JP6268729B2 - 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池 - Google Patents

非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP6268729B2
JP6268729B2 JP2013060925A JP2013060925A JP6268729B2 JP 6268729 B2 JP6268729 B2 JP 6268729B2 JP 2013060925 A JP2013060925 A JP 2013060925A JP 2013060925 A JP2013060925 A JP 2013060925A JP 6268729 B2 JP6268729 B2 JP 6268729B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
particles
negative electrode
silicon oxide
carbonaceous
carbonaceous particles
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013060925A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013225502A (ja
Inventor
晴洋 浅見
晴洋 浅見
貴英 木村
貴英 木村
中村 健一
健一 中村
圭二 山原
圭二 山原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Chemical Corp filed Critical Mitsubishi Chemical Corp
Priority to JP2013060925A priority Critical patent/JP6268729B2/ja
Publication of JP2013225502A publication Critical patent/JP2013225502A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6268729B2 publication Critical patent/JP6268729B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Silicon Compounds (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)
  • Secondary Cells (AREA)
  • Battery Electrode And Active Subsutance (AREA)

Description

本発明は、非水系二次電池電極用負極材、これを用いた非水系二次電池用負極及び非水系二次電池に関する。非水系二次電池のなかでも、とりわけリチウムイオン二次電池に関する。
近年、電子機器の小型化に伴い、高容量の二次電池に対する需要が高まってきている。特に、ニッケル・カドミウム電池や、ニッケル・水素電池に比べ、よりエネルギー密度が高く、急速充放電特性に優れた非水系二次電池、とりわけリチウムイオン二次電池が注目されている。
リチウムイオンを吸蔵・放出できる正極及び負極、並びにLiPFやLiBF等のリチウム塩を溶解させた非水電解液からなる非水系リチウム二次電池が開発され、実用に供されている。
この電池の負極材料としては種々のものが提案されている。負極材料は、高容量であること及び放電電位の平坦性に優れていることなどから、天然黒鉛、コークス等の黒鉛化で得られる人造黒鉛、黒鉛化メソフェーズピッチ、黒鉛化炭素繊維等の黒鉛質の炭素材料が用いられている。
また、一部の電解液に対して比較的安定しているなどの理由で、負極材料は、非晶質の炭素材料も用いられてる。更には、負極材料は、黒鉛質粒子の表面に非晶質炭素を被覆、付着又は添着させ、黒鉛と非晶質炭素の特性を併せ持つ炭素材料も用いられる。
例えば、特許文献1には、本来は鱗片状、塊状又は板状である黒鉛質粒子に力学的エネルギー処理を与えて、黒鉛質粒子表面にダメージを与え、粒子形状を球形にした球形化黒鉛質粒子を負極材料に用いることが提案されている。黒鉛質粒子は、球形化することで急速充放電特性を向上させる。更に、黒鉛質粒子は、その表面に非晶質炭素を被覆、付着又は添着させた複層構造の球形化黒鉛質粒子として、負極材料に用いてもよいことが提案されている。
しかし、昨今非水系二次電池、とりわけ非水系二次電池は、用途展開が図られ、従来のノート型パソコンや、移動通信機器、携帯型カメラ、携帯型ゲーム機等向けに加え、電動工具、電気自動車向け等、従来にも増した急速充放電性が要求される。更に、非水系二次電池は、高容量かつ高サイクル特性を併せ持つことが望まれている。
例えば、特許文献2には、サイクル特性を改善するために、波長5145Åのアルゴンイオンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析から得られるR値が0.2以上である多層構造を有する炭素質粒子と、X線広角回折による(002)面の面間隔d002が3.36Å以上3.62Å以下のピークを有し、比表面積が7m/gである単相構造を有する炭素質粒子との混合物を負極材に用いた非水系二次電池が提案されている。
また、特許文献3には、表面が非晶質炭素で被覆された被覆黒鉛粒子と、表面が非晶質炭素で被覆されていない非被覆黒鉛粒子を混合した負極材が提案されている。より具体的には、特許文献3には、被覆黒鉛粒子と非被覆黒鉛粒子とは同種の黒鉛粒子であり、更に被覆黒鉛粒子と非被覆黒鉛粒子の粒子径は同じであることが開示されている。
また、特許文献4には、炭素材料と電解液との副反応による放電容量の減少を抑制するために、炭素材料とともに、珪素酸化物を負極材に用いることが提案されている。また、特許文献5には、サイクル特性を低下させることなく、高容量を維持するために、機械的表面融合処理により、平均粒子径d50が0.2〜20μmのSiO粉末を核として、この核の表面を平均粒子径d50が20nm〜13μmの人造黒鉛等の導電材物質で覆った導電性SiO粉末と、黒鉛とを含む負極材が提案されている。
更に、特許文献6には、高容量を維持しつつ、サイクル特性を改善するために、黒鉛質粉末、ピッチ等の炭素前駆体、珪素・珪素化合物・珪素合金、カーボンブラック及び鎖状高分子材料の空隙形成剤を焼成して得られたアスペクト比が1〜2である概略球形状の粒子からなるリチウムイオン二次電池用負極活物質が提案されている
特許第3534391号公報 特許第3291756号公報 特開2005−294011号公報 特開平11−312518号公報 特開2002−373653号公報 特開2008−186732号公報
しかし、前述の文献に開示された負極材によっても本発明者らが目標としている高容量化を満たす非水系二次電池は得られず、電池のサイクル特性を向上できるまでには至っていない。
したがって、本発明は、近年の用途展開によって要求される特性、例えば、電動工具や電気自動車に用いられる場合の特性をも満たすことの可能な、高容量であり、かつ、高サイクル特性をも併せ持つ優れた非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池を提案する。
上記課題を解決するため、本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の範囲の扁平率fを有する近似楕円体である炭素質粒子(A)と、酸化珪素粒子(B)とを含む負極材を用いることによって、高容量であり、かつ、高サイクル特性をも併せ持つ非水系二次電池用負極材が得られることを見出し、本発明を完成させた。
[1]本発明は、炭素質粒子(A)と、酸化珪素粒子(B)とを含み、炭素質粒子(A)が、以下の測定法により求められる長径a及び短径bから算出される下記式(1)で表される扁平率fが0.38〜0.68の近似楕円体であることを特徴とする非水系二次電池用負極材に関する。
f=1−b/a (1)
(測定法)
炭素質粒子(A)のみを100質量部と結着樹脂を10質量部以下とを配合して水性又は有機系媒体でスラリーとし、必要によりこれに増粘材を加えて集電体に塗布し、乾燥することにより活物質層の目付け6〜20mg/cmの電極を作製する。得られた電極を、1.2〜1.8g/cmの活物質層密度にプレスした状態、又は未プレスの状態で、クロスセクションポリッシャー(CP)によって切り出し、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した電極断面の画像中の炭素質粒子100個の各断面楕円を、画像解析ソフトを用いて近似楕円体断面とし、各近似楕円体断面からそれぞれの長径の長さと短径の長さとを測定し、これらの長径の長さの平均値と短径の長さの平均値を長径aと短径bとする。
[2]本発明は、炭素質粒子(A)が、黒鉛粒子の表面の少なくとも一部に炭素層を備えたものを含む、前記[1]記載の非水系二次電池用負極材に関する。
[3]本発明は、炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgと、酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsとの比Rs/Rgが、0.001〜5である、前記[1]又は[2]記載の非水系二次電池用負極材に関する。
[4]本発明は、炭素質粒子(A)100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)1〜50質量部含む、前記[1]〜[3]記載の非水系二次電池用負極材に関する。
[5]本発明は、酸化珪素粒子(B)が、一般式SiO(xは0.5≦x≦1.6である)で示される、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の非水系二次電池用負極材に関する。
[6]本発明は、炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgが5〜30μmである、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の非水系二次電池用負極材に関する。
[7]本発明は、炭素質粒子(A)の長径aが5〜30μmであり、短径bが1〜25μmである、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の非水系二次電池用負極材に関する。
[8]本発明は、酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsが0.01〜10μmである、前記[1]〜[7]のいずれかに記載の非水系二次電池用負極材に関する。
[9]本発明は、更に鱗片状黒鉛(A1)を含む、前記[1]〜[8]のいずれかに記載の非水系二次電池用負極材に関する。
[10]本発明は、集電体と、該集電体上に形成された活物質層とを備えた非水系二次電池用負極であって、前記活物質層が、前記[1]〜[9]のいずれかに記載の非水系二次電池用負極材を含有することを特徴とする非水系二次電池用負極に関する。
[11]本発明は、イオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備えたイオン二次電池であって、前記負極が、前記[10]に記載の非水系二次電池用負極であることを特徴とする、非水系二次電池に関する。
本発明によれば、高容量であり、かつ、高サイクル特性を併せ持つ優れた特性を有する非水系二次電池を提供することができる。
本発明に係る近似楕円体である炭素質粒子(A)の断面を示すSEM写真(500倍率)である。 比較例1に示す従来の球形化黒鉛粒子の断面を示すSEM写真(2000倍率)である。 比較例2に示す従来の鱗片状黒鉛の断面を示すSEM写真(10000倍率)である。
本発明は、炭素質粒子(A)と、酸化珪素粒子(B)とを含み、炭素質粒子(A)が、以下の測定法により求められる長径a及び短径bから算出される下記式(1)で表される扁平率fが0.38〜0.68の近似楕円体であることを特徴とする非水系二次電池用負極材である。
f=1−b/a (1)
(測定法)
炭素質粒子(A)のみを100質量部と結着樹脂を10質量部以下とを配合して水性又は有機系媒体でスラリーとする。必要によりこれに増粘材を加えてスラリーを集電体に塗布し、乾燥することにより活物質層の目付け6〜20mg/cmの電極を作製する。得られた電極は、1.2〜1.8g/cmの活物質層密度にプレスした状態、又は未プレスの状態で、電極をクロスセクションポリッシャー(CP)によって切り出す。切り出された電極断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影する。撮影した電極断面の画像中の炭素質粒子100個の各断面楕円を画像解析ソフトを用いて近似楕円体断面とする。電極断面の画像中の各炭素質粒子(A)の近似楕円体断面からそれぞれの長径の長さと短径の長さとを測定し、これらの長径の長さの平均値と短径の長さの平均値を長径aと短径bとする。炭素質粒子(A)の断面楕円を近似楕円体断面として解析する画像解析ソフトとしては、例えば、ImageProPlus(Media Cybernetics社製 日本ローパー社販売)等を用いることができる。ここで、炭素質粒子(A)の扁平率fを測定するための電極における活物質層とは、炭素質粒子(A)のみと、結着樹脂(B)とを含む混合物を意味する。炭素質粒子(A)のみと結着樹脂との配合割合(炭素質粒子(A)のみ:結着樹脂)は、100:0.1〜10であり、より好ましくは100:0.2〜7であり、更に好ましくは100:0.3〜7である。ここで「炭素質粒子(A)のみ」とは、炭素質粒子(A)のみを含み、炭素質粒子(A)以外の酸化珪素粒子(B)等の他の成分を含まない意味である。また、電極の活物質層の目付けは、好ましくは6〜15mg/cmであり、より好ましくは7〜12mg/cmであり、更に好ましくは7〜10mg/cmである。なお、炭素質粒子(A)は、1種の炭素質粒子を単独で用いてもよく、2種以上の炭素質粒子を併用してもよい。集電体としては、例えば、厚さ18μmの銅箔を用いることができる。集電体の厚さ、材質は、特に限定されない。集電体は、上述の測定法によって測定される炭素質粒子(A)の扁平率に影響を与えない。また、本明細書において、電極は、特に断りのない限り、負極を意味する。
ここで、近似楕円体とは、解析するオブジェクト(本明細書においては炭素質粒子)と同面積で、かつ一次モーメント及び二次モーメントが等しい楕円のことを指す。ここでオブジェクトの一次モーメント及び二次モーメントは、前記画像解析ソフト等を用いて測定することができる。
炭素質粒子(A)は、上述の測定法によって測定された長径a及び短径bから導き出される扁平率fが0.38〜0.68の近似楕円体である。近似楕円体である炭素質粒子(A)は、電極の活物質層において、リチウム(Li)イオンをはじめとするアルカリイオンの出入りが確保されるように接触しつつ、酸化珪素粒子(B)が存在可能となる間隙を形成する。電極の活物質層は、炭素質粒子(A)によって形成された間隙に、酸化珪素粒子(B)が存在する構造を有する。酸化珪素粒子(B)は、炭素質粒子(A)よりも理論容量が大きい。このため、電池は、炭素質粒子(A)のみを含む場合よりも、炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)を含む場合の方が、電池の容量が大きくなり、高容量化を実現することができる。また、電極の活物質層において、炭素質粒子(A)によって形成された間隙が、充放電によるLiイオン等のアルカリイオンの吸蔵・放出に伴う酸化珪素粒子(B)の体積変化を吸収する。このため、電極の活物質層は、Liイオン等のアルカリイオンの吸蔵・放出を伴う充放電の繰り返しによる劣化が抑制される。このため、電池は、サイクル特性を向上することができる。更に電極の活物質層において、炭素質粒子(A)の間隙は、電極内のLiイオン等のアルカリイオンの拡散パスの経路を形成し、充放電時における炭素質粒子(A)及び酸化珪素粒子(B)への十分なLiイオン等のアルカリイオンの出入りを確保する。このため、電池は、入出力特性を向上することができる。
近似楕円体である炭素質粒子(A)は、本来鱗片状である黒鉛粒子に機械的作用を加えて粒子を折り曲げる、又は粒子表面を削ることによって形成されるものが多い。そのため近似楕円体である炭素質粒子(A)は、粒子内に応力が残存している可能性が高い。この炭素質粒子(A)内に残存していた応力が、充放電の繰り返しにより、外部に放出されて炭素質粒子(A)同士の接触が離隔する可能性もある。電極の活物質層において、炭素質粒子(A)によって形成された間隙は、充放電に伴う酸化珪素粒子(B)の体積変化や、炭素質粒子(A)から放出された残存応力を吸収し、炭素質粒子(A)同士の接触を確保する。このため、電池の活物質層は、充放電の繰り返しによる導電パス切れが抑制される。また、電池は、サイクル特性を向上することができる。
〔炭素質粒子(A)〕
本発明に用いる炭素質粒子(A)は、例えば、特許第3534391号公報に記載されたような力学的エネルギー処理条件を最適化することにより、天然黒鉛等の黒鉛を近似楕円体に球形化した球形化黒鉛を用いることができる。
<炭素質粒子(A)の扁平率f>
近似楕円体である炭素質粒子(A)の扁平率fは0.38〜0.68である。炭素質粒子(A)の扁平率fが0.38未満であると、炭素質粒子(A)の形状が真円状に近づき、真円状である炭素質粒子(A)同士、及び真円状である炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)の接点がとり難くなる。炭素質粒子(A)の扁平率fが0.68を超えると、炭素質粒子(A)の形状が鱗片状に近づき、Liイオンの吸蔵・放出に伴う酸化珪素粒子(B)の体積変化等を吸収するために好適な間隙を形成することが難しくなる。更に炭素質粒子(A)の扁平率fが0.68を超えると、電極内のLiイオン等のアルカリイオン拡散のパスが確保され難くなる。炭素質粒子(A)の扁平率fは、好ましくは0.40〜0.66でありより好ましくは0.42〜0.64であり、更に好ましくは0.44〜0.62である。
なお、炭素質粒子(A)の扁平率fは、炭素質粒子(A)が粉末状の場合は実施例に記
載の方法で電極を製造して測定することが可能である。また、電極中の炭素質粒子(A)も、本明細書に記載の測定法にしたがって扁平率を測定することができる。
<炭素質粒子(A)の長径a及び短径b>
炭素質粒子(A)は、好ましくは長径aが5〜30μm、短径bが1〜25μmである。炭素質粒子(A)は、長径a及び短径bがこの範囲であり、かつ、この長径a及び短径bから導き出される扁平率fが0.38〜0.68であると、電極の活物質層において、炭素質粒子(A)は、リチウムイオンの出入りが確保されるように互いに接触しつつ、酸化珪素粒子(B)が存在可能となる間隙を形成することができる。
炭素質粒子(A)の長径aが5μm未満であって、短径bの数値が小さい場合には、全体的に小粒径となり接触界面抵抗の増加を抑制し難くなる場合がある。炭素質粒子(A)の長径aが5μm未満であって、短径bの数値が大きい場合には、炭素質粒子(A)の形状が真円状に近づき、扁平率fを0.38〜0.68の範囲とすることが難しくなり、酸化珪素粒子(B)の存在が可能となる間隙を形成し難くなる。
一方、炭素質粒子(A)の長径aが30μmを超えると、短径bの数値が小さい場合には、炭素質粒子(A)の形状が鱗片状に近づき、炭素質粒子(A)は、酸化珪素粒子(B)及び電解液を存在させる好適な間隙を形成し難くなる。また、炭素質粒子(A)の長径aが30μmを超え、かつ短径bの数値が小さい場合には、炭素質粒子(A)を含む電極は、炭素質粒子(A)同士の好適な間隙が形成し難く、Liイオン等のアルカリイオンの拡散パスを確保することが難しくなる場合がある。更に炭素質粒子(A)の長径aが30μmを超え、かつ短径bの数値が大きい場合には、炭素質粒子(A)全体が大粒径となり、電極の厚さの増加により、電極の平坦性を損なうと同時に炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)同士の接点確保が難しくなる。電極の断面における近似楕円体の炭素質粒子(A)は、より好ましくは長径aが10〜25μm及び短径bが2〜22μmであり、更に好ましくは長径aが12〜22μm及び短径bが5〜20μmであり、特に好ましくは長径aが15〜20μm及び短径bが7〜18μmである。
<炭素質粒子(A)の製造方法>
扁平率fが0.38〜0.68の近似楕円体である、炭素質粒子(A)を製造する方法を以下に記載する。
炭素質粒子(A)を製造する方法としては、特に制限はないが、例えば、以下に記載する製造方法によって製造することができる。この他、例えば、石油コークス、石炭ピッチコークス、石炭ニードルコークス及びメソフェーズピッチ等を2500℃以上に加熱して製造した人造黒鉛に、力学的エネルギー処理(衝撃圧縮、摩擦及びせん断力等の機械的作用)を与えることで、炭素質粒子(A)を製造することもできる。
炭素質粒子(A)を製造する方法は、天然黒鉛及び/又は人造黒鉛を略真円状に球形化処理する方法を適用することができる。この方法は、天然黒鉛及び/又は人造黒鉛からなる黒鉛粒子を、略真円状に球形化処理する場合と比べて、黒鉛粒子の表面にダメージを加えるエネルギーを小さくする方法が挙げられる。例えば、黒鉛粒子に機械的作用を加える多数のブレードを有するローターの周速度を小さくして、粒子の表面にダメージを加えるエネルギーを小さくする方法が挙げられる。その他に、処理時間を短くすることによって、黒鉛粒子の表面にダメージを加えるエネルギーを小さくする方法が挙げられる。ここで黒鉛粒子に加える機械的作用とは、例えば、衝撃圧縮、摩擦又は剪断力等をいう。例えば、奈良機械製作所製のハイブリダイゼーションシステムを用いて炭素質粒子(A)を製造する場合には、多数のブレードを有するローターの周速度は、通常10〜200m/秒、好ましくは25〜150m/秒、より好ましくは30〜120m/秒、更に好ましくは40〜100m/秒とする。また、黒鉛粒子の処理は、単に黒鉛粒子を多数のブレードの間に通過させるだけでも可能であるが、30秒以上、黒鉛粒子が多数のブレードの間を循環又は滞留させて処理することが好ましい。処理時間は、より好ましくは1分以上である。また、黒鉛粒子の上記のシステムへの投入量は、通常10〜1000g、好ましくは50〜750g、より好ましくは100〜500gに設定する。これらの製造条件を組み合わせて、黒鉛粒子に与えるエネルギーを調整することによって、扁平率fが0.38〜0.68の近似楕円体である炭素質粒子(A)を製造することができる。
〔複合型の炭素質粒子(A)〕
炭素質粒子(A)は、球形化黒鉛の表面の少なくとも一部に炭素層を備えた複合型の炭素質粒子を含む。炭素層は、非晶質炭素又は黒鉛からなるものであることが好ましい。ここで、「表面の少なくとも一部に炭素層を備えた」とは、炭素層が球形化黒鉛の表面の一部又は全部を層状に覆う形態のみならず、炭素層が表面の一部又は全部に付着・添着する形態をも包含する。複合型の炭素質粒子(A)は、表面の全部を被覆するように炭素層を備えたものであってもよく、表面の一部を被覆、付着又は添着するように炭素層を備えたものであってもよい。好ましくは、複合型の炭素質粒子(A)は、球形化黒鉛の表面の全部を被覆する炭素層を備えたものである。また、複合型の炭素質粒子(A)は、黒鉛粒子の表面の少なくとも一部に非晶質炭素からなる炭素層を備えたもの(「非晶質炭素被覆近似楕円球形化黒鉛」ともいう)である。複合型の炭素質粒子(A)は、黒鉛粒子の表面の少なくとも一部に黒鉛からなる炭素層を備えたもの(「黒鉛被覆近似楕円球形化黒鉛」ともいう)である。炭素質粒子(A)は、近似楕円体である球形化黒鉛及び複合型の炭素質粒子からなる群より選ばれる1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、複合型の炭素質粒子(A)は、例えば、SEM写真等によって、表面の少なくとも一部に備えた炭素層を確認できる。
電極の活物質層において、複合型の炭素質粒子(A)は間隙を形成する。電極の活物質層は、複合型の炭素質粒子(A)によって形成された間隙に、リチウムイオン等のアルカリイオンの出入りのしやすい高活性な酸化珪素粒子(B)を存在させた構造を有する。このため、電池は、高容量化を実現することができる。また、複合型の炭素質粒子(A)は、表面の少なくとも一部に非晶質等からなる炭素層を備えているため、表面の凹凸形状、粒子自身の固さにより、複合型の炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)とで電極の活物質層内に空隙を確保することができる。このため、電極の活物質層は、リチウムイオン等のアルカリイオンの拡散パスが良好となる。また、電池は、高容量化、高レート化を実現することができる。更に電極の活物質層は、複合型の炭素質粒子(A)の間隙に酸化珪素粒子(B)を存在させた構造によって、リチウムイオン等のアルカリイオンの出入りに伴う酸化珪素粒子(B)の体積変化を、複合型の炭素質粒子(A)により形成された間隙が吸収することができる。このため、電極は、体積変化による導電パス切れが抑制される。また、電池は、導電パス切れに伴う容量低下及びレート特性の低下が抑制され、高容量化及び高レート化を実現することができる。
炭素層の被覆率は、黒鉛粒子の表面に存在する炭素層の量を表す。炭素質粒子(A)100質量%に対して、炭素層の被覆率は0.1〜10質量%であることが好ましい。炭素層の被覆率がこの範囲であれば、電極の活物質層においてリチウムイオン等のアルカリイオンの入出力特性の向上に寄与できる。炭素層の被覆率は、より好ましくは0.2〜8質量%であり、更に好ましくは0.4〜5質量%である。炭素層の被覆率は、黒鉛粒子の表面に存在する炭素の質量%で表し、実施例で後述する方法により測定することができる。
炭素層が非晶質炭素からなる場合には、炭素層の被覆率は、好ましくは0.1〜10質量%、より好ましくは0.2〜8質量%、更に好ましくは0.4〜5質量%である。非晶質炭素からなる炭素層の被覆率が0.1質量%以上であると、非晶質炭素の有するリチウムイオン等のアルカリイオンの高い受け入れ性を充分利用することができる。また、炭素層の被覆率が10質量%以下であると、非晶質炭素が有する不可逆容量の大きさの影響による容量の低下を防ぐことができる。これにより、電池は、接触抵抗の増大を抑制し、レート特性を改善することができる。
<複合型の炭素質粒子(A)の被覆率>
炭素質粒子の炭素層の被覆率は次式により求めることができる。
被覆率(質量%)=100−(K×D)/((K+T)×N)×100
この式において、Kはタールピッチとの混合に供した黒鉛粒子の質量(Kg)、Tは黒
鉛粒子との混合に供した被覆原料であるタールピッチの質量(kg)、DはKとTの混合
物のうち実際に焼成に供した混合物量、Nは焼成後の炭素層を黒鉛粒子の表面の少なくと
も一部に備えた炭素質粒子(A)の質量を示す。
<複合型の炭素質粒子(A)の製造方法>
また、以下の方法によって、黒鉛粒子の表面の少なくとも一部に炭素層を備えた複合型の炭素質粒子(A)を製造することができる。
例えば、石油系や石炭系のタールやピッチ、ポリビニルアルコール、ポリアクリルニトリル、フェノール樹脂、セルロース等の樹脂を必要により溶媒等を用いて混合し、この混合物と、炭素質粒子(A)とを、非酸化性雰囲気で500℃〜3000℃、好ましくは700℃〜2000℃、より好ましくは800〜1500℃で焼成することによって、表面の少なくとも一部に炭素層を備えた複合型の炭素質粒子(A)を製造することができる。
<炭素質粒子(A)のその他の物性>
以下に、本発明に用いる炭素質粒子(A)の物性について記載する。なお、炭素質粒子(A)の物性値は特に規定がない場合は、電極を形成する前の粉末状の炭素質粒子(A)の物性値でもよく、電極から取り出した炭素質粒子(A)の物性値でもよく、電極内の炭素質粒子の物性値でもよい。
(a)平均粒子径Rg
炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgは、好ましくは5〜30μmである。炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgが5〜30μmであると、比表面積が大きくなることによる不可逆容量の増加や、小粒径による接触界面抵抗の増加を抑制することができる。また、炭素質粒子(A)が大粒径であることによる電極の厚さ増加を抑制することができ、電極の平坦性を損なうことがない。また、炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgが5〜30μmであると、炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)同士の導電パス切れを回避することができる。平均粒子径Rgは、より好ましく6〜28μm、更に好ましくは7〜26μmである。ここで平均粒子径Rgは、レーザー回折・散乱式粒度分布測定により測定される体積基準のメジアン径をいう。
(b)タップ密度
炭素質粒子(A)のタップ密度は、好ましくは0.7g/cm以上、より好ましくは0.8g/cm以上である。タップ密度が0.7g/cm以上であるということは、炭素質粒子(A)は扁平率fが0.38〜0.68の近似楕円体であることを示す。タップ密度は後述する実施例の方法により測定する。複合型の炭素質粒子(A)の場合も、タップ密度が0.7g/cm以上であることが好ましい。
(c)BET法による比表面積
炭素質粒子(A)のBET法による比表面積は、好ましくは0.5〜20m/g、より好ましくは1〜18m/g、更に好ましくは1.5〜16m/gである。本明細書において、BET法による比表面積は後述する実施例の方法により測定する。炭素質粒子(A)の比表面積を0.5m/g以上とすることで、リチウムイオンの受け入れ性が良くなり、20m/g以下とすることで不可逆容量の増加による電池容量の減少を防ぐことができる。
(d)X線広角回折法による002面の面間隔(d002)及びLc
(d−i)炭素質粒子(A)の002面の面間隔(d002)
炭素質粒子(A)は、X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が3.37Å以下、Lcが900Å以上であることが好ましい。X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が3.37Å以下、Lcが900Å以上であることは、炭素質粒子(A)の結晶性が高いということである。炭素質粒子(A)は、結晶性が高いことによって、非晶質炭素からなる炭素層を複合した部分を除き、非晶質炭素材料に見られるような不可逆容量が増加による電池容量の減少を防ぐことができる。X線広角回折法による002面の面間隔(d002)は実施例で後述する方法により測定する。
(d−ii)非晶質炭素の002面の面間隔(d002)
複合型の炭素質粒子(A)の表面の少なくとも一部に備えた非晶質炭素からなる炭素層のX線広角回折法による002面の面間隔(d002)は3.40Å以上、Lcが500Å以下であることが好ましい。002面の面間隔(d002)を3.40Å以上、Lcを500Å以下とすることにより、リチウムイオンの受け入れ性が向上することができる。
(e)真密度
近似楕円体に球形化した球形化黒鉛からなる炭素質粒子(A)の真密度は、好ましくは2.1g/cm以上である。より好ましくは2.15g/cm以上であり、更に好ましくは2.2g/cm以上である。真密度は後述する実施例の方法により測定する。真密度が2.1g/cm以上であるとは、球形化黒鉛の本体の結晶性が高いことを示し、不可逆容量の少ない高容量の負極材を得ることをできる。
〔鱗片状黒鉛粒子(A1)〕
また、本発明の負極材は、近似楕円体である炭素質粒子(A)の他に、鱗片状黒鉛粒子(A1)を混合してもよい。鱗片状黒鉛(A1)は、黒鉛の結晶性が完全に近い結晶を示すように高純度化した天然黒鉛からなるものと、人工的に形成した黒鉛からなるものとがある。鱗片状黒鉛粒子(A1)は、天然黒鉛からなるものであることが好ましい。本明細書において鱗片状とは、鱗片状黒鉛(A1)の短径に対する長径の長さの比である平均アスペクト比が2.1以上のものをいう。
電極の活物質層は、炭素質粒子(A)同士が形成する間隙に、面及びエッジが接触する鱗片状黒鉛(A1)が存在し、部分的に鱗片状黒鉛(A1)が炭素質粒子(A)の間に跨って橋渡した構造を有する。この構造によって、電極の活物質層は、充放電に伴うリチウムイオン等のアルカリイオンの吸蔵・放出により炭素質粒子(A)に体積変化が生じ、炭素質粒子(A)同士の接点が離隔した場合であっても、鱗片状黒鉛(A1)によって、炭素質粒子(A)の間の導電パスを確保することができる。このため、電池は、サイクル特性を向上することができる。また、電極の活物質層は、炭素質粒子(A)と鱗片状黒鉛(A1)によって形成された間隙に、酸化珪素粒子(B)が存在した構造を有する。酸化珪素粒子(B)は、Liイオン等のアルカリイオンを出入りさせやすく高活性である。このため、電池は、更なる高容量化を実現することができる。また、電極の活物質層において、炭素質粒子(A)と鱗片状黒鉛(A1)によって形成された間隙が、充放電によるLiイオン等のアルカリイオンの吸蔵・放出に伴う酸化珪素粒子の体積変化を吸収する。このため、電極の活物質層は、Liイオン等のアルカリイオンの吸蔵・放出を伴う充放電の繰り返しによる劣化が抑制される。また、電池は、サイクル特性を向上することができる。更に、電極の活物質層は、炭素質粒子(A)と鱗片状黒鉛(A1)が形成する間隙によって、電極内のLiイオン等のアルカリイオンの拡散パスが確保される。このため、電池は、レート特性も向上することができる。
<鱗片状黒鉛(A1)の物性>
(a−2)50%粒子径(d50)
鱗片状黒鉛(A1)の50%粒子径(d50)Rgは、好ましくは2〜30μmであり、より好ましくは3〜28μm、更に好ましくは4〜26μmである。鱗片状黒鉛(A1)の50%粒子径がこの範囲であれば、電極とした場合に、比表面積が大きくなることによる不可逆容量の増加を防ぐことができる。また、鱗片状黒鉛(A1)の50%粒子径(d50)Rgが大きすぎると、鱗片状黒鉛(A1)を混合した電極用材料をバインダーや水、或いは有機溶媒を加えてスラリー状として塗布する工程で、大粒子に起因したスジ引きや凹凸を生じることがある。ここで50%粒子径(d50)は、レーザー回折・散乱式粒度分布測定により測定される体積基準のメジアン径をいう。
(b−2)アスペクト比
粒子の短径に対する長径の長さの比であるアスペクト比は、2.1〜10が好ましい。アスペクト比は、2.3〜9であることがより好ましく、2.5〜8であることが更に好ましい。アスペクト比がこの範囲であると、炭素質粒子(A)と鱗片状黒鉛(A1)とを含む電極は、酸化珪素粒子(B)が存在可能となる好適な間隙を形成しつつ、点接触する炭素質粒子(A)の間に面及びエッジが接触する鱗片状黒鉛(A1)が存在し、部分的に鱗片状黒鉛(A1)が炭素質粒子(A)間に跨って炭素質粒子(A)を橋渡すように接触した構造とすることができる。この構造によって、電極は、充放電の繰り返しにより、点接触している炭素質粒子(A)同士が離れた場合であっても、鱗片状黒鉛(A1)によって橋渡しされている炭素質粒子(A)の導電パスを確保する。このため、電池は、サイクル特性を向上することができる。鱗片状黒鉛(A1)のアスペクト比は後述する実施例の方法を用いて測定することができる。
(c−2)タップ密度
鱗片状黒鉛(A2)のタップ密度は、好ましく0.1g/cm以上であり、より好ましくは0.15g/cm以上である。また、鱗片状黒鉛(A1)のタップ密度は、好ましくは0.2g/cm以下であり、より好ましくは2.0g/cm以下、更に好ましくは1.6g/cm以下である。鱗片状黒鉛(A1)のタップ密度がこの範囲であると、炭素質粒子(A)と鱗片状黒鉛(A1)は、酸化珪素粒子(B)が存在可能となる間隙を形成しつつ、炭素質粒子(A)の粒子間を跨いで鱗片状黒鉛(A1)が橋渡す構造を形成した場合であっても、電極の強度を低下させることがない。電極の活物質層は、充放電による酸化珪素粒子(B)、炭素質粒子(A)及び鱗片状黒鉛(A1)の体積変化を吸収し、体積変化に伴って生じる電極活物質の劣化を抑制することができる。このため、電池は、サイクル特性を向上することができる。タップ密度は後述する実施例の方法により測定する。
(d−2)BET法による比表面積
鱗片状黒鉛(A1)のBET法による比表面積は好ましくは1〜40m/gである。鱗片状黒鉛(A1)のBET法による比表面積は2〜35m/gであることがより好ましく、3〜30m/gであることが更に好ましい。鱗片状黒鉛(A1)のBET法による比表面積は、リチウムイオン等のアルカリイオンの受け入れ性が良くなり、40m/g以下とすることで不可逆容量の増加による電池容量の減少を防ぐことができる。BET法比表面積は後述する実施例の方法により測定する。
(e−2)002面の面間隔(d002)及びLc鱗片状黒鉛(A1)のX線広角回折法による002面の面間隔(d002)は0.337nm以下である。一方黒鉛の002面の面間隔の理論値は0.335nmであるため、黒鉛の002面の面間隔は通常0.335nm以上である。また、鱗片状黒鉛(A1)のX線広角回折法によるLcは90nm以上、好ましくは95nm以上である。002面の面間隔(d002)が0.337nm以下であると、鱗片状黒鉛(A1)の結晶性が高いことを示し、電池を高容量化する負極材を得ることができる。また、Lcが90nm以上である場合にも、結晶性が高いことを示し、高容量となる負極材を得ることができる。X線広角回折法による002面の面間隔(d002)と、Lcは後述する実施例の方法により測定する。
(f−2)真密度
鱗片状黒鉛(A1)の真密度は好ましくは2.1g/cm以上、より好ましくは2.15g/cm以上、更に好ましくは2.2g/cm以上である。真密度が2.1g/cm以上の結晶性の高い黒鉛であると、不可逆容量の少ない高容量の負極材を得ることができる。鱗片状黒鉛(A1)の真密度は後述する実施例の方法により測定する。
(g−2)粒子短径の長さ
鱗片状黒鉛(A1)の短径の長さは、好ましくは15μm以下、より好ましくは10μm以下、更に好ましくは8μm以下である。また、鱗片状黒鉛(A1)の短径の長さは、好ましくは0.9μm以上である。鱗片状黒鉛(A2)の短径の長さが大きすぎると、間隙に存在する酸化珪素粒子の体積変化を十分吸収することができない場合がある。また、鱗片状黒鉛(A2)の短径の長さが小さすぎると、炭素質粒子(A)と鱗片状黒鉛(A1)との接触が保たれず、導電パス切れを起こす可能性がある。鱗片状黒鉛(A1)の短径の長さの測定は、後述する実施例の方法を用いてアスペクト比の測定を行う際に短径を測定する方法と同様の方法で行うことができる。
<鱗片状黒鉛(A1)の製造>
鱗片状黒鉛(A1)は、前述の性状であれば、どのような製法で作製しても問題ない。例えば、鱗片状、塊状又は板状の天然黒鉛をそのまま用いることができる。例えば、石油コークス、石炭ピッチコークス、石炭ニードルコークス、メソフェーズピッチ等を2500℃以上に加熱して人造黒鉛を製造し、これらの人造黒鉛を、必要により、不純物除去、粉砕、篩い分けや分級処理を行って製造してもよい。
〔炭素質粒子(A)と鱗片状黒鉛(A1)の質量比〕
炭素質粒子(A)と鱗片状黒鉛(A1)の質量比(炭素質粒子(A):鱗片状黒鉛(A1))は、95:5〜5:95であることが好ましい。炭素質粒子(A)と鱗片状黒鉛(A1)の質量比がこの範囲であると、電極の活物質層は、炭素質粒子(A)と鱗片状黒鉛(A1)が酸化珪素粒子(B)が存在可能となる好適な間隙を形成しつつ、鱗片状黒鉛(A1)が、炭素質粒子(A)の粒子間を跨いで炭素質粒子(A)を橋渡すように接触した構造を有する。炭素質粒子(A)と鱗片状黒鉛(A1)との質量比は、より好ましくは90:10〜10:90であり、更に好ましくは85:15〜15:85である。
〔酸化珪素粒子(B)〕
酸化珪素粒子(B)は、二酸化珪素(SiO)を原料とし、金属珪素(Si)及び/又は炭素を用いて、SiOを熱還元させることにより得られる、SiOは、xの値が0<x<2で表される珪素酸化物からなる粒子の総称である。珪素(Si)は、黒鉛と比較して理論容量が大きい。更に非晶質珪素酸化物は、リチウムイオンの出入りがしやすく、高容量を得ることが可能となる。
本発明で用いる酸化珪素粒子(B)としては、一般式SiO(xは0.5≦x≦1.6である)で示される酸化珪素粒子(B)であることが好ましい。一般式SiOのxの範囲は、より好ましくはxが0.6≦x≦1.5であり、更に好ましくはxが1.3以下であり、特に好ましくxが1.2以下である。一般式SiOのxが0.5≦x≦1.6の範囲であると、リチウムイオンの出入りのしやすい高活性な非晶質の粒子となる。したがって、電池は、高容量化、高サイクル維持率を実現することができる。一般式SiOのxの値が0.5よりも小さいと、Liイオンの出入りのしやすい高活性な非晶質Siの割合が大きくなり、電池を高容量化することができる反面、Liイオンの吸蔵・放出に伴う体積変化が大きくなる。非晶質Siの割合が大きな酸化珪素粒子(B)の大きな体積変化が吸収しきれない場合には、酸化珪素粒子(B)自体に割れ等が発生し、結果として電池のサイクル特性が低下する場合がある。一般式SiOのxが1.6よりも大きいと、Liイオンと酸化珪素粒子(B)に含まれる酸素が反応し、不可逆容量の大きくなり、電池の容量の低下を招く場合がある。
酸化珪素粒子(B)は、酸化珪素粒子を核として、この表面の少なくとも一部に非晶質炭素からなる炭素層を備えた複合型の酸化珪素粒子(B)を用いてもよい。酸化珪素粒子(B)は、非晶質炭素からなる炭素層を備えていない酸化珪素粒子及び複合型の酸化珪素粒子からなる群より選ばれる1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。ここで、「表面の少なくとも一部に非晶質炭素からなる炭素層を備えた」とは、炭素層が酸化珪素粒子の表面の一部又は全部を層状に覆う形態のみならず、炭素層が酸化珪素粒子の表面の一部又は全部に付着・添着する形態をも包含する。複合型の酸化珪素粒子(B)は、表面の全部を被覆した炭素層を備えていてもよく、表面の一部に被覆、付着又は添着した炭素層を備えていてもよい。
以下に酸化珪素粒子(B)の物性を記載する。酸化珪素粒子及び非晶質炭素からなる炭素層を備えた複合型の酸化珪素粒子は以下の共通する物性を有する。なお、下記物性値は特に規定がない場合は、電極を形成する前の粉末状のものの物性値でもよく、電極から取り出して測定したものの物性値でもよく、又は電極内のものの物性値でもよい
<酸化珪素粒子(B)の物性>
(f)酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rs
酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsは、好ましくは0.01〜10μm、より好ましくは0.1〜9μm、更に好ましくは0.5〜8μmである。平均粒子径Rsがこの範囲内であると、電極の活物質層は、炭素質粒子(A)によって形成された間隙に酸化珪素粒子(B)が存在する構造を有する。この構造によって、電極の活物質は、充放電によるリチウムイオンの吸蔵・放出に伴う酸化珪素粒子(B)の体積変化を炭素質粒子(A)同士の間隙が吸収して、酸化珪素粒子(B)の体積変化による劣化が抑制される。このため、結果として電池は、サイクル特性を向上することができる。ここで平均粒子径Rsは、レーザー回折・散乱式粒度分布測定により測定される体積基準のメジアン径をいう。
(g)酸化珪素粒子(B)のBET法による比表面積
酸化珪素粒子(B)のBET法により比表面積は0.5〜100m/gであることが好ましく、1〜60m/gであることがより好ましく、1〜40m/gであることが更に好ましい。酸化珪素粒子(B)のBET法による比表面積がこの範囲内であると、炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)を含む電極は、電解液内のリチウムイオンの移動性と、充放電時における炭素質粒子(A)及び酸化珪素粒子(B)への十分なリチウムイオンの出入りを確保することができる。このため、電池は、高容量化を実現することができる。酸化珪素粒子(B)のBET法による比表面積が0.5m/gを下回ると、リチウムイオンの入出力の効率が低下し、かつ酸化珪素粒子(B)が比較的大きくなり、炭素質粒子(A)同士の間隙に酸化珪素粒子(B)が存在し難しくなる。一方、比表面積が60m/gを上回ると、酸化珪素粒子(B)が小さくなりすぎて、電池の不可逆容量が増大し、容量の低下を招く。BET法比表面積は後述する実施例の方法により測定する。
<酸化珪素粒子(B)の製造方法>
酸化珪素粒子(B)は、本発明の特性を満たすものであれば、製造方法は問わないが、例えば、特許第3952118号公報に記載されたような方法によって製造された酸化珪素粒子(B)を使用することができる。具体的には、二酸化珪素粉末と、金属珪素粉末又は炭素粉末とを特定の割合で混合し、この混合物を反応器に充填した後、常圧又は特定の圧力に減圧し、1000℃以上に昇温し、保持してSiOガスを発生させ、冷却析出させて、一般式SiO(xは0.5≦x≦1.6)粒子を得ることができる。析出物は、力学的エネルギー処理を与えることで、粒子とすることができる。
力学的エネルギー処理は、例えば、ボールミル、振動ボールミル、遊星ボールミル、転動ボールミル等の装置を用いて、反応器に充填した原料と、この原料と反応しない運動体を入れて、これに振動、回転又はこれらが組み合わされた動きを与える方法によって、前記特性を満たす酸化珪素粒子(B)を形成することができる。
<複合型の酸化珪素粒子(B)の製造方法>
複合型の酸化珪素粒子(B)を製造する方法は以下の方法が挙げられる。例えば、石油系や石炭系のタールやピッチ、ポリビニルアルコール、ポリアクリルニトリル、フェノール樹脂、セルロース等の樹脂を必要により溶媒等を用いて混合し、この混合物と、酸化珪素粒子(B)とを、非酸化性雰囲気で500℃〜3000℃、好ましくは700℃〜2000℃、より好ましくは800〜1500℃で焼成することによって、酸化珪素粒子(B)を製造することができる。
〔比Rs/Rg〕
本発明において、炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgと、酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsとの比Rs/Rgは0.001〜5であることが好ましい。比Rs/Rgは、より好ましくは0.01〜4、更に好ましくは0.05〜3、特に好ましくは0.1〜2である。比Rs/Rgがこの範囲内であると、電極の活物質層は、炭素質粒子(A)によって形成された間隙に、酸化珪素粒子(B)を存在させた構造を有する。酸化珪素粒子(B)は、理論容量が炭素質粒子(A)よりも大きく、リチウムイオンも出入りのしやすい。更に、電極の活物質は、炭素質粒子(A)によって形成された間隙が、充放電によるリチウムイオンの吸蔵・放出に伴う酸化珪素粒子(B)の体積変化を吸収するため、酸化珪素粒子(B)の体積変化に伴う導電パス切れが抑制される。このため、結果として電池は、サイクル特性向上し、高容量化を実現することができる。
〔混合割合〕
本発明の非水系二次電池用負極材は、炭素質粒子(A)100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)1〜50質量部含むことが好ましい。非水系二次電池用負極材が、炭素質粒子(A)100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)をこの範囲で含むものである場合には、電極の活物質層は、炭素質粒子(A)によって形成された間隙に酸化珪素粒子(B)を存在させた構造を有する。このため、更なる高容量化の実現と、サイクル特性を向上させることができる。酸化珪素粒子(B)は、炭素質粒子(A)100質量部に対して、より好ましくは1.2〜40質量部、更に好ましくは1.5〜30質量部、特に好ましくは2〜20質量部である。
〔混合物のタップ密度〕
炭素質粒子(A)100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)1〜50質量部含む混合物のタップ密度は、好ましくは0.8〜1.8g/cmである。炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)の混合物のタップ密度がこの範囲内であると、電極の活物質層は、炭素質粒子(A)によって形成された間隙に電解液及び酸化珪素粒子(B)を存在させた構造を有する。このため、電池は、高容量化を実現することができる。タップ密度は、より好ましくは0.9〜1.7g/cm、更に好ましくは1.0〜1.6g/cmである。
〔電極の細孔容量〕
まず、炭素質粒子(A)100質量部と、酸化珪素粒子(B)1〜50質量部とを含む非水系二次電池用負極材に、結着樹脂を炭素質粒子(A)100質量部に対して10質量部以下加え、水性又は有機系媒体でスラリーとする。このスラリーに必要により増粘材を加えて、スラリーを集電体に塗布し、乾燥することにより活物質層の目付けが6〜20mg/cmである電極を製造する。得られた電極は、1.2〜1.8g/cmの活物質層密度にプレスした状態、又は未プレスの状態で、水銀圧入法により細孔容量を測定する。電極の水銀圧入法による10nm〜100000nmの範囲の細孔容量は0.05ml/g以上であることが好ましく、0.1ml/g以上であることがより好ましい。電極の細孔容量は、後述する実施例の方法により測定する。電極の細孔容量を0.05ml/g以上とすることにより、電極は、Liイオン等のアルカリイオンが出入りする面積を大きくすることができる。
[負極]
本発明の負極材を用いて負極を作製するには、負極材に結着樹脂を配合したものを水性又は有機系媒体でスラリーとし、必要によりこれに増粘材を加えて集電体に塗布し、乾燥すればよい。
結着樹脂としては、非水電解液に対して安定で、かつ非水溶性のものを用いるのが好ましい。例えば、スチレン、ブタジエンゴム、イソプレンゴム及びエチレン・プロピレンゴム等のゴム状高分子;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアクリル酸、及び芳香族ポリアミド等の合成樹脂;スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体やその水素添加物、スチレン・エチレン・ブタジエン、スチレン共重合体、スチレン・イソプレン及びスチレンブロック共重合体並びにその水素化物等の熱可塑性エラストマー;シンジオタクチック−1,2−ポリブタジエン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、及びエチレンと炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体等の軟質樹脂状高分子;ポリテトラフルオロエチレン・エチレン共重合体、ポリビニデンフルオライド、ポリペンタフルオロプロピレン及びポリヘキサフルオロプロピレン等のフッ素化高分子等を用いることができる。有機系媒体としては、例えば、N−メチルピロリドン及びジメチルホルムアミドを挙げることができる。
結着樹脂は、負極材100質量部に対して通常は0.1質量部以上、好ましくは0.2質量部以上用いるのが好ましい。結着樹脂の割合を負極材100質量部に対して0.1質量部以上とすることで、負極材料相互間や負極材料と集電体との結着力が十分となり、集電体から負極材料からなる活物質層が剥離することによる電池容量の減少やリサイクル特性の悪化を防ぐことができる。
また、結着樹脂は負極材100質量部に対して10質量部以下とするのが好ましく、7質量部以下とするのがより好ましい。結着樹脂の割合を負極材100質量部に対して10質量部以下とすることにより、負極の容量の減少を防ぎ、かつリチウムイオンの負極材料への出入が妨げられる等の問題を防ぐことができる。
スラリーに添加する増粘材としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース及びヒドロキシプロピルセルロース等の水溶性セルロース類、ポリビニルアルコール並びにポリエチレングリコール等を用いればよい。なかでも好ましいのはカルボキシメチルセルロースである。増粘材は負極材料100質量部に対して、通常は0.1〜10質量部、好ましくは0.2〜7質量部となるように用いるのが好ましい。
負極集電体としては、従来からこの用途に用い得ることが知られている、例えば、銅、銅合金、ステンレス鋼、ニッケル、チタン及び炭素等を用いればよい。集電体の形状は通常はシート状であり、その表面に凹凸をつけたもの、ネット及びパンチングメタル等を用いるものも好ましい。
負極は、集電体に負極材と結着樹脂のスラリーを塗布・乾燥した後は、加圧して集電体上に形成された負極活物質層の密度を大きくし、もって負極活物質層の単位体積当たりの電池容量を大きくするのが好ましい。負極活物質層の密度は1.2〜1.8g/cmの範囲にあることが好ましく1.3〜1.6g/cmであることがより好ましい。
負極活物質層の密度を1.2g/cm以上とすることで、電極の厚みの増大に伴う電池の容量の低下を防ぐことができる。また、負極活物質層の密度を1.8g/cm以下とすることで、電極内の粒子間空隙の減少に伴い空隙に保持される電解液量が減り、リチウムイオン等のアルカリイオンの移動性が小さくなり急速充放電性が小さくなるのを防ぐことができる。
負極の活物質層は、炭素質粒子(A)によって形成された間隙に酸化珪素粒子(B)が存在した構造を有する。これにより、電池は、高容量化し、サイクル特性を向上させることができる。
[非水系二次電池]
本発明に係る非水系二次電池は、前記の負極を用いる以外は、常法に従って作製することができる。正極材料としては、例えば、基本組成がLiCoOで表されるリチウムコバルト複合酸化物、LiNiOで表されるリチウムニッケル複合酸化物、LiMnO及びLiMnで表されるリチウムマンガン複合酸化物等のリチウム遷移金属複合酸化物、二酸化マンガン等の遷移金属酸化物、並びにこれらの複合酸化物混合物等を用いればよい。更にはTiS、FeS、Nb、Mo、CoS、V、CrO、V、FeO、GeO及びLiNi0.33Mn0.33Co0.33、LiFePO等を用いればよい。
正極は、正極材料に結着樹脂を配合したものを適当な溶媒でスラリー化して集電体に塗布・乾燥することにより正極を作製できる。なおスラリー中にはアセチレンブラック及びケッチェンブラック等の導電材を含有させるのが好ましい。また所望により増粘材を含有させてもよい。
増粘材及び結着樹脂としては、この用途に周知のもの、例えば、負極の作製に用いるものとして例示したものを用いればよい。正極材料100質量部に対する配合比率は、導電剤は0.5〜20質量部が好ましく、特に1〜15質量部が好ましい。増粘材は0.2〜10質量部が好ましく、特に0.5〜7質量部が好ましい。
正極材料100質量部に対する結着樹脂の配合比率は、結着樹脂を水でスラリー化して用いる場合には、0.2〜10質量部が好ましく、特に0.5〜7質量部が好ましい。結着樹脂をN−メチルピロリドン等の結着樹脂を溶解する有機溶媒でスラリー化して用いる場合には、0.5〜20質量部、特に1〜15質量部が好ましい。
正極集電体としては、例えば、アルミニウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、ニオブ及びタンタル等並びにこれらの合金が挙げられる。なかでもアルミニウム、チタン及びタンタル並びにその合金が好ましく、アルミニウム及びその合金が最も好ましい。
電解液も従来周知の非水溶媒に種々のリチウム塩を溶解させたものを用いることができる。非水溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート及びビニレンカーボネート等の環状カーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジエチルカーボネート等の鎖状カーボネート、γ−ブチロラクトン等の環状エステル、クラウンエーテル、2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメチルテトラヒドロフラン及び1,3−ジオキソラン等の環状エーテル、1,2−ジメトキシエタン等の鎖状エーテル等を用いればよい。通常はこれらをいくつか併用する。なかでも環状カーボネートと鎖状カーボネート、又はこれに更に他の溶媒を併用するのが好ましい。
またビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、無水コハク酸、無水マレイン酸、プロパンスルトン及びジエチルスルホン等の化合物やジフルオロリン酸リチウムのようなジフルオロリン酸塩等が添加されていてもよい。更に、ジフェニルエーテル及びシクロヘキシルベンゼン等の過充電防止剤が添加されていてもよい。
非水溶媒に溶解させる電解質としては、例えば、LiClO、LiPF、LiBF、LiCFSO、LiN(CFSO、LiN(CFCFSO、LiN(CFSO)(CSO)及びLiC(CFSO等を用いればよい。電解液中の電解質の濃度は通常は0.5〜2モル/リットル、好ましくは0.6〜1.5モル/リットルである。
正極と負極との間に介在させるセパレーターには、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィンの多孔性シートや不織布を用いるのが好ましい。
本発明に係る非水系二次電池は、負極/正極の容量比を1.01〜1.5に設計することが好ましく1.2〜1.4に設計することがより好ましい。非水系二次電池は、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備えるリチウムイオン二次電池であることが好ましい。
次に実施例により本発明の具体的態様を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
なお、本明細書における近似楕円体の扁平率f、平均粒子径、タップ密度、BET法比表面積、X線回折、真密度等の測定は次記により行った。
扁平率;炭素質粒子(A)のみと結着樹脂(バインダー)とを配合して水性又は有機系媒体でスラリーとし、必要によりこれに増粘材を加えて集電体に塗布し、乾燥することにより活物質層の目付け7〜8mg/cmの電極(負極)を作製した。この電極(負極)を1.2〜1.8g/cmの活物質層密度にプレスした状態、又は未プレスの状態でクロスセクションポリッシャー(CP)によって切り出した。切り出された電極断面を走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した。撮影した電極断面の画像中の炭素質粒子(A)100個の各断面楕円を画像解析ソフトImageProPlus(Media Cybernetics社製 日本ローパー社販売)を用いて近似楕円体断面とした。各近似楕円体断面からそれぞれの長径の長さと短径の長さとを測定し、これらの長径の長さの平均値と短径の長さの平均値を長径aと短径bとした。この長径a及び短径bから下記式(1)で表される扁平率fを算出した。
扁平率f=1−b/a (1)
粒子径;ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレートの2(容量)%水溶液約1mlに、炭素粉末約20mgを加え、これをイオン交換水約200mlに分散させたものを、レーザー回折式粒度分布計(堀場製作所製 LA−920)を用いて体積基準粒度分布を測定し、メジアン径(d50)を求めた。測定条件は超音波分散1分間、超音波強度2、循環速度2、相対屈折率1.50である。
タップ密度;例えば、粉体密度測定器タップデンサーKYT−3000(セイシン企業社製)を用いて測定する。10ccのタップセルに炭素質粒子等を落下させ、セルに満杯に充填したのち、ストローク長10mmのタップを500回行って、そのときの密度をタップ密度とした。
BET法比表面積;大倉理研社製 AMS−8000を用いて測定した。250℃で予備乾燥し、更に30分間窒素ガスを流したのち、窒素ガス吸着によるBET1点法により測定した。
X線回折;炭素粉末に総量の約15質量%のX線標準高純度シリコン粉末を加えて混合したものを材料とし、グラファイトモノクロメーターで単色化したCuKα線を線源とし、反射式ディフラクトメーター法で広角X線回折曲線を測定した。学振法を用いて面間隔
(d002)及び結晶子の大きさ(Lc)を求めた。
真密度;ブタノールを使用した液相置換法(ピクノメータ法)によって、媒体として界面活性剤の0.1%水溶液を用いて測定した。
細孔容量(10nm〜100000nmの範囲の細孔容量);水銀ポロシメーター(機種名:マイクロメリティックス社製・オートポア9520)を用い水銀圧入法により実施した。プレス後、又は未プレスの電極シート2000mmを、正確に切り出し秤量して、真空下(50μm/Hg)室温(24℃)にて10分間の前処理(脱気)を行った後、水銀圧力を4.0psiaから40000psiaに上昇させ、次いで15psiaまで降下させた(全測定点数120ポイント)。測定した120ポイントでは、30psia迄は5秒間、それ以降は各圧力10秒間の平衡時間の後、水銀の圧入量を測定した。
こうして得られた水銀圧入曲線から、Washburnの方程式(D=−(1/P)4γcosψ)を用いて細孔分布を算出した。尚、Dは細孔直径、Pはかかる圧力、γは水銀の表面張力((485dynes/cmを使用)、ψは接触角(140゜を使用))を示す。
アスペクト比;負極表面、集電体の膜面に対して平行な面で切断し研磨した断面、又は負極を集電体の膜面に対して垂直に切断し研磨した断面の写真を撮影し、撮影した負極断面の写真の画像解析により、炭素質粒子(A)又は鱗片状黒鉛(A1)の表面(断面)の長径(最も長い径)、短径を50点以上測定した。測定した長径及び短径のそれぞれについて平均値を求め、これら平均長径と平均短径との比を、アスペクト比(長径/短径)とした。また、負極活物質が負極の形態を維持していない(例えば、粉末状)場合、負極活物質粒子をガラス等の基体となる平板に並べた状態で樹脂包埋し、平板に対し平行な面で研磨や切断し、その断面写真から前述の通り長径を測定した。同様に黒鉛断面の短径を測定し、アスペクト比を求めた。ここで、極板化した粒子は、通常は平板に対して粒子の厚み方向が垂直になるように並ぶ傾向があることから、上記の方法により、粒子に特徴的な長径と短径を得ることができる。なお、粒子の断面(若しくは表面)写真は、一般的には、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope:SEM)を用いて撮影する。但し、SEM写真では炭素質粒子(A)の形状を特定できない場合には、偏光顕微鏡又は透過型電子顕微鏡(Transmission Electron Microscope:TEM)を用いて、上述と同様に断面(表面)写真を撮影することにより、アスペクト比を求めることができる。
本実施例においては、負極を集電体の膜面に対して垂直に切断、研磨し、その断面写真を撮影し、撮影された写真の画像解析により、炭素質粒子(A)の断面の長径、短径を100点測定した。
粒子の短径の長さ:アスペクト比を測定する際に行う短径の測定の方法と同様の方法で測定した。
複合型の炭素質粒子の炭素層の被覆率;次式により求めた。
被覆率(質量%)=100−(K×D)/((K+T)×N)×100
この式において、Kはタールピッチとの混合に供した黒鉛粒子の質量(Kg)、Tは黒
鉛粒子との混合に供した被覆原料であるタールピッチの質量(kg)、DはKとTの混合
物のうち実際に焼成に供した混合物量、Nは焼成後の炭素層を黒鉛粒子の表面の少なくと
も一部に備えた炭素質粒子(A)の質量を示す。
[実施例1]
(炭素質粒子(A))
炭素質粒子(A)は、平均粒子径Rgが19μm、タップ密度が0.95g/cm、BET法比表面積が5.5m/g、X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が3.35ÅでLcが1000Å以上、真密度が2.2g/cm、長径a:18μm、短径b:8.8μmであり、扁平率f:0.51の近似楕円体である天然黒鉛を用いた。なお、炭素質粒子(A)の扁平率を下記測定法により測定した。具体的には、炭素質粒子(A)100質量部に対して、バインダー(結着樹脂)としてカルボキシメチルセルロース(CMC)1質量%水溶液300質量部及びスチレンブタジエンゴム(SBR)48質量%水性ディスパージョン6.25質量部とを、ハイブリダイズミキサーにて、混練し、スラリーとした。このスラリーを厚さ18μmの圧延銅箔上にブレード法で、目付け7〜8mg/cmとなるように塗布し、乾燥させて炭素質粒子の扁平率測定用の試料用負極を得た。この負極を未プレス状態のクロスセクションポリッシャーによって切り出し、前述の測定法により長径a、短径bを測定し、この長径a及び短径bから扁平率fを算出した。図1に、未プレス状態でクロスセクションポリッシャーによって切り出した試料用負極断面の走査型電子顕微鏡(SEM)による500倍率の写真を示す。
(酸化珪素粒子(B))
酸化珪素粒子(B)は、市販のSiO粒子(SiOのx=1)粒子(大阪チタニウムテクノロジーズ)を用いた。SiO粒子は、メジアン径(d50)Rsが6μmであり、BET比表面積が6m/gであった。
〔炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)の混合物〕
炭素質粒子(A)を100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)11質量部を乾式混合し、混合物とした。炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgが19μmであり、酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsが6μmであるので、両者の比Rs/Rgは0.316であった。また、混合物のタップ密度は、1.1g/cmであった。
〔性能評価用電池の作製〕
炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)の前記混合物100質量部と、バインダー(結着樹脂)としてカルボキシメチルセルロース(CMC)1質量%水溶液300質量部及びスチレンブタジエンゴム(SBR)48質量%水性ディスパージョン6.25質量部とをハイブリダイズミキサーにて、混練し、スラリーとした。このスラリーを厚さ18μmの圧延銅箔上にブレード法で、目付け7〜8mg/cmとなるように塗布し、乾燥させた。その後、電極密度1.4〜1.5g/cmとなるようにロードセル付の250mφロールプレスにてロールプレスし、直径12.5mmの円形状に打ち抜き、110℃で2時間、真空乾燥し、評価用の負極とした。未プレスの状態で、水銀ポリシメータにより、電極の細孔容積を測定した結果、0.18ml/gであった。
電池は、負極と、対極としてLi箔とを電解液を含浸させたセパレーターを介して重ねて、充放電試験用の電池を作製した。電解液としてはエチレンカーボネート:ジメチルカーボネート:エチルメチルカーボネート=3:3:4(重量比)混合液に、LiPF6を1モル/リットルとなるように溶解させたものを用いた。
先ず0.12mA/cmの電流密度で正極及び負極に対して5mVまで充電し、更に5mVの一定電圧で電流値が0.012mAになるまで充電し、負極中にリチウムをドープした後、0.12mA/cmの電流密度で正極及び負極に対して1.5Vまで放電を行った。このサイクルを2回繰り返し、初期調整とした。
3サイクル以降は、0.49mA/cmの電流密度で正極及び負極に対して5mVまで充電し、更に、5mVの一定電圧で電流値が0.049mAになるまで充電し、負極中にリチウムをドープした後、0.49mA/cmの電流密度で正極及び負極に対して1.5Vまで放電を行った。実施例1の電池を用いて、次のサイクル特性評価を行った。結果を表1に示す。
<サイクル特性評価>
電池は、3サイクル以降の充放電サイクルを50回繰り返し、下記式(2)により容量維持率を求め、下記式(3)により50サイクル時の充放電効率を評価した。負極活物質重量は、負極重量から負極と同面積に打ち抜いた銅箔の重量を差し引くことによって求めた。
容量維持率
容量維持率(%)={53サイクル時の放電容量(mAh/g)/3サイクル時の放電容量(mAh/g)}×100 (2)
50サイクル時の充放電効率
50サイクル時の充放電効率(%)={53回サイクル時の放電容量(mAh/g)/53サイクル時の充電容量(mAh/g)}×100 (3)
[実施例2]
(炭素質粒子(A)及び酸化珪素粒子(B))
炭素質粒子(A)は、平均粒子径Rgが23μm、タップ密度が1.0g/cm、BET法比表面積が5.6m/g、X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が3.35ÅでLcが1000Å以上、真密度が2.2g/cm、長径a:22.1μm、短径b:11.5μmであり、扁平率f:0.48の近似楕円体である天然黒鉛を用いた。酸化珪素粒子(B)は、市販のSiO粒子(SiOxのx=1)粒子(大阪チタニウムテクノロジーズ)を用いた。SiO粒子は、メジアン径(d50)Rsが6μmであり、BET比表面積が6m/gであった。
〔炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)の混合物〕
炭素質粒子(A)を100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)11質量部を乾式混合し、混合物とした。炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgが23μmであり、酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsが6μmであるので、両者の比Rs/Rgは0.261であった。また、混合物のタップ密度は、1.15g/cmであった。
〔性能評価用電池の作製〕
炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)の混合物を用いて、実施例1と同様にして、評価用の負極を作製した。実施例1と同様にして、評価用の電池を作製し、前記と同様のサイクル特性評価を行った結果を表1に示す。
[実施例3]
(炭素質粒子(A)及び酸化珪素粒子(B))
炭素質粒子(A)は、平均粒子径Rgが17.7μm、タップ密度が0.7g/cm、BET法比表面積が6.5m/g、X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が3.35ÅでLcが1000Å以上、真密度が2.2g/cm、長径a:17.4μm、短径b:6.6μmであり、扁平率f:0.62の近似楕円体である天然黒鉛を用いた。
酸化珪素粒子(B)は、市販のSiO粒子(SiOのx=1)粒子(大阪チタニウムテクノロジーズ)を用いた。SiO粒子は、メジアン径(d50)Rsが6μmであり、BET比表面積が6m/gであった。
〔炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)の混合物〕
炭素質粒子(A)を100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)11質量部を乾式
混合し、混合物とした。炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgが17.7μmであり、酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsが6μmであるので、両者の比Rs/Rgは0.339であった。また、混合物のタップ密度は、0.8g/cmであった。
〔性能評価用電池の作製〕
炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)の混合物を用いて、実施例1と同様にして、評価用の負極を作製した。実施例1と同様にして、評価用の電池を作製し、前記と同様のサイクル特性評価を行った結果を表1に示す。
[実施例4]
(複合型の炭素質粒子(A))
複合型の炭素質粒子(A)は、平均粒子径Rgが19μm、タップ密度が0.95g/cm、BET法比表面積が5.5m/g、X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が3.35ÅでLcが1000Å以上、真密度が2.2g/cm、長径a:18μm、短径b:8.8μmであり、扁平率f:0.51の近似楕円体である天然黒鉛に、炭素被覆を以下の手順で実施した。前記炭素質粒子(A)100質量部と石炭由来のピッチ9.4質量部を、予め128℃に加熱されたマチスケータ型撹拌翼をもつニーダーに投入し、20分間混合した。得られたスラリー状の混合物を回分式加熱炉で窒素/酸素混合雰囲気下にて、350℃で1時間加熱し、その後900℃に温度を保持して、更に1時間加熱処理した。不活性雰囲気下で放冷後、得られた粉体を粉砕し、黒鉛粒子の表面の少なくとも一部に非晶質炭素からなる炭素層を備えた複合型の炭素質粒子(A)を得た。
複合型の炭素質粒子(A)は、非晶質炭素からなる炭素層の被覆率が3質量%、平均粒子径Rgが19μm、アスペクト比が1.62、X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が3.35ÅでLcが1000Å以上、タップ密度が1.10g/cm、BET法比表面積2.8m/g、真密度2.2g/cmであった。
また、使用した石炭由来のピッチを単独で窒素性雰囲気中1300℃まで焼成し、その後室温まで冷却し、粉砕を行うことで得た非晶質炭素単独材のX線広角回折法による002面の面間隔(d002)は3.45Å、Lcは24Åであった。
(酸化珪素粒子(B))
酸化珪素粒子(B)は、市販のSiO粒子(SiOのx=1)粒子(大阪チタニウムテクノロジーズ)を用いた。SiO粒子は、メジアン径(d50)Rsが6μmであり、BET比表面積が6m/gであった。
〔複合型の炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)の混合物〕
炭素質粒子(A)を100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)を11質量部を乾式混合し、混合物とした。炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgが19μmであり、酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsが6μmであるので、両者の比Rs/Rgは0.316であった。また、混合物のタップ密度は、1.1g/cmであった。
〔性能評価用電池の作製〕
複合型の炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)の混合物を用いて、実施例1と同様にして、評価用の負極を作製した。実施例1と同様にして、評価用の電池を作製し、前記と同様のサイクル特性評価を行った結果を表1に示す。
[実施例5]
(炭素質粒子(A))
炭素質粒子(A)は、平均粒子径Rgが19μm、タップ密度が0.95g/cm、BET法比表面積が5.5m/g、X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が3.35ÅでLcが1000Å以上、真密度が2.2g/cm、長径a:18μm、短径b:8.8μmであり、扁平率f:0.51の近似楕円体である天然黒鉛を用いた。
(複合型の酸化珪素粒子(B))
酸化珪素粒子(B)は、市販のSiO粒子(SiOのx=1)粒子(大阪チタニウムテクノロジーズ)(メジアン径(d50)Rs;6μm、BET比表面積;6m/g)に炭素被覆を施した粒子を用いた。炭素被覆を以下の手順で実施した。前記酸化珪素粒子(B)100質量部と石炭由来のピッチ9.4質量部を、予め128℃に加熱されたマチスケータ型撹拌翼をもつニーダーに投入し、20分間混合した。得られたスラリー状の混合物を回分式加熱炉で窒素/酸素混合雰囲気下にて、350℃で1時間加熱し、その後900℃に温度を保持して、更に1時間加熱処理した。不活性雰囲気下で放冷後、得られた粉体を粉砕し、黒鉛粒子の表面の少なくとも一部に非晶質炭素からなる炭素層を備えた複合型の酸化珪素粒子(B)を得た。
〔炭素質粒子(A)と複合型の酸化珪素粒子(B)の混合物〕
炭素質粒子(A)を100質量部に対して、複合型の酸化珪素粒子(B)11質量部を乾式混合し、混合物とした。炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgが19μmであり、酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsが6μmであるので、両者の比Rs/Rgは0.316であった。また、混合物のタップ密度は、1.1g/cmであった。
〔性能評価用電池の作製〕
炭素質粒子(A)と複合型の酸化珪素粒子(B)の混合物を用いて、実施例1と同様にして、評価用の負極を作製した。実施例1と
同様にして、評価用の電池を作製し、前記と同様のサイクル特性評価を行った結果を
表1に示す。
[実施例6]
(炭素質粒子(A)及び酸化珪素粒子(B))
炭素質粒子(A)は、平均粒子径Rgが19μm、タップ密度が0.95g/cm、BET法比表面積が5.5m/g、X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が3.35ÅでLcが1000Å以上、真密度が2.2g/cm、長径a:18μm、短径b:8.8μmであり、扁平率f:0.51の近似楕円体である天然黒鉛を用いた。酸化珪素粒子(B)は、SiO粒子(SiOのx=0.7)粒子を用いた。SiO粒子は、メジアン径(d50)Rsが0.4μmであり、BET比表面積が100m/gであった。
〔炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)の混合物〕
炭素質粒子(A)を100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)を11質量部を乾式混合し、混合物とした。炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgが19μmであり、酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsが6μmであるので、両者の比Rs/Rgは0.316であった。また、混合物のタップ密度は、0.86g/cmとなる。
〔性能評価用電池の作製〕
炭素質粒子(A)及び酸化珪素粒子(B)の混合物を用いて、実施例1と同様にして、評価用の負極を作製した。実施例1と同様にして、評価用の電池を作製し、前記と同様のサイクル特性評価を行った結果を表1に示す。
[比較例1]
(炭素質粒子(A’))
炭素質粒子(A’)は、平均粒子径Rgが16μm、タップ密度が1.0g/cm、BET法比表面積が7m/g、X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が3.35ÅでLcが1000Å以上、真密度が2.2g/cm、長径a:14.7μm、短径b:9.2μmであり、扁平率f:0.37であり、真円状に近い天然黒鉛を用いた。この炭素質粒子(A’)の長径a、短径bを測定し、この長径a及び短径bから扁平率fを下記測定法により測定した。
具体的には、炭素質粒子(A’)単独:100質量部に対して、バインダー(結着樹脂)としてカルボキシメチルセルロース(CMC)1質量%水溶液300質量部及びスチレンブタジエンゴム(SBR)48質量%水性ディスパージョン6.25質量部とを、ハイブリダイズミキサーにて、混練し、スラリーとした。このスラリーを厚さ18μmの圧延銅箔上にブレード法で、目付け7〜8mg/cmとなるように塗布し、乾燥させて炭素質粒子の扁平率測定用の試料用負極を得た。この負極を未プレスの状態でクロスセクションポリッシャーによって切り出した。図2に、未プレスの状態でクロスセクションポリッシャーによって切り出した試料用負極断面の走査型電子顕微鏡(SEM)による2000倍率の写真を示す。
(酸化珪素粒子(B))
酸化珪素粒子(B)は、市販のSiO粒子(SiOのx=1)粒子(大阪チタニウムテクノロジーズ)を用いた。SiO粒子は、メジアン径(d50)Rsが6μmであり、BET比表面積が6m/gであった。
〔炭素質粒子(A’)と酸化珪素粒子(B)の混合物〕
炭素質粒子(A’)を100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)を11質量部を乾式混合し、混合物とした。炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgが16μmであり、酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsが6μmであるので、両者の比Rs/Rgは0.375であった。また、混合物のタップ密度は、1.3g/cmであった。
〔性能評価用電池の作製〕
炭素質粒子(A’)と酸化珪素粒子(B)の混合物を用いて、実施例1と同様にして、評価用の負極を作製した。未プレスの状態で、水銀ポリシメータにより、電極の細孔容積を測定した結果、0.58ml/gであった。前記負極を用いて、実施例1と同様にして、評価用の電池を作製し、前記と同様のサイクル特性評価を行った結果を表1に示す。
[比較例2]
(炭素質粒子(A”))
炭素質粒子(A”)として、鱗片状黒鉛(TIMCAL社製、商品名UF2)を用いた。この炭素質粒子(A”)の扁平率を前記測定法により測定した。具体的には、炭素質粒子(A”)単独:100質量部に対して、バインダー(結着樹脂)としてカルボキシメチルセルロース(CMC)1質量%水溶液300質量部及びスチレンブタジエンゴム(SBR)48質量%水性ディスパージョン6.25質量部とを、ハイブリダイズミキサーにて、混練し、スラリーとした。このスラリーを厚さ18μmの圧延銅箔上にブレード法で、活物質の目付け7〜8mg/cmとなるように塗布し、乾燥させて炭素質粒子の扁平率測定用の試料用負極を得た。この負極をクロスセクションポリッシャーによって切り出し、前記測定法により長径a、短径bを測定し、この長径a及び短径bから扁平率fを算出した。炭素質粒子(A”)は、長径a:5.4μm、短径b:1.65μmであり、扁平率f:0.69であり、鱗片状であった。図3に、クロスセクションポリッシャーで切り出した試料用負極断面の走査型電子顕微鏡(SEM)による10000倍率の写真を示す。
得られた炭素質粒子(A”)は、平均粒子径Rgが5μm、タップ密度が0.3g/cm、BET法比表面積が15m/g、X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が3.35ÅでLcが1000Å以上、真密度が2.2g/cmであった。
(酸化珪素粒子(B))
酸化珪素粒子(B)は、市販のSiO粒子(SiOのx=1)粒子(大阪チタニウムテクノロジーズ)を用いた。SiO粒子は、メジアン径(d50)Rsが6μmであり、BET比表面積が6m/gであった。
〔炭素質粒子(A”)と酸化珪素粒子(B)の混合物〕
炭素質粒子(A”)を100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)を11質量部を乾式混合し、混合物とした。炭素質粒子(A”)の平均粒子径Rgが5μmであり、酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsが6μmであるので、両者の比Rs/Rgは1.2であった。また、混合物のタップ密度は、0.37g/cmであった。
〔性能評価用電池の作製〕
炭素質粒子(A”)と酸化珪素粒子(B)の混合物を用いて、実施例1と同様にして、評価用の負極を作製した。未プレスの状
態で、水銀ポリシメータにより、電極の細孔容積を測定した結果、0.27ml/gであ
った。前記負極を用いて、実施例1と同様にして、評価用の電池を作製し、前記と同様の
サイクル特性評価を行った結果を表1に示す。
[比較例3]
(炭素質粒子(A))
炭素質粒子(A)は、平均粒子径Rgが19μm、タップ密度が0.95g/cm、BET法比表面積が5.5m/g、X線広角回折法による002面の面間隔(d002)が3.35ÅでLcが1000Å以上、真密度が2.2g/cm、長径a:18μm、短径b:8.8μmであり、扁平率f:0.51の近似楕円体である天然黒鉛を用いた。
(市販のSi粒子)
酸化珪素粒子(B)の代わりに、市販のSi粒子(山石金属)を用いた。Si粒子は、メジアン径(d50)Rsが6μmであり、BET比表面積が6m/gであった。
〔炭素質粒子(A)と市販のSi粒子の混合物〕
炭素質粒子(A)を100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)を6質量部を乾式混合し、混合物とした。炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgが19μmであり、Si粒子の平均粒子径Rsが6μmであるので、両者の比Rs/Rgは0.316であった。また、混合物のタップ密度は、1.2g/cmであった。
〔性能評価用電池の作製〕
炭素質粒子(A)と市販のSi粒子の混合物を用いて、実施例1と同様にして、評価用の負極を作製した。実施例1と
同様にして、評価用の電池を作製し、前記と同様のサイクル特性評価を行った結果を
表1に示す。
以下の表1に、実施例1〜6、比較例1〜3の容量維持率及び50サイクル時の充
放電効率を記載する。
表1に示すように、扁平率fが0.38〜0.68の範囲である近似楕円体である炭素質粒子(A)と酸化珪素粒子(B)を含む負極材を用いた電池は、比較例1及び比較例2の負極材を用いた電池と比較して、容量維持率及び充放電効率が良好な数値を示し、高容量を維持しつつ、サイクル特性が向上した。比較例1のように、炭素質粒子(A’)の形状が真円状に近づくと、炭素質粒子(A’)が形成する間隙に存在する酸化珪素粒子(B)の充放電に伴う膨張収縮により、真円状に近い形状の炭素質粒子(A’)の接点が保持されにくくなり、容量維持率、充放電効率が若干低下した。また、比較例2のように、負極の断面における炭素質粒子(A)の形状が鱗片状に近づくと、酸化珪素粒子(B)を存在させ得る間隙を形成し難くなり、酸化珪素粒子(B)を存在させることができないため、容量維持率が低下した。また、比較例2の炭素質粒子(A”)を用いた場合は、充放電に伴い炭素質粒子(A”)同士の接触を確保し難くなり、導電パス切れを起こし、サイクル特性が低下した。また、比較例3の市販のSi粒子を用いた場合は、粒子径が実施例1等と同等であっても、Si粒子が、非晶質の酸化珪素粒子(B)と比較して、リチウムイオンの出入りがし難く、低活性であるため、容量維持率及び充放電効率ともに低下した。
本発明によれば、高容量、かつ、高サイクル特性を併せ持つ非水系二次電池を提供することができる。本発明による非水系二次電池は、近年の電動工具や、電気自動車の用途に求められる特性をも満たすことができ、産業上有用である。

Claims (13)

  1. 炭素質粒子(A)と、酸化珪素粒子(B)とを含み、炭素質粒子(A)が、以下の測定法により求められる長径a及び短径bから算出される下記式(1)で表される扁平率fが0.38〜0.68の近似楕円体であることを特徴とする非水系二次電池用負極材(ただし、扁平状の粒子を複数、集合または結合させてなる、細孔を有する黒鉛粒子である第一の粒子の表面に偏在するように、珪素原子を含有する第二の粒子が、炭素性物質で複合化された複合粒子を含むリチウムイオン二次電池用負極材、及び黒鉛核粒子と、該黒鉛核粒子の表面に形成されている炭化物層と、からなり、該炭化物層には、リチウムを吸蔵及び放出する金属粒子又は金属化合物粒子、あるいは、リチウムを吸蔵及び放出する金属粒子又は金属化合物粒子と黒鉛微粒子とが、埋め込まれているリチウムイオン二次電池の負極材用複合炭素材料を除く)。
    f=1−b/a (1)
    (測定法) 炭素質粒子(A)のみを100質量部と結着樹脂を10質量部以下とを配合して水性又は有機系媒体でスラリーとし、必要によりこれに増粘材を加えて集電体に塗布し、乾燥することにより活物質層の目付け6〜20mg/cmの電極を作製する。得られた電極を、1.2〜1.8g/cmの活物質層密度にプレスした状態、又は未プレスの状態で、クロスセクションポリッシャー(CP)によって切り出し、走査型電子顕微鏡(SEM)により撮影した電極断面の画像中の炭素質粒子100個の各断面楕円を、画像解析ソフトを用いて近似楕円体断面とし、各近似楕円体断面からそれぞれの長径の長さと短径の長さとを測定し、これらの長径の長さの平均値と短径の長さの平均値を長径aと短径bとする。
  2. 炭素質粒子(A)が、黒鉛粒子の表面の少なくとも一部に炭素層を備えたものを含む、請求項1記載の非水系二次電池用負極材。
  3. 炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgと、酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsとの比Rs/Rgが、0.001〜5である、請求項1又は2記載の非水系二次電池用負極材。
  4. 炭素質粒子(A)100質量部に対して、酸化珪素粒子(B)1〜50質量部含む、請求項1〜3のいずれか1項記載の非水系二次電池用負極材。
  5. 酸化珪素粒子(B)が、一般式SiO(xは0.5≦x≦1.6である)で示される、請求項1〜4のいずれか1項記載の非水系二次電池用負極材。
  6. 炭素質粒子(A)の平均粒子径Rgが5〜30μmである、請求項1〜5のいずれか1項記載の非水系二次電池用負極材。
  7. 炭素質粒子(A)の長径aが5〜30μmであり、短径bが1〜25μmである、請求項1〜6のいずれか1項記載の非水系二次電池用負極材。
  8. 酸化珪素粒子(B)の平均粒子径Rsが0.01〜10μmである、請求項1〜7のいずれか1項記載の非水系二次電池用負極材。
  9. 更に鱗片状黒鉛(A1)を含む、請求項1〜8のいずれか1項記載の非水系二次電池用負極材。
  10. 酸化珪素粒子(B)が、表面の少なくとも一部に非晶質炭素からなる炭素層を備えたものを含む、請求項1〜9のいずれか1項記載の非水系二次電池用負極材。
  11. 集電体と、該集電体上に形成された活物質層とを備えた非水系二次電池用負極であって、前記活物質層が、請求項1〜10のいずれか1項に記載の非水系二次電池用負極材を含有することを特徴とする非水系二次電池用負極。
  12. イオンを吸蔵・放出可能な正極及び負極、並びに電解質を備えたイオン二次電池であって、前記負極が、請求項11に記載の非水系二次電池用負極であることを特徴とする、非水系二次電池。
  13. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の非水系二次電池用負極材の製造方法であって、炭素質粒子(A)と、酸化珪素粒子(B)とを乾式混合することを特徴とする非水系二次電池用負極材の製造方法。
JP2013060925A 2012-03-23 2013-03-22 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池 Active JP6268729B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013060925A JP6268729B2 (ja) 2012-03-23 2013-03-22 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012067906 2012-03-23
JP2012067906 2012-03-23
JP2013060925A JP6268729B2 (ja) 2012-03-23 2013-03-22 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013225502A JP2013225502A (ja) 2013-10-31
JP6268729B2 true JP6268729B2 (ja) 2018-01-31

Family

ID=49595399

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013060925A Active JP6268729B2 (ja) 2012-03-23 2013-03-22 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6268729B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US12062784B2 (en) 2020-06-30 2024-08-13 Sk On Co., Ltd. Negative electrode for lithium secondary battery and lithium secondary battery including the same

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101552763B1 (ko) * 2012-05-31 2015-09-11 주식회사 엘지화학 규소계 물질과 탄소재를 포함하는 음극 및 이를 포함하는 리튬 이차전지
WO2014080895A1 (ja) 2012-11-22 2014-05-30 日産自動車株式会社 電気デバイス用負極、及びこれを用いた電気デバイス
JP6187602B2 (ja) 2014-01-24 2017-08-30 日産自動車株式会社 電気デバイス
KR20160102026A (ko) * 2014-01-24 2016-08-26 닛산 지도우샤 가부시키가이샤 전기 디바이스
JP2016018654A (ja) * 2014-07-08 2016-02-01 株式会社日立製作所 リチウムイオン二次電池
JPWO2016072090A1 (ja) * 2014-11-06 2017-06-22 株式会社豊田自動織機 リチウムイオン二次電池用集電体、その製造方法及び非水電解質二次電池
JP7192499B2 (ja) * 2016-11-22 2022-12-20 三菱ケミカル株式会社 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池
CN110476284A (zh) * 2017-03-24 2019-11-19 日产自动车株式会社 非水电解质二次电池用负极材料、使用了该负极材料的负极以及非水电解质二次电池
JP7068881B2 (ja) 2017-03-24 2022-05-17 日産自動車株式会社 非水電解質二次電池用負極およびこれを用いた非水電解質二次電池
JP6822372B2 (ja) * 2017-10-12 2021-01-27 トヨタ自動車株式会社 負極板および非水電解質二次電池
CN114503298B (zh) * 2019-10-09 2023-07-21 尤米科尔公司 在电池的负电极中使用的粉末以及包括此类粉末的电池
JP7336174B2 (ja) * 2019-11-25 2023-08-31 一般財団法人電力中央研究所 粒子のファブリックの解析方法、解析装置、及び解析プログラム

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006221830A (ja) * 2005-02-08 2006-08-24 Matsushita Electric Ind Co Ltd 負極活物質およびその製造方法、ならびに非水電解液二次電池
JP5348878B2 (ja) * 2007-02-21 2013-11-20 Jfeケミカル株式会社 リチウムイオン二次電池用負極材料およびその製造方法、リチウムイオン二次電池用負極ならびにリチウムイオン二次電池
JP5257740B2 (ja) * 2008-01-30 2013-08-07 東海カーボン株式会社 リチウム二次電池の負極材用複合炭素材料及びその製造方法
KR102183171B1 (ko) * 2010-08-03 2020-11-25 맥셀 홀딩스 가부시키가이샤 비수 이차 전지용 부극 및 비수 이차 전지
JP5682276B2 (ja) * 2010-12-10 2015-03-11 日立化成株式会社 リチウムイオン二次電池用負極材及びその製造方法、リチウムイオン二次電池用負極、並びにリチウムイオン二次電池
JP5691469B2 (ja) * 2010-12-10 2015-04-01 日立化成株式会社 リチウムイオン二次電池用負極材及びその製造方法、リチウムイオン二次電池用負極、並びにリチウムイオン二次電池
JP5974573B2 (ja) * 2012-03-23 2016-08-23 三菱化学株式会社 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池
JP6060506B2 (ja) * 2012-03-23 2017-01-18 三菱化学株式会社 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池
KR20150058205A (ko) * 2012-09-19 2015-05-28 미쓰비시 가가꾸 가부시키가이샤 비수계 이차 전지 부극용 복합 흑연 입자, 비수계 이차 전지용 부극 및 비수계 이차 전지

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US12062784B2 (en) 2020-06-30 2024-08-13 Sk On Co., Ltd. Negative electrode for lithium secondary battery and lithium secondary battery including the same

Also Published As

Publication number Publication date
JP2013225502A (ja) 2013-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6268729B2 (ja) 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池
JP5974573B2 (ja) 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池
JP5943052B2 (ja) 非水電解液二次電池用負極材料及びこれを用いた非水電解液二次電池
JP5589489B2 (ja) 非水電解液二次電池用負極材料及びこれを用いた非水電解液二次電池
JP6060506B2 (ja) 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池
JP7099325B2 (ja) 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池
JP7547753B2 (ja) 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池
EP2889937B1 (en) Carbon material for non-aqueous electrolyte secondary battery, negative electrode for non-aqueous electrolyte secondary battery, non-aqueous electrolyte secondary battery, and manufacturing method for carbon material for non-aqueous electrolyte secondary battery
WO2012001845A1 (ja) 非水電解質二次電池用負極およびその製造方法
JP2009295465A (ja) リチウム二次電池用正極活物質及びその製造方法
JP2014060124A (ja) 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池
JP7334735B2 (ja) 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池
JP2019179687A (ja) 人造黒鉛系負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池
JP2018088404A (ja) 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池
JPWO2019189800A1 (ja) 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池
WO2012127548A1 (ja) リチウムイオン二次電池用負極およびリチウムイオン二次電池
JP2021158044A (ja) 非水系二次電池用負極材原料、非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池
JP7388109B2 (ja) 非水系二次電池用負極材、非水系二次電池用負極及び非水系二次電池
JP6354498B2 (ja) リチウムイオン二次電池用非水電解液、及びそれを用いたリチウムイオン二次電池
JP7498267B2 (ja) 球状化カーボン系負極活物質、その製造方法、それを含む負極、及びリチウム二次電池
JP7521693B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極材、リチウムイオン二次電池用負極及びリチウムイオン二次電池
JP7099005B2 (ja) 非水系二次電池用負極材及びその製造方法、非水系二次電池用負極並びに非水系二次電池
JP6675141B2 (ja) リチウムイオン二次電池用非水電解液及びリチウムイオン二次電池
WO2023074216A1 (ja) 粒子及びその製造方法と、二次電池及びその製造方法
CN117882210A (zh) 负极活性材料、其制备方法、及包含该负极活性材料的负极和二次电池

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20150317

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160129

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20160222

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20161014

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20161025

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20161221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170425

A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A712

Effective date: 20170501

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20170623

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20170823

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171205

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171218

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6268729

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151