JP2009279414A - カート - Google Patents

Abstract

【課題】天板の下方に、テーブル等の天板を潜入させて使用することができるとともに、ハンドル部が側方に突出することがなく、不使用時におけるカート収容スペースの縮小化を図ることができるようにしたカートを提供する。
【解決手段】 収容物を収容する収容部１０を有するカート本体１における収容部１０の後端より起立する左右１対の支柱６，６の上端部により、天板１４を、その天板１４の下面と収容部１０の上端との間に、前方および両側方に開口する、テーブル２０の天板２１の進入空間が形成されるようにして支持し、この進入空間の後部における支柱６，６より前方の部分に、この進入空間に進入してきたテーブル２０の天板２１に当接して、それ以上の後方への進入を阻止するストッパ１８を設ける。
【選択図】図４

Description

本発明は、病院における回診用カートとして使用するのに好適なカートに関する。

この種のカートとしては、例えば、医療施設において、看護師等が病室の巡回時等や、ナースステーションでの事務作業時に、多様な作業を効率よく行うために、収容部を有するカート本体の上面に、天板を載置し、この天板上を作業面として、パソコン等によるデータの入力や、書類の記入、看護業務等を行えるようにしたものが知られている（特許文献１〜３参照）。
特開２００３−１９９７９８号公報 特開２００５−０３４６０７号公報 特開２００５−０４６４１２号公報

しかし、特許文献１〜３に記載されているカートは、把手（ハンドルまたは取っ手）が、カート本体より側方に突出しているので、カートを廊下等に放置したとき、通行の妨げになるとともに、不使用時に、大きな収容スペースを必要とする。

また、回診用カートは、カートの天板と、その下方の収容部との間に、他のテーブル等の天板を潜入させ、かつカートの収容部を、テーブル等の天板の下方に収容させて、テーブル等における天板の下方のスペースを有効に利用するようにして、他のテーブル等と組み合わせて使用することがあるが、特許文献１および２に記載されているカートでは、そのような使用態様を取ることができず、さらに、特許文献３に記載されているカートでは、トレイ支持具が、カートの天板の下方の空間に前傾するように突出しているため、カートの天板の下方に、テーブル等の天板を深く潜入させることができず、また潜入させた状態で、収容物を出し入れすることもできない。

本発明は、従来の技術が有する上記のような問題点に鑑み、天板の下方に、テーブル等の天板を潜入させて使用することができるとともに、その場合に、進入してきたテーブル等の天板に、操作者の手が挟まれることがないように、進入空間へのテーブル等の天板の進入量を規制することができるようにしたカートを提供することを目的としている。

本発明によると、上記課題は次のようにして解決される。
(１) 収容物を収容する収容部を有するカート本体における前記収容部の後端より起立する左右１対の支柱の上端部により、天板を、その天板の下面と前記収容部の上端との間に、前方および両側方に開口する、テーブル等の天板の進入空間が形成されるようにして支持し、この進入空間の後部における前記支柱より前方の部分に、この進入空間に進入してきたテーブル等の天板に当接して、それ以上の後方への進入を阻止するストッパを設ける。

このような構成とすると、天板の下面と収容部の上端との間に、前方および両側方に開口する、テーブル等の天板の進入空間を形成してあるので、進入空間にテーブル等の天板を進入させることにより、カートの天板上にパソコン等を載置したままの状態で、カートの収容部を、テーブル等の天板の下方に深く潜入させることができ、テーブル等における天板の下方のスペースを有効に利用することができるとともに、進入空間の後部における支柱より前方の部分にストッパを設けてあるので、進入空間へのテーブル等の天板の進入量を規制することができ、支柱の上端部を握る使用者の手が、テーブル等の天板で挟まれることがない。

(２) 上記(１)項において、各支柱の上部を、収容部の上端より上方に離間する位置において前方に折曲することにより、折曲部と前向部とを形成し、前記折曲部によりカート操作用のハンドル部を形成し、かつ前記前向部により天板支持材を形成し、前記折曲部より前方に、ストッパを配設する。

このような構成とすると、支柱とハンドル部と天板支持材とを、１本の鋼管等により簡単に形成することができるとともに、ハンドル部が収容部より側方に突出することがないので、不使用時におけるカート収容スペースの縮小化を図ることができる。
また、折曲部より前方に、ストッパを設けてあるので、折曲部により形成されたハンドル部を握る使用者の手が、進入空間に進入してきたテーブル等の天板で挟まれることがない。

(３) 上記(１)または(２)項において、ストッパを、支柱の上部を前方に折曲して形成した前向部の下面、天板の下面、または収容部の上面に設ける。

このような構成とすると、進入空間へのテーブル等の天板の進入量を規制することができる。

本発明のカートによると、天板の下方に、テーブル等の天板を潜入させて使用することができるとともに、その場合に、進入してきたテーブル等の天板に、操作者の手が挟まれることがないように、進入空間へのテーブル等の天板の進入量を規制することができる。

本発明の一実施形態におけるカートの側面図である。 同じく、図1のII−II線における縦断正面図である。 図1のIII−III線における拡大縦断正面図である。 カートの収容部をテーブルの天板の下方に潜入させた状態を示す縦断側面図である。

本発明の実施形態を、添付図面を参照して説明する。
図１は、本発明の一実施形態におけるカートの側面図、図２は、同じく、図1のII−II線における縦断正面図、図３は、図1のIII−III線における拡大縦断正面図、図４は、カートの収容部をテーブルの天板の下方に潜入させた状態を示す縦断側面図である。なお、以下の説明において、図１の右方向を「前方」とし、左方向を「後方」とする。

本発明のカートは、図１および図２に示すように、カート本体(１)が、キャスタ(２)を備えた移動可能な架台(３)と、この架台(３)上の左右側縁に立設した側面視倒立Ｕ字形をなす左右１対の側面枠(４)(４)とにより組立てられている。

各側面枠(４)は、前部支柱(５)と、後部支柱(６)と、前部支柱(５)の上端から後方に向けて水平に延び、かつ後部支柱(６)に連結された横桟(７)とにより枠組みされている。

上下方向を向く前部支柱(５)は、カートの操作時に、障害物等との衝突による収容物の破損を防止する保護部材となる。前後両支柱(５)(６)間には、複数のワイヤー部材(８)が上下に所望の間隔をもって前後方向に沿って架設されている。

左右の側面枠(４)(４)は、その前方上部間が、図２に想像線で示すように、左右方向を向く連結杆(９)により連結されている。これにより、カート本体(１)における架台(３)上の左右両側面が、左右の側面枠(４)(４)により保護されるとともに、前後両面に、収容物の取り出し口が形成された収容部(10)が形成されている。

収容部(10)内における左右の側面枠(４)(４)間には、収容物を収容可能な上下２段のトレイ(11)(11)が配設されており、各トレイ(11)は、各側面枠(４)における前後両支柱(５)(６)間に架設された支持ワイヤー部材(12)によって着脱自在に支持されている。

左右の後部支柱(６)(６)における各々の上部には、収容部(10)の上面より上方に離間する位置において、円弧状をなして前方に折曲させることにより、円弧状の折曲部と、前向部とが形成され、この折曲部により、カート操作用のハンドル部(16)(16)が、また前向部により、天板支持材(13)(13)がそれぞれ形成されている。左右の両天板支持材(13)(13)上には、天板(14)が載置され、かつ固定されている。
これにより、収容部(10)の上面と、左右の天板支持材(13)(13)および天板(14)の下面との間には、前方および両側方に開口する、後記するテーブル(20)等の天板(21)の進入空間(15)が形成されている。

ハンドル部(16)(16)である両支柱(６)(６)の円弧状の折曲部の上面および後面には、軟質パット(16a)がそれぞれ設けられている。
ハンドル部(16)(16)は、収容部(10)より後方および両側方に突出することがないので、不使用時におけるカート収容スペースの縮小化を図ることができる。

天板(14)の後端(14a)は、上部トレイ(11)の後端(11a)より前方に位置するようにして設けられており、また、収容部(10)の上端を開放することにより、左右のハンドル部(16)(16)間より、収容部(10)内の収容物を、後上方より視認しうるとともに、出し入れができるようになっている。

各天板支持材(13)には、図３および図４に示すように、前後１対の固定ねじ(17)(17)によりストッパ(18)が固着されている。このストッパ(18)の上面は、天板支持材(13)の上方に突出させることにより、天板(14)の後端(14a)下面を支持する天板受け部材を兼ねている。

ストッパ(18)の下部は、ハンドル部(16)より前方、さらに、天板(14)の後端(14a)より前方における天板支持材(13)の下面より垂下するように設けられており、その垂下部(18a)の外側面には、外上方を向くフック片(19)が設けられている。

図４は、カート本体(１)の収容部(10)を、テーブル(20)の天板(21)の下方に潜入させた状態を示す。
図４に示すように、カート本体(１)を、テーブル(20)に向けて前方に移動し、進入空間(15)にテーブル(20)の天板(21)を進入させることにより、カート本体(１)の天板(14)上に、パソコン(Ｐ)等を載置したままの状態で、カート本体(１)の収容部(10)を、テーブル(20)の天板(21)の下方に潜入させて使用することができる。

進入空間(15)に進入してきたテーブル(20)の天板(21)は、ハンドル部(16)および天板(14)の後端(14a)より前方における天板支持材(13)の下面に設けられたストッパ(18)に当接し、それ以上の進入が阻止されるので、ハンドル部(16)を握る使用者の手が、テーブル(20)の天板(21)で挟まれることがなく、また、収容部(10)の上面がテーブル(20)の天板(21)により、完全に覆われるのを防止し、カートの後上方からの収容物の確認、および出し入れを行うことができる。
なお、ストッパ(18)は、収容部(10)の上面、例えば横桟(７)の上面に、上向きに突設して形成してもよい。

(１)カート本体
(２)キャスタ
(３)架台
(４)側面枠
(５)前部支柱
(６)後部支柱
(７)横桟
(８)ワイヤー部材
(９)連結杆
(10)収容部
(11)トレイ
(11a)後端
(12)支持ワイヤー部材
(13)天板支持材
(14)天板
(14a)後端
(15)進入空間
(16)ハンドル部
(16a)軟質パット
(17)ねじ
(18)ストッパ
(18a)垂下部
(19)フック片
(20)テーブル
(21)天板
(21a)端面
(Ｐ)パソコン

Claims (3)

1. 収容物を収容する収容部を有するカート本体における前記収容部の後端より起立する左右１対の支柱の上端部により、天板を、その天板の下面と前記収容部の上端との間に、前方および両側方に開口する、テーブル等の天板の進入空間が形成されるようにして支持し、この進入空間の後部における前記支柱より前方の部分に、この進入空間に進入してきたテーブル等の天板に当接して、それ以上の後方への進入を阻止するストッパを設けたことを特徴とするカート。
2. 各支柱の上部を、収容部の上端より上方に離間する位置において前方に折曲することにより、折曲部と前向部とを形成し、前記折曲部によりカート操作用のハンドル部を形成し、かつ前記前向部により天板支持材を形成し、前記折曲部より前方に、ストッパを配設したことを特徴とする請求項１記載のカート。
3. ストッパを、支柱の上部を前方に折曲して形成した前向部の下面、天板の下面、または収容部の上面に設けたことを特徴とする請求項１または２記載のカート。

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