JP4948058B2 - シール構造 - Google Patents

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Description

本発明は、ピストン摺動部のシール構造の改良に関する。
従来、この種ピストン摺動部のシール構造にあっては、たとえば、緩衝器のピストン摺動部に具現化されており、ピストンの外周全周に亘り環状溝を形成して、この環状溝内にOリング等の環状のシール部材を嵌め込んで、このシール部材でシリンダとピストンとの微小隙間をシールするようにしている。(たとえば、特許文献1参照)。
このようなピストン摺動部のシール構造によって、ピストンでシリンダ内に区画した二つの圧力室が油密に保たれ、上記ピストン摺動部における微小隙間を介して作動油が上記各圧力室を交流してしまうことが無くなり、特に、緩衝器に高周波数の振動が入力されても緩衝器が充分な減衰力を発生できるようになる。
特開2000−46088号公報(図4)
しかしながら、上述のようなシール構造では、以下の不具合があると指摘される可能性がある。
すなわち、特に、高減衰力の発生が要求される緩衝器では、ピストン部に設けられるバルブは、上記特許文献1に見られるように、ピストンに形成される通路の途中に設けた環状弁座と、環状弁座に着座する弁体と、弁体を附勢するバネと、バネの一端を支持するバネ座とを備えて構成されるため、ピストン自体が乗用自動車用の緩衝器に比較して大きくなってしまい、このピストンの外周にシール部材を設けようとする場合、ピストンの外周にシール部材が嵌まり込む環状溝を上記通路を直径方向に避けて形成する必要があるので、ただでさえ大きなピストンの外径がこのシール部材を設けることによってさらに大型化してしまうことになる。
そして、ピストンが大型化すると、当然に、シリンダ径も大型化することになって、油圧機器全体が大型化してしまい、油圧機器の車両、建造物等の適用箇所への搭載性が悪化してしまう危惧がある。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、油圧機器の大型化を招かないピストン摺動部のシール構造を提供することである。
上記した目的を解決するために、本発明における第一の課題解決手段は、シリンダと、このシリンダ内に移動自在に挿入されるロッドと、このロッドに連結されるとともに上記シリンダ内に摺動自在に挿入されて上記シリンダ内に二つの圧力室を隔成するピストンと、このピストンに形成されて各圧力室を連通する通路と、この通路の途中に設けられて上記通路を通過する作動油の流れに抵抗を与えるバルブとを備えた油圧機器のピストン摺動部におけるシール構造において、軸方向に貫通して上記通路に連通する通孔と、外周に上記シリンダ内周に摺接するシール部材とを有するとともに上記ピストンに積層されて上記シール部材で上記ピストン摺動部をシールするディスクを備え、上記ピストンのディスク側端部若しくは上記ディスクのピストン側端部に上記通路および上記通孔に連通する環状溝が形成されることを特徴とする。
また、本発明における第二の課題解決手段は、シリンダと、このシリンダ内に移動自在に挿入されるロッドと、このロッドに連結されるとともに上記シリンダ内に摺動自在に挿入されて上記シリンダ内に二つの圧力室を隔成するピストンと、このピストンに形成されて各圧力室を連通する一対の通路と、これら通路を通過する作動油の流れに抵抗を与える一対のバルブとを備え、これらバルブが上記通路の途中に設けた環状弁座と、この環状弁座に着座する弁体と、この弁体を着座方向に附勢するバネとをそれぞれ備えて構成される油圧機器のピストン摺動部におけるシール構造において、軸方向に貫通して上記各通路に連通する通孔と、外周に上記シリンダ内周に摺接するシール部材とを備えるとともに上記ピストンの一方側に積層されて上記シール部材で上記ピストン摺動部をシールするディスクと、上記ピストンの他方側に積層されるストッパとを有し、一方のバネが上記弁体と上記ディスクとの間に介装され、他方のバネが上記弁体と上記ストッパとの間に介装されることを特徴とする。
本発明のシール構造によれば、ピストン摺動部にできる微小隙間は、ピストンの外周に設けられるシール部材によってシールされるのではなく、ピストンに積層されるディスクの外周に設けたシール部材によってシールされることになる。
つまり、ピストンの外周にシール部材を配置する必要が無くなり、これによって、ピストンを小型化することが可能となる。すなわち、特に、高減衰力の発生が要求されピストンに組み込まれるバルブが大型な場合にあっても、ピストンの外周にシール部材を設けるスペースを確保する必要がなくなることから、ピストンを小型化することができ、さらには、ピストンの外周に環状溝を設ける必要が無いので、ピストンの強度低下を招く恐れもない。
したがって、ピストンを従来に比較して小型化することが可能であるので、油圧機器、本実施の形態においては緩衝器の外径をより小型化することができ、油圧機器の適用箇所への搭載性が向上することになる。
さらに、シリンダの内径を小型化することができるので、シール部材とシリンダとの摺動抵抗を低減できるので、油圧機器の円滑な伸縮を実現することができ、摺動摩擦による作動油温度上昇を抑制できるので、作動油温度上昇による作動油の粘性低下を抑制でき、長時間にわたる使用によっても減衰力低下を招くことが無く、油圧機器に安定した減衰機能を発揮させることが可能である。
また、シール設計の自由度が高まり、油圧機器の大型化を避けつつ油圧機器に最適なシール形態を採用することが可能となる。
さらに、油圧機器の大型化を避けつつ油圧機器に最適なシール形態を採用することが可能となるので、圧力室と圧力室とのシリンダとピストンとの間の微小隙間を介しての連通を密閉性の高いシール部材で確実に阻止することができるので、特に、油圧機器が緩衝器である場合に、高周波数の振動が入力される際に、緩衝器に高い減衰力を発生させることが可能となる。
そして、ピストンのシール部材を設けるスペースの確保が不要であるので、より大型なバルブをピストンに設けても、ピストンの外径を大型化することが無いので、バルブの設計自由度の向上する。
また、第一の課題解決手段によれば、ピストン若しくはディスクに通路および通孔に連通する円形な環状溝を備えることにより、ディスクをピストンに位置決めしなくとも、必ず、通路は通孔に連通されるので便利であり、万が一、ディスクがピストンに対して円周方向にずれてしまっても油圧機器の機能を損ねることがない。
また、第二の課題解決手段によれば、ディスクおよびストッパがバネ座を兼ねるため、バネ座を省略して部品点数を削減し、ピストンを軸方向に小型化することが可能となる。
以下、本発明のシール構造を図に基づいて説明する。図1は、一実施の形態におけるシール構造が具現化された油圧機器のピストン部の縦断面図である。図2は、一実施の形態の変形例におけるシール構造が具現化されたディスクの縦断面図である。図3は、一実施の形態の他の変形例におけるシール構造が具現化されたディスクの縦断面図である。図4は、他の実施の形態におけるシール構造が具現化された油圧機器のピストン部の縦断面図である。
一実施の形態におけるシール構造は、図1に示すように、油圧機器たる緩衝器のピストン部に具現化されており、ピストン摺動部をシールするようになっており、上記シール構造が具現化される油圧機器たる緩衝器は、シリンダ1と、シリンダ1内に移動自在に挿入されるロッド2と、ロッド2に連結されるとともにシリンダ1内に摺動自在に挿入されてシリンダ1内に二つの圧力室R1,R2を隔成するピストン3と、ピストン3に形成されて各圧力室R1,R2を連通し通過する作動油の流れに抵抗を与えるバルブ4,5を備えた通路6,7とを備えて構成され、シール構造は、上記ピストン3に積層されて外周側にシール部材23を備えたディスク22を備えて構成されている。
なお、このシール構造が具現化される油圧機器たる緩衝器は、周知であるので詳細には図示して説明しないが、具体的にたとえば、シリンダ1と、シリンダ1の上端を封止するヘッド部材(図示せず)と、ヘッド部材(図示せず)を摺動自在に貫通するロッド2と、ロッド2の端部に設けられる上記ピストン3と、シリンダ1内にピストン3で区画した二つの圧力室R1,R2と、シリンダ1の下端を封止する封止部材(図示せず)とを備えて構成され、シリンダ1内には作動油が充填される。
以下、各部について詳細に説明すると、ピストン3は環状とされており、また、ピストン3には、図1に示すように、その上下に亘って貫通されるよう形成された通路6,7を備えており、この通路6,7で上記した各圧力室R1,R2とが連通されている。
そして、通路6は、図1中上方側が小径に形成されて途中に段部が形成され、この段部で環状弁座8を構成している。他方、通路7は、図1中下方側が小径に形成されて途中に段部が形成され、この段部で環状弁座15を構成している。
さらに、上記した通路6の大径に形成される部分の図1中下端内周には螺子部6aが形成され、この螺子部6aに通路6の全部を閉塞しないよう図1中左右端部が面取りされたバネ座9が螺着されている。また、上記した通路6の大径に形成される部分には、環状弁座8に着座する弁体10が収容され、この弁体10と、バネ座9との間にはバネ11が介装されて、弁体10は常に上記バネ11によって環状弁座8に着座する方向に附勢され、通路6を閉塞している。
この弁体10は、弁本体12と、弁本体12の先端に形成の略円錐状の弁頭13と、弁頭13の側部から放射状に突出される複数のバネ受け14とを備えており、バネ受け14の端部を環状弁座8の図1中下面に当接させると、弁頭13の側部が環状弁座8の内周縁に着座して、通路6を閉塞し圧力室R1と圧力室R2との連通を断つことができるようになっている。
他方、上記した通路7の大径に形成される部分の図1中上端内周には螺子部7aが形成され、この螺子部7aに通路7の全部を閉塞しないよう図1中左右端部が面取りされたバネ座16が螺着されている。また、上記した通路7の大径に形成される部分には、環状弁座15に着座する弁体17が収容され、この弁体17と、バネ座16との間にはバネ18が介装されて、弁体10は常に上記バネ18によって環状弁座15に着座する方向に附勢され、通路7を閉塞している。
この弁体17は、弁本体19と、弁本体19の先端に形成の略円錐状の弁頭20と、弁頭20の側部から放射状に突出される複数のバネ受け21とを備えており、バネ受け21の端部を環状弁座15の図1中上面に当接させると、弁頭20の側部が環状弁座15の内周縁に着座して、通路7を閉塞し圧力室R1と圧力室R2との連通を断つことができるようになっている。
したがって、バルブ4は、上記した環状弁座8と、弁体10と、バネ11と、バネ座9とを備えて構成され、上記弁体10は、常時バネ11によって環状弁座8に押し付けられて着座し、通路6内の弁体10は、圧力室R1の圧力が開弁圧に達すると環状弁座8から図1中下方に後退して通路6を開放し圧力室R1と圧力室R2とを連通させることができ、バルブ4は常閉型の減衰バルブとして機能し、他方のバルブ5も上記した環状弁座15と、弁体17と、バネ18と、バネ座16とを備えて構成され、上記弁体17は、常時バネ18によって環状弁座15に押し付けられて着座し、通路7内の弁体17は、圧力室R2の圧力が開弁圧に達すると環状弁座15から図1中上方に後退して通路7を開放し圧力室R2と圧力室R1とを連通させることができ、バルブ5は常閉型の減衰バルブとして機能する。
すなわち、通路6は、圧力室R1から圧力室R2へ向かう作動油の流れに対してはバルブ4が開弁してこれを許容し逆向きの流れに対してはバルブ4が開弁せずこれを阻止する一方通行の通路に設定され、他方の通路7は、圧力室R2から圧力室R1へ向かう作動油の流れに対してはバルブ5が開弁してこれを許容し逆向きの流れに対してはバルブ5が開弁せずこれを阻止する一方通行の通路に設定されている。
また、各バルブ4,5における弁体10,17は、バネ受け14,21をそれぞれ環状弁座8,15に当接させることによって移動が規制されるので、弁頭13,20と環状弁座8,15の当接面が長年の使用によって変形してしまい、バルブの特性が変化してしまうような事態の発生を防止することができる。
つづき、ピストン3に積層されるディスク22は、環状とされ、その外周全周に亘って環状溝22aが形成され、この環状溝22a内に環状のシール部材23が嵌め込まれている。
そして、ディスク22をシリンダ1に挿入すると、シール部材23がシリンダ1の内周に摺接するようになっており、このディスク22をピストン3に積層することによって、ピストン摺動部であるピストン3とシリンダ1との間にできる微小隙間を介しての圧力室R1と圧力室R2との連通は、シール部材23によって遮断されることになり、これによってピストン摺動部が上記シール部材23によってシールされることになる。
また、ディスク22は、上述のように圧力室R1と圧力室R2とのピストン3とシリンダ1との間にできる微小隙間を介しての連通を遮断するため、ピストン3にディスク22を積層すると、通路6,7も閉塞されてしまうことになるので、ディスク22には、その上下を貫通して、ディスク22のピストン側を向く端部に形成の円形の環状溝22bに連通される通孔22cが設けられ、また、このディスク22をピストン3に積層すると環状溝22bは、ピストン3に形成の通路6,7に対向して通孔22cが通路6,7に連通されるようになっている。
なお、通路6,7がディスク22で隔てられてしまうことを防止する目的を達成するためには、通孔22cを少なくとも2つ設けておき、それぞれを通路6,7に対向させるようにしておけばよいが、通路6,7に対向する円形な環状溝22bを設けることによって、ディスク22をピストン3に円周方向に位置決めしなくとも、必ず、通路6,7は通孔22cに連通されるので便利であり、万が一、ディスク22がピストン3に対して円周方向にずれてしまっても、緩衝器の機能が損なわれてしまうことが無い。
なお、上記環状溝22bは、ディスク22側に設けられているが、これをピストン3のディスク22を向く端部側に通路6,7およびディスク22の通孔22cのそれぞれに連通するように設けてもよいことは勿論である。
また、環状溝22bを設けないのであれば、通路6,7と通孔22cとの連通を確保するため、ピストン3に対するディスク22の円周方向へのずれを規制する規制手段を設けておけばよく、規制手段としては、たとえば、ピストン3とディスク22の両方に穴を設けて、この各穴にピンを挿入するような手段を用いればよい。
このように、バルブ4,5が組み込まれたピストン3と、ピストン3に積層されるディスク22の内周側には、段付きのロッド2が挿通され、ピストン3とディスク22はロッド2の先端に螺着されるピストンナット30でロッド2に固定されることになる。なお、ディスク22は、ピストン3の上下どちらへ積層してもよい。
さて、ピストン摺動部のシール構造の作用であるが、上述のように、本発明のシール構造にあっては、ピストン摺動部にできる微小隙間は、ピストン3の外周に設けられるシール部材によってシールされるのではなく、ピストン3に積層されるディスク22の外周に設けたシール部材23によってシールされることになる。
つまり、ピストン3の外周にシール部材を配置する必要が無くなり、これによって、ピストン3を小型化することが可能となる。すなわち、特に、高減衰力の発生が要求されピストン3に組み込まれるバルブ4,5が大型な場合にあっても、ピストン3の外周にシール部材を設けるスペースを確保する必要がなくなることから、ピストン3を小型化することができ、さらには、ピストン3の外周に環状溝を設ける必要が無いので、ピストン3の強度低下を招く恐れもない。
したがって、本発明のシール構造にあっては、ピストン3を従来に比較して小型化することが可能であるので、油圧機器、本実施の形態においては緩衝器の外径をより小型化することができ、油圧機器の適用箇所への搭載性が向上することになる。
さらに、シリンダ1の内径を小型化することができるので、シール部材23とシリンダ1との摺動抵抗を低減できるので、油圧機器の円滑な伸縮を実現することができ、摺動摩擦による作動油温度上昇を抑制できるので、作動油温度上昇による作動油の粘性低下を抑制でき、長時間にわたる使用によっても減衰力低下を招くことが無く、油圧機器に安定した減衰機能を発揮させることが可能である。
また、図2に示すように、シール部材23の内周側により高圧に耐えうるようにバックアップリング24を挿入するようなシール形態を採用しても、バルブ4,5が組み込まれることが無いディスク22にシール部材23とバックアップリング24を保持させればよいので、ピストン3やシリンダ1の外径を大型化してしまう不具合も無く、シール設計の自由度が高まり、油圧機器の大型化を避けつつ油圧機器に最適なシール形態を採用することが可能となる。
さらに、油圧機器の大型化を避けつつ油圧機器に最適なシール形態を採用することが可能となるので、圧力室R1と圧力室R2とのシリンダ1とピストン3との間の微小隙間を介しての連通を密閉性の高いシール部材で確実に阻止することができるので、特に、緩衝器に、高周波数の振動が入力される際に、高い減衰力を発生させることが可能となる。
そして、ピストン3のシール部材を設けるスペースの確保が不要であるので、より大型なバルブをピストン3に設けても、ピストン3の外径を大型化することが無いので、バルブの設計自由度の向上する。
また、図3に示すように、ディスク22の外周部を軸方向に長く設定しておき、ディスク22の外周に、シリンダ1との摺動性の向上とロッド2やシリンダ1に作用する横力を受けるために、スライドベアリング25を装着することが可能である。このようにすることで、ピストン3の外径の大径化、重量増加、強度低下を防止しつつ油圧機器たる緩衝器のより円滑な伸縮を実現することが可能である。
つづいて、他の実施の形態におけるピストン摺動部のシール構造について説明する。なお、上述した一実施の形態と同様の部材については、説明が重複するので、同一の符号を付するのみとしてその詳しい説明を省略することとする。
この他の実施の形態におけるピストン摺動部のシール構造は、図4に示すように、ディスク40がバルブ5におけるバネ座16を兼ねると共に、ディスク40に保持されるシール部材41は、環状溝内に嵌め込まれるのではなく、ディスク40のピストン3に対向する端部外周の全周に亘って設けられた環状の切欠40a内に嵌め込まれ、この切欠40aとピストン3の切欠40aに対向する図1中上端外周との間で挟持されるようにして、ディスク40に固定されている。
シール部材41がたとえば、高剛性の樹脂材料や金属材料から形成されるような場合には、環状溝では、シール部材41をディスク22に取り付けることができないが、図4に示すように、シール部材41の取付部をディスク40のピストン3に対向する端部外周に設けた環状の切欠40aとしたので、シール部材41を取り付けることができないという事態が回避される。
さらに、このディスク40に設けられる通孔40bは、通路7の大径部より小径となるように設定されており、ディスク40の図4中下端となるピストン3側の端部でバネ18の上端を支承しているので、これによってバネ座16を省略することができ、部品点数の削減に寄与して、油圧機器全体のコストを低減することが可能となる。
なお、この他の実施の形態の場合、ピストン3のディスク40が積層される端部とは反対側の端部には、環状のストッパ45が積層され、この環状のストッパ45は、バルブ4のバネ座9を兼ねると共に、ピストン3の外周側に設けた切欠3a内に嵌め込んだスライドベアリング46をピストン3から脱落することを防ぐストッパとして機能している。なお、ストッパ45には、通路6,7に連通される通孔45aが設けられており、通路6,7による圧力室R1,R2の連通が確保されている。
したがって、バネ座の省略が可能であるので、部品点数が削減される他、ピストン3を図4中上下方向となる軸方向に小型化することが可能となる。
スライドベアリング46は、一般的にシール部材41より径方向の肉厚が薄いので、このように、ピストン3にスライドベアリング46を装着しても、ピストン3の外径をいたずらに大型化してしまう恐れはない。
そして、その他の作用効果については上記した一実施の形態におけるピストン摺動部のシール構造と同様であり、ピストン3の外周にシール部材用の環状溝を設けるスペースを確保する必要がなくなることから、ピストン3を小型化することができ、ピストン3の強度低下を招かず、油圧機器の適用箇所への搭載性が向上し、油圧機器に安定した減衰機能を発揮させることが可能である。
これで、ピストン摺動部におけるシール構造の実施の形態についての説明を終えるが、このピストン摺動部におけるシール構造は、バルブが内設されるピストンとシリンダとの間の隙間をシールするものであるから、緩衝器の他に上記ピストンとシリンダとを備えた構造を有する油圧機器に適用することが可能であることは言うまでもない。
なお、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されない。
一実施の形態におけるシール構造が具現化された油圧機器のピストン部の縦断面図である。 一実施の形態の変形例におけるシール構造が具現化されたディスクの縦断面図である。 一実施の形態の他の変形例におけるシール構造が具現化されたディスクの縦断面図である。 他の実施の形態におけるシール構造が具現化された油圧機器のピストン部の縦断面図である。
符号の説明
1 シリンダ
2 ロッド
3 ピストン
4,5 バルブ
6,7 通路
6a,7a 螺子部
8,15 環状弁座
9,16 バネ座
10,17 弁体
11,18 バネ
12,19 弁本体
13,20 弁頭
14,21 バネ受け
22,40 ディスク
22a,22b 環状溝
22c,45a 通孔
23,41 シール部材
24 バックアップリング
25,46 スライドベアリング
30 ナット
40a 切欠
45 ストッパ
R1,R2 圧力室

Claims (5)

  1. シリンダと、このシリンダ内に移動自在に挿入されるロッドと、このロッドに連結されるとともに上記シリンダ内に摺動自在に挿入されて上記シリンダ内に二つの圧力室を隔成するピストンと、このピストンに形成されて各圧力室を連通する通路と、この通路の途中に設けられて上記通路を通過する作動油の流れに抵抗を与えるバルブとを備えた油圧機器のピストン摺動部におけるシール構造において、軸方向に貫通して上記通路に連通する通孔と、外周に上記シリンダ内周に摺接するシール部材とを有するとともに上記ピストンに積層されて上記シール部材で上記ピストン摺動部をシールするディスクを備え、上記ピストンのディスク側端部若しくは上記ディスクのピストン側端部に上記通路および上記通孔に連通する環状溝が形成されることを特徴とするピストン摺動部のシール構造。
  2. 上記バルブが上記通路の途中に設けた環状弁座と、この環状弁座に着座する弁体と、この弁体を着座方向に付勢するバネと、上記通路の途中に螺着されるバネ座とを備えて構成され、上記バネが上記弁体と上記バネ座との間に介装されることを特徴とする請求項1に記載のピストン摺動部のシール構造。
  3. ディスクの外周にシリンダ内周に摺接するスライドベアリングを装着したことを特徴とする請求項1または2に記載のピストン摺動部のシール構造。
  4. シリンダと、このシリンダ内に移動自在に挿入されるロッドと、このロッドに連結されるとともに上記シリンダ内に摺動自在に挿入されて上記シリンダ内に二つの圧力室を隔成するピストンと、このピストンに形成されて各圧力室を連通する一対の通路と、これら通路を通過する作動油の流れに抵抗を与える一対のバルブとを備え、これらバルブが上記通路の途中に設けた環状弁座と、この環状弁座に着座する弁体と、この弁体を着座方向に附勢するバネとをそれぞれ備えて構成される油圧機器のピストン摺動部におけるシール構造において、軸方向に貫通して上記各通路に連通する通孔と、外周に上記シリンダ内周に摺接するシール部材とを備えるとともに上記ピストンの一方側に積層されて上記シール部材で上記ピストン摺動部をシールするディスクと、上記ピストンの他方側に積層されるストッパとを有し、一方のバネが上記弁体と上記ディスクとの間に介装され、他方のバネが上記弁体と上記ストッパとの間に介装されることを特徴とするピストン摺動部のシール構造。
  5. ディスクのピストン側端部外周の全周に亘って環状の切欠を設け、この切欠内にシール部材を挿入してなる請求項4に記載のピストン摺動部のシール構造。
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