JP2009287666A - 横置きシリンダ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 シリンダの上,下の取付方向に関係なく、リザーバ室内の油液を常時内筒内の油室に給排できるようにし、取付作業性、信頼性等を向上する。
【解決手段】 油通路13を構成する径方向通路13Bのリザーバ室A側開口に設けた揺動パイプ15と、環状通路4Aに接続して設けた揺動パイプ16とは、揺動継手15A,16Aを中心にして上,下方向(矢示D,D′方向、矢示E,E′方向)に揺動可能な吸込み管15B,吐出管16Bの先端に重錘15C,16Cを設ける構成としている。従って、揺動パイプ15,16は、自由端となった吸込み管15B,吐出管16Bの先端側を重錘15C,16Cの自重によって下側に揺動することにより、吸込み管15B,吐出管16Bの先端をリザーバ室A内の下側に溜まった油液中に配置することができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、例えば鉄道車両の制振ダンパ、自動車のステアリングダンパ等に好適に用いられる横置きシリンダ装置に関する。
一般に、シリンダ装置としての油圧緩衝器は、外筒と該外筒内に設けられ内部に油液が満たされた内筒とからなるシリンダと、該シリンダの外筒と内筒との間に画成され油液とガスが封入された環状のリザーバ室と、前記シリンダの内筒内に摺動可能に挿嵌され、該内筒内を2つの油室に画成したピストンと、軸方向の一側が該ピストンに取付けられ、他側が前記シリンダから伸長、縮小可能に突出したピストンロッドと、前記リザーバ室と前記内筒内の油室との間で油液を流通する油通路と、前記ピストンが摺動変位したときに減衰力を発生する減衰力発生機構とによって大略構成されている。
ここで、油圧緩衝器は、例えば鉄道車両のヨーダンパや左右動ダンパ等の制振ダンパ、自動車のステアリングダンパとして用いられる場合には、シリンダを横置きに配置することができる横置き型油圧緩衝器が使用される(例えば、特許文献1参照)。
また、横置き型油圧緩衝器は、シリンダを横置きに配置したことにより、リザーバ室内の径方向の下側寄りに油液が溜まり、上側にガスが溜まることになる。このため、横置き型油圧緩衝器は、内筒内の油室にリザーバ室内のガスが流入しないように、油通路が下側に位置するように上,下の取付方向を決めて鉄道車両等に取付ける構成としている。
特開2000−18308号公報
ところで、上述した従来技術による横置き型油圧緩衝器は、上,下の取付方向が決まっているが、この油圧緩衝器の上,下の取付方向を誤って取付けてしまう場合があり、この場合には、例えば、内筒内のボトム側油室にリザーバ室内のガスが流入し、減衰力発生機構による減衰力が不安定になってしまう等、十分に性能が発揮できないという問題がある。
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、シリンダを取付けるときの上,下の取付方向をなくし、取付作業性、信頼性等を向上できるようにした横置きシリンダ装置を提供することにある。
本発明による横置きシリンダ装置は、外筒と該外筒内に設けられ内部に油液が満たされた内筒とからなるシリンダと、該シリンダの外筒と内筒との間に画成され油液とガスが封入された環状のリザーバ室と、前記シリンダの内筒内に摺動可能に挿嵌され該内筒内を2つの油室に画成したピストンと、軸方向の一側が該ピストンに取付けられ他側が前記シリンダの外部に突出したピストンロッドと、前記リザーバ室と前記内筒内の油室との間で油液を流通する油通路とを備え、前記シリンダが横置き配置されている。
そして、上述した課題を解決するために、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記油通路には、前記シリンダを取付けるときの取付位置に関係なく、前記リザーバ室の下側と前記内筒内の油室とを連通可能な連通手段を設ける構成としたことにある。
請求項2の発明によると、前記連通手段は、基端側が前記油通路のリザーバ室側開口に揺動可能に取付けられ、自由端となった先端側が自重によって下側に揺動する揺動パイプにより構成したことにある。
請求項3の発明によると、前記油通路は、前記シリンダの内筒の外周側に周方向に沿って列設された多数個の開口を有し、前記連通手段は、前記内筒の外周側で前記油通路の各開口を閉塞する位置に回転可能に設けられた環状回転板と、該環状回転板に設けられ前記油通路の各開口のいずれかに連通可能な油穴と、前記環状回転板に設けられ該油穴が前記リザーバ室の下側に位置するように前記環状回転板を回転させる重錘とにより構成したことにある。
請求項4の発明によると、前記連通手段は、基端側が前記油通路のリザーバ室側開口に取付けられ先端側が自由端となった可撓性パイプと、該可撓性パイプの先端側に取付けられ該可撓性パイプの先端側を下側に撓ませる重錘とにより構成したことにある。
請求項5の発明によると、前記油通路は、前記内筒内の少なくとも一方の油室を閉塞する閉塞部材の径方向に貫通した径方向通路を有し、前記連通手段は、前記シリンダを上,下方向に配置したときに前記径方向通路のうち下側に配置された開口を前記リザーバ室と内筒内の油室とに連通し、上側に配置された開口を前記リザーバ室と内筒内の油室とに対し遮断する切換弁により構成したことにある。
請求項1の発明によれば、連通手段は、シリンダを取付けるときの取付位置に関係なく、リザーバ室の下側と内筒内の油室とを連通することができる。この結果、シリンダの上,下位置を自由に取付けることができるから、取付作業を容易に行なうことができ、また信頼性を向上することができる。
請求項2の発明によれば、連通手段は、揺動パイプの先端側を自重によって下側に揺動することができるから、シリンダを取付けるときの取付位置に関係なく、揺動パイプの先端開口をリザーバ室内の下側の油液中に常時配置することができる。
請求項3の発明によれば、連通手段は、重錘によって環状回転板を回転させることにより、該環状回転板に設けられた油穴を、リザーバ室内の下側で油通路の下側に位置する開口に連通させることができる。これにより、連通手段は、シリンダを取付けるときの取付位置に関係なく、内筒内の油室とリザーバ室の下側とを常時連通することができる。
しかも、油通路は周方向に沿って列設された多数個の開口を有しているから、上,下の取付位置に限らず、シリンダの周方向のいずれの取付位置においても、内筒内の油室とリザーバ室とを連通させることができ、取付位置の自由度、信頼性をより一層向上することができる。
請求項4の発明によれば、連通手段は、可撓性パイプの先端側を重錘によって下側に撓ませることにより、該可撓性パイプの先端開口をリザーバ室内の下側に溜まった油液中に配置することができるから、シリンダを取付けるときの取付位置に関係なく、内筒内の油室とリザーバ室の下側とを常時連通することができる。
また、連通手段は、可撓性パイプの撓みを利用し、その先端開口をリザーバ室内の油液中に配置している。これにより、連通手段は、機械的な動作不良を発生することがないから、耐久性、信頼性を向上することができる。
請求項5の発明によれば、切換弁は、シリンダを上,下方向に配置したときに径方向通路の下側に配置された開口を、リザーバ室と内筒内の油室とに連通することができ、径方向通路の上側に配置された開口を、リザーバ室と内筒内の油室とに対し遮断することができる。これにより、切換弁は、シリンダを取付けるときの上,下の取付位置に関係なく、内筒内の油室とリザーバ室の下側とを常時連通することができる。
以下、本発明の実施の形態に係る横置きシリンダ装置として、鉄道車両の台車と車体との間に設けられたヨーダンパや左右動ダンパ等の制振ダンパに用いられる横置き型油圧緩衝器を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
まず、図1ないし図4は本発明の第1の実施の形態を示し、本実施の形態では、所謂、ユニフロー型(一方向流れ型)油圧緩衝器を例に挙げて説明している。図1において、1は横置き型油圧緩衝器の本体を構成するシリンダで、該シリンダ1は、鉄道車両の台車または車体(いずれも図示せず)に取付けるときに、横置きに配置される。そして、シリンダ1は、後述する外筒2、内筒7等によって大略構成されている。
2はシリンダ1の外形を形成する外筒で、該外筒2は、軸方向の一端側がボトムキャップ3により閉塞され、他端側が後述のロッドガイド4等により閉塞されている。
4は外筒2の他端側に設けられた段付筒状のロッドガイドで、該ロッドガイド4は、その外周側が外筒2内に嵌合され、キャップ5によって抜止め状態に保持されている。また、キャップ5の内周側には、後述のピストンロッド9の外周面に摺接し、このピストンロッド9との間をシールするシール部材6が設けられている。
7は外筒2内に同軸に配設された内筒で、該内筒7内には油液が満たされている。また、内筒7は、外筒2との間に環状のリザーバ室Aを画成し、該リザーバ室A内には油液とガスが混在されて(境界面隔壁を持たない)封入されている。そして、内筒7は、図2に示す如く、軸方向の一端側が後述のベース部材12に外嵌し、他端側がロッドガイド4の内周側に挿嵌されることにより、外筒2内で軸方向および径方向に位置決めされている。
8は内筒7内に摺動可能に挿嵌された円筒状のピストンで、該ピストン8は、内筒7内を一方の油室となるボトム側油室Bと他方の油室となるロッド側油室Cとに画成している。また、ピストン8の外周側には、ボトム側油室Bとロッド側油室Cとを連通する連通路8Aが軸方向に形成されている。
9は軸方向の一側となる基端側が内筒7内でピストン8に取付けられたピストンロッドで、該ピストンロッド9は、軸方向の他側となる先端側がロッドガイド4、シール部材6等を介して外筒2の外部に伸長、縮小可能に突出している。
10はピストン8の他端面に設けられたチェック弁で、該チェック弁10は、ボトム側油室Bから連通路8Aを介してロッド側油室Cに向け油液が流通するのを許し、逆向きの流れを規制するものである。
11はロッド側油室Cとリザーバ室Aとの間に位置してロッドガイド4に設けられた減衰力発生機構(図1、図3参照)で、該減衰力発生機構11は、ロッド側油室C内の油液がリザーバ室Aに向けて流通するときに、油液に流通抵抗を与えるものである。ここで、減衰力発生機構11は、弁体11Aと、該弁体11Aに設けられた固定オリフィス11Bと、前記弁体11Aを閉弁方向に付勢する弁ばね11Cとによって構成されている。また、弁体11Aは、弁ばね11Cによって開弁圧が設定され、ロッド側油室Cとリザーバ室Aとの差圧がこの開弁圧に達したときに開弁するようになっている。
そして、ピストンロッド9の伸縮時にロッド側油室Cとリザーバ室Aとの間に差圧が生じ、減衰力発生機構11の弁体11Aが開弁したときには、ロッド側油室Cからリザーバ室A内へ向けて油液が流通することにより、弁ばね11Cによる弁体11Aの開弁圧に対応した所定の減衰力を発生する。
次に、12はシリンダ1の外筒2内に位置してボトムキャップ3の中央に取付けられた閉塞部材としてのベース部材で、該ベース部材12は、図4に示すように、段付円筒状に形成され、他端側を内筒7に嵌合させることにより、該内筒7内のボトム側油室Bを閉塞するものである。
13はベース部材12に設けられた油通路で、該油通路13は、ベース部材12の中央部に軸方向に設けられた軸方向通路13Aと、該軸方向通路13Aから径方向に延び、ベース部材12の外周側に開口した2本の径方向通路13Bとによって構成されている。ここで、油通路13の各径方向通路13Bは、油圧緩衝器を鉄道車両の台車と車体(いずれも図示せず)との間に取付けたときに、ほぼ水平方向に延びるように形成されている。
14は油通路13を構成する軸方向通路13Aの他側開口に設けられた他のチェック弁で、該チェック弁14は、リザーバ室Aからボトム側油室Bに向けて油液が流通するのを許し、逆向きの流れを規制するものである。
15,15は油通路13の各径方向通路13B,13Bに接続して設けられた連通手段としての2本の揺動パイプで、該各揺動パイプ15は、リザーバ室A内に位置してベース部材12に取付けられている。そして、各揺動パイプ15は、シリンダ1を取付けるときの上下取付方向に関係なく、リザーバ室Aの下側(図1中右側)とボトム側油室Bとを連通可能とし、リザーバ室Aの下側に溜まった油液を油通路13を介してボトム側油室Bに対し供給するものである。
また、揺動パイプ15は、径方向通路13Bのリザーバ室A側開口に揺動可能に取付けられ、L字状に屈曲した揺動継手15Aと、基端側が該揺動継手15Aに取付けられ、先端側が自由端となって延びた吸込み管15Bと、該吸込み管15Bの先端部外周側に取付けられた重錘15Cとによって構成されている。
そして、揺動パイプ15は、図1に示すように、揺動継手15Aを中心にして上,下方向(矢示D,D′方向)に揺動可能となっているから、揺動継手15Aを中心にし、自由端となった吸込み管15Bの先端側を重錘15Cの自重によって下側に揺動することができる。これにより、揺動パイプ15は、シリンダ1の上,下の取付方向に関係なく、吸込み管15Bの先端をリザーバ室A内の下側に溜まった油液中に配置することができ、ボトム側油室Bにリザーバ室A内の油液のみを供給することができる。
また、16,16はロッドガイド4の環状通路4Aに接続して設けられた連通手段としての2本の揺動パイプで、該各揺動パイプ16は、リザーバ室A内に位置してロッドガイド4に取付けられている。そして、各揺動パイプ16は、シリンダ1を取付けるときの取付位置に関係なく、リザーバ室Aの下側とロッド側油室Cとを連通可能とし、ロッド側油室C内の油液を環状通路4Aを介してリザーバ室Aの油中に対し供給するものである。
さらに、揺動パイプ16は、径方向孔4Bのリザーバ室A側開口に揺動可能に取付けられ、L字状に屈曲した揺動継手16Aと、基端側が該揺動継手16Aに取付けられ、先端側が自由端となって延びた吐出管16Bと、該吐出管16Bの先端部外周側に取付けられた重錘16Cとによって構成されている。
なお、17はボトムキャップ3に一体的に設けられた取付環(取付手段)、18はピストンロッド9の先端部に一体的に設けられた他の取付環を示している。この取付環17、18は、車両や台車等に設けられた水平方向に延びる取付ロッド(図示せず)に嵌合されることにより、図1中の左右方向のいずれかが上方となるように取り付けられる。
また、19はピストンロッド9の先端部に設けられた有蓋円筒状のロッドカバーを示している。
第1の実施の形態による横置き型油圧緩衝器は上述の如き構成を有するもので、次に、横置き型油圧緩衝器の取付作業について、例えば鉄道車両に取付ける場合を例に挙げて説明する。
まず、横置き型油圧緩衝器を取付ける場合には、該油圧緩衝器を図1に示すように横置き状態とする。そして、取付環17,18のうち、一方を鉄道車両の下側に位置して車輪を備えた台車側に取付け、他方を車体側に取付ける。このときに、ボトムキャップ3に設けられた取付環17を固定するボルト(図示せず)の向きにより、油通路13の各径方向通路13Bがほぼ水平となり、各揺動パイプ15,16は、上,下方向(矢示D,D′方向、E,E′方向)に揺動可能となる。
このように横置き型油圧緩衝器を鉄道車両に取付けたときには、揺動パイプ15,16は、重錘15C,16Cによって吸込み管15B,吐出管16Bを下向き(矢示D′,E′方向)に揺動するから、吸込み管15B,吐出管16Bの先端は、上,下の取付方向に関係なく、リザーバ室A内の下側に溜まった油液中に配置することができる。
次に、上述のように鉄道車両に取付けた横置き型油圧緩衝器の動作について説明する。
まず、軌道に沿って走行する台車が振れを生じた場合、該台車と車体との間に設けられた横置き型油圧緩衝器を含む制振装置が作動し、ピストンロッド9を伸長、縮小させる。これにより、減衰力発生機構11によって減衰力を発生し、車体側の揺れを抑制することができる。
即ち、ピストンロッド9の伸長行程では、ロッド側油室C内が高圧状態となり、ボトム側油室Bはリザーバ室Aよりも低圧状態となるから、他のチェック弁14は開弁し、チェック弁10は閉弁状態を保ちつつ、減衰力発生機構11が開弁される。そして、ロッド側油室C内の油液は減衰力発生機構11および各揺動パイプ16の吐出管16Bを介してリザーバ室Aの油液中へと吐出され、このときに所定の減衰力が発生するようになる。
また、ピストンロッド9の伸長行程では、ピストンロッド9が内筒7外へと退出した分の油液が、リザーバ室Aから各揺動パイプ15、油通路13を介してボトム側油室Bに供給される。
一方、ピストンロッド9の縮小行程では、他のチェック弁14が閉弁状態を保つことにより、ボトム側油室B内が高圧状態となるため、チェック弁10が開弁しボトム側油室B内の油液はロッド側油室Cへと流通するようになる。そして、このときにはピストンロッド9が内筒7内へと進入することによる進入体積分の油液が、ロッド側油室Cから減衰力発生機構11および各揺動パイプ16の吐出管16Bを介してリザーバ室Aの油液中へと吐出され、前述した伸長行程と同様に所定の減衰力が発生するようになる。
かくして、第1の実施の形態によれば、油通路13を構成する径方向通路13Bのリザーバ室A側開口に設けた揺動パイプ15と、環状通路4Aに接続して設けた揺動パイプ16とは、揺動継手15A,16Aを中心にして上,下方向(矢示D,D′方向、矢示E,E′方向)に揺動可能な吸込み管15B,吐出管16Bの先端に重錘15C,16Cを設ける構成としている。これにより、揺動パイプ15,16は、自由端となった吸込み管15B,吐出管16Bの先端側を重錘15C,16Cの自重によって下側に揺動することにより、吸込み管15B,吐出管16Bの先端をリザーバ室A内の下側に溜まった油液中に配置することができる。
この結果、シリンダ1を取付けるときに上,下の取付方向を誤って取付けた場合でも、揺動パイプ15によってボトム側油室Bにリザーバ室A内の油液のみを供給でき、減衰力発生機構11による減衰力を安定させることができる。また、揺動パイプ16についても、ロッド側油室Cからリザーバ室Aの油液中に油液を吐出でき、その際、油中に油液が勢いよく噴流するので、液面付近に流入させた場合は、リザーバ室A内の油液とガスが混合され泡が発生するが、輸液中の深い位置に流入させるので、泡の発生を抑止して、油液のエアレーション抑止効果により、減衰力発生機構11による減衰力を安定させることができる。
これにより、上,下の取付方向を廃止することができるから、取付作業を容易に行なうことができ、また信頼性を向上することができる。
また、揺動パイプ15,16には、吸込み管15B,吐出管16Bの先端側に重錘15C,16Cを設けているから、吸込み管15B,吐出管16Bを確実に下側に揺動させることができ、動作性能を向上することができる。
次に、図5ないし図7は本発明の第2の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、油通路は、シリンダの内筒の外周側に周方向に沿って列設された多数個の開口を有し、連通手段は、内筒の外周側で前記油通路の各開口を閉塞する位置に回転可能に設けられた環状回転板と、該環状回転板に設けられ前記油通路の各開口のいずれかに連通可能な油穴と、前記環状回転板に設けられ該油穴がリザーバ室の下側に位置するように前記環状回転板を回転させる重錘とにより構成したことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図5において、21は横置き型油圧緩衝器に設けられた第2の実施の形態による閉塞部材としてのベース部材で、該ベース部材21は、図6に示すように、第1の実施の形態によるベース部材12とほぼ同様に、段付円筒状に形成され、ボトムキャップ3と内筒7との間に取付けられている。しかし、第2の実施の形態によるベース部材21は、内筒7よりも大きな直径寸法をもって形成され、外筒2と内筒7との間に位置する他端面側には円環状の弁板収容凹部21Aが設けられている。
22はベース部材21に設けられた油通路で、該油通路22は、ベース部材21の中央部に軸方向に設けられた軸方向通路22Aと、該軸方向通路22Aとボトムキャップ3との間に画成された拡径通路22Bと、該拡径通路22Bとベース部材21の弁板収容凹部21Aとを連通し、周方向に沿って多数個列設された円形状の開口通路22Cとにより構成されている。ここで、開口通路22Cは、円形状に限らず、例えば、扇形状として通路面積を稼ぐ構成としても構わない。
23は油通路22の各開口通路22Cに対面して設けられた連通手段としての回転弁で、該回転弁23は、リザーバ室Aの下側とボトム側油室Bとを連通可能とし、リザーバ室Aの油液のみを油通路22を介してボトム側油室Bに対し供給するものである。
また、回転弁23は、図6、図7に示す如く、ベース部材21の弁板収容凹部21A内に回転可能に設けられ、油通路22の各開口通路22Cを閉塞する環状回転板23Aと、該環状回転板23Aに設けられ、前記油通路22の各開口通路22Cのいずれかに連通可能な1個の油穴23Bと、該油穴23Bに連通した状態で環状回転板23Aからリザーバ室Aに延びたパイプ23Cと、該パイプ23Cの先端側外周に取付けられた重錘23Dとによって構成されている。ここで、回転弁23は、パイプ23Cと重錘23Dとの両方を重錘として用いることにより、環状回転板23Aの回転をより一層確実なものにしている。
そして、回転弁23は、環状回転板23Aに形成された油穴23Bを重錘を構成するパイプ23C、重錘23Dの自重により、環状回転板23Aを回転させて下側に移動させる。これにより、回転弁23は、油穴23B、パイプ23Cをリザーバ室A内の下側に溜まった油液中で油通路22の下側に位置する開口通路22Cに連通させることができ、ボトム側油室Bにリザーバ室A内の油液のみを供給することができる。
しかも、回転弁23の油穴23Bが連通可能な油通路22の開口通路22Cは、周方向に沿って多数個列設しているから、回転弁23は、各油穴23Bが列設された周方向(回転方向)のいずれの部位が下側となったときにも、ボトム側油室Bにリザーバ室A内の油液のみを供給することができる。
また、24は第2の実施の形態によるロッドガイドで、該ロッドガイド24には、前述した回転弁23と同様の回転弁25が設けられている。そして、ロッドガイド24は、ベース部材21とほぼ同様に、段付円筒状に形成され、外筒2と内筒7との間に突出して環状凸部24Aが設けられており、この環状凸部24Aには、円環状の弁板収容凹部24Bが設けられている。
さらに、環状凸部24Aには、ロッド側油室Cとリザーバ室Aとを減衰力発生機構11を介して連通する油通路としての開口通路24Cが、周方向に沿って多数個列設されている。
25はロッドガイド24に設けられた他の回転弁で、該回転弁25は、前述した回転弁23とほぼ同様に、環状回転板25A、油穴25Bと、パイプ25Cおよび重錘25Dにより構成されている。そして、回転弁25は、パイプ25Cを回転弁23のパイプ23Cと向き合わせるようにして設けられている。
26はボトムキャップ3に一体的に設けられた取付ねじ、27はピストンロッド9の先端部に一体的に設けられた他の取付ねじを示している。これらの取付ねじ26,27には、例えばボールジョイント等(図示せず)が取付けられ、該各取付ねじ26,27のうち、一方が鉄道車両の台車側に取付けられ、他方が車体側に取付けられる。
ここで、鉄道車両に対する横置き型油圧緩衝器の取付構造を取付ねじ26,27とした場合には、周方向(回転方向)に取付位置が定まらなくなる。しかし、第2の実施の形態では、回転弁23、25等の働きにより取付自由度の高い取付ねじ26,27を用いることができる。
かくして、このように構成された第2の実施の形態においても、前述した第1の実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第2の実施の形態によれば、回転弁23、25の油穴23B、25Bが連通可能な油通路22の開口通路22C、環状凸部24Aの24Cを円形状に多数個周方向に沿って列設しているから、回転弁23、25は、各油穴23B、25Bが列設された周方向(回転方向)のいずれの部位が下側となったときにも、ボトム側油室Bおよびロッド側油室Cにリザーバ室A内の油液を給排することができる。
この結果、上,下の取付位置に限らず、シリンダ1の周方向のいずれの取付位置においても、ボトム側油室Bおよびロッド側油室Cにリザーバ室A内の油液のみを給排することができ、取付位置の自由度、信頼性をより一層向上することができる。
次に、図8は本発明の第3の実施の形態を示し、本実施の形態では、所謂、バイフロー型(双方向流れ型)油圧緩衝器を例に挙げて説明している。また、本実施の形態の特徴は、連通手段は、基端側が油通路のリザーバ室側開口に取付けられ先端側が自由端となった可撓性パイプと、該可撓性パイプの先端側に取付けられ該可撓性パイプの先端側を下側に撓ませる重錘とにより構成したことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図8において、31は第3の実施の形態に係るピストンで、ピストン31には、その両面側に、各々伸び側と縮み側のリリーフ弁として作用する減衰弁31A、31Bが設けられている。そして、31Cは伸び側の連通路で、この伸び側の連通路31Cには、ピストン31が図中左方に移動した際にロッド側油室Cの圧力が所定の圧力以上になったとき油液が流通し、伸び側減衰弁31Aが開弁するようになっている。また、31Dは縮み側の連通路で、この縮み側連通路31Dにはピストン31が図中右方に移動した際にボトム側油室Bの圧力が所定の圧力以上になったとき油液が流通し、縮み側減衰弁31Bが開弁するようになっている。
32は第3の実施の形態によるロッドガイドで、該ロッドガイド32には、前述した減衰力発生機構11の他に、逆止弁としての吸込弁32A(バネ32Cは非常に弱いばね力となっている)が設けられている。そして、減衰力発生機構11は、ピストン速度の低速時に減衰力を発生し、所定のピストン速度以上となった場合に伸び側と縮み側の減衰弁31A、31Bの減衰力に重畳されるように役割を果たし、吸込弁32Aは、ピストン31が図中右方に移動した際のロッド側油室Cが負圧になるのを防止するため、リザーバ室Aからロッド側油室Cへの油液の連通を許容するものである。
33は第3の実施の形態によるベース部材で、該ベース部材33には、上記減衰力発生機構11および吸込弁32Aと対応するように、減衰力発生機構33Aおよび吸込弁33Bが設けられている。減衰力発生機構33Aは、ピストン速度の低速時に減衰力を発生し、所定のピストン速度以上となった場合に、縮み側の減衰弁31Bの減衰力に重畳されるよに役割を果たし、吸込弁33Bは、ピストン31が図中左方に移動した際のピストンロッド9の外部への退出分の容積の油液を、リザーバ室Aからボトム側室Bへ流通させて補償するようになっている。
34はベース部材33の油通路13に接続して設けられた第3の実施の形態による連通手段としての2本の可撓性パイプ機構(1本のみ図示)で、該各可撓性パイプ機構34は、リザーバ室A内に位置してベース部材33に取付けられている。そして、各可撓性パイプ機構34は、リザーバ室Aの下側とボトム側油室Bとを連通可能とし、リザーバ室Aとボトム側油室Bとの間で油液を給排するものである。
また、可撓性パイプ機構34は、リザーバ室A側開口に固定して取付けられ、L字状に屈曲した固定継手34Aと、基端側が該固定継手34Aに取付けられ、先端側が自由端となって延びた可撓性パイプ34Bと、該可撓性パイプ34Bの先端部外周側に取付けられた重錘34Cとによって構成されている。ここで、可撓性パイプ34Bは、ゴム材料、樹脂材料等の可撓性材料からなり、重錘34Cの自重によって容易に撓むように形成されている。
そして、可撓性パイプ機構34は、可撓性パイプ34Bの先端側が重錘34Cによって下側に撓むことにより、シリンダ1の上,下の取付方向に関わらず、可撓性パイプ34Bの先端をリザーバ室A内の下側に溜まった油液中に配置することができ、ボトム側油室Bとリザーバ室Aとの間で油液のみを給排することができる。
図8において、35はロッドガイド32の油通路32Bに軸方向から差し込むようにして設けられた連通手段としての2本の可撓性パイプ機構(1本のみ図示)で、該各可撓性パイプ機構35は、リザーバ室A内に位置してロッドガイド32に取付けられている。そして、各可撓性パイプ機構35は、リザーバ室Aの下側とロッド側油室Cとを連通可能とし、リザーバ室Aとロッド側油室Cとの間で油液を給排するものである。
また、可撓性パイプ機構35は、ロッドガイド32のリザーバ室A側開口に基端側が固定して取付けられており、一方、先端側が自由端となって延びた可撓性パイプ35Bと、該可撓性パイプ35Bの先端部外周側に取付けられた重錘35Cとによって構成されている。ここで、可撓性パイプ35Bは、ゴム材料、樹脂材料等の可撓性材料からなり、重錘35Cの自重によって容易に撓むように形成されている。
そして、可撓性パイプ機構35は、可撓性パイプ35Bの先端側が重錘35Cによって下側に撓むことにより、シリンダ1の上,下の取付方向に関わらず、可撓性パイプ35Bの先端をリザーバ室A内の下側に溜まった油液中に配置することができ、ロッド側油室Cとリザーバ室Aとの間で油液のみを給排することができる。
ここで、内筒7の図中左方には、内筒7内においてピストン31が摺動した際、または、組付時に内筒7内に混入したエアを内筒7外に排出するための微小なオリフィス孔7A,7Aが上下(図8中左右)に対向して設けられている。また、内筒7のボトム側のベース部材33よりも図中左方においても、エアを内筒7外に排出するための図9に示すオリフィス機構が設けられている。
図8および図9において、36は内筒7のボトム寄りに上下に対向して設けられた孔7B,7B(第1の孔)を周方向と取り囲むように設けられた環状部材で、この環状部材36の構造は、図9に詳細に示している。環状部材36は、段付本体36Aと、段付本体36Aの外周に嵌合するリング部材36Bとから構成されている。段付本体36Aの孔7B,7Bに対向する部分には、環状通路36C(第1環状通路)が形成されている。
段付本体36A(第1の環状壁)には、その水平方向(図中左方)に1箇所にオリフィス孔36A1が設けられ、このオリフィス孔36A1は、段付本体36Aとリング部材36B(第2の環状壁)との間に形成された環状通路36D(第2環状通路)に連通している。さらに、リング部材36Bの水平方向でオリフィス孔36A1と180度反対側(図中右方)には、孔36B1(第2の孔)が形成され、この孔36B1は、リザーバ室Aの油中に連通するようになっている。
ここで、孔7B、オリフィス孔36A1、孔36B1の面積関係は、孔36B1の面積が最大に、オリフィス孔36A1が最小となっており、このオリフィス孔36A1でピストン速度の低速時の減衰力を発生することになる。
なお、第3の実施の形態の減衰力発生機構11には、固定オリフィス11Bを設ける必要はない。
かくして、このように構成された第3の実施の形態においても、前述した各実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第3の実施の形態によれば、可撓性パイプ機構34は、可撓性パイプ34Bの撓みを利用し、その先端をリザーバ室A内の油液中に配置しているから、機械的な動作不良を発生することなく、信頼性を向上することができる。
また、ピストン31の摺動や、組付時に内筒7内に残留したエアを、オリフィス孔7A及び図9のオリフィス機構により、内筒7外に排出することがでるので、安定した減衰力を発生させることができる。
ここで、オリフィス孔7Aは、上下に設けられており、この外周の油通路32Bは常に油液で満たされているので、上下が逆転して取り付けられても、オリフィス孔7Aからリザーバ室内のガスを吸込むことがなく、さらに、油液の排出は、可撓性パイプ機構35から行うので、リザーバ室の下側に排出され、排出の勢いでガスが油液に混入することも抑制することができる。
また、図9のオリフィス機構は、孔7Bが内筒7の上下に設けられているので、上下が逆に取り付けられても内筒7内に溜まったガスを排出することができる。そして、孔7Bから排出されたガスは、その後、油液の流れの勢いによりオリフィス孔36A1、孔36B1を介してリザーバ室に排出される。ここで、オリフィス孔36A1で最も絞られて、勢いよく油液は噴出するが、孔36B1の面積が大きいので、孔36B1から排出される油液の流速は遅くなるので、孔36B1が液面近くに設けられても、リザーバ室内の油液の泡立ちを抑制することが出来る。
さらに、この図9オリフィス機構の構成により、ダンパ取付けの上下方向をなくしながら、減衰力を発生するオリフィスを1つにすることが出来るので、オリフィス面積を小さくすることが可能となり(孔加工できる最小限の面積には限界があるためオリフィスは1個に出来る構造が望ましい。)、ピストン速度の低速時に高い減衰力を発生するダンパを提供することが出来る。
なお、この図9のオリフィス機構をロッド側油室C側にも設けることが可能である。この場合、必ずしも可撓性パイプ機構34、35は必要でない。また、この図9のオリフィス機構は、単独でユニフローやバイフローの各種ダンパにも利用可能である。
次に、図10および図11は本発明の第4の実施の形態を示している。本実施の形態の特徴は、油通路は、内筒内の一方の油室を閉塞する閉塞部材の径方向に貫通した径方向通路を有し、連通手段は、シリンダを上,下方向に配置したときに前記径方向通路のうち下側に配置された開口をリザーバ室と内筒内の油室とに連通し、上側に配置された開口をリザーバ室と内筒内の油室とに対し遮断する切換弁により構成したことにある。なお、本実施の形態では、前述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一の符号を付し、その説明を省略するものとする。
図10において、41は横置き型油圧緩衝器に設けられた第4の実施の形態による閉塞部材としてのベース部材で、該ベース部材41は、図11に示すように、段付円筒状に形成され、ボトムキャップ3と内筒7との間に取付けられている。
42はベース部材41に設けられた油通路で、該油通路42は、ベース部材41の中央部に軸方向に設けられた軸方向通路42Aと、該軸方向通路42Aに連通して径方向に貫通し、ベース部材41の外周側で後述する切換弁43の弁体収容穴43Aに連通した径方向通路42Bとによって構成されている。ここで、油通路42の径方向通路42Bは、油圧緩衝器を鉄道車両の台車と車体との間に取付けたときに、ほぼ垂直方向に延びるように形成されている。
43,43は油通路42を構成する径方向通路42Bの各開口側にそれぞれ設けられた連通手段としての2個の切換弁で、該各切換弁43は、リザーバ室Aの下側とボトム側油室Bとを連通可能とし、リザーバ室Aの油液のみを油通路42を介してボトム側油室Bに対し供給するものである。そして、各切換弁43は、径方向通路42Bの下側に配置された開口をリザーバ室Aとボトム側油室Bとに連通し、径方向通路42Bの上側に配置された開口をリザーバ室Aとボトム側油室Bに対し遮断するものである。
また、各切換弁43は、ベース部材41の外周側に設けられた弁体収容穴43Aと、該弁体収容穴43Aの底部を縮径して形成された弁座43Bと、前記弁体収容穴43Aの開口側に設けられた円環状のストッパリング43Cと、前記弁体収容穴43A内に設けられ、弁座43Bに離着座するボール弁体43Dとにより大略構成されている。
そして、2個の切換弁43のうち、シリンダ1を鉄道車両に取付けたときに、下側に位置する切換弁43は、自重によってボール弁体43Dが下側に移動することにより弁座43Bから離座して開弁し、リザーバ室Aの下側に溜まった油液が油通路42を介してボトム側油室Bに向かって流れるのを許す。
一方、上側に位置する切換弁43は、自重によってボール弁体43Dが下側に移動することにより弁座43Bに着座して閉弁し、リザーバ室Aの上側に溜まったガスが油通路42を介してボトム側油室Bに向かって流れるのを規制することができる。
なお、ボール弁体43Dは、自重で移動するものであるため、走行中の振動等で開弁してしまう場合は、このボール弁体43Dを弱い力で弁座43Bに押圧するバネを設けてもよい。
さらに、ロッドガイド4には、上述した図8における第3の実施の形態と同様に、可撓性パイプ機構45が設けられ、その基端側はロッドガイド4に軸方向に差し込むように取付けられ、他端側には重錘46が設けられ、他端側、すなわち、可撓性パイプ機構45の先端は、常時、リザーバ室Aの油液中にあるように構成されている。
また、内筒7の左方側には、上述した図8における第3の実施の形態と同様に、内筒7外へエアを排出するための微小なオリフィス孔7A,7Aが図中上下方向で対向するように設けられている。
かくして、このように構成された第4の実施の形態においても、前述した各実施の形態とほぼ同様の作用効果を得ることができる。特に、第4の実施の形態によれば、切換弁43を構成するボール弁体43Dの上,下方向の移動だけでリザーバ室A内の油液のみをボトム側油室Bに供給することができるから、動作性能、信頼性等を向上することができる。
なお、第1の実施の形態では、連通手段としての揺動パイプ15には、吸込み管15Bの先端側に重錘15Cを設ける構成としている。しかし、本発明はこれに限るものではなく、吸込み管15Bの先端側を厚肉に形成して重錘15Cを廃止する構成としてもよい。この構成は、第2の実施の形態によるパイプ23C、重錘23Dにも同様に適用することができる。
しかも、第2の実施の形態では、パイプ23Cを廃止し、油穴23Bの近傍に位置して環状回転板23Aに重錘23Dを直接取付ける構成としてもよい。また、環状回転板23Aの油穴23B近傍部分を厚肉にして重錘を一体形成する構成としてもよい。
また、第1の実施の形態では、揺動パイプ15を2本設けた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、揺動パイプ15を1本とする構成としてもよい。この構成は、第3の実施の形態による可撓性パイプ機構34にも同様に適用することができる。
一方、第4の実施の形態では、連通手段として切換弁43は、弁座43Bに離着座するボール弁体43Dを用いる構成とした場合を例示した。しかし、本発明はこれに限らず、例えばスプール弁、ポペット弁、バタフライ弁等の他の弁体を用いる構成としてもよい。
さらに、各実施の形態では、横置き型油圧緩衝器を鉄道車両の台車と車体との間に設けられた制振装置に用いた場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限らず、例えば自動車のステアリングダンパ等にも広く用いることができる。
本発明の第1の実施の形態に係る横置き型油圧緩衝器を示す縦断面図である。 図1中の矢示II−II方向からみた横置き型油圧緩衝器を示す縦断面図である。 図1中の減衰力発生機構等を拡大して示す要部拡大縦断面図である。 図2中のベース部材、揺動パイプ等を拡大して示す要部拡大縦断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る横置き型油圧緩衝器を示す縦断面図である。 図5中のベース部材、油通路、回転弁等を拡大して示す要部拡大縦断面図である。 図6中の回転弁を単体で示す外観斜視図である。 本発明の第3の実施の形態に係る横置き型油圧緩衝器を示す縦断面図である。 図8中の矢示IX−IX方向からみた環状部材の横断面図である。 本発明の第4の実施の形態に係る横置き型油圧緩衝器を示す縦断面図である。 図10中のベース部材、油通路、切換弁等を拡大して示す要部拡大縦断面図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 外筒
7 内筒
8 ピストン
10 チェック弁
11 減衰力発生機構
12,21,33 ベース部材(閉塞部材)
13,22,42 油通路
14 他のチェック弁
15,16 揺動パイプ(連通手段)
15A,16A 揺動継手
15B 吸込み管
15C,16C,23D,34C,35C,46 重錘
16B 吐出管
22C 開口通路
23,25 回転弁(連通手段)
23A 環状回転板
23B 油穴
23C,25C パイプ
34,35,45 可撓性パイプ機構(連通手段)
34A 固定継手
34B,35B 可撓性パイプ
43 切換弁
43A 弁体収容穴
43B 弁座
43C ストッパリング
43D ボール弁体
A リザーバ室
B ボトム側油室
C ロッド側油室

Claims (6)

  1. 外筒と該外筒内に設けられ内部に油液が満たされた内筒とからなるシリンダと、該シリンダの外筒と内筒との間に画成され油液とガスが封入された環状のリザーバ室と、前記シリンダの内筒内に摺動可能に挿嵌され該内筒内を2つの油室に画成したピストンと、軸方向の一側が該ピストンに取付けられ他側が前記シリンダの外部に突出したピストンロッドと、前記リザーバ室と前記内筒内の油室との間で油液を流通する油通路とを備え、前記シリンダが横置き配置される横置きシリンダ装置において、
    前記油通路には、前記シリンダを取付けるときの取付向きに関係なく、前記リザーバ室の油液内と前記内筒内の油室とを連通可能な連通手段を設ける構成としたことを特徴とする横置きシリンダ装置。
  2. 前記連通手段は、前記シリンダを取付けるときの取付向きに関係なく、前記リザーバ室の下側と前記内筒内の油室とを連通可能となるように構成したことを特徴とする請求項1に記載の横置きシリンダ装置。
  3. 前記シリンダ装置は、前記外筒の一端の取付手段によって、取付方向が回転方向180度毎に取付け可能とされ、
    前記連通手段は、前記内筒の上下方向2箇所に設けられた第1の孔と、該第1の孔の外周に第1環状通路を形成する第1の環状壁と、該第1の環状壁の水平方向左右の一方に設けられ前記第1の孔の合計面積より小さい面積のオリフィス孔と、該オリフィス孔の外周に第2環状通路を形成する第2の環状壁と、該第2の環状壁の水平方向左右の他方に設けられ前記第1の孔の合計面積より大きい面積の第2の孔とからなることを特徴とする請求項1に記載の横置きシリンダ装置。
  4. 前記シリンダ装置は、前記外筒の一端の取付手段によって、取付方向が回転方向180度毎に取付け可能とされ、
    前記連通手段は、基端側が前記油通路のリザーバ室側開口に揺動可能に取付けられ、自由端となった先端側が自重によって下側に揺動する揺動パイプにより構成してなる請求項2に記載の横置きシリンダ装置。
  5. 前記油通路は、前記シリンダの内筒の外周側に周方向に沿って列設された多数個の開口を有し、
    前記連通手段は、前記内筒の外周側で前記油通路の各開口を閉塞する位置に回転可能に設けられた環状回転板と、該環状回転板に設けられ前記油通路の各開口のいずれかに連通可能な油穴と、前記環状回転板に設けられ該油穴が前記リザーバ室の下側に位置するように前記環状回転板を回転させる重錘とにより構成してなる請求項1に記載の横置きシリンダ装置。
  6. 前記シリンダ装置は、前記外筒の一端の取付手段によって、取付方向が回転方向180度毎に取付け可能とされ、
    前記油通路は、前記内筒内の少なくとも一方の油室を閉塞する閉塞部材の径方向に貫通した径方向通路を有し、
    前記連通手段は、前記シリンダを上,下方向に配置したときに前記径方向通路のうち下側に配置された開口を前記リザーバ室と内筒内の油室とに連通し、上側に配置された開口を前記リザーバ室と内筒内の油室とに対し遮断する切換弁により構成してなる請求項1に記載の横置きシリンダ装置。
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