JP2009289419A - 発電装置及び電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】発電装置100は、燃料と水から水素を含む燃料ガスを生成する反応装置2と、反応装置2で生成された燃料ガスの電気化学反応により電力を取り出す発電セル3と、発電セル3によって生成された副生成物を利用して水素を発生させる水素発生部12と、を備える。そして、発電装置100の定常運転時に、燃料ガスとともに、水素発生部12で発生した水素を発電セル3に送る。
【選択図】図1
Description
そこで、本発明は、改質ガスのみを発電に用いる従来の発電装置と比べて、発電セルに送られる一酸化炭素濃度をより一層低減できる発電装置及び電子機器を提供することを目的としている。
前記燃料ガスの電気化学反応により電力を生成する発電セルと、
前記発電セルによって生成された副生成物を利用して水素を生成する水素発生部と、を備え、
定常運転時に、前記水素発生部で生成された水素と、前記反応装置で生成された燃料ガスとが前記発電セルに送られることを特徴とする。
前記反応装置で生成された燃料ガスに含まれる水素の圧力を検出する第一の圧力検出部と、
前記水素発生部で生成された水素の圧力を検出する第二の圧力検出部と、
前記水素発生部の下流側に設けられた流量調整バルブと、
前記第二の圧力検出部で検出した圧力が、前記第一の圧力検出部で検出した圧力よりも高い場合に、前記流量調整バルブ開放して前記水素発生部から前記発電セルへの水素の流れを許容し、前記第二の圧力検出部で検出した圧力が、前記第一の圧力検出部で検出した圧力以下である場合に、前記流量調整バルブを閉じて前記水素発生部から前記発電セルへの水素の流れを遮断する制御部と、を備えることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項2に記載の発電装置において、
前記反応装置に燃料を送る燃料用ポンプと、前記反応装置に水を送る水用ポンプとを更に備え、
前記制御部は、前記水素発生部から前記発電セルへの水素の流れを許容するとともに、前記燃料用ポンプ及び前記水用ポンプを制御して、前記反応装置への前記燃料及び水の供給量を変更することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載の発電装置において、
前記水素発生部から送られる水素の流量を検出する流量検出部を更に備え、
前記制御部は、前記反応装置への前記燃料及び水の供給量を変更した後であって、前記流量検出部で検出した流量が、所定値以下である場合に、前記流量調整バルブを閉じて前記水素発生部から前記発電セルへの水素の流れを遮断することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発電装置において、
前記水素発生部は、金属水素化物の加水分解により水素を発生させることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発電装置において、
前記水素発生部は、金属微粒子の酸化により水素を発生させることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の発電装置において、
前記水素発生部が前記反応装置に着脱自在に設けられていることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7に記載の発電装置において、
前記反応装置に着脱自在に設けられ、前記反応装置に燃料を送る燃料容器を更に備え、
前記燃料容器に前記水素発生部が設けられていることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項1〜8のいずれか一項に記載の発電装置において、
前記水素発生部を加熱する加熱部を備えることを特徴とする。
請求項10の発明は、電子機器において、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の発電装置と、
前記発電装置により生成された電力によって動作する電子機器本体と、を備えることを特徴とする。
図1は、電子機器500の概略構成を示したブロック図である。
電子機器500は、電子機器本体400と発電装置100とから概略構成される。発電装置100は、発電用燃料を貯蔵する燃料容器1と、燃料容器1から送られた燃料を利用して発電する発電モジュール200と、を備える。燃料容器1は発電モジュール200に対して着脱自在に設けられている。
発電モジュール200は、燃料と水とから水素を生成する反応装置2と、水素の電気化学反応により電力を生成する発電セル3と、を備えている。また、発電モジュール200は、反応装置2で生成された水素を加湿して発電セル3のアノード31に送る第一の加湿器4、カソード32に送る空気を加湿して発電セル3のカソード32に送る第二の加湿器5、発電セル3のアノード31から排出された未反応の水素を含むアノードオフガスのうちの一部を燃焼させる排ガス用燃焼器6、排ガス用燃焼器6から排出された排出ガスとしての水蒸気のうちの一部を凝縮する熱交換器7、熱交換器7によって凝縮された水を回収するとともに水が凝縮された余剰の排出ガスを排出する水回収器8を備えている。
さらに、発電モジュール200は、発電セル3により生成された電力を適切な電圧に変換するDC/DCコンバータ91と、DC/DCコンバータ91に接続される2次電池92と、発電モジュール200の各部を制御する制御部93とを備えている。
発電用燃料としては、例えばメタノール、エタノール等のアルコール類やジメチルエーテル等のエーテル類、ガソリンといった水素原子を含む化合物を使用することができる。本実施形態では、燃料として100%メタノールを用いる。100%のメタノールは、水回収器8から送られた水と均一に混合されることにより所定の濃度の混合液が生成されて、後段に送られる。
なお、発電装置100の起動時には、燃料貯蔵部11の燃料を燃料用ポンプP6を用いて送るとともに、前回の発電装置100の定常運転時に水回収器8に貯留された水を水用ポンプP5を用いて燃料用ポンプP6の後段に送ることにより、これらの燃料と水とを所定の濃度になるように混合して、その後段に配置された気化器21側に供給する。
なお、改質器22では、化学反応式(1)及び(2)に示す反応が行われ、一酸化炭素除去器24では、化学反応式(3)に示す反応が行われる。また、熱供給用燃焼器23及び一酸化炭素除去器24には、それぞれ空気用ポンプP2、P1によって、電子機器500の外部から空気が送られる。更に、改質器22、一酸化炭素除去器24及び熱供給用燃焼器23は、断熱パッケージ25に収容されている。断熱パッケージ25の内部空間は気体分子による熱伝導や対流を防ぐため、例えば10Pa以下、より好ましくは1Pa以下、といった大気圧よりも低い圧力に維持されている。
さらに、一酸化炭素除去器24の後段における断熱パッケージ25の外部には、逆流防止バルブV4、第一の圧力センサ(第一の圧力検出部)S1が順に接続されている。逆流防止バルブV4は、一酸化炭素除去器24から第一の加湿器4へ流れる改質ガスが一酸化炭素除去器24へ逆流することを防止している。第一の圧力センサS1は、一酸化炭素除去器24から第一の加湿器4へ流れる水素の圧力を測定する。
CH3OH+H2O→3H2+CO2・・・(1)
H2+CO2→H2O+CO・・・(2)
2CO+O2→2CO2・・・(3)
そして、アノード31において未反応の水素を含むアノードオフガスは、熱供給用燃焼器23に送られて、空気用ポンプP2によって電子機器500の外部から送られた空気中の酸素により燃焼される。さらに、熱供給用燃焼器23から排出された未燃焼の水素を含む排出ガスは排ガス用燃焼器6に送られる。カソード32で生成された水分子や未反応の酸素を含むカソードオフガスは、排ガス用燃焼器6に送られて、熱供給用燃焼器23から排出されたアノードオフガスと混合される。
H2→2H++2e−・・・(4)
2H++1/2O2+2e−→H2O・・・(5)
ここで、例えば、熱交換器7が送風機構を備えるものであれば、その風量を調整することにより、上述の凝縮する水量を調節することができる。その際、気化器21に送られるメタノールと水の濃度調整は水用ポンプP5を調節することにより行なわれるので、第一及び第二の加湿器4,5で再利用される分も含めて、水の濃度が下回らないように、少し多めに水を回収することが望ましい。
水回収器8は、熱交換器7から送られた排出物のうち、液体である水を回収する回収室81と、気体のみを透過する気液分離膜82と、を備えている。そして、熱交換器7から送られた排出物のうち、液体である水のみが回収室81で回収されて、気体である排出ガスは気液分離膜82を透過して発電モジュール200の外部に放出される。
回収室81で回収された水は、水用ポンプP5によって、気化器21の上流側に送られ、燃料用ポンプP6により送られる燃料貯蔵部11の燃料と混合されたり、水用ポンプP4によって、第一及び第二の加湿器4,5に送られたり、さらに、水用ポンプP7によって、水素発生部12に送られて再利用される。一方、排出ガスは、気液分離膜82を透過して水回収器8から排出され、発電モジュール200の外部へと放出される。なお、排出ガスは、排出されるガスの温度における飽和水蒸気圧分の水蒸気を含む。
水素を生成する物質としては、例えば加水分解により水素を生成するケミカルハイドライドが挙げられる。ケミカルハイドライドは金属の水素化物であり、様々な種類があるがNaBH4、MgH2、MgNiH4、LaNi5H6、TiFeH2等が挙げられる。本実施形態では、NaBH4を使用した場合について説明する。この場合、次式(6)に示される加水分解の反応で水素が発生する。なおこの反応は、発熱反応である。
NaBH4+2H2O→NaBO2+4H2・・・(6)
水素発生容器121は、断熱パッケージ124内に収容されており、断熱パッケージ124を介した熱伝導が抑制される。また、断熱パッケージ124と燃料貯蔵部11とが燃料容器1内に収容されている。このように、断熱パッケージ124内に水素発生容器121を収容することによって、水素発生容器121内での加水分解反応により生じた熱が、断熱パッケージ124を介して、燃料貯蔵部11を含め、水素発生容器121の外部に伝熱することを抑制することができる。
まず、電子機器本体400から通信用端子を介して制御部93に作動信号が入力されることによって、発電装置100が作動を開始する。このとき、制御部93が、空気用ポンプP1,P2を作動させるとともに、気化器21、改質器22、熱供給用燃焼器23及び一酸化炭素除去器24の各ヒータ兼温度計2aを発熱させて所定温度となるようにそれらの温度を制御する。
そして、制御部93は、燃料用ポンプP6及び水用ポンプP5の作動させて、燃料及び水を気化器21に送る。気化器21に送られた燃料及び水は加熱されて気化し、燃料ガス及び水蒸気の混合気となって改質器22に送られる。
改質器22では、気化器21から送られた混合気中のメタノールと水蒸気が触媒により反応して二酸化炭素及び水素が生成される(上記化学反応式(1)参照))。また、改質器22では、化学反応式(1)についで逐次的に一酸化炭素が生成される(上記化学反応式(2)参照)。そして、改質器22で生成された一酸化炭素、二酸化炭素及び水素等を含む改質ガスが一酸化炭素除去器24に送られる。
発電セル3では、上述の通り、アノード31に送られた水素及び第二の加湿器5により加湿され、カソード32に送られた酸素が反応して発電する。アノード31及びカソード32は、それぞれDC/DCコンバータ91と接続されており、アノード31に到達した電子は、DC/DCコンバータ91を通ってカソード32に送られる。DC/DCコンバータ91は、発電セル3により生成された電力を適切な電圧に変換したのちに電子機器本体400に供給するとともに、二次電池92に充電する。
水素発生部12に送られた水は、水素発生容器121内に収容されたNaBH4と反応して、水素が生成される。所定の条件の下、制御部93によって流量調整バルブV3が開放され、生成された水素が第一の加湿器4を介して発電セル3に送られる。
まず、第一の圧力センサS1及び第二の圧力センサS2でそれぞれ水素の圧力p1,p2を測定する(ステップs1)。そして、第二の圧力センサS2で測定した圧力p2が、第一の圧力センサS1で測定した圧力p1よりも高いか否かを判断する(ステップs2)。圧力p2が圧力p1よりも高い場合には(ステップs2→Yes)、流量調整バルブV3を開放して水素の流れを許容する(ステップs3)。続けて、流量センサS3で水素の流量v3を測定し、水素の圧力p1,p2、流量v3がそれぞれ式(7)、(8)を満たすように、制御部93によって、流量調整バルブV3の開度を調節する(ステップs4)。ここで、流量v3の設定値vs及び測定誤差Δvはそれぞれ予め定められた値である。
p2>p1・・・(7)
vs−Δv<v3<vs+Δv・・・(8)
以上のような処理を、例えば10秒間隔といった一定の時間間隔で繰り返し行う。
メタノール7×10−5mol/sと水8.4×10−5mol/sを反応装置2に送ると、所定量の水素ガスが生成され、約20Wの電力が発電セル3によって生成される。また、合計で39.2×10−5mol/sの液体及び気体の水が排ガス用燃焼器6から排出される。熱交換器7から排出されるガスの温度を45℃とすると、本実施例の熱交換器7では、29.9×10−5mol/sの水が凝縮され、このうち23.7×10−5mol/sが、反応装置2における水蒸気改質と第一及び第二の加湿器4,5で再利用される。そして、6.2×10−5mol/sの水が水素発生部12に送られる。このとき、9.3×10−5mol/sの水が電子機器500の外部に放出される最終的な排出ガスに含まれており、水回収室8の水の量は増減しない。なお、6.2×10−5mol/sの水が水素発生部12に送られると、発電セル3で生成される電力に換算して約12Wに相当する水素を生成することができる。
また、本実施形態の制御部93は、第二の圧力センサS2で測定した水素の圧力p2が第一の圧力センサS1で測定した水素の圧力p1よりも高い場合に、流量調整バルブV3を開放して水素発生部12から発電セル3へ水素を送るとともに、水素の圧力p2が水素の圧力p1以下である場合に、流量調整バルブV3を閉じて水素発生部12から発電セル3への水素の供給を停止するので、水素発生容器121内に収容された物質を節約することができる。
さらに、水素発生部12は、金属水素化物の加水分解により水素を発生させるので、単純な構成である。しかも、発電セル3で生成した水を再利用することができるので、水回収室81に貯蔵された水を廃棄する回数を減らすことができる。
また、燃料容器1は発電モジュール200に着脱自在に設けられ、また、燃料容器1内に水素発生部12が収容されているので、水素発生容器1内の水素化金属といった水素を生成する物質を容易に補充することができる。
例えば、水素発生容器121内に収容された水素を生成する物質として、NaBH4を使用したが、これに限らず、金属微粒子でも良く、鉄やアルミニウムを使用することができる。
また、水素発生部12に電気ヒータや触媒燃焼器などの電気的もしくは化学的な加熱部(図示しない)を設けて、熱供給することで水と金属水素化物あるいは金属微粒子との反応を促進させ、水素の発生効率を向上させるようにしても良い。さらには、水素発生部121において、水素発生容器121に収容された物質を加熱して熱分解することによって、水素を発生させるようにしても良い。
3 発電セル
12 水素発生部
22 改質器(改質部)
93 制御部
100 発電装置
400 電子機器本体
500 電子機器
S1 第一の圧力センサ(第一の圧力検出部)
S2 第二の圧力センサ(第二の圧力検出部)
V3 流量調整バルブ
p1,p2 水素の圧力
S3 流量センサ(流量検出部)
v3 水素の流量
Claims (10)
- 燃料と水から水素を含む燃料ガスを生成する反応装置と、
前記燃料ガスの電気化学反応により電力を生成する発電セルと、
前記発電セルによって生成された副生成物を利用して水素を生成する水素発生部と、を備え、
定常運転時に、前記水素発生部で生成された水素と、前記反応装置で生成された燃料ガスとが前記発電セルに送られることを特徴とする発電装置。 - 前記反応装置で生成された燃料ガスに含まれる水素の圧力を検出する第一の圧力検出部と、
前記水素発生部で生成された水素の圧力を検出する第二の圧力検出部と、
前記水素発生部の下流側に設けられた流量調整バルブと、
前記第二の圧力検出部で検出した圧力が、前記第一の圧力検出部で検出した圧力よりも高い場合に、前記流量調整バルブ開放して前記水素発生部から前記発電セルへの水素の流れを許容し、前記第二の圧力検出部で検出した圧力が、前記第一の圧力検出部で検出した圧力以下である場合に、前記流量調整バルブを閉じて前記水素発生部から前記発電セルへの水素の流れを遮断する制御部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の発電装置。 - 前記反応装置に燃料を送る燃料用ポンプと、前記反応装置に水を送る水用ポンプとを更に備え、
前記制御部は、前記水素発生部から前記発電セルへの水素の流れを許容するとともに、前記燃料用ポンプ及び前記水用ポンプを制御して、前記反応装置への前記燃料及び水の供給量を変更することを特徴とする請求項2に記載の発電装置。 - 前記水素発生部から送られる水素の流量を検出する流量検出部を更に備え、
前記制御部は、前記反応装置への前記燃料及び水の供給量を変更した後であって、前記流量検出部で検出した流量が、所定値以下である場合に、前記流量調整バルブを閉じて前記水素発生部から前記発電セルへの水素の流れを遮断することを特徴とする請求項3に記載の発電装置。 - 前記水素発生部は、金属水素化物の加水分解により水素を発生させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発電装置。
- 前記水素発生部は、金属微粒子の酸化により水素を発生させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の発電装置。
- 前記水素発生部が前記反応装置に着脱自在に設けられ
ていることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の発電装置。 - 前記反応装置に着脱自在に設けられ、前記反応装置に燃料を送る燃料容器を更に備え、
前記燃料容器に前記水素発生部が設けられていることを特徴とする請求項7に記載の発電装置。 - 前記水素発生部を加熱する加熱部を備えることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の発電装置。
- 請求項1〜9のいずれか一項に記載の発電装置と、
前記発電装置により生成された電力によって動作する電子機器本体と、を備えることを特徴とする電子機器。
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