JP2009260069A - 半導体装置、tft基板、表示装置、携帯機器 - Google Patents

半導体装置、tft基板、表示装置、携帯機器 Download PDF

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Abstract

【課題】同一絶縁基板上に形成された2つのトランジスタの拡散層の抵抗値を同じにすることのできる新構造のトランジスタを搭載した半導体装置を提供する。
【解決手段】同一絶縁基板上に第1及び第2のトランジスタが形成された半導体装置において、第1のトランジスタ(図中左側のトランジスタ)は、第1のゲート電極104a下部に形成された第1の絶縁膜103aと、拡散層102a2,102a3領域上に形成された第2の絶縁膜103bとを備え、第2のトランジスタ(図中右側のトランジスタ)は、第2のゲート電極104b下部及び拡散層102b2,102b3領域上に形成された膜厚の厚い第2の絶縁膜103bを備え、これら第1の絶縁膜103b及び第2の絶縁膜103aより上層に第1及び第2のゲート電極104a,104bがそれぞれ配置されており、かつ、第1の絶縁膜103aが第2の絶縁膜103bよりも薄く形成された構造となっている。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体装置、この半導体装置を備えるTFT基板、このTFT基板を用いた表示装置(液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ等)、及びこの表示装置を搭載した携帯機器(ノート型パソコン、携帯電話、携帯情報端末等)に関する。
通常、半導体デバイスプロセスにおいて、活性化は800℃以上の高温で行われる。しかし、液晶表示装置の場合、基板としてガラス板を用いるため、最大600℃程度の温度までしか加熱することができず、半導体デバイスに比べて低温でシリコン層を活性化する必要がある。
低温で活性化を行う場合、プロセスとして現実的な時間内で活性化が生じるためには、再結晶の核となる領域が必要となる。このため、イオン注入される(イオンが打ち込まれる)ソース領域及びドレイン領域の底部に核が残るようにイオン注入(イオン打ち込み)のプロファイルを制御することが重要となる。
しかしながら、この注入プロファイルは、イオンが通過する半導体層上に形成される絶縁膜の膜厚に大きく依存する。このため、特開平11−97696号公報には、以下に記載するような方法が開示されている。以下、その方法について図18を参照して説明する。
まず、絶縁基板1810表面に形成された溝1812内にポリシリコンからなる半導体層1814を形成する。溝1812は、チャネル領域1814aが形成された第1部分1812aと、ソース領域1814b及びドレイン領域1814cが形成された第2部分1812bとを有し、第2部分1812bは第1部分1812aよりも深く形成されている。一方、半導体層1814全体の上面は、絶縁基板1810の表面と同一平面上に位置している。
このように、イオン注入されるソース領域及びドレイン領域のみの半導体層の厚さを厚くすることで、半導体層の底部に再結晶化させるための核が残る領域を容易に作成できる。従って、半導体層上の絶縁膜の厚さが、多少変わった場合においても、イオン注入後のシリコン層の活性化不良を防止でき、これにより拡散層の抵抗値の変動を抑制できるようになっている。
因みに、半導体層1814及び絶縁基板1810の表面上にはゲート絶縁膜1816が形成され、さらに、ゲート絶縁膜1816上には、チャネル領域1814aと対向してゲート電極1818が形成されている。また、このゲート電極1818に重ねて層間絶縁膜1820が形成されている。層間絶縁膜1820上には、ソース領域1814b及びドレイン領域1814cにそれぞれ対向してソース電極1822及びドレイン電極1824が形成されている。そして、ソース電極1822及びドレイン電極1824は、コンタクトホール1826、1827を介してソース領域1814b及びドレイン領域1814cにそれぞれ接続されている。また、ドレイン電極1824は、層間絶縁膜1820上に形成されたITOからなる画素電極1828に接続されているとともに、ソース電極1822及びドレイン電極1824を覆ってパシベーション1830が形成された構造となっている。
特開平11−97696号公報
このように、上記した絶縁基板にポリシリコンを埋め込むプロセスでは、半導体層上の絶縁膜の厚さを変えることで、再結晶化させるための核が残せるため、活性化不良になることを防止できる。しかし、注入プロファイルの変化によりイオン注入される量が変化することは避けられない。このため、拡散層領域上の絶縁膜の膜厚によって拡散層の抵抗値が変化する。
すなわち、同一基板上に半導体層上の絶縁膜の厚さの異なる2つのTFTを形成する場合において、イオン注入を行うと、厚さの異なる絶縁膜の影響により半導体層に対してイオン注入される量が異なる。このため、絶縁膜の厚さによって拡散層の抵抗値が変化する。この拡散層の抵抗値の変化を防止するためには、イオン注入を行う時に絶縁膜厚の違うトランジスタごとにイオン注入を分けて実施する必要があり、イオン注入の工程が増加するといった問題があった。
本発明はかかる問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、同一絶縁基板上に形成された2つのトランジスタの拡散層の抵抗値を同じにすることのできる新構造のトランジスタを搭載した半導体装置、この半導体装置を備えるTFT基板、このTFT基板を用いた表示装置、及びこの表示装置を搭載した携帯機器を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の半導体装置は、同一絶縁基板上に第1及び第2のトランジスタが形成された半導体装置において、前記第1のトランジスタは、第1のゲート電極下部に形成された第1の絶縁膜と、拡散層領域上に形成された第2の絶縁膜とを備え、前記第2のトランジスタは、第2のゲート電極下部及び拡散層領域上に形成された前記第2の絶縁膜を備え、これら第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜より上層に前記第1及び第2のゲート電極がそれぞれ配置されており、かつ、前記第1の絶縁膜が前記第2の絶縁膜よりも薄く形成されていることを特徴とする。この場合、前記第1のトランジスタの前記第2の絶縁膜は、前記第1のゲート電極の下面縁部から内側まで入り込んで形成されていてもよい。
このように、ゲート電極下部の絶縁膜の厚さが異なる第1及び第2のトランジスタにおいて、拡散層領域上の絶縁膜の厚さを同じにする構造を取ることにより、注入プロファイル及びイオン注入される量が同じになる。このため、イオン注入をトランジスタごとに打ち分けなくとも、1回のイオン注入で第1と第2のトランジスタの拡散層の抵抗値を同じにすることができる。したがって、イオン注入工程の増加といった製造コストの上昇を抑えることができる。また、第1のトランジスタは、第2のトランジスタよりゲート電極下の絶縁膜が薄いことから、第2のトランジスタより低い電圧で駆動することに適した構造を得ることができる。
また、厚い第2の絶縁膜をゲート電極の下までオーバーラップさせる構造とすることで、第1及び第2の絶縁膜を形成した後に形成されるゲート電極が位置ズレしても、第1のゲート電極下部から、薄い第1の絶縁膜がはみ出すことを抑制できる。
また、本発明の半導体装置は、同一絶縁基板上に第1及び第2のトランジスタが形成された半導体装置において、前記第1のトランジスタは、第1のゲート電極下部及び拡散層領域上に形成された第1の絶縁膜を備え、前記第2のトランジスタは、第2のゲート電極下部に形成された第2の絶縁膜と、拡散層領域上に形成された前記第1の絶縁膜とを備え、これら第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜より上層に前記第1及び第2のゲート電極がそれぞれ配置されており、かつ、前記第1の絶縁膜が前記第2の絶縁膜よりも薄く形成されていることを特徴とする。この場合、前記第2のトランジスタの前記第2の絶縁膜は、前記第2のゲート電極の下面縁部から拡散層領域上まで拡大して形成されていてもよい。
このように、ゲート電極下部の絶縁膜の厚さが異なる第1及び第2のトランジスタにおいて、拡散層領域上の絶縁膜の厚さを同じにする構造を取ることにより、注入プロファイル及びイオン注入される量が同じになる。このため、イオン注入をトランジスタごとに打ち分けなくとも、1回のイオン注入で第1と第2のトランジスタの拡散層の抵抗値を同じにすることができる。したがって、イオン注入工程の増加といった製造コストの上昇を抑えることができる。また、第2のトランジスタは、第1のトランジスタよりゲート電極下部の絶縁膜が厚いことから、第1のトランジスタより高い電圧で駆動することに適した構造を得ることができる。
また、厚い第2の絶縁膜を拡散層領域の上までオーバーラップさせる構造とすることで、第1及び第2の絶縁膜を形成した後に形成されるゲート電極が位置ズレしても、厚い第2の絶縁膜上から第2のゲート電極がはみ出すことを抑制できる。
また、本発明の半導体装置によれば、前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜との接続部の下面が平坦に接続されていることを特徴とする。
このように、絶縁膜の接続部の下面に段差及び傾斜が無いことで、絶縁膜下に形成される拡散層、または反転層、または蓄積層においても平坦になるため、これらに電流を流す場合において電荷の散乱を抑え、スムーズに電流を流すことができる。
また、本発明の半導体装置によれば、前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜との接続部の基板表面に対する傾斜角度が5度〜50度の範囲内のいずれかの角度であることを特徴とする。
このように、厚さの異なる絶縁膜の接続部の基板表面に対する傾斜角度が50度以下の緩い傾斜角度にする構造を取ることにより、その絶縁膜上に電極を形成した場合に、絶縁膜角部に対する電界集中を緩和し絶縁膜破壊を抑制することができる。また、傾斜角度を5度以上にすることにより傾斜部の面積が大きくなりすぎることを抑制できる。
また、本発明の半導体装置によれば、前記トランジスタに形成された1つの拡散層領域は、当該トランジスタのチャネル領域の電位を固定するための配線または当該トランジスタのチャネル領域の電位を固定するための配線からコンタクトを取るボディーコンタクト領域であることを特徴とする。すなわち、製造コストを抑えた拡散層を、配線またはコンタクトを取る領域において適用することができるので、製造コストを抑えることができる。
また、本発明の半導体装置によれば、前記ボディーコンタクト領域がN型拡散層であることを特徴とする。
N型拡散層は、形成する場合にリン、砒素、アンチモンといった原子量が30以上の大きな元素を用いて形成されている。このようなN型拡散層を形成する大きな元素は、イオン注入を行った場合に半導体層の結晶を破壊する確立が非常に高く、活性化不良を起こす可能性が高いため抵抗値の制御が難しい。従って、拡散層がN型の場合に、上記トランジスタ構造を取ることによって、効果的に抵抗値の変化を抑制できる。
また、本発明の半導体装置によれば、前記トランジスタの拡散層領域がソース領域及びドレイン領域であることを特徴とする。すなわち、製造コストを抑えた拡散層を、ソース領域及びドレイン領域において適用することで、製造コストを抑えることができる。
また、本発明の半導体装置によれば、前記トランジスタがN型トランジスタであることを特徴とする。
N型トランジスタを構成するN型拡散層は、形成する場合にリン、砒素、アンチモンといった原子量が30以上の大きな元素を用いて形成されている。このようなN型拡散層を形成する大きな元素は、イオン注入を行った場合に半導体層の結晶を破壊する確立が非常に高く、活性化不良を起こす可能性が高いため抵抗値の制御が難しい。従って、拡散層がN型の場合に、上記トランジスタ構造を取ることによって、効果的に抵抗値の変化を抑制できる。
また、本発明の半導体装置によれば、前記第1及び第2の絶縁膜がシリコン酸化膜を含み、かつ、どちらか一方または両方の絶縁膜がさらにシリコン窒化膜層を含むことを特徴とする。このように、絶縁膜にシリコン酸化膜より誘電率の高いシリコン窒化膜層が含まれることで、ゲート電極の電界をチャネル領域に効率的に与えることが可能となる。
また、本発明の半導体装置によれば、前記シリコン酸化膜が前記シリコン窒化膜の上下に形成されていることを特徴とする。このように、比較的膜中や界面の準位が多いシリコン窒化膜をシリコン酸化膜で挟持することで、電解により上下から不用な電荷が進入し、シリコン窒化膜または界面に捕獲されることを抑制できる。
また、本発明の半導体装置によれば、前記第1または第2の絶縁膜のうちどちらか一方のEOT(等価酸化膜厚)が薄く形成されていることを特徴とする。これにより、EOTが薄いトランジスタを低電圧駆動トランジスタとして用いることができる。
また、本発明の半導体装置によれば、前記トランジスタをメモリとして用いてもよい。すなわち、準位の多いシリコン窒化膜に意図的に電荷を注入捕獲させることができるので、この現象を用いてメモリとして用いることができる。
また、本発明のTFT基板は、上記各構成の半導体装置のトランジスタをアレイ状に配置したことを特徴とする。これにより、TFT基板にメモリ機能を持たせることができる。また、低電圧トランジスタによる回路を混載することも可能となる。
また、本発明の表示装置は、上記構成のTFT基板を備えたことを特徴とする。これにより、液晶ディスプレイ等の表示装置にメモリ機能を持たせることができる。また、低電圧トランジスタによる回路を混載できるので、低消費電力化が可能となる。
また、本発明の表示装置は、上記構成のTFT基板を備えた構成において、前記メモリに、TFT対向基板の電圧補正値や表示用ガンマ補正値が記憶されていることを特徴とする。このように、表示装置特有の補正値を記憶させることで、液晶ディスプレイのメモリの部品点数を削減できる。
また、本発明の携帯機器は、上記構成の表示装置を備えたことを特徴とする。すなわち、表示装置は部品点数が削減されているため、省スペース(スリム)な携帯機器を製造することができる。
本発明は上記のように構成したので、ゲート電極下部の絶縁膜の厚さが異なる第1及び第2のトランジスタにおいて、拡散層領域上の絶縁膜の厚さを同じにする構造を取ることにより、注入プロファイル及びイオン注入される量を同じにすることができる。すなわち、イオン注入をトランジスタごとに打ち分けなくとも、1回のイオン注入で第1と第2のトランジスタの拡散層の抵抗値を同じにすることができる。したがって、イオン注入工程の増加といった製造コストの上昇を抑えることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。ただし、以下で説明する内容及び図面はあくまで一例であり、本発明の範囲は、これら図面や以下の説明内容に限定されるものではない。
<実施形態1>
図1及び図17を用いて本実施形態1の半導体装置について説明する。ただし、図17は、本実施形態1の半導体装置と対比するための基本構造を有する半導体装置の断面図であり、拡散層の抵抗値が変化する構造を例示している。また、図1は、図17に示す基本構造の抵抗値の変化を改善させるべく設計した実施形態1に係わる半導体装置の断面図である。図1及び図17ともに、図面左側のトランジスタ(以下、第1のトランジスタという。)は、低電圧で駆動させるトランジスタであるため電圧に対応させてゲート電極下の絶縁膜の厚さを薄く設計し、図面右側のトランジスタ(以下、第2のトランジスタという。)は、高電圧で駆動させるトランジスタであるためゲート電極下の絶縁膜(ゲート絶縁膜)を厚く設計している。
まず、図17に示す半導体装置の製造方法について説明する。
まず、絶縁基板となるガラス基板1701を用意する。そして、この上にN型のMOSトランジスタを形成する。ここでは、絶縁基板としてガラス基板を用いているが、プラスティック基板(透明なアクリル、ポリカーボネート、ポリイミド等の樹脂基板)でも可能である。また、このガラス基板1701上に作成されたトランジスタを液晶ディスプレイ等のディスプレイ基板に用いる場合は、透明な基板であることが好ましい。また、フレキシブルなディスプレイを製造する場合には、プラスティック基板(樹脂基板)を用いるのが良い。
次に、ガラスからの不純物汚染を防止するために、ガラス基板(絶縁基板)1701上にシリコン酸化膜(SiO)を100nm形成する(図示省略)。このシリコン酸化膜の下(ガラス基板とシリコン酸化膜との間)に、シリコン窒化膜(SIN)やシリコン酸窒化膜(SiON)を形成してもよい。
次に、そのシリコン酸化膜上に半導体層1702となるポリシリコン膜を50nm形成する。今回は、アモルファスシリコンにエキシマレーザーを照射してポリシリコン膜としたが、ポリシリコン膜をLP−CVD(Low Pressure Chemical vapor. deposition)法により直接形成する方法や、アモルファスシリコンを高温(600度以上)でアニールして形成する方法、CLC(CW Lateral Crystallization)やSLS(Sequential Lateral Solidification)法によりポリシリコン膜を形成する方法、などでも実施可能である。
次に、この半導体層1702を必要な領域1702a,1702bに島状にリソグラフィーとエッチングを用いて加工する。この島状に加工した半導体層1702a,1702bは、台形形状になるように加工することで、上層部に形成される絶縁膜1703が平坦になりやすく、その結果、半導体層の鋭角部からのリーク電流や絶縁膜の破壊を防止することができる。従って、この半導体層1702a,1702bは台形にする方が好ましい。
次に、チャネル領域を形成するために半導体層1702a,1702b全体にイオン注入を行い、半導体層をP型にする。ここでは、このイオン注入にボロンを用いているが、ボロンに限らず、P型の半導体層を形成できるものであればよい。この工程は、絶縁膜1703を形成する後に行ってもよい。すなわち、絶縁膜形成後から絶縁膜を2つの厚さに作り分ける工程前までにイオン注入することで、半導体層1702に不用な不純物が入り込むことを防止できる他、絶縁膜越しに注入できることから、注入エネルギーや注入量のコントロールが容易となる。ただし、絶縁膜を2つの厚さに作り分ける工程の後にイオン注入を行ってもよいが、この場合には絶縁膜の厚さが場所によって異なるので、イオン注入により抵抗値を同じにすることが難しくなる。
次に、絶縁膜(ゲート絶縁膜)80nmを全面に堆積する。この絶縁膜は、今回はシリコン酸化膜を用いているが、これに限らず、シリコン窒化膜でも可能であり、さらには、ハフニウムシリケート,窒素添加ハフニウムアルミネート,イットリウムなどの高誘電率膜と称される膜等を用いることも可能である。
その後、ゲート絶縁膜の厚さを薄くしたい部分の領域1703aWを、リソグラフィーとフッ化水素酸を含む薬液で所望の厚さ30nm(t1)になるまでエッチングする。このことにより、薄い絶縁膜1702aと厚い絶縁膜1703bを形成することができる。薄い絶縁膜1703aは30nm(t1)であり、厚い絶縁膜1703bは、80nm(t2)である。今回は、エッチング方法として、ウエットエッチング法を用いフッ化水素酸を利用しているが、これに限らず、絶縁膜に対してエッチングレートの得られる他の薬液でも可能であり、また、反応性の気体や、イオン、ラジカルを用いるドライエッチングでも可能である。
このようにして、2つの厚さの絶縁膜1703a,1703bを同一基板上に製造することができる。
次に、ゲート電極1704a,1704bとなるタングステンを400nm堆積し、リソグラフィー及びエッチングを用いてパターニングする。ここで用いたタングステン(W)の他に、Ti(チタン),Cr(クロム),Ta(タンタル)及びPd (パラジウム)等の高融点金属を用いることも可能である。金属膜は、成膜以降の工程の熱処理に対応できる融点をもつ金属を選択する方が好ましい。また、成膜以降の工程の熱処理温度が低い場合には、低抵抗な金属である、Al、Au、Cu、Agを用いることもできる。ここで挙げた高融点金属、低抵抗な金属などは、必要に応じて、他の金属や不純物を配合し、合金として用いることもできる。また、今回用いたタングステンは、酸化膜上で膜剥がれが起きやすいため、剥がれ防止のために酸化膜とタングステンの間にTaNやTiNを形成してもよい。
次に、ゲート電極1704a,1704bをマスクとして、イオン注入法を用いて拡散層1702a2,1702a3,1702b2,1702b3を形成する。ゲート電極下の領域1702a1,1702b1は、ゲート電極1704a,1704bがマスクとなり、イオン注入されないため、P型の半導体層のままであり、この領域がチャネル領域となる。今回は注入イオンとしてリンを用いているが、砒素やアンチモンでもよく、またこれらに限らず、N型の半導体層を形成できるものであればよい。リン注入の条件は、注入エネルギー45Kevで、注入量を5×1015/cm3である。
次に、注入されたイオンを活性化するために、不活性ガスとなる窒素ガス雰囲気中で550℃の温度で30分のアニール処理を行う。このアニール温度は、高ければ短時間でイオンが活性化するため、なるべく高温で処理するのがよいが、基板や他の材料の耐熱温度も加味しながら温度を決める必要がある。また、低温での処理では、現実的な時間内に活性化できないこともあるため、温度を下げすぎるのも注意が必要である。今回の基板や材料を用いた場合としては、500℃から600℃の範囲がよい。活性化が正常にできない場合は、拡散層の抵抗値が高くなる影響がでる。また、この活性化処理についてはランプアニールによる処理でも可能で、さらに活性化中の雰囲気は、不活性ガスの窒素やアルゴンやヘリウムにとらわれず、酸素や水素や大気中でも実施可能であり、結果的に活性化できればよい。
このようにして、トランジスタの素子が完成される。
−測定評価の説明−
次に、上記構成の(図17に示す)半導体装置の測定評価について説明する。
すなわち、先に図17の半導体装置の測定評価を行って、拡散層の抵抗値が変化することを確認する。
この測定評価では、図17に示すトランジスタ素子及び拡散層の抵抗値を測定するために、層間絶縁膜を堆積し、それにコンタクトホールを開けて配線を引き出している。なお、このような配線の引き出しは、以下に説明する他の実施形態においても同様に行っている。
ここでは、拡散層の抵抗値についてケルビン法を用いて評価した。その結果、それぞれのシート抵抗値は以下のようになった。
拡散層1702a2,1702a3 : 2250Ω/□
拡散層1702b2,1702b3 : 610Ω/□
この結果より、拡散層の抵抗値は、3.5〜4倍異なっている。
45Kevの注入エネルギーでは、半導体層1702b2,1702b3の上側に注入の狙いが設定されている。一方、半導体層1702a2,1702a3側では上部の絶縁膜厚さが薄いため、注入の狙いが半導体層1702bより深く注入(半導体層1702a2,1702a3の中心付近に注入)される。このため、半導体層1702b2,1702b3では、膜の下側に再結晶化に必要な結晶核が残っているため、十分活性化し抵抗値を低くすることができる。一方、半導体層1702a2,1702a3では、半導体層の結晶核の殆どがリンイオンに破壊され、活性化のときに半導体層の結晶核が少ないことに起因して、活性化が進まなかったことを示している。この問題は、背景技術で示した従来の方法を用いることにより、結晶核の殆どが破壊されることを防止できるが、注入の狙い位置(深さ方向)が違うという問題点があるため、結果的に注入量が異なってしまう。すなわち、半導体中心に注入位置がある場合は殆どのイオンが注入されて抵抗値が低くなるが、半導体層上部に注入位置がある場合は比較的注入される量が減ってしまう。このため、活性化してもイオンの数の影響で拡散層の抵抗値に違いが出る。
以上のことから、半導体層上の絶縁膜の厚さを同じにすると拡散層の抵抗値を同じにできると予測することができる。この予測に従った実施形態を以下に説明する。
図1は、本実施形態1の半導体装置の構造であり、この半導体装置の製造方法は、上記した図17に示す半導体装置の製造方法と同じ方法を用いている。異なる点は、絶縁膜を薄くする領域である。すなわち、図17では領域1703awであったのが、図1では領域103awとゲート電極に対応した領域のみとなっている点である。要は、絶縁膜をゲート電極下の部分だけ薄くしている。
より具体的に説明すると、図17では、半導体層1702aの全てが厚さの薄い(t1)絶縁膜1703aで覆われていたのに対して、図1の左側の第1のトランジスタの半導体層102aは、イオン注入時に影になるゲート電極の下のみが厚さの薄い(t1)絶縁膜103aで覆われている点である。一方、拡散層領域102a2,102a3では、厚さの厚い(t2)絶縁膜103bとなっている。この厚い絶縁膜103bは、右側の第2のトランジスタの絶縁膜103bと同じ膜厚になっている。このため、イオン注入がおこなわれる領域においては、半導体層上の絶縁膜の厚さがすべて同じであるため、同一量のイオンが注入され、拡散層の抵抗値が同じになる。
このような構造の試料を作成し、上記測定評価と同じようにして拡散層の抵抗値(シート抵抗値)を評価した結果、
拡散層102a2,102a3 : 610Ω/□
拡散層102b2,102b3 : 620Ω/□
とほぼ同じ抵抗値になった。
これにより、絶縁膜の厚さを変える場合には、図1に示す絶縁膜構造が有効であることが証明された。
すなわち、本実施形態1の半導体装置は、同一絶縁基板101上に第1及び第2のトランジスタが形成された半導体装置において、第1のトランジスタ(図1左側のトランジスタ)は、第1のゲート電極104a下部に形成された第1の絶縁膜103aと、拡散層102a2,102a3領域上に形成された第2の絶縁膜103bとを備え、第2のトランジスタ(図1右側のトランジスタ)は、第2のゲート電極104b下部及び拡散層102b2,102b3領域上に形成された第2の絶縁膜103bを備え、これら第1の絶縁膜103a及び第2の絶縁膜103bより上層に第1及び第2のゲート電極104a,104bがそれぞれ配置されており、かつ、第1の絶縁膜103a(t1)が第2の絶縁膜103b(t2)よりも薄く形成(t1<t2)された構造となっている。
このように、ゲート電極下部の絶縁膜の厚さが異なる第1及び第2のトランジスタにおいて、拡散層領域上の絶縁膜の厚さを同じにする構造を取ることにより、注入プロファイル及びイオン注入される量が同じになる。このため、イオン注入をトランジスタごとに打ち分けなくとも、1回のイオン注入で第1と第2のトランジスタの拡散層の抵抗値を同じにすることができる。したがって、イオン注入工程の増加といった製造コストの上昇を抑えることができる。また、第1のトランジスタは、第2のトランジスタよりゲート電極下の絶縁膜が薄いことから、第2のトランジスタより低い電圧で駆動することに適した構造を得ることができる。
なお、本実施形態1では、第1の絶縁膜103a及び第2の絶縁膜103bより上層に第1及び第2のゲート電極104a,104bがそれぞれ配置されていると表現しているが、これは、ここでいう第1及び第2の絶縁膜が層間絶縁膜と混在しないようにするために用いた表現である。
ここで、層間絶縁膜について、図16を参照して説明する。
この図16は、図1に対して層間絶縁膜1610を追加した構造となっている。例えば、第1及び第2の絶縁膜103a,103b上に層間絶縁膜1610が形成された場合、どこからが第1若しくは第2の絶縁膜であるのかがあいまいになる。本発明で言うところの絶縁膜(第1及び第2の絶縁膜)はゲート電極より下層に形成されているものをいう。従って、ゲート電極より上の層となる、後から成膜されたものである層間絶縁膜1610は本発明とは関係が無い。このため、ゲート電極と絶縁膜(第1及び第2の絶縁膜)の位置関係を限定している。限定の仕方としては、「絶縁膜はゲート電極より下側の層に形成されている。」という表現も可能であるが、本明細書では、「第1及び第2の絶縁膜より上層に第1及び第2のゲート電極がそれぞれ配置されている。」という表現を採用している。
なお、図1に示す拡散層は、ソース/ドレイン領域である。この拡散層は、N型拡散層でもP型拡散層でも可能である。また、拡散層は、ソース/ドレイン領域に用いる他、後述するボディーコンタクト領域の拡散層(実施形態7)として用いることも可能である。この場合の拡散層は、チャネル領域を挟む必要は無く、どちらか一方(片方)の配置でもよい。
<実施形態2>
上記実施形態1では、図1に示すように、注入を行う部分の絶縁膜の厚さを、ゲート絶縁膜の厚い側の第2のトランジスタ(図1右側のトランジスタ)の絶縁膜厚さに合わせた構造とした。これに対し、本実施形態2では、図2に示すように、注入を行う部分の絶縁膜の厚さを、ゲート絶縁膜の薄い側の第1のトランジスタ(図2左側のトランジスタ)の絶縁膜厚さに合わせる絶縁膜構造とすることで、同様に抵抗値の変化を防止する構造となっている。
本実施形態2の半導体装置の製造方法は、上記した図17に示す半導体装置の製造方法と同じ方法を用いている。異なる点は、絶縁膜を薄くする領域である。すなわち、図17では領域1703awであったのが、図2では領域203awと第2のゲート電極204b下を除く他の領域全体となっている点である。要は、絶縁膜を第2のゲート電極204b下の部分だけ厚くしており、他の領域203awが薄くなっている。
絶縁膜の厚さは、領域203aが30nm(t1)であり、領域203bが80nm(t2)である。
すなわち、上記実施形態1のイオン注入を行う領域の絶縁膜103bの厚さ80nm(t2)より、本実施形態2でイオン注入を行う領域の絶縁膜203aの厚さ30nm(t1)の方が薄くなるため、イオン注入のエネルギーを45Kevから10Kevへと変更している。このことにより、半導体層の上部に狙いがくるようにイオン注入が行われるため、半導体層の結晶核が全て破壊されることを防止できる。また、イオン注入される領域の絶縁膜厚さが統一(t1)されていることから、拡散層となる領域202a2,202a3,202b2,202b3の拡散層の抵抗値を同一にすることができる。
このような構造の試料を作成し、上記測定評価と同じようにして拡散層の抵抗値(シート抵抗値)を評価した結果、
拡散層202a2,202a3 : 600Ω/□
拡散層202b2,202b3 : 590Ω/□
とほぼ同じ抵抗値になった。
したがって、絶縁膜の厚さを変える場合には、図2に示す絶縁膜構造でも有効であることが証明された。
すなわち、本実施形態2の半導体装置は、同一絶縁基板201上に第1及び第2のトランジスタが形成された半導体装置において、第1のトランジスタ(図2左側のトランジスタ)は、第1のゲート電極204a下部及び拡散層202a2,202a3領域上に形成された第1の絶縁膜203aを備え、第2のトランジスタ(図2右側のトランジスタ)は、第2のゲート電極204b下部に形成された第2の絶縁膜203bと、拡散層202b2,202b3領域上に形成された第1の絶縁膜203aとを備え、これら第1の絶縁膜203a及び第2の絶縁膜203bより上層に第1及び第2のゲート電極204a,204bがそれぞれ配置されており、かつ、第1の絶縁膜203a(t1)が第2の絶縁膜203b(t2)よりも薄く形成(t1<t2)された構造となっている。
このように、ゲート電極下部の絶縁膜の厚さが異なる第1及び第2のトランジスタにおいて、拡散層領域上の絶縁膜の厚さを同じにする構造を取ることにより、注入プロファイル及びイオン注入される量が同じになる。このため、イオン注入をトランジスタごとに打ち分けなくとも、1回のイオン注入で第1と第2のトランジスタの拡散層の抵抗値を同じにすることができる。したがって、イオン注入工程の増加といった製造コストの上昇を抑えることができる。また、第2のトランジスタは、第1のトランジスタよりゲート電極下の絶縁膜が厚いことから、第1のトランジスタより高い電圧で駆動することに適した構造を得ることができる。
<実施形態3>
本実施形態3は上記実施形態1において生産性を高めるために改良を加えたものである。以下、本実施形態3について、図3(a),(b)を参照して説明する。
製造工程では、位置合わせズレが必ず起こるため、上記実施形態1と同じ構造のものを生産しようとしても、図3(a)に示すように、第1のゲート電極304aが位置ズレを起こす場合がある。このため、イオン注入を行う領域を膜厚の厚い第2の絶縁膜303bで覆っていたにも係わらず、第1のゲート電極304aが位置ズレを起こしたために、膜厚の薄い絶縁膜領域305aが発生し、この状態でイオン注入を行う結果、抵抗値の変化をもたらすことになる。この場合は、膜厚の薄い絶縁膜領域305aに対応する第1の半導体層(第1の拡散層)302a2の部分のイオン注入の狙いが、第1の半導体層302a2の表面から膜の中心部にずれているため、上述した通り抵抗が高くなると予測できる。
この問題を解決するための構造が、本実施形態3に係わる図3(b)の構造である。図3(b)に示すように、拡散層領域上の膜厚の厚い第2の絶縁膜303bの一部306aが第1のゲート電極304aの下までオーバーラップしている。絶縁膜をこのように形成することで、第1のゲート電極304aが位置ズレを起こしても、図3(a)のように膜厚の薄い絶縁膜領域305aができることはない。本実施形態3では、このオーバーラップ量を2μmとしているが、使用する半導体製造装置の位置合わせ精度に依存することであるため、装置性能に合わせたオーバーラップ量をとる必要がある。しかし、オーバーラップ量を大きくとり過ぎると、トランジスタの面積が大きくなるため、集積化や微細化の妨げになるため、2μm以下であることが望ましい。集積化や微細化に捉われない場合には、この2μm以下が当てはまらない。それらを考慮してもTFTを製作する上で上限値としての限界は、100μm以下にする必要がある。下限値としての制限は、位置合わせ出来れば特にないが、基板(ガラスなどの絶縁基板)や材料(レジストなど)の材料面精度や半導体プロセスの精度を加味すると5nmまでが限界である。
すなわち、本実施形態3の半導体装置は、同一絶縁基板301上に第1及び第2のトランジスタが形成された半導体装置において、第1のトランジスタ(図3左側のトランジスタ)は、第1のゲート電極304a下部に形成された第1の絶縁膜303aと、拡散層302a2,0302a3領域上に形成された第2の絶縁膜303bとを備え、第2のトランジスタ(図3右側のトランジスタ)は、第2のゲート電極304b下部及び拡散層302b2,302b3領域上に形成された第2の絶縁膜303bを備え、これら第1の絶縁膜303b及び第2の絶縁膜303aより上層に第1及び第2のゲート電極304a,304bがそれぞれ配置されており、かつ、第1の絶縁膜303a(t1)が第2の絶縁膜303b(t2)よりも薄く形成(t1<t2)されているとともに、第1のトランジスタの第2の絶縁膜303aは、第1のゲート電極304aの下面縁部から内側まで入り込んで(オーバーラップして)形成(領域306a)された構造となっている。
このように、膜厚の厚い第2の絶縁膜303bを第1のゲート電極304aの下までオーバーラップさせる構造を取ることで、第1及び第2の絶縁膜303a,306a,303bを形成した後に形成される第1のゲート電極304aが位置ズレを起こしても、第1のゲート電極304a下部から膜厚の薄い第1の絶縁膜303aがはみ出すことを抑制できるものである。
<実施形態4>
本実施形態4は上記実施形態2において生産性を高めるために改良を加えたものである。以下、本実施形態4について、図4(a),(b)を参照して説明する。
製造工程では、位置合わせズレが必ず起こるため、上記実施形態2と同じ構造のものを生産しようとしても、図4(a)に示すように、第2のゲート電極404bが位置ズレを起こす場合がある。このため、高い電圧を印加するゲート電極下を膜厚の厚い第2の絶縁膜403bで覆っていたにも係わらず、第2のゲート電極404bが位置ズレを起こしたために、第2のゲート電極404b下部に膜厚の薄い絶縁膜領域405bが発生している。その結果、膜厚の厚い第2の絶縁膜403b上に形成される第2のゲート電極404bが、膜厚の薄い絶縁膜領域405b上にも形成されている。すなわち、薄い絶縁膜に対して高い電圧が印加される領域405bを含む構造となっている。そのため、膜厚の薄い絶縁膜領域405bが破壊されて、第2のゲート電極404bにリーク電流が流れる可能性が出てくる。
この問題を解決するための構造が、本実施形態4に係わる図4(b)の構造である。第2のゲート電極404b下の厚い第2の絶縁膜403bを、拡散層領域402b2,402b3上の領域までオーバーラップ(領域406b)させている。これにより、第2のゲート電極404bが位置ズレを起こしても、膜厚の薄い第1の絶縁膜403a上に第2のゲート電極404bが形成されることを防止できる。本実施形態4では、オーバーラップ量を上記実施形態3と同様、2μmとしているが、使用する半導体製造装置の位置合わせ精度に依存することであるため、装置性能に合わせたオーバーラップ量をとる必要がある。しかし、オーバーラップ量を大きくとり過ぎると、トランジスタの面積が大きくなるため、集積化や微細化の妨げになるため、2μm以下であることが望ましい。集積化や微細化に捉われない場合には、この2μm以下が当てはまらない。それらを考慮してもTFTを製作する上で上限値としての限界は、100μm以下にする必要がある。下限値としての制限は、位置合わせ出来れば特にないが、基板(ガラスなどの絶縁基板)や材料(レジストなど)の材料面精度や半導体プロセスの精度を加味すると5nmまでが限界である。
すなわち、本実施形態4の半導体装置は、同一絶縁基板401上に第1及び第2のトランジスタが形成された半導体装置において、第1のトランジスタ(図4左側のトランジスタ)は、第1のゲート電極404a下部及び拡散層402a2,402a3領域上に形成された第1の絶縁膜403aを備え、第2のトランジスタ(図4右側のトランジスタ)は、第2のゲート電極404b下部に形成された第2の絶縁膜403bと、拡散層402b2,402b3領域上に形成された第1の絶縁膜403aとを備え、これら第1の絶縁膜403a及び第2の絶縁膜403bより上層に第1及び第2のゲート電極404a,404bがそれぞれ配置されており、かつ、第1の絶縁膜403a(t1)が第2の絶縁膜403b(t2)よりも薄く形成(t1<t2)されているとともに、第2のトランジスタの第2の絶縁膜403bは、第2のゲート電極404bの下面縁部から拡散層402b2,402b3領域上まで拡大して形成(領域406b)された構造となっている。
このように、膜厚の厚い第2の絶縁膜403bを、拡散層402b2,402b3領域の上までオーバーラップさせる構造を取ることで、第1及び第2の絶縁膜403a,403bを形成した後に形成される第2のゲート電極404bが位置ズレを起こしても、膜厚の厚い第2の絶縁膜403b上から第2のゲート電極404bがはみ出すことを抑制できるものである。
<実施形態5>
本実施形態5は、上記各実施形態で作成される膜厚の厚い第2の絶縁膜と膜厚の薄い第1の絶縁膜との接続部の下面の段差を無くし平坦に接続した構造としたものである。以下、この接続部下面の段差構造とその製造方法について説明する。ここで、絶縁膜接続部下面とは絶縁膜と半導体層(拡散層)との界面のことである。
具体的には、膜厚の厚い第2の絶縁膜と膜厚の薄い第1の絶縁膜との接続部は、図3(b)に○を付して示す部分307である。本実施形態5では、この部分307の中でも、半導体層と絶縁膜との接触面について、図5(a),(b)を用いて説明する。図5は、図3(b)の○で示した部分307および、図4(b)の○で示した部分407の拡大図である。
上記実施形態1では、絶縁膜の厚い部分と薄い部分の作り分けは、薄くする部分を目的となる膜厚になるまでエッチングする方法を用いている。他の方法としては、薄くする部分を全て取り除いて、全面に2回目の絶縁膜を体積する方法もある。この方法では、膜厚をデポのみで決定しているため(すなわち、デポとエッチング量の両方で決定しているのとは違うため)、膜厚等の安定性が良い。本実施形態では、このような方法で試作を行っている。
まず、図5(a)を参照して段差構造について説明する。
絶縁膜の形成方法としては、半導体層を酸化して絶縁膜を形成する方法がある。しかし、薄膜の半導体層を用いるデバイスでは、低電圧化が進んでおらず、ゲート絶縁膜が厚い。このため、半導体層を選択的に酸化する方法を用いると、確実に半導体層が減る(酸化された部分が薄くなる)ことになる。ここで言う選択的に酸化する方法とは、シリコン窒化膜などの耐酸化膜をマスクとして酸化雰囲気中(酸素や水蒸気)で酸化する方法や、レジストをマスクとして酸素をイオン注入法で注入する方法である。このため、図5(a)に示す半導体層502a1のように、酸化された部分が半導体層に食い込み、段差ができる。そして、この部分では符号503abで示すような絶縁膜が形成される。その後、全面に絶縁膜をCVD法により堆積若しくは酸化して絶縁膜503auを形成しても、半導体層にできた段差は解消されることはない。このため、半導体層502a1と絶縁膜503abの界面が凸凹形状となり、符号502adで示すように、スムーズに電流を流すことができない。
そこで、このような選択酸化で起こる問題を解決できるのが、以下に説明する本実施形態5に係わる接続部構造である。図5(b)を参照して接続構造について説明する。
絶縁膜の形成方法としては、上記実施形態1で示したCVD法などで絶縁膜を堆積する方法である。全面に膜を堆積した後、不用部分を選択的にエッチングする場合において、半導体層と選択性のあるエッチング方法でエッチングすれば、半導体層の表面は、平坦性を保つことができる。このエッチング方法も上記実施形態1で示したフッ化水素酸を用いてエッチングする方法などが挙げられる。この方法でも、半導体層を減らすことが無いため、図5(b)に示すように、半導体層502a1と絶縁膜503abとの界面の平坦性を保つことができる。その後、全面に絶縁膜503auを堆積しても、半導体層502a1と絶縁膜503ab,503auとの界面は平坦であることに変わりない。このため符号502adで示すように、電流の流れる経路を直線的に短縮化し、スムーズに電流を流すことができるものである。
このように、絶縁膜の接続部の下面に段差(または傾斜)が無いことで、絶縁膜下に形成される拡散層、または反転層、または蓄積層においても平坦になるため、これらに電流を流す場合において電荷の散乱を抑え、スムーズに電流を流すことができる。
<実施形態6>
本実施形態6は、上記実施形態5の絶縁膜の接続部の下面と異なり、絶縁膜の上面に関する実施形態である。ここで、絶縁膜上面とは、絶縁膜とゲート電極との界面のことである。以下、図6を参照して本実施形態6について説明する。なお、図6は、図3(b)の○で示した部分307および、図4(b)に○を付して示す部分407の拡大図である。図4(b)に○を付して示す部分407では、上部にゲート電極が存在しないが、上部にゲート電極を配置させることも出来る。本実施例では、この○部分407にゲート電極が配置されている場合においての説明である。この場合に、絶縁膜破壊の危険性があるのでそれを考慮して半導体層とゲート電極を設計する必要がある。
本実施形態6でも、膜厚の厚い絶縁膜と薄い絶縁膜の作成方法は、上記実施形態5の絶縁膜の堆積を2回行う方法を用いている。本実施形態6では、1回目の絶縁膜(第1の絶縁膜)の堆積を行った後にエッチングする方法として、フッ化水素酸を用いたウエットエッチング方法を用いて行っている。ただし、下地の半導体層に対して選択的にエッチングできる方法であれば他の方法でもよく、例えばドライエッチング方法もある。ドライエッチング方法では、エッチングガスによっては下地の半導体層に対しても選択性を出すことは容易であり、また、ウエットエッチング方法と異なり横方向の制御(線幅制御)がしやすい。なかでも異方性エッチングではその効果が大きい。しかしながら、エッチング後のエッジ部の形状が垂直な形状になる問題がある。以下この問題について、図6(a)を参照して説明する。
図6(a)の符号603abで示す部分が1回目の絶縁膜の堆積を行った後に異方性エッチングを行った場合の絶縁膜の形状であり、エッジ部603ab1の形状が垂直形状の段差部となっている。この状態で、2回目の絶縁膜(第2の絶縁膜)603auの堆積を行っても、エッジ部603ab1の垂直段差形状を改善することはできず、2回目の絶縁膜603auにもエッジ部(段差部)603au1が残ることになる。そして、この部分にゲート電極604aを作成すると、ゲート電極604aに突起604abが形成される。そのため、このゲート電極604aに電圧を印加すると、その突起604ab部分に電界集中が起こり絶縁膜破壊の要因となる。そのため、絶縁膜に形成されるエッジ部が垂直段差形状となることは避けた方がよい。
そこで、本実施形態6では、上記したように、フッ化水素酸含む薬液を用いるといったウエットエッチング方法を用いている。また、ドライエッチング方法の場合には、等方性エッチングを用いるのがよい。これらの方法では、エッジ部の形状を垂直段差形状ではなく傾斜形状(基板表面に対して傾斜した形状、より正確には半導体層表面に対して傾斜した形状)に容易に制御することができる。
図6(b)は、これらの方法で作成された絶縁膜の形状を示しており、1回目の絶縁膜603abのエッジ部603ab2の形状が、傾斜角度略40度の傾斜形状とっなっている。そして、この上に2回目の絶縁膜603auを堆積させると、2回目の絶縁膜603auのエッジ部603au2も傾斜角度略40度の傾斜形状となり、垂直段差形状となることはない。従って、この絶縁膜603auの上部にゲート電極604aを形成しても、ゲート電極604aに突起ができることを抑制でき、絶縁膜の破壊を抑制することができる。
なお、傾斜角度については、平坦に近い5度から垂直に近い50度の範囲内の任意の傾斜角度が理想的である。なかでも、傾斜角度は平坦に近い(0度に近い)方が良いが、少ない角度の場合は、膜厚が厚い部分から薄い部分までの傾斜している距離が長くなり、集積化の妨げになる。従って、集積化を考慮すると、傾斜角度は5度以上の角度が理想的である。
なお、上記1回目の絶縁膜のエッチング方法として異方性エッチングを用いることも可能である。すなわち、上記1回目の絶縁膜のエッチング時に、レジストマスクでエッチングするとき、レジストに対して選択性を下げることでレジストマスクを共にエッチングできる。これにより、絶縁膜がエッチングされながらレジストパターンも横方向に後退していき、その結果、後退した部分の絶縁膜も遅れてエッチングされる。このようにすれば、エッジ部が垂直な段差形状になることを抑制できる。従って、このエッチング方法でも実施は可能である。
すなわち、本実施形態6の半導体装置は、第1の絶縁膜603abと第2の絶縁膜603auとの接続部603ab2の基板表面(ここでは、半導体層602a1の表面)に対する傾斜角度を5度〜50度の範囲内のいずれかの角度に形成したものである。
このように、厚さの異なる絶縁膜の接続部の傾斜角度を50度以下の緩い傾斜角度にする構造を取ることにより、その絶縁膜上に電極を形成した場合に、絶縁膜角部に対する電界集中を緩和し絶縁膜破壊を抑制することができる。また、傾斜角度を5度以上にすることにより傾斜部の面積が大きくなりすぎることを抑制できる。
<実施形態7>
本実施形態7は、上記手法で実施可能となった厚い絶縁膜と薄い絶縁膜と拡散層とを用いてボディーコンタクト領域を有するP型トランジスタとN型トランジスタを形成する実施例である。以下、図7及び図8を参照して本実施形態7を説明する。ただし、図7はP型トランジスタの上面図、図8(a)は図7のA−A線に沿う断面図、図8(b)は図7のB−B線に沿う断面図である。
図8(b)に示す左側の絶縁膜705a構造(拡散層706a領域の絶縁膜が厚い構造)でP型トランジスタのボディーコンタクト領域を形成し、図8(a)で示す右側の絶縁膜703b1構造(ゲート電極704b下の領域も拡散層702b2,702b3領域上も厚い絶縁膜703bで、左側のP型トランジスタの厚い絶縁膜705aと同じ絶縁膜になっている構造)でN型トランジスタのソース領域702b2及びドレイン領域702b3を形成する。すなわち、P型トランジスタのゲート電極704a下の絶縁膜(ゲート絶縁膜)703a1はN型トランジスタのゲート絶縁膜703b1より薄い構造である。さらに、図8(b)の右側のN型トランジスタと同じ絶縁膜構造でP型トランジスタ(第三のトランジスタ)も形成している(図示無し)。このトランジスタは、図8(b)の右側のN型トランジスタとは、トランジスタのタイプがN型かP型かの違いのみでその他は同じである。
本実施形態7のボディーコンタクト領域を、図7及び図8を用いてさらに詳しく説明すると、逆T字形状に形成された半導体層702aの上全面に絶縁膜(図7では図示を省略している)が形成され、その上にゲート電極704aが形成されている。そして、このゲート電極704aから左右にはみ出している半導体層部分にP型のイオン注入がされてソース領域702a2及びドレイン領域702a3となり、このソース領域702a2とドレイン領域702a3とで挟まれたゲート電極704a下の半導体層部分がチャネル領域702a1となる。また、ゲート電極704aから後方(図7では上部側)にはみ出している半導体層部分706aは、N型イオン注入がされていてN型拡散層となり、ボディーコンタクト領域となる。このボディーコンタクト領域706aは、厚い絶縁膜705aで被覆されていて、他方のN型トランジスタ(図8(a)の右側のN型トランジスタ)のソース領域702b2及びドレイン領域702b3も同じ厚さの絶縁膜703bで被覆されている。このため、右側のN型トランジスタのN型イオン注入と同時にボディーコンタクト領域706aのイオン注入が行える。これにより、それぞれの拡散層の抵抗値も同じにできる。
このボディーコンタクト領域706aは、チャネル領域702a1の電位を固定することや、チャネル領域702a1に電圧を印加することに用いることができる。また、このボディーコンタクト領域706aは、拡散層で形成されているため、そのままパターンを延長して配線として用いることも可能である。また、ボディーコンタクト領域706aに別途配線を接続してもよい。
ボディーコンタクト領域706a以外の領域である、ゲート電極704aの下部やソース領域702a2及びドレイン領域702a3の上部では絶縁膜の厚さが薄い。それぞれの膜厚は、上記実施形態1での薄い膜厚と同じである。この薄い絶縁膜越しのイオン注入条件は、P型拡散層を形成するためボロンを、注入エネルギー40Kevで注入量を9×1015/cm3の条件でイオン注入している。これは、上記第三のトランジスタにおいて深さの狙いは厚い絶縁膜越しに注入して半導体層の上側(厚い絶縁膜との界面)を狙っている。したがって、図8(b)の左側トランジスタにおいては、薄い膜越しのイオン注入となり、注入深さが半導体層の膜中央部に狙いが定まっている。
(P型拡散層のコントロールについて)
ソース領域702a2及びドレイン領域702a3を形成する領域は、絶縁膜厚さが薄いため、もう一方(図8(a)に示す右側)のN型トランジスタと同じ構造の第三のトランジスタ(P型トランジスタ)にソース・ドレイン領域となるP型拡散層を形成する場合に、同時にイオン注入すると拡散層の抵抗値に変化が出る。すなわち、絶縁膜の厚さによって抵抗値が変化する。
しかし、注入するイオンがボロンであることから原子量は11と小さいため、半導体層の結晶の破壊が少ないので、活性化不良を起こすことはない。すなわち、ボロンは活性化不良を起こさないため、半導体層の下側を狙いとして注入もできる。つまり、狙い位置は自由であるため、狙い深さを絶縁膜厚さに合わせて数回に分けて注入する方法をとることができる。そのため、厚い絶縁膜下も薄い絶縁膜下もほぼ同等の抵抗値を得ることが可能となる。しかしながら、活性化不良を起こさずとも、注入されるイオンの量が異なるようなイオン注入を行う場合には、拡散層の抵抗値が変化する問題は発生する。
しかし、注入されるイオン量が異なることによる抵抗値の変化量は、活性化不良で抵抗値が変化する変化量に比べて少ない。具体的には、薄い絶縁膜では、半導体膜中が狙いとなるため、膜中に多くのボロンが注入される。このため、濃度が高くなり抵抗が低くなる。一方、絶縁膜の厚さが厚い側では、半導体層の上側(厚い絶縁膜との界面)が狙いとなっているため、半導体膜中が狙いとなっているより注入される量が少なくなり抵抗値が高くなる。
この構造の試料を作成して、半導体層(拡散層)の抵抗値(シート抵抗値)を測定評価した。結果は以下の通りであった。
厚い膜厚の半導体層 : 1.8KΩ/□
薄い膜厚の半導体層 : 0.7KΩ/□
この測定結果では、抵抗値の差が2.5倍ほどであったが、この程度の差は致命的な抵抗値の変化をもたらすものではなかった。因みに、図17の「測定評価」のところでは、2250Ω/□と610Ω/□となっており、約3.5倍の差となっている。
一方、ボロンの注入量の違いによる抵抗値の変化を改善したい場合には、40KeVで1回で注入するのではなく、注入量を半分に分けて薄膜用30Kevと厚膜用50Kevに分けて2回注入する方を用いると、抵抗値をほぼ同等にできる。それを実施した結果を以下に示す。
厚い膜厚の半導体層 : 10.KΩ/□
薄い膜厚の半導体層 : 0.9KΩ/□
以上の結果から、P型拡散層を形成する場合には、活性化不良により大幅に抵抗値が変化することもなく、さらにイオン注入を2回に分けて注入することが可能であり、それによって抵抗値を厚い膜厚の半導体層と薄い膜厚の半導体層とである程度同じ値にすることができる。
(N型拡散層のコントロールについて)
また、N型拡散層の形成には、リン、砒素、アンチモンといった原子量が30以上の大きな元素を用いて形成されている。N型拡散層を形成する大きな元素は、イオン注入を行った場合に半導体層の結晶を破壊する確立が非常に高く、活性化不良を起こす可能性が高いため、抵抗値の制御が難しい。
例えば、イオン注入の狙いの深さを半導体層の下側に設定すると、半導体層内の殆どの結晶が破壊される。これは、注入量を半分にしてイオン注入を行っても同じ結果となる。従って、半導体層の上側に注入するほか方法が無い。この場合、上記したように、絶縁膜の厚さが異なるところにイオン注入する場合に、2回に分けてそれぞれの膜厚に合わせてイオン注入する方法をもってしても、活性化不良を抑制することはできない。すなわち、原子量が大きいため、半導体層の結晶を破壊する程度が大きく、そのため、半分の量のイオン注入を行っても問題を解決することはできない。従って、厚い絶縁膜用に深く注入することで、薄い絶縁膜下の半導体層がより深く注入され、その結果、薄い絶縁膜下の半導体層内の結晶の大部分が破壊されることとなり、活性化不良を引き起こして、抵抗値が高くなる。逆に、薄い絶縁膜に対応した注入深さだけでは、厚い絶縁膜(拡散層)に十分な注入が行えず、その結果、注入量が少ないことで抵抗値が高くなる。
以上をまとめると次のようになる。
N型とP型の拡散層を持つ(ボディーコンタクト領域を持つ)トランジスタを作成する場合において、N型拡散層を形成する領域の絶縁膜厚さは、もう一方のトランジスタの絶縁膜の厚さに合わせるほか方法が無い。さらに言えば、もう一方のトランジスタのN型拡散層の上の絶縁膜の膜厚に合わせるのがベストである。
一方、P型拡散層に関しては、抵抗値が膜厚によって変化するが、許容の範囲内であれば、本実施形態7で挙げたトランジスタによって絶縁膜の厚さがことなる構造でもよく、また、ソース・ドレイン上の絶縁膜の厚さをボディーコンタクト領域上のように厚くする手法を用いてもよい。さらに、P型拡散層に関しては、上述した注入を2回に分けて行う方法でも抵抗値を合わせることは可能である。
すなわち、本実施形態7の半導体装置は、P型トランジスタに形成された1つの拡散層領域が、当該トランジスタのチャネル領域の電位を固定するための配線または当該トランジスタのチャネル領域の電位を固定するための配線からコンタクトを取るボディーコンタクト領域であることを特徴とする。すなわち、製造コストを抑えた拡散層を、配線またはコンタクトを取る領域において適用することができるので、製造コストを抑えることができる。
また、本実施形態7の半導体装置は、ボディーコンタクト領域がN型拡散層で形成されている。そのため、以下の効果を得ることができる。すなわち、N型拡散層を形成する場合に、リン、砒素、アンチモンといった原子量が30以上の大きな元素を用いて形成されている。N型拡散層を形成する大きな元素は、イオン注入を行った場合に半導体層の結晶を破壊する確立が非常に高く活性化不良を起こす可能性が高いため抵抗値の制御が難しい。従って、拡散層は、N型の場合に上記トランジスタ構造(特に、拡散層の上の絶縁膜構造)を取ることによって、効果的に抵抗値の変化を抑制できる。
<実施形態8>
本実施形態8は、上記実施形態7のボディーコンタクト領域がなく、かつ、トランジスタをN型トランジスタとした実施例である。すなわち、左側のトランジスタも右側のトランジスタも共にN型トランジスタとなっている。以下、図9(a),(b)を参照して説明する。ただし、図9(a)は左側のトランジスタの上面図、図9(b)は断面図である。
図中の符号802aは右側のトランジスタの半導体層で、その上全面に絶縁膜(図9(a)では図示を省略している)が形成され、その上にゲート電極804aが形成されている。半導体層802aのうち802a2と802a3で示す領域はソース領域とドレイン領域でN型拡散層になっている。そして、ソース領域802a2とドレイン領域802a3とで挟まれたゲート電極804aの下部領域がチャネル領域802a1となっている。半導体層802a上の絶縁膜803aの構造は、ゲート電極804aの下部が薄膜803a1であり、ソース領域及びドレイン領域の上部が厚膜803a2となっている。すなわち、図1の左側の構造と同じである。この厚膜の絶縁膜803a2は、図9(b)に示すように、右側のN型トランジスタの絶縁膜803bと同じになっている。この点も、図1と同じである。このため、右側のトランジスタのN型拡散層のイオン注入をするときに同時にイオン注入ができ、かつ、拡散層の抵抗も同じにできる。また、製造方法においても、実施形態1と同じである。
N型トランジスタを形成する場合には、N型拡散層の形成が必須であるため、上記実施形態7で述べたように、絶縁膜の厚さを同等になるように調整する必要がある。そうしないと、拡散層の抵抗値を同じにすることができない。
すなわち、本実施形態8の半導体装置は、第1のトランジスタ(左側のトランジスタ)の拡散層領域がソース領域及びドレイン領域であることを特徴とする。すなわち、製造コストを抑えた拡散層を、ソース領域及びドレイン領域において適用することで、製造コストを抑えることができる。
また、本実施形態8の半導体装置は、第1のトランジスタがN型トランジスタであることを特徴とする。すなわち、N型トランジスタを構成するN型拡散層を形成する場合、リン、砒素、アンチモンといった原子量が30以上の大きな元素を用いて形成されている。N型拡散層を形成する大きな元素は、イオン注入を行った場合に半導体層の結晶を破壊する確立が非常に高く、活性化不良を起こす可能性が高いため、抵抗値の制御が難しい。従って、拡散層がN型の場合には、上記トランジスタ構造を取ることによって、効果的に抵抗値の変化を抑制できる。
<実施形態9>
本実施形態9は、上記各実施形態で説明している薄い絶縁膜と厚い絶縁膜の膜構造について説明する。以下、図10に示す断面図を用いて説明する。ただし、図10では、絶縁膜のみを表し、ゲート電極やソース電極、ドレイン領域といった部分は図示を省略している。この図10では、左側を薄い絶縁膜とし右側を厚い絶縁膜として説明する。
(誘電率の高い膜を導入する実施例)
近年、TFTデバイスにおいても微細化や低電圧化が進められている。このため、ゲート絶縁膜の薄膜化は必須である。しかし、ゲート絶縁膜を薄膜化すると、ばらつきの要因となり安定した生産が行えない。そこで、絶縁膜の物理厚さを変えないで電気的な厚さを変える方法がある。それは、現状のシリコン酸化膜より誘電率の高い膜を使うことで、同じ膜厚であっても効果的にチャネル領域に電圧を与えることができる方法である。その身近な材料としてシリコン窒化膜があり、シリコン酸化膜より誘電率が約2倍高い。このため、ゲート絶縁膜を全てシリコン窒化膜に換えた場合には、同じ膜厚と同じゲート電圧である場合に、電圧をチャネル領域に与える効率が約2倍となり、EOT(等価酸化膜厚)を約1/2にできる。すなわち、ゲート絶縁膜を約1/2に薄膜化したことと同じ効果を得ることができる。従って、本実施例では、厚い絶縁膜と薄い絶縁膜のうち、少なくとも薄い絶縁膜にシリコン窒化膜を用いることとする。
以下、図10(a)を参照して本実施例を説明する。
薄い絶縁膜と厚い絶縁膜の製造方法は、本実施例においても上記実施形態6と同様、実施形態5の絶縁膜の堆積を2回行う方法を用いている。
すなわち、半導体層902の上に絶縁膜となる50nmのシリコン酸化膜9031を形成し、その上全面に10nmのシリコン酸化膜9032と20nmのシリコン窒化膜9033を連続的に成膜している。これらの成膜は、プラズマCVD法を用いて成膜を行った。このような構造にすることで、薄い絶縁膜にシリコン窒化膜9033を含ませることができる。このような構造にした結果、薄い側の絶縁膜をEOT(等価酸化膜厚)で20nmにすることができ、厚い方の絶縁膜は、EOT(等価酸化膜厚)で70nmとすることができた。
また、本実施例では、薄い方の絶縁膜を全てシリコン窒化膜9033にせずに、下層にシリコン酸化膜9032を形成した。これは、半導体層902とシリコン窒化膜9033との界面に準位が発生しやすいため、界面処理という意味合いからシリコン酸化膜9032を半導体層902とシリコン窒化膜9033との間に入れている。また、半導体層902の近くにシリコン窒化膜が存在すると、シリコン窒化膜の界面準位や膜中の準位に電荷がトラップされる可能性がある。このため、本実施例のように、例えば10nmといった距離を空けてシリコン窒化膜9033を形成するとよい。
ここでは、シリコン酸化膜9032の膜厚については適宜変更可能である。例えば、1nmのシリコン酸化膜9032を形成するだけでも効果はある。シリコン窒化膜との比率の変更も可能である。
また、図10(a)では、全体にシリコン窒化膜9033を形成しているが、厚いほうの絶縁膜は、高電圧で駆動させるTFTに用いることが多いため、高電圧により、シリコン窒化膜9033中に電荷が注入される場合も考えられる。このため、図10(b)に示すように、厚い方の絶縁膜については、上部のシリコン窒化膜を取り除いた構造(取り除いた部分を破線で示す)としてもよい。
また、シリコン酸化膜より誘電率の高い膜として、シリコン窒化膜を例示しているが、高誘電率絶縁膜(high−K)と称される絶縁膜でも実施可能である。
すなわち、本実施例の半導体装置は、第1及び第2の絶縁膜がシリコン酸化膜を含み、かつ、どちらか一方または両方の絶縁膜がさらにシリコン窒化膜層を含むことを特徴とする。このように、絶縁膜にシリコン酸化膜より誘電率の高いシリコン窒化膜層が含まれることで、ゲート電極の電界をチャネル領域に効率的に与えることが可能となる。
(シリコン窒化膜をシリコン酸化膜で挟持する実施例)
上述したように、シリコン窒化膜は多くの準位を持っているため、その部分に電荷がトラップされる可能性が高い。このため、下層にシリコン酸化膜を形成するだけでなく、上層にもシリコン酸化膜を形成すると良い。図10(c)はこの状態を示している。図10(a)との違いは、シリコン窒化膜9033の上にさらにシリコン酸化膜9034を全面に10nmの厚さに形成している点である。このような構造にすることで、ゲート電極側からの電荷の注入を防止できる。
また、厚い絶縁膜は、高電圧で駆動させるTFTに用いることが多い。図10(c)では、シリコン窒化膜9033上のシリコン酸化膜9034は、10nmと薄い。このため、高電圧(例えば、16V以上の電圧)により、薄いシリコン酸化膜9034をトンネルしてシリコン窒化膜9033中に電荷が注入される場合も考えられる。このため、図10(d)に示すように、厚い絶縁膜の上部のシリコン酸化膜9033およびシリコン窒化膜9034を取り除いた構造(取り除いた部分を破線で示す)としてもよい。
すなわち、本実施例の半導体装置は、シリコン酸化膜9032,9034がシリコン窒化膜9033の上下に形成されていることを特徴とする。このように、比較的膜中や界面の準位が多いシリコン窒化膜9033をシリコン酸化膜9032,9034で挟持することで、電解により上下から不用な電荷が進入し、シリコン窒化膜または界面に捕獲されることを抑制できる。
(EOT(等価酸化膜厚)に差をつける実施例)
TFTトランジスタを用いて回路を構成し動作させる場合には、低電圧で駆動させる方が消費電力は少なくなる。このため、全てのTFTを低消費電力化できれば良いが、入出力部などでは、低電圧化できない場合が多い。
一方、TFTを形成する場合、従来は、ゲート絶縁膜を複数の膜厚として用意できなかったため、全てのTFTのゲート絶縁膜が高電圧用に設計されていた。このため、高電圧用に設計されたゲート絶縁膜を備えるTFTを全て共通で利用するしかなく、低消費電力化を実現できなかった。しかし、本発明により、EOTで膜厚が2つ以上違う絶縁膜を容易に形成できるようになった。
例えば、同じシリコン酸化膜で厚い膜厚と薄い膜厚を形成したときに、EOTもそれにしたがって、厚い膜厚と薄い膜厚となる。また、本実施例の図10(b)や図10(d)のように、薄いEOTを実現したい絶縁膜領域に誘電率の高い膜を導入することによっても、EOTが厚い絶縁膜と薄い絶縁膜とに分けることができる。従って、このようにすることで、TFTで構成する回路を低電圧化することが可能となる。
すなわち、本実施例の半導体装置は、第1または第2の絶縁膜のうちどちらか一方のEOT(等価酸化膜厚)が薄く形成されていることを特徴とする。これにより、EOTが薄いトランジスタを低電圧駆動トランジスタとして用いることができる。
(メモリを形成する実施例)
ここで言うメモリとは不揮発性メモリである。メモリを形成するためには、電荷保持膜とその膜に書き込み・消去ができる高い電圧を印加できるトランジスタが必要である。これらの材料は、すでに上述した内容に全て含まれている。
電荷保持膜には、準位の多いシリコン窒化膜を用いることができる。そして、この準位によって不用な電荷が捕獲されることを、逆に書き込みや消去として利用できる。また、これら書き込みや消去は、意図的に行うため、短い時間(例えば1秒以下)で行わなければ、利用性が低くなるので、高い電圧を印加する必要がある。高い電圧を印加するためには、メモリ部よりゲート絶縁膜が厚いトランジスタが必要となるが、これらの構造も上記した各実施形態で達成できるため、それを用いればよい。
メモリ部については、図10(c)や図10(d)に示すように、リコン窒化膜をシリコン酸化膜で挟持させた構造の物が最適であり、書き込みや消去動作によって捕獲した電荷が外部へ逃げることを防止できる。
また、メモリの書き込み消去動作をさせる場合には、チャネル領域に電圧を印加できると効率的に書き込み消去動作できる場合が多い。例えば、FN注入によって電荷を出し入れする場合、また、チャネル領域とソース・ドレイン領域とに逆接合電流を発生させて電荷を注入する場合、などがある。これらを実施する場合には、チャネル領域に電圧を印加できるようにする必要があり、図7及び図8に示すようなボディーコンタクト領域706aを備えたメモリ構造にするのが最適である。
すなわち、準位の多いシリコン窒化膜に意図的に電荷を注入捕獲させることができるので、この現象を用いてメモリとして用いることができる。
<実施形態10>
本実施形態10は、上記実施例で実現可能となったEOTが異なるTFTを用いて製造されたTFT基板に関する実施形態である。以下、図11を参照して本実施形態10のTFT基板について説明する。ただし、図11はTFT基板の上面図である。
TFTがアレイ状に形成されたTFT基板は、液晶表示パネルや有機ELパネルなどに用いられ、需要が高まっている。また、低コスト化が重要であり、部品点数の削減も行われている。さらに、環境問題から低消費電力化も重要視されている。
このTFT基板は、ガラス基板1001上に、TFTによって画素をコントロールするTFTアレイが形成された画素領域1002と、画素TFTのゲート電圧をコントロールするゲートドライバー領域1003と、画素TFTのソース電圧をコントロールするソースドライバー領域1004と、表示補正データを保持する不揮発性メモリ部(貼り付け部品)1006とから形成されている。
本実施形態10では、低電圧TFTが形成可能となったため、出力部の画素TFTへ送信する信号データの演算を行うTFTに、低電圧TFTを用いることで、TFT基板の低消費設計が可能となる。また、上記したように不揮発性メモリを形成できるようになったので、別途貼り付けていた不揮発性メモリ部1006の部品が不要となり、空きスペースに不揮発性メモリ1007をTFTにより作り込むことができる。このため、TFT基板のコスト削減が可能となる。
<実施形態11>
本実施形態11は、上記実施例で実現可能となったEOTが異なるTFTを用いて製造されたTFT基板を搭載した液晶パネルに関する実施形態である。図12ないし図14を参照して本実施形態の液晶パネルについて説明する。ただし、図12は液晶パネルの断面図である。
本実施形態11の液晶パネルは、上記実施形態10で作成されたTFT基板1101とカラーフィルタ基板1102との間に、シール材1104を介して液晶1103を封入することで作製されたもので、TFT基板1101の性能により液晶パネルの低消費電力化や低コスト化が可能となる。また、液晶パネルに限らず、有機ELディスプレイに用いることも可能であり、同様の効果を得ることができる。
また、図12に示す液晶パネルを作製した場合に、カラーフィルタ基板1102側へ印加する電圧の基準値を、液晶パネルに記憶させる必要があり、その記憶場所として図11の1007に形成された不揮発性メモリを用いることが可能となる。また、その領域の不揮発性メモリ1007に、表示に用いられるガンマ補正値を記憶させておくことも可能である。これら「カラーフィルタ基板側へ印加する電圧の基準値」や「表示に用いられるガンマ補正値」は、液晶パネルに付随するデータであるため、液晶パネルを構成する基板内にTFTで設計し配置できる方が、貼り付け部品(図11の不揮発性メモリ部1006)を用いるより設計が容易で開発コストも削減可能となる。また、基板内のTFTで設計されたメモリの方が、配線が短く、アクセスも早くできる利点もある。
ここで、カラーフィルタ基板側へ印加する電圧の基準値について、図13を参照して説明する。
図13において、○で囲んだ下側部分1201がTFT基板側であり、TFTのドレイン側に液晶1203が配置されている。その液晶の反対側にある○で囲んだ上側部分1202がカラーフィルタ基板側であり、全ての画素に対する共通の電極を備えており、液晶全体に共通の電圧を印加できるようになっている。電圧の基準値とは、この共通の電極に印加する電圧の基準値のことである。
電圧の基準値は、各液晶パネルのばらつきを加味した補正値からなっている。補正値は、メモリ部1204に記憶されていて、そこから電圧発生回路1205にデータが送られることにより、電圧発生回路1205において基準電圧が発生されるようになっている。
次に、表示に用いられるガンマ補正値について、図14を参照して説明する。
ガンマ補正値は、全て回路的にTFT基板で用いられる情報で、カラーフィルタ基板と電気的な関係は無い。具体的には、液晶パネル外部の表示データ発生回路1301から、表示データとなるデジタル信号がDAコンバータ1302に入力される。DAコンバータ1302は、デジタル信号をアナログ信号に変換して出力回路1303に送信し、出力回路1303は表示部1304に画像データを送信する。このとき、表示部1304に表示される画像の色彩が自然に再現されるように、DAコンバータ1302においてデジタルの階調データとアナログの階調信号の電圧との相関を調整する必要がある。この相関の調整は、メモリ部1305に記憶されているガンマ補正値に基づいて調整されるようになっている。このガンマ補正は製品機種ごとに異なる値が設定されている。
<実施形態12>
本実施形態12は、上記実施形態11の液晶パネルを搭載した携帯機器に関する実施形態である。図15を参照して本実施形態12の携帯機器について説明する。
図15は携帯電話に適用した例であり、外装の上側1401と下側1402を分離して、内部の液晶パネル1403が見えるように示した分解図である。この液晶パネル1403は、上記実施形態11で示した液晶パネルであり、低消費電力化及びメモリ機能を備えており、かつ、低コスト化が達成されている。すなわち、従来は、液晶パネル1403の下部領域1404に貼り付け部品である不揮発性メモリ部1006(図11参照)を貼り付けていたが、この部品が無くなることから、空きスペースが発生する。近年では、薄型化や軽量化が進められて過密設計化しているため、不揮発性メモリ部1006が存在していた場所は余分なスペースではなく、この部分を無くすことによって液晶パネルをさらに小型化することができる。これにより、外装もその分小さくすることができる。すなわち、携帯電話の縦方向の長さを図中の符号1406で示した長さ分だけ短くすることが可能となる。
また、この液晶パネルは、低消費電力化や低コスト化が実施された部品であるため、これを搭載した携帯電話においても、低消費電力化や1回の充電で使用できる使用時間の延長化等、種々の効果をもたらすことができる。
本発明の実施形態1に係る半導体装置の構造を示す断面図である。 本発明の実施形態2に係る半導体装置の構造を示す断面図である。 本発明の実施形態3に係る半導体装置の構造を示す断面図である。 本発明の実施形態4に係る半導体装置の構造を示す断面図である。 本発明の実施形態5に係る半導体装置の構造を示す一部拡大断面図である。 本発明の実施形態6に係る半導体装置の構造を示す一部拡大断面図である。 本発明の実施形態7に係る半導体装置の構造を示す上面図である。 本発明の実施形態7に係る半導体装置の構造を示す断面図である。 本発明の実施形態8に係る半導体装置の構造を示す上面図及び断面図である。 本発明の実施形態9に係る半導体装置の構造を示す一部拡大断面図である。 本発明の実施形態10に係るTFT基板の上面図である。 本発明の実施形態11に係る液晶パネルの構造を示す断面図である。 本発明の実施形態11に係る液晶パネルのカラーフィルタ基板側へ印加する電圧の基準値を説明するための回路ブロック図である。 本発明の実施形態11に係る液晶パネルの表示に用いられるガンマ補正値を説明するための回路ブロック図である。 本発明の実施形態12に係る携帯電話の構成を示す分解図である。 層間絶縁膜の構成を示す断面図である。 本発明の半導体装置と対比するための基本構造を有する半導体装置の断面図である。 従来の半導体装置の構造を示す断面図である。
符号の説明
101,201,301,401 絶縁基板
102a,202a,302a,402a 半導体層
102b,202b,302b,402b 半導体層
102a2,202a2,302a2,402a2 拡散層
102a3,202a3,302a3,402a3 拡散層
102b2,202b2,302b2,402b2 拡散層
102b3,202b3,302b3,402b3 拡散層
103a,203a,303a,403a 第1の絶縁膜
103b,203b,303b,403b 第2の絶縁膜
104a,204a,304a,404a 第1のゲート電極
104b,204b,304b,404b 第2のゲート電極
502a1 半導体層
503ab,603ab 絶縁膜
503au,603au 絶縁膜
603ab1 エッジ部
604aゲート電極
604ab 突起
702a 半導体層
703b1絶縁膜
702a1 チャネル領域
702a2,702b2 ソース領域
702a3,702b3 ドレイン領域
702b2,702b3 拡散層
703b,705a 絶縁膜
703a1,703b1 ゲート絶縁膜
704a,704b ゲート電極
706a ボディーコンタクト領域
802a半導体層
802a2 ソース領域
802a3 ドレイン領域
802a1 チャネル領域
803a2 絶縁膜
804a ゲート電極
902 半導体層
9031,9032 シリコン酸化膜
9033 シリコン窒化膜
100 ガラス基板
1002 画素領域
1003 ゲートドライバー領域
1004 ソースドライバー領域
1006 不揮発性メモリ部(貼り付け部品)
1007 不揮発性メモリ
1101 TFT基板
1102 カラーフィルタ基板
1103 液晶
1104 シール材
1203 液晶
1204 メモリ部
1205 電圧発生回路
1301 表示データ発生回路
1302 DAコンバータ
1303 出力回路
1304 表示部
1305 メモリ部

Claims (18)

  1. 同一絶縁基板上に第1及び第2のトランジスタが形成された半導体装置において、
    前記第1のトランジスタは、第1のゲート電極下部に形成された第1の絶縁膜と、拡散層領域上に形成された第2の絶縁膜とを備え、
    前記第2のトランジスタは、第2のゲート電極下部及び拡散層領域上に形成された前記第2の絶縁膜を備え、
    これら第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜より上層に前記第1及び第2のゲート電極がそれぞれ配置されており、かつ、前記第1の絶縁膜が前記第2の絶縁膜よりも薄く形成されていることを特徴とする半導体装置。
  2. 同一絶縁基板上に第1及び第2のトランジスタが形成された半導体装置において、
    前記第1のトランジスタは、第1のゲート電極下部及び拡散層領域上に形成された第1の絶縁膜を備え、
    前記第2のトランジスタは、第2のゲート電極下部に形成された第2の絶縁膜と、拡散層領域上に形成された前記第1の絶縁膜とを備え、
    これら第1の絶縁膜及び第2の絶縁膜より上層に前記第1及び第2のゲート電極がそれぞれ配置されており、かつ、前記第1の絶縁膜が前記第2の絶縁膜よりも薄く形成されていることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1記載の半導体装置において、
    前記第1のトランジスタの前記第2の絶縁膜は、前記第1のゲート電極の下面縁部から内側まで入り込んで形成されていることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項2記載の半導体装置において、
    前記第2のトランジスタの前記第2の絶縁膜は、前記第2のゲート電極の下面縁部から拡散層領域上まで拡大して形成されていることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜との接続部の下面が平坦に接続されていることを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記第1の絶縁膜と前記第2の絶縁膜との接続部の基板表面に対する傾斜角度が5度〜50度の範囲内のいずれかの角度であることを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記トランジスタに形成された1つの拡散層領域は、当該トランジスタのチャネル領域の電位を固定するための配線または当該トランジスタのチャネル領域の電位を固定するための配線からコンタクトを取るボディーコンタクト領域であることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項7記載の半導体装置において、
    前記ボディーコンタクト領域がN型拡散層であることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記トランジスタの拡散層領域がソース領域及びドレイン領域であることを特徴とする半導体装置。
  10. 請求項9記載の半導体装置において、
    前記トランジスタがN型トランジスタであることを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項1から請求項10までのいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記第1及び第2の絶縁膜がシリコン酸化膜を含み、かつ、どちらか一方または両方の絶縁膜がさらにシリコン窒化膜層を含むことを特徴とする半導体装置。
  12. 請求項11記載の半導体装置において、
    前記シリコン酸化膜が前記シリコン窒化膜の上下に形成されていることを特徴とする半導体装置。
  13. 請求項11または請求項12に記載の半導体装置において、
    前記第1または第2の絶縁膜のうちどちらか一方のEOT(等価酸化膜厚)が薄く形成されていることを特徴とする半導体装置。
  14. 請求項11から請求項13のいずれか1項に記載の半導体装置において、
    前記トランジスタをメモリとして用いることを特徴とする半導体装置。
  15. 請求項11から請求項14のいずれか1項に記載の半導体装置のトランジスタをアレイ状に配置したことを特徴とするTFT(Thin-Film Transistor)基板。
  16. 請求項15記載のTFT基板を備えたことを特徴とする表示装置。
  17. 請求項16記載の表示装置において、
    前記メモリには、TFT対向基板の電圧補正値や表示用ガンマ補正値が記憶されていることを特徴とする表示装置。
  18. 請求項17記載の表示装置を備えたことを特徴とする携帯機器。
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