JP2009263639A - 発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子、その製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体 - Google Patents
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Abstract
【課題】耐割れ性に優れた発泡成形体を与える共に、発泡剤の保持性に優れ、長期に渡って高い発泡性を維持しうる発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子を提供することを課題とする。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂100重量部と、ポリスチレン系樹脂120〜560重量部と、発泡剤とを含む発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子であり、前記発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子は、前記発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子を嵩倍数5〜60倍に予備発泡させて得られる予備発泡粒子をその表面から中心を通って二分割した切片の断面を走査型電子顕微鏡で撮影した場合、前記予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aを予備発泡粒子の半径の1/2の点を通る気泡の平均気泡径Bで除算した値A/Bが2〜6となる予備発泡粒子を形成しうる発泡性樹脂粒子であることを特徴とする発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子により上記課題を解決する。
【選択図】図4
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂100重量部と、ポリスチレン系樹脂120〜560重量部と、発泡剤とを含む発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子であり、前記発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子は、前記発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子を嵩倍数5〜60倍に予備発泡させて得られる予備発泡粒子をその表面から中心を通って二分割した切片の断面を走査型電子顕微鏡で撮影した場合、前記予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aを予備発泡粒子の半径の1/2の点を通る気泡の平均気泡径Bで除算した値A/Bが2〜6となる予備発泡粒子を形成しうる発泡性樹脂粒子であることを特徴とする発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子により上記課題を解決する。
【選択図】図4
Description
本発明は、発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子、その製造方法、予備発泡粒子及び発泡成形体に関する。本発明の予備発泡粒子は、表皮層に接している気泡と内部の気泡の平均気泡径が大きく異なる、いわゆる2重気泡構造を有している。このような構造を有する予備発泡粒子を成形すれば、外観及び成形性に優れ、かつ耐割れ性に優れた発泡成形体を得ることができる。また、本発明の製造方法は、多量の水を使用しないため、多量生産可能なプラントで安価に発泡成形体を製造できる。
ポリスチレン樹脂粒子にプロパン、ブタン、ペンタン等の揮発性発泡剤を含浸することにより発泡性能が付与された発泡性ポリスチレン樹脂粒子が得られる。発泡性ポリスチレン樹脂粒子は、発泡剤の保持性が良好であり、室温もしくは冷蔵状態で保管できる。従って、適時に発泡性ポリスチレン樹脂粒子を加熱して予備発泡粒子とし、これを成形機の金型内に充填して加熱して発泡成形体とすることができる。この発泡成形体は、断熱性、緩衝性、軽量性に優れていることから、魚箱等の食品容器、家電製品等の緩衝材、建材用断熱材等として広く用いられている。しかし、この発泡成形体は、衝撃等によって割れやすいという問題点があり、用途の拡大には限界があった。
一方、ポリエチレン系樹脂やポリプロピレン系樹脂等のポリオレフィン系樹脂からなる発泡成形体は、ポリスチレン樹脂からなる発泡成形体の特長に加えて、柔軟性があって、割れにくい(耐割れ性に優れる)ことが知られている。しかし、ポリオレフィン系樹脂粒子は発泡剤の保持性に劣ることから、発泡性樹脂粒子の状態で保管することはできないという問題点がある。加えて、発泡成形条件を精密に制御する必要があるため、製造コストが高くつくという問題点もある。
上記問題点を解決するために、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂を複合化した樹脂粒子を使用した発泡成形体が色々と提案されている。
特開昭54−119563号公報(特許文献1)には、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂の欠点を互いに補完して両者の特性を両立させることを目的とした樹脂粒子が提案されている。具体的には、表面層が発泡ポリオレフィン系樹脂からなり芯部が発泡ポリスチレン系樹脂からなる二次発泡可能な発泡粒子が提案されている。
この公報によれば、上記発泡粒子は、発泡剤が芯部の発泡ポリスチレン系樹脂に保持されているので、成形性が優れていると記載されている。更に、この発泡粒子から得られる発泡成形体は、剛性、柔軟性及び低温特性が優れているとこの公報には記載されている。
特開昭54−119563号公報(特許文献1)には、ポリスチレン系樹脂とポリオレフィン系樹脂の欠点を互いに補完して両者の特性を両立させることを目的とした樹脂粒子が提案されている。具体的には、表面層が発泡ポリオレフィン系樹脂からなり芯部が発泡ポリスチレン系樹脂からなる二次発泡可能な発泡粒子が提案されている。
この公報によれば、上記発泡粒子は、発泡剤が芯部の発泡ポリスチレン系樹脂に保持されているので、成形性が優れていると記載されている。更に、この発泡粒子から得られる発泡成形体は、剛性、柔軟性及び低温特性が優れているとこの公報には記載されている。
上記樹脂粒子以外に、水性媒体中でポリエチレン系樹脂粒子にスチレン系モノマーを含浸重合させることで、ポリエチレン系樹脂でポリスチレン系樹脂を改質した発泡性樹脂粒子がいくつか提案されている。
例えば、特公平7−45590号公報(特許文献2)では、含水二酸化ケイ素を0.01〜5重量%含有するスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子に易揮発性発泡剤を含浸させてなる発泡性スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子が提案されている。
例えば、特公平7−45590号公報(特許文献2)では、含水二酸化ケイ素を0.01〜5重量%含有するスチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子に易揮発性発泡剤を含浸させてなる発泡性スチレン改質ポリエチレン系樹脂粒子が提案されている。
また、特開2006−70202号公報(特許文献3)では、無機核剤を含む融点95〜115℃のポリエチレン系樹脂成分100重量部に対して、スチレン系樹脂成分300〜1000重量部と揮発性発泡剤とを含有し、かつ粒子表面から少なくとも5μmまでの表層部は0.8μm以下のスチレン系樹脂粒子が分散された状態であるスチレン改質ポリエチレン系発泡性樹脂粒子が提案されている。
加えて、国際公報2005/021624号パンフレット(特許文献4)では、ポリオレフィン系樹脂で改質したポリスチレン系樹脂の予備発泡粒子とその製造方法を提案されている。
加えて、国際公報2005/021624号パンフレット(特許文献4)では、ポリオレフィン系樹脂で改質したポリスチレン系樹脂の予備発泡粒子とその製造方法を提案されている。
上記予備発泡粒子の基材樹脂粒子は、スチレン系モノマーの含浸重合条件の調整、すなわち攪拌所要動力を所定範囲内に調整すると共に、ポリオレフィン系樹脂粒子中におけるスチレン系モノマーの含有量を所定量に調整によって製造されている。このパンフレットによれば、ポリオレフィン系樹脂粒子の中心部から表面に向かってスチレン系モノマー量を徐々に減少した状態とし、重合の進行と共にポリオレフィン系樹脂粒子中に生成したポリスチレン系樹脂に、スチレン系モノマーが逐次吸収されながら更に重合していく。そのため、得られる樹脂粒子は、ポリスチレン系樹脂の生成に伴って中心部に近づけば近づく程、ポリスチレン系樹脂が豊富な状態になり、表面はポリオレフィン系樹脂がより高い比率で存在した状態となっている。
上記予備発泡粒子は、その製造に上記樹脂粒子を使用するため、その中心部ではポリスチレン系樹脂が高比率で含有されている。一方、表面近傍部では、ポリオレフィン系樹脂が高比率で含まれ、粒子表面はポリスチレン系樹脂が殆どない状態となっている。更に、ポリスチレン系樹脂は、中心部から粒子表面に近づくにつれてその割合が徐々に減少し、ポリオレフィン系樹脂中に微分散している。この予備発泡粒子から得られた発泡成形体の全表面は、予備発泡粒子の表面近傍部に高比率で含有されているポリオレフィン系樹脂で覆われていることから、優れた耐割れ性と共に耐薬品性をも備えている。
特開昭54−119563号公報について、本発明者等が追試したところ、ポリスチレン系樹脂粒子がポリオレフィン系樹脂で被覆されてなる樹脂粒子に発泡剤を含浸させて直ちに予備発泡しても、内部のポリスチレン系樹脂が大きく発泡するのみで、ポリオレフィン系樹脂は僅かに発泡するか又は発泡しなかった。また、得られた予備発泡粒子を使用して発泡成形体を得ようとすると、発泡の過程で、表面のポリオレフィン系樹脂層とポリスチレン系樹脂との界面が分離し、目的とする発泡成形体を得ることはできなかった。また、表面層からの発泡剤の逸散が顕著であり、発泡性樹脂粒子の状態での保管は困難であった。従って、この樹脂粒子は工業的規模で実施されてはいないと推測される。
特公平7−45590号公報により得られた発泡成形体の性質は、ポリスチレン系樹脂とポリエチレン系樹脂との比率に大きく影響を受ける。即ち、ポリエチレン系樹脂の比率が高い程、発泡成形体の耐割れ性は向上するが、発泡剤の保持性は急激に低下して発泡性樹脂粒子の発泡成形可能期間(以後、ビーズライフと記す)は短くなる。従って、耐割れ性とビーズライフの両立は困難であった。
特開2006−70202号公報に記載された発泡性樹脂粒子は、スチレン系樹脂成分がポリエチレン系樹脂成分より過剰に多いことにより、ビーズライフは改善している。しかし、耐割れ性は不充分であり、更なる改善が望まれていた。
特開2006−70202号公報に記載された発泡性樹脂粒子は、スチレン系樹脂成分がポリエチレン系樹脂成分より過剰に多いことにより、ビーズライフは改善している。しかし、耐割れ性は不充分であり、更なる改善が望まれていた。
国際公報2005/021624号パンフレットに記載された予備発泡粒子では、上記課題が改善されている。しかし、発泡剤の保持性(長いビーズライフ)と、耐割れ性との高い次元での両立が望まれている。
本発明は、発泡剤の保持性に優れた発泡性樹脂粒子を得る為にポリスチレン系樹脂成分を増やしても十分な耐割れ性を維持しうる発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子を提供することを課題とする。
本発明は、発泡剤の保持性に優れた発泡性樹脂粒子を得る為にポリスチレン系樹脂成分を増やしても十分な耐割れ性を維持しうる発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子を提供することを課題とする。
本発明者等は、発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子から得られる予備発泡粒子において表皮層に接している気泡と内部の気泡の大きさ(平均気泡径)が異なる、いわゆる2重気泡構造を有する予備発泡粒子から得られる発泡成形体は優れた耐割れ性を示すことを見出した。結果的に、耐割れ性が優れていることでビーズライフを改善するためにポリスチレン系樹脂成分を増やすことが可能となった。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
かくして本発明によれば、ポリオレフィン系樹脂100重量部と、ポリスチレン系樹脂120〜560重量部と、発泡剤とを含む発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子であり、前記発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子は、前記発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子を嵩倍数5〜60倍に予備発泡させて得られる予備発泡粒子をその表面から中心を通って二分割した切片の断面を走査型電子顕微鏡で撮影した場合、前記予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aを予備発泡粒子の半径の1/2の点を通る気泡の平均気泡径Bで除算した値A/Bが2〜6となる予備発泡粒子を形成しうる発泡性樹脂粒子であることを特徴とする発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子が提供される。
また、本発明によれば、ポリオレフィン系樹脂100重量部とポリスチレン系樹脂120〜560重量部を含む予備発泡粒子であり、前記予備発泡粒子は、嵩倍数5〜60倍と、前記予備発泡粒子の表面から中心を通って二分割した切片の断面を走査型電子顕微鏡で撮影した場合、前記予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aを予備発泡粒子の半径の1/2の点を通る気泡の平均気泡径Bで除算した値が2〜6となることを特徴とする予備発泡粒子が提供される。
更に、本発明によれば、上記予備発泡粒子を型内成形した発泡成形体が提供される。
また、本発明によれば、上記発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法であって、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して50重量部以上の発泡剤の存在下で、前記発泡剤を前記スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子に含浸させることを特徴とする発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法であって、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して50重量部以上の発泡剤の存在下で、前記発泡剤を前記スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子に含浸させることを特徴とする発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法が提供される。
本発明の発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子は、従来の発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子の課題であったビーズライフを改善するためにポリスチレン系樹脂成分を増やしても、耐割れ性に優れた発泡成形体を提供できる。
本発明の発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子(発泡性樹脂粒子)は、
(1)ポリオレフィン系樹脂100重量部と、ポリスチレン系樹脂を120〜560重量部と、発泡剤とを含み
(2)発泡性樹脂粒子を予備発泡させて得られる予備発泡粒子をその表面から中心を通って二分割した切片の断面を走査型電子顕微鏡で撮影した場合、予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aを予備発泡粒子の半径の1/2の点を通る気泡の平均気泡径Bで除算した値(以下、A/B値と称する)が2〜6となる予備発泡粒子を形成しうる粒子である。後者の測定法は、実施例の欄で詳説する。また、A/B値は、予備発泡粒子の嵩倍数にほとんど影響されることのない値である。
(1)ポリオレフィン系樹脂100重量部と、ポリスチレン系樹脂を120〜560重量部と、発泡剤とを含み
(2)発泡性樹脂粒子を予備発泡させて得られる予備発泡粒子をその表面から中心を通って二分割した切片の断面を走査型電子顕微鏡で撮影した場合、予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aを予備発泡粒子の半径の1/2の点を通る気泡の平均気泡径Bで除算した値(以下、A/B値と称する)が2〜6となる予備発泡粒子を形成しうる粒子である。後者の測定法は、実施例の欄で詳説する。また、A/B値は、予備発泡粒子の嵩倍数にほとんど影響されることのない値である。
ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されず、公知の樹脂が使用できる。また、ポリオレフィン系樹脂は、架橋していてもよい。例えば、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、これら重合体の架橋体等のポリエチレン系樹脂、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテンランダム共重合体等のポリプロピレン系樹脂が挙げられる。上記例示中、低密度は、0.91〜0.94g/cm3であることが好ましく、0.91〜0.93g/cm3であることがより好ましい。高密度は、0.95〜0.97g/cm3であることが好ましく、0.95〜0.96g/cm3であることがより好ましい。中密度はこれら低密度と高密度の中間の密度である。
ポリスチレン系樹脂としては、ポリスチレン、もしくはスチレンを主成分とし、スチレンと共重合可能な他のモノマーとの共重合体である。主成分とはスチレンが全モノマーの70重量%以上を占めることを意味する。他のモノマーとしては、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、ジビニルベンゼン、ポリエチレングリコールジメタクリレート等が例示される。例示中、アルキルとは、炭素数1〜8のアルキルを意味する。
ポリオレフィン系樹脂としては、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン又はエチレン−酢酸ビニル共重合体であり、ポリスチレン系樹脂は、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸アルキルエステル共重合体又はスチレン−メクリル酸アルキルエステル共重合体であることがより好ましい。上記例示中、低密度は、0.91〜0.93g/cm3であることが好ましい。
ポリスチレン系樹脂は、発泡性樹脂粒子中に、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して120〜560重量部の範囲で含まれる。また、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対するポリスチレン系樹脂の原料のスチレン系モノマーの配合量も、ポリスチレン系樹脂と同じ、120〜560重量部である。
ポリスチレン系樹脂の含有量が560重量部より多いと、発泡成形体の耐割れ性が低下することがある。一方、120重量部より少ないと、耐割れ性は大幅に向上するが、発泡性樹脂粒子の表面からの発泡剤の逸散が速くなる傾向がある。そのため、発泡剤の保持性が低下することによって発泡性樹脂粒子のビーズライフが短くなることがある。より好ましいポリスチレン系樹脂の含有量は140〜450重量部、更に好ましい含有量は150〜400重量部である。
ポリスチレン系樹脂の含有量が560重量部より多いと、発泡成形体の耐割れ性が低下することがある。一方、120重量部より少ないと、耐割れ性は大幅に向上するが、発泡性樹脂粒子の表面からの発泡剤の逸散が速くなる傾向がある。そのため、発泡剤の保持性が低下することによって発泡性樹脂粒子のビーズライフが短くなることがある。より好ましいポリスチレン系樹脂の含有量は140〜450重量部、更に好ましい含有量は150〜400重量部である。
発泡剤の含有量としては、発泡性樹脂粒子に対して、7.5〜11重量%であることが好ましい。発泡剤の含有量が7.5重量%未満であると、発泡性樹脂粒子の発泡性が低下することがある。発泡性が低下すると、嵩倍数の高い低嵩密度の予備発泡粒子が得られ難くなると共に、この予備発泡粒子を型内成形して得られる発泡成形体は融着率が低下し、耐割れ性が低下することがある。一方、11重量%を超えると、嵩倍数65倍以上の低嵩密度の予備発泡粒子を得ることができる。しかし、予備発泡粒子中の気泡サイズが過大となり易く、成形性の低下や、得られる発泡成形体の圧縮、曲げ等の強度特性の低下が発生することがある。より好ましい発泡剤の含有量は、8.0〜10.5重量%の範囲である。
発泡性樹脂粒子の平均粒子径は、800〜2400μmであることが好ましい。800μmを下回る平均粒子径の発泡性樹脂粒子は、その原料のポリオレフィン系樹脂粒子の平均粒子径を小さくする必要がある。その場合、ポリオレフィン系樹脂粒子の収率が悪化してコストアップすることがある。また、発泡剤の保持性が低下してビーズライフが短くなる傾向がある。2400μmを越えると、複雑な形状をした発泡成形体を成形する際、金型への充填性が悪くなる傾向がある。好ましい平均粒子径は、1200〜2000μmである。
本発明の発泡性樹脂粒子は、ポリオレフィン系樹脂粒子中にスチレン系モノマーを含浸重合してポリスチレン系樹脂を生成させることで得ることができる。
ポリオレフィン系樹脂粒子は、公知の方法で得ることができる。例えば、まず、押出機を使用してポリオレフィン系樹脂を溶融押出した後、水中カット、ストランドカット等により造粒することで、ポリオレフィン系樹脂粒子を作製できる。通常、使用するポリオレフィン系樹脂の形状は、例えば、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状又はグラニュラー状である。以下では、ポリオレフィン系樹脂粒子をマイクロペレットとも記す。
ポリオレフィン系樹脂粒子は、公知の方法で得ることができる。例えば、まず、押出機を使用してポリオレフィン系樹脂を溶融押出した後、水中カット、ストランドカット等により造粒することで、ポリオレフィン系樹脂粒子を作製できる。通常、使用するポリオレフィン系樹脂の形状は、例えば、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状又はグラニュラー状である。以下では、ポリオレフィン系樹脂粒子をマイクロペレットとも記す。
ポリオレフィン系樹脂は、ラジカル補足剤が含まれていてもよい。ラジカル捕捉剤は、予めポリオレフィン系樹脂に添加しておくか、もしくは溶融押出と同時に添加してもよい。ラジカル補足剤としては、重合禁止剤(重合抑制剤を含む)、連鎖移動剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤等のラジカルを捕捉する作用を有する化合物で、水に溶解し難いものが好ましい。
重合禁止剤としは、t−ブチルハイドロキノン、パラメトキシフェノール、2,4−ジニトロフェノール、t−ブチルカテコール、sec−プロピルカテコール、N−メチル−N−ニトロソアニリン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニルフォスファイト)、トリエチルフォスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)フォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)フォスファイト、ジフェニルモノデシルフォスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)フォスファイト、ジラウリルハイドロゲンフォスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジフォスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラフォスファイト等のフェノール系重合禁止剤、ニトロソ系重合禁止剤、芳香族アミン系重合禁止剤、亜リン酸エステル系重合禁止剤、チオエーテル系重合禁止剤等が例示される。
また、連鎖移動剤としては、β−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]イソシアヌレート等が例示される。
また、連鎖移動剤としては、β−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]イソシアヌレート等が例示される。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリメチル−2,4、6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3、9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1、1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカン、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4、4’−ビフェニレンジフォスフォナイト、ビス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、フェニル−1−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が例示できる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート等が例示できる。
ラジカル補足剤の使用量としては、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.005〜0.5重量部であることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、他に、タルク、珪酸カルシウム、合成あるいは天然に産出される二酸化ケイ素、エチレンビスステアリン酸アミド、メタクリル酸エステル系共重合体等の発泡核剤、トリアリルイソシアヌレート6臭素化物等の難燃剤、カーボンブラック、酸化鉄、グラファイト等の着色剤等を含んでいてもよい。
ポリオレフィン系樹脂は、他に、タルク、珪酸カルシウム、合成あるいは天然に産出される二酸化ケイ素、エチレンビスステアリン酸アミド、メタクリル酸エステル系共重合体等の発泡核剤、トリアリルイソシアヌレート6臭素化物等の難燃剤、カーボンブラック、酸化鉄、グラファイト等の着色剤等を含んでいてもよい。
次に、マイクロペレットを重合容器内の水性媒体中に分散させ、スチレン系モノマーをマイクロペレットに含浸させながら重合させる。
水性媒体としては、水、水と水溶性溶媒(例えば、アルコール)との混合媒体が挙げられる。
水性媒体としては、水、水と水溶性溶媒(例えば、アルコール)との混合媒体が挙げられる。
スチレン系モノマーは、スチレン及び置換スチレン(置換基には、低級アルキル、ハロゲン原子(特に塩素原子)等が含まれる)のいずれも使用できる。置換スチレンとしては、例えば、クロルスチレン類、p−メチルスチレン等のビニルトルエン類、α−メチルスチレン等が挙げられる。この内、スチレンが一般に好ましい。また、スチレン系モノマーは、スチレンと、置換スチレンとの混合物、スチレンと共重合可能な少量の他のモノマー(例えば、アクリロニトリル、メタクリル酸アルキルエステル(アルキル部分の炭素数1〜8程度)、マレイン酸モノないしジアルキル(アルキル部分の炭素数1〜4程度)、ジビニルベンゼン、エチレングリコールのモノないしジアクリル酸ないしメタクリル酸エステル、無水マレイン酸、N−フェニルマレイド等)との混合物が使用できる。これら混合物中、スチレンが優位量(例えば、50重量%以上)を占めることが好ましい。
なお、スチレン系モノマーには、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、酢酸エチル、アジピン酸ジオクチル、等の溶剤(可塑剤)を添加してもよい。
スチレン系モノマーの使用量は、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して120〜560重量部である。より好ましくは140〜450重量部、更に好ましくは150〜400重量部である。
スチレン系モノマーの使用量は、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して120〜560重量部である。より好ましくは140〜450重量部、更に好ましくは150〜400重量部である。
スチレン系モノマーの使用量が560重量部を超えると、ポリオレフィン系樹脂粒子に含浸されずに、ポリスチレン系樹脂単独の粒子が発生することがある。加えて、発泡成形体の耐割れ性が低下するだけでなく、耐薬品性も低下することがある。一方、120重量部未満であると、発泡性樹脂粒子の発泡剤を保持する能力が低下する場合がある。低下すると、高発泡化が困難となる。また、発泡成形体の剛性も低下することがある。
ポリオレフィン系樹脂粒子へのスチレン系モノマーの含浸は、重合させつつ行ってもよく、重合を開始する前に行ってもよい。この内、重合させつつ行うことが好ましい。なお、含浸させた後に重合を行う場合、ポリオレフィン系樹脂粒子の表面近傍でのスチレン系モノマーの重合が起こり易い。また、ポリオレフィン系樹脂粒子中に含浸されなかったスチレン系モノマーが単独で重合し易い。その結果、多量の微粒子状のポリスチレン系樹脂粒子が生成する場合がある。
重合させつつ含浸を行う場合、上記含有量を算出する場合のポリオレフィン系樹脂粒子とは、ポリオレフィン系樹脂と含浸されたスチレン系モノマー、更に含浸されて既に重合したポリスチレン系樹脂とから構成された粒子を意味する。
重合させつつ含浸を行う場合、上記含有量を算出する場合のポリオレフィン系樹脂粒子とは、ポリオレフィン系樹脂と含浸されたスチレン系モノマー、更に含浸されて既に重合したポリスチレン系樹脂とから構成された粒子を意味する。
含有量を0〜35重量%に維持するために、スチレン系モノマーを重合容器内の水性媒体に連続的にあるいは断続的に添加できる。特に、スチレン系モノマーを水性媒体中に徐々に添加していくのが好ましい
スチレン系モノマーの重合には、油溶性のラジカル重合開始剤を使用できる。この重合開始剤としては、スチレン系モノマーの重合に汎用されている重合開始剤を使用できる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ヘキシルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−アミルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシビバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。なお、これら油溶性のラジカル重合開始剤は、単独で用いられても併用されてもよい。
スチレン系モノマーの重合には、油溶性のラジカル重合開始剤を使用できる。この重合開始剤としては、スチレン系モノマーの重合に汎用されている重合開始剤を使用できる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ヘキシルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−アミルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシビバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。なお、これら油溶性のラジカル重合開始剤は、単独で用いられても併用されてもよい。
重合開始剤を重合容器内の水性媒体に添加する方法としては、種々の方法が挙げられる。例えば、
(1)重合容器とは別の容器内でスチレン系モノマーに重合開始剤を溶解して含有させ、このスチレン系モノマーを重合容器内に供給する方法、
(2)重合開始剤をスチレン系モノマーの一部、イソパラフィン等の溶剤又は可塑剤に溶解させて溶液を作製する。この溶液と、所定量のスチレン系モノマーとを重合容器内に同時に供給する方法、
(3)重合開始剤を水性媒体に分散させた分散液を作製する。この分散液とスチレン系モノマーとを重合容器内に供給する方法
等が挙げられる。
上記重合開始剤の使用量は、通常スチレン系モノマーの使用総量の0.02〜2.0重量%添加することが好ましい。
(1)重合容器とは別の容器内でスチレン系モノマーに重合開始剤を溶解して含有させ、このスチレン系モノマーを重合容器内に供給する方法、
(2)重合開始剤をスチレン系モノマーの一部、イソパラフィン等の溶剤又は可塑剤に溶解させて溶液を作製する。この溶液と、所定量のスチレン系モノマーとを重合容器内に同時に供給する方法、
(3)重合開始剤を水性媒体に分散させた分散液を作製する。この分散液とスチレン系モノマーとを重合容器内に供給する方法
等が挙げられる。
上記重合開始剤の使用量は、通常スチレン系モノマーの使用総量の0.02〜2.0重量%添加することが好ましい。
水性媒体中には、水溶性のラジカル重合禁止剤を溶解させておくことが好ましい。水溶性のラジカル重合禁止剤はポリオレフィン系樹脂粒子表面におけるスチレン系モノマーの重合を抑制するだけでなく、水性媒体中に浮遊するスチレン系モノマーが単独で重合するのを防止して、ポリスチレン系樹脂の微粒子の生成を減らすことができるからである。
水溶性のラジカル重合禁止剤としては、水100gに対して1g以上溶解する重合禁止剤が使用でき、例えば、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸亜鉛、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アルミニウム等のチオシアン酸塩、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸アンモニウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸銀、亜硝酸ストロンチウム、亜硝酸セシウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸リチウム、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム等の亜硝酸塩、メルカプトエタノール、モノチオプロピレングリコール、チオグリセロール、チオグリコール酸、チオヒドロアクリル酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸、チオエタノールアミン、1,2−ジチオグリセロール、1,3−ジチオグリセロール等の水溶性イオウ含有有機化合物、更にアスコルビン酸、アスコルビン酸ソーダ等を挙げることができる。これらの中でも特に亜硝酸塩が好ましい。
上記水溶性のラジカル重合禁止剤の使用量としては、水性媒体の水100重量部に対して0.001〜0.04重量部が好ましい。
なお、上記水性媒体中に分散剤を添加しておくことが好ましい。このような分散剤としては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等の有機系分散剤、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム等の無機系分散剤が挙げられる。この内、無機系分散剤が好ましい。
無機系分散剤を用いる場合には、界面活性剤を併用することが好ましい。このような界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダ等が挙げられる。
なお、上記水性媒体中に分散剤を添加しておくことが好ましい。このような分散剤としては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等の有機系分散剤、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム等の無機系分散剤が挙げられる。この内、無機系分散剤が好ましい。
無機系分散剤を用いる場合には、界面活性剤を併用することが好ましい。このような界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダ等が挙げられる。
重合容器の形状及び構造としては、従来からスチレン系モノマーの懸濁重合に用いられているものであれば、特に限定されない。
また、攪拌翼の形状についても特に限定はなく、具体的には、V型パドル翼、ファードラー翼、傾斜パドル翼、平パドル翼、プルマージン翼等のパドル翼、タービン翼、ファンタービン翼等のタービン翼、マリンプロペラ翼のようなプロペラ翼等が挙げられる。これら攪拌翼の内では、パドル翼が好ましい。攪拌翼は、単段翼であっても多段翼であってもよい。重合容器に邪魔板(バッフル)を設けてもよい。
また、攪拌翼の形状についても特に限定はなく、具体的には、V型パドル翼、ファードラー翼、傾斜パドル翼、平パドル翼、プルマージン翼等のパドル翼、タービン翼、ファンタービン翼等のタービン翼、マリンプロペラ翼のようなプロペラ翼等が挙げられる。これら攪拌翼の内では、パドル翼が好ましい。攪拌翼は、単段翼であっても多段翼であってもよい。重合容器に邪魔板(バッフル)を設けてもよい。
また、スチレン系モノマーをマイクロペレット中にて重合させる際の水性媒体の温度は、特に限定されないが、使用するポリオレフィン系樹脂の融点の−30〜+20℃の範囲であることが好ましい。より具体的には、70〜140℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。更に、水性媒体の温度は、スチレン系モノマーの重合開始から終了までの間、一定温度であってもよいし、段階的に上昇させてもよい。水性媒体の温度を上昇させる場合には、0.1〜2℃/分の昇温速度で上昇させることが好ましい。
更に、架橋したポリオレフィン系樹脂からなる粒子を使用する場合、架橋は、スチレン系モノマーを含浸させる前に予め行なっておいてもよいし、マイクロペレット中にスチレン系モノマーを含浸、重合させている間に行なってもよいし、マイクロペレット中にスチレン系モノマーを含浸、重合させた後に行なってもよい。
更に、架橋したポリオレフィン系樹脂からなる粒子を使用する場合、架橋は、スチレン系モノマーを含浸させる前に予め行なっておいてもよいし、マイクロペレット中にスチレン系モノマーを含浸、重合させている間に行なってもよいし、マイクロペレット中にスチレン系モノマーを含浸、重合させた後に行なってもよい。
ポリオレフィン系樹脂の架橋に用いられる架橋剤としては、例えば、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン等の有機過酸化物が挙げられる。なお、架橋剤は、単独でも二種以上併用してもよい。また、架橋剤の使用量は、通常、ポリオレフィン系樹脂粒子(マイクロペレット)100重量部に対して0.05〜1.0重量部が好ましい。
架橋剤を添加する方法としては、例えば、架橋剤をポリオレフィン系樹脂に直接添加する方法、溶剤、可塑剤又はスチレン系モノマーに架橋剤を溶解させた上で添加する方法、架橋剤を水に分散させた上で添加する方法等が挙げられる。この内、スチレン系モノマーに架橋剤を溶解させた上で添加する方法が好ましい。
本発明の発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子(以後、発泡性樹脂粒子と記す)を得るために、上記スチレン系モノマーの含浸及び重合終了後に発泡剤を含浸させる。発泡剤の含浸は、改質樹脂粒子100重量部に対して50重量部以上の発泡剤存在下で行われる。これは改質樹脂粒子を過剰量の発泡剤に接触及び/又は浸漬することで、改質樹脂粒子に発泡剤を含浸させることに対応している。含浸法の一例として、発泡剤と改質樹脂粒子とを混合する方法、改質樹脂粒子が保持された容器中に発泡剤を循環させる方法等が挙げられる。
また、発泡剤を含浸させる含浸温度をY(℃)、恒温時間をX(分)、発泡剤の含有量をxとすると、式Y=−[(1/4)x+2]LnX+4x+19が7.5≦x≦11の範囲で成り立つ。Yは25〜50℃、Xは10〜2000分であることが好ましい。
発泡剤の含有量であるxが7.5、8.5、10及び11の場合の含浸温度Yと恒温時間Xとの関係を示す式をプロットした結果を図1に示す。図1中の□は7.5、○は8.5、◇は10、△は11の場合の実際の測定値を意味している。図1から明らかなように、上記式と実際の測定値とは精度よく一致している。
発泡剤の含有量であるxが7.5、8.5、10及び11の場合の含浸温度Yと恒温時間Xとの関係を示す式をプロットした結果を図1に示す。図1中の□は7.5、○は8.5、◇は10、△は11の場合の実際の測定値を意味している。図1から明らかなように、上記式と実際の測定値とは精度よく一致している。
発泡剤としては、公知の種々の揮発性発泡剤が使用できる。特に、ペンタンを用いることが好ましい。ペンタンとしては、ノルマルペンタン、イソペンタンの単独又は混合物、工業用ペンタン、石油エーテルが挙げられる。また、シクロヘキサン、シクロペンタン、ヘキサン等を少量併用してもよい。発泡剤中、ペンタンの含量は、80重量%以上であることが好ましい。
更に、発泡助剤を用いてもよい。発泡助剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、d−リモネン等の溶剤、ジイソブチルアジペート、グリセリン、ジアセチル化モノラウレート、やし油等の可塑剤(高沸点溶剤)が挙げられる。なお、発泡助剤の添加量としては、改質樹脂粒子100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましい。
更に、発泡助剤を用いてもよい。発泡助剤としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、シクロヘキサン、d−リモネン等の溶剤、ジイソブチルアジペート、グリセリン、ジアセチル化モノラウレート、やし油等の可塑剤(高沸点溶剤)が挙げられる。なお、発泡助剤の添加量としては、改質樹脂粒子100重量部に対して0.5〜10重量部が好ましい。
発泡剤を所定温度で所定時間含浸後、発泡剤を除去し、再度、発泡性樹脂粒子を密閉容器に充填し、12時間以上、70℃以下の環境下で養生させてもよい。養生条件に関して、特に制限は無いが、12時間以下であると養生が十分でない場合があるので好ましくない。また70℃より高いと発泡性樹脂粒子が密閉容器内で結合する場合があるので好ましくない。
次に、発泡性樹脂粒子から予備発泡粒子、更に発泡成形体を得る方法について説明する。
発泡剤が含浸された発泡性樹脂粒子を、必要に応じて、水蒸気等の加熱媒体を用いて加熱して所定の嵩密度に予備発泡させることで、予備発泡粒子を得ることができる。
予備発泡粒子は、嵩倍数5〜60倍(嵩密度0.016〜0.2g/cm3)を有している。好ましい嵩倍数は10〜55倍である。嵩倍数が60倍より大きいと、発泡粒子の独立気泡率が低下して、予備発泡粒子を発泡させて得られる発泡成形体の強度が低下することがある。一方、5倍より小さいと、予備発泡粒子を発泡させて得られる発泡成形体の重量が増加することがある。
発泡剤が含浸された発泡性樹脂粒子を、必要に応じて、水蒸気等の加熱媒体を用いて加熱して所定の嵩密度に予備発泡させることで、予備発泡粒子を得ることができる。
予備発泡粒子は、嵩倍数5〜60倍(嵩密度0.016〜0.2g/cm3)を有している。好ましい嵩倍数は10〜55倍である。嵩倍数が60倍より大きいと、発泡粒子の独立気泡率が低下して、予備発泡粒子を発泡させて得られる発泡成形体の強度が低下することがある。一方、5倍より小さいと、予備発泡粒子を発泡させて得られる発泡成形体の重量が増加することがある。
更に、予備発泡粒子を成形機の型内に充填し、加熱して二次発泡させ、予備発泡粒子同士を融着一体化させることによって所望形状を有する発泡成形体を得ることができる。上記成形機としては、ポリスチレン系樹脂予備発泡粒子から発泡成形体を製造する際に用いられるEPS成形機等を用いることができる。
得られた発泡成形体は、家電製品等の緩衝材(クッション材)、電子部品、各種工業資材、食品等の搬送容器等の用途に用いることができる。また、車輛用バンパーの芯材、ドア内装緩衝材等の衝撃エネルギー吸収材として好適に用いることもできる。
得られた発泡成形体は、家電製品等の緩衝材(クッション材)、電子部品、各種工業資材、食品等の搬送容器等の用途に用いることができる。また、車輛用バンパーの芯材、ドア内装緩衝材等の衝撃エネルギー吸収材として好適に用いることもできる。
以下実施例を挙げて更に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
<発泡性樹脂粒子の発泡剤含有量>
発泡性樹脂粒子を5〜20mg精秤し、測定試料とする。この測定試料を180〜200℃に保持された熱分解炉(島津製作所社製:PYR−1A)にセットし、測定試料を密閉後、120秒間に亘って加熱して発泡剤成分を放出させる。この放出された発泡剤成分をガスクロマトグラフ(島津製作所社製:GC−14B、検出器:FID)を用いて下記条件にて発泡剤成分のチャートを得る。予め測定しておいた発泡剤成分の検量線に基づいて、得られたチャートから発泡性樹脂粒子中の発泡剤含有量(重量%)を算出する。
ガスクロマトグラフの測定条件
カラム:信和化工社製「Shimalite 60/80 NAW」(φ3mm×3m)
カラム温度:70℃
検出器温度:110℃
注入口温度:110℃
キャリアーガス:窒素
キャリアーガス流量:60ml/min
<発泡成形体表面のノビ(平滑性)評価>
所定の嵩倍数の発泡成形体から任意に50mm×50mmの表皮付き試験片を切り出し、試験片表面(表皮面)の粒子間の個数を計測する。計測する粒子間とは、予備発泡粒子が3個以上で接している接点のことをいう。次に粒子間のピンホール(くぼみ)の個数を計測する。
上記の計測結果から下記式により発泡成形体表面のノビ(平滑性)を算出する。
発泡成形体のノビ(平滑性)=(1−粒子間ピンホール個数/全粒子間個数)×5
判定基準は、発泡成形体のノビが4以上を○、4未満を×とする。
<予備発泡条件>
スチームで予熱した常圧予備発泡機(機内容積50L)に発泡性樹脂粒子500〜2000g投入し、撹拌しながら約0.02MPaの設定でスチームを導入しつつ、空気も供給して、約2〜3分間で所定の嵩密度(嵩倍数)まで発泡させる。
<発泡性樹脂粒子の発泡剤含有量>
発泡性樹脂粒子を5〜20mg精秤し、測定試料とする。この測定試料を180〜200℃に保持された熱分解炉(島津製作所社製:PYR−1A)にセットし、測定試料を密閉後、120秒間に亘って加熱して発泡剤成分を放出させる。この放出された発泡剤成分をガスクロマトグラフ(島津製作所社製:GC−14B、検出器:FID)を用いて下記条件にて発泡剤成分のチャートを得る。予め測定しておいた発泡剤成分の検量線に基づいて、得られたチャートから発泡性樹脂粒子中の発泡剤含有量(重量%)を算出する。
ガスクロマトグラフの測定条件
カラム:信和化工社製「Shimalite 60/80 NAW」(φ3mm×3m)
カラム温度:70℃
検出器温度:110℃
注入口温度:110℃
キャリアーガス:窒素
キャリアーガス流量:60ml/min
<発泡成形体表面のノビ(平滑性)評価>
所定の嵩倍数の発泡成形体から任意に50mm×50mmの表皮付き試験片を切り出し、試験片表面(表皮面)の粒子間の個数を計測する。計測する粒子間とは、予備発泡粒子が3個以上で接している接点のことをいう。次に粒子間のピンホール(くぼみ)の個数を計測する。
上記の計測結果から下記式により発泡成形体表面のノビ(平滑性)を算出する。
発泡成形体のノビ(平滑性)=(1−粒子間ピンホール個数/全粒子間個数)×5
判定基準は、発泡成形体のノビが4以上を○、4未満を×とする。
<予備発泡条件>
スチームで予熱した常圧予備発泡機(機内容積50L)に発泡性樹脂粒子500〜2000g投入し、撹拌しながら約0.02MPaの設定でスチームを導入しつつ、空気も供給して、約2〜3分間で所定の嵩密度(嵩倍数)まで発泡させる。
<型内成形条件>
予備発泡粒子を成形機の金型内に充填し、次の条件でスチーム加熱及び冷却した後に発泡成形体を金型から取り出す。
成形機:積水工機製作所社製ACE−3SP
金型寸法:300mm(幅)×400mm(長さ)×50mm(厚さ)
成形条件 金型加熱:5秒
一方加熱:10秒
逆一方加熱:5秒
両面加熱:20秒
水冷:40秒
真空冷却:最高面圧が0.01kgf/cm2以下になるまで
設定スチーム圧:0.6〜1.0kgf/cm2
予備発泡粒子を成形機の金型内に充填し、次の条件でスチーム加熱及び冷却した後に発泡成形体を金型から取り出す。
成形機:積水工機製作所社製ACE−3SP
金型寸法:300mm(幅)×400mm(長さ)×50mm(厚さ)
成形条件 金型加熱:5秒
一方加熱:10秒
逆一方加熱:5秒
両面加熱:20秒
水冷:40秒
真空冷却:最高面圧が0.01kgf/cm2以下になるまで
設定スチーム圧:0.6〜1.0kgf/cm2
<予備発泡粒子の嵩密度及び嵩倍数>
約5gの予備発泡粒子の重量(a)を小数以下2位で秤量する。次に、最小メモリ単位が5cm3である500cm3メスシリンダーに秤量した予備発泡粒子を入れ、これにメスシリンダーの口径よりやや小さい円形の樹脂板であって、その中心に巾約1.5cm、長さ約30cmの棒状の樹脂板が直立して固定された押圧具をあてて、予備発泡粒子の体積(b)を読み取り、式(a)/(b)により予備発泡粒子の嵩密度(g/cm3)を求める。なお、嵩倍数は嵩密度の逆数、すなわち式(b)/(a)とする。
約5gの予備発泡粒子の重量(a)を小数以下2位で秤量する。次に、最小メモリ単位が5cm3である500cm3メスシリンダーに秤量した予備発泡粒子を入れ、これにメスシリンダーの口径よりやや小さい円形の樹脂板であって、その中心に巾約1.5cm、長さ約30cmの棒状の樹脂板が直立して固定された押圧具をあてて、予備発泡粒子の体積(b)を読み取り、式(a)/(b)により予備発泡粒子の嵩密度(g/cm3)を求める。なお、嵩倍数は嵩密度の逆数、すなわち式(b)/(a)とする。
<発泡成形体の密度及び倍数>
発泡成形体(成形後、40℃で20時間以上乾燥させたもの)から切り出した試験片(例75×300×35mm)の重量(a)と体積(b)をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定し、式(a)/(b)により発泡成形体の密度(g/cm3)を求める。なお、倍数は密度の逆数、すなわち式(b)/(a)とする。
発泡成形体(成形後、40℃で20時間以上乾燥させたもの)から切り出した試験片(例75×300×35mm)の重量(a)と体積(b)をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定し、式(a)/(b)により発泡成形体の密度(g/cm3)を求める。なお、倍数は密度の逆数、すなわち式(b)/(a)とする。
<発泡成形体の落球衝撃強度>
JIS K 7211に準拠し、所定の嵩倍数の発泡成形体から切り出した215mm(長さ)×40mm(幅)×20mm(厚さ)の試験片を支点間の間隔150mmの上に載置して、321gの剛球を落とし、落球衝撃値、すなわち50%破壊高さを次の計算式により算出する。なお、試験片は、6面とも表皮は無いものとする。
H50=Hi+d[Σ(i・ni)/N±0.5]
H50:50%破壊高さ(cm)
Hi:高さ水準(i)が0のときの試験高さ(cm)であり、試験片が破壊することが予測される高さ
d:試験高さを上下させるときの高さ間隔(cm)
i:Hiのときを0とし,1つずつ増減する高さ水準
(i=…−3、−2、−1、0、1、2、3…)
ni:各水準において破壊した(又は破壊しなかった)試験片の数
N:破壊した(又は破壊しなかった)試験片の総数(N=Σni)(いずれか多いほうのデータを使用する。なお、同数の場合はどちらを使用してもよい。)
±0.5:破壊したデータを使用するときは負を、破壊しなかったデータを使用するときは正をとる。判定基準は、50倍の発泡成形体の場合、20cm以上を○、20cm未満を×とし、30倍の発泡成形体の場合、40cm以上を○、40cm未満を×とし、15倍の発泡成形体の場合、75cm以上を○、75cm未満を×とする。
JIS K 7211に準拠し、所定の嵩倍数の発泡成形体から切り出した215mm(長さ)×40mm(幅)×20mm(厚さ)の試験片を支点間の間隔150mmの上に載置して、321gの剛球を落とし、落球衝撃値、すなわち50%破壊高さを次の計算式により算出する。なお、試験片は、6面とも表皮は無いものとする。
H50=Hi+d[Σ(i・ni)/N±0.5]
H50:50%破壊高さ(cm)
Hi:高さ水準(i)が0のときの試験高さ(cm)であり、試験片が破壊することが予測される高さ
d:試験高さを上下させるときの高さ間隔(cm)
i:Hiのときを0とし,1つずつ増減する高さ水準
(i=…−3、−2、−1、0、1、2、3…)
ni:各水準において破壊した(又は破壊しなかった)試験片の数
N:破壊した(又は破壊しなかった)試験片の総数(N=Σni)(いずれか多いほうのデータを使用する。なお、同数の場合はどちらを使用してもよい。)
±0.5:破壊したデータを使用するときは負を、破壊しなかったデータを使用するときは正をとる。判定基準は、50倍の発泡成形体の場合、20cm以上を○、20cm未満を×とし、30倍の発泡成形体の場合、40cm以上を○、40cm未満を×とし、15倍の発泡成形体の場合、75cm以上を○、75cm未満を×とする。
<予備発泡粒子の平均気泡径>
ASTM D2842−69の試験方法に準拠し、以下のように予備発泡粒子の平均気泡径を測定する。
まず、嵩倍数5〜60倍、好ましくは嵩倍数15倍、30倍、50倍に予備発泡させた予備発泡粒子を作製する。次に、任意に予備発泡粒子を10個採取し、それぞれ剃刀により表面から中心を通って2分割する。2分割した切片の断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所社製S−3000N)で15〜30倍(場合により200倍)に拡大して撮影する。次に、撮影した画像をA4用紙上に1画像ずつ印刷する。印刷された画像から、図2に示すように、表皮層の長さとこの表皮層に接している気泡数と、半径の1/2の点を通る曲線の長さとこの曲線上の気泡数を計測する(曲線に接している気泡も計測する)。
ASTM D2842−69の試験方法に準拠し、以下のように予備発泡粒子の平均気泡径を測定する。
まず、嵩倍数5〜60倍、好ましくは嵩倍数15倍、30倍、50倍に予備発泡させた予備発泡粒子を作製する。次に、任意に予備発泡粒子を10個採取し、それぞれ剃刀により表面から中心を通って2分割する。2分割した切片の断面を走査型電子顕微鏡(日立製作所社製S−3000N)で15〜30倍(場合により200倍)に拡大して撮影する。次に、撮影した画像をA4用紙上に1画像ずつ印刷する。印刷された画像から、図2に示すように、表皮層の長さとこの表皮層に接している気泡数と、半径の1/2の点を通る曲線の長さとこの曲線上の気泡数を計測する(曲線に接している気泡も計測する)。
計測結果から下記式により気泡の平均弦長(t)をそれぞれ算出する。
平均弦長(t)=線長/(気泡数×写真の倍率)
そして、それぞれの平均弦長(t)を用いて、次式により予備発泡粒子の断面の表皮層に接している気泡の気泡径(a)と半径の1/2の点を通る曲線上あるいは曲線に接している気泡の気泡径(b)をそれぞれ算出する。
気泡径(aあるいはb)=t/0.616
更に、それらの算術平均を予備発泡粒子の断面の表皮層に接している気泡の平均気泡径(A)と半径の1/2の点を通る曲線上あるいは曲線に接している気泡の平均気泡径(B)とする。
平均気泡径(AあるいはB)(mm)=(気泡径n=1+気泡径n=2+・・・+気泡径n=10)/10
平均弦長(t)=線長/(気泡数×写真の倍率)
そして、それぞれの平均弦長(t)を用いて、次式により予備発泡粒子の断面の表皮層に接している気泡の気泡径(a)と半径の1/2の点を通る曲線上あるいは曲線に接している気泡の気泡径(b)をそれぞれ算出する。
気泡径(aあるいはb)=t/0.616
更に、それらの算術平均を予備発泡粒子の断面の表皮層に接している気泡の平均気泡径(A)と半径の1/2の点を通る曲線上あるいは曲線に接している気泡の平均気泡径(B)とする。
平均気泡径(AあるいはB)(mm)=(気泡径n=1+気泡径n=2+・・・+気泡径n=10)/10
<予備発泡粒子のポリスチレン系樹脂比率>
吸光度比(A698/A2850)を下記の要領で測定し、予備発泡粒子あるいは発泡成形体のポリスチレン系樹脂比率を測定することを目的とする。
予備発泡粒子の場合、任意に10個採取し、それぞれ剃刀により表面から中心を通って2分割し、2分割した切片の断面をATR法赤外分光分析を行って赤外吸収スペクトルを得る。
発泡成形体の場合、発泡成形体より任意に粒子を10個採取し、それぞれ剃刀により表面から中心を通って2分割し、2分割した切片の断面をATR法赤外分光分析を行って赤外吸収スペクトルを得る。
ここで粒子中心部の測定では、各予備発泡粒子を2等分(例えば、粒子径5mmの予備発泡粒子を2.5±0.5mmに切断する)し、更にその断面にATRプリズムを密着させて測定する。
各赤外吸収スペクトルから吸光度比(A698/A2850)をそれぞれ算出し、最小の吸光度比と最大の吸光度比を除外する。そして、残余8個の吸光度比の相加平均を吸光度比(A698/A2850))とする。なお、吸光度は、Nicolet社から商品名「フーリエ変換赤外分光光度計 MAGNA560」で販売されている測定装置を用いて測定する。
標準試料は、次の方法により得る。まず、組成割合(ポリスチレン系樹脂/ポリエチレン系樹脂)が下記比率になるように測定しようとする複合樹脂粒子に含まれるものと同じ組成のポリスチレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂を合計2g精秤する。
組成割合(PS/PE;質量比):0/10=PE系樹脂のみ、1/9、2/8、3/7、4/6、5/5、6/4、7/3、8/2、10/0=PS樹脂のみ
これを小型射出成形機にて下記条件に加熱混練して、直径が25mmでかつ高さが2mmの円柱状に成形することによって標準試料を得る。
なお、小型射出成形機としては、例えば、CSI社から商品名「CS−183」で販売されているものを用い、例えば、下記の条件で成形できる。
射出成形条件:加熱温度200〜250℃、混練時間10分
上記比率の標準試料の吸光度比を前記測定装置で測定し、ポリスチレン系樹脂比率(質量%)と吸光度比(A698/A2850)の関係をグラフ化することで、図9の検量線が得られる。
図9において、ポリスチレン系樹脂比率が30質量%以下の場合、検量線は下記の式(1)で近似される。
Y=21.112X (1)
また、図9において、ポリスチレン系樹脂比率が30質量%以上80質量%未満の場合、検量線は下記の式で近似される。
Y=28.415Ln(X)+20.072 (2)
更に、図9において、ポリスチレン系樹脂比率が80質量%以上の場合、検量線は下記の式で近似される。
Y=12.577Ln(X)+53.32 (3)
なお、上記式において、Xは吸光度比(A698/A2850)を示し、Yはポリスチレン系樹脂比率を示す。
予備発泡粒子あるいは発泡成形体試料のポリスチレン系樹脂比率(質量%)が、図9の検量線を基に算出される。
吸光度比(A698/A2850)を下記の要領で測定し、予備発泡粒子あるいは発泡成形体のポリスチレン系樹脂比率を測定することを目的とする。
予備発泡粒子の場合、任意に10個採取し、それぞれ剃刀により表面から中心を通って2分割し、2分割した切片の断面をATR法赤外分光分析を行って赤外吸収スペクトルを得る。
発泡成形体の場合、発泡成形体より任意に粒子を10個採取し、それぞれ剃刀により表面から中心を通って2分割し、2分割した切片の断面をATR法赤外分光分析を行って赤外吸収スペクトルを得る。
ここで粒子中心部の測定では、各予備発泡粒子を2等分(例えば、粒子径5mmの予備発泡粒子を2.5±0.5mmに切断する)し、更にその断面にATRプリズムを密着させて測定する。
各赤外吸収スペクトルから吸光度比(A698/A2850)をそれぞれ算出し、最小の吸光度比と最大の吸光度比を除外する。そして、残余8個の吸光度比の相加平均を吸光度比(A698/A2850))とする。なお、吸光度は、Nicolet社から商品名「フーリエ変換赤外分光光度計 MAGNA560」で販売されている測定装置を用いて測定する。
標準試料は、次の方法により得る。まず、組成割合(ポリスチレン系樹脂/ポリエチレン系樹脂)が下記比率になるように測定しようとする複合樹脂粒子に含まれるものと同じ組成のポリスチレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂を合計2g精秤する。
組成割合(PS/PE;質量比):0/10=PE系樹脂のみ、1/9、2/8、3/7、4/6、5/5、6/4、7/3、8/2、10/0=PS樹脂のみ
これを小型射出成形機にて下記条件に加熱混練して、直径が25mmでかつ高さが2mmの円柱状に成形することによって標準試料を得る。
なお、小型射出成形機としては、例えば、CSI社から商品名「CS−183」で販売されているものを用い、例えば、下記の条件で成形できる。
射出成形条件:加熱温度200〜250℃、混練時間10分
上記比率の標準試料の吸光度比を前記測定装置で測定し、ポリスチレン系樹脂比率(質量%)と吸光度比(A698/A2850)の関係をグラフ化することで、図9の検量線が得られる。
図9において、ポリスチレン系樹脂比率が30質量%以下の場合、検量線は下記の式(1)で近似される。
Y=21.112X (1)
また、図9において、ポリスチレン系樹脂比率が30質量%以上80質量%未満の場合、検量線は下記の式で近似される。
Y=28.415Ln(X)+20.072 (2)
更に、図9において、ポリスチレン系樹脂比率が80質量%以上の場合、検量線は下記の式で近似される。
Y=12.577Ln(X)+53.32 (3)
なお、上記式において、Xは吸光度比(A698/A2850)を示し、Yはポリスチレン系樹脂比率を示す。
予備発泡粒子あるいは発泡成形体試料のポリスチレン系樹脂比率(質量%)が、図9の検量線を基に算出される。
実施例1
エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子(日本ユニカー社製、NUC−3450)を押出機にて加熱混合して水中カット方式により造粒ペレット化した(エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子は100粒あたり80mgに調整した)。このエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子10.5kgを攪拌機付100Lオートクレーブに入れた。更に、水性媒体としての純水45kg、ピロリン酸マグネシウム315g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.6gを加えた。得られた混合物を、攪拌することで水性媒体の懸濁液とし、10分間常温(約25℃)に保持し、その後60℃に昇温した。
次いで、この懸濁液に、ジクミルパーオキサイド5.4gを溶解させたスチレンモノマー4.5kgを30分かけて滴下した。滴下後、30分60℃に保持し、ポリエチレン系樹脂粒子にスチレンモノマーを吸収させた。吸収後130℃に昇温し、この温度で1時間45分攪拌を続けた。
エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子(日本ユニカー社製、NUC−3450)を押出機にて加熱混合して水中カット方式により造粒ペレット化した(エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子は100粒あたり80mgに調整した)。このエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子10.5kgを攪拌機付100Lオートクレーブに入れた。更に、水性媒体としての純水45kg、ピロリン酸マグネシウム315g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.6gを加えた。得られた混合物を、攪拌することで水性媒体の懸濁液とし、10分間常温(約25℃)に保持し、その後60℃に昇温した。
次いで、この懸濁液に、ジクミルパーオキサイド5.4gを溶解させたスチレンモノマー4.5kgを30分かけて滴下した。滴下後、30分60℃に保持し、ポリエチレン系樹脂粒子にスチレンモノマーを吸収させた。吸収後130℃に昇温し、この温度で1時間45分攪拌を続けた。
その後、90℃の温度に下げ、この懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ11.4gを加えた。その後、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド39.2g、t−ブチルパーオキシベンゾエート4.9gと架橋剤としてのジクミルパーオキサイド115.5gとを溶解したスチレンモノマー6.2kgを2時間かけて滴下した。次いで、エチレンビスステアリン酸アミド42gを溶解したスチレンモノマー13.8kgを2時間かけて滴下した。
滴下終了後、90℃で1時間保持し、次いで、143℃に昇温し、その温度で2時間保持して重合を完結させた。その後、常温まで冷却し、粒子を取り出した。
滴下終了後、90℃で1時間保持し、次いで、143℃に昇温し、その温度で2時間保持して重合を完結させた。その後、常温まで冷却し、粒子を取り出した。
以上の工程により、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子100重量部に対してスチレン系モノマーを233重量部使用したスチレン改質樹脂粒子を得た。
このスチレン改質樹脂粒子2kgとイソペンタン2Lを耐圧攪拌機付5Lオートクレーブに投入し、40℃に昇温し、その温度で86分間撹拌した。その後、25℃まで冷却して発泡性樹脂粒子を取り出した。得られた発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は10.10重量%であった。
取り出した発泡性樹脂粒子をすぐに1Lアルミ製密閉容器に約600g充填し、30℃オーブンに入れ、24時間保管した(養生工程)。
このスチレン改質樹脂粒子2kgとイソペンタン2Lを耐圧攪拌機付5Lオートクレーブに投入し、40℃に昇温し、その温度で86分間撹拌した。その後、25℃まで冷却して発泡性樹脂粒子を取り出した。得られた発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は10.10重量%であった。
取り出した発泡性樹脂粒子をすぐに1Lアルミ製密閉容器に約600g充填し、30℃オーブンに入れ、24時間保管した(養生工程)。
その後、養生した発泡性樹脂粒子を嵩倍数50倍を狙って予備発泡させることで、嵩倍数50倍の予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは1030μmであり、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは230μmであった。比率A/Bは4.5であった。
得られた予備発泡粒子を1日間室温に放置した後、400mm(長さ)×300mm(幅)×50mm(厚さ)の大きさの成形用金型内に入れた。この金型に、0.8kgf/cm2の水蒸気を40秒間導入して加熱した。その後、発泡成形体の最高面圧が0.1kgf/cm2に低下するまで冷却して、倍数50倍の発泡成形体を取り出した。得られた発泡成形体は、ノビが5であり、外観が美麗であり、落球衝撃強度が25.5cmであった。
更に、嵩倍数50倍の予備発泡粒子の中心部のポリスチレン系樹脂比率は69質量%であり、略配合比率通りであった。
得られた予備発泡粒子を1日間室温に放置した後、400mm(長さ)×300mm(幅)×50mm(厚さ)の大きさの成形用金型内に入れた。この金型に、0.8kgf/cm2の水蒸気を40秒間導入して加熱した。その後、発泡成形体の最高面圧が0.1kgf/cm2に低下するまで冷却して、倍数50倍の発泡成形体を取り出した。得られた発泡成形体は、ノビが5であり、外観が美麗であり、落球衝撃強度が25.5cmであった。
更に、嵩倍数50倍の予備発泡粒子の中心部のポリスチレン系樹脂比率は69質量%であり、略配合比率通りであった。
実施例2
発泡性樹脂粒子を得るための条件を86分から45分に変更したこと以外は実施例1と同様に発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は8.52重量%であった。
嵩倍数50倍の予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは640μm、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは300μmであった。比率A/Bは2.1であった。
倍数50倍の発泡成形体は、ノビが4.5であり、外観が美麗であり、落球衝撃強度が23.5cmであった。
発泡性樹脂粒子を得るための条件を86分から45分に変更したこと以外は実施例1と同様に発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は8.52重量%であった。
嵩倍数50倍の予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは640μm、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは300μmであった。比率A/Bは2.1であった。
倍数50倍の発泡成形体は、ノビが4.5であり、外観が美麗であり、落球衝撃強度が23.5cmであった。
実施例3
発泡性樹脂粒子を得るための揮発性発泡剤をイソペンタンからイソペンタン/ノルマルペンタン=20/80の混合ペンタンに変更したことと、条件を40℃で86分保持から50℃で3分保持に変更したこと以外は実施例1と同様に発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は8.48重量%であった。
嵩倍数50倍の予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは550μm、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは280μmであった。比率A/Bは2.0であった。
倍数50倍の発泡成形体は、ノビが4.5であり、外観が美麗であり、落球衝撃強度が24.5cmであった。
発泡性樹脂粒子を得るための揮発性発泡剤をイソペンタンからイソペンタン/ノルマルペンタン=20/80の混合ペンタンに変更したことと、条件を40℃で86分保持から50℃で3分保持に変更したこと以外は実施例1と同様に発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は8.48重量%であった。
嵩倍数50倍の予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは550μm、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは280μmであった。比率A/Bは2.0であった。
倍数50倍の発泡成形体は、ノビが4.5であり、外観が美麗であり、落球衝撃強度が24.5cmであった。
実施例4
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂粒子(日本ポリエチレン社製NF−464A)を押出機にて加熱混合して水中カット方式により造粒ペレット化した(樹脂粒子は100粒あたり80mgに調整した)。この直鎖状低密度ポリエチレン8kgを攪拌機付100Lオートクレーブに入れた。更に、水性媒体としての純水40kg、ピロリン酸マグネシウム360g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.85gを加えた。得られた混合物を、攪拌することで水性媒体の懸濁液とし、10分間常温に保持し、その後60℃に昇温した。
直鎖状低密度ポリエチレン樹脂粒子(日本ポリエチレン社製NF−464A)を押出機にて加熱混合して水中カット方式により造粒ペレット化した(樹脂粒子は100粒あたり80mgに調整した)。この直鎖状低密度ポリエチレン8kgを攪拌機付100Lオートクレーブに入れた。更に、水性媒体としての純水40kg、ピロリン酸マグネシウム360g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.85gを加えた。得られた混合物を、攪拌することで水性媒体の懸濁液とし、10分間常温に保持し、その後60℃に昇温した。
次いで、この懸濁液中にジクミルパーオキサイド10gを溶解させたスチレンモノマー4kgを30分かけて滴下した。滴下後30分60℃に保持し、ポリエチレン系樹脂粒子にスチレンモノマーを吸収させた。吸収後135℃に昇温し、この温度で2時間攪拌を続けた。
その後、115℃の温度に下げ、この懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ15gを加えた。その後、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエート112g、エチレンビスステアリン酸アミド40gを溶解したスチレンモノマー28kgを6時間かけて滴下した。
その後、115℃の温度に下げ、この懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ15gを加えた。その後、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエート112g、エチレンビスステアリン酸アミド40gを溶解したスチレンモノマー28kgを6時間かけて滴下した。
滴下終了後、115℃で1時間保持し、次いで、140℃に昇温し、その温度で3時間保持して重合を完結した。その後、常温まで冷却し、粒子を取り出した。
以上の工程により直鎖状低密度ポリエチレン樹脂粒子100重量部に対してスチレン系モノマーを400重量部使用したスチレン改質樹脂粒子を得た。
以上の工程により直鎖状低密度ポリエチレン樹脂粒子100重量部に対してスチレン系モノマーを400重量部使用したスチレン改質樹脂粒子を得た。
このスチレン改質樹脂粒子2kgとイソペンタン2Lを耐圧攪拌機付5Lオートクレーブに投入し、35℃に昇温し、90分間撹拌した。その後、25℃まで冷却して発泡性樹脂粒子を取り出した。得られた発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は8.53重量%であった。
取り出した発泡性樹脂粒子をすぐに1Lアルミ製密閉容器に約600g充填し、30℃オーブンに入れ、24時間保管した(養生工程)。
取り出した発泡性樹脂粒子をすぐに1Lアルミ製密閉容器に約600g充填し、30℃オーブンに入れ、24時間保管した(養生工程)。
その後、養生した発泡性樹脂粒子を嵩倍数50倍を狙って予備発泡させることで、嵩倍数50倍の予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは1110μmであり、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは410μmであった、比率A/Bは2.7であった。
得られた予備発泡粒子を1日間室温に放置した後、400mm(長さ)×300mm(幅)×50mm(厚さ)の大きさの成形用金型内に入れた。この金型に、0.8kgf/cm2の水蒸気を40秒間導入して加熱した。その後、発泡成形体の最高面圧が0.1kgf/cm2に低下するまで冷却して、倍数50倍の発泡成形体を取り出した。得られた発泡成形体は、ノビが5であり、外観が美麗であり、落球衝撃強度が42.5cmであった。
実施例5
実施例1で得られたエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子14kgを攪拌機付100Lオートクレーブに入れ、水性媒体としての純水45kg、ピロリン酸マグネシウム315g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.35gを加えた。得られた混合物を、攪拌することで水性媒体の懸濁液とし、10分間常温に保持し、その後60℃に昇温した。
次いで、この懸濁液に、ジクミルパーオキサイド7.2gを溶解させたスチレンモノマー6kgを30分かけて滴下した。滴下後30分60℃に保持し、ポリエチレン系樹脂粒子にスチレンモノマーを吸収させた。吸収後130℃に昇温し、この温度で2時間攪拌を続けた。
実施例1で得られたエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子14kgを攪拌機付100Lオートクレーブに入れ、水性媒体としての純水45kg、ピロリン酸マグネシウム315g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.35gを加えた。得られた混合物を、攪拌することで水性媒体の懸濁液とし、10分間常温に保持し、その後60℃に昇温した。
次いで、この懸濁液に、ジクミルパーオキサイド7.2gを溶解させたスチレンモノマー6kgを30分かけて滴下した。滴下後30分60℃に保持し、ポリエチレン系樹脂粒子にスチレンモノマーを吸収させた。吸収後130℃に昇温し、この温度で2時間攪拌を続けた。
その後、90℃の温度に下げ、この懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ15gを加えた。その後、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド39.9g、t−ブチルパーオキシベンゾエート3.15gと架橋剤としてのジクミルパーオキサイド102.2gとを溶解したスチレンモノマー5kgを1時間45分かけて滴下した。次いで、エチレンビスステアリン酸アミド35gを溶解したスチレンモノマー10kgを1時間45分かけて滴下した。
滴下終了後、90℃で1時間30分保持し、次いで、143℃に昇温し、その温度で2時間30分保持して重合を完結した。その後、常温まで冷却し、粒子を取り出した。
滴下終了後、90℃で1時間30分保持し、次いで、143℃に昇温し、その温度で2時間30分保持して重合を完結した。その後、常温まで冷却し、粒子を取り出した。
以上の工程により、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子100重量部に対してスチレン系モノマーを150重量部使用したスチレン改質樹脂粒子を得た。
このスチレン改質樹脂粒子2kgとイソペンタン2Lを耐圧攪拌機付5Lオートクレーブに投入し、25℃で、1080分間撹拌した。その後、25℃のまま発泡性樹脂粒子を取り出した。得られた発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は8.49重量%であった。
取り出した発泡性樹脂粒子をすぐに1Lアルミ製密閉容器に約600g充填し、30℃オーブンに入れ、24時間保管した(養生工程)。
このスチレン改質樹脂粒子2kgとイソペンタン2Lを耐圧攪拌機付5Lオートクレーブに投入し、25℃で、1080分間撹拌した。その後、25℃のまま発泡性樹脂粒子を取り出した。得られた発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は8.49重量%であった。
取り出した発泡性樹脂粒子をすぐに1Lアルミ製密閉容器に約600g充填し、30℃オーブンに入れ、24時間保管した(養生工程)。
その後、養生した発泡性樹脂粒子を嵩倍数30倍を狙って予備発泡させることで、嵩倍数30倍の予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは480μm、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは220μmであった。比率A/Bは2.2であった。
得られた予備発泡粒子を1日間室温に放置した後、400mm(長さ)×300mm(幅)×50mm(厚さ)の大きさの成形用金型内に入れた。この金型に、0.8kgf/cm2の水蒸気を40秒間導入して加熱した。その後、発泡成形体の最高面圧が0.1kgf/cm2に低下するまで冷却して、倍数30倍の発泡成形体を取り出した。得られた発泡成形体は、ノビが5であり、外観が美麗であり、落球衝撃強度が46.5cmであった。
更に、嵩倍数50倍の予備発泡粒子の中心部のポリスチレン系樹脂比率は58質量%であり、略配合比率通りであった。
更に、嵩倍数50倍の予備発泡粒子の中心部のポリスチレン系樹脂比率は58質量%であり、略配合比率通りであった。
実施例6
発泡性樹脂粒子を得るための条件を1080分から1650分に変更したこと以外は実施例5と同様に発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は10.02重量%であった。
嵩倍数30倍の予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは850μm、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは240μmであった。比率A/Bは3.5であった。
倍数30倍の発泡成形体は、ノビが4.5であり、外観が美麗であり、落球衝撃強度が45.5cmであった。
発泡性樹脂粒子を得るための条件を1080分から1650分に変更したこと以外は実施例5と同様に発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は10.02重量%であった。
嵩倍数30倍の予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは850μm、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは240μmであった。比率A/Bは3.5であった。
倍数30倍の発泡成形体は、ノビが4.5であり、外観が美麗であり、落球衝撃強度が45.5cmであった。
実施例7
実施例1によって得たスチレン改質樹脂粒子を図3の装置に充填し、40℃のイソペンタンを86分間循環させた。その後、25℃まで冷却して発泡性樹脂粒子を取り出した。得られた発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は9.93重量%であった。
取り出した発泡性樹脂粒子をすぐに1Lアルミ製密閉容器に約600g充填し、30℃オーブンに入れ、24時間保管した(養生工程)。
その後、養生した発泡性樹脂粒子を嵩倍数50倍を狙って予備発泡させることで、嵩倍数50倍の予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは1120μmであり、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは240μmであった。比率A/Bは4.7であった。
実施例1によって得たスチレン改質樹脂粒子を図3の装置に充填し、40℃のイソペンタンを86分間循環させた。その後、25℃まで冷却して発泡性樹脂粒子を取り出した。得られた発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は9.93重量%であった。
取り出した発泡性樹脂粒子をすぐに1Lアルミ製密閉容器に約600g充填し、30℃オーブンに入れ、24時間保管した(養生工程)。
その後、養生した発泡性樹脂粒子を嵩倍数50倍を狙って予備発泡させることで、嵩倍数50倍の予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは1120μmであり、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは240μmであった。比率A/Bは4.7であった。
得られた予備発泡粒子を1日間室温に放置した後、400mm(長さ)×300mm(幅)×50mm(厚さ)の大きさの成形用金型内に入れた。この金型に、0.8kgf/cm2の水蒸気を40秒間導入して加熱した。その後、発泡成形体の最高面圧が0.1kgf/cm2に低下するまで冷却して、倍数50倍の発泡成形体を取り出した。得られた発泡成形体は、ノビが5であり、外観が美麗であり、落球衝撃強度が24.5cmであった。
実施例8
実施例2の発泡性樹脂粒子を養生後、嵩倍数15倍を狙って予備発泡させることで、嵩倍数15倍の予備発泡粒子を得たこと以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
嵩倍数15倍の予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは600μm、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは250μmであった。比率A/Bは2.4であった。
倍数15倍の発泡成形体は、ノビが4.5であり、外観が美麗であり、落球衝撃強度が78.5cmであった。
実施例8
実施例2の発泡性樹脂粒子を養生後、嵩倍数15倍を狙って予備発泡させることで、嵩倍数15倍の予備発泡粒子を得たこと以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
嵩倍数15倍の予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは600μm、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは250μmであった。比率A/Bは2.4であった。
倍数15倍の発泡成形体は、ノビが4.5であり、外観が美麗であり、落球衝撃強度が78.5cmであった。
比較例1
実施例1で得られたスチレン改質樹脂粒子2kgとドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5g、水2Lを耐圧攪拌機付5Lオートクレーブに投入し、イソペンタン300gを注入した。これを60℃に昇温し、3時間撹拌した。その後、25℃まで冷却して発泡性樹脂粒子を取り出した。得られた発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は10.12重量%であった。
その後、直ちに発泡性樹脂粒子を嵩倍数50倍を狙って予備発泡させることで、嵩倍数50倍の予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは930μmであり、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは660μmであった、比率A/Bは1.4であった。
実施例1で得られたスチレン改質樹脂粒子2kgとドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5g、水2Lを耐圧攪拌機付5Lオートクレーブに投入し、イソペンタン300gを注入した。これを60℃に昇温し、3時間撹拌した。その後、25℃まで冷却して発泡性樹脂粒子を取り出した。得られた発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は10.12重量%であった。
その後、直ちに発泡性樹脂粒子を嵩倍数50倍を狙って予備発泡させることで、嵩倍数50倍の予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは930μmであり、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは660μmであった、比率A/Bは1.4であった。
得られた予備発泡粒子を1日間室温に放置した後、400mm(長さ)×300mm(幅)×50mm(厚さ)の大きさの成形用金型内に入れた。この金型に、0.8kgf/cm2の水蒸気を40秒間導入して加熱した。その後、発泡成形体の最高面圧が0.1kgf/cm2に低下するまで冷却して、倍数50倍の発泡成形体を取り出した。得られた発泡成形体は、ノビが4.5であり、外観が美麗であったが、落球衝撃強度が17.5cmと非常に弱かった。
比較例2
イソペンタンの使用量を300gから240gに変更したこと以外は比較例1と同様に発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は8.50重量%であった。
嵩倍数50倍の予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは440μm、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは320μmであった。比率A/Bは1.4であった。
倍数50倍の発泡成形体は、ノビが3であり、外観が不良であった。
イソペンタンの使用量を300gから240gに変更したこと以外は比較例1と同様に発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は8.50重量%であった。
嵩倍数50倍の予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは440μm、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは320μmであった。比率A/Bは1.4であった。
倍数50倍の発泡成形体は、ノビが3であり、外観が不良であった。
比較例3
発泡剤をイソペンタンからブタンに変更したこと以外は比較例1と同様に発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は8.61重量%であった。
嵩倍数50倍の予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは310μm、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは290μmであった。比率A/Bは1.1であった。
倍数50倍の発泡成形体は、ノビが3であり外観が不良であった。
発泡剤をイソペンタンからブタンに変更したこと以外は比較例1と同様に発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は8.61重量%であった。
嵩倍数50倍の予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは310μm、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは290μmであった。比率A/Bは1.1であった。
倍数50倍の発泡成形体は、ノビが3であり外観が不良であった。
比較例4
実施例1で得られたエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子17.5kgを攪拌機付100Lオートクレーブに入れ、水性媒体としての純水45kg、ピロリン酸マグネシウム315g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.13gを加えた。得られた混合物を、攪拌することで水性媒体の懸濁液とし、10分間常温に保持し、その後60℃に昇温した。
次いで、この懸濁液に、ジクミルパーオキサイド9gを溶解させたスチレンモノマー7.5kgを30分かけて滴下した。滴下後30分60℃に保持し、ポリエチレン系樹脂粒子にスチレンモノマーを吸収させた。吸収後130℃に昇温し、この温度で1時間30分攪拌を続けた。
実施例1で得られたエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子17.5kgを攪拌機付100Lオートクレーブに入れ、水性媒体としての純水45kg、ピロリン酸マグネシウム315g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.13gを加えた。得られた混合物を、攪拌することで水性媒体の懸濁液とし、10分間常温に保持し、その後60℃に昇温した。
次いで、この懸濁液に、ジクミルパーオキサイド9gを溶解させたスチレンモノマー7.5kgを30分かけて滴下した。滴下後30分60℃に保持し、ポリエチレン系樹脂粒子にスチレンモノマーを吸収させた。吸収後130℃に昇温し、この温度で1時間30分攪拌を続けた。
その後、86℃の温度に下げ、この懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ15gを加えた。その後、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド35g、t−ブチルパーオキシベンゾエート3.5gと架橋剤としてのジクミルパーオキサイド136.5gとを溶解したスチレンモノマー3.3kgを1時間10分かけて滴下した。次いで、エチレンビスステアリン酸アミド105gを溶解したスチレンモノマー6.7kgを1時間30分かけて滴下した。
滴下終了後、86℃で1時間30分保持し、次いで、143℃に昇温し、その温度で2時間30分保持して重合を完結した。その後、常温まで冷却し、粒子を取り出した。
滴下終了後、86℃で1時間30分保持し、次いで、143℃に昇温し、その温度で2時間30分保持して重合を完結した。その後、常温まで冷却し、粒子を取り出した。
以上の工程により、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子100重量部に対してスチレン系モノマーを100重量部使用したスチレン改質樹脂粒子を得た。
このスチレン改質樹脂粒子2kgとイソペンタン2Lを耐圧攪拌機付5Lオートクレーブに投入し、40℃で、45分間撹拌した。その後、25℃まで冷却して発泡性樹脂粒子を取り出した。得られた発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は8.53重量%であった。
取り出した発泡性樹脂粒子をすぐに1Lアルミ製密閉容器に約600g充填し、30℃オーブンに入れ、24時間保管した(養生工程)。
その後、養生した発泡性樹脂粒子を嵩倍数30倍を狙って予備発泡させたが嵩倍数20倍までしか発泡しなかった。
このスチレン改質樹脂粒子2kgとイソペンタン2Lを耐圧攪拌機付5Lオートクレーブに投入し、40℃で、45分間撹拌した。その後、25℃まで冷却して発泡性樹脂粒子を取り出した。得られた発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は8.53重量%であった。
取り出した発泡性樹脂粒子をすぐに1Lアルミ製密閉容器に約600g充填し、30℃オーブンに入れ、24時間保管した(養生工程)。
その後、養生した発泡性樹脂粒子を嵩倍数30倍を狙って予備発泡させたが嵩倍数20倍までしか発泡しなかった。
比較例5
実施例1で得られたエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子3.5kgを攪拌機付100Lオートクレーブに入れ、水性媒体としての純水45kg、ピロリン酸マグネシウム315g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.13gを加えた。得られた混合物を、攪拌することで水性媒体の懸濁液とし、10分間常温に保持し、その後60℃に昇温した。
次いで、この懸濁液に、ジクミルパーオキサイド1.8gを溶解させたスチレンモノマー1.5kgを30分かけて滴下した。滴下後30分60℃に保持し、ポリエチレン系樹脂粒子にスチレンモノマーを吸収させた。吸収後130℃に昇温し、この温度で1時間30分攪拌を続けた。
実施例1で得られたエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子3.5kgを攪拌機付100Lオートクレーブに入れ、水性媒体としての純水45kg、ピロリン酸マグネシウム315g、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ1.13gを加えた。得られた混合物を、攪拌することで水性媒体の懸濁液とし、10分間常温に保持し、その後60℃に昇温した。
次いで、この懸濁液に、ジクミルパーオキサイド1.8gを溶解させたスチレンモノマー1.5kgを30分かけて滴下した。滴下後30分60℃に保持し、ポリエチレン系樹脂粒子にスチレンモノマーを吸収させた。吸収後130℃に昇温し、この温度で1時間30分攪拌を続けた。
その後、90℃の温度に下げ、この懸濁液中に、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ15gを加えた。その後、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド50.4g、t−ブチルパーオキシベンゾエート6.3gと架橋剤としてのジクミルパーオキサイド28gを溶解したスチレンモノマー10kgを3時間30分かけて滴下した。次いで、エチレンビスステアリン酸アミド42gを溶解したスチレンモノマー20kgを3時間30分かけて滴下した。
滴下終了後、90℃で1時間30分保持し、次いで、143℃に昇温し、その温度で2時間30分保持して重合を完結した。その後、常温まで冷却し、粒子を取り出した。
滴下終了後、90℃で1時間30分保持し、次いで、143℃に昇温し、その温度で2時間30分保持して重合を完結した。その後、常温まで冷却し、粒子を取り出した。
以上の工程により、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂粒子100重量部に対してスチレン系モノマーを900重量部使用したスチレン改質樹脂粒子を得た。
このスチレン改質樹脂粒子2kgとイソペンタン2Lを耐圧攪拌機付5Lオートクレーブに投入し、40℃で、45分間撹拌した。その後、25℃まで冷却して発泡性樹脂粒子を取り出した。得られた発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は8.55重量%であった。
取り出した発泡性樹脂粒子をすぐに1Lアルミ製密閉容器に約600g充填し、30℃オーブンに入れ、24時間保管した(養生工程)。
このスチレン改質樹脂粒子2kgとイソペンタン2Lを耐圧攪拌機付5Lオートクレーブに投入し、40℃で、45分間撹拌した。その後、25℃まで冷却して発泡性樹脂粒子を取り出した。得られた発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は8.55重量%であった。
取り出した発泡性樹脂粒子をすぐに1Lアルミ製密閉容器に約600g充填し、30℃オーブンに入れ、24時間保管した(養生工程)。
その後、養生した発泡性樹脂粒子を嵩倍数50倍を狙って予備発泡させることで、嵩倍数50倍の予備発泡粒子を得た。得られた予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは410μm、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは190μmであった。比率A/Bは2.2であった。
得られた予備発泡粒子を1日間室温に放置した後、400mm(長さ)×300mm(幅)×50mm(厚さ)の大きさの成形用金型内に入れた。この金型に、0.8kgf/cm2の水蒸気を40秒間導入して加熱した。その後、発泡成形体の最高面圧が0.1kgf/cm2に低下するまで冷却して、倍数50倍の発泡成形体を取り出した。得られた発泡成形体は、ノビが4であり、外観が美麗であったが、落球衝撃強度が12.5cmと非常に弱かった。
比較例6
発泡性樹脂粒子を得るための条件を40℃で86分保持から35℃で285分保持に変更し、更に養生工程を取らずにすぐ予備発泡したこと以外は実施例1と同様に発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は10.21重量%であった。
嵩倍数50倍の予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは1210μm、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは180μmであった。比率A/Bは6.7であった。
倍数50倍の発泡成形体は、ノビが4であり、外観が美麗であったが、落球衝撃強度が14.5cmと非常に弱かった。
発泡性樹脂粒子を得るための条件を40℃で86分保持から35℃で285分保持に変更し、更に養生工程を取らずにすぐ予備発泡したこと以外は実施例1と同様に発泡性樹脂粒子、予備発泡粒子及び発泡成形体を得た。
発泡性樹脂粒子中の発泡剤量は10.21重量%であった。
嵩倍数50倍の予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは1210μm、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは180μmであった。比率A/Bは6.7であった。
倍数50倍の発泡成形体は、ノビが4であり、外観が美麗であったが、落球衝撃強度が14.5cmと非常に弱かった。
比較例7
特許第3171001号明細書の実施例7を追試したところ、嵩倍数50倍の予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは250μm、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは90μmであった。比率A/Bは2.8であったが、ポリスチレン樹脂発泡成形体(倍数50倍)であるために落球衝撃強度が9.5cmと非常に弱かった。
実施例1及び2、比較例1、2及び6の電子顕微鏡写真を図4〜8に示す。
表1に、実施例及び比較例の原料種、含浸条件、養生条件、嵩倍数、平均粒子径A及びB、比率A/B、発泡剤量、ノビ、落球衝撃強度を示す。
特許第3171001号明細書の実施例7を追試したところ、嵩倍数50倍の予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aは250μm、半径の1/2の点を通る曲線上あるいは接している気泡の平均気泡径Bは90μmであった。比率A/Bは2.8であったが、ポリスチレン樹脂発泡成形体(倍数50倍)であるために落球衝撃強度が9.5cmと非常に弱かった。
実施例1及び2、比較例1、2及び6の電子顕微鏡写真を図4〜8に示す。
表1に、実施例及び比較例の原料種、含浸条件、養生条件、嵩倍数、平均粒子径A及びB、比率A/B、発泡剤量、ノビ、落球衝撃強度を示す。
図4及び5から、実施例1及び2の予備発泡粒子は、表皮層に接している気泡の平均気泡径が半径の1/2の点を通る気泡の平均気泡径より大きくなっていることが分かる。
図6及び7から、比較例1及び2の予備発泡粒子は、表皮層に接している気泡の平均気泡径と半径の1/2の点を通る気泡の平均気泡径とに変化がないことが分かる。
図8から、比較例6の予備発泡粒子は、表皮層に接している気泡の平均気泡径が半径の1/2の点を通る気泡の平均気泡径に対して非常に大きくなっていることが分かる。
表1から、実施例によれば、外観が美麗であり、高い落球衝撃強度を有する発泡成形体が得られることが分かる。
実施例と比較例1、2、3及び6とから、比率A/Bが2〜6の範囲内であれば、外観が美麗であり、高い落球衝撃強度を有する発泡成形体が得られることが分かる。
実施例と比較例4、5及び7とから、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対するポリスチレン系樹脂の割合が120〜560重量部とすることで、外観が美麗であり、高い落球衝撃強度を有する発泡成形体が得られることが分かる。
図6及び7から、比較例1及び2の予備発泡粒子は、表皮層に接している気泡の平均気泡径と半径の1/2の点を通る気泡の平均気泡径とに変化がないことが分かる。
図8から、比較例6の予備発泡粒子は、表皮層に接している気泡の平均気泡径が半径の1/2の点を通る気泡の平均気泡径に対して非常に大きくなっていることが分かる。
表1から、実施例によれば、外観が美麗であり、高い落球衝撃強度を有する発泡成形体が得られることが分かる。
実施例と比較例1、2、3及び6とから、比率A/Bが2〜6の範囲内であれば、外観が美麗であり、高い落球衝撃強度を有する発泡成形体が得られることが分かる。
実施例と比較例4、5及び7とから、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対するポリスチレン系樹脂の割合が120〜560重量部とすることで、外観が美麗であり、高い落球衝撃強度を有する発泡成形体が得られることが分かる。
Claims (7)
- ポリオレフィン系樹脂100重量部と、ポリスチレン系樹脂120〜560重量部と、発泡剤とを含む発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子であり、前記発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子は、前記発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子を嵩倍数5〜60倍に予備発泡させて得られる予備発泡粒子をその表面から中心を通って二分割した切片の断面を走査型電子顕微鏡で撮影した場合、前記予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aを予備発泡粒子の半径の1/2の点を通る気泡の平均気泡径Bで除算した値A/Bが2〜6となる予備発泡粒子を形成しうる発泡性樹脂粒子であることを特徴とする発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子。
- 前記発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子が、ポリオレフィン系樹脂100重量部とポリスチレン系樹脂120〜560重量部とを含むスチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して、50重量部以上の発泡剤の存在下で、前記発泡剤を前記スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子に含浸させて得られる請求項1に記載の発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子。
- 前記発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子が、発泡剤としてのペンタンを7.5〜11重量%含有する請求項1又は2に記載の発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子。
- ポリオレフィン系樹脂100重量部とポリスチレン系樹脂120〜560重量部を含む予備発泡粒子であり、前記予備発泡粒子は、嵩倍数5〜60倍と、前記予備発泡粒子の表面から中心を通って二分割した切片の断面を走査型電子顕微鏡で撮影した場合、前記予備発泡粒子の表皮層に接している気泡の平均気泡径Aを予備発泡粒子の半径の1/2の点を通る気泡の平均気泡径Bで除算した値が2〜6となることを特徴とする予備発泡粒子。
- 請求項4に記載の予備発泡粒子を型内成形した発泡成形体。
- 請求項1〜3のいずれか1つに記載の発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法であって、スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して50重量部以上の発泡剤の存在下で、前記発泡剤を前記スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子に含浸させることを特徴とする発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法。
- 前記発泡剤がペンタンであり、発泡剤の含浸が、含浸温度をY℃、恒温時間をX分、ガス量をx重量%とすると、下記式:
Y=−[(1/4)x+2]LnX+4x+19(xは7.5〜11の範囲)
を満たす条件で行われる請求項6に記載の発泡性スチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子の製造方法。
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