JP2009268424A - コンバイン - Google Patents

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JP2009268424A JP2008123151A JP2008123151A JP2009268424A JP 2009268424 A JP2009268424 A JP 2009268424A JP 2008123151 A JP2008123151 A JP 2008123151A JP 2008123151 A JP2008123151 A JP 2008123151A JP 2009268424 A JP2009268424 A JP 2009268424A
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俊紀 藤本
Hiroyuki Sasaura
寛之 笹浦
Hajime Fukui
一 福井
Masaya Komatsu
真弥 小松
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Abstract

【課題】駆動源からフィードチェーンを駆動する駆動側スプロケットへの動力伝達を係脱するクラッチ機構を備え、クラッチ機構の作動安定化を図ることができるコンバインを提供する。
【解決手段】FCフレーム512が本機フレーム2に対して略垂直に沿った回動支点軸501回り回動可能に支持されており、無端状のフィードチェーン530は、FCフレーム512に支持され、本機フレーム2に支持された駆動源9からの動力により回転する駆動側スプロケット521によって駆動される。駆動源9と駆動側スプロケット521との間には、クラッチ機構560が介挿され、動力伝達が選択的に接続又は遮断される。クラッチ機構560は、機械式リンク機構580を介して制御モータ570と連結されており、FCフレーム512に支持された制御モータ570の駆動が機械式リンク機構580を介してクラッチ機構560に伝達される。
【選択図】図9

Description

本発明は、本機フレームに対して略垂直に沿った回動支点軸回り回動可能とされたFCフレームと、前記FCフレームに支持されたフィードチェーンと、本機フレームに支持された駆動源から前記フィードチェーンを駆動する駆動側スプロケットへの動力伝達を係脱するクラッチ機構と、前記クラッチ機構を作動させる制御モータとを備えたコンバインに関する。
フィードチェーンを支持するFCフレームが本機フレームに対して略垂直に沿った回動支点軸回り回動可能とされたコンバインは、従来から提案されている(例えば下記特許文献1参照)。
前記コンバインは、前記FCフレームを開放させるだけで、脱穀部の保守点検や受網の交換作業等を行える点で有用である。
ところで、前記コンバインには、本機フレームに支持された駆動源から前記FCフレームに支持されたフィードチェーンを駆動する駆動側スプロケットへの動力伝達を係脱させるクラッチ機構と、前記クラッチ機構を作動させる制御モータとが備えられており、自動操作又は手動操作に応じて前記制御モータが前記クラッチ機構を作動させるようになっている。
しかしながら、従来のコンバインにおいては、前記制御モータが前記本機フレームに支持され、且つ、前記制御モータ及び前記クラッチ機構の間が操作ワイヤを介して連結されていたため、前記クラッチ機構の作動を安定して行うことができないという不都合があった。
特許第3626168号公報
本発明は、前記従来技術に鑑みなされたものであり、本機フレームに対して略垂直に沿った回動支点軸回り回動可能とされたFCフレームと、前記FCフレームに支持されたフィードチェーンと、前記本機フレームに支持された駆動源から前記フィードチェーンを駆動する駆動側スプロケットへの動力伝達を係脱するクラッチ機構と、前記クラッチ機構を作動させる制御モータとを備え、前記クラッチ機構の作動安定化を図ることができるコンバインを提供することを目的とする。
本発明に係るコンバインは、本機フレームに対して略垂直に沿った回動支点軸回り回動可能とされたFCフレームと、前記FCフレームに支持され、駆動側スプロケットによって駆動される無端状のフィードチェーンと、前記本機フレームに支持された駆動源から前記駆動側スプロケットへの動力伝達を選択的に接続又は遮断させるクラッチ機構と、前記クラッチ機構を作動させる制御モータとを備えたコンバインであって、前記制御モータを前記FCフレームに支持させ、前記制御モータと前記クラッチ機構とを機械式リンク機構によって連結させたことを特徴とするものである。
上記構成のコンバインによれば、FCフレームが本機フレームに対して略垂直に沿った回動支点軸回り回動可能に支持されており、無端状のフィードチェーンは、FCフレームに支持され、本機フレームに支持された駆動源からの動力により回転する駆動側スプロケットによって駆動される。駆動源と駆動側スプロケットとの間には、クラッチ機構が介挿され、動力伝達が選択的に接続又は遮断される。
ここで、クラッチ機構は、機械式リンク機構を介して制御モータと連結されており、FCフレームに支持された制御モータの駆動が機械式リンク機構を介してクラッチ機構に伝達される。
このように、制御モータが駆動側スプロケットを直接又は間接的に支持するFCフレームに設けられ、且つ、制御モータが機械式リンク機構によってクラッチ機構に連結されていることにより、制御モータが本機フレームに支持され且つ制御モータ及びクラッチ機構の間が操作ワイヤで連結されている従来構成に比して、制御モータによるクラッチ機構の作動制御を安定的に行うことができる。
好ましくは、前記クラッチ機構は、前記駆動側スプロケットを相対回転不能に支持する出力軸に相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持され、前記駆動源に作動連結された状態で前記出力軸に相対回転自在に支持された駆動ギヤに選択的に係合可能なカムクラッチと、前記カムクラッチを前記駆動ギヤに向けて付勢するクラッチ接続ばねと、前記出力軸とは直交する方向に軸線方向移動可能とされ且つ内端部が前記カムクラッチのカム面に係合可能なクラッチピンとを備え、前記クラッチピンが、軸線方向位置に関し、前記クラッチ接続ばねによる前記カムクラッチ及び前記駆動ギヤの係合を許容する接続位置と前記クラッチ接続ばねの付勢力に抗して前記カムクラッチを前記駆動ギヤから離間させる遮断位置とをとり得るように構成され、前記制御モータは、モータ出力軸が前記出力軸と略平行となるように前記FCフレームに支持され、前記機械式リンク機構は、前記モータ出力軸回りに接続位置及び遮断位置を取り得るように前記モータ出力軸に作動連結されたモータ側リンク部材と、前記モータ出力軸と平行な枢支軸回り回動可能とされたクラッチ側リンク部材であって、前記枢支軸回り一方側の接続位置及び他方側の遮断位置に位置する際に前記クラッチピンをそれぞれ接続位置及び遮断位置に位置させるクラッチ側リンク部材と、前記クラッチ側リンク部材を前記枢支軸回り他方側の遮断方向へ付勢するクラッチ遮断ばねとを有し、前記モータ側リンク部材にはスリットが形成され、前記クラッチ側リンク部材には前記スリットに係入された状態で前記スリットに対し相対移動可能な係入部が設けられている。
この場合、駆動側スプロケットが出力軸に相対回転不能に支持されるとともにカムクラッチが出力軸に相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持される一方、駆動ギヤが出力軸に相対回転自在に支持されており、カムクラッチは、クラッチ接続ばねにより駆動ギヤに向けて付勢されるとともに、駆動ギヤに結合することにより動力伝達可能となっている。
カムクラッチのカム面には、出力軸とは直交する方向に軸線方向移動可能なクラッチピンの内端部が係合可能となっている。そして、クラッチピンがクラッチ接続ばねによるカムクラッチ及び駆動ギヤの係合を許容する軸線方向位置(接続位置)に位置することにより、駆動源の動力が駆動側スプロケットに伝達され、クラッチピンがクラッチ接続ばねの付勢力に抗してカムクラッチを駆動ギヤから離間させる軸線方向位置(遮断位置)に位置することにより、駆動側スプロケットへの動力伝達が遮断される。
ここで、制御モータは、モータ出力軸が前記出力軸と略平行となるようにFCフレームに支持され、機械式リンク機構のモータ側リンク部材がモータ出力軸に作動連結されるとともに、モータ側リンク部材のスリットに係入部が係入された機械式リンク機構のクラッチ側リンク部材がモータ出力軸と平行な枢支軸回りに回動可能となっており、枢支軸回り一方側の接続位置又は他方側の遮断位置を選択的にとり得る。
クラッチ側リンク部材は、クラッチ遮断ばねにより枢支軸回り他方側の遮断方向へ付勢されている。そして、制御モータにより、モータ側リンク部材をモータ出力軸回りに回動させて遮断位置から接続位置に位置させることにより、当該モータ側リンク部材の移動に応じてクラッチ側リンク部材がクラッチ遮断ばねの付勢力に抗して枢支軸回り他方側の遮断位置から一方側の接続位置に移動する。これにより、クラッチピンが遮断位置から接続位置に位置されて、駆動源からの動力が駆動スプロケットへ伝達される。
このとき、クラッチピンの内端部がカムクラッチにおけるカム面以外の外周面に当接している場合等においては、クラッチ側リンク部材が接続位置から遮断位置へ回動できない状態が一時的に生じ得る。
このような状態が生じたとしても、モータ側リンク部材のスリット内をクラッチ側リンク部材の係入部が相対移動(モータ出力軸に垂直な平面内を移動)するため、前記制御モータに過剰な負荷が掛かることを有効に防止することができる。
即ち、モータ側リンク部材及びクラッチ側リンク部材は、スリット及び係入部を介して、モータ側リンク部材が接続位置に位置する際にはクラッチ側リンク部材が必ず接続位置に位置する一方で、クラッチ側リンク部材が接続位置に位置されたままでモータ側リンク部材が接続位置から遮断位置へ移動し得るように、作動連結されている。
つまり、制御モータがクラッチ接続状態からクラッチ遮断状態へ切り換わる際に、クラッチピンの内端部がカムクラッチにおけるカム面以外の外周面に当接する。これにより、クラッチピンが接続位置から遮断位置へ移動できない状態が一時的に生じたとしても、モータ側リンク部材は、スリットが係入部に対して相対移動することで、制御モータの出力変化に応じて接続位置から遮断位置へ移動することができる。従って、制御モータに過剰な負荷が掛かることを防止することができる。
さらに、クラッチピンが接続位置から遮断位置へ向けて移動できない状態においてモータ側リンク部材が制御モータの出力に応じて遮断位置に位置する際には、係入部はスリット内においてクラッチ遮断方向へ移動可能となっている。従って、クラッチピンが移動可能状態になると、クラッチ遮断ばねの付勢力によってクラッチ側リンク部材が接続位置から遮断位置へ移動されることによりクラッチピンを遮断位置に確実に位置させることができる。
より好ましくは、前記クラッチ側リンク部材は、前記枢支軸に支持される回動部及び前記クラッチピンが連結されるピン連結部が設けられた第1部材と、前記係入部が設けられた第2部材であって、前記第1部材に連結される第2部材とを有し、前記第1及び第2部材の連結姿勢が変更可能とされている。
この場合、クラッチ側リンク部材は、第1部材と第2部材との連結姿勢を変更することにより、枢支軸に支持される回動部及びクラッチピンが連結されるピン連結部の位置と係入部との位置とを変更可能となっている。
従って、モータ側リンク部材が制御モータの出力によって遮断位置に位置し、且つ、クラッチ側リンク部材がクラッチ遮断ばねの付勢力によって遮断位置に位置する際に、係入部とスリットの第1端部との間に隙間が存するように、第1及び第2部材の連結姿勢を容易に調整することができ、これにより、制御モータの出力に応じてモータ側リンク部材が遮断位置に位置しているにも拘わらず、クラッチピンが遮断位置に到達しないという不都合を防止することができる。
即ち、係入部がスリットの第1端部に当接すると、クラッチ側リンク部材はそれ以上に枢支軸回りにクラッチ遮断方向へ回動することができなくなる。従って、仮に、モータ側リンク部材が制御モータの出力によって遮断位置に位置する際に、係入部がスリットの第1端部に当接しているとすると、クラッチ側リンク部材が遮断位置まで回動しているのか、それともクラッチ遮断位置に到達するまでに係入部と前記スリットの第1端部との当接によってクラッチ側リンク部材のクラッチ遮断方向への回動が規制されているのかが、不明となる。
これに対し、モータ側リンク部材が前記制御モータの出力によって遮断位置に位置し、且つ、クラッチ側リンク部材が遮断位置に位置する際に、係入部とスリットの第1端部との間に隙間が存するように、第1及び第2部材を連結させれば、制御モータの出力に応じてクラッチピンを確実に遮断位置に位置させることができる。
好ましくは、前記FCフレームは、前記本機フレームに前記回動支点軸回り回動可能に支持されるオープンフレームと、前記オープンフレームの機体幅方向内方側に固着され、扱室の一方側の側部を形成する内側カバーと、前記オープンフレームの機体幅方向外方側に固着される外側カバーとを備え、前記クラッチ機構、前記機械式リンク機構及び前記制御モータは、前記内側カバー及び前記外側カバーの間に配置されており、前記外側カバーには、前記スリット及び前記係入部を外方から視認可能とする窓が形成されている。
この場合、オープンフレームが本機フレームに回動支点軸回り回動可能に支持され、オープンフレームの機体幅方向内方側には、扱室の一方側の側部を形成する内側カバーが固着されるとともに、オープンフレームの機体幅方向外方側には、外側カバーが固着される。そして、クラッチ機構、機械式リンク機構及び制御モータは、内側カバー及び外側カバーの間に配置され、外側カバーに形成された窓を通じて機械式リンク機構のスリット及び係入部が外方から視認可能となっている。
従って、内側カバー及び外側カバー内に制御モータ、リンク機構及びクラッチ機構が収納されることにより、制御モータ、リンク機構及びクラッチ機構に排藁等が絡みつくことを有効に防止することができ、クラッチ動作の安定化を図ることができる。
さらに、機械式リンク機構の係入部のスリットに対する相対位置を外方から視認することができるため、制御モータがクラッチ遮断状態であるにも拘わらず、クラッチピンが遮断位置に位置していないという不都合が生じているか否かを容易に確認することができる。
好ましくは、前記駆動源から前記駆動側スプロケットへの動力伝達経路の一部を形成するFC駆動ユニットを備え、前記FC駆動ユニットは、前記FCフレームに固着される駆動ケースと、前記駆動源に作動連結された状態で前記駆動ケースに回転自在に支持された入力軸と、一端部が前記駆動側スプロケットを相対回転不能に支持し得るように前記駆動ケースから外方へ延在された状態で前記駆動ケースに回転自在に支持された前記出力軸と、前記入力軸に作動連結された状態で前記駆動ケース内に位置するように前記出力軸に相対回転自在に支持された前記駆動ギヤと、前記入力軸から前記駆動ギヤへ至る伝動経路に介挿された吸引ファン軸とを有し、前記吸引ファン軸には吸引ファンが支持されている。
この場合、FCフレームに固着される駆動ケースに前記出力軸が回転自在に支持されるとともに、駆動ケース内に位置する前記駆動ギヤが出力軸に相対回転自在に支持される。出力軸の一端部は、駆動ケースから外方へ延在されており、駆動ケースの外方にて駆動側スプロケットが支持される。
そして、駆動源の動力がFCフレームに固着される駆動ケースに回転自在に支持された入力軸を介して駆動ケース内に位置する前記駆動ギヤに伝達される。
また、入力軸から駆動ギヤに至る伝動経路には、吸引ファン軸が介挿されており、吸引ファン軸に吸引ファンが支持されることにより、駆動源からの動力が吸引ファンへも伝達される。
従って、入力軸、駆動ギヤ及び出力軸を駆動ケース内に収納することにより、動力伝達経路の防塵性をより高めることができる。また、駆動源からの動力をフィードチェーンのみならず吸引ファンへも伝達することにより、伝動経路を簡略化することができる。
本発明に係るコンバインによれば、制御モータが駆動側スプロケットを直接又は間接的に支持するFCフレームに設けられ、且つ、制御モータが機械式リンク機構によってクラッチ機構に連結されていることにより、制御モータが本機フレームに支持され且つ制御モータ及びクラッチ機構の間が操作ワイヤで連結されている従来構成に比して、制御モータによるクラッチ機構の作動制御を安定的に行うことができる。
以下に、本発明に係るコンバインの好ましい一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
図1〜図3に、それぞれ、本発明の一実施形態におけるコンバイン1の右側面図、左側面図及び正面図を示す。また、図4に、本実施形態のコンバイン1の伝動模式図を示す。
前記コンバイン1は、図1〜図4に示すように、本機フレーム2と、前記本機フレーム2に支持された駆動源9と、前記本機フレーム2に連結された左右一対のクローラ式走行装置10と、前記駆動源9からの回転動力を変速して前記一対のクローラ式走行装置10へ出力するトランスミッション15と、前記本機フレーム2の前方において該本機フレーム2に昇降可能に支持された刈取・搬送装置20と、前記刈取・搬送装置20によって刈り取られた穀稈を前記本機フレーム2の左側方において後方へ搬送するフィードチェーン装置500と、前記フィードチェーン装置500によって搬送される穀稈に対して脱穀処理を行い、且つ、脱穀された脱穀物から穀粒を選別する脱穀装置30と、前記本機フレーム2の右前方部分に配設された運転席5と、前記脱穀装置30によって選別された穀粒を収容するグレンタンク6であって、前記運転席5の後方に配設されたグレンタンク6と、前記フィードチェーン装置500から脱穀後の排藁を受け継ぎ、該排藁を後方へ搬送する排藁搬送装置7と、前記排藁搬送装置7によって機体後方側へ搬送された排藁を切断する排藁切断装置50とを備えている。
前記刈取・搬送装置20は、穀稈を刈り取る刈取部21と、該刈取部21によって刈り取られた穀稈を前記フィードチェーン装置500へ搬送する搬送部26とを備えている。
前記刈取部21は、引起ケース及び引起タインを含む引起機構22と、前記引起ケースの下方部から前方へ突出された分草板23と、前記引起ケースの後方に配設された刈刃24とを有している。
前記搬送部26は、上部搬送機構及び縦搬送機構を含み、刈り取られた穀稈の株元を前記フィードチェーン装置500へ受け継ぐように構成されている。
図5及び図6に、それぞれ、本実施形態のコンバイン1の部分斜視図及び部分側面図を示す。
前記脱穀装置30は、図4〜図6に示すように、前記駆動源9によって作動的に駆動される扱胴駆動軸310と、前記扱胴駆動軸310に相対回転不能に支持された扱胴320と、前記扱胴320を収容する扱室を形成する脱穀機枠400とを有している。前記脱穀装置30の扱胴320は、前記駆動源9から前記扱胴駆動軸310までの伝動経路に介挿された脱穀クラッチ300を接続又は遮断することにより駆動又は停止される。
なお、本実施形態においては、前記フィードチェーン装置500は、穀稈の穂先が前記扱胴320によって脱穀処理される状態で、車輌前方側から後方側へ向かって前記刈取穀稈を搬送するように構成されている。
図7は、本実施形態のコンバイン1の脱穀装置30近傍の部分側面図である。
前記脱穀装置30は、図7に示すように、前記脱穀機枠400の下方に配設された選別部550を備えており、当該選別部550は、扱室と受網330を介して連通している。前記選別部550において揺動選別された穀粒は、樋構造体(図示せず)に集約される。
前記選別部550は、前記扱胴320によって脱穀された被脱穀物から穀粒を比重選別すると共に、唐箕ファン55からの選別風によって風選別するように構成されている。
前記樋構造体は、穀稈搬送方向上流側から下流側へ直列配置された一番樋及び二番樋を有している。
前記一番樋及び前記二番樋にはそれぞれ一番コンベア61a(図4参照)及び二番コンベア62a(図4参照)が配置されている。前記一番樋に集約された一番穀粒は一番コンベア61a及び揚穀コンベア61b(図4参照)を介して前記グレンタンク6内に搬入され、前記二番樋に集約された二番穀粒は二番コンベア62aと二番還元コンベア62b(図4参照)を含む二番還元装置とによって、前記選別部550へ戻されるようになっている。
なお、前記グレンタンク6内に貯留された穀粒は、図1〜図4に示すように、前記グレンタンク6の底部に設けられた下部コンベア6aと、該下部コンベア6aから穀粒を受け継いで上方へ搬送するように縦排出オーガ内に内挿された縦コンベア6bと、前記縦コンベア6bから穀粒を受け継ぐように横排出オーガ8に内挿された排出コンベア6cとを介して、外部に排出されるようになっている。
図8に、本実施形態のコンバイン1における脱穀機枠400及びフィードチェーン装置500の斜視図を示す。
前記フィードチェーン装置500は、前記本機フレーム2に対して回動支点軸501回り回動可能とされている。
本実施形態においては、図7及び図8に示すように、前記回動支点軸501は略垂直な方向に延びており、前記フィードチェーン装置500は水平方向に回動可能とされている。
具体的には、図5〜図8に示すように、前記フィードチェーン装置500は、前記本機フレーム2に対して前記回動支点軸501回り回動自在とされたFCレール部材(フィードチェーンレール部材)510と、前記駆動源9に作動連結された駆動スプロケット521及び従動スプロケット522を含むFC駆動機構(フィードチェーン駆動機構)520と、前記FCレール部材510によって案内された状態で前記駆動スプロケット521及び前記従動スプロケット522に巻き回された無端状のフィードチェーン530と、前記FCレール部材510の車輌幅方向内側面に支持された内側カバー部材540とを備えている。
なお、前記フィードチェーン装置500はフィードチェーンカバー590(図1〜図3参照)によって覆われている。
前記脱穀装置40は、さらに、図5及び図6に示すように、前記フィードチェーン装置500の上方に位置する藁押さえ装置600を有している。
前記藁押さえ装置600は、前記フィードチェーン装置500によって搬送される穀稈を前記フィードチェーン530に向けて押圧するように構成されている。
前記藁押さえ装置600は、扱室カバー(図示せず)に支持されている。
具体的には、前記藁押さえ装置600は、図5及び図6に示すように、穀稈搬送方向に沿った固定レール601と、前記フィードチェーン530と対向配置される可動レール602と、前記固定レール601及び前記可動レール602の間に配置され、前記可動レール602を前記フィードチェーン530へ向けて押圧するコイルスプリング等の付勢部材603とを備えている。
なお、前記藁押さえ装置600は、前記扱室カバーに着脱可能に装着又は回動可能に連結された藁押さえカバー610(図1〜図3参照)によって覆われている。
本実施形態において、前記FCレール部材510は、図7及び図8に示すように、穀稈搬送方向下流側が前記本機フレーム2に対して前記回動支点軸501回り回動可能に連結されている。
詳しくは、前記FCレール部材510は、図7及び図8に示すように、前記フィードチェーン530の移動経路を画するレール本体511と、前記レール本体511の穀稈搬送方向下流側から後方且つ車輌幅方向内方へ延在されたFCフレーム512とを有しており、該FCフレーム512が前記回動支点軸501を介して前記本機フレーム2に対して回動自在に連結されている。
かかる構成を備えることにより、平面視において前記回動支点軸501を前記フィードチェーン530の移動経路から車輌幅方向内方へ回避させることができ、従って、該回動支点軸501近傍に藁や塵等が堆積することを有効に防止することができる。
前記脱穀機枠400は、図8に示すように、少なくとも、前記フィードチェーン装置500と対向する部分が開口とされており、前記フィードチェーン装置500を前記回動支点軸501回りに回動させることによって、前記内側カバー部材540が前記開口を閉塞又は開放するように構成されている。
なお、本実施形態においては、図8に示すように、前記脱穀機枠400は、上方、下方及び外側方が開口とされている。
図9に、本実施形態のコンバイン1におけるフィードチェーン装置500の伝動機構近傍の展開平面図を示す。また、図10及び図11に、本実施形態のコンバイン1におけるフィードチェーン装置500の伝動機構近傍の側面図を示す。図10は、クラッチ接続状態を示し、図11は、クラッチ遮断状態を示す。
本実施形態のコンバイン1は、図9、図10及び図11に示すように、前記本機フレーム2に支持された駆動源9から前記駆動側スプロケット521への動力伝達を選択的に接続又は遮断させるクラッチ機構560と、前記クラッチ機構560を作動させる制御モータ570とを備えており、前記制御モータ570を前記FCフレーム512に支持させ、前記制御モータ570と前記クラッチ機構560とを機械式リンク機構580によって連結させている。
より詳しくは、前記コンバイン1は、前記駆動源9から前記駆動側スプロケット521への動力伝達経路の一部を形成するFC駆動ユニット610を備えている。前記FC駆動ユニット610は、前記FCフレーム512に固着される駆動ケース611と、前記駆動源に作動連結された状態で前記駆動ケース611に回転自在に支持された入力軸612と、一端部が前記駆動側スプロケット521を相対回転不能に支持し得るように前記駆動ケース611から外方へ延在された状態で前記駆動ケース611に回転自在に支持された出力軸561と、前記入力軸612に作動連結された状態で前記駆動ケース611内に位置
するように前記出力軸561に相対回転自在に支持された駆動ギヤ562とを有する。
なお、本実施形態においては、前記入力軸612には、前記排藁切断装置50を駆動する排藁切断プーリ619が相対回転不能に支持されており、前記駆動源9からの動力を前記排藁切断装置50へ伝達している。
また、前記コンバイン1は、前記入力軸612から前記駆動ギヤ562へ至る伝動経路に介挿された吸引ファン軸615を有し、前記吸引ファン軸615には脱穀物及び排塵物のうち排藁等の不要物を吸引して機外に搬送する吸引ファン70が支持されている。
より具体的には、前記入力軸612には、前記駆動源9からの動力が入力される入力プーリ613と、前記駆動源9からの動力を前記出力軸561に伝達する入力ギヤ614とがそれぞれ軸線回り相対回転不能に支持されるとともに、前記吸引ファン軸615には、吸引ファンギヤ616が軸線回り相対回転不能に支持されており、前記入力ギヤ614と前記吸引ファンギヤ616とが噛合している。さらに、前記吸引ファンギヤ616及び前記駆動ギヤ562がカウンタ軸617に支持されたカウンタギヤ618にそれぞれ噛合していることにより、前記入力軸612の回転動力が前記出力軸561に伝達される。
上記構成により、駆動源9の動力がFCフレーム512に固着される駆動ケース611に回転自在に支持された入力軸612を介して駆動ケース611内に位置する前記駆動ギヤ562に伝達される。
また、入力軸612から駆動ギヤ562に至る伝動経路には、吸引ファン軸615が介挿されており、駆動源9からの動力が吸引ファン軸615に支持された吸引ファン70へも伝達される。
従って、入力軸612、駆動ギヤ562及び出力軸561を駆動ケース611内に収納することにより、動力伝達経路の防塵性をより高めることができる。また、駆動源9からの動力をフィードチェーン563のみならず吸引ファン70へも伝達することにより、伝動経路を簡略化することができる。
前記クラッチ機構560は、前記駆動側スプロケット521を相対回転不能に支持する前記出力軸561に相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持され、前記駆動源9に作動連結された状態で前記出力軸561に相対回転自在に支持された前記駆動ギヤ562に選択的に係合可能なカムクラッチ563と、前記カムクラッチ563を前記駆動ギヤ562に向けて付勢するクラッチ接続ばね564と、前記出力軸561とは直交する方向に軸線方向移動可能とされ且つ内端部が前記カムクラッチ563のカム面563cに係合可能なクラッチピン565とを備えている。
前記クラッチピン565は、軸線方向位置に関し、前記クラッチ接続ばね564による前記カムクラッチ563及び前記駆動ギヤ562の係合を許容する接続位置と前記クラッチ接続ばね564の付勢力に抗して前記カムクラッチ563を前記駆動ギヤ562から離間させる遮断位置とをとり得るように構成されている。また、前記制御モータ570は、モータ出力軸571が前記出力軸561と略平行となるように前記FCフレーム512に支持されている。さらに、前記機械式リンク機構580は、前記モータ出力軸571回りに接続位置及び遮断位置を取り得るように前記モータ出力軸571に作動連結されたモータ側リンク部材581と、前記モータ出力軸571と平行な枢支軸582回り回動可能とされたクラッチ側リンク部材583であって、前記枢支軸582回り一方側の接続位置及び他方側の遮断位置に位置する際に前記クラッチピン565をそれぞれ接続位置及び遮断位置に位置させるクラッチ側リンク部材583と、前記クラッチ側リンク部材583を前記枢支軸582回り他方側の遮断方向へ付勢するクラッチ遮断ばね584とを有し、前記モータ側リンク部材581にはスリット581sが形成され、前記クラッチ側リンク部材583には前記スリット581sに係入された状態で前記スリット581sに対し相対移動可能な係入部583aが設けられている。
前記機械式リンク機構580は、前記モータ出力軸571に相対回転不能に連結された連結アーム585をさらに有しており、前記モータ側リンク部材581は、基端部が前記連結アーム585の自由端部に相対回転可能に連結されている。そして、前記スリット581sは、前記連結アーム585の自由端部を中心とする径方向に長手方向が形成されている。
前記カムクラッチ563は、前記駆動ケース611内において前記駆動ギヤ562と対向するように前記出力軸561に相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持されており、軸線方向位置に関し、前記駆動ギヤ562と相対回転不能に連結される接続位置と前記駆動ギヤ562から離間される遮断位置とをとり得る。前記カム面563cは、例えば、螺旋溝とされる。
前記クラッチピン565は、軸線方向が前記出力軸561と直交する状態で前記駆動ケース611に軸線方向移動可能に支持されている。詳しくは、前記クラッチピン565は、前記駆動ケース611内に押し込まれる方向へ押動されると前記遮断位置に位置し、且つ、前記駆動ケース611から引き抜かれる方向へ引っ張られると前記接続位置に位置する。
前記制御モータ570は、前記モータ出力軸571が前記出力軸561と略平行な状態で前記駆動ケース611の近傍(本実施形態では駆動ケース611の下方)に位置するように前記FCフレーム512に支持されている。
上記構成のコンバイン1によれば、回動支点軸501回り回動可能に支持されたFCフレーム512に支持された無端状のフィードチェーン530が、本機フレーム2に支持された駆動源9からの動力により回転する駆動側スプロケット521によって駆動される。駆動源9と駆動側スプロケット521との間には、クラッチ機構560が介挿され、動力伝達が選択的に接続又は遮断される。さらに、駆動源9とクラッチ機構560との間には、前記脱穀クラッチ300が介挿されている。
ここで、クラッチ機構560は、機械式リンク機構580を介して制御モータ570と連結されており、FCフレーム512に支持された制御モータ570の駆動が機械式リンク機構580を介してクラッチ機構560に伝達される。
即ち、前記脱穀クラッチ300を接続した状態で、制御モータ570を作動させて前記クラッチ機構560を接続させることにより、前記駆動源9の動力が前記駆動側スプロケット521に伝達される。
なお、本実施形態のコンバイン1は、前記脱穀クラッチ300を人為操作する脱穀クラッチレバー(図示せず)がクラッチ接続位置に位置した状態且つ前記走行装置10を前後進させる主変速レバー(図示せず)が前進位置に位置した状態においては、脱穀クラッチ300を接続位置に位置させるとともに前記クラッチ機構560を接続位置に位置させるように制御モータ570を駆動させる一方、前記脱穀クラッチレバーがクラッチ接続位置に位置した状態且つ前記主変速レバーが中立又は後進位置に位置した状態においては、前記脱穀クラッチ300を接続位置に位置させる一方で前記クラッチ機構560を遮断位置に位置させるように制御モータ570を駆動させる。
このように、制御モータ570が駆動側スプロケット521を直接又は間接的に支持するFCフレーム512に設けられ、且つ、制御モータ570が機械式リンク機構580によってクラッチ機構560に連結されていることにより、制御モータ570が本機フレーム2に支持され且つ制御モータ570及びクラッチ機構580の間が操作ワイヤで連結されている従来構成に比して、制御モータ570によるクラッチ機構560の作動制御を安定的に行うことができる。
また、駆動側スプロケット521が出力軸561に相対回転不能に支持されるとともにカムクラッチ563が出力軸561に相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持される一方、駆動ギヤ562が出力軸561に相対回転自在に支持されており、前記カムクラッチ563は、クラッチ接続ばね564により駆動ギヤ562に向けて付勢されるとともに、駆動ギヤ562に係合することにより動力伝達可能となっている。
カムクラッチ563のカム面563cには、出力軸561とは直交する方向に軸線方向移動可能なクラッチピン565の内端部が係合可能となっている。そして、クラッチ接続ばね564によるカムクラッチ563及び駆動ギヤ562の係合を許容する軸線方向位置(接続位置)にクラッチピン565を位置させることにより、駆動側スプロケット521への動力伝達が遮断され、クラッチ接続ばね564の付勢力に抗してカムクラッチ563を駆動ギヤ562から離間させる軸線方向位置(遮断位置)にカムクラッチ563を位置させることにより、駆動源9の動力が駆動側スプロケット521に伝達される。より具体的には、クラッチピン565が遮断位置に位置してカムクラッチ563のカム面563cに係合することにより、カムクラッチ563が駆動ギヤ562と離間して、駆動側スプロケット521への動力伝達が遮断され、クラッチピン565が接続位置に位置してカムクラッチ563と離間することにより、カムクラッチ563が駆動ギヤ562と係合して、駆動側スプロケット521へ動力が伝達される。
ここで、制御モータ570は、モータ出力軸571が前記出力軸561と略平行となるようにFCフレーム512に支持され、機械式リンク機構580のモータ側リンク部材581がモータ出力軸571に作動連結されるとともに、モータ側リンク部材583のスリット583sに係入部584aが係入された機械式リンク機構580のクラッチ側リンク部材584がモータ出力軸571と平行な枢支軸582回りに回動可能となっており、枢支軸582回り一方側の接続位置又は他方側の遮断位置を選択的にとり得る。
クラッチ側リンク部材583は、クラッチ遮断ばね584により枢支軸582回り他方側の遮断方向へ付勢されている。そして、制御モータ570により、モータ側リンク部材581をモータ出力軸571回りに回動させて遮断位置から接続位置に位置させることにより、当該モータ側リンク部材681の移動に応じてクラッチ側リンク部材583がクラッチ遮断ばね584の付勢力に抗して枢支軸582回り他方側の遮断位置から一方側の接続位置に位置される。ここで、前記制御モータ570の出力によって前記モータ側リンク部材681が接続位置に位置する際には、前記係入部583aが前記スリット581sの前記連結アーム585の自由端部から遠い側の第1端部に係合することで、前記クラッチ遮断ばね584の付勢力に抗して前記クラッチ側リンク部材583が接続位置に向けて移動する。これにより、クラッチピン565が遮断位置から接続位置に位置されて、クラッチ接続ばね564の付勢力によりカムクラッチ563が出力軸561の軸線方向駆動ギヤ562側に移動し、当該駆動ギヤ562と係合する。これにより、駆動源9からの動力が駆動スプロケット521へ伝達される。
このとき、クラッチピン565の内端部がカムクラッチ563におけるカム面563c以外の外周面に当接している場合等においては、クラッチ側リンク部材583が接続位置から遮断位置へ回動できない状態が一時的に生じ得る。
しかし、このような状態が生じたとしても、モータ側リンク部材581のスリット581s内をクラッチ側リンク部材583の係入部583aが相対移動(モータ出力軸571に垂直な平面内を移動)するため、前記制御モータ570に過剰な負荷が掛かることを有効に防止することができる。
即ち、モータ側リンク部材581及びクラッチ側リンク部材583は、スリット581s及び係入部583aを介して、モータ側リンク部材581が接続位置に位置する際にはクラッチ側リンク部材583が必ず接続位置に位置する一方で、クラッチ側リンク部材583が接続位置に位置されたままでモータ側リンク部材581が接続位置から遮断位置へ移動し得るように、作動連結されている。
つまり、制御モータ570がクラッチ接続状態からクラッチ遮断状態へ切り換わる際に、クラッチピン565の内端部がカムクラッチ563におけるカム面563c以外の外周面に当接し、これにより、クラッチピン565が接続位置から遮断位置へ移動できない状態が一時的に生じたとしても、モータ側リンク部材581は、スリット581sが係入部583aに対して相対移動することで、制御モータ570の出力変化に応じて接続位置から遮断位置へ移動することができる。従って、制御モータ570に過剰な負荷が掛かることを防止することができる。
ここで、前記制御モータ570の出力によって前記モータ側リンク部材581が接続位置から遮断位置へ移動すると、前記クラッチ側リンク部材583が前記クラッチ遮断ばね584の付勢力によって前記枢支軸582回りに接続位置から遮断位置へ回動する。これに伴い、前記クラッチピン565が遮断位置に位置すると、モータ側リンク部材581は、前記クラッチ側リンク部材583の状態に拘わらず、接続位置から遮断位置へ移動する。
即ち、モータ側リンク部材581が制御モータ570の出力に応じて遮断位置に位置したにも拘わらず、クラッチピン565が接続位置から遮断位置へ向けて移動できない状態にある場合には、クラッチ側リンク部材583の係入部583aは、スリット581s内においてクラッチ遮断方向へ移動可能となっている。従って、クラッチピン565が移動可能状態になると、クラッチ遮断ばね584の付勢力によってクラッチ側リンク部材583が接続位置から遮断位置へ移動されることによりクラッチピン565を遮断位置に確実に位置させることができる。
本実施形態において、前記クラッチ側リンク部材583は、前記枢支軸582に支持される回動部583b及び前記クラッチピン565が連結されるピン連結部583cが設けられた第1部材5831と、前記係入部583aが設けられた第2部材5832であって、前記第1部材5831に連結される第2部材5832とを有し、前記第1部材5831及び第2部材5832の連結姿勢が変更可能とされている。具体的には、第1部材5831及び第2部材5832にそれぞれボルト等の締結部材を挿通可能な締結孔が2つずつ設けられており、前記第1部材5831及び第2部材5832の少なくとも何れか一方に設けられた締結孔のうち少なくともいずれか1つの締結孔が長孔となっており、前記ピン連結部583cと前記係入部581aとの距離が変更可能となっている。
この場合、クラッチ側リンク部材583は、第1部材5831と第2部材5832との連結姿勢を変更することにより、枢支軸582に支持される回動部583c及びクラッチピン565が連結されるピン連結部583cの位置と係入部583aとの位置とを変更可能となっている。
従って、モータ側リンク部材581が制御モータ570の出力によって遮断位置に位置し、且つ、クラッチ側リンク部材583がクラッチ遮断ばね584の付勢力によって遮断位置に位置する際に、係入部583aとスリット581sの第1端部との間に隙間が存するように、第1部材5831及び第2部材5832の連結姿勢を容易に調整することができ、これにより、制御モータ570の出力に応じてモータ側リンク部材581が遮断位置に位置しているにも拘わらず、クラッチピン565が遮断位置に到達しないという不都合を防止することができる。
即ち、係入部583aがスリット581sの第1端部に当接すると、クラッチ側リンク部材583はそれ以上に枢支軸582回りにクラッチ遮断方向へ回動することができなくなる。従って、仮に、モータ側リンク部材581が制御モータ570の出力によって遮断位置に位置する際に、係入部583aがスリット581sの第1端部に当接しているとすると、クラッチ側リンク部材583が遮断位置まで回動しているのか、それともクラッチ遮断位置に到達するまでに係入部583aと前記スリット581sの第1端部との当接によってクラッチ側リンク部材583のクラッチ遮断方向への回動が規制されているのかが、不明となる。
これに対し、モータ側リンク部材581が前記制御モータ570の出力によって遮断位置に位置し、且つ、クラッチ側リンク部583材が遮断位置に位置する際に、係入部583aとスリット581sの第1端部との間に隙間が存するように、第1部材5831及び第2部材5832を連結させれば、制御モータ570の出力に応じてクラッチピン565を確実に遮断位置に位置させることができる。
図12に、本実施形態のコンバイン1におけるフィードチェーン装置500のFCフレーム512の側面図を示す。
また、本実施形態において、前記FCフレーム512は、図9、図10及び図11に示すように、前記本機フレーム2に前記回動支点軸501回り回動可能に支持されるオープンフレーム5121と、前記オープンフレーム5121の機体幅方向内方側に固着され、扱室の一方側の側部を形成する内側カバー5122と、前記オープンフレーム5121の機体幅方向外方側に固着される外側カバー5123とを備えている。そして、前記クラッチ機構560、前記機械式リンク機構580及び前記制御モータ50は、前記内側カバー5122及び前記外側カバー5123の間に配置されており、前記外側カバー5123には、前記スリット581s及び前記係入部583aを外方から視認可能とする窓5124が形成されている。
この場合、内側カバー5122及び外側カバー5123の間に配置されたクラッチ機構560、機械式リンク機構580及び制御モータ570は、外側カバー5123に形成された窓5124を通じて機械式リンク機構580のスリット581s及び係入部583aが外方から視認可能となっている。
従って、内側カバー5122及び外側カバー5123内に制御モータ570、リンク機構580及びクラッチ機構560が収納されることにより、制御モータ570、リンク機構580及びクラッチ機構560に排藁等が絡みつくことを有効に防止することができ、クラッチ動作の安定化を図ることができる。
さらに、機械式リンク機構580の係入部583aのスリット581sに対する相対位置を外方から視認することができるため、制御モータ570がクラッチ遮断状態であるにも拘わらず、クラッチピン565が遮断位置に位置していないという不都合が生じているか否かを容易に確認することができる。
また、前記FCフレーム512内には、フィードチェーン583が回転しているか否かを検出する回転センサ(図示せず)が設けられており、脱穀作業時(前記脱穀クラッチ300の接続時)にフィードチェーン583が回転しているか否かを表示させるように構成される。前記回転センサは、例えば、前記出力軸561の回転を検出するロータリエンコーダ等により実現される。
以上、本発明に係る実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変更、修正が可能である。
図1は、本発明の一実施形態におけるコンバインの右側面図である。 図2は、本発明の一実施形態におけるコンバインの左側面図である。 図3は、本発明の一実施形態におけるコンバインの正面図である。 図4は、本実施形態のコンバインの伝動模式図である。 図5は、本実施形態のコンバインの部分斜視図である。 図6は、本実施形態のコンバインの部分側面図である。 図7は、本実施形態のコンバインの脱穀装置近傍の部分側面図である。 図8は、本実施形態のコンバインにおける脱穀機枠及びフィードチェーン装置の斜視図である。 図9は、本実施形態のコンバインにおけるフィードチェーン装置の伝動機構近傍の展開平面図である。 図10は、本実施形態のコンバインにおけるフィードチェーン装置のクラッチ接続状態における伝動機構近傍の側面図である。 図11は、本実施形態のコンバインにおけるフィードチェーン装置のクラッチ遮断状態における伝動機構近傍の側面図である。 図12は、本実施形態のコンバインにおけるフィードチェーン装置のFCフレームの側面図である。
符号の説明
1 コンバイン
2 本機フレーム
9 駆動源
70 吸引ファン
500 フィードチェーン装置
501 回動支点
512 FCフレーム
5121 オープンフレーム
5122 内側カバー
5123 外側カバー
5124 窓
521 駆動側スプロケット
530 フィードチェーン
560 クラッチ機構
561 出力軸
562 駆動ギヤ
563 カムクラッチ
563c カム面
564 クラッチ接続ばね
565 クラッチピン
570 制御モータ
580 機械式リンク機構
581 モータ側リンク部材
581s スリット
582 枢支軸
583 クラッチ側リンク部材
583a 係入部
583b 回動部
583c ピン連結部
5831 第1部材
5832 第2部材
584 クラッチ遮断ばね
610 FC駆動ユニット
611 駆動ケース
612 入力軸
615 吸引ファン軸

Claims (5)

  1. 本機フレームに対して略垂直に沿った回動支点軸回り回動可能とされたFCフレームと、前記FCフレームに支持され、駆動側スプロケットによって駆動される無端状のフィードチェーンと、前記本機フレームに支持された駆動源から前記駆動側スプロケットへの動力伝達を選択的に接続又は遮断させるクラッチ機構と、前記クラッチ機構を作動させる制御モータとを備えたコンバインであって、
    前記制御モータを前記FCフレームに支持させ、前記制御モータと前記クラッチ機構とを機械式リンク機構によって連結させたことを特徴とするコンバイン。
  2. 前記クラッチ機構は、前記駆動側スプロケットを相対回転不能に支持する出力軸に相対回転不能且つ軸線方向移動可能に支持され、前記駆動源に作動連結された状態で前記出力軸に相対回転自在に支持された駆動ギヤに選択的に係合可能なカムクラッチと、前記カムクラッチを前記駆動ギヤに向けて付勢するクラッチ接続ばねと、前記出力軸とは直交する方向に軸線方向移動可能とされ且つ内端部が前記カムクラッチのカム面に係合可能なクラッチピンとを備え、前記クラッチピンが、軸線方向位置に関し、前記クラッチ接続ばねによる前記カムクラッチ及び前記駆動ギヤの係合を許容する接続位置と前記クラッチ接続ばねの付勢力に抗して前記カムクラッチを前記駆動ギヤから離間させる遮断位置とをとり得るように構成され、
    前記制御モータは、モータ出力軸が前記出力軸と略平行となるように前記FCフレームに支持され、
    前記機械式リンク機構は、前記モータ出力軸回りに接続位置及び遮断位置を取り得るように前記モータ出力軸に作動連結されたモータ側リンク部材と、前記モータ出力軸と平行な枢支軸回り回動可能とされたクラッチ側リンク部材であって、前記枢支軸回り一方側の接続位置及び他方側の遮断位置に位置する際に前記クラッチピンをそれぞれ接続位置及び遮断位置に位置させるクラッチ側リンク部材と、前記クラッチ側リンク部材を前記枢支軸回り他方側の遮断方向へ付勢するクラッチ遮断ばねとを有し、
    前記モータ側リンク部材にはスリットが形成され、前記クラッチ側リンク部材には前記スリットに係入された状態で前記スリットに対し相対移動可能な係入部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のコンバイン。
  3. 前記クラッチ側リンク部材は、前記枢支軸に支持される回動部及び前記クラッチピンが連結されるピン連結部が設けられた第1部材と、前記係入部が設けられた第2部材であって、前記第1部材に連結される第2部材とを有し、
    前記第1及び第2部材の連結姿勢が変更可能とされていることを特徴とする請求項2に記載のコンバイン。
  4. 前記FCフレームは、前記本機フレームに前記回動支点軸回り回動可能に支持されるオープンフレームと、前記オープンフレームの機体幅方向内方側に固着され、扱室の一方側の側部を形成する内側カバーと、前記オープンフレームの機体幅方向外方側に固着される外側カバーとを備え、
    前記クラッチ機構、前記機械式リンク機構及び前記制御モータは、前記内側カバー及び前記外側カバーの間に配置されており、
    前記外側カバーには、前記スリット及び前記係入部を外方から視認可能とする窓が形成されていることを特徴とする請求項2又は3に記載のコンバイン。
  5. 前記駆動源から前記駆動側スプロケットへの動力伝達経路の一部を形成するFC駆動ユニットを備え、
    前記FC駆動ユニットは、前記FCフレームに固着される駆動ケースと、前記駆動源に作動連結された状態で前記駆動ケースに回転自在に支持された入力軸と、一端部が前記駆動側スプロケットを相対回転不能に支持し得るように前記駆動ケースから外方へ延在された状態で前記駆動ケースに回転自在に支持された前記出力軸と、前記入力軸に作動連結された状態で前記駆動ケース内に位置するように前記出力軸に相対回転自在に支持された前記駆動ギヤと、前記入力軸から前記駆動ギヤへ至る伝動経路に介挿された吸引ファン軸とを有し、
    前記吸引ファン軸には吸引ファンが支持されていることを特徴とする請求項2から4の何れかに記載のコンバイン。
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