JP5346571B2 - 予備発泡粒子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、予備発泡粒子、その製造方法及び発泡成形体に関する。更に詳しくは、本発明は、良好な帯電防止性を有する予備発泡粒子、その製造方法及び発泡成形体に関する。
ポリスチレン系樹脂粒子にプロパン、ブタン、ペンタン等の揮発性発泡剤を含浸することにより発泡性能が付与された発泡性ポリスチレン系樹脂粒子が得られる。発泡性ポリスチレン系樹脂粒子は、発泡剤の保持性が良好であり、室温もしくは冷蔵状態で保管できる。従って、適時に発泡性ポリスチレン系樹脂粒子を加熱して予備発泡粒子とし、これを成形機の金型内に充填して加熱して発泡成形体とすることができる。この発泡成形体は、断熱性、緩衝性、軽量性に優れていることから、魚箱等の食品容器、家電製品等の緩衝材、建材用断熱材等として広く用いられている。
しかしながら、ポリスチレン系樹脂は、電気絶縁性が高いゆえに、摩擦によって容易に帯電し、ほこりの付着によって発泡成形体の外観を損ねるばかりか、内容物に集塵による汚染や静電破壊を起こすため、包装材として使用するには問題があった。
国際公開番号WO2004/090029号のパンフレット公報(特許文献1)には、スチレン改質オレフィン系樹脂粒子に揮発性発泡剤を含浸させて発泡性樹脂粒子を得た後、発泡性樹脂粒子100重量部に対して界面活性剤0.1〜2.0重量部を含浸することで、帯電防止性の優れた発泡性スチレン系樹脂粒子から帯電防止性スチレン系樹脂発泡成形体を得る方法が記載されている。
国際公開番号WO2004/090029号のパンフレット
上記公報は、帯電防止剤を、発泡剤の含浸時に樹脂粒子に含浸させている。
上記公報の発泡性樹脂粒子でも帯電防止性の十分な発泡成形体を得ることができるが、例えば、電子部品の梱包材等の用途では、更なる帯電防止性の改善、特に1つの発泡成形体中の複数の部位の帯電防止性のばらつきを抑制することが望まれていた。また、上記公報の方法を高倍の発泡体に用いると、良好な帯電防止性能を得にくいという問題があった。
かくして本発明によれば、ポリスチレン系樹脂粒子100重量部に揮発性発泡剤及び0.1〜2.0重量部の第1の帯電防止剤を含浸させて発泡性樹脂粒子を得、得られた発泡性樹脂粒子100重量部に、非イオン性界面活性剤として使用される剤から選択される0.1〜2.0重量部の第2の帯電防止剤を含浸させた後、次いで予備発泡させて予備発泡粒子を得る工程を含むことを特徴とする予備発泡粒子の製造方法が提供される。
また、本発明によれば、上記方法により得られた予備発泡粒子が提供される。
更に、本発明によれば、上記予備発泡粒子を型内成形した発泡成形体が提供される。
本発明の予備発泡粒子によれば、従来の予備発泡粒子より改善された帯電防止性を与える発泡成形体を得ることができ、高倍の発泡体でも良好な帯電防止性能を示す。特に、得られた発泡成形体によれば、1つの発泡成形体中の複数の部位において、帯電防止性能のばらつきを抑制できる。加えて、得られた発泡体によれば、良好な帯電防止性を持続できる。
本発明は、要するに、発泡性樹脂粒子の製造工程及び予備発泡粒子の製造工程の両方において、両粒子に帯電防止剤を含浸させることにより予備発泡粒子を製造する方法である。この方法で得られた予備発泡粒子によれば、従来の1回の帯電防止剤の含浸で製造された予備発泡粒子より、それらから得られる1つの発泡成形体中の複数の部位において、帯電防止性のばらつきを抑制できることを見出し本発明に至った。
以下本発明を工程順に説明する。
(1)まず、ポリスチレン系樹脂粒子に揮発性発泡剤及び特定量の第1の帯電防止剤を含浸させて発泡性樹脂粒子を得る。
本発明におけるポリスチレン系樹脂粒子としては、ポリスチレン、ポリメチルスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリルブタジエン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ポリスチレンとポリエチレンもしくはポリプロピレンの架橋樹脂等からなる粒子が挙げられる。これらの樹脂は混合されていてもよく、ポリスチレン系樹脂以外の他の樹脂を混合してもよい。他の樹脂としてはポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂等が挙げられる。それらの中でも、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂との混合樹脂(複合樹脂)が好ましく、ポリエチレン系樹脂とポリスチレン系樹脂との複合樹脂がより好ましい。
ポリスチレン系樹脂粒子の製造方法は、特に限定されず、公知の方法をいずれも使用できる。例えば、懸濁重合法、シード重合法等が挙げられる。シード重合法は、種粒子にスチレン系モノマーを水性媒体中で含浸させて、重合させることでスチレン系樹脂粒子を得る方法である。
ここで、複合樹脂粒子は、ポリオレフィン系樹脂粒子が分散保持された水性媒体中にスチレン系モノマーを加えて重合させることで得られる。複合樹脂粒子の製造方法を以下で説明する。
ポリオレフィン系樹脂粒子は、公知の方法で得ることができる。例えば、まず、押出機を使用してポリオレフィン系樹脂を溶融押出した後、水中カット、ストランドカット等により造粒することで、ポリオレフィン系樹脂粒子を作製できる。通常、使用するポリオレフィン系樹脂の形状は、例えば、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状、ペレット状又はグラニュラー状である。以下では、ポリオレフィン系樹脂粒子をマイクロペレットとも記す。
ポリオレフィン系樹脂には、ラジカル捕捉剤が含まれていてもよい。ラジカル捕捉剤は、予めポリオレフィン系樹脂に添加しておくか、もしくは溶融押出と同時に添加してもよい。ラジカル捕捉剤としては、重合禁止剤(重合抑制剤を含む)、連鎖移動剤、酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤等のラジカルを捕捉する作用を有する化合物で、水に溶解し難いものが好ましい。
重合禁止剤としては、t−ブチルハイドロキノン、パラメトキシフェノール、2,4−ジニトロフェノール、t−ブチルカテコール、sec−プロピルカテコール、N−メチル−N−ニトロソアニリン、N−ニトロソフェニルヒドロキシルアミン、トリフェニルフォスファイト、トリス(ノニルフェニルフォスファイト)、トリエチルフォスファイト、トリス(2−エチルヘキシル)フォスファイト、トリデシルフォスファイト、トリス(トリデシル)フォスファイト、ジフェニルモノ(2−エチルヘキシル)フォスファイト、ジフェニルモノデシルフォスファイト、ジフェニルモノ(トリデシル)フォスファイト、ジラウリルハイドロゲンフォスファイト、テトラフェニルジプロピレングリコールジフォスファイト、テトラフェニルテトラ(トリデシル)ペンタエリスリトールテトラフォスファイト等のフェノール系重合禁止剤、ニトロソ系重合禁止剤、芳香族アミン系重合禁止剤、亜リン酸エステル系重合禁止剤、チオエーテル系重合禁止剤等が例示される。
また、連鎖移動剤としては、β−メルカプトプロピオン酸2−エチルヘキシルエステル、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)、トリス[(3−メルカプトプロピオニロキシ)−エチル]イソシアヌレート等が例示される。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)、n−オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリメチル−2,4、6−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)ベンゼン、3、9−ビス〔2−{3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}−1、1−ジメチルエチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5・5〕ウンデカン、ジステアリルペンタエリスリトールジフォスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)4、4’−ビフェニレンジフォスフォナイト、ビス(2−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジフォスファイト、2,4,8,10−テトラ−t−ブチル−6−[3−(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d、f][1,3,2]ジオキサホスフェピン、フェニル−1−ナフチルアミン、オクチル化ジフェニルアミン、4,4−ビス(α,α−ジメチルベンジル)ジフェニルアミン、N,N’−ジ−2−ナフチル−p−フェニレンジアミン等のフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤等が例示できる。
ヒンダードアミン系光安定剤としては、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2−n−ブチルマロネート等が例示できる。
ラジカル捕捉剤の使用量としては、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.005〜0.5重量部であることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂は、他に、タルク、珪酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、合成あるいは天然に産出される二酸化ケイ素、エチレンビスステアリン酸アミド、メタクリル酸エステル系共重合体等の気泡調整剤、トリアリルイソシアヌレート6臭素化物等の難燃剤、カーボンブラック、酸化鉄、グラファイト等の着色剤等を含んでいてもよい。
次に、マイクロペレットを重合容器内の水性媒体中に分散させ、スチレン系モノマーをマイクロペレットに含浸させながら重合させる。なお、マイクロペレットに水溶性の樹脂成分(例えば、ポリ酢酸ビニル)が含まれる場合は、その量は少なめにしてもよい。
水性媒体としては、水、水と水溶性溶媒(例えば、アルコール)との混合媒体が挙げられる。スチレン系モノマーには、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、酢酸エチル、ジイソブチルアジペート等の溶剤(可塑剤)を添加してもよい。
好ましいスチレン系モノマーの使用量は、ポリオレフィン系樹脂粒子100重量部に対して120〜560重量部である。より好ましくは140〜450重量部、更に好ましくは150〜400重量部である。
スチレン系モノマーの使用量が560重量部を超えると、ポリオレフィン系樹脂粒子に含浸されずに、ポリスチレン系樹脂単独の粒子が発生することがある。加えて、発泡成形体の耐割れ性が低下するだけでなく、耐薬品性も低下することがある。一方、120重量部未満であると、発泡性複合樹脂粒子の発泡剤を保持する能力が低下する場合がある。低下すると、高発泡化が困難となる。また、発泡成形体の剛性も低下することがある。
ポリオレフィン系樹脂粒子へのスチレン系モノマーの含浸は、重合させつつ行ってもよく、重合を開始する前に行ってもよい。この内、重合させつつ行うことが好ましい。なお、含浸させた後に重合を行う場合、ポリオレフィン系樹脂粒子の表面近傍でのスチレン系モノマーの重合が起こり易く、また、ポリオレフィン系樹脂粒子中に含浸されなかったスチレン系モノマーが単独で重合して、多量の微粒子状のポリスチレン系樹脂粒子が生成する場合がある。
重合させつつ含浸を行う場合、上記含有量を算出する場合のポリオレフィン系樹脂粒子とは、ポリオレフィン系樹脂と含浸されたスチレン系モノマー、更に含浸されて既に重合したポリスチレン系樹脂とから構成された粒子を意味する。
含有率を0〜35重量%に維持するために、スチレン系モノマーを重合容器内の水性媒体に連続的にあるいは断続的に添加できる。特に、スチレン系モノマーを水性媒体中に徐々に添加していくのが好ましい
スチレン系モノマーの重合には、油溶性のラジカル重合開始剤を使用できる。この重合開始剤としては、スチレン系モノマーの重合に汎用されている重合開始剤を使用できる。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクトエート、t−ヘキシルパーオキシオクトエート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−アミルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシビバレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルシクロヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル等のアゾ化合物が挙げられる。なお、これら油溶性のラジカル重合開始剤は、単独で用いられても併用されてもよい。
重合開始剤を重合容器内の水性媒体に添加する方法としては、種々の方法が挙げられる。例えば、
(a)重合容器とは別の容器内でスチレン系モノマーに重合開始剤を溶解して含有させ、このスチレン系モノマーを重合容器内に供給する方法、
(b)重合開始剤をスチレン系モノマーの一部、イソパラフィン等の溶剤又は可塑剤に溶解させて溶液を作製する。この溶液と、所定量のスチレン系モノマーとを重合容器内に同時に供給する方法、
(c)重合開始剤を水性媒体に分散させた分散液を作製する。この分散液とスチレン系モノマーとを重合容器内に供給する方法
等が挙げられる。
上記重合開始剤の使用割合は、通常スチレン系モノマーの使用総量の0.02〜2.0重量%であることが好ましい。
水性媒体中には、水溶性のラジカル重合禁止剤を溶解させておくことが好ましい。水溶性のラジカル重合禁止剤はポリオレフィン系樹脂粒子表面におけるスチレン系モノマーの重合を抑制するだけでなく、水性媒体中に浮遊するスチレン系モノマーが単独で重合するのを防止して、ポリスチレン系樹脂の微粒子の生成を減らすことができるからである。
水溶性のラジカル重合禁止剤としては、水100gに対して1g以上溶解する重合禁止剤が使用でき、例えば、チオシアン酸アンモニウム、チオシアン酸亜鉛、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、チオシアン酸アルミニウム等のチオシアン酸塩、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウム、亜硝酸アンモニウム、亜硝酸カルシウム、亜硝酸銀、亜硝酸ストロンチウム、亜硝酸セシウム、亜硝酸バリウム、亜硝酸マグネシウム、亜硝酸リチウム、亜硝酸ジシクロヘキシルアンモニウム等の亜硝酸塩、メルカプトエタノール、モノチオプロピレングリコール、チオグリセロール、チオグリコール酸、チオヒドロアクリル酸、チオ乳酸、チオリンゴ酸、チオエタノールアミン、1,2−ジチオグリセロール、1,3−ジチオグリセロール等の水溶性イオウ含有有機化合物、さらにアスコルビン酸、アスコルビン酸ソーダ等を挙げることができる。これらの中でも特に亜硝酸塩が好ましい。
上記水溶性のラジカル重合禁止剤の使用量としては、水性媒体の水100重量部に対して0.001〜0.04重量部が好ましい。
なお、上記水性媒体中に分散剤を添加しておくことが好ましい。このような分散剤としては、例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース等の有機系分散剤、ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム等の無機系分散剤が挙げられる。この内、無機系分散剤が好ましい。
無機系分散剤を用いる場合には、界面活性剤を併用することが好ましい。このような界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ、α−オレフィンスルホン酸ソーダ等が挙げられる。
重合容器の形状及び構造としては、従来からスチレン系モノマーの懸濁重合に用いられているものであれば、特に限定されない。
また、攪拌翼の形状についても特に限定はなく、具体的には、V型パドル翼、ファードラー翼、傾斜パドル翼、平パドル翼、プルマージン翼等のパドル翼、タービン翼、ファンタービン翼等のタービン翼、マリンプロペラ翼のようなプロペラ翼等が挙げられる。これら攪拌翼の内では、パドル翼が好ましい。攪拌翼は、単段翼であっても多段翼であってもよい。重合容器に邪魔板(バッフル)を設けてもよい。
また、スチレン系モノマーをマイクロペレット中にて重合させる際の水性媒体の温度は、特に限定されないが、使用するポリオレフィン系樹脂の融点の−30〜+20℃の範囲であることが好ましい。より具体的には、70〜140℃が好ましく、80〜130℃がより好ましい。更に、水性媒体の温度は、スチレン系モノマーの重合開始から終了までの間、一定温度であってもよいし、段階的に上昇させてもよい。水性媒体の温度を上昇させる場合には、0.1〜2℃/分の昇温速度で上昇させることが好ましい。
更に、架橋したポリオレフィン系樹脂からなる粒子を使用する場合、架橋は、スチレン系モノマーを含浸させる前に予め行なっておいてもよいし、マイクロペレット中にスチレン系モノマーを含浸、重合させている間に行なってもよいし、マイクロペレット中にスチレン系モノマーを含浸、重合させた後に行なってもよい。
ポリオレフィン系樹脂の架橋に用いられる架橋剤としては、例えば、2,2−ジ−t−ブチルパーオキシブタン、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−t−ブチルパーオキシヘキサン等の有機過酸化物が挙げられる。なお、架橋剤は、単独でも二種以上併用してもよい。また、架橋剤の使用量は、通常、ポリオレフィン系樹脂粒子(マイクロペレット)100重量部に対して0.05〜1.0重量部が好ましい。
架橋剤を添加する方法としては、例えば、架橋剤をポリオレフィン系樹脂に直接添加する方法、溶剤、可塑剤又はスチレン系モノマーに架橋剤を溶解させた上で添加する方法、架橋剤を水に分散させた上で添加する方法等が挙げられる。この内、スチレン系モノマーに架橋剤を溶解させた上で添加する方法が好ましい。
上記ポリスチレン系樹脂粒子に揮発性発泡剤及び第1の帯電防止剤を含浸させることで発泡性樹脂粒子を得ることができる。発泡剤及び第1の帯電防止剤の含浸は、それ自体公知の方法により行うことができる。例えば、V型、C型あるいはDC型などの回転混合機であって、密閉耐圧の容器にポリスチレン系樹脂粒子を入れて流動させ、発泡剤と第1の帯電防止剤を導入することで発泡剤及び帯電防止剤を含浸させる方法、また、攪拌機付き密閉耐圧容器内でポリスチレン系樹脂粒子を水性媒体に懸濁させ、発泡剤と第1の帯電防止剤を導入し、発泡剤及び帯電防止剤を含浸させる方法、スチレン系モノマーの重合反応を行った密閉系の容器中に、発泡剤及び帯電防止剤を圧入し含浸させる方法などが挙げられる。
揮発性発泡剤(単に、発泡剤ともいう)の含浸は、30〜80℃の雰囲気下及び0.05〜0.12MPaの圧力下で0.5〜6時間行うことが好ましい。また、第1の帯電防止剤の含浸は20〜80℃の雰囲気下及び0.01〜0.12MPaの圧力下で発泡剤と同様に0.5〜6時間行うことが好ましい。これら温度、圧力及び時間の範囲外では、十分に発泡剤及び帯電防止剤を樹脂に含有させることができず、目的の嵩倍数に発泡できないことや、帯電防止性の不足が生じることある。
ポリスチレン系樹脂粒子の平均粒子径は、800〜2400μmであることが好ましい。800μmを下回る平均粒子径の複合樹脂粒子は、発泡剤の保持性が低下してビーズライフが短くなる傾向がある。2400μmを越えると、複雑な形状をした発泡成形体を成形する際、金型への充填性が悪くなる傾向がある。好ましい平均粒子径は、1200〜2000μmである。
揮発性発泡剤としては、公知の種々の発泡剤が使用できる。例えば、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、工業用ペンタン、石油エーテル、シクロヘキサン、シクロペンタン等の単独又は混合物が挙げられる。これら内、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタンが好ましい。
発泡剤の含有率としては、発泡性樹脂粒子に対して、6〜12重量%であることが好ましい。発泡剤の含有率が6重量%未満であると、発泡性樹脂粒子の発泡性が低下することがある。発泡性が低下すると、嵩倍数の高い低嵩密度の予備発泡粒子が得られ難くなると共に、この予備発泡粒子を型内成形して得られる発泡成形体は融着率が低下し、耐割れ性が低下することがある。一方、12重量%を超えると、予備発泡粒子中の気泡サイズが過大となり易く、成形性の低下や、得られる発泡成形体の圧縮、曲げ等の強度特性の低下が発生することがある。より好ましい発泡剤の含有率は、7.5〜11重量%の範囲である。
発泡剤含浸時の第1の帯電防止剤としては、特に限定されず、公知の帯電防止剤をいずれも使用できる。例えば、帯電防止性を有する界面活性剤が挙げられる。具体的な界面活性剤としては、アルキルモノエタノールアミン、アルキルポリエーテルアミン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルジエタノールアミド、アルキルジエタノールアミン、ポリアルキレングリコール誘導体等の非イオン系界面活性剤、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルホスフェート等のアニオン系界面活性剤、脂肪族アルキル第4級アンモニウム塩、トリアルキルベンジルアンモニウム塩等のカチオン系界面活性剤、アルキルベタイン、アルキルイミダゾリウムベタイン等の両性界面活性剤等を挙げることができる。なお、界面活性剤の種類により異なるが、全炭素数が5〜20個の範囲の界面活性剤を帯電防止剤として使用することが好ましい。これらの界面活性剤は2種以上を用いてもよい。
第1の帯電防止剤は、ポリスチレン系樹脂粒子に対して所定の重量部を含む溶液状又は液状でポリスチレン系樹脂粒子に含浸させることができる。溶液状とは、固体又は液体の帯電防止剤を水性媒体及び有機溶剤中に溶解又は分散させた状態を意味し、液状とは、帯電防止剤自身が液体であることを意味する。
この中でも、非イオン性界面活性剤が好ましく、更に、アルキルモノ又はジエタノールアミン、アルキルポリエーテルアミンが、帯電防止性が良好である観点から好ましい。ここで、アルキルは炭素数8〜18が好ましい。特に、10〜30℃の温度で液状である帯電防止剤は、水性媒体に溶解させなくても、短時間で発泡性樹脂粒子に帯電防止剤を含浸できるという点で好ましい。このような帯電防止剤として、アルキルモノ又はジエタノールアミン(アルキルは炭素数8〜18が好ましい)、ポリオキシエチレンアルキルアミン(アルキルは炭素数8〜18が好ましい。例えば、ポリオキシエチレンラウリルアミン)が挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルアミン中、ポリオキシエチレンは、2〜10個の範囲のオキシエチレン単位を有することが好ましい。
第1の帯電防止剤の使用量は、ポリスチレン系樹脂粒子100重量部に対して、好ましくは0.15〜1.5重量部である。0.1重量部未満の場合、発泡成形体に所望の帯電防止性を付与できないことがある。また、2.0重量部を超えると、発泡性複合樹脂粒子と水系媒体のスラリーを輸送する際に泡立ちが発生するなどの生産性の悪化や、過剰の帯電防止剤の存在により、発泡性複合樹脂粒子がべとつき、予備発泡時の際に取り扱いが困難になることがある。
揮発性発泡剤の含浸を水性媒体に懸濁させ行う場合は、一般的に樹脂同士の合着を防ぐため、発泡剤を均一に吸収させるためなどの理由から、水溶性の界面活性剤を同時に添加することがある。ところで、本発明では帯電防止剤としての役割を果たすことを目的として、界面活性剤を使用しているが、本来の役割を果たすことを目的として界面活性剤を使用してもよい。即ち、第1の帯電防止剤を効率よく樹脂に含浸させるためにアニオン系界面活性剤を使用できる。アニオン界面活性剤としては、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルホスフェート等の公知のものを使用できる。アニオン系界面活性剤の添加量としては、水性媒体100重量部に対して、0.01〜0.1重量部が好ましく、より好ましくは0.02〜0.08重量部である。0.01重量部より少ない場合、十分な性能を付与し難いことがある。0.1重量部より多い場合、発泡性樹脂粒子と水性媒体のスラリー輸送時に泡立ちが激しくなることがある。
(2)次に、揮発性発泡剤及び第1の帯電防止剤を含浸させて得られた発泡性樹脂粒子に非イオン性界面活性剤として使用される剤から選択される特定量の第2の帯電防止剤を含浸させた後、次いで予備発泡させて予備発泡粒子を得る。
第2の帯電防止剤として使用される非イオン性界面活性剤としては、アルキルモノエタノールアミン、アルキルジエタノールアミン、アルキルポリエーテルアミン、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルジエタノールアミド、ポリアルキレングリコール誘導体等の非イオン系界面活性剤を挙げることができる。なお、界面活性剤の種類により異なるが、全炭素数が5〜20個の範囲の界面活性剤を帯電防止剤として使用することが好ましい。
この中でも、アルキルモノ又はジエタノールアミン、アルキルポリエーテルアミンが、帯電防止性が良好である観点から好ましい。ここで、アルキルは炭素数8〜18が好ましい。特に、10〜30℃の温度で液状である帯電防止剤は、水性媒体に溶解させなくても、短時間で発泡性樹脂粒子に帯電防止剤を含浸できるという点で好ましい。このような帯電防止剤として、アルキルモノ又はジエタノールアミン(アルキルは炭素数8〜18が好ましい)、ポリオキシエチレンアルキルアミン(アルキルは炭素数8〜18が挙げられる。例えば、ポリオキシエチレンラウリルアミン)が挙げられる。ポリオキシエチレンアルキルアミン中、ポリオキシエチレンは、2〜10個の範囲のオキシエチレン単位を有することが好ましい。
第2の帯電防止剤は、発泡性樹脂粒子に対して所定の重量部を含む溶液状又は液状で発泡性樹脂粒子に含浸させることができる。溶液状とは、固体又は液体の帯電防止剤を水性媒体に溶解又は分散させた状態を意味し、液状とは、帯電防止剤自身が液体であることを意味する。
第2の帯電防止剤の使用量は、発泡性樹脂粒子100重量部に対して、0.1〜2.0重量部であり、好ましくは0.5〜1.5重量部である。0.1重量部未満の場合、発泡成形体に所望の帯電防止性を付与できないことがある。また、2.0重量部を超えると発泡性樹脂粒子及び予備発泡粒子がべとつくため、取り扱いが困難となることがある。更に、予備発泡粒子の成形金型への充填が困難となり、また得られる発泡成形体がべとつき、かえって埃が付着し易くなることがある。
ここで、発泡剤含浸時の第1の帯電防止剤の使用量と予備発泡時の第2の帯電防止剤の使用量は、重量比で、1:0.2〜10であることが好ましい。予備発泡時の第2の帯電防止剤の使用量が重量比で0.2より少ない場合、所望の帯電防止性能が得られないことがある。10より多い場合、予備発泡粒子がべとつく及びコスト高となることがある。より好ましい重量比は、1:0.5〜7.5である。
更に、発泡剤含浸時の第1の帯電防止剤と予備発泡時の第2の帯電防止剤の合計量は、スチレン系樹脂粒子100重量部に対して、0.65〜3.0重量部の範囲であることが好ましい。合計量が0.65重量部より少ない場合、所望の帯電防止性能が得られないことがある。3.0重量部より多い場合、予備発泡粒子がべとつく及びコスト高となることがある。より好ましい合計量は、0.7〜2.5重量部である。
第2の帯電防止剤の含浸は、30〜90℃の雰囲気温度下で、5〜90秒間行うことが好ましい。これら温度及び時間の範囲外では、帯電防止性の不足や、生産性の低下、発泡性複合樹脂粒子等のべとつきが生じることがある。なお、帯電防止剤の含浸は、必要に応じて加圧下で行ってもよい。
なお、発泡性樹脂粒子への第2の帯電防止剤の含浸は、予備発泡に使用される容器中で、溶液状又は液状の帯電防止剤を発泡性樹脂粒子に、接触させることで行われる。接触させる方法としては、溶液状又は液状の帯電防止剤を噴霧するか、予備発泡機上部から添加することで行うことが好ましい。噴霧する場合、容器に対する噴霧位置は、特に限定されない。但し、発泡性樹脂粒子にできるだけ近い位置であることが、容器や攪拌羽根に帯電防止剤が付着することを防止でき、効率よく帯電防止剤を発泡性樹脂粒子と接触させることができるので好ましい。ここで、近い位置は、発泡性樹脂粒子の上面から80cm以下の位置であることがより好ましい。
予備発泡粒子は、第2の帯電防止剤を含浸させた発泡性樹脂粒子を、水蒸気等の加熱媒体を用いて加熱して所定の嵩密度に予備発泡させることで得ることができる。
予備発泡粒子は、嵩倍数5〜60倍(嵩密度0.016〜0.2g/cm3)を有していることが好ましい。より好ましい嵩倍数は10〜55倍である。嵩倍数が60倍より大きいと、発泡粒子の独立気泡率が低下して、予備発泡粒子を発泡させて得られる発泡成形体の強度が低下することがある。一方、5倍より小さいと、予備発泡粒子を発泡させて得られる発泡成形体の重量が増加することがある。
(3)発泡成形体の製造方法
上記予備発泡粒子を成形機の型内に充填し、加熱して二次発泡させ、予備発泡粒子同士を融着一体化させることによって所望形状を有する発泡成形体を得ることができる。上記成形機としては、当該技術分野で用いられるEPS成形機等を用いることができる。
得られた発泡成形体は、良好な帯電防止性を有する。そのため、発泡成形体は、家電製品等の緩衝材(クッション材)、電子部品、各種工業資材、食品等の搬送容器(梱包材)等の用途に使用できる。また、車輛用バンパーの芯材、ドア内装緩衝材等の衝撃エネルギー吸収材としても使用できる。
以下実施例を挙げて更に説明するが、本発明はこれら実施例によって限定されるものではない。
<予備発泡粒子の嵩倍数>
約5gの予備発泡粒子の重量(a)を小数以下2位で秤量する。次に、最小メモリ単位が5cm3である500cm3メスシリンダーに秤量した予備発泡粒子を入れ、これにメスシリンダーの口径よりやや小さい円形の樹脂板であって、その中心に巾約1.5cm、長さ約30cmの棒状の樹脂板が直立して固定された押圧具をあてて、予備発泡粒子の体積(b)を読み取り、式(a)/(b)により予備発泡粒子の嵩密度(g/cm3)を求める。嵩倍数は嵩密度の逆数、すなわち式(b)/(a)とする。
<発泡成形体の倍数>
発泡成形体(成形後、40℃で20時間以上乾燥させたもの)から切り出した試験片(例75×300×35mm)の重量(a)と体積(b)をそれぞれ有効数字3桁以上になるように測定し、式(a)/(b)により発泡成形体の密度(g/cm3)を求める。倍数は密度の逆数、すなわち式(b)/(a)とする。
<平均表面抵抗率>
JIS K6911:1995「熱硬化性プラスチック一般試験方法」に記載の方法により測定する。即ち、試験装置(アドバンテスト社製デジタル長高抵抗/微小電流計R8340及びレジスティビティ・チェンバR12702A)を使用し、試料サンプルに、約30Nの荷重で電極を圧着させ、500V1分間充電後の抵抗値を測定する。測定値から次式より表面抵抗率を算出する。
ρs=π(D+d)/(D−d)×Rs
ρs:表面抵抗率(MΩ)
D:表面の環状電極の内径(cm)
d:表面電極の内円の外形(cm)
Rs:表面抵抗(MΩ)
試料サンプルは、100mm×100mm×厚さ10mm以下の大きさを有し、同一の発泡成形体から10個切り出す。切り出された10個の試料サンプルを、20℃、湿度65%の環境下に24時間程度保存した後、10個の試料サンプルの抵抗値を測定する。平均表面抵抗率は、10個の表面抵抗率の平均値である。
<標準偏差>
10個の表面抵抗率をそれぞれ対数(1og10)で返し、得られた対数を用いて標準偏差を得る。
<帯電防止性の評価>
平均表面抵抗率が1012未満かつ標準偏差が1.0以下の場合、その発泡成形体は優れた帯電防止性を有する良品(○)であると評価する。
<持続的な帯電防止性の評価>
得られた発泡成形体表面を純水にて直径1cmの蛇口より毎秒100mlの水量で1分間水洗し、その後、発泡成形体表面の付着水分をタオルペーパーで除去した後、100mm×100mm×厚さ10mm以下の大きさを有し、同一発泡成形体から10個切り出す。切り出された10個の試料サンプルを、温度20℃、湿度65%の環境下にて24時間以上保存した後に表面抵抗率測定を行い、平均表面抵抗率を求める。
実施例1
(樹脂粒子の製造)
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂粒子(日本ポリエチレン社製LV−211、メルトフローレート0.3g/10分、酢酸ビニル含量6.2重量%)100重量部に、気泡調整剤としての珪酸カルシウム0.3重量部とステアリン酸カルシウム0.1重量部とを加えて、押出機にて均一に混練し、水中カット方式により造粒ペレットを得た(エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂粒子は100粒あたり80mgに調整した)。
内容積100リットルの攪拌機付き耐圧容器に、上記ペレット40重量部、純水120重量部、ピロリン酸マグネシウム0.45重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.02重量部を加え、攪拌して純水中に懸濁させた。
次いで、この懸濁液に、ラジカル重合開始剤としてジクミルパーオキサイド0.03重量部を20重量部のスチレンモノマーに溶解させた混合液を30分かけて滴下した。滴下後30分間保持した後、反応系の温度を135℃まで上昇させ、2時間保持した後、常温まで冷却した。
更に、この懸濁液に、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ0.16重量部を加えた後、反応系の温度を90℃まで昇温し、ラジカル重合開始剤として、ベンゾイルパーオキサイド0.3重量部及びt−ブチルパーオキシベンゾエート0.02重量部、ジクミルパーオキサイド0.8重量部を40重量部のスチレンモノマーに溶解させた混合液を2時間かけて滴下し、スチレンモノマーを吸収させながら重合を行った。その後、90℃で3時間保持した後、135℃に昇温させ、その温度で3時間保持して重合を完結させた。上記一連の重合を完結させた後、常温まで冷却し、複合樹脂粒子を得た。
(揮発性発泡剤及び帯電防止剤の含浸)
内容積100リットルの攪拌機付き耐圧容器に、樹脂粒子100重量部、第1の帯電防止剤として、非水溶性のアルキルモノエタノールアミン(日油社製ナイミーンL−201:N−ヒドロキシエチルラウリルアミン)0.3重量部及びドデシルベンゼンスルホン酸ソーダ(ナトリウム)0.04重量部、水100重量部とを投入し、密閉し攪拌しながら60℃まで昇温した。60℃の昇温を確認後、発泡剤としてイソペンタンを13重量部添加し、60℃で3時間半保持した後、25℃まで冷却して発泡性樹脂粒子を取り出した。
(予備発泡粒子の製造)
上記発泡性樹脂粒子100重量部をバッチ式発泡機(積水工機製作所社製SKK−70)に投入し、第2の帯電防止剤としてのポリオキシエチレンアルキルアミン(日油社製エレガンS−100:オキシエチレン単位の繰り返し数約1〜4:アルキルの炭素数は約10〜14)0.3重量部を攪拌下に添加し30秒間保持し、ゲージ圧約0.05MPaの設定でスチームを導入しつつ、加熱を開始し、嵩倍数約40倍の予備発泡粒子を得た。帯電防止剤の添加位置は、バッチ式発泡機の上面(投入した発泡性樹脂粒子の上面の約80cm上部)とした。
(発泡成形体の製造)
得られた予備発泡粒子を、400mm(長さ)×300mm(幅)×30mm(厚さ)の大きさの成形用金型内に入れた。この金型に、ゲージ圧0.06MPaの水蒸気を25秒間導入して加熱し、120秒間冷却することで、倍数約40倍の発泡成形体を取り出した。得られた発泡成形体を40℃の乾燥室で、8時間程度乾燥させた。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表1に示す。
実施例2
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの添加量を0.06重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表1に示す。
実施例3
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤としてのアルキルモノエタノールアミン(日油社製ナイミーンL−201)の添加量を0.6重量部及びドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの添加量を0.02重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表1に示す。
実施例4
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの添加量を0.02重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表1に示す。
実施例5
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤として非水溶性のアルキルモノエタノールアミン(日油社製ナイミーンL−201)の添加量を0.6重量部、予備発泡粒子の製造工程における第2の帯電防止剤としてのポリオキシエチレンアルキルアミンの添加量を1.2重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表1に示す。
実施例6
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤としてアルキルモノエタノールアミン(日油社製ナイミーンL−201)をポリオキシエチレンアルキルアミンに、予備発泡粒子の製造工程における第2の帯電防止剤としてのポリオキシエチレンアルキルアミンをアルキルモノエタノールアミン(日油社製ナイミーンL−201)に換えたこと以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表1に示す。
比較例1
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤としてアルキルモノエタノールアミン(日油社製ナイミーンL−201)の添加量を0.05重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの添加量を0.06重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表2に示す。
比較例2
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ソーダを0.06重量部のみ添加すること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表2に示す。
比較例3
揮発性発泡剤の含浸工程において、第1の帯電防止剤としてアルキルモノエタノールアミン(日油社製ナイミーンL−201)の添加量を0.6重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ソーダの添加量を0.06重量部とし、予備発泡粒子の製造工程において第2の帯電防止剤を添加しないこと以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表2に示す。
比較例4
予備発泡粒子の製造工程における第2の帯電防止剤として脂肪族第4級アンモニウム塩(第一工業製薬社製カチオーゲンES−0)を使用し、その添加量を0.6重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得ようとしたが、泡立ちが発生してしまい発泡成形体を得ることができなかった。
比較例5
予備発泡粒子の製造工程における第2の帯電防止剤としてのポリオキシエチレンアルキルアミン)の添加量を0.2重量部とすること以外は実施例1と同様に発泡成形体を得た。
得られた発泡成形体の平均表面抵抗率を求め、得られた結果を帯電性の評価と共に表2に示す。
Figure 0005346571
Figure 0005346571
実施例1〜5と比較例3とから、予備発泡時に第2の帯電防止剤を含浸させながら予備発泡させることで、良好な帯電防止性を有する発泡成形体が得られることが分かる。
実施例及び比較例1、2及び5とから、予備発泡前に含浸させる第1の帯電防止剤の量を、樹脂100重量部に対して0.1〜2.0重量部含浸させた後、予備発泡を行なうときに使用される第2の帯電防止剤の量を、発泡性樹脂粒子100重量部に対して0.1〜2.0重量部用いることで、良好な帯電防止性を有する発泡成形体が得られることが分かる。
さらに、実施例と比較例4とから、予備発泡時に含浸させる第2の帯電防止剤は、非イオン性界面活性剤として使用される剤から選択されるものが適していることが分かる。
以上から、実施例では、持続的でかつ良好な帯電防止性を有する発泡成形体が得られる。

Claims (7)

  1. ポリスチレン系樹脂粒子100重量部に揮発性発泡剤及び0.15〜1.5重量部の第1の帯電防止剤を含浸させて発泡性樹脂粒子を得、
    得られた発泡性樹脂粒子100重量部に、非イオン性界面活性剤として使用される剤から選択される0.1〜2.0重量部の第2の帯電防止剤を含浸させた後、次いで予備発泡させて予備発泡粒子を得る工程を含むことを特徴とする予備発泡粒子の製造方法。
  2. 前記ポリスチレン系樹脂粒子への揮発性発泡剤と第1の帯電防止剤の含浸が、密閉耐圧容器中にポリスチレン系樹脂粒子と第1の帯電防止剤を入れて流動させるか、攪拌機付き密閉耐圧容器内でポリスチレン系樹脂粒子と第1の帯電防止剤を水性媒体に懸濁させ、揮発性発泡剤を導入する方法により行なわれる請求項1に記載の予備発泡粒子の製造方法。
  3. 前記発泡性樹脂粒子への第2の帯電防止剤の含浸が、前記予備発泡に使用される容器中で、溶液状又は液状の帯電防止剤を前記発泡性樹脂粒子に、接触させることで行われる請求項1又は2に記載の予備発泡粒子の製造方法。
  4. 前記ポリスチレン系樹脂粒子に含浸させる第1の帯電防止剤及び前記発泡性樹脂粒子に含浸させる第2の帯電防止剤が、アルキルエタノールアミン又はアルキルポリエーテルアミンである請求項1〜3のいずれか1つに記載の予備発泡粒子の製造方法。
  5. 前記揮発性発泡剤が、プロパン、n−ブタン、イソブタン、n−ペンタン、イソペンタン、シクロペンタンから選択される請求項1〜4のいずれか1つに記載の予備発泡粒子の製造方法。
  6. 前記発泡性樹脂粒子中における、前記揮発性発泡剤の含有率が6〜12重量%である請求項1〜5のいずれか1つに記載の予備発泡粒子の製造方法。
  7. 前記ポリスチレン系樹脂粒子が、ポリオレフィン系樹脂100重量部と、ポリスチレン系樹脂120〜560重量部との複合樹脂粒子からなる請求項1〜6のいずれか1つに記載の予備発泡粒子の製造方法。
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