JP2010262747A - 燃料電池用改質装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】一酸化炭素除去部の選択酸化触媒層を選択酸化反応時に好適な温度に保つ。
【解決手段】改質装置100は、原燃料を改質して水素ガスを主成分とする改質ガスを生成する改質部120と、選択酸化触媒層を有し、改質ガスと選択酸化空気とを接触させて、改質ガスに含まれる一酸化炭素を選択的に酸化するCO除去部140と、CO除去部140に選択酸化空気を供給する選択酸化空気ブロア170と、選択酸化触媒層温度を検知する触媒層温度センサ142と、触媒層温度センサ142の検知結果に応じて選択酸化空気ブロア170を制御して選択酸化空気の供給量を調節することで、選択酸化反応時の選択酸化触媒層の温度を選択酸化反応に適した目標温度に近づけるように制御する制御装置180とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、原燃料を改質して水素ガスを主成分とする改質ガスを生成する燃料電池用改質装置に関する。
近年、エネルギー変換効率が高く、かつ、発電反応により有害物質を発生しない燃料電池が注目を浴びている。こうした燃料電池として、固体高分子形燃料電池のように、電解質膜を燃料極と空気極との間に配した基本構造を有し、燃料極に水素を含む燃料ガス、空気極に酸素を含む酸化剤ガスを供給し、以下の電気化学反応により発電する燃料電池が知られている。
燃料極:H→2H+2e (1)
空気極:1/2O+2H+2e→HO (2)
燃料極では、供給された燃料ガス中に含まれる水素が上記式(1)に示されるように水素イオンと電子に分解される。このうち水素イオンは電解質膜の内部を空気極に向かって移動し、電子は外部回路を通って空気極に移動する。一方、空気極では、空気極に供給された酸化剤ガスに含まれる酸素が燃料極から移動してきた水素イオンおよび電子と反応し、上記式(2)に示されるように水が生成される。このように、外部回路では燃料極から空気極に向かって電子が移動するため、電力が取り出される。
上述の構成を有する燃料電池は、水素が有する化学エネルギーを電気エネルギーに変換して電力を発生する。水素を含む燃料ガスは、例えば灯油、天然ガス、LPG、ナフサ等の炭化水素系原燃料またはメタノール等のアルコール類原燃料と水蒸気とを混合して、改質装置で改質することで得ることができる。改質により得られた燃料ガス(改質ガス)は燃料電池の燃料極に供給され、発電に用いられる。
こうした改質装置として、脱硫部と、改質部と、一酸化炭素変成部(シフト変成部)と、一酸化炭素除去部とを備えた改質装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。このような改質装置では、次のような処理が行われる。
まず、改質装置の上流に設けられた脱硫部において、原燃料中に不純物として、または漏洩検出のための付臭剤として含まれる硫黄化合物が除去される。脱硫部で硫黄化合物が除去された原燃料は、水蒸気と混合されて改質部において水蒸気改質され、水素と一酸化炭素を含む改質ガスに改質される。改質部で生成された改質ガスは一酸化炭素変成部に送られ、一酸化炭素変成部において、燃料電池本体に含まれる触媒等の劣化の原因となる一酸化炭素が水と反応して二酸化炭素に変換される。
一酸化炭素変成部を経た改質ガスは一酸化炭素除去部に送られる。そして、一酸化炭素除去部において、改質ガス中に残った一酸化炭素が選択的に酸化されて二酸化炭素に変換される。この選択酸化反応は、一酸化炭素変成部に酸素含有ガスとして供給される空気と改質ガス中の一酸化炭素とが選択酸化触媒の存在下で接触させられて起こる。
特開2008−230867号公報
従来の改質装置では、一酸化炭素除去部に供給する空気の量を、改質部に供給される原燃料の流量に応じて決めていた。そのため、改質部の改質性能や、一酸化炭素除去部に供給される空気の流量を計測する流量計の精度により、一酸化炭素除去部への空気供給量が一酸化炭素の選択酸化に適した量から外れてしまうおそれがあった。空気供給量が過剰な場合には、選択酸化触媒を備えた選択酸化触媒層の温度が過度に上昇し、熱暴走を起こす可能性がある。空気供給量が不足した場合には、選択酸化触媒層の温度が低下し、改質ガス中の一酸化炭素の濃度を規定量以下に低減できない可能性がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、一酸化炭素除去部の選択酸化触媒層を選択酸化反応時に好適な温度に保つ技術を提供することにある。
本発明のある態様は、燃料電池用改質装置である。当該燃料電池用改質装置は、原燃料を改質して水素ガスを主成分とする改質ガスを生成する改質部と、選択酸化触媒を含む触媒層を有し、改質ガスと酸素含有ガスとを選択酸化触媒の存在下で接触させて、改質ガスに含まれる一酸化炭素を選択的に酸化する一酸化炭素除去部と、一酸化炭素除去部に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、触媒層の温度を検知する触媒層温度検知部と、触媒温度検知部の検知結果に応じて酸素含有ガス供給部を制御して酸素含有ガスの単位時間当たりの供給量を調節することで、選択酸化反応時の触媒層の温度を選択酸化反応に適した目標温度に近づけるように制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
この態様によれば、一酸化炭素除去部の選択酸化触媒層を選択酸化反応時に好適な温度に保つことができる。
上記態様において、制御部は、触媒層の温度が、一酸化炭素除去部で熱暴走が起こらない温度における最高温度である熱暴走防止限界温度を上回らず、かつ、選択酸化後の改質ガスの一酸化炭素濃度を規定濃度以下に低減できる量の選択酸化空気が供給されたときにとり得る温度における最低温度であるCO規定低減限界温度を下回らないように触媒層の温度を制御してもよい。
上記態様において、制御部は、触媒層の温度が、熱暴走防止限界温度よりも低い設定上限温度を上回らず、かつ、CO規定低減限界温度よりも高い設定下限温度を下回らないように触媒層の温度を制御してもよい。
上記態様において、目標温度は、熱暴走防止限界温度とCO規定低減限界温度との中間温度よりも低い温度であってもよい。
上記態様において、目標温度は、設定上限温度と設定下限温度との中間温度よりも低い温度であってもよい。
上記態様において、制御部は、触媒層の温度が、目標温度を含むようにして定められた温度の不感帯の上限温度を上回った場合に酸素含有ガスの単位時間当たりの供給量を低減し、不感帯の下限温度を下回った場合に酸素含有ガスの単位時間当たりの供給量を増大させてもよい。
上記態様において、不感帯は、目標温度がその温度幅の中心であってもよい。
上記態様において、不感帯の温度幅は、改質部への原燃料の供給量に応じて定められてもよい。
上記態様において、一酸化炭素除去部への酸素含有ガスの供給量を検知する供給量検知部を備え、設定上限温度および設定下限温度は、供給量検知部の有する検知誤差に応じて定められてもよい。
なお、上述した各要素を適宜組み合わせたものも、本件特許出願によって特許による保護を求める発明の範囲に含まれうる。
本発明によれば、一酸化炭素除去部の選択酸化触媒層を好適な温度に保つことができる。
実施形態に係る燃料電池システムの全体構成を示す概略図である。 選択酸化空気供給量と、選択酸化触媒層温度と、CO除去部出口CO濃度との関係を示すグラフ図である。 原燃料流量と選択酸化触媒層温度との関係を示すグラフ図である。 実施形態に係る改質装置における選択酸化空気流量制御の制御フローチャートである。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。なお、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(実施形態)
図1は、実施形態に係る燃料電池システムの全体構成を示す概略図である。なお、図1の概略図は、主に各構成の機能やつながりを模式的に示した図であり、各構成の位置関係または配置を限定するものではない。
燃料電池システム10は、改質装置100(燃料電池用改質装置)と、燃料電池200と、貯湯ユニット300とを備える。以下、各構成について詳細に説明する。
<改質装置>
改質装置100は、原燃料を改質して水素ガスを主成分とする改質ガスを生成する燃料電池用改質装置である。改質装置100は、脱硫部110と、改質部120と、一酸化炭素変成部130(以下、適宜、一酸化炭素変成部をCO変成部と称する)と、一酸化炭素除去部140(以下、適宜、一酸化炭素除去部をCO除去部と称する)と、を備える。
(脱硫部)
改質装置100には、水素を含む燃料ガスの原燃料として、例えば灯油、天然ガス、LPG、ナフサ等の炭化水素系原燃料が供給される。一般に、原燃料には不純物として、またはガス漏れを感知しやすくするための付臭剤として、硫黄化合物が含まれている。硫黄化合物を含んだ原燃料がそのまま改質部120に送られると、硫黄化合物が改質部120や、その下流にある燃料電池200等に含まれる触媒に対して触媒毒として作用し、硫黄被毒により改質装置100の改質性能や燃料電池200の発電性能が低下してしまう。そこで、脱硫部110において原燃料中に含まれる硫黄化合物を除去する。
脱硫部110は、吸着剤として銀(Ag)を担持したゼオライト系の吸着剤を有する。そして、この吸着剤による吸着脱硫反応によって、原燃料に含まれる硫黄化合物が除去される。原燃料は、硫黄化合物濃度が約20〜50ppbとなるまで脱硫される。脱硫部110で硫黄化合物が除去された原燃料は改質部120に送られる。なお、水添脱硫触媒として例えばCo−Mo系やNi−Mo系の触媒を有する触媒層を備え、この水添脱硫触媒による水添脱硫反応によって硫黄化合物を除去してもよい。
改質部120に供給される原燃料の流量は、原燃料流量センサ102によって検知することができる。原燃料流量センサ102は、後述する制御装置180と信号ケーブルで接続されており、検知した原燃料の流量を信号として制御装置180に送信することができる。
(改質部)
改質部120は、アルミナ等の担体に金属粒子としてルテニウム(Ru)が担持されたRu系の改質触媒を含む改質触媒層(図示せず)を有する。改質部120には脱硫部110で処理された原燃料と、水蒸気とが供給され、改質触媒の存在下で原燃料の水蒸気改質が行われる。当該水蒸気改質では、以下の式(3)で示すように、原燃料中のメタンと水蒸気が反応して水素と一酸化炭素が生じる改質反応が起こる。当該改質反応は、例えば、約650〜700℃の範囲で行われる。
CH+HO→3H+CO (3)
改質部120における改質反応に必要な水蒸気は、改質装置100に供給された改質用水を気化させることで生成される。改質用水は、逆浸透膜とイオン交換樹脂等を備えた水処理装置(図示せず)により上水からの水が処理されて生成される。水処理装置により上水からの水の導電率が低下するとともに、有機物の混入が抑制される。改質用水の流量は、改質用水ポンプ174の出力を調整することで調節することができる。
改質装置100に供給された改質用水は、熱交換部135において改質ガスとの間で熱交換され、続いてCO変成部130において後述する触媒層との間で熱交換される。これらの熱交換により改質用水が加熱される。また、改質用水は、気化部150において、後述するバーナ122によって生成された燃料排ガスとの間で熱交換されてさらに加熱される。その後、改質用水は、改質部120の下流側であってCO変成部130の上流側に設けられた熱交換部160において、改質部120から排出された改質ガスとの間で熱交換されてさらに加熱される。これらの熱交換により改質用水は気化して水蒸気となり、脱硫部110の下流側であって改質部120の上流側で原燃料と混合される。
改質部120の下部にはバーナ122が設けられている。バーナ122は、原燃料または電池オフガスを燃焼用空気と混合して燃焼させ、改質部120を加熱するための燃焼排ガスを生成する。バーナ122で生成された燃焼排ガスによって改質部120が加熱され、これにより吸熱反応である改質反応に必要な熱が得られる。具体的には、燃料電池システム10もしくは改質装置100の起動時には、改質装置100に供給された原燃料の一部と燃焼用空気とがバーナ122に供給される。そして、バーナ122は、原燃料と燃焼用空気とを混合して燃焼させる。また、燃料電池システム10が安定的に運転できるようになると、バーナ122への原燃料の供給が停止し、燃料電池200で未反応のまま排出された改質ガスである電池オフガスがバーナ122に供給される。そして、バーナ122は、電池オフガスと燃焼用空気とを混合して燃焼させる。改質部120およびバーナ122への原燃料の供給は、原燃料を供給する原燃料ポンプ(図示せず)の駆動や、改質部120に延びる原燃料流路とバーナ122に延びる原燃料流路とで流路を切り替える切替弁(図示せず)の切り替えにより調節される。原燃料ポンプの駆動および切替弁の切り替えは、制御装置180によって制御される。
バーナ122に供給される燃焼用空気には、外部から燃焼用空気ブロア171を用いて燃料電池システム10に取り込まれた空気が用いられる。すなわち、燃焼用空気ブロア171により燃料電池システム10に取り込まれた空気がフィルタ(図示せず)により塵や浮遊物が除去されて、燃焼用空気としてバーナ122に送られる。
電池オフガスは、気液分離装置(図示せず)を経由してバーナ122に送られる。気液分離装置において電池オフガスの気体成分のみが取り出されて、当該気体成分がバーナ122に送られる。
バーナ122で原燃料もしくは電池オフガスが燃焼することによって、約1200〜1300℃の高温の燃焼排ガスが発生する。この燃焼排ガスは、改質部120の昇温に用いられた後、気化部150に到達する。そして、燃焼排ガスは、気化部150において改質用水と熱交換した後、燃料電池システム10の外部へ排出される。
改質部120での改質反応によって、原燃料から水素(燃料)を約80%、一酸化炭素を約10%含有する改質ガスが生成される。生成された改質ガスは下流側に送られ、熱交換部160において改質用水と熱交換して所定温度まで冷却された後、CO変成部130に到達する。
(一酸化炭素変成部)
CO変成部130は、酸化銅や酸化亜鉛のペレットからなるCu−Zn系の触媒を含む触媒層を有する。そして、CO変成部130は、改質ガスに含まれる水蒸気を利用した以下の式4で示すシフト反応により、改質ガスに含まれる一酸化炭素を低減する。シフト反応は、例えば、約200〜300℃の範囲で行われる。
CO+HO→CO+H (式4)
改質部120で生成された改質ガスの温度は、熱交換部160における改質用水による熱回収によってシフト反応に適した温度に調整される。そのため、CO変成部130において特段の温度制御をしなくても、触媒層の温度をシフト反応に適した温度に維持することが可能である。
CO変成部130でのシフト反応によって、改質部120で生成された改質ガスの一酸化炭素濃度は約0.5%以下まで低減される。CO変成部130で一酸化炭素が低減された改質ガスはさらに下流側に送られ、改質ガスの流路上のCO変成部130とCO除去部140との間に配置された熱交換部135において改質用水と熱交換した後、CO除去部140に到達する。
(一酸化炭素除去部)
CO除去部140は、アルミナ等の担体に金属粒子としてルテニウム(Ru)が担持されたRu系の選択酸化触媒を含む選択酸化触媒層を有する。そして、CO除去部140は、CO変成部130から送られてきた改質ガスと、外部から取り込んだ空気(酸素含有ガス)とを選択酸化触媒の存在下で接触させて、CO変成部130で一酸化炭素が低減された改質ガス中に残る一酸化炭素を選択的に酸化する。CO除去部140で起こる選択酸化反応は以下の式5で示される。当該選択酸化反応は、例えば、約70〜180℃の範囲で行われる。
CO+1/2O→CO (式5)
CO除去部140に供給される空気(以下、適宜、選択酸化空気と称する)には、外部から選択酸化空気ブロア170(酸素含有ガス供給部)を用いて燃料電池システム10に取り込まれた空気が用いられる。すなわち、選択酸化空気ブロア170によって燃料電池システム10に取り込まれた空気は、フィルタにより塵や浮遊物が除去され、加湿および加温されて、選択酸化空気としてCO除去部140に供給される。CO除去部140に供給される選択酸化空気の流量は、選択酸化空気流量センサ104(供給量検知部)によって検知される。選択酸化空気流量センサ104は、制御装置180と信号ケーブルで接続されており、検知した選択酸化空気の流量を信号として制御装置180に送信することができる。また、CO除去部140に供給される選択酸化空気の量は、選択酸化空気ブロア170の出力を調整することにより調節することができる。なお、外部から改質装置100までの空気の流路上には、改質装置100から原燃料や改質ガスが外部に流出するのを防ぐために、逆止弁(図示せず)が設けられていてもよい。
CO除去部140には、選択酸化触媒層の温度を検知する触媒層温度センサ142(触媒層温度検知部)が設けられている。触媒層温度センサ142は、制御装置180と信号ケーブルで接続されており、検知した選択酸化触媒層の温度を信号として制御装置180に送信することができる。触媒層温度センサ142によって選択酸化触媒層の温度が検知され、これによりCO除去部140で起こる選択酸化反応と後述するメタン化反応が監視される。
CO除去部140での選択酸化反応によって改質ガスの一酸化炭素濃度は約10ppm以下まで低減される。CO除去部140で一酸化炭素が選択的に除去された改質ガスは、加温および加湿等された後、燃料電池200のアノード(図示せず)に供給される。
<燃料電池>
本実施形態の燃料電池200は、固体高分子形燃料電池である。燃料電池200は、アノードとカソードとの間に電解質膜として固体高分子電解質膜が設けられたセル(単電池)が複数積層されて構成される積層体(図示せず)を有する。燃料電池200は、燃料として水素を用いるとともに、酸化剤として空気を用いて発電を行う。
燃料としての水素は、改質装置100から供給される。すなわち、改質装置100のCO除去部140から送られてきた改質ガスがアノードに供給され、改質ガスに含まれる水素が燃料として用いられる。また、酸化剤としての空気は、燃料電池システム10の外部から供給される。すなわち、外部から酸化剤ブロア172を用いて燃料電池システム10に取り込まれた空気が、フィルタにより塵や浮遊物が除去され、加湿および加温されて燃料電池200のカソードに酸化剤として供給される。燃料電池200に供給される酸化剤としての空気の量は、酸化剤ブロア172の出力を調整することにより調節することができる。なお、外部から燃料電池200までの空気の流路上には、燃料電池200から改質ガスが外部に流出するのを防ぐために、逆止弁(図示せず)が設けられていてもよい。
改質ガスおよび空気が供給されると、燃料電池200の各セルにおいて、固体高分子電解質膜の一方の面に接するアノードで以下の式(1)で示す電極反応が起きる。一方、固体高分子電解質膜の他方の面に接するカソードで以下の式(2)で示す電極反応が起きる。各セルは、冷却水プレート(図示せず)を流通する冷却水によって冷却され、約70〜80℃の適温に調節される。
→2H+2e (1)
1/2O+2H+2e→HO (2)
燃料電池200で発生した直流電力は、コンバータ(図示せず)により所定電圧(たとえば24V)の直流電力に変換された後、インバータ(図示せず)によって交流電力(たとえば100V)に変換される。インバータで変換された交流電力は系統(図示せず)へ出力される。また、コンバータで変換された所定電圧の直流電力は、制御装置180等の電源として利用される。
燃料電池システム10は、循環ポンプ(図示せず)によって、冷却水プレートを流通する冷却水が燃料電池200と熱交換部210との間を循環するように構成されている。燃料電池200の発電で発生した熱エネルギーは、冷却水によって燃料電池200の外部に取り出される。燃料電池200を通過した冷却水は、熱交換部210で貯湯ユニット300から送られた熱回収水と熱交換した後、再度、燃料電池200の冷却に用いられる。
<貯湯ユニット>
貯湯ユニット300は、貯湯タンク310を有する。貯湯タンク310には上水からの水が供給される。貯湯タンク310に供給された水は熱回収水ポンプ176によって熱回収水として熱交換部210に送り出され、熱交換部210において、熱回収水と燃料電池200から排出された冷却水との間で熱交換が行われる。その結果、燃料電池200で生じた熱エネルギーによって熱回収水が加熱され、貯湯タンク310に湯水が貯留される。このように、燃料電池200で発生した熱エネルギーを湯水として貯湯タンク310に貯留することができるので、燃料電池システム10の熱効率が向上する。
<制御装置>
改質装置100、燃料電池200、および貯湯ユニット300のそれぞれの運転は、制御装置180(制御部)によって制御される。また、制御装置180は、上述のように原燃料流量センサ102、選択酸化空気流量センサ104、および触媒層温度センサ142のそれぞれと信号ケーブルで接続されており、各センサの検知結果信号を受信することができる。また、制御装置180は、選択酸化空気ブロア170、燃焼用空気ブロア171、および酸化剤ブロア172のそれぞれと信号ケーブルで接続されており、選択酸化空気ブロア170、燃焼用空気ブロア171、および酸化剤ブロア172のそれぞれに、各空気の流量を調節する流量調節信号を送信する。また、制御装置180は、改質用水ポンプ174および熱回収水ポンプ176のそれぞれと信号ケーブルで接続されており、改質用水ポンプ174、熱回収水ポンプ176のそれぞれに、改質用水あるいは熱回収水の流量を調節する流量調節信号を送信する。
さらに、制御装置180は、原燃料を供給する原燃料ポンプ、原燃料の流路上の切替弁、燃料電池200を冷却する冷却水を循環させるための循環ポンプ、コンバータおよびインバータ等との間で電気信号を送受信して、これらの各種機器を制御する。制御装置180はリモートコントローラ(図示せず)と赤外線通信が可能であってもよく、この場合には、ユーザがリモートコントローラを用いて、燃料電池システム10の動作を操作したり、貯湯タンク310の湯温等を設定したりすることができる。
次に、上述の構成を備えた改質装置100の動作について説明する。図2は、選択酸化空気供給量と、選択酸化触媒層温度と、CO除去部出口CO濃度との関係を示すグラフ図である。図3は、原燃料流量と選択酸化触媒層温度との関係を示すグラフ図である。
図2において曲線Bは、横軸を選択酸化空気供給量AQ、縦軸を選択酸化触媒層温度Tとしたときのグラフである。曲線Bから分かるように、CO除去部140への選択酸化空気の供給量である選択酸化空気供給量AQと選択酸化触媒層温度Tとは、選択酸化空気供給量の増大とともに選択酸化触媒層温度が上昇する関係になっている。この理由は次の通りである。すなわち、CO除去部140で行われる選択酸化反応は発熱反応である。したがって、選択酸化空気が供給されて選択酸化反応が進むと選択酸化触媒層の温度が上昇し、選択酸化空気供給量が増大すると選択酸化反応が促進されて、これにより選択酸化触媒層温度がさらに上昇する。
また、CO除去部140では、選択酸化反応とともに、副反応としてメタン化反応(メタネーション)が起こり得る。メタン化反応は、以下の式6で示すように、改質ガス中の一酸化炭素と水素とが反応してメタンが生成される反応と、以下の式7で示すように、改質ガス中の二酸化炭素と水素とが反応してメタンが生成される反応とを含む。
CO+3H→CH+HO (式6)
CO+4H → CH+2HO (式7)
このメタン化反応は、選択酸化触媒層温度Tが熱暴走防止限界温度TUを上回った場合に発生しやすくなる。また、改質ガス中には反応物である水素や二酸化炭素が多量に含まれるため、メタン化反応は促進されやすい。そして、メタン化反応も発熱反応であるため、この反応によっても選択酸化触媒層温度Tが上昇する。したがって、選択酸化触媒層温度Tが熱暴走防止限界温度TUを上回ると、メタン化反応が急激に起こって選択酸化触媒層温度Tが急激に上昇し、この温度上昇によってさらにメタン化反応が促進されるという繰り返しが起こる。
その結果、CO除去部140は、選択酸化空気供給量AQによらず選択酸化触媒層温度Tが急激に上昇して温度制御が不能となる状態、すなわち熱暴走状態に陥る可能性がある。熱暴走すると、改質装置100に過剰な温度負荷を与えることとなり、改質装置100や燃料電池システム10に含まれる他の機器の破損や変形等を引き起こす可能性がある。また、メタン化反応により燃料となる水素が消費されてしまうため、燃料電池システム10のエネルギー変換効率が低下してしまう。したがって、選択酸化触媒層温度Tは、熱暴走を防ぐために、熱暴走防止限界温度TU以下とすることが好ましい。よって、選択酸化空気供給量AQは、選択酸化触媒層温度Tが熱暴走防止限界温度TU以下になるように、上限供給量AQU以下とすることが好ましい。熱暴走防止限界温度TUは、CO除去部140で熱暴走が起こらない温度における最高温度である。また、図3に示すように、熱暴走防止限界温度TUは原燃料流量FQに応じて変化する温度であって、設計者による実験やシミュレーションに基づき設定することが可能である。
また、図2において曲線Aは、横軸を選択酸化空気供給量AQ、縦軸をCO除去部出口CO濃度Cとしたときのグラフである。曲線Aから分かるように、CO除去部140の出口、すなわちCO除去部140の下流側でかつ燃料電池200の上流側における改質ガスの一酸化炭素濃度であるCO除去部出口CO濃度Cと、選択酸化空気供給量AQとは、選択酸化空気供給量AQの増大とともにCO除去部出口CO濃度Cが減少する関係になっている。これは、選択酸化空気供給量AQが増大すると、選択酸化反応またはメタン化反応が促進されてこれらの反応の反応物である一酸化炭素が消費されるためである。
選択酸化空気供給量AQは、CO除去部出口CO濃度Cが規定濃度CU以下になるように、下限供給量AQL以上とすることが好ましい。そのため、選択酸化触媒層温度Tは、下限供給量AQLだけ選択酸化空気が供給されたときの選択酸化触媒層温度TであるCO規定低減限界温度TL以上とすることが好ましい。このCO規定低減限界温度TLは、選択酸化後の改質ガスの一酸化炭素濃度を規定濃度CU以下に低減できる量の選択酸化空気が供給されたときにとり得る温度における最低温度である。また、図3に示すように、CO規定低減限界温度TLは原燃料流量FQに応じて変化する温度であって、設計者による実験やシミュレーションに基づき設定することが可能である。また、規定濃度CUは、燃料電池に含まれる触媒の劣化による発電効率の低下を防ぐ目的で規定される濃度である。
これに対し、従来の改質装置では、改質ガスに含まれる一酸化炭素の量が原燃料流量に応じてほぼ一定となることに依拠して、選択酸化空気供給量AQを改質装置100に供給された原燃料流量に応じて設定していた。しかしながら、改質部の改質性能によって改質ガス中の一酸化炭素の量は変わる可能性がある。そのため、原燃料流量に応じて設定された量の選択酸化空気をCO除去部140に供給したときに、選択酸化触媒層温度Tが熱暴走防止限界温度TUを上回るか、CO規定低減限界温度TLを下回るおそれがあった。また、選択酸化空気流量センサ104が検知誤差を有する場合には、実際の選択酸化空気供給量AQが上限供給量AQUを上回るか下限供給量AQLを下回り、その結果、選択酸化触媒層温度Tが熱暴走防止限界温度TUを上回るか、CO規定低減限界温度TLを下回るおそれがあった。
そこで、本実施形態に係る改質装置100では、触媒層温度センサ142の検知結果に応じて選択酸化空気ブロア170の出力を制御して、CO除去部140への選択酸化空気の供給量を調整することで、選択酸化反応時の選択酸化触媒層の温度を選択酸化反応に適した目標温度に近づけるように制御することとした。具体的には、例えばCO規定低減限界温度TLと熱暴走防止限界温度TUの中間温度が目標温度として設定され、制御装置180は、選択酸化触媒層温度Tが熱暴走防止限界温度TUを上回らず、かつCO規定低減限界温度TLを下回らないようにするとともに、目標温度に近づくように選択酸化触媒層温度Tを制御する。すなわち、制御装置180は、選択酸化空気供給量AQを触媒層温度センサ142の検知結果に応じて下限供給量AQLから上限供給量AQUまでの範囲で変化させる。また、制御装置180は、単位時間当たりの選択酸化空気供給量AQ、すなわち選択酸化空気の流速を調節することで、選択酸化空気供給量AQの供給量を調節する。
もしくは、図2に示すように、CO規定低減限界温度TLよりも温度の高い設定下限温度TLcおよび熱暴走防止限界温度TUよりも温度の低い設定上限温度TUcが設定され、また、設定下限温度TLcと設定上限温度TUcの中間温度が目標温度として設定されて、制御装置180が、設定上限温度TUcを上回らず、設定下限温度TLcを下回らないようにするとともに、目標温度に近づくように選択酸化触媒層温度Tを制御するようにしてもよい。
ここで、設定上限温度TUcおよび設定下限温度TLcは、例えば、選択酸化空気流量センサ104の検知誤差に応じて設定される。選択酸化空気流量センサ104の測定範囲が0.1〜2.0NLM(Normal Liters per Minute)であり、検知誤差(精度)が±3%FS(Full Scale)であった場合、実際の選択酸化空気供給量AQは選択酸化空気流量センサ104で測定された供給量の±0.06NLMの量である可能性がある。そこで、上限供給量AQUよりも0.06NLMだけ少ない選択酸化空気供給量AQが設定上限供給量AQUcとして設定され、設定上限供給量AQUcに対応する選択酸化触媒層温度Tが設定上限温度TUcとして設定される。また、下限供給量AQLよりも0.06NLMだけ多い選択酸化空気供給量AQが設定下限供給量AQLcとして設定され、設定下限供給量AQLcに対応する選択酸化触媒層温度Tが設定下限温度TLcとして設定される。
このように、選択酸化触媒層温度Tが設定下限温度TLcと設定上限温度TUcの間に収まるように調節された場合には、CO除去部出口CO濃度Cが規定濃度CUを下回ったり、選択酸化触媒層温度Tが熱暴走防止限界温度TUを上回る可能性をより低減することができる。
また、制御装置180によって制御される選択酸化触媒層温度Tには、温度の不感帯が設けられてもよい。不感帯は目標温度を含むように定められる。不感帯は、例えば、目標温度を中心にして定められ、本実施形態では図2および図3に示すように、目標温度Tsvに対して+DZおよび−DZの幅の不感帯が設けられている。制御装置180は、選択酸化触媒層温度Tが不感帯の範囲内にある場合には選択酸化空気供給量AQを調節しない。制御装置180は、選択酸化触媒層温度Tが不感帯のDZを上回った場合、すなわち、不感帯の上限温度を上回った場合に選択酸化空気供給量AQを低減し、選択酸化触媒層温度Tが不感帯の−DZを下回った場合、すなわち、不感帯の下限温度を下回った場合に選択酸化空気供給量AQを増大させる。このように、不感帯を設定することで、目標温度近傍での選択酸化触媒層温度Tの変化が吸収されるため、選択酸化触媒層温度Tを安定させることができるとともに、制御装置180の制御負担を軽減することができる。
また、不感帯の温度幅は、原燃料流量FQに応じて定められる。例えば、不感帯は、目標温度に対して±10〜20degの温度幅を有する。そして、図3に示すように、原燃料流量FQが相対値0.5であった場合に目標温度に対して±10degの温度幅である±DZ1が設定され、原燃料流量FQが相対値1.0であった場合に目標温度に対して±15degの温度幅である±DZ2が設定され、原燃料流量FQが相対値1.5であった場合に目標温度に対して±20degの温度幅である±DZ3が設定される。
また、目標温度は、CO規定低減限界温度TLにより近い温度であることが好ましく、少なくとも、CO規定低減限界温度TLと熱暴走防止限界温度TUとの中間温度よりも低い温度であることが好ましい。図2において曲線Cは、横軸を選択酸化空気供給量AQ、縦軸を燃料電池システム10のプロセス効率としたときのグラフである。曲線Cから分かるように、燃料電池システム10のプロセス効率と選択酸化空気供給量AQとは、選択酸化空気供給量AQの増大とともにプロセス効率が低下する関係になっている。これは、選択酸化空気供給量AQが増大すると、上述のメタン化反応により水素が消費されてしまうためである。したがって、目標温度が上述のように設定された場合には、燃料電池システム10のプロセス効率を向上させることができる。
また、設定下限温度TLcと設定上限温度TUcとが設定され、選択酸化触媒層温度Tがこの間で調節される構成の場合には、目標温度は、設定下限温度TLcにより近い温度であることが好ましく、少なくとも、設定下限温度TLcと設定上限温度TUcとの中間温度よりも低い温度であることが好ましい。これにより、燃料電池システム10のプロセス効率を向上させることができる。
ここで、不感帯が目標温度を中心にして定められている場合、もしくは不感帯が目標温度に対して決められた範囲となるように規定されている場合には、目標温度をCO規定低減限界温度TLまたは設定下限温度TLcにより近い温度に設定することは、不感帯をCO規定低減限界温度TLまたは設定下限温度TLcにより近い温度範囲に設定することと言い換えることができる。
図2には、設定下限温度TLcと設定上限温度TUcとが設けられ、目標温度Tsvを中心として±DZの幅の不感帯が設定されて、目標温度Tsvもしくは不感帯が設定下限温度TLcよりに設定された状態が示されている。
続いて、本実施形態に係る改質装置100の動作の制御フローを説明する。図4は、実施形態に係る改質装置における選択酸化空気流量制御の制御フローチャートである。このフローは、制御装置180により、燃料電池システム10による発電の開始とともに開始される。制御装置180は、燃料電池システム10の起動から所定時間が経過したときに燃料電池システム10の発電が開始されたと判断することができる。燃料電池システム10が起動すると、CO除去部140の選択酸化触媒層は、バーナ122やヒータ(図示せず)等により昇温される。そして、発電が開始されると、CO除去部140における選択酸化反応にともなう発熱により選択酸化触媒層の温度が調節される。
発電が開始されると、まず、発電開始から所定時間、本実施形態では30分を経過したか否か判断される(ステップ1:以下S1と略記する。他のステップも同様)。発電開始から30分が経過した場合(S1_Yes)、選択酸化空気供給量を選択酸化触媒層温度に応じて調節する制御が実行される。具体的には、まず、選択酸化触媒層の目標温度Tsv(n)と現在の選択酸化触媒層温度T(n)との偏差e(n)が算出される(S2)。続いて、偏差e(n)が不感帯のDZを上回っていた場合には、偏差e(n)から不感帯幅DZが減算された偏差e’(n)が算出される。また、偏差e(n)が不感帯の±DZの範囲にある場合には、不感帯を考慮した偏差e’(n)が0に設定される。また、偏差e(n)が不感帯の−DZを下回っていた場合には、偏差e(n)に不感帯幅DZが加算された偏差e’(n)が算出される(S3)。
続いて、1回前の選択酸化空気供給量調節時に検知された選択酸化触媒層温度T(n−1)から現在の選択酸化触媒層温度T(n)を減じて偏差の変動分Δe(n)が算出される(S4)。そして、予め定められた比例定数Kpを乗じた偏差の変動分Δe(n)に、予め定められた積分定数Kiを乗じた偏差e’(n)が加えられて、選択酸化空気供給量の変化量、すなわち選択酸化空気ブロア170の出力値の変化量ΔV(n)が算出される(S5)。その後、1回前の選択酸化空気ブロア170の出力値AP(n−1)に変化量ΔV(n)が加えられて、今回の選択酸化空気ブロア170の出力値AP(n)が算出される(S6)。
ここで、選択酸化空気供給量が設定上限供給量を上回っていた場合には、選択酸化空気供給量が設定上限供給量となる選択酸化空気ブロア170の出力値に固定される。同様に、選択酸化空気供給量が設定下限供給量を下回っていた場合には、選択酸化空気供給量が設定下限供給量となる選択酸化空気ブロア170の出力値に固定される。これにより、原燃料流量が急激に増減して燃焼用空気ブロア171の出力調節による選択酸化空気供給量の変化と、触媒層温度センサ142で検知された選択酸化触媒層温度との間に時間的なずれが生じた場合でも、選択酸化空気供給量の過不足を回避することができる。
続いて、所定時間状態が維持される(S7)。これにより、選択酸化触媒層温度のサンプリング間隔が決まる。当該サンプリング間隔は、設計者による実験やシミュレーションに基づき設定することが可能である。そして、改質装置100がOFFにされたか否か判断され(S8)、OFFにされた場合(S8_Yes)には本フローが終了し、OFFにされていない場合(S8_No)にはステップ1に戻る。
一方、発電開始から30分を経過していない場合(S1_No)、原燃料流量センサ102から取得した原燃料流量に応じてCO除去部140に供給する選択酸化空気供給量が決定され、決定された選択酸化空気供給量となるように選択酸化空気ブロア170の出力が調整される(S9)。そして、所定時間、本実施形態では1秒間状態が維持された後(S10)、改質装置100がOFFにされたか否か判断される(S8)。発電開始から30分までであれば、選択酸化触媒層温度が熱暴走防止限界温度TUもしくは設定上限温度TUcまで上昇する可能性は低く、また、発電開始から30分まではCO除去部140における選択酸化反応が安定的に行われることが好ましい。そのため、当該時間内では、原燃料流量に応じて決まる一定量の選択酸化空気が供給される。
なお、発電開始直後から選択酸化空気供給量を選択酸化触媒層温度に応じて調節する制御を実行するようにしてもよい。また、原燃料流量に応じて選択酸化空気流量を決める制御から選択酸化触媒層温度に応じて選択酸化空気流量を決める制御に移行するまでの時間は30分に限定されず、制御移行タイミングは設計者による実験やシミュレーションに基づき設定することが可能である。
以上説明した構成による作用効果を総括すると、本実施形態に係る燃料電池用改質装置は、触媒層温度センサ142の検知結果に応じて選択酸化空気ブロア170を制御して選択酸化空気の単位時間当たりの供給量を調節している。そして、これにより選択酸化反応時の選択酸化触媒層の温度を選択酸化反応に適した目標温度に近づけるように制御している。そのため、CO除去部140の選択酸化触媒層を選択酸化反応時に好適な温度に保つことができる。また、制御装置180は、選択酸化触媒層温度Tが熱暴走防止限界温度TUを上回らず、かつ、CO規定低減限界温度TLを下回らないように選択酸化触媒層温度Tを制御している。これにより、選択酸化触媒層をより確実に好適な温度に保つことができる。
また、制御装置180は、選択酸化触媒層温度Tが熱暴走防止限界温度TUよりも低い設定上限温度TUcを上回らず、かつCO規定低減限界温度TLよりも高い設定下限温度TLcを下回らないように選択酸化触媒層温度Tを制御してもよい。そして、設定上限温度TUcおよび設定下限温度TLcは、選択酸化空気流量センサ104の有する検知誤差に応じて定められてもよい。これらの場合には、選択酸化触媒層をさらに確実に好適な温度に保つことができる。
また、目標温度は、熱暴走防止限界温度TUとCO規定低減限界温度TLとの中間温度よりも低い温度であってもよく、この場合には、燃料電池システム10のプロセス効率を高めることができる。さらに、目標温度は、設定上限温度TUcと設定下限温度TLcとの中間温度よりも低い温度であってもよく、この場合にも、燃料電池システム10のプロセス効率を高めることができる。
また、制御装置180は、選択酸化触媒層温度Tが不感帯のDZを上回った場合に選択酸化空気供給量AQを低減し、不感帯の−DZを下回った場合に選択酸化空気供給量AQを増大させている。そのため、選択酸化触媒層温度Tを安定させることができるとともに、制御装置180の制御負担を軽減することができる。また、不感帯は、目標温度を中心にして定められていてもよく、その温度幅は原燃料流量FQに応じて定めてもよい。
本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれる。上述の実施形態と以下の変形例との組合せによって生じる新たな実施形態は、組み合わされる実施形態および変形例それぞれの効果をあわせもつ。
例えば、上述の実施形態では、電解質膜として固体高分子電解質膜が用いられているが、電解質膜はこれに限られず、無機/有機複合高分子電解質膜等を用いてもよい。また、改質部120、CO変成部130、CO除去部140に設けられた触媒は上述のものに限定されず、従来公知の他の触媒を用いてもよい。
10 燃料電池システム、 100 改質装置、 102 原燃料流量センサ、 104 選択酸化空気流量センサ、 110 脱硫部、 120 改質部、 122 バーナ、 130 一酸化炭素変成部、CO変成部、 140 一酸化炭素除去部、CO除去部、 142 触媒層温度センサ、 170 選択酸化空気ブロア、 180 制御装置、 200 燃料電池。

Claims (9)

  1. 原燃料を改質して水素ガスを主成分とする改質ガスを生成する改質部と、
    選択酸化触媒を含む触媒層を有し、改質ガスと酸素含有ガスとを前記選択酸化触媒の存在下で接触させて、改質ガスに含まれる一酸化炭素を選択的に酸化する一酸化炭素除去部と、
    前記一酸化炭素除去部に酸素含有ガスを供給する酸素含有ガス供給部と、
    前記触媒層の温度を検知する触媒層温度検知部と、
    前記触媒層温度検知部の検知結果に応じて前記酸素含有ガス供給部を制御して酸素含有ガスの単位時間当たりの供給量を調節することで、選択酸化反応時の前記触媒層の温度を選択酸化反応に適した目標温度に近づけるように制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする燃料電池用改質装置。
  2. 前記制御部は、前記触媒層の温度が、前記一酸化炭素除去部で熱暴走が起こらない温度における最高温度である熱暴走防止限界温度を上回らず、かつ、選択酸化後の改質ガスの一酸化炭素濃度を規定濃度以下に低減できる量の選択酸化空気が供給されたときにとり得る温度における最低温度であるCO規定低減限界温度を下回らないように前記触媒層の温度を制御することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池用改質装置。
  3. 前記制御部は、前記触媒層の温度が、前記熱暴走防止限界温度よりも低い設定上限温度を上回らず、かつ、前記CO規定低減限界温度よりも高い設定下限温度を下回らないように前記触媒層の温度を制御することを特徴とする請求項2に記載の燃料電池用改質装置。
  4. 前記目標温度は、前記熱暴走防止限界温度と前記CO規定低減限界温度との中間温度よりも低い温度であることを特徴とする請求項2または3に記載の燃料電池用改質装置。
  5. 前記目標温度は、前記設定上限温度と前記設定下限温度との中間温度よりも低い温度であることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池用改質装置。
  6. 前記制御部は、前記触媒層の温度が、前記目標温度を含むようにして定められた温度の不感帯の上限温度を上回った場合に酸素含有ガスの単位時間当たりの供給量を低減し、不感帯の下限温度を下回った場合に酸素含有ガスの単位時間当たりの供給量を増大させることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の燃料電池用改質装置。
  7. 前記不感帯は、前記目標温度がその温度幅の中心であることを特徴とする請求項6に記載の燃料電池用改質装置。
  8. 前記不感帯の温度幅は、前記改質部への原燃料の供給量に応じて定められることを特徴とする請求項6または7に記載の燃料電池用改質装置。
  9. 前記一酸化炭素除去部への酸素含有ガスの供給量を検知する供給量検知部を備え、
    前記設定上限温度および前記設定下限温度は、前記供給量検知部の有する検知誤差に応じて定まることを特徴とする請求項3に記載の燃料電池用改質装置。
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