JP6060506B2 - 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池 - Google Patents
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Description
[2]本発明は、炭素質粒子(A)100質量%に対する、炭素層の被覆率が0.1〜10質量%である、前記[1]記載の非水系二次電池用負極材に関する。
[3]本発明は、炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgと、酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsとの比Rs/Rgが0.001〜5である、前記[1]又は[2]記載の非水系二次電池用負極材に関する。
[4]本発明は、炭素質粒子(A)100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)が1〜50質量部である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の非水系二次電池用負極材に関する。
[5]本発明は、酸化珪素粒子(B)が一般式SiOx(xは0.5≦x≦1.6である)で示される、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の非水系二次電池用負極材に関する。
[6]本発明は、炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgが5〜30μmである、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の非水系二次電池用負極材に関する。
[7]本発明は、酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsが0.01〜10μmである、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の非水系二次電池用負極材に関する。
[8]本発明は、集電体と、該集電体上に形成された活物質層とを備える非水系二次電池用負極であって、前記活物質層が、前記非水系二次電池用負極材を含有することを特徴とする非水系二次電池用負極に関する。
[9]本発明は、イオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備える非水系二次電池であって、前記負極が、前記非水系二次電池用負極であることを特徴とする、非水系二次電池に関する。
本発明における炭素質粒子(A)は、黒鉛粒子の表面の少なくとも一部に炭素層を備えた複合型の炭素質粒子であれば、特に限定されない。ここで、「表面の少なくとも一部に炭素層を備えた」は、炭素層が黒鉛粒子の表面の一部又は全部を層状に覆う形態のみならず、炭素層が表面の一部又は全部に付着・添着する形態をも包含する。炭素層は、表面の全部を被覆するように備えていてもよく、一部を被覆あるいは付着・添着していてもよいが、好ましくは、表面の全部を被覆している。このような黒鉛粒子としては、例えば黒鉛粒子の表面の少なくとも一部に非晶質炭素からなる炭素層を備えた複合型の黒鉛(「非晶質炭素被覆黒鉛」ともいう)や、黒鉛粒子の表面の少なくとも一部に黒鉛からなる炭素層を備えた複合型の黒鉛(「黒鉛被覆黒鉛」ともいう)を使用することができる。本発明において複合型の炭素質粒子(A)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。なお、炭素層が黒鉛粒子の表面の少なくとも一部に炭素層を備えていることを、確認するためには、例えば、SEM写真等でも確認する事ができる。
炭素層の被覆率は、黒鉛粒子の表面に存在する炭素層の量であり、炭素質粒子(A)100質量%に対して、0.1〜10質量%であることが好ましい。この範囲であれば、リチウムイオン等のアルカリイオンの入出力特性の向上に寄与できる。被覆率は、より好ましくは、0.2〜8質量%であり、更に好ましくは、0.4〜5質量%である。被覆率は、黒鉛粒子の表面に存在する炭素層の質量%で表し、被覆率は、実施例で後述する方法により測定することができる。
炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgは、好ましくは5〜30μmである。炭素質粒子(A)の平均粒子径がこの範囲であれば、小粒径化による比表面積の増大に起因する負可逆容量の増加や接触界面の抵抗を抑制し、また、大粒径化による電極厚さを抑制し、レート特性を改善することができる。平均粒子径Rgは、より好ましくは6〜28μm、更に好ましくは7〜26μmである。ここで、炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgは、レーザー回折・散乱式粒度分布測定により測定される体積基準のメジアン径(d50)をいう。
炭素質粒子(A)の短径に対する長径の長さの比であるアスペクト比は、好ましくは2.09以下、より好ましくは1.9以下、更に好ましくは1.8以下、特に好ましくは1.7以下である。アスペクト比がこの範囲であると、粒子形状が楕円形、球形に近い状態になり、電極とした場合に粒子間の空隙の連続性が確保されリチウムイオンの移動性が高まり、急速充放電特性に優れた傾向を示す。なお、アスペクト比が大きすぎると、粒子形状が球状や楕円形ではなく、円盤状、板状になっていき、鱗片状黒鉛に近いものになり、粒子間の空隙が屈曲した形状となりリチウムイオン等のアルカリイオンの移動性が悪く、急速充放電特性が劣る傾向を示す。なお、アスペクト比は、粒子の短径に対する長径の長さの比であり、最小値は1となるので、アスペクト比の下限は通常1である。炭素質粒子(A)のアスペクト比は後述する実施例の方法を用いて測定することができる。
炭素質粒子(A)のX線広角回折法による002面の面間隔(d002)は3.37Å以下でLcが900Å以上であることができ、002面の面間隔(d002)が3.36Å以下でLcが950Å以上であることが好ましい。X線広角回折法による002面の面間隔(d002)は後述する実施例の方法により測定する。002面の面間隔(d002)が3.37Å以下でLcが900Å以上であることは、炭素質粒子(A)の表面を除くほとんどの部分の結晶性が高いということであり、非晶質炭素材料に見られるような不可逆容量が大きいことによる低容量化を生じることなく、高容量負極材料となる炭素質粒子(A)であることを示す。X線回折法による002面の面間隔(d002)と、Lcは後述する実施例の方法により測定する。
炭素質粒子(A)のタップ密度は、好ましくは0.8g/cm3以上、より好ましくは0.9g/cm3以上である。タップ密度が0.8g/cm3以上であるということは、炭素質粒子(A)がほぼ球状であることを示す。炭素質粒子(A)のタップ密度が0.8g/cm3以上であると、電極とした場合に、電解液及び酸化珪素粒子(B)を存在させることの可能な好適な間隙を形成することができる。また、極板内のリチウムイオン等のアルカリイオンの拡散パスの経路が形成され、充放電時における炭素質粒子(A)及び酸化珪素粒子(B)への十分なリチウムイオン等のアルカリイオンの出入りを確保することができ、高容量化、高レート化を実現することができる。タップ密度は後述する実施例の方法により測定する。
炭素質粒子(A)のBET法による比表面積は0.5〜20m2/gの範囲であることが好ましく、1〜18m2/gの範囲であることがより好ましく、1.5〜16m2/gの範囲であることが更に好ましい。BET法による比表面積は後述する実施例の方法により測定する。
炭素質粒子(A)の核として用いる、黒鉛粒子のX線回析法による002面の面間隔(d002)は、3.37Å以下、Lcが900Å以上であることが好ましい。X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が3.37Å以下、Lcが900Å以上であることは、この非晶質炭素からなる炭素層が存在する炭素質粒子(A)の表面を除くほとんどの部分の結晶性が高いということであり、非晶質炭素材料に見られるような不可逆容量が大きいことによる低容量化を生じない高容量電極となる炭素材料であることを示す。なお、炭素質粒子(A)の炭素層が黒鉛物質により形成されている場合は、炭素層を構成する黒鉛物質も、X線回折法による002面の面間隔(d002)と、Lcは、核として用いる黒鉛粒子と同一の値を示すことが好ましい。
炭素質粒子(A)の核として用いる、黒鉛粒子のタップ密度は、0.8g/cm3以上であることが好ましい。炭素層を具備前の黒鉛粒子のタップ密度を0.8g/cm3以上とすることにより、高容量で、急速放電特性を併せ持った炭素材料を得ることができる。
炭素質粒子(A)の炭素層を形成する、非晶質炭素のX線広角回折法による002面の面間隔(d002)は3.40Å以上、Lcが500Å以下であることが好ましい。002面の面間隔(d002)を3.40Å以上、Lcを500Å以下とすることにより、リチウムイオンの受け入れ性を向上することができる。
炭素質粒子(A)の真密度は2.1g/cm3以上であることが好ましく、2.15g/cm3以上であることがより好ましく、2.2g/cm3以上であることが更に好ましい。真密度は2.1g/cm3以上であるということは、炭素質粒子(A)の核となる球形化黒鉛の結晶性が高いことを示し、不可逆容量が少なく、高容量化をすることができる。真密度は後述する実施例の方法により測定する。
炭素質粒子(A)は、前記性状を具備していれば、どのような製法で作製しても問題ないが、例えば、特許第3534391号公報に記載の電極用炭素材料を用いることができる。具体的には、炭素層を具備前の黒鉛粒子としては、例えば、鱗片状、塊状又は板状の天然黒鉛、並びに石油コークス、石炭ピッチコークス、石炭ニードルコークス及びメソフェーズピッチ等を2500℃以上に加熱して製造した人造黒鉛に、力学的エネルギー処理を与えることで製造することができる。
本発明で用いる酸化珪素粒子(B)は、二酸化珪素(SiO2)を原料とし、金属珪素(Si)及び/又は炭素を用いてSiO2を熱還元させることにより得られる、SiOxのxの値が0<x<2で表される珪素酸化物からなる粒子の総称である。珪素(Si)は、黒鉛と比較して理論容量が大きく、更に非晶質珪素酸化物は、リチウムイオン等のアルカリイオンの出入りがしやすく、高容量を得ることが可能となる。
酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsは、好ましくは0.01〜10μmである。この範囲であれば、電極にした場合、炭素質粒子(A)によって形成された間隙に酸化珪素粒子(B)が存在し、充放電によるリチウムイオン等のアルカリイオンの吸蔵・放出に伴う酸化珪素粒子(B)の体積変化を間隙が吸収して、体積変化による導電パス切れを抑制し、結果としてサイクル特性を向上させることができる。平均粒子径Rsは、より好ましくは0.1〜9μm、さらに好ましくは0.5〜8μmである。ここで、酸化珪素粒子(B)の平均粒子径は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定により測定される、体積基準のメジアン径(d50)である。
酸化珪素粒子(B)のBET法により比表面積は0.5m2/g以下であることが好ましく、60m2/g以下であることがより好ましい。また、1m2/g以上であることが好ましく、1.5m2/g以上であることがより好ましい。酸化珪素粒子(B)のBET法による比表面積が前記範囲内であると、リチウムイオン等のアルカリイオンの入出力の効率を良好に維持でき、酸化珪素粒子(B)が好適な大きさとなるため、炭素質粒子(A)によって形成された間隙に存在させることができ、黒鉛との導電パスを確保することができる。また、酸化珪素粒子(B)が好適な大きさとなるため不可逆容量の増大を抑制し、高容量を確保することができる。BET法比表面積は後述する実施例の方法により測定する。
酸化珪素粒子(B1)は、本発明の特性を満たすものであれば、製法は問わないが、例えば特許第3952118号公報に記載されたような方法によって製造された酸化珪素粒子を使用することができる。具体的には、二酸化珪素粉末と、金属珪素粉末あるいは炭素粉末とを特定の割合で混合し、この混合物を反応器に充填した後、常圧あるいは特定の圧力に減圧し、1000℃以上に昇温し、保持してSiOxガスを発生させ、冷却析出させて、一般式SiOx(xは0.5≦x≦1.6)で示される酸化珪素粒子を得ることができる。析出物は、力学的エネルギー処理を与えることで、粒子とすることができる。
酸化物粒子(B2)は、前記酸化珪素粒子の表面の少なくとも一部に非晶質炭素からなる炭素層を備えた複合型の酸化物粒子(B2)を製造する方法としては、炭素質粒子(B1)に石油系や石炭系のタールやピッチ、ポリビニルアルコール、ポリアクリルニトリル、フェノール樹脂、セルロース等の樹脂を必要により溶媒等を用いて混合した後、非酸化性雰囲気で500℃〜3000℃、好ましくは700℃〜2000℃、より好ましくは800〜1500℃で焼成することで、酸化珪素粒子の表面の少なくとも一部に非晶質炭素からなる炭素層を備えた複合型の酸化物粒子(B2)を製造することができる。
本発明において、炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgと、酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsとの比Rs/Rgは、0.001〜5であることが好ましい。Rs/Rgが前記範囲内であると、炭素質粒子(A)同士の間隙に酸化珪素粒子(B)が存在させることができ、理論容量が炭素質粒子(A)よりも大きい酸化珪素粒子(B)の存在によって、さらなる高容量化を実現することができる。充放電によるリチウムイオン等のアルカリイオンの吸蔵・放出に伴う酸化珪素粒子(B)の体積変化は、炭素質粒子(A)により形成された間隙が吸収するため、酸化珪素粒子(B)の体積変化に伴う導電パス切れを抑制し、結果としてサイクル特性向上、急速充放電特性、高容量化を実現することができる。Rs/Rgは、より好ましくはRs/Rgが0.01〜4、更に好ましくは0.05〜3、特に好ましくは0.1〜2である。
本発明の非水系二次電池用負極材は、特に混合割合は制限されないが、複合型の炭素質粒子(A)100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)1〜50質量部含むことが好ましい。非水系二次電池用負極材が、複合型の炭素質粒子(A)100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)を前記範囲で含むものである場合には、炭素質粒子(A)同士によって形成された間隙に酸化珪素粒子(B)を存在させることができ、さらなる高容量化の実現と、サイクル特性を向上させることができる。酸化珪素粒子(B)は、より好ましくは1.2〜40質量部、更に好ましくは1.5〜30質量部、特に好ましくは2〜20質量部である。
本発明の非水二次電池用負極材は、複合型の炭素質粒子(A)100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)1〜50質量部を含む混合物のタップ密度は、好ましくは0.8〜1.8g/cm3、より好ましくは0.9〜1.7g/cm3、更に好ましくは1.0〜1.6g・cm3である。タップ密度が前記範囲内であると、電極とした場合に、炭素質粒子(A)によって形成される間隙に電解液及び酸化珪素粒子(B)を存在させることができ、高容量化、高レート特性化を実現することができる。
本発明の負極材を用いて負極を作製するには、負極材に結着樹脂を配合したものを水性又は有機系媒体でスラリーとし、必要によりこれに増粘材を加えて集電体に塗布し、乾燥すればよい。
本発明の非水系二次電池用負極材を用いて形成した負極(電極)の活物質層の水銀圧入法による10nm〜100000nmの範囲の細孔容量は、0.05ml/gであることが好ましく、0.1ml/g以上であることがより好ましい。細孔容量は、後述する実施例の方法により測定する。細孔容量を0.05ml/g以上とすることによりリチウムイオン等のアルカリイオンの出入りの面積が大きくなる。
本発明に係る非水系二次電池は、前記の負極を用いる以外は、常法に従って作成することができる。正極材料としては、例えば、基本組成がLiCoO2で表されるリチウムコバルト複合酸化物、LiNiO2で表されるリチウムニッケル複合酸化物、LiMnO2及びLiMn2O4で表されるリチウムマンガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物、二酸化マンガン等の遷移金属酸化物、並びにこれらの複合酸化物混合物等を用いればよい。更にはTiS2、FeS2、Nb3S4、Mo3S4、CoS2、V2O5、CrO3、V3O3、FeO2、GeO2及びLiNi0.33Mn0.33Co0.33O2、LiFePO4等を用いればよい。
被覆率(質量%)=100−(K×D)/((K+T)×N)×100
この式において、Kはタールピッチとの混合に供した黒鉛粒子の質量(Kg)、Tは黒鉛粒子との混合に供した被覆原料であるタールピッチの質量(kg)、DはKとTの混合物のうち実際に焼成に供した混合物量、Nは焼成後の炭素層を黒鉛粒子の表面の少なくとも一部に備えた炭素質粒子の質量を示す。
本実施例においては、負極を集電体の膜面に対して垂直に切断、研磨し、その断面写真を撮影し、撮影された写真の画像解析により、炭素質粒子(A)断面の長径、短径(粒を100点測定した。
こうして得られた水銀圧入曲線から、Washburnの方程式(D=−(1/P)4γcosψ)を用いて細孔分布を算出した。尚、Dは細孔直径、Pはかかる圧力、γは水銀の表面張力((485dynes/cmを使用)、ψは接触角(140゜を使用))を示す。
(炭素質粒子(A)の作製)
炭素質粒子(A)は、原料黒鉛として、平均粒子径100μmの鱗片状黒鉛粒子を黒鉛粒子表面にダメージを与えながら球形化処理を行い、その後更に分級処理により微粉を除去して、炭素質粒子(A)の核となる球形化黒鉛粒子を得た。
酸化珪素粒子(B)は、市販のSiO粒子(SiOxのx=1)粒子(大阪チタニウムテクノロジーズ)を用いた。SiO粒子は、メジアン径(d50)Rsが6μmであり、BET法比表面積が6m2/gであった。
前記複合型の炭素質粒子(A)を100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)を12質量部を乾式混合し、混合物とした。複合型の炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgが16μmであり、酸化珪素(SiOx)粒子の平均粒子径Rsが6μmであるので、両者の比Rs/Rgは0.375であった。また、前記混合物のタップ密度は、1.4g/cm3であった。
複合型の炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)の前記混合物100質量部と、バインダー(結着樹脂)としてカルボキシメチルセルロース(CMC)1質量%水溶液300質量部及びスチレンブタジエンゴム(SBR)48質量%水性ディスパージョン6.25質量部とを、ハイブリダイズミキサーにて、混練し、スラリーとした。このスラリーを厚さ18μmの圧延銅箔上にブレード法で、目付け7〜8mg/cm2となるように塗布し、乾燥させた。その後、負極活物質層の密度1.4〜1.5g/cm3となるようにロードセル付きの250mφロールプレスにてロールプレスし、直径12.5mmの円形状に打ち抜き、110℃で2時間、真空乾燥し、評価用の負極とした。未プレスの状態で、水銀ポロシメーターにより、電極の細孔容積を測定した結果、0.25ml/gであった。
0.12mA/cm2の電流密度で前記正極及び負極に対して5mVまで充電し、更に5mVの一定電圧で電流値が0.012mAになるまで充電し、負極中にリチウムをドープした。この際に測定される充電容量を、負極重量から負極と同面積に打ち抜いた銅箔の重量を差し引くことで負極活物質重量を求め、この負極活物質重量で前記充電容量を除して、重量当りの充電容量を求めた。一方、放電容量については、前期充電後、0.12mA/cm2の電流密度で前記正極及び負極に対して1.5Vまで放電を行い、このときの放電容量を測定し、前期同様に負極活物質重量で、放電容量を除して、重量当りの放電容量を求めた。
レート特性は、前記放電容量評価によって求めた2サイクル目の放電容量と3サイクル目の放電容量から、下記式(1)に従って求めた。3サイクル目は、0.49mA/cm2の電流密度で正極及び負極に対して5mVまで充電し、更に、5mVの一定電圧で電流値が0.049mAになるまで充電し、負極中にリチウムをドープした後、0.49mA/cm2の電流密度で正極及び負極に対して1.5Vまで放電を行った。放電容量は、負極重量から負極と同面積に打ち抜いた銅箔の重量を差し引くことで負極活物質重量を求め、この負極活物質重量で前記放電容量を除して、重量当りの放電容量を求めた。
レート特性(%)={3サイクル目の放電容量(mAh/g)/2サイクル目の放電容量(mAh/g)}×100 (1)
非晶質炭素からなる炭素層を備える前の黒鉛粒子を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、性能評価用電池を作製した。未プレスの状態で、水銀ポロシメーターにより、電極の細孔容積を測定した結果、0.13ml/gであった。
Claims (7)
- 炭素質粒子(A)と、酸化珪素粒子(B)とを互いに独立した粒子として含み、
炭素質粒子(A)が、球形化黒鉛粒子の表面の少なくとも一部に炭素層を備え、且つ炭素質粒子(A)100質量%に対する炭素層の被覆率が0.1〜10質量%であり、
酸化珪素粒子(B)のBET法による比表面積が1.5m2/g以上60m2/g以下であり、
炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgと酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsとの比Rs/Rgが0.001〜5であることを特徴とする非水系二次電池用負極材。 - 炭素質粒子(A)100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)が1〜50質量部である、請求項1に記載の非水系二次電池用負極材。
- 酸化珪素粒子(B)が一般式SiOx(xは0.5≦x≦1.6である)で示される、請求項1又は2に記載の非水系二次電池用負極材。
- 炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgが5〜30μmである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水系二次電池用負極材。
- 酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsが0.01〜10μmである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の非水系二次電池用負極材。
- 集電体と、該集電体上に形成された活物質層とを備える非水系二次電池用負極であって、前記活物質層が、請求項1〜5のいずれか1項に記載の非水系二次電池用負極材を含有することを特徴とする非水系二次電池用負極。
- イオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備える非水系二次電池であって、前記負極が、請求項6に記載の非水系二次電池用負極であることを特徴とする、非水系二次電池。
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