JP4165933B2 - 油圧緩衝器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシリンダ内を摺動するピストンの動作によって生じる振動及び振動音の発生を抑制するよう構成された油圧緩衝器に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、建物等の構造物の振動を減衰させる油圧緩衝器においては、比較的大きな荷重が作用するため、その分減衰力発生機構を通過する作動油の流量も多く、圧力も大きい。
この種の油圧緩衝器としては、大略、作動油が充填されたシリンダと、シリンダ内に挿入されたピストンと、ピストンを貫通する液通路に設けられピストンの移動に伴って液通路を通過する作動油の流量を絞る弁機構とを有する構成である。そして、油圧緩衝器は、地震等により構造物が振動すると、ピストンがシリンダ内を摺動して減衰力を発生させることにより、構造物と地面との相対変位を緩衝する。
【0003】
その際、ピストンの摺動動作に伴って、シリンダ内に充填された作動油がピストンを貫通する液通路を通過し、液通路を絞る弁機構により作動油の流量が絞られて減衰力が発生する。この弁機構の構成としては、液通路の弁座に離着座する弁体と、弁体を弁座に押圧するコイルバネと、コイルバネの他端が当接するバネ受けとからなる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来の油圧緩衝器では、ピストンが摺動動作する際、ピストンのストークに対する減衰比が大きいため、ピストン内部に設けられた弁機構に高圧の作動油が通過することになる。そのため、従来は、ピストンが摺動動作開始すると、弁機構の弁体がコイルバネのバネ力に抗して開弁方向に動作してピストンの液流路を通過する作動油の流量が急激に増大する。
【0005】
これにより、液通路及び弁機構を通過す作動油において、キャビテーションが発生し、その結果振動が発生することがあった。さらに、従来の油圧緩衝器では、このようなキャビテーションによる振動音が発生するといった問題もあった。そこで、本発明は上記課題を解決した油圧緩衝器を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は以下のような特徴を有する。
請求項1の本発明は、作動油が充填されたシリンダと、該シリンダ内に挿入されたピストンと、該ピストンを貫通する液通路に設けられ前記ピストンの移動に伴って開閉する弁体の弁開動作により前記液通路に連通された弁通路を通過する作動油の流量を調整する弁機構とを備えてなる油圧緩衝器において、
記弁体の動作を緩衝する弁体緩衝機構を設け、
前記弁体緩衝機構は、
記弁通路と別に設けられ、前記弁体に設けられ軸方向に延在する凹部と、
記弁体を閉弁方向に附勢するバネのバネ受けに設けられ前記凹部に挿入される軸と
記凹部内と前記弁通路とを連通するオリフィス通路と、を含み、
前記軸が前記凹部を摺動することにより前記凹部に充填された作動油を前記オリフィス通路のみから吸排させることで作動油の粘性抵抗によって生じる抵抗力を発生させることを特徴とするものである。
請求項2の本発明は、作動油が充填されたシリンダと、該シリンダ内に挿入されたピストンと、該ピストンを貫通する液通路に設けられ前記ピストンの移動に伴って開閉する弁体の弁開動作により前記液通路に連通された弁通路を通過する作動油の流量を調整する弁機構とを備えてなる油圧緩衝器において、
前記弁機構に弁体の動作を緩衝する弁体緩衝機構を設け、
前記弁体緩衝機構は、
前記弁通路と別に設けられ、前記弁体を閉弁方向に附勢するバネのバネ受けに設けられ軸方向に延在する凹部と、
前記弁体に設けられ前記凹部に挿入される軸と、
前記凹部内と前記液通路とを連通するオリフィス通路と、を含み、
前記軸が前記凹部を摺動することにより前記凹部に充填された作動油を前記オリフィス通路のみから吸排させることで作動油の粘性抵抗によって生じる抵抗力を発生させることを特徴とするものである。
【0007】
従って、本発明によれば、弁体緩衝機構の軸が弁通路と別に設けられた凹部を摺動することにより凹部に充填された作動油をオリフィス通路のみから弁通路または液通路に吸排させることで作動油の粘性抵抗によって生じる抵抗力を発生させるため、ピストンが摺動する際に弁体緩衝機構の弁体がピストンの液通路を移動する作動油の圧力上昇に応じて徐々に開弁動作してキャビテーションの発生を抑制することができる。
さらに、弁体緩衝機構が弁体又は記弁体を閉弁方向に附勢するバネのバネ受けのいずれか一方に設けられた凹部に弁体の軸を摺動させて凹部に充填された作動油を吸排させるため、比較的簡単な構成で弁体緩衝機構を構成することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、図面と共に本発明の実施の形態について説明する。
図1は本発明になる油圧緩衝器の一実施例の構成を示す縦断面図である。また、図2は油圧緩衝器の平面図である。
図1及び図2に示されるように、油圧緩衝器11は、大略、シリンダ12と、ピストン13と、ピストンロッド14と、温度補償機構としてのリザーバタンク15と、ピストンロッド14の一端が連結される可動側連結機構16と、シリンダ12の端部が連結される固定側連結機構17と、からなる。
【0009】
油圧緩衝器11は、建物等の構造物(図示せず)の振動を減衰させる減衰手段として用いられる油圧ダンパであり、固定側連結機構17が構造物を支える固定側(図示せず)に連結され、可動側連結機構16が構造物の可動側に連結される。そして、油圧緩衝器11は、地震等により構造物が振動すると、ピストン13がシリンダ12内をA,B方向に摺動して減衰力を発生させることにより、構造物の固定側と可動側との相対変位を緩衝する。
【0010】
図3はシリンダ12の内部構成を拡大して示す縦断面図である。
図3に示されるように、シリンダ12は、円筒状に形成されたシリンダ本体18と、シリンダ本体18の両端開口を閉塞する円盤状の蓋体19,20とから構成されている。蓋体19,20は、ボルト21によりシリンダ本体18の両端に締結される。また、蓋体19,20は、夫々ピストンロッド14が挿通される孔19a,20aが中央に貫通しており、孔19a,20aの内周にはピストンロッド14の外周をシールするためのシール部材19b,20bが装着されている。
【0011】
尚、ピストンロッド14が蓋体19,20の孔19a,20aに挿通されているので、ピストン13がシリンダ12内を摺動してもピストンロッド14の挿入容積が変化しないようになっている。また、蓋体19,20の上部には、吊り下げ用のアイボルト22が螺着されている。
ピストン13は、挿通孔13aに挿通されたピストンロッド14に固定された状態でシリンダ12の内部に形成されたシリンダ室23に摺動可能に取り付けられている。また、ピストン13は、ピストンロッド14の係止溝14aに嵌合された係止リング24を円盤状の固定板25との間で挟持することにより固定される。すなわち、ピストン13は、端部に固定板25が嵌合する環状溝13bが形成されており、固定板25が取付ボルト26でピストン13の端部に締結されることにより係止リング24に固定される。
【0012】
シリンダ室23は、内部に所定の粘性抵抗を有する作動油が充填されており、ピストン13により左室23aと右室23bとに画成される。そして、ピストン13の外周に形成されたシール溝13c,13dには、断面形状がU字状又はV字状とされたリップシール部材27が装着されており、左室23aと右室23bとの間が液密にシールされる。
【0013】
ピストン13は、内部に左室23aと右室23bとを連通する液通路28,29が軸方向に貫通している。この液通路28,29には、一方向の流れのみを許容し逆流を防止する減衰力発生機構としての弁機構30,31が設けられている。一方の弁機構30はA方向に流れを許容し、他方の弁機構30はB方向に流れを許容するように配置されている。
【0014】
図4は弁機構30,31を拡大して示す縦断面図である。
図4に示されるように、弁機構30,31は、夫々同一構成であり、液通路28,29に固定された弁座部材32,33と、弁座部材32,33を貫通する弁通路32a,33aを開閉して流量を調整する球状の弁部を有する弁体34,35と、弁体34,35を弁座部材32,33に押圧する方向(閉弁方向)に附勢するコイルバネ36,37と、コイルバネ36,37が当接するバネ受け38,39と、弁体34,35とバネ受け38,39との間に設けられた弁体緩衝機構40,41とからなる。
【0015】
弁体緩衝機構40,41は、弁機構30,31の弁体34,35の動作を緩衝するためのものであり、ピストン13の往復動に伴う弁体34,35の弁開動作を減速させて液通路28,29におけるキャビテーションの発生を抑制するように機能する。
弁体緩衝機構40,41は、弁体34,35に設けられ軸方向に延在するガイド孔(凹部)42と、バネ受け38,39に設けられ前記ガイド孔42に挿入される軸43と、ガイド孔42の奥部に設けられ軸43がガイド孔42を摺動することによりガイド孔42に充填された作動油を吸排させるオリフィス(通路)44と、からなる。また、軸43の先端外周には、ガイド孔42の内壁との間を液密にシールするOリング43aが装着されている。また、弁体34,35及びバネ受け38,39の外周には、作動油が流通するための溝(図示せず)が軸方向に形成されている。
【0016】
このように、弁体緩衝機構40,41は、従来からある弁機構30,31の弁体34,35及びバネ受け38,39の形状を変更してなるため、比較的簡単な構成で安価に実現することができる。上記のように構成された弁機構30,31及び弁体緩衝機構40,41は、筒状のホルダ80に挿入された状態で液通路28,29に装着される。すなわち、弁機構30,31及び弁体緩衝機構40,41は、ホルダ80に挿入された減衰力発生機構カートリッジとして液通路28,29に挿入されるため、組み付け作業が簡単であるばかりか、メンテナンス時の交換作業や点検作業も容易に行える。
【0017】
尚、ホルダ80は、液通路28,29内の凹部28a,29aに嵌合するストッパ81を介して係止された係止部材82に当接する。そして、係止部材82は、固定板83がボルト84により固定されると、ストッパ81を固定板83との間で挟持することにより液通路28,29内に固定される。
油圧緩衝器11にA,B方向の振動が伝播されると、ピストン13がシリンダ室23内を摺動することにより左室23aと右室23bとの圧力差が生じる。その際、弁機構30,31においては、左室23aと右室23bとの圧力差に応じて弁体34,35がコイルバネ36,37のバネ力に抗して弁座部材32,33から離座して弁開動作する。これにより、左室23a又は右室23bの作動油が液通路28,29を通過して右室23b又は左室23aへ移動する。
【0018】
このようにして粘性流体である作動油が流路面積の小さい液通路28,29を通過する過程で粘性抵抗が発生し、ピストン13の相対変位が緩衝される。そのため、油圧緩衝器11に伝播されたA,B方向の振動エネルギは、作動油の移動に伴って発生する粘性抵抗力に変換されて減衰される。
さらに、上記のように動作する弁機構30,31では、弁体34,35の動作を緩衝する弁体緩衝機構40,41が設けられているので、弁体34,35が弁開方向に動作すると共に軸43がガイド孔42を摺動する。これにより、ガイド孔42内に充填されていた作動油がガイド孔42の奥部に設けられたオリフィス44から排出される。
【0019】
そのため、弁体34,35の弁開動作は、オリフィス44を通過する作動油の粘性抵抗によって生じる抵抗力によって緩衝される。よって、ピストン13の速度に対し、弁体34,35は弁体緩衝機構40,41の抵抗力によって減速された状態で弁開動作することになる。
その結果、地震による振動の加速度が大きい場合、ピストン13が急激に移動するが、弁体34,35の弁開動作速度が弁体緩衝機構40,41の抵抗力によって減速されるため、液通路28,29におけるキャビテーションの発生が抑制される。従って、弁機構30,31では、液通路28,29に設けられた弁体緩衝機構40,41の緩衝動作によってキャビテーションによる振動が抑制されると共に、振動音の発生も防止される。
【0020】
図5はリザーバタンク15の支持機構について説明する。
図5及び図3に示されるように、リザーバタンク15は、支柱50を介してシリンダ12の上部の所定高さ位置に固定されている。そして、リザーバタンク15とシリンダ12との間には、温度補償機構を構成するチェック弁51,52が設けられている。
【0021】
このチェック弁51,52は、温度変化によるシリンダ室23内の油圧変化を防止するものである。
図6はチェック弁51,52の構成を拡大して示す縦断面図である。
図6に示されるように、チェック弁51,52は、夫々同一構成であり、リザーバタンク15の底部53に設けられた孔54と、シリンダ本体18を貫通する吸排用口55との間に介在する取付部56に取り付けられている。そして、取付部56には、内部を貫通する通路56aに螺入された筒状のシート部57と、シート部57の開口57aに下方から開閉するプラグ58と、プラグ58の中央孔58aに嵌合するガイド部材59とからなる。
【0022】
プラグ58は、先端が円錐形状のテーパ部58bを有し、このテーパ部58bが温度上昇によりシリンダ室23側の圧力が増大したとき、シート部57の開口57aに嵌合して作動油の流量を絞る。また、プラグ58の先端には、軸方向に貫通する小孔58cが設けられている。この小孔58cは、シリンダ室23側の圧力増大により、プラグ58がシート部57の開口57aを閉塞したときの作動油排出用流路となる。
【0023】
また、プラグ58の外周には、軸方向に延在する溝58dが形成されている。この溝58dは、温度低下によりシリンダ室23側の圧力低下し、シリンダ室23側が負圧となったときプラグ58がシート部57から離間して開口57aを開放したときの作動油供給用通路となる。
尚、ガイド部材59は、プラグ58の中央孔58aに嵌合するロッド59aの外周に小孔58bに連通する螺旋溝59bが形成され、且つシート部57に嵌合する鍔部59cには溝58dに連通する孔59dが設けられている。
【0024】
従って、チェック弁51,52は、左室23a,右室23bの温度変化に伴う圧力変動によりプラグ58がシート部57の開口57aを開閉動作する。
図7は可動側連結機構16の構成を拡大して示す横断面図である。
図7に示されるように、可動側連結機構16は、ピストン13が結合される結合部材60と、結合部材60の結合板60aに連結されるブラケット61とからなる。ブラケット61は、構造物(図示せず)に固定される固定部61aと、結合部材60の結合板60aを両側から支持する支持板61b,61cとを有する。
【0025】
支持板61b,61c間には、連結軸62が横架されており、連結軸62には外周が半球状に形成されたリング部材63が嵌合している。尚、連結軸62は、係止部材66により軸方向への抜けが防止されている。また、リング部材63の両側には、リング状に形成された弾性体64が介在している。
リング部材63は、連結軸62に回転可能に嵌合されると共に、両側の弾性体64により挟持されているので、ガタツキのない状態に保持される。そして、結合部材60の結合板60aには、リング部材63の外周に嵌合する摺動体65が取り付けられている。この摺動体65の内周は、リング部材63の外周形状に対応する球面状に形成されている。
【0026】
そのため、結合部材60は、ブラケット61に対して回動自在に連結されると共に、横方向の位置ずれが調整できるように取り付けられている。
また、前述した固定側連結機構17は、上記可動側連結機構16と同様に結合部材70と、ブラケット71とから構成されており、その連結構造の同一部分の説明は省略する。尚、結合部材70は、ピストンロッド14の端部が蓋体20の孔20aを貫通して突出し、ピストン13の摺動動作により突出長さが変化するため、ピストンストロークに応じたピストンロッド14の動作スペースを確保するカバー部72を有する。
【0027】
従って、油圧緩衝器11は、シリンダ12及びピストンロッド14が固定側連結機構17及び可動側連結機構16を介して揺動可能に取り付けられており、取付作業時の自由度が高められ、構造物の取付位置と基礎側の取付位置との相対的な位置ずれを吸収できる構成となっている。
図8は本発明の変形例1の構成を説明するための縦断面図である。
【0028】
図8に示されるように、変形例1の弁体緩衝機構75は、バネ受け38,39に設けられ軸方向に延在するガイド孔(凹部)76と、弁体34,35に設けられ前記ガイド孔76に挿入される軸77と、ガイド孔76の奥部に設けられ軸77がガイド孔76を摺動することによりガイド孔76に充填された作動油を吸排させるオリフィス(通路)78と、からなる。
【0029】
ピストン13がA,B方向に摺動して弁体34,35が弁開動作する際、作動油が流路面積の小さい液通路28,29を通過する過程で粘性抵抗が発生し、ピストン13の相対変位が緩衝される。これと同時に、軸77がガイド孔76を摺動する。これにより、ガイド孔76内に充填されていた作動油がガイド孔76の奥部に設けられたオリフィス78から排出されるため、弁体34,35の弁開動作は、オリフィス44を通過する作動油の粘性抵抗によって生じる抵抗力によって緩衝される。
【0030】
よって、地震による振動の加速度が大きい場合、ピストン13が急激に移動するが、弁体34,35の弁開動作速度が弁体緩衝機構40,41の抵抗力によって減速されるため、液通路28,29におけるキャビテーションの発生が抑制される。従って、弁体緩衝機構75の緩衝動作によってキャビテーションによる振動が抑制されると共に、振動音の発生も防止される。
【0031】
図9は本発明の変形例2の構成を説明するための縦断面図である。
図9に示されるように、変形例2の弁体緩衝機構80は、弁体34,35に設けられ軸方向に延在するガイド孔(凹部)42と、バネ受け38,39に設けられ前記ガイド孔42に挿入される軸43と、ガイド孔42の奥部に設けられ軸43がガイド孔42を摺動することによりガイド孔42に充填された作動油を吸排させる複数のオリフィス(通路)44a〜44dと、からなる。
【0032】
弁体緩衝機構80では、複数のオリフィス44a〜44dが軸方向に所定間隔毎に設けられているので、軸43がガイド孔42に挿入されるつれてオリフィス44a〜44dが順に閉塞される。従って、軸43のストロークによってガイド孔42から排出される作動油の流量が段階的に変化することになる。そのため、軸43のストロークが大きくなるほど、ガイド孔42から排出される作動油の流量が絞られて、弁体34,35に対する抵抗力が徐々に大きくなり、ストロークの最終段階でオリフィス44dが開放された状態となって弁体34,35に対する抵抗力が最大となる。
【0033】
従って、地震による振動の加速度が大きい場合、弁体34,35が急激に弁開動作するが、弁体34,35の弁開動作速度が大きいほどオリフィス44a〜44dを閉塞する数が増えてより大きな抵抗力が弁体34,35に付与される。
そのため、上記のような弁体緩衝機構80の緩衝動作により液通路28,29におけるキャビテーションの発生が抑制され、キャビテーションによる振動及び振動音の発生も防止される。
【0034】
尚、上記実施の形態では、油圧緩衝器11が構造物の振動を緩衝する場合を一例として挙げたが、これに限らず、他の用途に使用される油圧緩衝器にも適用できるのは勿論である。
【0035】
【発明の効果】
上述の如く、本発明によれば、弁体緩衝機構の軸が弁通路と別に設けられた凹部を摺動することにより凹部に充填された作動油をオリフィス通路のみから弁通路または液通路に吸排させることで作動油の粘性抵抗によって生じる抵抗力を発生させるため、ピストンが摺動する際に弁体緩衝機構の弁体がピストンの液通路を移動する作動油の圧力上昇に応じて徐々に開弁動作してキャビテーションの発生を抑制することができる。これにより、キャビテーションによる振動音の発生を防止できる。
【0036】
さらに、弁体緩衝機構が弁体又は記弁体を閉弁方向に附勢するバネのバネ受けのいずれか一方に設けられた凹部に弁体の軸を摺動させて凹部に充填された作動油を吸排させるため、比較的簡単な構成で弁体緩衝機構を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明になる油圧緩衝器の一実施例の構成を示す縦断面図である。
【図2】油圧緩衝器の平面図である。
【図3】シリンダ12の内部構成を拡大して示す縦断面図である。
【図4】弁機構30,31を拡大して示す縦断面図である。
【図5】リザーバタンク15の支持機構について説明する。
【図6】チェック弁51,52の構成を拡大して示す縦断面図である。
【図7】可動側連結機構16の構成を拡大して示す横断面図である。
【図8】本発明の変形例1の構成を説明するための縦断面図である。
【図9】本発明の変形例2の構成を説明するための縦断面図である。
【符号の説明】
11 油圧緩衝器
12 シリンダ
13 ピストン
14 ピストンロッド
15 リザーバタンク
16 可動側連結機構
17 固定側連結機構
18 シリンダ本体
19,20 蓋体
23 シリンダ室
28,29 液通路
30,31 弁機構
32,33 弁座部材
34,35 弁体
36,37 コイルバネ
38,39 バネ受け
40,41,75,80 弁体緩衝機構
42,76 ガイド孔(凹部)
43,77 軸
44,78,44a〜44d オリフィス(通路)
51,52 チェック弁
60,70 結合部材
61,71 ブラケット

Claims (3)

  1. 作動油が充填されたシリンダと、該シリンダ内に挿入されたピストンと、該ピストンを貫通する液通路に設けられ前記ピストンの移動に伴って開閉する弁体の弁開動作により前記液通路に連通された弁通路を通過する作動油の流量を調整する弁機構とを備えてなる油圧緩衝器において、
    記弁体の動作を緩衝する弁体緩衝機構を設け、
    前記弁体緩衝機構は、
    記弁通路と別に設けられ、前記弁体に設けられ軸方向に延在する凹部と、
    記弁体を閉弁方向に附勢するバネのバネ受けに設けられ前記凹部に挿入される軸と
    記凹部内と前記弁通路とを連通するオリフィス通路と、を含み、
    前記軸が前記凹部を摺動することにより前記凹部に充填された作動油を前記オリフィス通路のみから吸排させることで作動油の粘性抵抗によって生じる抵抗力を発生させることを特徴とする油圧緩衝器。
  2. 作動油が充填されたシリンダと、該シリンダ内に挿入されたピストンと、該ピストンを貫通する液通路に設けられ前記ピストンの移動に伴って開閉する弁体の弁開動作により前記液通路に連通された弁通路を通過する作動油の流量を調整する弁機構とを備えてなる油圧緩衝器において、
    前記弁機構に弁体の動作を緩衝する弁体緩衝機構を設け、
    前記弁体緩衝機構は、
    前記弁通路と別に設けられ、前記弁体を閉弁方向に附勢するバネのバネ受けに設けられ軸方向に延在する凹部と、
    前記弁体に設けられ前記凹部に挿入される軸と、
    前記凹部内と前記液通路とを連通するオリフィス通路と、を含み、
    前記軸が前記凹部を摺動することにより前記凹部に充填された作動油を前記オリフィス通路のみから吸排させることで作動油の粘性抵抗によって生じる抵抗力を発生させることを特徴とする油圧緩衝器。
  3. 請求項1または2に記載の油圧緩衝器であって、前記凹部に挿入される前記軸の先端部には、シール部材を設けたことを特徴する油圧緩衝器。
JP21287398A 1998-07-28 1998-07-28 油圧緩衝器 Expired - Fee Related JP4165933B2 (ja)

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