JP5346571B2 - 予備発泡粒子の製造方法 - Google Patents
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Description
スチレン系モノマーの重合には、油溶性のラジカル重合開始剤を使用できる。この重合開始剤としては、スチレン系モノマーの重合に汎用されている重合開始剤を使用できる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ヘキシルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−アミルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシビバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。なお、これら油溶性のラジカル重合開始剤は、単独で用いられても併用されてもよい。
(a)重合容器とは別の容器内でスチレン系モノマーに重合開始剤を溶解して含有させ、このスチレン系モノマーを重合容器内に供給する方法、
(b)重合開始剤をスチレン系モノマーの一部、イソパラフィン等の溶剤又は可塑剤に溶解させて溶液を作製する。この溶液と、所定量のスチレン系モノマーとを重合容器内に同時に供給する方法、
(c)重合開始剤を水性媒体に分散させた分散液を作製する。この分散液とスチレン系モノマーとを重合容器内に供給する方法
等が挙げられる。
更に、架橋したポリオレフィン系樹脂からなる粒子を使用する場合、架橋は、スチレン系モノマーを含浸させる前に予め行なっておいてもよいし、マイクロペレット中にスチレン系モノマーを含浸、重合させている間に行なってもよいし、マイクロペレット中にスチレン系モノマーを含浸、重合させた後に行なってもよい。
上記予備発泡粒子を成形機の型内に充填し、加熱して二次発泡させ、予備発泡粒子同士を融着一体化させることによって所望形状を有する発泡成形体を得ることができる。上記成形機としては、当該技術分野で用いられるEPS成形機等を用いることができる。
約5gの予備発泡粒子の重量(a)を小数以下2位で秤量する。次に、最小メモリ単位が5cm3である500cm3メスシリンダーに秤量した予備発泡粒子を入れ、これにメスシリンダーの口径よりやや小さい円形の樹脂板であって、その中心に巾約1.5cm、長さ約30cmの棒状の樹脂板が直立して固定された押圧具をあてて、予備発泡粒子の体積(b)を読み取り、式(a)/(b)により予備発泡粒子の嵩密度(g/cm3)を求める。嵩倍数は嵩密度の逆数、すなわち式(b)/(a)とする。
発泡成形体(成形後、40℃で20時間以上乾燥させたもの)から切り出した試験片(例75×300×35mm)の重量(a)と体積(b)をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定し、式(a)/(b)により発泡成形体の密度(g/cm3)を求める。倍数は密度の逆数、すなわち式(b)/(a)とする。
JIS K6911:1995「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に記載の方法により測定する。即ち、試験装置(アドバンテスト社製デジタル長高抵抗/微小電流計R8340及びレジスティビティ・チェンバR12702A)を使用し、試料サンプルに、約30Nの荷重で電極を圧着させ、500V1分間充電後の抵抗値を測定する。測定値から次式より表面抵抗率を算出する。
ρs=π(D+d)/(D−d)×Rs
ρs:表面抵抗率(MΩ)
D:表面の環状電極の内径(cm)
d:表面電極の内円の外形(cm)
Rs:表面抵抗(MΩ)
試料サンプルは、100mm×100mm×厚さ10mm以下の大きさを有し、同一の発泡成形体から10個切り出す。切り出された10個の試料サンプルを、20℃、湿度65%の環境下に24時間程度保存した後、10個の試料サンプルの抵抗値を測定する。平均表面抵抗率は、10個の表面抵抗率の平均値である。
10個の表面抵抗率をそれぞれ対数(1og10)で返し、得られた対数を用いて標準偏差を得る。
平均表面抵抗率が1012未満かつ標準偏差が1.0以下の場合、その発泡成形体は優れた帯電防止性を有する良品(○)であると評価する。
得られた発泡成形体表面を純水にて直径1cmの蛇口より毎秒100mlの水量で1分間水洗し、その後、発泡成形体表面の付着水分をタオルペーパーで除去した後、100mm×100mm×厚さ10mm以下の大きさを有し、同一発泡成形体から10個切り出す。切り出された10個の試料サンプルを、温度20℃、湿度65%の環境下にて24時間以上保存した後に表面抵抗率測定を行い、平均表面抵抗率を求める。
(樹脂粒子の製造)
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂粒子(日本ポリエチレン社製LV−211、メルトフローレート0.3g/10分、酢酸ビニル含量6.2重量%)100重量部に、気泡調整剤としての珪酸カルシウム0.3重量部とステアリン酸カルシウム0.1重量部とを加えて、押出機にて均一に混練し、水中カット方式により造粒ペレットを得た(エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂粒子は100粒あたり80mgに調整した)。
(揮発性発泡剤及び帯電防止剤の含浸)
内容積100リットルの攪拌機付き耐圧容器に、樹脂粒子100重量部、第1の帯電防止剤として、非水溶性のアルキルモノエタノールアミン(日油社製ナイミーンL−201:N−ヒドロキシエチルラウリルアミン)0.3重量部及びドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(ナトリウム)0.04重量部、水100重量部とを投入し、密閉し攪拌しながら60℃まで昇温した。60℃の昇温を確認後、発泡剤としてイソペンタンを13重量部添加し、60℃で3時間半保持した後、25℃まで冷却して発泡性樹脂粒子を取り出した。
(予備発泡粒子の製造)
上記発泡性樹脂粒子100重量部をバッチ式発泡機(積水工機製作所社製SKK−70)に投入し、第2の帯電防止剤としてのポリオキシエチレンアルキルアミン(日油社製エレガンS−100:オキシエチレン単位の繰り返し数約1〜4:アルキルの炭素数は約10〜14)0.3重量部を攪拌下に添加し30秒間保持し、ゲージ圧約0.05MPaの設定でスチームを導入しつつ、加熱を開始し、嵩倍数約40倍の予備発泡粒子を得た。帯電防止剤の添加位置は、バッチ式発泡機の上面(投入した発泡性樹脂粒子の上面の約80cm上部)とした。
(発泡成形体の製造)
得られた予備発泡粒子を、400mm(長さ)×300mm(幅)×30mm(厚さ)の大きさの成形用金型内に入れた。この金型に、ゲージ圧0.06MPaの水蒸気を25秒間導入して加熱し、120秒間冷却することで、倍数約40倍の発泡成形体を取り出した。得られた発泡成形体を40℃の乾燥室で、8時間程度乾燥させた。
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの添加量を0.06重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤としてのアルキルモノエタノールアミン(日油社製ナイミーンL−201)の添加量を0.6重量部及びドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの添加量を0.02重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの添加量を0.02重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤として非水溶性のアルキルモノエタノールアミン(日油社製ナイミーンL−201)の添加量を0.6重量部、予備発泡粒子の製造工程における第2の帯電防止剤としてのポリオキシエチレンアルキルアミンの添加量を1.2重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤としてアルキルモノエタノールアミン(日油社製ナイミーンL−201)をポリオキシエチレンアルキルアミンに、予備発泡粒子の製造工程における第2の帯電防止剤としてのポリオキシエチレンアルキルアミンをアルキルモノエタノールアミン(日油社製ナイミーンL−201)に換えたこと以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤としてアルキルモノエタノールアミン(日油社製ナイミーンL−201)の添加量を0.05重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの添加量を0.06重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダを0.06重量部のみ添加すること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤としてアルキルモノエタノールアミン(日油社製ナイミーンL−201)の添加量を0.6重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの添加量を0.06重量部とし、予備発泡粒子の製造工程において第2の帯電防止剤を添加しないこと以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
予備発泡粒子の製造工程における第2の帯電防止剤として脂肪族第4級アンモニウム塩(第一工業製薬社製カチオーゲンES−0)を使用し、その添加量を0.6重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得ようとしたが、泡立ちが発生してしまい発泡成形体を得ることができなかった。
予備発泡粒子の製造工程における第2の帯電防止剤としてのポリオキシエチレンアルキルアミン)の添加量を0.2重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
Claims (7)
- ポリスチレン系樹脂粒子100重量部に揮発性発泡剤及び0.15〜1.5重量部の第1の帯電防止剤を含浸させて発泡性樹脂粒子を得、
得られた発泡性樹脂粒子100重量部に、非イオン性界面活性剤として使用される剤から選択される0.1〜2.0重量部の第2の帯電防止剤を含浸させた後、次いで予備発泡させて予備発泡粒子を得る工程を含むことを特徴とする予備発泡粒子の製造方法。 - 前記ポリスチレン系樹脂粒子への揮発性発泡剤と第1の帯電防止剤の含浸が、密閉耐圧容器中にポリスチレン系樹脂粒子と第1の帯電防止剤を入れて流動させるか、攪拌機付き密閉耐圧容器内でポリスチレン系樹脂粒子と第1の帯電防止剤を水性媒体に懸濁させ、揮発性発泡剤を導入する方法により行なわれる請求項1に記載の予備発泡粒子の製造方法。
- 前記発泡性樹脂粒子への第2の帯電防止剤の含浸が、前記予備発泡に使用される容器中で、溶液状又は液状の帯電防止剤を前記発泡性樹脂粒子に、接触させることで行われる請求項1又は2に記載の予備発泡粒子の製造方法。
- 前記ポリスチレン系樹脂粒子に含浸させる第1の帯電防止剤及び前記発泡性樹脂粒子に含浸させる第2の帯電防止剤が、アルキルエタノールアミン又はアルキルポリエーテルアミンである請求項1〜3のいずれか1つに記載の予備発泡粒子の製造方法。
- 前記揮発性発泡剤が、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタンから選択される請求項1〜4のいずれか1つに記載の予備発泡粒子の製造方法。
- 前記発泡性樹脂粒子中における、前記揮発性発泡剤の含有率が6〜12重量%である請求項1〜5のいずれか1つに記載の予備発泡粒子の製造方法。
- 前記ポリスチレン系樹脂粒子が、ポリオレフィン系樹脂100重量部と、ポリスチレン系樹脂120〜560重量部との複合樹脂粒子からなる請求項1〜6のいずれか1つに記載の予備発泡粒子の製造方法。
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