JP2009283353A - 電池用電極およびその製造方法、ならびに電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電極合剤層における活物質の充填率を向上させることができ、優れたエネルギー密度有する電池を提供する。
【解決手段】集電体と、集電体の表面に形成された合剤層とを含み、合剤層が、活物質と結着剤とを含み、活物質が、粒子径と円形度との間に正の相関関係を有する粒子を含む電池用電極。更に前記活物質は第一の活物質粒子と、第一に活物質粒子より円形度が小さい第二の活物質粒子を含み、第二の活物質粒子が第一に活物質粒子間の空隙を満たすように充填されている電池用電極。
【選択図】図3
【解決手段】集電体と、集電体の表面に形成された合剤層とを含み、合剤層が、活物質と結着剤とを含み、活物質が、粒子径と円形度との間に正の相関関係を有する粒子を含む電池用電極。更に前記活物質は第一の活物質粒子と、第一に活物質粒子より円形度が小さい第二の活物質粒子を含み、第二の活物質粒子が第一に活物質粒子間の空隙を満たすように充填されている電池用電極。
【選択図】図3
Description
本発明は、電池用電極およびこれを含む電池に関し、特に、電極に含まれる活物質粒子の改良に関する。
電子機器の小型化に伴い、その主電源あるいはバックアップ電源として用いられる一次電池および二次電池は常に更なる高エネルギー密度化が求められている。主な一次電池としては、乾電池、リチウム電池、空気亜鉛電池などが挙げられる。主な二次電池としては、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチウムイオン二次電池などが挙げられる。
このような電池の更なる高エネルギー密度化の要望に対応するため、活物質の充填率の改良、活物質の高容量化、セパレータの薄型化、ケースの薄型化などが行われている。
特許文献1は、平均粒径の異なる二種類以上の活物質粒子の混合物を用いることを提案している。最小の平均粒径を有する活物質粒子の平均粒径は、最大の平均粒径を有する活物質粒子の平均粒径の70%以下である。これにより、粒子径の大きな活物質粒子間の隙間に小さな活物質粒子が入り込み、活物質の充填率を高くすることができると述べられている。
特許文献2は、活物質粒子の表面を溶融させた後、凝固させ、その後、粒子をさらに熱処理することを提案している。これにより、活物質粒子が球状化されて粒子間の摩擦が軽減され、活物質の充填率が向上すると述べられている。
特許文献3は、電極作製工程で自然に一次粒子に解砕される程度の凝集体(二次粒子)を活物質として用いることを提案している。特許文献3では、一次粒子の状態になるまで二次粒子を解砕するため、活物質の充填率を高くすることができると述べられている。
比較的大きい粒子間の空隙を、比較的小さい粒子で充填することで、充填率が向上することが知られている(非特許文献1)。しかし、数μmから数十μm程度の大きさの粒子は凝集力が大きいため、必ずしも小さい粒子が大きい粒子の間に充填されるとはいえない。
また、物質を加圧すると、加圧方向と垂直な方向に引っ張り応力が生じ、亀裂が加圧方向に入りやすいことが知られている(非特許文献2)。
特開平8−227708号公報
特開2002−110156号公報
特開2004−192846号公報
鈴木ら、「粒度分布のある多成分粒子ランダム充填層の空間率」、化学工学論文集、1985年、第11巻、438頁
奥田ら、「高速衝撃粉砕における粉砕能の研究」、粉体工学研究会誌、1967年、第4巻、No.3、800頁
特許文献1の場合、図1Aのように、大粒子1の最密充填により形成される空隙2のみではなく、図1Bのように大粒子1と大粒子1との間にも小粒子3が入り込み、大粒子1同士の空隙が広げられてしまう。そのため、充填率をさらに向上させるのは困難であると考えられる。
特許文献2は、活物質粒子を球状化して粒子間の摩擦を軽減し、充填率を向上させているが、大きい活物質粒子と小さい活物質粒子の配置や、活物質全体における粒子の比率の最適化が不充分であると考えられる。
特許文献3のように、二次粒子の大部分が解砕されて一次粒子となると、粉体の均一性が高くなり、成形性が良好になると考えられる。しかし、一次粒子間の空隙の割合を低減することが困難であり、合剤層における活物質の充填率が不充分になると考えられる。
上記課題に鑑み、本発明は、活物質の充填率を向上させ、優れたエネルギー密度を有する電池を提供することを目的とする。
本発明は、集電体と、集電体の表面に形成される合剤層とを含み、合剤層が、活物質と結着剤とを含み、活物質が、粒子径と円形度との間に正の相関関係を有する粒子を含む、電池用電極を提供する。
活物質は、第1の活物質粒子と、第1の活物質粒子よりも円形度が小さい第2の活物質粒子とを含み、第2の活物質粒子が、第1の活物質粒子間の空隙を満たすように充填されていることが好ましい。
第1の活物質粒子は、一次粒子が凝集した二次粒子であることが好ましい。
第1の活物質粒子は、一次粒子が凝集した二次粒子であることが好ましい。
また、本発明は、第1の活物質粒子を加圧してペレットを作製する工程と、ペレットを解砕して、粒子径と円形度との間に正の相関関係を有する粒子を含み、式(1):
(式中、xは粒子径であり、yは円形度であり、xavは、x = [xi](i=1,2,・・・n)の相加平均であり、yavは、 y = [yi](i=1,2,・・・n)の相加平均である)
で表される粒子径と円形度との相関係数Rが、0.5≦R2≦1を満たす活物質を得る工程と、活物質を含む合剤ペーストを調製する工程と、合剤ペーストを集電体に塗布して乾燥させ、膜を形成する工程と、膜を形成した集電体を圧延する工程とを含む、電池用電極の製造方法を提供する。
ここで、活物質を得る工程では、解砕されたペレットと第1の活物質粒子とを混合してもよい。
膜を形成した集電体を圧延する工程では、膜における活物質の充填率が変化しなくなるまで、膜を形成した集電体の圧延を繰り返すことが好ましい。
で表される粒子径と円形度との相関係数Rが、0.5≦R2≦1を満たす活物質を得る工程と、活物質を含む合剤ペーストを調製する工程と、合剤ペーストを集電体に塗布して乾燥させ、膜を形成する工程と、膜を形成した集電体を圧延する工程とを含む、電池用電極の製造方法を提供する。
ここで、活物質を得る工程では、解砕されたペレットと第1の活物質粒子とを混合してもよい。
膜を形成した集電体を圧延する工程では、膜における活物質の充填率が変化しなくなるまで、膜を形成した集電体の圧延を繰り返すことが好ましい。
さらに、本発明は、電極群と、電解質と、電池ケースとを備え、電極群は、正極、負極、およびこれらの間に介在する多孔質絶縁層を含み、正極および負極の少なくとも一方が、上記のいずれかに記載の電池用電極である、電池を提供する。
本発明によれば、集電体と集電体の表面に形成された合剤層とを含む電池用電極において、合剤層における活物質の充填率を向上させることができ、優れたエネルギー密度を有する電池を提供することができる。
本発明に係る活物質粒子は、粒子径と円形度との間に正の相関関係を有する。これにより、活物質の充填率が向上し、電池のエネルギー密度が大きく向上する。
以下、粒子の大きさを表す変数として粒子径、粒子の形状を表す変数として円形度を用いる。本発明における粒子径とは、円相当径である。円相当径とは、粒子の投影面積と等しい面積を有する円(相当円)の直径のことをいう。円相当径の分布には体積基準値を用いる。
円形度とは、粒子の二次元投影像の周囲長に対する、相当円の周囲長の比のことをいう。円形度は、例えば、正六角形では0.952、正方形で0.886、正三角形で0.777となる。
活物質全体の平均粒子径は、5〜50μmであることが好ましい。また、活物質全体の平均円形度は、0.94〜0.97であることが好ましい。これにより、粒子の流動性を維持し、極板を高充填密度化することができる。平均円形度が0.94より小さいと、粉体の流動性が低下し、プレス工程において極板の充填密度を向上させるのが困難となる場合がある。
粒子径と円形度との間に正の相関関係を有する状態とは、比較的大きい粒子は、円形度が大きく、比較的小さい粒子は、円形度が小さい状態のことをいう。例えば、粒子径10〜50μmの粒子の平均円形度は0.97以上であることが好ましく、粒子径2〜5μmの粒子の平均円形度は、0.85〜0.97であることが好ましい。本発明において、比較的大きい粒子は、一次粒子であってもよく、二次粒子であってもよい。粒子の平均円形度は、例えば、1000個以上の粒子の円形度の平均値とすればよい。
本発明の製造方法について説明する。本発明の製造方法では、粒子径と円形度との間に正の相関関係を有する活物質粒子を含む活物質を用いて、集電体上に膜を形成する。粒子径と円形度との間に正の相関関係を有する活物質粒子を含む活物質は、例えば、以下の方法で得られる。
まず、第1の活物質粒子を加圧してペレットを作製する。ここで、第1の活物質粒子は、粒子径と円形度との間に正の相関関係を有さなくてもよい。第1の活物質粒子を加圧する方法は特に限定されず、例えば、予め一軸プレス法等を用いて、第1の活物質粒子を加圧すればよい。得られたペレットを解砕することで、第1の活物質粒子の一部が粉砕されるため、円形度の小さい第2の活物質粒子を含む活物質が得られる。非特許文献2において述べられているように、物質を加圧する場合、加圧方向と垂直な方向に引張応力が生じる。すなわち、ペレットを加圧することで、ペレットの加圧方向に亀裂が生じ、細長い砕片等、ランダムな形状の粒子を含む活物質粒子が得られる。
解砕されたペレットと第1の活物質粒子とを混合して、円形度の分布を制御してもよい。粒子の分級には、様々な形状分離装置を用いることができる。このような方法によれば、粒子径と円形度との相関関係の制御が容易である。
本発明の製造方法において、圧延する前の活物質粒子は、粒子径と円形度との相関係数をRとするとき、0.5≦R2≦1.0を満たす。相関係数とは、粒子径と円形度との相関を示す統計学的指標である。相関係数は、−1〜1の値をとり、相関係数が1に近いとき、粒子径と円形度との間に正の相関関係があるといえる。粒子径と円形度との相関係数Rは、以下の式より求めることができる。以下の式において、xは粒子径であり、yは円形度である。xavは、x = [xi](i=1,2,・・・n)の相加平均である。yavは、 y = [yi](i=1,2,・・・n)の相加平均である。
R2が0.5未満である場合、合剤層において、円形度の小さい粒子の粒子径が、比較的大きい状態であると考えられる。粒子径の大きい粒子は、粒子径の小さい粒子に比べて、粒子間の空隙に充填されにくい。よって、粒子径と円形度との間に正の相関関係が無い場合、合剤層における活物質の充填率は向上しにくいと考えられる。相関係数Rは、0.8≦R2≦1.0を満たすことがより好ましい。
粒子径と円形度との相関係数Rが上記の関係を満たすことで、活物質密度が向上するメカニズムの詳細は不明だが、以下のように考えられる。
極板を圧延する際、円形度が小さい粒子に対する応力は、円形度が大きい粒子に対する応力に比べて不均一になると考えられる。そのため、円形度が小さい粒子は粉砕されながら、活物質中をある程度移動すると考えられる。これにより、大きい粒子間の空隙を、小さい粒子で満たすことができると考えられる。
極板を圧延する際、円形度が小さい粒子に対する応力は、円形度が大きい粒子に対する応力に比べて不均一になると考えられる。そのため、円形度が小さい粒子は粉砕されながら、活物質中をある程度移動すると考えられる。これにより、大きい粒子間の空隙を、小さい粒子で満たすことができると考えられる。
上記のような相関係数Rを有する活物質は、例えば以下の第1の活物質粒子および第2の活物質粒子を含む。第1の活物質粒子の粒子径は、第2の活物質粒子の粒子径よりも大きく、例えば10〜50μmであることが好ましい。第1の活物質粒子の平均円形度は、0.97以上であることが望ましい。
第2の活物質粒子の粒子径は、第1の活物質粒子の粒子径よりも小さく、例えば2〜5μmであることが好ましい。第2の活物質粒子の平均円形度は、0.97以下(0.85〜0.97)であることが好ましい。合剤層内において、円形度が0.97以下である粒子に印加される応力は、円形度が大きい粒子に印加される応力よりも不均一になる。よって、第2の活物質粒子は、粒子間を移動しやすいと考えられる。すなわち、第2の活物質粒子の粒子径が小さい場合、第2の活物質粒子は、第1の活物質粒子間の空隙を満たすように移動し、空隙に充填されやすい。
第1の活物質粒子と第2の活物質粒子との混合率は、50:50〜80:20であることが好ましい。
合剤層における活物質の充填率は、(単位面積あたりの活物質の占有体積)/(単位面積あたりの合剤層体積)により求めることができる。単位面積あたりの活物質の占有体積は、(単位面積あたりの合剤に含まれる活物質の重量)/(活物質の真密度)により求めることができる。
粒子径と円形度との間に正の相関関係を有する粒子を含む活物質を得る方法は、上記のものに限定されない。例えば、金属の硝酸塩または塩酸塩と、アルカリ金属との中和反応による晶析反応を用いて活物質を合成してもよい。晶析反応において、pH、温度、中和の速度、共存するイオン種等を調節することで、第1の活物質粒子と第2の活物質粒子とを含む活物質を得ることもできる。
本発明は、非水電解質二次電池の正極および負極のいずれにおいても好適に実施することができるが、特に正極において有効である。
次に、非水電解質二次電池について説明する。
本発明の非水電解質二次電池は、電極群、非水電解質および電池ケースを備える。電極群は、上記の非水電解質二次電池用電極と、対極と、これらの間に介在する多孔質絶縁層とを含む。非水電解質二次電池において、上記の電極以外の構成要素である対極、多孔質絶縁層、非水電解質および電池ケースは特に限定されない。以下、本発明に係る非水電解質二次電池の一実施形態であるリチウムイオン二次電池について詳細に説明する。
本発明の非水電解質二次電池は、電極群、非水電解質および電池ケースを備える。電極群は、上記の非水電解質二次電池用電極と、対極と、これらの間に介在する多孔質絶縁層とを含む。非水電解質二次電池において、上記の電極以外の構成要素である対極、多孔質絶縁層、非水電解質および電池ケースは特に限定されない。以下、本発明に係る非水電解質二次電池の一実施形態であるリチウムイオン二次電池について詳細に説明する。
非水電解質二次電池は、以下の方法で作製することができる。まず、正極と負極とを、多孔質絶縁層を介して巻回して電極群を作製し、電池ケースに収容する。正極集電体と正極端子とを、正極リードで電気的に接続する。負極集電体と負極端子とを、負極リードで電気的に接続する。その後、電池ケースに非水電解質を注入し、封口板で電池ケースを密閉することで、非水電解質二次電池が得られる。
非水電解質二次電池の形状は特に限定されない。例えば、円筒型、角型ならびにシート型などの公知の構造を用いることができる。
正極は、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な正極活物質を必須成分として含み、導電材や結着剤を任意成分として含む。
正極活物質は特に限定されず、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物、遷移金属ポリアニオン化合物等が挙げられる。
リチウム遷移金属複合酸化物としては、一般式:LiNi1-xMxO2(M=Mn、Co、Al、Fe、Crから選ばれる少なくとも1種)で表される化合物が好ましい。xは、0≦x≦0.5を満たすことが好ましく、0.1≦x≦0.4を満たすことがより好ましい。具体的なリチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、コバルト酸リチウムの変性体、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、ニッケル酸リチウムの変性体、マンガン酸リチウム(LiMn2O2)、マンガン酸リチウムの変性体、これら酸化物のCo、NiもしくはMnの一部を他の遷移金属元素やアルミニウムなどの典型金属、マグネシウムなどのアルカリ土類金属で置換したもの等が挙げられる。粒子の形状や機械的強度の観点から、ニッケル酸リチウム、ニッケル酸リチウムの変性体のようなニッケルリチウム複合酸化物を用いる場合に、本発明は特に優れた効果を奏する。
リチウム遷移金属複合酸化物としては、一般式:LiNi1-xMxO2(M=Mn、Co、Al、Fe、Crから選ばれる少なくとも1種)で表される化合物が好ましい。xは、0≦x≦0.5を満たすことが好ましく、0.1≦x≦0.4を満たすことがより好ましい。具体的なリチウム遷移金属複合酸化物としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、コバルト酸リチウムの変性体、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、ニッケル酸リチウムの変性体、マンガン酸リチウム(LiMn2O2)、マンガン酸リチウムの変性体、これら酸化物のCo、NiもしくはMnの一部を他の遷移金属元素やアルミニウムなどの典型金属、マグネシウムなどのアルカリ土類金属で置換したもの等が挙げられる。粒子の形状や機械的強度の観点から、ニッケル酸リチウム、ニッケル酸リチウムの変性体のようなニッケルリチウム複合酸化物を用いる場合に、本発明は特に優れた効果を奏する。
遷移金属ポリアニオン化合物としては、例えばナシコン構造やオリビン構造を有するリン酸化合物、硫酸化合物等が挙げられる。遷移金属としては、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル等が挙げられる。
正極活物質は、1種のみ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
正極活物質は、1種のみ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
導電材は、正極合剤層の電気伝導性を確保できるものであれば特に限定されず、例えばカーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、黒鉛等の炭素材料等を用いればよい。導電材は、1種のみ単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
結着剤は、活物質および導電材を集電体表面に結着できるものであれば特に限定されない。例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、PTFEの変性体、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、PVDFの変性体、フッ素ゴムなどの含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、変性アクリロニトリルゴム粒子(例えば、日本ゼオン(株)製の「BM−500B(商品名)」)等が挙げられる。
PTFEやBM−500Bを結着剤として用いる場合、増粘剤を併用することが好ましい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレンオキシド(PEO)、変性アクリロニトリルゴム(例えば、日本ゼオン(株)製の「BM−720H(商品名)」)等が挙げられる。
PTFEやBM−500Bを結着剤として用いる場合、増粘剤を併用することが好ましい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(CMC)、ポリエチレンオキシド(PEO)、変性アクリロニトリルゴム(例えば、日本ゼオン(株)製の「BM−720H(商品名)」)等が挙げられる。
正極は、例えば以下のようにして作製する。
正極活物質と、必要に応じて導電材や結着剤と、所定の溶媒とを混合し、正極合剤ペーストを調製する。得られた正極合剤ペーストを集電体の表面に塗布して乾燥させ、膜を形成する。その後、膜を圧縮して正極が得られる。
正極活物質と、必要に応じて導電材や結着剤と、所定の溶媒とを混合し、正極合剤ペーストを調製する。得られた正極合剤ペーストを集電体の表面に塗布して乾燥させ、膜を形成する。その後、膜を圧縮して正極が得られる。
溶媒としては、N−メチル−2−ピロリドンなどの有機溶媒、水などを用いることができる。なお、正極合剤ペーストの経時安定性や分散性を向上させる観点から、界面活性剤などの添加剤を加えてもよい。
正極用集電体としては、例えばアルミニウムなどの正極電位で安定な金属の箔や、金属を表層に含むフィルムなどを用いることができる。なお、集電体の集電性をさらに向上させる観点から、表面に凹凸を設けたり、穿孔したりしてもよい。
負極は、リチウムイオンを吸蔵、放出可能な負極活物質を必須成分として含み、結着剤を任意成分として含む。
負極活物質は特に限定されず、例えば、各種天然黒鉛、各種人造黒鉛、石油コークス、炭素繊維、有機高分子焼成物、カーボンナノチューブ、カーボンナノホーンなどの炭素材料、酸化物、シリサイド等のシリコン、スズ含有複合材料、各種金属、合金材料等、公知のものを用いることができる。
結着剤は特に限定されないが、少量で十分な結着性が得られる観点からゴム粒子を用いることが好ましい。特に、スチレン単位およびブタジエン単位を含むゴム粒子を用いることが好ましい。このような結着剤としては、例えばスチレン−ブタジエン共重合体(SBR)、SBRの変性体などが挙げられる。負極結着剤としてゴム粒子を用いる場合、増粘剤を併用することが好ましい。増粘剤としては、例えば、水溶性高分子を含むものが挙げられ、水溶性高分子としては、セルロース系樹脂が好ましく、特にCMCが好ましい。結着剤には、他にPVDF、PVDFの変性体などを用いることもできる。
負極は、例えば以下のようにして作製する。
負極活物質と、必要に応じて結着剤と、所定の溶媒とを混合し、負極合剤ペーストを調製する。得られた負極合剤ペーストを、集電体の表面に塗布して乾燥させて、膜を形成する。その後、膜を圧縮して負極が得られる。
負極活物質と、必要に応じて結着剤と、所定の溶媒とを混合し、負極合剤ペーストを調製する。得られた負極合剤ペーストを、集電体の表面に塗布して乾燥させて、膜を形成する。その後、膜を圧縮して負極が得られる。
溶媒は特に限定されず、例えば正極用の溶媒として挙げたものと同様の溶媒を用いればよい。
負極集電体としては、例えば銅などの負極電位下で安定な金属の箔、銅などの負極電位下で安定な金属を表層に配置したフィルムなどを用いることができる。なお、集電体の集電性をさらに向上させる観点から、表面に凹凸を設けたり、穿孔したりしてもよい。
負極集電体としては、例えば銅などの負極電位下で安定な金属の箔、銅などの負極電位下で安定な金属を表層に配置したフィルムなどを用いることができる。なお、集電体の集電性をさらに向上させる観点から、表面に凹凸を設けたり、穿孔したりしてもよい。
多孔質絶縁層は特に限定されないが、電池の使用環境に耐え得る材料であり、電解液のイオンを透過させることができ、正極と負極とを絶縁する性質を有する微多孔膜や不織布であることが好ましい。例えば、ポリオレフィン樹脂からなる微多孔膜が挙げられる。ポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどが用いられる。微多孔膜は、1種の樹脂のみからなる単層膜であってもよく、2種以上の樹脂からなる多層膜、あるいは樹脂とアルミナなどの無機材料からなる多層膜であってもよい。
非水電解質は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解される溶質とを含む。
非水溶媒は特に限定されず、例えば、従来より非水溶媒として用いられているものを特に制限なく用いることができる。例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等が挙げられる。特に、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)などの高誘電率溶媒と、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)などの低粘性溶媒との混合溶媒が好ましい。また、副溶媒として、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)およびγ−ブチロラクトン(GBL)などを用いてもよい。
非水溶媒は特に限定されず、例えば、従来より非水溶媒として用いられているものを特に制限なく用いることができる。例えば、カーボネート類、ハロゲン化炭化水素、エーテル類、ケトン類、ニトリル類、ラクトン類、オキソラン化合物等が挙げられる。特に、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)などの高誘電率溶媒と、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)などの低粘性溶媒との混合溶媒が好ましい。また、副溶媒として、ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)およびγ−ブチロラクトン(GBL)などを用いてもよい。
非水電解質は、保存特性、サイクル特性、安全性等の電池特性を向上させるために、種々の添加剤を含んでもよい。添加剤としては、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)、およびそれらの誘導体等が挙げられる。
溶質は特に限定されないが、例えば、LiPF6、LiBF4、LiClO4およびLiAsF6から選ばれる無機塩、該無機塩の誘導体、LiSO3CF3、LiC(SO3CF3)2、LiN(SO3CF3)2、LiN(SO2C2F5)2およびLiN(SO2CF3)(SO2C4F9)から選ばれる有機塩、並びにその誘導体を用いることができる。
非水電解質における溶質の濃度は特に限定されず、例えば0.5〜2.0mol/lである。
非水電解質における溶質の濃度は特に限定されず、例えば0.5〜2.0mol/lである。
電池ケースは特に限定されず、例えば公知の材料を適宜用いることができる。材料としては、例えば、アルミニウム合金、ニッケルめっきを施した鉄合金、各種樹脂と金属との積層体等が挙げられる。
以下、実施例および比較例を用いて本発明を具体的に説明する。なお、これらの実施例は、本発明を限定するものではない。
《実施例1》
(i)リチウム複合酸化物の合成
Ni原子とCo原子とAl原子のモル比が80:15:5になるように混合した硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸アルミニウムとの混合物3.2kgを、10Lの水に溶解させた。さらに水酸化ナトリウムを400g加えて、沈殿を生成させた。得られた沈殿を十分に水洗し、乾燥させて、Ni−Co−Al共沈水酸化物を得た。
得られた共沈水酸化物3kgに、水酸化リチウム784gを混合し、酸素分圧0.5気圧の雰囲気中で、750℃の温度で10時間焼成して、リチウム複合酸化物(LiNi0.8Co0.15Al0.05O2)を得た。
(i)リチウム複合酸化物の合成
Ni原子とCo原子とAl原子のモル比が80:15:5になるように混合した硫酸ニッケルと硫酸コバルトと硫酸アルミニウムとの混合物3.2kgを、10Lの水に溶解させた。さらに水酸化ナトリウムを400g加えて、沈殿を生成させた。得られた沈殿を十分に水洗し、乾燥させて、Ni−Co−Al共沈水酸化物を得た。
得られた共沈水酸化物3kgに、水酸化リチウム784gを混合し、酸素分圧0.5気圧の雰囲気中で、750℃の温度で10時間焼成して、リチウム複合酸化物(LiNi0.8Co0.15Al0.05O2)を得た。
得られたリチウム複合酸化物粒子の粒子径および円形度を測定した。
測定にはシスメックス(株)製のフロー式粒子像分析装置(FPIA−3000S)を用いた。測定サンプルを分散媒(0.05% ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液)中に投入した後、超音波を1分間照射して分散させた。撹拌速度を500rpmとし、専用パーティクルシース液を使用して高倍率LPFモードで測定したところ、リチウム複合酸化物の平均円相当径は13.6μmであり、平均円形度は0.967であった。
平均円相当径は、9324個の粒子の円相当径の平均値である。また、平均円形度は、9324個の粒子の円形度の平均値である。
測定にはシスメックス(株)製のフロー式粒子像分析装置(FPIA−3000S)を用いた。測定サンプルを分散媒(0.05% ヘキサメタリン酸ナトリウム水溶液)中に投入した後、超音波を1分間照射して分散させた。撹拌速度を500rpmとし、専用パーティクルシース液を使用して高倍率LPFモードで測定したところ、リチウム複合酸化物の平均円相当径は13.6μmであり、平均円形度は0.967であった。
平均円相当径は、9324個の粒子の円相当径の平均値である。また、平均円形度は、9324個の粒子の円形度の平均値である。
得られた活物質粒子を、走査電子顕微鏡((株)キーエンス製のVE−9800(品番))を用いて観察したところ、1μm以下の一次粒子の凝集体である二次粒子を含むことが確認できた。合成したLiNi0.8Co0.15Al0.05O2粒子のSEM写真を図2に示す。
(ii)リチウム複合酸化物の粒子径、円形度の調整
(i)で得られたLiNi0.8Co0.15Al0.05O2を105g秤量して、1gずつペレット成形器に投入し、加圧140MPaにて一軸プレスを行った。この工程を繰り返し行い、円柱状のペレットを105個作製した。ペレット成形器は、内径18mmのものを用いた。
粒子の分級には、日鉄鉱業(株)製のエルボージェット分級装置(EJ−L−3)を用いた。
(i)で得られたLiNi0.8Co0.15Al0.05O2を105g秤量して、1gずつペレット成形器に投入し、加圧140MPaにて一軸プレスを行った。この工程を繰り返し行い、円柱状のペレットを105個作製した。ペレット成形器は、内径18mmのものを用いた。
粒子の分級には、日鉄鉱業(株)製のエルボージェット分級装置(EJ−L−3)を用いた。
ペレットをメノウ乳鉢で粉砕して、平均円相当径が13.3μmであり、平均円形度が0.949である活物質粒子を得た。
(iii)リチウムイオン二次電池用正極板の作製
(ii)で得られた活物質粒子100gと、結着剤である呉羽化学(株)製のPVDF#1320(固形分12重量%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液)50gと、導電材であるアセチレンブラック4gと、適量のNMPとを双腕式練合機にて攪拌し、正極合剤ペーストを調製した。
(ii)で得られた活物質粒子100gと、結着剤である呉羽化学(株)製のPVDF#1320(固形分12重量%のN−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液)50gと、導電材であるアセチレンブラック4gと、適量のNMPとを双腕式練合機にて攪拌し、正極合剤ペーストを調製した。
正極合剤ペーストを、正極集電体である厚さ20μmのアルミニウム箔の両面に塗布して乾燥させ、膜を形成した。乾燥後5cm×10cmに切り出して未圧延極板を作製した。この未圧延極板に対して、ローラーを用いて圧延を行った。塗布したペーストに含まれる正極活物質の重量と、圧延後の極板の面積と厚みから、活物質の充填率(合剤層中に占める活物質の体積割合)を求めた。活物質の充填率が変化しなくなるまで繰り返し圧延を行い、合剤層を得た。
活物質の充填率の変化が見られなくなった後、極板から合剤層を剥離した。合剤層を酸素雰囲気中、750℃で加熱して、導電材と結着剤を除去した。活物質粒子の平均円相当径は12.8μmであり、平均円形度は0.926であった。
《実施例2》
実施例1の(i)と同様にして調製したLiNi0.8Co0.15Al0.05O2を第1の活物質粒子とした。第1の活物質粒子を35g秤量して、実施例1と同様に一軸プレスを行い、ペレットを35個作製した。ペレットをメノウ乳鉢で粉砕して、平均円相当径13.3μm、平均円形度0.949の第2の活物質粒子を得た。
実施例1の(i)と同様にして調製したLiNi0.8Co0.15Al0.05O2を第1の活物質粒子とした。第1の活物質粒子を35g秤量して、実施例1と同様に一軸プレスを行い、ペレットを35個作製した。ペレットをメノウ乳鉢で粉砕して、平均円相当径13.3μm、平均円形度0.949の第2の活物質粒子を得た。
得られた第2の活物質粒子30gと、第1の活物質粒子70gとを、メノウ乳鉢を用いて混合して、平均円相当径が13.5μmであり、平均円形度が0.962である活物質粒子を得た。活物質粒子は、粒子径と円形度との間に正の相関関係を有していた。また、活物質粒子の相関係数Rの二乗値は、0.8708であった。
得られた活物質粒子100gを用いて、実施例1の(iii)と同様にして未圧延極板を作製した。活物質の充填率の変化がなくなるまで圧延を繰り返し行い、合剤層を得た。合剤層を実施例1と同様に加熱して、導電材と結着剤を除去した。活物質粒子の平均円相当径は13.1μmであり、平均円形度は0.929であった。
《実施例3》
実施例1の(i)と同様にして調製したLiNi0.8Co0.15Al0.05O2を分級し、平均円相当径が3.12μmである活物質粒子を40g得た。得られた活物質粒子の平均円形度は、0.967であった。得られた活物質粒子に対して、実施例1と同様に一軸プレスを行い、ペレットを35個作製した。ペレットをメノウ乳鉢で粉砕して、平均円相当径1.92μm、平均円形度0.942の第2の活物質粒子を得た。
実施例1の(i)と同様にして調製したLiNi0.8Co0.15Al0.05O2を分級し、平均円相当径が3.12μmである活物質粒子を40g得た。得られた活物質粒子の平均円形度は、0.967であった。得られた活物質粒子に対して、実施例1と同様に一軸プレスを行い、ペレットを35個作製した。ペレットをメノウ乳鉢で粉砕して、平均円相当径1.92μm、平均円形度0.942の第2の活物質粒子を得た。
得られた第2の活物質粒子30gと、実施例1の(i)と同様にして調製したLiNi0.8Co0.15Al0.05O2 70g(第1の活物質粒子)とを、メノウ乳鉢を用いて混合して、平均円相当径が10.1μmであり、平均円形度が0.960である活物質粒子を得た。活物質粒子は、粒子径と円形度との間に正の相関関係を有していた。また、活物質粒子の相関係数Rの二乗値は、0.9103であった。
この活物質粒子100gを用いて、実施例1の(iii)と同様にして未圧延極板を作製した。活物質の充填率の変化がなくなるまで圧延を繰り返し行い、合剤層を得た。合剤層を実施例1と同様に加熱して、導電材と結着剤を除去した。活物質粒子の平均円相当径は9.6μmであり、平均円形度は0.924であった。
《比較例1》
実施例1の(i)と同様にして調製したLiNi0.8Co0.15Al0.05O2 100gを活物質粒子として用いて、円相当径および円形度の調整を行わずに、実施例1の(iii)と同様にして未圧延極板を作製した。活物質粒子の相関係数Rの二乗値は、0.4595であった。活物質の充填率の変化がなくなるまで圧延を繰り返し行い、合剤層を得た。合剤層を実施例1と同様に加熱して、導電材と結着剤を除去した。活物質粒子の平均円相当径は13.1μmであり、平均円形度は0.931であった。
実施例1の(i)と同様にして調製したLiNi0.8Co0.15Al0.05O2 100gを活物質粒子として用いて、円相当径および円形度の調整を行わずに、実施例1の(iii)と同様にして未圧延極板を作製した。活物質粒子の相関係数Rの二乗値は、0.4595であった。活物質の充填率の変化がなくなるまで圧延を繰り返し行い、合剤層を得た。合剤層を実施例1と同様に加熱して、導電材と結着剤を除去した。活物質粒子の平均円相当径は13.1μmであり、平均円形度は0.931であった。
《比較例2》
実施例1の(i)と同様にして調製したLiNi0.8Co0.15Al0.05O2を分級し、平均円相当径が13.3μmであり、平均円形度が0.966である活物質粒子を30g得た。得られた活物質粒子30gと、実施例1の(i)と同様にして調製したLiNi0.8Co0.15Al0.05O2 70gとを、メノウ乳鉢を用いて混合して、平均円相当径が13.5μmであり、平均円形度が0.967である活物質粒子を得た。活物質粒子の相関係数Rの二乗値は、0.4328であった。
実施例1の(i)と同様にして調製したLiNi0.8Co0.15Al0.05O2を分級し、平均円相当径が13.3μmであり、平均円形度が0.966である活物質粒子を30g得た。得られた活物質粒子30gと、実施例1の(i)と同様にして調製したLiNi0.8Co0.15Al0.05O2 70gとを、メノウ乳鉢を用いて混合して、平均円相当径が13.5μmであり、平均円形度が0.967である活物質粒子を得た。活物質粒子の相関係数Rの二乗値は、0.4328であった。
この活物質粒子100gを用いて、実施例1の(iii)と同様にして未圧延極板を作製した。活物質の充填率の変化がなくなるまで圧延を行い、合剤層を得た。合剤層を実施例1と同様に加熱して、導電材と結着剤を除去した。活物質粒子の平均円相当径は13.0μmであり、平均円形度は0.933であった。
《比較例3》
実施例1の(i)と同様にして調製したLiNi0.8Co0.15Al0.05O2を分級し、平均円相当径が2.02μmであり、平均円形度が0.967である活物質粒子を30g得た。得られた活物質粒子30gと、実施例1の(i)と同様にして調製したLiNi0.8Co0.15Al0.05O2 70gとを、メノウ乳鉢を用いて混合して、平均円相当径が10.1μmであり、平均円形度が0.967である活物質粒子を得た。活物質粒子の相関係数Rの二乗値は、0.4672であった。
実施例1の(i)と同様にして調製したLiNi0.8Co0.15Al0.05O2を分級し、平均円相当径が2.02μmであり、平均円形度が0.967である活物質粒子を30g得た。得られた活物質粒子30gと、実施例1の(i)と同様にして調製したLiNi0.8Co0.15Al0.05O2 70gとを、メノウ乳鉢を用いて混合して、平均円相当径が10.1μmであり、平均円形度が0.967である活物質粒子を得た。活物質粒子の相関係数Rの二乗値は、0.4672であった。
この活物質粒子100gを用いて、実施例1の(iii)と同様にして未圧延極板を作製した。活物質の充填率の変化がなくなるまで圧延を行い、合剤層を得た。合剤層を実施例1と同様に加熱して、導電材と結着剤を除去した。活物質粒子の平均円相当径は9.4μmであり、平均円形度は0.932であった。
実施例1〜3および比較例1〜3の結果を表1および表2に示す。
実施例1および比較例1におけるペースト調製前のLiNi0.8Co0.15Al0.05O2粒子について粒子径毎に平均円形度をプロットした散布図を、図3および図4に示す。なお、粒子径2μm未満の粒子については画素数が少なく、円形度の判定が困難であることから削除した。図3と図4を比較すると、実施例1で極板作製に用いた粉体は、円相当径が小さい粒子ほど円形度が低くなっており、粒子径と円形度の間に明らかな相関関係(R2=0.9214)が見られるのに対し、比較例1で極板作製に用いた粉体は相関係数は小さく(R2=0.4595)、粒子径と円形度の間に明確な相関関係は見られなかった。
表1から、本発明による実施例1〜3はいずれも、比較例1〜3と比べて活物質の充填率が向上していることがわかる。実施例1〜3においては、活物質粒子の粒子径と円形度との相関係数Rの二乗値は、いずれも0.8以上の値であった。一方、比較例1〜3においては、活物質粒子の粒子径と円形度との相関係数Rの二乗値は、いずれも0.5未満であった。
実施例1は、円相当径および円形度を調整していない比較例1と比べて、充填率が向上していた。
実施例2と比較例2、および実施例3と比較例3とを比較すると、実施例2および3は、いずれも活物質の充填率が向上していた。実施例2と比較例2、および実施例3と比較例3は、いずれも平均粒子径および粒度分布がほぼ同じである。よって、粒子の円形度の分布が、活物質の充填率に影響を及ぼすことがわかる。
実施例1〜3では、円形度の高い粒子の隙間に円形度の低い活物質粒子が埋め込まれるように電極が構成されたために活物質の充填率が向上したことが明らかとなった。
また、実施例2と実施例3の比較から、粒子径がより小さく、円形度の低い活物質粒子を用いることで、活物質の充填率がさらに向上することがわかった。
また、実施例2と実施例3の比較から、粒子径がより小さく、円形度の低い活物質粒子を用いることで、活物質の充填率がさらに向上することがわかった。
以上のように、活物質が、粒子径と円形度との間に正の相関関係を有する粒子を含むことで、活物質の充填率を向上させることができる。本発明の電極を用いることで、電池のエネルギー密度を高めることができる。
本発明の電池用電極を用いることで、電池の高エネルギー密度化を達成することができる。よって、本発明の電池は、携帯機器の電源等に有用である。
1 大粒子
2 空隙
3 小粒子
2 空隙
3 小粒子
Claims (7)
- 集電体と、前記集電体の表面に形成された合剤層とを含み、
前記合剤層が、活物質と結着剤とを含み、
前記活物質が、粒子径と円形度との間に正の相関関係を有する粒子を含む、電池用電極。 - 前記活物質は、第1の活物質粒子と、前記第1の活物質粒子よりも円形度が小さい第2の活物質粒子とを含み、前記第2の活物質粒子が、前記第1の活物質粒子間の空隙を満たすように充填されている、請求項1記載の電池用電極。
- 前記第1の活物質粒子が、一次粒子が凝集した二次粒子である、請求項1または2記載の電池用電極。
- 第1の活物質粒子を加圧してペレットを作製する工程と、
前記ペレットを解砕して、粒子径と円形度との間に正の相関関係を有する粒子を含み、
式(1):
で表される前記粒子径と前記円形度との相関係数Rが、0.5≦R2≦1を満たす活物質を得る工程と、
前記活物質を含む合剤ペーストを調製する工程と、
前記合剤ペーストを集電体に塗布して乾燥させ、膜を形成する工程と、
前記膜を形成した集電体を圧延する工程とを含む、電池用電極の製造方法。 - 前記活物質を得る工程が、前記解砕されたペレットと前記第1の活物質粒子とを混合する工程を含む、請求項4記載の電池用電極の製造方法。
- 前記膜を形成した集電体を圧延する工程が、前記膜における活物質の充填率が変化しなくなるまで前記膜を形成した集電体の圧延を繰り返す工程である、請求項4または5記載の電池用電極の製造方法。
- 電極群と、電解質と、電池ケースとを備え、
前記電極群は、正極、負極、およびこれらの間に介在する多孔質絶縁層を含み、
前記正極および負極の少なくとも一方が、請求項1〜3のいずれかに記載の電極である、電池。
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JP2008135595A JP2009283353A (ja) | 2008-05-23 | 2008-05-23 | 電池用電極およびその製造方法、ならびに電池 |
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2008
- 2008-05-23 JP JP2008135595A patent/JP2009283353A/ja not_active Withdrawn
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