JP2016180091A - 発泡性複合樹脂粒子含有スラリーとその充填用容器、発泡粒子および発泡成形体 - Google Patents

発泡性複合樹脂粒子含有スラリーとその充填用容器、発泡粒子および発泡成形体 Download PDF

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智裕 水野
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Abstract

【課題】冷凍することなしに、長期間に亘って発泡性を維持し得る発泡性複合樹脂粒子を含有するスラリーとその充填用容器、その中の発泡性複合樹脂粒子を予備発泡させた発泡粒子およびそれを発泡成形した発泡成形体を提供することを課題とする。【解決手段】ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含んだ複合樹脂および該複合樹脂に対して発泡剤として5.5〜13.0質量%の炭素数5〜6の炭化水素を含有する発泡性複合樹脂粒子と、水とを含み、前記発泡性複合樹脂粒子が前記水の表面に露出しないように水に浸漬されてなることを特徴とする発泡性複合樹脂粒子含有スラリーにより、上記の課題を解決する。【選択図】図1

Description

本発明は、発泡性複合樹脂粒子含有スラリーとその充填用容器、発泡粒子および発泡成形体に関する。さらに詳しくは、本発明は、冷凍することなしに、長期間に亘って発泡性を維持し得る発泡性複合樹脂粒子を含有するスラリーおよびそれを充填するための容器、スラリー中の発泡性複合樹脂粒子を予備発泡させた発泡粒子およびそれを発泡成形した発泡成形体に関する。
ポリスチレン系樹脂からなる発泡成形体は、優れた緩衝性および断熱性を有しかつ成形が容易であることから、包装材や断熱材として多用されている。しかしながら、耐衝撃性や柔軟性が不十分であるため、割れや欠けが発生し易く、例えば精密機器製品の包装などには適していない。
一方、ポリオレフィン系樹脂からなる発泡成形体は、耐衝撃性や柔軟性に優れているが、その成形時に大掛かりな設備を必要とする。また、樹脂の性質上、予備発泡粒子の形態で原料メーカーから成形加工メーカーに輸送しなければならない。そのため、嵩高い予備発泡粒子を輸送することになり、製造コストが上昇するという問題がある。
そこで、上記2つの異なる樹脂の特長を併せもつ、様々なスチレン改質ポリオレフィン系樹脂粒子(複合樹脂粒子)およびそれらを用いた発泡成形体が提案されている。
一般に、発泡性複合樹脂粒子は、複合樹脂粒子に揮発性発泡剤を含浸させることで得られ、これを予備発泡および発泡成形することにより発泡成形体が得られる。
従来から揮発性発泡剤としては、常温で気体であるブタンが用いられてきたが、易揮発性であることから含浸後の輸送や保管において抜け易く、その対策が必要であった。
一方、常温で液体であるペンタンではブタンのような抜けの問題は軽減され、ペンタンを含浸させた発泡性複合樹脂粒子を冷凍することにより、耐圧容器を用いずとも輸送や保管が可能になる。
しかしながら、ペンタンを含浸させて冷凍した発泡性複合樹脂粒子は、その後の予備発泡および発泡成形において、一定品質の発泡粒子および発泡成形体が得られ難いという問題があった。
そこで、例えば、特許第5192420号公報(特許文献1)に記載されているような、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂との複合樹脂に、500〜5000ppmの水分と7.5〜11.0重量%のペンタンとを含有することを特徴とする長期保存用発泡性複合樹脂粒子に関する技術が提案された。
この技術によれば、発泡性複合樹脂粒子を大量に輸送することが可能となり、輸送コストを低くすることができ、冷凍保存した場合、水分およびペンタン量を所定の範囲内に72時間以上維持できるとしている。
しかしながら、この技術では、密閉容器を使用しなければならず、さらに冷凍保存に設備やコストが掛かり、それらの改善が望まれている。
特許第5192420号公報
そこで、本発明は、上記の課題を解決し、冷凍することなしに、長期間に亘って発泡性を維持し得る発泡性複合樹脂粒子を含有するスラリーとその充填用容器、その中の発泡性複合樹脂粒子を予備発泡させた発泡粒子およびそれを発泡成形した発泡成形体を提供することを課題とする。
本発明の発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意検討の結果、発泡剤を含浸した発泡性複合樹脂粒子に水分を付着させる、特にスラリー状態にすることで、冷凍することなしに、長期間に亘って発泡性を維持し得る発泡性複合樹脂粒子が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含んだ複合樹脂および該複合樹脂に対して発泡剤として5.5〜13.0質量%の炭素数5〜6の炭化水素を含有する発泡性複合樹脂粒子と、水とを含み、前記発泡性複合樹脂粒子が前記水の表面に露出しないように水に浸漬されてなることを特徴とする発泡性複合樹脂粒子含有スラリーが提供される。
また、本発明によれば、上記の発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの発泡性複合樹脂粒子を予備発泡させて得られた発泡粒子が提供される。
さらに、本発明によれば、上記の発泡粒子を型内発泡成形させて得られた発泡成形体が提供される。
また、本発明によれば、上記の発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの充填用容器であり、
前記容器が、少なくとも金属、樹脂、紙およびそれらの組み合わせから選択される材料で構成された外容器、前記外容器内に収容されかつ前記発泡性複合樹脂粒子を充填するための内袋、および前記内袋を前記外容器の底面方向に固定するための固定具からなることを特徴とする発泡性複合樹脂粒子含有スラリー充填用容器が提供される。
本発明によれば、冷凍することなしに、長期間に亘って発泡性を維持し得る発泡性複合樹脂粒子を含有するスラリーとその充填用容器、その中の発泡性複合樹脂粒子を予備発泡させた発泡粒子およびそれを発泡成形した発泡成形体を提供することができる。
本発明の発明者らは、このような効果は、図1に示されるように袋状の容器に入れて水(1)の中に浸漬させた発泡性樹脂粒子の集合体(2)の中の個々の発泡性樹脂粒子が、図2に示されるような状態にあることから発現されるものと推察している。
すなわち、発泡性複合樹脂粒子(3)の外周に水の発泡剤バリア層(ガスバリア層)(4)が形成され、内部の発泡剤(ガス、5)の移動を阻害しているものと推察している。
また、本発明の発泡性複合樹脂粒子含有スラリーは、
(1)発泡剤が、n−ペンタン、イソペンタンまたはこれらの混合物である、
(2)発泡性複合樹脂粒子含有スラリーが、30〜75質量%の水を含む、
(3)発泡性複合樹脂粒子含有スラリーが、0℃を超え35℃以下の温度を有する、
(4)複合樹脂が、ポリオレフィン系樹脂100質量部とポリスチレン系樹脂50〜1000質量部とを含む、および
(5)複合樹脂が、0.3〜3mmの平均粒子径を有する粒子である
の少なくとも1つの条件を満足する場合に、上記の優れた効果を更に発揮する。
さらに、本発明によれば、上記の発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの充填に好適な容器が提供される
また、本発明の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー充填用容器は、
(6)内袋が、少なくとも(A)発泡性複合樹脂粒子を充填するための通水穴を有する袋およびその袋を封止する結束バンド、または(B)発泡性複合樹脂粒子を充填するための通水穴を有する袋、その袋を収容するための通水穴を有さない袋およびその袋を封止する結束バンドからなる、
(7)(A)の通水穴を有する袋および(B)の通水穴を有さない袋が、固定用ベルトを備える、
(8)外容器が、水排出バルブを備える、および
(9)外容器が、蓋体を備える
の少なくとも1つの条件を満足する場合に,より好適な容器を提供することができる。
本発明の発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの一例を示す模式図である。 本発明の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー中の発泡性複合樹脂粒子の状態を示す模式図である。 発泡性複合樹脂粒子の発泡倍数の、発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの水分量の依存性を示す図である。 発泡性複合樹脂粒子の発泡倍数の、発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの保管温度の依存性を示す図である。 本発明の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー充填用容器の一例を示す模式図である。 本発明の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー充填用容器の他の一例を示す模式図である。
[発泡性複合樹脂粒子含有スラリー]
本発明の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー(以下、単に「スラリー」ともいう)は、
ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含んだ複合樹脂および該複合樹脂に対して発泡剤として5.5〜13.0質量%の炭素数5〜6の炭化水素を含有する発泡性複合樹脂粒子と、水とを含み、
前記発泡性複合樹脂粒子が前記水の表面に露出しないように水に浸漬されてなることを特徴とする。
スラリーは、以下に詳述する発泡性複合樹脂粒子と、水とを含み、発泡性複合樹脂粒子が水の表面に露出しないように水に浸漬されてなる。
スラリーは、30〜75質量%の水を含むのが好ましい。すなわち、スラリーは、70〜25質量%の発泡性複合樹脂粒子を含むのが好ましい。
スラリー中の水が30質量%未満では、発泡性複合樹脂粒子が水の表面に露出して、長期間に亘って発泡性を維持できなくなることがある。一方、スラリー中の水が75質量%を超えると、発泡性複合樹脂粒子の発泡性を維持できても、スラリーの質量が増加するので、生産効率の低下や輸送コストの増加など経済的に不利になる。
更に好ましいスラリー中の水は、40〜60質量%である。
スラリーは、0℃を超え35℃以下の温度を有するのが好ましい。
スラリーの温度が0℃以下では、スラリーが凍結して、水と樹脂粒子が分離できないことがある。一方、スラリーの温度が35℃を超えると、発泡剤バリア性が悪化することがある。
更に好ましいスラリーの温度は、5〜30℃である。
[複合樹脂]
ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含んだ複合樹脂とは、ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含んだ混合樹脂を意味する。
混合樹脂としては、両樹脂を単純に溶融混合した樹脂も挙げられるが、例えば、後述するようなポリオレフィン系樹脂からなるシード粒子にスチレン系モノマーを含浸させ、重合させるシード重合法により得られる、ポリオレフィン改質スチレン系樹脂が好ましい。
本発明の複合樹脂には、ポリオレフィン系樹脂およびポリスチレン系樹脂以外の樹脂の1種が単独で、または2種以上が組み合わされて混合されていてもよい。
[ポリオレフィン系樹脂]
ポリオレフィン系樹脂としては、炭素数2〜8のα−オレフィンの単独重合体またはそれらを組み合わせた共重合体が挙げられ、それらは架橋していてもよい。
炭素数2〜8のα−オレフィンとしては、エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、1−オクテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ブテン、ビニルシクロアルカン(例えば、ビニルシクロペンタン、ビニルシクロヘキサン)、環状オレフィン(例えば、ノルボルネン、ノルボルナジエン)、ジエン(例えば、ブタジエン、1,4−ヘキサジエン)などが挙げられる。
これらの中でも、エチレン単独重合体またはエチレンと炭素数3〜8のα−オレフィンとの共重合体、プロピレン単独重合体またはプロピレンと炭素数4〜8のα−オレフィンとの共重合体が、発泡成形体の耐衝撃性を向上する観点で好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、分岐状低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−メチルメタクリレート共重合体、これら重合体の架橋体などのポリエチレン系樹脂、プロピレン単独重合体、エチレン−プロピレンランダム共重合体、プロピレン−1−ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−ブテンランダム共重合体などのポリプロピレン系樹脂が挙げられる。
本発明においては、上記のポリオレフィン系樹脂の1種を単独でまたは2種以上を組み合せて用いることができる。
[ポリスチレン系樹脂]
ポリスチレン系樹脂としては、スチレン系モノマーの重合体およびスチレン系モノマーを含む混合モノマーの重合体が挙げられる。
スチレン系モノマーの重合体としては、スチレン系モノマーを主成分とする樹脂であれば特に限定されず、スチレンまたはスチレン誘導体の単独または共重合体が挙げられる。
スチレン誘導体としては、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、クロロスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ジメチルスチレン、ブロモスチレンなどの単官能のモノマーが挙げられる。
本発明においては、上記のスチレン系モノマーの1種を単独でまたは2種以上を組み合せて用いることができる。
スチレン系モノマーを含む混合モノマーの重合体としては、スチレン系モノマーと共重合可能なビニル系モノマーを併用したものが挙げられる。
ビニル系モノマーとしては、例えば、o−ジビニルベンゼン、m−ジビニルベンゼン、p−ジビニルベンゼンなどのジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレートなどのアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートなどの多官能性モノマー;(メタ)アクリロニトリル、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、多官能性モノマーが好ましく、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、エチレン単位数が4〜16のポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼンがより好ましく、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレートが特に好ましい。なお、モノマーは、単独で用いられても、併用されてもよい。
また、モノマーを併用する場合、その含有量は、スチレン系モノマーが主成分となる量(例えば、50質量%以上)になるように設定されることが好ましい。
本発明において「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」または「メタクリル」を意味する。
[複合樹脂の樹脂比率]
複合樹脂は、ポリオレフィン系樹脂100質量部とポリスチレン系樹脂50〜1000質量部とを含むのが好ましい。
ポリスチレン系樹脂が50質量部未満では、発泡成形体の剛性が低下することがある。一方、ポリスチレン系樹脂が1000質量部を超えると、発泡成形体の耐衝撃性が不足することがある。
好ましいポリスチレン系樹脂は、ポリオレフィン系樹脂100質量部に対して100〜900質量部である。
[複合樹脂粒子の平均粒子径]
複合樹脂粒子は、0.3〜3mmの平均粒子径を有するのが好ましい。
複合樹脂粒子の平均粒子径が0.3mm未満では、発泡性粒子に使用する場合、発泡剤の保持性が低くなり、低密度化が困難となり易くなる。一方、複合樹脂粒子の平均粒子径が3mmを超えると、発泡粒子に使用する場合、成形用金型への充填性が悪くなり易く、発泡成形体の薄肉化も困難となり易くなる。
より好ましい複合樹脂粒子の平均粒子径は、0.4〜2.9mmである。
[発泡剤]
本発明の発泡性複合樹脂粒子は、発泡剤として5.5〜13.0質量%の炭素数5〜6の炭化水素(化合物)を含有する。
発泡剤(以下、「発泡ガス」、単に「ガス」ともいう)としての炭素数5〜6の炭化水素としては、例えば、n−ペンタン、イソペンタン、ネオペンタン、n−ヘキサン、シクロペンタンおよびシクロヘキサンが挙げられ、これらの中でも、汎用性があり入手し易いという観点で、n−ペンタン、イソペンタンおよびこれらの混合物であるのが好ましい。
発泡剤の含有割合が5.5質量%未満では、予備発泡粒子を発泡する際に発泡性が低下することがある。一方、発泡剤の含有割合が13.0質量%を超えると、予備発泡粒子の気泡が粗くなりすぎることがある。
好ましい揮発性発泡剤の添加割合は、6.5〜11.0質量%である。
[添加剤]
本発明の複合樹脂粒子には、物性を損なわない範囲内において、着色剤、難燃剤、難燃助剤、可塑剤、結合防止剤、気泡調整剤、架橋剤、充填剤、滑剤、融着促進剤、帯電防止剤、展着剤などの添加剤が添加されていてもよい。
これらの添加剤は、重合工程において反応液に添加すればよい。
[複合樹脂粒子の製造方法]
複合樹脂粒子の製造方法としては、特に限定されず、例えば、上記の両樹脂を混合する方法、シード重合法が挙げられる。
シード重合法は、一般に、シード粒子にモノマー混合物を吸収させ、吸収させた後または吸収させつつモノマー混合物の重合を行うことにより複合樹脂粒子を得ることができる。また、重合させた後または重合させつつ複合樹脂粒子に発泡剤を含浸させて発泡性樹脂粒子を得ることができる。
なお、樹脂粒子中に難燃剤や難燃助剤を含有させる場合には、モノマー混合物の重合時にそれらを添加してもよいし、重合完了後の複合樹脂粒子に含浸させてもよい。
シード重合法による複合樹脂粒子の製造方法は、例えば、
まず、水性媒体中で、シード粒子としてのポリオレフィン系樹脂粒子に、スチレン系樹脂のモノマー(以下「スチレン系モノマー」ともいう)を含むモノマー混合物を吸収させ、吸収させた後または吸収させつつモノマー混合物の重合を行うことで複合樹脂粒子を得る。
モノマー混合物は、これを構成するモノマーを全て同時に水性媒体中に供給する必要はなく、モノマーの全部あるいは一部を別々のタイミングで水性媒体中に供給してもよい。複合樹脂粒子中に添加剤を含有させる場合には、添加剤をモノマー混合物や水性媒体中に添加しても、あるいは、シード粒子中に含有させてもよい。
シード粒子としてのポリオレフィン系樹脂粒子の平均粒子径は、作製する複合樹脂粒子の平均粒子径などに応じて適宜調整できる。
シード粒子の好ましい粒子径は、0.5〜1.5mmの範囲であり、その平均質量は30〜90mg/100粒程度である。
また、その形状は、真球状、楕円球状(卵状)、円柱状、角柱状などが挙げられる。
シード粒子の製造方法は、特に限定されず、公知の方法により製造できる。例えば、原料樹脂を押出機で溶融し、ストランドカット、水中カット、ホットカットなどにより造粒ペレット化する方法、粉砕機にて直接樹脂粒子を粉砕しペレット化する方法により得られる。
また、前記の方法により得られた粒子は、適宜篩い分けすることで、所望の平均粒子径の粒子に分級してもよい。分級したシード粒子を使用することで、粒径分布が狭く所望粒子径を有する発泡性樹脂粒子を得ることができる。
水性媒体としては、水、水と水溶性溶媒(例えば、メチルアルコールやエチルアルコールなどの低級アルコール)との混合媒体が挙げられる。
水性媒体には、モノマー混合物の液滴およびシード粒子の分散性を安定させるために分散剤を用いてもよい。このような分散剤としては、例えば、部分けん化ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの有機系分散剤;ピロリン酸マグネシウム、ピロリン酸カルシウム、リン酸カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウムなどの無機系分散剤が挙げられる。これらの中でも、より安定な分散状態を維持することができることがあるため、無機系分散剤が好ましい。
無機系分散剤を用いる場合には、界面活性剤を併用することが好ましい。このような界面活性剤としては、例えば、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、α−オレフィンスルホン酸ナトリウムなどが挙げられる。
モノマー混合物の重合は、例えば、60〜150℃で、2〜40時間加熱することにより行うことができる。重合は、モノマー混合物をシード粒子中に吸収させた後、またはモノマー混合物をシード粒子に吸収させながら行うことができる。なお、モノマーと樹脂の量はほぼ同一である。
モノマー混合物は、通常重合開始剤の存在下で重合する。重合開始剤は、通常モノマー混合物と同時にシード粒子に含浸させる。
重合開始剤としては、従来からスチレン系モノマーの重合に用いられているものであれば、特に限定されない。例えば、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシベンゾエート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロピルカーボネート、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−t−ブチルパーオキシブタン、t−ブチルパーオキシ−3,3,5−トリメチルヘキサノエート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサハイドロテレフタレート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、ジクミルパーオキサイドなどの有機過酸化物が挙げられる。これら重合開始剤は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いてもよい。重合開始剤の使用量は、モノマー混合物100質量部に対して、例えば0.1〜5質量部の範囲である。
重合開始剤をシード粒子またはシード粒子から成長途上の粒子に均一に吸収させるために、重合開始剤を水性媒体中に添加するにあたって、重合開始剤を水性媒体中に予め懸濁または乳化分散させた上で分散液中に添加するか、あるいは重合開始剤をモノマー混合物またはモノマー混合物のいずれかのモノマーに予め溶解させた上で水性媒体中に添加することが好ましい。
本発明の複合樹脂粒子は、例えば、少なくとも2段階でスチレン系モノマーを重合させ、その際の重合条件を適宜設定することにより得ることができる。具体的には、重合開始剤が分解しない温度で、スチレン系モノマーを添加し、重合開始剤の10時間半減期温度(T1)T1〜T1+15℃の範囲で保持し、さらにポリプロピレン系樹脂の融点(T2)T2−5℃〜T2+10℃の範囲で第1の重合を行い、次に第2の重合を行う。
[発泡性樹脂粒子の製造方法]
本発明の発泡性複合樹脂粒子は、公知の方法、複合樹脂粒子の製造過程において樹脂のモノマーを重合させつつ、または重合させた後に、発泡剤を含浸させる方法、あるいは、押出機に樹脂と発泡剤を投入して溶融混練する方法により得ることができる。
例えば、重合中での含浸は、重合反応を密閉容器中で行い、容器中に発泡剤を圧入することにより行うことができる。また重合終了後の含浸は、密閉容器中で、発泡剤を圧入することにより行うことができる。
押出機に樹脂と発泡剤を投入して溶融混練する方法としては、例えば、樹脂供給装置内で溶融された樹脂に発泡剤を圧入・混練し、発泡剤含有の溶融樹脂を樹脂供給装置先端に付設されたダイの小孔から冷却用液体中に直接押出し、冷却用液体中に押出した押出物を冷却用液体中にて回転刃で切断するとともに、押出物を液体との接触により冷却固化する方法が挙げられる。
含浸時の条件は、複合樹脂粒子や発泡剤の種類、得ようとする発泡性複合樹脂粒子の物性などにより適宜設定すればよい。
例えば、含浸時の温度が低いと、複合樹脂粒子に発泡剤を含浸させるのに要する時間が長くなり、生産効率が低下することがある。一方、含浸時の温度が高いと、複合樹脂粒子同士が融着して結合粒が発生することがある。したがって、含浸時の温度は、50〜80℃の範囲であるのが好ましく、60〜70℃の範囲であるのがより好ましい。
[水分量]
本発明の発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの水分量評価法としては、発泡性複合樹脂粒子と水の割合がわかる方法であれば特に限定されず、例えば、(1)容器内に充填した発泡性複合樹脂粒子と水の充填量から水分量を算出する方法、(2)発泡性複合樹脂粒子含有スラリーから少量の発泡性複合樹脂粒子含有スラリーを抜取り、次いで抜出した発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの加熱減量から水分量を算出する方法、(3)発泡性複合樹脂粒子含有スラリーから少量の発泡性複合樹脂粒子含有スラリーを抜取り、カールフィッシャー法により抜出した発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの水分量を算出する方法が挙げられる。
後述する実施例では、上記の方法(1)で水分量を算出している。
発泡性複合樹脂粒子含有スラリーから少量の発泡性複合樹脂粒子含有スラリーを抜取る方法としては、発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの発泡性複合樹脂粒子と水の割合がわかるように取出すことができれば特に限定されず、例えば、発泡性複合樹脂粒子含有スラリーが充填されている容器の高さと同じ長さの直径10mmのチューブを発泡性複合樹脂粒子含有スラリーに対して沿直下方向に突き刺し、チューブの上部を空気が漏れないように塞いでから、そのまま上方向、または、チューブを斜めに倒してから上方向にチューブを引き抜くことで少量の発泡性複合樹脂含有スラリーを抜取る方法。発泡性複合樹脂粒子含有スラリーを充分撹拌してから1リットルのカップに抜取る方法が挙げられる。
次いで、抜出した発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの加熱減量から水分量を算出する方法としては、まず、少量抜出した発泡性複合樹脂含有スラリーの質量を計量してから、145℃の乾燥器に2時間入れて乾燥させ、デシケーター内で冷却後に質量を再度測定し、発泡性複合樹脂粒子の全体水分量を算出し、その後、再度、少量の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー抜出し、発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの水分をペーパータオルで充分拭取ってから質量を計量し、145℃の乾燥器に入れて2時間乾燥させ、デシケーター内で冷却後に質量を再度測定し、発泡性複合樹脂粒子の内部水分量を算出する。その後、発泡性複合樹脂粒子の全体水分量から発泡性複合樹脂粒子の内部水分量を引き、発泡性複合樹脂粒子の表面付着水分量を求め、発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの水分量とする方法が挙げられる。
[発泡粒子]
本発明の発泡粒子(「予備発泡粒子」ともいう)は、本発明の発泡性複合樹脂粒子を予備発泡させて得られる。
具体的には、本発明の発泡粒子は、加熱水蒸気などを用いて所望の嵩密度に発泡性複合樹脂粒子を発泡させることで得られる。
発泡粒子は、クッションの充填材などの用途ではそのまま使用でき、また型内発泡させるための発泡成形体の原料として使用できる。発泡成形体の原料として用いられる場合、通常、発泡粒子を得るための発泡を「予備発泡」と称する。
発泡粒子の嵩密度は、14〜200kg/m3の範囲であるのが好ましい。
なお、発泡前に、発泡性複合樹脂粒子の表面に、ステアリン酸亜鉛のような粉末状金属石鹸類を塗布してもよい。この塗布により、発泡工程における発泡性複合樹脂粒子同士の結合を減少させることができる。
[発泡成形体]
本発明の発泡成形体は、本発明の発泡粒子を型内発泡成形させて得られる。
発泡成形体は、公知の方法、例えば、発泡粒子を発泡成形機の金型内に充填し、再度加熱して発泡粒子を発泡させながら、発泡粒同士を熱融着させることにより得られる。
本発明の発泡成形体は、14〜200kg/m3の範囲の密度および10〜600μmの範囲の平均気泡径を有するのが好ましい。
[発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの充填用容器]
本発明の発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの充填用容器は、
容器が、少なくとも
金属、樹脂、紙およびそれらの組み合わせから選択される材料で構成された外容器、
前記外容器内に収容されかつ前記発泡性複合樹脂粒子を充填するための内袋、および
前記内袋を前記外容器の底面方向に固定するための固定具
からなることを特徴とする。
(外容器)
外容器は、本発明の発泡性複合樹脂粒子含有スラリーを充填した内袋を収容し、スラリーの水漏れがなく、保管および運搬に耐え得る強度を有するものであれば、その材料や形状は特に限定されない。
外容器は、金属、樹脂、紙およびそれらの組み合わせから選択される材料で構成され、材料強度の点で、金属および樹脂が好ましい。
また、その形状は、矩形コンテナ状、ドラム状および袋状などが挙げられ、積載効率の点で、ドラム状および矩形コンテナ状が好ましい。
外容器としては、金属ドラム、樹脂ドラム、ファイバードラム、オクタビン、ビックバックなどが挙げられる。
外容器は、蓋体を備えるのが好ましい。外容器が蓋体を備えることにより、容器内部のスラリーの流出を防ぐ、または外容器を重ねて積載することができるので好ましい。
外容器は、水排出バルブを備えるのが好ましい。外容器が水排出バルブを備えることにより、スラリーの水の排出が容易になるので好ましい。
(内袋)
内袋は、外容器内に収容できかつ発泡性複合樹脂粒子を充填できるものであれば、その材料や形状は特に限定されない。
内袋は、少なくとも
(A)前記発泡性複合樹脂粒子を充填するための通水穴を有する袋およびその袋を封止する結束バンド、または
(B)前記発泡性複合樹脂粒子を充填するための通水穴を有する袋、その袋を収容するための通水穴を有さない袋およびその袋を封止する結束バンド
からなるものが好ましい。
上記(A)および(B)の通水穴を有する袋としては、例えば、樹脂製のメッシュ袋が挙げられる。メッシュは、通水が可能でかつ発泡性複合樹脂粒子を貫通させない大きさであればよく、複合樹脂粒子の平均粒子径が0.3〜3mmである場合、0.02〜2.60mm程度である。
上記(B)の通水穴を有さない袋としては、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂などの樹脂製の袋が挙げられる。
上記(B)の場合には、通水穴を有する袋と通水穴を有さない袋とを合わせて内袋を構成する。
上記(B)の2重の内袋の場合には、通水穴を有さない袋が外容器と水の接触を防ぐため、外容器の防食および防汚の点で好ましい。
結束バンドは、上記(A)の通水穴を有する袋および上記(B)の通水穴を有さない袋を封止し得るものであれば、その材料は特に限定されない。
結束バンドとしては、ナイロンタイ、タイラップ(登録商標、トーマスアンドベッツ社製)、インシュロック(登録商標、ヘラマンタイトン社製)などが挙げられる。
また、内袋は、結束バンドの代わりにファスナーやヒートシールを用いて封止されていてもよい。
上記(A)の通水穴を有する袋および上記(B)の通水穴を有さない袋は、固定用ベルトを備えるのが好ましい。これらの袋が固定用ベルトを有することにより、発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの処理における作業性が向上する。
固定用ベルトは、スラリーが充填された内袋を持ち上げることができる強度を有していれば、その材料やその形状は特に限定されない。
(固定具)
固定具は、内袋を外容器の底面方向に固定できるものであれば、その材料や形状は特に限定されず、外容器に設けたフックと内袋の固定用ベルトの連結具、外容器の上記開放部を覆う蓋体と内袋の空間の全てまたは一部を埋めるスぺーサー、内袋の上部から押さえつける錘などが挙げられる。取扱いが容易な錘が好ましい。
固定具の材料は、例えば、金属、樹脂、金属を樹脂で被覆したものなどが挙げられ、その形状は、円板状、矩形板状などが挙げられ、内袋の破損を防止する意味で、円板状のような曲面形状が好ましい。
図5は、本発明の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー充填用容器の一例を示す模式図であり、内袋が上記(A)の場合を示している。
すなわち、本発明の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー充填用容器(6)は、水排出バルブ(13)、蓋体(14)を備えた外容器(7)、発泡性複合樹脂粒子含有スラリーが充填され、通水穴を有しかつ固定用ベルト(12)を備えた内袋(8)および固定具(11)からなる。
図6は、本発明の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー充填用容器の他の一例を示す模式図であり、内袋が上記(B)の場合を示している。
すなわち、本発明の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー充填用容器(6)は、水排出バルブ(13)、蓋体(14)を備えた外容器(7)、発泡性複合樹脂粒子含有スラリーが充填されかつ通水穴を有する袋(9)およびその袋を収容するための通水穴を有さずかつ固定用ベルト(12)を備えた袋(10)から構成される内袋(8)、および固定具(11)からなる。
以下、実施例および比較例により本発明を具体的に説明するが、以下の実施例は本発明の例示にすぎず、本発明は以下の実施例のみに限定されない。
実施例および比較例においては、得られた複合樹脂粒子、発泡性複合樹脂粒子、その含有スラリーおよび発泡粒子の物性を次のようにして評価した。
なお、発泡性複合樹脂粒子含有スラリーである水と樹脂粒子(ビーズ)のサンプリングを、ポリ容器の中の錘を取出し、ポリ容器の中に入れたままメッシュ袋を開けて、その中に内径φ10mm×長さ250mmの塩化ビニル製のチューブを略鉛直方向に突き刺し、チューブの穴を塞ぐように上部を指で押さえて(封止して)からチューブを5〜30°傾けて抜取ることにより行った。
[複合樹脂粒子の平均粒子径(mm)]
次の要領で複合樹脂粒子の平均粒子径を測定する。
篩目開き4.00mm、3.35mm、2.80mm、2.36mm、2.00mm、1.70mm、1.40mm、1.18mm、1.00mm、0.85mm、0.71mm、0.60mm、0.50mm、0.425mm、0.355mm、0.300mm、0.250mm、0.212mmおよび0.180mmのJIS標準篩(JIS Z8801−1:2006)を備えたロータップ型篩振とう機(株式会社飯田製作所製、型式:ロータップ型)を用いて、複合樹脂粒子の試料約25gを10分間分級し、篩網上の試料質量を測定する。
得られた結果から累積質量分布曲線を作成し、累積質量が50%となる粒子径(メディアン径D50)を平均粒子径(mm)とする。
[発泡性複合樹脂粒子中の残存ガス量(質量%)]
次の要領で発泡性複合樹脂粒子中の残存ガス量を測定する。
スラリーから発泡性複合樹脂粒子を取り出し、ペーパータオルを用いて水分を拭き取り、試料として20mg程度を精秤する。次いで、その試料を下記の熱分解炉の分解炉入り口にセットし、15秒間程度ヘリウムガスでパージして試料セット時の混入ガスを排出させる。熱分解炉を密閉して試料を温度200℃の炉心に挿入し、120秒間加熱してガスを放出させ、放出ガスを以下の条件で測定(定量)する。
測定装置:ガスクロマトグラフ 型式:GC−14B
熱分解炉 型式:PYR−1A(共に、株式会社島津製作所製)
カラム :Shimalite 60/80 NAW(Squalane 25%)3m×3φ
検出器 :FID
測定条件:カラム温度(70℃),注入口温度(110℃),検出器温度(110℃)
キャリアーガス(N2),N2流量(50mL/min),絶対検量線法
[発泡粒子の嵩倍数(倍)]
次の要領で発泡粒子の嵩倍数を測定する。
容量500mL(cm3)のメスシリンダに発泡粒子を充填する。但し、メスシリンダを水平方向から目視して発泡粒子が一粒でも500mLの目盛りに達した時点で充填を終了する。次に、メスシリンダ内に充填した発泡粒子の質量を小数点以下2位の有効数字で秤量し、その質量をW(g)とし、次式により発泡粒子の嵩倍数を算出する。
嵩倍数(倍)=500/W
なお、嵩倍数の逆数が嵩密度になる。
本発明の発泡性複合樹脂粒子は、複合樹脂の材料、発泡剤の種類や含有量、所望する発泡倍数などにより異なるが、0時間の発泡倍数を100%としたとき、スラリー状態での168時間保管後の発泡倍数が55%以上となる発泡性を有しているのが好ましい。
[実施例1]
(複合樹脂粒子:ポリエチレン系樹脂(PE)/ポリスチレン系樹脂(PS)=30/70のポリエチレン改質スチレン系樹脂粒子の作製)
ポリオレフィン系樹脂としてのエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(日本ポリエチレン株式会社製、品名:ノバテックEVA、品番:LV−115)を押出機に供給し、加熱溶融して押出し、水中カット方式で100粒あたり80mgに調整して造粒ペレット化することにより、球状のポリオレフィン系樹脂粒子からなるシード粒子を得た。
次に、得られたシード粒子10.5kgを容量100リットルの攪拌機付オートクレーブに入れ、水性媒体としての水45kg、分散剤としてのピロリン酸マグネシウム315g、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.6gを加え、撹拌してシード粒子を水性媒体中に懸濁させ、10分間保持し、60℃に昇温して懸濁液を得た。
次に、得られた懸濁液に、重合開始剤としてジクミルパーオキサイドを5.4g溶解させたスチレンモノマー4.5kgを30分掛けて滴下した。滴下後、60℃で30分間保持することで、シード粒子中にスチレンモノマーを吸収(含浸)させた。吸収後、130℃に昇温し、この温度で1時間45分撹拌を続けてスチレンモノマーを重合させた。
次に、90℃に冷却した懸濁液中に、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム11.4gを加えた後、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド39.2g、t−ブチルパーオキシベンゾエート4.9gと架橋剤としてのジクミルパーオキサイド98.7gを溶解させたスチレンモノマー6.2kgを2時間掛けて滴下した。次いで、気泡調整剤としてのエチレンビスステアリン酸アミド175gを溶解させたスチレンモノマー13.8kgを2時間掛けて滴下した。滴下後、90℃で1時間保持し、次いで143℃に昇温し、その温度で2時間保持して重合を完結させた。その後、常温まで冷却し、複合樹脂粒子を取り出した。
得られた複合樹脂粒子の平均粒子径は1.60mmであった。
(発泡性複合樹脂粒子の作製)
得られた複合樹脂粒子2kgを容量5リットルの攪拌機付オートクレーブに入れ、水性媒体としての純水2kg、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2gを加え、攪拌して複合樹脂粒子を水性媒体中に懸濁させ、10分間保持した。その後、発泡剤としてのイソペンタン(イソペンタン97%以上含有、エスケイ産業株式会社製、製品名:イソペンタン)300g(複合樹脂粒子に対して15質量%)を加え、60℃に昇温し、この温度で3時間攪拌を続けた。その後、常温まで冷却して発泡性複合樹脂粒子を取り出した。
(発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの作製および保管)
得られた発泡性複合樹脂粒子1200gを、ポリエステル製のメッシュ袋(目明き:0.5mm)に入れ、内容物が排出されないように袋の口を止めた。次いで、メッシュ袋を容量2リットルのポリ容器(内径約120mm×高さ約200mm)に入れて、メッシュ袋の上に質量150gのステンレス製の錘を載せ、その上から温度20℃の冷水800gを注ぎ、スラリー(水分量:40質量%)を得た(図1参照)。このとき、メッシュ袋内の発泡性複合樹脂粒子は、水面から露出せず浸漬された状態にあった。その後、温度23℃に設定した恒温室で168時間保管した。
保管開始時(0時間)、以降24時間後、72時間後および保管終了時の168時間後にスラリーから発泡性複合樹脂粒子の試料を採取して、発泡性複合樹脂粒子中の残存ガス量を測定した。
(発泡性複合樹脂粒子の予備発泡)
上記と同様にしてスラリーを作製し、保管開始時(0時間)、以降24時間後、72時間後および保管終了時の168時間後にスラリーから発泡性複合樹脂粒子の試料を採取し、予備発泡させて発泡粒子を得、その嵩倍数を測定した。
具体的には、スチームで予熱した発泡槽に発泡性樹脂粒子100〜2000gを投入し、撹拌しながらゲージ圧力0.02MPaの設定までスチームを導入しつつ、空気も供給して、約3分発泡させて、槽から発泡粒子を取り出し、その嵩倍数を測定した。
以上の得られた結果を、樹脂材料、複合樹脂粒子の平均粒子径、スラリーの保管温度および水分量と共に表1に示す。
[実施例2]
表1に示すようにスラリーの水分量を50質量%にすること以外は実施例1と同様にして、発泡性複合樹脂粒子、その含有スラリーおよび発泡粒子を得、それらを評価した。このとき、メッシュ袋内の発泡性複合樹脂粒子は、水面から露出せず浸漬された状態にあった。
以上の得られた結果を、樹脂材料、複合樹脂粒子の平均粒子径、スラリーの保管温度および水分量と共に表1に示す。
[比較例1および2]
表1に示すようにスラリーの水分量をそれぞれ5質量%および20質量%にすること以外は実施例1と同様にして、発泡性複合樹脂粒子、その含有スラリーおよび発泡粒子を得、それらを評価した。このとき、メッシュ袋内の発泡性複合樹脂粒子は、水面から露出した状態にあった。
以上の得られた結果を、樹脂材料、複合樹脂粒子の平均粒子径、スラリーの保管温度および水分量と共に表1に示す。
[実施例3]
(複合樹脂粒子:ポリエチレン系樹脂(PE)/ポリスチレン系樹脂(PS)=40/60のポリエチレン改質スチレン系樹脂粒子の作製)
100粒あたり40mgに調整すること以外は実施例1と同様にして、球状のポリオレフィン系樹脂粒子からなるシード粒子を得た。
次に、得られたシード粒子14kgを容量100リットルの攪拌機付オートクレーブに入れ、水性媒体としての水45kg、分散剤としてのピロリン酸マグネシウム315g、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.6gを加え、撹拌してシード粒子を水性媒体中に懸濁させ、10分間保持し、60℃に昇温して懸濁液を得た。
次に、得られた懸濁液に、重合開始剤としてジクミルパーオキサイドを7.2g溶解させたスチレンモノマー6.0kgを30分掛けて滴下した。滴下後、60℃で30分間保持することで、シード粒子中にスチレンモノマーを吸収(含浸)させた。吸収後、130℃に昇温し、この温度で2時間撹拌を続けてスチレンモノマーを重合させた。
次に、90℃に冷却した懸濁液中に、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム11.4gを加えた後、重合開始剤としてベンゾイルパーオキサイド39.9g、t−ブチルパーオキシベンゾエート3.2gと架橋剤としてのジクミルパーオキサイド102.2gを溶解させたスチレンモノマー5.0kgを1時間30分掛けて滴下した。次いで、気泡調整剤としてのエチレンビスステアリン酸アミド105gを溶解させたスチレンモノマー10.0kgを1時間30分掛けて滴下した。滴下後、90℃で1時間保持し、次いで143℃に昇温し、その温度で2時間30分保持して重合を完結させた。その後、常温まで冷却し、複合樹脂粒子を取り出した。
得られた複合樹脂粒子の平均粒子径は1.25mmであった。
(発泡性複合樹脂粒子の作製)
発泡剤としてのイソペンタン260g(複合樹脂粒子に対して13質量%)を用いること以外は実施例1と同様にして、発泡性複合樹脂粒子を得た。
(発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの作製および保管)
表2に示すようにスラリーの水分量を50質量%にし、保管温度を30℃にすること以外は実施例1と同様にして、発泡性複合樹脂粒子の含有スラリーおよび発泡粒子を得、それらを評価した。このとき、メッシュ袋内の発泡性複合樹脂粒子は、水面から露出せず浸漬された状態にあった。
以上の得られた結果を、樹脂材料、複合樹脂粒子の平均粒子径、スラリーの保管温度および水分量と共に表2に示す。
[実施例4および5]
表2に示すようにスラリーの保管温度をそれぞれ23℃および5℃にすること以外は実施例3と同様にして、発泡性複合樹脂粒子、その含有スラリーおよび発泡粒子を得、それらを評価した。このとき、メッシュ袋内の発泡性複合樹脂粒子は、水面から露出せず浸漬された状態にあった。
以上の得られた結果を、樹脂材料、複合樹脂粒子の平均粒子径、スラリーの保管温度および水分量と共に表2に示す。
表1および2の結果から、実施例1〜5のスラリーは、比較例1〜2のスラリーと比較して、冷凍することなしに、長期間に亘って発泡性を維持し得る発泡性複合樹脂粒子を提供できることがわかる。
図3および4は、それぞれ横軸にスラリーの保管の経過時間を、縦軸に発泡性複合樹脂粒子の発泡倍数を規定し、表1および2の結果を示した図であり、図3は発泡倍数の水分量の依存性を示す図であり、図4は発泡倍数の保管温度の依存性を示す図である。
[実施例6]
(複合樹脂粒子:ポリエチレン系樹脂(PE)/ポリスチレン系樹脂(PS)/カーボン/=38.8/60/1.2のポリエチレン改質スチレン系樹脂粒子の作製)
ポリオレフィン系樹脂としてのエチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂(日本ポリエチレン株式会社製、品名:ノバテックEVA、品番:LV−211)100質量部、40質量%含有カーボンブラックマスターバッチ(ダウケミカル社製、品番:28E−40)8.2質量部を押出機に供給し、加熱溶融して押出し、水中カット方式で100粒あたり80mgに調整して造粒ペレット化することにより、球状のポリオレフィン系樹脂粒子からなるシード粒子を得た。
次に、得られたシード粒子14.6kgを容量100リットルの攪拌機付オートクレーブに入れ、水性媒体としての水40kg、分散剤としてのピロリン酸マグネシウム400g、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.6gを加え、撹拌してシード粒子を水性媒体中に懸濁させ、10分間保持し、70℃に昇温して懸濁液を得た。
次に、得られた懸濁液に、重合開始剤としてジクミルパーオキサイドを16.1g溶解させたスチレンモノマー7.32kgを30分掛けて滴下した。滴下後、60℃で30分間保持することで、シード粒子中にスチレンモノマーを吸収(含浸)させた。吸収後、135℃に昇温し、この温度で2時間撹拌を続けてスチレンモノマーを重合させた。
次に、125℃に冷却した懸濁液中に、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム65.9gを加えた後、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド109.8gを溶解させたスチレンモノマー16.56kgを4時間掛けて滴下した。次いで、気泡調整剤としてのエチレンビスステアリン酸アミド2.3gを溶解させた水2.0kgを1時間30分掛けて滴下した。滴下後、143℃に昇温し、その温度で2時間30分保持して重合を完結させた。その後、常温まで冷却し、複合樹脂粒子を取り出した。
得られた複合樹脂粒子の平均粒子径は1.60mmであった。
(発泡性複合樹脂粒子の作製)
発泡剤としてのイソペンタン300g(複合樹脂粒子に対して15質量%)を用いること以外は実施例1と同様にして、発泡性複合樹脂粒子を得た。
(発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの作製および保管)
表3に示すように実施例1と同様にして、発泡性複合樹脂粒子の含有スラリーおよび発泡粒子を得、それらを評価した。このとき、メッシュ袋内の発泡性複合樹脂粒子は、水面から露出せず浸漬された状態にあった。
[実施例7]
(複合樹脂粒子:ポリプロピレン系樹脂(PP)/ポリスチレン系樹脂(PS)/カーボン/=38.1/60/1.9のポリプロピレン改質スチレン系樹脂粒子の作製)
ポリプロピレン系樹脂(プライムポリマー株式会社製、品名:プライムポリプロ、品番:F−744NP)100質量部、45質量%含有カーボンブラックマスターバッチ(大日精化工業株式会社製、品番:PP−RM 10H381)10.1質量部を押出機に供給し、加熱溶融して押出し、水中カット方式で100粒あたり80mgに調整して造粒ペレット化することにより、球状のポリオレフィン系樹脂粒子からなるシード粒子を得た。
次に、得られたシード粒子14kgを容量100リットルの攪拌機付オートクレーブに入れ、水性媒体としての水45kg、分散剤としてのピロリン酸マグネシウム370g、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5.9gを加え、撹拌してシード粒子を水性媒体中に懸濁させ、10分間保持し、70℃に昇温して懸濁液を得た。
次に、得られた懸濁液に、重合開始剤としてジクミルパーオキサイドを11.2g溶解させたスチレンモノマー5.6kgを60分掛けて滴下した。滴下後、120℃に昇温し、60分間保持することで、シード粒子中にスチレンモノマーを吸収(含浸)させた。吸収後、143℃に昇温し、この温度で2時間撹拌を続けてスチレンモノマーを重合させた。
次に、125℃に冷却した懸濁液中に、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム54.0gを加えた後、重合開始剤としてジクミルパーオキサイド65.1gを溶解させたスチレンモノマー16.1kgを4時間掛けて滴下した。滴下後、143℃に昇温し、その温度で4時間保持して重合を完結させた。その後、常温まで冷却し、複合樹脂粒子を取り出した。
得られた複合樹脂粒子の平均粒子径は1.60mmであった。
(発泡性複合樹脂粒子の作製)
発泡剤としてのイソペンタン300g(複合樹脂粒子に対して15質量%)を用いること、ゲージ圧力0.04MPaの設定までスチームを導入すること以外は実施例1と同様にして、発泡性複合樹脂粒子を得た。
(発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの作製および保管)
表3に示すように実施例1と同様にして、発泡性複合樹脂粒子の含有スラリーおよび発泡粒子を得、それらを評価した。このとき、メッシュ袋内の発泡性複合樹脂粒子は、水面から露出せず浸漬された状態にあった。
[実施例8]
(複合樹脂粒子:ポリエチレン系樹脂(LLDPE)/ポリスチレン系樹脂(PS)=20/80のポリエチレン改質スチレン系樹脂粒子の作製)
ポリエチレン系樹脂(日本ポリエチレン株式会社製、品名:ハーモレックス、品番:NF444A)100質量部を押出機に供給し、加熱溶融して押出し、水中カット方式で100粒あたり40mgに調整して造粒ペレット化することにより、球状のポリオレフィン系樹脂粒子からなるシード粒子を得た。
次に、得られたシード粒子8.8kgを容量100リットルの攪拌機付オートクレーブに入れ、水性媒体としての水35kg、分散剤としてのピロリン酸マグネシウム400g、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム6.0gを加え、撹拌してシード粒子を水性媒体中に懸濁させ、10分間保持し、60℃に昇温して懸濁液を得た。
次に、得られた懸濁液に、重合開始剤としてジクミルパーオキサイドを11.0g溶解させたスチレンモノマー26.0kgを30分掛けて滴下した。滴下後、30分間保持することで、シード粒子中にスチレンモノマーを吸収(含浸)させた。吸収後、135℃に昇温し、この温度で2時間撹拌を続けてスチレンモノマーを重合させた。
次に、115℃に冷却した懸濁液中に、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム49.8gを加えた後、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシベンゾエート93.8gと架橋剤としてのジクミルパーオキサイド65.1gを4時間掛けて滴下した。次いで、気泡調整剤としてのエチレンビスステアリン酸アミド60gを溶解させた水2.0kgを1時間20分掛けて滴下した。滴下後、140℃に昇温し、その温度で2時間保持して重合を完結させた。その後、常温まで冷却し、複合樹脂粒子を取り出した。
得られた複合樹脂粒子の平均粒子径は1.25mmであった。
(発泡性複合樹脂粒子の作製)
発泡剤としてのイソペンタン300g(複合樹脂粒子に対して15質量%)を用いること以外は実施例1と同様にして、発泡性複合樹脂粒子を得た。
(発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの作製および保管)
表3に示すように実施例1と同様にして、発泡性複合樹脂粒子の含有スラリーおよび発泡粒子を得、それらを評価した。このとき、メッシュ袋内の発泡性複合樹脂粒子は、水面から露出せず浸漬された状態にあった。
[実施例9]
(複合樹脂粒子:ポリエチレン系樹脂(PE)/ポリスチレン系樹脂(PS)/カーボン/=38.6/60/1.4のポリエチレン改質スチレン系樹脂粒子の作製)
ポリオレフィン系樹脂としてのポリエチレン樹脂(東ソー株式会社製、品番:09S53B)100質量部、40質量%含有カーボンブラックマスターバッチ(ダウケミカル社製、品番:28E−40)9.9質量部を押出機に供給し、加熱溶融して押出し、水中カット方式で100粒あたり40mgに調整して造粒ペレット化することにより、球状のポリオレフィン系樹脂粒子からなるシード粒子を得た。
次に、得られたシード粒子12.25kgを容量100リットルの攪拌機付オートクレーブに入れ、水性媒体としての水41kg、分散剤としてのピロリン酸マグネシウム400g、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム8.6gを加え、撹拌してシード粒子を水性媒体中に懸濁させ、10分間保持し、60℃に昇温して懸濁液を得た。
次に、得られた懸濁液に、重合開始剤としてジクミルパーオキサイドを8.0g溶解させたスチレンモノマー4.0kgを30分掛けて滴下した。滴下後、120℃に昇温し、60分間保持することで、シード粒子中にスチレンモノマーを吸収(含浸)させた。吸収後、135℃に昇温し、この温度で2時間撹拌を続けてスチレンモノマーを重合させた。
次に、125℃に冷却した懸濁液中に、界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム43.8gを加えた後、重合開始剤としてのジクミルパーオキサイド81.9gを溶解させたスチレンモノマー18.4kgを4時間30分掛けて滴下した。次いで、気泡調整剤としてのエチレンビスステアリン酸アミド105gを溶解させた水2.0kgを1時間30分掛けて滴下した。滴下後、143℃に昇温し、その温度で3時間保持して重合を完結させた。その後、常温まで冷却し、複合樹脂粒子を取り出した。
得られた複合樹脂粒子の平均粒子径は1.60mmであった。
(発泡性複合樹脂粒子の作製)
発泡剤としてのイソペンタン300g(複合樹脂粒子に対して15質量%)を用いること、ゲージ圧力0.04MPaの設定までスチームを導入すること以外は実施例1と同様にして、発泡性複合樹脂粒子を得た。
(発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの作製および保管)
表3に示すように実施例1と同様にして、発泡性複合樹脂粒子の含有スラリーおよび発泡粒子を得、それらを評価した。このとき、メッシュ袋内の発泡性複合樹脂粒子は、水面から露出せず浸漬された状態にあった。
1 水
2 発泡性複合樹脂粒子の集合体
3 発泡性複合樹脂粒子
4 発泡剤バリア層(ガスバリア層)
5 発泡剤(ガス)
6 発泡性複合樹脂粒子含有スラリー充填用容器
7 外容器
8 内袋
9 通水穴を有する袋
10 通水穴を有さない袋
11 固定具
12 固定用ベルト
13 水排出バルブ
14 蓋体

Claims (13)

  1. ポリオレフィン系樹脂とポリスチレン系樹脂とを含んだ複合樹脂および該複合樹脂に対して発泡剤として5.5〜13.0質量%の炭素数5〜6の炭化水素を含有する発泡性複合樹脂粒子と、水とを含み、
    前記発泡性複合樹脂粒子が前記水の表面に露出しないように水に浸漬されてなることを特徴とする発泡性複合樹脂粒子含有スラリー。
  2. 前記発泡剤が、n−ペンタン、イソペンタンまたはこれらの混合物である請求項1に記載の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー。
  3. 前記発泡性複合樹脂粒子含有スラリーが、30〜75質量%の水を含む請求項1または2に記載の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー。
  4. 前記発泡性複合樹脂粒子含有スラリーが、0℃を超え35℃以下の温度を有する請求項1〜3のいずれか1つに記載の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー。
  5. 前記複合樹脂が、前記ポリオレフィン系樹脂100質量部と前記ポリスチレン系樹脂50〜1000質量部とを含む請求項1〜4のいずれか1つに記載の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー。
  6. 前記複合樹脂が、0.3〜3mmの平均粒子径を有する粒子である請求項1〜5のいずれか1つに記載の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの発泡性複合樹脂粒子を予備発泡させて得られた発泡粒子。
  8. 請求項7に記載の発泡粒子を型内発泡成形させて得られた発泡成形体。
  9. 請求項1〜6のいずれか1つに記載の発泡性複合樹脂粒子含有スラリーの充填用容器であり、
    前記容器が、少なくとも
    金属、樹脂、紙およびそれらの組み合わせから選択される材料で構成された外容器、
    前記外容器内に収容されかつ前記発泡性複合樹脂粒子を充填するための内袋、および
    前記内袋を前記外容器の底面方向に固定するための固定具
    からなることを特徴とする発泡性複合樹脂粒子含有スラリー充填用容器。
  10. 前記内袋が、少なくとも
    (A)前記発泡性複合樹脂粒子を充填するための通水穴を有する袋およびその袋を封止する結束バンド、または
    (B)前記発泡性複合樹脂粒子を充填するための通水穴を有する袋、その袋を収容するための通水穴を有さない袋およびその袋を封止する結束バンド
    からなる請求項9に記載の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー充填用容器。
  11. 前記(A)の通水穴を有する袋および前記(B)の通水穴を有さない袋が、固定用ベルトを備える請求項10に記載の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー充填用容器。
  12. 前記外容器が、蓋体を備える請求項9〜11のいずれか1つに記載の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー充填用容器。
  13. 前記外容器が、水排出バルブを備える請求項9〜12のいずれか1つに記載の発泡性複合樹脂粒子含有スラリー充填用容器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2018141087A (ja) * 2017-02-28 2018-09-13 積水化成品工業株式会社 発泡粒子の製造方法及び発泡成形体の製造方法

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