JP2006221830A - 負極活物質およびその製造方法、ならびに非水電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】理論容量の大きい高容量材料を負極導電ネットワークから外れることなく活用することで、高容量でかつ長寿命な非水電解液二次電池を提供する。
【解決手段】リチウムを吸蔵放出可能な炭素材料粒子Aと、高容量材料からなる粒子Bとからなり、粒子Aはその表面において窒素含有量が高く、粒子Bは粒子Aの表面に担持されている負極活物質を用いる。窒素と高容量材料粒子との相互作用によって両者の間に生じる強い結合力を活用する。
【選択図】図1
【解決手段】リチウムを吸蔵放出可能な炭素材料粒子Aと、高容量材料からなる粒子Bとからなり、粒子Aはその表面において窒素含有量が高く、粒子Bは粒子Aの表面に担持されている負極活物質を用いる。窒素と高容量材料粒子との相互作用によって両者の間に生じる強い結合力を活用する。
【選択図】図1
Description
本発明は、負極活物質およびその製造方法に関し、より詳しくは高容量かつ優れた充放電特性およびサイクル特性を有する負極活物質およびその製造方法に関するものである。
非水電解液二次電池は、小型、軽量でかつ高エネルギー密度を有するため、機器のポータブル化、コードレス化が進む中で、その需要が高まっている。現在、非水電解液二次電池用負極活物質としては、人造黒鉛などの炭素材料が実用化されている。黒鉛の理論容量は372mAh/gであり、現在実用化されている炭素材料はその理論容量に近い充放電容量を示すようになってきているため、炭素材料を用いてさらなる容量向上を実現することは非常に困難である。
一方、SiやSnおよびこれら元素を含むものなど、リチウムと合金化可能な、理論容量の大きい材料(以下、高容量材料と略記)は黒鉛に代わる次世代の負極活物質として期待されている。しかしこれら高容量材料は導電性が低い上に、リチウムの挿入脱離に伴う体積変化率が非常に大きく、充放電サイクルによって膨張収縮を繰り返し、活物質粒子の微紛化や粒子間の導電性の低下などが起こるため、サイクル劣化が非常に大きいという欠点がある。
このような状況の中、黒鉛単独の場合よりも大きな充放電容量を持ち、高容量材料単独の場合よりも充放電に伴う体積変化率が小さい活物質として、高容量材料と炭素材料との複合体からなる粒子が考案されている(例えば、特許文献1)。ただしこの複合粒子は、充放電サイクルに伴う体積変化により、粉砕や微紛化、粒子間の導電性の低下などが起こり、サイクル特性は十分であるとは言えなかった。
そこで上記課題を解決するために、複合体粒子の表面を、炭素材からなる導電層でさらに被覆する手段が考案されている(例えば、特許文献2)。複合体粒子の表面を覆う導電層の働きによって体積変化を緩和し、高容量材料粒子が炭素材料粒子から脱落するのを抑制するというものである。
特開2000−113885号公報
特開2003−242979号公報
しかしながら特許文献2の技術を用いても、非水電解液二次電池として実用化には至っていない。高容量材料粒子と炭素材料との間の相互作用が小さく両者の結合力が弱いため、電極組成を黒鉛単独の場合に近づけると、特許文献2の技術を用いても体積変化の大きい高容量材料粒子が炭素材料表面から脱落し、高容量材料粒子が負極内の導電ネットワークから外れやすくなるために、サイクル劣化が依然として改善されない。
本願は上記課題を鑑みてなされたものであり、理論容量の大きい高容量材料を負極導電ネットワークから外れることなく活用することで、高容量でかつ長寿命な非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願の請求項1に記載の負極活物質は、リチウムを吸蔵放出可能な炭素材料粒子Aと、高容量材料からなる粒子Bとからなり、粒子Aはその表面に
おいて窒素含有量が高く、粒子Bは粒子Aの表面に担持されていることを特徴とする。
おいて窒素含有量が高く、粒子Bは粒子Aの表面に担持されていることを特徴とする。
本発明の構成によれば、理論容量が黒鉛よりも大幅に大きく、かつ高容量材料が大きく体積変化しても炭素材料粒子から脱落せずに負極の導電ネットワーク内に留まる負極活物質を提供することができる。高容量材料の脱落抑制の作用については鋭意解析中であるが、窒素と高容量材料粒子との相互作用によって両者の間に強い結合力が形成されていると考えられる。この作用のため、サイクル特性を大幅に向上させることができる。
上述した負極活物質を得る1つの方法として、本願の請求項3に記載の負極活物質の製造方法は、リチウムを吸蔵放出可能な炭素材料粒子Aの表面を窒素含有有機物で被覆する第1の工程と、粒子Aを熱処理してその表面に窒素含有量が高い層を形成する第2の工程と、粒子Aの表面に高容量材料からなる粒子Bを担持させる第3の工程とを含むことを特徴とする。
また上述した負極活物質を得るもう1つの方法として、本願の請求項4に記載の負極活物質の製造方法は、リチウムを吸蔵放出可能な炭素材料粒子Aをアンモニアガス中で熱処理して窒化してその表面に窒素を含む層を形成する第1の工程と、粒子Aの表面に高容量材料からなる粒子Bを担持させる第2の工程とを含むことを特徴とする。
本発明によれば、負極活物質として容量の大きい高容量材料が、充放電サイクルにおける体積変化によって脱落することを防止できるので、高い充放電容量と良好なサイクル特性とを可能にするという優れた効果がある。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明における負極活物質の構造の一形態を示す模式図である。炭素材料(粒子A)1の表面には窒素含有量が高い層2が存在し、主に窒素含有量が高い層2の上に高容量材料(粒子B)3が担持されている。
高容量材料3に含まれる元素としては、Al、Si、Zn、Ge、Cd、Sn、Pbなど多くの元素を挙げることができるが、吸蔵可能なリチウム量の多さや入手の容易さなどから、SiまたはSnが特に好ましい。SiまたはSnを含む高容量材料としては、単体の他にも、SiOx(0<x<2)やSnOx(0<x≦2)などの酸化物や、Ni−Si合金、Ti−Si合金、Mg−Sn合金、Fe−Sn合金など遷移金属元素との合金など、様々な材料を用いることができる。
炭素材料1としては、天然黒鉛や人造黒鉛などの他にも、カーボンブラックやコークス、活性炭素繊維など様々な種類を用いることができる。
請求項3に記載の方法で窒素含有量が高い層2を形成する場合、窒素含有有機物としては、ポリアクリロニトリル(PAN)やポリアニリン、ポリピロールなど、様々な化合物を用いることができる。これらをN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)やN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶媒に溶解させ、その溶液に炭素材料1を混合したのち溶媒を除去することで、炭素材料1の表面に窒素含有有機物層を形成することができる。これを不活性雰囲気中または真空中で熱処理することで、窒素含有量が高い層2を形成する。熱処理温度としては400℃〜2000℃が好ましく、700℃〜1500℃が特に好ましい。窒素含有量が高い層2は、過多であると充放電容量やレート特性を低下させることになるため、炭素材料粒子全体に対して0.1〜10重量%程度で形成するこ
とが好ましい。
とが好ましい。
請求項4に記載の方法で窒素含有量が高い層2を形成する場合、アンモニアガス中で炭素材料1を熱処理することで、高温で分解されたアンモニアから生成した窒素を炭素材料1表面と結合させることができる。この際、処理温度は500〜600℃が好ましく、処理時間は10〜30時間が好ましい。
高容量材料3と炭素材料1との複合体粒子の粒径としては、特に限定はされないが、1〜50μmが好ましい。1μm未満であれば極板の比表面積が大きくなり初回充放電時の不可逆容量が大きくなる。また50μmを超えれば均一な極板を作製することが困難となる。さらに、高容量材料3の粒径は0.1〜30μmが好ましい。高容量材料3の粒径が0.1μm未満であれば高い充放電容量を実現するために非常に多数の粒子が必要となり、粒子が微紛化しやすくなる。逆に30μmを超えれば充放電による体積変化が大きくなり、粒子が粉砕されやすくなる。
高容量材料3と炭素材料1との複合体粒子における高容量材料3の比率は、複合体粒子全体の10〜90重量%が好ましく、20〜60重量%が特に好ましい。高容量材料3の比率が10重量%未満であれば高い充放電容量が得られず、逆に90重量%を超えれば体積変化が大きくなり複合体粒子の粉砕や粒子間の導電性の低下などを引き起こしやすくなる。
高容量材料3と炭素材料1との複合体粒子の作製方法としては、ミリングなど機械的エネルギーによるメカノケミカル反応を用いて混合および造粒する方法、高容量材料3を炭素材料1の表面へ蒸着またはめっきなどによって付着する方法、高容量材料3の前駆体の溶液を炭素材料1の表面に付着したのち前駆体を処理する方法など、種々の方法を選択することができる。これらいずれの場合も、窒素含有量が高い層2における窒素が高容量材料3と親和性が高いため、炭素材料1との間に強固な結合力が生じる。
本発明による負極活物質を用いて非水電解液二次電池を作製する方法については特に限定されず、公知の種々の方法を用いることができる。
粉末状の負極活物質を、結着剤を含む溶媒に分散させてペースト状とし、集電体であるCu箔など金属箔の上に塗布、乾燥したのち、圧延して負極板を作製する。上記ペーストには導電剤として黒鉛、アセチレンブラック、カーボンファイバーなどの炭素材料をさらに含んでもよい。結着剤としてはポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリ4フッ化エチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリル酸誘導体ゴムバインダーなどを用いることができ、溶媒としてはN−メチルピロリドン(NMP)やN,N−ジメチルアセトアミド(DMA)などの有機溶媒や水などを用いることができる。上記ペーストには必要に応じてカルボキシメチルセルロース(CMC)やポリエチレンオキシド(PEO)などの増粘剤を含んでもよい。
正極活物質としては、広く使用されているLiCoO2の他にも、V、Cr、Mn、Fe、Co、Niから選ばれる遷移金属元素を一種以上含むリチウム複合酸化物を用いることができる。例えば、LiNiO2、LiMn2O4などであり、これらのリチウム複合酸化物にはAlやMgなどの異種元素がさらに含まれてもよい。正極板の作製方法としては負極板と同様の方法で行うことができる。集電体の金属箔にはAl箔を用いることが好ましい。
セパレータにはポリエチレンやポリプロピレンなどポリオレフィン系樹脂からなる多孔質薄膜を用いることができる。
非水電解液としては、LiPF6、LiClO4、LiBF4などのリチウム塩を、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、γ−ブチロラクトン(GBL)、テトラヒドロフラン(THF)、1,2−ジメトキシエタン(DME)などの非水溶媒に溶解した電解液を用いることができる。なお、上記リチウム塩および非水溶媒は二種以上混合して用いてもよい。さらに、ビニレンカーボネート(VC)、シクロヘキシルベンゼン(CHB)などの添加剤を含んでもよい。
非水電解液二次電池の形状や大きさは特に限定されず、円筒型、角型、コイン型など種々の形態をとることができる。
以下に本発明の具体的な実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
PAN(関東化学社製、試薬)0.05重量部をDMF(関東化学社製、特級試薬)100重量部に溶解させ、その溶液に人造黒鉛(ティムカル社製、SLP30、平均粒径16μm)1重量部を加えて1時間攪拌した。この溶液をエバポレーター装置で溶媒を除去し乾燥させることで、黒鉛粒子の表面にPANの層が形成された粒子を得た。
この粒子をセラミック製のるつぼに入れてマッフル炉の中に置き、アルゴンガスを流通させた。アルゴン雰囲気のままマッフル炉を700℃まで加熱して1時間保持したのち、さらに1300℃まで加熱して2時間保持し熱処理を行うことで、表面に窒素を含む炭素材層が形成された黒鉛粒子を得た。
あらかじめ粉砕、分級して平均粒径5μmとした一酸化ケイ素(SiO)粉末(和光純薬社製、試薬)100重量部と上記で得られた黒鉛粒子100重量部とを遊星ボールミル装置に投入し、アルゴンガス中で24時間混合を行うことによってSiO粒子を黒鉛粒子に担持させ、本発明による負極活物質を得た。
得られた活物質粒子を電子顕微鏡(SEM)、X線回折(XRD)、蛍光X線マッピング(EPMA)などで分析を行った結果、表面を窒素含有量が高い層で被覆された黒鉛粒子に、SiO粒子が活物質粒子全体に対して50wt%程度担持されている構造であることが確認された。
SiO粉末100重量部の代わりに、あらかじめ粉砕、分級して平均粒径5μmとしたケイ素(Si)粉末(和光純薬社製、試薬)40重量部を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明による負極活物質を得た。なお、Si粉末の量は活物質の充放電容量が実施例1と同程度となるように算出して決定した。
得られた活物質粒子をSEM、XRD、EPMAなどで分析を行った結果、表面を窒素含有量が高い層で被覆された黒鉛粒子に、Si粒子が活物質粒子全体に対して25wt%程度担持されている構造であることが確認された。
実施例1と同様にして、表面に窒素含有量が高い層が形成された黒鉛粒子を得た。一方、2価の酢酸スズ(関東化学社製、1級試薬)0.7重量部を希塩酸100重量部に溶解させ、その溶液に上記黒鉛粒子1重量部を加えて1時間攪拌した。この溶液をエバポレー
ター装置で溶媒を除去し乾燥させることで、黒鉛粒子の表面に2価の酢酸スズが担持された粒子を得た。この粒子をセラミック製のるつぼに入れてマッフル炉の中に置き、アルゴンガスを流通させた。アルゴン雰囲気のままマッフル炉を400℃まで加熱して5時間保持し熱処理を行うことで2価の酢酸スズを熱分解し、本発明による負極活物質を得た。
ター装置で溶媒を除去し乾燥させることで、黒鉛粒子の表面に2価の酢酸スズが担持された粒子を得た。この粒子をセラミック製のるつぼに入れてマッフル炉の中に置き、アルゴンガスを流通させた。アルゴン雰囲気のままマッフル炉を400℃まで加熱して5時間保持し熱処理を行うことで2価の酢酸スズを熱分解し、本発明による負極活物質を得た。
得られた活物質粒子をSEM、XRD、EPMAなどで分析した結果、表面を窒素含有量が高い層で被覆された黒鉛粒子に、粒径1μm程度のSnOx(0<x≦2)粒子が活物質粒子全体に対して40wt%程度担持されている構造であることが確認された。
実施例1と同様にして、表面に窒素含有量が高い層が形成された黒鉛粒子を得た。一方、2価の塩化スズの二水和物(関東化学社製、特級試薬)0.5重量部をイオン交換水200重量部に溶解させ、その溶液に上記黒鉛粒子1重量部を加えて1時間攪拌した。これに水素化ホウ素ナトリウム(関東化学社製、試薬)の0.1mol/L水溶液200重量部を加え、2価の塩化スズをスズ(Sn)に還元させた。この溶液をろ過したのち、イオン交換水で洗浄し乾燥させることで、本発明による負極活物質を得た。なお、2価の塩化スズの二水和物の量は活物質の充放電容量が実施例3と同程度となるように算出して決定した。
得られた活物質粒子をSEM、XRD、EPMAなどで分析した結果、表面を窒素含有量が高い層で被覆された黒鉛粒子に、粒径1μm程度のSn粒子が活物質粒子全体に対して25wt%程度担持されている構造であることが確認された。
実施例1と同様の人造黒鉛100重量部をセラミック製のるつぼに入れてマッフル炉の中に置き、アンモニアガスを流通させた。アンモニアガス中で550℃まで加熱して20時間保持し熱処理を行うことで黒鉛粒子の表面を窒化し、表面に窒素含有量が高い層が形成された黒鉛粒子を得た。これ以降の手順は実施例1と同様にして、本発明による負極活物質を得た。
得られた活物質粒子をSEM、XRD、EPMAなどで分析した結果、表面を窒素含有量が高い層で被覆された黒鉛粒子に、SiO粒子が活物質粒子全体に対して50wt%程度担持されている構造であることが確認された。
PANのDMF溶液の代わりに、ポリピロール(ティーエーケミカル社製、有機溶剤可溶性)0.05重量部をNMP(関東化学社製、特級試薬)100重量部に溶解させた溶液を用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明による負極活物質を得た。
得られた活物質粒子をSEM、XRD、EPMAなどで分析した結果、表面を窒素含有量が高い層で被覆された黒鉛粒子に、SiO粒子が活物質粒子全体に対して50wt%程度担持されている構造であることが確認された。
(比較例1)
表面を窒素含有量が高い層で被覆する工程を行わずに、実施例1と同様の人造黒鉛を用いたこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を得た。
(比較例1)
表面を窒素含有量が高い層で被覆する工程を行わずに、実施例1と同様の人造黒鉛を用いたこと以外は、実施例1と同様にして負極活物質を得た。
得られた活物質粒子をSEM、XRD、EPMAなどで分析した結果、組成が均質な黒鉛粒子の表面に、SiO粒子が活物質粒子全体に対して50wt%程度担持されている構造であることが確認された。
(比較例2)
表面を窒素含有量が高い層で被覆する工程を行わずに、実施例1と同様の人造黒鉛を用いたこと以外は、実施例3と同様にして負極活物質を得た。
(比較例2)
表面を窒素含有量が高い層で被覆する工程を行わずに、実施例1と同様の人造黒鉛を用いたこと以外は、実施例3と同様にして負極活物質を得た。
得られた活物質粒子をSEM、XRD、EPMAなどで分析した結果、組成が均質な黒鉛粒子の表面に、粒径1μm程度のSnOx(0<x≦2)粒子が活物質粒子全体に対して40wt%程度担持されている構造であることが確認された。
(参考例)
比較例1と同様にして、人造黒鉛とSiOとの複合体粒子を得た。この粒子をセラミック製反応容器に入れ、ヘリウムガス中1000℃まで昇温した。その後、ヘリウムガスをベンゼンガス50%とヘリウムガス50%の混合ガスに置換し1000℃で1時間保持することにより、複合体粒子の表面にCVD法(詳細はJournal of The Electrochemical Socoety,Vol.149,A1598(2002)参照)による炭素材層を導電層として形成することで、負極活物質を得た。
(参考例)
比較例1と同様にして、人造黒鉛とSiOとの複合体粒子を得た。この粒子をセラミック製反応容器に入れ、ヘリウムガス中1000℃まで昇温した。その後、ヘリウムガスをベンゼンガス50%とヘリウムガス50%の混合ガスに置換し1000℃で1時間保持することにより、複合体粒子の表面にCVD法(詳細はJournal of The Electrochemical Socoety,Vol.149,A1598(2002)参照)による炭素材層を導電層として形成することで、負極活物質を得た。
得られた粒子をSEMで分析した結果、組成が均質な黒鉛粒子の表面に、SiO粒子が活物質粒子全体に対して50wt%程度担持されており、さらにこの複合体粒子の表面を、炭素材からなる導電層が被覆していることが確認された。
(評価用コインセルの作製)
上記で得られた負極活物質の特性を評価するため、以下の手順でコイン型のテストセルを作製した。
上記で得られた負極活物質の特性を評価するため、以下の手順でコイン型のテストセルを作製した。
負極活物質100重量部とPVdFディスパージョン(呉羽化学社製、KFポリマー)7重量部(固形分換算)とNMP適量とを混合し、塗布用ペーストを調整した。このペーストを厚み15μmのCu箔にドクターブレードを用いて塗布し、60℃の乾燥機で乾燥した。得られた負極板を直径13mmの円形に打ち抜き、テストセルの作用極とした。金属リチウム箔(本荘ケミカル社製、厚み300μm)を直径17mmの円形に打ち抜き、テストセルの対極とした。多孔質ポリプロピレンからなるセパレータ(セルガード社製、2400、厚み25μm)を直径18.5mmの円形に打ち抜いたものを作用極と対極で挟み、2016サイズのコインセルケースに挿入した。そこに電解液としてECとDECとの混合溶媒にLiPF6を1mol/Lとなるように溶解した非水電解液(三菱化学社製、ソルライト)を滴下して、機械的かしめによって密閉し、理論容量2〜5mAhのテストセルとした。
作製したコイン型テストセルを用いて、20時間率のレートで充放電を行った。充電は対Liで0Vまで、放電は同様に1.5Vまで行った。初回充電容量と初回放電容量との差から不可逆容量を求め、さらに初回放電容量に対する50サイクル後の放電容量の比からサイクル特性を求めた。なお、充放電容量はいずれも結着剤重量のみを除いた重量あたりとして算出し、不可逆容量は初回充電容量に対する比として算出した。それらの結果を(表1)に示す。
一方、窒素含有量が高い層を設けていない比較例1、2では初回の放電容量が低下しているだけでなく、50サイクル後の残存容量も極端に低い。このことから、単純に高容量材料粒子と黒鉛粒子との複合体を形成するだけでは、本発明の効果が得られないことが分かる。また、導電層として炭素材で活物質粒子を被覆した参考例は、比較例1よりも良好なサイクル特性が得られてはいるが、同じ高容量材料を用いた実施例1に比べると明らかに劣っている。この構造では高容量材料粒子と黒鉛粒子との密着性を顕著に改善できないので、SiO粒子の充放電に伴う体積変化によって導電層が破壊されたと考えられる。
以上の結果から、炭素材料粒子の表面に窒素含有量が高い層を設けた上で高容量材料と複合化することによって、高い充放電容量と優れたサイクル特性を持つ負極活物質が得られることが分かった。
本発明による負極活物質は、高い充放電容量と優れたサイクル特性を持つ非水電解液二次電池の材料として有用である。
1 炭素材料粒子
2 窒素含有量が高い層
3 高容量材料
2 窒素含有量が高い層
3 高容量材料
Claims (5)
- リチウムを吸蔵放出可能な炭素材料粒子Aと、リチウムと合金化可能な材料からなる粒子Bとからなる非水電解液二次電池用負極活物質であって、
前記粒子Aは、その表面において窒素含有量が高く、
前記粒子Bは、前記粒子Aの表面に担持されていることを特徴とする負極活物質。 - 前記粒子Bは、Siおよび/あるいはSnを含むことを特徴とする、請求項1記載の負極活物質。
- リチウムを吸蔵放出可能な炭素材料粒子Aの表面を、窒素含有有機物で被覆する第1の工程と、
前記粒子Aを熱処理してその表面に窒素含有量が高い層を形成する第2の工程と、
前記粒子Aの表面に、リチウムと合金化可能な材料からなる粒子Bを担持させる第3の工程とを含む、負極活物質の製造方法。 - リチウムを吸蔵放出可能な炭素材料粒子Aをアンモニアガス中で熱処理して窒化し、その表面に窒素含有量が高い層を形成する第1の工程と、
前記粒子Aの表面に、リチウムと合金化可能な材料からなる粒子Bを担持させる第2の工程とを含む、負極活物質の製造方法。 - 請求項1または2記載の負極活物質を用いることを特徴とする非水電解液二次電池。
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2005
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