駆動電流よりも大きな駆動電流を、当初規定の1ステップ分の駆動電流に設定するとともに、この駆動電流に対応する駆動電圧を当初規定の駆動電圧(電圧信号)に設定し、このような当初規定の駆動電流(駆動電圧)でステッピングモータ5を駆動していた。その結果、駆動電流の増大に伴うステッピングモータ5のトルクの増大により、上述したように装置の性能(再生性能やトラッキング性能)が悪化するとともに、装置の消費電力が増大するという問題が生じていた。
【0016】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、簡単な構成で装置の性能(再生性能やトラックサーチ性能)を向上させることができるとともに、装置の消費電力を低減することができる光ディスク装置と、その光ディスク装置に用いられるステッピングモータの駆動方法とを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、光ディスクの再生中において、制御手段により、ステッピングモータを1ステップ分変化させる規定値よりも小さいレベルの電圧信号が駆動手段に供給され、信号生成手段から出力されるトラバース信号がステッピングモータの1ステップ分変化していない場合には、トラバース信号がステッピングモータの1ステップ分変化するまで、前に駆動手段に供給した電圧信号よりも大きなレベルの電圧信号が駆動手段に供給される。つまり、トラバース信号がステッピングモータの1ステップ分変化するまで、駆動手段に供給される電圧信号の電圧レベルが徐々に増大される。
【0018】
また、本発明によれば、光ディスクのトラックサーチ中において、制御手段により、ステッピングモータを1ステップ分変化させる規定値よりも小さいレベルの電圧信号が駆動手段に供給され、信号生成手段から出力されるトラッキングエラー信号がステッピングモータの1ステップ分変化していない場合には、トラッキングエラー信号がステッピングモータの1ステップ分変化するまで、前に駆動手段に供給した電圧信号よりも大きなレベルの電圧信号が駆動手段に供給される。つまり、トラッキングエラー信号がステッピングモータの1ステップ分変化するまで、駆動手段に供給される電圧信号の電圧レベルが徐々に増大される。
【0019】
このような制御手段の処理により、上記各規定値が、ステッピングモータを1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧レベル以上に設定されている場合でも、ステッピングモータを1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧レベル、もしくは上記規定値よりも上記必要最小限の電圧レベルに近い電圧レベルを検出して、そのような電圧レベルの信号を駆動手段に供給することができる。
【0020】
したがって、光ディスクの再生中またはトラックサーチ中に、駆動手段が、制御手段の検出した上記電圧レベルの信号に対応する電流をステッピングモータに供給し、ステッピングモータを駆動したときには、必要最小限の電流でステッピングモータが1ステップ分駆動されることになる。これにより、上記規定値そのものに基づいてステッピングモータを駆動する従来に比べて、光ディスクの再生時またはトラックサーチ時におけるステッピングモータのトルクの増大を抑制することができる。その結果、光ピックアップの振動を抑制して、装置の性能(再生性能またはトラッキング性能)を向上させることができる。しかも、ステッピングモータに供給する電流値を従来より低減しても、ステッピングモータを駆動することができるので、装置の消費電力を低減することができる。
【0021】
なお、本発明のステッピングモータの駆動方法は、電圧レベルの増大によって上記トラバース信号が最初に上記ステッピングモータの1ステップ分変化したときの上記駆動手段に供給した電圧信号を記憶手段に記憶する工程と、その後、上記トラバース信号が上記ステッピングモータの1ステップ分変化した場合には、上記記憶した電圧信号を駆動手段に供給する工程とをさらに有していると言うこともできる。
【0022】
なお、本発明のステッピングモータの駆動方法は、電圧レベルの増大によって上記トラッキングエラー信号が最初に上記ステッピングモータの1ステップ分変化したときの上記駆動手段に供給した電圧信号を記憶手段に記憶する工程と、その後、上記トラッキングエラー信号が上記ステッピングモータの1ステップ分変化した場合には、上記記憶した電圧信号を駆動手段に供給する工程とを有していると言うこともできる。
【0023】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。図2は、本発明に係るステッピングモータの駆動方法の実施に直接使用される、情報記録再生装置としての光ディスク装置の概略の構成を示す説明図である。
【0024】
本発明の光ディスク装置は、スピンドルモータ1、光ピックアップ3、対物レンズ4、ステッピングモータ5、スクリューガイド6、ガイド棒7、RFアンプ8(信号生成手段)、サーボプロセッサ9、トラッキング・フォーカスドライバ10、コントロールマイコン11(制御手段)、2−CH電圧電流変換ドライバ12(駆動手段)、スピンドルモータドライバ13、復調回路14、信号処理回路15およびデータ出力回路16を備えている。
【0025】
スピンドルモータ1は、例えばDVDやCDなどの光ディスク2を所定の速度で回転させる。光ピックアップ3は、内蔵するレーザダイオード(光源)から光ディスク2にレーザ光(光ビーム)を照射するとともに、光ディスク2からの反射光を信号検出器(図示しない)にて受光し、受光量に応じた検出信号をRFアンプ8に出力する。対物レンズ4は、上記レーザダイオードから出射されるレーザ光をディスク面に合焦させる。
【0026】
ステッピングモータ5は、スクリューガイド6を介して、光ピックアップ3をガイド棒7に沿って光ディスク2の半径方向に移動させるものであり、スレッドモータとも呼ばれる。なお、このステッピングモータ5の構成は、図9で示したものと全く同様である。スクリューガイド6は、ステッピングモータ5の回転軸と同軸で設けられた丸棒であり、その表面には、光ピックアップ3を光ディスク2の半径方向に移動させるためのネジ溝が設けられている。ガイド棒7は、光ディスク2の半径方向への光ピックアップ3の移動を案内するものである。
【0027】
RFアンプ8は、光ピックアップ3の(信号検出器からの)出力に基づいて、光ディスク2に記録されている情報の再生信号(RF信号)とトラッキングエラー信号とフォーカスエラー信号とを生成するとともに、上記トラッキングエラー信号に基づいてトラバース信号を生成し、これらの信号をサーボプロセッサ9に出力する。
【0028】
ここで、図3は、上記トラバース信号の波形を示しており、図4は、上記トラッキングエラー信号の波形を示している。上記トラバース信号とは、図4のトラッキングエラー信号に基づいて生成される信号であり、詳しくは、トラッキングエラー信号より生成されるトラッキングコイル供給信号の低域成分より生成される信号である。また、トラバース信号は、トラッキングエラー信号を、基準となるゼロレベルと比較して生成された信号であると言うこともできる。
【0029】
サーボプロセッサ9は、トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号に対して位相補償等の処理を加え、処理後の各信号をトラッキング・フォーカスドライバ10に供給する。また、サーボプロセッサ9は、スピンドルモータ1の駆動をコントロールするための制御信号をスピンドルモータドライバ13に供給する。
【0030】
トラッキング・フォーカスドライバ10は、サーボプロセッサ9から供給される信号に基づいてトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを行い、光ピックアップ3および対物レンズ4を所定の位置に移動させる。
【0031】
コントロールマイコン11は、RFアンプ8からサーボプロセッサ9を介して入力されるトラバース信号に基づいて、ステッピングモータ5を駆動するための電圧信号を生成し、それを2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給する。また、コントロールマイコン11は、直前に2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給した電圧信号を記憶するRAM11a(記憶手段)を備えている。なお、このRAM11aに記憶した電圧信号を用いてステッピングモータ5を駆動する手法については、後述の実施の形態2で説明する。
【0032】
2−CH電圧電流変換ドライバ12は、コントロールマイコン11から供給される上記電圧信号を電流に変換し、上記電圧信号に対応する電流としてステッピングモータ5に供給することにより、ステッピングモータ5を駆動する。スピンドルモータドライバ13は、コントロールマイコン11から供給される制御信号に基づいて、スピンドルモータ1を駆動する。
【0033】
復調回路14は、RFアンプ8からサーボプロセッサ9を介して供給される再生信号を復調する。信号処理回路15は、復調回路14から供給される信号に対して所定の処理(例えば、圧縮されているデータの伸長処理)を行い、処理後のデータをデータ出力回路15に出力する。また、信号処理回路15は、上記再生信号のエラーを訂正するためのエラー訂正信号をも生成する。データ出力回路16は、信号処理回路15から供給される信号を外部に出力する。このとき、データ出力回路16は、上記再生信号にエラーがあるときは、訂正した再生信号を出力する。
【0034】
次に、本実施形態におけるステッピングモータ5の駆動方法について、図1のフローチャートに基づいて説明する。
【0035】
光ディスク2を再生する場合、コントロールマイコン11は、サーボプロセッサ9から入力されるトラバース信号が一定レベル(ステッピングモータ5の1ステップ駆動分に相当する電圧レベル)以上であるか否か、すなわち、トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ駆動分(以下、単に1ステップ分と称する)変化したか否かを検出する(S1)。
【0036】
上記トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分だけ変化している場合には、コントロールマイコン11は、ステッピングモータ5が1ステップ分移動できうる電圧(規定値)よりも数分の1の電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力する(S2)。これにより、2−CH電圧電流変換ドライバ12からは、上記電圧信号に応じた電流がステッピングモータ5に供給される(S3)。
【0037】
続いて、コントロールマイコン11は、図3に示すように、トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分だけ移動したか否か(電圧が0であるか否か)を確認する(S4)。S4にて、トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分移動している場合は、S1に戻り、それ以降の動作が繰り返される。
【0038】
一方、S4にて、トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分移動していない場合は、コントロールマイコン11は、前回、2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力した電圧よりも少しだけ増加した電圧信号を、再度、2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力する(S5)。その後は、S3以降の動作が繰り返される。つまり、2−CH電圧電流変換ドライバ12からは、上記電圧信号に応じた電流がステッピングモータ5に供給され(S3)、トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分移動するまで、上記の電圧増加の処理が繰り返される。
【0039】
以上のように、本実施形態の光ディスク装置は、コントロールマイコン11が、光ディスク2の再生中において、(1)ステッピングモータ5を1ステップ分変化させる規定値よりも小さいレベルの電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給する第1の処理と、(2)RFアンプ8から出力されるトラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化していない場合には、上記トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化するまで、前に2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給した電圧信号よりも大きなレベルの電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給する第2の処理とを行う構成である。
【0040】
これにより、上記規定値が、ステッピングモータ5を1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧レベル以上に設定されている場合でも、ステッピングモータ5を1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧レベル、もしくは上記規定値よりも上記必要最小限の電圧レベルに近い電圧レベルを検出して、そのような電圧レベルの信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給することができる。
【0041】
したがって、光ディスク2の再生中に、2−CH電圧電流変換ドライバ12は、上記電圧レベルの信号に対応する必要最小限の電流で、ステッピングモータ5を駆動することができる。これにより、光ディスクの再生時におけるステッピングモータ5のトルクの増大を抑制することができる。その結果、光ピックアップ3の振動を抑制して、装置の性能(再生性能)を向上させることができる。
【0042】
しかも、ステッピングモータ5に供給する電流値を従来より低減しても、ステッピングモータ5を駆動することができるので、装置の消費電力を低減することができる。
【0043】
また、本実施形態のようなステッピングモータ5の駆動にあたり、他の構成要素(回路)を新たに必要としないので、簡単な構成で装置の性能の向上を実現することができる。
【0044】
なお、以上のような作用効果を奏する本実施形態の光ディスク装置は、以下のように表現することもできる。すなわち、本実施形態の光ディスク装置は、光源および光源からのビームをディスク面に合焦せしめる対物レンズ4を有する光ピックアップ3と、対物レンズ4によるビームスポットがスパイラルに形成されたトラックを追随せしめるものであってトラッキングエラー信号によってトラッキングを制御するトラッキングサーボ(トラッキング・フォーカスドライバ10)と、上記トラッキングサーボON時に発生する光源光軸と対物レンズ4の中心とのずれを補正させるステッピングモータ5と、ステッピングモータ5を駆動させる駆動回路(2−CH電圧電流変換ドライバ12)とからなる光ディスク装置において、光ディスク2の再生中に、上記駆動回路によりステッピングモータ5への印加電流を除々に増大せしめ、上記トラッキングエラー信号から生成されるトラバース信号の変動によってワンステップ分駆動したことを確認し、ステッピングモータ5への印加電流を減少せしめた後、再度印加電圧を除々に増大せしめることの繰り返しを行う制御を行う制御手段(コントロールマイコン11)をさらに備えている構成である。
【0045】
ところで、トラバース信号の移動を確認しながら光ピックアップ3を移動させると時間がかかり、光ピックアップ3の対物レンズ4の中心と光ピックアップ3より照射されるレーザ光の光軸とのずれが大きくなり、再生性能が悪化することが懸念されるが、以下の理由により、そのような再生性能の悪化はないと考えられる。
【0046】
通常、ステッピングモータ5は、ステッピングモータ5の1ステップで光ピックアップ3が移動する距離が約10μmとなり、回転速度が1秒間に200ステップ(1ステップ5m秒)程度となるように設計されている。
【0047】
したがって、光ディスク2としてDVDを再生する場合、DVDのトラックピッチを0.74μmとすると、DVDは、ステッピングモータ5の1ステップの間に、10/0.74≒13.5回転する。一方、光ディスク2としてCDを再生する場合、CDのトラックピッチを1.6μmとすると、CDは、ステッピングモータ5の1ステップの間に、10/1.6=6.25回転する。
【0048】
一方、DVDは、1秒間あたり約24回転(1回転あたり42m秒で回転)〜1秒間あたり12回転(1回転あたり83m秒で回転)し、CDは、1秒間あたり約8回転(1回転あたり125m秒で回転)〜1秒間あたり4回転(1回転あたり250m秒で回転)する。
【0049】
このことから、通常、ステッピングモータ5を1ステップ移動させるときのDVDおよびCDの再生時間は、以下のように計算される。
【0050】
これらの時間は、ステッピングモータ5の1ステップ移動時間である5m秒に対して十分に大きいため、上述した本実施形態の手法でステッピングモータ5を駆動しても、再生性能が悪化することはない。
【0051】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、実施の形態1で示した構成と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0052】
図5は、本実施形態におけるステッピングモータ5の駆動方法による、光ディスク2の再生時の処理の流れを示すフローチャートである。以下、このフローチャートに基づいて、本実施形態におけるステッピングモータ5の駆動方法について説明する。なお、S1〜S5の各工程の内容は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
【0053】
S4にて、トラバース波形がステッピングモータ5の1ステップ分だけ移動している場合は(S4にてYes)、コントロールマイコン11は、そのとき2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力した電圧信号を、RAM11aに記憶し(S6)、次回からは、このRAM11aに記憶した電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力する。
【0054】
すなわち、コントロールマイコン11は、トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分だけ変化したか否かを検出し(S7)、上記トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分だけ変化している場合には、コントロールマイコン11は、RAM11aに記憶した電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力する(S8)。
【0055】
2−CH電圧電流変換ドライバ12から、上記電圧信号に応じた電流がステッピングモータ5に供給されると(S9)、ステッピングモータ5が1ステップ分駆動される(S10)。その後は、S7以降の動作が繰り返される。
【0056】
以上のように、本実施形態における光ディスク装置は、コントロールマイコン11が、実施の形態1で説明した第2の処理によってトラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化したときの2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給した電圧信号をRAM11a(記憶手段)に記憶し、その後、上記トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化した場合には、RAM11aに記憶した電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給する第3の処理を行う構成である。
【0057】
この構成では、トラバース信号をステッピングモータ5の1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧信号が、RAM11aに記憶されることになるので、次回からは、実施の形態1に示した第1の処理および第2の処理を一々繰り返さなくても、RAM11aに記憶した電圧信号を用いてステッピングモータ5を駆動し、光ディスク2を再生することが可能となる。
【0058】
なお、本実施形態の光ディスク装置は、以下のように表現することもできる。
すなわち、本実施形態の光ディスク装置は、コントロールマイコン11が、光ディスク2の再生中に、2−CH電圧電流変換ドライバ12によりステッピングモータ5への印加電流を除々に増大せしめ、上記トラッキングエラー信号から生成されるトラバース信号の変動によってワンステップ分駆動したことを確認し、その電流に対応する電圧信号をRAM11aに記憶し、光ディスク2の再生中に記憶した電圧信号に対応する電流をステッピングモータ5に供給することにより、ステッピングモータ5を駆動する制御を行う構成である。
【0059】
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、実施の形態1・2で示した構成と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0060】
図6は、本実施形態におけるステッピングモータ5の駆動方法による、光ディスク2の再生時の処理の流れを示すフローチャートである。以下、このフローチャートに基づいて、本実施形態におけるステッピングモータ5の駆動方法について説明する。なお、S1〜S10の各工程の内容は、実施の形態1・2と同様であるため、その説明を省略する。
【0061】
S10の後、コントロールマイコン11は、信号処理回路15から出力されるエラー訂正信号の増加を確認し、前回、ステッピングモータ5を1ステップ分駆動したときよりも、エラー訂正信号の増加量が多いか否かを判断する(S11)。S11にて、エラー訂正信号の増加量が多い場合は、S1に戻り、コントロールマイコン11から出力される1ステップ分の出力電圧を、再度、一から調整し直す。一方、S11にて、エラー訂正信号の増加量が多くなければ、S7以降の処理が繰り返される。
【0062】
以上のように、本実施形態では、コントロールマイコン11が、信号処理回路15から出力されるエラー訂正信号が、前にステッピングモータ5を1ステップ分変化させたときよりも増大している場合には、再度、実施の形態1の第1の処理および第2の処理と、実施の形態2の第3の処理とを行う構成である。これにより、光ディスク2の再生中における再生信号のエラーが減少するように、つまり、再生状況が最適値となるように、ステッピングモータ5に供給する電流を変動させることができる。その結果、装置の再生性能をさらに向上させることができる。
このことから、本実施形態の光ディスク装置は、実施の形態2の光ディスク装置において、コントロールマイコン11は、再生信号を復調するための信号処理回路15にて発生するエラー訂正信号により再生状況が最適値になるように、ステッピングモータ5への印加電流(2−CH電圧電流変換ドライバ12への印加電圧)を変動させる構成であるとも言える。
【0063】
〔実施の形態4〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、実施の形態1〜3で示した構成と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0064】
図7は、本実施形態におけるステッピングモータ5の駆動方法による、光ディスク2のトラックサーチ時の処理の流れを示すフローチャートである。以下、このフローチャートに基づいて、本実施形態におけるステッピングモータ5の駆動方法について説明する。
【0065】
光ディスク2のトラックサーチを行う場合、コントロールマイコン11は、ステッピングモータ5が1ステップ分移動できる電圧(規定値)よりも数分の1の電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力する(S21)。これにより、2−CH電圧電流変換ドライバ12からは、上記電圧信号に応じた電流がステッピングモータ5に供給される(S22)。
【0066】
続いて、コントロールマイコン11は、図4に示すトラッキングエラー信号が、ステッピングモータ5の1ステップ分変化したか否か(トラッキングエラーカウントがステッピングモータ5の1ステップ分変化したか否か)を確認する(S23)。
【0067】
このS23にて、トラッキングエラー信号が、ステッピングモータ5の1ステップ分変化していない場合は、コントロールマイコン11は、前回、2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力した電圧よりも少しだけ増加した電圧信号を再度2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力する(S24)。その後は、S22以降の動作が繰り返される。つまり、2−CH電圧電流変換ドライバ12からは、上記電圧信号に応じた電流がステッピングモータ5に供給され(S22)、トラッキングエラー信号がステッピングモータ5の1ステップ分移動するまで、上記の電圧増加の処理が繰り返される。
【0068】
一方、S23にて、トラッキングエラー信号が、ステッピングモータ5の1ステップ分変化している場合は、次に、コントロールマイコン11は、希望のステップ数になったか否かを判断する(S25)。S25にて、希望のステップ数でなければ、S21に戻り、それ以降の動作が繰り返される。一方、S25にて、希望のステップ数であれば、コントロールマイコン11は、トラックサーチを終了させる。
【0069】
以上のように、本実施形態の光ディスク装置は、コントロールマイコン11が、光ディスク2のトラックサーチ中において、(1)ステッピングモータ5を1ステップ分変化させる規定値よりも小さいレベルの電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給する第1の処理と、(2)RFアンプ8から出力されるトラッキングエラー信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化していない場合には、上記トラッキングエラー信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化するまで、前に2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給した電圧信号よりも大きなレベルの電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給する第2の処理とを行う構成である。
【0070】
これにより、上記規定値が、ステッピングモータ5を1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧レベル以上に設定されている場合でも、ステッピングモータ5を1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧レベル、もしくは上記規定値よりも上記必要最小限の電圧レベルに近い電圧レベルを検出して、そのような電圧レベルの信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給することができる。
【0071】
したがって、光ディスク2のトラックサーチ中に、2−CH電圧電流変換ドライバ12は、上記電圧レベルの信号に対応する必要最小限の電流で、ステッピングモータ5を駆動することができる。これにより、光ディスクのトラックサーチ中におけるステッピングモータ5のトルクの増大を抑制することができる。その結果、光ピックアップ3の振動を抑制して、装置の性能(トラッキング性能)を向上させることができる。
【0072】
しかも、ステッピングモータ5に供給する電流値を従来より低減しても、ステッピングモータ5を駆動することができるので、装置の消費電力を低減することができる。
【0073】
なお、以上のような作用効果を奏する本実施形態の光ディスク装置は、以下のように表現することもできる。すなわち、本実施形態の光ディスク装置は、コントロールマイコン11が、光ディスク2のトラックサーチ中に、2−CH電圧電流変換ドライバ12によりステッピングモータ5への印加電流を除々に増大せしめ、上記トラッキングエラー信号の変動によってワンステップ分駆動したことを確認し、2−CH電圧電流変換ドライバ12によるステッピングモータ5への印加電流を減少せしめた後、再度、2−CH電圧電流変換ドライバ12への印加電圧を除々に増大せしめることの繰り返しを行うように制御する構成である。
【0074】
なお、トラックサーチを行う場合も、再生中と同様に、必要に応じて各処理を確認しながら光ピックアップ3を移動させるため、時間がかかることが懸念される。しかし、通常、トラックサーチにはマイクロステップは使用しないことが多いため、再生中に比べ約8倍程度、1ステップの駆動距離が伸び、また、速度的にも1秒間に500〜1000ステップくらいでステッピングモータ5が回転するように設計されており、再生中と同様に問題はない。
【0075】
〔実施の形態5〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、実施の形態1〜4で示した構成と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0076】
図8は、本実施形態におけるステッピングモータ5の駆動方法による、光ディスク2のトラックサーチ時の処理の流れを示すフローチャートである。以下、このフローチャートに基づいて、本実施形態におけるステッピングモータ5の駆動方法について説明する。なお、S21〜S24の各工程の内容は、実施の形態4と同様であるため、その説明を省略する。
【0077】
S23にて、トラッキングエラー信号がステッピングモータ5の1ステップ分移動している場合は(S23にてYes)、コントロールマイコン11は、そのとき2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力した電圧信号を、RAM11aに記憶し(S25)、次回からは、このRAM11aに記憶した電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力する。
【0078】
すなわち、コントロールマイコン11は、トラッキングエラー信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化したか否かを検出し(S26)、上記トラッキングエラー信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化している場合には、コントロールマイコン11は、RAM11aに記憶した電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力する(S27)。
【0079】
2−CH電圧電流変換ドライバ12から、上記電圧信号に応じた電流がステッピングモータ5に供給されると(S28)、ステッピングモータ5が1ステップ分駆動される(S29)。そして、コントロールマイコン11は、希望のステップ数になったか否かを判断する(S30)。S30にて、希望のステップ数でなければ、S26に戻り、それ以降の動作が繰り返される。一方、S30にて、希望のステップ数であれば、コントロールマイコン11は、トラックサーチを終了させる。
【0080】
以上のように、本実施形態では、コントロールマイコン11が、実施の形態4の第2の処理によって上記トラッキングエラー信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化したときの2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給した電圧信号をRAM11aに記憶し、その後、上記トラッキングエラー信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化した場合には、RAM11aに記憶した電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給する第3の処理を行う構成である。
【0081】
この構成では、トラッキングエラー信号をステッピングモータ5の1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧信号が、RAM11aに記憶されることになるので、次回からは、実施の形態4で示した第1の処理および第2の処理を一々繰り返さなくても、RAM11aに記憶した電圧信号を用いてステッピングモータ5を駆動し、トラックサーチを行うことが可能となる。
【0082】
なお、本実施形態の光ディスク装置は、以下のように表現することもできる。
すなわち、本実施形態の光ディスク装置は、コントロールマイコン11が、光ディスク2のトラックサーチ中に、2−CH電圧電流変換ドライバ12によりステッピングモータ5への印加電流を除々に増大せしめ、上記トラッキングエラー信号の変動によってワンステップ分駆動したことを確認し、その電流に対応する電圧信号をRAM11aに記憶し、トラックサーチ中に記憶した電圧信号に対応する電流によりステッピングモータ5を駆動する制御を行う構成である。
【0083】
【発明の効果】
本発明の光ディスク装置およびステッピングモータの駆動方法によれば、ステッピングモータを1ステップ分変化させるための規定値が、ステッピングモータを1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧レベル以上に設定されている場合でも、制御手段の処理によって、ステッピングモータを1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧レベル、もしくは上記規定値よりも上記必要最小限の電圧レベルに近い電圧レベルを検出して、そのような電圧レベルの信号を駆動手段に供給することができる。
【0084】
したがって、光ディスクの再生中またはトラックサーチ中に、駆動手段が、制御手段の検出した上記電圧レベルの信号に対応する電流をステッピングモータに供給し、ステッピングモータを駆動したときには、必要最小限の電流でステッピングモータが1ステップ分駆動されることになる。これにより、上記規定値そのものに基づいてステッピングモータを駆動する従来に比べて、光ディスクの再生時またはトラックサーチ時におけるステッピングモータのトルクの増大を抑制することができる。その結果、光ピックアップの振動を抑制して、装置の性能(再生性能またはトラックサーチ性能)を向上させることができるという効果を奏する。
【0085】
しかも、ステッピングモータに供給する電流値を従来より低減しても、ステッピングモータを駆動することができるので、装置の消費電力を低減することができるという効果を併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るステッピングモータの駆動方法による、光ディスクの再生時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図2】上記ステッピングモータの駆動方法の実施に直接使用される光ディスク装置の概略の構成を示す説明図である。
【図3】上記光ディスク装置にて得られるトラバース信号の波形を示す説明図である。
【図4】上記光ディスク装置にて得られるトラッキングエラー信号の波形を示す説明図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係るステッピングモータの駆動方法による、光ディスクの再生時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態に係るステッピングモータの駆動方法による、光ディスクの再生時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態に係るステッピングモータの駆動方法による、光ディスクのトラックサーチ時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明のさらに他の実施の形態に係るステッピングモータの駆動方法による、光ディスクのトラックサーチ時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】従来の光ディスク装置のステッピングモータの概略の構成を示す説明図である。
【図10】上記ステッピングモータに供給される電流の一波形(1−2相励磁波形)を示す説明図である。
【図11】上記ステッピングモータに供給される電流の他の波形(マイクロステップ波形)を示す説明図である。
【図12】従来のステッピングモータの駆動方法による、光ディスクの再生時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】従来のステッピングモータの駆動方法による、光ディスクのトラックサーチ時の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 光ディスク
3 光ピックアップ
5 ステッピングモータ
8 RFアンプ(信号生成手段)
9 電圧印加回路(電圧印加手段)
11 コントロールマイコン(制御手段)
12 2−CH電圧電流変換ドライバ(駆動手段)
15 信号処理回路
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ビームの照射により、光ディスクに対して情報を記録または再生する光ディスク装置と、その光ディスク装置に直接用いられるステッピングモータの駆動方法とに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から、光ディスク装置において、光ディスクに対して情報を記録または再生するための光ピックアップを光ディスクの半径方向に移動させる手段として、ステッピングモータ(スレッドモータ)が使用されている(例えば、特許文献1参照)。図2は、本発明の光ディスク装置の概略の構成を示す説明図であるが、この図を用いて説明するならば、従来の光ディスク装置は、ステッピングモータ5が、スクリューガイド6を介して、光ピックアップ3をガイド棒7に沿って光ディスク2の半径方向に移動させるようになっている。
【0003】
上記のステッピングモータ5は、図9に示すように、回転子21(永久磁石)と、固定子22(A相電磁石)と、固定子23(B相電磁石)とで構成されている。図2に示すコントロールマイコン11からの電圧信号に基づいて、2−CH電圧電流変換ドライバ12が、ステッピングモータ5の固定子22および固定子23に、例えば図10に示す1−2相励磁波形の電流をそれぞれ供給することにより、回転子21が回転する。これにより、光ピックアップ3が光ディスク2の半径方向に移動される。
【0004】
なお、上記の1−2相励磁波形の電流でステッピングモータ5を駆動する場合が多いが、光ピックアップ3にて発生する振動および対物レンズ4の加速度を低減させるために、図11に示すマイクロステップ波形の電流でステッピングモータ5を駆動する場合もある。なお、図11のマイクロステップ波形は、図10の1−2相励磁波形の移動角を1/8に細分化したものである。
【0005】
ここで、ステッピングモータ5の従来の駆動方法の一例について、図12および図13のフローチャートに基づいて説明する。
【0006】
光ディスク2を再生する場合、図12に示すように、コントロールマイコン11は、サーボプロセッサ9を介して入力されるRFアンプ8からのトラバース信号をA/D(アナログ/デジタル変換)入力端子にて取り込み、トラバース信号が一定レベル(ステッピングモータ5の1ステップ駆動分に相当する電圧レベル)以上であるか否か、すなわち、トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ駆動分(以下、単に1ステップ分と称する)だけ変化したか否かを検出する(S101)。なお、上記のトラバース信号とは、トラッキングエラー信号に基づいて生成される信号であり、詳しくは、トラッキングエラー信号より生成されるトラッキングコイル供給信号の低域成分より生成される信号である。
【0007】
上記トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化している場合には、コントロールマイコン11は、対物レンズ4の中心が光ピックアップ3より照射される光ビーム(レーザ光)の光軸と同一線上になるように、トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化するような当初規定の電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給する(S102)。2−CH電圧電流変換ドライバ12は、上記電圧信号を電流に変換後、当該電流をステッピングモータ5に供給する(S103)。これにより、ステッピングモータ5が1ステップ分だけ駆動される(S104)。以下、S101〜S104のステップが繰り返されることで、ステッピングモータ5が駆動される。
【0008】
一方、光ディスク2のトラックサーチの場合は、上記のS102〜S104と同様の動作が行われる。すなわち、図13に示すように、コントロールマイコン11は、トラッキングエラー信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化するような当初規定の電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給する(S201)。2−CH電圧電流変換ドライバ12は、上記電圧信号を電流に変換後、当該電流をステッピングモータ5に供給する(S202)。これにより、ステッピングモータ5が1ステップ分だけ駆動される(S203)。以下、S201〜S203のステップが繰り返されることで、ステッピングモータ5が駆動される。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−251269号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図10に示す1−2相励磁波形の電流でステッピングモータ5を駆動する場合、ステッピングモータ5に供給する電流をステッピングモータ5の1ステップ分変化させると、固定子21は45°回転し、次の1ステップ分の電流変化によっても、固定子21は45°回転する。つまり、ステッピングモータ5の1ステップ分の電流変化によるステッピングモータ5の回転角は、各ステップ間で同一であり、電流を変化させる速度を変えることにより、ステッピングモータ5の回転速度を制御することができる。
【0011】
しかし、ステッピングモータ5を回転させるトルクに関しては、加える電流の大きさの関数で示されるため、電流値を大きくするとトルクが大きくなる。また、トルクは変移の関数でもあるため、電流値を大きくしてトルクが大きくなると、加速度もそれにつれて大きくなり、光ピックアップ3にて発生する振動も大きくなる。なお、この点は、マイクロステップ波形の電流でステッピングモータ5を駆動する場合も同様である。
【0012】
一方、光ディスク装置においては、スクリューガイド6と光ピックアップ3との間で負荷バラツキがあり、また、ガイド棒7と光ピックアップ3との間でも負荷バラツキがある。また、ステッピングモータ5にはトルクバラツキがあり、2−CH電圧電流変換ドライバ12には電圧電流変換の際のバラツキがある。
【0013】
したがって、上記負荷が小さく、上記トルクが大きい場合は、対物レンズ4の加速度が増加すると共に、光ピックアップ3にて発生する振動が大きくなり、再生性能およびトラックサーチ性能が悪化する。
【0014】
一方、上記負荷が大きく、上記トルクが小さい場合は、ステッピングモータ5を駆動することができず、1−2相励磁波形の電流を用いた場合は、光ピックアップ3を移動させることができない現象が発生する。一方、マイクロステップ波形の電流を用いた場合は、2ステップ分の電流を加えることになり、対物レンズ4の加速度が増加すると共に、光ピックアップ3にて発生する振動が大きくなり、再生性能およびトラックサーチ性能が悪化する。
【0015】
このため、従来では、装置の負荷バラツキも考慮してステッピングモータ5を確実に駆動するために、ステッピングモータ5を1ステップ分駆動し得る最小の駆動電流よりも大きな駆動電流で、ステッピングモータ5を駆動していた。つまり、上記最小の駆動電流よりも大きな駆動電流を、当初規定の1ステップ分の駆動電流に設定するとともに、この駆動電流に対応する駆動電圧を当初規定の駆動電圧(電圧信号)に設定し、このような当初規定の駆動電流(駆動電圧)でステッピングモータ5を駆動していた。その結果、駆動電流の増大に伴うステッピングモータ5のトルクの増大により、上述したように装置の性能(再生性能やトラッキング性能)が悪化するとともに、装置の消費電力が増大するという問題が生じていた。
【0016】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、簡単な構成で装置の性能(再生性能やトラックサーチ性能)を向上させることができるとともに、装置の消費電力を低減することができる光ディスク装置と、その光ディスク装置に用いられるステッピングモータの駆動方法とを提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、光ディスクの再生中において、制御手段により、ステッピングモータを1ステップ分変化させる規定値よりも小さいレベルの電圧信号が駆動手段に供給され、信号生成手段から出力されるトラバース信号がステッピングモータの1ステップ分変化していない場合には、トラバース信号がステッピングモータの1ステップ分変化するまで、前に駆動手段に供給した電圧信号よりも大きなレベルの電圧信号が駆動手段に供給される。つまり、トラバース信号がステッピングモータの1ステップ分変化するまで、駆動手段に供給される電圧信号の電圧レベルが徐々に増大される。
【0018】
また、本発明によれば、光ディスクのトラックサーチ中において、制御手段により、ステッピングモータを1ステップ分変化させる規定値よりも小さいレベルの電圧信号が駆動手段に供給され、信号生成手段から出力されるトラッキングエラー信号がステッピングモータの1ステップ分変化していない場合には、トラッキングエラー信号がステッピングモータの1ステップ分変化するまで、前に駆動手段に供給した電圧信号よりも大きなレベルの電圧信号が駆動手段に供給される。つまり、トラッキングエラー信号がステッピングモータの1ステップ分変化するまで、駆動手段に供給される電圧信号の電圧レベルが徐々に増大される。
【0019】
このような制御手段の処理により、上記各規定値が、ステッピングモータを1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧レベル以上に設定されている場合でも、ステッピングモータを1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧レベル、もしくは上記規定値よりも上記必要最小限の電圧レベルに近い電圧レベルを検出して、そのような電圧レベルの信号を駆動手段に供給することができる。
【0020】
したがって、光ディスクの再生中またはトラックサーチ中に、駆動手段が、制御手段の検出した上記電圧レベルの信号に対応する電流をステッピングモータに供給し、ステッピングモータを駆動したときには、必要最小限の電流でステッピングモータが1ステップ分駆動されることになる。これにより、上記規定値そのものに基づいてステッピングモータを駆動する従来に比べて、光ディスクの再生時またはトラックサーチ時におけるステッピングモータのトルクの増大を抑制することができる。その結果、光ピックアップの振動を抑制して、装置の性能(再生性能またはトラッキング性能)を向上させることができる。しかも、ステッピングモータに供給する電流値を従来より低減しても、ステッピングモータを駆動することができるので、装置の消費電力を低減することができる。
【0021】
なお、本発明のステッピングモータの駆動方法は、電圧レベルの増大によって上記トラバース信号が最初に上記ステッピングモータの1ステップ分変化したときの上記駆動手段に供給した電圧信号を記憶手段に記憶する工程と、その後、上記トラバース信号が上記ステッピングモータの1ステップ分変化した場合には、上記記憶した電圧信号を駆動手段に供給する工程とをさらに有していると言うこともできる。
【0022】
なお、本発明のステッピングモータの駆動方法は、電圧レベルの増大によって上記トラッキングエラー信号が最初に上記ステッピングモータの1ステップ分変化したときの上記駆動手段に供給した電圧信号を記憶手段に記憶する工程と、その後、上記トラッキングエラー信号が上記ステッピングモータの1ステップ分変化した場合には、上記記憶した電圧信号を駆動手段に供給する工程とを有していると言うこともできる。
【0023】
【発明の実施の形態】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。図2は、本発明に係るステッピングモータの駆動方法の実施に直接使用される、情報記録再生装置としての光ディスク装置の概略の構成を示す説明図である。
【0024】
本発明の光ディスク装置は、スピンドルモータ1、光ピックアップ3、対物レンズ4、ステッピングモータ5、スクリューガイド6、ガイド棒7、RFアンプ8(信号生成手段)、サーボプロセッサ9、トラッキング・フォーカスドライバ10、コントロールマイコン11(制御手段)、2−CH電圧電流変換ドライバ12(駆動手段)、スピンドルモータドライバ13、復調回路14、信号処理回路15およびデータ出力回路16を備えている。
【0025】
スピンドルモータ1は、例えばDVDやCDなどの光ディスク2を所定の速度で回転させる。光ピックアップ3は、内蔵するレーザダイオード(光源)から光ディスク2にレーザ光(光ビーム)を照射するとともに、光ディスク2からの反射光を信号検出器(図示しない)にて受光し、受光量に応じた検出信号をRFアンプ8に出力する。対物レンズ4は、上記レーザダイオードから出射されるレーザ光をディスク面に合焦させる。
【0026】
ステッピングモータ5は、スクリューガイド6を介して、光ピックアップ3をガイド棒7に沿って光ディスク2の半径方向に移動させるものであり、スレッドモータとも呼ばれる。なお、このステッピングモータ5の構成は、図9で示したものと全く同様である。スクリューガイド6は、ステッピングモータ5の回転軸と同軸で設けられた丸棒であり、その表面には、光ピックアップ3を光ディスク2の半径方向に移動させるためのネジ溝が設けられている。ガイド棒7は、光ディスク2の半径方向への光ピックアップ3の移動を案内するものである。
【0027】
RFアンプ8は、光ピックアップ3の(信号検出器からの)出力に基づいて、光ディスク2に記録されている情報の再生信号(RF信号)とトラッキングエラー信号とフォーカスエラー信号とを生成するとともに、上記トラッキングエラー信号に基づいてトラバース信号を生成し、これらの信号をサーボプロセッサ9に出力する。
【0028】
ここで、図3は、上記トラバース信号の波形を示しており、図4は、上記トラッキングエラー信号の波形を示している。上記トラバース信号とは、図4のトラッキングエラー信号に基づいて生成される信号であり、詳しくは、トラッキングエラー信号より生成されるトラッキングコイル供給信号の低域成分より生成される信号である。また、トラバース信号は、トラッキングエラー信号を、基準となるゼロレベルと比較して生成された信号であると言うこともできる。
【0029】
サーボプロセッサ9は、トラッキングエラー信号およびフォーカスエラー信号に対して位相補償等の処理を加え、処理後の各信号をトラッキング・フォーカスドライバ10に供給する。また、サーボプロセッサ9は、スピンドルモータ1の駆動をコントロールするための制御信号をスピンドルモータドライバ13に供給する。
【0030】
トラッキング・フォーカスドライバ10は、サーボプロセッサ9から供給される信号に基づいてトラッキングサーボおよびフォーカスサーボを行い、光ピックアップ3および対物レンズ4を所定の位置に移動させる。
【0031】
コントロールマイコン11は、RFアンプ8からサーボプロセッサ9を介して入力されるトラバース信号に基づいて、ステッピングモータ5を駆動するための電圧信号を生成し、それを2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給する。また、コントロールマイコン11は、直前に2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給した電圧信号を記憶するRAM11a(記憶手段)を備えている。なお、このRAM11aに記憶した電圧信号を用いてステッピングモータ5を駆動する手法については、後述の実施の形態2で説明する。
【0032】
2−CH電圧電流変換ドライバ12は、コントロールマイコン11から供給される上記電圧信号を電流に変換し、上記電圧信号に対応する電流としてステッピングモータ5に供給することにより、ステッピングモータ5を駆動する。スピンドルモータドライバ13は、コントロールマイコン11から供給される制御信号に基づいて、スピンドルモータ1を駆動する。
【0033】
復調回路14は、RFアンプ8からサーボプロセッサ9を介して供給される再生信号を復調する。信号処理回路15は、復調回路14から供給される信号に対して所定の処理(例えば、圧縮されているデータの伸長処理)を行い、処理後のデータをデータ出力回路15に出力する。また、信号処理回路15は、上記再生信号のエラーを訂正するためのエラー訂正信号をも生成する。データ出力回路16は、信号処理回路15から供給される信号を外部に出力する。このとき、データ出力回路16は、上記再生信号にエラーがあるときは、訂正した再生信号を出力する。
【0034】
次に、本実施形態におけるステッピングモータ5の駆動方法について、図1のフローチャートに基づいて説明する。
【0035】
光ディスク2を再生する場合、コントロールマイコン11は、サーボプロセッサ9から入力されるトラバース信号が一定レベル(ステッピングモータ5の1ステップ駆動分に相当する電圧レベル)以上であるか否か、すなわち、トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ駆動分(以下、単に1ステップ分と称する)変化したか否かを検出する(S1)。
【0036】
上記トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分だけ変化している場合には、コントロールマイコン11は、ステッピングモータ5が1ステップ分移動できうる電圧(規定値)よりも数分の1の電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力する(S2)。これにより、2−CH電圧電流変換ドライバ12からは、上記電圧信号に応じた電流がステッピングモータ5に供給される(S3)。
【0037】
続いて、コントロールマイコン11は、図3に示すように、トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分だけ移動したか否か(電圧が0であるか否か)を確認する(S4)。S4にて、トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分移動している場合は、S1に戻り、それ以降の動作が繰り返される。
【0038】
一方、S4にて、トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分移動していない場合は、コントロールマイコン11は、前回、2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力した電圧よりも少しだけ増加した電圧信号を、再度、2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力する(S5)。その後は、S3以降の動作が繰り返される。つまり、2−CH電圧電流変換ドライバ12からは、上記電圧信号に応じた電流がステッピングモータ5に供給され(S3)、トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分移動するまで、上記の電圧増加の処理が繰り返される。
【0039】
以上のように、本実施形態の光ディスク装置は、コントロールマイコン11が、光ディスク2の再生中において、(1)ステッピングモータ5を1ステップ分変化させる規定値よりも小さいレベルの電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給する第1の処理と、(2)RFアンプ8から出力されるトラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化していない場合には、上記トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化するまで、前に2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給した電圧信号よりも大きなレベルの電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給する第2の処理とを行う構成である。
【0040】
これにより、上記規定値が、ステッピングモータ5を1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧レベル以上に設定されている場合でも、ステッピングモータ5を1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧レベル、もしくは上記規定値よりも上記必要最小限の電圧レベルに近い電圧レベルを検出して、そのような電圧レベルの信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給することができる。
【0041】
したがって、光ディスク2の再生中に、2−CH電圧電流変換ドライバ12は、上記電圧レベルの信号に対応する必要最小限の電流で、ステッピングモータ5を駆動することができる。これにより、光ディスクの再生時におけるステッピングモータ5のトルクの増大を抑制することができる。その結果、光ピックアップ3の振動を抑制して、装置の性能(再生性能)を向上させることができる。
【0042】
しかも、ステッピングモータ5に供給する電流値を従来より低減しても、ステッピングモータ5を駆動することができるので、装置の消費電力を低減することができる。
【0043】
また、本実施形態のようなステッピングモータ5の駆動にあたり、他の構成要素(回路)を新たに必要としないので、簡単な構成で装置の性能の向上を実現することができる。
【0044】
なお、以上のような作用効果を奏する本実施形態の光ディスク装置は、以下のように表現することもできる。すなわち、本実施形態の光ディスク装置は、光源および光源からのビームをディスク面に合焦せしめる対物レンズ4を有する光ピックアップ3と、対物レンズ4によるビームスポットがスパイラルに形成されたトラックを追随せしめるものであってトラッキングエラー信号によってトラッキングを制御するトラッキングサーボ(トラッキング・フォーカスドライバ10)と、上記トラッキングサーボON時に発生する光源光軸と対物レンズ4の中心とのずれを補正させるステッピングモータ5と、ステッピングモータ5を駆動させる駆動回路(2−CH電圧電流変換ドライバ12)とからなる光ディスク装置において、光ディスク2の再生中に、上記駆動回路によりステッピングモータ5への印加電流を除々に増大せしめ、上記トラッキングエラー信号から生成されるトラバース信号の変動によってワンステップ分駆動したことを確認し、ステッピングモータ5への印加電流を減少せしめた後、再度印加電圧を除々に増大せしめることの繰り返しを行う制御を行う制御手段(コントロールマイコン11)をさらに備えている構成である。
【0045】
ところで、トラバース信号の移動を確認しながら光ピックアップ3を移動させると時間がかかり、光ピックアップ3の対物レンズ4の中心と光ピックアップ3より照射されるレーザ光の光軸とのずれが大きくなり、再生性能が悪化することが懸念されるが、以下の理由により、そのような再生性能の悪化はないと考えられる。
【0046】
通常、ステッピングモータ5は、ステッピングモータ5の1ステップで光ピックアップ3が移動する距離が約10μmとなり、回転速度が1秒間に200ステップ(1ステップ5m秒)程度となるように設計されている。
【0047】
したがって、光ディスク2としてDVDを再生する場合、DVDのトラックピッチを0.74μmとすると、DVDは、ステッピングモータ5の1ステップの間に、10/0.74≒13.5回転する。一方、光ディスク2としてCDを再生する場合、CDのトラックピッチを1.6μmとすると、CDは、ステッピングモータ5の1ステップの間に、10/1.6=6.25回転する。
【0048】
一方、DVDは、1秒間あたり約24回転(1回転あたり42m秒で回転)〜1秒間あたり12回転(1回転あたり83m秒で回転)し、CDは、1秒間あたり約8回転(1回転あたり125m秒で回転)〜1秒間あたり4回転(1回転あたり250m秒で回転)する。
【0049】
このことから、通常、ステッピングモータ5を1ステップ移動させるときのDVDおよびCDの再生時間は、以下のように計算される。
【0050】
これらの時間は、ステッピングモータ5の1ステップ移動時間である5m秒に対して十分に大きいため、上述した本実施形態の手法でステッピングモータ5を駆動しても、再生性能が悪化することはない。
【0051】
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、実施の形態1で示した構成と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0052】
図5は、本実施形態におけるステッピングモータ5の駆動方法による、光ディスク2の再生時の処理の流れを示すフローチャートである。以下、このフローチャートに基づいて、本実施形態におけるステッピングモータ5の駆動方法について説明する。なお、S1〜S5の各工程の内容は、実施の形態1と同様であるため、その説明を省略する。
【0053】
S4にて、トラバース波形がステッピングモータ5の1ステップ分だけ移動している場合は(S4にてYes)、コントロールマイコン11は、そのとき2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力した電圧信号を、RAM11aに記憶し(S6)、次回からは、このRAM11aに記憶した電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力する。
【0054】
すなわち、コントロールマイコン11は、トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分だけ変化したか否かを検出し(S7)、上記トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分だけ変化している場合には、コントロールマイコン11は、RAM11aに記憶した電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力する(S8)。
【0055】
2−CH電圧電流変換ドライバ12から、上記電圧信号に応じた電流がステッピングモータ5に供給されると(S9)、ステッピングモータ5が1ステップ分駆動される(S10)。その後は、S7以降の動作が繰り返される。
【0056】
以上のように、本実施形態における光ディスク装置は、コントロールマイコン11が、実施の形態1で説明した第2の処理によってトラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化したときの2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給した電圧信号をRAM11a(記憶手段)に記憶し、その後、上記トラバース信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化した場合には、RAM11aに記憶した電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給する第3の処理を行う構成である。
【0057】
この構成では、トラバース信号をステッピングモータ5の1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧信号が、RAM11aに記憶されることになるので、次回からは、実施の形態1に示した第1の処理および第2の処理を一々繰り返さなくても、RAM11aに記憶した電圧信号を用いてステッピングモータ5を駆動し、光ディスク2を再生することが可能となる。
【0058】
なお、本実施形態の光ディスク装置は、以下のように表現することもできる。
すなわち、本実施形態の光ディスク装置は、コントロールマイコン11が、光ディスク2の再生中に、2−CH電圧電流変換ドライバ12によりステッピングモータ5への印加電流を除々に増大せしめ、上記トラッキングエラー信号から生成されるトラバース信号の変動によってワンステップ分駆動したことを確認し、その電流に対応する電圧信号をRAM11aに記憶し、光ディスク2の再生中に記憶した電圧信号に対応する電流をステッピングモータ5に供給することにより、ステッピングモータ5を駆動する制御を行う構成である。
【0059】
〔実施の形態3〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、実施の形態1・2で示した構成と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0060】
図6は、本実施形態におけるステッピングモータ5の駆動方法による、光ディスク2の再生時の処理の流れを示すフローチャートである。以下、このフローチャートに基づいて、本実施形態におけるステッピングモータ5の駆動方法について説明する。なお、S1〜S10の各工程の内容は、実施の形態1・2と同様であるため、その説明を省略する。
【0061】
S10の後、コントロールマイコン11は、信号処理回路15から出力されるエラー訂正信号の増加を確認し、前回、ステッピングモータ5を1ステップ分駆動したときよりも、エラー訂正信号の増加量が多いか否かを判断する(S11)。S11にて、エラー訂正信号の増加量が多い場合は、S1に戻り、コントロールマイコン11から出力される1ステップ分の出力電圧を、再度、一から調整し直す。一方、S11にて、エラー訂正信号の増加量が多くなければ、S7以降の処理が繰り返される。
【0062】
以上のように、本実施形態では、コントロールマイコン11が、信号処理回路15から出力されるエラー訂正信号が、前にステッピングモータ5を1ステップ分変化させたときよりも増大している場合には、再度、実施の形態1の第1の処理および第2の処理と、実施の形態2の第3の処理とを行う構成である。これにより、光ディスク2の再生中における再生信号のエラーが減少するように、つまり、再生状況が最適値となるように、ステッピングモータ5に供給する電流を変動させることができる。その結果、装置の再生性能をさらに向上させることができる。
このことから、本実施形態の光ディスク装置は、実施の形態2の光ディスク装置において、コントロールマイコン11は、再生信号を復調するための信号処理回路15にて発生するエラー訂正信号により再生状況が最適値になるように、ステッピングモータ5への印加電流(2−CH電圧電流変換ドライバ12への印加電圧)を変動させる構成であるとも言える。
【0063】
〔実施の形態4〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、実施の形態1〜3で示した構成と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0064】
図7は、本実施形態におけるステッピングモータ5の駆動方法による、光ディスク2のトラックサーチ時の処理の流れを示すフローチャートである。以下、このフローチャートに基づいて、本実施形態におけるステッピングモータ5の駆動方法について説明する。
【0065】
光ディスク2のトラックサーチを行う場合、コントロールマイコン11は、ステッピングモータ5が1ステップ分移動できる電圧(規定値)よりも数分の1の電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力する(S21)。これにより、2−CH電圧電流変換ドライバ12からは、上記電圧信号に応じた電流がステッピングモータ5に供給される(S22)。
【0066】
続いて、コントロールマイコン11は、図4に示すトラッキングエラー信号が、ステッピングモータ5の1ステップ分変化したか否か(トラッキングエラーカウントがステッピングモータ5の1ステップ分変化したか否か)を確認する(S23)。
【0067】
このS23にて、トラッキングエラー信号が、ステッピングモータ5の1ステップ分変化していない場合は、コントロールマイコン11は、前回、2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力した電圧よりも少しだけ増加した電圧信号を再度2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力する(S24)。その後は、S22以降の動作が繰り返される。つまり、2−CH電圧電流変換ドライバ12からは、上記電圧信号に応じた電流がステッピングモータ5に供給され(S22)、トラッキングエラー信号がステッピングモータ5の1ステップ分移動するまで、上記の電圧増加の処理が繰り返される。
【0068】
一方、S23にて、トラッキングエラー信号が、ステッピングモータ5の1ステップ分変化している場合は、次に、コントロールマイコン11は、希望のステップ数になったか否かを判断する(S25)。S25にて、希望のステップ数でなければ、S21に戻り、それ以降の動作が繰り返される。一方、S25にて、希望のステップ数であれば、コントロールマイコン11は、トラックサーチを終了させる。
【0069】
以上のように、本実施形態の光ディスク装置は、コントロールマイコン11が、光ディスク2のトラックサーチ中において、(1)ステッピングモータ5を1ステップ分変化させる規定値よりも小さいレベルの電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給する第1の処理と、(2)RFアンプ8から出力されるトラッキングエラー信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化していない場合には、上記トラッキングエラー信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化するまで、前に2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給した電圧信号よりも大きなレベルの電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給する第2の処理とを行う構成である。
【0070】
これにより、上記規定値が、ステッピングモータ5を1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧レベル以上に設定されている場合でも、ステッピングモータ5を1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧レベル、もしくは上記規定値よりも上記必要最小限の電圧レベルに近い電圧レベルを検出して、そのような電圧レベルの信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給することができる。
【0071】
したがって、光ディスク2のトラックサーチ中に、2−CH電圧電流変換ドライバ12は、上記電圧レベルの信号に対応する必要最小限の電流で、ステッピングモータ5を駆動することができる。これにより、光ディスクのトラックサーチ中におけるステッピングモータ5のトルクの増大を抑制することができる。その結果、光ピックアップ3の振動を抑制して、装置の性能(トラッキング性能)を向上させることができる。
【0072】
しかも、ステッピングモータ5に供給する電流値を従来より低減しても、ステッピングモータ5を駆動することができるので、装置の消費電力を低減することができる。
【0073】
なお、以上のような作用効果を奏する本実施形態の光ディスク装置は、以下のように表現することもできる。すなわち、本実施形態の光ディスク装置は、コントロールマイコン11が、光ディスク2のトラックサーチ中に、2−CH電圧電流変換ドライバ12によりステッピングモータ5への印加電流を除々に増大せしめ、上記トラッキングエラー信号の変動によってワンステップ分駆動したことを確認し、2−CH電圧電流変換ドライバ12によるステッピングモータ5への印加電流を減少せしめた後、再度、2−CH電圧電流変換ドライバ12への印加電圧を除々に増大せしめることの繰り返しを行うように制御する構成である。
【0074】
なお、トラックサーチを行う場合も、再生中と同様に、必要に応じて各処理を確認しながら光ピックアップ3を移動させるため、時間がかかることが懸念される。しかし、通常、トラックサーチにはマイクロステップは使用しないことが多いため、再生中に比べ約8倍程度、1ステップの駆動距離が伸び、また、速度的にも1秒間に500〜1000ステップくらいでステッピングモータ5が回転するように設計されており、再生中と同様に問題はない。
【0075】
〔実施の形態5〕
本発明のさらに他の実施の形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。なお、実施の形態1〜4で示した構成と同一の構成には同一の部材番号を付記し、その説明を省略する。
【0076】
図8は、本実施形態におけるステッピングモータ5の駆動方法による、光ディスク2のトラックサーチ時の処理の流れを示すフローチャートである。以下、このフローチャートに基づいて、本実施形態におけるステッピングモータ5の駆動方法について説明する。なお、S21〜S24の各工程の内容は、実施の形態4と同様であるため、その説明を省略する。
【0077】
S23にて、トラッキングエラー信号がステッピングモータ5の1ステップ分移動している場合は(S23にてYes)、コントロールマイコン11は、そのとき2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力した電圧信号を、RAM11aに記憶し(S25)、次回からは、このRAM11aに記憶した電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力する。
【0078】
すなわち、コントロールマイコン11は、トラッキングエラー信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化したか否かを検出し(S26)、上記トラッキングエラー信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化している場合には、コントロールマイコン11は、RAM11aに記憶した電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に出力する(S27)。
【0079】
2−CH電圧電流変換ドライバ12から、上記電圧信号に応じた電流がステッピングモータ5に供給されると(S28)、ステッピングモータ5が1ステップ分駆動される(S29)。そして、コントロールマイコン11は、希望のステップ数になったか否かを判断する(S30)。S30にて、希望のステップ数でなければ、S26に戻り、それ以降の動作が繰り返される。一方、S30にて、希望のステップ数であれば、コントロールマイコン11は、トラックサーチを終了させる。
【0080】
以上のように、本実施形態では、コントロールマイコン11が、実施の形態4の第2の処理によって上記トラッキングエラー信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化したときの2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給した電圧信号をRAM11aに記憶し、その後、上記トラッキングエラー信号がステッピングモータ5の1ステップ分変化した場合には、RAM11aに記憶した電圧信号を2−CH電圧電流変換ドライバ12に供給する第3の処理を行う構成である。
【0081】
この構成では、トラッキングエラー信号をステッピングモータ5の1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧信号が、RAM11aに記憶されることになるので、次回からは、実施の形態4で示した第1の処理および第2の処理を一々繰り返さなくても、RAM11aに記憶した電圧信号を用いてステッピングモータ5を駆動し、トラックサーチを行うことが可能となる。
【0082】
なお、本実施形態の光ディスク装置は、以下のように表現することもできる。
すなわち、本実施形態の光ディスク装置は、コントロールマイコン11が、光ディスク2のトラックサーチ中に、2−CH電圧電流変換ドライバ12によりステッピングモータ5への印加電流を除々に増大せしめ、上記トラッキングエラー信号の変動によってワンステップ分駆動したことを確認し、その電流に対応する電圧信号をRAM11aに記憶し、トラックサーチ中に記憶した電圧信号に対応する電流によりステッピングモータ5を駆動する制御を行う構成である。
【0083】
【発明の効果】
本発明の光ディスク装置およびステッピングモータの駆動方法によれば、ステッピングモータを1ステップ分変化させるための規定値が、ステッピングモータを1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧レベル以上に設定されている場合でも、制御手段の処理によって、ステッピングモータを1ステップ分変化させるのに必要最小限の電圧レベル、もしくは上記規定値よりも上記必要最小限の電圧レベルに近い電圧レベルを検出して、そのような電圧レベルの信号を駆動手段に供給することができる。
【0084】
したがって、光ディスクの再生中またはトラックサーチ中に、駆動手段が、制御手段の検出した上記電圧レベルの信号に対応する電流をステッピングモータに供給し、ステッピングモータを駆動したときには、必要最小限の電流でステッピングモータが1ステップ分駆動されることになる。これにより、上記規定値そのものに基づいてステッピングモータを駆動する従来に比べて、光ディスクの再生時またはトラックサーチ時におけるステッピングモータのトルクの増大を抑制することができる。その結果、光ピックアップの振動を抑制して、装置の性能(再生性能またはトラックサーチ性能)を向上させることができるという効果を奏する。
【0085】
しかも、ステッピングモータに供給する電流値を従来より低減しても、ステッピングモータを駆動することができるので、装置の消費電力を低減することができるという効果を併せて奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係るステッピングモータの駆動方法による、光ディスクの再生時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図2】上記ステッピングモータの駆動方法の実施に直接使用される光ディスク装置の概略の構成を示す説明図である。
【図3】上記光ディスク装置にて得られるトラバース信号の波形を示す説明図である。
【図4】上記光ディスク装置にて得られるトラッキングエラー信号の波形を示す説明図である。
【図5】本発明の他の実施の形態に係るステッピングモータの駆動方法による、光ディスクの再生時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】本発明のさらに他の実施の形態に係るステッピングモータの駆動方法による、光ディスクの再生時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】本発明のさらに他の実施の形態に係るステッピングモータの駆動方法による、光ディスクのトラックサーチ時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図8】本発明のさらに他の実施の形態に係るステッピングモータの駆動方法による、光ディスクのトラックサーチ時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】従来の光ディスク装置のステッピングモータの概略の構成を示す説明図である。
【図10】上記ステッピングモータに供給される電流の一波形(1−2相励磁波形)を示す説明図である。
【図11】上記ステッピングモータに供給される電流の他の波形(マイクロステップ波形)を示す説明図である。
【図12】従来のステッピングモータの駆動方法による、光ディスクの再生時の処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】従来のステッピングモータの駆動方法による、光ディスクのトラックサーチ時の処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
2 光ディスク
3 光ピックアップ
5 ステッピングモータ
8 RFアンプ(信号生成手段)
9 電圧印加回路(電圧印加手段)
11 コントロールマイコン(制御手段)
12 2−CH電圧電流変換ドライバ(駆動手段)
15 信号処理回路
Claims (7)
- 光ディスクに光ビームを照射するとともに、上記光ディスクからの反射光を受光して受光量に応じた信号を出力する光ピックアップと、
上記光ピックアップからの出力に基づいて、上記光ディスクに記録されている情報の再生信号とトラッキングエラー信号とを生成するとともに、上記トラッキングエラー信号に基づいてトラバース信号を生成する信号生成手段と、
上記光ピックアップを光ディスクの半径方向に移動させるためのステッピングモータと、
上記トラバース信号に基づいて上記ステッピングモータを駆動するための電圧信号を生成する制御手段と、
上記電圧信号に対応する電流を上記ステッピングモータに供給することにより、上記ステッピングモータを駆動する駆動手段とを備えた光ディスク装置であって、
上記制御手段は、上記光ディスクの再生中において、上記ステッピングモータを1ステップ分変化させる規定値よりも小さいレベルの電圧信号を上記駆動手段に供給する第1の処理と、上記トラバース信号が上記ステッピングモータの1ステップ分変化していない場合には、上記トラバース信号が上記ステッピングモータの1ステップ分変化するまで、前に上記駆動手段に供給した電圧信号よりも大きなレベルの電圧信号を上記駆動手段に供給する第2の処理とを行うことを特徴とする光ディスク装置。 - 上記制御手段は、上記第2の処理によって上記トラバース信号が上記ステッピングモータの1ステップ分変化したときの上記駆動手段に供給した電圧信号を記憶し、その後、上記トラバース信号が上記ステッピングモータの1ステップ分変化した場合には、上記記憶した電圧信号を駆動手段に供給する第3の処理を行うことを特徴とする請求項1に記載の光ディスク装置。
- 上記再生信号のエラーを訂正するためのエラー訂正信号を生成する信号処理回路をさらに備え、
上記制御手段は、上記エラー訂正信号が、前に上記ステッピングモータを1ステップ分変化させたときよりも増大している場合には、再度、上記第1の処理、上記第2の処理および上記第3の処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の光ディスク装置。 - 光ディスクに光ビームを照射するとともに、上記光ディスクからの反射光を受光して受光量に応じた信号を出力する光ピックアップと、
上記光ピックアップからの出力に基づいてトラッキングエラー信号を生成するとともに、上記トラッキングエラー信号に基づいてトラバース信号を生成する信号生成手段と、
上記光ピックアップを光ディスクの半径方向に移動させるためのステッピングモータと、
上記トラバース信号に基づいて上記ステッピングモータを駆動するための電圧信号を生成する制御手段と、
上記電圧信号に対応する電流を上記ステッピングモータに供給することにより、上記ステッピングモータを駆動する駆動手段とを備えた光ディスク装置であって、
上記制御手段は、上記光ディスクのトラックサーチ中において、上記ステッピングモータを1ステップ分変化させる規定値よりも小さいレベルの電圧信号を上記駆動手段に供給する第1の処理と、上記トラッキングエラー信号が上記ステッピングモータの1ステップ分変化していない場合には、上記トラッキングエラー信号が上記ステッピングモータの1ステップ分変化するまで、前に上記駆動手段に供給した電圧信号よりも大きなレベルの電圧信号を上記駆動手段に供給する第2の処理とを行うことを特徴とする光ディスク装置。 - 上記制御手段は、上記第2の処理によって上記トラッキングエラー信号が上記ステッピングモータの1ステップ分変化したときの上記駆動手段に供給した電圧信号を記憶し、その後、上記トラッキングエラー信号が上記ステッピングモータの1ステップ分変化した場合には、上記記憶した電圧信号を駆動手段に供給する第3の処理を行うことを特徴とする請求項4に記載の光ディスク装置。
- 光ディスクの再生中において、光ピックアップを光ディスクの半径方向に移動させるためのステッピングモータを1ステップ分変化させる規定値よりも小さいレベルの電圧信号を、上記ステッピングモータの駆動手段に供給する工程と、
トラッキングエラー信号に基づいて生成されるトラバース信号が上記ステッピングモータの1ステップ分変化していない場合には、上記トラバース信号が上記ステッピングモータの1ステップ分変化するまで、前に上記駆動手段に供給した電圧信号よりも大きなレベルの電圧信号を上記駆動手段に供給する工程とを有していることを特徴とするステッピングモータの駆動方法。 - 光ディスクのトラックサーチ中において、光ピックアップを光ディスクの半径方向に移動させるためのステッピングモータを1ステップ分変化させる規定値よりも小さいレベルの電圧信号を、上記ステッピングモータの駆動手段に供給する工程と、
トラッキングエラー信号が上記ステッピングモータの1ステップ分変化していない場合には、上記トラッキングエラー信号が上記ステッピングモータの1ステップ分変化するまで、前に上記駆動手段に供給した電圧信号よりも大きなレベルの電圧信号を上記駆動手段に供給する工程とを有していることを特徴とするステッピングモータの駆動方法。
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