JP4130970B2 - 超音波モータ駆動制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の技術分野】
本発明は、磁気抵抗素子を利用してモータの駆動量を検出し、超音波モータの駆動を制御する超音波モータ駆動制御装置に関する。
【0002】
【従来技術およびその問題点】
円環または円盤タイプ超音波モータは、位相の異なる2つの交流電圧を振動子(ステータ)に印加して振動子の表面に弾性振動の進行波を励起させることにより、振動子の表面に加圧接触させた移動子(ロータ)に進行波と逆の方向に回転する円運動を生じさせ、振動子と移動子間の摩擦力により移動子を移動させる。このような超音波モータは、回転速度が低速であるが駆動トルクが大きいため、減速用ギヤを設けずに被駆動体をモータで直接駆動できるという利点がある。
【0003】
一方、超音波モータ駆動制御装置としては、モータの駆動量(回転数、回転角)を検出し、この検出値に基づいてモータの駆動周波数または駆動電圧レベルを制御するものが知られている。このタイプの駆動制御装置では、超音波モータの駆動量が少ないことを考慮して、回転制御精度を高める必要がある。
【0004】
そのため、例えば磁気抵抗素子からなるMRセンサを使用する高分解能のエンコーダ等が必要である。この場合、位相を90°の整数倍ずらして多数個のMRセンサを配置し、各MRセンサの出力を信号処理することにより制御精度を高めることも可能であるが、搭載する回路等の部品数が増えてコストアップや装置の大型化を招くため、好ましくなかった。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、簡易な構成で制御精度を高めることができる超音波モータ駆動制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【発明の概要】
本発明は、移動子と振動子を備えた超音波モータと;所定のピッチで着磁された多極着磁層を有する磁気部材、及びこの磁気部材に対して相対的に平行移動して前記超音波モータの駆動状態に対応する電圧をアナログ信号として出力する磁気センサを有するセンサ手段と;該出力されたアナログ信号をパルス信号に変換する波形変換手段と;前記パルス信号を入力して該立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジの両エッジをカウントし、該カウント値に基づいて前記超音波モータを駆動制御する制御手段と;前記パルス信号のデューティ比が50%または可及的に50%に近似するスレッショルド電圧に関する調整値が書き込まれるメモリと;前記超音波モータを起動させる場合には、前記メモリから前記調整値を読み込み、該読み込んだ調整値に基づいて前記波形変換手段のスレッショルド電圧を設定する設定手段と;前記超音波モータを作動させて前記パルス信号のデューティ比を算出し、前記デューティ比が50%に満たない場合または50%を超えている場合には、前記スレッショルド電圧を所定の増減値だけ増減する処理を繰り返し実行して、前記デューティ比が50%または可及的に50%に近似したときの前記スレッショルド電圧を前記調整値として前記メモリに書き込まれる調整手段とを備えたことに特徴を有している。
この構成によれば、回路部品数を増やすことなくパルス信号の分解能を高くし、制御精度の向上を可能としている。しかも、デューティ比が50%でない場合はスレッショルド電圧を上下動させてデューティ比が50%または50%に最近似するスレッショルド電圧を検出し、その値を調整値としてメモリに書き込むので、使用環境が変化するなどによりデューティ比が50%から外れても、デューティ比を簡単に50%に調整することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明を説明する。図1は本発明を適用した超音波モータ駆動制御装置により制御される超音波モータがカメラのズームレンズを駆動する実施形態を示すブロック図である。本装置は、超音波モータ10の駆動を制御する制御手段としてCPU30を備えている。CPU30は、制御用プログラム等を格納したROM、制御用データを一時的に記憶するRAM、デジタル値をアナログ値に変換して出力するD/A出力ポート「D/A out」、パルス信号を入力する入力ポート「PULSE IN」、「HI COUNTER」、「LO COUNTER」、及びカウンタ30a、30b、30cを備え、電源ラインVccから電力供給を受けて動作する。なお詳細は後述するが、カウンタ30aは、入力ポート「PULSE IN」から入力したパルス信号の立ち上がりエッジ及び立下りエッジを計数する。また、カウンタ30bは入力ポート「HI COUNTER」から入力したパルス信号のハイパルス時間を計時するハイカウンタであり、カウンタ30cは入力ポート「LO COUNTER」から入力したパルス信号のローパルス時間を計時するローカウンタである。
【0008】
CPU30には、書き換え可能な不揮発性メモリであるEEPROM31、超音波モータ駆動回路32が接続されている。EEPROM31は各種データを格納するメモリ手段であって、CPU30は必要に応じてEEPROM31に対してデータの読み出し/書き込みを行う。超音波モータ駆動回路32は、CPU30の指令に基づいて超音波モータ10に駆動電圧を供給する回路である。
【0009】
超音波モータ10は、互いに圧接する振動子(ステータ)11と移動子(ロータ)12を備えている。これら振動子11と移動子12は円環状に形成されていて、振動子11には圧電体11aが周設されている。この超音波モータ10は、超音波モータ駆動回路32を介して圧電体11aに90°位相の異なる駆動電圧が印加されると、振動子11が振動して弾性振動の進行波が励起される結果、振動子11に圧接する移動子12が前記進行波の進行方向と逆向きに移動し、被駆動体を駆動する。
【0010】
ズームレンズ20のズーム鏡筒21外周には磁気スケール22が設けられている。この磁気スケール22は、詳細は図示しないが、一定のピッチでN−S極に着磁されている。一方、ズームレンズ20の固定鏡筒(不図示)には、磁気スケール22に対向する位置に、磁束の増減に伴い抵抗値が変化するMR素子(磁気抵抗素子)を複数備えたMRセンサ23が固定されている。
本実施形態のMRセンサ23は、磁気スケール22の長手方向に沿って、磁気スケール22の磁極ピッチの1/2ピッチで配置された4個のMR素子23a、23b、23c、23dを備えている。このMRセンサ23は、MR素子23a〜23dが磁気スケール22に対して所定の間隔で対向するように固定されている。これらMR素子23a〜23dは、直列接続されたMR素子23a、23bと、直列接続されたMR素子23c、23dとが並列接続されていて、MR素子23a、23cの接続点が電源ラインVccに接続され、MR素子23b、23dの接続点がグランドに接続されている。さらに、MR素子23a、23bの接続点はオペアンプ33の反転入力端子(−)に接続され、MR素子23c、23dの接続点はオペアンプ33の非反転入力端子(+)に接続されていて、これら接続点はMRセンサ23の出力端子として機能する。
【0011】
超音波モータ10によりズームレンズ20が回転されると、これに伴ってMRセンサ23に対する磁気スケール22の位置が変化し、MRセンサ23に作用する磁束が変化する。この磁束変化によりMR素子23a〜23dの抵抗値が変化し、MRセンサ素子23a、23bの接続点電圧及びMR素子23c、23dの接続点電圧が変化する。つまり、超音波モータ10が作動すると、その回転(回転量、回転角)に対応する電圧(アナログ信号)がMRセンサ23から出力され、オペアンプ33に入力する。
【0012】
オペアンプ33は、該出力端子と反転入力端子間に抵抗帰還がかけられていて、MRセンサ23から入力したアナログ信号を差動増幅する増幅回路として機能する。オペアンプ33で増幅されたアナログ信号はコンパレータ34の反転入力端子(−)に入力する。一方、コンパレータ34の非反転入力端子には、CPU30のD/A出力端子から出力されたスレッショルド電圧が入力する。このスレッショルド電圧は、EEPROM31に予め格納されたデータに基づく値である。
コンパレータ34の出力端子には、電源Vccに接続されたプルアップ抵抗35が接続されている。コンパレータ34は、入力されるアナログ信号電圧とスレッショルド電圧を比較し、アナログ信号電圧がスレッショルド電圧以上であれば“0”(ローレベル電圧)を出力し、アナログ信号電圧がスレッショルド電圧未満であれば“1”(ハイレベル電圧)を出力する。即ちコンパレータ34は、オペアンプ33から入力されたアナログ信号を、論理値“0”、“1”の2値に変化するパルス信号に変換する波形整形回路として機能する。
【0013】
コンパレータ34の出力信号は、CPU30の3つの入力ポート「PULSE IN」、「HI COUNTER」、「LO COUNTER」にそれぞれ入力される。CPU30は、ポート「PULSE IN」に入力されるパルス信号において、“0”から“1”への切換点と、“1”から“0”への切換点の両方を検出し、これら切換点をカウンタ30aにて計数したカウント値に基づき超音波モータ10の駆動量を検出する。別言すると、CPU30は、入力されるパルス信号の立ち上がりエッジと立下りエッジとを検出し、検出したエッジ数に基づき超音波モータ10の駆動量を検出する。この立ち上がりエッジと立下りエッジを両方検出することにより、本実施形態では回路部品数を増やすことなくパルス信号の分解能を高くし、検出精度の向上を可能としている。この場合、立ち上がりエッジか立下りエッジのいずれか一方だけを検出していた従来に対して、分解能は2倍となる。
CPU30は、検出した駆動量に基づいて超音波モータ10の駆動(駆動周波数、駆動電圧)を制御する。そのため、上記パルス信号の分解能が高くなれば、超音波モータ10を高精度で駆動制御できるようになる。
さらにCPU30は、入力ポート「HI COUNTER」に入力される信号が“1”となっている時間(ハイパルス時間)をカウンタ(ハイカウンタ)30bで計測するとともに、入力ポート「LO COUNTER」に入力される信号が“0”となっている時間(ローパルス時間)をカウンタ(ローカウンタ)30cで計測する機能を有している。
【0014】
ところで、MRセンサ23の出力波形は、MRセンサ23と磁気スケール22との取り付け位置によって変化するため、取り付け位置が厳密でない場合には、図2に示すように、MRセンサ23の出力波形が不安定となる。このため、アナログ信号に基づいて生成したパルス信号のデューティ比が異なってしまう。この場合には、パルス信号の分解能を高くしても、ハイパルス間(立ち上がりエッジから立下りエッジ間)とローパルス間(立下りエッジから立ち上がりエッジ間)で超音波モータ10の駆動量が異なるため、超音波モータ10を正確に駆動制御することが困難になる。
【0015】
そこで本実施形態においてCPU30は、上述した入力ポート「LO COUNTER」および「HI COUNTER」に入力されるパルス信号に基づいて、コンパレータ34から出力されるパルス信号のローパルス時間とハイパルス時間とをそれぞれ計測し、これら計測時間に基づいて、パルス信号のデューティ比が可及的に50%となるように、コンパレータ34の非反転入力端子に入力するスレッショルド電圧を調整する。
【0016】
以下では、図3、図4に示されるフローチャートを参照し、デューティ比調整処理について詳細に説明する。この処理は、CPU30によって制御される処理であり、本実施形態では製造工程内で実行される。
【0017】
この処理に入ると先ず、初期設定を行う(S11)。この初期設定では、変数nに0をセットし、スレッショルド電圧値を格納するD/Aレジスタ値REGnの初期値REG0には、D/Aレジスタ値REGnに設定可能な最大値MAXを1/2倍した値をセットする。また、スレッショルド電圧を調整するための増減値ΔREGnの初期値ΔREG0には、増減値ΔREGnに設定可能な最大値MAXを1/2倍した値をセットする。但し、増減値ΔREGnの最大値MAXは2以上とし、増減値ΔREGnに設定可能な最小値を1とし、またD/Aレジスタ値REGnに設定可能な最小値を0としている。
なお増減値ΔREGnは、D/Aレジスタ値REGn(スレッショルド電圧値)を変更する毎に、1/2倍されて段階的に小さくなる値であり、最小値1に達した以降は最小値1のまま変更されない。
【0018】
初期設定を行ったら、超音波モータ駆動回路32を介して圧電体11aに駆動電圧を印加し、超音波モータ10を起動する(S13)。超音波モータ10が起動すると、ズームレンズ20が回転を開始し、その回転状態に対応するアナログ信号がMRセンサ23から出力される。このアナログ信号はオペアンプ33で増幅され、コンパレータ34でパルス信号に変換され、パルス入力端子からCPU30に入力する。
【0019】
パルス信号を入力したら、最初に(または回転が安定するまで数パルス待った後に)立下がりエッジを入力した時から立ち上がりエッジを入力するまでのローパルス時間をローカウンタにて測定し(S15)、立ち上がりエッジを入力した時から立ち下がりエッジを入力するまでのハイパルス時間をハイカウンタにて測定する(S17)。そして測定したローパルス時間とハイパルス時間に基づいてデューティ比DUTYnを算出し(S19)、算出したデューティ比DUTYnが50%未満か否かをチェックする(S21)。
なお、デューティ比DUTYnは下式により求められる。
【0020】
以下では、先ず最初に、デューティ比が50%未満であった場合を説明する。
デューティ比が50%未満であったときは(S21;Y)、D/Aレジスタ値REGnがその最小値0以下か否かをチェックし(S23)、最小値0以下でないときは増減値ΔREGnがその最小値1以下か否かをチェックする(S23;N、S25)。D/Aレジスタ値REGnが最小値0以下でなく、且つ増減値ΔREGnが1以下でなかったときは(S25;N)、現在(n番目)の増減値ΔREGnを1/2倍して増減値ΔREG(n+1)にセットし、増減値を変更する(S27)。増減値を変更したら、現在のD/Aレジスタ値REGnから更新後の増減値ΔREG(n+1)を減算した値をD/Aレジスタ値REG(n+1)にセットしてD/Aレジスタ値を変更し、スレッショルド電圧を下げる(S29)。そして、変数nに+1加算してS15へ戻り(S31)、上記S15〜S31の処理を繰り返してデューティ比DUTYnを50%に近づける。
【0021】
ただし、上記S15〜S31の処理を繰り返し実行している間に、増減値ΔREGnが最小値1以下になった場合には(S25;Y)、前回のデューティ比DUTY(n−1)が50%より高かったか否かをチェックし(S33)、前回のデューティ比DUTY(n−1)が50%よりも高くなかった場合は、増減値ΔREGnを更新せず、現在の増減値ΔREGnを増減値ΔREG(n+1)にセットして(S33;N、S35)、S29へ進む。一方、前回のデューティ比DUTY(n−1)が50%より高かった場合は(S33;Y)、超音波モータ駆動回路32を介して超音波モータ10の駆動を停止し(S53)、50(%)から現在のデューティ比DUTYn(%)を減算した値の絶対値|50−DUTYn|と50(%)から前回のデューティ比DUTY(n−1)を減算した値の絶対値|50−DUTY(n−1)|とを比較する(S55)。絶対値|50−DUTYn|が絶対値|50−DUTY(n−1)|よりも小さい場合は(S55;Y)、現在のデューティ比DUTYnのほうが50%により近いので、現在のD/Aレジスタ値REGnをEEPROM31にメモリしてこの処理を抜ける(S61)。一方、絶対値|50−DUTYn|が絶対値|50−DUTY(n−1)|よりも小さくない場合は(S55;N)、前回のデューティ比DUTY(n−1)のほうが50%により近いので、前回のD/Aレジスタ値REG(n−1)をEEPROM31にメモリしてこの処理を抜ける(S57)。
【0022】
また、S15〜31の処理を繰り返し実行している間にD/Aレジスタ値REGnが最小値0以下になったときは(S23;Y)、超音波モータ10の駆動を停止し(S59)、現在のD/Aレジスタ値REGnをEEPROM31にメモリしてこの処理から抜ける(S61)。
【0023】
以上はデューティ比DUTYnが50%未満であった場合の処理であるが、デューティ比DUTYnが50%未満でなかった場合は(S21;N)、次に、デューティ比DUTYnが50%より高いか否かをチェックする(S37)。このS37のチェックでデューティ比DUTYnが50%以下であった場合、即ちデューティ比DUTYnが50%になったときは(S37;N)、超音波モータ駆動回路32を介して超音波モータ10を停止し(S59)、現在のD/Aレジスタ値REGnをEEPROM31にメモリしてこの処理を抜ける(S61)。
【0024】
一方、デューティ比DUTYnが50%より高かった場合には(S37;Y)、現在のD/Aレジスタ値REGnがその最大値MAX以上か否かをチェックし(S39)、現在のD/Aレジスタ値REGnが最大値MAX以上であったときは(S39;Y)、超音波モータ10の駆動を停止し(S59)、現在のD/Aレジスタ値をEEPROM31にメモリしてこの処理から抜ける(S61)。
【0025】
現在のD/Aレジスタ値REGnが最大値MAX以上でなかったときは、現在の増減値ΔREGnが最小値1以下か否かをチェックする(S39;N、S41)。現在の増減値ΔREGnが最小値1以下でなかったときは(S41;N)、現在の増減値ΔREGnを1/2倍して増減値ΔREG(n+1)にセットし(S43)、現在のD/Aレジスタ値REGnに更新後の増減値ΔREG(n+1)を加算した値をD/Aレジスタ値REG(n+1)を設定し、スレッショルド電圧を上げる(S45)。そしてスレッショルド電圧を上げたら、変数nに+1加算してS15へ戻る。
【0026】
現在の増減値ΔREGnが最小値1以下であったときは(S41;Y)、前回のデューティ比DUTYnが50%未満であったか否かをチェックし(S49)、前回のデューティ比DUTYnが50%未満でなかった場合は(S49;N)、増減値ΔREGnを更新せず、現在の増減値ΔREGnを増減値ΔREG(n+1)にセットして(S51)、S45へ進む。前回のデューティ比DUTYnが50%未満であった場合は(S49;Y)、超音波モータ10を停止し(S53)、現在のデューティ比DUTYnと前回のデューティ比DUTY(n−1)を比較する(S55)。そして、現在のデューティ比DUTYnのほうが50%に近い場合には現在のD/Aレジスタ値REGnをEEPROM31にメモリし(S55;Y、S61)、前回のデューティ比DUTY(n−1)のほうが50%に近い場合には前回のD/Aレジスタ値REG(n−1)をEEPROM31にメモリし(S55;N、S57)、この処理から抜ける。
【0027】
以上の処理により、CPU30に入力するパルス信号のデューティ比を50%に調整するスレッショルド電圧(D/Aレジスタ値)をEEPROM31にメモリするので、メモリしたD/Aレジスタ値を超音波モータ10の駆動制御時にEEPROM31から読み出してコンパレータ34の反転入力端子に出力すれば、デューティ比50%のパルス信号を得ることができる。
【0028】
以下では、本装置の駆動制御動作について、図5に示されるフローチャートを参照してより詳細に説明する。
超音波モータ10を起動させるときは、先ず、スレッショルド電圧を設定する調節値をEEPROM31から読み込み(S101)、読み込んだ値をD/Aレジスタにセットし(S103)、調節値に対応する電圧をD/A出力端子を介してコンパレータ34の反転入力端子へ出力する(S105)。
次に、超音波モータ10の駆動量を駆動パルス数に換算して算出し、算出した駆動パルス数をダウンカウンタ(不図示)にセットして(S107)、超音波モータ駆動回路32を介して駆動電圧を超音波モータ10に印加し、超音波モータ10を起動させる(S109)。
超音波モータ10が起動してズームレンズ20が回転し始めると、該回転状態に対応するアナログ信号がMRセンサ23から出力される。このMRセンサ23の出力はオペアンプ33、コンパレータ34、プルアップ抵抗35を介してパルス信号に変換され、CPU30に入力する。
CPU30は、パルス信号を入力する毎にダウンカウンタ値を−1ダウンカウントし(S111、S113)、ダウンカウンタの残パルス数が0に達したか否かをチェックする(S115)。残パルス数が0に達していないときはS111へ戻る(S115;Y)。そして残パルス数が0に達したら(S115;N)、超音波モータ駆動回路32を介して超音波モータ10を停止し(S117)、D/A出力端子からの出力を停止して駆動制御動作を終了する(S119)。
【0029】
以上の本実施形態によれば、本装置を組み立てた状態でデューティ比を調整することができるので、組立時に磁気スケール22とMRセンサ23の取り付け位置を厳密に調整しなくても済み、組立容易となる。また、本装置を組み立てた後に磁気スケール22とMRセンサ23の取り付け位置がずれてしまった場合にも、取り付け位置を調整せずに、EEPROM31のD/Aレジスタ値を調整するだけで済むので、容易となる。
なお本実施形態では、デューティ比の調整を組立工程内で実施しているが、初期設定の一つとして、例えば、電池が装填されたとき、装置の電源がオンしたとき、特定のスイッチ操作がされたときなどに実行する構成とすることもできる。
【0030】
以上では、本超音波モータ駆動制御装置により制御される超音波モータがカメラのズームレンズを駆動する実施形態について説明したが、超音波モータの被駆動体としては、カメラのズームレンズに限定されず、他の光学機器にも適用可能であり、また、焦点調節レンズ等の可動レンズにも適用可能である。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、超音波モータの駆動状態に対応するパルス信号の立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジの両エッジをカウントすることにより超音波モータの駆動量を検出するので、回路部品数を増やすことなくパルス信号の分解能を高くし、検出精度の向上を可能としている。
また本発明は、上記パルス信号のデューティ比が50%または50%に最近似するようにパルス信号のスレッショルド電圧を調整するので、さらに駆動制御精度を向上することができる。しかも、デューティ比を50%または50%に最近似させるスレッショルド電圧を予め検出し、その値をメモリに格納してあるので、デューティ比の調整が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明を適用した超音波モータ駆動制御装置を示すブロック図である。
【図2】 超音波モータの駆動状態に対応する信号波形を示す図である。
【図3】 同駆動制御装置のデューティ比調整処理に関するフローチャートの一部を示す図である。
【図4】 同駆動制御装置のデューティ比調整処理に関するフローチャートの一部を示す図である。
【図5】 同駆動制御装置の駆動制御処理に関するフローチャートを示す図である。
【符号の説明】
10 超音波モータ
11 振動子(ステータ)
11a 圧電体
12 移動子(ロータ)
20 ズームレンズ
21 ズーム鏡筒
22 磁気スケール
23 MRセンサ
23a〜23d MR素子
30 CPU
30a カウンタa
30b カウンタb(ハイカウンタ)
30c カウンタc(ローカウンタ)
31 EEPROM(メモリ)
32 超音波モータ駆動回路
33 オペアンプ
34 コンパレータ(波形整形手段)
35 プルアップ抵抗
Claims (4)
- 移動子と振動子を備えた超音波モータと;
所定のピッチで着磁された多極着磁層を有する磁気部材、及びこの磁気部材に対して相対的に平行移動して前記超音波モータの駆動状態に対応する電圧をアナログ信号として出力する磁気センサを有するセンサ手段と;
該出力されたアナログ信号をパルス信号に変換する波形変換手段と;
前記パルス信号を入力して該立ち上がりエッジ及び立ち下がりエッジの両エッジをカウントし、該カウント値に基づいて前記超音波モータを駆動制御する制御手段と;
前記パルス信号のデューティ比が50%または可及的に50%に近似するスレッショルド電圧に関する調整値が書き込まれるメモリと;
前記超音波モータを起動させる場合には、前記メモリから前記調整値を読み込み、該読み込んだ調整値に基づいて前記波形変換手段のスレッショルド電圧を設定する設定手段と;
前記超音波モータを作動させて前記パルス信号のデューティ比を算出し、前記デューティ比が50%に満たない場合または50%を超えている場合には、前記スレッショルド電圧を所定の増減値だけ増減する処理を繰り返し実行して、前記デューティ比が50%または可及的に50%に近似したときの前記スレッショルド電圧を前記調整値として前記メモリに書き込む調整手段と;を備えたことを特徴とする超音波モータ駆動制御装置。 - 請求項1記載の超音波モータ駆動制御装置において、前記調整手段は、前記スレッショルド電圧を変更する毎に前記増減値を段階的に小さくし、該増減値が所定の最小単位に達した以降は前記増減値を該最小単位として、前記スレッショルド電圧を増減して、前記デューティ比が50%または可及的に50%に近似したときのスレッショルド電圧を求める超音波モータ駆動制御装置。
- 請求項1または2記載の超音波モータ駆動制御装置において、前記調整手段は、今回算出したデューティ比が50%未満であって前回算出したデューティ比が50%より高かった場合、または今回算出したデューティ比が50%より高く前回算出したデューティ比が50%未満であった場合には、今回のデューティ比と前回のデューティ比のうち、該デューティ比が50%により近似するほうのスレッショルド電圧が前記調整値として前記メモリに書き込まれる超音波モータ駆動制御装置。
- 請求項1から3のいずれか一項に記載の超音波モータ駆動制御装置において、前記調整手段は、変更後のスレッショルド電圧が設定可能な最大または最小レベルに達したときは、該スレッショルド電圧が前記調整値として前記メモリに書き込まれる超音波モータ駆動制御装置。
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