JP6116267B2 - 流体圧緩衝器 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、鉄道車両等に使用される流体圧緩衝器に関するものである。
従来から、鉄道車両には、台車が車両本体に対して水平方向に蛇行(ヨーイング)することを抑制する流体圧緩衝器(鉄道車両用ヨーダンパ)が備えられている。そこで、横向き状態で使用される流体圧緩衝器には、シリンダ内の気泡を排出するための様々な工夫が施されている。
例えば、特許文献1に記載されたものでは、横向きで使用されるオイルダンパの場合、気泡が設置状態において上側となる内筒側壁の軸方向端部に滞留するため、内筒側壁の軸方向端部近傍の上部にエア抜き孔(減衰力発生用オリフィス兼用)を設け、さらに、内筒の端部が嵌合された前蓋の凹部の内周面に、前記エア抜き孔に連通する環状の通路を設けている。そして、内筒内に滞留した気泡をエア抜き孔から環状の通路を介して、リザーバ下部の作動液中に排出するようにしている。また、このオイルダンパにおいては、環状の通路の軸方向両側に、前蓋の凹部の内周面と内筒の外周面との間をシールするシール部材がそれぞれ配設されている。さらに、この環状の通路は、リザーバ下部の作動液中に配置される噴出パイプと連通している。
特開平11−344068号公報
しかしながら、特許文献1に記載のオイルダンパでは、ピストン速度が上昇して環状の通路の圧力が上昇する際、作動液が環状の通路から前蓋の凹部の内周面と内筒の外周面との間から内筒内へ噴出してエアレーションを発生させる問題があるが、その作動液の噴出を各シール部材により抑制するようにしている。しかしながら、この構造では、部品点数が増加するうえに組立工数も増加するためコストアップが避けられない。また、ピストン速度が上昇して内筒内からリザーバ室へ流動する流量が多くなると、その作動液の流量は噴出パイプにより絞られるため、弁機構へ背圧が付与され、要求性能を得られない虞がある。
そして、本発明は、性能を維持しつつコストアップを抑制する流体圧緩衝器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明は、同心状にそれぞれ配設した外筒及び内筒の両端を蓋体によりそれぞれ閉鎖して、両者の間を作動液と気体とを封入した環状のリザーバ室として構成し、前記内筒の少なくとも一端部と前記蓋体に設けた筒状部との嵌合部に、径方向に延びる環状通路及び減衰力発生用オリフィスを備えた流体圧緩衝器であって、前記環状通路は、前記減衰力発生用オリフィスを介して、前記内筒内の液室に連通しており、前記環状通路よりも前記筒状部の軸方向他側である開口端側に該環状通路の通路断面積より小さい環状空間を形成し、前記環状通路よりも前記筒状部の軸方向一側に収容溝部を設け、該収容溝部だけにシール部材が収容されていることを特徴とするものである。
本発明の流体圧緩衝器は、性能を維持しつつ構造を簡素化することができ、コストを削減することができる。
図1は、本発明の第1実施形態に係る流体圧緩衝器を示す断面図である。 図2は、本発明の第1実施形態に係る流体圧緩衝器の要部拡大図である。 図3は、本発明の第2実施形態に係る流体圧緩衝器の要部拡大図である。 図4は、本発明の第3実施形態に係る流体圧緩衝器の要部拡大図である。 図5は、本発明の第4実施形態に係る流体圧緩衝器の要部拡大図である。 図6は、本発明の第5実施形態に係る流体圧緩衝器の要部拡大図である。 図7は、本発明の第6実施形態に係る流体圧緩衝器の要部拡大図である。
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図7に基づいて詳細に説明する。
第1〜第5の実施形態に係る流体圧緩衝器1a〜1eは、例えば、鉄道車両の台車と車体との間に横置き状態で取り付けられる水平動ダンパとして採用される。また、第6の実施形態に係る流体圧緩衝器1fは、例えば、自動車のサスペンション装置等に縦置き状態で取り付けられる上下動ダンパとして採用される。
まず、第1の実施形態に係る流体圧緩衝器1aを図1及び図2に基づいて説明する。
第1の実施形態に係る流体圧緩衝器1aは、図1に示すように、外筒2と、該外筒2と同心状に配置された内筒3とを備えている。これら外筒2及び内筒3の両端開口は前側蓋体4及び後側蓋体5によりそれぞれ閉鎖されている。外筒2の内周面と内筒3の外周面との間に環状のリザーバ室6が形成される。
なお、説明の便宜のため、以下では図中左側(符号を正立視した場合)、つまりブラケット10側を前側、図中右側、つまりブラケット11側を後側としてそれぞれ説明する。
前側蓋体4は、外筒2及び内筒3の前端開口を閉鎖すると共にピストンロッド28のガイド機能も備えている。前側蓋体4は、ピストンロッド28が挿通される挿通孔12を有し、外筒2の前端開口を閉鎖する前側板状部材13と、該前側板状部材13の後面全域から後方に向かって一体的に連結され、内筒3の前端開口を閉鎖する前側筒状部材14とからなる。前側筒状部材14は、主筒状部15と、該主筒状部15の後面の外周部から一体的に突設され、内筒3と外筒2との間に挿入される副筒状部16とからなる。なお、前側板状部材13の挿通孔12の内周面とピストンロッド28の外周面との間には第1シール部材20が配置される。前側筒状部材14の内周面とピストンロッド28の外周面との間には、第2及び第3シール部材21、22が軸方向に間隔を置いて配設されている。
一方、後側蓋体5は、外筒2の後端開口を閉鎖する後側板状部材25と、該後側板状部材25の前面の略中央部位から前方に向かって一体的に接続され、内筒3の後端開口を閉鎖する後側柱状部材26とからなる。なお、後側板状部材25に、車体側との連結用のブラケット11が固設されている。
内筒3内には、ピストン27が軸方向に摺動可能に配設されている。該ピストン27にはピストンロッド28の一端部が連結され、該ピストンロッド28の他端部は前側蓋体4を液密的に挿通して外筒2の外部へ延びている。なお、ピストンロッド28の他端部には、台車側と連結する連結用のブラケット10が固設されている。
内筒3内は、ピストン27によってロッド側油室29と反ロッド側油室30とに区画されている。これらのロッド側油室29及び反ロッド側油室30に作動油(作動液)がそれぞれ封入されている。ピストン27には、反ロッド側油室30からロッド側油室29への作動油の流通のみを許容する逆止弁31が配設される。また、後側蓋体5の後側柱状部材26には、リザーバ室6から反ロッド側油室30への作動油の流通のみを許容する逆止弁32が配設されている。
また、図2も参照して、内筒3の前端部の上部周壁、すなわち、内筒3の、前側蓋体4を構成する前側筒状部材14の副筒状部16との嵌合部における上部周壁に、オリフィス35が形成される。該オリフィス35は径方向に延びる。該オリフィス35は、減衰力発生用オリフィスとして、また、エア抜き用オリフィスとして機能する。前側筒状部材14の副筒状部16の内周面には、内筒3に設けたオリフィス35と連通する環状通路としての環状溝部36が形成される。この環状溝部36の断面は略矩形状に形成される。また、前側筒状部材14の副筒状部16の内周面で、環状溝部36より後側、すなわち環状溝部36より前側筒状部材14の副筒状部16の開口端側に、環状空間としての緩衝用環状溝部37が形成される。該緩衝用環状溝部37の断面も略矩形状に形成される。環状溝部36の通路断面積は緩衝用環状溝部37の通路断面積よりも大きく設定される。環状溝部36の下部には、後述する連通流路40の第3流路43の後端部が連通している。また、前側筒状部材14の副筒状部16の下端部には、噴出パイプ38の前端部が挿通されている。噴出パイプ38の、前側筒状部材14の副筒状部16に挿通している以外の部分は、下部のリザーバ室6の作動油内に配置されている。噴出パイプ38の前端開口は環状溝部36の下部に臨む。なお、前側筒状部材14の内周面の、環状溝部36より前側に設けた収容溝部には、前側筒状部材14の副筒状部16の内周面と内筒3の外周面との間をシールするシール部材39(Oリング)が収容されている。
前側蓋体4の前側筒状部材14の下部には、内筒3のロッド側油室29と前側筒状部材14の副筒状部16に設けた環状溝部36とを連通する連通流路40が設けられている。該連通流路40は、ロッド側油室29と連通して軸方向に延びる第1流路41と、該第1流路41に連通して径方向に延びる第2流路42と、該第2流路42に連通すると共に環状溝部36の下部に連通して軸方向に延びる第3流路43とからなる。第1流路41は、前側筒状部材14の主筒状部15の下部内周面を凹状に形成して軸方向に延びている。第2流路42は、前側筒状部材14の主筒状部15の下部に設けられ径方向に延びている。第2流路42は、第1流路41の前部と連通する小径流路42aと、該小径流路42aと連通すると共に該小径流路42aの下部に設けられ、第3流路43の前端部と連通する大径流路42bとからなる。第3流路43は、前側筒状部材14の主筒状部15の下部から副筒状部16の下部に至るように軸方向に延び、環状溝部36の下部に連通している。そして、連通流路40の第2流路42に、ピストン27の移動に伴って開閉する調圧弁45が備えられる。
調圧弁45は、図2に示すように、連通流路40の第2流路42内に配置され、前側筒状部材14の径方向に沿って移動自在に支持されるバルブ本体46と、大径流路42b内に支持されるベース47と、バルブ本体46とベース47との間に配置され、バルブ本体46を小径流路42aが常時閉状態となるように小径流路42a側に付勢するスプリング48とから構成される。バルブ本体46は、小径流路42aに嵌合する軸部50と、該軸部50の下端部から一体的に接続され、大径流路42bの内径に略一致する板状部51と、該板状部51の外周縁から下方に垂設される筒状部52とから構成される。軸部50の基端部の外径は小径流路42aの内径に略一致する。軸部50の長さは小径流路42aの高さに略一致する。軸部50は上方に向かって先細りとなる。板状部51の上面の外周部は下方傾斜している。ベース47は、大径流路42bの下部内周面に支持される基礎板部53と、該基礎板部53の上面の中央部から上方に向かって突設される基礎軸部54とから構成される。スプリング48は、バルブ本体46の板状部51の下面と、ベース47の基礎軸部53周りの基礎板部54の上面との間に配置される。また、バルブ本体46の筒状部52の下端と、ベース47の基礎板部54の上面との間が第3流路43の前端開口に臨むようになる。
次に、本発明の第1の実施形態に係る流体圧緩衝器1aの作用を説明する。
第1実施形態に係る流体圧緩衝器1aは、台車と車体との間に横置き状態で取り付けられており、台車にピストンロッド28側のブラケット10が連結され、車体に外筒2側のブラケット11が連結される。
そして、台車と車体とが水平方向へ相対移動するとピストンロッド28が伸縮動作する。その結果、ピストンロッド28の伸び行程時には、ロッド側油室29の作動油は、ピストン27に設けた逆止弁31により反ロッド側油室30には流れないために、ピストン速度が比較的遅い場合、内筒3に設けたオリフィス35から環状溝部36及び噴出パイプ38を経由してリザーバ室6に流れて、伸び側の減衰力が発生する。続いて、ピストン速度が速くなり内筒3のロッド側油室29の流体圧がスプリング48の付勢力よりも大きくなると、ロッド側油室29の作動油は、連通流路40の第2流路42内に備えた調圧弁45を開弁させてリザーバ室6に流れ、これに応じて伸び側の減衰力が発生する。なお、この伸び行程時には、ピストンロッド28の退出分の作動油がリザーバ室6から後側蓋体5の後側柱状部材26に設けた逆止弁32を経て反ロッド側油室30へ補給される。
一方、ピストンロッド28の縮み行程時には、反ロッド側油室30の作動油がピストン27に設けた逆止弁31を経由してロッド側油室29に流れ、反ロッド側油室30とロッド側油室29とがほぼ同じ流体圧となり、ピストン速度が比較的遅い場合には、ピストンロッド28の進入分の作動油が、内筒3に設けたオリフィス35から環状溝部36及び噴出パイプ38を経由してリザーバ室6に流れて、縮み側の減衰力が発生する。続いて、ピストン速度が速くなり内筒3の流体圧がスプリング48の付勢力よりも大きくなると、ピストンロッド28の進入分の作動油が、連通流路40の第2流路42内に備えた調圧弁45を開弁させてリザーバ室6に流れ、これに応じて縮み側の減衰力が発生する。
また、ピストンロッド28の伸び行程及び縮み行程時、ロッド側油室29の前側上端に溜まったエアは作動油と共に、内筒3に設けたオリフィス35から環状溝部36及び噴出パイプ38を経てリザーバ室6に排出される。
さらに、ピストンロッド28の伸び行程及び縮み行程時、緩衝用環状溝部37内の圧力P2とリザーバ室6内の圧力P3との圧力差が小さくなるので、内筒3の外周面と前側筒状部材14の副筒状部16の内周面との間からの作動油の噴出が抑制されるようになる。
以上説明したように、本発明の第1の実施形態に係る流体圧緩衝器1aでは、特に、前側筒状部材14の副筒状部16の内周面に、内筒3に設けたオリフィス35と連通する環状通路としての環状溝部36が形成され、該環状溝部36より前側筒状部材14の副筒状部16の開口端側に緩衝用環状溝部37が形成される。また、環状溝部36の通路断面積が緩衝用環状溝部37の通路断面積よりも大きく設定される。
これにより、従来のオイルダンパ(特許文献1に係るオイルダンパ)では、環状の通路内の圧力P1がリザーバ室6内の圧力P3よりも相当大きくその圧力差によって、内筒3の外周面と前側筒状部材14の副筒状部16の内周面との間から作動油が噴出してエアレーションが発生する虞があったが、本実施の形態では、緩衝用環状溝部37内の圧力P2とリザーバ室6内の圧力P3との圧力差を、従来の環状の通路内の圧力P1とリザーバ室6内の圧力P3との圧力差よりも小さくすることができ、内筒3の外周面と前側筒状部材14の副筒状部16の内周面との間からの作動油の噴出を抑制することが可能になった。
また、第1の実施形態に係る流体圧緩衝器1aでは、環状溝部36の圧力P1が緩衝用環状溝部37の圧力P2と略同等に高まるまでに時間的な遅れを発生させることができるために、内筒3の外周面と前側筒状部材14の副筒状部16の内周面との間からの作動油の噴出を抑制することができる。要するに、本流体圧緩衝器1aに付与される振動波形は、正弦波またはこれに類似した波形であることが多いため、この時間的な遅れが作動油の噴出の抑制に繋がるようになる。
さらに、第1の実施形態に係る流体圧緩衝器1aでは、従来のオイルダンパ(特許文献1に係るオイルダンパ)よりもOリング等の部品点数を減らすことができ、さらに組立工数を減らすことができるのでコストアップを抑制することができる。
しかも、従来のオイルダンパ(特許文献1に係るオイルダンパ)では、環状の通路の軸方向両側に、前蓋の凹部の内周面と内筒の外周面との間をシールするシール部材をそれぞれ配設して、環状の通路を囲む範囲を完全にシールしているため、ピストン速度が上昇して内筒3内からリザーバへ流動する流量が多くなると、その作動油の流量は噴出パイプ38により絞られ、弁機構へ背圧が付与される問題が生じていたが、第1の実施形態に係る流体圧緩衝器1aでは、環状溝部36よりも後側(前側筒状部材14の副筒状部16の開口端側)に緩衝用環状溝部37を形成しているだけで、環状溝部36を囲む範囲を完全にシールしていないので、ピストン速度が上昇して内筒3内からリザーバ室6へ流動する作動油の流量が多くなっても、調圧弁45へ背圧が付与されるのを抑制することができる。
なお、第1の実施形態では、オリフィス35により内筒3内の作動油を環状溝部36に導く構成を示したが、オリフィス35に変えて第1流路41と、該第1流路41に連通して径方向に延びる第2流路42と、該第2流路42に連通すると共に環状溝部36の下部に連通して軸方向に延びる第3流路43及び調圧弁45をもう一セット設け、調圧弁を調圧弁45よりも開弁圧力の低いものとするように構成してもよい。その場合、まず調圧弁が開弁し、その後調圧弁45が開弁する。このように構成した場合であっても、内筒3の外周面と前側筒状部材14の副筒状部16の内周面との間からの作動油の噴出を抑制することができる。
次に、第2の実施形態に係る流体圧緩衝器1bを図3に基づいて説明するが、その説明は、第1の実施形態に係る流体圧緩衝器1aとの相違点のみとする。
第2の実施形態に係る流体圧緩衝器1bでは、前側筒状部材14の副筒状部16の内周面に、緩衝用環状溝部37を軸方向に沿って複数設けている。例えば、本実施の形態では、緩衝用環状溝部37を2個形成している。
次に、第3の実施形態に係る流体圧緩衝器1cを図4に基づいて説明するが、その説明は、第1の実施形態に係る流体圧緩衝器1aとの相違点のみとする。
第3の実施形態に係る流体圧緩衝器1cでは、前側筒状部材14の副筒状部16の下部に、緩衝用環状溝部37の下部と、リザーバ室6の下部とを連通する連通路としてのオリフィス60を設けている。オリフィス60は軸方向に延びている。オリフィス60の通路断面積は、緩衝用環状溝部37の通路断面積よりも小さく設定される。
次に、第4の実施形態に係る流体圧緩衝器1dを図5に基づいて説明するが、その説明は、第1の実施形態に係る流体圧緩衝器1aとの相違点のみとする。
第4の実施形態に係る流体圧緩衝器1dでは、前側筒状部材14の副筒状部16の下部及び噴出パイプ38の上部周壁に、緩衝用環状溝部37の下端部と噴出パイプ38内とを連通する連通路としてのオリフィス61を連続して設けている。オリフィス61は径方向に延びる。オリフィス61の通路断面積は、緩衝用環状溝部37の通路断面積より小さく設定される。
そして、第2〜第4実施形態に係る流体圧緩衝器1b〜1dは、第1の実施形態に係る流体圧緩衝器1aと同等の作用効果を奏するものである。
次に、第5の実施形態に係る流体圧緩衝器1eを図6に基づいて説明するが、その説明は、第1の実施形態に係る流体圧緩衝器1aとの相違点のみとする。
第5の実施形態に係る流体圧緩衝器1eでは、前側筒状部材14の副筒状部16の外周面と外筒2の内周面との間に環状隙間63を設け、環状溝部36の下端部と環状隙間63の下端部とを連通させるオリフィス65を設けている。オリフィス65は径方向に延びている。なお、第5の実施形態に係る流体圧緩衝器1eでは、第1の実施形態に係る流体圧緩衝器1aに備えた緩衝用環状溝部37は備えられていない。
そして、第5の実施形態に係る流体圧緩衝器1eでは、ピストン速度が速くなり環状溝部36の圧力P1が高くなると、作動油は主に環状溝部36から噴出パイプ38を経て下側のリザーバ室6の作動油中に流出するが、オリフィス65からも前側筒状部材14の副筒状部16の外周面と外筒2の内周面との間の環状隙間63を経て下側のリザーバ室6の作動油中に流出する。この結果、内筒3の外周面と前側筒状部材14の副筒状部16の内周面との間からの作動油の噴出を抑制することが可能になる。
次に、第6の実施形態に係る流体圧緩衝器1fを図7に基づいて説明するが、その説明は、第1の実施形態に係る流体圧緩衝器1aとの相違点のみとする。なお、第6の実施形態に係る流体圧緩衝器1fは、ピストンロッド28の先端に一体的に接続されたブラケット10が上方に向くように縦置きで使用される際に有効である。
すなわち、第6の実施形態に係る流体圧緩衝器1fでは、環状溝部36の底部の、平面視で調圧弁45が備えられている位置に連通するオリフィス67が形成される。該オリフィス67は径方向に延びる。また、オリフィス67は、前側筒状部材14の副筒状部16の外周面に設けた外周環状溝部68に連通する。外周環状溝部68の断面は矩形状に形成される。また、該外周環状溝部68は、前側筒状部材14の副筒状部16の外周面と外筒2の内周面との間の環状隙間63に連通する。外周環状溝部68の通路断面積は環状溝部36の通路断面積よりも小さく設定される。なお、第6の実施形態に係る流体圧緩衝器1fにおいても、第1の実施形態に係る流体圧緩衝器1aに備えた緩衝用環状溝部37は備えられていない。
そして、第6の実施形態に係る流体圧緩衝器1fでは、環状溝部36の圧力P1が高くなると、作動油は環状溝部36から主に噴出パイプ38を経由してリザーバ室6の作動油中に流出する。これと同時に作動油は、オリフィス67から外周環状溝部68及び環状隙間63を経て外筒2の内周面に衝突して、外周環状溝部68によってその噴出の勢いが緩和され、環状隙間63に沿ってリザーバ室6内に滴り落ちる。この結果、エアレーションを抑制することができる。
なお、本実施形態は、ユニフロー型のダンパに採用されているが、バイフロー型のダンパに採用してもよい。また、本実施形態は、内筒3と前側筒状部材14の副筒状部16との嵌合部からの作動油の噴出によるエアレーションを抑制すべく提案されたものであるが、本実施形態は、バイフロー型のダンパにおける作動油の吸込み時、前記嵌合部へのエアの巻き込みを抑制する効果も奏することができる。
1a〜1f 流体圧緩衝器,2 外筒,3 内筒,4 前側蓋体,5 後側蓋体,6 リザーバ室,14 前側筒状部材,16 副筒状部(筒状部),29 ロッド側液室(液室),30 反ロッド側液室,35 オリフィス(減衰力発生用オリフィス),36 環状溝部(環状通路),37 緩衝用環状溝部(環状空間),38 噴出パイプ(パイプ),60 オリフィス(連通路),61 オリフィス(連通路)

Claims (3)

  1. 同心状にそれぞれ配設した外筒及び内筒の両端を蓋体によりそれぞれ閉鎖して、両者の間を作動液と気体とを封入した環状のリザーバ室として構成し、前記内筒の少なくとも一端部と前記蓋体に設けた筒状部との嵌合部に、径方向に延びる環状通路及び減衰力発生用オリフィスを備えた流体圧緩衝器であって、
    前記環状通路は、前記減衰力発生用オリフィスを介して、前記内筒内の液室に連通しており、前記環状通路よりも前記筒状部の軸方向他側である開口端側に該環状通路の通路断面積より小さい環状空間を形成し、前記環状通路よりも前記筒状部の軸方向一側に収容溝部を設け、該収容溝部だけにシール部材が収容されていることを特徴とする流体圧緩衝器。
  2. 前記流体圧緩衝器は横置きに配置され、前記蓋体に前記内筒内の液室から前記環状通路に連通する連通流路を形成し、該連通流路には作動液の移動に伴って減衰力を発生させる調圧弁を備え、一側が前記環状通路と連通し、他側が前記リザーバ室の作動液中に延びるパイプが備えられることを特徴とする請求項1に記載の流体圧緩衝器。
  3. 前記環状空間は連通路により前記リザーバ室と連通し、該連通路は前記環状空間の断面積よりも小さい断面積を有することを特徴とする請求項1または2に記載の流体圧緩衝器。
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