JP2009259436A - プラズマディスプレイパネルおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】PDPの放電遅れを改善する。
【解決手段】基板上に配置された表示電極対であるX、Y電極14、15と、表示電極対を被覆する誘電体層17と、この誘電体層17を被覆する保護層18とを有する。保護層18は誘電体層17の表面に積層されるMgO膜18aと、MgO膜18a上に付着する複数のMgO結晶粒子18bとを備えている。また、MgO膜18aの表面の被覆率は10%以下であり、複数のMgO結晶粒子18bは、放電空間と対向する面の配向が揃うように配置されている。また、複数のMgO結晶粒子18bには、複数のMgO結晶単粒子18b1が凝集した凝集体18cが含まれ、凝集体18cを含む複数のMgO結晶粒子18bの累積粒度分布は、MgO結晶単粒子18b1の累積粒度分布に対して、累積50%値が1.28倍以上、かつ、1.43倍以下である。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラズマディスプレイパネルおよびその製造技術に関し、特に、プラズマディスプレイパネルの放電遅れの改善に適用して有効な技術に関する。
プラズマディスプレイパネル(PDP;Plasma Display Panel)は、例えば希ガスなどの放電ガスを封入したセルと呼ばれる放電空間内で、気体放電を発生させ、この際に発生する真空紫外線で蛍光体を励起して、画像を表示する表示パネルである。
現在、一般に商品化されているAC(交流)駆動方式のPDPは面放電型である。面放電型PDPでは、カラー表示のための蛍光体を表示電極対からパネルの厚さ方向に遠ざけて配置することができ、それによって放電時のイオン衝撃(スパッタ)による蛍光体の特性劣化を低減することができる。したがって、面放電型PDPは、対を成す表示電極(X電極およびY電極と呼ばれる)を前面基板と背面基板とに振り分けて配置する対向放電型に比べて、長寿命化に適している。
上記一般の面放電型AC型PDPの前面基板では、XおよびYの表示電極対を覆う誘電体層が放電時のイオンの衝撃により劣化することを防ぐために保護膜を設ける。この保護膜は、誘電体層が放電時のイオンの衝撃により劣化するのを防ぐだけでなく、該保護膜にイオンが衝突することにより、二次電子を放出し、放電を成長させる機能も有する。
上記保護膜として、耐イオン衝撃性や二次電子の放出のしやすさから、酸化マグネシウム(MgO)の薄膜が一般に用いられる(特許文献1参照)。
特開2006−147417号公報
<放電遅れについての検討>
上記MgOの保護膜は二次電子放射係数が高く、放電開始電圧を低減するには有効である。しかし近年、PDPの高精細化の要求に伴って更にアドレス速度を向上させる必要が生じ、この結果、放電遅れの改善が新たに重要な課題となっている。
すなわち、PDPの高精細化をすすめると、表示ライン数が増加する。例えば、いわゆるフルハイビジョン規格では1080本の表示ラインを有することとなる。PDPでは所定のフレーム時間(フィールド)を、複数のサブフィールドに分割し、各サブフィールドで行う維持放電(表示放電)の回数の組み合わせにより階調表示を行う。また、画像を形成するために、サブフィールド毎に、点灯するセルを選択する動作(アドレス(書き込み)動作)を行う。具体的には、選択するセルの走査電極とアドレス電極へパルスを印加して放電(アドレス放電)を発生させて壁電荷を形成する。その後、セル群に対して駆動波形の印加により選択セルで維持放電(表示放電)を発生させる動作(維持動作)を行う。したがって、例えば1080本分の走査(表示ライン毎の放電/非放電の選択)を、所定のフレーム時間の中で階調表示に必要なサブフィールド分行うためには、アドレス動作時間(すなわち電極への電圧(パルス)の印加によりアドレス放電を発生させ壁電荷を形成するのにかかる時間)を短縮することが必要となる。つまり、PDPを高精細化するほど、アドレス動作等における放電遅れを如何に短縮するかが大きな課題となる。
ここで、放電遅れとは、一般に形成遅れと統計遅れの和として考えられる。形成遅れは、電極間に生成した初電子が発生してから明確な放電が形成されるまでの時間であり、多数回放電を実施したときの略最小放電時間と見なされている。一方、統計遅れは、電圧印加から電離が始まって放電が開始するまでの時間であり、多数回放電を繰り返した際の放電遅れのばらつきは、この時間によりほぼ支配されるため、一般に統計遅れと呼ばれている。これらの放電遅れが長いと、表示ミス防止のためにアドレス時間を長くせざるを得ず、画像形成に寄与する表示期間が短くなるなどの悪影響を与える。したがって、PDPにとって、放電遅れが短いことが望ましい。
ガス放電では、空間(放電空間)中の荷電粒子が外部電界によって加速され、他のガス分子に衝突し、該ガス分子が電離することで電離粒子の数を増やし成長するが、最初に荷電粒子が供給されないと放電は始まらず、荷電粒子が供給されるまで放電開始が遅れる。したがって放電の種火となるプライミング電子(初期荷電粒子)を放電空間内により多く供給する程、放電遅れを短くすることができる。
上記した特許文献1では、放電遅れを短くするための一つの解決手段としてMgO膜の上に結晶体粉末を含む結晶酸化マグネシウム層を設ける技術が提案されている。上記特許文献1によれば、200ないし300nm内(特に235nm付近)にピークを有するカソード・ルミネッセンス発光を行う酸化マグネシウム結晶体の粉末を設けることにより、そのピーク波長に対応したエネルギ準位によって電子を長時間トラップできるので、該電子が放電開始に必要な初期電子として取り出され、放電遅れが減少すると推測している。なお、上記特許文献1には、所定波長にピークを有するカソード・ルミネッセンス発光を行うMgO結晶体の粉末を得るために、該粉末の分級を行って所定の粒径以上のMgO結晶体の頻度分布が多くなるようにする旨が記載されている。
<MgO膜の表面に複数のMgO結晶体粉末を配置する技術の検討>
しかしながら、本発明者が上記特許文献1に記載される構成について検討した所、上記構成ではPDP内での特性の分布あるいはPDP個々の特性を一様にそろえることが難しいという課題があることを見出した。
すなわち、PDPの面内において一様に放電遅れを短くするためには、MgO結晶体を配置する量を多くする必要があり、MgO膜の表面がMgO結晶体で覆われることとなる。しかしこの場合、MgO結晶体を形成しない場合と比較して、MgO結晶体が放電空間に露出する表面積が大きくなる。MgOはCOやHOなどの不純物を吸着し易い性質を有しており、表面積の増大に伴って増加した不純物により蛍光体(特に緑色の発光特性を有する蛍光体)が劣化して緑色の発光が弱くなり、表示色に赤みが増す色ムラ(いわゆる画面内における赤ムラ)が顕著になる。
<MgO結晶体の配置量を少なくする技術の検討>
そこで、本発明者は、MgO結晶体を付着させる量を少なくしてMgO膜の露出面積を向上させる技術について検討を行った結果、例えば、上記特許文献1に記載されるMgO結晶体を配置する量を単に少なくした場合に生じる新たな課題を見出した。
すなわち、第1に放電遅れについて、MgO結晶体の配置量を単に少なくするのみでは、プライミング電子の供給量が少なくなるため、結果として放電遅れを短くすることができない。なお、上記特許文献1では、分級によりMgO結晶体における粒径の大きい結晶体の粒度分布(頻度分布)の割合を大きくすることで、MgO結晶体の粉末の量が少なくて済む旨が記載されている。しかし、単に分級を行っただけでは、上記特許文献1の図6あるいは図7に記載されるように各MgO結晶体に付着している微細なMgO結晶粒子を取り除くことができない。また、分級時の衝撃等によりMgO結晶体の一部(特に立方体の頂部)が損傷する場合がある。また、損傷片がMgO結晶体を配置した後にMgO膜に付着する場合もある。このため、MgO結晶体の放電空間に対向する面の配向が揃わず、少ない配置量では、十分にプライミング電子を供給することができなくなるため、放電遅れを短くすることができない。
また、第2にMgO膜上に配置するMgOの結晶粒子の大きさおよび個数にばらつきがある場合、表示の最小発光単位である放電セルの面積当たりに付着するMgO結晶粒子がばらつく。この結果、表示放電におけるプライミング電子の供給量がセル毎に異なることとなり、放電セル毎の発光輝度がばらつくことになる。この現象は、PDPの点灯時にあたかも細かい粒子状の明暗ムラが視認されるため、粒状ムラと呼ばれ、PDPの信頼性を低下させる原因となる。
また、第3に所定波長にピークを有するカソード・ルミネセンス発光を行うMgO結晶体の粉末を集めるために分級工程を必要とするため、製造工程が煩雑になり、製造効率が低下するという課題がある。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、PDPの放電遅れを改善することができる技術を提供することにある。
本発明の前記ならびにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
上記課題を解決するため、本発明者が検討および実験を行った結果、MgO膜上にMgO結晶粒子を配置し、MgO膜の被覆率を10%以下とすることにより、前記した画面内における赤ムラの発生、あるいは放電電圧の上昇を抑制できることが判明した。また、前記MgO結晶粒子の放電空間に対向する面の配向を揃えることによりMgO結晶粒子を付着させる量を少なくしても、放電遅れが改善できることを実験的に見出した。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、本発明の一つの実施の形態におけるプラズマディスプレイパネルは、放電ガスを封入して形成された放電空間を介して対向する一対の基板構造体を備え、前記一対の基板構造体の一方は、基板上に配置された複数の表示電極対と、前記複数の表示電極対を被覆する誘電体層と、この誘電体層を被覆する保護層とを有している。ここで、前記保護層は前記誘電体層の表面に積層されるMgO膜と、前記MgO膜上に付着する複数のMgO結晶粒子とを備えている。また、前記MgO膜の表面の被覆率は10%以下である。また、前記MgO結晶粒子には、複数のMgO結晶単粒子が凝集した凝集体が含まれ、前記凝集体を含む前記複数のMgO結晶粒子の累積粒度分布は、前記複数のMgO結晶単粒子の累積粒度分布に対して、累積50%値が1.28倍以上、かつ、1.43倍以下とするものである。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
すなわち、安定的にPDPの放電遅れを改善することができる。
本願発明を詳細に説明する前に、本願における用語の意味を説明すると次の通りである。
「MgO結晶単粒子」とは、MgOで構成される結晶体の一次粒子(単粒子)をいう。したがって、「MgO結晶単粒子」には複数の単粒子が凝集した凝集体や塊体などの二次粒子は含まれない。一方、「MgO結晶粒子」は、MgO結晶単粒子の他、複数のMgO結晶単粒子が凝集した凝集体や塊体などの二次粒子を含めた総称として用いる。
「累積粒度分布」とは、特定の粒子径以下の粒子が全体に占める割合を示したものである。つまり、累積50%値とは、その粒子径以下の粒子が全体の50%を占めることを意味する。例えば、図7の(B)を用いて説明すると、累積50%値は1.27μmであり、1.27μm以下の粒子が全体の50%を占めることを示している。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらはお互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。
また、本実施の形態を説明するための全図において同一機能を有するものは同一の符号を付すようにし、その繰り返しの説明は原則として省略する。以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
<1.PDPの基本構造>
まず、図1および図2を用いて本実施の形態のPDPの構造の一例についてカラー表示用のAC駆動型の3電極面放電型PDPを例に説明する。図1は本実施の形態のPDPの要部を拡大して示す要部拡大組み立て斜視図、図2は図1に示す前面基板構造体の上下を反転させて保護層の表面状態を示す要部拡大斜視図である。
図1において、PDP1は放電ガスを封入して形成された放電空間24を介して対向する一対の基板構造体である前面基板構造体11と背面基板構造体12とを有している。
前面基板構造体11は、前面基板(第1基板)13上に配置された複数の表示電極対であるX電極14およびY電極15と、これらの表示電極対を被覆する誘電体層17と、この誘電体層を被覆する保護層18とを有している。また、保護層18は、図2に示すように誘電体層17の表面に積層されるMgO(酸化マグネシウム)膜18aと、MgO膜18a上に付着する複数のMgO結晶粒子18bとを備えている。MgO結晶粒子18bには、前述の通り、MgO結晶単粒子18b1の他、凝集体18cも含まれている。
前面基板構造体11と背面基板構造体12とは対向配置された状態で重ね合わされ、その間に放電空間24を有している。つまり、前面基板構造体11と背面基板構造体12とは放電空間24を介して対向配置されている。
前面基板構造体11はPDP1の表示面となる第1の面13aを有し、例えばガラス基板である前面基板13を有している。前面基板13の第1の面13aの反対側の面(内面)にはPDP1の表示電極であるX電極(表示電極)14と、Y電極(表示電極、走査電極)15とがそれぞれ複数形成されている。
X電極14およびY電極15は維持放電(表示放電)を行うための一対の表示電極対を構成し、例えば、行方向DXに沿って帯状に延在するようにそれぞれ交互に配置されている。この一対のX電極14とY電極15とがPDP1における行方向DXの表示ラインを構成する。なお、図1では、二対のX電極14およびY電極15を拡大して示しているが、PDP1は、この表示ラインの行数に応じて複数のX電極14およびY電極15を有している。
このX電極14およびY電極15は一般に例えば、ITO(Indium Tin Oxide)やSnOなどの透明な電極材料で構成されるX透明電極14a、Y透明電極15aと、例えば、Ag、Au、Al、Cu、Cr、あるいはこれらの積層体(例えばCr/Cu/Crの積層体)などからなるXバス電極14b、Yバス電極15bとで構成される。
X透明電極14a、Y透明電極15aは主に維持放電に寄与し、蛍光体の発光を前面基板13側から観察することができるように光透過性がXバス電極14b、Yバス電極15bよりも高い。一方Xバス電極14b、Yバス電極15bは駆動用の電流を低抵抗で流すため、X透明電極14a、Y透明電極15aよりも抵抗の低い金属材料を用いる。
前面基板(第1基板)13の一方の面(第1の面13aの反対側に位置する面)に表示電極対(X電極14およびY電極15)を形成する工程は例えば以下のように行う。すなわち、透明な電極材料やAg、Auについてはスクリーン印刷のような厚膜形成技術を用いて、またその他の金属については蒸着法やスパッタ法などの薄膜形成技術とエッチング技術とを用いることにより、所定の本数、厚さ、幅および間隔で形成することができる。
図1では、X透明電極14a、Y透明電極15aが帯状に延びる形状を示しているが、X透明電極14a、Y透明電極15aの電極構造はこれに限定されない。例えば、維持放電の安定化や放電効率の向上のため、一対の電極対間の最短距離(放電ギャップと呼ばれる)がセルに対応して近づくようにXバス電極14b、Yバス電極15bと重なる位置からそれぞれ対向する方向に突出部を形成する構造としても良い。また、突出部の形状もストレート形、T字形又は梯子形等種々の変形例を用いることができる。また、X電極14とY電極15の電極構造も図1に示す形状には限定されず、例えば、これらの表示電極対を等間隔に配置して、隣接するX電極14とY電極15との間がすべて表示ラインになる、いわゆるALIS(Alternate Lighting of Surface Method)と呼ばれる構造としても良い。
これらの電極群(X電極14、Y電極15)は、主にSiOなどのガラス材料で構成される誘電体層17で被覆されている。表示電極対を被覆するように誘電体層17を形成する工程は例えば以下のように行う。すなわち、誘電体層17は、例えば低融点ガラス粉末を主成分とするフリットペーストを、前面基板13上にスクリーン印刷法で塗布し、焼成することにより形成している。他に、いわゆるグリーンシートと呼ばれるシート状の誘電体シートを貼り付けて焼成する方法で形成することもできる。あるいは、プラズマCVD法でSiO膜を成膜することにより形成してもよい。
誘電体層17の内面側には、表示の際の放電(主に維持放電)により生じるイオンの衝突による衝撃から誘電体層17を保護するための保護層18が形成されている。このため保護層18は誘電体層17の表面を被覆するように形成されている。この保護層18の詳細な構造、機能、および誘電体層17の表面に保護層18を形成する工程の詳細については後述する。
一方、背面基板構造体12は、例えばガラス基板である背面基板19を有している。背面基板19の前面基板構造体11と対向する面(内側面)上には、複数のアドレス電極20が形成されている。各アドレス電極20は、X電極14およびY電極15が延在する方向と交差する(略直交する)列方向DYに沿って延在するように形成されている。また、各アドレス電極20は、互いに略平行となるように所定の配置間隔を持って配置されている。
アドレス電極20を構成する材料としては、Xバス電極14b、Yバス電極15bと同様に例えば、Ag、Au、Al、Cu、Cr、あるいはこれらの積層体(例えばCr/Cu/Crの積層体)などを用いることができる。また、アドレス電極20に用いる材料に応じて厚膜形成技術あるいは蒸着法やスパッタ法などの薄膜形成技術とエッチング技術とを用いることにより、所定の本数、厚さ、幅および間隔で形成することができる。
このアドレス電極20と、前面基板構造体11に形成されたY電極15とは、セル25の点灯/非点灯を選択するための放電であるアドレス放電を行うための電極対を構成する。つまり、Y電極15は維持放電用の電極としての機能とアドレス放電用の電極(走査電極)としての機能とを併せ持っている。
アドレス電極20は、誘電体層21で被覆されている。誘電体層21は前面基板13上の誘電体層17と同じ材料、同じ方法を用いて形成することができる。誘電体層21上には背面基板構造体12の厚さ方向に伸びる複数の隔壁22が形成されている。隔壁22はアドレス電極20が延在する列方向DYに沿ってライン状に延在するように形成されている。前面基板構造体11と背面基板構造体12とは、保護層18が形成された面と隔壁22が形成された面とが対向した状態で固定されている。隔壁22の平面上の位置は、隣り合うアドレス電極20の間に配置されている。隔壁22を隣り合うアドレス電極20の間に配置することにより、各アドレス電極の位置に対応して誘電体層21の表面を列方向DYに区分けする放電空間24が形成される。なお、隔壁22の形状は、図1に示すライン状の他、ミアンダ形、格子形又は梯子形など種々の変形例を適用することができる。
隔壁22を形成する工程は、サンドブラスト法、フォトエッチング法などにより形成することができる。例えば、サンドブラスト法では、低融点ガラスフリット、バインダー樹脂、溶媒などからなるフリットペーストを誘電体層21上に塗布して乾燥させた後、そのフリットペースト層上に隔壁パターンの開口を有する切削マスクを設けた状態で切削粒子を吹き付けて、マスクの開口部に露出したフリットペースト層を切削し、さらに焼成することにより形成する。また、フォトエッチング法では、切削粒子で切削することに代えて、バインダー樹脂に感光性の樹脂を使用し、マスクを用いた露光および現像の後、焼成することにより形成する。
アドレス電極20上の誘電体層21の上面、および隔壁22の側面には、真空紫外線により励起されて赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の可視光を発生する蛍光体23r、23g、23bがそれぞれ所定の位置に形成されている。隔壁22で区画された領域に蛍光体23r、23g、23bを形成する工程は例えば以下のように行う。まず、各色の発光特性を有する蛍光体粉末とバインダー樹脂と溶媒とを含む蛍光体ペーストをそれぞれ準備する。この蛍光体ペーストを隔壁で区切られた放電空間内にスクリーン印刷またはディスペンサを用いた方法などで塗布し、これを各色ごとに繰り返した後、焼成することにより形成している。
また、蛍光体23r、23g、23bは、蛍光体粉末と感光性材料とバインダー樹脂とを含むシート状の蛍光体層材料(いわゆるグリーンシート)を使用し、フォトリソグラフィー技術で形成することもできる。この場合、所定の色のシートを基板上の表示領域全面に貼り付けて、露光、現像を行い、これを各色ごとに繰り返すことで、対応する隔壁22間に各色の蛍光体23を形成することができる。
また、各放電空間24には、放電ガスと呼ばれる希ガスなどのガスが所定の圧力で封入されている。放電ガスとしては、例えばXeの分圧比が数%〜数十%に調整されたXe−Neなどの混合ガスを用いることができる。
PDP1は、上記した前面基板13の表示電極対を形成した面と、背面基板19とを放電空間24を介して対向配置して組み立てることにより得られる。この組み立てる工程には、前面基板13と背面基板19との位置合わせ工程、各基板(前面基板13および背面基板19)の間の外周部を例えばシールフリットと呼ばれる低融点ガラス材料を用いて封止する封止工程、PDP1の内部空間に残るガスを排気して、放電ガスを充填する工程などが含まれる。
PDP1では、一対のX電極14、Y電極15とアドレス電極20との交差に対応して1個のセル25が構成される。つまり、セル25は表示電極対(X電極14とY電極15の対)とアドレス電極20の交差毎に形成される。セル25の平面積は一対のX電極14とY電極15の配置間隔と、隔壁22の配置間隔により規定される。また、各セル25には、赤用の蛍光体23r、緑用の蛍光体23g、または青用の蛍光体23bのいずれかがそれぞれ形成されている。
このR、G、Bの各セル25のセットにより画素(ピクセル)が構成される。つまり、各蛍光体23r、23g、23bはPDP1の発光素子であり維持放電によって発生する所定波長の真空紫外線に励起されて赤(R)、緑(G)、青(B)の各色の可視光を発光する。
なお、図1ではアドレス電極20を背面基板構造体12に形成する例について示したが、アドレス電極20を前面基板構造体11に形成することもできる。この場合、図1に示す誘電体層17を複数層構造として、第1層目の誘電体層で表示電極対を被覆し、この第1層目と第2層目の誘電体層の間にアドレス電極20を形成することができる。
<2.保護層の詳細構造および機能>
次に図1および図2に示す保護層18の詳細な構造および機能について図1〜図10を用いて説明する。図3および図4は図2に示すMgO結晶粒子の一例を示す図であって、図3はMgO結晶単粒子を示す斜視図、図4は3個のMgO結晶単粒子の側面が密着して凝集した凝集体を示す説明図である。また、図5は図2に示すMgO膜とMgO結晶粒子の微視的な関係を示す拡大断面図である。また、図6は図2〜図5に示すMgO結晶粒子を調製するための解砕工程における特に好ましい解砕方法の実施態様を説明するための説明図である。また、図7は図2〜図5に示すMgO結晶粒子を調製するための解砕工程における解砕方法毎のMgO結晶粒子の累積粒度分布を示す説明図である。また図9および図10はそれぞれ本実施の形態に対する比較例であるMgO膜とMgO結晶粒子の微視的な関係を示す拡大断面図である。
図2において、保護層18は誘電体層17の表面に積層されるMgO膜18aと、MgO膜18a上に付着する複数のMgO結晶粒子18bとを備えている。
<2−1.MgO膜>
MgO膜18aは放電空間24(図1参照)との対向面に(111)面の配向面を有している。保護層18には、誘電体層17が放電時のイオンの衝撃により劣化することを防ぐ機能とともに、二次電子を放出して放電の成長、維持を促進する機能が要求される。このため、保護層18には二次電子放出係数の高いMgOが用いられるが、特に放電空間24との対向面を(111)面とすることにより(100)面とした場合よりも高い二次電子放出係数が得られる。PDP1はMgO膜18aの放電空間24との対向面を(111)面とすることにより、二次電子放出係数を向上させることができるので、放電電圧を低減することができる。すなわち、PDP1は消費電力を低減することができる。なお、MgO膜18aの表面の配向は主として(111)面を有しているが、MgO膜18aの表面が(111)面以外の配向面を含んだ実施態様を排除するものではない。
また、MgO膜18aをMgOを主成分として構成されているが、これに耐スパッタ特性や二次電子放出係数を向上させるための添加物(例えばCaOなど)を添加することもできる。この場合、保護層18の耐スパッタ特性あるいは二次電子放出係数をさらに向上させることができる。
MgO膜18aを形成する工程は、例えば電子ビーム蒸着法やスパッタ法のような当該分野で公知な薄膜プロセスで形成することができる。
<2−2.MgO結晶粒子>
<2−2−1.放電遅れについて>
次に、MgO結晶粒子18bは、MgOのみからなってもよいが、結晶構造に影響を与えない程度に少量の別の成分(例えば、フラックスの残渣)を含んでいてもよい。
このMgO結晶粒子18bは、アドレス放電あるいは表示放電などを行う際に放電の種火となるプライミング電子(初期荷電粒子)を放電空間24により多く供給する機能を有している。つまり、複数のMgO結晶粒子18bをMgO膜18a上に付着させることにより、放電空間24内のプライミング電子を増加させることができる。放電空間24内のプライミング電子が増加すると、放電のための電圧を印加してから放電が開始されるまでの時間を短縮することができる。例えば、アドレス放電の場合であれば、図1に示すアドレス電極20とY電極15との間に電圧が印加してからアドレス放電が開始されるまでの時間を短縮することができるので、アドレス放電における放電遅れを短くすることができる。
MgO結晶粒子18bの配置量、すなわちMgO膜18aの表面におけるMgO結晶粒子18bの付着量を多くすると、放電空間24内のプライミング電子の供給量が増加する。
<2−2−2.MgO結晶粒子を付着させることによる課題と解決手段>
しかし、本発明者の検討によれば、MgO結晶粒子18bの付着量を過剰に多くしすぎるとPDP1の表示色に異常が生じる。すなわち、MgO結晶粒子18bを付着させると、MgO結晶粒子18bを付着させない場合と比較して、MgO結晶粒子18bが放電空間に露出する表面積が大きくなる。MgOはCOやHOなどの不純物を吸着し易い性質を有しており、表面積の増大に伴って増加した不純物により蛍光体(特に緑色の発光特性を有する蛍光体)が劣化して緑色の発光が弱くなり、表示色に赤みが増す色ムラ(いわゆる画面内における赤ムラ)が発生する場合がある。MgO結晶粒子18bの付着量が少ない場合、この現象は実効上無視できる程小さいが、付着量が増加するにしたがってこの現象が増大する。本発明者がこの臨界点について実験的に検討を行った結果、MgO膜18aの被覆率が10%を超えると、この現象が特に顕著になる。
また、MgO結晶粒子18bの付着量を過剰に多くしすぎると、放電電圧が上昇することも判った。これは、MgO膜18aの表面がMgO結晶粒子18bで覆われることにより二次電子放出量が低下するためと推察される。
そこで、本実施の形態ではMgO結晶粒子18bの付着量を低減し、MgO膜18aの被覆率を10%以下とした。ここで、「被覆率」とは、MgO結晶粒子18bを分散配置したMgO膜18aの面に対して垂直方向に観察した際の、下地となるMgO膜18aの面積に対するMgO結晶粒子18bの面積の割合である。本実施の形態では、0.6mm×0.6mmの正方形の視野範囲について複数の測定点毎に被覆率を測定し、例えば直線的に10mm間隔で10点の測定点について測定した。視野範囲を0.6mm×0.6mmの正方形としたのは、MgO結晶粒子18bの累積粒度分布と被覆率の測定精度の関係から特に好ましい範囲を設定した。また、測定点の数および測定間隔については、特に限定されるものではないが、精度を向上させるため、測定点は少なくとも10点以上は測定することが好ましい。
本実施の形態のPDP1は上記した全ての視野範囲において、被覆率が10%以下となっている。また、PDP1が有する全てのセル25において被覆率が10%以下となっている。したがって、本実施の形態におけるPDP1は、MgO結晶粒子18bが略均一に分散配置されている。
このようにPDP1が有する全てのセル25において被覆率が10%以下となるようにMgO結晶粒子18bの付着量を低減することにより、PDP1の表示色の異常(赤ムラ)を抑制することができることを実験的に確認した(詳細は後述する)。
また、MgO結晶粒子18bを付着させない場合と比較して、放電電圧の上昇を抑制することができることを確認した。これは、被覆率を10%以下としたことによりMgO膜18aからの二次電子放出量を確保することが出来るためと推察される。
<2−2−3.付着量を少なくすることによる新たな課題と解決手段−1>
ところで、本実施の形態ではMgO結晶粒子18bの付着量が少なくなるので、単にMgO結晶粒子18bの付着量を低減するのみではプライミング電子を十分に供給することができず、結果として放電遅れを短くすることができない。しかし、本発明者が検討した結果、各MgO結晶粒子18bの放電空間24と対向する面の配向を(100)面で揃えて配置することにより、MgO結晶粒子18bの付着量を低減しても放電遅れを短くすることができることが判明した。ここで、「配向が揃う」とは、各MgO結晶粒子18bの結晶面の法線方向が互いに一致していることを意味し、この方向が一致していれば、各MgO結晶粒子18bがその法線周りに回転していても構わない。また、「放電空間24と対向する面の配向が(100)面で揃う」とは、各MgO結晶粒子18bが有する面のうち、放電空間24と対向する面、すなわち、MgO膜18aとの対向面と反対側に位置する面の配向が(100)面で揃うことを意味する。
複数のMgO結晶粒子18bの配向が揃っているかどうか(すなわち、配向の均一性の程度)は、X線回折(XRD;X-Ray Diffract meter)での(200)面の信号強度と(111)面の信号強度との比に基づいて判断することができる。(200)面は、(100)面と等価であり、(200)面の信号は、複数のMgO結晶粒子18bの配向が揃っている場合に強く、複数のMgO結晶粒子18bの配向が揃っていない場合には非常に弱くなる。一方、(111)面の信号は、主にMgO膜18aからの信号であり、複数のMgO結晶粒子18bの配向が揃っているかどうかにはほとんど依存しない。したがって、{(200)面の信号強度/(111)面の信号強度}の値は、複数のMgO結晶粒子18bの放電空間24に対向する面の配向が揃っているかどうかを示す指標となる。具体的にはMgO膜の厚さ1μm当りの(200)面のX線回折信号強度測定を行い、(111)面と(200)面との信号強度比に応じて規格化した後の値と、(111)面のX線回折信号強度の値との比で評価を行い、規格化後の(200)面の値が(111)面の値の等倍以上であれば、放電遅れを短くすることができる。なお、規格化とは、(111)面と(200)面の存在比が1/1の時、実測の信号強度比は11.6/100となるのを勘案し、(111)面を基準として、(200)面の実測の信号強度に0.116を乗じることである。
次に、本実施の形態において、各MgO結晶粒子18bの配向を揃えるための具体的手段について説明する。まず、本実施の形態のMgO結晶単粒子18b1はそれぞれ図3に示すように立方体の形状を成している。また、MgO結晶単粒子18b1は、(100)面の結晶面に囲まれた立方晶であり、全ての結晶面は、物理的及び化学的性質において等価である。したがって、立方体であるMgO結晶単粒子18b1の各表面はそれぞれ(100)面となっている。また、MgO結晶単粒子18b1の一つの面はMgO膜18aの表面と対向接触している。立方体であるMgO結晶単粒子18b1の一つの面をMgO膜18aの表面と対向接触させることにより、その反対側の面の法線方向は一様に揃えることができる。つまり、複数のMgO結晶粒子18bにおける放電空間24との対向面の配向を(100)面でそれぞれ揃えることができる。また、各MgO結晶単粒子18b1の単粒子はそれぞれ立方体の形状であるが、例えば図4に示すように複数個(図4では3個)の立方体のMgO結晶単粒子18b1の側面が密着して凝集した凝集体18cが含まれている。この場合、凝集体18cの一つの面がMgO膜18aの表面と対向接触することとなるが、凝集体18cを構成する各MgO結晶単粒子18b1は立方体なので、反対面(すなわち放電空間24に対向する面)の配向は(100)面が揃うこととなる。このようにMgO結晶粒子18bの放電空間24と対向する面の配向を揃えることにより、MgO結晶粒子18bの付着量を低減した(MgO膜18aの被覆率が10%以下とした)場合であっても放電遅れを短くすることができることが実験的に判明した(詳細は後述する)。
また、MgO結晶単粒子18b1が有する立方体の一つの面をMgO膜18aの表面と対向接触させることにより、MgO膜18aの表面とMgO結晶粒子18bとの接触が安定した面接触となるため、MgO結晶粒子18bの剥離や飛散による部分的特性変化の問題を抑制することができる。
次に、各MgO結晶粒子18bの粒径について説明する。MgO結晶粒子18bの下地である例えば電子ビーム蒸着法で成膜したMgO膜18aの表面は図5に示すように微視的には頭頂部を有する柱状結晶構造の凹凸を持ち、柱状結晶の頭頂間に微細な隙間26がある。柱状結晶の頭頂間隔W1は例えば0.05μm程度である。したがって、図9に示す本実施の形態に対する比較例であるMgO結晶粒子30のように粒径が柱状結晶の頭頂間隔W1の2倍よりも小さい(0.1μm未満の)場合、頭頂間の隙間26に挟まってMgO膜18aと対向接触させられない場合がある。この場合、MgO結晶粒子30が立方体の形状を有している場合でもMgO膜18aと対向接触しないため、放電空間24と対向する面の配向は(100)面ではなくなり配向が揃わない。また、図10に示すように柱状結晶の頭頂間隔W1の2倍以上の粒径を有するMgO結晶粒子31を有していても、頭頂間隔W1の2倍よりも小さい(0.1μm未満の)粒径であるMgO結晶粒子30が含まれていると、隙間26に挟まったMgO結晶粒子30がMgO結晶粒子31とMgO膜18aとの対向接触を阻害する要因となるため、配向が揃わない。
一方、本実施の形態のMgO結晶粒子18bは頭頂間隔W1の2倍よりも小さい(0.1μm未満の)粒径の粒子を含まない、あるいは含んでいても僅かである。したがって図5に示すように下地であるMgO膜18aの表面は実質的に平坦と見なすことができ、配向を揃えるのに都合が良い。なお、配向を揃えるためには、頭頂間隔W1の2倍よりも小さい粒径(0.1μm以下)の粒子を全く含まない態様がより好ましいが、上述したようにX線回折を行った後規格化した後の(200)面の値が(111)面の値の等倍以上であれば、放電遅れを短くすることができるので、この範囲に収まる程度であれば頭頂間隔W1の2倍よりも小さい粒径(0.1μm以下)の粒子が含まれていても放電遅れを改善することはできる。
かかる観点から本発明者がMgO結晶粒子18bの好ましい粒径について実験したところ、累積粒度分布により表せることが判った。すなわち、複数のMgO結晶粒子18bの累積粒度分布における累積50%値が1.26μm以上とした場合に各MgO結晶粒子18bの配向を(100)面で揃え、放電遅れを改善できることが判った。MgO結晶粒子18bの累積粒度分布は、レーザー回折式の粒度分布計を用いて求めることができる。
また、複数のMgO結晶粒子18bの累積粒度分布での累積10%値は、累積50%値の0.5倍以上であることが好ましい。この場合、複数のMgO結晶粒子18b中の微細なMgO結晶粒子18bの割合が小さい。微細なMgO結晶粒子18bは、比較的粒径が大きいMgO結晶粒子18bとMgO膜18aとの間に挟まり、MgO結晶粒子18bとMgO膜18aとの接触を妨げ、複数のMgO結晶粒子18bの配向が揃うのを妨げる原因となる。累積10%値が累積50%値の0.5倍以上である場合、微細なMgO結晶粒子18bの割合が小さくなり、複数のMgO結晶粒子18bの配向を揃えやすい。
また、MgO結晶粒子18bの配向を揃えるためには、上述の通り、MgO結晶単粒子18b1の形状が立方体であることが特に好ましいが、各MgO結晶単粒子18b1の単粒子としての粒径が大きくなると、各MgO結晶粒子18bの粒径にばらつきが生じやすくなる。したがって、例えば図4に示すようにMgO結晶粒子18bが凝集した凝集体18cが含まれる構造とすることがより好ましい。これにより、各MgO結晶単粒子18b1の粒径は所定の粒径よりも小さい場合であっても凝集体18cの凝集の程度を制御することにより、累積粒度分布を所定の範囲内に収めることができる。上記した累積50%値が1.26μm以上という条件は、凝集体18cが含まれる場合には、該凝集体18cを一つの粒子とみなした場合の累積粒度分布の値となる。
また、各凝集体18cの凝集の程度については、凝集体18cを含む複数のMgO結晶粒子18bの累積粒度分布が、単粒子(すなわち凝集していない)のMgO結晶単粒子18b1の累積粒度分布に対して、累積50%値が1.28倍以上であることが好ましい。凝集体18cを小さく解砕しすぎると放電遅れの改善効果が小さくなるためである。この理由は、凝集体18cを過剰に解砕することにより、粒径の小さいMgO結晶粒子18bが増加するためと推察される。また、各MgO結晶単粒子18b1の立方体の形状に欠損が生じやすくなるためとも推察される。
<2−2−4.付着量を少なくすることによる新たな課題と解決手段−2>
MgO結晶粒子18bの付着量を低減するとMgO膜18aの表面におけるMgO結晶粒子18bの分散状態の均一性も問題となる。MgO結晶粒子18bの大きさおよび個数にばらつきがある場合、表示の最小発光単位であるセル25(図1参照)の面積当たりに付着するMgO結晶粒子18bの量がばらつく。このため、PDP1の表示信頼性の観点からは以下の課題が発生する。すなわち、表示放電におけるプライミング電子の供給量がセル毎に異なることとなり、セル25毎の発光がばらつくことになる。すなわち、PDP1を点灯した際に細かい粒子状の明暗ムラ(粒状ムラ)が視認される。また、セル25の面積当たりに付着するMgO結晶粒子18bの量がばらつくと、MgO膜18aの被覆率(上述した視野範囲内の被覆率)もばらつくこととなる。この結果、放電電圧の分布がセル25毎に一様とならず、局所的に必要な放電電圧が高いセル25が発生する原因となる。
そこで、本発明者がMgO結晶粒子18bの分散状態の均一性について実験および検討を行った結果、凝集体18cを含む複数のMgO結晶粒子18bの累積粒度分布が、単粒子(すなわち凝集していない状態)のMgO結晶粒子18bの累積粒度分布に対して、累積50%値が1.43倍以下とすることにより、粒状ムラの顕在化を防止できることが判明した。
例えば、MgO結晶粒子18bをスプレー法により分散配布する場合、過剰に粒径が大きいMgO結晶粒子18bあるいは凝集体18cは、他の粒子と比較して自重が重くなるため、飛散しにくくなる。このため、MgO結晶粒子18bの分散状態の均一性が低下する。つまり、本実施の形態では累積50%値を1.43倍以下とすることにより、粒径が過剰に大きいMgO結晶粒子18bあるいは凝集体18cを排除することができる。このため、MgO結晶粒子18bの分散状態の均一性が向上するので、粒状ムラの顕在化を防止することができる。
<2−3.保護層を形成する工程>
図1および図2に示す誘電体層17の表面に保護層18を形成する工程には、MgO結晶粒子18bを調製する工程と、誘電体層17の表面にMgO膜18aを形成する工程と、MgO膜18aの表面にMgO膜18aの被覆率が10%以下となるように複数のMgO結晶粒子18bを付着させる工程とが含まれる。以下各工程を詳細に説明するが、誘電体層17の表面にMgO膜18aを形成する工程については、前述のように電子ビーム蒸着法やスパッタ法のような当該分野で公知な薄膜プロセスで形成することができるので詳細な説明は省略する。
<2−3−1.MgO結晶粒子を調製する工程>
MgO膜18aの表面に付着させるMgO結晶粒子の調製方法として、気相法により作製する方法が知られている。しかし、本実施の形態のMgO結晶粒子18bは、以下の方法で調製することが特に好ましい。
すなわち、気相法により得られるMgO種結晶とフラックス(MgO種結晶の溶融を促進させる融剤)とを混合した後焼成し、得られた焼成物を解砕することにより調製する。気相法により得られるMgO種結晶は、粒径が小さく、また、粒径のばらつきが大きいので、MgO種結晶自体をMgO膜18a上に散布してもその配向を揃えるのは困難である。一方、上記方法で調製したMgO結晶粒子18bは、粒径が比較的大きく、また、粒径のばらつきを抑制することができる。したがって、このMgO結晶粒子18bをMgO膜18a上に散布するとMgO結晶粒子18bの累積粒度分布を上記した所定の範囲内に収めやすくなるので、配向を揃えやすくなる。
気相法によるMgO種結晶の作製は、例えば、特開2004−182521号公報に記載された方法や、『材料』昭和62年11月号、第36巻第410号の第1157〜1161頁の『気相法によるマグネシア粉末の合成とその性質』に記載された方法で行うことができる。また、気相法で作製したMgO種結晶は、宇部マテリアルズ株式会社から購入してもよい。
また、フラックスはMgO種結晶の溶融を促進する反応促進剤であって、例えば、マグネシウムのハロゲン化物(フッ化マグネシウム等)を用いることができる。フラックスの添加量は、例えば、0.001〜0.1wt%とすることができる。
また、MgO種結晶とフラックス(融剤)との混合物の焼成は、例えば、1000〜1700℃で、1〜5時間行う。得られるMgO結晶粒子18bの粒径は、焼成温度、焼成時間、あるいはフラックスの添加量に比例して大きくなる。また、MgO種結晶の粒径が小さなものほど焼成時の結晶成長の速度が速い。このため、焼成温度、焼成時間、フラックスの添加量に比例して得られるMgO結晶粒子18bの粒径のばらつきが小さくなる。したがって、MgO結晶粒子18bの累積粒度分布が上記した所定の範囲内に収まるように焼成温度、時間及びフラックスの添加量を適宜設定する。また、MgO種結晶の表面には例えば図10に示すような微細なMgO結晶粒子30が付着している場合があるが、上記のようにMgO種結晶を溶融させる方法であれば、MgO種結晶とともに微細なMgO結晶粒子30も溶融するので、得られるMgO結晶粒子18bへの微細なMgO結晶粒子30の付着を防止ないしは抑制することができる。
焼成物は多数のMgO結晶単粒子18b1が凝集した塊体18dとして得られるので、MgO膜18aに付着させる前に予め該塊体18dを解砕する。また、上記のようにフラックスと混合して焼成しない場合であってもMgO結晶粒子18bは水分などの吸着により凝集し易いため、これを解砕する必要がある。MgO結晶粒子18bの形状および累積粒度分布が上記した所定の範囲内に収まるものであれば解砕方法は特に限定されないが、以下の方法で解砕することが特に好ましい。
すなわち、例えば図6に示すように、焼成物などの塊体18dを溶媒中(分散媒)に分散させて第1のスラリ18eを形成し、第1のスラリ18eを加圧しながらオリフィス(絞り孔)27を通過させることにより解砕する。焼成物などの塊体18dが非常に大きい塊で有る場合、溶媒中に分散させる前に予め小塊としておく。この小塊は、例えば、焼成物を乳鉢に入れて、それを乳棒ですり潰すことにより得られる。しかし、上記した所定の累積粒度分布になるまで乳鉢ですり潰すと立方体であるMgO結晶単粒子18b1の一部が欠損し易くなる。したがって、この段階では以下に述べる解砕工程の前処理として、立方体であるMgO結晶粒子18bに欠損が生じない程度に小塊化する。
次に、焼成物などの塊体18dを溶媒中に分散させて第1のスラリ18eを形成する。第1のスラリ18eの分散媒(溶媒)は特に限定されないが、水酸基やカルボニル基やニトリル基のような極性の高い分子構造を持ち、MgO結晶粒子18bの結晶構造をおかさない化合物が好ましく、2−プロパノール(イソプロピルアルコール、IPA)のようなアルコールが特に好ましい。スラリ中におけるMgO結晶粒子18bの濃度は、例えば0.01〜2wt%とする。この濃度の範囲内であれば、MgO結晶粒子18bをMgO膜18a上に分散配布する際にスプレー法を用いる場合に、解砕後の第2のスラリ18fをそのまま(例えば連続的に)用いることができる。
次に解砕工程として、塊体18dが溶媒中に分散された第1のスラリ18eを解砕装置のポンプ(高圧ポンプ)Pの送液圧力により図の矢印28に示す方向に送り込み、第1のスラリ18eを加圧しながらオリフィス27を通過させることにより解砕する。第1のスラリ18e中のMgO結晶単粒子18b1の凝集体である塊体18dは、加圧しながらオリフィス27を通過する際に発生する剪断力により解砕され、第2のスラリ18fを得る。ポンプPには、例えばプランジャポンプなどを用いることができる。また、オリフィス27は第1のスラリ18eが通過する際に発生させる必要のある剪断力に応じて、孔径や孔形状を適宜調整することができる。なお、図6では解砕装置の例として、流体である第1のスラリ18eの流路を複数(図6では2つ)に分流し、各流路がオリフィス27に接続される手前で合流させる方法を示している。この場合、第1のスラリ18eに含まれる塊体18d同士がオリフィス27に流入する際に衝突し、この衝撃により解砕される場合もある。
このような解砕装置としては、例えば、吉田機械興業(株)製の微粒化装置「ナノマイザー(登録商標)」を用いることができる。この方法によれば、凝集体をすり潰すメディアを用いずに解砕するので、解砕工程での異物の混入を防止することができる。また、オリフィス27を通過させる回数あるいは送液圧力などを調整することにより、凝集の程度(凝集度)を制御することができる。また、凝集体に加わる負荷(剪断力)も制御することができるので、MgO結晶単粒子18b1の立方体形状の欠損を防止ないしは抑制することができる。
解砕後の第2のスラリ18f中における凝集体18cを含むMgO結晶粒子18bの累積粒度分布は、凝集体18cを含まない複数のMgO結晶単粒子18b1の粒度分布に対して、累積50%値が1.28倍以上、かつ、1.43倍以下とすることが好ましい。MgO膜18aの表面にMgO結晶粒子18bを付着した複数のMgO結晶粒子18bの累積粒度分布を上記した所定の範囲内に収めるためである。
なお、MgO結晶粒子18bの立方体形状の保形性の観点からは上記の方法が最も好ましいが、焼成物を解砕する別の方法としてボールミルを用いることもできる。ボールミルを用いて解砕する場合には、一例として球石にジルコニアを用いて解砕することができる。この場合、球石の量や処理時間を変える事で凝集度を制御することができる。なお、ボールミルで解砕を行う場合にも上記で説明した第1のスラリ18eを用意して、この第1のスラリ18e中に含まれるMgO結晶単粒子18b1の塊体18dを解砕する点は同様である。
図7に上記した第1のスラリ18eをボールミルあるいは微粒化装置で処理した時の累積粒度分布を示す。図7に示す(A)、(B)、(C)の曲線は(A)はボールミルで処理を行った場合、(B)は微粒化装置で3回解砕処理を行った場合、(C)は微粒化装置で1回解砕処理を行った場合について示している。ボールミルで処理したものは微粒化装置で処理したものよりも累積粒度分布が小さくなる傾向がある。(A)では、凝集体18cを含まない状態(すなわちMgO結晶単粒子18b1となる状態)まで解砕されており、(B)および(C)では凝集体18cを含んだ状態となっている。これらを比較すると(A)、(B)、(C)の順で累積粒度分布の値が累積10%値、累積50%値、累積90%値の全てで高い。また、特に累積10%値についてみると、(A)では0.60であるのに対し、(B)では0.77、(C)では0.94となっていた。これは、微粒化装置のようにメディアを用いずに、第1のスラリ18eを加圧しながらオリフィス27を通過させることにより塊体18dを解砕する方法であれば、MgO結晶粒子18bの欠損を抑制することができるので、微細な粒子の発生が少なくなるためと推察される。また、(B)と(C)の比較では、処理回数を調整することにより、凝集の程度が制御できていることが判る。
<2−3−2.MgO膜の表面に複数のMgO結晶粒子を付着させる工程>
MgO膜18aの表面に複数のMgO結晶粒子18bを付着させる方法は、(凝集体18cを含む;以下本項において同じ)MgO結晶粒子18bを均一に分散させることができれば、特に限定されないが、以下に説明するスプレー法はMgO結晶粒子18bを均一に分散させられる点で特に好ましい。
スプレー法では、MgO結晶粒子18bが分散されたスラリ(例えば、<2−3−1>で説明した解砕後の第2のスラリ18f)をスプレーガンと呼ばれる噴霧装置から吐出して付着させる。スプレーガンとしては、第2のスラリ18fと空気とを2液化状態に霧化して吐出するいわゆる2流体エア霧化方式のものを用いることができる。
スラリ中のMgO結晶粒子18bの濃度は、0.01〜2wt%である。またこの時、第2のスラリ18fを霧化するための空気の圧力(霧化圧)を調整することにより、霧化された第2のスラリ18fの液滴の大きさを調整することができるので液滴中でのMgO結晶粒子18bの再凝集、あるいはMgO膜18aへの付着不良を防止することができる。また、MgO結晶粒子18bは、MgO膜18a上の全面または一部に付着させることができる。
また、本実施の形態では、MgO結晶粒子18bの累積粒度分布を<2−2−3>、<2−2−4>で説明したように所定の範囲内に調整しているので、各液滴はMgO結晶粒子18bを伴って、一様に分散する。この結果、MgO膜18aの表面上の全ての視野範囲において10%以下の被覆率で均一に付着させることができる。
<3.効果検証実験>
次に、以上に説明した本実施の形態のPDP1における各構成についての効果を検証するため、本発明者が行った検証実験の結果について説明する。図8は本実施の形態の効果検証実験の結果を示す説明図である。
図8に示す効果実証実験では、単粒子の状態(凝集がない状態)での累積粒度分布に対して、第2のスラリ18f中のMgO結晶粒子18bの累積50%値が1.00倍(比較例1)から2.18倍(比較例5)までの第2のスラリ18fを用意して、放電遅れおよび点灯時の画面内における明暗のムラ(粒状ムラ)を比較することにより、本実施の形態で説明した構成による効果を実証した。以下比較例1〜5および実施例1〜6の調製条件などについて順に説明する。
<3−1.MgO結晶粒子の調製条件>
MgO結晶粒子18bの調製方法は以下である。まず、MgO種結晶(宇部マテリアルズ株式会社製、商品名:気相法高純度超微粉マグネシア(2000A))にフラックスとしてMgF2(フルウチ化学株式会社製、純度:99.99%)を48ppm添加した。これを乳鉢と乳棒ですり潰すことによって混合及び粉砕を実施した。次に、混合及び粉砕後の上記原料を大気中で、焼成時間を1時間、温度を1450℃で焼成を行い、MgO結晶粒子18bの焼成物を得た。次に乳鉢と乳棒を用いて得られた焼成物を塊体18dに解砕した。
得られた塊体18dの一部をIPA(関東化学株式会社製、電子工業用)に混合し、球石にジルコニアを用いてボールミルで凝集体18cがなくなる状態(MgO結晶単粒子18b1)まで解砕処理を行い凝集のないスラリ(凝集体18cが含まれていない点で第2のスラリ18fとは異なる)を得た。また、得られた塊体18dの別の一部はIPAに混合した後、微粒化装置を用い、処理回数を変える事で凝集が制御された(すなわち、凝集体がない状態に対する累積50%値が制御された)第2のスラリ18fを得た。
ここで得られたMgO結晶粒子18bについて、レーザー回折式の粒度分布計(型式:LA−300、(株)堀場製作所製)を用いて累積粒度分布を求めた。求めた結果は図8に示している。なお、図8において「凝集なし」とは、上述のボールミルで解砕処理したスラリ中、「凝集制御」とは上述の凝集が制御された第2のスラリ18f中におけるそれぞれMgO結晶粒子18bの累積50%値を示す。また、累積50%値の右欄には単粒子の状態(凝集がない状態)でのスラリ中の累積50%値に対する、凝集が制御された第2のスラリ18f中の累積50%値の比を示す。
<3−2.MgO膜への分散配布条件>
次に、MgO膜18aの表面に塗装用スプレーガンを用いて凝集が制御された第2のスラリ18fをスプレー塗布し、MgO結晶粒子18bをMgO膜18aの表面に付着させた。スプレーガンは、2流体エア霧化方式のものを用いた。第2のスラリ18f中のMgO結晶粒子18bの濃度は0.6wt%、スプレーガンにかかる霧化圧は、180kPaに設定した。MgO結晶粒子18bは、MgO結晶粒子18bの密度が1m当り0.1gとなるように付着させた。
<3−3.PDPのその他の製造条件>
図8に示す比較例1〜5および実施例1〜6の各PDPのその他の製造条件は、以下の通りである。図1に示すようにガラスからなる前面基板13上に表示電極対(X電極14、Y電極15)、誘電体層17、保護層18(MgO膜18aおよびその上に付着した配向の揃った複数のMgO結晶粒子18b)を形成することによって前面側基板構造体11を作製した。また、ガラスからなる背面基板19上にアドレス電極20、誘電体層21、隔壁22及び蛍光体23を形成することによって背面側基板構造体12を作製した。次に、前面側基板構造体11と背面側基板構造体12とを重ね合わせて周縁部を封着材で封止することによって内部に気密な放電空間を有するパネルを作製した。次に、放電空間24内を排気後、放電ガスを封入し、PDPを完成させた。
各基板構造体の条件は以下である。
(前面側基板構造体11)
X、Y透明電極14a、15aの幅:270μm
X、Yバス電極14b、15bの幅:95μm
放電ギャップの幅:100μm
誘電体層17:低融点ガラスペーストの塗布焼成により形成、厚さ:30μm
MgO膜18a:電子ビーム蒸着によるMgO膜、厚さ:1.1μm
(背面側基板構造体12)
アドレス電極20の幅:70μm
誘電体層21:低融点ガラスペーストの塗布焼成により形成、厚さ:10μm
アドレス電極20の真上での各蛍光体23の厚さ:20μm
隔壁22の高さ:140μm 頂部での幅:50μm
隔壁22のピッチ:360μm
放電ガス:Ne96%−Xe4%、500Torr。
<3−4.点灯試験および評価>
次に、製造した各PDPについて点灯試験を行いMgO膜18aの被覆率、赤ムラの有無、放電電圧、放電遅れ、X線回折信号強度測定および粒状ムラを評価した。点灯試験の結果は図8に合わせて示している。
まず、被覆率、赤ムラの有無、放電電圧の評価結果について説明する。被覆率の測定では視野範囲を分割して10点の測定点について被覆率を測定したが、比較例1〜5および実施例1〜6は全ての測定点でMgO膜18aの被覆率が10%以下であった。また、各PDPについて8時間のいわゆるエージング処理を施し、目視にて前述した赤ムラの確認を行ったが、比較例1〜5および実施例1〜6の全てについて赤ムラは確認出来なかった。不純物により蛍光体23が劣化する場合、8時間程度のエージング処理を施せば、赤ムラが顕在化することから、図8に示す比較例1〜5および実施例1〜6はMgO膜18aの被覆率を10%以下とすることにより、赤ムラの顕在化を防止することができたと考えられる。また、図8には示していないが、MgO膜18aの表面にMgO結晶粒子18bを付着させないPDPも作成し、このPDPと比較例1〜5および実施例1〜6の各PDPの放電電圧を測定したが、放電電圧の上昇も認められなかった。したがって図8に示す比較例1〜5および実施例1〜6はMgO膜18aの被覆率を10%以下とすることにより、放電電圧の上昇を防止することができたと考えられる。
次に、放電遅れの評価結果について説明する。放電遅れ試験では、アドレス電極20に電圧を印加し、この電圧印加時から実際に放電が開始されるまでの時間を測定した。放電開始までの時間は1000回測定し、評価方法は1000回の測定データのうち、95%以上が放電を開始するまでの時間(累積放電成功確率が95%の値)を評価した。放電遅れが改善されているかどうかの判定については、上記累積放電成功確率が95%の値が1.1μm未満の比較例あるいは実施例には○を、上記累積放電成功確率が95%の値が1.1μm以上の比較例あるいは実施例には×をそれぞれ付している。放電遅れの改善効果を判定する閾値を1.1μmとした理由は以下である。すなわち、PDP1をフルハイビジョンの規格に適合させる場合を勘案して決定した。詳しくは、フルハイビジョン規格に適合するPDP1において、1フィールド(16.7m秒)を10のサブフィールドに分割しプログレッシブ方式で駆動させる場合を考えると、1サブフィールドあたりの時間は約1.7m秒である。この時間内に1080回のアドレス放電のスキャンを行うので、アドレス放電における放電遅れは少なくとも1.6μ秒(1.7m秒/1080回)未満である必要がある。また、1サブフィールド内で維持放電と初期化放電(いわゆるリセット放電とも呼ばれる放電)も行う必要があるため、これらに要する時間を鑑みて1.1μ秒を閾値とした。
図8において、MgO結晶単粒子18b1の累積粒度分布に対して、累積50%値が1.24倍以下である比較例1および比較例2はいずれも放電遅れの改善効果が確認できなかった。一方、1.28倍以上である実施例1〜6および比較例3〜5ではいずれも放電遅れを改善することができた。
各比較例、実施例についてX線回折信号強度測定を行い、上述した規格化を行った結果、比較例1および比較例2についてはいずれもMgO膜18aの厚さ1μm当りの(111)面のX線回折信号強度に対して等倍未満であった。一方実施例1〜6および比較例3〜5ではいずれも等倍以上であった。この結果から、MgO結晶単粒子18b1の累積粒度分布に対して、凝集体18cを含むMgO結晶粒子18bの累積粒度分布の累積50%値を1.28倍以上とすることにより、各MgO結晶粒子18bの配向を(100)面で揃えることができ、この結果放電遅れを改善できることが判った。また、配向を揃える程度は、X線回折信号強度を測定することにより判断することができ、上述した規格化を行った後の{(200)面の信号強度/(111)面の信号強度}の値を等倍以上となる時に、放電遅れが改善されることが判った。
次に、明暗のムラ(粒状ムラ)の評価結果について説明する。粒状ムラの試験は、目視によって行い、ムラが視認できない(すなわち顕在化していない)比較例あるいは実施例には○を、視認できた(顕在化した)比較例あるいは実施例には×をそれぞれ付している。粒状ムラの評価結果は、図8に示すようにMgO結晶単粒子18b1の累積粒度分布に対して、累積50%値が1.67倍以上である比較例3〜5はいずれも粒状ムラが視認された。一方、1.43倍以下である実施例1〜6ではいずれもいずれも粒状ムラが視認されなかった。この結果からMgO結晶単粒子18b1の累積粒度分布に対して、凝集体18cを含むMgO結晶粒子18bの累積粒度分布の累積50%値を1.43倍以下とすることにより、粒状ムラの顕在化を防止することができることが判った。
以上説明したように、MgO結晶単粒子18b1の累積粒度分布に対して、凝集体18cを含むMgO結晶粒子18bの累積粒度分布の累積50%値を1.28倍以上、1.43倍以下の凝集状態とすることにより、放電遅れを短くしつつ、かつ、明暗のムラ(粒状ムラ)の顕在化を防止することができることが実験的に検証された。
また、本実施の形態によれば、MgO結晶粒子18bを分級するなどの新たな工程を追加することなく、MgO結晶粒子18bの累積粒度分布を所定の範囲内に収めることができるので、製造効率の低下を抑制することができる。なお、本実施の形態では、第1のスラリ18e中の塊体18dを解砕する工程が含まれているが、MgOの単結晶体は凝集性が高く、例えば上述したMgO種結晶をMgO結晶粒子としてそのまま用いる場合であっても何らかの方法で凝集体を解砕する必要があるので、本工程をおこなっても製造工程は特に増加しない。
<3−5.関連実験>
次に、関連実験としてMgO結晶粒子18bの分散状態の均一性を確認するための試験を行った。MgO結晶粒子18bの分散状態の均一性を示す指標としてはMgO膜18aの被覆率の標準偏差の3倍を被覆率の平均値で除した値を用いた。この値が20%を超えると、被覆率のばらつきにより、粒状ムラが顕在化することが判っている。ここで、「標準偏差」とは各測定視野毎の被覆率の標本に基づいて予測した被覆率の標準偏差を意味する。このように「MgO膜18aの被覆率の標準偏差の3倍を被覆率の平均値で除した値」を指標として用いた理由は、以下である。すなわち、被覆率の分布が正規分布であると仮定して標準偏差をσとすると、平均値+/−3σの中に全データの99.73%が含まれるため測定値のばらつきの広さを3σで表した。また、相対的に比較するために平均値に対するばらつきの広さを表す目的で3σを平均値で除した。
MgO膜18aの被覆率の標準偏差の3倍を被覆率の平均値で除した値を測定したところ、実施例1〜6については全て20%以下となっていることを確認した。つまり、本実施の形態によれば、MgO結晶単粒子18b1の累積粒度分布に対して、凝集体18cを含むMgO結晶粒子18bの累積粒度分布の累積50%値を1.28倍以上1.43倍以下の凝集状態とすることにより、セル25(図1参照)毎の累積粒度分布のばらつきを小さくすることができる。このように、セル25(図1参照)毎の累積粒度分布のばらつきを小さくすることにより、放電遅れ(特に統計遅れ)を改善することができたものと推察される。また、粒状ムラについても、セル25(図1参照)毎の累積粒度分布のばらつきを小さくすることにより、顕在化が防止できたものと推察される。
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明は、例えば、パーソナルコンピュータやワークステーション等のディスプレイ装置、平面型のテレビ受像器、あるいは、広告や情報等を表示するための装置として利用されるプラズマディスプレイ装置に用いるプラズマディスプレイパネルに対して幅広く適用することができる。
本発明の一実施の形態であるPDPの要部を拡大して示す要部拡大組み立て斜視図である。 図1に示す前面基板構造体の上下を反転させて保護層の表面状態を示す要部拡大斜視図である。 図2に示すMgO結晶粒子の一例を示す図であって、MgO結晶単粒子を示す斜視図である。 図2に示すMgO結晶粒子の一例を示す図であって、3個のMgO結晶単粒子の側面が密着して凝集した凝集体を示す説明図である。 図2に示すMgO膜とMgO結晶粒子の微視的な関係を示す拡大断面図である。 図2〜図5に示すMgO結晶粒子を調製するための解砕工程における解砕方法の実施態様の一例を説明するための説明図である。 図2〜図5に示すMgO結晶粒子を調製するための解砕工程における解砕方法毎のMgO結晶粒子の累積粒度分布を示す説明図である。 本発明の一実施の形態の効果検証実験の結果を示す説明図である。 本発明の一実施の形態に対する比較例であるMgO膜とMgO結晶粒子の微視的な関係を示す拡大断面図である。 本発明の一実施の形態に対する他の比較例であるMgO膜とMgO結晶粒子の微視的な関係を示す拡大断面図である。
符号の説明
1 PDP(プラズマディスプレイパネル)
11 前面基板構造体(第1基板構造体)
12 背面基板構造体(第2基板構造体)
13 前面基板(第1基板)
13a 第1の面(表面)
14 X電極(表示電極)
14a X透明電極
14b Xバス電極
15 Y電極(表示電極)
15a Y透明電極
15b Yバス電極
17 誘電体層
18 保護層
18a MgO膜
18b、30、31 MgO結晶粒子
18b1 MgO結晶単粒子
18c 凝集体
18d 塊体
18e 第1のスラリ
18f 第2のスラリ
19 背面基板(第2基板)
20 アドレス電極
21 誘電体層
22 隔壁
23、23r、23g、23b 蛍光体
24 放電空間
25 セル
26 隙間
27 オリフィス(絞り孔)
28 矢印
W1 頭頂間隔

Claims (11)

  1. 放電ガスを封入して形成された放電空間を介して対向する一対の基板構造体を備え、前記一対の基板構造体の一方は、基板上に配置された複数の表示電極対と、前記複数の表示電極対を被覆する誘電体層と、この誘電体層を被覆する保護層とを有し、
    前記保護層は、前記誘電体層の表面に積層されるMgO(酸化マグネシウム)膜と、前記MgO膜上に付着する複数のMgO結晶粒子とを備え、
    前記MgO膜の表面の被覆率は10%以下であり、
    前記MgO結晶粒子には、複数のMgO結晶単粒子が凝集した凝集体が含まれ、前記凝集体を含む前記複数のMgO結晶粒子の累積粒度分布は、前記複数のMgO結晶単粒子の累積粒度分布に対して、累積50%値が1.28倍以上、かつ、1.43倍以下であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  2. 請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記複数のMgO結晶粒子は、前記放電空間と対向する面の配向が(100)面で揃うように配置されていることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  3. 請求項1または請求項2に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記MgO膜は前記放電空間と対向する表面に(111)面の配向を有し、
    前記保護層について、(200)面のX線回折信号強度測定を行い、(111)面と(200)面との信号強度比に応じて規格化した後の値は、前記MgO膜の厚さ1μm当りの(111)面のX線回折信号強度の等倍以上であることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記複数のMgO結晶単粒子は、それぞれ立方体の形状を有していることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記複数のMgO結晶粒子は、気相法により得られるMgO種結晶と前記MgO種結晶の溶融を促進させる融剤とを混合した後焼成し、得られた焼成物を解砕することにより得られることを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  6. 請求項5に記載のプラズマディスプレイパネルにおいて、
    前記焼成物の解砕は、前記焼成物を溶媒中に分散させてスラリを形成し、前記スラリを加圧しながらオリフィスを通過させることにより解砕することを特徴とするプラズマディスプレイパネル。
  7. 第1基板の一方の面に表示電極対を形成する工程と、
    前記表示電極対を被覆するように誘電体層を形成する工程と、
    前記誘電体層の表面に保護層を形成する工程とを有し、
    前記保護層を形成する工程には、
    複数のMgO結晶粒子を調製する工程と、
    前記誘電体層の表面にMgO(酸化マグネシウム)膜を形成する工程と、
    前記MgO膜の表面に前記MgO膜の被覆率が10%以下となるように前記複数のMgO結晶粒子を付着させる工程とが含まれ、
    前記複数のMgO結晶粒子を付着させる工程では、前記複数のMgO結晶粒子における前記MgO膜との対向面と反対側に位置する面の配向が(100)面で揃うように配置され、
    前記複数のMgO結晶粒子を調製する工程は、
    複数のMgO結晶単粒子が凝集した塊体を溶媒中に分散させて第1のスラリとした後、前記第1のスラリ中の前記塊体を解砕して第2のスラリとする工程を有し、
    前記第2のスラリ中における前記MgO結晶粒子には、前記複数のMgO結晶単粒子が凝集した凝集体が含まれ、前記凝集体を含む前記複数のMgO結晶粒子の累積粒度分布は、前記複数のMgO結晶単粒子の粒度分布に対して、累積50%値が1.28倍以上、かつ、1.43倍以下であることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  8. 請求項7に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    前記複数のMgO結晶単粒子は、それぞれ立方体の形状を有していることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  9. 請求項7または請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    前記塊体の解砕は、前記塊体を溶媒中に分散させて前記第1のスラリを形成し、前記第1のスラリを加圧しながらオリフィスを通過させることにより解砕することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  10. 請求項7または請求項8に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    前記複数のMgO結晶粒子を調製する工程には、
    気相法により得られるMgO種結晶と前記MgO種結晶の溶融を促進させる融剤とを混合した後焼成し、得られた焼成物を解砕する工程が含まれることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
  11. 請求項10に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
    前記焼成物の解砕は、前記焼成物を溶媒中に分散させて前記第1のスラリを形成し、前記第1のスラリを加圧しながらオリフィスを通過させることにより解砕することを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
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