JP2009275505A - 浴室出入口用建具 - Google Patents

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宰児 竹長
Shuichi Ishikawa
修一 石川
Yukihiro Yashiro
幸広 矢代
Takeshi Yamada
剛 山田
Shingo Matsumura
心互 松村
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Abstract

【課題】清掃性、排水性を向上でき、残水問題も減少できる浴室出入口用建具の提供。
【解決手段】下枠12Aの上面部121は略フラットな面とされているので、スロープ用アタッチメント30Cを取り外した際の清掃を容易に行うことができる。また、下枠12Aの略フラットな上面部121と、スロープ用アタッチメント30Cとの間に排水空間60を形成し、この排水空間60に引水部材70を設けたことによって、下枠12Aの上面部121上の水を浴室床2側に誘導することができ、上面部121の残水を少なくすることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、浴室出入口用建具に関する。詳しくは、バリアフリー対応の浴室出入口用建具(サッシ)に関する。
浴室出入口用の建具(サッシ)として、浴室の居室側(脱衣室側)の床面から、建具下枠の上面および浴室の床面(洗い場)まで、高さレベルがほぼ一定な略フラット(平ら)な面を形成したバリアフリータイプの建具が知られている。
このようなバリアフリータイプの浴室出入口用建具としては、従来は、洗い場から脱衣室側に水が流出することを防止するため、浴室出入口用建具の下枠下側に配水樋や排水管を設け、浴室から流出する水を下枠下側の排水樋等に落として排水する構造のものが用いられていた。
一方、この従来の構造では、建具下側や洗い場の下側などに排水樋や配水管を配置するスペースが必要となり、施工性やメンテナンス性が低下するため、このような排水樋等を設けない浴室出入口用建具も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、浴室出入口用建具の下枠の脱衣室側端部に立上部を設けるとともに、この立上部および戸(障子)間にその隙間部分を塞ぐシール材を配置し、洗い場から脱衣室側への水の流出を前記立上部およびシール材で防止していた。
この際、前記立上り部が設けられることで、建具の上面および脱衣室の床面の高さレベルはほぼ同じにすることができるが、浴室の洗い場と建具の上面との間に例えば10〜15mm程度の段差が生じていた。このため、前記特許文献1では、押出成形で製造される下枠に、その長手方向に連続するアタッチメント取付片を一体に形成し、この取付片に傾斜面を有するアタッチメントを取り付け、段差部分にスロープを設けることで、浴室出入口部分を車椅子等であってもスムーズに移動できるようにしていた。
この特許文献1のような下枠下側の排水樋等を不要にした浴室出入口の低段差排水レス構造では、排水樋等を無くすことができて施工性やメンテナンス性を向上できる利点があるため、近年、その採用が望まれていた。
特開2003−221973号公報(図1)
しかしながら、特許文献1の低段差排水レス構造では、アタッチメントを取り外して下枠上面を清掃する際に、下枠上面にアタッチメント取付片が突設されているので、その部分の清掃作業性が悪いという問題があった。
また、建具下枠の上面は、アタッチメントを乗り越えて下枠上面に流出した雨水を浴室側に戻すために水勾配が付けられているため、前記アタッチメント取付片の一部を切り欠いて水が流れるようにする必要があった。このアタッチメント取付片の切欠部分は切削加工となるために、他の下枠上面部分に比べて粗くなり、このため、排水水がスムーズに流れず、排水性が低下したり、水が残ってしまう残水問題が生じるという問題もあった。
本発明の目的は、清掃性および排水性を向上でき、残水問題も減少できる浴室出入口用建具を提供することにある。
本発明の浴室出入口用建具は、浴室出入口に取り付けられる建具枠と、この建具枠に対して開閉可能に設けられた戸とを備えて構成された浴室出入口用建具であって、前記建具枠の下枠は、略フラットな上面部と、この上面部の脱衣室側端部から上方に立ち上がって形成された立上部とを備え、前記上面部には、上端が前記立上部上端と略同じ高さに位置されかつ浴室側に向かって低くなる傾斜面を有するスロープ用アタッチメントが取り付けられ、前記スロープ用アタッチメントと前記下枠の上面部との間には、当該上面部上に流出した水を浴室側に戻す排水空間が形成され、この排水空間には、前記上面部上の水を引き寄せて浴室側に誘導する引水部材が設けられていることを特徴とする。
本発明において、略フラットな面とは、特許文献1のアタッチメント取付片のような突出部分が一体に成形されていない平らな面を意味する。さらに、略フラットな面としては水平面に限定されず、水勾配等が付けられた傾斜面も含むものである。また、引水部材と下枠上面部との所定の隙間としては、下枠上面部に表面張力により滞留しようとする水の高さ寸法(例えば、3mm程度)以下であればよい。
このような本発明によれば、例えば、スロープ用アタッチメントを越えて下枠上面に流出した水は、下枠の立上部によって遮られ、脱衣室側への流出が防止される。そして、下枠上面に流出した水は、アタッチメントおよび下枠上面間に形成された排水空間を介して浴室洗い場側に戻されて排出される。
この際、本発明では、下枠の上面部は略フラットな面とされているので、スロープ用アタッチメントを取り外した際の清掃を容易に行うことができる。
また、フラットに形成された下枠上面部に水が滞留しようとしても、この水の表面に接触した引水部材によって水の表面張力を壊し、下枠上面部上の水を引水部材に沿って浴室側に引っ張る(誘導する)ことができ、下枠上面部の残水を少なくすることができる。
この際、本発明の浴室出入口用建具では、前記引水部材は、前記排水空間と、前記スロープ用アタッチメントと浴室床面との間に形成された空間とに跨って設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、引水部材によって下枠の上面部上の水を確実に浴室床面まで誘導して排水することができ、より一層残水を少なくすることができる。
さらに、本発明の浴室出入口用建具では、前記引水部材は、平面略矩形板状の第1本体部および第2本体部と、これら第1および第2の本体部を連結する連結部と、前記第1および第2の本体部の下面から下方に延出する第1および第2の延出部と、前記連結部から上方に延出して前記スロープ用アタッチメントに係合する係止片部とを備えて形成されていることが好ましい。
ここで、前記引水部材の第1本体部および第2本体部には、孔および凹みの少なくともいずれか一方により構成される表面積拡大手段が設けられていることが好ましい。
このような構成によれば、孔や凹みによって引水部材の表面積が拡大されているので、下枠の上面部に滞留しようとする水の表面張力を壊しやすくでき、この水をさらに確実に誘導することができる。
また、本発明の浴室出入口用建具では、前記引水部材における前記第1本体部の長さ寸法は、前記下枠における前記上面部の見込み寸法と略同一に形成されていることが好ましい。
このような構成によれば、第1本体部を長く形成したことで、下枠の上面部における脱衣室側に近い奥まった位置から浴室床まで水を誘導することができ、さらに残水を少なくすることができる。
本発明の第1実施形態の浴室出入口用建具を示す正面図。 前記実施形態の浴室出入口用建具の縦断面図。 前記実施形態の浴室出入口用建具の横断面図。 浴室出入口用建具の要部である下枠部分を拡大して示す縦断面図。 スロープ用アタッチメントの取付前状態を示す縦断面図。 スロープ用アタッチメントの端部を示す斜視図。 第2実施形態の浴室出入口用建具の下枠部分を示す縦断面図。 第3実施形態の浴室出入口用建具の下枠部分を示す縦断面図。 本発明の変形例の浴室出入口用建具の下枠部分を示す縦断面図。 第4実施形態の浴室出入口用建具の縦断面図。 前記実施形態の浴室出入口用建具の横断面図。 前記実施形態の浴室出入口用建具の要部である下枠部分を拡大して示す縦断面図。 (A)〜(D)は、前記実施形態の浴室出入口用建具に設けられる引水部材を示す四面図。 第5実施形態の浴室出入口用建具の縦断面図。 前記実施形態の浴室出入口用建具の横断面図。 前記実施形態の浴室出入口用建具の要部である下枠部分を拡大して示す縦断面図。 (A)〜(D)は、前記実施形態の浴室出入口用建具に設けられる引水部材を示す四面図。 前記実施形態の変形例に係る下枠部分を拡大して示す縦断面図。 (A)〜(D)は、前記変形例の浴室出入口用建具に設けられる引水部材を示す四面図。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
なお、第2実施形態以降において、次の第1実施形態で説明する構成部材と同じ構成部材、および同様な機能を有する構成部材には、第1実施形態の構成部材と同じ符号を付し、それらの説明を省略または簡略化する。また、各図においては、図面を見やすくするために、主要な構成部材については、その断面部分のハッチングを省略することがある。
〔第1実施形態〕
本発明の第1実施形態に係る浴室出入口用建具(サッシ)について、図1ないし図4に基づいて説明する。
図1は、本実施形態の浴室出入口用建具1を示す正面図である。図2は、浴室出入口用建具1の縦断面図であり、図3は、浴室出入口用建具1の横断面図である。図4は、浴室出入口用建具1の要部である下枠部分を拡大して示す縦断面図である。図5は、浴室出入口用建具1におけるスロープ用アタッチメント30の取付前状態を示す縦断面図である。図6は、スロープ用アタッチメント30の端部を示す斜視図である。
本実施形態の浴室出入口は、浴室床(洗い場)2の床面(上面)2Aと、脱衣室床3の床面(上面)3Aおよび建具枠10の敷居(下枠12)の最上面との段差が約10〜15mm程度以下とされた低段差構造とされている。
この浴室は、浴槽(不図示)や浴室床(防水パン)2等がFRP(Fiber-Reinforced Plastics :繊維強化プラスチック)等から一体に形成され、あるいは別体で製造した部材を組み合わせてユニット化されたもので、図示しない躯体上に載置されている。
浴室出入口用建具1は、建具枠10と、この建具枠10内に開閉自在に設けられた片開き戸形式の障子(可動障子、戸、扉)20とを備えた片開き戸形式の建具である。
建具枠10は、それぞれアルミ押出形材製の上枠11、下枠12、および左右の縦枠13を四周枠組みして形成されている。そして、脱衣室側において、脱衣室床3に下枠12が、天井4に上枠11が、それぞれビス止め固定され、浴室側において、浴室床2の端部に形成された支持部2Bに下枠12が載置されて、支持されている。この際、下枠12の浴室側側面と浴室床2との隙間には、湿式のシール剤5が充填されてシールされている。
これらの上枠11、縦枠13の構成や躯体側への取付構造は、従来と同様のものであるため、本実施形態の特徴部分である下枠12部分を除き説明を省略する。
障子20は、それぞれアルミ押出形材製の上框21、下框22、および左右の竪框23を四周枠組みし、ガラスや樹脂などの面材24を組み込んで形成されている。この障子20は、一方の竪框23部分で建具枠10に回動自在に支持されており、一般的な片開き戸と同様の構成であるため、本実施形態の特徴部分である下框22部分を除き説明を省略する。
下枠12は、図4にも示すように、略中空筒状の押出成形品であり、略水平な上面部121と、上面部121の脱衣室側端縁から略垂直に立ち上がる立上部122と、この立上部122から脱衣室側に延長された被覆部123とを備えている。
上面部121の下面つまり下枠中空部内面と、立上部122の下面(脱衣室側の面)には縦枠13との接合に利用されるビスホール124が形成されている。
また、立上部122および被覆部123の接合部分には、防水性を高めるためのシール材125を保持するポケット部126が形成されている。
さらに、立上部122の浴室側の側面には、後述するスロープ用アタッチメント30が係合される係合凹溝(係合凹部)127が下枠12の長手方向に連続して形成されている。
ここで、上面部121は略フラットな水平面とされているが、立上部122から浴室側端面に向かって低くなるように僅かに傾斜されて水勾配が付けられている。より詳細には、上面部121は、水勾配の角度の違いから、閉められた位置にある障子20の下面に位置する脱衣室側上面部121Aと、この脱衣室側上面部121Aの浴室側に連続する中間上面部121Bと、この中間上面部121Bの浴室側に連続する浴室端部側上面部121Cの3つの領域に区画されている。そして、脱衣室側上面部121Aや浴室端部側上面部121Cの勾配(傾斜角度)は略水平に近い角度とされ、中間上面部121Bの勾配(傾斜角度)はこれらの角度に比べて大きくされている。
浴室端部側上面部121Cの上面には、下枠12の長手方向に連続する2条の溝128が下枠12の長手方向略全長に渡って形成されている。この溝128は、所定の深さ寸法(例えば、0.3〜0.6mm)を有し、断面略半円形状または断面略三角形状に形成され、浴室端部側上面部121C上の水をこの溝128に沿って案内できるようになっている。すなわち、浴室端部側上面部121C上に滞留しようとする水の表面張力が溝128により壊されて、浴室端部側上面部121C上に水が滞留しにくくなり、スムーズに排出されるように構成されている。
図3にも示すように、下枠12の左右両端近傍の2カ所、より具体的には浴室端部側上面部121Cの左右両端部近傍の2カ所には、アタッチメント取付部材40がビス41によって固定されている。
アタッチメント取付部材40は、図5,6にも示すように、浴室端部側上面部121C上に載置される矩形板状のベース部42と、このベース部42の脱衣室側の辺から立設された係合壁部43と、この係合壁部43に連続する左右の壁部44とを備えている。
ベース部42の下面には、溝128に係合する突条部42Aが2本形成されている。このため、アタッチメント取付部材40を1本のビス41で固定しても、突条部42Aを溝128に係合させることで、アタッチメント取付部材40を回り止めすることができ、アタッチメント取付部材40のビス止め作業を容易に行うことができるようされている。
なお、ビス41の頭は、前記係合壁部43、壁部44で囲まれた凹部に納まり、アタッチメント取付部材40の上方に突出することがないように構成されている。
壁部44の上面は傾斜されており、スロープ用アタッチメント30の傾斜面を支持できるように構成されている。また、係合壁部43には、スロープ用アタッチメント30が係合する係合突部43Aが形成されている。
スロープ用アタッチメント30は、アルミニウム合金等の金属製のアタッチメント本体31と、このアタッチメント本体31に固定された樹脂製の係合部材35とを備えて構成されている。
アタッチメント本体31は、水平面部32と、水平面部32の浴室側に連続して形成された傾斜面部33とを備えている。水平面部32の下面には互いに対向する方向に突出した断面L字状の2条の係合突片321が一体に形成され、この係合突片321に前記係合部材35が係合固定されている。
傾斜面部33の下面には、前記アタッチメント取付部材40の係合壁部43に係合する係合突片331が一体に形成されている。また、傾斜面部33の浴室側端縁には垂直下方に折曲されて形成された垂直壁部332と、この垂直壁部332から脱衣室側に折り返されて形成された折返部333とが設けられている。
一方、係合部材35は、係合突片321に係合される係合部36と、前記係合凹溝127に係合される係合突部37とが一体に形成された短尺(ピース状)の部材である。この係合部材35は、少なくともスロープ用アタッチメント30の両端近傍に1つずつ、計2つ設けられ、スロープ用アタッチメント30の長さ寸法によっては、さらに中間部に1〜数個設けられる。
そして、スロープ用アタッチメント30を下枠12に取り付けた際に、係合部材35は脱衣室側上面部121Aに載置され、折返部333は浴室床2の床面2Aに載置され、金属製のアタッチメント本体31が直接金属製の下枠12に接触することがないように構成されている。
スロープ用アタッチメント30の水平面部32の高さレベルは、下枠12の被覆部123上面と同一とされ、従って、脱衣室床3の床面3Aとも略同一とされている。
一方、浴室床2の床面2Aと水平面部32の高さレベルとは約10〜15mm程度異なっており、段差が設けられている。また、垂直壁部332の高さ寸法は5mm以下とされ、傾斜面部33の勾配は1/5(11度)以下でかつ傾斜面部33の奥行き寸法が40mm以内とされていたり、傾斜面部33の勾配は1/8(約7度以下)とされている。
下框22の下面には、シール部材220が取り付けられている。シール部材220は、下框22に嵌合され、かつ浴室側端縁および脱衣室側端縁にそれぞれシール片221,222が下方に向かって突設されている。浴室側端縁に形成されたシール片221は、アタッチメント本体31に当接し、浴室側の水がスロープ用アタッチメント30を越えて流出しないように一次的に防水している。また、脱衣室側端縁に形成されたシール片222は、シール材125に当接し、前記シール片221を越えて流れ込んだ水が脱衣室側に流出しないように二次的に防水している。
スロープ用アタッチメント30の左右両端には、図3,6に示すように、排水口カバー部材50が取り付けられている。排水口カバー部材50は、2つの挿入部51,52を備え、挿入部51を垂直壁部332および係合突片331間に挿入し、挿入部52を2つの係合突片321間に挿入することで、スロープ用アタッチメント30に対して着脱可能に取り付けられている。
排水口カバー部材50は、傾斜面部33に面一とされた傾斜面部53と水平面部32に面一とされた水平面部54とを備えている。
但し、排水口カバー部材50には垂直壁部332および折返部333に相当する部分は形成されておらず、排水口カバー部材50の浴室側端面と床面2Aとの間には開口55が形成されている。
次に、浴室出入口用建具1における排水構造について説明する。
通常、浴室床2からスロープ用アタッチメント30部分に流れ込んだ水は、スロープ用アタッチメント30に当接するシール片221によって堰き止められ、傾斜面部33を介して浴室側に戻される。また、スロープ用アタッチメント30部分に流れ込む水が多い場合、あるいは勢いよく流れ込んだ場合には、流れ込んだ水の一部がシール片221を乗り越えることもあるが、この場合には、水平面部32の脱衣室側端面から上面部121に水が流れ落ちる。
上面部121に流れ落ちた水は、立上部122で堰き止められ、さらにシール材125、222によって塞がれているので、被覆部123側つまり脱衣室の床面3Aには流出しない。このため、上面部121に流れ込んだ水は、その水勾配に従って、上面部121上を浴室側に流れる。ここで、スロープ用アタッチメント30の浴室側端部は垂直壁部332によって塞がれているので、水は浴室端部側上面部121C上を左右方向(下枠12の長手方向)に流れる。
浴室端部側上面部121C上を左右方向に流れた水は、左右の排水口カバー部材50部分に達し、開口55から床面2Aに戻される。
従って、アタッチメント取付部材40と上面部121間に区画形成される空間によって排水空間60が形成されている。
このような本実施形態によれば、以下のような効果がある。
(1) スロープ用アタッチメント30を下枠12に取り付けるにあたって、上面部121にアタッチメント取付部材40を固定し、このアタッチメント取付部材40にスロープ用アタッチメント30を係合して取り付けている。このため、特許文献1のようなアタッチメント取付片が下枠の略全長に渡って一体に形成された下枠に比べて、上面部121には僅か2カ所に小さなアタッチメント取付部材40が取り付けられているだけであるため、上面部121を殆どフラットな面に形成できる。このため、スロープ用アタッチメント30を下枠12から取り外した際に、上面部121部分を容易に清掃することができる。
(2) 下枠12の上面部121において突出するのは、アタッチメント取付部材40のみであり、特許文献1のような下枠長手方向に連続する取付片が存在しないため、排水空間60において排水の障害となる突出部を少なくでき、排水性能を向上できる。
その上、下枠12とは別体のアタッチメント取付部材40を取り付けているので、上面部121は取付片を切り欠いた場合に比べて非常に滑らかな面に形成できる。このため、上面部121を流れる水は非常にスムーズに流れ、排水性を向上でき、上面部121の残水も非常に少なくできる。このため、下枠12の上面部121を即座に乾燥させて、清潔性を維持させることができる。
(3) 浴室端部側上面部121Cに溝128を形成したので、浴室端部側上面部121Cに流れ込んだ水の表面張力を壊し、溝128に沿って下枠12の端部位置まで水を案内して、排水口カバー部材50の開口55から排水することができる。このため、下枠12の全長に渡って上面部121上の水を効果的に排水することができる。
(4) スロープ用アタッチメント30を、アルミ合金等の金属製のアタッチメント本体31を用いて構成しているので、耐水性や剛性に優れ、かつ比較的軽量なスロープ用アタッチメント30とすることができ、容易に取り扱うことができる。
(5) アタッチメント取付部材40を合成樹脂製とし、かつスロープ用アタッチメント30において金属製の下枠12に接する部分を樹脂製の係合部材35で構成したので、金属製のアタッチメント本体31が直接金属製の下枠12に接触することを防止できる。このため、利用者がスロープ用アタッチメント30を踏んだ際に、金属材同士の接触による音鳴りの発生を防止でき、利用者に不快感を与えることも防止できる。
(6) スロープ用アタッチメント30は、アタッチメント取付部材40および下枠12の係合凹溝127に、係合突片331および係合突部37を係合して取り付けているので、スロープ用アタッチメント30をその見込み方向(浴室から脱衣室に向かう方向)の2カ所で固定でき、スロープ用アタッチメント30を下枠12に安定して取り付けることができる。また、スロープ用アタッチメント30は、下枠12側に単に係合固定しているだけであるため、ねじ止めなど行う場合に比べて、スロープ用アタッチメント30の着脱作業を非常に簡単に行え、その分、スロープ用アタッチメント30を取り外して行う清掃作業の作業性も向上できる。
(7) スロープ用アタッチメント30の浴室側端部が浴室の床面2Aまで延出されているので、下枠12と浴室床2との接合面つまりシール剤5が充填された部分をアタッチメント30で被覆でき、意匠性および防水性を向上できる。
さらに、浴室床2はFRP等で構成されているので、金属製のアタッチメント本体31が直接載置されても、接触による音鳴りを防止することができる。
(8) 下枠12の立上部122と、下框22との間をシール材125、222で塞いでいるので、上面部121上に流れ込んだ水が立上部122を越えたとしても、その水をシール材125、222で確実に堰き止めることができて防水性能を向上できる。
その上、シール材125、222を設けることで、立上部122の高さ寸法をそれほど大きくする必要が無く、立上部122の高さ寸法つまり浴室の床面2Aと脱衣室の床面3Aとの段差寸法を10〜15mm程度以下に抑えることができ、スロープ用アタッチメント30を取り付けることで容易にバリアフリー対応の浴室出入口とすることができる。
〔第2実施形態〕
次に、本発明の第2実施形態に係る浴室出入口用建具1Aについて、図7に基づいて説明する。
浴室出入口用建具1Aは、折れ戸形式の建具であり、下枠12には障子(戸)20を案内するレール131が一体に形成されている。このため、スロープ用アタッチメント30Aの係合突部37が係合する係合凹溝127は、立上部122部分ではなく、レール131の根元部分に形成されている。
また、下框22には、レール131に当接するシール材223が設けられ、スロープ用アタッチメント30を越えて流出してきた水を一次的に止水している。なお、第1実施形態と同様に、立上部122にも下框22に当接するシール材125が設けられ、シール材223を越えた水を更に止水できるように構成している。
なお、浴室出入口用建具1Aでは、立上部122およびレール131間に流入した水は、下枠12の左右方向に流し、その端面から浴室側に戻すように構成している。従って、立上部122およびレール131間には第2排水空間61が形成されている。
その他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
このような第2実施形態の浴室出入口用建具1Aにおいても、スロープ用アタッチメント30Aを越えた水は、上面部121およびスロープ用アタッチメント30A間の排水空間60を介して浴室側に排出される。従って、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
〔第3実施形態〕
次に、本発明の第3実施形態に係る浴室出入口用建具1Bについて、図8に基づいて説明する。
浴室出入口用建具1Bは、3枚の引戸を有する建具であり、スロープ用アタッチメント30Bには、傾斜面部33のほか、各引戸を案内する3本のレール132が一体に形成されている。そして、スロープ用アタッチメント30Bには、各引戸の下框22に当接して脱衣室側への水の流出を防止する3本のシール材133がそれぞれ取り付けられている。
スロープ用アタッチメント30Bの脱衣室側端部には、樹脂製のスペーサ部材301が取り付けられており、下枠12の立上部122に形成された係合凹溝127部分に配置されている。
その他の構成は、前記第1実施形態と同様であるため、説明を省略する。
このような第3実施形態の浴室出入口用建具1Bにおいては、シール材133および下框22によって脱衣室側への水の流出は防止されるが、仮に、スロープ用アタッチメント30Bを越えた水があっても、その水は上面部121およびスロープ用アタッチメント30B間の排水空間60を介して浴室側に排出される。従って、前記第1実施形態と同様の作用効果を奏することができる。
さらに、第3実施形態によれば、レール132をスロープ用アタッチメント30Bに一体に形成したので、下枠12側にレールを一体に形成する必要が無く、下枠12を例えば開き戸形式の建具用と共通化することもでき、部品種類を少なくできる利点がある。
また、スロープ用アタッチメント30B上に障子20の荷重が加わるために、スロープ用アタッチメント30Bを下枠12に押し付けることができ、スロープ用アタッチメント30Bの浮き上がりを確実に防止できる。
なお、第3実施形態において、スロープ用アタッチメント30Bを着脱して清掃作業を行う場合には、各障子20を取り外して行ってもよい。また、スロープ用アタッチメント30Bを下枠12の長手方向中心部分で2分割し、3枚の障子20を一方の縦枠13側に寄せて障子20が載っていないスロープ用アタッチメント30B側を取り外して清掃作業を行い、取り外していたスロープ用アタッチメント30Bを取り付けてそのアタッチメント30B上に3枚の障子20を移動した後、他方のアタッチメント30Bを取り外して清掃作業を行ってもよい。
また、以上の各実施形態では、スロープ用アタッチメント30,30A,30Bの浴室側端部を床面2A上まで延長させていたが、図9に示すように、その端部を下枠12の浴室側端面よりも脱衣室側に位置させて床面2A上に突出しないように構成してもよい。
なお、この場合には、スロープ用アタッチメント30,30A,30Bの浴室側端部に樹脂製のスペーサ部材302を取り付けて、アタッチメント30,30A,30Bが直接下枠12に接触しないように構成することが音鳴りを防止できる点で好ましい。
〔第4実施形態〕
次に、本発明の第4実施形態に係る浴室出入口用建具1Cについて、図10ないし図13に基づいて説明する。
図10は、本実施形態の浴室出入口用建具1Cの縦断面図であり、図11は、浴室出入口用建具1Cの横断面図である。図12は、浴室出入口用建具1Cの要部である下枠部分を拡大して示す縦断面図である。図13(A)〜(D)は、浴室出入口用建具1Cに設けられる引水部材70を示す四面図であり、(A)は引水部材70の上面図、(B)は引水部材70の側面図、(C)は引水部材70の底面図、(D)は引水部材70の側面図である。
浴室出入口用建具1Cは、建具枠10Aと、この建具枠10A内に開閉自在に設けられた片引き戸形式の障子(可動障子、戸)20Aとを備えた片引き戸形式の建具である。
建具枠10Aは、それぞれアルミ押出形材製の上枠11A、下枠12A、および左右の縦枠13Aを四周枠組みして形成されている。そして、建具枠10Aの幅方向略中央における上枠11Aと下枠12Aとの間には、縦骨14が架設されており、この縦骨14と一方(図11の右側)の縦枠13Aとの間には、固定面材15が障子20Aよりも浴室側に固定されている。この固定面材15により開放した際の障子20Aを収納する戸袋16が構成されている。
障子20Aは、それぞれアルミ押出形材製の上框21A、下框22A、および左右の竪框23Aを四周枠組みし、ガラスや樹脂などの面材24Aを組み込んで形成されている。そして、障子20Aは、その下框22Aに設けられた戸車22Bが、下枠12Aの立上部122よりも脱衣室側に取り付けられたレール部材134のレールに案内され、下枠12Aの長手方向に沿って開閉移動可能に支持されている。
浴室出入口用建具1Cにおいて、スロープ用アタッチメント30Cは、図11の左側の縦枠13Aと縦骨14との間で、下枠12Aの立上部122よりも浴室側に取り付けられている。そして、スロープ用アタッチメント30Cの左右両端部には、前記各実施形態と略同様の排水口カバー部材50が取り付けられている。
スロープ用アタッチメント30Cは、前記実施形態と同様に、アルミニウム合金等の金属製のアタッチメント本体31を有しており、このアタッチメント本体31は、水平面部32と、水平面部32の浴室側に連続して形成された傾斜面部33とを備えている。水平面部32の下面には互いに対向する方向に突出した断面L字状の2条の係合突片321が一体に形成されている。傾斜面部33の下面には、前記アタッチメント取付部材40の係合壁部43に係合する係合突片331が一体に形成されている。また、スロープ用アタッチメント30Cの傾斜面部33は、浴室の浴室床2の床面2A上方まで延出されており、傾斜面部33の浴室側端縁には下方に折曲されて形成された垂直壁部332が設けられている。この垂直壁部332の下端には、浴室床2の床面2Aに当接するシール材334が取り付けられている。
スロープ用アタッチメント30Cの下側には、合成樹脂製の一体成形短尺(ピース状)部材である引水部材70が、下枠12Aの長手方向に間隔を開けて2箇所に設けられている。この引水部材70は、スロープ用アタッチメント30Cの傾斜面部33下面に設けられた係合突片335と、前記係合突片331との間に係合されてスロープ用アタッチメント30Cに取り付けられている。そして、引水部材70は、スロープ用アタッチメント30Cと下枠12Aの上面部121との間に形成された排水空間60と、スロープ用アタッチメント30Cと浴室床2の床面2Aとの間に形成された空間とに跨って設けられている。
なお、引水部材70は、スロープ用アタッチメント30Cの下側に設ける以外に、排水口カバー部材50の下側に設けることもできる。
引水部材70は、図13にも示すように、平面略矩形板状の第1本体部71および第2本体部72と、これら第1および第2の本体部71,72を連結する連結部73と、第1および第2の本体部71,72の下面から下方に延出する第1および第2の延出部74,75と、連結部73から上方に延出して係合突片331に係合する係止片部76とを備えて形成されている。そして、スロープ用アタッチメント30Cに取り付けた状態において、第1本体部41は、下枠12Aの上面部121に沿って略水平に配置され、第2本体部72は、スロープ用アタッチメント30Cの傾斜面部33に沿って配置されるようになっている。
第1および第2本体部71,72には、複数の孔77が当該第1および第2本体部71,72を板厚方向に貫通して設けられている。また、第1および第2の延出部74,75の下端縁には、円弧状の凹み78が形成されている。そして、これらの孔77および凹み78により表面積拡大手段が構成され、引水部材70の水平または垂直投影面積に対する表面積が拡大されている。
以上のような引水部材70は、第1延出部74の下端縁が下枠12Aの上面部121に接触するようにしてして設けられており、下枠12Aの上面部121に水が滞留しようとしても、この水の表面に接触することによって水の表面張力を壊し、上面部121上の水を浴室床2側に引っ張って誘導することができるようになっている。
このような第4実施形態の浴室出入口用建具1Cにおいては、引水部材70によって下枠12Aの上面部121上の水を浴室床2側に誘導することができるので、上面部121の残水をより一層少なくすることができる。また、孔77および凹み78によって引水部材70の表面積が拡大されているので、下枠12Aの上面部121に滞留しようとする水の表面張力を壊しやすくでき、この水をさらに確実に誘導することができる。
〔第5実施形態〕
次に、本発明の第5実施形態に係る浴室出入口用建具1Dについて、図14ないし図19に基づいて説明する。
図14は、本実施形態の浴室出入口用建具1Dの縦断面図であり、図15は、浴室出入口用建具1Dの横断面図である。図16は、浴室出入口用建具1Dの要部である下枠部分を拡大して示す縦断面図である。図17(A)〜(D)は、浴室出入口用建具1Dに設けられる引水部材70Aを示す四面図であり、(A)は引水部材70Aの上面図、(B)は引水部材70Aの側面図、(C)は引水部材70Aの底面図、(D)は引水部材70Aの側面図である。
浴室出入口用建具1Dは、前述の第3実施形態と同様の3枚の引戸を有する建具であり、建具枠10Bと、この建具枠10B内に開閉自在に設けられた3枚の引き戸形式の障子(可動障子、戸)20Bとを備えている。
建具枠10Bは、それぞれアルミ押出形材製の上枠11B、下枠12B、および左右の縦枠13Bを四周枠組みして形成されている。3枚の障子20Bは、それぞれアルミ押出形材製の上框21B、下框22B、および左右の竪框23Bを四周枠組みし、ガラスや樹脂などの面材24Bを組み込んで形成されている。そして、障子20Bは、下枠12Bに取り付けられた前述の第3実施形態と同様のスロープ用アタッチメント30Dのレール132に案内され、下枠12Bの長手方向に沿って開閉移動可能に支持されている。また、図15中、右側の障子20Bは、縦枠13Bに固定され、通常時には開閉移動しないようになっている。
浴室出入口用建具1Dにおいて、スロープ用アタッチメント30Dは、左右の縦枠13B間で、下枠12Bの立上部122よりも浴室側に取り付けられている。そして、スロープ用アタッチメント30Dの左右両端部には、排水口カバー部材50が取り付けられている。
スロープ用アタッチメント30Dは、前記第3実施形態と同様に、アルミニウム合金等の金属製のアタッチメント本体31を有しており、このアタッチメント本体31には、傾斜面部33のほか、各引戸を案内する3本のレール132が一体に形成されている。傾斜面部33の浴室側端縁には下方に折曲されて形成された垂直壁部332が設けられており、この垂直壁部332の下端には、浴室床2の床面2Aに当接するシール材334が取り付けられている。そして、スロープ用アタッチメント30Dの下側には、前述の第4実施形態と同様の引水部材70Aが設けられており、この引水部材70Aは、スロープ用アタッチメント30Dと下枠12Bの上面部121との間に形成された排水空間60と、スロープ用アタッチメント30Dと浴室床2の床面2Aとの間に形成された空間とに跨って設けられている。
引水部材70Aは、第1および第2の本体部71,72に孔77が設けられておらず、また第2延出部75の下端縁に凹み78が形成されていない点が前述の第4実施形態の引水部材70と相違する他は、引水部材70と略同様の構成を備えている。
この引水部材70Aは、第1延出部74の下端縁が下枠12Bの上面部121に対して所定の隙間(例えば、3mm以下の隙間)を有して設けられており、下枠12Bの上面部121に水が滞留しようとしても、この水の表面に接触することによって水の表面張力を壊し、上面部121上の水を浴室床2側に引っ張って誘導することができるようになっている。
また、本実施形態の引水部材としては、図18および図19に示すような構成が採用できる。
図18は、本実施形態の変形例に係る下枠部分を拡大して示す縦断面図である。図19(A)〜(D)は、変形例の引水部材70Bを示す四面図であり、(A)は引水部材70Bの上面図、(B)は引水部材70Bの側面図、(C)は引水部材70Bの底面図、(D)は引水部材70Bの側面図である。
引水部材70Bは、第1本体部71の長さ寸法が下枠12Bの上面部121の見込み寸法と略同一となる程度に長く形成された点が前記引水部材70と相違する他は、引水部材70Aと略同様の構成を備え、下枠12Bの上面部121に対して所定の隙間を有して設けられている。
このような第5実施形態の浴室出入口用建具1Dにおいては、引水部材70A,70Bによって下枠12Bの上面部121上の水を浴室床2側に誘導することができるので、上面部121の残水をより一層少なくすることができる。また、図18、19に示すように、引水部材70Bの第1本体部71を長く形成すれば、下枠12Bの上面部121における脱衣室側に近い奥まった位置から浴室床2まで水を誘導することができ、さらに残水を少なくすることができる。
なお、本発明は前記各実施形態の構成に限定されるものではない。
例えば、浴室出入口用建具1としては、前記各実施形態に示す開き戸形式の浴室出入口用建具1、折れ戸形式の浴室出入口用建具1A、三連引戸形式の浴室出入口用建具1B,1D、片引き戸形式の浴室出入口用建具1Cに限らず、二枚引戸形式の浴室出入口用建具でもよい。従って、建具枠10,10A,10Bや障子20,20A,20Bの具体的な構造、材質などは、実施にあたって適宜設定すればよい。
さらに、本発明において、脱衣室とは浴室に隣接して設けられて、浴室に出入りする際に利用される空間であればよく、例えば浴室に隣接して設けられた居室や廊下から浴室に出入りする際には、これらの居室や廊下を含む概念である。また、浴室は、ユニット化されたものに限らず、在来工法で形成された浴室であってもよい。
下枠12と障子20の下框22間のシール構造は、各実施形態に記載されたものに限らない。例えば、浴室出入口用建具1Aでは、下枠12にシール材125を取り付け、下框22にシール部材220を取り付けていたが、一方の部材のみに他方の部材に当接するシール材を取り付けてもよい。
アタッチメント30,30A,30Bの構成としても、金属製のアタッチメント本体31と、樹脂製の係合部材35やスペーサ部材301,302等から構成されたものに限らない。例えば、剛性を確保するために肉厚にしたり、リブ等を設けることで、アタッチメント30,30A,30B全体を樹脂製としてもよい。
また、アタッチメント30,30A,30B全体をアルミ合金等の金属製としてもよい。但し、金属材同士の接触部分が残ると音鳴りが生じやすいため、例えば、下枠12の上面部121に樹脂被覆を施したりして金属材同士の接触を防止することが好ましい。
同様にアタッチメント取付部材40も樹脂製のものに限定されず、金属製の部材を用いてもよいが、特にアタッチメント30,30A,30Bが金属製の場合には、音鳴りを防止する点で前記実施形態のような樹脂製のものを用いることが好ましい。また、アタッチメント取付部材40の具体的形状、構成は、前記実施形態のものに限定されず、アタッチメント30,30A,30Bを係合固定できるものであればよい。
1,1A,1B,1C,1D…浴室出入口用建具、2…浴室床、2A…床面、3…脱衣室床、10,10A,10B…建具枠、12,12A,12B…下枠、20,20A,20B…障子、30,30A,30B,30C,30D…スロープ用アタッチメント、31…アタッチメント本体、33…傾斜面部、60,61…排水空間、70,70A,70B…引水部材、71…第1本体部、72…第2本体部、73…連結部、74…第1延出部、75…第2延出部、76…係止片部、77…表面積拡大手段である孔、78…表面積拡大手段である凹み、121…上面部、122…立上部。

Claims (5)

  1. 浴室出入口に取り付けられる建具枠と、この建具枠に対して開閉可能に設けられた戸とを備えて構成された浴室出入口用建具であって、
    前記建具枠の下枠は、略フラットな上面部と、この上面部の脱衣室側端部から上方に立ち上がって形成された立上部とを備え、
    前記上面部には、上端が前記立上部上端と略同じ高さに位置されかつ浴室側に向かって低くなる傾斜面を有するスロープ用アタッチメントが取り付けられ、
    前記スロープ用アタッチメントと前記下枠の上面部との間には、当該上面部上に流出した水を浴室側に戻す排水空間が形成され、この排水空間には、前記上面部上の水を引き寄せて浴室側に誘導する引水部材が設けられている浴室出入口用建具。
  2. 前記引水部材は、前記排水空間と、前記スロープ用アタッチメントと浴室床面との間に形成された空間とに跨って設けられている請求項1に記載の浴室出入口用建具。
  3. 前記引水部材は、平面略矩形板状の第1本体部および第2本体部と、これら第1および第2の本体部を連結する連結部と、前記第1および第2の本体部の下面から下方に延出する第1および第2の延出部と、前記連結部から上方に延出して前記スロープ用アタッチメントに係合する係止片部とを備えて形成されている請求項1または請求項2に記載の浴室出入口用建具。
  4. 前記引水部材の第1本体部および第2本体部には、孔および凹みの少なくともいずれか一方により構成される表面積拡大手段が設けられている請求項3に記載の浴室出入口用建具。
  5. 前記引水部材における前記第1本体部の長さ寸法は、前記下枠における前記上面部の見込み寸法と略同一に形成されている請求項3または請求項4に記載の浴室出入口用建具。
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