JP2010098054A - メモリ素子、半導体記憶装置、表示装置、および携帯電子機器 - Google Patents

メモリ素子、半導体記憶装置、表示装置、および携帯電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】チャネル領域の端部に起因するリーク電流を低減し、低電圧で動作し安定したメモリ特性(書込み、消去、読出し)を有する不揮発性のメモリ素子、メモリ素子を備える半導体記憶装置、表示装置、および表示装置を備える携帯電子機器を提供する。
【解決手段】メモリ素子1は、支持基板10と、支持基板10に積層され対向するソース領域11sおよびドレイン領域11dを有する半導体層11と、ソース領域11sおよびドレイン領域11dの間で半導体層11に形成されたチャネル領域11cと、チャネル領域11cに積層され電荷蓄積機能を有する第1ゲート絶縁膜13と、第1ゲート絶縁膜13を被覆する第1ゲート電極17と、チャネル領域11cのチャネル幅方向Dcwの端部11ctを被覆し第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1と異なる膜厚Tg2を有する第2ゲート絶縁膜15を備え、第1ゲート電極17は、第2ゲート絶縁膜15を被覆している。
【選択図】図1

Description

本発明は、電荷蓄積機能を有する第1ゲート絶縁膜を備えるメモリ素子、メモリ素子を備える半導体記憶装置、メモリ素子または半導体記憶装置を備える表示装置、および表示装置を備える携帯電子機器に関する。
従来、電荷蓄積機能を有するゲート絶縁膜に電荷を蓄積させた不揮発性のメモリ素子が提案されている。ガラス基板などの絶縁性の支持基板に形成する不揮発性のメモリ素子として、シリコン窒化膜を用いたメモリ素子が知られている(例えば、特許文献1参照。)。
図15は、従来の不揮発性のメモリ素子の概略断面を示す概略断面図である。
このような従来のメモリ素子101は、特許文献1に開示されている。
メモリ素子101は、絶縁性の支持基板110、支持基板110に積層され島状に形成された半導体層111、半導体層111に積層され電荷蓄積機能を有するゲート絶縁膜113、ゲート絶縁膜113を被覆するコントロールゲートとしてのゲート電極117を備える。
なお、電荷を記憶するゲート絶縁膜113は、ONO(Oxide−Nitride−Oxide:酸化膜−窒化膜−酸化膜)構造としてあるから、電荷蓄積機能を有する。
したがって、記憶情報の書換えは、半導体層111からゲート絶縁膜113に電荷を注入することによって実行される。つまり、ゲート絶縁膜113に蓄積された電荷量の多寡により、電界効果トランジスタであるメモリ素子101の閾値が変化する。この閾値変化を検出することにより、記憶情報の読出しが行われる。
しかし、メモリ素子101では、ゲート絶縁膜113に電界を印加すると、半導体層111の端部に電界が集中し、特に半導体層111の角部からメモリ記憶部として機能するゲート絶縁膜113に多量の電荷が注入される。
したがって、書込み時に、メモリ素子101の半導体層111の端部に電界が集中し、読出し時のリーク電流の原因となり、書込み状態の読出し電流を低くすることができない。つまり、メモリ素子101(トランジスタ)としてのリーク電流が発生し、信頼性が低下するという問題がある。
なお、電荷蓄積機能を有するメモリ素子を開示した文献として、例えば、特許文献2がある。
特開平11−87545号公報 特開2008−135457号公報
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであり、支持基板に積層されソース領域およびドレイン領域を有する半導体層と、ソース領域およびドレイン領域の間で半導体層に形成されたチャネル領域と、チャネル領域に積層され電荷蓄積機能を有する第1ゲート絶縁膜とを備えるメモリ素子であって、チャネル領域のチャネル幅方向の端部を被覆し第1ゲート絶縁膜の膜厚と異なる膜厚を有する第2ゲート絶縁膜を備えることにより、チャネル領域のチャネル幅方向の端部で、第1ゲート絶縁膜の膜厚と第2ゲート絶縁膜の膜厚を異ならせ、チャネル領域の端部にかかる電界集中を緩和してチャネル領域の端部に起因するリーク電流を低減し、低電圧で動作し安定したメモリ特性(書込み、消去、読出し)を有する不揮発性のメモリ素子を提供することを目的とする。
また、本発明は、支持基板に形成されたメモリ素子と、支持基板に形成されたトランジスタとを備える半導体記憶装置であって、メモリ素子を本発明に係るメモリ素子とすることによって、低電圧で動作する安定したメモリ特性(書込み、消去、読出し)を有する不揮発性のメモリ素子と、チャネル領域の角部での電界集中に起因するリーク電流を低減し、絶縁破壊耐圧を向上させて特性を安定化させたトランジスタとを備え、製造工程を簡略化した半導体記憶装置を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、支持基板に形成された表示部を備える表示装置であって、本発明に係るメモリ素子(半導体記憶装置)を備えることにより、低電圧で動作する安定したメモリ特性を有するメモリ素子を配置して周辺のメモリ回路を簡略化し、低消費電力化および小型化を図って生産性および信頼性を向上させた安価な表示装置を提供することを他の目的とする。
また、本発明は、表示装置を備える携帯電子機器であって、表示装置を本発明に係る表示装置とすることにより、優れた表示機能を有し、低消費電力化、小型化(省スペース化)を実現した携帯電子機器を提供することを他の目的とする。
本発明に係るメモリ素子は、支持基板と、該支持基板に積層されソース領域およびドレイン領域を有する半導体層と、前記ソース領域および前記ドレイン領域の間で前記半導体層に形成されたチャネル領域と、該チャネル領域に積層され電荷蓄積機能を有する第1ゲート絶縁膜と、該第1ゲート絶縁膜を被覆する第1ゲート電極を備えるメモリ素子であって、前記チャネル領域のチャネル幅方向の端部を被覆し前記第1ゲート絶縁膜の膜厚と異なる膜厚を有する第2ゲート絶縁膜を備え、前記第1ゲート電極は、前記第2ゲート絶縁膜を被覆していることを特徴とする。
この構成により、チャネル領域のチャネル幅方向の端部で、第1ゲート絶縁膜の膜厚と第2ゲート絶縁膜の膜厚を異ならせていることから、チャネル領域の端部にかかる電界集中を緩和することが可能となり、チャネル領域の端部に起因するリーク電流を低減して、低電圧で動作し安定したメモリ特性(書込み、消去、読出し)を有する不揮発性のメモリ素子とすることができる。
また、本発明に係るメモリ素子では、前記第2ゲート絶縁膜の膜厚は、前記第1ゲート絶縁膜の膜厚より厚くしてあることを特徴とする。
この構成により、チャネル領域の端部を被覆する第2ゲート絶縁膜によって端部での電界緩和を生じさせ、チャネル領域の端部での電界強度を容易に抑制することが可能となることから、生産歩留まりの高いメモリ素子とすることができる。
また、本発明に係るメモリ素子では、前記支持基板は、ガラス基板または絶縁性樹脂基板であることを特徴とする。
この構成により、ガラス基板や絶縁性樹脂基板のように廉価な絶縁体基板を適用することから、製造コストを低減することが可能となる。また、ガラス基板や絶縁性樹脂基板として透明なものを適用することによって透過型液晶パネルなどの表示装置に適用することができる。絶縁性樹脂基板として可撓性のものを適用することによって、容易に耐衝撃性を向上させ軽量化を図ることができる。
また、本発明に係るメモリ素子では、前記第1ゲート絶縁膜は、炭素原子を含むシリコン酸化物で形成された単層のシリコン酸化膜であることを特徴とする。
この構成により、簡単な工程で第1ゲート絶縁膜を形成することが可能となることから、工程数を削減して作業時間を短縮し、生産効率を向上させることができる。
また、本発明に係るメモリ素子では、前記第1ゲート絶縁膜は、シリコン酸化物で形成されたシリコン酸化膜およびシリコン窒化物で形成されたシリコン窒化膜を備えることを特徴とする。
この構成により、シリコン酸化膜に比較して準位の多いシリコン窒化膜へ意図的にキャリア(電荷)を注入して捕獲させることが可能となることから、効率的なキャリアの注入が可能なメモリ素子とすることができる。
また、本発明に係るメモリ素子では、前記第1ゲート絶縁膜は、前記シリコン窒化膜を前記シリコン酸化膜で挟んだ3層構造としてあることを特徴とする。
この構成により、キャリアが注入されやすいシリコン窒化膜またはシリコン窒化膜の界面への上下からの不要なキャリアの侵入を防止して、不要なキャリアがシリコン窒化膜またはシリコン窒化膜の界面に捕獲されることを抑制することが可能となる。また、シリコン酸化膜をシリコン窒化膜の下層に形成するだけでなく、シリコン窒化膜の上層にも形成することから、メモリ保持特性を向上させることが可能となる。
また、本発明に係るメモリ素子では、前記ソース領域および前記ドレイン領域は、P型不純物領域としてあることを特徴とする。
この構成により、メモリ素子はPチャネル型となることから、書込み時のキャリアとして正孔を第1ゲート絶縁膜へ注入し、消去時のキャリアとして電子を第1ゲート絶縁膜へ注入することが可能となるので、動作時のダメージが低く、安定したメモリ特性を有するメモリ素子とすることができる。
また、本発明に係る半導体記憶装置は、支持基板と、該支持基板に形成されたメモリ素子と、前記支持基板に形成されたトランジスタとを備える半導体記憶装置であって、前記メモリ素子は、本発明に係るメモリ素子であり、前記トランジスタは、第3ゲート絶縁膜および第2ゲート電極を備え、前記第3ゲート絶縁膜は、前記第2ゲート絶縁膜と同一材料で形成され、前記第2ゲート電極は、前記第1ゲート電極と同一材料で形成されていることを特徴とする。
この構成により、メモリ素子の第2ゲート絶縁膜とトランジスタの第3ゲート絶縁膜を同様に形成し、メモリ素子の第1ゲート電極とトランジスタの第2ゲート電極を同様に形成することが可能となるので、メモリ素子とトランジスタを同一の支持基板に併せて形成して部品点数(支持基板の個数)を抑制し、製造工程を簡略化した半導体記憶装置とすることができる。また、低電圧で動作する安定したメモリ特性(書込み、消去、読出し)を有する不揮発性のメモリ素子と、チャネル領域の角部での電界集中に起因するリーク電流を低減し、絶縁破壊耐圧を向上させて特性を安定化させたトランジスタとを備えた半導体記憶装置とすることができる。
また、本発明に係る半導体記憶装置は、支持基板と、該支持基板に形成されたメモリ素子と、前記支持基板に形成されたトランジスタとを備える半導体記憶装置であって、
前記メモリ素子は、本発明に係るメモリ素子であり、前記トランジスタは、第4ゲート絶縁膜と、チャネル領域のチャネル幅方向の端部に形成された第5ゲート絶縁膜と、前記第4ゲート絶縁膜および前記第5ゲート絶縁膜を被覆する第2ゲート電極とを備え、前記第4ゲート絶縁膜は、前記第1ゲート絶縁膜と同一工程で形成され、前記第5ゲート絶縁膜は、前記第2ゲート絶縁膜と同一工程で形成され、前記第2ゲート電極は、前記第1ゲート電極と同一工程で形成されていることを特徴とする。
この構成により、メモリ素子の第1ゲート絶縁膜に対してトランジスタの第4ゲート絶縁膜を同様に形成し、メモリ素子の第2ゲート絶縁膜に対してトランジスタの第5ゲート絶縁膜を同様に形成することが可能となることから、メモリ素子とトランジスタを同一の支持基板に併せて形成して部品点数(支持基板の個数)を抑制し、製造工程を簡略化した半導体記憶装置とすることができる。また、低電圧で動作する安定したメモリ特性(書込み、消去、読出し)を有する不揮発性のメモリ素子と、チャネル領域の角部での電界集中に起因するリーク電流を低減し、絶縁破壊耐圧を向上させて特性を安定化させたトランジスタとを備えた半導体記憶装置とすることができる。
また、本発明に係る表示装置は、支持基板と、該支持基板に形成された表示部とを備える表示装置であって、本発明に係るメモリ素子を備えることを特徴とする。
この構成により、メモリ素子を表示装置に併せて作りこむことが可能となるので、低電圧で動作する安定したメモリ特性を有するメモリ素子を配置して周辺のメモリ回路を簡略化(従来必要であった外付けメモリ回路の部品点数を低減)し、低消費電力化および小型化することができ、生産性および信頼性を向上させた安価な表示装置とすることができる。
また、本発明に係る表示装置は、支持基板と、該支持基板に形成された表示部とを備える表示装置であって、本発明に係る半導体記憶装置を備えることを特徴とする。
この構成により、メモリ素子およびトランジスタを備える半導体記憶装置を表示装置に併せて作りこむことが可能となるので、低電圧で動作する安定したメモリ特性を持たせて周辺のメモリ回路を簡略化(従来必要であった外付けメモリ回路の部品点数を低減)し、低消費電力化および小型化することができ、生産性および信頼性を向上させた安価な表示装置とすることができる。
また、本発明に係る表示装置では、前記表示部は、液晶表示パネルとして構成され、前記メモリ素子は、前記液晶表示パネルに対する補正値を記憶していることを特徴とする。
この構成により、液晶表示パネルに特有な補正値を記憶させて液晶表示パネルに対する補正を容易に施すことが可能となるので、優れた表示特性を有する表示装置(液晶表示装置)とすることができる。
また、本発明に係る表示装置では、前記補正値は、前記液晶表示パネルに印加する印加電圧の補正値、または、前記液晶表示パネルに対するガンマ補正値であることを特徴とする。
この構成により、液晶表示パネルに対する印加電圧の補正、あるいは、液晶表示パネルに対するガンマ補正を容易かつ高精度に施すことが可能となる。
また、本発明に係る表示装置では、前記液晶表示パネルは、マトリックス状に配置された画素に対応して配置され該画素を制御する薄膜トランジスタアレイと、該薄膜トランジスタアレイのゲート電圧を制御するゲートドライバ領域と、前記薄膜トランジスタアレイのソース電圧を制御するソースドライバ領域とを備え、前記メモリ素子または前記半導体記憶装置は、前記ゲートドライバ領域と前記ソースドライバ領域が交差する交差領域に配置されていることを特徴とする。
この構成により、空きスペースを有効に利用してメモリ素子または半導体記憶装置を配置することから、優れた表示特性を有し、低消費電力化および小型化した表示装置とすることができる。
また、本発明に係る携帯電子機器は、表示装置を備える携帯電子機器であって、前記表示装置は、本発明に係る表示装置であることを特徴とする。
この構成により、優れた表示機能を有し、低消費電力化、小型化(省スペース化)を実現した携帯電子機器とすることができる。
本発明に係るメモリ素子によれば、支持基板と、支持基板に積層されソース領域およびドレイン領域を有する半導体層と、ソース領域およびドレイン領域の間で半導体層に形成されたチャネル領域と、チャネル領域に積層され電荷蓄積機能を有する第1ゲート絶縁膜と、第1ゲート絶縁膜を被覆する第1ゲート電極を備えるメモリ素子であって、チャネル領域のチャネル幅方向の端部を被覆し第1ゲート絶縁膜の膜厚と異なる膜厚を有する第2ゲート絶縁膜を備え、第1ゲート電極は、第2ゲート絶縁膜を被覆していることから、チャネル領域のチャネル幅方向の端部で、第1ゲート絶縁膜の膜厚と第2ゲート絶縁膜の膜厚を異ならせてチャネル領域の端部にかかる電界集中を緩和することが可能となるので、チャネル領域の端部に起因するリーク電流を低減して、低電圧で動作し安定したメモリ特性(書込み、消去、読出し)を有する不揮発性のメモリ素子とすることができるという効果を奏する。
本発明に係る半導体記憶装置によれば、支持基板と、支持基板に形成されたメモリ素子と、支持基板に形成されたトランジスタとを備える半導体記憶装置であって、メモリ素子は、本発明に係るメモリ素子であり、トランジスタは、第3ゲート絶縁膜および第2ゲート電極を備え、第3ゲート絶縁膜は、第2ゲート絶縁膜と同一材料で形成され、第2ゲート電極は、第1ゲート電極と同一材料で形成されていることから、メモリ素子の第2ゲート絶縁膜とトランジスタの第3ゲート絶縁膜を同様に形成し、メモリ素子の第1ゲート電極とトランジスタの第2ゲート電極を同様に形成することが可能となるので、メモリ素子とトランジスタを同一の支持基板に併せて形成して部品点数(支持基板の個数)を抑制し、製造工程を簡略化した半導体記憶装置とすることができるという効果を奏する。また、低電圧で動作する安定したメモリ特性(書込み、消去、読出し)を有する不揮発性のメモリ素子と、チャネル領域の角部での電界集中に起因するリーク電流を低減し、絶縁破壊耐圧を向上させて特性を安定化させたトランジスタとを備えた半導体記憶装置とすることができるという効果を奏する。
本発明に係る半導体記憶装置によれば、支持基板と、支持基板に形成されたメモリ素子と、支持基板に形成されたトランジスタとを備える半導体記憶装置であって、メモリ素子は、本発明に係るメモリ素子であり、トランジスタは、第4ゲート絶縁膜と、チャネル領域のチャネル幅方向の端部に形成された第5ゲート絶縁膜と、第4ゲート絶縁膜および第5ゲート絶縁膜を被覆する第2ゲート電極とを備え、第4ゲート絶縁膜は、第1ゲート絶縁膜と同一工程で形成され、第5ゲート絶縁膜は、第2ゲート絶縁膜と同一工程で形成され、第2ゲート電極は、第1ゲート電極と同一工程で形成されていることから、メモリ素子の第1ゲート絶縁膜に対してトランジスタの第4ゲート絶縁膜を同様に形成し、メモリ素子の第2ゲート絶縁膜に対してトランジスタの第5ゲート絶縁膜を同様に形成することが可能となるので、メモリ素子とトランジスタを同一の支持基板に併せて形成して部品点数(支持基板の個数)を抑制し、製造工程を簡略化した半導体記憶装置とすることができるという効果を奏する。また、低電圧で動作する安定したメモリ特性(書込み、消去、読出し)を有する不揮発性のメモリ素子と、チャネル領域の角部での電界集中に起因するリーク電流を低減し、絶縁破壊耐圧を向上させて特性を安定化させたトランジスタとを備えた半導体記憶装置とすることができるという効果を奏する。
本発明に係る表示装置によれば、支持基板と、支持基板に形成された表示部とを備える表示装置であって、本発明に係るメモリ素子を備えることから、メモリ素子を表示装置に併せて作りこむことが可能となるので、低電圧で動作する安定したメモリ特性を有するメモリ素子を配置して周辺のメモリ回路を簡略化(従来必要であった外付けメモリ回路の部品点数を低減)し、低消費電力化および小型化することができ、生産性および信頼性を向上させた安価な表示装置とすることができるという効果を奏する。
本発明に係る表示装置によれば、支持基板と、支持基板に形成された表示部とを備える表示装置であって、本発明に係る半導体記憶装置を備えることから、メモリ素子およびトランジスタを備える半導体記憶装置を表示装置に併せて作りこむことが可能となるので、低電圧で動作する安定したメモリ特性を持たせて周辺のメモリ回路を簡略化(従来必要であった外付けメモリ回路の部品点数を低減)し、低消費電力化および小型化することができ、生産性および信頼性を向上させた安価な表示装置とすることができるという効果を奏する。
本発明に係る携帯電子機器によれば、表示装置を備える携帯電子機器であって、表示装置は、本発明に係る表示装置であることから、優れた表示機能を有し、低消費電力化、小型化(省スペース化)を実現した携帯電子機器とすることができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
<実施の形態1>
図1および図2に基づいて、本実施の形態に係るメモリ素子について説明する。
図1は、本発明の実施の形態1に係るメモリ素子の平面構造を示す平面図である。
図2は、図1に示したメモリ素子の断面構造であり、(A)は図1の矢符A−Aでの断面の端面図、(B)は図1の矢符B−Bでの断面の端面図、(C)は図1の矢符C−Cでの断面の端面図である。
本実施の形態に係るメモリ素子1は、支持基板10と、支持基板10に積層され対向するソース領域11sおよびドレイン領域11dを有する半導体層11と、ソース領域11sおよびドレイン領域11dの間で半導体層11に形成されたチャネル領域11cと、チャネル領域11cに積層され電荷蓄積機能を有する第1ゲート絶縁膜13と、第1ゲート絶縁膜13を被覆する第1ゲート電極17を備える。
また、メモリ素子1は、チャネル領域11cのチャネル幅方向Dcwの端部11ctを被覆し第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1と異なる膜厚Tg2を有する第2ゲート絶縁膜15を備え、第1ゲート電極17は、第2ゲート絶縁膜15を被覆している。
この構成により、チャネル領域11cのチャネル幅方向Dcwの端部11ctで、第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1と第2ゲート絶縁膜15の膜厚Tg2を異ならせていることから、チャネル領域11cの端部11ctにかかる電界集中を緩和することが可能となり、チャネル領域11cの端部11ctに起因するリーク電流を低減して、低電圧で動作し安定したメモリ特性(書込み、消去、読出し)を有する不揮発性のメモリ素子1とすることができる。
具体的には、少なくとも表面が絶縁性を有する支持基板10の上に薄いN型の半導体層11が設けられ、半導体層11には、P型の導電型を有するソース領域11sとドレイン領域11dが設けられている。半導体層11(チャネル領域11c)の上には、電荷蓄積機能を有する第1ゲート絶縁膜13を介して、第1ゲート電極17が形成されている。
半導体層11には、ソース領域11sおよびドレイン領域11dの間にチャネル領域11cが形成されている。また、チャネル領域11cのチャネル幅方向Dcwの端部11ctには、第2ゲート絶縁膜15が形成してある。
第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1と第2ゲート絶縁膜15の膜厚Tg2とは異なる膜厚としてある。つまり、チャネル領域11cは、チャネル幅方向Dcwの中央部に膜厚Tg1の第1ゲート絶縁膜13を備え、チャネル幅方向Dcwの端部11ctに膜厚Tg2の第2ゲート絶縁膜15を備える。
チャネル領域11cのチャネル幅方向Dcwの端部11ct(あるいは、端部11ctを含む角部)は、ゲート電界が集中するので他の部分に比較して高電界となる。したがって、一般的には、ソース領域11sとドレイン領域11dとの間に流れるリーク電流が発生する。
本実施の形態では、リーク電流を防止するために、チャネル領域11cの端部11ctに第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1と異なる膜厚Tg2を有する第2ゲート絶縁膜15を形成することによって、端部11ctでのゲート電界の集中を緩和させることが可能な構成としてある。
本実施の形態に係るメモリ素子1では、第2ゲート絶縁膜15の膜厚Tg2は、第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1より厚くしてある。したがって、チャネル領域11cの端部11ctを被覆する第2ゲート絶縁膜15によって端部11ctでの電界緩和を生じさせ、チャネル領域11cの端部11ctでの電界強度を容易に抑制することが可能となることから、生産歩留まりの高いメモリ素子1とすることができる。
第2ゲート絶縁膜15、第1ゲート電極17の上には、層間絶縁膜(不図示)を設けることが可能である。また、第1ゲート電極17、ソース領域11s、ドレイン領域11d、ボディコンタクト領域11bのそれぞれに対して電圧を印加するためのコンタクトプラグ(不図示)を設けてもよく、コンタクトプラグに接続する上部配線を設けても良い。
支持基板10としては、半導体基板の上に絶縁膜(例えば半導体基板に半導体素子を形成した後、半導体基板の上に形成する層間絶縁膜)を形成したもの、ガラスなどの絶縁体からなる基板、セラミック基板、アルミナ基板などを用いることができる。
特にガラス基板や絶縁性樹脂基板などの廉価な絶縁体基板を用いる場合には、製造コストを下げられるメリットがある。また、透明であれば透過型液晶表示パネルなどの表示装置として用いることができるので、透明なガラス基板、絶縁性樹脂基板を用いることが好ましい。
上述したとおり、本実施の形態に係るメモリ素子1では、支持基板10は、ガラス基板または絶縁性樹脂基板である。したがって、ガラス基板や絶縁性樹脂基板のように廉価な絶縁体基板を適用することから、製造コストを低減することが可能となる。また、ガラス基板や絶縁性樹脂基板として透明なものを適用することによって透過型液晶表示パネルなどの表示装置に適用することができる。
なお、絶縁性樹脂基板として可撓性のもの(フレキシブル基板)を適用することによって、耐衝撃性を容易に向上させ軽量化を図ることができる。
また、支持基板10からの不純物汚染を防止するために支持基板10の表面に100nm程度の膜厚でシリコン酸化膜(SiO)(不図示)を形成することが好ましい。このシリコン酸化膜と支持基板10との間にシリコン窒化膜(SiN)やシリコン酸窒化膜(SiON)を設けても良い。
半導体層11は、例えばアモルファスシリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコンとすることができる。半導体層11は、形成する素子の性能の観点からは結晶性が高いことが好ましく、製造コストの観点からは結晶性が低いことが好ましい。
支持基板10としてガラス基板を用いた場合、ガラス基板の表面にアモルファス半導体層を形成し、形成したアモルファス半導体層をレーザーアニールして結晶化することによって、素子の性能の観点から本発明に適した半導体層11を安価に形成することができる。
なお、メモリ素子1は、半導体層11(チャネル領域11c)をN型またはイントリンシックとし、ソース領域11s、ドレイン領域11dをP型不純物領域とすることによって、より良好なメモリ特性を得ることができる。
つまり、メモリ素子1はPチャネル型とされることから、書込み時のキャリアとして正孔を第1ゲート絶縁膜13へ注入し、消去時のキャリアとして電子を第1ゲート絶縁膜13へ注入することが可能となるので、動作時のダメージが低く、安定したメモリ特性を有するメモリ素子1とすることができる。
半導体層11としては、半導体材料で構成してあれば良く、シリコンゲルマニウム、ゲルマニウムなどの材質を用いることができる。
メモリ素子1をNチャネル型とする場合は、ソース領域11s、ドレイン領域11dはN型不純物領域として形成される。また、メモリ素子1をPチャネル型とする場合は、ソース領域11s、ドレイン領域11dはP型不純物領域として形成される。また、チャネル領域11cは、メモリ素子1がNチャネル型の場合は、P導電型またはイントリンシック、メモリ素子1がPチャネル型の場合は、N導電型またはイントリンシックであることが好ましい。
電荷蓄積能力を有する第1ゲート絶縁膜13は、例えば、炭素原子を0.1アトミックパーセント以上含むシリコン酸化膜によって構成することが可能である。炭素原子を0.1アトミックパーセント程度以上含むシリコン酸化膜は、電荷を蓄積し、顕著なメモリ効果を示した。
第1ゲート絶縁膜13が、5.0アトミックパーセント程度を超えて炭素原子を含む場合は、ゲート絶縁膜としての機能が顕著に悪化するため、第1ゲート絶縁膜13に含まれる炭素原子は、0.1アトミックパーセント以上であって、5.0アトミックパーセント以下とすることがより好ましい。
なお、第1ゲート絶縁膜13に含まれる炭素原子の割合は、SIMS(二次イオン質量分析)、またはXPS(X線光電子分光)により定量分析することが可能である。炭素原子は、炭素含有量の制御性を考慮すれば、2.0〜4.0アトミックパーセント、さらには2.5〜4.0アトミックパーセントとすることが好ましい。
第1ゲート絶縁膜13は、炭素原子を含むシリコン酸化物で形成された単層のシリコン酸化膜としてある。したがって、簡単な工程で第1ゲート絶縁膜13を形成することが可能となることから、工程数を削減して作業時間を短縮し、生産効率を向上させることができる。なお、第1ゲート絶縁膜13は、単層のシリコン窒化膜などで形成することも可能である。
第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1は、炭素原子を含むゲート絶縁膜によってメモリ効果を発揮するために、20nm〜150nmとすることが好ましい。膜厚Tg1が20nm未満では、膜厚Tg1の均一性を保つのが難しく、耐圧が不十分となる。また、膜厚Tg1が150nm以上を超えると、メモリ素子1の閾値(トランジスタ動作をさせたときの閾値)が非常に高くなり、また、オン電流(トランジスタ動作をさせたときのオン電流。ドレイン電流Id)が著しく小さくなるからである。
第1ゲート絶縁膜13は、熱酸化膜、あるいはCVD法を適用したデポジション膜などで構成することが可能である。本実施の形態では、デポジション膜とすることが好ましい。膜厚Tg1は、炭素原子量によっても変化するが、膜厚の制御性を考慮すれば、50nm〜120nm、さらには60nm〜100nmとすることが好ましい。
チャネル領域11cのチャネル幅方向Dcwの端部11ctを被覆して形成されている第2ゲート絶縁膜15の膜厚Tg2は、第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1とは、膜厚が異なる。第2ゲート絶縁膜15の膜厚Tg2が第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1と異なることから、ゲート電圧による端部11ctでの電界の集中を減らすことができる。したがって、端部11ctでの電界集中によるメモリ素子1の特性不良を低減することができる。
半導体層11の端部11ctが支持基板10に対して傾斜し、傾斜部(不図示)を有する場合は、少なくとも傾斜部の上に積層して第2ゲート絶縁膜15を形成することとなる。また、傾斜部への電界集中を低減させるために、第2ゲート絶縁膜15を厚くする必要がある。
この場合、第2ゲート絶縁膜15の膜厚Tg2は、第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1の1.1倍以上から、半導体層11の膜厚と第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1の合計に対して5倍程度までとすることが好ましい。1.1倍とすることによって、少なくとも第2ゲート絶縁膜15による効果を発揮させることが可能となるからであり、また、5倍程度以上とすると、第2ゲート絶縁膜15と第1ゲート絶縁膜13との段差が大きくなりすぎて第1ゲート絶縁膜13の接続の信頼性を低下させるからである。
なお、第2ゲート絶縁膜15は、端部11ctを被覆する他、メモリ素子1の信頼性を確保するために、半導体層11以外の領域(支持基板10)を被覆している。
第1ゲート電極17は、不純物を高濃度にドープしたポリシリコン、金属(例えば、銅、アルミニウムなど)、高融点金属(タングステン、モリブデン、コバルト、チタン、タンタルなど)、高融点金属のシリサイドなどを単層膜あるいは複層膜として形成することが可能である。
また、ボディコンタクト領域11bに対して、ボディコンタクト電圧Vb(バックバイアス電圧)を印加するためのコンタクトプラグ(不図示)を設けても良く、さらにコンタクトプラグに接続する上部配線を設けても良い。この構成により、メモリ動作時に発生する余剰キャリアを、ボディ(半導体層11)からボディコンタクト領域11bへ速やかに排出できるので、ボディ(半導体層11)電位を安定化し、動作バラツキや誤動作を防止することができる。
また、第1ゲート絶縁膜13(および第2ゲート絶縁膜15)への電圧印加、ソース領域11s、ドレイン領域11dへの電圧印加により、チャネル領域11cを強度に電界がかかった空乏状態とした場合、チャネル領域11c内にホットキャリアが生成される。しかし、ボディコンタクト領域11bを設けることにより、余剰のキャリアをボディコンタクト領域11bから排出することができる。
したがって、第1ゲート絶縁膜13に対応するチャネル領域11cでの電位が安定に保たれ、連続してホットキャリアを生成できるので、ホットキャリア生成を適用した第1ゲート絶縁膜13への電荷注入による高速での書込み、あるいは消去を行うことができる。
<実施の形態2>
図3Aないし図3Dに基づいて、実施の形態1で説明したメモリ素子1の製造方法を実施の形態2として説明する。なお、図3Aないし図3Dは、図2(A)に対応する位置での断面を示してある。
図3Aは、本発明の実施の形態2に係るメモリ素子の第2ゲート絶縁膜を形成した状態を断面で示す工程図である。
図3Bは、本発明の実施の形態2に係るメモリ素子の第2ゲート絶縁膜を加工して第1ゲート絶縁膜を形成する準備状態を断面で示す工程図である。
図3Cは、本発明の実施の形態2に係るメモリ素子の第1ゲート絶縁膜を形成した状態を断面で示す工程図である。
図3Dは、本発明の実施の形態2に係るメモリ素子の第1ゲート電極を形成した状態を断面で示す工程図である。
まず、表面が絶縁性の支持基板10(例えば、ガラス基板)の上に、半導体層11を形成する。半導体層11は、例えば、CVD法によって20nm〜200nm程度のシリコン膜(半導体膜)を積層することで形成される。必要に応じて、レーザーアニールなどの手法を用いて半導体層11に結晶化処理を施してもよい。
フォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて、形成すべきメモリ素子1の形状に合わせて適当な形状に半導体層11(半導体膜)を加工し、島状の半導体層11を形成する。
なお、半導体層11は、上述した製造方法以外に、例えば、SOI(Semiconductor on Insulater)基板の表面を加工することによって、絶縁体上に島状の半導体層11を形成することも可能である。
次に、電荷蓄積機能を有する第2ゲート絶縁膜15を形成する。第2ゲート絶縁膜15は、支持基板10の全面に形成される。したがって、半導体層11の表面にも第2ゲート絶縁膜15が形成される。第2ゲート絶縁膜15は、例えば、CVD法のような堆積法によって、30nm〜120nm程度のシリコン酸化膜として形成される。なお、電荷を蓄積する機能を持たせるために、実施の形態1で説明したとおり、適宜の炭素原子が含有されている。
形成した第2ゲート絶縁膜15は、半導体層11の厚さの影響を受けて、支持基板10の上に積層された領域と、半導体層11の上に積層された領域とで表面の高さが異なり、段差を生じている(図3A)。
次に、第2ゲート絶縁膜15を加工して、半導体層11に対応させて第1ゲート絶縁膜13を形成する。先ず、第2ゲート絶縁膜15の段差を適宜のエッチング技術によって解消し、平坦化を行う。その後、第1ゲート絶縁膜13を形成する領域を露出させるようにしてマスク部材MMを形成する(図3B)。マスク部材MMは、例えばフォトレジストを塗布し、フォトリソグラフィ技術を適用して形成する。
また、マスク部材MMは、半導体層11(チャネル領域11cのチャネル幅方向Dcw)での端部11ctを被覆するように形成される。この構成によって、端部11ctで、第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1(図3C)と第2ゲート絶縁膜15の膜厚Tg2(図3C)とを異なる膜厚とすることができる。
マスク部材MMをマスクとして、第1ゲート絶縁膜13に対応する領域に成膜された第2ゲート絶縁膜15をエッチング除去することによって、第1ゲート絶縁膜13を所定の厚さ(膜厚Tg1)に形成する(図3C)。つまり、本実施の形態では、第2ゲート絶縁膜15に対するエッチングを施すことによって第1ゲート絶縁膜13を形成している。なお、図3Cでは、第1ゲート絶縁膜13と第2ゲート絶縁膜15との関係を明確に示すために、異なる領域に区分して示している。
第1ゲート絶縁膜13を形成する領域での第2ゲート絶縁膜15のエッチングは、エッチング技術によって施すことが可能であり、ウエットエッチング、あるいはドライエッチングによって実行することが可能である。本実施の形態では、第1ゲート絶縁膜13は、第2ゲート絶縁膜15をエッチングすることによって形成されることから、例えば、第1ゲート絶縁膜13および第2ゲート絶縁膜15は、同質のシリコン酸化膜として形成することができる。したがって、異なる膜質を使用する場合よりも、工程数を低減することができる。
実施の形態1で記載したとおり、第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1と第2ゲート絶縁膜15の膜厚Tg2を異ならせることによって、端部11ctでは、半導体層11(チャネル領域11c)に対するゲート電界の印加状態を変化させることができる。
第2ゲート絶縁膜15の膜厚Tg2を第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1より厚くすることによって、チャネル領域11cのチャネル幅方向Dcwの端部11ctでの電界を緩和することが可能となる。したがって、端部11ctでの電界集中による破壊やダメージを減らすことができる。
端部11ctに対応する領域での第2ゲート絶縁膜15の膜厚Tg2は、第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1の1.1倍から第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1と半導体層11の厚さの合計に対して5倍程度とすることが好ましい。
第2ゲート絶縁膜15の膜厚Tg2を第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1に対して1.1倍厚くすることにより、端部11ctへの電界集中を効果的に緩和させる効果が得られる。また、半導体層11の厚さと第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1の合計に対して5倍以上としたときは、チャネル幅方向Dcwの端部11ctで第2ゲート絶縁膜15の膜厚Tg2が厚くなりすぎ、端部11ctに対応する第1ゲート絶縁膜13、第2ゲート絶縁膜15に対してキャリア(ホールまたは電子)の注入が困難となり、メモリ機能の低下をもたらす。
本実施の形態では、第2ゲート絶縁膜15をエッチングすることによって、膜厚が異なる第1ゲート絶縁膜13を形成したが、他の方法によって第1ゲート絶縁膜13、第2ゲート絶縁膜15を形成することが可能である。
例えば、マスク部材MM(図3B)をマスクとして、第2ゲート絶縁膜15が露出した領域の第2ゲート絶縁膜15を全て除去し、第2ゲート絶縁膜15を除去した領域に対応する半導体層11の上に改めて第1ゲート絶縁膜13を形成することも可能である。この方法では、第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1をデポジッション(堆積)のみで一義的に規定できることから高精度に膜厚Tg1を制御することができる。
第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1と第2ゲート絶縁膜15の膜厚Tg2とを制御した後、適宜の工程でマスク部材MMを除去し、チャネル領域11cに対する不純物濃度の制御を行う。チャネル領域11cに対しては、第1ゲート絶縁膜13と第2ゲート絶縁膜15の膜厚差を利用して、端部11ctでの不純物濃度(チャネル濃度)を薄くすることが可能となる。
つまり、ゲート絶縁膜(第1ゲート絶縁膜13および第2ゲート絶縁膜15)をイオン注入のマスクとして半導体層11(チャネル領域11c)にイオン注入を行い、例えば、膜厚Tg2に対して薄い膜厚Tg1を有する第1ゲート絶縁膜13に対応する領域でのドーズ量を半導体層11(チャネル領域11c)にピークが来るようにすると、必然的に第2ゲート絶縁膜15に対応する領域でのドーズ量は減少する。したがって、端部11ctに対応する領域のチャネル濃度を薄くすることが可能となる。
端部11ctのチャネル濃度を薄くすると、ゲート電界で制御しにくい端部11ctでのリーク電流を減少させることができる。したがって、より良いメモリ特性を得ることが可能どなる。
チャネル領域11cに対するチャネル濃度の制御をした後、第1ゲート電極17を形成する。第1ゲート電極17は、例えば、ドープされたポリシリコンのような多結晶半導体、あるいはタングステンやモリブデンなどの金属からなる導電体膜を堆積することによって形成される。堆積された導電体膜(堆積膜)をフォトリソグラフィ技術とエッチング技術を用いて加工することにより、第1ゲート電極17を形成する(図3D)。
次に、必要に応じシリコン酸化膜のような注入保護膜を表面に形成した後、例えばフォトレジストによるマスキングとイオン注入法を適用して、ソース領域11s、ドレイン領域11dに対応する領域に不純物を導入(イオン注入)する(不図示)。
ソース領域11s、ドレイン領域11dに対応する領域へ、例えばP型不純物を導入する(Pチャネル型のメモリ素子1を形成する場合)ことによってソース領域11s、ドレイン領域11dを形成することが可能である。
本実施の形態では、ソース領域11sおよびドレイン領域11dは、P型不純物領域としてある。したがって、メモリ素子1はPチャネル型となることから、書込み時のキャリアとして正孔を第1ゲート絶縁膜13へ注入し、消去時のキャリアとして電子を第1ゲート絶縁膜13へ注入することが可能となるので、動作時のダメージが低く、安定したメモリ特性を有するメモリ素子1とすることができる。
また、Pチャネル型のメモリ素子1とすることによって、例えば、ガラス基板や絶縁性樹脂基板を適用して比較的低温のプロセスで製造した場合でも、より安定したメモリ特性を実現することができる。
ソース領域11s、ドレイン領域11dをイオン注入法によって形成するとき、第1ゲート電極17がイオン注入に対する注入マスク部材となることから、第1ゲート電極17が存在しない領域に対してP型不純物が注入され、ソース領域11sおよびドレイン領域11dを第1ゲート電極17に対して自己整合的に位置合わせして高精度にチャネル長を規定することができる。
イオン注入の後、引き続いて適宜のアニール処理を行い、不純物を活性化することによって、ソース領域11sとドレイン領域11dが形成され、実施の形態1(図1、図2)に示した構造のメモリ素子1が得られる。
なお、ソース領域11sとドレイン領域11dを形成するためのイオン注入の際に、ゲート電極13は注入マスクとなっていたことから、チャネル幅(チャネル幅方向Dcw)はゲート電極13の下にある半導体層11の幅によって規定されることになる。
この後、必要に応じ、層間絶縁膜を形成し、コンタクトプラグをソース領域11s、ドレイン領域11d、ゲート電極13に対して設けることが可能である。また、ソース領域11s、ドレイン領域11d、ゲート電極13に対する上部配線を形成することも可能である。
<実施の形態3>
図4Aないし図4Cに基づいて、実施の形態1、実施の形態2で説明したメモリ素子1の動作(メモリ機能)を実施の形態3として説明する。なお、図4Aないし図4Cは、図2Cに対応する位置での断面を示し、動作説明に無関係な第2ゲート絶縁膜15を省略し、また、断面のハッチングは省略してある。
本実施の形態では、上述したとおり、ソース領域11s、ドレイン領域11dをP型不純物で形成し、メモリ素子1をPチャネル型とした場合について説明する。
なお、ソース領域11sに印加される電圧をソース電圧Vs、ドレイン領域11dに印加される電圧をドレイン電圧Vd、第1ゲート電極17に印加される電圧をゲート電圧Vgとする。また、書込み時の各電圧は、書込みソース電圧Vsw、書込みドレイン電圧Vdw、書込みゲート電圧Vgwとし、消去時の各電圧は、消去ソース電圧Vse、消去ドレイン電圧Vde、消去ゲート電圧Vgeとし、読出し時の各電圧は、読出しソース電圧Vsr、読出しドレイン電圧Vdr、読出しゲート電圧Vgrとする。
また、メモリ素子1をPチャネル型とした場合は、電荷蓄積機能を有するゲート絶縁膜13にホールが蓄積された状態、メモリ素子1をNチャネル型とした場合は、電子が蓄積された状態を書込み状態と定義する。消去状態とは、電子ないしホールがほとんど蓄積されていない状態か、電子とホールが同程度蓄積され電気的に中和されている状態か、あるいは書込み状態とは逆タイプのキャリア(Pチャネル型の場合は電子、Nチャネル型の場合はホール)が主に蓄積されている状態を指すこととする。なお、書込み状態を消去状態とし、消去状態を書込み状態として規定することも可能である。
図4Aは、本発明の実施の形態3に係るメモリ素子での書込み動作を説明する動作概念図である。
メモリ素子1への書込み動作は、次のように行う。
すなわち、ドレイン領域11dに負の書込みドレイン電圧Vdwを印加し、第1ゲート電極17に、ソース領域11sのソース電圧Vs(書込みソース電圧Vsw)に対して負の書込みゲート電圧Vgwを印加することによって実行することができる。
負の書込みドレイン電圧Vdw、負の書込みゲート電圧Vgwの印加により、ソース領域11sとドレイン領域11dの間に書込み電流Idwが流れる。つまり、書込み電流Idwが流れることから、高エネルギーを有するキャリア(ホール)が発生する。発生したキャリアは、高エネルギーを有することから書込みキャリアCIwとして第1ゲート絶縁膜13の中へ注入され、メモリ素子1での書込みが行われる。
例えば、ソース領域11sをグラウンド電位(書込みソース電圧Vsw=0V)とし、ドレイン領域11dへ書込みドレイン電圧Vdw(例えば、書込みドレイン電圧Vdw=−6V〜−15V)を印加する。また、第1ゲート電極17には書込みゲート電圧Vgw(例えば、書込みゲート電圧Vgw=−6V〜−40V)を印加する。
上述した書込みソース電圧Vsw、書込みドレイン電圧Vdw、書込みゲート電圧Vgwの印加状態では、ソース領域11sとドレイン領域11dとの間のチャネル領域11cに大きな書込み電流Idwが流れ、ジュール熱が発生する。ジュール熱の発生によりチャネル領域11cは加熱され、チャネル領域11cの温度は上昇する。チャネル領域11cの温度上昇に伴い高エネルギーを有するキャリアが多量に発生する。
発生した高エネルギーのキャリアの一部は、第1ゲート電極17(書込みゲート電圧Vgw)の電界の影響により書込みキャリアCIwとなり、電荷蓄積機能を有する第1ゲート絶縁膜13の中へ飛び込んで、トラップされ、メモリ素子1での書込み動作が実行される。
メモリ素子1では、第1ゲート絶縁膜13へキャリアがトラップされた書込み状態を高速で実現することができ、また、メモリ素子1へのダメージも少ない。このような効果は、支持基板10としてガラス基板や絶縁性樹脂基板などの断熱性の高い部材を用いた場合に顕著に得ることができる。なお、断熱性が高いとは、例えば熱伝度率で表すと、10W/(m・K)以下であり、特に、0.1W/(m・K)〜2W/(m・K)の範囲が好ましい。この範囲の熱伝導率とすることによって、チャネル領域11cで発生した温度を維持することが可能となり、書込みを安定的に実行させることができる。
上述した書込み動作により、例えばFN(Fowler−Nordheim:ファウラーノードハイム)トンネル現象が殆ど起こらないような低い印加電圧でも高速の書込みが可能となり、FNトンネルを用いた書込み方法よりも低電圧での書込み動作を実現することができる。なお、本発明では、FNトンネル現象による書込みを排除するものではない。
図4Bは、本発明の実施の形態3に係るメモリ素子での消去動作を説明する動作概念図である。
メモリ素子1への消去動作は、次のように行う。
すなわち、ボディコンタクト領域11bのボディコンタクト電圧Vb(例えば、グラウンド電位。ボディコンタクト電圧Vb=0)より第1ゲート電極17のゲート電圧Vg(消去ゲート電位Vge)が高くなるように、第1ゲート電極17に消去ゲート電圧Vge(例えば、消去ゲート電圧Vge=+25V〜35V)を印加することによって実行する
ことができる。
つまり、消去ゲート電圧Vgeの印加によって、第1ゲート絶縁膜13を介したFNトンネル現象により第1ゲート絶縁膜13へ電子が消去キャリアCIeとして注入される。したがって、FNトンネル現象によって注入された電子(消去キャリアCIe)が書き込まれたキャリア(ホール)と結合してキャリア(ホール)を消去することによって、メモリ素子1での消去動作が実行される。
また、他の消去動作として、次の方法が挙げられる。
すなわち、ボディコンタクト電圧Vbがグラウンド電位(ボディコンタクト電圧Vb=0)になるように電圧を印加する。さらに、ボディコンタクト電圧Vbに対してソース領域11sおよびドレイン領域11dへ負の消去電圧(例えば、消去ソース電圧Vse=−6V〜−20V、消去ドレイン電圧Vde=−6V〜−20V)、ボディコンタクト電圧Vbに対して第1ゲート電極17へ正の消去ゲート電圧Vge(例えば、Vge=+5V〜10V)を印加する。
上述した消去ソース電圧Vse、消去ドレイン電圧Vde、消去ゲート電圧Vgeの印加状態では、ソース領域11sおよびドレイン領域11dからチャネル領域11cへ、消去時リーク電流Ineが発生し、消去時リーク電流Ineに起因して高エネルギーの電子が生成され、一部の電子は第1ゲート電極17の電界によって、第1ゲート絶縁膜13の中へ消去キャリアCIeとして電子が注入される。
つまり、第1ゲート絶縁膜13に飛び込んだ電子により、トラップされているホールが消去されることによって、メモリ素子1での消去動作が行われる。本発明では、この方法(図4B)による消去動作が低電圧動作の観点から好ましい。
図4Cは、本発明の実施の形態3に係るメモリ素子での読出し動作を説明する動作概念図である。
メモリ素子1の読出し動作は、次のように行う。
すなわち、メモリ素子1における記憶情報の読出しは、第1ゲート絶縁膜13の中のキャリア(電荷)の多寡が、ソース領域11sとドレイン領域11dとの間でのドレイン電流Id(読出しドレイン電流Idr)の多寡に影響することを利用して実行できる。
ソース領域11sに印加される読出しソース電圧Vsをグラウンド電位(読出しソース電圧Vs=0)とし、ドレイン領域11dへ読出しドレイン電圧Vdr(例えば、読出しドレイン電圧Vdr=−4V)を印加し、第1ゲート電極17へ読出しゲート電圧Vgr(例えば、読出しゲート電圧Vgr=−4V)を印加する。
第1ゲート電極17へ読出しドレイン電圧Vdr、読出しゲート電圧Vgrが印加されることにより、ソース領域11sからドレイン領域11dまでの間のチャネル領域11cに読出しドレイン電流Idrが流れる。
メモリ素子1に対する書込みがされた状態、すなわち、第1ゲート絶縁膜13へホールが蓄積された状態であれば、第1ゲート絶縁膜13に蓄積されたホールが、第1ゲート電極17からチャネル領域11cへ印加された電界の影響を打ち消すこととなる。したがって、消去状態(すなわち、ホールが実質的に蓄積されていない状態)に比べて、ソース領域11sからドレイン領域11dへ流れる読出しドレイン電流Idrが小さくなる。
つまり、記憶情報を第1ゲート絶縁膜13にトラップされた電荷量の多寡と関連付け、また、トラップされた電荷量をドレイン電流Id(読出しドレイン電流Idr)の多寡に反映させることにより、記憶された情報の読出しが可能となる。
上述したとおり、本実施の形態に係るメモリ素子1では、書込み動作、消去動作、読出し動作というメモリ機能を実行させることが可能である。メモリ素子1でのメモリ機能をさらに効果的に実行させるために、次に示す形態とすることが好ましい。
メモリ素子1は、チャネル長に応じて書込み・消去の条件を調整することが可能である。一般的には、チャネル長が小さいほど書込み・消去の電圧を低く設定することが可能である。したがって、メモリ素子1のチャネル長(ソース領域11sとドレイン領域11dとの間隔)は3.4μm以下とすることが低電圧化、高速化、低消費電力化の観点から好ましい。
また、書換えを繰り返し安定して実行させるためには、チャネル長を2.4μm以下とすることが好ましい。チャネル長を0.9μm以下とすれば、さらに低電圧で、さらに高速化が可能な高性能メモリ素子1とすることが可能となる。
なお、チャネル長は0.1μm以上であることが好ましい。チャネル長が0.1μmより小さくなると、短チャネル効果の影響が大きくなり、メモリ素子1相互間の特性のバラツキが大きくなることがあるからである。
メモリ素子1のチャネル幅は、例えば0.5μm〜100μmの値に適宜設定できる。特にメモリ素子1をガラス基板のような断熱性の高い支持基板10の上に形成する場合、書込み時に書込み電流Idwによって素子が効果的に加熱されることから、書込み速度を向上させることが可能となる。したがって、チャネル幅が大きいほど、素子あたりの発熱量を大きくできるので、より高速の書込みを行うことができる。
支持基板10が耐熱性の低いガラス基板や絶縁性樹脂基板などである場合は、高温のプロセスを用いることができない。したがって、高温のプロセスが必要な高密度の積層膜を第1ゲート絶縁膜13として用いることは困難である。また、低温のプロセスにより形成した第1ゲート絶縁膜13では、ホットホールに晒されるとダメージを受けやすく、結果として素子の性能が劣化しやすい。
このような場合、メモリ素子1をPチャネル型とすることによって素子の劣化を緩和することが可能となる。Pチャネル型とすることで、書込み時のホール注入をジュール熱のアシストにより低ダメージで行うことができる。また、消去の際はホールではなく電子を注入することから、消去時のダメージも低減することができる。
また、メモリ素子1で書込み動作、消去動作を実行する場合には、チャネル領域11cに電圧(ボディコンタクト電圧)を印加できると効率的に書込み動作、消去動作ができる場合が多い。例えば、FN注入によって電荷を出し入れする場合、また、チャネル領域11cとソース領域11s・ドレイン領域11dに逆接合電流(逆バイアス電流)を発生させて電荷を注入する場合、などがある。この場合には、チャネル領域11cに電圧を印加できるようにする必要があり、ボディコンタクト領域11b(図2、図4B)を備えたメモリ素子1とすることが好ましい。
<実施の形態4>
図5ないし図8Bに基づいて、実施の形態1ないし実施の形態3で説明したメモリ素子1の特性と参考比較技術に係るメモリ素子の特性との比較を実施の形態4として説明する。
図5は、参考比較技術に係るメモリ素子の平面構造を示す平面図である。
図6は、図5に示したメモリ素子の断面構造であり、(A)は図5の矢符A−Aでの断面の端面図、(B)は図5の矢符B−Bでの断面の端面図、(C)は図5の矢符C−Cでの断面の端面図である。
参考比較技術に係るメモリ素子201は、支持基板210と、支持基板210に積層され対向するソース領域211sおよびドレイン領域211dを有する半導体層211と、ソース領域211sおよびドレイン領域211dの間で半導体層211に形成されたチャネル領域211cと、チャネル領域211cに積層され電荷蓄積機能を有するゲート絶縁膜213を備える。また、半導体層211(チャネル領域211c)の上には、電荷蓄積機能を有するゲート絶縁膜213を介して、ゲート電極217が形成されている。
つまり、メモリ素子201では、実施の形態1ないし実施の形態3で記載したメモリ素子1が備える第2ゲート絶縁膜15が存在しない。したがって、ゲート絶縁膜213は、チャネル領域211cのチャネル幅方向Dcwにおいて均一な絶縁膜として形成されている。なお、メモリ素子201は、従来技術として示したメモリ素子101(図15)と同様の技術である。
メモリ素子201は、書込み動作、消去動作、読出し動作が可能であり、メモリ素子1と同様の方法で実行させることが可能である。
図7は、実施の形態1ないし実施の形態3に係るメモリ素子と参考比較技術に係るメモリ素子との特性を比較する特性グラフであり、書込み状態および消去状態でのドレイン電流(読出しドレイン電流)のゲート電圧依存性を示す特性グラフである。
本実施の形態では、ソース電圧Vsに対するドレイン電圧Vdを−4Vとした。
つまり、図7の特性グラフは、ドレイン電圧Vd=−4Vでの、ゲート電圧Vgとドレイン電流Id(読出しドレイン電流Idr)との関係を示す。なお、横軸はゲート電圧Vg(V)、縦軸は読出しドレイン電流Idr(A)である。
特性曲線ICsは、メモリ素子1の初期状態での読出しドレイン電流Idrを、特性曲線ICwは、メモリ素子1の書込み状態での読出しドレイン電流Idrを、特性曲線PCsは、メモリ素子201の初期状態での読出しドレイン電流Idrを、特性曲線PCwは、メモリ素子201の書込み状態での読出しドレイン電流Idrをそれぞれ示す。
メモリ素子1およびメモリ素子201は、ともに、チャネル長を1.5μm、チャネル幅を5μmとした。メモリ素子1では、第1ゲート絶縁膜13を膜厚Tg1=50nmとし、第2ゲート絶縁膜15を膜厚Tg2=80nmとし、シリコン酸化膜で形成した。またメモリ素子201のゲート絶縁膜213は、膜厚50nmのシリコン酸化膜である。
書込み条件は、ソース電圧Vsを基準(書込みソース電圧Vsw=0V)として書込みドレイン電圧Vdw=−8Vとし、書込みゲート電圧Vgw=−30Vを1秒間印加した。
書込み状態での読出しドレイン電流Idrの特性を比較すると、全体にメモリ素子1の方がメモリ素子201に対して小さい値を示し、初期状態に対する差異が大きくなっている。
例えば、ゲート電圧Vg=−2Vでは、初期状態がいずれも10-4A程度の読出しドレイン電流Idrである。また、書込み状態での読出しドレイン電流Idrは、メモリ素子1では読出しドレイン電流Idr=10-10A(0.1nA)であるのに対し、メモリ素子201では読出しドレイン電流Idr=10-9A(1nA)となっている。
つまり、メモリ素子1の方がメモリ素子201に比較してオフリーク電流(読出しドレイン電流Idr)が少なくなっている。また、書込み状態と初期状態との差異が大きくなっている。
一般的に、書込み状態のときに生じるオフリーク電流(言い換えると書込み状態の読出し電流Idr)はゼロに近ければ、読出し時の書込み状態と初期状態との判別が、より容易に安定して行える。
したがって、メモリ素子1(実施の形態1ないし実施の形態3)の方がメモリ素子201(参考比較技術)に対して、メモリ特性を大幅に改善されていることが明らかである。
メモリ素子1によれば、オフリーク電流を低減することができることから、読出し用の周辺回路を簡略化することができる。
例えば、ガラスなどの耐熱性の低い基板を支持基板1として用い、周辺回路用トランジスタを同一基板上に薄膜トランジスタとして形成する場合、周辺回路は、特性バラツキの大きい薄膜トランジスタで形成されることになる。
このような場合でも、メモリ素子1によれば、特に書込み状態に対する読出し電流Idrを可能な限りゼロに近づけることが可能となり、初期状態との差を顕著なものとすることができるので、特性バラツキの大きい周辺回路を使用しても、読出しを安定して行うことができ、信頼性の高いメモリ素子1を提供できる。
メモリ素子1とメモリ素子201との特性の相違が生じる理由について、図8Aおよび図8Bに基づいてさらに説明する。
図8Aは、参考比較技術に係るメモリ素子での読出し時の動作を概念的に示す平面図である。
図8Bは、実施の形態1ないし実施の形態3に係るメモリ素子での読出し時の動作を概念的に示す平面図である。
メモリ素子201では、ソース領域211sとドレイン領域211dの間に挟まれたチャネル領域211cが、読出しの際、読出しドレイン電流Idrが流れる領域である。書込みや消去の際、チャネル領域211cの上のゲート絶縁膜213へ、キャリアの注入が行われ、このキャリアのポテンシャルが、読出しドレイン電流Idrの多寡に影響する。
メモリ素子201での書込みの際には、ソース領域211sとドレイン領域211dとの間に電流を流してキャリアを発生させていることから、キャリア注入はソース領域211sおよびドレイン領域211dに挟まれた領域(チャネル領域211c)で限定的に生じる。
チャネル領域211cでは、書込み後の閾値が高くなるので、書込み状態の読出し電流Idrは初期状態に比べて効果的に減少する。しかし、チャネル領域211cのチャネル幅方向Dcwにおける端部211ctには、高いゲート電圧Vgを印加した条件で書込みを行うと、端部211ctに電界が集中し、端部211ctの上のゲート絶縁膜213へは、ホールだけではなく消去側へと閾値電圧が動く電子注入が書込み時リーク電流Inwとして生じる。
また、メモリ素子1では、チャネル領域11cのチャネル幅方向Dcwの端部11ctは、メモリ素子201と同様に島状の半導体層11の端部で決定されている。しかし、メモリ素子201とは異なり、端部11ctには第2ゲート絶縁膜15が形成されている。つまり、第2ゲート絶縁膜15の膜厚Tg2は第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1より厚く形成してあることから、ゲート電界の集中を抑制することが可能であり、書込み時リーク電流Inwを抑制することができる。したがって、結果としてオフリーク電流(読出しドレイン電流Idr)をメモリ素子201よりも約1桁小さくすることができる。
例えば、ゲート電圧Vg=0Vでのオフリーク電流(読出しドレイン電流Idr)を図7の特性で比較すると、メモリ素子1のオフリーク電流は、メモリ素子201のオフリーク電流に対して約1桁小さくなっている。
<実施の形態5>
図9に基づいて、実施の形態1ないし実施の形態4に係るメモリ素子1の第1ゲート絶縁膜13の変形例を実施の形態5として説明する。つまり、実施の形態1ないし実施の形態4では、第1ゲート絶縁膜13を単層膜として説明したが複層膜を積層して形成した場合について説明する。
図9は、本発明の実施の形態5に係るメモリ素子の第1ゲート絶縁膜の断面構造を示す断面図である。
図9では、第1ゲート絶縁膜13のみを示し、ソース領域11s、ドレイン領域11d、チャネル領域11cなどは省略してある。
第1ゲート絶縁膜13は、半導体層11の側から第1層ゲート絶縁膜13f、第2層ゲート絶縁膜13s、第3層ゲート絶縁膜13tとした積層構造とすることが可能である。例えば、第2層ゲート絶縁膜13sは電荷蓄積機能を有する膜とし、第1層ゲート絶縁膜13fおよび第3層ゲート絶縁膜13tによって第2層ゲート絶縁膜13sに蓄積された電荷の流出を防止する構成とすることによって、実施の形態1ないし実施の形態4で示した第1ゲート絶縁膜13と同様に作用させることが可能となる。
つまり、第1層ゲート絶縁膜13fおよび第3層ゲート絶縁膜13tを第2層ゲート絶縁膜13sの上下両面に配置することから第2層ゲート絶縁膜13sの電荷保持特性(電荷蓄積特性)を向上させることが可能となる。
第2層ゲート絶縁膜13sとしては、シリコン窒化膜のような電荷トラップ準位を有する絶縁膜、炭素含有シリコン酸化膜のような絶縁膜中に半導体や金属の微粒子を含む絶縁膜などを適用することができる。
また、第1層ゲート絶縁膜13fおよび第3層ゲート絶縁膜13tとしては、比較的電荷トラップ準位が少なく、電荷に対するエネルギー障壁の高い材質が好ましく、例えば、電荷蓄積機能を生じる不純物を含まないシリコン酸化膜を適用することができる。
第1ゲート絶縁膜13を多層の積層構造とする場合の各絶縁層の構成は、メモリ素子1の仕様を考慮して適宜設定することが可能である。例えば、第1層ゲート絶縁膜13fの膜厚は2nm〜20nm程度、電荷蓄積機能を要求される第2層ゲート絶縁膜13sの膜厚は2nm〜50nm、第3層ゲート絶縁膜13tの膜厚は2〜50nm程度の範囲で設定することが好ましい。
第1層ゲート絶縁膜13f、第2層ゲート絶縁膜13s、第3層ゲート絶縁膜13tの膜厚は、薄い方が書込み動作または消去動作を低電圧で実行することができるので、素子を低消費電力化できる。しかし、膜厚が薄すぎると、蓄積電荷の外部への流出や、読出し動作時に誤書込みや誤消去(ディスターブ)が生じることがある。
したがって、メモリ機能の信頼性を考慮して、第1層ゲート絶縁膜13fの膜厚は3nm〜15nm程度、第2層ゲート絶縁膜13sの膜厚は5nm〜30nm程度、第3層ゲート絶縁膜13tの膜厚は3〜30nm程度の範囲で設定することがより好ましい。
また、第1層ゲート絶縁膜13fの膜厚は、第3層ゲート絶縁膜13tの膜厚以下に設定することが好ましい。第1層ゲート絶縁膜13fは薄いほど第2層ゲート絶縁膜13sへのキャリア注入効率が上がり、書込み動作または消去動作を高速化させることができるからである。
他方、第3層ゲート絶縁膜13tの膜厚は、厚いほど第2層ゲート絶縁膜13sと第1ゲート電極17との間でのキャリアのやり取りを防止できる。つまり、第3層ゲート絶縁膜13tの膜厚を第1層ゲート絶縁膜13fの膜厚より厚くすることによって、蓄積電荷の長期保持性や、誤書込み・誤消去防止性を向上させたメモリ素子1とすることが可能となる。
したがって、第1層ゲート絶縁膜13fおよび第3層ゲート絶縁膜13tのそれぞれの特性を考慮して、第1層ゲート絶縁膜13fの膜厚は、第3層ゲート絶縁膜13tの膜厚の20%〜100%とすることが好ましい。
具体例として、第1ゲート絶縁膜13は、例えば、CVD法により、第1層ゲート絶縁膜13fとして3nm〜20nm程度のシリコン酸化膜、第2層ゲート絶縁膜13sとして5nm〜50nm程度のシリコン窒化膜、第3層ゲート絶縁膜13tとして3nm〜50nm程度のシリコン酸化膜を順次積層した構成とすることができる。
シリコン窒化膜をシリコン酸化膜で挟む構造とすることによって、準位の多いシリコン窒化膜へ意図的に電荷を注入して捕獲させることができる。シリコン窒化膜は、多くの準位をもっていることから、注入された電荷が準位でトラップされる可能性が高い。また、シリコン窒化膜は、シリコン酸化膜より誘電率が高いことから、同じ膜厚のシリコン酸化膜を適用した場合に比較して、第1ゲート電極17のゲート電圧Vgによる電界をチャネル領域11cに効率的に与えることが可能となる。
シリコン窒化膜は、上述したとおり、多くの準位をもっているので、電荷が準位にトラップされる可能性が高い。したがって、下層にシリコン酸化膜を形成するだけでなく、上層にもシリコン酸化膜を形成することが好ましい。
多くの準位を持つシリコン窒化膜をシリコン酸化膜で挟むことによって、第1ゲート電極17の側からと、チャネル領域11c(半導体層11)の側からの不要な電荷の注入を防止できる。つまり、膜中や界面の準位が比較的多いシリコン窒化膜をシリコン酸化膜で挟持することによって、シリコン窒化膜の上下から電界による不用な電荷が進入してシリコン窒化膜または界面に捕獲されることを抑制でき、メモリ機能(電荷蓄積機能)を向上させることができる。
電荷蓄積機能を有する第2層ゲート絶縁膜13sとして準位の多いシリコン窒化膜を用いることから、不用な電荷が第2層ゲート絶縁膜13sに捕獲されやすい。したがって、第2層ゲート絶縁膜13sでの電荷の捕獲を、書込み動作、あるいは、消去動作として利用することができる。
上述したとおり、本実施の形態に係るメモリ素子1では、第1ゲート絶縁膜13は、シリコン酸化物で形成されたシリコン酸化膜およびシリコン窒化物で形成されたシリコン窒化膜を備える。したがって、シリコン酸化膜に比較して準位の多いシリコン窒化膜へ意図的にキャリア(電荷)を注入して捕獲させることが可能となることから、効率的なキャリアの注入が可能なメモリ素子1とすることができる。
また、第1ゲート絶縁膜13は、シリコン窒化膜をシリコン酸化膜で挟んだ3層構造としてある。したがって、キャリアが注入されやすいシリコン窒化膜またはシリコン窒化膜の界面への上下からの不要なキャリアの侵入を防止して、不要なキャリアがシリコン窒化膜またはシリコン窒化膜の界面に捕獲されることを抑制することが可能となる。また、シリコン酸化膜をシリコン窒化膜の下層に形成するだけでなく、シリコン窒化膜の上層にも形成することから、メモリ保持特性を向上させることが可能となる。
<実施の形態6>
図10ないし図12に基づいて、本実施の形態に係る半導体記憶装置について説明する。本実施の形態に係る半導体記憶装置は、支持基板1の上に形成された実施の形態1ないし実施の形態5に係るメモリ素子1と、メモリ素子1とは別に支持基板1の上に形成されたトランジスタとを備える。
図10は、本発明の実施の形態6に係る半導体記憶装置の平面構造を示す平面図である。
図11は、図10に示した半導体記憶装置の第1実施例での断面構造であり、(A)は図10の矢符A−Aでの断面の端面図、(B)は図10の矢符B−Bでの断面の端面図である。
本実施の形態に係る半導体記憶装置3は、支持基板10と、支持基板10に形成されたメモリ素子1と、支持基板10に形成されたトランジスタ2とを備える。
メモリ素子1は、実施の形態1ないし実施の形態5のいずれかで説明したメモリ素子1であり、支持基板10の上に形成された半導体層11を備える。また、半導体層11には、ソース領域11s、チャネル領域11c、ドレイン領域11dが形成されている。さらに、電荷蓄積機能を有する第1ゲート絶縁膜13がチャネル領域11cに積層され、第1ゲート絶縁膜13は、第1ゲート電極17に被覆されている。
また、メモリ素子1では、チャネル領域11cのチャネル幅方向Dcwでの端部11ctを被覆し、第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1とは異なる膜厚Tg2を有する第2ゲート絶縁膜15が形成されている。
第1実施例でのトランジスタ2は、メモリ素子1と同様に、支持基板10の上に形成された半導体層21を備える。半導体層21にはメモリ素子1と同様に、ソース領域21s、チャネル領域21c、ドレイン領域21dが形成されている。つまり、トランジスタ2の半導体層21、ソース領域21s、チャネル領域21c、ドレイン領域21dは、メモリ素子1と同様の構成とすることが可能である。
また、トランジスタ2は、チャネル領域21cに積層された第3ゲート絶縁膜23と、第3ゲート絶縁膜23を被覆する第2ゲート電極27とを備える。
トランジスタ2は、第3ゲート絶縁膜23および第2ゲート電極27を備え、第3ゲート絶縁膜23は、第2ゲート絶縁膜15と同一材料で形成され、第2ゲート電極27は、第1ゲート電極17と同一材料で形成されている。したがって、第3ゲート絶縁膜23のチャネル幅方向Dcwでの膜厚Tg3は、第2ゲート絶縁膜15の膜厚Tg2と同様に確保することが可能となり、チャネル領域21cの角部(端部21ct)での電解集中を緩和することができる。
つまり、メモリ素子1の第2ゲート絶縁膜15とトランジスタ2の第3ゲート絶縁膜23を同一材料で同様に形成し、メモリ素子1の第1ゲート電極17とトランジスタ2の第2ゲート電極27を同一材料で同様に形成するので、メモリ素子1とトランジスタ2を同一の支持基板10に併せて形成して部品点数を抑制し(つまり、支持基板10をメモリ素子1とトランジスタ2とで共通にすることによって、メモリ素子1に対する支持基板、トランジスタ2に対する支持基板を個別に作成した場合に比較して支持基板の個数を削減することができる。)、製造工程を簡略化した半導体記憶装置3とすることができる。
また、低電圧で動作する安定したメモリ特性(書込み、消去、読出し)を有する不揮発性のメモリ素子1と、チャネル領域21cの角部での電界集中に起因するリーク電流を低減し、絶縁破壊耐圧を向上させて特性を安定化させたトランジスタ2とを備えた半導体記憶装置3とすることができる。
以下に、半導体記憶装置3(メモリ素子1および第1実施例に係るトランジスタ2)の製造方法について説明する。
まず、実施の形態2で説明したとおり、支持基板10の上に半導体膜(半導体層11、半導体層21)を形成する。つまり、支持基板10に半導体膜を積層して形成した後、半導体層11(メモリ素子1)、半導体層21(トランジスタ2)の形状に対応させて半導体層11、半導体層21を島状に形成する。半導体層11および半導体層21は同時に同一工程で形成することが可能である。
次に、半導体層11を被覆する第2ゲート絶縁膜15、および、半導体層21を被覆する第3ゲート絶縁膜23を形成する。第2ゲート絶縁膜15と第3ゲート絶縁膜23は、同時に同一工程で積層させることが可能である。つまり、第3ゲート絶縁膜23は、第2ゲート絶縁膜15と同一材料で形成される。
第2ゲート絶縁膜15、第3ゲート絶縁膜23は、半導体層11、半導体層21の上に、例えば30nm〜100nm程度のシリコン酸化膜を積層して形成することができる。一般的に、支持基板10の全面に形成することから、支持基板10の上で、半導体層11、半導体層21以外の領域へも積層される。
実施の形態1、実施の形態2で説明したとおり、メモリ素子1では、第2ゲート絶縁膜15を加工し、第2ゲート絶縁膜15に加えて第1ゲート絶縁膜13を形成している。したがって、第2ゲート絶縁膜15は、端部11ctに対応して形成されることとなる。
また、メモリ素子1は、第1ゲート絶縁膜13および第2ゲート絶縁膜15によってゲート絶縁膜を構成しているが、トランジスタ2では、第2ゲート絶縁膜15に対応して形成された第3ゲート絶縁膜23によってゲート絶縁膜を構成している。
なお、トランジスタ2のゲート絶縁膜の構造は、メモリ素子1と同様の構成とすることも可能である。つまり、トランジスタ2に対して第1ゲート絶縁膜13、第2ゲート絶縁膜15に対応させた二種類のゲート絶縁膜を形成することも可能である(この場合の実施例は、図12で示す。)。
第1ゲート絶縁膜13、第2ゲート絶縁膜15、第3ゲート絶縁膜23を形成した後、必要に応じて、フォトリソグラフィ技術を用いたフォトレジストによるマスク部材(不図示)と不純物イオン注入法により、チャネル領域11c(メモリ素子1)、チャネル領域21c(トランジスタ2)に対応させて閾値を調整するための不純物注入を行う。
次に、タングステン、モリブデンなどの金属(導電体膜)を堆積する。導電体膜をフォトリソグラフィ技術およびエッチング技術を用いて加工することにより、メモリ素子1の第1ゲート電極17、トランジスタ2の第2ゲート電極27を形成する。第1ゲート電極17および第2ゲート電極27は同時に同一工程で形成されることから、同一材料で形成される。
その後、必要に応じシリコン酸化膜のような注入保護膜を表面に形成した後、例えばフォトレジストによるマスキングとイオン注入法を適用して、メモリ素子1のソース領域11s、ドレイン領域11dに対応する領域に不純物を導入(イオン注入)し、また、トランジスタ2のソース領域21s、ドレイン領域21dに対応する領域に不純物を導入(イオン注入)することによって、ソース領域11s、ドレイン領域11d、ソース領域21s、ドレイン領域21dを形成する。
イオン注入する不純物としては、ボロンのようなP型不純物、あるいは、リンのようなN型不純物がある。
イオン注入に際しては、第1ゲート電極17、第2ゲート電極27が注入マスク部材となる。
したがって、メモリ素子1では、第1ゲート電極17が存在しない領域に対して不純物が注入され、ソース領域11sおよびドレイン領域11dを第1ゲート電極17に対して自己整合的に位置合わせして高精度にチャネル長を規定することができる。
また、トランジスタ2では、第2ゲート電極27が存在しない領域に対して不純物が注入され、ソース領域21sおよびドレイン領域21dを第2ゲート電極27に対して自己整合的に位置合わせして高精度にチャネル長を規定することができる。
イオン注入の後、引き続いて適宜のアニール処理を行い、不純物を活性化することによって、ソース領域11s、ドレイン領域11d、ソース領域21s、ドレイン領域21dが形成され、メモリ素子1およびトランジスタ2を備える半導体記憶装置3が得られる。
図12は、図10に示した半導体記憶装置の第2実施例での断面構造であり、(A)は図10の矢符A−Aでの断面の端面図、(B)は図10の矢符B−Bでの断面の端面図である。
基本的な構成は、図11に示した第1実施例と同様であるので主に異なる事項について説明する。
メモリ素子1は、上述したとおりであるので説明を省略する。
第2実施例でのトランジスタ2は、メモリ素子1と同様に、支持基板10の上に形成された半導体層21を備え、半導体層21には、ソース領域21s、チャネル領域21c、ドレイン領域21dが形成されている。トランジスタ2の半導体層21、ソース領域21s、チャネル領域21c、ドレイン領域21dは、メモリ素子1と同様の構成とすることが可能である。
トランジスタ2は、第4ゲート絶縁膜24と、チャネル領域21cのチャネル幅方向Dcwの端部21ctに形成された第5ゲート絶縁膜25と、第4ゲート絶縁膜24および第5ゲート絶縁膜25を被覆する第2ゲート電極27とを備える。
また、第4ゲート絶縁膜24は、第1ゲート絶縁膜13と同一工程で形成され、第5ゲート絶縁膜25は、第2ゲート絶縁膜15と同一工程で形成され、第2ゲート電極27は、第1ゲート電極17と同一工程で形成されている。
したがって、メモリ素子1の第1ゲート絶縁膜13に対してトランジスタ2の第4ゲート絶縁膜24を同様に形成し、メモリ素子1の第2ゲート絶縁膜15に対してトランジスタ2の第5ゲート絶縁膜25を同様に形成することが可能となることから、メモリ素子1とトランジスタ2を同一の支持基板10に併せて形成して部品点数(支持基板10の個数)を抑制し、製造工程を簡略化した半導体記憶装置3とすることができる。
また、第4ゲート絶縁膜24の膜厚Tg3は、第1ゲート絶縁膜13の膜厚Tg1と同様とされ、第5ゲート絶縁膜25のチャネル領域21cの角部(端部21ct)での膜厚Tg5は、第2ゲート絶縁膜15の膜厚Tg2と同様とされる。
つまり、低電圧で動作する安定したメモリ特性(書込み、消去、読出し)を有する不揮発性のメモリ素子1と、チャネル領域11cの角部(端部21ct)での電界集中に起因するリーク電流を低減し、絶縁破壊耐圧を向上させて特性を安定化させたトランジスタ2とを備えた半導体記憶装置3とすることができる。
第1実施例に係るトランジスタ2は、第3ゲート絶縁膜23を第2ゲート絶縁膜15と同様に形成し、第2実施例に係るトランジスタ2は、第5ゲート絶縁膜25を第2ゲート絶縁膜15と同様にして形成する。したがって、本実施の形態に係るトランジスタ2では、チャネル領域21cのチャネル幅方向Dcwで、端部21ctのゲート膜厚(第3ゲート絶縁膜23の膜厚Tg3、第5ゲート絶縁膜25の膜厚Tg5)を厚くすることができることから、電界の集中を抑制してリーク電流を低減し、絶縁破壊耐圧を向上させることができる。
本実施の形態で、メモリ素子1とトランジスタ2を同一の支持基板10上に混載する場合、第1実施例では、メモリ素子1の第2ゲート絶縁膜15と、トランジスタ2の第3ゲート絶縁膜23とを同一材料、同一膜厚で同時に形成することが可能であり、第2実施例では、メモリ素子1の第2ゲート絶縁膜15と、トランジスタ2の第5ゲート絶縁膜25とを同一材料、同一膜厚で同時に形成することが可能であることから、工程を大幅に簡略化することができる。
つまり、本実施の形態に係る半導体記憶装置3では、メモリ素子1およびトランジスタ2を同一の支持基板10で同時に形成することが可能であることから、トランジスタ2をメモリ素子1に対する周辺回路として構成することが可能である。
したがって、同一の支持基板10にメモリ素子1およびトランジスタ2を備える半導体記憶装置3を容易に形成することが可能であり、半導体記憶装置3の製造工程を大幅に簡略化することができる。つまり、メモリ素子1の周辺回路を別の支持基板に形成する場合に比較して、部品点数を削減することが可能となる。
また、支持基板10として、透明なガラス基板、透明な絶縁性樹脂基板を用いることにより、例えば液晶表示パネルにメモリ素子1とメモリ駆動用回路を構成するトランジスタ2を混載した半導体記憶装置3を形成することが可能となる。
また、メモリ素子1での書込み動作、あるいは消去動作は、意図的に行うため短い時間(例えば1秒以下)で行わなければ、利便性が低くなる。したがって、高速化するために高い電圧を印加する必要がある。高い電圧を印加するために、周辺回路では、メモリ素子1(メモリ部)よりゲート絶縁膜が厚いトランジスタ2が必要となる。本実施の形態に係る半導体記憶装置3が備えるトランジスタ2は、第3ゲート絶縁膜23、あるいは第5ゲート絶縁膜25を備えることから、確実にゲート絶縁膜の膜厚を確保することが可能となり、容易に高い電圧を印加することができる。
実施の形態1ないし実施の形態6では、主にPチャネル型のメモリ素子1、トランジスタ2、半導体記憶装置3について説明したが、本発明はNチャネル型デバイス(メモリ素子1、トランジスタ2、半導体記憶装置3)にも適用することが可能である。Nチャネル型デバイスは、ソース、ドレインへ導入する不純物の導電型をPチャネル型の逆導電型(N型不純物)とし、動作時における印加電圧をPチャネル型デバイスの場合の逆バイアスとすればよい。
なお、支持基板1としてガラス基板などの耐熱性の低いものを用いる場合には、製造の際に低温のプロセスを用いることになる。このような場合には、Nチャネル型デバイスよりもPチャネル型デバイスが、書込み動作および消去動作の繰り返し安定性、信頼性の観点から、好ましい。
<実施の形態7>
図13に基づいて、本実施の形態に係る表示装置について説明する。
本実施の形態は、支持基板に表示部を形成した表示装置に関し、同一の支持基板に実施の形態1ないし実施の形態6で説明したメモリ素子1または半導体記憶装置3を作りこんだ表示装置に関する。なお、表示装置としては、絶縁性基板が適用できる液晶表示装置、EL表示装置などを対象とすることができる。
図13は、本発明の実施の形態7に係る表示装置の概略を説明する説明図であり、(A)は概略平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を概念的に示す概略断面図である。
本実施の形態に係る表示装置4は、例えば、液晶表示装置として構成される。表示装置4は、支持基板10と、支持基板10に形成された表示部40とを備える。表示部40は、シール部40sを介して対向配置された支持基板10とカラーフィルタ基板41の間に液晶層40dを封入して構成され、液晶表示パネルとして構成されている。
表示部40(液晶表示パネル)は、マトリックス状に配置された画素42に対応して配置され画素42を制御する薄膜トランジスタアレイ(不図示)と、薄膜トランジスタアレイのゲート電圧を制御するゲートドライバ領域44と、薄膜トランジスタアレイのソース電圧を制御するソースドライバ領域45とを備える。
実施の形態1ないし実施の形態6で説明したメモリ素子1、実施の形態6で説明した半導体記憶装置3(トランジスタ2)は、実施の形態1ないし実施の形態6の説明で明らかなとおり、薄膜トランジスタアレイ(薄膜トランジスタ)と同様のプロセスで形成することが可能である。
したがって、ゲートドライバ領域44、ソースドライバ領域45をトランジスタ2(実施の形態6)で構成することが可能となる。
また、メモリ素子1または半導体記憶装置3は、ゲートドライバ領域44とソースドライバ領域45が交差する交差領域47に配置されている。したがって、空きスペース(交差領域47)を有効に利用してメモリ素子1または半導体記憶装置3を配置することから、優れた表示特性を有し、低消費電力化および小型化した表示装置4とすることができる。
液晶表示パネルは、液晶層、薄膜トランジスタアレイが有する低消費電力機能によって、低消費電力化が可能となり、また、薄膜トランジスタアレイを支持基板10に一括して形成することから、低コスト化が可能となる。なお、EL表示パネルの場合にも同様な効果が得られる。
液晶表示パネルでは、カラーフィルタ基板41の電極へ印加する電圧の基準値(液晶表示パネルに対する補正値、つまり、印加電圧の補正値)を記憶させる必要がある。本実施の形態では、交差領域47にメモリ素子1または半導体記憶装置3(メモリ素子1およびトランジスタ2)を配置することから、カラーフィルタ基板41の電極へ印加する電圧の基準値をメモリ素子1または半導体記憶装置3(メモリ素子1)に記憶させることが可能となる。また、液晶表示パネルに対するガンマ補正値(液晶表示パネルに対する補正値)を記憶させておくことも可能である。
つまり、本実施の形態に係る表示装置4は、液晶表示パネルとして構成され、メモリ素子1は、液晶表示パネルに対する補正値を記憶している。したがって、液晶表示パネルに特有な補正値(印加電圧の補正値、ガンマ補正値など)を記憶させて液晶表示パネルに対する補正を容易に施すことが可能となるので、優れた表示特性を有する表示装置4(液晶表示装置)とすることができる。
また、補正値は、液晶表示パネルに印加する印加電圧の補正値、または、液晶表示パネルに対するガンマ補正値である。したがって、液晶表示パネルに対する印加電圧の補正、あるいは、液晶表示パネルに対するガンマ補正を容易かつ高精度に施すことが可能となる。
「カラーフィルタ基板41へ印加する電圧の基準値(液晶表示パネルに印加する印加電圧の補正値)」、あるいは「液晶表示パネルに対するガンマ補正値」は、液晶表示パネルに付随する固有のデータである。したがって、液晶表示パネル(表示部40)を構成する支持基板10にメモリ素子1、または半導体記憶装置3を形成することによって、設計が容易となり、開発コストを削減することができる。
なお、参考に従来の技術で必要であった外付メモリ回路(メモリ素子101、半導体記憶装置103)の配置状態を図示してある。
本実施の形態では、メモリ素子1、あるいは、半導体記憶装置3(メモリ素子1およびトランジスタ2)を交差領域47に配置することから、従来の外付メモリ回路に比較して配線長を大幅に短縮することが可能であり、アクセス時間を短縮することが可能となる。また、従来の外付メモリ回路であるメモリ素子101、半導体記憶装置103の配置に必要な領域が不要となることから、支持基板10の周辺面積を縮小することが可能となり、表示装置4を小型化することができる。
上述したとおり、表示装置4は、実施の形態1ないし実施の形態6で記載したメモリ素子1を備える。したがって、メモリ素子1を表示装置4(支持基板10)に併せて作りこむことが可能となるので、低電圧で動作する安定したメモリ特性を有するメモリ素子1を配置して周辺のメモリ回路を簡略化(従来必要であった外付けメモリ回路の部品点数を低減)し、低消費電力化および小型化することができ、生産性および信頼性を向上させた安価な表示装置4とすることができる。
また、本実施の形態に係る表示装置4は、実施の形態6で記載した半導体記憶装置3を備えることも可能である。したがって、メモリ素子1およびトランジスタ2を備える半導体記憶装置3を表示装置4に併せて作りこむことが可能となるので、低電圧で動作する安定したメモリ特性を持たせて周辺のメモリ回路を簡略化(従来必要であった外付けメモリ回路の部品点数を低減)し、低消費電力化および小型化することができ、生産性および信頼性を向上させた安価な表示装置4とすることができる。
<実施の形態8>
図14に基づいて、本実施の形態に係る携帯電子機器について説明する。
本実施の形態は、実施の形態7で説明した表示装置4を搭載した携帯電子機器に関する。
図14は、本発明の実施の形態8に係る携帯電子機器の概略構成を概念的に示す概略平面図である。
近年の携帯電子機器では、薄型化や軽量化が進められ、過密設計化が進行している。したがって、携帯電子機器に搭載される内蔵部品に対しても薄型化、軽量化が必然的に要請されている。なお、携帯電子機器としては、例えば、携帯電話、ノート型パーソナルコンピュータ、携帯情報端末などを対象とすることができる。
本実施の形態に係る携帯電子機器6(例えば携帯電話)は、実施の形態7で記載した表示装置4を備える。したがって、優れた表示機能を有し、低消費電力化、小型化(省スペース化)を実現した携帯電子機器とすることができる。
実施の形態7で説明したとおり、表示装置4は、従来の技術のままでは外付メモリ回路(メモリ素子101、半導体記憶装置103)が必要となる。本実施の形態では、表示装置4として実施の形態7で説明した表示装置4を搭載することから、従来必要であった外付メモリ回路(メモリ素子101、半導体記憶装置103)を除去することが可能となる。つまり、外付メモリ回路が配置されていた領域を削減することが可能となることから、表示装置4を小型化して携帯電子機器6の外形を小さく、薄くすることができる。
本発明の実施の形態1に係るメモリ素子の平面構造を示す平面図である。 図1に示したメモリ素子の断面構造であり、(A)は図1の矢符A−Aでの断面の端面図、(B)は図1の矢符B−Bでの断面の端面図、(C)は図1の矢符C−Cでの断面の端面図である。 本発明の実施の形態2に係るメモリ素子の第2ゲート絶縁膜を形成した状態を断面で示す工程図である。 本発明の実施の形態2に係るメモリ素子の第2ゲート絶縁膜を加工して第1ゲート絶縁膜を形成する準備状態を断面で示す工程図である。 本発明の実施の形態2に係るメモリ素子の第1ゲート絶縁膜を形成した状態を断面で示す工程図である。 本発明の実施の形態2に係るメモリ素子の第1ゲート電極を形成した状態を断面で示す工程図である。 本発明の実施の形態3に係るメモリ素子での書込み動作を説明する動作概念図である。 本発明の実施の形態3に係るメモリ素子での消去動作を説明する動作概念図である。 本発明の実施の形態3に係るメモリ素子での読出し動作を説明する動作概念図である。 参考比較技術に係るメモリ素子の平面構造を示す平面図である。 図5に示したメモリ素子の断面構造であり、(A)は図5の矢符A−Aでの断面の端面図、(B)は図5の矢符B−Bでの断面の端面図、(C)は図5の矢符C−Cでの断面の端面図である。 実施の形態1ないし実施の形態3に係るメモリ素子と参考比較技術に係るメモリ素子との特性を比較する特性グラフであり、書込み状態および消去状態でのドレイン電流(読出しドレイン電流)のゲート電圧依存性を示す特性グラフである。 参考比較技術に係るメモリ素子での読出し時の動作を概念的に示す平面図である。 実施の形態1ないし実施の形態3に係るメモリ素子での読出し時の動作を概念的に示す平面図である。 本発明の実施の形態5に係るメモリ素子の第1ゲート絶縁膜の断面構造を示す断面図である。 本発明の実施の形態6に係る半導体記憶装置の平面構造を示す平面図である。 図10に示した半導体記憶装置の第1実施例での断面構造であり、(A)は図10の矢符A−Aでの断面の端面図、(B)は図10の矢符B−Bでの断面の端面図である。 図10に示した半導体記憶装置の第2実施例での断面構造であり、(A)は図10の矢符A−Aでの断面の端面図、(B)は図10の矢符B−Bでの断面の端面図である。 本発明の実施の形態7に係る表示装置の概略を説明する説明図であり、(A)は概略平面図、(B)は(A)の矢符B−Bでの断面を概念的に示す概略断面図である。 本発明の実施の形態8に係る携帯電子機器の概略構成を概念的に示す概略平面図である。 従来の不揮発性のメモリ素子の概略断面を示す概略断面図である。
符号の説明
1 メモリ素子
2 トランジスタ
3 半導体記憶装置
4 表示装置
6 携帯電子機器
10 支持基板
11 半導体層
11b ボディコンタクト領域
11c チャネル領域
11ct 端部
11d ドレイン領域
11s ソース領域
13 第1ゲート絶縁膜
13f 第1層ゲート絶縁膜
13s 第2層ゲート絶縁膜
13t 第3層ゲート絶縁膜
15 第2ゲート絶縁膜
17 第1ゲート電極
21 半導体層
21c チャネル領域
21ct 端部
21d ドレイン領域
21s ソース領域
23 第3ゲート絶縁膜
24 第4ゲート絶縁膜
25 第5ゲート絶縁膜
27 第2ゲート電極
40 表示部(液晶表示パネル)
40d 液晶層
40s シール部
41 カラーフィルタ基板
42 画素
44 ゲートドライバ領域
45 ソースドライバ領域
47 交差領域(メモリ素子/半導体記憶装置)
CIe 消去キャリア
CIw 書込みキャリア
Dcw チャネル幅方向
Id ドレイン電流
Ide 消去電流
Idr 読出しドレイン電流
Idw 書込み電流
Ine 消去時リーク電流
Inw 書込み時リーク電流
Tg1〜Tg5 膜厚

Claims (15)

  1. 支持基板と、該支持基板に積層されソース領域およびドレイン領域を有する半導体層と、前記ソース領域および前記ドレイン領域の間で前記半導体層に形成されたチャネル領域と、該チャネル領域に積層され電荷蓄積機能を有する第1ゲート絶縁膜と、該第1ゲート絶縁膜を被覆する第1ゲート電極を備えるメモリ素子であって、
    前記チャネル領域のチャネル幅方向の端部を被覆し前記第1ゲート絶縁膜の膜厚と異なる膜厚を有する第2ゲート絶縁膜を備え、
    前記第1ゲート電極は、前記第2ゲート絶縁膜を被覆していること
    を特徴とするメモリ素子。
  2. 請求項1に記載のメモリ素子であって、
    前記第2ゲート絶縁膜の膜厚は、前記第1ゲート絶縁膜の膜厚より厚くしてあること
    を特徴とするメモリ素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載のメモリ素子であって、
    前記支持基板は、ガラス基板または絶縁性樹脂基板であること
    を特徴とするメモリ素子。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載のメモリ素子であって、
    前記第1ゲート絶縁膜は、炭素原子を含むシリコン酸化物で形成された単層のシリコン酸化膜であること
    を特徴とするメモリ素子。
  5. 請求項1ないし請求項3のいずれか一つに記載のメモリ素子であって、
    前記第1ゲート絶縁膜は、シリコン酸化物で形成されたシリコン酸化膜およびシリコン窒化物で形成されたシリコン窒化膜を備えること
    を特徴とするメモリ素子。
  6. 請求項5に記載のメモリ素子であって、
    前記第1ゲート絶縁膜は、前記シリコン窒化膜を前記シリコン酸化膜で挟んだ3層構造としてあること
    を特徴とするメモリ素子。
  7. 請求項1ないし請求項6のいずれか一つに記載のメモリ素子であって、
    前記ソース領域および前記ドレイン領域は、P型不純物領域としてあること
    を特徴とするメモリ素子。
  8. 支持基板と、該支持基板に形成されたメモリ素子と、前記支持基板に形成されたトランジスタとを備える半導体記憶装置であって、
    前記メモリ素子は、請求項1ないし請求項7のいずれか一つに記載のメモリ素子であり、
    前記トランジスタは、第3ゲート絶縁膜および第2ゲート電極を備え、
    前記第3ゲート絶縁膜は、前記第2ゲート絶縁膜と同一材料で形成され、
    前記第2ゲート電極は、前記第1ゲート電極と同一材料で形成されていること
    を特徴とする半導体記憶装置。
  9. 支持基板と、該支持基板に形成されたメモリ素子と、前記支持基板に形成されたトランジスタとを備える半導体記憶装置であって、
    前記メモリ素子は、請求項1ないし請求項7のいずれか一つに記載のメモリ素子であり、
    前記トランジスタは、第4ゲート絶縁膜と、チャネル領域のチャネル幅方向の端部に形成された第5ゲート絶縁膜と、前記第4ゲート絶縁膜および前記第5ゲート絶縁膜を被覆する第2ゲート電極とを備え、
    前記第4ゲート絶縁膜は、前記第1ゲート絶縁膜と同一工程で形成され、
    前記第5ゲート絶縁膜は、前記第2ゲート絶縁膜と同一工程で形成され、
    前記第2ゲート電極は、前記第1ゲート電極と同一工程で形成されていること
    を特徴とする半導体記憶装置。
  10. 支持基板と、該支持基板に形成された表示部とを備える表示装置であって、
    請求項1ないし請求項7のいずれか一つに記載のメモリ素子を備えること
    を特徴とする表示装置。
  11. 支持基板と、該支持基板に形成された表示部とを備える表示装置であって、
    請求項8または請求項9に記載の半導体記憶装置を備えること
    を特徴とする表示装置。
  12. 請求項10または請求項11に記載の表示装置であって、
    前記表示部は、液晶表示パネルとして構成され、
    前記メモリ素子は、前記液晶表示パネルに対する補正値を記憶していること
    を特徴とする表示装置。
  13. 請求項12に記載の表示装置であって、
    前記補正値は、前記液晶表示パネルに印加する印加電圧の補正値、または、前記液晶表示パネルに対するガンマ補正値であること
    を特徴とする表示装置。
  14. 請求項12または請求項13に記載の表示装置であって、
    前記液晶表示パネルは、マトリックス状に配置された画素に対応して配置され該画素を制御する薄膜トランジスタアレイと、該薄膜トランジスタアレイのゲート電圧を制御するゲートドライバ領域と、前記薄膜トランジスタアレイのソース電圧を制御するソースドライバ領域とを備え、
    前記メモリ素子または前記半導体記憶装置は、前記ゲートドライバ領域と前記ソースドライバ領域が交差する交差領域に配置されていること
    を特徴とする表示装置。
  15. 表示装置を備える携帯電子機器であって、
    前記表示装置は、請求項10ないし請求項14のいずれか一つに記載の表示装置であること
    を特徴とする携帯電子機器。
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