JP2006106955A - 運転支援装置 - Google Patents

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壮一郎 森
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洋志 清水
Toshimichi Hanai
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Abstract

【課題】 利便性及び運転支援性能の向上を図ることが可能な運転支援装置を提供する。
【解決手段】 運転支援装置1は、右折猶予時間推定部20により自車両が右折可能となるまでの右折猶予時間を推定する。また、運転支援装置1は、右折可否判断部15、右折意思検出部16、自車状態検出部17からの信号によって、運転者が交差点を右折しようとしていると判断できる場合に、右折猶予時間の情報を運転者に提示することとしている。このため、運転者は、右折可能となるまでの時間中、例えばナビの目的地設定など、他の行動を行ったり、目的地設定のために現在位置を確認するなど、他の行動のために注意を払ったりすることができる。また、運転者は、右折行動の開始が可能となった時点が容易にわかるため、素早く右折行動を行うことができる。従って、利便性及び運転支援性能の向上を図ることができる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、運転支援装置に関する。
従来、道路を横断している又は横断しようとしている歩行者や自転車等の移動体と、自車両との衝突の危険性がある場合に、自車両の運転者に対して走行支援情報を提供する運転支援装置が知られている。この装置によれば、走行支援情報を提供することにより、運転者の発見の遅れ、運転判断の誤り、及び運転操作の誤りなどによって発生する移動体との衝突事故を防止することができる。(例えば、特許文献1参照)
特開2002−260193号公報
しかし、従来の運転支援装置では、道路を横断している又は横断しようとしている歩行者や自転車等の移動体との衝突事故を防止するだけであって、運転者の利便性及び運転支援の面で未だ以下のような問題を有している。
例えば、交差点において右折行動を行う際、運転者は右折がいつ可能となるかを判断するため、様々な対象に注意を払い続けなければならなくなる。このため、運転者は、実際に右折可能となるまで注意を払い続けることとなり、右折可能となるまでの時間中、他の行動(ナビの目的地設定など)を行ったり、他の行動のために注意を払ったりすることが困難となる。このように、従来の運転支援装置では、運転者の利便性の面で未だ向上の余地を残すものであった。
また、例えば、交差点においてスムーズに右折を行うためには、右折行動の開始が可能となった時点で、素早く右折行動を行う必要がある。ところが、右折が可能となるまでの時間は一定ではないため、運転者が右折行動の開始に遅れてしまい、スムーズな運転行動が行えなくなる可能性がある。このように、従来の運転支援装置では、運転支援の面で未だ向上の余地を残すものであった。
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、利便性及び運転支援性能の向上を図ることが可能な運転支援装置を提供することにある。
本発明の運転支援装置は、走行中の自車位置を検出する位置検出手段と、位置検出手段にて検出された自車位置に基づいて、自車両が交差点に接近中であることを検出する交差点接近検出手段と、交差点接近検出手段にて接近中であることが検出された交差点への自車両の進入方向、及び自車両が進入する交差点の特性に基づいて、交差点が右折できるものであるか否かを判断する右折可否判断手段とを備えている。
また、運転支援装置は、運転者の右折意思を検出する右折意思検出手段と、自車両が停止中であるか否かを検出する自車状態検出手段と、対向車の走行状態を検出する対向車走行状態検出手段とを備えている。また、運転支援装置は、対向車走行状態検出手段により検出された対向車の走行状態によって自車両が右折可能となるまでの右折猶予時間を推定する右折猶予時間推定手段を有している。
さらに、運転支援装置は提示手段を備え、提示手段は、右折可否判断手段により交差点が右折できるものであると判断され、右折意思検出手段により運転者の右折意思が検出され、自車状態検出手段により自車両が停止中であると検出された場合に、右折猶予時間推定手段により推定された右折猶予時間の情報を運転者に提示する構成となっている。
本発明によれば、自車両が交差点に接近中であることを検出したときに、交差点が右折できるものであるか否かを判断する一方で、運転者の右折意思を検出しているので、自車両が交差点に差し掛かり、運転者がその交差点を右折しようとしているか否かを判断することとなる。
また、自車両が停止中であるか否かを検出するので、右折の前段階として運転者が車両を一時的に停車させたか否かを検出することとなる。さらに、自車両が右折可能となるまでの右折猶予時間を推定するので、右折までの待機時間を推定することとなる。
そして、交差点が右折できるものであると判断され、運転者の右折意思が検出され、自車両が停止中であると検出された場合に、右折猶予時間の情報を運転者に提示している。すなわち、運転者が右折しようとしている状態を検出し、その状態時に右折までの待機時間を提示することとなる。
これにより、運転者は、右折可能となるまでの時間中、例えばナビの目的地設定など、他の行動を行ったり、目的地設定のために現在位置を確認するなど、他の行動のために注意を払ったりすることができる。また、運転者は、右折行動の開始が可能となった時点が容易にわかるため、素早く右折行動を行うことができる。従って、利便性及び運転支援性能の向上を図ることができる。
以下、本発明の好適な実施形態を図面に基づいて説明する。なお、各図において、同一又は同様の要素には同一の符号を付して説明を省略するものとする。
図1は、本発明の第1実施形態に係る運転支援装置の構成図である。同図に示すように、本実施形態の運転支援装置1は、運転者の運転操作を支援するためのものであって、位置検出部(位置検出手段)10と、記憶部(交差点特性記憶手段)11と、交差点接近検出部(交差点接近検出手段)12と、読出部(読出手段)13と、進入方向検出部(進入方向検出手段)14とを備えている。また、運転支援装置1は、右折可否判断部(右折可否判断手段)15と、右折意思検出部(右折意思検出手段)16とを備えている。さらに、運転支援装置1は、自車状態検出部(自車状態検出手段)17と、対向車走行状態検出部(対向車走行状態検出手段)18と、信号状態検出部(信号状態検出手段)19と、右折猶予時間推定部(右折猶予時間推定手段)20と、提示部(提示手段)21とを備えている。
上記位置検出部10は、走行中の自車位置を検出するものである。具体的に位置検出部10は、ナビゲーションシステムにより、現在自車両が走行している位置座標を検出するものである。
記憶部11は、複数の交差点の特性を記憶するものである。ここで、交差点の特性とは、交差点の形状、すなわち十字交差、T字交差、及びY字交差等をいう。従って、記憶部11は、各地点の交差点がどのような形状となっているかを記憶していることとなる。また、記憶部11は、複数の交差点の位置情報を記憶している。さらに、記憶部11は、交差点の信号状態がどれくらいの時間で移行するかの情報も記憶している。なお、以下の説明において、交差点の特性は、交差点の形状であるとして説明する。
交差点接近検出部12は、位置検出部10にて検出された自車位置に基づいて、自車両が交差点に接近中であることを検出するものである。この検出の際、交差点接近検出部12は、記憶部11から複数の交差点の位置情報を読み出し、複数の交差点のいずれかに接近中であるか否かを判断するようになっている。
読出部13は、記憶部11に記憶された複数の交差点のうち、交差点接近検出部12にて接近中であることが検出された交差点の形状を読み出すものである。また、読出部13は、進入方向検出部14及び右折可否判断部15に接続され、これらに読み出した交差点の形状の情報を送信する構成となっている。
進入方向検出部14は、読出部13により読み出された交差点の形状から、当該交差点への自車両の進入方向を検出するものである。具体的に進入方向検出部14は、位置検出部10から時系列的に自車位置の情報を入力し、自車両の移動方向を求め、求めた移動方向と交差点の形状とから、進入方向を検出する構成となっている。また、進入方向検出部14は、検出した進入方向の情報を右折可否判断部15に送信する構成となっている。
右折可否判断部15は、交差点接近検出部12にて接近中であることが検出された交差点への自車両の進入方向、及び自車両が進入する交差点の形状に基づいて、その交差点を右折できるものであるか否かを判断するものである。具体的に右折可否判断部15は、進入方向検出部14により検出された進入方向と、読出部13により読み出された交差点の形状とに基づいて、その交差点を右折できるものであるか否かを判断するものである。
例えば、右折可否判断部15は、読出部13により読み出された交差点がT字交差のものであって、自車両がT字交差点を直進できない方向から進入してきた場合には、そのT字交差点を右折できるものであると判断する。一方、右折可否判断部15は、T字交差点であっても、自車両がT字交差点を直進及び左折できる方向から進入してきた場合には、そのT字交差点を右折できないものであると判断する。
右折意思検出部16は、運転者の右折意思を検出するものである。具体的に右折意思検出部16は、運転者が交差点接近時に右ウインカーを作動させている場合に、右ウインカーの作動信号を入力して、運転者の右折意思を検出するようになっている。
また、右折意思検出部16は、自車両が交差点へ接近する段階で最右側のレーンを走行している場合には、運転者の右折意思を検出するようになっている。この場合、右折意思検出部16は、撮像装置により自車両の前方風景を撮像し、撮像された映像を元に画像認識を行って、自車両が最右側レーンを走行しているか否かを判断する。さらに右折意思検出部16は、ナビゲーションによる経路誘導により右折が促されている場合などにも、右折意志を検出する構成としてもよい。
自車状態検出部17は、自車両が停止中であるか否かを判断するものである。具体的に自車状態検出部17は、車速センサからの信号を入力する構成となっており、入力した信号に基づいて自車両が停止中か否かを判断する。また、自車状態検出部17は、加速度センサや、ブレーキペダルの踏み込み量を検出する検出センサに接続され、自車両の下限速度やブレーキの作動状態についても検出する構成となっている。なお、自車状態検出部17は、ブレーキの作動状態から自車両が停止中であるか否かを判断する構成であってもよい。
対向車走行状態検出部18は、対向車の走行状態を検出するものである。ここで、対向車走行状態検出部18は、走行状態として、対向車の存在、対向車の運転者による運転操作、並びに対向車の位置及び速度を検出する。より具体的に対向車走行状態検出部18は、対向車の存在として対向車が何台存在しているかを検出し、対向車の運転者による運転操作として対向車が右左折しようしているかなどを検出する。なお、対向車走行状態検出部18は、上記走行状態を、車車間無線通信により検出したり、交差点に設置されたレーダから検出したりする。
信号状態検出部19は、交差点の信号の状態を検出するものである。すなわち、信号状態検出部19は、交差点の信号が「青」、「赤」、「黄」、「右折」又は「左折」などのいずれであるかを検出するものである。
右折猶予時間推定部20は、対向車走行状態検出部18により検出された走行状態によって自車両が右折可能となるまでの右折猶予時間を推定するものである。具体的に右折猶予時間推定部20は、対向車走行状態検出部18により対向車の存在が検出されないとき、既に右折可能であることから、右折猶予時間を推定しない。他方、右折猶予時間推定部20は、対向車の存在が検出されると、対向車走行状態検出部18から対向車の存在位置の情報と対向車の走行速度の情報とを入力する。そして、右折猶予時間推定部20は、交差点位置を終点として、対向車が終点を通過するまでの時間を求め、この時間を右折猶予時間として推定する。
また、右折猶予時間推定部20は、信号状態検出部19から信号状態の情報を入力し、これによって右折猶予時間を推定する構成となっている。具体的に右折猶予時間推定部20は、自車両から視認できる自車両側の信号状態が「赤」を示しているとき、信号が「青」に変わるまでの時間を右折猶予時間として推定する。この際、右折猶予時間推定部20は、記憶部11から信号が「青」に変わるまでの時間の情報を入力して右折猶予時間を推定することとなる。
他方、右折猶予時間推定部20は、自車両側の信号状態が「青」、「黄」又は「右折」のときには、上記と同様に、交差点位置を終点とし、対向車が終点を通過するまでの時間を右折猶予時間として推定する。
提示部21は、右折可否判断部15により交差点が右折できるものであると判断され、右折意思検出部16により運転者の右折意思が検出され、自車状態検出部17により自車両が停止中であると検出された場合に、右折猶予時間推定部20により推定された右折猶予時間の情報を運転者に提示するものである。具体的に提示部21は、運転者に情報提示する提示機能部と、提示に関する各種判断を行う判断部とからなっている。そして、提示部21の提示機能部は図2に示すように車室内に設けられている。
図2は、提示部21の提示機能部の詳細を示す説明図である。まず、図2(a)に示すように、提示部21は、運転者にとって視認可能な位置、例えばクラスターC部分に設けられている。そして、提示部21は、この設置位置から画像表示にて運転者に右折猶予時間を提示する構成となっている。
具体的に提示部21は、図2(b)〜(d)に示すように、右折可能となるまで2秒を要する場合、「右折猶予時間あと2秒」と提示し、右折可能となるまで1秒を要する場合、「右折猶予時間あと1秒」と提示し、右折可能となると、表示を消去する。
なお、提示部21は、右折が可能となったときに表示を消去しているが、これに限らず、右折可能の旨を報知する構成であってもよい。また、提示部21は、フロントガラス部に表示内容を投影させるヘッドアップディスプレイであってもよい。さらに、提示部21は、画像表示にて右折猶予時間を提示する構成に限らず、音声等にて提示を行う音声出力装置や触覚提示装置であってもよい。
次に、第1実施形態に係る運転支援装置1の動作を説明する。図3及び図4は、第1実施形態に係る運転支援装置1の動作を示すフローチャートであり、図5は、第1実施形態に係る運転支援装置1の動作の説明図である。
まず、図3に示すように、運転支援装置1は、自車両が走行中であることを検出すると、自車位置座標及び交差点位置座標を検出する(ST10)。この際、運転支援装置1は、位置検出部10により自車位置座標を検出し、記憶部11に記憶された交差点の位置情報により交差点位置座標を検出する。
その後、交差点接近検出部12は、自車位置座標と交差点位置座標との差Dが閾値T0以下であるか否かを判断する(ST11)。ここで、閾値T0は、予め定められた一定の値であってもよいし、交差点ごと毎に異なる値であってよい。また、閾値T0は記憶部11に記憶されていており、交差点接近検出部12は、記憶部11に記憶された交差点の位置情報の他に、閾値T0の情報を読み込んで、ステップST11の判断を行うこととなる。
自車位置座標と交差点位置座標との差Dが閾値T0以下でないと判断した場合(ST11:NO)、交差点接近検出部12は交差点に接近中でないと判断し(ST12)、提示部21は、右折猶予時間の表示を行っている場合には表示を消去し、右折猶予時間の表示を行っていない場合にはその表示を継続する(図4:ST35)。その後、処理は終了して再度ステップST10から実行されることとなる。
一方、図3に示すように、自車位置座標と交差点位置座標との差Dが閾値T0以下であると判断した場合(ST11:YES)、交差点接近検出部12は交差点に接近中であると判断する(ST13)。そして、読出部13は接近中であることが検出された交差点の特性、すなわち交差点の形状の情報を読み出して、進入方向検出部14及び右折可否判断部15に送信する(ST14)。
その後、進入方向検出部14は、交差点の形状と、自車位置の時系列データとから、交差点への進入方向を検出すると共に、自車両の走行レーンを検出する(ST15)。そして、進入方向検出部14は、進入方向の情報及び走行レーンの情報を右折可否判断部15に送信する。
次いで、右折可否判断部15は、接近中の交差点が右折可能であるか否かを判断する(ST16)。すなわち、右折可否判断部15は、読出部13からの交差点の形状、及び進入方向検出部14からの進入方向の情報に基づいて、接近中の交差点が右折可能であるか否かを判断する。
ここで、接近中の交差点が右折可能でないと判断した場合(ST16:NO)、提示部21は、右折猶予時間の表示を行っている場合には表示を消去し、右折猶予時間の表示を行っていない場合にはその表示を継続する(図4:ST35)。その後、処理は終了して再度ステップST10から実行されることとなる。
一方、図3に示すように、接近中の交差点が右折可能であると判断した場合(ST16:YES)、右折意思検出部16は右ウインカーの作動信号が検出されたか否かを判断する(ST17)。右ウインカーの作動信号が検出されたと判断した場合(ST17:YES)、処理はステップST20に移行する。一方、右ウインカーの作動信号が検出されなかったと判断した場合(ST17:NO)、右折意思検出部16は自車両が最右側レーンを走行中であるか否かを判断する(ST18)。
ここで、自車両が最右側レーンを走行中でないと判断した場合(ST18:NO)、本装置1は自車両が右折待ちでないと判断する(ST19)。そして、提示部21は、右折猶予時間の表示を行っている場合には表示を消去し、右折猶予時間の表示を行っていない場合にはその表示を継続する(図4:ST35)。その後、処理は終了して再度ステップST10から実行されることとなる。一方、図3に示すように、自車両が最右側レーンを走行中であると判断した場合(ST18:YES)、処理はステップST20に移行する。
ステップST20において、自車状態検出部17は、自車両が停止中であるか否かを判断する(ST20)。自車両が停止中でないと判断した場合(ST20:NO)、本装置1は自車両が右折待ちでないと判断する(ST19)。そして、提示部21は、右折猶予時間の表示を行っている場合には表示を消去し、右折猶予時間の表示を行っていない場合にはその表示を継続する(図4:ST35)。その後、処理は終了して再度ステップST10から実行されることとなる。
他方、自車両が停止中であると判断した場合(ST20:YES)、本装置1は自車両が右折待ちの停止中であると判断する(ST21)。次いで、信号状態検出部19は、信号の状態を検出する(ST22)。そして、信号状態検出部19は、交差点の信号が「赤」であるか、すなわち右折不可能な場合か否かを判断する(図4:ST23)。
交差点の信号が「赤」、すなわち右折不可能であると判断した場合(ST23:YES)、右折猶予時間推定部20は、交差点の信号が「青」に変わるまでの時間を右折猶予時間として推定する(ST24)。そして、処理はステップST31に移行する。
一方、交差点の信号が「赤」、すなわち右折不可能でないと判断した場合(ST23:NO)、対向車走行状態検出部18は、対向車の走行状態、すなわち対向車の存在、対向車の運転者のによる運転操作、並びに対向車の位置及び速度を検出する(ST25)。そして、右折猶予時間推定部20は、接近中の対向車がいるか否かを判断する(ST26)。
ここで、接近中の対向車がいないと判断した場合(ST26:NO)、例えば、対向車がいない場合、対向車は存在するがその対向車が停車中である場合、又は対向車は存在するがその対向車が交差点を通過することなく右左折をする場合、右折猶予時間推定部20は、自車両が右折可能であると判断する(ST27)。そして、提示部21は、右折猶予時間の表示消去、又は消去表示の継続を行い(ST35)、その後、処理は終了して再度ステップST10から実行されることとなる。
他方、接近中の対向車がいると判断した場合(ST26:YES)、右折猶予時間推定部20は、対向車がいることから(ST28)、自車両から対向車までの距離が閾値T1よりも小さいか否かを判断する(ST29)。
そして、自車両から対向車までの距離が閾値T1よりも小さくないと判断した場合(ST29:NO)、すなわち、図5(a)に示すように、対向車までの距離が充分に長い場合、右折行動に余裕をもてることから、右折猶予時間推定部20は、右折可能であると判断する(ST27)。そして、提示部21は、右折猶予時間の表示消去、又は消去表示の継続を行い(ST35)、その後、処理は終了して再度ステップST10から実行されることとなる。
一方、自車両から対向車までの距離が閾値T1よりも小さいと判断した場合(ST29:YES)、すなわち、図5(b)に示すように、自車両が右折できないほど対向車が接近している場合、右折猶予時間推定部20は、交差点位置を終点として、対向車が終点を通過するまでの時間を右折猶予時間として推定する(ST30)。次いで、処理はステップST31に移行する。
ステップST31において、提示部21は、ステップST24又はステップST30で推定された右折猶予時間が「0」となっているか否かを判断する(ST31)。ここで、右折猶予時間が「0」となっていると判断した場合(ST31:YES)、提示部21は、右折猶予時間の表示を消去し(ST35)、その後、処理は終了して再度ステップST10から実行されることとなる。
一方、右折猶予時間が「0」となっていないと判断した場合(ST31:NO)、提示部21は、右折猶予時間を提示する(ST32)。これにより、運転者は、右折猶予時間、すなわち右折可能となるまでの時間を知ることができ、その時間内にナビの目的地設定など、他の行動をとることができる。また、運転者は、いつ右折可能となるか容易に知ることができるため、右折可能となったときにはスムーズに右折行動を開始することができる。
その後、提示部21は、対向車走行状態検出部18により検出された対向車の運転者による運転操作などから、対向車の停止、対向車線からの離脱、及び対向車の右左折のいずれかを検出したか否かを判断する(ST33)。
そして、対向車の停止、対向車線からの離脱、及び対向車の右左折のいずれかを検出したと判断した場合(ST33:YES)、右折猶予時間に変更が生じる可能性が高いことから、処理は図3のステップST22に戻り、右折猶予時間が再度推定されることとなる。すなわち、図5(c)に示すように、対向車が停止してしまった場合、その対向車が交差点を通過するまでには多くの時間を要する可能性が高くなる。また、図5(d)に示すように、対向車が対向車線からの離脱(右左折)してしまった場合、その対向車が交差点を通過しなくなる。このため、本装置1では処理を図3のステップST22に戻し、再度右折猶予時間の推定を行うこととしている。
他方、対向車の停止、対向車線からの離脱、及び対向車の右左折のいずれもが検出されないと判断した場合(ST33:NO)、提示部21は右折行動が完了したか否かを判断する(ST34)。ここで、提示部21は、例えば位置検出部10から自車位置の情報を入力し、自車両が交差点を右折し終えたか否かを判断する。
そして、交差点を右折し終えていないと判断した場合(ST34:NO)、処理は図3のステップST22に戻り、右折猶予時間が再度推定されることとなる。他方、交差点を右折し終えたと判断した場合(ST34:YES)、既に右折猶予時間を提示する必要性がないことから、提示部21は、右折猶予時間の表示を消去し(ST35)、その後、処理は終了して再度ステップST10から実行されることとなる。
なお、本実施形態に係る運転支援装置1は、以下の処理を実行するようにしてもよい。すなわち、右折が終了した後、提示部21は、自車両が右折するときに要した所要時間を記憶する処理を実行する。この記憶は記憶部11が行ってもよい。そして、提示部21は、自車両が右折を行うごとに、各々の交差点ごとに所要時間を記憶していく。次いで、提示部21は、記憶した所要時間中に対向車が走行すると予測される距離を閾値T1として設定する。
そして、自車両が交差点を右折する場合には、自車両と対向車との距離がその交差点での閾値T1よりも小さい場合に、右折猶予時間を運転者に提示することとする。すなわち、図4のステップST29の閾値T1を変更して、図3及び図4に示す処理を実行することとなる。
このようにして、第1実施形態に係る運転支援装置1によれば、自車両が交差点に接近中であることを検出したときに、交差点が右折できるものであるか否かを判断する一方で、運転者の右折意思を検出しているので、自車両が交差点に差し掛かり、運転者がその交差点を右折しようとしているか否かを判断できることとなる。
また、自車両が停止中であるか否かを検出するので、右折の前段階として運転者が車両を一時的に停車させたか否かを検出することとなる。さらに、自車両が右折可能となるまでの右折猶予時間を推定するので、右折までの待機時間を推定することとなる。
そして、交差点が右折できるものであると判断され、運転者の右折意思が検出され、自車両が停止中であると検出された場合に、右折猶予時間の情報を運転者に提示している。すなわち、運転者が右折しようとしている状態を検出し、その状態時に右折までの待機時間を提示することとなる。
これにより、運転者は、右折可能となるまでの時間中、例えばナビの目的地設定など、他の行動を行ったり、目的地設定のために現在位置を確認するなど、他の行動のために注意を払ったりすることができる。また、運転者は、右折行動の開始が可能となった時点が容易にわかるため、素早く右折行動を行うことができる。従って、利便性及び運転支援性能の向上を図ることができる。
また、複数の交差点の特性を記憶する記憶部11を有するため、交差点の特性が不明となってしまうことが少なくなる。例えば、車両外部から交差点の特性を無線通信にて受信する構成の場合、無線通信の不良により交差点の特性が不明となってしまうが、記憶部11が複数の交差点の特性を記憶しておくことで、無線通信不良の可能性が無くなり交差点の特性が不明となってしまうことの可能性を減じることができる。従って、右折可否判断を確実にすることできる。
また、記憶部11は、交差点の特性として交差点の形状を記憶しているため、交差点への進入方向との関係において、右折可能か否かを容易に判断することができる。
また、各々の交差点ごとに、過去に自車両が右折するときに要した所要時間を記憶し、記憶した所要時間中に対向車が走行すると予測される距離を閾値として設定している。すなわち、図4のステップST29における閾値は、過去に右折に要した時間から求められることとなる。このため、自車両が右折しようとしている交差点において、対向車が閾値よりも近くに存在する場合には、正確に右折不可能と判断できる。
そして、右折不可能時には右折猶予時間を運転者に提示することとしている。このため、右折不可能時のみに右折猶予時間を運転者に提示することとなり、右折可能時には右折猶予時間を運転者に提示しないこととなる。すなわち、精度良く右折の可否を判断したうえで、右折可能時には右折猶予時間を運転者に提示して待機を促すことがない。従って、適切な提示を行うことができる。
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態に係る運転支援装置1aは、第1実施形態のものと同様であるが、処理内容の一部が第1実施形態のものと異なっている。
以下、第2実施形態に係る運転支援装置1aについて説明する。まず、自車両は、対向車が複数存在しているとき、1台の対向車が交差点を通過したからといって右折可能となるわけでなく、存在する対向車の全てが交差点を通過するなどした段階で右折可能となる。
このため、第2実施形態に係る運転支援装置1aは、複数の対向車を対象に右折猶予時間を推定するようになっている。具体的に第2実施形態に係る右折猶予時間推定部20は、対向車走行状態検出部18により対向車が複数検出された場合に、複数の対向車それぞれの走行状態に基づいて右折猶予時間を推定するようになっている。これにより、第2実施形態では、対向車が複数存在する場合においても、右折猶予時間を正確に推定することができるようになっている。
図6〜図8は、第2実施形態に係る運転支援装置1aの動作を示すフローチャートである。なお、図6〜図8に示すフローチャートでは、2台の対向車の走行状態に基づいて右折猶予時間を推定する場合を例に説明する。また、図6に示すフローチャートのステップST40〜ST52は、図3に示すST10〜ST22と同様であるため、説明を省略する。
まず、図7に示すように、信号状態検出部19は、自車両側の信号の状態を検出した後(ST52の後)、交差点の信号が「赤」であるか、すなわち右折不可能な場合か否かを判断する(ST53)。
そして、交差点の信号が「赤」、すなわち右折不可能であると判断した場合(ST53:YES)、右折猶予時間推定部20は、交差点の信号が「青」に変わるまでの時間を右折猶予時間として推定する(ST54)。その後、提示部21は、ステップST54で推定された右折猶予時間が「0」となっているか否かを判断する(図8:ST71)。ここで、右折猶予時間が「0」となっていると判断した場合(ST71:YES)、提示部21は、右折猶予時間の表示消去、又は消去表示を行い(ST73)、その後、処理は終了して再度ステップST10から実行されることとなる。
一方、右折猶予時間が「0」となっていないと判断した場合(ST71:NO)、提示部21は、右折猶予時間を提示する(ST72)。その後、処理は図6のステップST52に戻る。
ところで、図7に示すように、交差点の信号が「赤」、すなわち右折不可能でないと判断した場合(ST53:NO)、対向車走行状態検出部18は、対向車の走行状態を検出する(ST55)。そして、右折猶予時間推定部20は、接近中の対向車がいるか否かを判断する(ST56)。
ここで、接近中の対向車がいないと判断した場合(ST56:NO)、右折猶予時間推定部20は、対向車がいないことから、右折可能であると判断する(ST57)。そして、提示部21は、右折猶予時間の表示消去、又は消去表示の継続を行い(図8:ST73)、その後、処理は終了して再度ステップST40から実行されることとなる。
また、図7に示すように、接近中の対向車がいると判断した場合(ST56:YES)、右折猶予時間推定部20は、検出した対向車を対向車Aとする(ST58)。このとき、右折猶予時間推定部20は、検出した対向車のうち最も近いものをを対向車Aとする。そして、右折猶予時間推定部20は、自車両から対向車Aまでの距離が閾値T1よりも小さいか否かを判断する(ST59)。
次いで、自車両から対向車までの距離が閾値T1よりも小さくないと判断した場合(ST59:NO)、すなわち、対向車Aまでの距離が充分に長い場合、右折行動に余裕をもてることから、右折猶予時間推定部20は、右折可能であると判断する(ST57)。そして、提示部21は、右折猶予時間の表示消去、又は消去表示の継続を行い(図8:ST73)、その後、処理は終了して再度ステップST40から実行されることとなる。
一方、図7に示すように、自車両から対向車Aまでの距離が閾値T1よりも小さいと判断した場合(ST59:YES)、すなわち、自車両が右折できないほど対向車Aが接近している場合、右折猶予時間推定部20は、後続車がいるか否かを判断する(ST60)。
ここで、後続車がいないと判断した場合(ST60:NO)、右折猶予時間推定部20は、対向車が1台のみであることから、右折猶予時間の推定対象を対向車Aとする(ST61)。そして、処理はステップST65に移行する。
他方、後続車がいると判断した場合(ST60:YES)、右折猶予時間推定部20は、検出した後続車を対向車Bとする(ST62)。そして、右折猶予時間推定部20は、自車両から対向車Bまでの距離が閾値T1よりも小さいか否かを判断する(ST63)。
そして、自車両から対向車までの距離が閾値T1よりも小さくないと判断した場合(ST63:NO)、すなわち、対向車Bまでの距離が充分に長い場合、右折できるか否かについて対向車Bが影響を与えないことから、右折猶予時間推定部20は、右折猶予時間の推定対象を対向車Aとする(ST61)。そして、処理はステップST65に移行する。
一方、自車両から対向車Bまでの距離が閾値T1よりも小さいと判断した場合(ST63:YES)、すなわち、右折できるか否かについては対向車Aのみならず対向車Bも影響を与ええることから、右折猶予時間推定部20は、対向車Aよりも遠くに位置する対向車Bを、右折猶予時間の推定対象をする(ST64)。
ステップST65において、右折猶予時間推定部20は、交差点位置を終点として、対向車が終点を通過するまでの時間を右折猶予時間として推定する(ST65)。次いで、提示部21は、ステップST65で推定された右折猶予時間が「0」となっているか否かを判断する(図8:ST66)。ここで、右折猶予時間が「0」となっていると判断した場合(ST66:YES)、提示部21は、右折猶予時間の表示消去、又は消去表示の継続を行う(ST73)。その後、処理は終了して再度ステップST40から実行されることとなる。
一方、右折猶予時間が「0」となっていないと判断した場合(ST66:NO)、提示部21は、右折猶予時間を提示する(ST67)。その後、提示部21は、対向車走行状態検出部18により検出された対向車の運転者による運転操作などから、対向車Aの停止、対向車線からの離脱、及び対向車Aの右左折のいずれかを検出したか否かを判断する(ST68)。
そして、対向車Aの停止、対向車線からの離脱、及び対向車Aの右左折のいずれかを検出したと判断した場合(ST68:YES)、処理は図6のステップST52に戻り、右折猶予時間が再度推定されることとなる。他方、対向車Aの停止、対向車線からの離脱、及び対向車Aの右左折のいずれもが検出されないと判断した場合(ST68:NO)、提示部21は、対向車Bの停止、対向車線からの離脱、及び対向車Bの右左折のいずれかを検出したか否かを判断する(ST69)。
そして、対向車Bの停止、対向車線からの離脱、及び対向車Bの右左折のいずれかを検出したと判断した場合(ST69:YES)、処理は図6のステップST52に戻り、右折猶予時間が再度推定されることとなる。他方、対向車Bの停止、対向車線からの離脱、及び対向車Bの右左折のいずれもが検出されないと判断した場合(ST69:NO)、提示部21は右折行動が完了したか否かを判断する(ST70)。
そして、交差点を右折し終えていないと判断した場合(ST70:NO)、処理は図6のステップ52に戻り、右折猶予時間が再度推定されることとなる。他方、交差点を右折し終えたと判断した場合(ST70:YES)、既に右折猶予時間を提示する必要性がないことから、提示部21は、右折猶予時間の表示を消去する(ST73)。その後、処理は終了して再度ステップST40から実行されることとなる。
このように、第2実施形態では、対向車が2台存在する場合であっても、右折猶予時間の推定対象をいずれかに決定して、正確な右折猶予時間を推定することとしている。なお、図6〜図8に示すフローチャートでは、対向車が最大で2台の場合を例に説明したが、これに限らず、対向車の数は3台以上であってもよい。この場合、図7に示すフローチャートのステップST60〜ST64の処理を複数回行うようにすればよい。
ここで、右折猶予時間の推定対象の決定について、さらに詳しく説明する。図9〜図13は、図7に示した右折猶予時間の推定対象の決定についての説明図である。
図9(a)に示すように、自車両から対向車Aまでの距離が閾値T1より小さいが、自車両から対向車Bまでの距離が閾値T1より以上である場合、右折猶予時間推定部20はステップST63で「NO」と判断し、右折猶予時間の推定対象を対向車Aとする。
これに対し、図9(b)に示すように、自車両から対向車A及び対向車Bまでの距離が閾値T1より小さい場合、右折猶予時間推定部20はステップST63で「YES」と判断し、右折猶予時間の推定対象を対向車Bとする。
また、図9(c)に示すように、自車両から対向車A及び対向車Bまでの距離が閾値T1より小さいが、その後対向車Aが車線を離脱してしまった場合、対向車Aは右折猶予時間の推定に影響を与えなくなるため、右折猶予時間推定部20は、右折猶予時間の推定対象を対向車Bとする。
また、図9(d)に示すように、自車両から対向車A及び対向車Bまでの距離が閾値T1より小さいが、その後対向車Bが車線を離脱してしまった場合、対向車Bは右折猶予時間の推定に影響を与えなくなるため、右折猶予時間推定部20は、右折猶予時間の推定対象を対向車Aとする。
さらに、図10(a)及び(b)に示す場合にあっては、対向車Aのみが閾値T1より自車両側の区間に存在しているが、対向車Aが停止しているため、右折猶予時間の推定対象はなく、右折猶予時間推定部20は右折猶予時間を推定しない。ところが、図10(c)に示すように、閾値T1より自車両側の区間に対向車Bが進入してきた場合、右折猶予時間推定部20は右折猶予時間の推定対象を対向車Bとする。
また、図11(a)に示すように、閾値T1より自車両側の区間に存在する対向車Aが車線を離脱し、対向車線に存在しない車両A’が閾値T1より自車両側の区間に進入してきた場合、対向車Aは右折猶予時間の推定に影響を与えなくなる一方、車両A’は新たに対向車として右折猶予時間の推定に影響を与えることとなる。このため、右折猶予時間推定部20は、右折猶予時間の推定対象を車両A’とする。
ところが、図11(b)に示すように、車両A’の進入地点よりも、自車両から遠ざかる位置に対向車Bが存在し、且つ、その対向車Bが閾値T1より自車両側の区間に存在する場合、右折猶予時間推定部20は、右折猶予時間の推定対象を対向車Bとする。また、図11(c)に示すように、車両A’の進入地点よりも、自車両側に対向車Bが存在する場合、右折猶予時間推定部20は、右折猶予時間の推定対象を車両A’とする。
さらに、図12(a)に示すように、対向車Aが閾値T1より自車両側の区間に存在し、車両B’が閾値T1より自車両側の区間且つ対向車Aの後方に進入してきた場合、右折猶予時間推定部20は、車両B’が進入してきた時点で、右折猶予時間の推定対象を車両B’とする。
また、図12(b)に示すように、対向車Aが閾値T1より自車両側の区間に存在し、対向車Bが閾値T1より自車両側の区間且つ対向車Aの後方に停車している場合、右折猶予時間推定部20は、右折猶予時間の推定対象を対向車Aとする。また、図12(c)に示すように、後続車である対向車Bが閾値T1より自車両側の区間において先行する対向車Aを追い抜かした場合、右折猶予時間の推定対象を対向車Aとする。
さらに、図13(a)に示すように、対向車Aが閾値T1より自車両側の区間に存在するが、交差点を通過することなく交差点を左折しようとしている場合、対向車Aが左折行動に行った時点で、右折猶予時間の推定対象はなくなる。よって、右折猶予時間推定部20は右折猶予時間を推定しない。
また、図13(a)の状況に加えて、図13(b)に示すように、対向車Bが存在するが、閾値T1より自車両側の区間に存在していない場合、同様に、右折猶予時間推定部20は右折猶予時間を推定しない。ところが、図13(c)に示すように、対向車Bが閾値T1より自車両側の区間に存在する場合、右折猶予時間推定部20は右折猶予時間の推定対象を対向車Bとする。
以上のように、第2実施形態において右折猶予時間推定部20は、右折猶予時間の推定対象を適宜決定して、正確な右折猶予時間を推定することとなる。
このようにして、第2実施形態に係る運転支援装置1aによれば、第1実施形態と同様に、利便性及び運転支援性能の向上を図ることができ、右折可否判断を確実にすることできる。また、右折可能か否かを容易に判断することができ、適切な提示を行うことができる。
さらに、第2実施形態によれば、対向車が複数あるときには、複数の対向車それぞれの走行状態に基づいて右折猶予時間を推定するので、対向車が複数存在する様々な場合において、右折猶予時間を正確に推定することができる。
次に、本発明の第3実施形態について説明する。第3実施形態に係る運転支援装置1bは、第2実施形態のものと同様であるが、処理内容の一部が第2実施形態のものと異なっている。
以下、第3実施形態に係る運転支援装置1bについて説明する。図14は、第3実施形態に係る運転支援装置1bの概略説明図である。同図に示すように、第2実施形態に係る運転支援装置1aでは、右折猶予時間を求めるための終点位置を交差点内に設定していたが、本実施形態に係る運転支援装置1bでは、対向車線の停止線位置を終点としている。このため、右折猶予時間推定部20は、対向車が停止線を通過するまでの時間を右折猶予時間として推定することとなる。
一般的に運転者は右折ができることを提示されても、即座に車両を右折させるわけでなく、右折操作に或る程度の時間を要する。このため、対向車が実際に交差点を通過するよりも早くに右折猶予時間を「0」とすれば、運転者に右折行動の時間を与えることとなり、右折する際には、対向車が丁度交差点を通過するなど、右折タイミングの最適化を図ることができる。
ここで、終点は、停止線位置に限らず、交差点から対向車走行方向の反対側に設定されていればよい。すなわち、対向車が実際に交差点を通過するよりも早くに右折猶予時間を「0」とし、運転者に右折行動の時間を与えるようになっていればよく、終点は停止線位置に限られない。
但し、交差点からあまりに遠い位置で右折猶予時間が「0」となると、却って交差点を右折する際に支障をきたす。このため、対向車走行方向の反対側に向かって所定距離以内の地点を終点とする必要がある。この点、終点を停止線位置としておけば、適切に運転者に右折行動の時間を与えることができる。
このようにして、第3実施形態に係る運転支援装置1bによれば、第3実施形態と同様に、利便性及び運転支援性能の向上を図ることができ、右折可否判断を確実にすることできる。また、右折可能か否かを容易に判断することができ、適切な提示を行うことができる。また、右折猶予時間を正確に推定することができる。
さらに、第3実施形態によれば、交差点から対向車走行方向の反対側へ所定距離以内に設定された地点を終点とし、対向車が終点を通過するまでの時間を求め、この時間を右折猶予時間と推定している。
このため、右折猶予時間は対向車が実際に交差点を通過するよりも早くに「0」となる。ここで、一般的に運転者は右折ができることを提示されても、即座に車両を右折させるわけでなく、右折操作に或る程度の時間を要する。従って、対向車が実際に交差点を通過するよりも早くに「0」とすれば、運転者に右折行動の時間を与えることとなり、右折する際には、対向車が丁度交差点を通過するなど、右折タイミングの最適化を図ることができる。
次に、本発明の第4実施形態について説明する。第4実施形態に係る運転支援装置1cは、第3実施形態のものと同様であるが、処理内容の一部が第3実施形態のものと異なっている。
以下、第4実施形態に係る運転支援装置1cについて説明する。まず、第3実施形態に係る運転支援装置1bにおいて提示部21は、右折猶予時間の推定対象である対向車が存在し続ける限り、右折猶予時間が「0」となるまで提示していた。ところが、第4実施形態に係る運転支援装置1cでは、右折猶予時間が「0」となるまで提示しないようになっている。
図15は、第4実施形態に係る運転支援装置1cの概略説明図である。同図に示すように、第4実施形態に係る運転支援装置1cでは、対向車が特定地点を通過するまで右折猶予時間を運転者に提示するようにしている。
まず、図15(a)及び(b)に示すように、終点を挟む自車両の反対側の地点を、特定地点とする。この場合、図15(a)に示すように、対向車が特定地点に達していないとき、提示部21は右折猶予時間を提示する。ところが、図15(b)に示すように、対向車が特定地点に達したとき、対向車が終点に達していないにも関わらず、提示部21は右折猶予時間の提示を中止する。
このように、右折猶予時間は終点を通過する前に提示されなくなる。このため、対向車が特定地点を通過するときには、右折猶予時間が「0」でないにも関わらず、右折猶予時間の提示を中止し、右折ができることを運転者に提示することとなる。ところが、一般的に運転者は右折ができることを提示されても、右折可能であることを確認する。すなわち、右折可能であることが提示されても、運転者は即座に自車両を右折させるわけでなく、右折のために交差点を確認する傾向にある。従って、対向車が終点を通過するまえに右折猶予時間の提示を中止すれば、運転者に交差点確認の時間を与えることとなり、交差点確認を行って右折する際には、対向車が丁度交差点を通過するなど、右折タイミングの最適化を図ることができる。
また、図15(c)及び(d)に示すように、終点よりも自車両側の地点を、特定地点とした場合、対向車は特定地点を通過する前に、必ず終点を通過する。このため、右折猶予時間は「0」となるまで提示され、第4実施形態に係る運転支援装置1cは、第3実施形態の場合と同じ動作をすることとなる。
従って、上記の如く、右折タイミングの最適化を図るために、第4実施形態に係る運転支援装置1cでは、終点を挟む自車両の反対側の地点を特定地点として設定しなければならない。
図16は、第4実施形態に係る運転支援装置1cの動作を示すフローチャートである。なお、第4実施形態に係る運転支援装置1cは、第2実施形態に係る運転支援装置1aが実行する動作の一部(図6及び図7の動作)と同じ動作を実行するため、同じ動作を実行する部分については、説明及び図示を省略するものとする。また、図16に示すステップST83〜ST85、及びステップST87,ST88は、図8に示したステップST68〜ST70、及びステップST71,ST72と同様であるため、説明を省略する。
まず、ステップST80において提示部21は、右折猶予時間が「0」となっているか否かを判断する(ST80)。ここで、右折猶予時間が「0」となっていると判断した場合(ST80:YES)、提示部21は、右折猶予時間の表示消去、又は消去表示の継続を行う(ST86)。その後、処理は終了して再度図6に示したステップST40から実行されることとなる。
一方、右折猶予時間が「0」となっていないと判断した場合(ST80:NO)、提示部21は、右折猶予時間を提示する(ST81)。その後、提示部21は、対向車位置が特定地点よりも遠いか否かを判断する(ST82)。
対向車位置が特定地点よりも遠くない場合(ST82:NO)、提示部21は、右折猶予時間の表示消去を行う(ST86)。その後、処理は終了して再度図6に示したステップST40から実行されることとなる。他方、対向車位置が特定地点よりも遠い場合(ST82:YES)、提示部21は、ステップST83以降の処理が行われていく。
このようにして、第4実施形態に係る運転支援装置1cによれば、第3実施形態と同様に、利便性及び運転支援性能の向上を図ることができ、右折可否判断を確実にすることできる。また、右折可能か否かを容易に判断することができ、適切な提示を行うことができる。また、右折猶予時間を正確に推定することができ、右折タイミングの最適化を図ることができる。
さらに、第4実施形態によれば、終点を挟む自車両の反対側に設定された地点を、対向車が通過するまで、右折猶予時間を運転者に提示している。このため、右折猶予時間は終点を通過する前に提示されなくなる。すなわち、対向車が該地点を通過するときには、右折猶予時間が「0」でないにも関わらず、右折猶予時間の提示を中止し、右折ができることを運転者に提示することとなる。
ところが、一般的に運転者は右折ができることを提示されても、右折可能であることを確認する。すなわち、右折可能であることが提示されても、運転者は即座に自車両を右折させるわけでなく、右折のために交差点を確認する傾向にある。従って、対向車が終点を通過するまえに右折猶予時間の提示を中止すれば、運転者に交差点確認の時間を与えることとなり、交差点確認を行って右折する際には、対向車が丁度交差点を通過するなど、右折タイミングの最適化を図ることができる。
次に、本発明の第5実施形態について説明する。第5実施形態に係る運転支援装置1dは、第4実施形態のものと同様であるが、構成及び処理内容の一部が第4実施形態のものと異なっている。
図17は、第5実施形態に係る運転支援装置1dの構成図である。同図に示すように、本実施形態の運転支援装置1dは、第4実施形態の構成に加えて新たに歩行者検出部(歩行者検出手段)22を備えている。
歩行者検出部22は、自車両が右折して横切ろうとする横断歩道を通行する歩行者(自車や三輪車などの乗り物に乗った人を含む。以下同じ。)を検出するものである。この歩行者検出部22は、歩行者が携帯している携帯端末による無線通信によって、自車両が右折して横切ろうとする横断歩道を通行している歩行者及び通行しようとしている歩行者を検出する。すなわち、歩行者検出部22は、無線通信によって歩行者の位置データをリアルタイムに取得することで、横断歩道を通行している歩行者及び通行しようとしている歩行者を検出する。また、歩行者検出部22は、右折猶予時間推定部20に接続され、検出した歩行者の情報を右折猶予時間推定部20に送信する構成となっている。なお、歩行者検出部22は、無線通信に限らず、自車両や交差点内に設置されたレーダによって、歩行者を検出する構成であってよい。
右折猶予時間推定部20は、歩行者検出部22から歩行者の情報を取得すると、対向車走行状態検出部18により検出された対向車の走行状態に加えて、歩行者の情報に基づいて、右折猶予時間を推定する。より具体的に、右折猶予時間推定部20は、歩行者検出部22により検出された歩行者が横断歩道を通行し終えるまでの時間と、対向車走行状態検出部18により検出された対向車の走行状態によって自車両が右折可能となるまでの時間とのうち、長い方を右折猶予時間として推定する。これにより、右折猶予時間推定部20は、右折猶予時間を一層正確に推定することとなる。
図18及び図19は、第5実施形態に係る運転支援装置1dの動作を示すフローチャートである。なお、第5実施形態に係る運転支援装置1dは、第2実施形態に係る運転支援装置1aが実行する動作の一部(図6の動作)と同じ動作を実行するため、同じ動作を実行する部分については、説明及び図示を省略するものとする。また、図18に示すステップST90〜ST100は、図7に示すステップST53〜ST64と同様であるため、説明を省略する。また、図19に示すステップST107〜ST115についても、図16に示すステップST80〜ST88と同様であるため、説明を省略する。
まず、図18に示すように、右折猶予時間推定部20は、右折猶予時間の推定対象を決定した後(ステップST97の後、又はステップST100の後)、推定対象となった対向車が終点を通過するまでの時間T2を推定する(ST101)。
次いで、歩行者検出部22は、横断歩道を通行している歩行者及び通行しようとしている歩行者を検出できたか否かを判断する(図19:ST102)。ここで、歩行者を検出できないと判断した場合(ST102:NO)、処理はステップST105に移行する。他方、歩行者を検出できたと判断した場合(ST102:YES)、右折猶予時間推定部20は歩行者が横断歩道を通過するまでの時間T3を推定する(ST103)。
その後、右折猶予時間推定部20は、歩行者検出部22により検出された歩行者が横断歩道を通行し終えるまでの時間T3が、対向車走行状態検出部18により検出された対向車の走行状態によって自車両が右折可能となるまでの時間T2よりも、長いか否かを判断する(ST104)。
そして、時間T3が時間T2よりも長くないと判断した場合(ST104:NO)、右折猶予時間推定部20は、右折猶予時間を時間T2と推定する(ST105)。そして、処理はステップST107に移行する。他方、時間T3が時間T2よりも長いと判断した場合(ST104:YES)、右折猶予時間推定部20は、歩行者検出部22により検出された歩行者が横断歩道を通行し終えるまでの時間T3を右折猶予時間として推定する(ST106)。そして、処理はステップST107に移行する。
その後、ステップST107以降の処理が実行されていくこととなる。
このようにして、第5実施形態に係る運転支援装置1dによれば、第4実施形態と同様に、利便性及び運転支援性能の向上を図ることができ、右折可否判断を確実にすることできる。また、右折可能か否かを容易に判断することができ、適切な提示を行うことができる。また、右折猶予時間を正確に推定することができ、右折タイミングの最適化を図ることができる。
さらに、第5実施形態によれば、自車両が右折して横切ろうとする横断歩道を通行する歩行者を検出し、対向車の走行状態に加えて、検出された歩行者の情報に基づいて、右折猶予時間を推定する。具体的には、歩行者検出部22により検出された歩行者が横断歩道を通行し終えるまでの時間T3と、対向車走行状態検出部18により検出された対向車の走行状態によって自車両が右折可能となるまでの時間T2とのうち、長い方を右折猶予時間として推定する。
このため、対向車のみならず、歩行者が横断歩道を渡りきって自車両が右折可能となる時間についても考慮のうえ、右折猶予時間が推定されることとなる。従って、右折猶予時間を一層正確に推定することができる。
次に、本発明の第6実施形態について説明する。第6実施形態に係る運転支援装置1dは、第5実施形態のものと同様であるが、処理内容の一部が第5実施形態のものと異なっている。
以下、第6実施形態に係る運転支援装置1eについて説明する。まず、第5実施形態に係る運転支援装置1dにおいて提示部21は、右折猶予時間推定部20により推定された右折猶予時間をそのまま提示していた。ところが、第6実施形態に係る運転支援装置1eでは、提示する右折猶予時間に上限と下限を設けている。そして、提示部21は、右折猶予時間が上限値以上である場合に上限値を提示し、右折猶予時間が下限値以下である場合に下限値を提示することとしている。
図20は、第6実施形態に係る運転支援装置1eの概略説明図である。図20(a)に示すように、提示部21がクラスターC部分に設けられているとする。そして、右折猶予時間推定部20が例えば右折猶予時間を「30秒」と推定したとする。ここで、右折猶予時間の上限値が「20秒」に設定されているとすると、提示部21は、例えば図20(b)に示すように、「右折猶予時間あと20秒以上(対向車接近中)」と提示することとなる。
このように、第6実施形態では、上限値以上の時間は提示されなくなる。これにより、運転者は上限値以上の時間を要する複雑な行動を行い難くなる。従って、上限値以上の時間を要し運転に支障をきたす複雑な行動(例えば、携帯電話のメール操作など)を抑制することができる。
その後、対向車が交差点に接近し、右折猶予時間推定部20が例えば右折猶予時間を「10秒」と推定したとする。このとき、提示部21は、図20(c)に示すように、「右折猶予時間あと10秒(対向車接近中)」と提示することとなる。
そして、さらに対向車が交差点に接近し、右折猶予時間推定部20が例えば右折猶予時間を「1秒」と推定したとする。ここで、右折猶予時間の下限値が「3秒」に設定されているとすると、提示部21は、例えば図20(d)に示すように、「右折猶予時間あと3秒以下(対向車接近中)」と提示することとなる。
ここで、運転者は下限値が提示されると、しばらくすると右折可能となることを知る。このため、運転者は現在行っている他の行動等を中止する傾向にある。すなわち、下限値を提示することで、右折行動の準備を促すことができる。
その後、右折猶予時間推定部20が右折猶予時間を「0」と推定したとすると、提示部21は、例えば図20(e)に示すように、「安全確認を行って下さい。」と提示したり、表示を消去したりする。
図21及び図22は、第6実施形態に係る運転支援装置1eの動作を示すフローチャートである。なお、第6実施形態に係る運転支援装置1eは、第5実施形態に係る運転支援装置1dが実行する動作の一部(図6及び図18の動作)と同じ動作を実行するため、同じ動作を実行する部分については、説明及び図示を省略するものとする。また、図21に示すステップST120〜ST124は、図19に示すST102〜ST106と同様であるため、説明を省略する。また、図21及び図22に示すステップST141〜ST147は、図19に示すステップST107〜ST115と同様であるため、説明を省略する。
まず、図21に示すように、右折猶予時間推定部20は、対向車の走行状態によって自車両が右折可能となるまでの時間T2を、右折猶予時間として推定した後(ST123の後)、右折猶予時間の上限値T4を読み込む(ST125)。次いで、右折猶予時間推定部20は、右折猶予時間の下限値T5を読み込む(ST126)。
そして、右折猶予時間推定部20は、時間T2が上限値T4以上か否かを判断する(ST127)。ここで、時間T2が上限値T4以上であると判断した場合(ST127:YES)、右折猶予時間推定部20は、右折猶予時間を上限値T4とする(ST128)。その後、提示部21は、上限値T4を提示する(ST129)。このように、提示部21は、ステップST123により推定された右折猶予時間に代えて、上限値T4を提示することとなる。その後、処理は図22のステップST141に移行して、ステップST141以降の処理が実行されていくこととなる。
ところで、図21に示すように、時間T2が上限値T4以上でないと判断した場合(ST127:NO)、右折猶予時間推定部20は、時間T2が下限値T5以下か否かを判断する(ST130)。ここで、時間T2が下限値T5以下であると判断した場合(ST130:YES)、右折猶予時間推定部20は、右折猶予時間を下限値T5とする(ST131)。その後、提示部21は、下限値T5を提示する(ST129)。このように、提示部21は、ステップST123により推定された右折猶予時間に代えて、下限値T5を提示することとなる。その後、処理は図22のステップST141に移行して、ステップST141以降の処理が実行されていくこととなる。
他方、図21に示すように、時間T2が下限値T5以下でないと判断した場合(ST130:NO)、提示部21は、ステップST123で推定された右折猶予時間が「0」となっているか否かを判断する(ST132)。ここで、右折猶予時間T2が「0」となっていると判断した場合(ST132:YES)、処理は図22のステップST145に移行して、その後処理が終了することとなる。
一方、右折猶予時間が「0」となっていないと判断した場合(ST132:NO)、提示部21は、通常の通り、ステップST123にて推定さえた右折猶予時間を提示する(ST129)。その後、図22のステップST141以降の処理が実行されていくこととなる。
また、図21に示すように、右折猶予時間推定部20が時間T3を右折猶予時間として推定した後(ST124の後)、右折猶予時間の上限値T4を読み込む(ST133)。次いで、右折猶予時間推定部20は、右折猶予時間の下限値T5を読み込む(ST134)。そして、ステップST135〜ST140の処理を実行する。なお、ステップST135〜ST140の処理は、上述のステップST127〜ST132の処理を同様であるため、説明を省略する。
このようにして、第6実施形態に係る運転支援装置1eによれば、第5実施形態と同様に、利便性及び運転支援性能の向上を図ることができ、右折可否判断を確実にすることできる。また、右折可能か否かを容易に判断することができ、適切な提示を行うことができる。また、右折猶予時間を正確に推定することができ、右折タイミングの最適化を図ることができる。また、右折猶予時間を一層正確に推定することができる。
さらに、第6実施形態によれば、推定された右折猶予時間が所定の上限値以上である場合、推定された右折猶予時間に代えて上限値を提示することとしている。このため、上限値以上の時間は提示されなくなる。これにより、運転者は上限値以上の時間を要する複雑な行動を行い難くなる。従って、上限値以上の時間を要し運転に支障をきたす複雑な行動(例えば、携帯電話のメール操作など)を抑制することができる。
また、推定された右折猶予時間が所定の下限値以下である場合、右折猶予時間として下限値を提示することとしている。ここで、運転者は下限値が提示されると、しばらくすると右折可能となることを知る。このため、運転者は現在行っている他の行動等を中止する傾向にある。このように、下限値を提示することで、右折行動の準備を促すことができる。
次に、本発明の第7実施形態について説明する。第7実施形態に係る運転支援装置1fは、第1実施形態のものと同様であるが、構成及び処理内容の一部が第1実施形態のものと異なっている。
図23は、第7実施形態に係る運転支援装置1fの構成図である。同図に示すように、本実施形態の運転支援装置1fは、第1実施形態の構成に加えて新たに、操作検出部(操作検出手段)23、対向車行動意思推定部(対向車行動意思推定手段)24、及び対向車状態判断部(対向車状態判断手段)25を備えている。
操作検出部23は、対向車の運転者が周囲の車両に対して今後の車両の挙動を報せるために行う操作を検出するものである。具体的に操作検出部23は、上記操作を、車車間無線通信により検出したり、交差点に設置されたレーダから検出したりする。また、操作検出部23は、上記操作として、対向車の運転者によるウインカー、パッシング又はクラクション操作を検出する構成となっている。すなわち、操作検出部23は、今後車両が右左折を行うことを知らせるウインカー操作や、自車両に進路を譲ることを知らせるパッシング操作などを検出することとなる。
対向車行動意思推定部24は、操作検出手段により検出された操作によって対向車の運転者による運転意思を推定するものである。すなわち、対向車行動意思推定部24は、操作検出部23により検出されたウインカー、パッシング又はクラクション操作に基づいて、対向車の運転者に右左折意思、停止意思、又は自車両に進路を譲る意思があることを推定する。
対向車状態判断部25は、対向車行動意思推定部24より推定された運転意志と、対向車走行状態検出部18より検出された対向車の走行状態とを比較して両者が一致するか否かを判断するものである。例えば、対向車状態判断部25は、対向車行動意思推定部24により対向車の運転者に右左折意思、停止意思、又は自車両に進路を譲る意思があることを推定したにも関わらず、対向車走行状態検出部18により対向車が自車両側に接近し続けることを検出した場合に、両者が一致しないと判断する。
すなわち、対向車の運転者に右左折の意思がある場合、運転者は右左折にあたり、車両を停止させたり停止に近い徐行状態としたりする。また、自車両に進路を譲る意思がある場合、運転者は、自車両に進路譲るために車両を停止させたり徐行状態としたりする。さらに、対向車の運転者に停止意思がある場合、運転者は車両を停止させる。このように、右左折意思、停止意思、又は自車両に進路を譲る意思がある場合、対向車の運転者は車両を停止させるか又は徐行状態とするといえる。従って、対向車状態判断部25は、ウインカー、パッシング又はクラクション操作のいずれかが検出された場合に、車両が停止又は徐行状態とならないときには、両者が一致しないと判断できるといえる。
また、本実施形態において提示部21は、対向車状態判断部25により両者が一致しないと判断された場合に、右折猶予時間を提示するのみならず、上記の両者が一致しない旨の情報を提示することとなる。
図24は、第7実施形態に係る運転支援装置1fの動作を示すフローチャートである。まず、第7実施形態に係る運転支援装置1fは、第1実施形態に係る運転支援装置1と同じ動作を実行する。さらに、第7実施形態に係る運転支援装置1fは、図4のステップST28において対向車の存在が検出された場合、図24に示す処理を実行する。
すなわち、対向車の存在が検出された後、操作検出部23は、対向車の運転者が周囲の車両に対して今後の車両の挙動を報せるために行う操作を検出する(ST150)。そして、対向車行動意思推定部24は、ウインカー、パッシング又はクラクション操作が検出されたか否かを判断する(ST151)。
ここで、ウインカー、パッシング又はクラクション操作のいずれもが検出されない場合(ST151:NO)、図24に示す処理は終了する。他方、ウインカー、パッシング又はクラクション操作のいずれかが検出された場合(ST151:YES)、対向車行動意思推定部24は、検出された操作に基づいて、対向車の運転者に右左折意思、停止意思、又は自車両に進路を譲る意思があることを推定する(ST152)。
その後、対向車状態判断部25は、対向車走行状態検出部18より検出された対向車の走行状態の情報を入力し、対向車の停止予測を行う(ST153)。次いで、対向車状態判断部25は、対向車が停止しようとしている、すなわち対向車が停止又は徐行状態となるか否かを判断する(ST154)。具体的には、対向車状態判断部25は、対向車から対向車側の信号停止線までの距離を算出し、その距離に対して、対向車の現時点における減速度から、対向車が停止又は徐行状態となるか否かを判断する。
そして、対向車が停止又は徐行状態となると判断した場合(ST154:YES)、対向車状態判断部25は、推定された運転意志と対向車の走行状態とが一致すると判断する。そして、図24に示す処理は終了する。
他方、対向車が停止又は徐行状態とならないと判断した場合(ST154:NO)、対向車状態判断部25は、推定された運転意志と対向車の走行状態とが一致しないと判断する(ST155)。具体的には図25に示すような場合に、対向車状態判断部25は推定された運転意志と対向車の走行状態とが一致しないと判断する。
図25は、第7実施形態に係る運転支援装置1fの動作の説明図である。例えば図25(a)に示すように対向車の運転者が左ウインカーを操作した場合、対向車は左折すると推定されるが、対向車の走行状態からすると交差点を直進すると予測されるとき、対向車状態判断部25は両者が一致しないと判断する。
また、図25(b)に示すように対向車の運転者が右ウインカーを操作した場合、対向車は右折すると推定されるが、対向車の走行状態からすると交差点を直進すると予測されるとき、対向車状態判断部25は両者が一致しないと判断する。
さらに、図25(c)に示すように対向車の運転者がパッシング操作した場合、対向車は自車両に進路を譲るものと推定されるが、対向車の走行状態からすると交差点を直進すると予測されるとき、対向車状態判断部25は両者が一致しないと判断する。
再度、図24を参照する。上記のように、推定された対向車の運転者の運転意志と対向車の走行状態とが一致しないと判断された場合、提示部21は、一致しない旨の情報を提示する(ST156)。
図26は、提示部21が一致しない旨の情報を提示する様子を示す説明図である。まず、図26(a)に示すように、提示部21は、クラスターC部分に設けられ、情報を表示することにより運転者に一致しない旨を提示するものとする。
この場合、提示部21は、例えば図26(b)〜(d)に示すように「対向車が接近」、「右折出来ません」又は「対向車走行状態アンマッチ」と表示することにより、推定された対向車の運転者の運転意志と対向車の走行状態とが一致しない旨を表示する。
再度、図24を参照する。提示部21は、一致しない旨の情報を提示した後(ST156の後)、対向車が交差点を通過したか否かを判断する(ST157)。対向車が交差点を通過していないと判断した場合(ST157:NO)、通過したと判断されるまでこの処理が繰り返される。
一方、対向車が交差点を通過したと判断した場合(ST157:YES)、提示部21は一致しない旨の提示を消去する(ST158)。その後、図24に示す処理は終了する。
このようにして、第7実施形態に係る運転支援装置1fによれば、第1実施形態と同様に、利便性及び運転支援性能の向上を図ることができ、右折可否判断を確実にすることできる。また、右折可能か否かを容易に判断することができ、適切な提示を行うことができる。
さらに、第7実施形態によれば、対向車の運転者が周囲の車両に対して今後の車両の挙動を報せるために行う操作を検出している。すなわち、今後車両が右左折を行うことを知らせるウインカー操作や、自車両に進路を譲ることを知らせるパッシング操作などを検出することができる。
そして、検出された操作によって対向車の運転者による運転意思を推定している。このため、ウインカー操作の検出により対向車の運転者に右左折の意思があるなどを推定できることとなる。
次いで、推定された運転意志と、対向車の走行状態とを比較して両者が一致するか否かを判断している。このため、対向車がウインカーを出しているにもかかわらず、対向車の速度が速く減速しようとしていないとき、すなわち交差点を直進しようとしているときには、推定された運転意志と、対向車の走行状態とが一致しないと判断することとなる。
そして、両者が一致しないと判断された場合に、一致しない旨の情報を提示している。このため、対向車がウインカーを出している場合、運転者は右折を開始してしまうことがあるが、不一致の提示により運転者の右折開始を防止することにつながる。従って、運転支援性能の更なる向上を図ることができる。
次に、本発明の第8実施形態について説明する。第8実施形態に係る運転支援装置1gは、第7実施形態のものと同様であるが、構成及び処理内容の一部が第7実施形態のものと異なっている。
図27は、第8実施形態に係る運転支援装置1gの構成図である。同図に示すように、本実施形態の運転支援装置1gは、第7実施形態の構成に加えて新たに、信号状態判断部(信号状態判断手段)26を備えている。
信号状態判断部26は、信号状態検出部19により検出された信号の状態と、対向車走行状態検出部18により検出された対向車の走行状態とを比較して両者が一致するか否かを判断するものである。具体的に信号状態判断部26は、信号状態検出部19により検出された信号の状態から、対向車の挙動を推定し、推定した挙動と、対向車走行状態検出部18により検出された対向車の走行状態とが一致するか否かを判断する
例えば、信号状態判断部26は、信号が「青」から「右折」表示に変化した場合、対向車の今後の挙動が停止又は右折となることを推定する。対向車の走行状態から対向車が交差点を直進しようとしている場合、信号状態判断部26は、両者が一致しないと判断することとなる。そして、両者が一致しない場合、提示部21はその旨の情報を提示する。
図28は、第8実施形態に係る運転支援装置1gの動作を示すフローチャートである。まず、第8実施形態に係る運転支援装置1gは、第1実施形態に係る運転支援装置1と同じ動作を実行する。さらに、第8実施形態に係る運転支援装置1gは、図4のステップST28において対向車の存在が検出された場合、図28に示す処理を実行する。
すなわち、対向車の存在が検出された後、信号状態判断部26は、対向車側の信号が「赤」、「右折」又は「左折」であるか否かを判断する(ST160)。ここで、対向車側の信号が「赤」、「右折」又は「左折」のいずれかであると判断した場合(ST160:YES)、信号状態判断部26は、対向車が停止又は徐行すべきと推定する(ST161)。そして、処理はステップST165に移行する。
また、対向車側の信号が「赤」、「右折」又は「左折」のいずれでもないと判断した場合(ST160:NO)、操作検出部23は、対向車の運転者が周囲の車両に対して今後の車両の挙動を報せるために行う操作を検出する(ST162)。そして、図24に示したステップST151,ST152と同様の処理が行われ(ST163,ST164)、処理はステップST165に移行する。
ステップST165において、対向車状態判断部25又は信号状態判断部26は、対向車走行状態検出部18より検出された対向車の走行状態の情報を入力し、対向車の停止予測を行う(ST165)。次いで、対向車状態判断部25又は信号状態判断部26は、対向車が停止しようとしている、すなわち対向車が停止又は徐行状態となるか否かを判断する(ST166)。そして、対向車が停止又は徐行状態となると判断した場合(ST166:YES)、対向車状態判断部25又は信号状態判断部26は、推定された運転意志と対向車の走行状態とが一致すると判断する。そして、図28に示す処理は終了する。
他方、対向車が停止又は徐行状態とならないと判断した場合(ST166:NO)、対向車状態判断部25又は信号状態判断部26は、推定内容と対向車の走行状態とが一致しないと判断する(ST167)。具体的には図29に示すような場合に、信号状態判断部26は推定内容と対向車の走行状態とが一致しないと判断する。
図29は、第8実施形態に係る運転支援装置1gの動作の説明図である。例えば図29(a)に示すように対向車の信号が「赤」である場合、対向車が停止すると推定されるが、対向車の走行状態からすると交差点を直進すると予測されるとき、信号状態判断部26は両者が一致しないと判断する。
また、図29(b)に示すように対向車の信号が「右折」である場合、対向車は右折すると推定されるが、対向車の走行状態からすると交差点を直進すると予測されるとき、信号状態判断部26は両者が一致しないと判断する。
再度、図29を参照する。上記のように、推定内容と対向車の走行状態とが一致しないと判断された場合、提示部21は、一致しない旨の情報を提示する(ST168)。そして、図24に示したステップST157,ST158と同様の処理が行われ(ST169,ST170)、図28に示す処理は終了する。
このようにして、第8実施形態に係る運転支援装置1gによれば、第7実施形態と同様に、利便性及び運転支援性能の向上を図ることができ、右折可否判断を確実にすることできる。また、右折可能か否かを容易に判断することができ、適切な提示を行うことができる。また、運転支援性能の更なる向上を図ることができる。
さらに、第8実施形態によれば、交差点の信号の状態を検出している。このため、例えば対向車側の信号が「右折」を示していることなどを検出することができる。そして、検出した信号状態と、対向車の走行状態とを比較して両者が一致するか否かを判断している。このため、例えば対向車側の信号が「右折」を示しているにもかかわらず、対向車が交差点を直進しようとしているときには、両者が一致しないと判断することとなる。
次いで、両者が一致しないと判断された場合に、一致しない旨の情報を提示している。このため、例えば対向車側の信号が「右折」を示す場合、運転者は右折を開始してしまうが、不一致の提示により運転者の右折開始を防止することができる。従って、運転支援性能の更なる向上を図ることができる。
次に、本発明の第9実施形態について説明する。第9実施形態に係る運転支援装置1hは、第8実施形態のものと同様であるが、処理内容の一部が第8実施形態のものと異なっている。
以下、第9実施形態に係る運転支援装置1hについて説明する。まず、第8実施形態に係る運転支援装置1gは、操作検出部23により操作が検出された対向車について、運転者の運転意思を推定し、この推定した運転意思と、その対向車の走行状態とを比較していた。ところが、第9実施形態に係る運転支援装置1hは、対向車が複数存在する場合において、対向車の運転者の運転意思を推定する一方、他の対向車の運転者についても運転意思を推定し、これら運転意思を比較して、一致するか否かを判断するようにしている。
図30は、第9実施形態に係る運転支援装置1hの概略説明図である。図30(a)に示すように、第1の対向車Aの運転者がパッシング操作をしたとする。このとき、対向車行動意思推定部24は、パッシング操作をした第1の対向車Aの運転者に、進路を譲る意思があると推定する。一方、第2の対向車Bの運転者はウインカー、パッシング又はクラクション操作のいずれもせず、交差点を直進しようとしているとする。このとき、対向車行動意思推定部24は、第2の対向車Bの運転者に右左折意思、停止意思、又は進路を譲る意思のいずれもがないことを推定する。そして、対向車状態判断部25は、第1及び第2の対向車A,Bの運転者同士で運転意思が一致しないと判断する。これにより、提示部21は、一致しない旨の情報を提示することとなる。
このように、第1の対向車Aの運転者は進路を譲ろうとしている。このため、第2の対向車Bの運転者は交差点を直進しようとしているにも関わらず、自車両の運転者は第1の対向車Aからのパッシングにより右折行動を開始してしまう可能性がある。このため、提示部21は、自車両の運転者が第1の対向車Aからのパッシングにより右折行動を開始してしまうことがないように、一致しない旨を提示している。
また、図30(b)に示すように、第1の対向車Aの運転者がパッシング操作をしたとする。このとき、対向車行動意思推定部24は、パッシング操作をした第1の対向車Aの運転者に、進路を譲る意思があると推定する。さらに、第2の対向車Bの運転者についてもパッシング操作したとする。このとき、対向車行動意思推定部24は、同様に進路を譲る意思があると推定する。従って、対向車状態判断部25は、第1及び第2の対向車A,Bの運転者同士で運転意思が一致すると判断し、提示部21は一致しない旨の情報を提示しないこととなる。
また、図30(c)に示すように、第1及び第2の対向車A,Bの運転者が共にパッシング操作をしたとする。このとき、対向車行動意思推定部24は、パッシング操作をした第1及び第2の対向車A,Bの運転者双方に、進路を譲る意思があると推定する。ところが、第2の対向車Bの運転者は交差点を直進しようとしているとする。このとき、対向車状態判断部25は、第1及び第2の対向車A,Bの運転者同士で運転意思が一致する判断する。よって、提示部21は、第1及び第2の対向車A,Bの運転者双方の意思が一致しない旨の情報を提示することはない。しかし、第2の対向車Bについていえば、推定された運転意思と走行状態とが一致しておらず、第7及び第8実施形態に示したのと同様に、提示部21は、推定された運転意思と走行状態とが一致しない旨を提示することとなる。
以上のように、対向車状態判断部25は、対向車走行状態検出部18により第1及び第2の対向車A,Bの存在が検出された場合に、対向車行動意思推定部24により推定された運転意志が第1及び第2の対向車A,Bの運転者同士で一致するか否かを判断する。そして、提示部21は、第1及び第2の対向車A,Bの運転者同士で運転意思が一致しない場合に、その旨の情報を提示することとなる。
なお、対向車状態判断部25は、双方の対向車の運転者が同一の操作した場合(すなわち、双方の対向車の運転者が共にパッシング操作をした場合など)に、運転者同士で運転意思が一致すると判断するが、これに限られず、以下の場合にも運転者同士で運転意思が一致すると判断する。例えば、一方の対向車の運転者によりパッシング操作がされ、他方の対向車の運転者によりウインカー操作がされた場合や、一方の対向車の運転者によりパッシング操作がされ、他方の対向車の運転者によりクラクション操作がされた場合や、一方の対向車の運転者によりウインカー操作がされ、他方の対向車の運転者によりクラクション操作された場合にも、運転者同士で運転意思が一致すると判断する。
図31及び図32は、第9実施形態に係る運転支援装置1hの動作を示すフローチャートである。まず、第9実施形態に係る運転支援装置1hは、第1実施形態に係る運転支援装置1と同じ動作を実行する。さらに、第9実施形態に係る運転支援装置1hは、図4のステップST28において対向車の存在が検出された場合、図31及び図32に示す処理を実行する。
すなわち、対向車の存在が検出された後、信号状態判断部26は、対向車側の信号が「赤」、「右折」又は「左折」であるか否かを判断する(ST180)。ここで、対向車側の信号が「赤」、「右折」又は「左折」のいずれかであると判断した場合(ST180:YES)、信号状態判断部26は、対向車が停止又は徐行すべきと推定する(ST181)。そして、処理はステップST191に移行する。
一方、対向車側の信号が「赤」、「右折」又は「左折」のいずれでもないと判断した場合(ST180:NO)、操作検出部23は、対向車の運転者が周囲の車両に対して今後の車両の挙動を報せるために行う操作を検出する(ST182)。そして、図24に示したステップST151,ST152と同様の処理が行われ(ST183,ST184)、対向車状態判断部25は、他の対向車がいるか否かを判断する(ST185)。
他の対向車がいないと判断した場合(ST185:NO)、処理はステップST191に移行する。一方、他の対向車がいると判断した場合(ST185:YES)、操作検出部23は、他の対向車についてウインカー操作等を検出する(ST186)。
その後、対向車行動意思推定部24は、他の対向車について、ウインカー、パッシング又はクラクション操作が検出されたか否かを判断する(ST187)。ここで、ウインカー、パッシング又はクラクション操作のいずれもが検出されない場合(ST187:NO)、対向車状態判断部25は、対向車と他の対向車との運転者の意思が一致しないと判断する(図32:ST193)。そして、処理はステップST195に移行する。
他方、図31に示すように、他の対向車について、ウインカー、パッシング又はクラクション操作のいずれかが検出された場合(ST187:YES)、対向車行動意思推定部24は、他の対向車の運転者に右左折意思、停止意思、又は自車両に進路を譲る意思があることを推定する(ST188)。
その後、対向車状態判断部25は、対向車走行状態検出部18より検出された対向車の走行状態の情報を入力し、他の対向車について停止予測を行う(ST189)。次いで、対向車状態判断部25は、他の対向車が停止しようとしている、すなわち他の対向車が停止又は徐行状態となるか否かを判断する(ST190)。そして、他の対向車が停止又は徐行状態となると判断した場合(ST190:YES)、処理はステップST192に移行する。
他方、他の対向車が停止又は徐行状態とならないと判断した場合(ST190:NO)、対向車状態判断部25は、推定内容と他の対向車の走行状態とが一致しないと判断する(図32:ST194)。そして、処理はステップST195に移行する。
ところで、図31のステップST191において、対向車状態判断部25又は信号状態判断部26は、対向車の停止予測を行う(ST191)。次いで、対向車状態判断部25又は信号状態判断部26は、対向車が停止しようとしている、すなわち対向車が停止又は徐行状態となるか否かを判断する(ST192)。そして、対向車が停止又は徐行状態となると判断した場合(ST192:YES)、図28に示す処理は終了する。
他方、対向車が停止又は徐行状態とならないと判断した場合(ST192:NO)、対向車状態判断部25は、推定内容と対向車の走行状態とが一致しないと判断する(ST194)。そして、処理はステップST195に移行する。
ステップST195において、提示部21は、自車両が右折を開始したか否かを判断する(ST195)。そして、自車両が右折を開始したと判断した場合(ST195:YES)、提示部21は、一致しない旨の情報を提示する(ST196)。その後、処理はステップST197に移行する。一方、自車両が右折を開始していないと判断した場合(ST195:NO)、一致しない旨の情報は提示されることなく、処理はステップST197に移行する。
次いで、提示部21は、対向車が交差点を通過したか否かを判断する(ST197)。対向車が交差点を通過していないと判断した場合(ST197:NO)、通過したと判断されるまでこの処理が繰り返される。一方、対向車が交差点を通過したと判断した場合(ST197:YES)、提示部21は一致しない旨の提示を消去する(ST198)。その後、図31及び図32に示す処理は終了する。
このようにして、第9実施形態に係る運転支援装置1hによれば、第8実施形態と同様に、利便性及び運転支援性能の向上を図ることができ、右折可否判断を確実にすることできる。また、右折可能か否かを容易に判断することができ、適切な提示を行うことができる。また、運転支援性能の更なる向上を図ることができる。
さらに、第9実施形態によれば、対向車走行状態検出部18により第1及び第2の対向車A,Bの存在が検出された場合に、対向車行動意思推定部24により推定された運転意志が第1及び第2の対向車A,Bの運転者同士で一致するか否かを判断する。そして、提示部21は、第1及び第2の対向車A,Bの運転者同士で運転意思が一致しない場合に、その旨の情報を提示している。このため、一方の対向車の運転者は右左折、停止、又は進路を譲ろうとしているが、他方の対向車の運転者が交差点を直進しようとしている場合には、一致しない旨を提示することになる。これにより、例えば自車両の運転者にとって、他方の対向車の直進に気づくことなく右折行動を開始してしまう可能性が減じられることとなる。従って、運転支援性能の更なる向上を図ることができる。
また、自車両が右折行動を開始していると判断された場合においてのみ、一致しない旨の情報を提示することとしている。このため、運転者が右折行動を開始している時、すなわち運転者にとって情報提示が必要な時のみに一致しない旨の情報が提示されることとなる。従って、情報提示による煩わしさを減じることができる。
次に、本発明の第10実施形態について説明する。第10実施形態に係る運転支援装置1iは、第1実施形態のものと同様であるが、処理内容の一部が第1実施形態のものと異なっている。
以下、第10実施形態に係る運転支援装置1iについて説明する。まず、第1実施形態に係る運転支援装置1は、右折猶予時間のみを提示することしていた。これに対し、第10実施形態に係る運転支援装置1iは、右折猶予時間のみならず、誘導情報を提示することとしている。誘導情報とは、右折行動するにあたり運転者が確認すべき場所に視線が向くように誘導するための情報である。
図33は、誘導情報の一例を示す説明図である。まず、図33(a)に示すように、提示部21は、クラスターC部分に設けられ、この設置位置から画像表示にて運転者に情報提示するものとする。
図33(b)に示すように、提示部21は、確認すべき場所として歩行者、対向車及び信号機に、運転者の視線が向くように、例えば「歩行者チェック」、「対向車チェック」及び「信号機チェック」と表示する(表示例1)。また、提示部21は、例えば歩行者や対向車や信号機を表した画像を表示したり(表示例2)、例えば歩行者や対向車や信号機に視線が向くように視線方向を表した画像を表示したりしてもよい(表示例3)。
また、図33(a)に示すように、提示部21がヘッドアップディスプレイである場合、確認すべき場所に視線が向くように、矢印マークを表示するようにしてもよい。
このように、本装置1iは、右折できるか否かの情報の提示のみならず、右折可能か否かを判断するために運転者自身が確認すべき場所を運転者に知らせて、その場所を視認させる構成となっている。従って、本装置1iは、交差点を右折するための確認動作を運転者に学習させることができる。
図34は、第10実施形態に係る運転支援装置1iの動作を示すフローチャートである。まず、第10実施形態に係る運転支援装置1iは、第1実施形態に係る運転支援装置1と同じ動作を実行する。さらに、第10実施形態に係る運転支援装置1iは、例えば図4のステップST30において右折猶予時間が推定された場合に、図34に示す処理を実行する。
まず、右折猶予時間推定部20は、直近の対向車が自車位置に到達するまでの時間(以下、直近対向車通過時間という)を推定する(ST200)。この直近対向車通過時間は、右折猶予時間と同様に対向車の位置、及び速度から推定される。
そして、提示部21は、右折猶予時間推定部20により推定された直近対向車通過時間に応じて誘導情報を提示する(ST201)。そして、図34に示す処理は終了する。
以上のように、本実施形態では誘導情報を提示することとしている。次に、誘導情報の提示の様子を、図35を参照してさらに説明する。図35は、第10実施形態に係る運転支援装置1iの概略説明図である。
同図(a)に示すように、直近の対向車が交差点に極めて接近しているとする。この場合、自車両は、対向車の存在によって右折行動をとることができない。故に、右折猶予時間推定部20は右折可能となるまでの時間である右折猶予時間を推定する。また、右折猶予時間を推定する一方で、右折猶予時間推定部20は直近対向車通過時間を推定する。
そして、提示部21は、直近対向車通過時間が経過するまでに、運転者が確認すべき場所に視線が向くように誘導情報を提示する。すなわち、提示部21は、歩行者、対向車及び信号機に視線が向くように提示する。このとき、提示部21は、例えば信号機、対向車、及び歩行者の順に視線が向くように、順次「信号機チェック」、「対向車チェック」及び「歩行者チェック」と表示する。また、表示順はこれに限らず、他の順であってもよい。次いで、図35(b)に示すタイミングで、自車両が右折することとなる。
このようにして、第10実施形態に係る運転支援装置1iによれば、第1実施形態と同様に、利便性及び運転支援性能の向上を図ることができ、右折可否判断を確実にすることできる。また、右折可能か否かを容易に判断することができ、適切な提示を行うことができる。
さらに、第10実施形態によれば、右折行動するにあたり運転者が確認すべき場所に視線が向くように誘導する誘導情報を、直近対向車通過時間に応じて提示することとしている。このため、右折できるか否かの情報を運転者に知らせるのみならず、右折可能か否かを判断するために運転者自身が確認すべき場所を運転者に知らせて、その場所を視認させることとなる。従って、運転者に交差点を右折するための確認動作を学習させることができる。
次に、本発明の第11実施形態について説明する。第11実施形態に係る運転支援装置1jは、第10実施形態のものと同様であるが、構成及び処理内容の一部が第10実施形態のものと異なっている。
以下、第11実施形態に係る運転支援装置1jについて説明する。まず、第10実施形態に係る運転支援装置1iは、直近の対向車が交差点を通過するのにあわせて誘導情報を必ず提示することとしていた。ところが、第11実施形態に係る運転支援装置1jは、所定の条件を満たすときのみに誘導情報を提示することとし、直近の対向車が交差点を通過するからといって、必ず誘導情報を提示するとは限らない構成となっている。
図36は、第11実施形態に係る運転支援装置1jの構成図である。同図に示すように、第11実施形態に係る運転支援装置1jは、第1実施形態の構成に加えて新たに、右折行動可能性予測部(右折行動可能性予測手段)27を備えている。
右折行動可能性予測部27は、直近対向車通過時間が経過してから次の対向車が交差点に接近するまでの間に、自車両が交差点を右折することができるか否かを推定するものである。また、右折行動可能性予測部27は、提示部21に接続されており、右折できるか否かの情報を送信するようになっている。さらに、本実施形態において提示部21は、右折行動可能性予測部27によって、自車両が交差点を右折できると推定された場合のみに、誘導情報を提示する構成となっている。
図37は、第11実施形態に係る運転支援装置1jの動作を示すフローチャートであり、図38は、第11実施形態に係る運転支援装置1jの概略説明図である。
まず、第11実施形態に係る運転支援装置1jは、第1実施形態に係る運転支援装置1と同じ動作を実行する。さらに、第11実施形態に係る運転支援装置1jは、例えば図4のステップST30において右折猶予時間が推定された後に、図37に示す処理を実行する。
右折猶予時間推定部20は、直近対向車通過時間を推定する(ST210)。そして、対向車走行状態検出部18は、直近対向車の次の対向車を検出する(ST211)。その後、右折行動可能性予測部27は、次の対向車がいるか否かを判断する(ST212)。
次の対向車がいないと判断した場合(ST212:NO)、右折行動可能性予測部27は、直近対向車通過時間が経過してから次の対向車が交差点に接近するまでの間に、自車両が交差点を右折できると判断する。そして、提示部21は、右折猶予時間推定部20により推定された直近対向車通過時間に応じて誘導情報を提示する(ST215)。その後、図37に示す処理は終了する。
このように、右折行動可能性予測部27は、自車両から最も近い対向車が交差点を通過した後に、対向車走行状態検出部18により次の対向車の存在が確認できない場合、自車両が交差点を右折できると推定することとなる。
他方、図38(a)に示すように、次の対向車がいると判断した場合(ST212:YES)、右折行動可能性予測部27は、図38(b)に示すように、直近対向車Aが交差点を通過してから次の対向車が交差点に到達するまでの時間Tnを推定する(ST213)。そして、提示部21は、この時間Tnが規定時間Tx以上か否かを判断する(ST214)。
ここで、次の対向車が交差点に到達するまでの時間Tnが規定時間Tx以上でないと判断した場合(ST214:NO)、右折行動可能性予測部27は、直近対向車通過時間が経過後に、次の対向車の存在によって、自車両が交差点を右折できないと判断する。すなわち、時間Tnが規定時間Tx以上でないことから、次の対向車が交差点近くに位置しているといえるため、右折行動可能性予測部27は、自車両が交差点を右折できないと判断する。そして、提示部21は、誘導情報を提示することなく(ST215)、図37に示す処理は終了する。
また、次の対向車が交差点に到達するまでの時間Tnが規定時間Tx以上であると判断した場合(ST214:YES)、右折行動可能性予測部27は、直近対向車通過時間が経過してから次の対向車が交差点に接近するまでの間に、自車両が交差点を右折できると判断する。そして、提示部21は、右折猶予時間推定部20により推定された直近対向車通過時間に応じて誘導情報を提示する(ST215)。その後、図37に示す処理は終了する。
以上のように、本実施形態では、直近対向車の通過後に、自車両が右折できるか否かを判断し、右折できないときには、誘導情報を提示することなく、処理を終了することとしている。すなわち、右折行動するにあたり運転者が確認すべき場所に視線を誘導したとしても、次の対向車の存在により右折できないときには、運転者の視線を誘導しないこととしている。従って、必要時にのみ誘導情報を提示することができる。
ここで、第11実施形態においては、以下の処理を実行するようにしてもよい。図39は、第11実施形態に係る運転支援装置1jの変形例についての動作を示すフローチャートである。なお、同図に示すステップST220〜ST223の処理は、図37に示したステップST210〜ST213の処理と同様であるため、説明を省略する。
変形例において、直近対向車が交差点を通過してから次の対向車が交差点に到達するまでの時間Tnを推定した後(ST223の後)、提示部21は、この時間Tnが特定時間Ty以下か否かを判断する(ST224)。
ここで、次の対向車が交差点に到達するまでの時間Tnが特定時間Ty以上でないと判断した場合(ST224:NO)、提示部21は、右折猶予時間推定部20により推定された直近対向車通過時間に応じて誘導情報を提示する(ST226)。その後、図39に示す処理は終了する。
他方、次の対向車が交差点に到達するまでの時間Tnが規定時間Ty以上であると判断した場合(ST224:YES)、提示部21は、誘導情報を提示することなく(ST225)、図39に示す処理は終了する。
以上のように、変形例では、対向車が交差点からあまりに遠い段階で誘導情報を提示しても、必要以上に長い時間を掛けて歩行者等を確認することとなるため、対向車が交差点に或る程度接近するまで、誘導情報を提示しないこととしている。これにより、必要時にのみ誘導情報を提示することができる。
このようにして、第11実施形態に係る運転支援装置1jによれば、第10実施形態と同様に、利便性及び運転支援性能の向上を図ることができ、右折可否判断を確実にすることできる。また、右折可能か否かを容易に判断することができ、適切な提示を行うことができる。また、運転者に交差点を右折するための確認動作を学習させることができる。
さらに、第11実施形態によれば、直近対向車通過時間が経過してから次の対向車が交差点に接近するまでの間に、自車両が右折行動を取れる可能性があるか否かを推定し、右折行動を取れる可能性があるときに、誘導情報を提示することとしている。具体的に右折行動可能性予測部27は、自車両に最も近い対向車が交差点を通過してから、次の対向車が交差点に到達するまでの時間Tnを求める。そして、右折行動可能性予測部27は、時間Tnが規定時間Tx以上であれば、自車両に最も近い対向車が交差点を通過した後に、自車両が交差点を右折できると推定する。また、右折行動可能性予測部27は、対向車走行状態検出部18により複数の対向車の存在が確認されない場合、自車両から最も近い対向車が交差点を通過した後に、自車両が交差点を右折できると推定する。
このように、直近の対向車が交差点を通過しても右折できないような場合には、誘導情報を運転者に提示しないこととしている。従って、必要時にのみ誘導情報を提示することができる。
次に、本発明の第12実施形態について説明する。第12実施形態に係る運転支援装置1kは、第10実施形態のものと同様であるが、処理内容の一部が第10実施形態のものと異なっている。
以下、第12実施形態に係る運転支援装置1kについて説明する。まず、第10実施形態に係る運転支援装置1iは、単に誘導情報を提示することとしていた。これに対し、第12実施形態係る運転支援装置1kは、誘導情報の提示方法について変更することとしている。
まず、車両が右折するときの様子について説明する。図40は、車両が右折するときの様子を示す説明図である。図40に示すように、運転者は、まず対向車が交差点を通過するまえ(図40に示すアテンション行動準備期間)に、予備的に車両周囲の情報(信号機、対向車及び歩行者などの情報)を確認する。
そして、運転者は、直近の対向車Aが通過した後(右折行動完了時間の最終確認行為の部分)において、自車両が次の対向車Bに影響を受けることなく、右折できるか否かを判断する。このとき、運転者は、最終確認として再度対向車、歩行者及び信号などを確認する。次いで、最終確認行為完了後の時間(右折開始から完了までの行動時間)において、運転者は右折を開始し、右折を終了させる。
図41は、図40の詳細を示すグラフであって、(a)は右折開始から完了までの行動時間を示し、(b)は運転者による最終確認行為に要する時間を示している。なお、図41(a)及び(b)において縦軸は度数を示し、横軸は時間を示している。また、図41に示すグラフを得るにあたっては、右折を11回行い、それぞれの右折行動について、最終確認行為に要する時間と、右折開始から完了までの行動時間とを測定することとした。
まず、図41(a)に示すように、右折開始から完了までの行動時間は、2.5秒以上3.0秒未満で、度数が「8」となり、バラツキが少なく、安定している。これに対し、図41(b)に示すように、最終確認行為に要する時間は、個人差や右折する交差点の状況に応じて影響を受けやすい。このため、度数は最大で「3」となっており、最終確認行為に要する時間は、0.5秒未満から3.5秒以上までバラツキが大きくなっている。
従って、最終確認行為を行って右折が完了するまでの時間(図40に示す右折行動完了時間)を短くするためには、運転者にスムーズな最終確認行為を行わせることが肝要となる。
図42は、第12実施形態に係る運転支援装置1kの動作の説明図である。上記した如く、最終確認行為をスムーズに行わせることで交差点における右折はスムーズに行われる。ここで、本件出願人は、対向車が交差点を通過する時点で、運転者が対向車以外の情報、例えば歩行者側の情報を取得していない場合に、最終確認行為に多くの時間を要してしまうことを見出した。すなわち、本件出願人は、アテンション行動準備期間において、運転者が対向車以外の情報(歩行者側の情報など)を正確に確認していれば、右折行動をスムーズに行うことができることを見出した。
そこで、第12実施形態では、図42に示すように、対向車が交差点を通過する一定時間前から、その対向車が交差点を通過するまで、運転者に対向車以外(特に歩行者)を視認されるように誘導情報を提示する。
これにより、運転者は、スムーズな右折が行えるようになると共に、スムーズな右折をするための学習をも行うことができる。なお、上記一定時間は、個人差や運転環境によりバラツキがあるものの、約1秒とすると、効率よく最終確認行為に要する時間を減じることができる。
図43は、第12実施形態に係る運転支援装置1kの動作を示すフローチャートである。まず、第12実施形態に係る運転支援装置1kは、第1実施形態に係る運転支援装置1と同じ動作を実行する。さらに、第12実施形態に係る運転支援装置1kは、例えば図4のステップST30において右折猶予時間が推定された後に、図43に示す処理を実行する。
右折猶予時間推定部20は、直近対向車通過時間を推定する(ST230)。次いで、提示部21は、直近対向車通過時間が一定時間Trより大きいか否かを判断する(ST231)。そして、直近対向車通過時間が一定時間Trより大きいと判断した場合(ST231:YES)、処理はステップST230に戻る。すなわち、誘導情報を提示することなく、処理は最初に戻ることとなる。
他方、直近対向車通過時間が一定時間Trより大きくないと判断した場合(ST231:NO)、すなわち、対向車が交差点を通過する一定時間前に達した場合、提示部21は、対向車以外に視線が向くように誘導情報を提示する(ST232)。そして、図43に示す処理は終了する。
このようにして、第12実施形態に係る運転支援装置1kによれば、第10実施形態と同様に、利便性及び運転支援性能の向上を図ることができ、右折可否判断を確実にすることできる。また、右折可能か否かを容易に判断することができ、適切な提示を行うことができる。また、運転者に交差点を右折するための確認動作を学習させることができる。
また、右折行動をスムーズに行うためには、対向車が通過するまえに運転者が対向車以外の歩行者などを確認していることが必要とされる。すなわち、対向車通過後に歩行者確認などをすると、スムーズな右折が阻害される。このため、第12実施形態によれば、対向車が交差点を通過する一定時間前から、その対向車が交差点を通過するまで、運転者が対向車以外の確認すべき場所を視認するように誘導情報を提示することとしている。これにより、運転者は、対向車が通過するまえに対向車以外の歩行者などを確認することとなる。従って、スムーズな右折を行えるように、運転者に学習させることができる。
次に、本発明の第13実施形態について説明する。第13実施形態に係る運転支援装置1lは、第12実施形態のものと同様であるが、処理内容の一部が第12実施形態のものと異なっている。
以下、第13実施形態に係る運転支援装置1lについて説明する。まず、第13実施形態係る運転支援装置1lは、第12実施形態に係る運転支援装置1kと比べて、誘導情報の提示方法が異なっている。
図44は、第13実施形態に係る運転支援装置1lによる誘導情報の提示方法を示す説明図である。同図(a)に示すように、提示部21がスピーカなどであるとする。この場合、提示部21は、車室内に設けられた複数のスピーカ音をそれぞれ調節する。このとき、提示部21は、車内の音の反射等を利用して音が強く聞こえてくる位置を車両前方方向とする。これにより、提示部21は、車両前方方向に運転者の注意を引きつけるようにする。その後、提示部21は、音が強く聞こえる位置を、車両右側方に移動させる。
このように、音が強く聞こえる位置を調節して、運転者の視線を引きつけ、その後、音が強く聞こえる位置を移動させて、運転者の視線を自然とその移動方向に向けるようにしている。
また、例えば図44(b)に示すように、提示部21がウインカーの音源であるとする。この場合も同様に、提示部21は、ウインカー音を調節して、運転者の注意を車両前方方向に引きつける。その後、提示部21は、図44(b)に示すように、ウインカー音源を車両右側方に移動させる。
このように、第13実施形態に係る運転支援装置1lは、一度特定の方向に運転者の注意を引きつけ、その後、注意を引きつけた箇所を移動させることで、運転者の視線を自然と移動方向に向けるようにしている。
図45は、第13実施形態に係る運転支援装置1lの動作を示すフローチャートである。まず、第13実施形態に係る運転支援装置1lは、第1実施形態に係る運転支援装置1と同じ動作を実行する。さらに、第13実施形態に係る運転支援装置1lは、例えば図4のステップST30において右折猶予時間が推定された後に、図45に示す処理を実行する。
同図に示すように、右折猶予時間推定部20は、直近対向車通過時間を推定する(ST240)。次いで、提示部21は、直近対向車通過時間が特定時間Ty以下か否かを判断する(ST241)。
ここで、直近対向車通過時間が特定時間Ty以上であると判断した場合(ST241:YES)、図39のステップST224と同様に、提示部21は、情報を提示することがタイミング的に早すぎると判断し、何ら提示することなく、処理はステップST240に戻る。
他方、直近対向車通過時間が特定時間Ty以上でないと判断した場合(ST241:NO)、提示部21は、情報を提示してもよいタイミングであると判断し、まず、対向車の方向に刺激情報を提示する(ST242)。これにより、提示部21は、一度対向車の存在方向に運転者の注意を引きつける。
次いで、直近対向車通過時間が一定時間Trより大きいか否かを判断する(ST243)。そして、直近対向車通過時間が一定時間Trより大きいと判断した場合(ST243:YES)、処理はステップST230に戻る。すなわち、刺激情報を移動させることなく、処理は最初に戻ることとなる。
他方、直近対向車通過時間が一定時間Trより大きくないと判断した場合(ST243:NO)、すなわち、対向車が交差点を通過する一定時間前に達した場合、提示部21は、対向車以外に視線が向くように刺激情報を移動させる(ST244)。そして、図45に示す処理は終了する。
以上のように、提示部21は、運転者の注意を引きつける刺激情報を提示し、その刺激情報の提示箇所を移動させることで、誘導情報の提示としている。これにより、第13実施形態に係る運転支援装置1lは、運転者の確認方向を自然と誘導し、効果的な誘導情報の提示を行うこととしている。
このようにして、第13実施形態に係る運転支援装置1lによれば、第12実施形態と同様に、利便性及び運転支援性能の向上を図ることができ、右折可否判断を確実にすることできる。また、右折可能か否かを容易に判断することができ、適切な提示を行うことができる。また、運転者に交差点を右折するための確認動作を学習させることができ、スムーズな右折を行えるように、運転者に学習させることができる。
さらに、第13実施形態によれば、運転者の注意を引きつける刺激情報を提示し、刺激情報の提示箇所を移動させることで、誘導情報の提示としている。すなわち、刺激情報の提示により運転者の注意を引きつけて、その注意を引きつけた箇所を移動させていくことで、運転者の視認方向を自然に誘導できることとなる。従って、効果的な誘導情報の提示を行うことができる。
次に、本発明の第14実施形態について説明する。第14実施形態に係る運転支援装置1mは、第13実施形態のものと同様であるが、処理内容の一部が第13実施形態のものと異なっている。
図46は、第14実施形態に係る運転支援装置1mの構成図である。同図に示すように、本実施形態の運転支援装置1mは、第13実施形態の構成に加えて新たに視線検出部(視線検出手段)28と、視線推定部(視線推定手段)29とを備えている
視線検出部28は、刺激情報の提示箇所を移動させた後に、運転者の視線方向を検出するものである。この視線検出部28は、例えば運転者の顔を撮像し、撮像画像から黒眼部分を抽出して、黒眼の位置等が示す方向(黒眼が眼全体のなかで右に寄っているときは右方向など)を視線方向として検出する構成となっている。また、視線検出部28は、顔自体の向きから視線方向を検出したり、ハンドル操作から運転者がどちらを向いているかを推定して視線方向を検出したりする構成であってもよい。
視線推定部29は、視線検出部28により検出された視線方向が、刺激情報の移動前の方向に戻っているか否かを推定するものである。すなわち、刺激情報の最初の提示箇所が対向車の方向である場合、刺激情報の移動後、運転者の視線方向が対向車の方向に戻っているか否かを判断することとなる。
また、本実施形態において提示部21は、視線推定部29により運転者の視線方向が刺激情報の移動前の方向に戻っていないと判断された場合、運転者の視線方向を戻すように情報提示する構成となっている。ここで、運転者の視線方向を戻すには、刺激情報を元の位置に移動させる方法であってもよいし、単に視線を戻すように画像や音声で提示する方法であってもよい。
これにより、本実施形態に係る運転支援装置1mは、必要以上に視線が滞留しないようにしている。そして、本実施形態に係る運転支援装置1mは、誘導情報を提示したことによって却って交差点確認に悪影響を及ぼすことがないようにしている。
図47は、運転者の視線方向を元に戻す処理を示すフローチャートである。なお、この処理は、図45の処理の後に行われる。また、図47に示すフローチャートにおいて、刺激情報は最初に対向車側へ注意を引きつけるように提示されていたものとする。
まず、同図に示すように、視線推定部29は、対向車側へ視線が戻っているか否かを判断する(ST250)。このとき、視線推定部29は、視線検出部28により推定された視線方向の情報を入力して判断することとなる。そして、対向車側へ視線が戻っていると判断した場合(ST250:YES)、既に視線方向は元に戻っていることから、何ら情報提示することなく、図47に示す処理は終了する。
他方、対向車側へ視線が戻っていないと判断した場合(ST250:NO)、提示部21は、刺激情報を対向車以外に移動させてから現在に至るまでの時間が所定時間以上か否かを判断する(ST251)。ここで、所定時間以上でないと判断した場合(ST251:NO)、処理はステップST250に戻ることとなる。
一方、刺激情報を対向車以外に移動させてから現在に至るまでの時間が所定時間以上であると判断した場合(ST251:YES)、提示部21は、対向車側に視線方向を戻すように情報提示する(ST252)。その後、図47に示す処理は終了することとなる。
このようにして、第14実施形態に係る運転支援装置1mによれば、第13実施形態と同様に、利便性及び運転支援性能の向上を図ることができ、右折可否判断を確実にすることできる。また、右折可能か否かを容易に判断することができ、適切な提示を行うことができる。また、運転者に交差点を右折するための確認動作を学習させることができ、スムーズな右折を行えるように、運転者に学習させることができる。また、効果的な誘導情報の提示を行うことができる。
さらに、第14実施形態によれば、刺激情報の提示箇所を移動させた後に、運転者の視線方向を検出し、検出した視線方向が、刺激情報の移動前の方向に戻っているか否かを推定している。そして。運転者の視線方向が刺激情報の移動前の方向に戻っていないと判断された場合、運転者の視線方向を戻すように情報提示することとしている。すなわち、運転者の視線が対向車以外から戻っておらず、必要以上に対向車以外の箇所で滞留しないようにすることとしている。これにより、本装置1mは、誘導情報を提示したことによって却って交差点確認に悪影響を及ぼさないようにすることができる。
以上、実施形態に基づき本発明を説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、各実施形態を組み合わせてもよい。また、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、変更を加えてもよい。
例えば、上記実施形態では、右折行動時にのみ限って説明したが、左折行動時、又は直進走行時についても同様に適用することができる。また、上記実施形態では、信号がある交差点を例に説明したが、信号のない交差点においても同様に適用することができる。
本発明の第1実施形態に係る運転支援装置の構成図である。 提示部21の提示機能部の詳細を示す説明図であって、(a)は設置状態を示し、(b)は第1の表示例を示し、(c)は第2の表示例を示し、(d)は第3の表示例を示している。 第1実施形態に係る運転支援装置1の動作を示すフローチャートであり、前半部分を示している。 第1実施形態に係る運転支援装置1の動作を示すフローチャートであり、後半部分を示している。 第1実施形態に係る運転支援装置1の動作の説明図である。 第2実施形態に係る運転支援装置1aの動作を示すフローチャートであり、前半部分を示している。 第2実施形態に係る運転支援装置1aの動作を示すフローチャートであり、中間部分を示している。 第2実施形態に係る運転支援装置1aの動作を示すフローチャートであり、後半部分を示している。 図7に示した右折猶予時間の推定対象の決定についての説明図であり、(a)は第1の例を示し、(b)は第2の例を示し、(c)は第3の例を示し、(d)は第4の例を示している。 図7に示した右折猶予時間の推定対象の決定についての説明図であり、(a)は第5の例を示し、(b)は第6の例を示し、(c)は第7の例を示している。 図7に示した右折猶予時間の推定対象の決定についての説明図であり、(a)は第8の例を示し、(b)は第9の例を示し、(c)は第10の例を示している。 図7に示した右折猶予時間の推定対象の決定についての説明図であり、(a)は第11の例を示し、(b)は第12の例を示し、(c)は第13の例を示している。 図7に示した右折猶予時間の推定対象の決定についての説明図であり、(a)は第14の例を示し、(b)は第15の例を示し、(c)は第16の例を示している。 第3実施形態に係る運転支援装置1bの概略説明図である。 第4実施形態に係る運転支援装置1cの概略説明図であり、(a)は第1の例を示し、(b)は第2の例を示し、(c)は第3の例を示し、(d)は第4の例を示している。 第4実施形態に係る運転支援装置1cの動作を示すフローチャートである。 第5実施形態に係る運転支援装置1dの構成図である。 第5実施形態に係る運転支援装置1dの動作を示すフローチャートであり、中間部分を示している。 第5実施形態に係る運転支援装置1dの動作を示すフローチャートであり、後半部分を示している。 第6実施形態に係る運転支援装置1eの概略説明図であり、(a)は提示部21の設置状態を示し、(b)は第1の表示例を示し、(c)は第2の表示例を示し、(d)は第3の表示例を示し、(e)は第4の表示例を示している。 第6実施形態に係る運転支援装置1eの動作を示すフローチャートであり、中間部分を示している。 第6実施形態に係る運転支援装置1eの動作を示すフローチャートであり、後半部分を示している。 第7実施形態に係る運転支援装置1fの構成図である。 第7実施形態に係る運転支援装置1fの動作を示すフローチャートである。 第7実施形態に係る運転支援装置1fの動作の説明図であり、(a)は第1の例を示し、(b)は第2の例を示し、(c)は第3の例を示している。 提示部21が一致しない旨の情報を提示する様子を示す説明図であり、(a)は提示部21の設置状態を示し、(b)は第1の表示例を示し、(c)は第2の表示例を示し、(d)は第3の表示例を示している。 第8実施形態に係る運転支援装置1gの構成図である。 第8実施形態に係る運転支援装置1gの動作を示すフローチャートである。 第8実施形態に係る運転支援装置1gの動作の説明図であり、(a)は第1の例を示し、(b)は第2の例を示している。 第9実施形態に係る運転支援装置1hの概略説明図であり、(a)は第1の例を示し、(b)は第2の例を示し、(c)は第3の例を示している。 第9実施形態に係る運転支援装置1hの動作を示すフローチャートであり、前半部分を示している。 第9実施形態に係る運転支援装置1hの動作を示すフローチャートであり、後半部分を示している。 誘導情報の一例を示す説明図であり、(a)は提示部21の設置位置及び第4の表示例を示し、(b)は第1〜第3の表示例を示している。 第10実施形態に係る運転支援装置1iの動作を示すフローチャートである。 第10実施形態に係る運転支援装置1iの概略説明図であり、(a)は初期状態を示し、(b)は時間経過後の状態を示している。 第11実施形態に係る運転支援装置1jの構成図である。 第11実施形態に係る運転支援装置1jの動作を示すフローチャートである。 第11実施形態に係る運転支援装置1jの概略説明図であり、(a)は初期状態を示し、(b)は時間経過後の状態を示している。 第11実施形態に係る運転支援装置1jの変形例についての動作を示すフローチャートである。 車両が右折するときの様子を示す説明図である。 図40の詳細を示すグラフであって、(a)は右折開始から完了までの行動時間を示し、(b)は運転者による最終確認行為に要する時間を示している。 第12実施形態に係る運転支援装置1kの動作の説明図である。 第12実施形態に係る運転支援装置1kの動作を示すフローチャートである。 第13実施形態に係る運転支援装置1lによる誘導情報の提示方法を示す説明図であり、(a)は第1の提示例を示し、(b)は第2の提示例を示している。 第13実施形態に係る運転支援装置1lの動作を示すフローチャートである。 第14実施形態に係る運転支援装置1mの構成図である。 運転者の視線方向を元に戻す処理を示すフローチャートである。
符号の説明
1,1a〜1m…運転支援装置
10…位置検出部(位置検出手段)
11…記憶部(記憶手段)
12…交差点接近検出部(交差点接近検出手段)
13…読出部(読出手段)
14…進入方向検出部(進入方向検出手段)
15…右折可否判断部(右折可否判断手段)
16…右折意思検出部(右折意思検出手段)
17…自車状態検出部(自車状態検出手段)
18…対向車走行状態検出部(対向車走行状態検出手段)
19…信号状態検出部(信号状態検出手段)
20…右折猶予時間推定部(右折猶予時間推定手段)
21…提示部(提示手段)
22…歩行者検出部(歩行者検出手段)
23…操作検出部(操作検出手段)
24…対向車行動意思推定部(対向車行動意思推定手段)
25…対向車状態判断部(対向車状態判断手段)
26…信号状態判断部(信号状態判断手段)
27…右折行動可能性予測部(右折行動可能性予測手段)
28…視線検出部(視線検出手段)
29…視線推定部(視線推定手段)

Claims (27)

  1. 走行中の自車位置を検出する位置検出手段と、
    前記位置検出手段にて検出された自車位置に基づいて、自車両が交差点に接近中であることを検出する交差点接近検出手段と、
    前記交差点接近検出手段にて接近中であることが検出された交差点への自車両の進入方向、及び自車両が進入する交差点の特性に基づいて、交差点が右折できるものであるか否かを判断する右折可否判断手段と、
    運転者の右折意思を検出する右折意思検出手段と、
    自車両が停止中であるか否かを検出する自車状態検出手段と、
    対向車の走行状態を検出する対向車走行状態検出手段と、
    前記対向車走行状態検出手段により検出された対向車の走行状態によって自車両が右折可能となるまでの右折猶予時間を推定する右折猶予時間推定手段と、
    前記右折可否判断手段により交差点が右折できるものであると判断され、前記右折意思検出手段により運転者の右折意思が検出され、前記自車状態検出手段により自車両が停止中であると検出された場合に、前記右折猶予時間推定手段により推定された右折猶予時間の情報を運転者に提示する提示手段と、
    を備えることを特徴とする運転支援装置。
  2. 複数の交差点の特性を記憶する交差点特性記憶手段と、
    前記交差点特性記憶手段に記憶された複数の交差点のうち、前記交差点接近検出手段にて接近中であることが検出された交差点の特性を読み出す読出手段と、
    前記読出手段により読み出された交差点への自車両の進入方向を検出する進入方向検出手段と、をさらに備え、
    前記右折可否判断手段は、前記進入方向検出手段により検出された進入方向と、前記読出手段により読み出された交差点の特性とに基づいて、当該交差点を右折できるものであるか否かを判断する
    ことを特徴とする請求項1に記載の運転支援装置。
  3. 前記交差点特性記憶手段は、複数の交差点の特性として、複数の交差点それぞれの形状を記憶し、
    前記読出手段は、前記交差点特性記憶手段に記憶された複数の交差点のうち、前記交差点接近検出手段にて接近中であることが検出された交差点の形状を読み出す
    ことを特徴とする請求項2に記載の運転支援装置。
  4. 前記提示手段は、各々の交差点ごとに、過去に自車両が右折するときに要した所要時間を記憶し、記憶した所要時間中に対向車が走行すると予測される距離を閾値として設定し、自車両が交差点を右折する場合には、自車両と対向車との距離がその交差点での閾値よりも小さい場合に、前記右折猶予時間推定手段により推定された右折猶予時間を運転者に提示することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  5. 前記対向車走行状態検出手段は、対向車の走行状態として、対向車の存在、対向車の運転者のによる運転操作、並びに対向車の位置及び速度を検出することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  6. 前記右折猶予時間推定手段は、前記対向車走行状態検出手段により存在が検出された対向車が複数あるときには、複数の対向車それぞれの走行状態に基づいて前記右折猶予時間を推定することを特徴とする請求項5に記載の運転支援装置。
  7. 前記右折猶予時間推定手段は、交差点位置を終点として、前記対向車走行状態検出手段により検出された対向車の走行状態から、対向車が前記終点を通過するまでの時間を求め、この時間を前記右折猶予時間として推定することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  8. 前記右折猶予時間推定手段は、交差点から対向車走行方向の反対側へ所定距離以内に設定された地点を終点として、前記対向車走行状態検出手段により検出された対向車の走行状態から、対向車が前記終点を通過するまでの時間を求め、この時間を前記右折猶予時間として推定することを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  9. 前記提示手段は、前記終点を挟む自車両の反対側に設定された地点を、対向車が通過するまで、右折猶予時間を運転者に提示することを特徴とする請求項7又は請求項8のいずれかに記載の運転支援装置。
  10. 自車両が右折して横切ろうとする横断歩道を通行する歩行者を検出する歩行者検出手段をさらに備え、
    前記右折猶予時間推定手段は、前記対向車走行状態検出手段により検出された対向車の走行状態に加えて、前記歩行者検出手段により検出された歩行者の情報に基づいて、右折猶予時間を推定する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  11. 前記右折猶予時間推定手段は、前記歩行者検出手段により検出された歩行者が横断歩道を通行し終えるまでの時間と、前記対向車走行状態検出手段により検出された対向車の走行状態によって自車両が右折可能となるまでの時間とのうち、長い方を右折猶予時間として推定することを特徴とする請求項10に記載の運転支援装置。
  12. 前記提示手段は、前記右折猶予時間推定手段により推定された右折猶予時間が所定の上限値以上である場合、推定された右折猶予時間に代えて上限値を提示することを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  13. 前記提示手段は、前記右折猶予時間推定手段により推定された右折猶予時間が所定の下限値以下である場合、推定された右折猶予時間に代えて下限値を提示することを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  14. 対向車の運転者が周囲の車両に対して今後の車両の挙動を報せるために行う操作を検出する操作検出手段と、
    前記操作検出手段により検出された操作によって対向車の運転者による運転意思を推定する対向車行動意思推定手段と、
    前記対向車行動意思推定手段により推定された運転意志と、前記対向車走行状態検出手段により検出された対向車の走行状態とを比較して両者が一致するか否かを判断する対向車状態判断手段と、をさらに備え、
    前記提示手段は、前記対向車状態判断手段により両者が一致しないと判断された場合に、一致しない旨の情報を提示する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  15. 前記対向車行動意思推定手段は、前記操作検出手段が対向車の運転者によるウインカー、パッシング又はクラクション操作を検出することで、対向車の運転者に右左折意思、停止意思、又は自車両に進路を譲る意思があることを推定し、
    前記対向車状態判断手段は、前記対向車行動意思推定手段により対向車の運転者に右左折意思、停止意思、又は自車両に進路を譲る意思があることを推定したにも関わらず、前記対向車走行状態検出手段により対向車が自車両側に接近し続けることを検出した場合に、両者が一致しないと判断する
    ことを特徴とする請求項14に記載の運転支援装置。
  16. 対向車の運転者が周囲の車両に対して今後の車両の挙動を報せるために行う操作を検出する操作検出手段と、
    前記対向車走行状態検出手段により複数の対向車の存在が検出された場合に、前記操作検出手段により検出された操作によって対向車の運転者による運転意思を推定する対向車行動意思推定手段と、
    前記対向車走行状態検出手段により第1及び第2の対向車の存在が検出された場合に、前記対向車行動意思推定手段により推定された運転意志が第1及び第2の対向車の運転者同士で一致するか否かを判断する対向車状態判断手段と、をさらに備え、
    前記提示手段は、前記対向車状態判断手段により運転意志が第1及び第2の対向車の運転者同士で一致しないと判断された場合に、一致しない旨の情報を提示する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  17. 交差点の信号の状態を検出する信号状態検出手段と、
    前記信号状態検出手段により検出された信号の状態と、前記対向車走行状態検出手に段より検出された対向車の走行状態とを比較して両者が一致するか否かを判断する信号状態判断手段と、をさらに備え、
    前記提示手段は、前記信号状態判断手段により両者が一致しないと判断された場合に、一致しない旨の情報を提示する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項16のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  18. 前記信号状態判断手段は、前記信号状態検出手段により検出された信号の状態から対向車の挙動を推定し、推定した対向車の挙動と、前記対向車走行状態検出手段により検出された対向車の走行状態とが一致するか否かを判断することを特徴とする請求項17に記載の運転支援装置。
  19. 前記提示手段は、自車両が右折行動を開始していると判断された場合においてのみ、一致しない旨の情報を提示することを特徴とする請求項14〜請求項18のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  20. 前記右折猶予時間推定手段は、自車両側に最も近い対向車が交差点を通過するまでの直近対向車通過時間を推定し、
    前記提示手段は、右折行動するにあたり運転者が確認すべき場所に視線が向くように誘導する誘導情報を、前記右折猶予時間推定手段により推定された直近対向車通過時間に応じて提示する
    ことを特徴とする請求項1〜請求項19のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  21. 前記直近対向車通過時間が経過してから次の対向車が交差点に接近するまでの間に、自車両が交差点を右折することができるか否かを推定する右折行動可能性予測手段をさらに備え、
    前記提示手段は、前記右折行動可能性予測手段により自車両が交差点を右折できると推定された場合のみ、前記誘導情報を提示する
    ことを特徴とする請求項20に記載の運転支援装置。
  22. 前記右折行動可能性予測手段は、自車両に最も近い対向車が交差点を通過してから、次の対向車が交差点に到達するまでの時間を求め、その時間が規定時間以上であれば、自車両に最も近い対向車が交差点を通過した後に、自車両が交差点を右折できると推定することを特徴とする請求項21に記載の運転支援装置。
  23. 前記右折行動可能性予測手段は、前記対向車走行状態検出手段により複数の対向車の存在が確認されない場合、自車両から最も近い対向車が交差点を通過した後に、自車両が交差点を右折できると推定することを特徴とする請求項21又は請求項22のいずれかに記載の運転支援装置。
  24. 前記提示手段は、対向車が交差点を通過する一定時間前から、その対向車が交差点を通過するまで、運転者が対向車以外の確認すべき場所を視認するように前記誘導情報を提示することを特徴とする請求項20〜請求項23のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  25. 前記提示手段は、運転者の注意を引きつける刺激情報を提示し、前記刺激情報の提示箇所を移動させることで、前記誘導情報の提示とすることを特徴とする請求項20〜請求項24のいずれか1項に記載の運転支援装置。
  26. 前記刺激情報の提示箇所を移動させた後に、運転者の視線方向を検出する視線検出手段と、
    前記視線検出手段により検出された視線方向が、前記刺激情報の移動前の方向に戻っているか否かを推定する視線推定手段と、をさらに備え、
    前記提示手段は、前記視線推定手段により運転者の視線方向が前記刺激情報の移動前の方向に戻っていないと判断された場合、運転者の視線方向を戻すように情報提示する
    ことを特徴とする請求項25に記載の運転支援装置。
  27. 走行中の自車位置を検出して自車両が交差点に接近中であるか否かを検出し、自車両が交差点に接近中である場合には、接近中であることが検出された交差点への自車両の進入方向、及び自車両が進入する交差点の特性に基づいて、交差点を右折できるものであるか否かを判断する一方で、
    運転者に右折の意思があるか否か、自車両が停止中であるか否かを検出し、さらに対向車の走行状態を検出して、この走行状態から自車両が右折可能となるまでの右折猶予時間を推定し、
    交差点が右折できるものであると判断した場合には、運転者の右折意思が検出され、自車両が停止中であるときに、推定した右折猶予時間の情報を運転者に提示する
    ことを特徴とする運転支援装置。
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