以下、本発明の一実施形態を、図1〜10を参照して説明する。
この実施形態は、本発明を、家具である医療用ワゴンAに、オプションである小物入れEを取り付けるための構造として適用したものである。医療用ワゴンAは、病院等の医療機関において好適に用いられるものである。医療用ワゴンAは、医療機関内において看護師や医療従事者が種々の物品を移動する際に使用するものであり、例えば、処置室、病棟のナースステーション等に複数配置され得るものである。小物入れEは、種々の物品(図示せず)を収容し得るものであり、医療用ワゴンAに対して着脱可能に取り付けられる。
以下、医療用ワゴンA、及び、小物入れEの各構成について詳述する。
医療用ワゴンAは、金属製のパイプ材を主体に構成された支持体Bと、この支持体Bに対して上下方向に回動可能に支持されたトレーCとを備えたものである。医療用ワゴンAは、図10に示すように、同一構造をなす他の医療用ワゴンA’と前後方向にスタッキング可能に構成されている。
はじめに、支持体Bについて説明する。
支持体Bは、前部の二箇所、及び後部の二箇所にそれぞれ配設されたキャスタb1と、後部側のキャスタb1の上に配されるとともに当該キャスタb1に支持され上下方向に延びる対をなす並行フレームたる左右の起立フレームb3、b4と、左右の起立フレームb3、b4の上端部から連続して延設された左右のハンドルフレームb5、b6と、これら左右のハンドルフレームb5、b6の前端部から前方に向かって連続して延設された直線状をなす左右の側支持部b21を有した上のトレー支持フレームb2とを備えている。トレー支持フレームb2の上には、トレーC(上のトレーC)が配されている。前側のキャスタb1の上には、上のトレー支持部フレームb2と略同一の構成をなす下のトレー支持フレームb7が配されている。下のトレー支持フレームb7における直線状をなす左右の側支持部b71の後端部は、左右の起立フレームb3、b4の下端部近傍に接続している。トレー支持フレームb7の上には、トレーC(下のトレーC)が配される。左右の起立フレームb3、b4間には、直線状をなすオプション係合部たる第一の連結部材b8が架設されている。左右のハンドルフレームb5、b6間には、直線状をなす第二の連結部材b9が架設されている。
ここで、オプション係合部たる第一の連結部材b8は、小物入れEの取付位置からの移動を禁止するものである。すなわち、第一の連結部材b8は、その上面側が小物入れEに当接するものであり、当該小物入れEが所定の取付位置から下方に移動することを禁止し得るものとなっている。なお、小物入れEについては、後で詳述する。
この実施形態では、支持体Bにおけるキャスタb1以外の部分は、金属製のパイプ材により構成されており、複数のパイプ材を所定の箇所で折り曲げるとともに所定の箇所を溶接により強固に連結することにより構成されている。後部側のキャスタb1にはロック機構b11を備えており、使用者の足の操作によって所定の位置で車輪を固定することができるようになっている。
上のトレー支持フレームb2は、トレーCの側部を下側から支持し得る左右の側支持部b21と、これら左右の側支持部b21における前端部間を連結しトレーCの前部を下側から支持し得る前支持部b22と、トレーCと着脱可能に接続し得るトレー取付部b23とを備えている。トレー支持フレームb2は、トレーCを、物品(図示せず)が載置できる状態に直接又は間接的に支持するものである。
左右の側支持部b21は、平面視において略直線状の形状をなしている。左右の側支持部b21は、左右対称に配されており、前方に向かうに連れて漸次近づくように配されている。左右の側支持部b21の後部は、平面視においてトレーCよりも外方に露出するように構成されている。
前支持部b22は、左右の側支持部b21の前端間に架設されている。前支持部b22は、トレーCにおける前部側を下面側から支持し得るようになっている。なお、前支持部b22の上面側には、適宜、トレーCとの衝撃を緩和するために緩衝部材(図示せず)が配設される。
トレー取付部b23は、側支持部b21よりも細径の部材により形成されている。トレー取付部b23は、トレーCの後部側に配され、当該トレーCに設けられた軸保持部c2と係合し得る左右方向に延びる回転軸kjと、この回転軸kjと異なる方向である前後方向に延び回転軸kjと左右の側支持部b21との間を連結する回転軸支持部jsとを備えている。換言すれば、トレー取付部b23は、左右方向に延びる回転軸kjと、この回転軸kjの両端から当該回転軸kjと略直交する前方向に延び回転軸kjの端部と左右の側支持部b23との間を連結する回転軸支持部jsとを備えたものであり、平面視略コ字状に形成されたものである。
回転軸kjは、ワゴンCに形成された左右の下方向壁dwを含む左右の外壁s7、s8の内側に配されている。すなわち、回転軸kjは、左右の外壁s7、s8の間に位置し得る長さ寸法に設定されている。回転軸支持部jsは、トレーCにおける物品載置面c1の周囲に形成された周壁部材Sと係わり合ってトレーCが支持体Bに対して左右方向に動きにくくなるように構成されている。なお、支持体BとトレーCとの係わり合いの詳細については後述することとする。
左右の並行フレームたる左右の起立フレームb3、b4は、上下方向に延びてなり、後側のキャスタb1に支持されている。左右の起立フレームb3、b4は、略平行に配されている。左右の起立フレームb3、b4の略中間部間には、左右方向に直線状に延びる第一の連結部材b8が配されている。第一の連結部材b8は、左右の起立フレームb3、b4よりも細径の部材が採用されている。
左右のハンドルフレームb5、b6は、使用者が通常の使用状態において把持し得る部位を構成している。左右のハンドルフレームb5、b6は、左右対称に配されている。すなわち、左のハンドルフレームb5と右のハンドルフレームb6とは、それぞれ独立して設けられている。
左右のハンドルフレームb5、b5は、左右の起立フレームb3、b4の上端部から連続し、側面視において後傾した態様で直線状に延びた直線ハンドルフレーム部b51、b61と、これら直線ハンドルフレーム部b51、b61の上端部からそれぞれ連続し、側面視において略二分の一円弧状に湾曲する部位を有してなる湾曲ハンドルフレーム部b52、b62とを備えている。
左のハンドルフレームb5、及び、トレー支持フレームb2を構成する左の側支持部b21は、図5に示すように、平面視において略直線状をなすように連続した左の直線状部分を構成している。右のハンドルフレームb6、及び、トレー支持フレームb2を構成する右の側支持部b21は、図5に示すように、平面視において略直線状をなすように連続した右の直線状部分を構成している。この実施形態では、左の直線状部分と右の直線状部分とが前方に向かうに連れて漸次近づくように配されている。平面視における左右のハンドルフレームb5、b6の間には、トレーCの後端部が配されている。
左右のハンドルフレームb5、b6の一部は、側面視において左右の側支持部21よりも上に位置している。左右のハンドルフレームb5、b6の一部は、側面視において左右の起立フレームb3、b4よりも後に位置している。左右のハンドルフレームb5、b6は、その頂部tpから後部に向かって、側面視において略四分の一円弧状に形成された部位を有している。換言すれば、左右のハンドルフレームb5、b6における湾曲ハンドルフレーム部b51、b61は、側面視において最も上に位置する頂部tpから後方に向かって略四分の一円弧状に形成された部位を備えている。
左右のハンドルフレームb5、b6における略中間部間に左右方向の直線状に延びる第二の連結部材b9が配されている。
下のトレー支持フレームb7、上のトレー支持フレームb2と略同一の構成をなしているため、詳細な説明を省略する。また、下のトレー支持フレームb7が支持する下のトレーCも上のトレーCと同一の略同一の構成をなしているため共通の符号を付して説明を省略する。すなわち、下のトレー支持フレームb7は、下のトレーCの側部を下側から支持し得る左右の側支持部b71と、これら左右の側支持部b71における前端部間を連結しトレーCの前部を下側から支持し得る前支持部b72と、トレーCと着脱可能に接続し得るトレー取付部b73とを備えている。トレー取付部b73は、側支持部b71よりも細径の部材により形成されている。トレー取付部b73は、トレーCの後部側に配され、当該トレーCに設けられた軸保持部c2と係合し得る左右方向に延びる回転軸kjと、この回転軸kjと異なる方向である前後方向に延び回転軸kjと左右の側支持部b71との間を連結する回転軸支持部jsとを備えている。
続いて、トレーCについて説明する。
トレーCは、合成樹脂により形成されている。トレーCは、支持体Bに対して回動可能且つ着脱可能に構成されている。トレーCは、平面視において前後方向に長い略長方形状をなす物品載置面c1を有したトレー本体Hと、このトレー本体Hの周縁に設けられた周壁部材Sとを備えている。
トレーCは、前端部における下側の部位に下向きの傾斜面kaを有した前の案内部c3を有するとともに後端部における上面側の部位に上向き傾斜面kbを有した後の案内部c4を有している。前の案内部c3は、正面側から視認し得る位置に設けられており、後の案内部c4は、背面側から視認し得る位置に設けられている。
この実施形態では、前の案内部c3は、トレー本体Hと周壁部材Sとの間を亘る位置に形成されている。後の案内部c4は、周壁部材Sに形成されている。下向きの傾斜面kaは前から後に向かって漸次下方に位置するように傾斜している。上向きの傾斜面kbは後から前に向かって漸次上方に位置するように傾斜している。
前の案内部c3、又は、後の案内部c4の何れか一方は、同一構造をなす他の医療用ワゴンA’とスタッキングする際に、当該他の医療用ワゴンA’のトレーC’に当接し得るように構成されている。より詳しく言えば、前の案内部c3は、同一構造をなす他の医療用ワゴンA’とスタッキングする際に、当該他の医療用ワゴンA’のトレーC’における後の案内部c4’と係わり得るものとなっている。後の案内部c4は、同一構造をなす他の医療用ワゴンA’とスタッキングする際に、当該他の医療用ワゴンA’のトレーにおける前の案内部c3と係わり得るものとなっている。
トレーCは、下面側に前後方向に延びるリブrbを複数備えている。リブrbは、トレー本体Hの下面、及び、周壁部材Sの下面に連続して設けられている。リブrbは前後方向に延びる態様で下向きに突設されたレール状をなしている。リブrbは左右方向に複数設けられている。この実施形態では、前の案内部c3は、前側に向かって露出させたリブrbを含んで構成されている。
トレー本体Hは、上面側に略フラットな物品載置面c1を備えている。物品載置面c1は、前後方向に長い長方形状をなしており、医療用品載置用の長方形のバットが四つ(前後に二個ずつ)並べて配置し得る大きさに設定されている。
周壁部材Sは、物品載置面c1を囲繞している部位である。周壁部材Sは、トレー本体Hの周縁部から上方に立設された上方向壁upを含む前後左右の内壁s1、s2、s3、s4と、内壁s1、s2、s3、s4の外側に形成され当該内壁s1、s2、s3、s4よりも下方に延びる下方向壁dwを含む前後左右の外壁s5、s6、s7、s8とを備えている。
内壁s1、s2、s3、s4は、トレー本体Hの周縁から連設されている。内壁s1、s2、s3、s4は、物品載置面c1に載せられた物品(図示せず)が当接し得る位置に形成されており、物品が周囲から落下しないようになっている。
外壁s5、s6、s7、s8は、内壁s1、s2、s3、s4の上端縁から連接されている。外壁s5、s6、s7、s8は、内壁s1、s2、s3、s4の外側に位置するよう形成されている。
周壁部材Sには、トレー取付部b23の回転軸kjに外嵌して当該回転軸kjを枢支する軸保持部c2を備えている。この実施形態では、軸保持部c2は、周壁部材Sにおける後の内壁s2と後の外壁s6との間に形成されている。
周壁部材Sには、トレー取付部b23の回転軸支持部jsと係わり合い、トレーCが支持体Bに対して左右方向にずれ動くのを抑制するための係合部c5を備えている。この実施形態では、係合部c5は、周壁部材Sにおける左の内壁s3と左の外壁s7との間、及び、右の内壁s4と右の外壁s8との間に設けられている。係合部c5は、トレーCの後部側における左右の周壁部材Sに形成されており、回転軸支持部jsを収容し得るように前後方向に延びた溝状の部位である。係合部c5は、左右に対をなして配された回転軸支持部jsと密に摺接し得るように設定されている。
この実施形態では、同一構造をなす他の医療用ワゴンA’に対して、後方から医療用ワゴンAを移動させて、他の医療用ワゴンA’とのスタッキングを行った場合、当該スタッキング状態において、医療用ワゴンAのトレーCの少なくとも一部が前記他の医療用ワゴンA’のトレーC’の上部に重なり得るものとなっている。より具体的には、スタッキング状態において、他の医療用ワゴンA’のトレーC’における後部における上側に、医療用ワゴンAのトレーCの前部が重なり得るように配される。トレーCは、スタッキング状態において、斜めに傾斜した姿勢を採り得るようになっている。
次に、オプションである小物入れEについて説明する。
小物入れEは、医療用ワゴンAに対して着脱可能に構成されたものであり、医療用ワゴンAにおける対をなす起立フレームb3、b4間に支持されるものである。
この実施形態では、小物入れE、及び、医療用ワゴンAには、衛生上の不具合の発生を抑制するため、ねじ等の止着具を介在させない取付構造が採用されている。換言すれば、小物入れE、及び、医療用ワゴンAは、従来では必須の構成であったねじ等の止着具を挿入させるための穿孔部分やスリット状の部分が外部に表出しないようになっている。
小物入れEは、上側に物品を出し入れするための開口部e11を有し金属製のフレーム部材を用いて籠状に形成された本体e1と、この本体e1の側部に設けられ対をなす起立フレームb3、b4と係わり合い当該起立フレームb3、b4の長手方向と直交する方向すなわち前後方向への移動を規制し得る並行フレーム係合部e2とを備えている。
本体e1は、種々の物品を収容し得る機能を発揮するものであり、比較的細径をなす複数本のフレーム部材を適宜配して物品を収容するための収容空間spを形成している。本体e1は、収容空間spを形成するための複数本のフレーム部材により構成された前フレーム部j1、後フレーム部j2、左右のフレーム部j3、下のフレーム部j4を主体に構成されている。
前フレーム部j1は、収容空間spに配された物品の前側に位置し当該物品の前側への移動を規制し得るものである。後フレーム部j2は、収容空間spに配された物品の後側に位置し当該物品の後側への移動を規制し得るものである。左右のフレーム部j3は、収容空間spに配された物品の左右側にそれぞれ位置し当該物品の左右側への移動を規制し得るものである。下のフレーム部j4は、収容空間spに配された物品の下側に位置し当該物品の下側への移動を規制し得るものである。
本体e1は、正面視において、下部の幅寸法w1が、左右の起立フレームb3、b4間の離間寸法よりも短く設定されている。一方で、本体e1及び並行フレーム係合部e2により構成される小物入れEの上部の幅寸法は、左右の起立フレームb3、b4間の離間寸法よりも長く設定されている。本体e1の下部の幅寸法w1を、左右の起立フレームb3、b4間の離間寸法よりも短く設定すると、医療用ワゴンAに対する小物入れEの装着が行いやすいものとなる。すなわち、図3に示すように、小物入れEを正面視又は背面視において水平方向に対して斜めに傾斜させると、本体e1における一方の下部の側端部分が一方の並行フレーム係合部e2よりも外方に飛び出し難いものとなる。このため、装着時及び取り外し時において左右の起立フレームb3、b4間に小物入れEを位置させやすいものとなっている。
並行フレーム係合部e2は、本体e1の上部から外側に向かって突設されたものである。より具体的にいえば、並行フレーム係合部e2は、左右の起立フレームb3、b4の長手方向(すなわち上下方向)と直交する一方向(すなわち前方向)の移動を規制し得る第一の移動規制部材たる前側の移動規制部材e21と、左右の起立フレームb3、b4の長手方向(すなわち上下方向)と直交する他方向(すなわち後方向)の移動を規制し得る第二の移動規制部材たる後側の移動規制部材e22とを備えている。
医療用ワゴンAは、前述したとおり、小物入れEと当接して当該小物入れEの取付位置からの移動を禁止するオプション係合部たる第一の連結部材b8を備えている。第一の連結部材b8は、左右に対をなす上下方向に延びる起立フレームb3、b4間に架設されている左右方向に略水平に延びてなるものである。
医療用ワゴンAに対する小物入れEの取り付けは、例えば、次のように行う。
まず、小物入れEを、医療用ワゴンAにおける左右の起立フレームb3、b4の間に位置させる。このとき、小物入れEは、図3の実線に示すように、その長手方向を水平方向に対して斜めに傾斜させた状態で位置させる。
次に、左右の起立フレームb3、b4の当該斜めに傾斜させた小物入れEを水平方向に遷移させつつ下側に移動し、並行フレーム係合部e2と左右の起立フレームb3、b4とを係わり合わせる。具体的には、左右の起立フレームb3、b4の前に前側の移動規制部材e21を位置させるとともに、左右の起立フレームb3、b4の後に後側の移動規制部材e22を位置させるようにする。
しかる後に、小物入れEを下側に移動させて本体e1の下部を第一の連結部材b8の上面に係わり合わせる。小物入れEは、第一の連結部材b8に当接してそれ以上の移動が禁止され、医療用ワゴンAにおける所定の取付位置に配されることになる。
以上を経て、医療用ワゴンAに対して小物入れEが装着される。なお、この状態で、第一の連結部材b8は、本体eの収容空間spを形成するための下のフレーム部j4の一部を構成しているようになっている。換言すれば、小物入れEが医療用ワゴンAに装着された状態で、小物入れEにおける下のフレーム部j4の上面の高さ位置と、第一の連結部材b8の上面の高さ位置が、略同じになるように設定されている。
以上説明したように、本実施形態における小物入れEの取付構造は、家具である医療用ワゴンAにおける対をなす並行フレームたる左右の起立フレームb3、b4間に小物入れEを支持させるようにしている。そして、小物入れEが、本体e1と、この本体e1の側部に設けられ対をなす起立フレームb3、b4と係わり合い当該起立フレームb3、b4の長手方向と直交する方向への移動を規制し得る並行フレーム係合部e2とを備えたものとしている。医療用ワゴンAは、小物入れEと当接して当該小物入れEの取付位置からの移動を禁止するオプション係合部たる第一の連結部材b8を備えている。このため、左右の起立フレームb3、b4に小物入れEを好適に支持させることができるようにした家具における小物入れEの取付構造を提供することができるものとなる。
医療用ワゴンAが、小物入れEを左右の起立フレームb3、b4の上側から移動させて当該起立フレームb3、b4間に支持させ得るように構成されている。このため、使用者は、起立フレームb3、b4に対する小物入れEの取り付け作業を自然な操作により行うことができ、取り付け作業を行いやすいものとなっている。
小物入れEは、金属製のフレーム部材を用いて籠状に形成された本体e1を備えている。このため、種々の物品を視認し易い態様で収容し得るものとなっている。
対をなす左右の起立フレームb3、b4間に架設された第一の連結部材b8により、当該小物入れEが取付位置から移動するのを禁止している。このため、医療用ワゴンAを構成する基礎的な部材を利用して、小物入れEが取付位置から移動するのを禁止することができるものとなっている。
小物入れEの並行フレーム係合部e2が、本体e1の上部から外側に向かって突設されている。本体e1における下部の幅寸法w1が、左右の起立フレームb3、b4間の離間寸法w2よりも短く設定されている。このため、小物入れEを医療用ワゴンAに装着する際に、左右の起立フレームb3、b4に対して小物入れEを斜めに傾けた状態から姿勢を遷移させて、当該小物入れEを所定の取付位置まで移動させやすいものとなっている。
小物入れEが医療用ワゴンAに装着された状態で、第一の連結部材b8が、本体e1の下のフレーム部j4の一部を構成している。このため、第一の連結部材b8を小物入れEの一部を兼ね得るものとして好適に利用することができるものとなっている。
小物入れEの並行フレーム係合部e2が、左右の起立フレームb3、b4の長手方向たる上下方向と直交する前方向の移動を規制し得る第一の移動規制部材e21と、左右の起立フレームb3、b4の長手方向と直交する後方向の移動を規制し得る第二の移動規制部材e22とを備えている。このため、第一、第二の移動規制部材e21、e22によって、小物入れEが医療用ワゴンAに対して前後方向に移動することを好適に規制し得るものとなる。
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
家具は、医療用ワゴンに限られるものではない。すなわち、家具は、対をなす並行フレーム間にオプションを支持させ得るものであればどのようなものであってもよい。対をなす並行フレームは、部分的に対をなしていればよく、部品単位で対称形状をなしている必要はない。
オプションは、小物入れに限られるものではないのはもちろんのことである。
並行フレーム係合部は、並行フレームの長手方向と直交する方向への移動を規制し得るものであればよく、本実施形態に示すような前後方向に限られるものではない。例えば、並行フレームが上下方向に延びるフレームを前後に配置しているような場合は、並行フレーム係合部は、左右の水平方向への移動を規制し得るものとなる。
家具のオプション係合部は、上述した実施形態に示すようにフレーム状をなしたものには限定されない。例えば、オプションと当接し得るように設定された凸状の部位であってもよい。
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。