JP3879628B2 - 浴室の出入口構造 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室の出入口構造に関する発明であって、詳しくは、出入口を開けた引戸が納められる下レールの部位における排水構造の発明である。
【0002】
【従来の技術】
従来から、浴室と脱衣所との間の仕切り壁に開口した浴室の出入口には、浴室に隣接した脱衣所等の部屋に浴水を侵入させないように扉が開閉自在に配置されている。この扉としては開き戸や引戸など様々な種類のものが用いられるが、たとえば、出入口の開口面積と略同等の板面積を有する1枚の引戸の場合がある。この場合、出入口を開けた引戸が納められる戸袋に相当する部位がこの出入口に隣接して設けられる。この戸袋に相当する部位は、浴室がユニットルームで構成された場合には浴室内には施工しにくいといった理由や、浴室内の景観を損ねてしまうなどの理由で、仕切り壁の脱衣所側の壁面に沿わせて設けられることが多い。
【0003】
たとえば、図17乃至図19には、出入口4の脱衣所側に、出入口4の開口面積と略同等の板面積を有する1枚の引戸(図示せず)を開閉自在に設けてなる浴室の出入口構造の例を示す。この引戸は、出入口4の幅方向に亘ると共に仕切り壁3の脱衣所側の壁面に沿って配設された上下1対のレールの間に摺動自在に取付けられている。上記レールのうち下レール6にあっては、その脱衣所側の部位で脱衣所の床面に接続固定され、その浴室側の部位には下方に凹没した受け凹所21が設けられている。そして、この受け凹所21が出入口4の床を構成する床枠材27や仕切り壁3に接続固定されている。なお、仕切り壁3は浴室1の壁パネル12と脱衣所2の戸袋パネル15と称される壁パネル材とが対面して構成されている。この戸袋パネル15は図19に示す幅木材40’の上に立設されており、この幅木材40’が受け凹所21内に固定されて下レール6と仕切り壁3とが固定がされている。また、出入口4は仕切り壁3の開口部位であるが、仕切り壁3を構成する壁パネル12及び戸袋パネル15の出入口4側の端部には、出入口4の縦壁面を構成する方立28が連結されて立設されている。
【0004】
なお、出入口4の床を構成する床枠材27は、上面に開口する排水溝9が設けてあり、この排水溝9の上面開口には蓋材(図示せず)が被着される。この蓋材は、浴室1の床面と脱衣所2の床面とを略段差なく連続させる出入口4の床面を構成するものであって、近年の段差を無くそうとするバリアフリー設計に対応させるものである。しかして、出入口4の床面が浴室1の床面と脱衣所2の床面との段差のないバリアフリー設計に対応したものであっても、浴室1の床面に溢れて脱衣所2の床面に侵入しようとする浴水は、出入口4の床面を通る際に、出入口4の床面を構成する床枠材27の排水溝9に排水できるようにされている。また、出入口4を閉めた引戸にも浴水が降りかかる場合があって、この引戸に降りかかった浴水は引戸の表面を伝って滴り落ちて下レール6に至るのであるが、この下レール6の床枠材27に隣接した部位(つまり、出入口4の部位)には切り欠き26が設けてあり、この切り欠き26を通して上記浴水は床枠材27の排水溝9に排水できるようにされている(図中矢印A)。
【0005】
このように、上記浴室の出入口構造にあっては、浴室1の床面から出入口4の床面に溢れた浴水は勿論のこと、出入口4を閉めた状態の引戸に降りかかった浴水をも、出入口4の床面を構成する床枠材27の排水溝9に排水できるような構造になっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記構成を有する浴室の出入口構造にあって、浴水が降りかかった状態の引戸をそのまま戸袋に相当する部位に納めたときには、出入口4を閉めた引戸が収まる下レール6の部位に浴水が滴り落ちるようになる。この出入口4を閉めた引戸が収まる下レール6の部位は、仕切り壁3に沿って位置する部分であって、つまり出入口4の床面には隣接していない部位であるから、この部位に滴り落ちた浴水は排水されず、下レール6内に残留してしまうといった問題があった。
【0007】
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、浴水が降りかかった引戸をそのまま戸袋に相当する部位に収め、出入口を閉めた引戸が位置する下レールの部位に引戸から浴水が滴り落ちたとしても、この下レールの部位から浴水を排水できるようにした浴室の出入口構造を提供することを課題とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明に係る浴室の出入口構造は、浴室1の壁パネル12に設けた浴室開口部よりも幅広に形成した脱衣所開口部を脱衣所2に設け、浴室開口部と脱衣所開口部との連通部分で浴室1と脱衣所2とを連通する出入口4を形成し、脱衣所開口部のうち浴室開口部と連通しない部位に設置した戸袋パネル15と対向する壁パネル12とで浴室1と脱衣所2との仕切り壁3を形成し、上記脱衣所開口部にその幅方向に亘って引戸5をガイドする下レール6を設け、浴室 1 の床パン11と下レール6とを接続させて出入口4の床を構成させる床枠材27を出入口4の幅寸法と同等の長さ寸法に形成すると共に、この床枠材27にその長さ方向に亘って上方に開口する凹状の排水溝9を形成すると共に、この排水溝9の底面を下レール6の底面に比べて低い位置に形成し、脱衣所開口部の幅方向の略中央部分に立設した出入口4の縦壁を構成する方立28の表面側の下端部を床枠材27の仕切り壁3側の端部に当接し、方立28の裏面に固定した戸袋パネル15を下レール6のうち出入口4を開けた引戸5が収まる部位に沿わせて配置した幅木材40の上に載設し、下レール6のうち出入口4を開けた引戸5が収まる部位に排水孔7を設け、排水孔7から浴水が排水される管状の排水経路8を幅木材40にその長さ方向に亘って形成し、排水孔7の下縁に比べて排水経路8の底面を下方位置に位置させると共に、出入口4の方向に突設された排水経路8の出口部分を方立28に設けた切り欠き39を通して床枠材27の排水溝9上に臨ませるように配置したことを特徴とする。これにより、浴水が降りかかって濡れた状態の引戸5をスライドさせて出入口4を開けたときなどには、出入口4を開けた引戸5が収まる部位の下レール6には浴水が滴り落ちるのであるが、この下レール6に滴り落ちた浴水は下レール6に設けた排水孔7から排水経路8を経て浴室側に排水させることができ、浴水の下レール6への残留を防止できる。なお、下レール6の長手方向の任意位置に排水孔7を設けて下レール6の任意位置の浴水を排水経路8に適宜排水させることも可能である。
【0009】
また、排水溝9から浴室1の床下に設けた排水トラップに排水管10を連通させたことも好ましい。これによると、排水溝9に排水された浴水も上記排水溝9に残留させずに滞りなく排水トラップに排水させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、出入口4の脱衣所側に引戸5を開閉自在に設けた場合の浴室の出入口構造において、出入口4を開けた引戸5が納まる部位に排水構造を設けたことに特徴を有するものであって、浴水が降りかかって濡れた引戸5を上記部位に納めた場合にも浴水を滞りなく浴室側に排水できるようにしたものである。以下、本発明を添付図面に示す実施形態に基づいて説明する。
【0011】
図1乃至図4に示すように、隣接する浴室1と脱衣所2との間には仕切り壁3が形成されており、この仕切り壁3を貫通するように浴室1と脱衣所2とを連通する出入口4が設けられている。浴室1は床パン11の外縁に壁パネル12を立設してなるユニットルームで構成されている。この浴室1の脱衣所2に隣接する壁パネル12には浴室開口部が開口され、この浴室開口部には開口枠13が取付けられている。この開口枠13は1対の縦枠13aの上端を横枠13bで連結して形成されている。また、脱衣所2の浴室1に隣接する壁には浴室開口部の略2倍ほど幅広に形成した脱衣所開口部が開口し、その幅方向の端部位置で浴室開口部と連通させている。この脱衣所開口部には額縁14が設けられている。この額縁14は1対の縦額縁14aの上端を横額縁14bで連結して形成されている。なお、脱衣所開口部のうち浴室開口部と連通しない部位には戸袋パネル15と称される壁パネル材が設置される。なお、戸袋パネル15は後述する幅木材40上に載設される。しかして、脱衣所開口部と浴室開口部との連通部位が出入口4となり、対向する戸袋パネル15と浴室1の壁パネル12とで仕切り壁3が形成される。
【0012】
上記脱衣所開口部にはその幅方向に亘って引戸5をガイドするレールが設けられている。本例の引戸5には、出入口4の開口面積と略同面積の板面を有し、上レール16に釣り下がって摺動するタイプのものが用いられる。つまり、上記レールは1対の上レール16と下レール6とで構成されると共に、引戸5にはその上面に吊り下げ転動体17が設けられると共に下面にガイド溝18が形成されており、上レール16には上記吊り下げ転動体17を摺動自在に転動させるガイドレール19が形成され、下レール6にはガイド溝18に挿入するガイド突起20が形成されている。なお。図2中48は引戸5の取っ手である。
【0013】
詳述すると、本例の下レール6は、図5に示すように、脱衣所開口部の幅寸法と同様長さの長さ寸法を有したレール枠であり、浴室側の端縁部には下方に凹没した受け凹部21が形成されると共に、脱衣所側の端縁部には脱衣所2の床面に接続される連結部22が形成されており、この受け凹部21と連結部22との間には下方に凹没すると共にガイド突起20を備えた中央凹部23が形成されている。この中央凹部23の底面は、受け凹部21の底面より高い位置に形成されていると共に浴室側に低くなる水勾配が設けられている。また、ガイド突起20の上面は浴室1及び脱衣所2の床面とほぼ同高さ位置に形成されており、ガイド突起20の長手方向の数ヵ所には水抜き用の切り欠き部24が形成されている。
【0014】
受け凹部21と中央凹部23との境界には縦壁状の起立片23aが立設しているが、この起立片23aの長手方向には中央凹部23内に流入した浴水を浴室側に排水させる起立片排水孔25や切り欠き26が形成されている。起立片排水孔25は下レール6の長手方向のうち出入口4を開けた引戸5が収まる位置に形成されており、切り欠き26は下レール6の長手方向のうち出入口4を閉めた引戸5が位置する位置に形成されている。そして、この起立片排水孔25及び切り欠き26は、ガイド突起20の切り欠き部24に対応する位置にそれぞれ設けられている。上記構成の下レール6は、脱衣所2の床面の浴室側端部に連結部22が連結固定されて脱衣所開口部の床部分に亘って配設されている。また、下レール6の垂直上方に位置される上レール16は、横額縁14bに固定されて脱衣所開口部の天井部分に亘って配設されている。
【0015】
また、上記出入口4は、具体的に、床を構成する床枠材27と、縦壁を構成する方立28及び縦枠材29と、天井を構成する天枠材30とで上下左右を囲まれて形成されている。つまり、床枠材27は下レール6と浴室1の床とを連結し、方立28は脱衣所開口部の幅方向の略中央に位置して開口枠13の一方の縦枠13aと戸袋パネル15とを連結し、縦枠材29は脱衣所開口部の幅方向の端部に位置して開口枠13の他方の縦枠13aと脱衣所2の縦額縁14aとを連結し、天枠材30は上レール16と開口枠13の横枠13bとを連結しているものである。
【0016】
詳述すると、床枠材27は、図1に示すように、出入口4の幅寸法と同等の長さ寸法を有し、長さ方向に亘って上方に開口する凹状の排水溝9が形成され、この排水溝9の浴室側に床パン11の外縁に連結される床パン接続部31が形成され、排水溝9の脱衣所側に下レール6の受け凹部21内に位置させてビス等の固着具32を介して接続させる下レール接続部33が形成されて構成された押出し成形品の枠材である。なお、床枠材27の排水溝9の底面は、浴室1及び脱衣所2の床面や下レール6の中央凹部23の底面に比べて低い位置に形成されている。
【0017】
この床枠材27は、下レール接続部33を下レール6の受け凹部21内に位置させてビス等の固着具32を介して下レール6に接続させると共に、床パン接続部31を床パン11の外縁に連結させることで、下レール6と浴室1の床とを連結する。なお、排水溝9の上面開口には多数のスリット(図示せず)を穿設した蓋材34が被着される。この蓋材34は出入口4の床面を構成するものであり、浴室1及び脱衣所2の床面とほぼ面一の状態にして浴室1と脱衣所2との間を段差の無いバリアフリー設計に対応させている。また、排水溝9の底面には排水孔47が形成されており、この排水孔47には浴室1の床下に配置される排水トラップや排水主管(図示せず)に至る排水管10が接続される。
【0018】
また、方立28は図6に示す上下に長い枠体である。この方立28は、出入口4の縦壁面を構成する平板部35を有しており、この平板部35の裏面における浴室側の端部には開口枠13の縦枠13aに沿わせて固定する浴室側枠部36を有し、平板部35の裏面における脱衣所側の端部には戸袋パネル15に沿わせて固定する脱衣所側枠部37を有し、平板部35の表面における脱衣所側の端部には脱衣所側に開口する断面U字状の水切り片38を有して構成されている。なお、この方立28の下端における脱衣所側の端部には、幅木材40に設けた排水経路8の出口を出入口4に導出させる切り欠き39が形成されている。この方立28は、その下端部分の表面側を上記床枠材27の仕切り壁側の端部に当接させるようにして、下レール6の受け凹部21に立設させて配置される。なお、下レール6に立設した方立28の裏面には、下レール6の受け凹部21に配置した幅木材40が当接されている。
【0019】
上記幅木材40は、図7及び図8に示すように、垂直に立設した縦材40aと、この縦材40aの上下端からそれぞれ浴室側に且つ水平に突設した上下横材40b,40cと、この上下横材40b,40cの浴室側端部から上下に且つ垂設したリップ材40d,40dとで主体が構成され、戸袋パネル15の幅寸法と同様の長さ寸法を有したチャンネル材である。この幅木材40の縦材40aには内外に貫通する貫通孔42が設けられ、縦材40aの内面には上記貫通孔42が連通する管状の排水経路8が長さ方向に亘って形成されている。なお、この排水経路8の出口部分は出入口4の方向に突設されている。
【0020】
この幅木材40は、その下部部位を下レール6の受け凹部21内に位置させて縦材40aの外面が下レール6の起立片23aに沿う状態にし、ビス等の固着具41を介して下レール6に固定される。なお、この幅木材40はその上横材40bの上に戸袋パネル15が載設されて仕切り壁3を構成するものであり、しかして幅木材40は、出入口4を構成する床枠材27と間に方立28を介在させて位置させるように下レール6に配置固定される。そして、下レール6に固定された幅木材40は、貫通孔42を下レール6の起立片排水孔25と連通させて排水孔7を形成する。この排水孔7は下レール6の中央凹部23内の浴水を排水経路8内に排水させる機能を有するものである。詳しくは、貫通孔42と排水経路8とは、貫通孔42が排水経路8内に開口しつつも貫通孔42の下縁に比べて排水経路8の底面が下方位置に位置するような位置関係を有しており、排水経路8内に排水した浴水の中央凹部23内への逆流が防止されるようになっている。なお、幅木材40の出入口4の方向に突設された排水経路8の出口部分は、方立28の切り欠き39を通って床枠材27の上面に至るようにされている。
【0021】
ここで、上述した浴室の出入口構造の施工について説明する。上記浴室の出入口構造を施工するには、まず、図10にあるように、下レール6のうち出入口4を閉めた引戸5が位置する部位に床枠材27を連結して配置し、下レール6のうち出入口4を開けた引戸5が収まる部位に幅木材40を連結して配置する。このとき、幅木材40の排水経路8の出口外縁にはパッキン43が巻装され、この排水経路8の出口部分は床枠材27上に位置される。次に、図11にあるように、床枠材27と幅木材40との間の部位の下レール6に載せるように方立28を配置する。このとき、方立28の表面の下部部分には図9のブチルシート44が貼着され、このブチルシート44によって当接する方立28の表面と床枠材27の長手方向の端面との間に水密構造が形成される。また、嵌合した方立28の切り欠き39と幅木材40の排水経路8の出口部分にはパッキン43によって水密構造が形成される。図12には上述した施工後の状態、つまり下レール6に床枠材27や幅木材40や方立28を配置した状態の斜視図を示している。最後に、図13に示すように幅木材40の上横材40bに載置するように戸袋パネル15を立設させる。ここで、脱衣所開口部の仕切り壁3側の幅方向の端部には縦額縁14aと戸袋パネル15とを連結する縦枠材49が設けられており、戸袋パネル15は方立28の脱衣所側枠部37と上記縦枠材49との間に配置される。そして戸袋パネル15は方立28の脱衣所側枠部37と上記縦枠材49とにそれぞれビス止めすることで取付け施工が行われる。なお、この縦枠材49には、出入口4を開けるようにレールをスライドさせた引戸5が縦枠材49に直接当たらないように、戸当たりクッションゴム45が取り付けられる。
【0022】
上記構成を有した浴室の出入口構造にあっては、浴水の排水に関して利点を有している。まず、浴室1の床面に溢れた浴水はバリアフリーに施された出入口4の床面には容易に至るものであるが、出入口4の床面に至った浴水は蓋材34のスリット等を経て床枠材27の排水溝9に流れ込むようにされている。また、出入口4を閉じた引戸5には浴水が降りかかる場合があるが、この引戸5に降りかかって下レール6の中央凹部23に流下した浴水は、図1や図15の矢印Aに示すようにガイド突起20の切り欠き部24、起立片23aの切り欠き26を経て、床枠材27の排水溝9に流れ込むようにされている。また、浴室1の床面に溢れた浴水が勢い余って下レール6にまで至ったとしても、この浴水も上記同様、下レール6の中央凹部23に流入し、ガイド突起20の切り欠き部24、起立片23aの切り欠き26を経て、床枠材27の排水溝9に流れ込むようにされている。
【0023】
なお、出入口4を閉じた引戸5にあっては、引戸5の幅方向端部に設けたパッキン46を方立28の脱衣所側枠部37との間に位置させるようになっている。つまり、このパッキン46は方立28と引戸5との隙間を塞ぐものであり、この隙間からの脱衣所側への浴水の侵入が防止されているのである。更に、方立28の水切り片38は、方立28と引戸5との隙間を浴室1に露出させないようにすることから、方立28と引戸5との隙間に浴水が直接降りかかることをなくしているのであって、方立28と引戸5との隙間から脱衣所2側に浴水が侵入することが更に防止されている。なお、水切り片38に降りかかって流下した浴水は、図16矢印Cに示すように床枠材27の排水溝9に流れ込むようにされている。
【0024】
また、出入口4を閉じた引戸5に浴水が降りかかって引戸5が濡れた状態にあるにもかかわらず、この状態の引戸5をそのままスライドさせて出入口4を開けたときには、出入口4を開けた引戸5が納まる下レール6の部位に引戸5に降りかかっていた浴水が滴り落ちるものであるが、この浴水は図1,14,15の矢印Bにあるようにガイド突起20の切り欠き部24、排水孔7、排水経路8を経て床枠材27の排水溝9に流れ込むようにされている。
【0025】
このように、本例の浴室の出入口構造にあっては、浴室1の床面に溢れた浴水や、出入口4を閉じた引戸5に降りかかった浴水のみならず、浴水が降りかかって濡れた状態の引戸5をスライドさせて出入口4を開けたときに下レール6に滴り落ちる浴水にあっても、下レール6に残留させないようにして床枠材27の排水溝9に排水させることができるのである。なお、排水溝9に集水、排水された浴水にあっては、排水溝9の底面の排水孔47、排水管10を経て浴室1の排水トラップや排水主管に排水されるようにされており、この排水溝9にも浴水が残留しないで滞りなく排水されるようにされている(図14矢印D)。
【0026】
なお、本例は、戸袋パネル15と一体に脱衣所側の仕切り壁3を構成する幅木材40に排水経路8を備えており、この排水経路8を下レール6に沿わせて設けている。そして、この排水経路8に浴水を排水させる排水孔7を、出入口4を開けた引戸5が納まる部分の下レール6に2箇所設けている。このように、排水経路8を下レール6に沿わせて設けたことで、下レール6の排水を行いたい場所に適宜排水孔7を設けることを可能とし、下レール6の排水効率の向上を図ることを可能としている。
【0027】
【発明の効果】
上記のように本発明の請求項1記載の発明にあっては、浴室の壁パネルに設けた浴室開口部よりも幅広に形成した脱衣所開口部を脱衣所に設け、浴室開口部と脱衣所開口部との連通部分で浴室と脱衣所とを連通する出入口を形成し、脱衣所開口部のうち浴室開口部と連通しない部位に設置した戸袋パネルと対向する壁パネルとで浴室と脱衣所との仕切り壁を形成し、上記脱衣所開口部にその幅方向に亘って引戸をガイドする下レールを設け、浴室の床パンと下レールとを接続させて出入口の床を構成させる床枠材を出入口の幅寸法と同等の長さ寸法に形成すると共に、この床枠材にその長さ方向に亘って上方に開口する凹状の排水溝を形成すると共に、この排水溝の底面を下レールの底面に比べて低い位置に形成し、脱衣所開口部の幅方向の略中央部分に立設した出入口の縦壁を構成する方立の表面側の下端部を床枠材の仕切り壁側の端部に当接し、方立の裏面に固定した戸袋パネルを下レールのうち出入口を開けた引戸が収まる部位に沿わせて配置した幅木材の上に載設し、下レールのうち出入口を開けた引戸が収まる部位に排水孔を設け、排水孔から浴水が排水される管状の排水経路を幅木材にその長さ方向に亘って形成し、排水孔の下縁に比べて排水経路の底面を下方位置に位置させると共に、出入口の方向に突設された排水経路の出口部分を方立に設けた切り欠きを通して床枠材の排水溝上に臨ませるように配置したので、浴水が降りかかって濡れた状態の引戸をスライドさせて出入口を開けたときなどには、出入口を開けた引戸が収まる部位の下レールには浴水が滴り落ちるのであるが、この下レールに滴り落ちた浴水は下レールに設けた排水孔から排水経路を経て浴室側に排水させることができ、浴水の下レールへの残留を防止できるものである。なお、下レールの長手方向の任意位置に排水孔を設けて下レールの任意位置の浴水を排水経路に適宜排水させることも可能であり、下レールの排水効率の向上を図ることができる。
【0028】
また、請求項2記載の発明にあっては、請求項1の効果に加えて、排水溝から浴室の床下に設けた排水トラップに排水管を連通させたので、排水溝に排水された浴水も上記排水溝に残留させずに滞りなく排水トラップに排水させることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の例を示す斜視図である。
【図2】同上の平面図である。
【図3】図2のE−E線断面図である。
【図4】図2のF−F線断面図である。
【図5】同上の下レールを示すものであり、(a)は平面図であり、(b)は側面図であり、(c)は(a)のG部分の側面図である。
【図6】同上の方立を示す裏面側から見た正面図である。
【図7】同上の幅木材の斜視図である。
【図8】同上の幅木材を示し、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【図9】同上のブチルシートの正面図である。
【図10】同上の下レールへの幅木材及び床枠材の取付け施工を説明する斜視図である。
【図11】同上の下レールへの方立の取付け施工を説明する斜視図である。
【図12】同上の下レールへ幅木材、床枠材及び方立を取付けた状態を示すものであって、(a)は仕切り壁側から見た斜視図であり、(b)は出入口側から見た斜視図である。
【図13】同上の戸袋パネルの取付け施工を示す説明図である。
【図14】同上の浴水の排水を説明する斜視図である。
【図15】同上の浴水の排水を説明する(a)は断面図であり、(b)は要部斜視図である。
【図16】同上の浴水の排水を説明する斜視図である。
【図17】従来技術を説明する出入口側から見た斜視図である。
【図18】同上の仕切り壁側から見た斜視図である。
【図19】同上の幅木材を示し、(a)は正面図であり、(b)は側面図である。
【符号の説明】
1 浴室
2 脱衣所
3 仕切り壁
4 出入口
5 引戸
6 下レール
7 排水孔
8 排水経路
9 排水溝
10 排水管
40 幅木材
Claims (2)
- 浴室の壁パネルに設けた浴室開口部よりも幅広に形成した脱衣所開口部を脱衣所に設け、浴室開口部と脱衣所開口部との連通部分で浴室と脱衣所とを連通する出入口を形成し、脱衣所開口部のうち浴室開口部と連通しない部位に設置した戸袋パネルと対向する壁パネルとで浴室と脱衣所との仕切り壁を形成し、上記脱衣所開口部にその幅方向に亘って引戸をガイドする下レールを設け、浴室の床パンと下レールとを接続させて出入口の床を構成させる床枠材を出入口の幅寸法と同等の長さ寸法に形成すると共に、この床枠材にその長さ方向に亘って上方に開口する凹状の排水溝を形成すると共に、この排水溝の底面を下レールの底面に比べて低い位置に形成し、脱衣所開口部の幅方向の略中央部分に立設した出入口の縦壁を構成する方立の表面側の下端部を床枠材の仕切り壁側の端部に当接し、方立の裏面に固定した戸袋パネルを下レールのうち出入口を開けた引戸が収まる部位に沿わせて配置した幅木材の上に載設し、下レールのうち出入口を開けた引戸が収まる部位に排水孔を設け、排水孔から浴水が排水される管状の排水経路を幅木材にその長さ方向に亘って形成し、排水孔の下縁に比べて排水経路の底面を下方位置に位置させると共に、出入口の方向に突設された排水経路の出口部分を方立に設けた切り欠きを通して床枠材の排水溝上に臨ませるように配置したことを特徴とする浴室の出入口構造。
- 排水溝から浴室の床下に設けた排水トラップに排水管を連通させたことを特徴とする請求項1記載の浴室の出入口構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002247836A JP3879628B2 (ja) | 2002-08-27 | 2002-08-27 | 浴室の出入口構造 |
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