JP2009265832A - 運転支援装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 交通状況に応じて適切な右折支援を行うことを可能とした運転支援装置を提供する。
【解決手段】 車々間通信機10、路車間通信機20等を通じて取得した右折対象交差点周辺の交通状況等を基にして運転支援ECU30は、右折対象交差点における車両状況を予測し、予測結果に基づいて右折可能条件ごとにそれぞれの右折可能タイミングを算出したうえで、それらを比較することによって運転者に指示する右折可能タイミングを設定し、それに基づいて運転者に対する右折支援を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】 車々間通信機10、路車間通信機20等を通じて取得した右折対象交差点周辺の交通状況等を基にして運転支援ECU30は、右折対象交差点における車両状況を予測し、予測結果に基づいて右折可能条件ごとにそれぞれの右折可能タイミングを算出したうえで、それらを比較することによって運転者に指示する右折可能タイミングを設定し、それに基づいて運転者に対する右折支援を行う。
【選択図】 図1
Description
本発明は、車両の運転者の運転操作を支援する運転支援装置に関し、特に、交差点での右折操作を支援する運転支援装置に関する。
交差点では、原則として直進車両が優先されるため、右折専用の信号機による場合を除き、右折車両は、直進する対向車両の進行に注意しながら右折操作を行う必要があり、特に、対向車両が連続して進行しており、かつ、その車間距離がある程度開いている場合には適切な右折タイミングの判断が難しい。
このような交差点での右折操作を支援する運転支援装置として特許文献1に開示された技術がある。この技術では、直進車と右折車とで自車両の優先度に関する情報を相互通信し、右折車は右折待機の待ち時間に応じて優先度をカウントアップしていき、直進車より優先度が高い場合には、直進車に対して通行許可を求め、通行許可が得られた場合に右折を誘導するというものである。
特開平11−110693号公報
しかしながら、この技術においては、主に右折待機の待ち時間を利用して右折車両の優先度を判定しているため、直進車両間の車間距離が空いており、右折可能なタイミングであっても、待機時間が短ければ直進車を優先してしまい、習熟度の低い運転者の場合には、右折までの時間が長くなってしまい、支援の実効性が低くなってしまう。
そこで本発明は、交通状況に応じて適切な右折支援を行うことを可能とした運転支援装置を提供することを課題とする。
右折対象交差点周辺での交通状況を取得する状況取得手段と、取得した交通状況から同対象交差点における車両状況を予測する予測手段と、予測結果に基づいて複数の異なる右折可能条件に対してそれぞれ右折可能タイミングを算出するタイミング算出手段と、これら複数の右折可能タイミングの比較に基づいて車両の運転者に対して同対象交差点での右折タイミングを指示する指示手段と、を備えることを特徴とする。
ここで、右折可能条件としては、信号が変わって直進車両が停止して右折可能となる、直進車両の間隔が離れることにより右折可能となる、直進車両に対して減速・停止を指示することにより右折可能となる等が挙げられる。
この指示手段は、算出した複数の右折可能タイミングのうち最も早いタイミングを自車両の右折タイミングとするとよい。
対象交差点の対向車線を直進する車両と相互通信を行う車々間通信機をさらに備えており、指示手段は、車々間通信機を通じて直進車両に対して、自車両の右折に対する支援を通知する。例えば、右折車両を優先するよう指示したり、右折車両の存在に注意を促す等するとよい。
本発明に係る運転支援装置によれば、交通状況に基づいて対象交差点の交通状況を予測し、それに基づいて複数の右折可能条件に対してそれぞれ右折可能タイミングを算出し、それらを比較することにより適切な右折可能タイミングを選定して、運転者に右折タイミングを指示するので、適切なタイミングでの右折操作を行うことができ、支援性が向上する。
算出した複数の右折可能タイミングのうち最も早いタイミングを自車両の右折タイミングとして設定することで、右折時の待機時間を短くすることができ、右折による渋滞を緩和し、運転者のストレスを低減できる。
直進車両に対して右折車両の優先通知や、注意喚起の要請を行うことで、直進車両の運転者も右折車両に十分に注意することができ、交差点における衝突・接触を未然に防止することができる。
以下、添付図面を参照して本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては可能な限り同一の参照番号を附し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明に係る運転支援装置の好適な実施形態を示すブロック図である。本運転支援装置は、車両に搭載され、インフラとして整備される道路交通情報システム等と連携して、運転者(ドライバ)に対する運転支援を行うものである。インフラ側の設備としては、路側等に配置される路側通信機50とこれに接続された送受信用のアンテナ51、交通情報を取得するための交通センサ52を備える。
一方、車両に搭載される運転支援装置は、車両間で相互通信を行う車々間通信機10とこれに接続された送受信用のアンテナ11、上記路側通信機50と相互通信を行う路車間通信機20とこれに接続された送受信用のアンテナ21、支援装置を制御する運転支援ECU30のほか、ナビゲーション装置40を備えている。このナビゲーション装置40には、入力手段41、ディスプレイ42、スピーカー43が接続されている。運転支援ECU30には、車々間通信機10、路車間通信機20、ナビゲーション装置40が接続されるほか、ウィンカースイッチ31の出力が入力され、方向指示器32の作動を制御する。
運転支援ECU30は、CPU、ROM、RAM等によって構成されるものであり、専用のハードウェアにより実現されてもよいが、他の車両のECUとハードウェアの一部または全部を共有し、ソフトウェア的に実現されていてもよい。また、ナビゲーション装置40とそのハードウェアの一部または全部を共有していてもよい。ナビゲーション装置40は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)や慣性航法装置を用いて車両の現在位置を把握する装置であり、さらに地図情報を用いて車両の経路案内を行う機能を有していることが好ましい。
ディスプレイ42、スピーカー43としては、ナビゲーションシステム専用である必要はなく、例えば、AVシステムと共用するとよい。入力手段41は、専用のキーボードや十字キー等の入力手段のほか、ディスプレイ42としてタッチパネル式ディスプレイを用いて共用してもよい。
次に、この運転支援装置による運転支援の動作を図1〜図5を参照して説明する。図2は、図1の運転支援装置による運転支援が適用される交通状況を説明する図であり、図3は、運転支援の動作を示すフローチャートである。図4、図5は、それぞれ相手方車両のディスプレイに表示されるナビゲーション画面例である。
ここでは、図2に示されるように、自車両100がレーンL1から信号機201のある交差点(以下、対象交差点と称する。)を右折して、レーンL5に進入する場合の右折支援を説明する。図3に示されるフローチャートの動作は、例えば、運転者が交差点近傍においてウィンカースイッチ31を操作して右折を指示し、実際に右折が完了するまでの間実施される。
最初に、車々間通信機10と路車間通信機20が、他の車両の車々間通信機や路側通信機50から送信された道路交通情報を受信する(ステップS1)。この道路交通情報は、各路側通信機50が交通センサ52から取得した情報や図示していない管制センターから取得した情報、周囲の各車両の運航情報であり、信号機201の作動タイミング(例えば、信号機201の直進信号が赤信号に変化するまでの時間t3等)に関する情報や対象交差点へとつながる対向車線であるレーンL3を走行する車両304〜306及びその先のレーンL2を走行する車両301〜303の位置、速度、台数、車両形状、加速度、進行方向等の情報が含まれる。
次に、運転者が右折に必要な時間t1を算出する(ステップS3)。この算出は、地図情報等で取得した交差点の形状情報、現在の車両の位置情報、運転者が過去に右折操作を行った際の右折に要した時間を基にして算出を行うとよい。
続いて、取得した道路交通情報から対象交差点付近における周辺車両、特に、レーンL3、L2を走行する対向直進車両301〜306の位置推移を予測する(ステップS5)。レーンL5、L6の渋滞情報等も利用することにより、より正確に車両304〜306の位置推移を予測することができる。
ステップS7では、ステップS1実行後、N秒経過しているか否かを判定する。後述するステップS9〜S27の処理はループ処理として実行され、その処理に用いられる交通状況等の情報は、ステップS1〜S5で取得したものである。各ループ処理毎に情報を取得すると、路車間通信や車々間通信のトラフィックが過剰となり、情報を取得できない可能性がある。一方、本制御に必要な周辺の交通状況等は、短時間で劇的に変動する性質のものではない。そこで、先に交通情報を取得してからN秒(数秒程度が好ましい。)経過した場合には、新たにステップS1へと戻り、交通情報を取得することとし、取得してからN秒以内の場合には、前回取得した交通情報、車両位置推移予測をもとに後段(ステップS9以降)の処理を行うこととしている。
ステップS9では、直進車両側の車間時間(車両304、305を例にとると、車両304と車両305の車間距離を車両305の車速で除した数値)t0が、右折に必要な時間t1以上となる車両の組み合わせのうち、先行側の車両(上記車両304、305の組み合わせでは車両304)が対象交差点に進入する時刻と現時点との時刻差t2を算出する。
ステップS11では、交通流を最適化させるための右折タイミングまでの時間t4を算出する。具体的には、自車両後方で右折待ちしている車両の車両台数、車両位置、車速、車両形状、加速度、進行方向、運転者特性等から右折待ちによる渋滞量を予測し、交通量の最適化の解としての最適右折タイミングt4を算出する。
続く、ステップS13、S17、S21では、算出したタイミングt2、t3、t4のうち最小、すなわち、最も早いタイミングを判定する。最小がt2の場合、すなわち、直進車両の車間距離が空いているときに右折可能なタイミングが最も早い場合には、ステップS15へと移行し、車々間通信機10により、対向車線の直進側車両に対して、右折支援を通知する。通知を受けた直進側車両の運転支援装置は、例えば、図4に示すように、前方交差点で右折車両(車両100に対応する)が右折することを注意する警告画面表示や音声等のHMI(Human Machine Interface)により、運転者に対して注意を促す。
最小がt3の場合、すなわち、対向車線の直進側車両が赤信号で停車することにより右折可能なタイミングが最も早い場合は、ステップS19へと移行する。この場合は、対向車線の直進側車両に対して特に車々間通信機10による通知を行わなくてもよいが、赤信号に変わる時点が近づいている場合には、車々間通信機10により、直進側車両に対して赤信号に変わった後に右折を予定している車両がある旨を通知し、通知を受けた直進側車両の運転支援装置では、信号変化の案内とともに、信号変化後に右折を予定している車両がある旨の警告画面表示や音声を発することで、運転者に対して注意を促してもよい。
最小がt4の場合、すなわち、交通流を最適化させるための右折可能なタイミングが最も早い場合は、ステップS23へと移行する。この場合は、車々間通信機10により、直進側車両に対して右折車を優先するよう通知する。例えば、図5に示すように、前方交差点で待機している右折車両(車両100に対応する)があり、これを優先して減速ないし停止するよう画面表示や音声等のHMIにより、運転者に対して指示する。
ステップS15、S19、S23終了後は、ステップS25へと移行して、上述の最小タイミングに応じてディスプレイ42、スピーカー43により、右折可能タイミングを運転者に通知する。この通知は、何秒後、どの条件が満たされた時(信号が変化した時、どの車両が通過あるいは停車・減速した時)に右折可能となるかを画面表示や音声により運転者に通知するとよい。
ステップS27では、t2、t3、t4のいずれかが0になったかを判定する。いずれかが0になった場合とは、右折可能タイミングになったことを意味する。いずれもが0より大きい場合には、ステップS7へと戻り、処理を継続する。一方、いずれかが0になった場合には、ステップS29へと移行して、右折可能タイミングであることを運転者に通知して、右折支援を実行する。
直進側車両に対して自車両の右折を優先するよう通知した場合、直進側車両の運転者が減速・停車して自車両を優先してくれた場合には、t3が0となり、ステップS27においてステップS29へと移行する条件が満たされる。一方、直進側車両の運転者が通知を無視し、減速しないか、減速が不充分であった場合には、t3、t4とも0になる条件を満たさないため、ステップS27においてステップS29へと移行する条件は満たされず、別のタイミングへ修正することになるので、交差点で直進車両と衝突・接触する可能性のある右折支援を行うことはない。したがって、右折支援に対する信頼性が向上する。
本発明によれば、以上述べたように、右折可能条件に応じてそれぞれ右折可能タイミングを算出し、それらを比較することで運転支援に用いる右折可能タイミングを設定するので、右折待機の時間を短縮することができ、交通流を最適化することができる。また、対向車線の直進車両に対して右折の優先を指示したり、右折車両の注意喚起を行うことで、交差点における右折車と直進車間の事故を効果的に予防できる。
上記の説明では、直進側車両に自車両の右折を優先するよう通知し(ステップS23)、その後、自車両の運転者に右折可能タイミングを指示する(ステップS25)例を説明したが、直進側車両の運転者が実際に減速等の操作を行い、自車両の右折を優先した場合に自車両の運転者に右折可能タイミングを表示するようにしてもよい。例えば、ステップS23終了後は、ステップS25へ移行せず、直接ステップS27へ移行するようにするとよい。
上記の例でt4が最小となるタイミングで全ての右折待機車両の右折を支援すると、直進側車両が頻繁に停止せざるを得なくなり、直進側車両の進行が妨げられて渋滞を引き起こすか、頻繁な減速・停止要請を嫌った直進側車両の運転者が右折車両の優先要請を無視してしまい、結果的に優先されないおそれがある。そこで、t4については、t3、t2より短く、かつ、t3またはt2との差が所定時間以上である場合に限り、右折可能タイミングとして設定してもよい。
本運転支援装置の制御は、以上説明した形態に限られるものではない。例えば、交通情報を双方向通信ではなく、路側から車両側への片側通信(例えば、FM多重通信)によって取得してもよい。また、車々間通信機10により各種の交通情報を取得するようにしてもよい。あるいはレーダ等を用いて自律的に取得することも可能である。
10…車々間通信機、11…アンテナ、20…路車間通信機、21…アンテナ、30…運転支援ECU、31…ウィンカースイッチ、32…方向指示器、40…ナビゲーション装置、41…入力手段、42…ディスプレイ、43…スピーカー、50…路側通信機、51…アンテナ、52…交通センサ、100…自車両、201…信号機、301〜306…対向直進車両。
Claims (3)
- 右折対象交差点周辺での交通状況を取得する状況取得手段と、
取得した交通状況から前記対象交差点における車両状況を予測する予測手段と、
予測結果に基づいて複数の異なる右折可能条件に対してそれぞれ右折可能タイミングを算出するタイミング算出手段と、
前記複数の右折可能タイミングの比較に基づいて車両の運転者に対して前記対象交差点での右折タイミングを指示する指示手段と、
を備える運転支援装置。 - 前記指示手段は、前記複数の右折可能タイミングのうち最も早いタイミングを自車両の右折タイミングとすることを特徴とする請求項1記載の運転支援装置。
- 対象交差点の対向車線を直進する車両と相互通信を行う車々間通信機をさらに備えており、
前記指示手段は、前記車々間通信機を通じて前記直進車両に対して、自車両の右折に対する支援を通知することを特徴とする請求項1または2に記載の運転支援装置。
Priority Applications (1)
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Publications (1)
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CN110171420A (zh) * | 2018-02-16 | 2019-08-27 | 本田技研工业株式会社 | 车辆控制装置 |
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